説明

印刷装置

【課題】複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して効率よく実行することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】ホスト20やサーバ30から入力された入力画像データをデータ処理部50で解析し、解析結果に基づいて画像展開処理部54により所定の画像データに展開し、展開された画像データを順次印刷処理部により連帳状の記録媒体に印刷する際に、結合処理制御部60により、入力画像データに含まれるページ単位のデータ(論理ページデータ)を、予め設定されたページ数分結合して1ページとする結合処理を行い、得られた結合ページデータ単位で画像展開処理部54に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づく画像を連帳用紙に印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連帳用紙を用いた印刷装置(以下、「連帳用紙プリンタ」という)は、装置内を一定の速度で搬送される連帳用紙に、入力画像データ上のページ(論理ページ)単位で画像処理を施した画像データを論理ページのサイズに応じて連帳用紙上に印刷し、その後に適宜連帳用紙をカットするものが一般的である。
【0003】
この種の連帳用紙プリンタは、しばしばネットワーク等を介してホストやサーバと接続されてプリントシステムに用いられる。この種のプリントシステムに適用される連帳用紙プリンタにおいては、印刷処理を効率よく実行することが要求される。
【0004】
この印刷処理の効率向上の観点から、連帳用紙プリンタにおいて1つの印刷ジョブを実行する場合、印刷処理を連続して実行することが好ましい。
【0005】
ここで、複数ページの印刷ジョブを実行する場合、各論理ページの画像処理に要する時間には各ページの内容によってバラつきがある。
【0006】
一方、論理ページ1ページの印刷に要する時間は、連帳用紙の搬送速度及び論理ページのサイズに応じて、導出できる。すなわち、上述したように連帳用紙の搬送速度は一定であるので、同一のサイズのページを印刷する場合、各ページの印刷に要する時間は一定となる。この論理ページの印刷に要する時間は、論理ページの連帳用紙搬送方向長さが短ければ短いほど、短くなる。
【0007】
印刷に要する時間が短くなると、印刷処理に要する時間よりも画像処理に要する時間の方が長くなる可能性が大きくなる。この場合、画像処理が終了するまで印刷処理及び搬送処理は待機することになり、連続して搬送処理及び印刷処理を実行することができない。
【0008】
これに適用しうる技術として、従来、連続紙に印刷を行い、ミシン目で連続紙を裁断するプリンタ装置において、1ミシン目間隔内に複数ページ分の画像を印刷する場合に、複数ページ分の画像処理を実行した後に印刷処理を実行することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−297589公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、単にNページ分の論理ページを1ページに割り付けて印刷する所謂Nアップ機能を実行するものであり、複数ページの印刷ジョブにおいて、画像処理と印刷処理とを効率よく実行することはできない、という問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して効率よく実行することができる印刷装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、外部から入力された入力画像データを展開手段により所定の出力画像データに展開し、展開された出力画像データを順次印刷手段により連帳状の記録媒体に印刷する印刷装置であって、前記入力画像データに含まれるページ単位のデータを、予め設定されたページ数分結合し、この結合により得られた結合ページ単位で入力画像データを前記展開手段に出力するページ結合手段を備えている。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、外部から入力された入力画像データに基づく画像を連帳状の記録媒体に印刷するに際し、ページ結合手段により、前記入力画像データに含まれるページ単位のデータを、予め設定されたページ数分結合し、この結合により得られた結合ページ単位で入力画像データを展開手段に出力するようにしているので、展開手段では、入力された結合ページ単位で所定の出力画像データへの展開が行なわれ、印刷手段では、展開された出力画像データが順次印刷されるので、展開処理時間の各ページ間のばらつきを平滑化することができる。
【0013】
したがって、展開処理時間のばらつきに起因する印刷処理の待機・中断を防止することができ、複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して効率よく実行することができる。
【0014】
請求項2の発明は、前記ページ結合手段による前記結合処理の実行を指示するための指示手段を更に備え、前記ページ結合手段は、前記指示手段により前記結合処理の実行が指示された場合に、前記結合処理を実行することを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1におけるページ結合手段による結合処理は、指示手段により指示された場合に実行されるので、通常の印刷処理と結合処理による印刷処理とを選択的に実行させることができる。
【0016】
請求項3の発明は、前記指示手段は、前記結合処理において結合するページ数を設定可能に構成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、請求項2における指示手段により結合するページ数を設定可能であるので、画像処理時間のばらつきの度合いに応じて適宜ページ数を設定することで、より効率的に複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して実行することができる。
【0018】
請求項4の発明は、前記ページ結合手段による前記結合処理を実行するための予め設定された結合条件を満たすか否かを判定する判定手段を更に備え、前記ページ結合手段は、前記判定手段により前記結合処理を実行すると判定された場合に、前記結合処理を実行することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1におけるページ結合手段による結合処理は、予め設定された結合条件を満たす場合に実行されるので、予め効率的に処理が実行できるような結合条件を設定しておくことにより、複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して効率よく実行することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、4の何れか1項記載の発明において、結合処理において結合するページ数は、前記展開手段による展開時間が印刷時間よりも短くなるように設定されていることを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、結合ページの展開時間が、結合ページの印刷時間よりも短くなるように設定されるので、より効率的に複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して実行することができる。
【0022】
請求項6の発明は、前記入力画像データに対する各種処理の実行中に当該入力画像データが失われた場合、全ての処理がまだ完了していないページの入力画像データの再入力を外部に要求するリカバリ処理を実行するリカバリ手段を更に備え、前記リカバリ手段は、前記ページ結合手段による前記結合処理を実行している入力画像データについてリカバリ処理を実行する場合に、前記結合ページ単位で前記入力画像データの外部への再入力を要求することを特徴としている。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、結合処理の実行時に、失われた入力画像データの再入力の要求を実行する際に、入力画像データのうち全ての処理が完了していない結合ページについて、結合ページ単位で再入力を要求するようにしているので、結合処理の実行中にリカバリ処理を行って再度印刷の処理を実行する場合でも、結合処理に特有の処理を付加する必要がない。
【発明の効果】
【0024】
以上説明した如く本発明は、複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して効率よく実行することができる印刷装置を提供する、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1は、本実施の形態に係る連帳用紙プリンタ10の構成を示す概略図であり、以下、連帳用紙プリンタ10の概略構成について説明する。
【0026】
同図に示されるように、連帳用紙プリンタ10には、ホスト20及びサーバ30が通信媒体を介して接続されており、入力画像データが入力されるようになっている。
【0027】
なお、通信媒体としては、有線通信を行うケーブル等の他、ブルートゥース(Bluetooth)、IrDA(Infrared Data Association)規格等に代表される無線通信を行うための赤外線、電波等を適用することができる。
【0028】
また、連帳用紙プリンタ10には、印刷処理等に用いる各種パラメータや指示情報等を設定するための操作パネル12が設けられている。
【0029】
連帳用紙プリンタ10は、データ処理部50、ページバッファ52、画像展開処理部54及び印刷処理部56を含んで構成されている。
【0030】
データ処理部50は、ホスト20やサーバ30から入力された入力画像データに含まれるコマンドを解析して、入力画像データを文字領域と画像領域とに分類し、ページバッファ52に出力する。
【0031】
ページバッファ52では、入力画像データをページ単位でバファリングするようになっており、複数ページのページデータが格納され、FIFO(First In First Out)形式で読出される。
【0032】
また、画像展開処理部54では、ページデータを印刷処理時のページ単位でビットマップデータに展開するビットマップメモリとして構成されており、当該画像展開処理部54で展開されたページデータは、印刷制御部56に出力される。
【0033】
印刷処理部56では、印刷処理時のページ単位でビットマップ展開されたページデータに基づいて連帳用紙に画像を形成する。
【0034】
図2(A)には、本実施の形態に係る連帳用紙プリンタ10における画像展開処理部54及び印刷処理部56の可動状態の一例がタイムチャートとして示されている。なお、同図に示す例では、同一サイズの6ページ分のデータを処理している。
【0035】
同図に示されるように、画像展開処理部54によるビットマップ展開が終了したページから順次印刷処理部56による印刷処理が開始される。
【0036】
ここで、以下の表1には、同図に示した処理時間が示されている。連帳用紙プリンタ10においては、印刷処理時間は用紙の搬送速度とページサイズとによって決定できる。上述したように、各ページのサイズは同一であるので、表1に示されるように、印刷処理時間は何れのページも90msecで共通である。
【0037】
一方、画像展開処理時間は、各ページを構成するオブジェクトの種類や、オブジェクトの数等によって異なる。すなわち、オブジェクトが画像である場合には、文字よりも展開処理時間が長くなる場合がある。また、オブジェクトが多いほど、展開処理時間が長くなる。
【0038】
【表1】


例えば、表1の3ページ目のように、画像展開処理時間が95msecであり、前のページの印刷処理時間90msecよりも長い場合には、図2(A)にWで示すように印刷処理に待機時間が発生する。
【0039】
ここで、待機時間Wにおいては、連帳用紙の搬送を一時的に停止するなど、モータ等の搬送駆動系(図示省略)の動作制御を頻繁に切り替える必要がある。このような切り替え動作は、効率的な印刷処理を妨げることになる。
【0040】
そこで、図2(B)に示されるように、本実施の形態では、連帳用紙プリンタ10において、印刷処理を連続して実行すべく、複数のページデータ(同図に示す例では、3ページ)をまとめた結合ページ単位で画像処理を実行するようにしている。同図に示されるように、結合ページ単位で画像展開処理及び印刷処理を実行した場合、各ページ毎の画像展開処理時間のばらつきが平均化されることになり、印刷処理を連続的に実行することができるようになる。
【0041】
なお、以下では、入力画像データにおけるページを論理ページ、複数の論理ページを結合して得られたページを結合ページとして説明する。
【0042】
以下の表2に、上記表1に示した印刷ジョブに対して結合処理を実行した場合の処理時間が、一例として示されている。
【0043】
同表に示されるように、結合処理を実行することにより、ページ毎にばらつきがあった画像展開処理時間が平均化され、連続印刷が実行可能になる。
【0044】
【表2】


図1に示されるように、本実施の形態に係る連帳用紙プリンタ10は、結合処理制御部60、入力ページ管理部62、出力ページ管理部64及びパラメータ記憶部66を含んで構成されている。入力ページ管理部62はデータ処理部50及び結合処理制御部60に、出力ページ管理部64は印刷処理部56及び結合処理制御部60に、パラメータ記憶部66は操作パネル及び結合処理部60に、それぞれ接続されている。
【0045】
パラメータ記憶部66には、結合フラグメモリ及び結合枚数設定メモリが含まれており、結合フラグメモリは、操作パネル12を介して結合処理の実行指示が設定された場合にOn状態となり、結合処理の実行指示が解除された場合にOff状態となる。また、結合枚数設定メモリは、操作パネル12を介して設定される結合処理を実行する場合の結合枚数を記憶するようになっている。
【0046】
また、入力ページ管理部62は、カウンタ機能を備えており、データ処理部50においてページバッファ52に対するページデータの格納が実行される毎にカウントアップされる。
【0047】
さらに、出力ページ管理部64もカウンタ機能を備えており、印刷処理部56から、印刷処理が完了したことを示す完了信号が入力される毎にカウントアップされる。
【0048】
結合処理制御部60は、パラメータ記憶部66に格納された結合フラグメモリの状態に応じて、ページバッファ52に格納されたページデータを画像展開処理部54に出力する。すなわち、結合フラグメモリがOnであれば上述した結合枚数設定メモリに記憶された結合枚数の論理ページのページデータをまとめて結合ページ1ページ分のデータとする結合処理を実行して結合ページ単位で1ページ分ずつ画像展開処理部54に出力する。また、結合フラグメモリがOffであれば、結合処理を実行することなく論理ページ単位で1ページ分ずつ画像展開処理部54に出力する。
【0049】
また、結合処理制御部60では、結合処理を実行した場合に、結合枚数を示す情報を出力ページ管理部64に入力する。これにより、出力ページ管理部64では、印刷処理部56から完了信号が入力された場合に、結合枚数に応じてカウントアップを実行する。
【0050】
以下、本実施の形態の作用を説明する。
【0051】
連帳用紙プリンタ10では、ホスト20やサーバ30から印刷ジョブが入力されると、入力処理を実行する。
【0052】
図3は、印刷ジョブが入力された場合に、主としてデータ処理部50により実行される入力処理の流れを示すフローチャートであり、以下、同図を参照して、本実施の形態に係る入力処理について説明する。
【0053】
まず、ステップ200では、データ受信を行い、次のステップ202では、データ処理として、受信したデータに含まれるコマンドの解析や解析に基づく文字と画像との分類等を実行する。
【0054】
次のステップ204では、受信したデータをページ単位でページバッファ52に格納し、その後にステップ206に移行して、入力ページ管理部62のカウンタ機能を用いて入力ページ数Piをカウントアップして、次のステップ208に移行して、ページバッファ52がフルになったか否かを判定する。
【0055】
すなわち、ページバッファ52は、予め設定された複数のページデータが格納されると、ページデータが読み出されることにより記憶状態を変更可能な状態にならない限り、それ以上ページデータを記憶することができない。
【0056】
上記ステップ208で肯定判定となった場合は、ページバッファ52に最もはじめに格納したページデータが読み出されてページバッファがフルの状態ではなくなるのを待ち、当該ステップ208で否定判定となった場合には再びステップ200に戻る。
【0057】
また、連帳用紙プリンタ10では、この入力処理と併行して、出力処理が実行されるようになっている。
【0058】
図4は、出力処理の流れを示すフローチャートであり、以下、同図を参照して、本実施の形態に係る出力処理について説明する。
【0059】
まず、ステップ220では、ページバッファ52にページデータが格納されているか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ220に戻る。
【0060】
一方、ステップ220で肯定判定となった場合はステップ222に移行して、パラメータ記憶部66に格納された結合フラグがOnか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ224に移行する。
【0061】
ステップ224では、パラメータ記憶部66から結合枚数設定を読出し、その後にステップ226に移行して、ページバッファ52に結合枚数分のページデータが記憶されているか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は、この時点では結合処理を実行しないものと判断して、再びステップ220に戻る。
【0062】
ステップ226で肯定判定となった場合は、ステップ228に移行して、設定された結合枚数に応じた数の論理ページをまとめて1ページの結合ページとして画像展開処理部54に送信し、その後にステップ230に移行する。
【0063】
ステップ230では、入力された結合ページのビットマップ画像展開を実行し、その後にステップ232に移行して、結合ページの印刷を実行した後に、ステップ234に移行する。
【0064】
ステップ234では、結合ページに含まれる論理ページ数分だけ出力ページ数Poをカウントアップし、その後、再びステップ220に戻る。
【0065】
一方、ステップ222で否定判定となった場合は、結合処理を実行しないものと判断してステップ236に移行して、結合処理が施されることなく画像展開処理部54に入力された論理ページを対象として画像展開処理を実行し、その後にステップ238に移行して、論理ページ単位で印刷を実行した後にステップ240に移行して、出力ページPoを1だけカウントアップし、その後に再びステップ220に戻る。
【0066】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、ホスト20やサーバ30から入力された入力画像データをデータ処理部50で解析し、解析結果に基づいて画像展開処理部54により出力画像データに展開し、展開された出力画像データを順次印刷処理部により連帳状の記録媒体に印刷する際に、結合処理制御部60により、入力画像データに含まれるページ単位のデータ(論理ページデータ)を、予め設定されたページ数分結合して1ページとする結合処理を行い、得られた結合ページデータを画像展開処理部54に出力するようにしているので、画像展開処理部54では、入力された結合ページ単位で画像展開が行なわれ、印刷処理部56では、展開された画像が順次印刷されるので、展開処理時間の各ページ間のばらつきを平滑化することができる。
【0067】
したがって、展開処理時間のばらつきに起因する印刷処理の待機・中断を防止することができ、複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して効率よく実行することができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、操作パネル12を介して結合処理の実行が指示された場合に、結合処理制御部60による結合処理が実行されるので、通常の印刷処理と結合処理による印刷処理とを選択的に実行させることができる。
【0069】
さらに、本実施の形態によれば、操作パネル12により結合するページ数を設定可能であるので、画像処理時間のばらつきの度合いに応じて適宜ページ数を設定することで、より効率的に複数ページの印刷ジョブの印刷処理を連続して実行することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、操作パネル12により結合フラグのOn/Offを設定する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
例えば、連帳用紙プリンタ10内部で結合処理を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
【0072】
図5には、連帳用紙プリンタ10内部で結合処理を実行するか否かを判定する場合の出力処理の流れが示されている。以下、同図を参照して、他の形態に係る連帳用紙プリンタ10の出力処理について説明する。
【0073】
まず、ステップ400では、ページバッファ52にページデータが格納されているか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ400に戻る。
【0074】
一方、ステップ400で肯定判定となった場合はステップ402に移行して、入力ページ数Piと出力ページ数Poの差Xを導出し、次のステップ404に移行して、差Xが予め設定された閾値Pcよりも小さいか否かを判定する。
【0075】
なお、当該閾値Pcとしては、ページバッファ52の容量に応じて、結合処理を実行するのに十分な空き容量が確保できる値を適宜設定することができる。
【0076】
ステップ404で肯定判定となった場合はステップ405に移行して、結合フラグをOn状態に設定し、その後にステップ407に移行する。
【0077】
一方、ステップ404で否定判定となった場合は、結合処理を実行しないものと判断してステップ406に移行して、結合フラグをOff状態に設定し、その後にステップ407に移行する。
【0078】
ステップ407では、結合フラグがOnか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は、結合処理を実行して印刷ジョブを処理すべくステップ408に移行する。
【0079】
ステップ408では、パラメータ記憶部66から結合枚数設定を読出し、その後にステップ410に移行して、ページバッファ52に結合枚数分のページデータが記憶されているか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は、この時点では結合処理を実行しないものと判断して、再びステップ400に戻る。
【0080】
ステップ410で肯定判定となった場合は、ステップ412に移行して、設定された結合枚数に応じた数の論理ページをまとめて1ページの結合ページとして画像展開処理部54に送信し、その後にステップ414に移行する。
【0081】
ステップ414では、入力された結合ページの画像展開を実行し、その後にステップ416に移行して、結合ページの印刷を実行した後に、ステップ418に移行する。
【0082】
ステップ418では、結合ページに含まれる論理ページ数分だけ出力ページ数Poをカウントアップし、その後、再びステップ400に戻る。
【0083】
一方、上記ステップ407で否定判定となった場合は、結合処理を実行しないものと判断してステップ422に移行する。これにより、ページバッファ52に記憶されたページデータは、結合処理が施されることなく、論理ページ単位で画像展開処理部54に入力される。
【0084】
ステップ422では、論理ページ単位で画像展開処理を実行し、その後にステップ424に移行して、論理ページ単位で印刷を実行した後にステップ426に移行して、出力ページPoを1だけカウントアップし、その後に再びステップ400に戻る。
【0085】
なお、同図に示す例では、入力ページ数Piと出力ページ数Poとの差Xに応じて結合処理の実行可否を判定する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、結合条件は、入力画像データの総ページ数や論理ページのサイズ等、適宜設定し得る。
【0086】
すなわち、入力画像データの総ページ数が多いほど画像展開時間のばらつきが大きいとも考えられ、また、上述したように、論理ページのサイズが小さいほど画像展開時間が印刷時間を上回る場合が多いと考えられるからである。
【0087】
また、上記実施の形態に係る連帳用紙プリンタ10では、出力処理を実行中に連帳用紙の搬送ジャムや各種エラー等の発生により当該出力処理が中断されると、プリンタ全体の動作を司る制御部(図示省略)等により、ホスト20やサーバ30からデータを再受信するリカバリ処理が実行される。連帳用紙プリンタ10では、結合フラグがOn状態で動作中にリカバリ処理を実行する場合には、結合ページ単位でデータを再受信する必要がある。しかし、結合フラグがOn状態の場合、ホスト20やサーバ30と連帳用紙プリンタ10内部とでは、異なるページ単位でデータを取り扱うことになる。したがって、この場合は、再受信したい結合ページに含まれる論理ページのデータについての再送要求をホスト20やサーバ30に出力することが好ましい。これにより、送信側と受信側、双方のページ管理単位の相違に起因してリカバリが不可能となることを防止することができる。
【0088】
なお、上記実施の形態に係る連帳用紙プリンタ10の構成(図1参照)は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0089】
また、上記実施の形態に係る各処理の流れ(図3乃至図5参照)も一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施の形態に係る連帳用紙プリンタの構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態に係る画像展開処理及び印刷処理の実行タイミングを示すタイムチャートである。
【図3】実施の形態に係る入力処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施の形態に係る出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】他の形態に係る入力処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 連帳用紙プリンタ
12 操作パネル(指示手段)
20 ホスト
30 サーバ
50 データ処理部
52 ページバッファ
54 画像展開処理部(展開手段)
56 印刷処理部(印刷手段)
60 結合処理制御部(ページ結合手段)
62 入力ページ管理部
64 出力ページ管理部
66 パラメータ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力された入力画像データを展開手段により所定の出力画像データに展開し、展開された出力画像データを順次印刷手段により連帳状の記録媒体に印刷する印刷装置であって、
前記入力画像データに含まれるページ単位のデータを、予め設定されたページ数分結合し、この結合により得られた結合ページ単位で入力画像データを前記展開手段に出力するページ結合手段を備えた印刷装置。
【請求項2】
前記ページ結合手段による前記結合処理の実行を指示するための指示手段を更に備え、
前記ページ結合手段は、前記指示手段により前記結合処理の実行が指示された場合に、前記結合処理を実行することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記指示手段は、前記結合処理において結合するページ数を設定可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記ページ結合手段による前記結合処理を実行するための予め設定された結合条件を満たすか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記ページ結合手段は、前記判定手段により前記結合処理を実行すると判定された場合に、前記結合処理を実行することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
前記結合処理において結合するページ数は、前記展開手段による展開時間が印刷時間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4の何れか1項記載の印刷装置。
【請求項6】
前記入力画像データに対する各種処理の実行中に当該入力画像データが失われた場合、全ての処理がまだ完了していないページの入力画像データの再入力を外部に要求するリカバリ処理を実行するリカバリ手段を更に備え、
前記リカバリ手段は、前記ページ結合手段による前記結合処理を実行している入力画像データについてリカバリ処理を実行する場合に、前記結合ページ単位で前記入力画像データの再入力を外部に要求することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−44122(P2008−44122A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219224(P2006−219224)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】