説明

印刷装置および印刷方法ならびにそのプログラム

【課題】 従来に比べてより機密性のある印刷物の内容を保全することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】 印刷データにメディアタイプが格納される場合に、禁則処理部15が、当該印刷データに記憶部13で記憶するフォント識別情報が格納されているか否かを確認する。また禁則処理部15は、印刷データに記憶部13で記憶するメディアタイプが格納されている場合、または印刷データに記憶部13で記憶するメディアタイプが格納されていなく、かつ印刷データに記憶部13で記憶するフォント識別情報が格納されている場合、の何れかの場合において、印刷データなどからユーザのパスワードを読み込み、読み込んだパスワードが記憶部13で記憶するパスワードと一致するか否かを確認する。そして、パスワードにより認証が成功した場合に印刷データを印刷媒体に印刷する処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券や社内正規文書などの機密性の高い印刷物を印刷する印刷装置および印刷方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券や社内正規文書などの機密性の高い印刷物(以下、機密性印刷物と呼ぶこととする)は、通常、印刷する印刷媒体の種類(例えば用紙の種類)が決められており、また印刷装置では、当該印刷装置における複数の給紙カセット部のうちの、どの給紙カセット部に給紙されている用紙が印刷に利用されるかを決定する処理を行なっている。ここで、印刷装置において、機密性印刷物を印刷する際に、その機密性印刷物を権限のないユーザに無闇に印刷させないようにする為には、例えば、機密性印刷物のデータを用いて印刷する際に、パスワードなどによって認証を行なうにすることなどが必要となる。この場合、印刷装置では、認証が成功した時にのみ特定の給紙カセット部に給紙されている印刷用紙を用いて印刷を行うこととなる。
なお、機密性印刷物のデータを用いて印刷する際に、パスワードなどによって認証を行なう技術が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−143660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した技術においては、機密性印刷物のデータを印刷する際に認証を行なうので、確かに複数のユーザが機密性印刷物を無闇に印刷ができないように制御することができる。しかしながら、ユーザが、機密性印刷物を印刷する為の用紙ではない他の用紙に、当該機密性印刷物を印刷しようとした場合、上述の技術では簡単に印刷することができてしまい、機密性印刷物のデータを用いて印刷すること自体を制限することができない。これにより、印刷物の内容を保全することが十分でないという問題があった。
【0004】
そこでこの発明は、従来に比べてより機密性のある印刷物の内容を保全することができる印刷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、ユーザの認証情報を予め記憶する認証情報記憶手段と、印刷媒体を特定する印刷媒体特定情報を記憶する印刷媒体特定情報記憶手段と、印刷内容を特定する印刷内容特定情報を記憶する印刷内容特定情報記憶手段と、前記印刷媒体特定情報が格納される第1記憶領域と、前記印刷内容特定情報が格納される第2記憶領域と、を保持した印刷データを読み込む印刷データ読み込み手段と、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認する印刷媒体特定情報確認手段と、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認する印刷内容特定情報確認手段と、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合、または前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、前記ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認する認証手段と、前記読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に前記印刷データを用いて印刷媒体に印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする印刷装置である。
【0006】
また本発明は、上述の印刷装置において、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合であって、かつ前記認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合には、前記印刷手段は、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報の印刷媒体に前記印刷データを用いて印刷することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上述の印刷装置において、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されてない場合には、前記印刷手段は、前記ユーザから指示を受けた印刷媒体に前記印刷データを用いて印刷することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記印刷内容特定情報が前記印刷データが示す文字のフォント情報であることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記認証情報を格納する第3記憶領域を前記印刷データが保持し、前記認証手段は前記印刷データから前記認証情報を読み込むことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、ユーザの認証情報を予め記憶する認証情報記憶手段と、印刷媒体を特定する印刷媒体特定情報を記憶する印刷媒体特定情報記憶手段と、印刷内容を特定する印刷内容特定情報を記憶する印刷内容特定情報記憶手段と、を備えた印刷装置における印刷方法であって、前記印刷装置の印刷データ読み込み手段が、前記印刷媒体特定情報が格納される第1記憶領域と、前記印刷内容特定情報が格納される第2記憶領域と、を保持した印刷データを読み込む印刷データ読み込み過程と、前記印刷装置の印刷媒体特定情報確認手段が、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認する印刷媒体特定情報確認過程と、前記印刷装置の印刷内容特定情報確認手段が、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認する印刷内容特定情報確認過程と、前記印刷装置の認証手段が、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合、または前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、前記ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認する認証過程と、前記印刷装置の印刷手段が、前記読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に前記印刷データを用いて印刷媒体に印刷する印刷過程と、を有することを特徴とする印刷方法である。
【0011】
また本発明は、ユーザの認証情報を予め記憶する認証情報記憶手段と、印刷媒体を特定する印刷媒体特定情報を記憶する印刷媒体特定情報記憶手段と、印刷内容を特定する印刷内容特定情報を記憶する印刷内容特定情報記憶手段と、を備えた印刷装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、前記印刷装置の印刷データ読み込み手段に、前記印刷媒体特定情報が格納される第1記憶領域と、前記印刷内容特定情報が格納される第2記憶領域と、を保持した印刷データを読み込ませる処理と、前記印刷装置の印刷媒体特定情報確認手段に、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認させる処理と、前記印刷装置の印刷内容特定情報確認手段に、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認させる処理と、前記印刷装置の認証手段に、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合、または前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、前記ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認させる処理と、前記印刷装置の印刷手段に、前記読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に前記印刷データを用いて印刷媒体に印刷させる処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷媒体特定情報確認手段が、印刷データの第1記憶領域に印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認し、印刷内容特定情報確認手段が、第1記憶領域に印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、第2記憶領域に印刷内容特定情報記憶手段の記憶する印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認する。そして認証手段が、第1記憶領域に印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する印刷媒体特定情報が格納される場合、または第1記憶領域に印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ第2記憶領域に印刷内容特定情報記憶手段の記憶する印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認する。そして、印刷手段が、読み込んだ認証情報が認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に印刷データを用いて印刷媒体に印刷する。
これにより、予め印刷媒体特定情報記憶手段に記憶する印刷媒体特定情報(メディアタイプ)と印刷内容特定情報記憶手段に記憶する印刷内容特定情報(フォント識別情報)が機密性の高い文書を印刷する為の印刷媒体特定情報、または機密性の高い文書の内容を示す印刷内容特定情報であれば、受付けた印刷データを用いて無闇に色々なユーザが機密性の高い情報を印刷できないようにすることが可能となる。これにより、印刷装置において、従来に比べてより機密性のある印刷物の内容を保全することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態による印刷装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態による印刷装置の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は印刷装置である。そして印刷装置1において、11はホストコンピュータ2などから印刷データを受信するデータ受信部である。また12は印刷装置1の各処理部を制御する内部処理制御部である。また13は特定の印刷媒体(例えば印刷用紙)を示すメディアタイプ(印刷媒体特定情報)の情報と、機密性の高い印刷物に印刷される文字のフォント(印刷内容)を特定するためのフォント識別情報(印刷内容特定情報)と、機密性の高い印刷物を印刷できるユーザのパスワード(認証情報)とを少なくとも記憶している記憶部である。機密性の高い印刷物とは、例えば有価証券や社内正規文書などである。またメディアタイプは、機密性の高い印刷物を印刷する為の印刷用紙を特定する情報である。
【0014】
また14は各種画面の出力やユーザからの指示の入力を受付ける入出力部であり、例えば液晶画面を備えた一般的な操作パネルである。また15は機密性の高い印刷物か否かを判断を、印刷データに含まれるメディアタイプやフォント識別情報やユーザのパスワードを用いて行なう禁則処理部(印刷媒体特定情報確認手段、印刷内容特定情報確認手段、認証手段)である。また16はメディアタイプやフォント識別情報やユーザのパスワードの登録を行なう禁則登録部である。また17はメディアタイプやフォント識別情報が、印刷データに含まれているか否かを解析するデータ解析部である。また18は印刷物の印刷を制御する印刷制御部である。また19は印刷処理を行なう印刷エンジンである。
【0015】
なお、印刷データは印刷物を印刷するためのデータであるが、印刷データには、当該データの所定の領域(第1記憶領域)に予めメディアタイプが格納されている場合がある。なお、このメディアタイプが格納されている場合は、印刷装置1のデータ解析部17がそれを検出し、印刷制御部18が、当該メディアタイプの示す印刷用紙の給紙されたカセットホルダから用紙を取り出して印刷するよう印刷エンジン19に処理させることとなる。また印刷データには、当該データの所定の領域(第2記憶領域)に予め印刷する文字のフォント識別情報が格納されている。また印刷データには、当該データの所定の領域に予め印刷を指示するユーザのパスワードが格納されている。これは、例えば、ホストコンピュータなどで印刷データが作成された際に、ユーザの指示によって当該印刷データに付与されたものである。
【0016】
そして、データ受信部11が印刷データを読み込み、データ解析部17が印刷データにメディアタイプが格納されているか否かを確認する。そして、印刷データにメディアタイプが格納される場合に、禁則処理部15が、当該印刷データに記憶部13で記憶するフォント識別情報が格納されているか否かを確認する。また禁則処理部15は、印刷データに記憶部13で記憶するメディアタイプが格納されている場合、または印刷データに記憶部13で記憶するメディアタイプが格納されていないが、印刷データに記憶部13で記憶するフォント識別情報が格納されている場合の何れかの場合において、印刷データなどからユーザのパスワードを読み込み、読み込んだパスワードが記憶部13で記憶するパスワードと一致するか否かを確認する。そして、パスワードにより認証が成功した場合に印刷媒体に印刷する処理を印刷制御部18、印刷エンジン19が行なう。
【0017】
図2は印刷装置の処理フローを示す図である。
次に、図2を用いて印刷装置の処理を説明する。
【0018】
まず、ホストコンピュータ2などから印刷装置1のデータ受信部11が印刷データを読み込む(ステップS1)。データ受信部11が印刷データを受信すると、次に、内部処理制御部12がその印刷データの転送をデータ受信部11から受け、更にデータ解析部17に転送する。そして内部処理制御部12はデータ解析部17にメディアタイプの解析の指示を行なう。次にデータ解析部17では、転送された印刷データの所定の領域にメディアタイプの情報が格納されているか否かを確認する(ステップS2)。ここで印刷データの所定の領域にメディアタイプに格納されている場合には、データ解析部17はそのメディアタイプを禁則処理部15に転送する。
【0019】
次に禁則処理部15は記憶部13に記録されているメディアタイプを読み込み、データ解析部17から受信したメディアタイプと比較して、2つのメディアタイプが同一か否かを確認する(ステップS3)。そして、記憶部13に記録されているメディアタイプと印刷データに格納されているメディアタイプとが同一である場合、つまり印刷データを印刷するための印刷用紙が、機密性の高い印刷物を印刷する為の印刷用紙である場合には、禁則処理部15はデータ解析部17に、印刷データに格納されているパスワードを転送するよう要求する。データ解析部17は印刷データの所定の領域にパスワードが格納されているか否かを確認し(ステップS4)、格納されていればそのパスワードを禁則処理部15に転送する。そして禁則処理部15は記憶部13に記録されているパスワードとデータ解析部17から受信したパスワードとを比較して、2つのパスワードが同一か否かを確認する(ステップS5)。そして、2つのパスワードが同一の場合、つまりユーザの認証が成功した場合には、内部処理制御部12に、認証成功を通知する。なおステップS4において、印刷データの所定の領域にパスワードが格納されていない場合には、データ解析部17はその旨を禁則処理部15に通知し、禁則処理部15がユーザにパスワードの入力を求める画面を入出力部14に出力する(ステップS6)。そして、入出力部14からパスワードを受付けてステップS5と同様の認証の処理を行なう。
【0020】
次に内部処理制御部12は認証成功を受信すると、印刷データを印刷制御部18に転送し印刷するよう指示する。そして印刷制御部18は印刷データの所定の領域に記録されているメディアタイプの印刷用紙で印刷データを印刷するよう印刷エンジン19に指示する。印刷エンジン19は、印刷データの所定の領域に記録されているメディアタイプの印刷用紙で印刷データを印刷する(ステップS7)。
【0021】
次に上記ステップS2でメディアタイプが格納されていない場合、またはステップS3で2つのメディアタイプが同一でない場合について説明する。この場合、データ解析部17または禁則処理部15は、内部処理制御部12に印刷データが所定のメディアタイプ(機密性の高い印刷物を印刷する印刷用紙)を指定していない旨の通知が送られる。すると内部処理制御部12は、データ解析部17に印刷データの所定の領域に格納されているフォント識別情報を確認するよう通知する。そしてデータ解析部17が当該フォント識別情報を印刷データから読み込む。そして、そのフォント識別情報を禁則処理部15に送信する。禁則処理部15は、記憶部13に予め記録されているフォント識別情報を読み込み、データ解析部17から受けたフォント識別情報と比較し、同一か否かを確認する(ステップS8)。そして、記憶部13に記録されているフォント識別情報と印刷データに格納されているフォント識別情報とが同一である場合、つまり印刷データの内容が、機密性の高い内容を保持する印刷データである場合には、禁則処理部15はデータ解析部17に、印刷データに格納されているパスワードを転送するよう要求する。そしてその後ステップS4〜ステップS7の処理が繰り返される。またステップS8において、記憶部13に記録されているフォント識別情報と印刷データに格納されているフォント識別情報とが同一でない場合、つまり印刷データの内容が、機密性の高い内容を保持する印刷データでない場合には、内部処理制御部12が印刷制御部18に印刷を指示し、印刷制御部18がユーザに印刷用紙の指定を促す画面を入出力部14に出力する。そして印刷制御部18はユーザの指示に基づいて印刷用新に印刷データの内容を印刷する(ステップS9)。
【0022】
また、上記ステップS5において、比較した2つのパスワードが同一でない場合には、禁則処理部15は印刷不可を示す画面を入出力部14に出力する(ステップS10)。そして、禁則処理部15は内部処理制御部12に印刷データの削除を通知し、内部処理制御部12が印刷データの削除処理を行なう(ステップS11)。
【0023】
なお、本実施形態においては、ステップS8において、印刷データに格納されているフォント識別情報を用いて、その印刷データが機密性の高い文書を印刷する為のデータであるか否かを判断しているが、フォント識別情報に限らず、印刷データの内容を示す情報(印刷内容特定情報)であれば他の情報よい。例えば、印鑑や証書の図柄、マークなどの情報であってもよい。そして、フォント識別情報以外の他の印刷内容特定情報を用いてステップS8の処理を行なう場合には、上述の処理同様に、記憶部13と印刷データとに含まれる印刷内容特定情報を比較して、印刷データが機密性の高い文書を印刷する為のデータであるか否かを判断する。
【0024】
なお、上述の印刷装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0025】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】印刷装置の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1・・・印刷装置、11・・・データ受信部、12・・・内部処理制御部、13・・・記憶部、14・・・入出力部、15・・・禁則処理部、16・・・禁則登録部、17・・・データ解析部、18・・・印刷制御部、19・・・印刷エンジン、2・・・ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの認証情報を予め記憶する認証情報記憶手段と、
印刷媒体を特定する印刷媒体特定情報を記憶する印刷媒体特定情報記憶手段と、
印刷内容を特定する印刷内容特定情報を記憶する印刷内容特定情報記憶手段と、
前記印刷媒体特定情報が格納される第1記憶領域と、前記印刷内容特定情報が格納される第2記憶領域と、を保持した印刷データを読み込む印刷データ読み込み手段と、
前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認する印刷媒体特定情報確認手段と、
前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認する印刷内容特定情報確認手段と、
前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合、または前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、前記ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認する認証手段と、
前記読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に前記印刷データを用いて印刷媒体に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合であって、かつ前記認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合には、前記印刷手段は、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報の印刷媒体に前記印刷データを用いて印刷する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されてない場合には、前記印刷手段は、前記ユーザから指示を受けた印刷媒体に前記印刷データを用いて印刷する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷内容特定情報は前記印刷データが示す文字のフォント情報であることを特徴とする請求項1から請求億3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記認証情報を格納する第3記憶領域を前記印刷データが保持し、
前記認証手段は前記印刷データから前記認証情報を読み込む
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
ユーザの認証情報を予め記憶する認証情報記憶手段と、
印刷媒体を特定する印刷媒体特定情報を記憶する印刷媒体特定情報記憶手段と、
印刷内容を特定する印刷内容特定情報を記憶する印刷内容特定情報記憶手段と、
を備えた印刷装置における印刷方法であって、
前記印刷装置の印刷データ読み込み手段が、前記印刷媒体特定情報が格納される第1記憶領域と、前記印刷内容特定情報が格納される第2記憶領域と、を保持した印刷データを読み込む印刷データ読み込み過程と、
前記印刷装置の印刷媒体特定情報確認手段が、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認する印刷媒体特定情報確認過程と、
前記印刷装置の印刷内容特定情報確認手段が、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認する印刷内容特定情報確認過程と、
前記印刷装置の認証手段が、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合、または前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、前記ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認する認証過程と、
前記印刷装置の印刷手段が、前記読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に前記印刷データを用いて印刷媒体に印刷する印刷過程と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
ユーザの認証情報を予め記憶する認証情報記憶手段と、
印刷媒体を特定する印刷媒体特定情報を記憶する印刷媒体特定情報記憶手段と、
印刷内容を特定する印刷内容特定情報を記憶する印刷内容特定情報記憶手段と、
を備えた印刷装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記印刷装置の印刷データ読み込み手段に、前記印刷媒体特定情報が格納される第1記憶領域と、前記印刷内容特定情報が格納される第2記憶領域と、を保持した印刷データを読み込ませる処理と、
前記印刷装置の印刷媒体特定情報確認手段に、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されているか否かを確認させる処理と、
前記印刷装置の印刷内容特定情報確認手段に、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されていない場合に、前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納されているか否かを確認させる処理と、
前記印刷装置の認証手段に、前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納される場合、または前記第1記憶領域に前記印刷媒体特定情報記憶手段の記憶する前記印刷媒体特定情報が格納されてなく、かつ前記第2記憶領域に前記印刷内容特定情報記憶手段の記憶する前記印刷内容特定情報が格納される場合、の何れか場合において、前記ユーザの認証情報を読み込み、当該読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致するか否かを確認させる処理と、
前記印刷装置の印刷手段に、前記読み込んだ認証情報が前記認証情報記憶手段で記憶する認証情報と一致する場合に前記印刷データを用いて印刷媒体に印刷させる処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−27047(P2006−27047A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208459(P2004−208459)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】