説明

印刷機において運転状態が変化する際に着色状態を知らせる方法

【課題】制御計算機を備える印刷機において運転状態が変化する際に着色状態を知らせる方法であって、印刷物が予め設定された特定の少なくとも1つの品質基準に達して販売可能であることを印刷工に知らせる方法を提供する。
【解決手段】印刷ジョブに関する目標色濃度DVSollを設定するステップ、制御計算機5に設定を記憶させるステップ、制御計算機5により印刷機1の運転時に実際状態をベースに実際色濃度DVIstを算出するステップ、制御計算機5において実際色濃度DVIstと目標色濃度DVSollとを比較するステップ、実際色濃度DVIstが制御計算機5に記憶された目標色濃度DVSollを中心とする許容範囲帯域内で目標色濃度DVSollの付近にある場合に、制御計算機5により第1の信号を送信するステップ、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御計算機を備える印刷機において運転状態が変化する際に着色状態を知らせる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷機では、印刷速度、温度および空気湿度のような機械パラメータの変化が印刷物上の着色(インキ着け)ひいては印刷品質に影響を及ぼす。生産される印刷物はできるだけ正確に印刷原稿に相当することが望ましいので、ずれを補整する必要がある。印刷機を操作する際に、どの時点から印刷物がオリジナル原稿に十分な程度に近付いて、したがって印刷製品として販売できるようになるのか印刷工が知るために、印刷工は、枚葉印刷機の場合にはいわゆる試刷りシートを取り出して、色測定器を用いて測色する必要がある。したがって色測定器の測定結果は、多くの場合印刷原稿のデジタル方式のデータと比較され、ずれが確認され、色制御(インキ操作)の変化により補整される。しかしこのような過程には、色測定器を用いて印刷物を測色するまで販売することができない損紙が場合によっては生産される、という欠点がある。
【0003】
また、ショートインキングユニット特にアニロックス・インキングユニットを備えた印刷機では、インキングユニットにインキゾーンスライダを備えたインキゾーンが形成されない、という問題がある。インキゾーンスライダを用いると、個々の印刷ユニットのインキングユニットにおいてインキ調量をインキゾーン毎に個別に調整することができる。したがってアニロックス・インキングユニットでは、インキ調量は、専ら印刷速度とインキングユニットの温度とを介してほぼ制御することができる。この場合、印刷速度の変化は素早く実現されるのに対して、温度調節は常に緩慢な動作として現れるので、温度変化はゆっくりとしか実現されない。さらに、短時間で大量の印刷製品を生産するために、印刷工は、特に大量注文の際に印刷速度をできるだけ高く調節したいので、多くの場合、印刷速度は調節値としては適切でない。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許第102004044215号明細書において、ショートインキングユニットによるインキの移しを調節する方法が明らかである。その方法によれば、温度調節は、インキングユニットにおいてアニロックスローラの外側面を介して行われ、そうして温度が調節される。温度調節を介して、インキの粘度および粘りつきに影響が及ぼされる。その際、温度は、印刷速度に従って調節されるので、温度調節装置により、インキ供給を様々な印刷速度に対して適合させて正確に調節することができる。しかしこの工程は、温度調節が緩慢であるので、非常に長く掛かる。
【0005】
印刷品質をコントロールするために色測定装置を使用することは、米国特許第7884926号明細書、米国特許第7894065号明細書および米国特許第7515267号明細書において公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第102004044215号明細書
【特許文献2】米国特許第7884926号明細書
【特許文献3】米国特許第7894065号明細書
【特許文献4】米国特許第7515267号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、印刷物が予め設定された特定の少なくとも1つの品質基準に達して販売可能であることを印刷工に知らせる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するための本発明の方法によれば、制御計算機を備える印刷機において運転状態が変化する際に着色状態を知らせる方法であって、以下の方法ステップ、印刷ジョブに関する目標色濃度を設定するステップ、制御計算機に設定を記憶させるステップ、制御計算機により印刷機の運転時に実際状態をベースに実際色濃度を算出するステップ、制御計算機において実際色濃度と目標色濃度とを比較するステップ、実際色濃度が制御計算機に記憶された目標色濃度を中心とする許容範囲帯域内で目標色濃度の付近にある場合に、制御計算機により第1の信号を送信するステップ、を有する。
【0009】
好適には、実際色濃度が目標色濃度を中心とする許容範囲帯域の外側にある場合に、制御計算機により第2の信号を送信するステップを有する。
【0010】
好適には、実際色濃度が目標色濃度と一致する場合に、制御計算機により第3の信号を送信するステップを有する。
【0011】
好適には、信号を表示装置に伝達し、送信される各信号に、表示装置上で、それぞれ異なる表示特に表示色を割り当てる。
【0012】
好適には、制御計算機に、インキングユニットにおける温度および印刷速度のような運転状態を与える。
【0013】
好適には、制御計算機に、インキの性質または印刷物の性質のようなプロセス固有の実際状態を与える。
【0014】
好適には、それぞれ異なる許容範囲帯域が、表示装置を介して選択可能であり、操作装置特にキーを介して入力可能である。
【0015】
好適には、各許容範囲帯域に、表示装置上で、それぞれ異なる表示色を割り当てる。
【0016】
好適には、制御計算機は、色測定器と接続されており、印刷機を制御するための特性曲線を、色測定器および制御計算機により記録し、記憶させる。
【0017】
好適には、表示装置はタッチスクリーンであり、第1の信号に黄色を割り当て、第2の信号に赤色を割り当て、第3の信号に緑色を割り当てる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、特にショートインキングユニットを備えたオフセット印刷機での使用に適している。原則的に、本発明は、制御計算機を装備するあらゆるオフセット印刷機で用いることができる。本発明に係る方法では、新たな印刷ジョブに際して、印刷原稿をベースに相応の目標色濃度が制御計算機に設定され、制御計算機に記憶させられる。さらに制御計算機は、印刷機の運転時において実際の状態をベースに、印刷速度、温度、空気湿度、インキおよび印刷物のような影響値を考慮することにより、現行の実際色濃度ひいては現行の着色を算出するかまたは少なくとも評価することができる。算出されたこの実際色濃度は、次いで、制御計算機内で記憶された目標色濃度と比較され、算出された実際色濃度が制御計算機に記憶された許容範囲帯域内で目標色濃度の付近にある場合に、第1の信号が制御計算機から送信される。この許容範囲帯域は、例えばちょうど未だ許容される色のずれを含んでよいので、印刷物は、第1の信号が送信される場合には、依然として販売可能である。この場合、印刷工は、はじめに色測定器を用いて印刷物を検出して、印刷品質が販売可能なものであるか否か確認する必要がない。むしろ印刷工は、送信される第1の信号に基づいて、印刷物が販売可能であるか否かならびにどの時点で印刷物が販売可能であるか識別することができる。特に第1の信号は継続的に作動させることができるので、印刷工は、継続的に、生産される印刷物の販売可能な状態に関して最新の情報を得る。
【0019】
本発明による第1の態様によれば、実際色濃度が目標色濃度を中心とする許容範囲帯域の外側にある場合に、制御計算機により第2の信号が送信される。この第2の信号は、印刷工に、印刷物が販売不可能であり、損紙として廃棄する必要があることを知らせる。したがって第1の信号と相俟って、印刷工は、印刷物が販売可能であるかまたは損紙となるかに関する継続的な情報を得る。
【0020】
本発明による別の態様によれば、実際色濃度が目標色濃度と一致する場合に、制御計算機により第3の信号が送信される。この場合、印刷原稿の彩色と印刷物の彩色とが正確に一致し、最良な印刷品質で生産される。品質要求が格別に高く印刷ジョブが高品質である場合、顧客による正確な一致が要求され、したがって印刷工は、この品質を第3の信号に基づいて直接に確認することもできる。
【0021】
好適には、信号が表示装置に伝達され、送信される各信号に、表示装置上で、それぞれ異なる表示特に表示色が割り当てられている。この場合、印刷機制御装置のモニタ上に、3つの信号が、例えば最良の印刷品質用の緑、販売可能な印刷品質用の橙、損紙用の赤のようなそれぞれ異なる色で表示され、その際、このような表示は継続的に作動させられ、したがって印刷工は、常に、印刷機が目下どのような品質で生産しているのか視覚的に認識することができる。
【0022】
好適には、それぞれ異なる許容範囲帯域が表示装置を介して選択可能であり、そして操作装置特にキーを介して入力可能である。この場合、印刷工自体が、印刷ジョブおよび顧客の要求に従って、ちょうど未だ販売可能な品質に関する品質境界を設定することができる。専ら高品質基準を満たす必要がある手間の掛かる包装を印刷する印刷所は、例えば専ら宣伝用のチラシ(ビラ)を生産する印刷所(そこでは比較的大きな色のずれを有する印刷物も依然として販売可能である)よりも小さな許容範囲境界を設定することができる。許容範囲帯域は、例えばパーセント値として制御計算機のキーまたはタッチスクリーンを介して入力可能かつ選択可能である。その際、最適な着色目標値の付近で上下でずれた許容範囲境界(例えば下方に−3%上方に+5%)を入力することができる。このようにしてあらゆる印刷工およびあらゆる印刷所は、印刷機に関してジョブ固有に、個別の設定に従って、ちょうど未だ販売可能な印刷品質に関する範囲を個別に設定することができる。印刷ジョブ毎に新たに呼び出される様々な許容範囲帯域を選択することもできる。許容範囲帯域は、表示装置上に、目標値を中心にその付近をそれぞれ異なる表示色で表示することができる。
【0023】
本発明の1つの態様によれば、制御計算機は、色測定器と接続されており、印刷機を制御するための特性曲線は、色測定器および制御計算機により記録され、記憶させられる。この特性曲線は、温度、印刷速度、印刷物およびインキのような様々なパラメータに従って記録されるので、機械、印刷物およびインキの特性は、例えば印刷機の製造業者の下で一度記録され、次いで記憶させられる。印刷機の運転時に、入力されるかまたはセンサにより検出されるパラメータに基づいて、制御計算機により、適切な特性曲線が選択されるか、または場合によっては、例えばパラメータが僅かにずれている場合に既知の特性曲線の補間が算出されることにより、新たに算出される。このように算出される特性曲線も、それ以降制御計算機に記憶させることができ、そうして引き続き用いることができる。
【0024】
本発明による特に好適な態様によれば、表示装置はタッチスクリーンであり、第1の信号に黄色が割り当てられており、第2の信号に赤色が割り当てられており、第3の信号に緑色が割り当てられている。このような表示は、実質的に赤、黄/橙および緑の色をした交通信号に相当するものである。緑は、印刷原稿に対して最良に一致する最適な印刷品質が提供されていることを知らせ、これに対して黄/橙は、最適な印刷品質に対して僅かなずれが存在するが、このずれは所定の許容範囲帯域内で動いていて、したがって印刷物は販売可能であることを知らせる。赤色は、印刷品質が不良で、印刷物はもはや販売可能でなく、損紙として廃棄する必要があることを知らせる。このようにして印刷工に、視覚的に容易に理解できる方法で生産される現行の印刷品質に関して継続的に情報を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ショートインキングユニットと現行の印刷品質の表示装置とを備えた枚葉印刷機を示す図である。
【図2】色濃度と温度との間の原則的な関係を示す線図である。
【図3】aは、8000シートから15000シートへの印刷速度の変化を示す線図であり、bは、印刷速度の変化により必要とされる目標温度の経過と実際温度の経過とを示す線図であり、cは、目標色濃度、実際色濃度および許容範囲帯域の経過を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図示の態様に基づいて、本発明の実施の形態を詳説する。
【0027】
図1には、2つの印刷ユニット3,4を備えた枚葉印刷機1を示している。両方の印刷ユニット3,4は、同一に構成されていて、刷版を支持する版胴11,12とゴムブランケット胴13,20と圧胴10,19とをそれぞれ備える。両方の印刷ユニット3,4に、いわゆるショートインキングユニット16,17を介してインキがそれぞれ供給される。シート状の印刷物22は、フィーダ2においてフィーダパイル8から取り出され、フィーダボード9を介して第1の印刷ユニット3に渡される。ゴムブランケット胴20と圧胴19との間で、第1の印刷ユニット3において第1の色成分が着けられる。そのあとでシート22は、渡し胴14を介して第2の印刷ユニット4に渡され、そこで第2の色成分が着けられる。第2の印刷ユニット4の出口側にデリバリ6が配置されており、デリバリ6は、印刷物22をデリバリパイル7上に搬出する。
【0028】
印刷機1がいわゆるショートインキングユニット16,17を装備しているので、彩色は、大体において専ら印刷速度Vとインキングユニット16,17における温度Tとを介して調整することができる。このような調整は、制御計算機5を介して行われ、制御計算機5は、データバスを備える通信接続部18を介して、印刷機1の全ての構成要素を調節する。制御計算機5は、さらにモニタ15を備え、モニタ15は、タッチスクリーンとして構成されており、モニタ15は、印刷機1の現行の運転状態を表示する。さらに印刷機1の操作工は、モニタ15を介して入力を行い、印刷機1を操作することができる。その際、モニタ15に、赤R、橙Oおよび緑Gの色を有する信号ランプとして、印刷機1により生産される現行の印刷品質が継続的に表示されるようになっている。赤は、印刷機1により生産される現行の印刷物22が販売不可であり、損紙として廃棄する必要があることを意味する。橙は、印刷物22が最適な着色状態からずれているが、印刷工により設定された許容範囲帯域内にあり、依然として販売可能であることを意味する。緑は、最適な着色状態が達成されていて、印刷物22と印刷原稿との間にずれがほとんど確認されないことを知らせる。
【0029】
制御計算機5には、さらに色測定器21が接続可能であり、色測定器21により印刷物22を測色することができる。このようにして印刷物22上の印刷品質を追加的に色測定値により検査することができる。色測定器22は、紙、インキ、印刷速度Vおよび温度Tのようなパラメータに従って印刷機1を制御するための特性曲線を記録して、制御計算機5に記憶させるために用いることもできる。このような特性曲線の記録は、印刷機1を納品するまえに既に製造業者において行うことができる。
【0030】
図2は、色濃度DVと温度Tとの関係を例示する。この関係は、完全に直線的ではなく、色濃度の調節時に考慮する必要がある。色濃度は、オリジナル原稿の彩色に影響され、ここではデジタル方式で提供される印刷原稿の値が制御計算機5により相応の色濃度値DVに換算可能である。したがって計算機5は、印刷速度Vと、印刷物やインキのような別のパラメータとに従って適切な温度Tを算出し、その際、所定の色濃度値DVが達成される。所定の色濃度値は、色濃度目標値DVSollとして表され、これに対して現行の色濃度値は、色濃度実際値DVIstとして表される。表示装置15が緑の信号Gを表示する場合、色濃度実際値DVIstと色濃度目標値DVSollとが一致する。
【0031】
図3のaには、経過時間(秒)に対する印刷速度V(シート/時)の変化を表している。看取されるように、時点S=20秒では、印刷速度は短時間で8000シート/時から15000シート/時へ増速されている。彩色が印刷速度Vに影響されるので、このような印刷速度Vの上昇の結果、シート22の着色が変化する。
【0032】
図3のbには、1つには目標温度TSollの変化が描かれていて、別の1つには実際温度TIstの変化が描かれている。所望の着色DVSollを実現するために、目標温度TSollを達成する必要がある。しかしながら看取されるように、特に印刷速度変化の間およびその直後に実際温度TIstは目標温度TSollから大きくずれる。このことは、温度調節が緩慢な過程であり、ショートインキングユニット16,17における温度Tが素早くまたは全く瞬間的には変化できないことに起因する。その結果として、特定の時間長さにわたって、所定の彩色を達成するために必要である目標温度TSollと実際温度TIstとの差が極めて大きくなっており、したがって目標色濃度DVSollを達成することができない。このことは、特定の時間長さにわたって損紙が生産されることを意味する。
【0033】
これに対して図3のcには、色濃度DVの変化が描かれており、そこには目標色濃度DVSollが記入されていて、実際温度TIstに基づいて制御計算機5により算出される実際色濃度DVIstが記入されている。実際色濃度DVIstは、実際にシート22上に存在する評価された色濃度に対応している。さらに図3のcには、目標色濃度DVSollを中心とする許容範囲帯域が記入されており、その際、上限がdDV+で記入されていて、下限がsDV−で記入されている。実際色濃度DVIstが両方の許容範囲限界dDV+,dDV−の外側にある場合、損紙が生産され、表示装置15に赤の信号ランプが点灯する。下限dDV−に達すると、表示装置15上の信号ランプは橙に変化し、印刷工に、その時点から生産されるシート22が販売可能であることを知らせる。実際色濃度DVIstが時点S=140秒で目標色濃度DVSollに達すると、表示装置15上の信号ランプが緑に変化し、印刷工に、その時点で最適な印刷品質が達成されていることを知らせる。
【0034】
したがって制御計算機5は、所望の印刷速度Vに従って、所望の印刷速度Vに適切な、所望の色濃度DVSollを達成するために必要である温度TSollを算出する。同時に制御計算機5は、求められるまたは評価される温度および印刷速度の実際値をベースに、実際の色濃度DVIstを算出し、所定の目標色濃度DVSollに対するずれを確認する。そのずれがどの程度大きいかに応じて、表示装置15上で信号ランプの画像に相応の印刷品質が表示される。このようにして、印刷工は、継続的に、印刷工により生産される印刷品質に関して最新の情報を得ることができ、印刷工は、その時点で生産される印刷物が印刷工の要求を満たしているか否か決定することができる。実際の温度TIstを検出するために、インキングユニット16,17に温度センサをそれぞれ取り付けることができ、温度センサは、例えばアニロックスローラの温度を制御計算機5に伝達する。印刷速度の変化の他に、データを印刷工が制御計算機5に入力するかまたは印刷機1の運転時にセンサにより検出することにより、印刷工による印刷中断時間または温度上昇のような別の過程または印刷ジョブ交換に起因する変化も考慮することができる。図3のcに示す許容範囲帯域dDV−,dDV+は固定ではなく、印刷工により、モニタ15の画面を介して入力するかもしくは選択することができるので、印刷工は、常に、目下処理されている印刷ジョブに関する品質要求ひいては様々な許容範囲帯域を設定することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 枚葉印刷機、 2 フィーダ、 3 印刷ユニット、 4 印刷ユニット、 5 制御計算機、 6 デリバリ、 7 デリバリパイル、 8 フィーダパイル、 9 フィーダボード、 10 圧胴、 11 版胴、 12 版胴、 13 ゴムブランケット胴、 14 渡し胴、 15 モニタ、 16 ショートインキングユニット、 17 ショートインキングユニット、 18 通信接続部、 19 圧胴、 20 ゴムブランケット胴、 21 色測定器、 22 シート、 DVIst 実際色濃度、 DVSoll 目標色濃度、 T 温度、 V 印刷速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御計算機(5)を備える印刷機(1)において運転状態が変化する際に着色状態を知らせる方法であって、以下の方法ステップ、
印刷ジョブに関する目標色濃度(DVSoll)を設定するステップ、
前記制御計算機(5)に前記設定を記憶させるステップ、
前記制御計算機(5)により前記印刷機(1)の運転時に実際状態をベースに実際色濃度(DVIst)を算出するステップ、
前記制御計算機(5)において実際色濃度(DVIst)と目標色濃度(DVSoll)とを比較するステップ、
実際色濃度(DVIst)が前記制御計算機(5)に記憶された目標色濃度(DVSoll)を中心とする許容範囲帯域内で目標色濃度(DVSoll)の付近にある場合に、前記制御計算機(5)により第1の信号を送信するステップ、
を有することを特徴とする、制御計算機(5)を備える印刷機(1)において運転状態が変化する際に着色状態を知らせる方法。
【請求項2】
実際色濃度(DVIst)が目標色濃度(DVSoll)を中心とする許容範囲帯域の外側にある場合に、前記制御計算機(5)により第2の信号を送信するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
実際色濃度(DVIst)が目標色濃度(DVSoll)と一致する場合に、前記制御計算機(5)により第3の信号を送信するステップを有する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記信号を表示装置(15)に伝達し、送信される前記各信号に、前記表示装置(15)上で、それぞれ異なる表示特に表示色を割り当てる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記制御計算機(5)に、インキングユニット(16,17)における温度(T)および印刷速度(V)のような運転状態を与える、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記制御計算機(5)に、インキの性質または印刷物(22)の性質のようなプロセス固有の実際状態を与える、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
それぞれ異なる許容範囲帯域が、表示装置(15)を介して選択可能であり、操作装置特にキーを介して入力可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
各許容範囲帯域に、前記表示装置(15)上で、それぞれ異なる表示色を割り当てる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記制御計算機(5)は、色測定器(21)と接続されており、前記印刷機(1)を制御するための特性曲線を、前記色測定器(21)および前記制御計算機(5)により記録し、記憶させる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記表示装置(15)はタッチスクリーンであり、前記第1の信号に黄色を割り当て、前記第2の信号に赤色を割り当て、前記第3の信号に緑色を割り当てる、請求項4から9までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−103503(P2013−103503A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248077(P2012−248077)
【出願日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【出願人】(390009232)ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト (347)
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60, D−69115 Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】