印刷媒体
【課題】 被印刷面に印刷される写真画像に写り込んでいる被写体に関する更なる情報を、印刷媒体の利用者に提供するために極めて利便性に優れた印刷媒体を提供することである。
【解決手段】 この印刷媒体は、被印刷面に各種の掲載情報が印刷されている印刷媒体であって、その被印刷面に設けられる写真画像と、その写真画像内又はその写真画像に隣接する周辺領域に配置される識別マークとを備えており、更に、その識別マークが、写真画像内に写り込んでいる被写体に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報がコード化されて記録されたものであり、かつ、読取装置によって読み取られデコード装置によってデコード化されることで接続先情報が開示されるものである。
【解決手段】 この印刷媒体は、被印刷面に各種の掲載情報が印刷されている印刷媒体であって、その被印刷面に設けられる写真画像と、その写真画像内又はその写真画像に隣接する周辺領域に配置される識別マークとを備えており、更に、その識別マークが、写真画像内に写り込んでいる被写体に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報がコード化されて記録されたものであり、かつ、読取装置によって読み取られデコード装置によってデコード化されることで接続先情報が開示されるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の記事や広告などの掲載情報が被印刷面に印刷される印刷媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、新聞、雑誌、チラシ、カタログ、リーフレット、パンフレット、ダイレクトメール、価格表、名刺、ブロマイド、取引書類、ラベル、シール、包装容器などの印刷物には被印刷面が設けられており、この被印刷面には、印刷物によって提供しようとする各種の掲載情報と、その掲載情報に関連した写真画像が印刷されている。例えば、新聞や雑誌には、その誌面に各種の記事や広告が印刷により掲載されており、この記事や広告に関する写真画像も併せて印刷されている。
【特許文献1】実用新案登録第3123978号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した新聞広告や雑誌広告については、多くの場合が広告サイズに応じた広告掲載料金となっており、例えば、広告サイズが大きくなるに従って広告掲載料金が段階的に高額となる料金設定となっている。このため、広告主は、新聞や雑誌等の印刷物に広告を掲載する場合に、その広告掲載料金の金額が自己の予算に見合ったものでないときには、結局、自己が求める広告スペースを十分に確保することができず、結果、十分な情報を掲載することができなくなってしまうという問題点があった。
【0004】
また、新聞や雑誌をはじめ他の印刷物についても、カラー印刷による写真画像を用いた場合には、モノクロ印刷による記事や写真画像を用いた場合に比べると印刷料金が嵩むため、本来であれば、多様な写真画像を幾つも用いて掲載情報の内容を十分なものに構成したような場合でも、厳選された1枚乃至数枚程度の写真画像しか掲載情報に用いることができず、結果、十分な広報活動が行えないという問題点があった。
【0005】
さらに、特に、チラシ、リーフレット、パンフレット、ダイレクトメールなどのように被印刷面のスペースが元々極めて狭小なものに限定されている印刷物にあっては、そもそも、多様な写真画像を幾つも用いて掲載情報の内容を構成することができず、これらを用いた広報活動が大幅に制約を受けてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、被印刷面に印刷される写真画像に写り込んでいる被写体に関する更なる情報を、印刷媒体の利用者に提供するために極めて利便性に優れた印刷媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1の印刷媒体は、被印刷面に各種の掲載情報が印刷されている印刷媒体であって、その被印刷面に設けられる写真画像と、その写真画像内又はその写真画像に隣接する周辺領域に配置される識別マークとを備えており、その識別マークは、前記写真画像内に写り込んでいる被写体に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報がコード化されて記録されたものであり、かつ、読取装置によって読み取られデコード装置によってデコード化されることで前記接続先情報が開示されるものである。
【0008】
なお、識別マークを被印刷面に配置する場合には、識別マークを被印刷面に直接印刷したり、又は、識別マークが印刷されたシール、ラベルその他の物を被印刷面に貼付したりしても良い。また、識別マークが写真画像に隣接する周辺領域に配置される状態のなかには、識別マークの読取エラーを生じない限度において、識別マークの輪郭が写真画像の写真画像の輪郭と接した状態も含まれる。
【0009】
この請求項1の印刷媒体によれば、この印刷媒体の利用者が被印刷面にある写真画像を見て、その写真画像に写り込んでいる被写体について更に知りたいときには、この写真画像内又はその周辺領域に配置されることで当該写真画像と関係づけられている識別マークが、読取装置によって読み取られてデコード装置によってデコード化される。すると、識別マークにコード化されている接続先情報であって写真画像の被写体に関する説明映像を取得するためのものが取得される。
【0010】
ここで、この接続先情報を用いて通信端末のアクセス手段によりネットワークを介してアクセスが行われると、ネットワークに接続されているサーバー装置が、写真画像に写り込んでいる被写体に関する説明映像を、記憶装置から読み出し、当該通信端末に対して送信してくる。この送信されてきた説明映像が通信端末の映像表示装置によって再生表示されることによって、被印刷面の写真画像に写り込んでいる被写体に関する説明が映像として提示又は開示される。
【0011】
請求項2の印刷媒体は、請求項1の印刷媒体において、前記識別マークが、スタック方式、マトリックス方式その他の二次元コード化方式によって、前記説明映像を取得するための前記接続先情報をコード化したものである。
【0012】
この請求項2の印刷媒体によれば、請求項1の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークは、特に、携帯電話などの携帯型通信端末の分野において各種の情報ソースへのアクセス手段として広く利用されている二次元コード化方式によって接続先情報をコード化したものであるので、この識別マークが配置されている写真画像に関する情報ソースに対してアクセス可能であることを示唆又は暗示することができる。
【0013】
よって、識別マークに関する余分な説明や宣伝をせずとも、利用者に対して写真画像内又はその周辺領域に配置される識別マークが写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることを容易に告知できる。
【0014】
請求項3の印刷媒体は、請求項1又は2の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像内であってその写真画像の隅部分に重畳して、その写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものである。
【0015】
この請求項3の印刷媒体によれば、請求項1又は2の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークが写真画像内に配置されるので、識別マークを写真画像の周辺領域に配置する場合に比べて、識別マークと写真画像との関連性を強調することができる。よって、利用者に対して、識別マークが、写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることをより効果的に告知できる。しかも、写真画像の周辺領域に識別マークを配置するための余分に出っ張ったスペースを被印刷面上に確保する必要がなく、写真画像の周囲の掲載情報のレイアウトに支障を来すことなく、識別マークを配置することができる。
【0016】
また、写真画像の被写体に興味を示す看者は、当然、写真画像を注視することから、その写真画像に識別マークを重畳することで、かかる識別マークに対しても注目を一層集めることができ、識別マークに対する興味を促すとともに、その利用率を高めることができる。しかも、識別マークは、写真画像内に重畳して配置されるとはいえ、写真画像の隅部分に当該写真画像よりも小さなサイズで配置されるので、写真画像に写っている被写体自体の視認性を阻害することもない。
【0017】
請求項4の印刷媒体は、請求項1又は2の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像の縁部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれ、その写真画像の輪郭の一部を成すように配置されるものである。
【0018】
この請求項4の印刷媒体によれば、請求項1又は2の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークが、写真画像の縁部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれ、その写真画像の輪郭の一部を成すように配置されるので、写真画像の周辺領域に識別マークを配置するための余分に出っ張ったスペースを被印刷面上に確保する必要がなく、写真画像の周囲の掲載情報のレイアウトに支障を来すことなく、識別マークを配置することができる。
【0019】
また、識別マークは、写真画像の欠切部分に嵌め込み配置されるので、写真画像の色彩に変更を加えずとも、かかる欠切部分の背景色を識別マークの読取解読に支障のない色彩(例えば、白色系の背景色)に選定するだけで、識別マークの読取エラーを防止することができる。特に、写真画像内に識別マークを重畳すると、写真画像の色彩が邪魔をして識別マークの読取エラーが発生するような場合には、極めて有効である。
【0020】
また、識別マークは、実質的に写真画像の周辺領域に配置されるとはいえ、写真画像の輪郭の一部を成すように欠切部分に嵌め込み配置されるので、ただ単に識別マークを写真画像の周辺領域に配置する場合に比べて、識別マークと写真画像との関連性を強調することができる。よって、利用者に対して、識別マークが、写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることをより効果的に告知できる。
【0021】
さらに、写真画像の被写体に興味を示す看者は、当然、写真画像を注視することから、その写真画像に識別マークを嵌め込み配置することで、かかる識別マークに対して注目を一層集めることができ、識別マークに対する興味を促すとともに、その利用率を高めることができる。しかも、識別マークは、写真画像には重畳されないので、当該写真画像に写っている被写体自体の視認性を阻害することも一切ない。
【0022】
請求項5の印刷媒体は、請求項1又は2の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像内であって、その写真画像に写り込んでいる被写体のうち前記説明映像により説明しようとする被説明対象物を除く背景画像部分に、当該写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものである。
【0023】
この請求項5の印刷媒体によれば、請求項1又は2の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークが写真画像内に配置されるので、識別マークを写真画像の周辺領域に配置する場合に比べて、識別マークと写真画像との関連性を強調することができる。よって、利用者に対して、識別マークが、写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることをより効果的に告知できる。しかも、写真画像の周辺領域に識別マークを配置するための余分に出っ張ったスペースを被印刷面上に確保する必要がなく、写真画像の周囲の掲載情報のレイアウトに支障を来すことなく、識別マークを配置することができる。
【0024】
また、写真画像の被写体に興味を示す看者は、当然、写真画像を注視することから、その写真画像内の背景画像部分に識別マークを配置することで、かかる識別マークに対しても注目を一層集めることができ、識別マークに対する興味を促すとともに、その利用率を高めることができる。しかも、識別マークは、写真画像内に配置されるとはいえ、写真画像内であっても被説明対象物を除いた背景画像部分に、当該写真画像よりも小さなサイズで配置されるので、写真画像に写っている被写体自体の視認性を阻害することもない。
【0025】
請求項6の印刷媒体は、請求項5の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像内における背景画像部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれて配置されるものである。
【0026】
この請求項6の印刷媒体によれば、請求項5の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークは、写真画像内の欠切部分に嵌め込み配置されるので、写真画像の色彩に変更を加えずとも、かかる欠切部分の背景色を識別マークの読取解読に支障のない色彩(例えば、白色系の背景色)に選定するだけで、識別マークの読取エラーを防止することができる。特に、写真画像内に識別マークを重畳すると、写真画像の色彩が邪魔をして識別マークの読取エラーが発生するような場合には、極めて有効である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の印刷媒体によれば、被印刷面に多数の写真画像を設けるスペースが確保できなくとも、写真画像内又はその周辺領域に配置される識別マークをデコード化することで取得される接続先情報を用いれば、その写真画像に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得することができる。よって、この取得した説明映像を閲覧することで、写真画像やそれに付随する記事のみでは説明しきれない情報を、印刷媒体の利用者に対して提供できるという効果がある。
【0028】
また、識別マークを介して取得される説明映像については、写真画像の被写体に関する説明情報を映像化したものであるので、単なる文字のみからなるWebページなどの説明情報に比べて、より多くの説明情報を理解され易く且つより迅速なかたちで、印刷媒体の利用者に対して提供できるという効果がある。
【0029】
しかも、この説明映像を用いれば、例えば、印刷媒体の頒布後にそれに掲載される写真画像の被写体について若干の変更が生じた場合でも、印刷媒体内の写真画像を差替えることなく、その変更点について説明映像を用いて告知することもできる。この場合に、写真画像の変更点が説明映像として利用者に提供されるので、利用者に変更点について的確に教示することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
【0031】
本発明の印刷媒体の一実施例である印刷物としては、例えば、新聞、雑誌、フリーペーパー、チラシ、カタログ、リーフレット、パンフレット、ダイレクトメール、価格表、名刺、ブロマイド、取引書類、ラベル(下札、値札、荷札その他のタグなどを含む。以下同じ。)、シール、包装容器(包装箱、包装紙、包装パック、包装袋などを含む。以下同じ。)その他写真画像が印刷等により被印刷面に設けられる各種の印刷物が含まれる。また、印刷物としてのラベルには、例えば、衣料品に縫着されるラベルであって、衣料品のメーカー名、商標、品質、洗濯情報等が印刷されたものも含まれる。
【0032】
なお、印刷物の被印刷面とは、印刷物に設けられる各種の掲載情報を印刷可能な面をいい、例えば、印刷物が新聞や雑誌などの出版物である場合はその誌面(表表紙又は裏表紙を含む。)のことをいう。
【0033】
図1及び図2は、雑誌である印刷物100の被印刷面101(誌面)に掲載される掲載情報102のレイアウト例を図示した平面図であって、図1(a)は、二次元コード105の第1レイアウト例L1を図示したものであり、図1(b)は、二次元コード105の第2レイアウト例L2を図示したものであり、図2(a)は、二次元コード105の第3レイアウト例L3を図示したものであり、図2(b)は、二次元コード105の第4レイアウト例L4を図示したものである。
【0034】
<第1レイアウト例>
図1(a)に示すように、第1レイアウト例L1において、印刷物100の被印刷面101には、洋菓子店の掲載情報102が掲載されており、この掲載情報102は、主に、掲載情報の内容を文章で表記した記事文103と、その記事文103の内容に対応した画像をカラー印刷又はモノクロ印刷で表した静止画像である写真画像104と、その写真画像104の周辺領域106であって当該写真画像104の右下側の外周縁辺に隣接して配置される二次元コード105とを備えている。写真画像104は、平面視略横長矩形状の輪郭104cを有しており、記事文103は写真画像104の右側に隣接して併記されている。
【0035】
なお、周辺領域106とは、必ずしも二次元コード105が配置されている写真画像104の右下側の外周縁辺に隣接する部分に限定されるものではなく、写真画像104の外周全体において、写真画像104の輪郭104cに隣接したその他の部分も含むものである。例えば、写真画像104の輪郭104cの上辺、下辺、左辺、又は右辺に隣接した任意の箇所に、二次元コード105を配置しても良い。
【0036】
具体的に、本実施例においては、記事文103が洋菓子店の新製品について紹介する文面であり、写真画像104が洋菓子店の新製品である「ショートケーキ」を主たる被写体(以下「主被写体」という。)104aとして撮影した静止画像であり、写真画像104に主被写体104aの他にも従たる被写体としてテーブル等の背景画像104bも写り込んでいる。
【0037】
ここで、主被写体104aとは、印刷物100の被印刷面101に設けられる写真画像104に写り込んだ被写体のうち、その写真画像104の掲載者(掲載依頼者を含む。以下同じ。)が利用者(読者を含む。)に対して当該写真画像104を用いて掲載情報102で告知しようとしている対象物(以下「被説明対象物」ともいう。)をいう。
【0038】
ただし、ここでいうところの写真画像104の主被写体104aとは、必ずしも写真画像104aに写っている対象自体(画像)の内容のみに基づいて定めされるものである必要はなく、その写真画像104aに写っている対象自体の内容に、その写真画像104a内に表記される文字、写真画像104aに併設される記事文103の文面、その他これらに類する被印刷面101上の文字表記の内容を勘案して、総合的に定められる対象を含んでいる。
【0039】
例えば、写真画像104に写っている対象が「さくらんぼ」の画像であって、その写真画像104上、記事文103の文面内、又は、周辺領域10に「さくらんぼ」の内容を補足する説明文、例えば、「山形のさくらんぼ」等と産地名を冠した表記等がなされているような場合にあっては、写真画像104の主被写体104aは、単なる「さくらんぼ」を意図するのではなく、この写真画像104自体及び「山形のさくらんぼ」を総合的に勘案した、「山形県産のさくらんぼ」と定められることとなる。
【0040】
二次元コード105は、本発明の識別マークの一種であり、当該二次元コード105が隣接配置される写真画像104に写っている主被写体104a、即ち、図1(a)中の写真画像104内に写り込んでいる「ショートケーキ」についての説明情報を映像化した説明映像Mを取得するため、その説明映像Mに関するURL(Uniform-Resource-Locator)(以下、「説明映像URL」ともいう。)をコード化して記録したものである。
【0041】
説明映像URLは、後述するように(図5参照。)、説明映像配信サーバー1,60を介して公開されている説明映像Mに対し、携帯電話機2のWWWブラウザ24aを用いて、電気通信回線網3(特に、インターネット通信網)を介してアクセスするための接続先情報である。
【0042】
ここで、URLは、電気通信回線網3を介して利用可能となっている情報リソースの位置を指し示す記述方式(接続先情報)であり、特に、インターネット通信網上の所在を、サーバ名、ポート番号、フォルダ名、ファイル名などで構成される文字列や、IP(Internet Protocol)アドレスで指定したものを含んでいる(CGIの引数を含まない文字列も含む。)。
【0043】
また、二次元コード105は、スタック方式、マトリックス方式その他の二次元コード化方式によって説明映像URLをコード化したものが好ましい。この二次元コード105には、大別すると、PDF417(SymbolTechnologies社開発)等のスタック型二次元コードと、QRコード(JIS−X−0510)(デンソーウェーブ社開発)等のマトリックス型二次元コードとがある。なかでも、QRコードは、読み取り速度を高速化することを主眼に設計された二次元コードであって、日本国内の普及率や周知度も高く、写真画像104と関係づけて用いる二次元コード105として、より好適である。
【0044】
特に、現在の日本国内で使用されている多くの携帯電話機2には、それに搭載されるカメラ機能を利用したQRコードのリーダー機能及びデコーダー機能が内蔵されており、この点においても、QRコードは、印刷物100の写真画像104に附帯配置される二次元コード105として現段階において最も好適なものである。そこで、本実施例では、二次元コード105の具体例としてQRコードを用いて説明している。
【0045】
このように、二次元コード105がQRコードであることから、これを写真画像104に附帯配置させることで、この二次元コード105が写真画像104に関する情報ソースに対してアクセス可能であることを示唆又は暗示することができる。
【0046】
また、QRコードを用いた二次元コード105であれば周知度も高いことから、写真画像104に附帯表示される二次元コード105の利用方法について余分な説明や宣伝をせずとも、利用者に対して写真画像104内又はその周辺領域106に配置される二次元コード105が写真画像104の主被写体104aに関する何らかの情報を取得するための手段であることを容易に告知できる。
【0047】
ここで、このQRコードを用いた二次元コード105は、主として、複数のモジュール、位置検出パターン等で構成されるシンボル本体と、そのシンボル本体の周囲四辺に余白として設けられるクワイエットゾーンとを備えている。なお、本第1レイアウト例を含めて、後述する第2レイアウト例から第4レイアウト例においても、二次元コード105のシンボル本体の周囲にはクワイエットゾーンが設けられている。
【0048】
なお、二次元コード105を被印刷面101に「配置する」とは、被印刷面101の所定箇所に二次元コード105を定着させることをいい、例えば、被印刷面101に二次元コード105が直接印刷されること、及び、被印刷面101に二次元コード105が印刷されたシール、ラベルその他これに類する物が貼付されること、その他これに類する態様が含まれる。
【0049】
このように、写真画像104の主被写体104aに関する説明映像URLをコード化して記録した二次元コード105が写真画像104の周辺領域106に配置されている印刷物100によれば、この印刷物100の利用者は、写真画像104の主被写体104aについて更なる情報を確認したいときに、その写真画像104に附帯される二次元コード105を携帯電話機2により読み取って解読することで説明映像URLを取得し、この説明映像URLを用いて当該写真画像104の主被写体104aに関する説明映像Mにアクセスし、この説明映像Mを閲覧することで、当該主被写体104aについて更なる説明を受けることができる。
【0050】
<第2レイアウト例>
図1(b)に示すように、第2レイアウト例L2は、上記した第1配置では二次元コード105を写真画像104の周辺領域106に配置したのに対し、二次元コード105が写真画像104の一部に組み込まれる位置に配置位置を変更したものである。以下、第1レイアウト例L1と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0051】
この第2レイアウト例L2において、二次元コード105は、写真画像104内の左下側の隅部分に、この写真画像104に重畳するような状態で印刷されることで配置されている。つまり、二次元コード105は、写真画像104の輪郭104c(境界線)よりも内側の隅部分に、この写真画像104内の画像に重なり合って配置されている。しかも、二次元コード105の平面サイズは、写真画像104の平面サイズよりも小さくされている。
【0052】
また、二次元コード105は、写真画像104の掲載者が説明映像Mを用いて更に説明しようとする被説明対象物、即ち、写真画像104の主被写体104aである「ショートケーキ」を除く背景画像104b上に、当該写真画像104よりも小さなサイズで、配置されている。
【0053】
特に、二次元コード105を写真画像104内に重畳する場合、この二次元コード105の配置箇所は、写真画像104内のうち、二次元コード105のクワイエットゾーンとしても機能可能な淡色系の色彩の画像領域が好ましく、なかでも、写真画像104内の白色系の色彩を有する画像領域であることがより好適である。つまり、この場合は、写真画像104の画像自体が二次元コード105のシンボル本体を囲繞するクワイエットゾーンとして機能することとなる。
【0054】
ここで、淡色系又は白色系とは、二次元コード105の読取エラーを防止する限度における明度を有する色彩を意図しており、二次元コード105のシンボル本体の明モジュールと公称反射値が等しい色彩をいう。
【0055】
なお、二次元コード105の重畳箇所は、必ずしも写真画像104内の左下側の隅部分に限定されるものではなく、写真画像104内であって主被写体104aを邪魔しない箇所であれば他の部分であっても良い。例えば、主被写体104aが写真画像104内のほぼ中央部分に写っているような場合であれば、写真画像内104における輪郭104cの上辺より、下辺より、左辺より、又は右辺よりの任意の箇所に、二次元コード105を重畳しても良い。
【0056】
この第2レイアウト例L2によれば、二次元コード105が写真画像104内に配置されるので、二次元コード105を写真画像104の周辺領域106に配置する場合(図1(a)参照。)に比べて、二次元コード105と写真画像104とが互いに関係づけられている旨の印象を、看者に一層強く付与できる。
【0057】
結果、印刷物100の利用者たる看者に対して、二次元コード105が、写真画像104の主被写体104aに関する情報を取得するための手段である旨を効果的に告知もできる。しかも、写真画像104の輪郭104cから不格好に出っ張った状態で二次元コード105を別途配置する必要もなく、写真画像104の周囲のレイアウト例を整然としたものにできる。
【0058】
また、看者が写真画像104の主被写体104aに注視した場合、自ずと写真画像104内に配置される二次元コード105にも注目を促すこととなるため、この二次元コード105を用いた説明映像Mへのアクセス率を高めることができる。
【0059】
しかも、二次元コード105は、写真画像104内に重畳して配置されるとはいえ、写真画像104の隅部分であって被説明対象物(主被写体104a)を除いた背景画像104bに、当該写真画像104よりも小さなサイズで配置されるので、写真画像104に写っている主被写体104a自体の視認性や画像品質を阻害することもない。
【0060】
<第3レイアウト例>
図2(a)に示すように、第3レイアウト例L3は、上記した第2レイアウト例L2に対し、写真画像104内の二次元コード105の配置箇所に表示枠107を設けたものである。以下、第2レイアウト例L2と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0061】
この第3レイアウト例L3おいて、写真画像104内には、その右上側の隅部分の周辺に二次元コード105の平面サイズ以上の面積を有する平面視略矩形状の表示枠107が設けられている。この表示枠107は、写真画像104内における背景画像104bの一部分を欠切した部分であり、この表示枠107内の背景色には、二次元コード105の読取解読に支障のない色彩、例えば、白色系の色彩が選定されている。また、この表示枠107内には、二次元コード105が嵌め込まれた状態で配置されている。
【0062】
このため、例えば、写真画像104の背景画像104bの色彩が二次元コード105の読取エラーを誘発するものである場合でも、写真画像104内に特別に設けられる表示枠107内に、二次元コード105を嵌め込み配置することによって、読取エラーの発生を防止することができる。このため、二次元コード105を写真画像104内の背景画像104bに重畳するために、わざわざ印刷物100の編集段階で写真画像104の色彩に変更を加えることも不要となる。
【0063】
なお、第3レイアウト例L3では、二次元コード105の表示枠107の形成箇所を、写真画像104内の右上側の隅部分としたが、かかる表示枠の形成箇所は必ずしもここに限定されるものではなく、写真画像104内であって主被写体104aを邪魔しない箇所であれば他の部分であっても良い。例えば、主被写体104aが写真画像104内のほぼ中央部分に写っているような場合であれば、写真画像内104における輪郭104cの上辺より、下辺より、左辺より、又は右辺よりの任意の箇所に表示枠107を形成しても良い。
【0064】
<第4レイアウト例>
図2(b)に示すように、第4レイアウト例L4は、上記した第1レイアウト例L1に対し、二次元コード105が写真画像104の周囲から余分に出っ張ることが防止されるように、二次元コード105を配置したものである。以下、第1レイアウト例L1と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0065】
この第4レイアウト例L4によれば、写真画像104には、その写真画像104の外周縁部分における右下隅部分の一部を略矩形状に欠切することで切欠凹部108が凹設されている。この切欠凹部108は、二次元コード105の平面サイズ以上の面積を有した欠切部分であり、写真画像104に写り込んでいる背景画像104bの一部を欠切したものとなっている。このため、写真画像104に切欠凹部108が設けられていても、主被写体104aの視認性や画像品質は確保されている。
【0066】
なお、切欠凹部108の凹設箇所は、必ずしも写真画像104の外周縁部分の右下隅部分に限定されるものではなく、写真画像104の外周縁部分の一部であれば他の部分であっても良い。例えば、主被写体104aが写真画像104内のほぼ中央部分に写っているような場合であれば、写真画像内104における輪郭104cの上辺、下辺、左辺、又は右辺の任意の箇所に、切欠凹部108を凹設しても良い。
【0067】
また、切欠凹部108の背景色には、二次元コード105の読取解読に支障のない色彩、例えば、白色系の色彩が選定されている。このため、例えば、写真画像104の背景画像104bの色彩が二次元コード105の読取エラーを誘発するものである場合でも、切欠凹部108内に二次元コード105を嵌め込み配置することによって、読取エラーの発生を防止することができる。よって、二次元コード105を写真画像104内の背景画像104bに重畳するために、わざわざ印刷物100の編集段階で写真画像104の色彩に変更を加えることも不要となる。
【0068】
また、この切欠凹部108内には、二次元コード105が嵌め込まれた状態で配置されており、この二次元コード105のシンボル本体の左辺と下辺とは、写真画像104の右下隅部分から欠落している写真画像104の輪郭104cの下辺右端部と左辺下端部とを補うように、この写真画像104の輪郭104cの一部を成すように配置されている。
【0069】
つまり、二次元コード105のシンボル本体と写真画像104とは、二次元コード105のシンボル本体の右辺が、写真画像104の右辺の下側の延長線上に略一致し、二次元コード105のシンボル本体の下辺が、写真画像104の下辺の右側の延長線上に略一致し、二次元コード105のシンボル本体の右下側の頂角が、写真画像104の右下側に本来あるべき頂角と略一致するという位置関係となっている。
【0070】
この第4レイアウト例L4によれば、二次元コード105は、写真画像104の縁部分の一部を欠切した切欠凹部108に嵌め込まれ、その写真画像104の輪郭104cの一部を成すように配置されるので、二次元コード105が写真画像104の周辺領域106に配置されるとはいえ、二次元コード105と写真画像104とが互いに関係づけられている旨の印象を、看者に一層強く付与できる。
【0071】
結果、印刷物100の利用者たる看者に対して、二次元コード105が、写真画像104の主被写体104aに関する情報を取得するための手段である旨を効果的に告知もできる。しかも、写真画像104の輪郭104cから不格好に出っ張った状態で二次元コード105を別途配置する必要もなく、写真画像104の周囲のレイアウト例を整然としたものにできる。
【0072】
また、看者が写真画像104の主被写体104aに注視した場合、自ずと写真画像104内に食い込んだ状態で配置される二次元コード105にも注目を促すこととなるため、この二次元コード105を用いた説明映像Mへのアクセス率を高めることができる。
【0073】
しかも、二次元コード105は、写真画像104の周囲ともいえる箇所に配置されるとはいえ、写真画像104の隅部分であって被説明対象物(主被写体104a)を除いた背景画像104bに設けられる切欠凹部108に、当該写真画像104よりも小さなサイズで配置されるので、主被写体104a自体の視認性や画像品質を阻害することもない。
【0074】
図3は、商品などに貼付されるラベルとして機能する印刷物110の一例を示した平面図である。図3に示すように、印刷物110は、野菜や果物などの農産物のパッケージや包装に貼付されるラベルの一種である。このラベルである印刷物110は、具体的には「キャベツ」に関する掲載情報102を有する商品ラベルであり、平面視略矩形状のラベル紙201で形成されている。
【0075】
このラベル紙201には、その右側部分に、商品名「キャベツ」、原産地「石川県産」、重量「100g」、価格「100円」、販売者名及びその住所が、記事文103として印刷により表記されている。また、ラベル紙201の左側部分には、主被写体104aとして「キャベツ」が撮影された写真画像104が印刷により設けられており、上記した第2レイアウト例L2の印刷物100と同様にして、写真画像104内に二次元コード105が印刷により配置されている。
【0076】
図4(a)は、図3に例示したラベル(印刷物110)の写真画像104に写り込んでいる主被写体104aである農産物「キャベツ」について補足又は詳細に説明する説明映像Mの構成(編成)例を示した概念図であり、図4(b)は、説明映像Mに含まれている産地証明書等映像m5において映像化されている産地証明書120の一例を図示したものであり、図4(c)は、説明映像Mに含まれている保証書映像m6において映像化されている保証書130の一例を図示したものである。
【0077】
なお、図4(b)及び図4(c)では、産地証明書120及び保証書130に押印される証明者、生産者及び保証人の印影の図示を省略している。
【0078】
図4(a)に示すように、説明映像Mは、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」に関する複数種類の説明情報を映像化したものを一連の映像データとして編成したものであり、主として、生産者映像m1と、生産現場の屋外映像m2と、生産現場の屋内映像m3と、生産現場の管理状況映像m4と、産地証明書等映像m5と、保証書映像m6とから編成されている。
【0079】
生産者映像m1は、農産物「キャベツ」の生産者の姿を実際に撮影して映像化した動画像であり、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の提供者を特定して説明することを目的とした映像である。生産現場の屋外映像m2は、農産物「キャベツ」の生産現場の屋外(例えば、ビニールハウスの屋外等をいう。以下同じ。)の風景を実際に撮影して映像化した動画像であり、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の生産現場や提供現場を特定して説明することを目的とした映像である。
【0080】
生産現場の屋内映像m3は、農産物「キャベツ」の生産現場の屋内(例えば、ビニールハウスの屋内等をいう。以下同じ。)の風景を実際に撮影して映像化した動画像であり、上記した屋外映像と同様の目的を有する映像である。
【0081】
生産現場の管理状況映像m4は、農産物「キャベツ」の生産管理の状況を実際に撮影して映像化した動画像であり、例えば、ビニールハウス内で農産物「キャベツ」を栽培するような場合には、そのビニールハウス内の温度及び湿度等の各種の環境条件がコンピュータを用いて制御されている状況を撮影した動画像が用いられる。この管理状況映像は、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の生産、流通又は提供が厳格な管理の下に行われていることを説明することを目的としたものである。
【0082】
産地証明書等映像m5は、商品の産地証明、品種証明、銘柄証明又はこれらに類する証明内容が記載された書面であって当該商品の生産者組合、地方公共団体又はその他の公的機関が発行したもの(以下「産地証明書等」という。)の現物、例えば、図4(b)に示すような内容が記載された産地証明書120の現物を、実際に撮影して映像化した静止画像であり、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の産地を特定して証明することを目的とした映像である。
【0083】
保証書映像m6は、この保証書映像m6の他に説明映像Mに記録されている説明情報、例えば、図4(a)における生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、生産現場の屋内映像m3、生産現場の管理状況映像m4、産地証明書等映像m5が真正のものである旨を保証した保証書130の現物を、実際に撮影して映像化した静止画像である。この保証書映像m6は、主として、説明映像M自体の信憑性や信頼性を保証することを目的とした映像である。
【0084】
例えば、保証書映像m6に撮影される保証書130には、図4(c)に示すように、説明映像Mに記録されている各種の説明情報について真正のものであることを保証する旨を記載した保証文書131と、農産物「キャベツ」の生産者自身及び公的若しくは民間の証明機関等の第三者による署名132と、かかる両者による押印(図示せず。)と、その署名した日付133とが記載されている。
【0085】
なお、説明映像Mには、その説明映像M内に映像化されている各種説明情報を説明する音声ナレーションや各種のBGMを音声情報として付加しても良く、説明映像Mの撮影時に録音された生産者の声や生産現場等の実際の音声を、説明映像Mに付加する音声情報として用いても良い。
【0086】
図5は、説明映像配信サーバー1の電気的接続状態を示す概略図である。図5に示すように、説明映像配信サーバー1は、電気通信回線網3を介して利用者が使用する携帯電話機2と接続されており、この携帯電話機2との間で各種データを送受信可能となっている。なお、以下に説明するシステムは、説明の便宜上、上記した二次元コード105に関する第2レイアウト例L2を用いた印刷物110を使用した場合について説明するが、当然のことながら、二次元コード105に関する他のレイアウト例L1,L3,L4を用いた場合についても、同様に機能及び作用するものである。
【0087】
この説明映像配信サーバー1は、印刷物110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる情報を提供するため、印刷物110の利用者が使用する携帯電話機2に対して、写真画像104の主被写体104aに関する説明情報を説明映像M(図4参照。)の形式で電気通信回線網3を介して配信し、この説明映像Mを利用者に閲覧させることを通じて、当該写真画像104の主被写体104aについて更なる説明をしようとするものである。
【0088】
電気通信回線網3は、無線及び有線の通信網であり、例えば、パケット通信網、回線交換網、PDC交換網、W−CDMA網、移動通信網、PHS通信網、インターネット通信網等の各種のネットワーク網を含むものである。
【0089】
携帯電話機2は、印刷物110の写真画像104の主被写体104aについて更なる説明を希望する者(以下単に「利用者」という。)が使用する通信端末(通信端末)の一種であって、可搬型の電話機である。この携帯電話機2は、デジタルカメラ機能と、アプリケーションプログラムの実行機能と、QRコード(登録商標)等に代表される二次元コード105を読み取るためのリーダー機能と、二次元コード105を解読するためのデコーダー機能と、各種映像を再生表示する映像再生表示機能と、各種音声を再生出力する音声再生出力機能とを備えている。
【0090】
また、携帯電話機2は、数字、文字、操作指示等を入力するための複数のキースイッチ4aを有した操作パネル4と、その操作パネル4を介して操作される各種の操作画面(Webページを含む。)や、各種映像(静止画像及び動画像の双方を含む。以下同じ。)を表示可能な液晶ディスプレイ(Liquid-Crystal-Display(以下「LCD」と略記する。))5とを備えている。なお、LCD5の画面に表示される各種の操作画面への操作は、操作パネル4の各キースイッチ4aの操作を通じてなされる。
【0091】
更に、携帯電話機2は、電気通信回線網3の一部となる移動通信網の基地局(図示せず)との間で無線通信を行うことで、通話機能およびパケット通信等のデータ通信機能を実現するものである。また、この携帯電話機2は、後述するようにWWW(World-Wide-Web)ブラウザ24aを搭載しており(図6参照。)、このWWWブラウザ24aによって説明映像配信サーバー1にアクセス(接続)することで説明映像M(図4参照。)を取得するものである。なお、WWWブラウザのことを、ウェブブラウザ又はWebブラウザともいう。
【0092】
図6は、携帯電話機2の電気的構成を示したブロック図である。図6に示すように、携帯電話機2は、主に、CPU(Central-Processing-Unit)21と、ROM(Read-Only-Memory)22と、RAM(Random-Access-Memory)23と、EEPROM(Electrically-Erasable-Programmable-ROM)24と、上記したLCD5を有する表示部25と、上記した操作パネル4を有する操作入力部26と、カメラ撮影部27と、撮影ライト28と、無線通信部29と、通話処理部30と、音声スピーカ31とを備えている。また、これらの各部は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスで構成されるバス32を介して相互に接続されている。
【0093】
CPU21は、ROM22、RAM23又はEEPROM24に記憶格納されている各種プログラム及び各種データに基づいて、バス32を介して接続されている装置各部に対する各種制御処理と、各種データの演算処理とを行う中央処理装置である。ROM22は、携帯電話機2の装置各部の基本制御を行うための各種プログラムや固定データ等が記憶される電気的にデータ書換不能な不揮発性メモリである。
【0094】
RAM23は、CPU21のワーキングメモリとして用いられる電気的にデータ書換可能な揮発性メモリである。このRAM23は、CPU21による各種演算に使用されるデータや、その演算結果に関するデータ等を一時的に記憶するものであり、例えば、二次元コード105の読取データ、二次元コード105の解読データ、説明映像配信サーバー1から配信されてくる説明映像Mのデータなどが一時的に記憶される。また、携帯電話機2のCPU21で実行されるプログラムは、このRAM23に展開されて実行される。
【0095】
EEPROM24は、電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリであり、将来的に更新、変更又は消去される可能性があり且つ電源オフ時にも記憶保持する必要性がある各種プログラムや各種データが記憶される。例えば、EEPROM24には、携帯電話機2用の基本OS(Operating-System)、Java(登録商標)アプレット等の各種プログラム、各種映像データや各種音声データが記憶される。なお、EEPROM24に代えて、バッテリバックアップ機能を有するSRAM(Static-RAM)を用いても良い。
【0096】
また、このEEPROM24には、上記した各種のプログラムやデータの他にも、下記するWWWブラウザ24a、コード読取解読プログラム24b、映像再生表示プログラム24c、及び、音声再生出力プログラム24dが記憶格納されている。
【0097】
WWWブラウザ24aは、携帯電話機2のデータ通信機能を実現するためのプログラムである。このWWWブラウザ24aがCPU21により実行されることによって、CPU21及び無線通信部29は、インターネット通信網上の接続先情報であるURL(Uniform-Resource-Locator)を用いて説明映像配信サーバー1にアクセス可能なアクセス装置として機能する。
【0098】
コード読取解読プログラム24bは、携帯電話機2において二次元コード105のリーダー機能及びデコーダー機能を実現するためのプログラムである。このコード読取解読プログラム24bがCPU21により実行されることによって、CPU21及び表示部25は、二次元コード105を読み取り及び解読するためのリード装置(リーダー(読取装置))及びデコード装置(デコーダー)として機能する。
【0099】
映像再生表示プログラム24cは、携帯電話機2において各種映像の再生表示機能を実現するためのプログラムである。この映像再生表示プログラム24cがCPU21により実行されることによって、CPU21及び表示部25は、説明映像配信サーバー1から受信した説明映像M、その他の各種映像を再生表示するための映像再生表示装置(映像表示装置)として機能する。
【0100】
音声再生出力プログラム24dは、携帯電話機2において各種音声データや音楽データを再生して音声スピーカ31へ出力する音声再生出力機能を実現するためのプログラムである。この音声再生出力プログラム24dがCPU21により実行されることによって、CPU21および音声スピーカ31は、説明映像配信サーバー1から受信した説明映像Mに付加されている音声情報データを再生して出力するための音声再生出力装置(音声再生出力手段)として機能する。
【0101】
表示部25は、上記したLCD5と、このLCD5の表示制御を行う駆動回路25aとを備えており、二次元コード105の読み取り時のモニタ映像や、説明映像Mの再生映像を表示するためのものである。
【0102】
操作入力部26は、上記した操作パネル4を有しており、この操作パネル4のキースイッチ4a(図5参照。)を用いた操作に応じた操作信号をCPU21へ出力するものである。つまり、操作入力部26は、携帯電話機2に装備されている各種機能、例えば、通話機能、データ通信機能、デジタルカメラ機能、アプリケーションプログラム実行機能、及び、二次元コード105のリーダー機能及びデコーダー機能等を操作する場合における操作装置及び入力装置として機能するものである。
【0103】
カメラ撮影部27は、携帯電話機2に内蔵されるCCD(Charge-Coupled-Device)カメラ27aを備えており、通常の撮影用カメラとして機能するとともに、二次元コード105のリーダ装置の一部としても機能するものである。更に、撮影ライト28は、通常の撮影時、及び、二次元コード105の読み取り時などに発光して被対象物を照明するものであり、例えば、高輝度LED等が用いられる。
【0104】
無線通信部29は、電波を送受信するアンテナ29aを備えており、このアンテナ29aを介して電気通信回線網3の一部をなす基地局(図示せず。)との間でなされる無線通信を制御するものである。この無線通信部29は、CPU21による制御を受けて、例えば、パケット通信用のデータや送話音声に関するデータ等を搬送波に重畳して送信信号を生成し、この送信信号を基地局へ無線送信するものである。また、この無線通信部29は、基地局から無線送信されてくる無線信号をアンテナ29aを介して受信し、この受信信号をパケット通信用のデータや受話音声に関するデータ等に復調するものである。
【0105】
通話処理部30は、例えば、送話用マイク30aと受話用スピーカ30bと音声処理回路30cとを備えており、CPU21による制御を受けて、呼の接続や切断等の通話処理を行うものである。また、音声スピーカ31は、通話時の着信音や各種の音声情報を音声として出力するものであり、説明映像配信サーバー1から受信した説明映像Mに付加される音声情報も、この音声スピーカ31によって出力される。
【0106】
図7(a)は、携帯電話機2のLCD5に表示される二次元コード読取操作画面35の一例を図示した図であり、図7(b)は、携帯電話機2のLCD5に表示されるURLアクセス操作画面36の一例を示した図である。
【0107】
図7(a)に示されている二次元コード読取操作画面35は、上記したコード読取解読プログラム24bが携帯電話機2のCPU21により実行されることによって、LCD5に表示される操作画面の一種である。この二次元コード読取操作画面35の略中央には、カメラ撮影部27によって撮像される二次元コード105の映像がモニタ表示されるモニタフレーム35aが設けられている。二次元コード105の映像は、カメラ撮影部27のCCDカメラ27aによって撮像された映像信号が表示部25へ入力されることで、LCD5を介してモニタフレーム35a内に表示される。
【0108】
また、二次元コード読取操作画面35には、モニタフレーム35aの下側部分に「読取」と表示された読取ボタン35bが設けられている。この読取ボタン35bが操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することでクリックされると、二次元コード105がカメラ撮影部27によって自動的に読み取られ、その読取画像信号がカメラ撮影部27からCPU21へ入力され、このCPU21により解読(復号化)され、その解読結果がURLアクセス操作画面36を用いてLCD5に表示される。
【0109】
図7(b)に示されているURLアクセス操作画面36は、コード読取解読プログラム24bが携帯電話機2のCPU21により実行され、かつ、上記した二次元コード読取操作画面35内の読取ボタン35bがクリックされた場合に、二次元コード105から読み取り解読される説明映像URLを、LCD5に表示する操作画面である。
【0110】
このURLアクセス操作画面36には、例えば、「http://www.**-qrdemovie.com/watch/shoumei_mv0001.3gp」等のように、解読された説明映像URLが表示されるURLフレーム36aが設けられている。また、このURLフレーム36aの下側部分には、「接続」と表示された接続ボタン36bが設けられている。ここで、このURLフレーム36aに表示される説明映像URLにカーソルを合わせて(図示するように文字が白抜きとなった状態を意味する。)、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで接続ボタン36bがクリックされると、URLフレーム36a内に表示されている説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー1の説明映像格納エリア46b(図8参照。)に格納されている説明映像Mに対してアクセスが行われる。
【0111】
なお、本実施例では、説明映像URLに指定されている文字列が示す記述内容自体を、説明映像配信サーバー1のHD46内の説明映像格納エリア46bにおける説明映像Mの記憶アドレスを特定する内容とすることによって、説明映像URLとそれに対応する説明映像Mとについての関係づけが行われている。
【0112】
図8は、説明映像配信サーバー1の電気的構成を示したブロック図である。図8に示すように、説明映像配信サーバー1は、主に、CPU41と、ROM42と、RAM43と、バス44と、入出力回路45と、大容量の補助記憶装置であるハードディスク(以下「HD」という。)46と、ポインティングデバイスであるマウス47と、複数のキースイッチを有するキーボード48と、各種情報が表示される表示画面を有するディスプレイ49と、電気通信回線網3と接続されて各種データを送受信するための制御を行う通信制御回路50とを備えている。
【0113】
CPU41は、説明映像配信サーバー1の各部に対する各種制御処理と各種データの演算処理とを行う中央処理装置であり、後述する説明映像配信プログラム46a及びその他の各種プログラムを実行するものである。ROM42は、BIOS(Basic-Input/Output-System)などの基本プログラムが記憶され、EEPROM(フラッシュメモリを含む。)等のデータ書換可能な不揮発性メモリで構成されている。RAM43は、説明映像配信サーバー1のメインメモリとして機能し、各種演算処理や制御処理におけるワークエリアとして用いられるものであって、DRAM等のデータ書換可能な揮発性メモリで構成されている。
【0114】
バス44は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスで構成され、上記したCPU41、ROM42及びRAM43を相互に接続し、更に、入出力回路45とも接続されている。また、入出力回路45は、HD46、マウス47、キーボード48、ディスプレイ49、及び、通信制御回路50とそれぞれ接続されている。また、HD46には、説明映像配信サーバー1用の基本OS、各種のアプリケーションプログラムその他各種のデータが記憶される他、説明映像配信プログラム46aが記憶され、更に、説明映像格納エリア46bが設けられている。
【0115】
説明映像配信プログラム46aは、携帯電話機2から説明映像URLを用いたアクセスがあった場合に、そのアクセスしてきた携帯電話機2に対して、その説明映像URLに指定されている内容から特定される説明映像Mを配信するためのプログラムであって、図9のフローチャートに示す説明映像配信処理を実行するものである。また、説明映像格納エリア46bは、印刷物110における写真画像104の主被写体104aに関する説明映像Mを記憶格納するための記憶領域であり、上記した各種の説明映像Mが多数記憶可能に構成されている。
【0116】
次に、図9を参照して、説明映像配信サーバー1から携帯電話機2へ説明映像Mを配信するための一連の処理について説明する。
【0117】
図9は、説明映像配信サーバー1及び携帯電話機2で実行される一連の処理を示したフローチャートである。図9に示すように、まずは、利用者が印刷物110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を取得したい場合、その利用者が携帯電話機2の操作パネル4を用いて所定の操作を行って、コード読取解読プログラム24bをCPU21により実行すると、携帯電話機2において二次元コード105のリーダー機能が起動される(S1)。
【0118】
この起動によって、携帯電話機2のLCD5には上記した二次元コード読取操作画面35(図7(a)参照。)が表示される(S2)。すると、この二次元コード読取操作画面35のモニタフレーム35aには、カメラ撮影部27を介して撮像される映像がモニタ表示される。また、二次元コード読取操作画面35の表示後は、読取ボタン35bがクリックされるまで処理を待機する(S3:No)。
【0119】
このS3の処理による待機中において、利用者は、二次元コード読取操作画面35内のモニタフレーム35aに表示される映像を見ながら、モニタフレーム35a内に二次元コード105全体の映像が表示されるように、印刷物110の写真画像104に附帯配置された二次元コード105と携帯電話機2のカメラ撮影部27のレンズ(図示せず)との距離を調整する。その後、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで読取ボタン35bがクリックされると(S3:Yes)、二次元コード105がカメラ撮影部27によって自動的に読み取られる(S4)。
【0120】
すると、携帯電話機2では、コード読取解読プログラム24bに基づいて二次元コード105のデコーダー機能が起動されて、二次元コード105の読取画像から、この二次元コード105に記録されている説明映像URLが解読される(S5)。この解読が完了すると、URLアクセス操作画面36(図7(b)参照。)が携帯電話機2のLCD5に表示され、そのURLアクセス操作画面36のURLフレーム36a内には、二次元コード105から解読された説明映像URLを表す文字列が表示される(S6)。
【0121】
このURLアクセス操作画面36の表示後は、接続ボタン36bがクリックされるまで処理を待機する(S7:No)。そして、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで、接続ボタン36bがクリックされると(S7:Yes)、携帯電話機2のCPU21によってWWWブラウザ24aが実行され、そのURLフレーム36aに表示されている説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー1に対する電気通信回線網3を介したアクセスが行われる(S8)。
【0122】
これに対し、説明映像配信サーバー1では、携帯電話機2からの説明映像URLを用いたアクセスがあると(S9:Yes)、説明映像配信サーバー1のCPU41によって説明映像配信プログラム46aが実行され、携帯電話機2からアクセスのあった説明映像URLの記述内容から特定される説明映像Mを、説明映像格納エリア46bから読み出し、この説明映像URLにアクセスしてきた携帯電話機2に対して配信する(S10)。
【0123】
なお、S10による説明映像Mの配信後、又は、携帯電話機2から説明映像URLへアクセスがない場合(S9:No)は、他の処理(S11)を実行した後、処理をS9へ移行する。
【0124】
一方、携帯電話機2では、説明映像URLを用いて説明映像配信サーバー1へアクセス実行してから(S8)、説明映像Mを受信するまで処理を待機しており(S12:No)、説明映像配信サーバー1から説明映像Mを受信すると(S12:Yes)、映像再生表示プログラム24cを実行し、この説明映像Mを再生してLCD5に表示した後(S13)、この一連の処理を終了する。なお、S13の処理では、説明映像Mに音声情報が付加されていれば、音声再生出力プログラム24dを実行して、その音声情報を再生して音声スピーカ31から出力する。
【0125】
このように、本実施例の説明映像配信サーバー1によれば、携帯電話機2の利用者は、その携帯電話機2を用いて、印刷物110の写真画像104に写された主被写体104aについての説明映像Mを閲覧することで、当該写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を知ることができる。
【0126】
次に、図10、図11及び図12を参照して、上記実施例の変形例について説明する。この第2実施例の説明映像配信サーバー60(図11参照)は、上記した第1実施例の説明映像配信サーバー1に対し、携帯電話機2からのアクセス方式を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0127】
ここで、第2実施例において、印刷物110の写真画像104に附帯配置される二次元コード105は、その写真画像104についての説明映像Mを取得するための専用ページ37(図10(b)参照。)に関するURL(以下、「専用ページURL」ともいう。)を記録したものである。また、この専用ページURLは、携帯電話機2のWWWブラウザ24a等を用いて、説明映像配信サーバー60によって公開されている専用ページ37に、電気通信回線網3(特に、インターネット通信網)を介してアクセスするための接続先情報である。
【0128】
つまり、第1実施例における二次元コード105には、説明映像URLが記録されていたのに対し、第2実施例における二次元コード105には、専用ページURLが記録されるのである。したがって、第2実施例においては、図7(a)に示した二次元コード読取操作画面35を用いて二次元コード105が読み取られて解読された場合、その解読結果として、専用ページURLがURLアクセス操作画面36のURLフレーム36a内に表示されることとなる(図10(a)参照。)。
【0129】
図10(a)は、携帯電話機2のLCD5に表示されるURLアクセス操作画面36の一例を示した図であり、図10(b)は、専用ページ37の一例を示した図であり、図10(c)は、専用ページ37が携帯電話機2のLCD5に表示された状態を示した図である。
【0130】
図10(a)に示されているURLアクセス操作画面36は、コード読取解読プログラム24bが携帯電話機2のCPU21により実行され、かつ、上記した二次元コード読取操作画面35内の読取ボタンがクリックされた場合に、二次元コード105から読み取り解読される専用ページURLを、LCD5に表示する操作画面である。
【0131】
このURLアクセス操作画面36には、例えば、「http://www.**-qrdemovie.com/senyou_pg0001.html」等のように、解読された専用ページURLが表示されるURLフレーム36aが設けられている。ここで、このURLフレーム36aに表示される専用ページURLにカーソルを合わせて(図示するように文字が白抜きとなった状態を意味する。)、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで接続ボタン36bがクリックされると、URLフレーム36a内に表示されている専用ページURLを用いて、説明映像配信サーバー60の専用ページ格納エリア61c(図11参照。)に格納されている専用ページ37に対してアクセスが行われる。
【0132】
なお、本実施例では、専用ページURLに指定されている文字列が示す記述内容自体を、説明映像配信サーバー60のHD61内の専用ページ格納エリア61c(図11参照。)における専用ページ37の記憶アドレスを特定する内容とすることによって、専用ページURLとそれに対応する専用ページ37とについての関係づけが行われている。
【0133】
図10(b)に示されている専用ページ37は、電気通信回線網3を介して他のWebページに対してリンク不能な非リンクWebページであって、スクロールすることによって携帯電話機2のLCD5に全体が表示される構成となっていることが好ましい。また、この専用ページ37は、説明映像Mを説明映像配信サーバー60から取得するための操作画面でもある。
【0134】
図10(b)に示すように、専用ページ37のページトップには、当該専用ページ37を用いて取得できる説明映像Mの1カット(1フレーム)を静止画像で表示するカットフレーム37aが設けられており、このカットフレーム37aの直下には「動画を再生する」という表示37bがなされている。この「動画を再生する」という表示37bには、例えば、「http://www.**-qrdemovie.com/watch/shoumei_mv0001.3gp」等のように説明映像URLが非表示状態で記録されている。また、「動画を再生する」という表示37bの下側には、写真画像104の主被写体104aとなっている農産物「キャベツ」の生産者名と、その主被写体104aである農産物「キャベツ」の産地、品種、栽培方法、提供者からのコメント、問い合わせ先などの各種の文字情報37cが表示されている。
【0135】
図10(c)に示すように、専用ページ37が携帯電話機2のLCD5に表示される場合、このLCD5の画面枠の下側部分には、「接続」と表示された接続ボタン37dが設けられる。ここで、LCD5に表示される専用ページ37の「動画を再生する」の表示37bにカーソルを合わせた上で(図示するように文字が白抜きとなった状態を意味する。)、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで接続ボタン37dがクリックされると、説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー60の説明映像格納エリア46bに格納されている説明映像Mに対してアクセスが行われる。
【0136】
なお、本実施例では、専用ページURLを用いて説明映像配信サーバー60から取得される専用ページ37の中に、説明映像Mを取得するための説明映像URLを予め記録しておくことで、専用ページURLとそれに対応する説明映像URLとについての関係づけが行われている。
【0137】
図11は、第2実施例の説明映像配信サーバー60の電気的構成を示したブロック図である。図10に示すように、説明映像配信サーバー60のHD61には、専用ページ配信プログラム61aと、説明映像配信プログラム61bとが記憶され、更に、専用ページ格納エリア61cと説明映像格納エリア46bとがそれぞれ設けられている。
【0138】
専用ページ配信プログラム61aは、携帯電話機2から専用ページURLを用いたアクセスがあった場合に、そのアクセスしてきた携帯電話機2に対して、その専用ページURLに指定されている内容から特定される専用ページ37を配信するためのプログラムであって、図12のフローチャートに示す専用ページ配信処理を実行するものである。
【0139】
説明映像配信プログラム61bは、専用ページ37に記録されている説明映像URLを用いたアクセスがあった場合に、そのアクセスしてきた携帯電話機2に対して、その説明映像URLに指定されている内容から特定される説明映像Mを配信するためのプログラムであって、図12のフローチャートに示す説明映像配信処理を実行するものである。
【0140】
専用ページ格納エリア61cは、被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aに関する専用ページ37を記憶格納するための記憶領域であり、上記した各種の専用ページ37が多数記憶可能に構成されている。なお、説明映像格納エリア46bについては、第1実施例のものと同様に構成されている。
【0141】
次に、図12を参照して、第2実施例の説明映像配信サーバー60から携帯電話機2へ説明映像Mを配信するための一連の処理について説明する。
【0142】
図12は、第2実施例の説明映像配信サーバー60及び携帯電話機2で実行される一連の処理を示したフローチャートであって、図9に示したフローチャートの一部を変更したものである。以下、図9に示すフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0143】
図12に示すように、まずは、利用者が印刷物110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を知りたい場合、S1〜S3の処理が実行されて、二次元コード105がカメラ撮影部27によって自動的に読み取られると(S4)、携帯電話機2では、コード読取解読プログラム24bに基づいて二次元コード105のデコーダー機能が起動されて、二次元コード105の読取画像から、この二次元コード105に記録されている専用ページURLが解読される(S21)。
【0144】
このS21による解読が完了すると、URLアクセス操作画面36(図10(a)参照。)が携帯電話機2のLCD5に表示され、そのURLアクセス操作画面36のURLフレーム36a内には、二次元コード105から解読された専用ページURLを表す文字列が表示される(S22)。このURLアクセス操作画面36の表示後は、接続ボタン36bがクリックされるまで処理を待機する(S23:No)。
【0145】
そして、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで、接続ボタン36bがクリックされると(S23:Yes)、携帯電話機2のCPU21によってWWWブラウザ24aを実行し、そのURLフレーム36aに表示されている専用ページURLを用いて、説明映像配信サーバー60に対する電気通信回線網3を介したアクセスが行われる(S24)。
【0146】
携帯電話機2からの専用ページURLを用いたアクセスがあると(S25:Yes)、説明映像配信サーバー60では、そのCPU41によって専用ページ配信プログラム61aが実行され、携帯電話機2からアクセスのあった専用ページURLの記述内容から特定される専用ページ37を、専用ページ格納エリア61cから読み出し、この専用ページ37に関する専用ページURLを用いてアクセスしてきた携帯電話機2に対して配信する(S26)。
【0147】
なお、S26による専用ページ37の配信後、又は、携帯電話機2から専用ページURLへアクセスがない場合(S25:No)は、S9の判断処理を実行し、携帯電話機2からの説明映像URLを用いたアクセスがなければ(S9:No)、S10の処理をスキップして、他の処理(S11)を実行した後、処理をS25へ移行する。
【0148】
一方、携帯電話機2では、専用ページURLを用いて説明映像配信サーバー60へアクセス実行してから(S24)、専用ページ37を受信するまで処理を待機しており(S27:No)、説明映像配信サーバー60から専用ページ37を受信すると(S27:Yes)、WWWブラウザ24aを起動して、この専用ページ37をLCD5に表示する(S28)。
【0149】
この専用ページ37の表示後は、「動画を再生する」の表示37bにカーソルが合わせられて(図10(c)参照。)、接続ボタン37dがクリックされるまで処理を待機する(S29:No)。そして、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで、接続ボタン37dがクリックされると(S29:Yes)、携帯電話機2のCPU21によってWWWブラウザ24aを実行し、この専用ページ37において「動画を再生する」の表示37bに関係づけて記録されている説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー60に対する電気通信回線網3を介したアクセスが行われる(S30)。また、図12におけるS30の処理より以降については、図9に示すS9〜S13と同様に処理されるので説明を省略する。
【0150】
なお、請求項1記載の「説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報」としては、第1実施例においては説明映像URLが、第2実施例においては専用ページURLが、それぞれ該当する。
【0151】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0152】
例えば、本実施例では、通信端末の一例として携帯電話機2を用いて説明したが、この通信端末の種類は、必ずしも携帯電話機に限定されるものではなく、二次元コード105のリーダー機能及びデコーダー機能を有するとともに電気通信回線網3を介した説明映像配信サーバー60とのデータ通信機能を有する機器であれば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置、例えば、モバイルコンピュータ、PDA(Personal-Digital-Assistance)、携帯ゲーム機などであっても良い。
【0153】
また、本実施例では、携帯電話機2として移動通信網を介して各種通信を行う可搬型の電話機を用いて説明したが、かかる携帯電話機の種類は、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、PHS通信方式による可搬型の電話機であっても良い。
【0154】
また、本実施例では、二次元コード105としてQRコードを用いて、本発明における識別マークを説明したが、かかる識別マークは必ずしもQRコードに限定されるものではなく、例えば、スタック型又は他のマトリックスの二次元コード、バーコード等の1次元コード、又は、RFID等のICタグに格納されるコードを、適宜用いても良い。ただし、利用促進を図る意味では、使用する識別マークの周知度や、その識別マークのリーダ装置の普及率を考慮すべきである。
【0155】
また、本実施例では、説明映像Mを、生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、屋内映像m3及び管理状況映像m4、産地証明書等映像m5、並びに、保証書映像m6の合計6種類の説明情報を映像化したもので編成したが、説明映像の内容構成は、必ずしもこれに限定されるものではなく、これらのうち2種類以上を組み合わせたものであっても良い。しかも、説明情報の種類は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を提供する内容のものであれば、適宜変更することは当然にしても良い。
【0156】
また、本実施例では、説明映像Mに編成されている生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、屋内映像m3及び管理状況映像m4を動画像で構成したが、これらの各映像を静止画像として、説明映像全体を複数の静止画像から編成し、各静止画像が一定時間表示された次の静止画像へ経時的かつ連続的に移り変わっていく擬似的な動画像としても良い。また、かかる場合に、一の静止画像から次の静止画像へ移行する際に種々のトランジションエフェクトを施したりしても良い。
【0157】
ところで、本実施例では、説明映像Mを動画像又は擬似的な動画像で構成する旨説明したが、かかる説明映像の形態は、必ずしも動画像や擬似的な動画像に限定されるものではなく、単なる静止画像であっても良い。
【0158】
例えば、第2実施例では、専用ページ37に「動画を再生する」という表示37bを設け、この表示37bに説明映像URLを非表示状態で記録し、この説明映像URLを用いて動画像又は擬似的動画像である説明映像Mへアクセス可能なものとしたが、専用ページ37のカットフレーム37aの直下に「静止画像を表示する」等の表示を設け、この表示に説明映像である静止画像にアクセスするための説明映像URLを記録して、この説明映像URLを用いて説明映像である静止画像にアクセス可能に構成しても良い。
【0159】
また、かかる場合には、説明映像配信サーバーの説明映像格納エリアに写真画像の主被写体に関する説明映像である静止画像を複数種格納しておき、これらの説明画像にアクセスするために用いられる複数の説明映像URLを、専用ページに記録するようにしても良い。つまり、説明映像として複数の静止画像を用いて、印刷物の写真画像の主被写体を説明するようにしても良い。
【0160】
このように、説明映像を静止画像とすることで、携帯電話機を用いて説明画像を受信する場合の通信料を動画像の説明映像の場合に比べて低減することができ、その分、説明映像の利用率を向上することができる。
【0161】
また、本実施例では、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主たる主被写体104aが、ショートケーキやキャベツなどの商品である場合についての説明映像Mを例示したが、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104がサービス業務に関する内容である場合には、そのサービス業者が顧客に対し実際にサービスを提供している現場を撮影した映像を用いるようにしても良い。例えば、サービス提供者が美容院や理容店である場合はヘアカット場面を、飲食店の場合は調理場面や給仕場面を、説明映像に含めるようにしても良い。
【0162】
更に、マンション、住宅その他の建築物や土地などの不動産について販売、販売仲介、賃貸又は賃貸仲介等する業者が、その実際に販売等する不動産を撮影した映像(例えば、建築物の内外、土地、その周辺環境を撮影した映像)や、その不動産に関する工事現場などを撮影した映像を、説明映像に含めるようにしても良い。
【0163】
また、美容整形やエステティック等の施術を行うサービス提供者が、自己のサービス環境や施術現場を撮影した映像を、説明映像に含めるようにしても良い。このように、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aに関する説明映像は、一定の業種において利用が限定されるものではなく、被印刷面101に設けられる写真画像104を利用者に提供し且つその内容に関する更なる説明を告知することを求める業種であれば、どの業種でも広く利用することができるものである。
【0164】
また、本実施例では、説明映像Mを2種類以上の説明情報から編成される一連の映像データとして説明したが、かかる説明映像の構成は必ずしもこれに限定されるものではなく、1種類の説明情報のみから説明映像を構成しても良い。例えば、上記した生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、屋内映像m3若しくは管理状況映像m4、又は、産地証明書等映像m5のいずれか1種類のみから構成したものであっても良い。
【0165】
また、本実施例では、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104に関する説明映像Mとして、図4(a)に示すような内容構成を有するものを例示して説明したが、かかる説明映像として、商品の生産者、製造者又は販売者に関するコマーシャル映像や、各種サービスの提供者に関するコマーシャル映像を用いても良い。
【0166】
また、本実施例では、説明映像配信サーバー1と電気通信回線網3を介して接続される携帯電話機2が3台のみであるかのように図5において図示したが、かかる説明映像配信サーバーに電気通信回線網を介して接続される携帯電話機の台数は、必ずしもこれに限定されるものではなく、これ以下でもこれ以上であっても良い。
【0167】
また、本実施例では、被印刷面101に設けられる写真画像104内又はその周辺領域106に二次元コード105を配置することで、この二次元コード105にコード化されて記録される説明映像URL又は専用ページURLを用いてアクセスすることが可能な説明映像Mと、その説明映像Mによって説明される写真画像104の主被写体104aとを関係づけられた。
【0168】
しかし、かかる主被写体と二次元コードとを関係づける方式は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、写真画像から二次元コードが離れた箇所に配置せざるを得ない場合であっても、二次元コード又は主被写体の一方から他方へ向かう矢印表示を被印刷面上に印刷して、かかる矢印表示を用いて主被写体と二次元コードとを相互に関係づけるようにしても良い。
【0169】
また、上記した第2レイアウト例から第4レイアウト例では、二次元コード105の配置箇所を、写真画像104の主被写体104aを邪魔しない箇所と説明したが、かかる二次元コードの配置箇所は必ずしも主被写体から離れた箇所に限定されるものではなく、例えば、二次元コードが主被写体の画像全体に重畳して主被写体の画像の判別が困難となるものでなければ、二次元コードを主被写体の一部分に重畳させたり、表示枠や切欠凹部を主被写体の一部分を欠切するようにして設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】雑誌である印刷物の被印刷面に掲載される掲載情報のレイアウト例を図示した平面図であって、(a)は、二次元コードの第1レイアウト例を図示したものであり、(b)は、二次元コードの第2レイアウト例を図示したものである。
【図2】雑誌である印刷物の被印刷面に掲載される掲載情報のレイアウト例を図示した平面図であって、(a)は、二次元コードの第3レイアウト例を図示したものであり、(b)は、二次元コードの第4レイアウト例を図示したものである。
【図3】商品などに貼付されるラベルとして機能する印刷物の一例を示した平面図である。
【図4】(a)は、図3に例示した印刷物の写真画像に写り込んでいる主被写体である農産物「キャベツ」に関する説明映像Mの構成例を示した概念図であり、(b)は、説明映像に含まれている産地証明書等映像において映像化されている産地証明書の一例を図示したものであり、(c)は、説明映像に含まれている保証書映像において映像化されている保証書の一例を図示したものである。
【図5】説明映像配信サーバーの電気的接続状態を示す概略図である。
【図6】携帯電話機の電気的構成を示したブロック図である。
【図7】(a)は、携帯電話機のLCDに表示される二次元コード読取操作画面の一例を図示した図であり、(b)は、携帯電話機のLCDに表示されるURLアクセス操作画面の一例を示した図である。
【図8】説明映像配信サーバーの電気的構成を示したブロック図である。
【図9】説明映像配信サーバー及び携帯電話機で実行される一連の処理を示したフローチャートである。
【図10】(a)は、携帯電話機のLCDに表示されるURLアクセス操作画面の一例を示した図であり、(b)は、専用ページの一例を示した図であり、(c)は、専用ページが携帯電話機のLCDに表示された状態を示した図である。
【図11】第2実施例の説明映像配信サーバーの電気的構成を示したブロック図である。
【図12】第2実施例の説明映像配信サーバー及び携帯電話機で実行される一連の処理を示したフローチャートであって、図9を一部変更したものである。
【符号の説明】
【0171】
1 説明映像配信サーバー(サーバー装置)
2 携帯電話機(通信端末)
3 電気通信回線網(ネットワーク)
37 専用ページ
46b 説明映像格納エリア(映像記憶装置)
100,110 印刷物(印刷媒体)
101 被印刷面
104 写真画像
106 周辺領域
105 二次元コード(識別マーク)
107 表示枠(請求項6の欠切部分)
108 切欠凹部(請求項4の欠切部分)
104c 輪郭(写真画像の輪郭、写真画像の縁部分)
104a 主被写体(被説明対象物の画像、被写体の一部)
104b 背景画像(背景画像部分、被写体の一部)
130 保証書
131 保証文書
132 署名
M 説明映像
m1 生産者映像(提供者映像)
m2 生産場所の屋外映像(現場映像)
m3 生産場所の屋内映像(現場映像)
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の記事や広告などの掲載情報が被印刷面に印刷される印刷媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、新聞、雑誌、チラシ、カタログ、リーフレット、パンフレット、ダイレクトメール、価格表、名刺、ブロマイド、取引書類、ラベル、シール、包装容器などの印刷物には被印刷面が設けられており、この被印刷面には、印刷物によって提供しようとする各種の掲載情報と、その掲載情報に関連した写真画像が印刷されている。例えば、新聞や雑誌には、その誌面に各種の記事や広告が印刷により掲載されており、この記事や広告に関する写真画像も併せて印刷されている。
【特許文献1】実用新案登録第3123978号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した新聞広告や雑誌広告については、多くの場合が広告サイズに応じた広告掲載料金となっており、例えば、広告サイズが大きくなるに従って広告掲載料金が段階的に高額となる料金設定となっている。このため、広告主は、新聞や雑誌等の印刷物に広告を掲載する場合に、その広告掲載料金の金額が自己の予算に見合ったものでないときには、結局、自己が求める広告スペースを十分に確保することができず、結果、十分な情報を掲載することができなくなってしまうという問題点があった。
【0004】
また、新聞や雑誌をはじめ他の印刷物についても、カラー印刷による写真画像を用いた場合には、モノクロ印刷による記事や写真画像を用いた場合に比べると印刷料金が嵩むため、本来であれば、多様な写真画像を幾つも用いて掲載情報の内容を十分なものに構成したような場合でも、厳選された1枚乃至数枚程度の写真画像しか掲載情報に用いることができず、結果、十分な広報活動が行えないという問題点があった。
【0005】
さらに、特に、チラシ、リーフレット、パンフレット、ダイレクトメールなどのように被印刷面のスペースが元々極めて狭小なものに限定されている印刷物にあっては、そもそも、多様な写真画像を幾つも用いて掲載情報の内容を構成することができず、これらを用いた広報活動が大幅に制約を受けてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、被印刷面に印刷される写真画像に写り込んでいる被写体に関する更なる情報を、印刷媒体の利用者に提供するために極めて利便性に優れた印刷媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1の印刷媒体は、被印刷面に各種の掲載情報が印刷されている印刷媒体であって、その被印刷面に設けられる写真画像と、その写真画像内又はその写真画像に隣接する周辺領域に配置される識別マークとを備えており、その識別マークは、前記写真画像内に写り込んでいる被写体に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報がコード化されて記録されたものであり、かつ、読取装置によって読み取られデコード装置によってデコード化されることで前記接続先情報が開示されるものである。
【0008】
なお、識別マークを被印刷面に配置する場合には、識別マークを被印刷面に直接印刷したり、又は、識別マークが印刷されたシール、ラベルその他の物を被印刷面に貼付したりしても良い。また、識別マークが写真画像に隣接する周辺領域に配置される状態のなかには、識別マークの読取エラーを生じない限度において、識別マークの輪郭が写真画像の写真画像の輪郭と接した状態も含まれる。
【0009】
この請求項1の印刷媒体によれば、この印刷媒体の利用者が被印刷面にある写真画像を見て、その写真画像に写り込んでいる被写体について更に知りたいときには、この写真画像内又はその周辺領域に配置されることで当該写真画像と関係づけられている識別マークが、読取装置によって読み取られてデコード装置によってデコード化される。すると、識別マークにコード化されている接続先情報であって写真画像の被写体に関する説明映像を取得するためのものが取得される。
【0010】
ここで、この接続先情報を用いて通信端末のアクセス手段によりネットワークを介してアクセスが行われると、ネットワークに接続されているサーバー装置が、写真画像に写り込んでいる被写体に関する説明映像を、記憶装置から読み出し、当該通信端末に対して送信してくる。この送信されてきた説明映像が通信端末の映像表示装置によって再生表示されることによって、被印刷面の写真画像に写り込んでいる被写体に関する説明が映像として提示又は開示される。
【0011】
請求項2の印刷媒体は、請求項1の印刷媒体において、前記識別マークが、スタック方式、マトリックス方式その他の二次元コード化方式によって、前記説明映像を取得するための前記接続先情報をコード化したものである。
【0012】
この請求項2の印刷媒体によれば、請求項1の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークは、特に、携帯電話などの携帯型通信端末の分野において各種の情報ソースへのアクセス手段として広く利用されている二次元コード化方式によって接続先情報をコード化したものであるので、この識別マークが配置されている写真画像に関する情報ソースに対してアクセス可能であることを示唆又は暗示することができる。
【0013】
よって、識別マークに関する余分な説明や宣伝をせずとも、利用者に対して写真画像内又はその周辺領域に配置される識別マークが写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることを容易に告知できる。
【0014】
請求項3の印刷媒体は、請求項1又は2の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像内であってその写真画像の隅部分に重畳して、その写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものである。
【0015】
この請求項3の印刷媒体によれば、請求項1又は2の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークが写真画像内に配置されるので、識別マークを写真画像の周辺領域に配置する場合に比べて、識別マークと写真画像との関連性を強調することができる。よって、利用者に対して、識別マークが、写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることをより効果的に告知できる。しかも、写真画像の周辺領域に識別マークを配置するための余分に出っ張ったスペースを被印刷面上に確保する必要がなく、写真画像の周囲の掲載情報のレイアウトに支障を来すことなく、識別マークを配置することができる。
【0016】
また、写真画像の被写体に興味を示す看者は、当然、写真画像を注視することから、その写真画像に識別マークを重畳することで、かかる識別マークに対しても注目を一層集めることができ、識別マークに対する興味を促すとともに、その利用率を高めることができる。しかも、識別マークは、写真画像内に重畳して配置されるとはいえ、写真画像の隅部分に当該写真画像よりも小さなサイズで配置されるので、写真画像に写っている被写体自体の視認性を阻害することもない。
【0017】
請求項4の印刷媒体は、請求項1又は2の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像の縁部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれ、その写真画像の輪郭の一部を成すように配置されるものである。
【0018】
この請求項4の印刷媒体によれば、請求項1又は2の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークが、写真画像の縁部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれ、その写真画像の輪郭の一部を成すように配置されるので、写真画像の周辺領域に識別マークを配置するための余分に出っ張ったスペースを被印刷面上に確保する必要がなく、写真画像の周囲の掲載情報のレイアウトに支障を来すことなく、識別マークを配置することができる。
【0019】
また、識別マークは、写真画像の欠切部分に嵌め込み配置されるので、写真画像の色彩に変更を加えずとも、かかる欠切部分の背景色を識別マークの読取解読に支障のない色彩(例えば、白色系の背景色)に選定するだけで、識別マークの読取エラーを防止することができる。特に、写真画像内に識別マークを重畳すると、写真画像の色彩が邪魔をして識別マークの読取エラーが発生するような場合には、極めて有効である。
【0020】
また、識別マークは、実質的に写真画像の周辺領域に配置されるとはいえ、写真画像の輪郭の一部を成すように欠切部分に嵌め込み配置されるので、ただ単に識別マークを写真画像の周辺領域に配置する場合に比べて、識別マークと写真画像との関連性を強調することができる。よって、利用者に対して、識別マークが、写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることをより効果的に告知できる。
【0021】
さらに、写真画像の被写体に興味を示す看者は、当然、写真画像を注視することから、その写真画像に識別マークを嵌め込み配置することで、かかる識別マークに対して注目を一層集めることができ、識別マークに対する興味を促すとともに、その利用率を高めることができる。しかも、識別マークは、写真画像には重畳されないので、当該写真画像に写っている被写体自体の視認性を阻害することも一切ない。
【0022】
請求項5の印刷媒体は、請求項1又は2の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像内であって、その写真画像に写り込んでいる被写体のうち前記説明映像により説明しようとする被説明対象物を除く背景画像部分に、当該写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものである。
【0023】
この請求項5の印刷媒体によれば、請求項1又は2の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークが写真画像内に配置されるので、識別マークを写真画像の周辺領域に配置する場合に比べて、識別マークと写真画像との関連性を強調することができる。よって、利用者に対して、識別マークが、写真画像の被写体に関する情報を取得するための手段であることをより効果的に告知できる。しかも、写真画像の周辺領域に識別マークを配置するための余分に出っ張ったスペースを被印刷面上に確保する必要がなく、写真画像の周囲の掲載情報のレイアウトに支障を来すことなく、識別マークを配置することができる。
【0024】
また、写真画像の被写体に興味を示す看者は、当然、写真画像を注視することから、その写真画像内の背景画像部分に識別マークを配置することで、かかる識別マークに対しても注目を一層集めることができ、識別マークに対する興味を促すとともに、その利用率を高めることができる。しかも、識別マークは、写真画像内に配置されるとはいえ、写真画像内であっても被説明対象物を除いた背景画像部分に、当該写真画像よりも小さなサイズで配置されるので、写真画像に写っている被写体自体の視認性を阻害することもない。
【0025】
請求項6の印刷媒体は、請求項5の印刷媒体において、前記識別マークが、前記写真画像内における背景画像部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれて配置されるものである。
【0026】
この請求項6の印刷媒体によれば、請求項5の印刷媒体と同様に作用する上、識別マークは、写真画像内の欠切部分に嵌め込み配置されるので、写真画像の色彩に変更を加えずとも、かかる欠切部分の背景色を識別マークの読取解読に支障のない色彩(例えば、白色系の背景色)に選定するだけで、識別マークの読取エラーを防止することができる。特に、写真画像内に識別マークを重畳すると、写真画像の色彩が邪魔をして識別マークの読取エラーが発生するような場合には、極めて有効である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の印刷媒体によれば、被印刷面に多数の写真画像を設けるスペースが確保できなくとも、写真画像内又はその周辺領域に配置される識別マークをデコード化することで取得される接続先情報を用いれば、その写真画像に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得することができる。よって、この取得した説明映像を閲覧することで、写真画像やそれに付随する記事のみでは説明しきれない情報を、印刷媒体の利用者に対して提供できるという効果がある。
【0028】
また、識別マークを介して取得される説明映像については、写真画像の被写体に関する説明情報を映像化したものであるので、単なる文字のみからなるWebページなどの説明情報に比べて、より多くの説明情報を理解され易く且つより迅速なかたちで、印刷媒体の利用者に対して提供できるという効果がある。
【0029】
しかも、この説明映像を用いれば、例えば、印刷媒体の頒布後にそれに掲載される写真画像の被写体について若干の変更が生じた場合でも、印刷媒体内の写真画像を差替えることなく、その変更点について説明映像を用いて告知することもできる。この場合に、写真画像の変更点が説明映像として利用者に提供されるので、利用者に変更点について的確に教示することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
【0031】
本発明の印刷媒体の一実施例である印刷物としては、例えば、新聞、雑誌、フリーペーパー、チラシ、カタログ、リーフレット、パンフレット、ダイレクトメール、価格表、名刺、ブロマイド、取引書類、ラベル(下札、値札、荷札その他のタグなどを含む。以下同じ。)、シール、包装容器(包装箱、包装紙、包装パック、包装袋などを含む。以下同じ。)その他写真画像が印刷等により被印刷面に設けられる各種の印刷物が含まれる。また、印刷物としてのラベルには、例えば、衣料品に縫着されるラベルであって、衣料品のメーカー名、商標、品質、洗濯情報等が印刷されたものも含まれる。
【0032】
なお、印刷物の被印刷面とは、印刷物に設けられる各種の掲載情報を印刷可能な面をいい、例えば、印刷物が新聞や雑誌などの出版物である場合はその誌面(表表紙又は裏表紙を含む。)のことをいう。
【0033】
図1及び図2は、雑誌である印刷物100の被印刷面101(誌面)に掲載される掲載情報102のレイアウト例を図示した平面図であって、図1(a)は、二次元コード105の第1レイアウト例L1を図示したものであり、図1(b)は、二次元コード105の第2レイアウト例L2を図示したものであり、図2(a)は、二次元コード105の第3レイアウト例L3を図示したものであり、図2(b)は、二次元コード105の第4レイアウト例L4を図示したものである。
【0034】
<第1レイアウト例>
図1(a)に示すように、第1レイアウト例L1において、印刷物100の被印刷面101には、洋菓子店の掲載情報102が掲載されており、この掲載情報102は、主に、掲載情報の内容を文章で表記した記事文103と、その記事文103の内容に対応した画像をカラー印刷又はモノクロ印刷で表した静止画像である写真画像104と、その写真画像104の周辺領域106であって当該写真画像104の右下側の外周縁辺に隣接して配置される二次元コード105とを備えている。写真画像104は、平面視略横長矩形状の輪郭104cを有しており、記事文103は写真画像104の右側に隣接して併記されている。
【0035】
なお、周辺領域106とは、必ずしも二次元コード105が配置されている写真画像104の右下側の外周縁辺に隣接する部分に限定されるものではなく、写真画像104の外周全体において、写真画像104の輪郭104cに隣接したその他の部分も含むものである。例えば、写真画像104の輪郭104cの上辺、下辺、左辺、又は右辺に隣接した任意の箇所に、二次元コード105を配置しても良い。
【0036】
具体的に、本実施例においては、記事文103が洋菓子店の新製品について紹介する文面であり、写真画像104が洋菓子店の新製品である「ショートケーキ」を主たる被写体(以下「主被写体」という。)104aとして撮影した静止画像であり、写真画像104に主被写体104aの他にも従たる被写体としてテーブル等の背景画像104bも写り込んでいる。
【0037】
ここで、主被写体104aとは、印刷物100の被印刷面101に設けられる写真画像104に写り込んだ被写体のうち、その写真画像104の掲載者(掲載依頼者を含む。以下同じ。)が利用者(読者を含む。)に対して当該写真画像104を用いて掲載情報102で告知しようとしている対象物(以下「被説明対象物」ともいう。)をいう。
【0038】
ただし、ここでいうところの写真画像104の主被写体104aとは、必ずしも写真画像104aに写っている対象自体(画像)の内容のみに基づいて定めされるものである必要はなく、その写真画像104aに写っている対象自体の内容に、その写真画像104a内に表記される文字、写真画像104aに併設される記事文103の文面、その他これらに類する被印刷面101上の文字表記の内容を勘案して、総合的に定められる対象を含んでいる。
【0039】
例えば、写真画像104に写っている対象が「さくらんぼ」の画像であって、その写真画像104上、記事文103の文面内、又は、周辺領域10に「さくらんぼ」の内容を補足する説明文、例えば、「山形のさくらんぼ」等と産地名を冠した表記等がなされているような場合にあっては、写真画像104の主被写体104aは、単なる「さくらんぼ」を意図するのではなく、この写真画像104自体及び「山形のさくらんぼ」を総合的に勘案した、「山形県産のさくらんぼ」と定められることとなる。
【0040】
二次元コード105は、本発明の識別マークの一種であり、当該二次元コード105が隣接配置される写真画像104に写っている主被写体104a、即ち、図1(a)中の写真画像104内に写り込んでいる「ショートケーキ」についての説明情報を映像化した説明映像Mを取得するため、その説明映像Mに関するURL(Uniform-Resource-Locator)(以下、「説明映像URL」ともいう。)をコード化して記録したものである。
【0041】
説明映像URLは、後述するように(図5参照。)、説明映像配信サーバー1,60を介して公開されている説明映像Mに対し、携帯電話機2のWWWブラウザ24aを用いて、電気通信回線網3(特に、インターネット通信網)を介してアクセスするための接続先情報である。
【0042】
ここで、URLは、電気通信回線網3を介して利用可能となっている情報リソースの位置を指し示す記述方式(接続先情報)であり、特に、インターネット通信網上の所在を、サーバ名、ポート番号、フォルダ名、ファイル名などで構成される文字列や、IP(Internet Protocol)アドレスで指定したものを含んでいる(CGIの引数を含まない文字列も含む。)。
【0043】
また、二次元コード105は、スタック方式、マトリックス方式その他の二次元コード化方式によって説明映像URLをコード化したものが好ましい。この二次元コード105には、大別すると、PDF417(SymbolTechnologies社開発)等のスタック型二次元コードと、QRコード(JIS−X−0510)(デンソーウェーブ社開発)等のマトリックス型二次元コードとがある。なかでも、QRコードは、読み取り速度を高速化することを主眼に設計された二次元コードであって、日本国内の普及率や周知度も高く、写真画像104と関係づけて用いる二次元コード105として、より好適である。
【0044】
特に、現在の日本国内で使用されている多くの携帯電話機2には、それに搭載されるカメラ機能を利用したQRコードのリーダー機能及びデコーダー機能が内蔵されており、この点においても、QRコードは、印刷物100の写真画像104に附帯配置される二次元コード105として現段階において最も好適なものである。そこで、本実施例では、二次元コード105の具体例としてQRコードを用いて説明している。
【0045】
このように、二次元コード105がQRコードであることから、これを写真画像104に附帯配置させることで、この二次元コード105が写真画像104に関する情報ソースに対してアクセス可能であることを示唆又は暗示することができる。
【0046】
また、QRコードを用いた二次元コード105であれば周知度も高いことから、写真画像104に附帯表示される二次元コード105の利用方法について余分な説明や宣伝をせずとも、利用者に対して写真画像104内又はその周辺領域106に配置される二次元コード105が写真画像104の主被写体104aに関する何らかの情報を取得するための手段であることを容易に告知できる。
【0047】
ここで、このQRコードを用いた二次元コード105は、主として、複数のモジュール、位置検出パターン等で構成されるシンボル本体と、そのシンボル本体の周囲四辺に余白として設けられるクワイエットゾーンとを備えている。なお、本第1レイアウト例を含めて、後述する第2レイアウト例から第4レイアウト例においても、二次元コード105のシンボル本体の周囲にはクワイエットゾーンが設けられている。
【0048】
なお、二次元コード105を被印刷面101に「配置する」とは、被印刷面101の所定箇所に二次元コード105を定着させることをいい、例えば、被印刷面101に二次元コード105が直接印刷されること、及び、被印刷面101に二次元コード105が印刷されたシール、ラベルその他これに類する物が貼付されること、その他これに類する態様が含まれる。
【0049】
このように、写真画像104の主被写体104aに関する説明映像URLをコード化して記録した二次元コード105が写真画像104の周辺領域106に配置されている印刷物100によれば、この印刷物100の利用者は、写真画像104の主被写体104aについて更なる情報を確認したいときに、その写真画像104に附帯される二次元コード105を携帯電話機2により読み取って解読することで説明映像URLを取得し、この説明映像URLを用いて当該写真画像104の主被写体104aに関する説明映像Mにアクセスし、この説明映像Mを閲覧することで、当該主被写体104aについて更なる説明を受けることができる。
【0050】
<第2レイアウト例>
図1(b)に示すように、第2レイアウト例L2は、上記した第1配置では二次元コード105を写真画像104の周辺領域106に配置したのに対し、二次元コード105が写真画像104の一部に組み込まれる位置に配置位置を変更したものである。以下、第1レイアウト例L1と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0051】
この第2レイアウト例L2において、二次元コード105は、写真画像104内の左下側の隅部分に、この写真画像104に重畳するような状態で印刷されることで配置されている。つまり、二次元コード105は、写真画像104の輪郭104c(境界線)よりも内側の隅部分に、この写真画像104内の画像に重なり合って配置されている。しかも、二次元コード105の平面サイズは、写真画像104の平面サイズよりも小さくされている。
【0052】
また、二次元コード105は、写真画像104の掲載者が説明映像Mを用いて更に説明しようとする被説明対象物、即ち、写真画像104の主被写体104aである「ショートケーキ」を除く背景画像104b上に、当該写真画像104よりも小さなサイズで、配置されている。
【0053】
特に、二次元コード105を写真画像104内に重畳する場合、この二次元コード105の配置箇所は、写真画像104内のうち、二次元コード105のクワイエットゾーンとしても機能可能な淡色系の色彩の画像領域が好ましく、なかでも、写真画像104内の白色系の色彩を有する画像領域であることがより好適である。つまり、この場合は、写真画像104の画像自体が二次元コード105のシンボル本体を囲繞するクワイエットゾーンとして機能することとなる。
【0054】
ここで、淡色系又は白色系とは、二次元コード105の読取エラーを防止する限度における明度を有する色彩を意図しており、二次元コード105のシンボル本体の明モジュールと公称反射値が等しい色彩をいう。
【0055】
なお、二次元コード105の重畳箇所は、必ずしも写真画像104内の左下側の隅部分に限定されるものではなく、写真画像104内であって主被写体104aを邪魔しない箇所であれば他の部分であっても良い。例えば、主被写体104aが写真画像104内のほぼ中央部分に写っているような場合であれば、写真画像内104における輪郭104cの上辺より、下辺より、左辺より、又は右辺よりの任意の箇所に、二次元コード105を重畳しても良い。
【0056】
この第2レイアウト例L2によれば、二次元コード105が写真画像104内に配置されるので、二次元コード105を写真画像104の周辺領域106に配置する場合(図1(a)参照。)に比べて、二次元コード105と写真画像104とが互いに関係づけられている旨の印象を、看者に一層強く付与できる。
【0057】
結果、印刷物100の利用者たる看者に対して、二次元コード105が、写真画像104の主被写体104aに関する情報を取得するための手段である旨を効果的に告知もできる。しかも、写真画像104の輪郭104cから不格好に出っ張った状態で二次元コード105を別途配置する必要もなく、写真画像104の周囲のレイアウト例を整然としたものにできる。
【0058】
また、看者が写真画像104の主被写体104aに注視した場合、自ずと写真画像104内に配置される二次元コード105にも注目を促すこととなるため、この二次元コード105を用いた説明映像Mへのアクセス率を高めることができる。
【0059】
しかも、二次元コード105は、写真画像104内に重畳して配置されるとはいえ、写真画像104の隅部分であって被説明対象物(主被写体104a)を除いた背景画像104bに、当該写真画像104よりも小さなサイズで配置されるので、写真画像104に写っている主被写体104a自体の視認性や画像品質を阻害することもない。
【0060】
<第3レイアウト例>
図2(a)に示すように、第3レイアウト例L3は、上記した第2レイアウト例L2に対し、写真画像104内の二次元コード105の配置箇所に表示枠107を設けたものである。以下、第2レイアウト例L2と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0061】
この第3レイアウト例L3おいて、写真画像104内には、その右上側の隅部分の周辺に二次元コード105の平面サイズ以上の面積を有する平面視略矩形状の表示枠107が設けられている。この表示枠107は、写真画像104内における背景画像104bの一部分を欠切した部分であり、この表示枠107内の背景色には、二次元コード105の読取解読に支障のない色彩、例えば、白色系の色彩が選定されている。また、この表示枠107内には、二次元コード105が嵌め込まれた状態で配置されている。
【0062】
このため、例えば、写真画像104の背景画像104bの色彩が二次元コード105の読取エラーを誘発するものである場合でも、写真画像104内に特別に設けられる表示枠107内に、二次元コード105を嵌め込み配置することによって、読取エラーの発生を防止することができる。このため、二次元コード105を写真画像104内の背景画像104bに重畳するために、わざわざ印刷物100の編集段階で写真画像104の色彩に変更を加えることも不要となる。
【0063】
なお、第3レイアウト例L3では、二次元コード105の表示枠107の形成箇所を、写真画像104内の右上側の隅部分としたが、かかる表示枠の形成箇所は必ずしもここに限定されるものではなく、写真画像104内であって主被写体104aを邪魔しない箇所であれば他の部分であっても良い。例えば、主被写体104aが写真画像104内のほぼ中央部分に写っているような場合であれば、写真画像内104における輪郭104cの上辺より、下辺より、左辺より、又は右辺よりの任意の箇所に表示枠107を形成しても良い。
【0064】
<第4レイアウト例>
図2(b)に示すように、第4レイアウト例L4は、上記した第1レイアウト例L1に対し、二次元コード105が写真画像104の周囲から余分に出っ張ることが防止されるように、二次元コード105を配置したものである。以下、第1レイアウト例L1と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0065】
この第4レイアウト例L4によれば、写真画像104には、その写真画像104の外周縁部分における右下隅部分の一部を略矩形状に欠切することで切欠凹部108が凹設されている。この切欠凹部108は、二次元コード105の平面サイズ以上の面積を有した欠切部分であり、写真画像104に写り込んでいる背景画像104bの一部を欠切したものとなっている。このため、写真画像104に切欠凹部108が設けられていても、主被写体104aの視認性や画像品質は確保されている。
【0066】
なお、切欠凹部108の凹設箇所は、必ずしも写真画像104の外周縁部分の右下隅部分に限定されるものではなく、写真画像104の外周縁部分の一部であれば他の部分であっても良い。例えば、主被写体104aが写真画像104内のほぼ中央部分に写っているような場合であれば、写真画像内104における輪郭104cの上辺、下辺、左辺、又は右辺の任意の箇所に、切欠凹部108を凹設しても良い。
【0067】
また、切欠凹部108の背景色には、二次元コード105の読取解読に支障のない色彩、例えば、白色系の色彩が選定されている。このため、例えば、写真画像104の背景画像104bの色彩が二次元コード105の読取エラーを誘発するものである場合でも、切欠凹部108内に二次元コード105を嵌め込み配置することによって、読取エラーの発生を防止することができる。よって、二次元コード105を写真画像104内の背景画像104bに重畳するために、わざわざ印刷物100の編集段階で写真画像104の色彩に変更を加えることも不要となる。
【0068】
また、この切欠凹部108内には、二次元コード105が嵌め込まれた状態で配置されており、この二次元コード105のシンボル本体の左辺と下辺とは、写真画像104の右下隅部分から欠落している写真画像104の輪郭104cの下辺右端部と左辺下端部とを補うように、この写真画像104の輪郭104cの一部を成すように配置されている。
【0069】
つまり、二次元コード105のシンボル本体と写真画像104とは、二次元コード105のシンボル本体の右辺が、写真画像104の右辺の下側の延長線上に略一致し、二次元コード105のシンボル本体の下辺が、写真画像104の下辺の右側の延長線上に略一致し、二次元コード105のシンボル本体の右下側の頂角が、写真画像104の右下側に本来あるべき頂角と略一致するという位置関係となっている。
【0070】
この第4レイアウト例L4によれば、二次元コード105は、写真画像104の縁部分の一部を欠切した切欠凹部108に嵌め込まれ、その写真画像104の輪郭104cの一部を成すように配置されるので、二次元コード105が写真画像104の周辺領域106に配置されるとはいえ、二次元コード105と写真画像104とが互いに関係づけられている旨の印象を、看者に一層強く付与できる。
【0071】
結果、印刷物100の利用者たる看者に対して、二次元コード105が、写真画像104の主被写体104aに関する情報を取得するための手段である旨を効果的に告知もできる。しかも、写真画像104の輪郭104cから不格好に出っ張った状態で二次元コード105を別途配置する必要もなく、写真画像104の周囲のレイアウト例を整然としたものにできる。
【0072】
また、看者が写真画像104の主被写体104aに注視した場合、自ずと写真画像104内に食い込んだ状態で配置される二次元コード105にも注目を促すこととなるため、この二次元コード105を用いた説明映像Mへのアクセス率を高めることができる。
【0073】
しかも、二次元コード105は、写真画像104の周囲ともいえる箇所に配置されるとはいえ、写真画像104の隅部分であって被説明対象物(主被写体104a)を除いた背景画像104bに設けられる切欠凹部108に、当該写真画像104よりも小さなサイズで配置されるので、主被写体104a自体の視認性や画像品質を阻害することもない。
【0074】
図3は、商品などに貼付されるラベルとして機能する印刷物110の一例を示した平面図である。図3に示すように、印刷物110は、野菜や果物などの農産物のパッケージや包装に貼付されるラベルの一種である。このラベルである印刷物110は、具体的には「キャベツ」に関する掲載情報102を有する商品ラベルであり、平面視略矩形状のラベル紙201で形成されている。
【0075】
このラベル紙201には、その右側部分に、商品名「キャベツ」、原産地「石川県産」、重量「100g」、価格「100円」、販売者名及びその住所が、記事文103として印刷により表記されている。また、ラベル紙201の左側部分には、主被写体104aとして「キャベツ」が撮影された写真画像104が印刷により設けられており、上記した第2レイアウト例L2の印刷物100と同様にして、写真画像104内に二次元コード105が印刷により配置されている。
【0076】
図4(a)は、図3に例示したラベル(印刷物110)の写真画像104に写り込んでいる主被写体104aである農産物「キャベツ」について補足又は詳細に説明する説明映像Mの構成(編成)例を示した概念図であり、図4(b)は、説明映像Mに含まれている産地証明書等映像m5において映像化されている産地証明書120の一例を図示したものであり、図4(c)は、説明映像Mに含まれている保証書映像m6において映像化されている保証書130の一例を図示したものである。
【0077】
なお、図4(b)及び図4(c)では、産地証明書120及び保証書130に押印される証明者、生産者及び保証人の印影の図示を省略している。
【0078】
図4(a)に示すように、説明映像Mは、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」に関する複数種類の説明情報を映像化したものを一連の映像データとして編成したものであり、主として、生産者映像m1と、生産現場の屋外映像m2と、生産現場の屋内映像m3と、生産現場の管理状況映像m4と、産地証明書等映像m5と、保証書映像m6とから編成されている。
【0079】
生産者映像m1は、農産物「キャベツ」の生産者の姿を実際に撮影して映像化した動画像であり、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の提供者を特定して説明することを目的とした映像である。生産現場の屋外映像m2は、農産物「キャベツ」の生産現場の屋外(例えば、ビニールハウスの屋外等をいう。以下同じ。)の風景を実際に撮影して映像化した動画像であり、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の生産現場や提供現場を特定して説明することを目的とした映像である。
【0080】
生産現場の屋内映像m3は、農産物「キャベツ」の生産現場の屋内(例えば、ビニールハウスの屋内等をいう。以下同じ。)の風景を実際に撮影して映像化した動画像であり、上記した屋外映像と同様の目的を有する映像である。
【0081】
生産現場の管理状況映像m4は、農産物「キャベツ」の生産管理の状況を実際に撮影して映像化した動画像であり、例えば、ビニールハウス内で農産物「キャベツ」を栽培するような場合には、そのビニールハウス内の温度及び湿度等の各種の環境条件がコンピュータを用いて制御されている状況を撮影した動画像が用いられる。この管理状況映像は、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の生産、流通又は提供が厳格な管理の下に行われていることを説明することを目的としたものである。
【0082】
産地証明書等映像m5は、商品の産地証明、品種証明、銘柄証明又はこれらに類する証明内容が記載された書面であって当該商品の生産者組合、地方公共団体又はその他の公的機関が発行したもの(以下「産地証明書等」という。)の現物、例えば、図4(b)に示すような内容が記載された産地証明書120の現物を、実際に撮影して映像化した静止画像であり、主として、写真画像104の主被写体104aである農産物「キャベツ」の産地を特定して証明することを目的とした映像である。
【0083】
保証書映像m6は、この保証書映像m6の他に説明映像Mに記録されている説明情報、例えば、図4(a)における生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、生産現場の屋内映像m3、生産現場の管理状況映像m4、産地証明書等映像m5が真正のものである旨を保証した保証書130の現物を、実際に撮影して映像化した静止画像である。この保証書映像m6は、主として、説明映像M自体の信憑性や信頼性を保証することを目的とした映像である。
【0084】
例えば、保証書映像m6に撮影される保証書130には、図4(c)に示すように、説明映像Mに記録されている各種の説明情報について真正のものであることを保証する旨を記載した保証文書131と、農産物「キャベツ」の生産者自身及び公的若しくは民間の証明機関等の第三者による署名132と、かかる両者による押印(図示せず。)と、その署名した日付133とが記載されている。
【0085】
なお、説明映像Mには、その説明映像M内に映像化されている各種説明情報を説明する音声ナレーションや各種のBGMを音声情報として付加しても良く、説明映像Mの撮影時に録音された生産者の声や生産現場等の実際の音声を、説明映像Mに付加する音声情報として用いても良い。
【0086】
図5は、説明映像配信サーバー1の電気的接続状態を示す概略図である。図5に示すように、説明映像配信サーバー1は、電気通信回線網3を介して利用者が使用する携帯電話機2と接続されており、この携帯電話機2との間で各種データを送受信可能となっている。なお、以下に説明するシステムは、説明の便宜上、上記した二次元コード105に関する第2レイアウト例L2を用いた印刷物110を使用した場合について説明するが、当然のことながら、二次元コード105に関する他のレイアウト例L1,L3,L4を用いた場合についても、同様に機能及び作用するものである。
【0087】
この説明映像配信サーバー1は、印刷物110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる情報を提供するため、印刷物110の利用者が使用する携帯電話機2に対して、写真画像104の主被写体104aに関する説明情報を説明映像M(図4参照。)の形式で電気通信回線網3を介して配信し、この説明映像Mを利用者に閲覧させることを通じて、当該写真画像104の主被写体104aについて更なる説明をしようとするものである。
【0088】
電気通信回線網3は、無線及び有線の通信網であり、例えば、パケット通信網、回線交換網、PDC交換網、W−CDMA網、移動通信網、PHS通信網、インターネット通信網等の各種のネットワーク網を含むものである。
【0089】
携帯電話機2は、印刷物110の写真画像104の主被写体104aについて更なる説明を希望する者(以下単に「利用者」という。)が使用する通信端末(通信端末)の一種であって、可搬型の電話機である。この携帯電話機2は、デジタルカメラ機能と、アプリケーションプログラムの実行機能と、QRコード(登録商標)等に代表される二次元コード105を読み取るためのリーダー機能と、二次元コード105を解読するためのデコーダー機能と、各種映像を再生表示する映像再生表示機能と、各種音声を再生出力する音声再生出力機能とを備えている。
【0090】
また、携帯電話機2は、数字、文字、操作指示等を入力するための複数のキースイッチ4aを有した操作パネル4と、その操作パネル4を介して操作される各種の操作画面(Webページを含む。)や、各種映像(静止画像及び動画像の双方を含む。以下同じ。)を表示可能な液晶ディスプレイ(Liquid-Crystal-Display(以下「LCD」と略記する。))5とを備えている。なお、LCD5の画面に表示される各種の操作画面への操作は、操作パネル4の各キースイッチ4aの操作を通じてなされる。
【0091】
更に、携帯電話機2は、電気通信回線網3の一部となる移動通信網の基地局(図示せず)との間で無線通信を行うことで、通話機能およびパケット通信等のデータ通信機能を実現するものである。また、この携帯電話機2は、後述するようにWWW(World-Wide-Web)ブラウザ24aを搭載しており(図6参照。)、このWWWブラウザ24aによって説明映像配信サーバー1にアクセス(接続)することで説明映像M(図4参照。)を取得するものである。なお、WWWブラウザのことを、ウェブブラウザ又はWebブラウザともいう。
【0092】
図6は、携帯電話機2の電気的構成を示したブロック図である。図6に示すように、携帯電話機2は、主に、CPU(Central-Processing-Unit)21と、ROM(Read-Only-Memory)22と、RAM(Random-Access-Memory)23と、EEPROM(Electrically-Erasable-Programmable-ROM)24と、上記したLCD5を有する表示部25と、上記した操作パネル4を有する操作入力部26と、カメラ撮影部27と、撮影ライト28と、無線通信部29と、通話処理部30と、音声スピーカ31とを備えている。また、これらの各部は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスで構成されるバス32を介して相互に接続されている。
【0093】
CPU21は、ROM22、RAM23又はEEPROM24に記憶格納されている各種プログラム及び各種データに基づいて、バス32を介して接続されている装置各部に対する各種制御処理と、各種データの演算処理とを行う中央処理装置である。ROM22は、携帯電話機2の装置各部の基本制御を行うための各種プログラムや固定データ等が記憶される電気的にデータ書換不能な不揮発性メモリである。
【0094】
RAM23は、CPU21のワーキングメモリとして用いられる電気的にデータ書換可能な揮発性メモリである。このRAM23は、CPU21による各種演算に使用されるデータや、その演算結果に関するデータ等を一時的に記憶するものであり、例えば、二次元コード105の読取データ、二次元コード105の解読データ、説明映像配信サーバー1から配信されてくる説明映像Mのデータなどが一時的に記憶される。また、携帯電話機2のCPU21で実行されるプログラムは、このRAM23に展開されて実行される。
【0095】
EEPROM24は、電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリであり、将来的に更新、変更又は消去される可能性があり且つ電源オフ時にも記憶保持する必要性がある各種プログラムや各種データが記憶される。例えば、EEPROM24には、携帯電話機2用の基本OS(Operating-System)、Java(登録商標)アプレット等の各種プログラム、各種映像データや各種音声データが記憶される。なお、EEPROM24に代えて、バッテリバックアップ機能を有するSRAM(Static-RAM)を用いても良い。
【0096】
また、このEEPROM24には、上記した各種のプログラムやデータの他にも、下記するWWWブラウザ24a、コード読取解読プログラム24b、映像再生表示プログラム24c、及び、音声再生出力プログラム24dが記憶格納されている。
【0097】
WWWブラウザ24aは、携帯電話機2のデータ通信機能を実現するためのプログラムである。このWWWブラウザ24aがCPU21により実行されることによって、CPU21及び無線通信部29は、インターネット通信網上の接続先情報であるURL(Uniform-Resource-Locator)を用いて説明映像配信サーバー1にアクセス可能なアクセス装置として機能する。
【0098】
コード読取解読プログラム24bは、携帯電話機2において二次元コード105のリーダー機能及びデコーダー機能を実現するためのプログラムである。このコード読取解読プログラム24bがCPU21により実行されることによって、CPU21及び表示部25は、二次元コード105を読み取り及び解読するためのリード装置(リーダー(読取装置))及びデコード装置(デコーダー)として機能する。
【0099】
映像再生表示プログラム24cは、携帯電話機2において各種映像の再生表示機能を実現するためのプログラムである。この映像再生表示プログラム24cがCPU21により実行されることによって、CPU21及び表示部25は、説明映像配信サーバー1から受信した説明映像M、その他の各種映像を再生表示するための映像再生表示装置(映像表示装置)として機能する。
【0100】
音声再生出力プログラム24dは、携帯電話機2において各種音声データや音楽データを再生して音声スピーカ31へ出力する音声再生出力機能を実現するためのプログラムである。この音声再生出力プログラム24dがCPU21により実行されることによって、CPU21および音声スピーカ31は、説明映像配信サーバー1から受信した説明映像Mに付加されている音声情報データを再生して出力するための音声再生出力装置(音声再生出力手段)として機能する。
【0101】
表示部25は、上記したLCD5と、このLCD5の表示制御を行う駆動回路25aとを備えており、二次元コード105の読み取り時のモニタ映像や、説明映像Mの再生映像を表示するためのものである。
【0102】
操作入力部26は、上記した操作パネル4を有しており、この操作パネル4のキースイッチ4a(図5参照。)を用いた操作に応じた操作信号をCPU21へ出力するものである。つまり、操作入力部26は、携帯電話機2に装備されている各種機能、例えば、通話機能、データ通信機能、デジタルカメラ機能、アプリケーションプログラム実行機能、及び、二次元コード105のリーダー機能及びデコーダー機能等を操作する場合における操作装置及び入力装置として機能するものである。
【0103】
カメラ撮影部27は、携帯電話機2に内蔵されるCCD(Charge-Coupled-Device)カメラ27aを備えており、通常の撮影用カメラとして機能するとともに、二次元コード105のリーダ装置の一部としても機能するものである。更に、撮影ライト28は、通常の撮影時、及び、二次元コード105の読み取り時などに発光して被対象物を照明するものであり、例えば、高輝度LED等が用いられる。
【0104】
無線通信部29は、電波を送受信するアンテナ29aを備えており、このアンテナ29aを介して電気通信回線網3の一部をなす基地局(図示せず。)との間でなされる無線通信を制御するものである。この無線通信部29は、CPU21による制御を受けて、例えば、パケット通信用のデータや送話音声に関するデータ等を搬送波に重畳して送信信号を生成し、この送信信号を基地局へ無線送信するものである。また、この無線通信部29は、基地局から無線送信されてくる無線信号をアンテナ29aを介して受信し、この受信信号をパケット通信用のデータや受話音声に関するデータ等に復調するものである。
【0105】
通話処理部30は、例えば、送話用マイク30aと受話用スピーカ30bと音声処理回路30cとを備えており、CPU21による制御を受けて、呼の接続や切断等の通話処理を行うものである。また、音声スピーカ31は、通話時の着信音や各種の音声情報を音声として出力するものであり、説明映像配信サーバー1から受信した説明映像Mに付加される音声情報も、この音声スピーカ31によって出力される。
【0106】
図7(a)は、携帯電話機2のLCD5に表示される二次元コード読取操作画面35の一例を図示した図であり、図7(b)は、携帯電話機2のLCD5に表示されるURLアクセス操作画面36の一例を示した図である。
【0107】
図7(a)に示されている二次元コード読取操作画面35は、上記したコード読取解読プログラム24bが携帯電話機2のCPU21により実行されることによって、LCD5に表示される操作画面の一種である。この二次元コード読取操作画面35の略中央には、カメラ撮影部27によって撮像される二次元コード105の映像がモニタ表示されるモニタフレーム35aが設けられている。二次元コード105の映像は、カメラ撮影部27のCCDカメラ27aによって撮像された映像信号が表示部25へ入力されることで、LCD5を介してモニタフレーム35a内に表示される。
【0108】
また、二次元コード読取操作画面35には、モニタフレーム35aの下側部分に「読取」と表示された読取ボタン35bが設けられている。この読取ボタン35bが操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することでクリックされると、二次元コード105がカメラ撮影部27によって自動的に読み取られ、その読取画像信号がカメラ撮影部27からCPU21へ入力され、このCPU21により解読(復号化)され、その解読結果がURLアクセス操作画面36を用いてLCD5に表示される。
【0109】
図7(b)に示されているURLアクセス操作画面36は、コード読取解読プログラム24bが携帯電話機2のCPU21により実行され、かつ、上記した二次元コード読取操作画面35内の読取ボタン35bがクリックされた場合に、二次元コード105から読み取り解読される説明映像URLを、LCD5に表示する操作画面である。
【0110】
このURLアクセス操作画面36には、例えば、「http://www.**-qrdemovie.com/watch/shoumei_mv0001.3gp」等のように、解読された説明映像URLが表示されるURLフレーム36aが設けられている。また、このURLフレーム36aの下側部分には、「接続」と表示された接続ボタン36bが設けられている。ここで、このURLフレーム36aに表示される説明映像URLにカーソルを合わせて(図示するように文字が白抜きとなった状態を意味する。)、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで接続ボタン36bがクリックされると、URLフレーム36a内に表示されている説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー1の説明映像格納エリア46b(図8参照。)に格納されている説明映像Mに対してアクセスが行われる。
【0111】
なお、本実施例では、説明映像URLに指定されている文字列が示す記述内容自体を、説明映像配信サーバー1のHD46内の説明映像格納エリア46bにおける説明映像Mの記憶アドレスを特定する内容とすることによって、説明映像URLとそれに対応する説明映像Mとについての関係づけが行われている。
【0112】
図8は、説明映像配信サーバー1の電気的構成を示したブロック図である。図8に示すように、説明映像配信サーバー1は、主に、CPU41と、ROM42と、RAM43と、バス44と、入出力回路45と、大容量の補助記憶装置であるハードディスク(以下「HD」という。)46と、ポインティングデバイスであるマウス47と、複数のキースイッチを有するキーボード48と、各種情報が表示される表示画面を有するディスプレイ49と、電気通信回線網3と接続されて各種データを送受信するための制御を行う通信制御回路50とを備えている。
【0113】
CPU41は、説明映像配信サーバー1の各部に対する各種制御処理と各種データの演算処理とを行う中央処理装置であり、後述する説明映像配信プログラム46a及びその他の各種プログラムを実行するものである。ROM42は、BIOS(Basic-Input/Output-System)などの基本プログラムが記憶され、EEPROM(フラッシュメモリを含む。)等のデータ書換可能な不揮発性メモリで構成されている。RAM43は、説明映像配信サーバー1のメインメモリとして機能し、各種演算処理や制御処理におけるワークエリアとして用いられるものであって、DRAM等のデータ書換可能な揮発性メモリで構成されている。
【0114】
バス44は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスで構成され、上記したCPU41、ROM42及びRAM43を相互に接続し、更に、入出力回路45とも接続されている。また、入出力回路45は、HD46、マウス47、キーボード48、ディスプレイ49、及び、通信制御回路50とそれぞれ接続されている。また、HD46には、説明映像配信サーバー1用の基本OS、各種のアプリケーションプログラムその他各種のデータが記憶される他、説明映像配信プログラム46aが記憶され、更に、説明映像格納エリア46bが設けられている。
【0115】
説明映像配信プログラム46aは、携帯電話機2から説明映像URLを用いたアクセスがあった場合に、そのアクセスしてきた携帯電話機2に対して、その説明映像URLに指定されている内容から特定される説明映像Mを配信するためのプログラムであって、図9のフローチャートに示す説明映像配信処理を実行するものである。また、説明映像格納エリア46bは、印刷物110における写真画像104の主被写体104aに関する説明映像Mを記憶格納するための記憶領域であり、上記した各種の説明映像Mが多数記憶可能に構成されている。
【0116】
次に、図9を参照して、説明映像配信サーバー1から携帯電話機2へ説明映像Mを配信するための一連の処理について説明する。
【0117】
図9は、説明映像配信サーバー1及び携帯電話機2で実行される一連の処理を示したフローチャートである。図9に示すように、まずは、利用者が印刷物110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を取得したい場合、その利用者が携帯電話機2の操作パネル4を用いて所定の操作を行って、コード読取解読プログラム24bをCPU21により実行すると、携帯電話機2において二次元コード105のリーダー機能が起動される(S1)。
【0118】
この起動によって、携帯電話機2のLCD5には上記した二次元コード読取操作画面35(図7(a)参照。)が表示される(S2)。すると、この二次元コード読取操作画面35のモニタフレーム35aには、カメラ撮影部27を介して撮像される映像がモニタ表示される。また、二次元コード読取操作画面35の表示後は、読取ボタン35bがクリックされるまで処理を待機する(S3:No)。
【0119】
このS3の処理による待機中において、利用者は、二次元コード読取操作画面35内のモニタフレーム35aに表示される映像を見ながら、モニタフレーム35a内に二次元コード105全体の映像が表示されるように、印刷物110の写真画像104に附帯配置された二次元コード105と携帯電話機2のカメラ撮影部27のレンズ(図示せず)との距離を調整する。その後、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで読取ボタン35bがクリックされると(S3:Yes)、二次元コード105がカメラ撮影部27によって自動的に読み取られる(S4)。
【0120】
すると、携帯電話機2では、コード読取解読プログラム24bに基づいて二次元コード105のデコーダー機能が起動されて、二次元コード105の読取画像から、この二次元コード105に記録されている説明映像URLが解読される(S5)。この解読が完了すると、URLアクセス操作画面36(図7(b)参照。)が携帯電話機2のLCD5に表示され、そのURLアクセス操作画面36のURLフレーム36a内には、二次元コード105から解読された説明映像URLを表す文字列が表示される(S6)。
【0121】
このURLアクセス操作画面36の表示後は、接続ボタン36bがクリックされるまで処理を待機する(S7:No)。そして、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで、接続ボタン36bがクリックされると(S7:Yes)、携帯電話機2のCPU21によってWWWブラウザ24aが実行され、そのURLフレーム36aに表示されている説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー1に対する電気通信回線網3を介したアクセスが行われる(S8)。
【0122】
これに対し、説明映像配信サーバー1では、携帯電話機2からの説明映像URLを用いたアクセスがあると(S9:Yes)、説明映像配信サーバー1のCPU41によって説明映像配信プログラム46aが実行され、携帯電話機2からアクセスのあった説明映像URLの記述内容から特定される説明映像Mを、説明映像格納エリア46bから読み出し、この説明映像URLにアクセスしてきた携帯電話機2に対して配信する(S10)。
【0123】
なお、S10による説明映像Mの配信後、又は、携帯電話機2から説明映像URLへアクセスがない場合(S9:No)は、他の処理(S11)を実行した後、処理をS9へ移行する。
【0124】
一方、携帯電話機2では、説明映像URLを用いて説明映像配信サーバー1へアクセス実行してから(S8)、説明映像Mを受信するまで処理を待機しており(S12:No)、説明映像配信サーバー1から説明映像Mを受信すると(S12:Yes)、映像再生表示プログラム24cを実行し、この説明映像Mを再生してLCD5に表示した後(S13)、この一連の処理を終了する。なお、S13の処理では、説明映像Mに音声情報が付加されていれば、音声再生出力プログラム24dを実行して、その音声情報を再生して音声スピーカ31から出力する。
【0125】
このように、本実施例の説明映像配信サーバー1によれば、携帯電話機2の利用者は、その携帯電話機2を用いて、印刷物110の写真画像104に写された主被写体104aについての説明映像Mを閲覧することで、当該写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を知ることができる。
【0126】
次に、図10、図11及び図12を参照して、上記実施例の変形例について説明する。この第2実施例の説明映像配信サーバー60(図11参照)は、上記した第1実施例の説明映像配信サーバー1に対し、携帯電話機2からのアクセス方式を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0127】
ここで、第2実施例において、印刷物110の写真画像104に附帯配置される二次元コード105は、その写真画像104についての説明映像Mを取得するための専用ページ37(図10(b)参照。)に関するURL(以下、「専用ページURL」ともいう。)を記録したものである。また、この専用ページURLは、携帯電話機2のWWWブラウザ24a等を用いて、説明映像配信サーバー60によって公開されている専用ページ37に、電気通信回線網3(特に、インターネット通信網)を介してアクセスするための接続先情報である。
【0128】
つまり、第1実施例における二次元コード105には、説明映像URLが記録されていたのに対し、第2実施例における二次元コード105には、専用ページURLが記録されるのである。したがって、第2実施例においては、図7(a)に示した二次元コード読取操作画面35を用いて二次元コード105が読み取られて解読された場合、その解読結果として、専用ページURLがURLアクセス操作画面36のURLフレーム36a内に表示されることとなる(図10(a)参照。)。
【0129】
図10(a)は、携帯電話機2のLCD5に表示されるURLアクセス操作画面36の一例を示した図であり、図10(b)は、専用ページ37の一例を示した図であり、図10(c)は、専用ページ37が携帯電話機2のLCD5に表示された状態を示した図である。
【0130】
図10(a)に示されているURLアクセス操作画面36は、コード読取解読プログラム24bが携帯電話機2のCPU21により実行され、かつ、上記した二次元コード読取操作画面35内の読取ボタンがクリックされた場合に、二次元コード105から読み取り解読される専用ページURLを、LCD5に表示する操作画面である。
【0131】
このURLアクセス操作画面36には、例えば、「http://www.**-qrdemovie.com/senyou_pg0001.html」等のように、解読された専用ページURLが表示されるURLフレーム36aが設けられている。ここで、このURLフレーム36aに表示される専用ページURLにカーソルを合わせて(図示するように文字が白抜きとなった状態を意味する。)、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで接続ボタン36bがクリックされると、URLフレーム36a内に表示されている専用ページURLを用いて、説明映像配信サーバー60の専用ページ格納エリア61c(図11参照。)に格納されている専用ページ37に対してアクセスが行われる。
【0132】
なお、本実施例では、専用ページURLに指定されている文字列が示す記述内容自体を、説明映像配信サーバー60のHD61内の専用ページ格納エリア61c(図11参照。)における専用ページ37の記憶アドレスを特定する内容とすることによって、専用ページURLとそれに対応する専用ページ37とについての関係づけが行われている。
【0133】
図10(b)に示されている専用ページ37は、電気通信回線網3を介して他のWebページに対してリンク不能な非リンクWebページであって、スクロールすることによって携帯電話機2のLCD5に全体が表示される構成となっていることが好ましい。また、この専用ページ37は、説明映像Mを説明映像配信サーバー60から取得するための操作画面でもある。
【0134】
図10(b)に示すように、専用ページ37のページトップには、当該専用ページ37を用いて取得できる説明映像Mの1カット(1フレーム)を静止画像で表示するカットフレーム37aが設けられており、このカットフレーム37aの直下には「動画を再生する」という表示37bがなされている。この「動画を再生する」という表示37bには、例えば、「http://www.**-qrdemovie.com/watch/shoumei_mv0001.3gp」等のように説明映像URLが非表示状態で記録されている。また、「動画を再生する」という表示37bの下側には、写真画像104の主被写体104aとなっている農産物「キャベツ」の生産者名と、その主被写体104aである農産物「キャベツ」の産地、品種、栽培方法、提供者からのコメント、問い合わせ先などの各種の文字情報37cが表示されている。
【0135】
図10(c)に示すように、専用ページ37が携帯電話機2のLCD5に表示される場合、このLCD5の画面枠の下側部分には、「接続」と表示された接続ボタン37dが設けられる。ここで、LCD5に表示される専用ページ37の「動画を再生する」の表示37bにカーソルを合わせた上で(図示するように文字が白抜きとなった状態を意味する。)、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで接続ボタン37dがクリックされると、説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー60の説明映像格納エリア46bに格納されている説明映像Mに対してアクセスが行われる。
【0136】
なお、本実施例では、専用ページURLを用いて説明映像配信サーバー60から取得される専用ページ37の中に、説明映像Mを取得するための説明映像URLを予め記録しておくことで、専用ページURLとそれに対応する説明映像URLとについての関係づけが行われている。
【0137】
図11は、第2実施例の説明映像配信サーバー60の電気的構成を示したブロック図である。図10に示すように、説明映像配信サーバー60のHD61には、専用ページ配信プログラム61aと、説明映像配信プログラム61bとが記憶され、更に、専用ページ格納エリア61cと説明映像格納エリア46bとがそれぞれ設けられている。
【0138】
専用ページ配信プログラム61aは、携帯電話機2から専用ページURLを用いたアクセスがあった場合に、そのアクセスしてきた携帯電話機2に対して、その専用ページURLに指定されている内容から特定される専用ページ37を配信するためのプログラムであって、図12のフローチャートに示す専用ページ配信処理を実行するものである。
【0139】
説明映像配信プログラム61bは、専用ページ37に記録されている説明映像URLを用いたアクセスがあった場合に、そのアクセスしてきた携帯電話機2に対して、その説明映像URLに指定されている内容から特定される説明映像Mを配信するためのプログラムであって、図12のフローチャートに示す説明映像配信処理を実行するものである。
【0140】
専用ページ格納エリア61cは、被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aに関する専用ページ37を記憶格納するための記憶領域であり、上記した各種の専用ページ37が多数記憶可能に構成されている。なお、説明映像格納エリア46bについては、第1実施例のものと同様に構成されている。
【0141】
次に、図12を参照して、第2実施例の説明映像配信サーバー60から携帯電話機2へ説明映像Mを配信するための一連の処理について説明する。
【0142】
図12は、第2実施例の説明映像配信サーバー60及び携帯電話機2で実行される一連の処理を示したフローチャートであって、図9に示したフローチャートの一部を変更したものである。以下、図9に示すフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0143】
図12に示すように、まずは、利用者が印刷物110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を知りたい場合、S1〜S3の処理が実行されて、二次元コード105がカメラ撮影部27によって自動的に読み取られると(S4)、携帯電話機2では、コード読取解読プログラム24bに基づいて二次元コード105のデコーダー機能が起動されて、二次元コード105の読取画像から、この二次元コード105に記録されている専用ページURLが解読される(S21)。
【0144】
このS21による解読が完了すると、URLアクセス操作画面36(図10(a)参照。)が携帯電話機2のLCD5に表示され、そのURLアクセス操作画面36のURLフレーム36a内には、二次元コード105から解読された専用ページURLを表す文字列が表示される(S22)。このURLアクセス操作画面36の表示後は、接続ボタン36bがクリックされるまで処理を待機する(S23:No)。
【0145】
そして、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで、接続ボタン36bがクリックされると(S23:Yes)、携帯電話機2のCPU21によってWWWブラウザ24aを実行し、そのURLフレーム36aに表示されている専用ページURLを用いて、説明映像配信サーバー60に対する電気通信回線網3を介したアクセスが行われる(S24)。
【0146】
携帯電話機2からの専用ページURLを用いたアクセスがあると(S25:Yes)、説明映像配信サーバー60では、そのCPU41によって専用ページ配信プログラム61aが実行され、携帯電話機2からアクセスのあった専用ページURLの記述内容から特定される専用ページ37を、専用ページ格納エリア61cから読み出し、この専用ページ37に関する専用ページURLを用いてアクセスしてきた携帯電話機2に対して配信する(S26)。
【0147】
なお、S26による専用ページ37の配信後、又は、携帯電話機2から専用ページURLへアクセスがない場合(S25:No)は、S9の判断処理を実行し、携帯電話機2からの説明映像URLを用いたアクセスがなければ(S9:No)、S10の処理をスキップして、他の処理(S11)を実行した後、処理をS25へ移行する。
【0148】
一方、携帯電話機2では、専用ページURLを用いて説明映像配信サーバー60へアクセス実行してから(S24)、専用ページ37を受信するまで処理を待機しており(S27:No)、説明映像配信サーバー60から専用ページ37を受信すると(S27:Yes)、WWWブラウザ24aを起動して、この専用ページ37をLCD5に表示する(S28)。
【0149】
この専用ページ37の表示後は、「動画を再生する」の表示37bにカーソルが合わせられて(図10(c)参照。)、接続ボタン37dがクリックされるまで処理を待機する(S29:No)。そして、操作パネル4の所定のキースイッチ4aを押下することで、接続ボタン37dがクリックされると(S29:Yes)、携帯電話機2のCPU21によってWWWブラウザ24aを実行し、この専用ページ37において「動画を再生する」の表示37bに関係づけて記録されている説明映像URLを用いて、説明映像配信サーバー60に対する電気通信回線網3を介したアクセスが行われる(S30)。また、図12におけるS30の処理より以降については、図9に示すS9〜S13と同様に処理されるので説明を省略する。
【0150】
なお、請求項1記載の「説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報」としては、第1実施例においては説明映像URLが、第2実施例においては専用ページURLが、それぞれ該当する。
【0151】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0152】
例えば、本実施例では、通信端末の一例として携帯電話機2を用いて説明したが、この通信端末の種類は、必ずしも携帯電話機に限定されるものではなく、二次元コード105のリーダー機能及びデコーダー機能を有するとともに電気通信回線網3を介した説明映像配信サーバー60とのデータ通信機能を有する機器であれば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置、例えば、モバイルコンピュータ、PDA(Personal-Digital-Assistance)、携帯ゲーム機などであっても良い。
【0153】
また、本実施例では、携帯電話機2として移動通信網を介して各種通信を行う可搬型の電話機を用いて説明したが、かかる携帯電話機の種類は、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、PHS通信方式による可搬型の電話機であっても良い。
【0154】
また、本実施例では、二次元コード105としてQRコードを用いて、本発明における識別マークを説明したが、かかる識別マークは必ずしもQRコードに限定されるものではなく、例えば、スタック型又は他のマトリックスの二次元コード、バーコード等の1次元コード、又は、RFID等のICタグに格納されるコードを、適宜用いても良い。ただし、利用促進を図る意味では、使用する識別マークの周知度や、その識別マークのリーダ装置の普及率を考慮すべきである。
【0155】
また、本実施例では、説明映像Mを、生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、屋内映像m3及び管理状況映像m4、産地証明書等映像m5、並びに、保証書映像m6の合計6種類の説明情報を映像化したもので編成したが、説明映像の内容構成は、必ずしもこれに限定されるものではなく、これらのうち2種類以上を組み合わせたものであっても良い。しかも、説明情報の種類は、必ずしもこれらに限定されるものではなく、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aについて更なる説明情報を提供する内容のものであれば、適宜変更することは当然にしても良い。
【0156】
また、本実施例では、説明映像Mに編成されている生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、屋内映像m3及び管理状況映像m4を動画像で構成したが、これらの各映像を静止画像として、説明映像全体を複数の静止画像から編成し、各静止画像が一定時間表示された次の静止画像へ経時的かつ連続的に移り変わっていく擬似的な動画像としても良い。また、かかる場合に、一の静止画像から次の静止画像へ移行する際に種々のトランジションエフェクトを施したりしても良い。
【0157】
ところで、本実施例では、説明映像Mを動画像又は擬似的な動画像で構成する旨説明したが、かかる説明映像の形態は、必ずしも動画像や擬似的な動画像に限定されるものではなく、単なる静止画像であっても良い。
【0158】
例えば、第2実施例では、専用ページ37に「動画を再生する」という表示37bを設け、この表示37bに説明映像URLを非表示状態で記録し、この説明映像URLを用いて動画像又は擬似的動画像である説明映像Mへアクセス可能なものとしたが、専用ページ37のカットフレーム37aの直下に「静止画像を表示する」等の表示を設け、この表示に説明映像である静止画像にアクセスするための説明映像URLを記録して、この説明映像URLを用いて説明映像である静止画像にアクセス可能に構成しても良い。
【0159】
また、かかる場合には、説明映像配信サーバーの説明映像格納エリアに写真画像の主被写体に関する説明映像である静止画像を複数種格納しておき、これらの説明画像にアクセスするために用いられる複数の説明映像URLを、専用ページに記録するようにしても良い。つまり、説明映像として複数の静止画像を用いて、印刷物の写真画像の主被写体を説明するようにしても良い。
【0160】
このように、説明映像を静止画像とすることで、携帯電話機を用いて説明画像を受信する場合の通信料を動画像の説明映像の場合に比べて低減することができ、その分、説明映像の利用率を向上することができる。
【0161】
また、本実施例では、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主たる主被写体104aが、ショートケーキやキャベツなどの商品である場合についての説明映像Mを例示したが、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104がサービス業務に関する内容である場合には、そのサービス業者が顧客に対し実際にサービスを提供している現場を撮影した映像を用いるようにしても良い。例えば、サービス提供者が美容院や理容店である場合はヘアカット場面を、飲食店の場合は調理場面や給仕場面を、説明映像に含めるようにしても良い。
【0162】
更に、マンション、住宅その他の建築物や土地などの不動産について販売、販売仲介、賃貸又は賃貸仲介等する業者が、その実際に販売等する不動産を撮影した映像(例えば、建築物の内外、土地、その周辺環境を撮影した映像)や、その不動産に関する工事現場などを撮影した映像を、説明映像に含めるようにしても良い。
【0163】
また、美容整形やエステティック等の施術を行うサービス提供者が、自己のサービス環境や施術現場を撮影した映像を、説明映像に含めるようにしても良い。このように、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104の主被写体104aに関する説明映像は、一定の業種において利用が限定されるものではなく、被印刷面101に設けられる写真画像104を利用者に提供し且つその内容に関する更なる説明を告知することを求める業種であれば、どの業種でも広く利用することができるものである。
【0164】
また、本実施例では、説明映像Mを2種類以上の説明情報から編成される一連の映像データとして説明したが、かかる説明映像の構成は必ずしもこれに限定されるものではなく、1種類の説明情報のみから説明映像を構成しても良い。例えば、上記した生産者映像m1、生産現場の屋外映像m2、屋内映像m3若しくは管理状況映像m4、又は、産地証明書等映像m5のいずれか1種類のみから構成したものであっても良い。
【0165】
また、本実施例では、印刷物100,110の被印刷面101に設けられる写真画像104に関する説明映像Mとして、図4(a)に示すような内容構成を有するものを例示して説明したが、かかる説明映像として、商品の生産者、製造者又は販売者に関するコマーシャル映像や、各種サービスの提供者に関するコマーシャル映像を用いても良い。
【0166】
また、本実施例では、説明映像配信サーバー1と電気通信回線網3を介して接続される携帯電話機2が3台のみであるかのように図5において図示したが、かかる説明映像配信サーバーに電気通信回線網を介して接続される携帯電話機の台数は、必ずしもこれに限定されるものではなく、これ以下でもこれ以上であっても良い。
【0167】
また、本実施例では、被印刷面101に設けられる写真画像104内又はその周辺領域106に二次元コード105を配置することで、この二次元コード105にコード化されて記録される説明映像URL又は専用ページURLを用いてアクセスすることが可能な説明映像Mと、その説明映像Mによって説明される写真画像104の主被写体104aとを関係づけられた。
【0168】
しかし、かかる主被写体と二次元コードとを関係づける方式は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、写真画像から二次元コードが離れた箇所に配置せざるを得ない場合であっても、二次元コード又は主被写体の一方から他方へ向かう矢印表示を被印刷面上に印刷して、かかる矢印表示を用いて主被写体と二次元コードとを相互に関係づけるようにしても良い。
【0169】
また、上記した第2レイアウト例から第4レイアウト例では、二次元コード105の配置箇所を、写真画像104の主被写体104aを邪魔しない箇所と説明したが、かかる二次元コードの配置箇所は必ずしも主被写体から離れた箇所に限定されるものではなく、例えば、二次元コードが主被写体の画像全体に重畳して主被写体の画像の判別が困難となるものでなければ、二次元コードを主被写体の一部分に重畳させたり、表示枠や切欠凹部を主被写体の一部分を欠切するようにして設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】雑誌である印刷物の被印刷面に掲載される掲載情報のレイアウト例を図示した平面図であって、(a)は、二次元コードの第1レイアウト例を図示したものであり、(b)は、二次元コードの第2レイアウト例を図示したものである。
【図2】雑誌である印刷物の被印刷面に掲載される掲載情報のレイアウト例を図示した平面図であって、(a)は、二次元コードの第3レイアウト例を図示したものであり、(b)は、二次元コードの第4レイアウト例を図示したものである。
【図3】商品などに貼付されるラベルとして機能する印刷物の一例を示した平面図である。
【図4】(a)は、図3に例示した印刷物の写真画像に写り込んでいる主被写体である農産物「キャベツ」に関する説明映像Mの構成例を示した概念図であり、(b)は、説明映像に含まれている産地証明書等映像において映像化されている産地証明書の一例を図示したものであり、(c)は、説明映像に含まれている保証書映像において映像化されている保証書の一例を図示したものである。
【図5】説明映像配信サーバーの電気的接続状態を示す概略図である。
【図6】携帯電話機の電気的構成を示したブロック図である。
【図7】(a)は、携帯電話機のLCDに表示される二次元コード読取操作画面の一例を図示した図であり、(b)は、携帯電話機のLCDに表示されるURLアクセス操作画面の一例を示した図である。
【図8】説明映像配信サーバーの電気的構成を示したブロック図である。
【図9】説明映像配信サーバー及び携帯電話機で実行される一連の処理を示したフローチャートである。
【図10】(a)は、携帯電話機のLCDに表示されるURLアクセス操作画面の一例を示した図であり、(b)は、専用ページの一例を示した図であり、(c)は、専用ページが携帯電話機のLCDに表示された状態を示した図である。
【図11】第2実施例の説明映像配信サーバーの電気的構成を示したブロック図である。
【図12】第2実施例の説明映像配信サーバー及び携帯電話機で実行される一連の処理を示したフローチャートであって、図9を一部変更したものである。
【符号の説明】
【0171】
1 説明映像配信サーバー(サーバー装置)
2 携帯電話機(通信端末)
3 電気通信回線網(ネットワーク)
37 専用ページ
46b 説明映像格納エリア(映像記憶装置)
100,110 印刷物(印刷媒体)
101 被印刷面
104 写真画像
106 周辺領域
105 二次元コード(識別マーク)
107 表示枠(請求項6の欠切部分)
108 切欠凹部(請求項4の欠切部分)
104c 輪郭(写真画像の輪郭、写真画像の縁部分)
104a 主被写体(被説明対象物の画像、被写体の一部)
104b 背景画像(背景画像部分、被写体の一部)
130 保証書
131 保証文書
132 署名
M 説明映像
m1 生産者映像(提供者映像)
m2 生産場所の屋外映像(現場映像)
m3 生産場所の屋内映像(現場映像)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷面に各種の掲載情報が印刷されている印刷媒体であって、その被印刷面に設けられる写真画像と、その写真画像内又はその写真画像に隣接する周辺領域に配置される識別マークとを備えており、
その識別マークは、前記写真画像内に写り込んでいる被写体に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報がコード化されて記録されたものであり、かつ、読取装置によって読み取られデコード装置によってデコード化されることで前記接続先情報が開示されるものであることを特徴とする印刷媒体。
【請求項2】
前記識別マークが、スタック方式、マトリックス方式その他の二次元コード化方式によって、前記説明映像を取得するための前記接続先情報をコード化したものであることを特徴とする請求項1記載の印刷媒体。
【請求項3】
前記識別マークが、前記写真画像内であってその写真画像の隅部分に重畳して、その写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷媒体。
【請求項4】
前記識別マークが、前記写真画像の縁部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれ、その写真画像の輪郭の一部を成すように配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷媒体。
【請求項5】
前記識別マークが、前記写真画像内であって、その写真画像に写り込んでいる被写体のうち前記説明映像により説明しようとする被説明対象物を除く背景画像部分に、当該写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷媒体。
【請求項6】
前記識別マークが、前記写真画像内における背景画像部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれて配置されるものであることを特徴とする請求項5記載の印刷媒体。
【請求項1】
被印刷面に各種の掲載情報が印刷されている印刷媒体であって、その被印刷面に設けられる写真画像と、その写真画像内又はその写真画像に隣接する周辺領域に配置される識別マークとを備えており、
その識別マークは、前記写真画像内に写り込んでいる被写体に関する説明情報を映像化した説明映像をネットワークを介して取得するための接続先情報がコード化されて記録されたものであり、かつ、読取装置によって読み取られデコード装置によってデコード化されることで前記接続先情報が開示されるものであることを特徴とする印刷媒体。
【請求項2】
前記識別マークが、スタック方式、マトリックス方式その他の二次元コード化方式によって、前記説明映像を取得するための前記接続先情報をコード化したものであることを特徴とする請求項1記載の印刷媒体。
【請求項3】
前記識別マークが、前記写真画像内であってその写真画像の隅部分に重畳して、その写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷媒体。
【請求項4】
前記識別マークが、前記写真画像の縁部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれ、その写真画像の輪郭の一部を成すように配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷媒体。
【請求項5】
前記識別マークが、前記写真画像内であって、その写真画像に写り込んでいる被写体のうち前記説明映像により説明しようとする被説明対象物を除く背景画像部分に、当該写真画像よりも小さなサイズで、配置されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷媒体。
【請求項6】
前記識別マークが、前記写真画像内における背景画像部分の一部を欠切した欠切部分に嵌め込まれて配置されるものであることを特徴とする請求項5記載の印刷媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−282555(P2009−282555A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112876(P2008−112876)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(591142079)マルト印刷工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(591142079)マルト印刷工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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