説明

印刷装置およびそのインク管理プログラム並びにインクカートリッジの割引販売方法

【課題】インクカートリッジ交換のユーザ負担を軽減し、ユーザの評価を高めてインク消費を促進する。
【解決手段】インクカートリッジの交換に伴うインク残量をインクのむだ量として、インク残量検出部770、むだ量記憶部771により管理する。そして、インクカートリッジの購入要求操作が発生すると、インク残量記憶部771に記憶されたむだ量に応じた割引条件でのインクカートリッジの購入支援処理を行ない、また、むだ量記憶部771に記憶されたインクのむだ量をリセットし、インクカートリッジの交換に伴い発生したインク残量を誤りなく管理する。その結果、発生したむだ量に応じた割引条件での新しいインクカートリッジの購入を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色ごとのインクタンクを一体的に内蔵する多色インクカートリッジを備える印刷装置およびそのインク管理方法並びにインクカートリッジの割引販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタと呼ばれるこの種の印刷装置は、印刷装置自身あるいはその上位装置(パソコン(PC)等)により、インク消費量を管理してインク残量を把握するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−166615号公報(要約書、段落[0002]。[0007]、[0028]、[0037]、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の印刷装置には、色ごとのインクタンクを一体的に内蔵する多色インクカートリッジを備えるものがある。この種の印刷装置では、いずれか一色のインクのインク切れが発生すると、他色のインクが残っていたとしても、インクカートリッジを新しいものに交換しなければ印刷を実行できない。このように、他色のインクが残っているのにも関わらず、インクカートリッジを交換することはむだにインクを廃棄することとなり、ユーザにとっては好ましいものではない。そのため、ユーザにインクカートリッジの割高感を与え、この点でユーザの評価を落し、インク消費の促進の妨げとなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、インクカートリッジ交換のユーザ負担を軽減し、ユーザの評価を高めてインク消費を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、色ごとのインクタンクを一体的に内蔵する多色インクカートリッジを備える印刷装置において、いずれか一色のインクのインクが切れた場合に、他色のインクのインク残量を検出するインク残量検出手段と、前記インク残量検出手段により検出されたインク残量をむだ量として記憶するむだ量記憶手段と、インクカートリッジの購入要求操作により、前記むだ量に応じた割引条件での前記インクカートリッジの購入支援処理を実行するとともに、前記むだ量記憶手段に記憶された前記むだ量をリセットする処理部とを備えることを特徴としている。
【0007】
そのため、いずれか一色のインクのインクが切れた場合に、他色のインクのインク残量をインク残量検出手段により検出され、検出されたインク残量がむだ量としてむだ量記憶手段により記憶される。そして、インクカートリッジの購入要求操作が発生すると、むだ量に応じた割引条件でのインクカートリッジの購入支援処理が行われる。
【0008】
また、インクカートリッジの購入要求操作が発生すると、むだ量記憶手段に記憶されたむだ量がリセットされ、インクカートリッジの交換に伴って発生するインクのむだ量の管理がゼロからスタートし、次にリセットされるまでむだ量記憶手段が確実にインクのむだ量を記憶するので、いずれか一色のインクのインクが切れた場合のインク残量検出手段によるインク残量の検出により、インクカートリッジの交換に伴って発生するインクのむだ量が誤りなく管理される。
【0009】
したがって、ユーザは、インクカートリッジの交換に伴って発生するインクのむだ量に応じた割引条件で新しいインクカートリッジを購入することができ、インクカートリッジ交換のユーザ負担が軽減され、この種の印刷装置に対するユーザの評価を高めてインク消費を促進することができる。
【0010】
また、インクノズルのクリーニングの回数をカウントし、カウント回数によって前記クリーニングによるインク消費量を管理するカウンタを備え、前記むだ量記憶手段は、前記カウンタによる前記インク消費量を前記インク残量とともに前記むだ量として記憶するようにしてもよい。
【0011】
このようにすると、インクノズルのクリーニングによるインク消費量が、カウンタによりクリーニング回数で管理される。そして、インクカートリッジの購入要求操作が発生すると、上記したインク残量およびクリーニングによるインク消費量をむだ量として、むだ量に応じた割引条件でのインクカートリッジの購入支援処理が行われる。
【0012】
したがって、ユーザは、インクカートリッジの交換に伴い発生するインク残量とともに、インクノズルのクリーニングによるインク消費量をむだ量として、このむだ量に応じた割引条件で新しいインクカートリッジを購入することができ、インクノズルのクリーニングによるインク消費のユーザ負担が軽減され、この種の印刷装置に対するユーザの評価を高めてインク消費を促進することができる。
【0013】
また、本発明の印刷装置は、前記むだ量記憶手段に記憶された前記むだ量が設定された複数段階の割引条件それぞれのむだ量に達すると前記むだ量に応じたインクカートリッジの割引購入案内を自動的に表示する表示部をさらに備え、前記購入要求操作は、前記割引購入案内の表示に基づく割引購入の選択操作である。
【0014】
したがって、むだ量記憶手段に記憶されたむだ量が設定された各段階の量に達すると、表示部に自動的に表示される割引購入案内を見て、ユーザは所望の割引条件でインクカートリッジを確実に購入することができる。
【0015】
そして、前記割引購入支援処理は、前記割引条件などの割引購入情報の用紙印刷であることが好ましい。この場合、ユーザは割引購入の情報が印刷された用紙を、インクカートリッジの販売店等に持参したり、郵送したりすることにより、少ない負担で簡単にインクカートリッジを割引購入することができる。
【0016】
また、前記割引購入支援処理は、前記割引条件などの割引購入情報によるオンラインの割引購入の発注処理であることも望ましい。この場合、ユーザは前記用紙を販売店等に持参したり郵送したりすることもなく、一層簡単にインクカートリッジを割引購入することができる。
【0017】
つぎに、本発明の印刷装置のインク管理プログラムは、色ごとのインクタンクを一体的に内蔵するインクカートリッジを備える印刷装置のインク管理プログラムにおいて、いずれか一色のインクのインクが切れた場合に、他色のインクのインク残量をインク残量検出手段により検出することでインクのむだ量を管理し、インクカートリッジの購入要求操作により、前記むだ量に応じた割引条件での前記インクカートリッジの購入支援処理を実行するとともに、むだ量記憶手段に記憶された前記むだ量をリセットすることを特徴としている。
【0018】
したがって、むだ量記憶手段に記憶されたインク残量によって、インクカートリッジの交換に伴い発生するインクのむだ量を誤りなく管理することができる。しかも、ユーザは、インクカートリッジの交換に伴い発生するインクのむだ量に応じた割引条件で新しいインクカートリッジを購入することができ、インクカートリッジの交換におけるユーザ負担が軽減され、この種の印刷装置に対するユーザの評価を高めてインク消費を促進することができる。
【0019】
つぎに、本発明のインクカートリッジの割引販売方法は、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置に取り付けられるインクカートリッジの割引販売方法であって、インクカートリッジを販売する店舗の端末装置から管理所の管理装置に前記割引購入情報を送信し、前記管理装置により、受信した前記割引購入情報に基づいて割引販売の二重発生の有無を判別し、割引販売の二重発生でないときにのみ前記管理装置から前記端末装置に割引販売の許可を通知する。
【0020】
したがって、端末装置に割引購入情報が受け付けられると、その情報が端末装置から管理装置に送信される。そして、割引購入情報の受信履歴等から、同じ割引購入情報による割引購入の二重発生を防止しつつ、ユーザにインクカートリッジの交換に伴い発生するインクのむだ量に応じた割引でインクカートリッジを販売することができる。したがって、特に管理装置の割引購入情報の受信履歴等から、同じ割引購入情報の割引購入の二重発生を防止しつつ、ユーザにインクのむだ量に応じた割引でインクカートリッジを販売する画期的なインクカートリッジの割引販売方法を提供でき、その結果、この種の印刷装置に対するユーザの評価を高めてインク消費を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態について、図1〜図6を参照して詳述する。
【0022】
(一実施形態)
まず、請求項1〜6に対応する印刷装置およびそのインク管理プログラムの実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明の印刷装置の一実施形態であるフォトプリンタ10の外観を示し、図2はフォトプリンタ10の構成の概略を示す。図3は図2のコントローラ70の構成を示す回路ブロック図、図4はコントローラ70のCPU701等が形成する機能ブロック図、図5は図4の動作を説明するフローチャートである。
【0024】
図1に示すように、フォトプリンタ10は、プリンタ本体12にプリント機構50(図2参照)を内蔵し、フォトプリンタ10の全体の制御を司るコントローラ70(図2参照)からの動作指令に応じて用紙Pへの印刷を実行する。そして、こうして印刷された用紙がプリンタ本体12の前面側に排紙される。
【0025】
このプリンタ本体12の前面には、図1に示すように、前面扉14が開閉自在に取り付けられている。この前面扉14はプリンタ本体12の前面を開閉するための蓋である。そして、開状態のときには、プリント機構50から排紙される用紙Pを受けるための排紙トレイとして機能する。また、プリンタ本体12の前面に設けられた各種のメモリカードスロット16をユーザが利用可能な状態となる。つまり、この状態でユーザは印刷対象となる画像ファイルを記憶したメモリカードMをメモリカードスロット16に差し込むことができる。さらに、この実施形態では、記録媒体としてメモリカード以外に音楽CD(Compact Disc:コンパクトディスク)や映像DVD(Digital Versatile Disc:デジタル多用途ディスク)などのディスクDCを利用可能となっている。つまり、プリンタ本体12のベース部分に光ディスクドライブ(ODD:Optical Disc Drive)13が設けられている。
【0026】
また、プリンタ本体12の上面には操作パネル20が設けられる一方、プリンタ本体12の上面の奥の一辺に対してカバー30が開閉自在に取り付けられている。このカバー30は、プリンタ本体12の上面を覆うことのできる大きさに成型された樹脂板であり、開状態では操作パネル20の表面を外部に露出する(図1参照)。一方、カバー30が閉状態に閉じられると、操作パネル20全体を覆う。
【0027】
この操作パネル20には、図2に示すように液晶ディスプレイ構成の表示部22およびボタン群24が設けられている。表示部22は本発明の表示部を形成する。ボタン群24は、電源のオンオフを行うための電源ボタン24a、メインメニュー画面を呼び出すためのメニューボタン24b、操作を途中でキャンセルしたり用紙Pへの印刷を途中で中断したりするためのキャンセルボタン24c、用紙Pへの印刷実行を指示するための印刷ボタン24d、メモリカードスロット16に挿入されたメモリカードMに編集画像等を保存するための保存ボタン24e、表示部22のメニュー表示から後述の割引購入処理等の所望の選択肢を選択したりカーソルを移動したりするときに操作される上下左右の各矢印ボタン24f〜24i、この上下左右の各矢印ボタン24f〜24iの中央に配置され各矢印ボタン24f〜24iによって選択されている選択肢に決定したことを指示するためのOKボタン24j、表示部22での画面表示を切り替えるための表示切替ボタン24k、表示部22に表示される左ガイドを選択する左ガイド選択ボタン24l、表示部22に表示される右ガイドを選択する右ガイド選択ボタン24m、排紙トレイとしての機能を備えた前面扉14を開く排紙トレイオープンボタン24nなどで構成されている。
【0028】
また、表示部22の表示内容を確認するために、カバー30には表示部22と同じ大きさの窓32が設けられている。つまり、カバー30が閉状態にあるときにはユーザはこの窓32を通して表示部22の表示内容を確認することができる。カバー30は開状態のときには、表示部22を図1に示すように好みの角度に調整することが可能となっている。
【0029】
そして、カバー30を開状態としたときには、操作パネル20に対して斜め後方に傾斜した状態でカバー30は保持され、用紙Pをプリント機構50へ供給するためのトレイとして利用可能となっている。また、操作パネル20の奥には、プリント機構50の給紙口58が設けられるとともに、ガイド幅が用紙Pの幅に合うように左右方向にスライド操作される一対の用紙ガイド59,59が設けられている。
【0030】
そして、給紙口58を介して用紙Pがプリント機構50に送り込まれて印刷が実行される。このプリント機構50には、図2に示すように、キャリッジ53が左右方向にループ状に架け渡されたタイミングベルト51により駆動されガイド52に沿って左右に往復動する。このキャリッジ53には、紙端検出センサ57が設けられ、用紙Pの左右端や上下端を検出する。つまり、紙端検出センサ57は、給紙口58にセットされた用紙Pに対して印刷前にキャリッジ53が左右方向に走査したときに用紙Pの左右端を検出して用紙幅の認識を可能にしたり、印刷途中で用紙の後端を検出して用紙長さの認識を可能にしたりする。
【0031】
また、このキャリッジ53には、例えばシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのインクの色ごとのインクタンクを一体的に内蔵した一体型の多色インクカートリッジ(以下、単に「インクカートリッジ」と称する)54が着脱自在に搭載されている。このインクカートリッジ54は印刷ヘッド55に接続されている。そして、印刷ヘッド55はインクカートリッジ54の各色のインクに圧力をかけて各色のインクノズル(図示省略)から用紙Pに向かってインクを吐出する。この実施形態では、印刷ヘッド55は圧電素子に電圧をかけることにより該圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。こうして印刷された用紙Pは搬送ローラ56によって開状態の前面扉(排紙トレイ)14へ送り出される。
【0032】
また、プリンタ本体12の背面にはバッテリパックを装着可能となっており、商用電源に接続しなくとも本プリンタ10をバッテリにより動作させることが可能となっている。この点および本プリンタ10がホストコンピュータに接続しなくても使用することができるスタンドアロンプリンタとなっている点により、本プリンタ10は持ち運び容易でどこでも使用できるようになっている。
【0033】
コントローラ70は、図2に示すように、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ711を備えており、USB規格に従って、Bluetooth(登録商標)規格やIrDA規格の無線通信機器17、ODD(光学ディスクドライブ)13、ホストコンピュータやUSBメモリなどの外部機器18、メモリカードスロット16などが接続可能である。そして、コントローラ70には、メモリカードスロット16に挿入されたメモリカードMの画像ファイルのデータなどが入力されるほか、プリント機構50の紙端検出センサ57からの検出信号、操作パネル20のボタン群24やホストコンピュータからの指令信号等が入力される。また、コントローラ70は、メモリカードMに編集画像などを保存するほか、プリント機構50の印刷ヘッド55への制御信号や操作パネルの表示部22への制御信号を出力する。さらに、コントローラ70は、ユーザによるボタン群24の各ボタン操作を受け付けて操作に応じた制御処理を実行する。次にコントローラ70について図3を参照してさらに詳細に説明する。
【0034】
図3に示すように、コントローラ70のシステムバス700には、CPU701、ROM702、RAM703、不揮発性メモリ704、VRAM705、画像処理部707、ASIC708、USBホストコントローラ711などが接続されている。CPU701は、プリント機構50の動作制御を実行するための演算処理などを行う。ROM702は、CPU701の制御に必要なプログラム(ファームウェア)などを記憶する。RAM703は後述の印刷バッファを形成し、印刷データ等を一時的に保持する。不揮発性メモリ704はCPU701の制御に必要な各種データや後述する、インクカートリッジ54の交換に伴って生じるインク残量およびインクノズルのクリーニングのカウント回数などを書き替え自在に保持する。VRAM705は表示部22に描画すべき画像データを保持する。
【0035】
また、図3のUSBホストコントローラ711にはUSBケーブル810を介してUSBルートハブ800が接続されており、このUSBルートハブ800にはUSBケーブル810を介してメモリカードスロット16などが接続されている。そして、USBホストコントローラ711は、USBルートハブ800のUSBインターフェース801を介して無線通信機器17、ODD13、メモリカードスロット16、外部機器18のUSBインターフェース17a,13a,16a,18aと通信を行い、メモリカードスロット16に挿入されたメモリカードMなどのデータを取り込む。
【0036】
図3の画像処理部707は、USBホストコントローラ711を介して読み取られたメモリカードMなどの外部記憶媒体から与えられる画像データに対し印刷、表示に必要な画像処理を行う。また、画像処理部707は、表示部22に表示させるためのメニュー画面などのプリンタ固有の画像に対応する表示データを生成する機能も有する。前記表示データ等は、画像処理部707からLCDコントローラ709に与えられ、このLCDコントローラ709の制御によって表示部22に画面表示される。図3のASIC708は、プリント機構50に設けられている用紙Pを搬送するモータ(図示省略)やタイミングベルト51を回転させるモータ(図示省略)などの速度制御を行う制御回路、印刷ヘッド55の駆動制御を行う制御回路などを内蔵している。そして、ASIC708は、CPU701からの制御信号などに基づいて生成したモータ制御信号や印刷ヘッド55の制御信号を駆動回路(ドライバ)710に送出する。また、センサ57などの検出データは、ASIC708を介してCPU701に取り込まれる。
【0037】
つぎに、上記構成に基づいてCPU701がROM702の制御プログラムを実行することにより、コントローラ70は、印刷およびヘッドクリーニングに関連する機能として、概略、図4の機能を備える。以下に、図4の機能について、図4および図5を参照して説明する。
【0038】
図4に示すように、コントローラ70に外部機器18の一例である上位装置としてのパソコン(PC)等のホストコンピュータ110が接続され、このホストコンピュータ110によってフォトプリンタ10の印刷が制御される場合、ホストコンピュータ110の送受信部112からコントローラ70に向けて送信された各種コマンドや印刷データは、USBホストコントローラ711の受信部751が受信してその後段の受信バッファ752が一時的に保持する。受信バッファ752に保持されたデータは、その後段のコマンド解析部753によって解析され、制御コマンドの場合はRAM703の一部が形成する制御コマンドバッファ754にDMA転送等により転送される。
【0039】
制御コマンドバッファ754に一時保存された制御コマンドデータは、CPU701が形成する主制御部763によって読み出され、制御コマンドに応じた処理が実行される。印刷データの場合には、データ展開処理が行われてデータ変換され、最終的には印刷ヘッド55のノズル列に対応したドットパターンデータが生成されてRAM703の他の一部が形成する印刷バッファ755に一時的に記憶される。
【0040】
また、フォトプリンタ10が単独使用され、その操作パネル20のボタン操作によって印刷が制御される場合、前記ボタン操作に対応する制御コマンドがROM702から呼び出されてコマンド解析部753に送られ、印刷データはメモリカードMなどから印刷バッファ755に読み込まれて展開され、ホストコンピュータ110によって印刷が制御される場合と同様に処理される。
【0041】
図4の印刷制御部758は、印刷バッファ755に記憶されたドットパターンデータを基にプリント機構50の印刷ヘッド55、キャリッジ53等の印刷機構を駆動するものであり、プリント機構50の動作制御を実行するための演算処理などを行う。
【0042】
この印刷制御部758は定期的な自動のクリーニング動作および手動のクリーニング動作の制御も行い、クリーニング制御部759を介したクリーニング指示を受けると、キャリッジ53を待機位置へ退避させ、印刷ヘッド55から少量のインクを吐出させる(フラッシング)。
【0043】
また、前記クリーニング制御部759は、受信やボタン操作によって発生した前記クリーニング指示に応じて、キャリッジ53を待機位置へ退避するよう印刷制御部758へ指示し、印刷ヘッド55を図示せぬキャップで覆い、インク吸引機構を駆動させて指定されたインク消費量だけ印刷ヘッド55のインクノズルからインクを吸引させる。
【0044】
さらに、図4のクリーニングカウント部756は、インクカートリッジ54の取り替えの報知に必要なインク残量確認のものではなく、前記クリーニングのインク消費量をカウントするものである。そして、クリーニングカウント部756はインクカートリッジが装着されてから後述の割引購入支援処理が実行されるまでのクリーニングの実行回数をカウントし、割引購入支援処理が行なわれると、それまでのクリーニング実行回数のカウント回数がリセットクリアされ、初期値0から改めてカウントする。
【0045】
図4のマニュアルクリーニング指示受信部761は、表示部22のメニュー画面からのユーザのマニュアルクリーニング(手動のクリーニング)の選択に基づいて発生するマニュアルクリーニング指示の受信の有無を監視し、マニュアルクリーニング指示を受信すると、主制御部763を介してクリーニング制御部759にクリーニングを指令してクリーニングを実行させる。
【0046】
図4の連続クリーニング判断部757は、ユーザが指定したタイミングで実行されるマニュアルクリーニングが、前回のマニュアルクリーニングの実行後まもなく、連続して実行された連続マニュアルクリーニングであるか否かを判断する。具体的には、受信部751あるいはマニュアルクリーニング指示受信部761を介してマニュアルクリーニング指示を受信すると、主制御部763は連続クリーニング判断部757を介して、前回のマニュアルクリーニングの実行後に印刷制御部758が行う印刷処理を監視する。そして次のマニュアルクリーニングを実行するまでに行われた印刷処理が所定量以下であった場合には、そのマニュアルクリーニングを連続マニュアルクリーニングであると判断する。
【0047】
図4のクリーニング実行回数記憶部760は、図3の不揮発性メモリ704内に設定された領域であり、クリーニングカウント部756がカウントした最新のクリーニング実行回数を書き換え自在に記憶し、クリーニングカウント部756とともに本発明のクリーニングカウンタを構成する。なお、クリーニング実行回数記憶部760は、初回電源オン時に初期の不定値状態を解消するため記憶回数が0に初期化される。
【0048】
また、コントローラ70にはインクカートリッジ54のインク残量を確認する周知のインク残量カウント部(図示せず)も別途設けられている。そして、インク残量検出部(本発明の「インク残量検出手段」に相当)770は、残量カウント部により、いずれか一色のインクのインク切れが確認された時に、他の色のインクのインク残量を検出するものである(図5のステップS1,S2)。
【0049】
また、むだ量記憶部(本発明の「むだ量記憶手段」に相当)771は、図3の不揮発性メモリ704内に設定された領域であり、インク残量検出部770により検出されたインク残量と、クリーニングカウント部756がカウントした最新のクリーニング実行回数に基づくインク消費量とをインクのむだ量として書き換え自在に記憶する(図5のステップS2)。なお、むだ量記憶部は771は、初回電源オン時に初期の不定値状態を解消するため記憶回数が0に初期化される(図5のステップS6)。
【0050】
そして、むだ量記憶部771は、インクカートリッジが装着されてから後述の割引購入支援処理が実行されるまでのインクのむだ量を記憶し、割引購入支援処理が行なわれると、それまでのむだ量の加算値がリセットされ、初期値0から改めて加算される。
【0051】
ところで、本実施形態においては、自動、手動の別や連続クリーニングか否かを問わず、1回のクリーニングによって全色のインクが一定量消費されるものとする。そのため、クリーニングカウント部756は、自動、手動の別や連続クリーニングか否かに関わらず、インクノズルのクリーニングの実行回数をカウントし、クリーニング実行回数記憶部760は、クリーニングカウント部756の最新のカウント回数を保持する。
【0052】
そして、クリーニング実行回数記憶部760に保持されているカウント回数に1回のクリーニングによるインク消費量を乗算すれば、使用中のインクカートリッジ54のクリーニングによる現在までのインク使用量が簡単に求まり、CPU701は、インクノズルのクリーニングのカウント回数によって前記クリーニングによるインク消費量を管理する。
【0053】
つぎに、本実施形態においては、ユーザの利便性の向上を図るため、CPU701の表示制御に基づき、表示部22が本発明の表示部を形成する。
【0054】
そして、むだ量記憶部771に記憶されているインクのむだ量をくり返し判定し(図5のステップS3)、そのむだ量が、設定された複数段階の割引条件それぞれのむだ量に達すると(図5のステップS3の判断がYESの場合)、むだ量に応じたインクカートリッジ54の割引購入案内を自動的に画面に表示する。具体的には、新品のインクカートリッジ54のインク量を100%として、CPU701は、インクのむだ量が予め設定された例えば30%、50%、70%、90%、100%、…の段階のインクのむだ量に達する毎に各段階の案内報知指令のフラグをセットし、このフラグのセットに基づき、その後のインク交換告知のときのUI表示により、むだ量に応じて設定された割引条件でのインクカートリッジ54の割引購入案内を表示部22に自動的に表示し、インクのむだ量に応じた割引条件でカートリッジ54が購入できることをユーザに告知する(図5のステップS4)。
【0055】
なお、前記フラグのセット後、ユーザが表示部22のメニュー画面から割引購入案内を選択すれば、インク交換告知(インクエンド)のタイミングでなくても、セットされたフラグが示すインクのむだ量に基づき、インク交換告知のときの表示と同じインクカートリッジ54の割引購入案内を表示部22に表示する。
【0056】
CPU701が形成する図4の割引購入支援処理部765は、主制御部763とともに本発明の処理部を構成し、ユーザが表示部22の割引購入案内を見てインクカートリッジ54の購入要求操作を行うと(図5のステップS5の判断がYESの場合)、セットされたフラグが示すインクのむだ量、すなわち、むだ量記憶部771に記憶されているインクのむだ量の回数の割引条件でのインクカートリッジ54の購入支援処理(以下、割引購入処理という)を実行するとともに、主制御部763を通してむだ量記憶部771により記憶されたインクのむだ量、クリーニングカウント部756およびクリーニング実行回数記憶部760のカウント回数を、0にリセットクリアする(図5のステップS6)。
【0057】
前記割引購入支援処理は、むだ量記憶部771に記憶されているインクのむだ量に基づき、前回の割引購入から今までのインクのむだ量に応じた割引条件でインクカートリッジ54を購入するための処理であり、具体的には、(1)割引条件等の割引購入情報の用紙印刷の処理、または、(2)前記割引購入情報によるオンラインの割引購入の発注処理である。
【0058】
前記(1)の用紙印刷は、例えば、割引条件(割引率)、フォトプリンタ10の情報(シリアル番号等)、日付、割引販売の店舗情報(電話番号やインターネットのウエブサイトのアドレス)等が記載された引換券や申し込みはがきのような所定様式の用紙の印刷であり、新しいインクカートリッジ54に交換されたフォトプリンタ10により実行される。
【0059】
なお、前記引換券は、例えば不定形(L版、KG版)の用紙に印刷して形成され、割引販売の店舗等に持参されてインクカートリッジ54の購入と引き換えられる。また、前記申し込みはがきは、フォトプリンタ10のはがき印刷により形成され、例えば、裏面に前記引換券と同じ内容が印刷されるとともに、表面に申し込み先(あて先)が自動的に印刷される。そして、印刷された申し込みはがきにつき、ユーザがインクカートリッジ54の送付先を記入して切手を貼り、ポストに投函すると、インクカートリッジ54がユーザに配達される。
【0060】
前記(2)の割引購入の発注処理は、一つは、前記ウエブサイトのアドレスと、前記(1)の用紙の記載内容およびインクカートリッジ54の送付先を含むQRコードのような二次元コードもしくはデータ数列とを表示部22に表示し、その表示を携帯電話等で読み取ることによってオンライン発注を可能にする処理であり、他の一つは、インターネットに接続されたパソコン(PC)等の外部機器18に、前記ウエブサイトのアドレスおよび、前記二次元コードもしくはデータ数列と同様の情報を送り、そのウエブサイトに外部機器18を通してオンライン発注できるようにする処理である。
【0061】
なお、前記(1)の用紙の印刷、前記(2)の割引購入の発注処理は、ユーザが表示部22の画面から選択することができる。
【0062】
以上のように構成された本実施形態のフォトプリンタ10の場合、インクカートリッジ54の交換に伴って発生するインクのインク残量と、印刷ヘッド55のインクノズルのクリーニングによるインク消費量とがむだ量として、むだ量記憶部771で管理される。
【0063】
そして、インクカートリッジ54の購入要求操作が発生すると、むだ量記憶部771に記憶されたむだ量に応じた割引条件でのインクカートリッジの購入支援処理が行われ、割引購入に必要な用紙の印刷、または、割引購入のオンラインの発注処理が行われる。
【0064】
また、割引購入支援処理が行われた時点でむだ量記憶部771に記憶されたむだ量、前記カウンタのカウント回数がリセットクリアされ、インクのむだ量の管理がゼロからスタートし、つぎにリセットクリアされるまでむだ量記憶部771が確実にインク消費量を加算して記憶するので、むだ量記憶部771に記憶されたむだ量によってインクノズルのクリーニングによるインク消費量が誤りなく管理される。
【0065】
したがって、インクカートリッジ54の交換に伴って発生するインク残量と、本来の印刷とは直接には関係がなくユーザに不要な消費と感じさせる可能性がある、インクノズルのクリーニングのインク消費とによるインクのむだ量に対して、インクのむだ量に応じた割引条件で新しいインクカートリッジ54を購入できるようにし、むだなインクや、インクの不要消費の何割かをユーザに還元して、インクカートリッジ54の交換や、インクノズルのクリーニングによる印刷には直接関係のないインク消費のユーザ負担を軽減し、フォトプリンタ10に対するユーザの評価を高めることができる。その結果、ユーザにインクカートリッジ54の割安感を与え、フォトプリンタ10のインク消費を増大してインクカートリッジ54の販売を促進することができる。
【0066】
さらに、むだ量記憶部771にインクのむだ量として管理されるむだ量が設定された各段階の量に達すると、表示部22に自動的に表示される割引購入案内を見て、ユーザは所望の割引条件でインクカートリッジ54を購入することができ、フォトプリンタ10に対するユーザの評価を一層高めることができる。
【0067】
(他の実施形態)
つぎに、本発明のインクカートリッジの割引販売方法の実施形態について、図6の割引販売システムの模式図を参照して説明する。
【0068】
本実施形態においては、上記一実施形態のフォトプリンタ10に取り付けられる前記インクカートリッジ54の割引販売に適用する。
【0069】
図6において、A1はインクカートリッジ54を販売するウエブサイト上の店舗であり、例えばインクカートリッジ54の販売会社が運営する統括店舗である。A2は電気店、コンビニエンスストア等のインクカートリッジ54を販売する現実の店舗である。そして、店舗A1、A2にインクカートリッジ54の割引販売用の端末装置201、202それぞれが設置されている。端末装置201、202はインターネットの通信機能およびインクカートリッジ54の割引販売(割引購入)の受け付けの処理機能を有する。
【0070】
図6のBは例えばインクカートリッジ54の販売会社が運営する管理所であり、割引販売の管理装置300が設置されている。この管理装置300は、インターネット400を通じて端末装置201、202とつながっている。また、インクカートリッジ54の二重の割引販売を防止するため、換言すれば、同じフォトプリンタ10について、インクカートリッジ54の同じ割引条件での割引販売が同時にまたはありえないような短期間に複数回発生する事態を回避してインクカートリッジ54の不正な割引購入が行われないようにするため、管理装置300は、販売した全てのフォトプリンタ10または過去に割引販売の申し込み(発注)をした全てのフォトプリンタ10について、割引購入の申し込み(発注)の履歴のデータベースを作成し、各フォトプリンタ10の割引販売の受信履歴を管理する。
【0071】
そして、図6の使用環境#1、#2それぞれでフォトプリンタ10が使用されている場合、使用環境#1のフォトプリンタ10が、ユーザの選択にしたがって、前記一実施形態で説明した割引購入情報によるオンラインの割引購入の発注処理を実行し、表示部22に割引購入情報の二次元コードもしくはデータ数列を表示すると、ユーザは例えば携帯電話機500により表示部22の表示を読み取って端末装置201にアクセスし、読み取った割引購入情報の二次元コードもしくはデータ数列およびインクカートリッジ54の送付先の情報等をインターネット400を通して端末装置201に送る。
【0072】
割引購入情報の二次元コードもしくはデータ数列等を受信した端末装置201は、それらの情報をインターネット400を通して管理装置300に送る。このようにして割引購入情報を受信した管理装置300は、その割引購入情報に含まれたシリアル番号等からフォトプリンタ10を特定し、そのプリンタ10についての割引販売の受信履歴を前記データベースから検索する。さらに、検索した割引販売の履歴において、受信した割引購入情報の割引条件と同じ条件で同日若しくは一定期間内に割引販売をしているか否かを検査して割引販売の二重発生の有無を判別する。
【0073】
そして、同じ割引販売の二重発生でないときにのみ、管理装置300から端末装置201に割引販売の許可を通知し、端末装置201は受信した割引購入情報を受け付ける。この受け付けに基づき、店舗A1では、例えば端末装置201が受け付けた割引条件の請求書を付して新しいインクカートリッジ54を送付先に配達する。なお、管理装置300は受け付けられた割引購入情報をデータベースに追加する。また、インクカートリッジ54を受け取ったユーザは代金を振込等によって支払う。
【0074】
また、使用環境#2のフォトプリンタ10が、ユーザの選択にしたがって、前記一実施形態で説明した割引購入情報の用紙印刷の処理処理を実行し、図6に示す引換券の用紙Qを印刷すると、ユーザは例えば近所の店舗A2に割引券を持参し、その端末装置202の例えば対話型の操作入力および光学的な読み取りにより、割引券の割引購入情報やインクカートリッジ54の送付先の情報等を端末装置202に入力する。
【0075】
そして、端末装置202から管理装置300にインターネット400を通して割引券の割引購入情報やインクカートリッジ54の送付先の情報等が送られ、管理装置300により、端末装置201から情報を受信した場合と同様、データベースの割引販売の履歴を参照して割引販売の二重発生の有無を判別し、同じ割引販売の二重発生でないときにのみ、管理装置300から端末装置202に割引販売の許可を通知し、端末装置202が割引購入情報を受け付ける。このとき、端末装置202は受け付けた割引購入情報を端末装置201に送り、店舗A1からインクカートリッジ54を送付先に配達する。なお、送付先が店舗A2になっているときは、店舗A1から店舗A2にインクカートリッジ54が送られ、ユーザは引換券を店舗A2に持参し、代金を払ってインクカートリッジ54を受け取る。
【0076】
また、申し込みはがきによる割引購入の場合は、店舗A1に申し込みはがきが届き、その内容を店舗A1のオペレータが端末装置201に入力することで、割引販売の二重発生を防止してインクカートリッジ54が送付先に配達される。また、使用環境#2のフォトプリンタ10が、ユーザの選択にしたがって、インターネット400に接続されたパソコン(PC)等の外部機器18にウエブサイトのアドレス等の情報を送り、外部機器18からインターネット400を通して端末装置201にそれらの情報を送る場合には、携帯電話500を用いた場合と同様にしてインクカートリッジ54が送付先に配達される。
【0077】
したがって、本実施形態の場合、特に管理装置300にデータベース化された各フォトプリンタ10の割引購入の受信履歴等から、同じ割引購入情報の割引購入の二重発生を防止しつつ、ユーザに、インクカートリッジ54の交換に伴って発生するインク残量に応じた割引でインクカートリッジ54を販売する画期的なインクカートリッジ54の割引販売方法を提供でき、その結果、フォトプリンタ10に対するユーザの評価を高めてインクの消費を促進することができる。
【0078】
そして、本発明は上記した両実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、一実施形態において、インクカートリッジ54の交換時におけるインク残量とともに、クリーニングのインク消費量をむだ量としたが、インク残量をのみをむだ量としてもよい。
【0079】
また、本発明は、フォトプリンタに限らず、一体型の多色インクカートリッジを備える種々のインクジェットプリンタ等に適用することができるのは勿論である。そして、印刷装置の内部構成や割引販売システムの構成は前記両実施形態のものに限るものではない。また、上記した実施形態においてインク残量及びインク切れは、インクカートリッジの生産時のインク量から印刷により吐出されたインク量及びクリーニング等により消費されたインク量に基づいて算出及び判断されていたが、インク残量及びインク切れは光学的な手段、または電気容量、比熱などの電磁気的な物理量、そのほか、重さなどの任意の物理量に基づいて算出及び判断してもかまわない。なお、本発明におけるインク切れとは、いずれか一色のインクタンクが空になったときをインク切れとしてもよいし、いずれか一色のインクタンク内の残留インクが所定量以下となったときにインク切れとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態のフォトプリンタの外観を示す斜視図。
【図2】図1のフォトプリンタの構成の概略を示す図。
【図3】図2のコントローラの構成を示すブロック図。
【図4】図3の機能ブロック図。
【図5】図4の動作説明のフローチャート。
【図6】本発明の他の実施形態の割引販売システムの模式図。
【符号の説明】
【0081】
10…フォトプリンタ、22…表示部、54…インクカートリッジ、756…クリーニングカウント部、760…クリーニング実行回数記憶部、770…インク残量検出部、771…むだ量記憶部、763…主制御部、765…割引購入支援処理部、201、202…端末装置、300…管理装置、A1、A2…店舗、B…管理所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色ごとのインクタンクを一体的に内蔵する多色インクカートリッジを備える印刷装置において、
いずれか一色のインクのインクが切れた場合に、他色のインクのインク残量を検出するインク残量検出手段と、
前記インク残量検出手段により検出されたインク残量をむだ量として記憶するむだ量記憶手段と、
インクカートリッジの購入要求操作により、前記むだ量に応じた割引条件での前記インクカートリッジの購入支援処理を実行するとともに、前記むだ量記憶手段に記憶された前記むだ量をリセットする処理部とを備えた印刷装置。
【請求項2】
インクノズルのクリーニングの回数をカウントし、カウント回数によって前記クリーニングによるインク消費量を管理するカウンタを備え、
前記むだ量記憶手段は、前記カウンタによる前記インク消費量を前記インク残量とともに前記むだ量として記憶する請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記むだ量記憶手段に記憶された前記むだ量が設定された複数段階の割引条件それぞれのむだ量に達すると前記むだ量に応じたインクカートリッジの割引購入案内を自動的に表示する表示部をさらに備え、
前記購入要求操作は、前記割引購入案内の表示に基づく割引購入の選択操作である請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記割引購入支援処理は、前記割引条件などの割引購入情報の用紙印刷である請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記割引購入支援処理は、前記割引条件などの割引購入情報によるオンラインの割引購入の発注処理である請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
色ごとのインクタンクを一体的に内蔵するインクカートリッジを備える印刷装置のインク管理プログラムにおいて、
いずれか一色のインクのインクが切れた場合に、他色のインクのインク残量をインク残量検出手段により検出することでインクのむだ量を管理し、
インクカートリッジの購入要求操作により、前記むだ量に応じた割引条件での前記インクカートリッジの購入支援処理を実行するとともに、むだ量記憶手段に記憶された前記むだ量をリセットする印刷装置のインク管理プログラム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置に取り付けられるインクカートリッジの割引販売方法であって、
インクカートリッジを販売する店舗の端末装置から管理所の管理装置に前記割引購入情報を送信し、
前記管理装置により、受信した前記割引購入情報に基づいて割引販売の二重発生の有無を判別し、
割引販売の二重発生でないときにのみ前記管理装置から前記端末装置に割引販売の許可を通知するインクカートリッジの割引販売方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−89337(P2010−89337A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260446(P2008−260446)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】