説明

印刷装置

【課題】交換部品から各種の情報を読み出す印刷装置等を提供すること。
【解決手段】MFPは、ICチップを備えた複数種類のカートリッジを取付けることが可能であり、カートリッジの種類の各々に対応した複数の挿入口を備える。挿入口を介して、挿入口に取付けられているカートリッジに備えられたICチップと通信するASICを備える。ASICに備えられる複数の第1端子と複数の挿入口の各々とを接続する複数の第1信号線を備える。ASICに備えられる複数の第2端子と複数の挿入口の各々とを接続する複数の第2信号線を備える。複数の挿入口は、第1信号線が共通の第1端子に接続されているグループを複数形成する。1のグループに属する複数の挿入口の各々の第2信号線は、互いに別の第2端子に接続されるとともに、他のグループに属する挿入口の第2信号線が接続されている第2端子に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、交換部品から各種の情報を読み出す印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脱着可能な交換部品(例:インクカートリッジ)から所定の情報を読み出す印刷装置が提案されている。例えば、インクカートリッジには、記憶素子(例:ICチップ)が備えられている。記憶素子には、インクの色やメーカー純正品であるか否かなどに関する、カートリッジ情報が記憶されている。また、カートリッジが取付けられる取付部には、カートリッジの記憶素子との通信に用いられる部品(例:電極)が備えられている。そして印刷装置の集積回路は、取付部に取付けられたインクカートリッジからカートリッジ情報を読み出し、印刷実行の可否を判断したり、各種の報知を行なう。
【0003】
印刷装置に複数の取付部がある場合には、カートリッジが正しい対応関係を有する取付部に取付けられているか否かを認識する、認識技術が用いられる場合がある。認識技術の第1の例として、取付部の各々に対応して集積回路が複数の端子を備えており、取付部と端子とを個別の信号線で接続し、通信を実行する技術が挙げられる。また、認識技術の第2の例として、特許文献1に開示されている、複数の取付部を順次直列に接続し、複数の取付部の各々とシリアル信号によって通信を実行する技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−1208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した認識技術の第1の例では、集積回路の端子数が増加する。また、上述した認識技術の第2の例では、シリアル信号を取り扱うための、レジスタやセレクタ等の各種の回路が必要となる。よって、これらの技術では、集積回路のサイズが拡大してしまう問題や、製造コストが上昇してしまう問題が発生する。本明細書では、このような問題を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に記載の印刷装置は、カートリッジに収容された印刷材料を用いて被記録媒体に印刷を行う印刷装置であって、カートリッジ情報を記憶するための記憶素子を備えた複数種類の第1カートリッジを取付けることが可能であり、第1カートリッジの種類の各々に対応した複数の第1取付部と、第1取付部を介して、第1取付部に取付けられている第1カートリッジに備えられた記憶素子と通信する通信手段と、通信手段に備えられる複数の第1端子と複数の第1取付部の各々とを接続する複数の第1信号線と、通信手段に備えられる複数の第2端子と複数の第1取付部の各々とを接続する複数の第2信号線と、を備え、複数の第1取付部は、第1信号線が共通の第1端子に接続されているグループを複数形成し、1のグループに属する複数の第1取付部の各々の第2信号線は、互いに別の第2端子に接続されるとともに、他のグループに属する第1取付部の第2信号線が接続されている第2端子に接続されることを特徴とする。
【0007】
本願に記載の印刷装置では、1のグループに属する複数の第1取付部の各々は、第1信号線を介して、1つの第1端子に共通に接続される。また、1のグループに属する複数の第1取付部の各々は、第2信号線を介して、互いに異なる複数の第2端子の各々に接続される。すると、第1信号線を用いることによって1のグループを特定するとともに、第2信号線を用いることによって1のグループ内から特定の第1取付部を特定することができる。すなわち、第1信号線と第2信号線の組み合わせによって、カートリッジ情報を読み出した第1取付部を一義的に識別することができる。これにより、通信手段に備えられる第1端子および第2端子の各々は、必ず複数の第1取付部によって共用されることになるため、通信手段の端子数が増加してしまう事態を防止することが可能となる。また、第2信号線は、複数の第1取付部の各々に対して1対1に備えられているため、第1取付部の各々と通信する際にシリアル通信が必要とされず、シフトレジスタ等の回路を不要とすることができる。よって、第1取付部と通信するための回路が複雑化してしまう事態を防止できる。
【0008】
また、請求項2に記載の印刷装置では、特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが、特定の第1取付部に取付けられていない場合には、その旨をユーザ等に報知することができる。これにより、第1取付部の種類に対応しない種類の第1カートリッジが第1取付部に取付けられてしまう結果、印刷装置が故障等してしまう事態を防止できる。
【0009】
また、請求項3に記載の印刷装置では、特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが、他の第1取付部に取付けられている旨を、ユーザ等に報知することができる。これによりユーザは、間違った種類の第1カートリッジが取付けられている第1取付部を容易に見つけ出すことが可能となる。
【0010】
また、請求項4に記載の印刷装置では、複数の第1取付部の何れに間違った種類の第1カートリッジが取付けられている場合においても、その第1取付部をユーザ等に報知することができる。これによりユーザは、間違った種類の第1カートリッジが取付けられている第1取付部を容易に見つけ出すことが可能となる。
【0011】
また、請求項5に記載の印刷装置では、特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが、何れの第1取付部にも取付けられていない場合には、その旨をユーザ等に報知することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0012】
また、請求項6に記載の印刷装置では、命令信号を第1信号線を介して送信し、カートリッジ情報を第2信号線を介して受信することで、特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが、特定の第1取付部に取付けられているか否かを判断することができる。
【0013】
また、請求項7に記載の印刷装置では、アクティブ信号を第1信号線を介して送信し、動作信号を第2信号線を介して送信することで、特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが、特定の第1取付部に取付けられているか否かを判断することができる。
【0014】
また、請求項8に記載の印刷装置では、第2取付部を、複数の第1取付部からなるグループに追加することができる。そして、第2カートリッジは第2取付部にしか取付けることができないため、第2取付部に取付けられているカートリッジの種類を通信によって識別する必要はない。よって、第1取付部が使用している第1端子および第2端子を、第2取付部にも流用することができる。これにより、通信手段の端子数が増加してしまう事態を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】MFPのブロック図である。
【図2】MFPの動作フローチャートを示す図である。
【図3】MFPの動作フローチャートを示す図である。
【図4】テーブルの一例を示す図である。
【図5】MFPのブロック図である。
【図6】MFPのブロック図である。
【図7】MFPのブロック図である。
【図8】MFPのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<MFPの構成>
図1に、本願に係る実施形態として例示されるMFP(Multifunction Peripheral)51の構成の一部を抜粋したブロック図を示す。MFP51は、カートリッジに収容されたインクを用いて印刷を行う印刷機能を備える装置である。MFP51は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)32、記憶部33、ボタン入力部38、パネル39、キャリッジ68を主に備えている。なお、MFP51はさらに、印刷を実行するプリンタ部や、原稿スキャンを実行するスキャナ部などを備えるが、図1においては図示を省略する。ASIC32は、後述する各種の処理を実行するための集積回路である。ボタン入力部38は、MFP51の各機能を実行するためのキーである。パネル39は、MFP51の各種機能情報を表示する。ボタン入力部38およびパネル39は、ASIC32に接続される。
【0017】
キャリッジ68は、カートリッジを装着するための部位である。キャリッジ68は、挿入口60C、60M、60Y、60Kを備える。挿入口60C、60M、60Y、60Kの各々は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、の各色に対応する挿入口である。そして、挿入口60C、60M、60Y、60Kの各々に対応して、カートリッジ64C、64M、64Y、64Kが着脱自在に取付けられる。カートリッジ64C、64M、64Y、64Kの各々は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、の各色のインクが収容されているカートリッジである。よって、挿入口60Cとカートリッジ64Cの組合せ、挿入口60Mとカートリッジ64Mの組合せ、挿入口60Yとカートリッジ64Yの組合せ、挿入口60Kとカートリッジ64Kの組合せ、が正しい色の組合せである。また、カートリッジ64C、64M、64Y、64Kは、正しい色の組合せの挿入口以外の何れの挿入口にも、取付けることが可能とされている。
【0018】
カートリッジ64C、64M、64Y、64Kの各々は、ICチップ63C、63M、63Y、63Kを備える。これらのICチップは、カートリッジに関する各種の情報である、カートリッジ情報を記憶するための記憶素子である。カートリッジ情報は、カートリッジ色情報、適合情報、カートリッジ識別情報などを含んでいる。カートリッジ色情報は、カートリッジに収容されているインクの色種類についての情報である。適合情報は、カートリッジがMFP51に適合しているか否か(すなわち、MFP51の製造メーカーの純正品であるか否か)についての情報である。カートリッジ識別情報は、カートリッジを識別するための情報である。カートリッジ識別情報の例としては、製造シリアル番号が挙げられる。
【0019】
挿入口の構造について、挿入口60Cを例として説明する。挿入口60Cには、カートリッジのICチップに対応して、第1電極61Cおよび第2電極62Cが備えられている。ICチップ63Cは、第1電極61Cおよび第2電極62Cの各々に対応して、複数のパッド部(不図示)を備えている。そして、カートリッジ64Cが挿入口60Cに正しく装着されたとき、ICチップ63Cの複数のパッド部の各々が、第1電極61Cおよび第2電極62Cと接触する。これにより、第1信号線L11および第2信号線L21を用いて、ASIC32とICチップ63Cとの通信が可能となる。なお、挿入口60M、60Y、60Kの各構成についても、挿入口60Cと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0020】
ASIC32は、第1端子T11、T12と、第2端子T21、T22を備える。第1端子T11は、第1信号線L11によって第1電極61Cおよび61Mに接続される。第1端子T12は、第1信号線L12によって第1電極61Yおよび61Kに接続される。第2端子T21は、第2信号線L21によって第2電極62Cおよび62Yに接続される。第2端子T22は、第2信号線L22によって第2電極62Mおよび62Kに接続される。ASIC32は、第1端子T11およびT12を介して、各種のコマンドを出力する。第1信号線L11は、第1端子T11から出力されるコマンドを、ICチップ63Cおよび63Mに伝達する。第1信号線L12は、第1端子T12から出力されるコマンドを、ICチップ63Yおよび63Kに伝達する。ICチップ63C、63M、63Y、63Kは、入力されるコマンドに対する応答として、各種の出力信号を出力する。第2信号線L21は、ICチップ63Cおよび63Yから出力される出力信号を、第2端子T21へ伝達する。また第2信号線L22は、ICチップ63Mおよび63Kから出力される出力信号を、第2端子T22へ伝達する。
【0021】
第1信号線および第2信号線の配線形態を説明する。図1に示すように、第1信号線L11が共通の第1端子T11に接続されている挿入口60Cおよび60Mによって、グループG1が形成される。また、第1信号線L12が共通の第1端子T12に接続されている挿入口60Yおよび60Kによって、グループG2が形成される。
【0022】
グループG1に属する挿入口60Cの第2信号線L21と、グループG1に属する挿入口60Mの第2信号線L22とは、異なる第2端子(第2端子T21およびT22)に接続されている。ここで、グループG1に属する挿入口60Cの第2信号線L21が接続されている第2端子T21は、他グループであるグループG2に属する挿入口60Yの第2信号線L21が接続されている端子である。また、グループG1に属する挿入口60Mの第2信号線L22が接続されている第2端子T22は、他グループであるグループG2に属する挿入口60Kの第2信号線L22が接続されている端子である。
【0023】
同様にして、グループG2に属する挿入口60Yの第2信号線L21と、グループG2に属する挿入口60Kの第2信号線L22とは、異なる第2端子(第2端子T21およびT22)に接続されている。ここで、グループG2に属する挿入口60Yの第2信号線L21が接続されている第2端子T21は、他グループであるグループG1に属する挿入口60Cの第2信号線L21が接続されている端子である。また、グループG2に属する挿入口60Kの第2信号線L22が接続されている第2端子T22は、他グループであるグループG1に属する挿入口60Mの第2信号線L22が接続されている端子である。
【0024】
記憶部33は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)、などが組み合わされて構成されている。また記憶部33は、テーブルTB1を記憶する。図4に、テーブルTB1の一例を示す。テーブルTB1は、挿入口60C、60M、60Y、60Kの各々について、挿入口番号120、対応カートリッジ情報121、カートリッジ取付情報114、を記憶する。挿入口番号120は、挿入口60C、60M、60Y、60Kの各々に対して割り当てられている連続番号である。対応カートリッジ情報121は、挿入口60C、60M、60Y、60Kの各々に対して、挿入口の色と一致する色のカートリッジ(すなわち、正しい色の組合せとなるカートリッジ)を示す情報である。カートリッジ取付情報114は、挿入口の色と一致する色のカートリッジが取付けられているか否かを示す情報である。
【0025】
<MFPの動作>
MFP51の動作を、図2および図3のフローを用いて説明する。図2および図3のフローは、MFP51の電源投入時や、MFP51のカバーが閉じられた場合などに動作するフローである。
【0026】
S9においてASIC32は、テーブルTB1(図4)の挿入口番号120の最初の順番に対応する挿入口を、特定挿入口に設定する。またASIC32は、特定挿入口に対応する特定カートリッジを特定する。ここで、特定カートリッジは、挿入口の色と一致する色のカートリッジである。また、特定挿入口は、特定カートリッジが挿入されているか否かの確認を行う対象の挿入口である。
【0027】
S11において、ASIC32は、特定挿入口が属しているグループである特定グループに共通接続されている第1信号線へ、特定カートリッジの読み出しコマンドを送信する。読み出しコマンドは、特定カートリッジ(特定挿入口の色と同一色のカートリッジ)に対して、カートリッジ色情報を応答として出力させるためのコマンドである。
【0028】
S13において、ASIC32は、特定挿入口の第2信号線が接続されている第2端子で、カートリッジ色情報が受信されたか否かを判断する。受信されない場合(S13:NO)にはS19へ進み、受信できた場合(S13:YES)にはS15へ進む。S15においてASIC32は、特定挿入口の色と同一色のカートリッジが、特定挿入口に正しく挿入されている旨を、パネル39に表示する。S17においてASIC32は、テーブルTB1において、特定挿入口のカートリッジ取付情報114を「正常」に設定する。そしてS19へ進む。
【0029】
S19において、ASIC32は、特定グループ内の他の挿入口の第2信号線が接続されている第2端子で、カートリッジ色情報が受信されたか否かを判断する。受信された場合(S19:YES)にはS23へ進み、ASIC32は、当該他の挿入口に特定カートリッジが誤って挿入されている旨を、パネル39に表示する。そしてS55(図3)へ進む。
【0030】
一方、S19においてカートリッジ色情報が受信されない場合(S19:NO)には、S31(図3)へ進む。S31において、ASIC32は、特定グループ以外の他グループに共通接続されている第1信号線へ、特定カートリッジの読み出しコマンドを送信する。
【0031】
S33において、ASIC32は、他グループの1つ目の挿入口が接続されている第2端子で、カートリッジ色情報が受信されたか否かを判断する。受信された場合(S33:YES)にはS37へ進み、ASIC32は、他グループ内の1つ目の挿入口に、特定カートリッジが誤って挿入されている旨を、パネル39に表示する。そしてS55へ進む。
【0032】
一方、S33においてカートリッジ色情報が受信されない場合(S33:NO)には、S39へ進む。S39において、ASIC32は、他グループ内の2つ目の挿入口が接続されている第2端子で、カートリッジ色情報が受信されたか否かを判断する。受信された場合(S39:YES)にはS43へ進み、ASIC32は、他グループ内の2つ目の挿入口に、特定カートリッジが誤って挿入されている旨を、パネル39に表示する。そしてS55へ進む。
【0033】
一方、S39においてカートリッジ色情報が受信されない場合(S39:NO)には、S45へ進み、特定挿入口のカートリッジ取付情報114(図4)が「正常」に設定されているか否かを判断する。「正常」である場合(S45:YES)にはS55へ進み、「正常」ではない場合(S45:NO)にはS53へ進む。S53において、ASIC32は、挿入口60C、60M、60Y、60Kの何れにも特定カートリッジが挿入されていない旨を、パネル39に表示する。そしてS55へ進む。
【0034】
S55において、ASIC32は、全ての挿入口について確認処理を実行したか否かを判断する。全ての挿入口について実行した場合(S55:YES)にはフローを終了し、実行していない場合(S55:NO)にはS57へ進む。S57において、ASIC32は、テーブルTB1(図4)の挿入口番号120の次の順番に対応する挿入口を、特定挿入口に設定する。またASIC32は、新たに設定された特定挿入口に対応する特定カートリッジを特定する。そしてS11へ戻る。
【0035】
<動作例>
本実施形態の動作例を説明する。当該動作例では、ブラック用の挿入口60Kにシアン用のカートリッジ64Cが誤って挿入されているとともに、シアン用の挿入口60Cにブラック用のカートリッジ64Kが誤って挿入されている場合を説明する。また、挿入口60M、60Yの各々には、正しい色のカートリッジが挿入されている場合を説明する。
【0036】
テーブルTB1(図4)において挿入口番号120=「1」である挿入口60Cが、特定挿入口に設定される(S9)。この場合、対応カートリッジ情報121(テーブルTB1)に基づき、特定挿入口60Cの色と同一色のカートリッジ64Cが、特定カートリッジとして特定される。ASIC32は、特定挿入口60Cが属している特定グループG1に共通接続されている第1信号線L11へ、特定カートリッジ64Cの読み出しコマンドを送信する(S11)。特定カートリッジ64Cが挿入されている挿入口60Kには、第1信号線L11が接続されておらず、特定カートリッジ64Cでは読み出しコマンドが受信されない。したがって、特定挿入口60Cの第2信号線L21が接続されている第2端子T21では、カートリッジ色情報が受信されない(S13:NO)。また、特定グループG1内の他の挿入口である挿入口60Mの第2信号線L22が接続されている第2端子T22においても、カートリッジ色情報が受信されない(S19:NO)。
【0037】
次に、ASIC32は、他グループG2に共通接続されている第1信号線L12へ、特定カートリッジ64Cの読み出しコマンドを送信する(S31)。特定カートリッジ64Cが挿入されている挿入口60Kには、第1信号線L12が接続されているため、特定カートリッジ64Cでは読み出しコマンドが受信される。よって、特定カートリッジ64Cからはカートリッジ色情報が出力される。この場合、他グループG2の1つ目の挿入口60Yが接続されている第2端子T21では、カートリッジ色情報が受信されない(S33:NO)。しかし、他グループG2の2つ目の挿入口60Kが接続されている第2端子T22では、カートリッジ色情報が受信される(S39:YES)。よってASIC32は、他グループG2内の2つ目の挿入口60Kに、カートリッジ64Cが誤って挿入されている旨を、パネル39に表示する(S43)。
【0038】
全ての挿入口について確認処理を実行していないため(S55:NO)、次の順番の挿入口番号120=「2」の挿入口60Mが、特定挿入口に設定される(S57)。この場合、対応カートリッジ情報121(テーブルTB1)に基づき、特定挿入口60Mの色と同一色のカートリッジ64Mが、特定カートリッジとして特定される。ASIC32は、特定挿入口60Mが属している特定グループG1に共通接続されている第1信号線L11へ、特定カートリッジ64Mの読み出しコマンドを送信する(S11)。特定カートリッジ64Mが挿入されている挿入口60Mには、第1信号線L11が接続されており、特定カートリッジ64Mでは読み出しコマンドが受信される。よって特定カートリッジ64Mは、カートリッジ色情報を出力する。したがって、特定挿入口60Mの第2信号線L22が接続されている第2端子T22で、カートリッジ色情報が受信される(S13:YES)。ASIC32は、挿入口60Mの色と同一色のカートリッジ64Mが、挿入口60Mに正しく挿入されている旨を、パネル39に表示する(S15)。また、テーブルTB1において、特定挿入口60Mのカートリッジ取付情報114を「正常」に設定する(S17)。
【0039】
その後、何れの第2端子においてもカートリッジ色情報が受信されず(S19:NO、S33:NO、S39:NO)、特定挿入口60Mのカートリッジ取付情報114(図4)が「正常」に設定されているため(S45:YES)、次の順番の挿入口番号120=「3」の挿入口60Yが、特定挿入口に設定される(S57)。なお、特定挿入口60Yに対する動作は、上述した特定挿入口60Mに対する動作と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0040】
そして、最後の順番の挿入口番号120=「4」の挿入口60Kが、特定挿入口に設定される(S57)。この場合、対応カートリッジ情報121(テーブルTB1)に基づき、特定挿入口60Kの色と同一色のカートリッジ64Kが、特定カートリッジとして特定される。ASIC32は、特定挿入口60Kが属している特定グループG2に共通接続されている第1信号線L12へ、特定カートリッジ64Kの読み出しコマンドを送信する(S11)。特定カートリッジ64Kが挿入されている挿入口60Cには、第1信号線L12が接続されておらず、特定カートリッジ64Kでは読み出しコマンドが受信されない。したがって、特定挿入口60Kの第2信号線L22が接続されている第2端子T22では、カートリッジ色情報が受信されない(S13:NO)。また、特定グループG2内の他の挿入口である挿入口60Yの第2信号線L21が接続されている第2端子T21においても、カートリッジ色情報が受信されない(S19:NO)。
【0041】
次に、ASIC32は、他グループG1に共通接続されている第1信号線L11へ、特定カートリッジ64Kの読み出しコマンドを送信する(S31)。特定カートリッジ64Kが挿入されている挿入口60Cには、第1信号線L11が接続されているため、特定カートリッジ64Kからはカートリッジ色情報が出力される。そして、他グループG1の1つ目の挿入口60Cが接続されている第2端子T21で、カートリッジ色情報が受信される(S33:YES)。よってASIC32は、他グループG1内の1つ目の挿入口60Cに、カートリッジ64Kが誤って挿入されている旨を、パネル39に表示する(S37)。そして、全ての挿入口について確認処理が実行されたため(S55:YES)、フローが終了する。
【0042】
<効果>
以上説明した、本実施形態の説明例に係るMFP51の効果を説明する。比較例として、図5に示すMFP51aを説明する。MFP51aのキャリッジ68aが備える挿入口(60Ca、60Ma、60Ya、60Ka)の数は、図1のMFP51と同様に4つである。またMFP51aのASIC32aは、第1端子T11a、T12a、T13a、T14aを、挿入口の各々に対応して4つ備えている。また第2端子T21aを1つ備えている。第1端子T11a、T12a、T13a、T14aの各々は、挿入口60Ca、60Ma、60Ya、60Kaの第1電極61Ca、61Ma、61Ya、61Kaに接続される。また第2端子T21aは、挿入口60Ca、60Ma、60Ya、60Kaの第2電極62Ca、62Ma、62Ya、62Kaに共通に接続されている。すなわちMFP51aは、第1端子が挿入口の各々に対応して分離化されており、第2端子が挿入口に対して共通化されている、という配線構造を有している。
【0043】
MFP51aの動作を説明する。第1端子の何れか1つから特定カートリッジの読み出しコマンドを送出し、第2端子にカートリッジ色情報が返信されてくるか否かを判断するという動作を、第1端子T11a、T12a、T13a、T14aの各々について実行する。これにより、特定カートリッジが挿入されている挿入口に接続されている第1端子に読み出しコマンドを送出した場合にのみ、第2端子にカートリッジ色情報が返信されてくるため、特定カートリッジが挿入されている挿入口を特定することができる。しかし、図5のMFP51aの配線構造では、4つの挿入口(60Ca、60Ma、60Ya、60Ka)に対して、5つの端子数(T11a、T12a、T13a、T14a、T21a)が必要である。
【0044】
一方、本願に記載のMFP51(図1)では、グループG1に属する挿入口60Cおよび60Mの各々は第1端子T11に共通に接続され、グループG2に属する挿入口60Yおよび60Kの各々は第1端子T12に共通に接続される。また、グループG1に属する挿入口60Cおよび60Mの各々は第2端子T21およびT22に接続され、グループG2に属する挿入口60Yおよび60Kの各々は第2端子T21およびT22に接続される。すなわちMFP51は、ASIC32に備えられる第1端子および第2端子の各々が、必ず複数の挿入口に対して共通化されている、という配線構造を有している。
【0045】
このような配線構造とすることで、第1信号線L11を用いて特定カートリッジがグループG1に属する挿入口に装着されているか否かを問い合わせることができるとともに、第1信号線L12を用いて特定カートリッジがグループG2に属する挿入口に装着されているか否かを問い合わせることができる。また、第2信号線L21およびL22を用いることによって、グループG1に属する挿入口のうち何れの挿入口からカートリッジ色情報の返信が行われたかを特定するとともに、グループG2に属する挿入口のうち何れの挿入口からカートリッジ色情報の返信が行われたかを特定することができる。すなわち、第1信号線と第2信号線の組み合わせによって、特定カートリッジが挿入されている挿入口を一義的に識別することができる。
【0046】
そしてMFP51の配線構造では、第1端子および第2端子の各々が必ず複数の挿入口に対して共通化されているため、4つの挿入口(60C、60M、60Y、60K)に対して、4つの端子数(T11、T12、T21、T22)で足りる。以上より、本願のMFP51の配線構造では、図5に示すMFP51aの配線構造に比して、ASICの必要端子数を減少させることが可能となる。よって、ASICのサイズが拡大してしまう問題や、MFPの製造コストが上昇してしまう事態などを防止することができる。
【0047】
また比較例として、図6に示すMFP51bを説明する。MFP51bのキャリッジ68bが備える挿入口(60Cb、60Mb、60Yb、60Kb)の数は、図1のMFP51と同様に4つである。またMFP51bのASIC32bは、第1端子T1bおよび第2端子T2bを備えている。またASIC32bは、内部にシフトレジスタ34を備えている。第1端子T1bは、挿入口60Cbの第1電極61Cbに接続される。挿入口60Kbの第2電極62Kbは、第2端子T2bに接続される。また、第2電極62Cb、62Mb、62Ybの各々が、隣接する挿入口の第1電極61Mb、61Yb、61Kbに接続されている。すなわちMFP51bは、挿入口60Cb、60Mb、60Yb、60Kbが順次直列に接続されている、という配線構造を有している。
【0048】
MFP51bの動作を説明する。第1端子T1bから読み出しコマンドを送出することで、挿入口60Cb、60Mb、60Yb、60Kbの各々から個体情報がシリアル信号として出力され、第2端子T2bに入力される。シフトレジスタ34は、シリアル信号を保持し、解析する。以上より、図6のMFP51bの配線構造では、4つの挿入口(60Cb、60Mb、60Yb、60Kb)に対して、2つの端子数(T1b、T2b)を備える構造とすることができる。しかし、シリアル信号を取り扱うための回路(シフトレジスタ34など)が必要となってしまう。
【0049】
一方、本願に記載のMFP51(図1)では、ASIC32に備えられる第1端子および第2端子の各々が、必ず複数の挿入口に対して共通化されている、という配線構造を有することで、ASIC32の必要端子数を最小としながら、各グループ内の挿入口とパラレル通信を行うことができる。これにより、シリアル通信を行う場合に必要な、シフトレジスタ34等の回路を不要とすることができる。よって、挿入部と通信するための回路が複雑化してしまう事態を防止できるため、ASICのサイズが拡大してしまう問題や、MFPの製造コストが上昇してしまう事態などを防止することができる。
【0050】
また、本願に記載のMFP51では、特定挿入口の色と同一色のカートリッジが他の挿入口に取付けられている旨を、ユーザ等に報知することができる(S23、S37、S43)。これによりユーザは、間違った色のカートリッジが取付けられている挿入口を容易に見つけ出すことが可能となる。
【0051】
また、本願に記載のMFP51では、特定挿入口の色と同一色のカートリッジが、何れの挿入口にも取付けられていない場合には、その旨をユーザ等に報知することができるため(S53)、ユーザの利便性を高めることができる。
【0052】
また、本願に記載のMFP51では、特定挿入口の色と同一色のカートリッジが、特定挿入口に正しく挿入されている場合(S13:YES)には、カートリッジ取付情報114を「正常」に設定した上で(S17)、他の挿入口についても確認処理を続行することができる(S19、S33、S39)。よって、2箇所以上の挿入口に同一色のカートリッジが挿入されている場合も、検出することが可能である。
【0053】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を説明する。
【0054】
<変形例>
図7に、変形例に係るMFP51cを示す。MFP51cは、図1のMFP51に対して、大型挿入口60KLをさらに備えている。大型挿入口60KLの挿入口の形状は、大型カートリッジ64KLのみが挿入可能な形状とされている。また通常の挿入口(60C、60M、60Y、60K)の挿入口の形状は、通常のカートリッジ(64C、64M、64Y、64K)のみが挿入可能な形状とされている。また、第1信号線L12が共通の第1端子T12に接続されている挿入口60Y、60Kおよび60KLによって、グループG2cが形成されている。グループG2cに属する挿入口60KLの第1電極61KLは、同じグループに属する挿入口60Y、60Kの第1電極が接続されている第1端子T12に接続されている。グループG2cのグループに属する挿入口60KLの第2電極62KLは、同じグループに属する挿入口60Kの第2電極62Kが接続されている第2端子T22に接続されている。これによりASIC32は、大型挿入口60KLに取付けられている大型カートリッジ64KLに備えられたICチップ63KLと通信することが可能とされている。
【0055】
図7のMFP51cの効果を説明する。大型カートリッジ64KLは大型挿入口60KLにしか取付けることができないため、大型挿入口60KLに取付けられているカートリッジの種類を通信によって識別する必要はない。よって、挿入口60Y、60Kが使用している第1端子T12および第2端子T21、T22を、大型挿入口60KLにも流用することができる。すなわち、ASIC32の端子数を増加させることなく、挿入口60KLを、グループG2cに追加することができる。これにより、ASIC32の端子数が増加してしまう事態を防止することが可能となる。
【0056】
本実施形態では、第1端子から特定カートリッジの読み出しコマンドを送信し、第2端子でカートリッジ色情報を受信する形態を説明したが、この形態に限られない。例えば、特定カートリッジのICチップをアクティブ状態とするためのアクティブ信号を第1端子から送信するとともに、特定カートリッジのICチップを動作させるための動作信号を第2端子から送信するとしてもよい。そして、特定カートリッジのICチップは、アクティブ信号および動作信号の両方を受信する場合に、返信信号をASICに対して出力するとしてもよい。これによっても、特定カートリッジが挿入されている挿入口を一義的に識別することができる。また、特定カートリッジのICチップの動作は、返信信号の出力動作に限られない。例えば、アクティブ信号および動作信号の両方を受信する場合に、動作信号をICチップに書き込む動作を実行するとしてもよい。なお、アクティブ信号の一例としては、クロック信号が挙げられる。また動作信号の一例としては、データ信号が挙げられる。
【0057】
また、挿入口の数は4つに限られない。ASICに備えられる第1端子および第2端子の各々が、必ず複数の挿入口に対して共通化されている、という配線構造を備えていれば、5つ以上の挿入口に対しても、本願の技術を適用することが可能である。図8に、6個の挿入口(60C、60M、60R、60Y、60K、60B)を備えるMFP51dを示す。挿入口60Rおよび60Bは、レッドおよびブルーの各色に対応する挿入口である。第1端子T11dは、第1電極61C、61M、61Rに接続される。第1端子T12dは、第1電極61Y、61K、61Bに接続される。第2端子T21dは、第2電極62C、62Yに接続される。第2端子T22dは、第2電極62M、62Kに接続される。第2端子T23dは、第2電極62R、62Bに接続される。第1信号線L11dが共通の第1端子T11dに接続されている挿入口60C、60M、60Rによって、グループG1dが形成される。また、第1信号線L12dが共通の第1端子T12dに接続されている挿入口60Y、60K、60Bによって、グループG2dが形成される。このような配線構造とすることで、第1信号線L11dを用いて特定カートリッジがグループG1dに属する挿入口に装着されているか否かを問い合わせることができるとともに、第1信号線L12dを用いて特定カートリッジがグループG2dに属する挿入口に装着されているか否かを問い合わせることができる。また、第2信号線L21d、L22d、L23dの各々を用いることによって、グループG1dに属する挿入口のうち何れの挿入口からカートリッジ色情報の返信が行われたかを特定するとともに、グループG2dに属する挿入口のうち何れの挿入口からカートリッジ色情報の返信が行われたかを特定することができる。
【0058】
また、図7に示すMFP51cにおいて、大型挿入口の数は1つに限られない。大型挿入口は、通常の挿入口(60C、60M、60Y、60K)の各々に対して並列に接続することが可能である。よって図7のMFP51cでは、最大4つの大型挿入口を備えることが可能である。
【0059】
本実施形態では、第1端子から特定カートリッジの読み出しコマンドを送信し、第2端子でカートリッジ色情報を受信する形態を説明したが、この形態に限られない。第2端子から特定カートリッジの読み出しコマンドを送信し、第1端子でカートリッジ色情報を受信する場合においても、本願の技術を適用可能である。
【0060】
使用されるインク種類はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4種類の場合を説明したが、この形態に限られず、3種類以下または5種類以上の場合においても本願の技術を適用可能である。また、カートリッジに収容されている印刷材料はインクに限られず、トナーなどの他の材料であってもよい。
【0061】
ICチップ63C、63M、63Y、63Kは接触式ICであるとしたが、非接触式ICを適用してもよい。
【0062】
インクは印刷材料の一例である。ICチップ63C、63M、63Y、63Kは記憶素子の一例である。挿入口60C、60M、60Y、60Kは第1取付部の一例である。ASIC32は通信手段の一例である。読み出しコマンドは第1信号の一例である。カートリッジ色情報は第2信号の一例である。クロック信号はアクティブ信号の一例である。データ信号は動作信号の一例である。大型カートリッジは第2カートリッジの一例である。挿入口60KLは第2取付部の一例である。
【符号の説明】
【0063】
32:ASIC、51、51a、51b、51c、51d:MFP、60C、60M、60Y、60K:挿入口、63C、63M、63Y、63K:ICチップ、64C、64M、64Y、64K:カートリッジ、T11およびT12:第1端子、T21およびT22:第2端子、L11およびL12:第1信号線、L21およびL22:第2信号線、G1およびG2:グループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジに収容された印刷材料を用いて被記録媒体に印刷を行う印刷装置であって、
カートリッジ情報を記憶するための記憶素子を備えた複数種類の第1カートリッジを取付けることが可能であり、前記第1カートリッジの種類の各々に対応した複数の第1取付部と、
前記第1取付部を介して、前記第1取付部に取付けられている第1カートリッジに備えられた記憶素子と通信する通信手段と、
前記通信手段に備えられる複数の第1端子と前記複数の第1取付部の各々とを接続する複数の第1信号線と、
前記通信手段に備えられる複数の第2端子と前記複数の第1取付部の各々とを接続する複数の第2信号線と、
を備え、
前記複数の第1取付部は、前記第1信号線が共通の前記第1端子に接続されているグループを複数形成し、
1のグループに属する前記複数の第1取付部の各々の第2信号線は、互いに別の第2端子に接続されるとともに、他のグループに属する第1取付部の第2信号線が接続されている前記第2端子に接続されることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記通信手段は、
特定の第1取付部が属する特定グループ内の複数の第1取付部に共通接続されている第1信号線へ、前記特定の第1取付部の種類に対応する第1カートリッジから前記第2信号線を介して第2信号を応答として取得するための第1信号を送信した場合に、前記特定の第1取付部の第2信号線が接続されている第2端子で前記第2信号を取得できない場合には、前記特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが前記特定の第1取付部に取付けられていない旨を報知することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記通信手段は、
特定の第1取付部が属する特定グループ内の複数の第1取付部に共通接続されている第1信号線へ、前記特定の第1取付部の種類に対応する第1カートリッジから前記第2信号線を介して第2信号を応答として取得するための第1信号を送信した場合に、前記特定グループに属している、前記特定の第1取付部以外の他の第1取付部の第2信号線が接続されている第2端子で前記第2信号が取得される場合には、前記特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが前記他の第1取付部に取付けられている旨を報知することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記通信手段は、
特定の第1取付部が属する特定グループ内の複数の第1取付部に共通接続されている特定の第1信号線へ、前記特定の第1取付部の種類に対応する第1カートリッジから前記第2信号線を介して第2信号を応答として取得するための第1信号を送信した場合に、前記特定グループに属する全ての第1取付部の各々の第2信号線が接続されている複数の第2端子の何れにおいても前記第2信号が取得できない場合には、前記特定の第1取付部が属しない他のグループ内の複数の第1取付部に共通接続されている他の第1信号線へ前記第1信号を送信し、
前記他のグループに属する複数の第1取付部の第2信号線の各々が接続されている複数の第2端子の何れか1つで前記第2信号が取得できる場合には、前記特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが前記第2信号が取得できた第2端子に対応する第1取付部に取付けられている旨を報知することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記通信手段は、
前記他の第1信号線へ前記第1信号を送信した場合に、前記他のグループに属する全ての第1取付部の各々の第2信号線が接続されている複数の第2端子の何れにおいても前記第2信号が取得できない場合には、前記特定の第1取付部の種類に対応する種類の第1カートリッジが何れの第1取付部にも取付けられていない旨を報知することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第2信号は、前記記憶素子に記憶されている前記カートリッジ情報であり、
前記第1信号は、前記特定の第1取付部の種類に対応する第1カートリッジから前記第2信号線を介して前記カートリッジ情報を読み出す旨の命令信号であることを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記第1信号は、前記特定の第1取付部の種類に対応する特定第1カートリッジの前記記憶素子をアクティブ状態とするためのアクティブ信号であり、
前記第2信号は、前記特定第1カートリッジの前記記憶素子を動作させるための動作信号であり、
前記特定第1カートリッジの記憶素子は、前記アクティブ信号および前記動作信号を受信する場合に通信可能な状態となることを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷装置は、前記記憶素子を備えた複数種類の第2カートリッジを取付けることが可能であり、前記第2カートリッジの種類の各々に対応した第2取付部を少なくとも1つ備え、
前記第1カートリッジは前記第1取付部にのみ取付可能とされており、
前記第2カートリッジは前記第2取付部にのみ取付可能とされており、
前記通信手段は、前記第2取付部を介して、前記第2取付部に取付けられている第2カートリッジに備えられた記憶素子と通信し、
前記第1信号線は、前記通信手段に備えられる第1端子と前記第2取付部とをさらに接続し、
前記第2信号線は、前記通信手段に備えられる第2端子と前記第1取付部とをさらに接続し、
前記第2取付部は、前記複数のグループの各々に1つずつ属することが可能とされており、
1のグループに属する前記第2取付部の第1信号線は、同じグループに属する複数の第1取付部の第1信号線が接続されている第1端子に接続され、
1のグループに属する前記第2取付部の第2信号線は、同じグループに属する複数の第1取付部の何れか1つの第2信号線が接続されている前記第2端子に接続されることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−28039(P2013−28039A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164955(P2011−164955)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】