説明

印刷可能な絶縁組成物および印刷可能物品

絶縁層を形成するための印刷可能な組成物が開示されている。本絶縁層は典型的には誘電体層である。本印刷可能な組成物は硬化した絶縁層をタッチスクリーン上に製造するために特に適しているが、多様な他の用途のためにも適する。特定の実施形態において、本組成物は、基材に印刷可能な組成物を精密に適用するためにインクジェット印刷などのディジタル印刷技術を用いて適用するのに適する。更に、本発明は本組成物を用いて製造された絶縁層、本組成物を適用する方法および本組成物を用いて製造された絶縁層を組み込んだ物品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、タッチスクリーン表示装置中で用いるためのインクジェット印刷可能絶縁材料を含む印刷可能絶縁材料および硬化し印刷された絶縁材料に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体材料を含む絶縁材料はタッチスクリーン表示装置上にパターン化して、表示装置の回路部品上にわたって保護被膜または保護マスクを形成させることが可能である。絶縁材料は、導電性機構を電気的に分離するために用いることも可能であり、ハードコートとして用いるために全体の表示装置上にわたって被覆することが可能である。これらの絶縁材料は、後で高温で硬化させる液体組成物またはペースト組成物をスクリーン印刷するか、あるいは紫外線または異なる放射線源により硬化させることにより被着させることが多い。スクリーン印刷は、典型的には印刷スクリーンが表示装置に接触し、それは表示装置の他の部品を汚染し引っ掻きうる。スクリーン印刷の他の欠点には、スクリーンを周期的に浄化する必要性、手元にスクリーンの在庫を保つ必要性およびスクリーン印刷プロセスを用いることに付随することが多い比較的遅い処理時間が挙げられる。
【0003】
従って、スクリーン印刷せずに基材に適用させることが可能である改善された絶縁材料が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改善された絶縁材料、誘電性材料等の絶縁材料を基材に適用する方法、および改善された絶縁材料を組み込んだ物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基材上に絶縁層を形成するための印刷可能な組成物およびこの印刷可能な組成物から形成された絶縁層に部分的に関連する。絶縁層は、例えば、タッチスクリーンパネルの一部を構成する基材に適用された誘電体層であることが可能である。印刷可能な組成物は、一般的に、珪素原子と酸素原子の両方を含む高分子成分を含む。好適な高分子成分としては、一般的に、酸素対珪素比が1.5:1であるポリメチルシルセスキオキサンなどのポリオルガノシルセスキオキサンが挙げられる。被覆し硬化すると印刷可能な組成物は、一般的に少なくとも20重量%のポリオルガノシルセスキオキサン(「PSQ」)である。但し、特定の配合物は20%未満のPSQを有することが可能である。本発明の特定の実施形態において、印刷可能な組成物は、被覆し硬化すると5〜95重量%のポリメチルシルセスキオキサンおよび5〜95重量%の無機ナノ粒子を含む。印刷可能な組成物は一般的に高温で硬化して、印刷された絶縁材料とも本明細書で呼ばれる硬化した絶縁材料を形成する。
【0006】
実施形態によっては、無機ナノ粒子および他の成分は組成物に組み込んで、改善された硬度、所望の粘度および他の流動特性ならび屈折率の制御を含む改善された物理的特性を組成物に与える。ナノ粒子が組み込まれる時、ナノ粒子は、例えば、シリカ粒子、ジルコニア粒子およびアルミナ粒子の1種以上を含むことが可能である。実施形態によっては、ナノ粒子は1〜500ナノメートルの平均サイズを有する一方で、他において、ナノ粒子は5〜250ナノメートルの平均サイズを有する一方で、なお他の実施形態において、ナノ粒子は5〜125ナノメートルの平均サイズを有する。大部分の実施形態において、印刷可能な組成物の少なくとも1%はナノ粒子であり、よりいっそう典型的には、ナノ粒子の量は組成物の5%を上回る。ナノ粒子は本発明の幾つかの実施形態において表面改質されている。
【0007】
1つの実施形態において、印刷可能な組成物は、インクジェット印刷などのディジタル印刷技術による適用に組成物を馴染み易くする粘度を有し、よって組成物を上に堆積させる基材を損なわずに組成物の非常に精密な配置を可能にする。ディジタル印刷技術のために適する粘度は、1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定して1〜100,0000センチポアズの範囲であることが可能である。インクジェット印刷するために、組成物は、1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定して典型的には1センチポアズを上回るが、通常は40センチポアズ未満の粘度を有する。実施形態によっては、組成物は、1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定して10〜14センチポアズ粘度を有する。別の実施形態において、粘度はスクリーン印刷のために要求されるように、ずり減粘であるように調節することが可能である。この実施形態において、PSQナノ複合材は、一般に印刷された絶縁材料にわたって改善された熱安定性を提供する。
【0008】
印刷可能な組成物はタッチ型作動ユーザ入力装置上で用いるために特に適する。こうした実施形態において、タッチ型作動ユーザ入力装置は、基材および基材の少なくとも一部の上に堆積された絶縁層を有する。絶縁層はポリシルセスキオキサンを含み、典型的には無機ナノ粒子も含む。好適な基材としては、ガラスまたはポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。これらの基材は、導電性酸化物または導電性ポリマーなどの導電性コーティングで部分的に被覆してもよい。
【0009】
本発明は、タッチ型作動ユーザ入力装置を製造する方法であって、基材を用意する工程、ポリシルセスキオキサンを含む組成物を前記基材上に印刷する工程および組成物を硬化させて絶縁層を形成する工程を含む方法に更に関連する。この硬化工程は、例えば150℃未満、しばしば200℃未満で行われることが多い。実施形態によっては、印刷工程はインクジェット印刷を含む一方で、他において、印刷工程はスクリーン印刷を含む。
【0010】
本発明を記載するために用いられる用語は以下の定義に対応する。
【0011】
「ナノ粒子」という用語は、ナノメートルの範囲内の平均粒子直径によって特徴付けられる粒子を意味する。実施形態によっては、ナノ粒子は1〜500ナノメートルの平均サイズを有する一方で、他において、ナノ粒子は5〜250ナノメートルの平均サイズを有する一方で、なお他の実施形態において、ナノ粒子は5〜125ナノメートルまたは7〜75ナノメートルの平均サイズを有する。粒径は数平均粒径を意味し、透過電子顕微鏡または走査電子顕微鏡を用いる計器を用いて測定される。粒径を測定するもう1つの方法は、重量平均粒径を測定する動的光散乱である。適することが判明したこうした計器の1例は、カリフォルニア州フラートンのベックマン・コールター(Beckman Coulter Inc.(Fullerton,CA))から入手できる「N4プラスサブミクロンパーティクルアナライザ(N4PLUS SUB−MICRON PARTICLE ANALYZER)」である。
【0012】
「ナノ複合材料コーティング」または「ナノ複合材料コーティング分散体」などの用語はナノ微粒子粉末を含む分散相を含む流体分散相を含む流動性コーティング分散体を意味する。
【0013】
「シルセスキオキサン」または「オルガノシルセスキオキサン」あるいは「ポリオルガノシルセスキオキサン」などの用語はナノ複合材料コーティング分散体の流体分散相を意味する。分散相は流体のブレンドを含んでもよいか、または溶液分散相を提供する添加された溶媒を含んでもよい。
【0014】
「導電性ポリマー」などの用語は電気的に導電性であるポリマーを意味する。導電性ポリマーの幾つかの例は、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリp−フェニレン、ポリヘテロ環式ビニリデンおよび欧州特許出願公開第1−172−831−A2号明細書で開示された材料である。
【0015】
本明細書におけるすべての百分率、部および比は、特に注記がないかぎり重量、例えば重量%(wt%)による。
【0016】
本発明の他の特徴および利点は本発明の以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。開示の原理の上述した発明の開示は、本開示の例示された各実施形態またはあらゆる実装例を記載することを意図していない。
【0017】
本発明は、添付した図面と連携して本発明の種々の実施形態の以下の詳細な説明を考慮すれば、より完全に理解することが可能である。
【0018】
本発明が種々の修正および変更の形態に馴染み易い一方で、本発明の細目は実施例および図面を用いて示しており、詳しく記載する。しかし、本発明が特定の記載された実施形態に本発明を限定しないことが理解されるべきである。逆に、意図は、本発明の精神および範囲内に入るすべての修正、等価物および変更を包含することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、絶縁層を形成するための印刷可能な組成物および組成物を堆積させる方法に部分的に関連する。印刷可能な組成物は、タッチスクリーン上に絶縁マスクを製造するために特に適するが、多様な他の用途のためにも適する。特定の実施形態において、組成物は、印刷可能な組成物を精密に適用するインクジェット印刷技術を用いて基材上に堆積させるのに適する。他の実施形態において、組成物はスクリーン印刷などの他の印刷方法またはパターン化方法を用いて基材上に堆積させるのに適する。更に、本発明は組成物を用いて製造された絶縁層および組成物を被着させる方法ならびに組成物を用いて製造された絶縁層および誘電体層を組み込んだ物品に関連する。
【0020】
特に、本発明は、ポリオルガノシルセスキオキサンポリマーおよびポリオルガノシルセスキオキサンに分散された酸化物粒子を含む印刷可能組成物を提供する。印刷可能な組成物は硬化した絶縁層を提供するために熱硬化性である。硬化した組成物は、絶縁層を提供するのに特に適するが、保護層および/またはハードコートとして機能することも可能である。従って、特定の実施形態において、印刷され硬化した組成物は、基材上で導電性トレースを分離(または絶縁)するように機能する。硬化した組成物は、例えば、タッチパネル表示装置などの種々の基材上で導電性トレースおよび直線化パターンを保護するようにも機能することが可能である。
【0021】
印刷可能な組成物は高度に分散されたナノ粒子を含んでもよく、これらのナノ粒子は表面改質剤による粒子の表面処理を含む方法を用いて調製してもよい。表面処理は、ナノ粒子とオルガノシルセスキオキサン分散相との間の相溶性を改善することが可能である。表面処理は粒子が塊になることを防ぐことができ、それはインクジェット印刷のために有益であることが可能である。具体的な実施形態において、表面改質剤は、カルボン酸、カルボン酸誘導体、シランまたはそれらの混合物ならびに他のタイプまたは分散剤の混合物であることが可能である。カルボン酸誘導体としては、例えば、ヘキサン酸または2−[−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸が挙げられるが、それらに限定されない。表面改質シランとしては、例えば、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシランまたはそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0022】
インクジェット印刷の本発明による特に適するナノ複合材料コーティング分散体は、チキソトロピーに向かう傾向を殆ど示さないオルガノシルセスキオキサン組成物中に分散された酸化物ゾル粒子を含む。
【0023】
本発明と合わせて用いるのに好適なナノ粒子としては、典型的には、金属、酸化物、窒化物、炭化物または塩化物などの粒子が挙げられる。好適な無機酸化物としては、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムおよび酸化バナジウムならびにそれらの混合物が挙げられる。ナノ粒子は、物理的特性、光学的特性または他の対象特性のために選択してもよい。例えば、透明性が望ましい状況において、透明であり、マトリックス材料に調和する屈折率を有し、および/または光散乱が最少化されるのに十分に小さいナノ粒子を選択することが好ましい場合がある。ナノ粒子は、本発明によるナノ複合材料コーティング分散体を調製するために(特定の実施形態において)紫外線の吸収がないために選択してもよい。
【0024】
本発明による印刷可能な組成物中の酸化物ナノ粒子の使用の一つの利点は、生じた硬化した被膜の硬度および耐磨耗性の改善である。もう一つの利点は硬化した被膜の透明性の保持である。無機酸化物または酸化混合物の適する選択は、分散液中のナノ粒子の屈折率および濃度に応じて印刷可能な絶縁組成物の屈折率特性の制御も可能にする。ポリオルガノシルセスキオキサンの屈折率からの屈折率の増加は、ポリオルガノシルセスキオキサンより高い屈折率を有する選択された無機酸化物の濃度が増加するにつれて起きる。屈折率変動を制御するもう一つのアプローチは、屈折率特性の異なる2種以上の酸化物を含む無機酸化混合物の一定の全濃度を保持する。酸化物の比の調節は、ナノ複合材料コーティング分散体、およびコーティング分散体から製造された硬化した被膜の屈折率の変化を引き起こす。好適な酸化物粒子は、典型的には約1.0〜3.0、より典型的には1.2〜約2.7の屈折率および約500ナノメートル未満、しばしば250ナノメートル未満、頻繁に125ナノメートル未満の粒径を有する。
【0025】
本発明の印刷可能な組成物はタッチ型作動ユーザ入力装置上で用いるのに特に適する。こうした実施形態において、ユーザ入力装置は、基材および基材の少なくとも一部の上に堆積された絶縁層を有する。絶縁層はポリオルガノシルセスキオキサン、しばしばポリメチルシルセスキオキサンを含む。絶縁層は、典型的には無機ナノ粒子も含む。好適な基材としては、例えばガラスまたはPETが挙げられ、それは導電性酸化物または導電性ポリマーのような導電性コーティングで被覆されていてもよい。
【0026】
図1を参照すると、本発明の実施例により構成され配列された絶縁層8を含む基材6の単純化された側断面が示されている。基材6は、例えば、ガラス、プラスチック、金属あるいは非導電性または導電性である他の基材であることが可能である。絶縁層8は、本発明により製造された硬化した組成物である。この単純化された図において、絶縁層8および基材6のみを示している。しかし、本発明の殆どの実施形態において、追加の層は以下の例によって示すようなものでありうることが認められるであろう。
【0027】
図2〜7を参照すると、本発明により製造された物品の種々の具体的な実施例が示されている。図2は、導電性層14(酸化インジウム錫、酸化錫アンチモン、導電性ポリマーまたはもう1種の適する透明導電性酸化物など)を上に堆積させたガラス基材12を有する容量性タッチスクリーン10の断面を示している。絶縁層16は導電性層14の一部上にわたって堆積させ、電極パターンまたは直線化パターン18も導電性層14上に堆積させる。ワイヤートレース20は絶縁層16上に堆積させる。最後に、保護層22は絶縁体上に堆積させ、ワイヤートレースおよび電極パターンならびにハードコート層24は導電性層上に堆積させる。
【0028】
絶縁層16、保護層22およびハードコート層24はすべて本発明の絶縁組成物を用いて製造することが可能である。あるいは、これらの層の幾つかの層のみが本発明の絶縁組成物を用いて製造される。例えば、絶縁層16および保護層22は適所にインクジェットされた本発明の材料を用いて製造することが可能である一方で、ハードコート24を基材の浸漬コーティングによって堆積させることが可能である。幾つかの実施形態において、これらの層の1層以上は、類似材料または同一材料を用いて同時にまたは逐次に堆積させる。例えば、保護層22およびハードコート層24は、同時にまたは逐次に堆積させることが可能である。図2に示したより多いかまたは少ない絶縁材料の層を沈着させることが可能であり、層を種々の厚さで堆積させることが可能であることも認められるべきである。特定の実施形態において、保護層22は絶縁層16よりも厚くてもよい。特定の実施形態において、絶縁層16および保護層22を同じ材料から形成してもよい。但し、より厚い保護層22を構築するためには追加の工程または別個の工程を必要としうる。
【0029】
本発明のもう一つの実施形態を図3において示す。図3に示した種々の層は、基材12、導電性層14、絶縁層16および電極パターンまたは直線化パターン18を含む。ワイヤートレース20は絶縁層16上に堆積させ、保護層22はワイヤートレース20および絶縁層16上にわたって配置される。保護層22は、ワイヤートレースおよび絶縁層の全部または単に一部を覆うことが可能である。最後に、ハードコート層24は導電性層14の上にわたって堆積させる。図3に描かれた実施形態は図2に示した実施形態に似ているが、電極パターンまたは直線化パターン18は絶縁層16の前に堆積させる。この実施形態において、絶縁層16はワイヤートレース20を電極パターン18から電気的に分離し、よって電極パターンの周りにより狭い境界を可能にする。
【0030】
追加の絶縁層を主導電層14Aとワイヤートレース20との間に必要としないように導電性層14が不連続(例えば、第1の部分14Aおよび第2の部分14Bを有し、それらは連続導電性層のレーザ融蝕によって分離されている)であることを除き、図2および3に示したのと似た機能性を有する、なおもう一つの実施形態を図4に描いている。
【0031】
更なる実施形態は図5に描かれ、ワイヤートレース(基材の側面から離れて配置しうる)のないタッチパネル表示装置の一部を示している。タッチパネルは、基材12、導電性層14および電極パターンまたは直線化パターン18を含む。保護層22およびハードコート24は電極パターンまたは直線化パターン18および導電性層14上に配置される。再び、保護層22およびハードコート層24はすべて本発明の絶縁材料を用いて製造することが可能である。あるいは、これらの層の幾つかの層のみは本発明の絶縁材料を用いて製造される。
【0032】
更なる実施形態は図6および7に描かれ、この場合は、直線化パターン18をハードコート層24(絶縁層でもある)の一部上に堆積させ、ハードコート層24を導電性層14の上に沈着させ、ハードコート層24を後で高温で加熱させて、下にある導電性層と合わせて電気接続を作る実施形態を描いている。図6は高温に加熱される前の被覆された基材10を示す一方で、図7は加熱後の被覆された基材10を示している。加熱プロセス中に、導電性部分26が生じて、直線化パターン18と導電性層14との間の電気接続を作る。
【0033】
図8は、本発明の実装例により構成され配列された抵抗タッチパネル30を示している。タッチパネル30は、導電性酸化物などの透明導体34を上に堆積された底基材32を含む。スペーサードット42は透明導体34の上に配置され、これらのスペーサードットは、導電性層46も含む上基材44を透明導体34から分離するとともに透明導体34と導電性層46の間の意図的でない接触を防ぐように機能する。スペーサードットは、底基材、上基材またはその両方の上であることが可能であるが、単純であるとともに一般性を失わないために、底基材上にのみ示している。従って、抵抗タッチパネル30は、上基材44および透明導体46を含むトップエレメント50Aならびに底基材32および透明導体34を含む底エレメント50Bを含むと考えることが可能である。トップエレメント50Aまたは底エレメント50Bのいずれか一方または両方は、ハードコート層を除き、任意にスペーサードットを含む図2〜7に示したタッチパネルのように構成することが可能である。
【0034】
図9は、タッチスクリーン30が4線抵抗タッチパネルである場合にトップエレメント50Aまたは底エレメント50Bとして有用な基材エレメント50を示している。本発明によると、エレメント50は基材52および導電性層54を含む。ワイヤートレース56は基材52の2つの反対端上に見られ、本発明により製造された絶縁材料58で覆われている。
【0035】
本発明は、スクリーン印刷で発生しうるような基材の潜在的な損傷も汚染もなしに絶縁層を精密に堆積させることを見込んでいる。本発明の絶縁コーティングは、典型的には200℃より十分に低い、通常は150℃より十分低くさえある比較的低い温度で硬化することが可能であり、しかしながら絶縁材料が高温(幾つかの実施形態において520℃を超える)に耐えることが可能なので更に利点を提供する。これらの高温に耐える能力は、タッチスクリーン表示装置の製造中などの後処理工程で高温が必要とされる実施形態に対して重要であることが可能である。低い硬化温度は、導電性層が、透明導電性無機酸化物の上で絶縁層を硬化させるために時によって用いられる極高温(500℃を上回る)に耐えないPEDOTまたはもう1種の導電性ポリマーであるタッチスクリーン中で用いるためにPSQナノ複合材を特に興味深くする。絶縁コーティングを入力装置の全体のタッチ感受性表面の上にわたるハードコートとして適用する時、可能な最高耐引掻性を確保するために高温でコーティングを硬化させることが有利でありうる。
【0036】
本発明の組成物を印刷する1つの方法はインクジェット印刷による。組成物のインクジェット印刷は、基材に絶縁層を被着させる従来の方法に比べて多くの利点を提供することが可能である。インクジェット印刷は非接触印刷法であり、よって従来の印刷中にスクリーンまたはマスクおよび/または湿式処理を用いる時に起きうるような接触による基材表面の損傷および/または汚染なしに基材上に直接絶縁材料を印刷することを可能にする。インクジェット印刷は、精密且つ一貫して被着された材料を製造することが可能である高度に制御可能な印刷法も提供する。絶縁層のための制御可能な寸法は、タッチパネルの物理的特性を選択することができるように、タッチパネル上での用途などの多くの用途のために望ましい。
【0037】
インクジェット印刷は表面が適切に印刷されたより高い信頼度も提供する。表面の一部が適切に印刷されなかったことが決定された場合、インクジェットによる印刷は、飛び越された領域に戻り、飛び越された領域を適切な場所で印刷する能力を可能にする。それに反して、スクリーン印刷において用いられるスクリーンは目詰まりする可能性があり、よってスクリーン印刷によって容易に補修できない不完全なマスク被覆領域をもたらす。あるいは、インクジェット印刷は、例えば、初期スクリーン印刷工程によって見落とされた点を補修するか、または埋めるためにもう一つの印刷技術と合わせて用いてもよい。
【0038】
インクジェット印刷は印刷パターンを容易に変更でき高度に融通性でもあるのに対してスクリーン印刷および他のマスク系技術は各個々のパターンにより異なるスクリーンまたはマスクを用いることを必要とする。従って、インクジェット印刷は、浄化し維持する必要があるスクリーンまたはマスクの大きな在庫を必要としない。より大きい層(例えば、より丈の高い)層を設けるために、追加の印刷可能な組成物を前に形成された絶縁層上にインクジェット印刷することも可能である。インクジェット印刷は、インクジェット印刷の遙かにより高い制御度のゆえにスクリーン印刷から実用的であるより小さい印刷寸法をもたらすことも可能である。
【0039】
印刷可能な組成物は、典型的には、基材上に被覆またはパターン化するためにディジタル印刷技術、例えばインクジェット印刷に印刷可能な組成物を馴染み易くする粘度を有する。インクジェット印刷において、組成物は1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定して1〜40センチポアズの粘度、しばしば1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定して10〜14センチポアズの粘度を有してもよい。1〜100,000センチポアズの粘度は、エアロゾル式印刷およびシリンジ印刷などの他のディジタル印刷技術のために適する場合がある。ディジタル印刷は急速に変化する分野であり、今知られているか、または後で開発される適するいかなるディジタル印刷技術の使用も本発明が考慮していることは認められるであろう。
【0040】
印刷可能な組成物は、例えば、放射線照射および熱暴露などを経由して硬化させることにより印刷後に通常硬化される。多くの場合、サイズおよび形状を維持するより粘性の状態に印刷するためにより粘性でない状態から絶縁材料を冷却することによりインクジェット印刷された絶縁材料の配置および形状を固定することが望ましい場合がある。
【0041】
本発明の種々の追加の態様を今からより大幅に詳しく記載する。
【0042】
A.珪素および酸素を含むポリマー
本発明により製造された組成物は、典型的にはポリシルセスキオキサンの形を取った珪素により配位された酸素のポリマーを含む。ポリシルセスキオキサンは、[RSiO3/2]の形を取った3個の橋架け酸素原子により配位された珪素を有し、多様な錯体三次元形状を形成することが可能である。種々のポリシルセスキオキサン、例えばポリメチルシルセスキオキサンを用いることが可能である。適する特定のポリシルセスキオキサンとしては、オハイオ州コロンブスのテクネガルス(Technegals(Columbus,OH))からGR653L、GR654LおよびGR650Fというラベルで販売されているポリメチルシルセスキオキサンが挙げられるが、それらに限定されない。追加の好適なマトリックスポリマーとしては、ゲル透過クロマトグラフィを用いて決定した時に約2,300〜約15,000の分子量を有するオルガノシルセスキオキサン、特にメチルシルセスキオキサン樹脂が挙げられる。
【0043】
一般に、印刷され硬化した組成物は、例えば少なくとも10重量%のポリシルセスキオキサンを含むが、5〜95重量%のポリシルセスキオキサンの範囲を含むことが可能である。上で論じたように、このポリシルセスキオキサンは、典型的にはポリメチルシルセスキオキサンであるが、もう1種のポリオルガノシルセスキオキサンまたは幾つかの混合物であることが可能である。
【0044】
B.ナノ粒子
本発明の特定の実施形態において、組成物は珪素および酸素を含むポリマーに加えてナノ粒子とも呼ばれるナノメートルサイズの粒子を含む。適するナノ粒子には、シリカなどの無機酸化物粒子、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン、ジルコニア、バナジアおよびチタニアなどの金属酸化物およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0045】
オルガノシルセスキオキサン流体樹脂に分散させたコロイドナノ粒子は、充填剤を含まないコーティング組成物よりも硬化中に収縮を受け難いコーティングをもたらした。硬化中にコーティングが収縮すればするほど、コーティングに亀裂が入る可能性が高くなる。プレ凝縮ナノ微粒子をシルセスキオキサンコーティングに導入すると、小さい収縮を有するコーティングを提供する。絶縁層の亀裂またはクレージングは電流が層を通して流れるのを可能にし、よってタッチスクリーンに電気短絡をもたらす。この小さい収縮は、余り厚く被着させる場合に硬化中に亀裂が入りうるTEOSに基づくものなどの他の高温硬化ゾル−ゲル塗料で行うことができるよりも厚い層としてコーティングを適用することも可能にする。約1.2〜約2.7の屈折率を有する酸化珪素および酸化ジルコニウムを含む酸化物のナノ粒子は液体ポリマーマトリックスに分散して、約500ナノメートル(0.5μm)未満、好ましくは約5nm〜約75nmの平均粒径を有する粒子を含む本発明によるナノ複合材料コーティング分散体を提供してもよい。具体的なコーティングは、ポリメチルシルセスキオキサンに分散させたシリカまたはジルコニアナノ粒子を含む。
【0046】
理論によって拘束されることを望まないけれども、小さい収縮は起きるように思われる。プレ凝縮ナノ粒子がコーティング組成物の体積の多少を占め、硬化する必要があるオルガノシスセスキオキサンの量を減らし、よって分散相に帰すことができる収縮を減らすからである。更に、分散した粒子は微小亀裂の伝播または形成さえも制限する「エネルギー吸収体」として機能する場合がある。この理由で、被覆した分散体は寸法安定性、およびコーティングが硬化するにつれて亀裂が生じにくくなる傾向を示す。ナノ粒子の存在は絶縁コーティングの耐久性および耐摩耗性も高める。
【0047】
本発明の実施において、粒径は適する技術を用いて決定してもよい。典型的には、絶縁材料を形成するために用いられる印刷可能な組成物は、少なくとも1%のナノ粒子、より典型的には、3%を上回るナノ粒子、さらにより典型的には5%を上回るナノ粒子を含む。実施形態によっては、印刷され硬化した組成物は、5〜95重量%のポリシルセスキオキサンおよび5〜95重量%の無機ナノ粒子を含む。重量%で記載された組成物の範囲が異なる無機酸化物ナノ粒子組成物の密度の相違のゆえに必然的に広いことは当業者によって認められるであろう。
【0048】
一般に、ナノ複合材料コーティング分散体は、十分に分散したナノ粒子を含むポリマーマトリックスとして定義することが可能である。ポリマーマトリックス中のナノ粒子の最適な分散体は、カルボン酸、シランおよび分散剤から選択された表面改質剤によるナノ粒子の表面処理に応じて異なってもよい。適する酸表面改質剤としては、2[−2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸およびヘキサン酸が挙げられるが、それらに限定されない。シラン表面改質剤としては、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランおよびイソオクチルトリメトキシシランが挙げられるが、それらに限定されない。無機粒子の表面改質は用いられる特定の表面処理剤に応じて水または水と1種以上の共溶媒の混合物中で行うことが可能であり、塩基性無機酸化物ゾルと酸性無機酸化物ゾルの両方を用いてもよい。
【0049】
C.他の成分
上述したように、硬化中にコーティングが収縮すればするほど、コーティングに亀裂が入る可能性が高くなる。プレ凝縮ナノ微粒子をシルセスキオキサンコーティングに導入すると、小さい収縮を有するコーティングを提供する。本発明によるコーティングに対して柔軟性を高めるための任意の添加剤には、印刷され硬化した組成物の約1重量%〜約40重量%以上の少量でコーティング配合物に添加してもよい材料が挙げられる。柔軟剤は、硬化すると架橋シルセキオキサン網目に組み込まれ、架橋間の直線距離を有効に増し、よって架橋密度を減らす反応性成分を含む。柔軟剤としては、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシランおよびトリメチルメトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシランおよびトリアルキルモノアルコキシシランが挙げられる。
【0050】
テトラアルコキシシランおよびアルキルトリアルコキシシランなどの特定の反応性成分は、硬化したコーティングの物理的特性を改質するために添加することが可能であり、組成物中の非反応性溶媒と合わせて、または組成物中の非反応性溶媒の代わりに用いてもよい。こうした成分は約0〜50重量%の量で存在してもよい。例には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシランおよびメチルトリメトキシシランが挙げられが、それらに限定されない。
【0051】
アルコール、ケトン、エーテルおよびアセテートなどを含む様々な溶媒を本発明の組成物中で適切に用いることが可能である。具体的な溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノールおよび1−メトキシ−2−プロパノールが挙げられる。
【0052】
基材への粘着力を高める任意の添加剤または基材上の流れを改善する湿潤剤を約0重量%〜約10重量%以上の少量でコーティング配合物に添加してもよい。具体的な接着促進剤はポリエチルオキサゾリンである。
【0053】
他の任意の成分は、縮合反応に触媒作用するように機能できる有機酸を含むことが可能である。具体的な有機酸としては、酢酸、メトキシエトキシ酢酸またはヘキサン酸が挙げられる。有機酸は、実質的にすべての溶媒の蒸発後に組成物の好ましくは0〜3重量%の量で存在してもよい。
【0054】
D.方法
本発明は、インクジェット印刷された材料を硬化させてタッチパネル中で用いるために適する絶縁材料を形成させるように、導電性コーティングを含む材料を基材エレメント上にインクジェット印刷する方法も提供する。種々の要素は、インクジェット印刷された材料が絶縁材料を形成させるために適するか否かおよび適する度合に影響を及ぼしうる。上で論じたように、インクジェット印刷された材料の光学的特性は重要でありうる。例えば、材料が可視光線を散乱する場合、全体のタッチスクリーン上にわたってハードコートとして用いられる絶縁材料はユーザにはっきり見える場合があり、タッチパネル用途に関する目視品質を落とす場合がある。あるいは、制御された光散乱は、まぶしさ防止特性を提供するために有用である場合がある。更に、印刷後に比較的小さい散乱を示す絶縁材料を印刷することが望ましい場合がある。
【0055】
本発明は、タッチ型作動ユーザ入力装置を製造する方法であって、基材を用意する工程、ポリメチルシルセスキオキサンを含む組成物を前記基材上に印刷する工程および150℃より低い温度でポリメチルシルセスキオキサンを含む組成物を硬化させて絶縁層を形成する工程を含む方法に更に関連する。幾つかの実装例において、印刷工程はインクジェット印刷を含む一方で、他において、印刷工程はスクリーン印刷を含む。
【実施例】
【0056】
本発明を以下の実施例を用いて今から更に詳しく説明する。
【0057】
実施例1
この実施例のために、スクリーン印刷された導電性トレースを含む基材上にジルコニアナノ粒子入りのポリシルセスキオキサンをインクジェット印刷した。
【0058】
印刷組成物のためのポリシルセスキオキサンを次の通り配合した。組成物1Aは、23グラムの「ナルコ・ジルコニア」ゾル00SSOO8(イリノイ州ベッドフォードパークのナルコ・ケミカルカンパニー(Nalco Chemical Company(Bedford Park,IL)))を0.97グラムの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)))と混合して均質ゾルを形成させることにより調製した。このゾルは、ブタノール中で100グラムのポリメチルシルセスキオキサン(GR653L、オハイオ州コロンブスのテクネガルス(Technegals(Columbus,OH)))に混合しつつ添加した。「ゲルマン・ガラス・アクロディスク(Gelman Glass Acrodisc)」(1マイクロメートルのガラス繊維メンブレン)25mmシリンジフィルタを通して混合物を濾過した。
【0059】
組成物1Bは、48グラムの「ナルコ・ジルコニア」ゾル00SSOO8(イリノイ州ベッドフォードパークのナルコ・ケミカルカンパニー(Nalco Chemical Company(Bedford Park,IL)))を2.0グラムの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)))と混合して均質ゾルを形成させることにより調製した。このゾルは、ブタノール中で100グラムのポリメチルシルセスキオキサン(GR653L、オハイオ州コロンブスのテクネガルス(Technegals(Columbus,OH)))および5.0グラムのジメチルジエトキシシラン(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)))に混合しつつ添加した。「ゲルマン・ガラス・アクロディスク(Gelman Glass Acrodisc)」(1マイクロメートルのガラス繊維メンブレン)25mmシリンジフィルタを通して混合物を濾過した。
【0060】
組成物1Cは、67.2グラムの「ナルコ・ジルコニア」ゾル00SSOO8(イリノイ州ベッドフォードパークのナルコ・ケミカルカンパニー(Nalco Chemical Company(Bedford Park,IL)))を2.8グラムの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)))と混合して均質ゾルを形成させることにより調製した。このゾルは、ブタノール中の140グラムのポリメチルシルセスキオキサン(GR653L、オハイオ州コロンブスのテクネガルス(Technegals(Columbus,OH)))と7.0グラムのカルビノメチルシロキサン−ジメチルシリコーンコポリマー(ペンシルバニア州タリータウンのゲレスト(Gelest Inc.(Tullytown,PA)))の混合物に混合しつつ添加した。「ゲルマン・ガラス・アクロディスク(Gelman Glass Acrodisc)」(1マイクロメートルのガラス繊維メンブレン)25mmシリンジフィルタを通して混合物を濾過した。
【0061】
C25カップを用いる「ボーリン・インストルメンツ・CVO・ハイレゾリューション・レオメータ(Bohlin Instruments CVO High Resolution Rheometer)」で各組成物のレオロジーを測定した。1s-1の剪断速度でのこれらの組成物の粘度は次の通りであった。組成物1A:11.4cP、組成物1B:10.6cP、組成物1C:11cP。
【0062】
35ボルトで「ザールジェット(Xaarjet)」128 78pLプリントヘッドを用いて、これらの3種の組成物の各々をガラス上のスクリーン印刷された導電性トレース上にインクジェット印刷した。各パターンを3回ジェット印刷し、その後、130℃のオーブンに15分にわたり入れた。サンプルは複雑な構造を精密に印刷する能力を実証するために作られた別個の通路を製造した。この通路は顕微鏡下で見えるピンホールを伴わずに製造された。通路の両端を波形に仕上げた。材料は通路の下にある導電性トレースを絶縁し、絶縁層はクリアであった。サンプル高を「ウィコ・インターフェロメータ(Wyco Interferometer)」光学プロファイラで測定した。スクリーン印刷された導電性トレースの厚さは誘電体マスクの厚さとほぼ同じであった。誘電体マスクの厚さは約10マイクロメートルであった一方で、導電性トレースの厚さは約10〜14μmである。
【0063】
実施例2
この実施例のために、ポリシルセスキオキサンをハードコートとして用いるためにインクジェット印刷した。
【0064】
組成物2Aは、23グラムの「ナルコ・ジルコニア」ゾル00SSOO8(イリノイ州ベッドフォードパークのナルコ・ケミカルカンパニー(Nalco Chemical Company(Bedford Park,IL)))を0.97グラムの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)))と混合して均質ゾルを形成させることにより調製した。このゾルは、ブタノール中で100グラムのポリメチルシルセスキオキサン(GR653L、オハイオ州コロンブスのテクネガルス(Technegals(Columbus,OH)))に混合しつつ添加した。「ゲルマン・ガラス・アクロディスク(Gelman Glass Acrodisc)」(1マイクロメートルのガラス繊維メンブレン)25mmシリンジフィルタを通して混合物を濾過した。35ボルトで「ザールジェット(Xaarjet)」128 78pLプリントヘッドを用いて3インチ×3インチ正方形で溶液を酸化インジウム錫被覆PET上にインクジェット印刷した。パターンを3回ジェット印刷し、その後、130℃のオーブンに15分にわたって入れた。
【0065】
650gの分銅と合わせて20,000サイクルにわたって半径1/8インチの「デルリン(Delrin)」針先を用いてサンプルを後で削り落とした。削り落とし後、ポリシルセスキオキサンで被覆された側は引っ掻きを示さなかった一方で、被覆されていない側(酸化インジウム錫のみ)は著しい引っ掻きを示した。
【0066】
UV−可視スペクトル分析を各サンプル上で測定した。測定はPELA−100積分球付属品が装着された「パーキン・エルマー・ラムダ(Perkin Elmer Lambda)」900スペクトロフォトメータで行った。この球は直径150mm(6インチ)であり、「色および外観の測定に関するASTM規格(ASTM Standards on Color and Appearance Measurement)」第三版、ASTM、1991年において発行されたASTM方法E903、D1003、E308らに適合する。全発光伝播(TLT)および拡散発光伝播(DLT)を200〜850nmのスペクトル範囲にわたって測定した。
【0067】
ヘイズを380〜780nmの範囲にわたって次の通り計算した。基材材料とハードコートの両方を二回分析した。
ヘイズ=100(Tt/Td*w)
Tt=全発光伝播
Td=全拡散伝播(補正済み)
w=CIE C重み係数
【0068】
TLTとDLTの両方は以下の表1に示したようにヘイズの最少増加と合わせて被覆された面について増加した。
【0069】
【表1】

【0070】
実施例3
この実施例は、シリカナノ粒子入りのポリシルセスキオキサンのインクジェット印刷を試験した。
【0071】
最初に、メチルトリエトキシシラン処理された「ナルコ(NALCO)」2327 20nmシリカ粒子を調製した。攪拌棒が装着された1リットルの反応容器に125.0gの「ナルコ(NALCO)」2327(水中の約20nmシリカ粒子の41.45%水性分散液)を添加した。攪拌しているゾルに143.75gの1−メトキシ−2−プロパノール中の5.7277gのメチルトリエトキシシラン(MTEOS)(0.62ミリモルシラン/gシリカ)を30分にわたってゆっくり添加した。密封反応容器を90℃のオーブンに20時間にわたり入れた。反応容器をオーブンから取り出し、水を真空でメトキシプロパノールとの共沸混合物として除去して、1−メトキシ−2−プロパノール中のメチルトリエトキシシラン処理された「ナルコ(NALCO)」2327粒子の溶液を残した。その後、粗いフィルターを通して溶液を濾過して粒子状物質を除去し、溶液は重量分析によって1−メトキシ−2−プロパノール中の22.3%MTEOS−2327であると決定した。
【0072】
次に、別個の容器内で、ブタノール中の「テクネグラス(Techneglas)」GR−650Fポリメチルシロキサンを調製した。1リットルのガラスジャーに501gのブタノール(アルドリッチ(Aldrich))に加えて214.72gの「テクネグラス(Techneglas)」GR−650Fガラス樹脂(ロット#55830)を添加した。オーバーヘッドスターラーを用いて溶液を6時間にわたり攪拌して、ブタノール中のGR650Fの均質溶液をもたらした。溶液はブタノール中の30重量%GR−650Fであった。
【0073】
インクジェットのためのMTEOS−2327充填GR650F樹脂:
大きなバイアルにブタノール中の17.0gの30%「テクネグラス(Techneglas)」GR−650F樹脂および1−メトキシ−2−プロパノール中の10.0gの22.3%MTEOS−2327粒子を添加した。バイアルを密封し、振とうによって混合して、色合いが若干青味がかった均質溶液をもたらした。1部の水酸化アンモニウム(メタノール中25%)および2部の蟻酸からなる触媒を添加し、3重量%(0.1530g)で溶液に混合した。
【0074】
C25カップを用いる「ボーリン・インストルメンツ・CVO・ハイレゾリューション・レオメータ(Bohlin Instruments CVO High Resolution Rheometer)」でこの溶液のレオロジーを測定した。1s-1の剪断速度でのこれらの組成物の粘度は12cPであった。35ボルトで「ザールジェット(Xaarjet)」128 78pLプリントヘッドを用いて、この溶液をガラス上にインクジェット印刷した。サンプルを130℃のオーブンに15分にわたって入れた。これはハード連続フィルムをもたらした。
【0075】
実施例4
この実施例において、mq樹脂をインクジェット印刷した。
【0076】
ポリシルセスキオキサン配合物を次の通り調製した。マグネットスターロッドを用いてGEシリコーンズ(GE Silicones)(ニューヨーク州ウォーターフォード(Waterford,NY))製の35重量%SR1000mq樹脂ポリトリメチルヒドロシリルシリケートをアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,WI))製の65重量%ブタノールに20分にわたり混合した。C25カップを用いる「ボーリン・インストルメンツ・CVO・ハイレゾリューション・レオメータ(Bohlin Instruments CVO High Resolution Rheometer)」でこの溶液のレオロジーを測定した。1s-1の剪断速度でのこの溶液の粘度は8.2cPであった。
【0077】
35ボルトで「ザールジェット(Xaarjet)」128 78pLプリントヘッドを用いて、この溶液をガラス上にインクジェット印刷した。サンプルを130℃のオーブンに1時間にわたって入れた。これはハード連続フィルムをもたらした。
【0078】
実施例5
耐高温性バーコーディングのための顔料入りポリシルセスキオキサンをこの実施例のために製造した。
【0079】
組成物5Aは、23グラムの「ナルコ・ジルコニア」ゾル00SSOO8(イリノイ州ベッドフォードパークのナルコ・ケミカルカンパニー(Nalco Chemical Company(Bedford Park,IL)))を0.97グラムの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company,Inc.(Milwaukee,WI)))と混合して均質ゾルを形成させることにより調製した。このゾルは、ブタノール中で100グラムのポリメチルシルセスキオキサン(GR653L、オハイオ州コロンブスのテクネガルス(Technegals(Columbus,OH)))に混合しつつ添加した。「ゲルマン・ガラス・アクロディスク(Gelman Glass Acrodisc)」(1マイクロメートルのガラス繊維メンブレン)25mmシリンジフィルタを通して混合物を濾過した。この配合物に8gのブタノールおよび1.526gのチバ・ミコリスC−Aブラック(Ciba Microlith C−A Black)顔料を添加した。
【0080】
サンプルをローラー上に置き、15分にわたり転がした。サンプルはよく分散したように見え、沈殿は15日後に明らかでなかった。C25カップおよびボブジオメトリ(bob geometry)を用いる「ボーリン・インストルメンツ・CVO・ハイレゾリューション・レオメータ(Bohlin Instruments CVO High Resolution Rheometer)」でこの溶液のレオロジーを測定した。1s-1の剪断速度でのこの溶液の粘度は15.0cPであった。35ボルトで「ザールジェット(Xaarjet)」128 78pLプリントヘッドを用いて、この溶液をガラス上にインクジェット印刷した。サンプルを130℃のオーブンに15分にわたって入れた。これは硬化した耐高温性バーコードパターンをもたらした。
【0081】
本発明は上に記載された特定の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ添付した特許請求の範囲に公正に記載されたように本発明のすべての態様を包含すると理解されるべきである。種々の修正、等価プロセスおよび本発明が適用可能であってもよい多くの構造は、本明細書を見ると本発明に関連する当業者に容易に明らかであろう。
【0082】
上で引用された特許、特許文書および刊行物は、あたかも完全に再現されたかのように、この文書に引用して援用する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実装例により構成され配列された絶縁層を含む基材の単純化された側断面である。
【図2】本発明の実施形態に従って構成され配列されたタッチパネル表示装置の単純化された側断面である。
【図3】本発明の実施形態に従って構成され配列されたタッチパネル表示装置の単純化された側断面である。
【図4】本発明の実施形態に従って構成され配列されたタッチパネル表示装置の単純化された側断面である。
【図5】本発明の実施形態に従って構成され配列されたタッチパネル表示装置の単純化された側断面である。
【図6】本発明の実施形態に従って構成され配列されたタッチパネル表示装置の単純化された側断面である。前記表示装置は高温に加熱される前である。
【図7】本発明の実施形態に従って構成され配列されたタッチパネル表示装置の単純化された側断面である。前記表示装置は高温に加熱された後である。
【図8】本発明の実施形態に従って構成され配列された抵抗タッチパネルの単純化された側断面である。
【図9】本発明の実施形態に従って構成され配列された4線抵抗タッチパネルの単純化された側断面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層を形成するための組成物であって、
無機ナノ粒子を含む混合物、
溶媒および
1種以上の任意の添加剤
を含み、前記無機ナノ粒子が前記混合物の質量を基準として5〜95重量%の量で存在し、かつ、前記混合物の質量を基準として5〜95質量%の量のポリメチルシルセスキオキサンに分散されており、前記組成物がディジタル印刷技術を用いて当該組成物を適用するのに適する粘度を有する組成物。
【請求項2】
前記組成物は1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定した場合に1〜100,000センチポアズの粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物はインクジェット印刷に適する粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は1s-1〜1000s-1の剪断速度にわたって連続応力掃引を用いて測定した場合に1〜40センチポアズの粘度を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記ナノ粒子はシリカ粒子、ジルコニア粒子およびアルミナ粒子の1種以上を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記無機ナノ粒子は表面改質されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記表面改質剤はカルボン酸、カルボン酸誘導体、シランまたはそれらの混合物を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記カルボン酸誘導体はヘキサン酸または2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記シランはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシランまたはそれらの混合物を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記ナノ粒子は1〜500ナノメートルの平均サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ナノ粒子は5〜125ナノメートルの平均サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記1種以上の任意の添加剤は実質的にすべての溶媒の蒸発後に前記組成物の0〜60重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記1種以上の任意の添加剤は接着促進剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記接着促進剤はポリエチルオキサゾリンを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記接着促進剤は実質的にすべての溶媒の蒸発後に前記組成物の0〜5重量%の量で存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記1種以上の任意の添加剤は1種以上のテトラアルコキシシランおよびアルキルトリアルコキシシランを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記アルコキシシランはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシランおよびメチルトリメトキシシランから本質的になる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記1種以上のテトラアルコキシシランおよびアルキルトリアルコキシシランは実質的にすべての溶媒の蒸発後に前記組成物の0〜50重量%の量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記1種以上の任意の添加剤は柔軟剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記柔軟剤はジアルキルジアルコキシシランおよびトリアルキルモノアルコキシシランの1種以上を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記1種以上のジアルキルジアルコキシシランおよびトリアルキルモノアルコキシシランはジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシランおよびトリメチルメトキシシランから本質的になる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記柔軟剤は、実質的にすべての溶媒の蒸発後に前記組成物の0〜40重量%の量で存在する、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記1種以上の任意の添加剤は有機酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記有機酸は酢酸、メトキシエトキシ酢酸、ヘキサン酸またはそれらの混合物を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記有機酸は実質的にすべての溶媒の蒸発後に前記組成物の0〜3重量%の量で存在する、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記溶媒はアルコール、ケトン、エーテル、アセテートまたはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
絶縁層を印刷する方法であって、
(i)表面改質された無機ナノ粒子を含む混合物、(ii)溶媒、および(iii)1種以上の任意の添加剤、を含み、前記無機ナノ粒子が前記混合物の質量を基準として5〜95重量%の量で存在し、かつ、前記混合物の質量を基準として5〜95質量%の量のポリメチルシルセスキオキサンに分散されている、絶縁層を形成するための組成物を用意する工程、および
ディジタル印刷技術を用いて基材上に前記組成物を印刷する工程、
を含む方法。
【請求項28】
前記ディジタル印刷技術はインクジェット印刷を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ディジタル印刷技術はエアロゾル式印刷またはシリンジ印刷を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
溶媒を実質的に除去するために印刷工程後に前記組成物を乾燥させる工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
タッチ型作動ユーザ入力装置に前記基材を組み込むことを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
基材、および
基材の少なくとも一部の上に堆積された絶縁層であって、ポリオルガノシルセスキオキサンを含む絶縁層、
を含むタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項33】
前記絶縁層が無機ナノ粒子を更に含む、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項34】
前記基材がガラスまたはプラスチックを含む、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項35】
前記プラスチック基材がポリエチレンテレフタレートを含む、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項36】
前記基材が非導電性表面上に導電性トレースを含む、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項37】
前記絶縁層が前記導電性トレース上に保護コートとして堆積された、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項38】
前記絶縁層が直線化層上に保護コートとして堆積された、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項39】
前記基材が主面を有し、前記絶縁層は大部分の主面上にハードコートとして堆積された、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項40】
前記導電性トレースが導電性ポリマーを含む、請求項36に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項41】
前記絶縁層が前記導電性トレースを少なくとも部分的に覆い、前記絶縁組成物はピンホールを実質的に含まない、請求項36に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項42】
前記絶縁層がタッチ入力を示唆する信号を伝送するためのタッチデバイスの活性領域に配置された抵抗層上の保護被膜である、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項43】
前記絶縁層は少なくとも10重量%のポリメチルシルセスキオキサンを含む、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項44】
前記絶縁層は10〜95重量%のポリメチルシルセスキオキサンおよび5〜90重量%の無機ナノ粒子を含む、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項45】
前記絶縁層は500℃の温度で実質的に安定である、請求項32に記載のタッチ型作動ユーザ入力装置。
【請求項46】
タッチ型作動ユーザ入力装置を製造する方法であって、
基材を用意する工程、
ポリオルガノシルセスキオキサンを含む組成物を前記基材上に印刷する工程および
150℃より低い温度でポリオルガノシルセスキオキサンを含む前記組成物を硬化させて絶縁層を形成する工程を含む方法。
【請求項47】
前記印刷の工程がインクジェット印刷を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記印刷の工程がスクリーン印刷を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記絶縁層が500℃の温度で実質的に安定である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
ポリメチルシルセスキオキサンを含む前記組成物が無機ナノ粒子を更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記無機ナノ粒子がシリカ粒子、ジルコニア粒子およびアルミナ粒子の1種以上を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ナノ粒子が表面改質されている、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
ポリメチルシルセスキオキサンを含む前記組成物が少なくとも10重量%のポリメチルシルセスキオキサンを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
前記硬化工程後、前記組成物は10〜95重量%のポリメチルシルセスキオキサンおよび5〜90重量%の無機ナノ粒子を含む、請求項46に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−507583(P2007−507583A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533838(P2006−533838)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/024890
【国際公開番号】WO2005/035238
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】