説明

印刷装置、プログラムおよび記録媒体

【課題】 職場においてどの程度の割合で省資源化活動が推進されているかの判断を可能とする情報を提供できる印刷装置を提供する。
【解決手段】 この印刷装置は、印刷回数のカウントと、この印刷回数を機能の種類および/または用紙の種類で分けてカウントする計数手段と、該カウント結果の印刷回数を参照して、時間、日にちおよび/または月別等で使用率を算出する集計手段を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、プログラムおよび記録媒体に関し、特に印刷使用率を算出できる印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の技術では、ネットワークプリンタでの印刷処理の有無を定期的に確認して、その結果を統計情報格納ファイルとして保存する印刷監視手段と、統計情報格納ファイルのデータを読み取って、要求された形式のネットワークプリンタの使用率データに加工する統計情報処理手段とを備えており、印刷処理の有無を定期的に確認した結果を保存し、使用率データを算出することにより、プリンタ使用率を時系列かつ定量的に分析し、処理性能や設置台数が最適に成るようにプリンタを配備することができる。
特許文献2の技術では、クライアント装置から印刷要求を受け付けて、プリンタに転送し、プリンタでは、転送された印刷要求に基づき印刷を行い、該印刷の実行後にユーザ名、印刷枚数、印刷日時を含む印刷ログを印刷要求毎に記憶しておく。さらに、この印刷ログに基づき任意の期間におけるユーザ毎の印刷枚数を集計し、該集計した印刷枚数が予め設定された印刷上限枚数を越えた場合、該印刷上限枚数を超えたユーザからの印刷要求を拒否するようにした。
これにより集計した印刷枚数が予め設定された印刷上限枚数を超えた場合に、ユーザからの印刷要求を拒否するようにした。
【特許文献1】特開2000−163241公報
【特許文献2】特開2003−067174公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、昨今の省資源化活動として集約印刷、両面印刷や裏紙の使用が各企業において推進されているが、従来の印刷装置では、ユーザごとやグループごとの印刷回数をカウントすることはできるが、その印刷がどの機能やどの種類の用紙を用いたものであるかについての集計を行っていなかった。
そのため、職場においてどの程度の割合で省資源化活動が推進されているかを判断する情報に欠けていた。
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、職場においてどの程度の割合で省資源化活動が推進されているかの判断を可能とする情報を提供できる印刷装置、その印刷装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、印刷回数をカウントする印刷装置において、印刷回数のカウント、及び前記印刷回数を機能の種類で分けてカウントする計数手段と、該計数手段によるカウント結果の印刷回数を参照して使用率を算出する集計手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、印刷回数をカウントする印刷装置において、印刷回数のカウント、及び前記印刷回数を用紙の種類で分けてカウントする計数手段と、該計数手段によるカウント結果の印刷回数を参照して使用率を算出する集計手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の印刷装置において、前記集計手段は、前記計数手段によるカウント結果の印刷回数を参照して、時間、日にちおよび/または月別でその使用率を算出するようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、コンピュータに、請求項1、2または3に記載の印刷装置の機能を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、印刷の機能(通常、両面、集約)ごと、あるいは、用紙の種類(普通紙や裏紙等)ごとに印刷回数をカウントできるようにしたので、実際にどの程度省資源化活動が行われているかを数値として把握することができる。
さらに、時間、日にち、月別等で使用率を算出するようにして、特定期間ごとに省資源化活動状況を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の印刷装置に係る好適な実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る印刷装置の構成を示す図である。図1において、印刷装置は、各ブロックをコントロールするコントローラ(CPUを含む)1、印刷回数等の計数結果の記憶領域や作業領域として使用されるRAM2、プログラムの格納を記録しておくROM3、表示部を含みキー操作を実行する操作部4、印刷を行うエンジン5を備え、これらの各ブロック間はバス6で接続されている。
コントローラ(CPU)1には、操作部4の集約印刷キー、両面印刷キーが押下された時に発生する信号を受け付けるポートを設けておく。
複写動作を行う際に、ユーザが集約印刷キーを押下して、印刷スタートキーを押下するとコントローラ1のポートに集約印刷であることを示す信号が入力され、その複写動作が集約印刷であったことを認識し、計数プログラムがROM3からロードされて実行され、RAM2上の印刷回数カウント領域の通常印刷カウント数と集約印刷カウント数をアップする(図2参照)。
同様に、ユーザから両面印刷キーを押下して、印刷スタートキーを押下して、印刷スタートキーを押下すると、両面印刷であることを示す信号が入力され、通常印刷カウント数と両面印刷カウント数がアップする。
また、ユーザから通常印刷キー(印刷スタートキーのみ)が押下されると、コントローラ1に印刷スタートの指令しか信号が入ってこないため通常印刷であると認識し、通常印刷カウント数のみアップする(図3参照)。
また、ROM3上には、設定時間(1時間、1日、1月等)になると、RAM2上に記憶した印刷回数をもとに、各機能別に印刷の使用率を算出するプログラムを保持しておく。
コントローラ1は、別途備えている時計を参照して、設定時間になると使用率算出プログラムをロードして実行し、設定時間に対応する機能の種類(通常印刷、集約印刷、両面印刷等)ごとの使用率を計算して、RAM2の設定時間ごとに設けられた領域へ計算した使用率を記憶する。
そして、ユーザが使用率を確認したい時には、操作部4の特定のキーを押下すると、コントローラ1は記憶された使用率を設定時間ごとに、機能別に操作部4上に表示する(図4参照)。
以上の構成により、印刷の機能の種類(通常、両面、集約)ごとに印刷回数をカウントできるようにしたので、実際にどの程度省資源化活動が行われているかを数値として把握することができる。さらに、時間、日にち、月別等で使用率を算出するようにして、特定期間ごとに省資源化活動状況を確認することができるようになった。
【0007】
また、他の実施形態として、次のように構成してもよい。
コントローラ1には、エンジン5が印刷動作を行い、紙が給紙段から引き出される際に、センサにより用紙の種類(裏紙あるいは普通紙等)を検知した時にその区別ごとに発生する信号を受け付けるポートを設けておく。
印刷動作を行い紙が給紙段から引き出される際に、センサにより裏紙であることを検知するとコントローラ1のポートに裏紙印刷であることを示す信号が入力され、その印刷動作が裏紙印刷であったことを認識し、計数プログラムがROM3からロードされて実行され、RAM2上の印刷回数カウント領域の普通紙印刷カウント数と裏紙印刷カウント数をアップする(図5参照)。
また、普通紙印刷が実施された場合には、普通紙印刷であると認識し、普通紙印刷カウント数のみアップする(図6参照)。
また、ROM3上には、設定時間(1時間、1日、1月等)になると、RAM2上に記憶した印刷回数をもとに、各用紙の種類別に印刷の使用率を算出するプログラムを保持しておく。
コントローラ1は、別途備えている時計を参照して、設定時間になると使用率算出プログラムをロードして実行し、設定時間に対応する用紙の種類(普通紙、裏紙等)ごとの使用率を計算して、RAM2の設定時間ごとに設けられた領域へ計算した使用率を記憶する。
そして、ユーザが使用率を確認したい時には、操作部4の特定のキーを押下すると、コントローラ1は記憶された使用率を設定時間ごと、用紙の種類ごとに操作部4上に表示する(図4参照)。
以上の構成により、用紙の種類(普通紙や裏紙等)ごとに印刷回数をカウントできるようにしたので、実際にどの程度省資源化活動が行われているかを数値として把握することができる。さらに、時間、日にち、月別等で使用率を算出するようにして、特定期間ごとに省資源化活動状況を確認することができるようになった。
【0008】
さらに、上述した2つの実施形態を適宜組み合わせることによって、きめ細かな省資源化活動状況を確認することができるようになる。
さらに、本発明は上述した実施形態のみに限定されたものではなく、上述した実施形態の印刷装置を構成する各機能をプログラム化し、印刷装置に搭載されたマイクロプロセッサでこのプログラムを実行することによって、本発明の目的を達成することができる。
なお、記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
また、ロードしたプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、上述したプログラムが、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリにロードされ、そのプログラムの実行によって、上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、上述したプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークで接続された利用者のコンピュータからダウンロードして頒布する場合、また、サーバコンピュータから配信して頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、本発明の機能を有するプログラムを記録媒体に記録して頒布することによって、コスト、可搬性、汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る印刷装置の構成を示す図。
【図2】集約印刷が指定されたときのカウントアップの処理手順を示す図。
【図3】通常印刷が指定されたときのカウントアップの処理手順を示す図。
【図4】使用率の表示処理における制御手順を示す図。
【図5】裏紙を使って印刷されたときのカウントアップの処理手順を示す図。
【図6】普通紙を使って印刷されたときのカウントアップの処理手順を示す図。
【符号の説明】
【0010】
1…コントローラ、2…RAM、3…ROM、4…操作部、5…エンジン、6…バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷回数をカウントする印刷装置において、印刷回数のカウント、及び前記印刷回数を機能の種類で分けてカウントする計数手段と、該計数手段によるカウント結果の印刷回数を参照して使用率を算出する集計手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷回数をカウントする印刷装置において、印刷回数のカウント、及び前記印刷回数を用紙の種類で分けてカウントする計数手段と、該計数手段によるカウント結果の印刷回数を参照して使用率を算出する集計手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷装置において、前記集計手段は、前記計数手段によるカウント結果の印刷回数を参照して、時間、日にちおよび/または月別でその使用率を算出するようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
コンピュータに、請求項1、2または3に記載の印刷装置の機能を実行させるためのプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−21464(P2006−21464A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202797(P2004−202797)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】