説明

印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム

【課題】一枚の印刷媒体に対して複数のページを面付けして印刷する場合に、不良ページ
を再面付けして再印刷することができなかった。
【解決手段】複数のページの画像を示す画像データを取得し、前記画像データに基づいて
複数の前記ページを印刷媒体に面付けし、前記面付けに従って印刷部に印刷を実行させ、
前記印刷後の印刷媒体を検査する検査部の出力情報に基づいて不良ページを示す不良ペー
ジ情報を取得し、前記不良ページ情報に基づいて、前記不良ページを印刷するための再面
付けを行い、前記印刷部に当該再面付けに基づく再印刷を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面付けして印刷した場合の不良ページを再印刷する印刷制御装置、方法およ
びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷済の印刷媒体をカメラで撮影し、撮影結果に基づいて印刷不良の有無を検査
し、不良が発生している場合には当該不良ページを破棄して再印刷する印刷システムが知
られている(例えば、特許文献1〜3)。
【特許文献1】特開平9−216440号公報
【特許文献2】特開平9−240120号公報
【特許文献3】特開2006−297739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術においては、一枚の印刷媒体に対して複数のページを面付けして印刷する場
合に、不良ページを再面付けして再印刷することができなかった。すなわち、従来の技術
においては、不良ページの除去や両面時の再印刷等について開示されているが、複数のペ
ージを一枚の印刷媒体に面付けする印刷については開示されていない。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、一枚の印刷媒体に対して複数のペー
ジを面付けして印刷する場合であっても不良ページを適切に再面付けして再印刷すること
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するため、本発明においては、印刷媒体を検査する検査部の出力情報
に基づいて、複数のページを印刷媒体に面付けして印刷を行った場合の不良ページを示す
不良ページ情報を取得する。そして、当該不良ページ情報に基づいて、不良ページを印刷
するための再面付けを行い、印刷部に当該再面付けに基づく再印刷を実行させる。このた
め、複数のページを印刷媒体に面付けして印刷した各ページの一部または全部に印刷不良
が発生したとしても、その不良ページは印刷媒体に対して再面付けされるので、不良ペー
ジを再印刷する際に適切な印刷結果を得ることができる。例えば、特定の綴じ方で印刷す
るように面付けを行ったページが不良ページとなった場合、綴じ方によっては不良ページ
の印刷媒体上での印刷位置が限定され、また、他のページの再印刷が必要になるなど、適
切な再印刷に再面付けが必要になる場合がある。そこで、本発明は不良ページを印刷する
ための再面付けを行って再印刷を行う。この結果、不良ページを適切に再印刷することが
できる。
【0005】
ここで、面付け処理手段は、複数のページを印刷媒体に面付けする処理を行うことがで
きれば良く、画像データに含まれる印刷条件や利用者が指示する印刷条件に従って複数の
ページを印刷媒体に面付けする。例えば、印刷媒体の大きさ、ページの大きさ、両面印刷
の有無、綴じ方等を指定した印刷条件によれば、印刷媒体へのページの面付けを特定する
ことが可能であるため、公知のアルゴリズムによって面付けを行う。
【0006】
印刷制御手段は、面付けに従って印刷部に印刷を実行させることができれば良く、面付
けに従って各ページを印刷させるためのデータを印刷部に出力し、印刷を実行させればよ
い。むろん、ここでは、必要に応じて画像データに対して所定の処理を行っても良く、例
えば、画像データに対して補間処理や色変換処理、ハーフトーン処理等を行って画素毎の
データを生成し、当該データに基づいて画素毎にインクやトナーを記録するように印刷部
を制御することができればよい。
【0007】
不良ページ情報取得手段は、検査部の出力情報に基づいて不良ページ情報を取得するこ
とができれば良く、当該不良ページ情報は再面付け行う際に不良ページを特定可能に構成
されていればよい。例えば、複数のページから不良のページを特定するための情報として
のページ番号によって不良ページ情報を構成してもよいし、他の情報、例えば、不良ペー
ジの印刷位置を示す情報や不良ページが印刷された印刷媒体を特定するための情報等を不
良ページ情報に含めても良い。
【0008】
なお、検査部は、印刷後の印刷媒体を検査することができれば良く、印刷部による印刷
後の印刷媒体を撮影するカメラや当該印刷媒体に印刷された画像を読み取るスキャナ等に
よって構成することが可能である。すなわち、カメラやスキャナの出力情報が示す画像と
、印刷したページの画像データが示す画像とを比較することによって、ドットの抜けやイ
ンク,トナー等の不正な記録等を不良として特定することが可能である。
【0009】
再印刷制御手段は、不良ページ情報に基づいて、不良ページを印刷するための再面付け
を行い、当該再面付けに基づく再印刷を実行させることができればよい。すなわち、少な
くとも不良ページを再度面付けし、印刷条件に応じて必要があれば不良ページとともに他
のページを再度面付けする。そして、当該面付けした不良ページ(他のページも面付けし
た場合には当該他のページを含む)を再印刷する。この結果、適切な面付けを行った状態
で再印刷を実行することが可能になる。むろん、再印刷に際しては、印刷制御手段と同様
に適宜必要な画像処理を行えばよい。なお、印刷部においては、再印刷を行うための機構
と、再印刷以前の初回印刷を行うための機構とを共通の機構で構成してもよいし、別個の
機構で構成してもよく種々の構成を採用可能である。
【0010】
さらに、複数のノズルからインクを吐出して画像を印刷するインクジェット方式に適用
して好適な構成例として、各画素に対してインクを吐出するインク吐出ノズルを、初回の
印刷時と再印刷時とにおいて一致させる構成を採用しても良い。インクジェット方式にお
いては、ノズル毎にインクの吐出特性が異なるため、一般に、インク吐出ノズル毎に基準
吐出量のずれを補正しながら各ノズルにおけるインクの吐出量を規定した印刷データを生
成する。すなわち、ハーフトーン処理を行って各画素を形成する際のインク吐出量を決定
するが、この処理のとき、あるいは処理の前後にノズル毎に基準吐出量からのずれを補正
して印刷を行うように印刷データを生成する。従って、この構成において印刷データは、
各ページを印刷媒体に面付けした状態における各画素に対応する各インク吐出ノズルのイ
ンク吐出量を規定し、かつ、上述の補正を含めた状態で各インク吐出ノズルのインク吐出
量を規定している。
【0011】
そこで、当該印刷データに基づいて前記不良ページを印刷したときの各画素と各インク
吐出ノズルとの対応関係が維持されるように、当該印刷データに基づいて再面付けを行う
。この構成によれば、インク吐出量の補正を含めた処理を再度実行することなく印刷デー
タを流用しても、適切な補正がなされた状態で再印刷を実行するための再面付けを行うこ
とができる。
【0012】
なお、当該構成は、印刷媒体の搬送方向に垂直な方向の印刷範囲を網羅するインク吐出
ノズルを備えたインクヘッドに適用しても良いし、インクヘッドによって印刷媒体の搬送
方向に垂直な方向の印刷範囲の一部または全部を走査する構成に適用しても良い。前者に
おいては、初回印刷時と再印刷時とで印刷媒体の搬送方向に垂直な方向の位置を変えずに
不良ページを再面付けし、ページ先頭以降での走査方式を共通の方式とすれば、各画素と
各インク吐出ノズルとの対応関係を一致させることができる。後者においては、印刷媒体
の搬送方向に垂直な方向の位置を変えて不良ページを再面付けしても、各画素と各インク
吐出ノズルとの対応関係を一致させることは可能である。
【0013】
さらに、初回の印刷時と再印刷時とにおいて同じ印刷データを流用することで、各画素
と各インク吐出ノズルとの対応関係を維持する構成を原則としつつも、必要に応じて印刷
媒体の無駄を省く処理を実施する構成としても良い。すなわち、各画素と各インク吐出ノ
ズルとの対応関係を、初回の印刷時と再印刷時とで一致させることにより、印刷媒体に空
きスペースが発生する場合、前記再面付けにおいて当該空きスペースに不良ページを面付
けする。この場合、当該空きスペースに面付けされた不良ページに関しては上述の対応関
係を維持できないが、空きスペースを埋めることで印刷媒体に無駄な空きスペースを発生
させることなく再印刷を行うことが可能になる。むろん、この場合であっても一部の不良
ページを印刷するための印刷データは初回印刷時のデータを流用することが可能である。
【0014】
さらに、適切な再印刷を行うための構成例として、両面印刷時に不良ページの裏面を面
付けして印刷を行う構成を採用可能である。すなわち、面付け処理手段において印刷媒体
の両面にページを面付けして印刷を行った場合には、再印刷制御手段において不良ページ
と当該不良ページの裏に面付けされていたページとを印刷媒体の表裏に再面付けする。こ
の構成によれば、両面印刷時であっても適切な再印刷を行うための再面付けを行うことが
できる。
【0015】
さらに、再面付けの際に印刷媒体の無駄を省く構成を採用しても良い。例えば、面付け
対象となる複数のページの大きさが相互に異なり得る場合、できるだけ空きスペースが発
生しないように再面付けを行うことが好ましい。すなわち、大きさが異なり得る複数の不
良ページの再面付けを行う際に、前記不良ページの面積の大きさ順に、各不良ページを面
付け可能な印刷媒体の空きスペースを検索し、面付け可能な前記空きスペースに逐次各不
良ページを面付けする。この構成によれば、空きスペースができるだけ少なくなるように
再面付けを行うことが可能になり、印刷媒体の無駄を省くことが可能である。なお、空き
スペースの検索に際しては、予め印刷媒体に通し番号を設定しておき、当該通し番号が小
さい印刷媒体から順に空きスペースを検索すればよい。
【0016】
さらに、本発明のように不良ページを再面付けして再印刷する手法は、プログラムや方
法としても適用可能である。また、以上のような印刷制御装置、プログラム、方法は、単
独の印刷制御装置として実現される場合もあれば、複数の装置を組み合わせることによっ
て実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、コンピュータと印刷制
御装置が協働することによって本発明にかかる印刷制御装置や方法、プログラムを提供す
ることが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりす
るなど、適宜、変更可能である。さらに、印刷制御装置を制御するプログラムの記録媒体
としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であっ
てもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体において
も全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷制御装置の構成:
(2)印刷制御処理:
(2−1)印刷例1:
(2−2)印刷例2:
(2−3)印刷例3:
(3)第2実施形態:
(3−1)印刷例:
(4)第3実施形態:
(4−1)印刷例:
(5)他の実施形態:
【0018】
(1)印刷制御装置の構成:
図1は、コンピュータを本発明にかかる印刷制御装置10として機能させる実施形態を
示すブロック図である。印刷制御装置10は、RAM,ROM,CPU等を備える制御部
20を備えており、ROM等に記録されたプログラムを制御部20で実行することができ
る。本実施形態においては、このプログラムの一つとして印刷制御プログラム21を実行
可能であり、当該印刷制御プログラム21はその機能の一つとしてページを印刷媒体に面
付けして印刷し、不良ページについては再面付けして再印刷する機能を備えている。
【0019】
また、印刷制御装置10は、外部機器との図示しないインタフェースを備えており、当
該インタフェースを介して他のコンピュータや記録媒体等に記録された画像データ41を
取得する。さらに、印刷制御装置10は、インタフェースを介して印刷部30や検査部3
1に接続されている。印刷部30は、複数のインク吐出ノズルを備えた印刷ヘッド30a
と印刷媒体Pを搬送する搬送部30bとを備えており、搬送部30bにて印刷媒体Pを搬
送しながらインク吐出ノズルからインクを吐出させ、画像を印刷することができる。なお
、本実施形態における印刷ヘッド30aは、印刷媒体Pの搬送方向Dに垂直な方向に沿う
当該印刷媒体Pの全長に渡ってインクを吐出することが可能である。すなわち、印刷部3
0は、印刷媒体Pの搬送方向に垂直な方向には走査を行わない方式にて印刷を行う。検査
部31は、搬送部30bにて搬送される印刷媒体Pの画像を取得する読み取り装置であり
、印刷ヘッド30aによる印刷済の印刷媒体Pを読み取って当該印刷媒体Pの画像を示す
印刷済画像データを取得する。
【0020】
印刷制御装置10は、複数のページの画像を示す画像データ41に基づいて複数のペー
ジを印刷媒体に面付けし、当該面付けに従って印刷を行わせるための印刷データを生成し
て印刷部30に対して出力する。印刷部30は、当該印刷データに基づいて印刷を行い、
検査部31は当該印刷済の印刷媒体Pの画像を示す印刷済画像データを出力する。印刷制
御装置10は、当該印刷済画像データに基づいて不良ページが存在するか否かを検査し、
不良ページが存在した場合には当該不良ページを再面付けして再印刷する。
【0021】
(2)印刷制御処理:
以上の処理は、印刷制御プログラム21が制御部20に所定の処理を行わせることによ
って実現され、本実施形態において印刷制御プログラム21は画像データ取得部21a、
面付け処理部21b、印刷制御部21c、不良ページ情報取得部21d、再印刷制御部2
1eの各モジュールを備えている。印刷制御処理においては、予め印刷条件を指定して印
刷処理を開始する。なお、印刷条件は、印刷媒体の大きさ、印刷媒体に印刷される各ペー
ジの大きさ、両面印刷の有無、綴じ方の指定等を示す情報である。
【0022】
印刷処理が開始されると、制御部20が画像データ取得部21aの処理により複数のペ
ージの画像を示す画像データ41を取得し(ステップS100)、面付け処理部21bの
処理により画像データ41が示す各ページを印刷媒体に対して面付けする(ステップS1
05)。ここでは、印刷条件に応じた印刷物を得るために各ページを印刷媒体に対して面
付けすることができれば良く、公知のアルゴリズムによって面付けを行う。この結果、画
像データ41に含まれる複数の印刷対象ページのそれぞれについて、印刷媒体上の位置や
向きを示す情報が生成される。
【0023】
次に、制御部20は印刷制御部21cの処理により、面付けに従って印刷部30に印刷
を実行させるための印刷データを生成する(ステップS110)。本実施形態において、
印刷制御部21cは、画像調整部21c1と色変換処理部21c2とハーフトーン処理部
21c3との各モジュールを備えており、これらのモジュールによって印刷データが生成
される。
【0024】
より具体的には、画像調整部21c1の処理により、制御部20は、印刷条件(解像度
等)に応じた印刷であって、上述の面付け通りの印刷を行うためのイメージデータを生成
する。すなわち、制御部20は、印刷解像度に応じた画素数の画素平面を一枚の印刷媒体
Pに対して対応付け、画像データ41に基づいて補間処理を行うことによって、当該画素
平面の各画素の階調値を決定して前記イメージデータを生成する。また、このとき、前記
面付け通りに各ページが印刷されるように各ページを構成する画素を前記画素平面に配置
して各画素の階調値を決定する。なお、必要に応じて印刷物の画質を向上するためのシャ
ープネス強調処理等も実施する。
【0025】
当該画像調整部21c1の処理によって生成されるデータはRGB表色系やYCC表色
系等で表現されたデータであり、制御部20は、色変換処理部21c2の処理によりRG
B表色系やYCC表色系等で表現されたデータの表色系を、インクの色を色成分としたイ
ンク表色系に変換する。さらに、制御部20は、ハーフトーン処理部21c3の処理によ
り、上述の色変換後のデータに基づいて、各ページを構成する各画素に記録するインクの
量(インク吐出の有無やインク滴当たりのインク量)を示すデータを生成する。なお、本
実施形態において、走査方式(印刷媒体Pの搬送手順等)は予め決められており、ハーフ
トーン処理を行う段階で、各画素に対応する各インク吐出ノズルは決定されている。従っ
て、ハーフトーン処理によって各画素に記録するインクの量を決定することと、各画素に
対応する各インク吐出ノズルにおけるインク吐出量を決定することとは等価である。
【0026】
ステップS110にて、印刷データが生成されると、制御部20は、印刷部30に印刷
を実行させる(ステップS115)。すなわち、制御部20は、印刷制御部21cの処理
により、印刷データを印刷部30に対して出力する。印刷部30においては、当該印刷デ
ータを取得すると、当該印刷データが示す各インク吐出ノズルにおけるインク吐出量に従
って逐次インクを吐出する処理を行い、印刷媒体P上に各ページを印刷する。なお、制御
部20は、ステップS115において、印刷データを記録媒体22に記録しておく(印刷
データ22a)。
【0027】
印刷部30によって印刷が実行されると、印刷済の印刷媒体Pは搬送部30bによって
逐次検査部31の読取範囲に搬送される。このとき、検査部31は、当該印刷媒体Pにお
ける印刷済の面を読み取り、読み取り結果を示す印刷済画像データを印刷制御装置10に
対して出力する。制御部20は、不良ページ情報取得部21dの処理によって、当該画像
データに基づいて不良ページを示す不良ページ情報を取得する(ステップS120)。す
なわち、印刷済画像データは印刷媒体Pに対する印刷結果に対応しているため、制御部2
0は、印刷済画像データが示す画像と印刷データが示す画像とを比較することによって、
印刷済画像データが示す印刷結果に不良(例えば、ドット抜けやインクの不正な記録)が
発生しているか否かを判定する。不良が発生している場合には、当該不良が発生している
ページを不良ページとし、当該不良ページを示す不良ページ情報22bを記録媒体22に
記録する。
【0028】
次に、印刷制御部21cは、上述の画像データ41に含まれるすべてのページについて
印刷が終了したか否かを判別し(ステップS125)、すべてのページについて印刷が終
了したと判別されるまでステップS110以降の処理を繰り返す。ステップS125にて
、すべてのページについて印刷が終了したと判別された場合、制御部20は、再印刷制御
部21eの処理により、印刷不良が発生したか否かを判別する(ステップS130)。す
なわち、制御部20は記録媒体22を参照し、いずれかのページが不良であることを示す
不良ページ情報22bが記録媒体22に記録されているときには印刷不良が発生したと判
別する。ステップS130にて、印刷不良が発生したと判別されない場合には印刷制御処
理を終了する。
【0029】
一方、ステップS130にて、印刷不良が発生したと判別された場合、制御部20は、
再印刷制御部21eの処理により、不良ページを再面付けし(ステップS135)、ステ
ップS110以降の処理を繰り返す(不良ページについて再印刷を行う)。すなわち、制
御部20は、不良ページ情報22bを参照して不良ページを特定し、当該不良ページにつ
いて、上述の印刷条件に対応した印刷を行うように印刷媒体上の配置を決定することによ
って再面付けを行う。また、このとき、再面付けされた不良ページの印刷媒体上の位置や
向きを示す情報を生成する。
【0030】
なお、本実施形態において、当該再面付け後に繰り返されるステップS110において
は、記録媒体22に記録済の印刷データ22aを流用して再面付けに基づく印刷を実行さ
せるための印刷データを生成する。すなわち、初回の印刷のために生成された印刷データ
22aから不良ページのデータ(ハーフトーン処理後のデータ)を抽出し、上述の面付け
に従って、上述の画素平面に対して当該ハーフトーン処理後のデータを再配置する。一枚
の印刷媒体への不良ページの再配置が完了すると、ステップS115において当該再配置
後のハーフトーン処理データから構成される再面付け後の印刷データを生成し、印刷部3
0に対して出力する。すなわち、再印刷を行う。そして、不良ページの再印刷が完了する
までステップS110〜S125を繰り返す。
【0031】
以上の処理によれば、複数のページを印刷媒体に面付けして印刷した各ページの一部ま
たは全部に印刷不良が発生したとしても、その不良ページは印刷媒体に対して再面付けさ
れるので、不良ページを再印刷する際に適切な印刷結果を得ることができる。例えば、特
定の綴じ方で印刷する印刷条件で印刷したページが不良ページとなった場合、綴じ方によ
っては不良ページの印刷媒体上での印刷位置が限定され、また、他のページの再印刷が必
要になるなど、適切な再印刷に再面付けが必要になる場合がある。そこで、本発明は不良
ページを印刷するための再面付けを行って再印刷を行う。この結果、不良ページを適切に
再印刷することができる。また、空きスペースが発生しないように面付けを行えば、印刷
媒体の無駄を発生させることなく印刷を行うことができる。なお、以上の処理においては
、初回の印刷時に作成済みの印刷データを再印刷時に流用することとしたが、むろん、印
刷データを流用せず画像調整部21c1と色変換処理部21c2とハーフトーン処理部2
1c3とのいずれかまたは組み合わせによる処理を行って印刷データを再生成してもよい

【0032】
(2−1)印刷例1:
次に、以上の処理における印刷の例を説明する。図3Aは、印刷媒体の片面に対して4
ページ分の面付けを行い、計16ページの印刷を行う場合の印刷例を示している。なお、
図3Aにおいては各印刷媒体Pを矩形で示し、当該矩形の中の4個の矩形にて各ページを
示している。また、各ページを示す矩形内には各ページのページ番号を示す数値を付記し
ている。さらに、各印刷媒体Pに関し、添え字の文字fは初回印刷を示し、文字fの次の
数値は初回印刷時の印刷媒体の通し番号を示し、添え字の文字rは再印刷を示し、文字r
の次の数値は再印刷時の印刷媒体の通し番号を示している。
【0033】
すなわち、この例においては、初回の印刷時に計4枚の印刷媒体に各4ページ、計16
ページを面付けして印刷し、再印刷を1回実施した例を示している。さらに、図3Aにお
いては、ページを示す矩形内に×を付記することによって不良ページの発生を示しており
、同図3Aに示す例では初回印刷においてページ番号1,5,9,13が不良ページであ
ったことを示している。すなわち、図2に示す処理において、ステップS105にて図3
Aの印刷媒体Pf1〜Pf4に示すように面付けを行って、ステップS110にて当該面付け
に従って印刷を実行させる印刷データを生成し、ステップS115にて初回印刷を行う。
ここでは、この結果、図3Aに示すように各ページが印刷され、ページ番号1,5,9,
13が不良ページであった場合を想定する。
【0034】
この場合、ステップS125,S130の判別を経て不良ページが存在すると判別され
、ステップS135にて不良ページの再面付けが行われる。図3Aに示す例では、ページ
番号1,5,9,13が不良ページであるため、ステップS135では不良ページ情報2
2bを参照してこれらの不良ページを特定し、これらの不良ページをページの番号順に印
刷媒体に再面付けする。この例においては、片面印刷であるため、印刷媒体Pr1に示すよ
うに各ページを詰めた状態で再面付けが行われる。また、ステップS110では、この再
面付けに従って印刷を行うようにハーフトーン処理後のデータを並べ替えて印刷媒体Pr1
に対して印刷を行うための印刷データを生成し、ステップS115にて再印刷が行われる
。この結果、図3Aに示すように、不良ページであるページ番号1,5,9,13が印刷
された印刷媒体Pr1を得ることができる。なお、この例においては不良ページを詰めた状
態で再面付けを行うので、印刷媒体の無駄を発生させることがない。
【0035】
(2−2)印刷例2:
図3Bは、印刷媒体の両面のそれぞれに対して4ページ分の面付けを行い、計16ペー
ジの印刷を行う場合の印刷例を示している。なお、図3Bにおいても図の矩形や番号、添
え字の意味は図3Aと同様であり、これ以降の図においても同様である。また、本例にお
いては、印刷媒体Pの両面に対して印刷を実施するため、両面に対する印刷を実施できる
ように印刷部30を構成し、両面の印刷結果を検査できるように検査部31を構成する。
例えば、図1の括弧内に示すように印刷部30が印刷媒体反転ユニット32を備える構成
とし、印刷部30にて一旦印刷した印刷媒体Pを印刷媒体反転ユニット32に搬送し、当
該印刷媒体反転ユニット32にて反転した後、さらに印刷ヘッド30aに対して印刷媒体
Pを搬送するように構成する。なお、図1においては、太い矢印は印刷媒体Pの搬送経路
を示している。当該印刷媒体反転ユニット32以外の構成は図1に示す構成と同様であり
、処理は図2に示す処理と同様である。
【0036】
図3Bに示す例においては、初回の印刷時に計2枚の印刷媒体の各面に4ページ、計1
6ページを面付けして印刷し、再印刷を1回実施した例を示している。また、この例では
初回印刷においてページ番号1,3,13,16が不良ページであった場合を想定してい
る。この場合、ステップS135にて不良ページであるページ番号1,3,13,16の
ページについて再面付けが行われる。但し、本例の印刷条件は両面印刷であるため、不良
ページのおもて裏双方を印刷媒体に面付けする。例えば、図3Bにて印刷媒体Pr1のおも
て面に不良ページであるページ番号1,3,13のページを面付けし、不良ページである
ページ番号16の裏に相当するページ番号15をおもて面に面付けする。また、ページ番
号1,3,13,15の裏面に相当するページ番号2,4,14,16を各ページ番号に
対応させて印刷媒体の裏面に面付けする。以上のように面付けを行うと、ステップS11
0において当該面付けに従って印刷データを生成し、ステップS115にて再印刷を行う
。この結果、図3Bに示すように、両面の一方が不良ページであったとしても適正な両面
印刷を行うように再面付けして印刷を行うことができる。
【0037】
(2−3)印刷例3:
さらに、異なる大きさの複数のページを印刷媒体に対して面付けする場合に本発明を適
用しても良い。本例も上述の実施形態とほぼ同様の構成によって実現することができる。
すなわち、異なる大きさのページを印刷媒体Pに対して面付けすることができれば良い。
但し、本例においては、印刷媒体Pに無駄が発生することを防止するため、不良ページを
面積の大きさ順にソートして当該面積の大きさ順に面付け可能であるか否かを判定しなが
ら再面付けを行う構成としている。
【0038】
図4は、本例における再面付け時の処理を示すフローチャートであり、本例においては
図2の処理におけるステップS135にて当該図4に示す処理が実行される。また、図5
は、計12ページの異なる大きさのページを計4枚の印刷媒体Pに対して面付けして印刷
を行う場合の印刷例を示している。なお、図5においては矩形の印刷媒体Pの内側におい
て矩形や多角形でページの形状および大きさを示している。図5に示す例においては、初
回印刷においてページ番号1,7,8,12が不良ページであった場合を想定している。
この場合、ステップS135にて不良ページであるページ番号1,7,8,12について
再面付けが行われる。
【0039】
但し、本例においては、異なる大きさのページを再面付けするために、画像データ取得
部21a,面付け処理部21b,印刷制御部21c,不良ページ情報取得部21dのいず
れかによってページの大きさを示す情報を取得し、不良ページ情報22bに対応付けてお
く。そして、ステップS135において図4に示すステップS200〜S220を実行し
て再面付けを行う。すなわち、制御部20は、不良ページ情報22bを参照して不良ペー
ジの中で最大の大きさのページを抽出し(ステップS200)、当該最大の大きさの不良
ページを印刷媒体Pr1に面付けする(ステップS205)。図5に示す例において、ペー
ジ番号1,7,8,12の中で最大の大きさのページはページ番号1であるため、ステッ
プS200,S205においては、ページ番号1のページを印刷媒体Pr1に面付けする。
【0040】
さらに、制御部20は、不良ページの面付けが終了したか否かを判別し(ステップS2
10)、当該ステップS210にて不良ページの面付けが終了したと判別されるまでステ
ップS215以降の処理を繰り返す。すなわち、空きスペースを検索し、面付け可能な空
きスペースに不良ページを面付けする。具体的には、ステップS215において不良ペー
ジ情報22bを参照し、直前に面付けした不良ページの次に面積が小さい不良ページを取
得する。また、ステップS220においては、印刷媒体の空きスペースに当該不良ページ
を配置可能であるかを媒体番号(印刷媒体の通し番号)が小さいものから順に判定し、不
良ページを配置可能であると最初に判定された印刷媒体に対して当該不良ページを配置す
る。
【0041】
例えば、図5に示す例において、ページ番号1のページの次に小さいページはページ番
号7のページであるため、ページ番号1を面付けした直後のステップS215においては
当該ページ番号7が面付け対象のページとなる。そして、ステップS220においては、
ページ番号1のページが面付けされた状態における印刷媒体Pr1の空きスペース(印刷媒
体Pr1にページ番号1が面付けされた状態における、当該ページ以外の部位)にページ番
号7のページを配置可能であるか否かを判定する。この例において、ページ番号7のペー
ジは、ページ番号1のページが面付けされた状態における印刷媒体Pr1の空きスペースに
配置不可能である。
【0042】
そこで、ステップS220において、他の印刷媒体(印刷媒体Pr2)を面付け対象とす
る。このとき、印刷媒体Pr2に対してはいずれのページも面付けされていないため全面が
空きスペースである。従って、印刷媒体Pr2に対してページ番号7のページを面付けする
ことができると判定し、当該印刷媒体Pr2に対してページ番号7のページを配置して面付
けを行う。ステップS220を行うと、さらにステップS210以降の処理を繰り返す。
この結果、図5に示す例においては、印刷媒体Pr1,Pr2に示すように各不良ページが面
付けされる。従って、ページ番号8のページを印刷媒体Pr1に配置することができるなど
、各ページを詰めた状態で再面付けが行われ、印刷媒体の無駄を発生させることがない。
【0043】
(3)第2実施形態:
さらに、本発明においては、初回の印刷時と再印刷時とにおいて各画素と各インク吐出
ノズルとの対応関係を維持する構成を採用しても良い。当該実施形態は、例えば、図1に
示す構成において、図2に示す処理の一部を変更した処理を実行することによって実現さ
れる。図6に示す処理は本実施形態における処理を示すフローチャートであり、同図6は
、図2に示すステップS110をステップS110a,S110b、図2に示すステップ
S135をステップS135aにて置換したものであり、これらのステップにおける処理
が上述の第1実施形態と異なっている。
【0044】
すなわち、本実施形態においては、印刷制御部21cの処理により、制御部20が印刷
ヘッド30aのインク吐出ノズル毎のインク吐出量の基準からのずれを補正する処理を行
う。具体的には、印刷部30において、ハーフトーン処理後のデータによって指定される
インク吐出量にて基準量のインクを吐出するように各インク吐出ノズルの特性を調整する
が、製造時のばらつきや経時変化等の影響を受けてノズル毎の吐出量が基準量からずれる
こともある。そこで、本実施形態においては、予め各インク吐出ノズルにおけるインク吐
出量の基準からのずれを測定しておき、当該ずれを補償するように補正を行う。例えば、
画像調整部21c1の処理により、基準量より多い(あるいは少ない)量のインクを吐出
するノズルに対応する画素の階調値を小さく(あるいは大きく)してインクのずれを補正
する構成を採用可能である。むろん、色変換処理部21c2の処理において色変換を行う
際に当該インクのずれを補正しても良いし、ハーフトーン処理部21c3の処理において
インクの吐出量を規定する際に当該インクのずれを補正しても良い。
【0045】
また、初回印刷時のステップS110bにおいては、画像データ41が示す複数のペー
ジに関するハーフトーン処理後のデータをステップS105における面付けに従って上述
の画素平面に配置して各ページを印刷するための印刷データ22aを生成し、記録媒体2
2に記録する。そして、ステップS115において、当該印刷データ22aに基づく印刷
を行い、ステップS120にて不良ページ情報を取得する。図7は、以上の構成および処
理による印刷の例を示す図である。また、図7Aにおいては、図3Aに示す例と同様に印
刷媒体の片面に対して4ページ分の面付けを行い、計16ページの印刷を行う場合の印刷
例を示している。さらに、図7Aにおいて×を付記して示すように、この例においては初
回印刷においてページ番号1,8,12,13が不良ページであった場合を想定している

【0046】
この例においては、ステップS130の判別を経て再印刷を行うが、このとき、図6の
ステップS135aに示すように、各画素と各インク吐出ノズルとの対応関係を初回印刷
時と再印刷時とで維持させながら不良ページを再面付けする。この例においては、印刷媒
体の搬送方向に垂直な方向の位置が初回印刷時と再印刷時とで一致するように不良ページ
の配置を決定するとともに、本実施形態における走査方式に従って走査を行ったときに、
各画素と各インク吐出ノズルとの対応関係が初回印刷時と再印刷時とで一致するように構
成する。すなわち、図1に示す印刷部30において、印刷ヘッド30aは印刷媒体Pの搬
送方向に垂直な方向に沿う当該印刷媒体Pの全長に渡ってインクを吐出することが可能で
ある。また、印刷ヘッド30aのノズル数に応じて適宜印刷媒体Pの搬送量が決められて
おり、所定の周期で特定の搬送手順を繰り返しながら印刷を行う。従って、本実施形態に
おいては、各画素の位置が印刷媒体Pの搬送方向に対して垂直な方向に変動しないように
構成し、初回印刷時と再印刷時とにおいて共通の周期で各画素にインクを記録するように
構成すれば各画素に対応する各インク吐出ノズルは変化しない。そこで、本実施形態にお
いては、不良ページを再面付けする際に、印刷媒体Pの搬送方向に対して垂直な方向の位
置を初回印刷時と再印刷時とで変えないように、かつ、走査の周期が変動しないように不
良ページを再面付けする。図7に示す例において、印刷媒体Pはその長辺に平行な方向に
搬送される。また、この例において、印刷媒体Pの上部に配置されるページと下部に配置
されるページとのそれぞれは同じ走査周期によってインクが記録される。そこで、本例に
おいては、初回印刷時に紙面の左側に面付けされるページは左側に再面付けし、初回印刷
時に紙面の右側に面付けされるページは右側に再面付けする。具体的には、ページ番号1
,8,12,13が不良ページであるとき、図7に印刷媒体Pr1に示すように、ページ番
号1,13のページを左側に面付けし、ページ番号8,12のページを右側に面付けする

【0047】
以上のようにして再面付けを行うと、当該再面付けに従った印刷を行うための印刷デー
タをステップS110bにて生成し、ステップS115にて再印刷を行う。なお、ステッ
プS110bにおける印刷データの生成では、ステップS110aにて生成した初回印刷
用の印刷データ22aを流用して再面付けに基づく印刷を実行させるための印刷データを
生成する。すなわち、当該初回印刷用の印刷データ22aに含まれるハーフトーン処理後
のデータは、各インク吐出ノズルにおけるインク吐出量の基準からのずれを補正した結果
を反映している。また、上述のように初回の印刷時と再印刷時とにおいて各画素と各イン
ク吐出ノズルとの対応関係が維持されるように再面付けが行われている。従って、ステッ
プS110aにて生成されたハーフトーン処理後のデータを流用して印刷データを作成す
ると、各インク吐出ノズルに関する上述の補正がそのまま適正な補正となる。以上の構成
によれば、インク吐出量の補正を含めた処理を再度実行することなく、適切な補正がなさ
れた状態で再印刷を実行するための再面付けを行うことができる。なお、図7Aに示す面
付けは一例であり、本実施形態を上述の印刷例2のような両面印刷に適用しても良いし、
印刷例3のような、異なる大きさのページの面付けに対して適用しても良い。
【0048】
(3−1)印刷例:
さらに、第2実施形態において、初回の印刷時と再印刷時とにおいて各画素と各インク
吐出ノズルとの対応関係を一致させるために印刷媒体の無駄が発生する場合には、印刷デ
ータ(ハーフトーン処理後のデータ)を流用しないこととして当該無駄の発生を防止する
ことも可能である。例えば、図7Bに示すように、第2実施形態における初回印刷にてペ
ージ番号1,8,12,16のページが不良ページとなったとき、ページ番号8,12,
16は初回印刷時に印刷媒体Pの右側に面付けされていたページである。従って、初回の
印刷時と再印刷時とにおいて各画素と各インク吐出ノズルとの対応関係を一致させながら
、4ページ分の不良ページを一枚の印刷媒体Pに面付けすることはできない。
【0049】
そこで、図7Bに示すように、例えば、ページ番号16については左側に面付けするこ
ととする。このとき、ページ番号1,8,12のページについては既に作成済みの印刷デ
ータを流用することができる。ページ番号16のページについては、印刷媒体Pの左側に
面付けすることとし、再度、ステップS110aにおける処理を行ってインク吐出ノズル
における吐出量ずれを補正した状態でハーフトーン処理後のデータを生成し、印刷データ
を生成する。この構成によれば、図7Bにおいて、印刷媒体Pr1として示すように一枚の
印刷媒体Pに4ページ分の不良ページを面付けして再印刷を行うことが可能になり、印刷
媒体の無駄が発生することを防止することができる。なお、印刷データ(ハーフトーン処
理後のデータ)を流用することを優先するのであれば、空きスペースを許容して再面付け
を行う構成を作用することが可能である。
【0050】
(4)第3実施形態:
さらに、本発明においては、汎用的なデータ形式によって不良ページ情報を扱うように
構成してもよい。図8は、PDFデータ(PDF:Portable Document Format)とJDFデ
ータ(JDF:Job Definition Format、JDFはInternational Cooperation for the Integra
tion of Processes in Prepress, Press and Postpressの登録商標)とによって構成され
た画像データに基づいて印刷を行う構成を示すブロック図である。同図8に示す構成は図
1に示す構成とほぼ同様であるが、画像データ41がPDFデータ41aとJDFデータ
41bとによって構成され、不良ページ情報22bがJDFデータ41bに含まれる点が
図1と異なっている。ここで、PDFデータ41aは印刷対象となる複数のページの画像
を示し、JDFデータ41bは印刷媒体や制作部数などを示す情報を含み、印刷の前工程
,印刷工程,印刷の後工程で参照される情報を含むデータである。なお、本実施形態にお
いて、PDFデータ41aが示す各ページを面付けするための印刷条件はJDFデータ4
1bに記述されている。
【0051】
本実施形態においては、ワークフローサーバ50が画像データ41を蓄積しており、当
該ワークフローサーバ50の操作者が印刷ジョブの実行指示を行うと印刷制御装置10に
画像データ41が転送される。この結果、印刷制御装置10は、図9に示す処理を実行す
る。図9に示す処理も図2に示す処理とほぼ同様であるため、主に図2に示す処理と異な
る処理について説明する。すなわち、図9に示す処理においては、ステップS100にて
画像データ41を取得した後に画像データ取得部21aがJDFデータ41bを取得して
記録媒体22に当該JDFデータ41bを記録する(ステップS102)。次に、当該J
DFデータ41bを参照して面付けを行う(ステップS105)。例えば、JDFデータ
41bに、ジョブチケット(上述の実施形態の印刷条件に相当)として、印刷媒体の大き
さ=菊判(A4サイズを4枚面付け可能な印刷媒体の大きさ)、仕上がりの印刷媒体の大
きさ=A4、両面印刷=実行、綴じ位置=左側2カ所と指定され、PDFデータ41aが
16ページ分のデータであるとき、図3Bの印刷媒体Pf1〜Pf4のような面付けがなされ
る。
【0052】
さらに、このような面付けによって初回印刷を行った後、ステップS120において不
良ページ情報を取得したときには、記録媒体22に記録されているJDFデータ41bに
不良ページ情報22bを追記する。そして、ステップS135においては、JDFデータ
41bの不良ページ情報22bを参照して不良ページを特定し、再面付けを行う。再面付
けは上述の各種例と同様の処理である。また、図3Bのような印刷媒体Pf1〜Pf4におい
てページ番号1,3,13,16のページが不良ページとなったのであれば、図3Bに印
刷媒体Pr1として示すように不良ページを含む両面について再面付けがなされる。そして
、再度ステップS110以降の処理が実行されて再面付けに従った印刷が実行される。こ
の結果、両面の一方が不良ページであったとしても適正な両面印刷を行うように再面付け
して印刷を行うことができる。
【0053】
(4−1)印刷例:
第3実施形態においては各種のジョブチケットに従って再面付けや再印刷を行うことが
でき、図10においては、ジョブチケットによって印刷媒体の大きさ=菊判、仕上がりの
印刷媒体の大きさ=A3、両面印刷=実行、綴じ位置=中綴じと指定され、PDFデータ
41aが16ページ分のデータであるときの例を示している。この構成においては、ステ
ップS105の面付けにおいて、A3用紙のおもてと裏のそれぞれにA4ページが2ペー
ジ分並べられ、中綴じを行ったときに右から左にページをめくるとページ番号の順にペー
ジが現れるように構成している。このため、図10に印刷媒体Pf1,Pf2として示すよう
に裏面の右側に左側より小さいページ番号のページを配置し、おもて面の左側に右側より
小さいページ番号のページを配置し、おもてと裏とではページ番号が"1"だけ変化するよ
うな状態で、すべてのページが中綴じで適正に連続するように面付けする。
【0054】
また、この例において、図10に示すようにページ番号1,9が不良ページとなったと
きには、当該不良ページに連結されたページ(図10に示す例ではそれぞれページ番号1
6,8のページ)とこれらのページの裏に相当するページ(図10に示す例ではページ番
号1,16に対するページ番号2,15等)を面付けする。そして、ステップS110に
て当該再面付けに従って印刷を実行させる印刷データを生成し、ステップS115にて再
印刷を行わせる。この結果、両面かつ中綴じによって構成される4ページの少なくとも1
つが不良ページとなったとしても、関連する他の3ページを不良ページとともに再面付け
し、適正な再印刷を行わせることができる。
【0055】
(5)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、不良ページを再面付けして再印
刷することができる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、上
述の実施形態においては、印刷部30の印刷ヘッド30aにて印刷媒体の搬送方向に対し
て垂直な方向に主走査を行わない構成としたが、むろん、主走査を行う構成に本発明を適
用しても良い。また、この場合であっても、図6に示す実施例のように、初回の印刷時と
再印刷時とにおいて各画素と各インク吐出ノズルとの対応関係を一致させる構成を採用可
能である。すなわち、主走査および副走査の方式によって予め各画素を構成するためのイ
ンク吐出ノズルが特定されるため、再面付けの際にも予め各画素と各インク吐出ノズルと
の関係を特定し、両者の対応関係が初回の印刷時と再印刷時とで一致するように再面付け
を行えばよい。
【0056】
さらに、上述の第3実施形態においては、ジョブチケットを含むJDFデータ41bに
よって不良ページ情報を扱う構成としたが、むろん、当該不良ページ情報を記述するデー
タの形式は限定されず、テキスト形式やXML形式,バイナリ形式であっても良いし、種
々の構成を採用可能である。また、初回の印刷時と再印刷時とで各画素と各インク吐出ノ
ズルとの対応関係を一致させないのであれば、初回印刷用の印刷ヘッドと再印刷用の印刷
ヘッドとが別体となっている印刷部を構成することも可能である。例えば、再印刷用の印
刷ヘッドとして印刷不良が発生する可能性が低いヘッドを採用する構成とすることが可能
である。さらに、印刷部は画像データが示す画像を印刷することができれば良く、インク
ジェット方式の他、トナーを定着させるための機構を含む電子写真式の印刷を行う印刷部
を構成してもよいし、他の方式の印刷を行う印刷部を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】印刷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図3】(3A),(3B)は印刷例を示す図である。
【図4】印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図5】印刷例を示す図である。
【図6】印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図7】(7A),(7B)は印刷例を示す図である。
【図8】印刷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図10】印刷例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10…印刷制御装置、20…制御部、21…印刷制御プログラム、21a…画像データ
取得部、21b…面付け処理部、21c…印刷制御部、21c1…画像調整部、21c2
…色変換処理部、21c3…ハーフトーン処理部、21d…不良ページ情報取得部、21
e…再印刷制御部、22…記録媒体、22a…印刷データ、22b…不良ページ情報、3
0…印刷部、30a…印刷ヘッド、30b…搬送部、31…検査部、32…印刷媒体反転
ユニット、41…画像データ、50…ワークフローサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページの画像を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに基づいて複数の前記ページを印刷媒体に面付けする面付け処理手段と

前記面付けに従って印刷部に印刷を実行させる印刷制御手段と、
前記印刷後の印刷媒体を検査する検査部の出力情報に基づいて不良ページを示す不良ペ
ージ情報を取得する不良ページ情報取得手段と、
前記不良ページ情報に基づいて、前記不良ページを印刷するための再面付けを行い、前
記印刷部に当該再面付けに基づく再印刷を実行させる再印刷制御手段と、
を備える印刷制御装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、印刷部が備える複数のインク吐出ノズル毎のインク吐出量の基準
からのずれが補正された状態で前記面付けに従って印刷を実行させるための印刷データを
生成し、当該印刷データに基づいて前記印刷部に印刷を実行させ、
前記再印刷制御手段は、前記不良ページを印刷したときの各画素と各インク吐出ノズル
との対応関係が維持されるように、前記印刷データに基づいて前記再面付けを行う、
請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記再印刷制御手段は、前記対応関係を維持することによって前記印刷媒体に前記不良
ページを面付け可能な空きスペースが発生する場合には、前記再面付けにおいて当該空き
スペースに当該不良ページを面付けする、
請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記面付け処理手段は、前記印刷媒体の両面に前記ページを面付けし、
前記再印刷制御手段は、前記不良ページと当該不良ページの裏に面付けされていたペー
ジとを前記印刷媒体のおもて面と裏面に面付けする、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記再印刷制御手段は、前記不良ページの面積の大きさ順に各不良ページを面付け可能
な前記印刷媒体の空きスペースを検索し、面付け可能な前記空きスペースに逐次各不良ペ
ージを面付けする、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項6】
複数のページの画像を示す画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記画像データに基づいて複数の前記ページを印刷媒体に面付けする面付け処理工程と

印刷部が備える複数のインク吐出ノズル毎のインク吐出量の基準からのずれが補正され
た状態で前記面付けに従って印刷を実行させるための印刷データを生成し、当該印刷デー
タに基づいて前記印刷部に印刷を実行させる印刷制御工程と、
前記印刷後の印刷媒体を検査する検査部の出力情報に基づいて不良ページを示す不良ペ
ージ情報を取得する不良ページ情報取得工程と、
前記不良ページ情報および前記印刷データに基づいて、前記不良ページを印刷したとき
の各画素と各インク吐出ノズルとの対応関係が維持されるように、前記不良ページを印刷
するための再面付けを行い、前記印刷部に当該再面付けに基づく再印刷を実行させる再印
刷制御工程と、
を含む印刷制御方法。
【請求項7】
複数のページの画像を示す画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記画像データに基づいて複数の前記ページを印刷媒体に面付けする面付け処理機能と

印刷部が備える複数のインク吐出ノズル毎のインク吐出量の基準からのずれが補正され
た状態で前記面付けに従って印刷を実行させるための印刷データを生成し、当該印刷デー
タに基づいて前記印刷部に印刷を実行させる印刷制御機能と、
前記印刷後の印刷媒体を検査する検査部の出力情報に基づいて不良ページを示す不良ペ
ージ情報を取得する不良ページ情報取得機能と、
前記不良ページ情報および前記印刷データに基づいて、前記不良ページを印刷したとき
の各画素と各インク吐出ノズルとの対応関係が維持されるように、前記不良ページを印刷
するための再面付けを行い、前記印刷部に当該再面付けに基づく再印刷を実行させる再印
刷制御機能と、
をコンピュータに実現させる印刷制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−202436(P2009−202436A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47315(P2008−47315)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】