説明

印刷要求プログラム、情報処理装置及び印刷システム

【課題】印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制することが可能な印刷要求プログラム、情報処理装置及び印刷システムを提供する。
【解決手段】印刷要求プログラムは、互いに通信可能に接続される印刷装置及び情報処理装置の少なくとも一方のコンピュータに、印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付処理、非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得処理、そのスケジュール情報に基づき印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、非印刷要求者の不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たす場合には、予定時刻での印刷実行を許可し、第1判定条件を満たさない場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御処理、を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と印刷装置とが通信可能に接続された印刷システムに関し、特に、印刷装置から出力された印刷物のセキュリティ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クライアント装置とプリンタとが通信可能に接続された印刷システムでは、ユーザがクライント装置にて印刷要求をすることにより、当該印刷要求に対応する印刷データが(PDLデータやビットマップデータなど)にクライント装置から印刷装置に送信され、印刷装置に印刷データに基づく印刷処理を実行させることが可能である。また、従来より、印刷を実行させたい時刻を予め指定して印刷要求を行うことにより、その指定された時刻が到来したときに印刷装置に印刷処理を実行させる、いわゆる予約印刷という技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−48303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、印刷装置にて印刷処理が実行されるときに、当該印刷装置の近傍にいるのは、必ずしも印刷要求した者自身とは限らない。このような場合、非印刷要求者に印刷物が見られたり、持ち去られたりしてしまうおそれがある。このようなことは、上記予約印刷の場合に特に多く発生し、また、印刷物が機密性の高いものである場合に特に問題になり得る。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制することが可能な印刷要求プログラム、情報処理装置及び印刷システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1発明に係る印刷要求プログラムは、互いに通信可能に接続される印刷装置及び情報処理装置の少なくとも一方のコンピュータに、印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付処理と、前記印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得処理と、前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、前記非印刷要求者が前記印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たすか否かを判定する第1判定処理と、前記第1判定処理にて前記第1判定条件を満たすと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を許可し、前記第1判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御処理と、を実行させる。
【0007】
この発明によれば、印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得し、そのスケジュール情報に基づき、印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、非印刷要求者が印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であると判定した場合には、当該予定時刻での印刷実行を許可し、予定時刻が不在時間内でないと判定した場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する。従って、印刷要求者が要求した印刷要求に対応する印刷が、非印刷要求者が居る時間内に実行されて印刷装置から出力された印刷物が非印刷要求者に見られたりすることを抑制することが可能である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の印刷要求プログラムであって、前記コンピュータに、更に、前記印刷要求に基づき前記印刷装置から出力される印刷物を受け取る者のスケジュール情報を取得する第2取得処理を実行させ、前記第1判定条件は、前記非印刷要求者及び前記印刷物の受け取り者のスケジュールに基づき、前記予定時刻が、前記非印刷要求者の前記不在時間帯内であって、且つ、前記受け取り者が前記印刷装置から前記所定領域内にいる時間帯内であることである。
【0009】
この発明によれば、印刷要求に対応する印刷実行の予約時刻が、非印刷要求者の不在時間帯内であって、且つ、受け取り者が印刷装置から所定領域内にいる時間帯内であることを条件に、当該予定時刻の印刷実行を許可する。従って、予定時刻が受け取り者の不在時間帯内でも印刷実行を許可する構成に比べて、受け取り者に早期に印刷物を受け取らせることができる。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明の印刷要求プログラムであって、前記第1判定条件には、更に、前記予定時刻に基づき実行した印刷が前記不在時間帯内に完了することが含まれる。
【0011】
この発明によれば、印刷完了時に、非印刷要求者が、印刷装置から所定領域内に戻ってきて印刷物が見られたりすることを抑制することができる。
【0012】
第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明の印刷要求プログラムであって、前記コンピュータに、前記第1判定処理にて前記第1判定条件を満たさないと判定された場合に、前記第1判定条件を満たすように、前記予定時刻及び印刷条件の少なくとも一方を変更するための第1変更処理を実行させる。
【0013】
この発明によれば、第1判定条件を満たすように、予定時刻及び印刷条件(例えば解像度、印刷部数など)の少なくとも一方を変更することが可能であるから、印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制しつつ、印刷を実行することができる。
【0014】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の印刷要求プログラムであって、前記制御処理では、前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求の後に当該非印刷要求者のスケジュールが変更されたことにより、前記第1判定処理にて前記第1判定条件を満たさなくなった場合には、前記予定時刻での印刷実行を許可から禁止に切り替える。
【0015】
この発明によれば、印刷要求の際に第1判定条件を満たすとして予定時刻での印刷実行が許可されたとしても、その後の非印刷要求者のスケジュール変更により、第1判定条件を満たさなくなった場合には予定時刻での印刷実行を許可から禁止に切り替える。このため、印刷要求後に非印刷要求者のスケジュールが変更されたとしても、印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制することができる。
【0016】
第6の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の印刷要求プログラムであって、前記コンピュータに、前記非印刷要求者が前記予定時刻を含む所定時間内に前記印刷装置に印刷を実行させるための印刷要求をしたとの第2判定条件を満たすか否かを判定する第2判定処理を実行させ、前記制御処理では、前記第1判定処理で前記第1判定条件を満たす場合であっても、前記第2判定処理にて前記第2判定条件を満たすと判定された場合には、前記予定時刻での印刷実行を禁止し、前記第2判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を許可する。
【0017】
非印刷要求者が予定時刻を含む所定時間内に印刷装置に印刷を実行させるための印刷要求をした場合には、予定時刻に非印刷要求者が自分の印刷物を取りに行くために印刷装置近傍にいる可能性がある。そこで、この発明によれば、このような場合には、予定時刻での印刷実行を禁止することにより、印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制することができる。
【0018】
第7の発明は、第5又は第6の発明の印刷要求プログラムであって、前記コンピュータに、前記予定時刻での印刷実行を禁止した場合には、当該予定時刻を、前記印刷実行を許可できる時刻に変更するための第2変更処理を実行させる。
【0019】
この発明によれば、第1判定条件を満たすように、予定時刻及び印刷条件(例えば解像度、印刷部数など)の少なくとも一方を変更することが可能であるから、印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制しつつ、印刷を実行することができる。
【0020】
第8の発明は、第1から第7のいずれか一つの発明の印刷要求プログラムであって、前記情報処理装置は、複数の者のスケジュールを管理する管理装置と通信可能に接続され、前記第1取得処理は、前記複数の者から1または複数の者を、指定する指定処理を含み、当該指定処理で指定された者のスケジュール情報を前記管理装置から取得する。
【0021】
この発明によれば、管理装置が管理する複数の者のスケジュール情報を利用して比較的に容易に非印刷要求者のスケジュール情報を取得することができる。
【0022】
第9の発明に係る情報処理装置は、印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付部と、前記印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得部と、前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、前記非印刷要求者が前記印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たすか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部にて前記第1判定条件を満たすと判定された場合には、前記印刷装置に対し、当該予定時刻での印刷実行を許可し、前記第1判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御部と、を備える。
【0023】
第10の発明に係る印刷システムは、印刷装置と、当該印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置とを備える印刷システムであって、前記情報処理装置に設けられ、印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付部と、前記印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得部と、前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、前記非印刷要求者が本印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たすか否かを判定する第1判定部と、前記印刷装置に設けられる印刷部と、前記第1判定部にて前記第1判定条件を満たすと判定された場合には、前記印刷部に対し、当該予定時刻での印刷実行を許可し、前記第1判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、印刷装置にて出力された印刷物が、非印刷要求者に見られたりすることを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの電気的構成を示すブロック図
【図2】スケジュールテーブルの内容を示す説明図
【図3】印刷要求処理のフローチャート
【図4】予約可否判定処理のフローチャート
【図5】スケジュール変更時処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態について図を参照して説明する。
(1)印刷システムの電気的構成
図1は、印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。
印刷システム1は、印刷装置3と、サーバ5(本発明の「管理装置」の一例)と、複数台(図1には2台図示)のクライントコンピュータ(以下、 本発明の「情報処理装置」の一例 単に、「クライアントPC7A,7B...」という)とがネットワーク回線Lを介して接続された構成になっている。なお、図1では、クライアント7Bの構成は省略してある。
【0027】
(1−1)印刷装置
印刷装置3は、例えば印刷機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを有する複合機であり、CPU11、ROM13、RAM15、NVRAM17(不揮発性メモリ)、操作部19、表示部21、印刷部23、スキャナ部25、通信部29等を備えている。
【0028】
ROM13には、印刷装置3の基本的な動作を制御するプログラムの他、後述するスケジュール変更時処理のプログラムなどが記録されており、CPU11は、ROM13から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM15やNVRAM17に記憶させながら、印刷装置3の動作を制御する。
【0029】
操作部19は、複数のボタン等を有し、ユーザによって印刷処理の実行指令(コピーの実行指令など)などの各種の入力操作が可能である。表示部21は、液晶ディスプレイやランプからなり、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。
【0030】
印刷部23は、スキャン部25からスキャンデータを受けたときや、例えばクライアントPC7や図示しないファクシミリ装置から通信部29を介して印刷データやファクシミリデータを受信したときに、それらの印刷データ等に基づき用紙への印刷処理を実行する。なお、印刷部23は、インクジェット方式及び電子写真方式のいずれを採用したものでもよい。スキャナ部25は、上記実行指令を操作部19から受けたときに、印刷装置3の図示しない原稿台に配置された原稿の画像を読み取ってスキャンデータを生成する。
【0031】
(1−2)サーバ及びクライアントPC
サーバ3及びクライアントPC7は、異なる構成でもよいが、本実施形態では、基本的構成がほぼ同じであるものとする。以下、サーバ3とクライントPCとをまとめて「サーバ3等」ということがある。但し、図1では、クライアントPC7Aの各構成要素は、それを指示する符号末尾に「A」を付して、サーバ5の構成要素と区別して示されている。
【0032】
サーバ3等は、CPU31(受付部、第1判定部、制御部)、ROM33、RAM35、ハードディスク37、操作部39、表示部41、ネットワークインターフェイス43等を備えている。操作部39はキーボードやポインティングデバイスを備え、表示部41は例えば液晶ディスプレイ等を備える。また、ネットワークインターフェイス43はネットワーク回線Lに接続される。
【0033】
サーバ3のハードディスク37Aには、後述するスケジュール管理プログラムなどの各種プログラムが記憶されている。クライアントPC7のハードディスク37Aには、後述する印刷要求プログラムや、印刷データを作成するためのアプリケーションソフトやプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されている。
【0034】
(2)スケジュール管理について
サーバ3は、上述したスケジュール管理プログラムに従って、複数の登録者のスケジュールを管理する。具体的には、各登録者は、各クライントPC7にて自己の登録IDを入力してサーバ3にログインすることにより、サーバ3が管理するスケジュールテーブルへのアクセスが可能になり、自己及び他の登録者のスケジュールの追加・変更を行うことができる。
【0035】
図2は、スケジュールテーブルの内容を示す説明図である。同図に示すように、スケジュールテーブルには、登録者ごとに、スケジュール情報(例えば用事、場所、時間帯)が対応付けられて記憶されている。各登録者は、各クライントPC7からサーバ3にログインすることにより、自己及び他の登録者のスケジュール情報を取得することが可能である。なお、例えば図2に示すように、スケジュール情報を取得した登録者のスケジュールを、表示部41に一覧表示させることが可能である。
【0036】
なお、登録者A〜Cの座席は、印刷装置3が設定された部屋内であり、図2においてスケジュールが入っていない時間帯は同部屋に居るものとする。また、印刷装置3が設置された部屋と、第1会議室及び第5会議室とは異なる。
【0037】
(3)印刷要求処理
図3は印刷要求処理のフローチャートである。登録者が、クライントPC7にて、例えばアプリケーションで作成した印刷データについて印刷要求するための操作を操作部39で行うと、クライントPC7のCPU31Aは、上記プリンタドライバを起動させ、登録者に各種の印刷条件(例えば解像度、用紙サイズや印刷部数など)を設定させ(本発明の「受付処理」の一例)、次に、上記印刷要求プログラムに従って、次に示す印刷要求処理を実行する。このとき、CPU31Aは、本発明の「受付部」として機能する。なお、印刷要求プログラムは、プリンタドライバに含まれていても、独立であってもよい。また、以下の説明では、例えばクライアントPC7Aの使用者であり、且つ、上記印刷要求した登録者を「印刷要求者A」(図2の登録者A)という。
【0038】
CPU31Aは、まず登録者指定画面を表示部41に表示させる(S1)。これにより、印刷要求者Aは、その登録者指定画面にて1または複数の登録者を指定することが可能になる(本発明の「指定処理」の一例)。ここで指定される登録者は、印刷要求者Aにとっては、自己の印刷要求に基づき印刷装置3にて出力された印刷物を見られたくない者(見せるべきでない者)であり、以下、「非印刷要求者B」という(図2の登録者B)。以下の説明では、非印刷要求者Bは、クライアントPC7Bの使用者であるものとする。
【0039】
印刷要求者Aが、登録者指定画面にて登録者(非印刷要求者B)を指定しなければ(S3:NO)、CPU31Aは、本印刷要求処理を終了し、印刷要求情報(例えば印刷データ及び印刷条件を含む)を印刷装置3に送信する。すると、印刷装置3は、その印刷要求情報に基づき印刷処理を実行する。
【0040】
印刷要求者Aが、登録者指定画面にて登録者(非印刷要求者B)を指定すれば(S3:YES)、CPU31Aは、非印刷要求者Bの識別情報を上記印刷要求に対応付けて、例えばハードディスク37Aに記憶し、予約印刷指定画面を表示部41に表示させる(S5)。これにより、印刷要求者Aは、その予約印刷指定画面にて、任意の時刻を入力することにより、その指定された時刻(予約時刻)に、自己の印刷要求に基づく印刷処理を印刷装置3に開始或いは完了させる、いわゆる予約印刷を指定することができる。以下の説明では、予約時刻は、印刷処理の開始時刻であるものとする。
【0041】
印刷要求者Aが、予約印刷指定画面にて予約印刷を指定すれば(S7:YES)、CPU31Aは、予約時刻を上記印刷要求に対応付けてハードディスク37Aに記憶し、次に印刷条件変更可否画面を表示部41に表示させる(S9)。これにより、印刷要求者Aは、その印刷条件変更可否画面にて、後述する予約可否判定処理において印刷条件の変更を許可するかどうかを選択することができる。CPU31Aは、その選択結果を上記印刷要求に対応付けてハードディスク37Aに記憶する。
【0042】
次に、CPU31Aは、上記印刷要求に対応する印刷データの印刷処理にかかる時間、即ち、印刷所要時間を予測し(S11)、その印刷所要時間を上記印刷要求に対応付けてハードディスク37Aに記憶し、S13に進む。印刷所要時間を、印刷要求に対応する印刷データのデータ量、頁数や印刷部数などに基づき予測することができる。例えば印刷所要時間は、データ量等が多いほど長い時間であると予測される。なお、上述した登録者指定画面、予約印刷指定画面及び印刷条件変更可否画面の一部または全部を共通画面としてまとめて指定等を行うことができるようにしてもよい。
【0043】
印刷要求者Aが、予約印刷指定画面にて予約印刷を指定しなければ(S7:NO)、CPU31Aは、印刷条件変更可否画面を表示部41に表示させることなく、本印刷要求処理を終了し、印刷要求情報を印刷装置3に送信する。すると、印刷装置3は、その印刷要求情報に基づき印刷処理を実行する。
【0044】
図4は予約可否判定処理のフローチャートである。CPU31Aは、サーバ5にアクセスし、上記登録者指定画面にて指定された非印刷要求者Bのスケジュール情報を取得する(S101 本発明の「第1取得処理」の一例)。このとき、CPU31Aは、本発明の「第1取得部」として機能する。次に、CPU31Aは、当該非印刷要求者Bのスケジュール情報、及び、ハードディスク37Aにおいて上記印刷要求に対応付けられた記憶内容を参照して、上記予約時刻が、非印刷要求者Bが印刷装置3から所定領域内にいない不在時間内であるとの判定条件1Xを満たすか否かを判定する(S103 本発明の「第1判定処理」の一例)。このとき、CPU31Aは、本発明の「第1判定部」として機能する。
【0045】
具体的には、CPU31Aは、予め印刷装置3が配置されている部屋を認識しており、予約時刻において、その部屋と、非印刷要求者Bの居る場所とが一致しなければ、換言すれば、非印刷要求者Bが、印刷装置3が配置されている部屋内に居なければ、上記判定条件1Xを満たすと判定する。以下、この判定条件1Xを満たす場合を、非印刷要求者Bが「不在」といい、同条件を満たさない場合を、非印刷要求者Bが「在席」という。
【0046】
予約時刻に非印刷要求者Bが「在席」していれば(S103:NO)、仮に、このままの予約時刻に、印刷要求者Aの印刷要求に基づく印刷処理を印刷装置3に印刷させると、その印刷物が非印刷要求者Bに見られてしまう可能性が高くなる。このため、CPU31Aは、その予約時刻での印刷処理を禁止し、図3のS5に戻り、印刷要求者Aに、改めて予約時刻を指定し直させる。なお、このとき、予約印刷指定画面に、非印刷要求者Bの不在時間帯を表示させたり、在席時間帯内の入力を不可としたりすることが好ましい。例えば図2において、「T1」が予約時刻として指定されている場合には、スケジュール上、非印刷要求者Bは在席しているため、判定条件1Xを満たさず、当該予約時刻での印刷処理は禁止される。
【0047】
予約時刻に非印刷要求者Bが「不在」であれば(S103:YES)、CPU31Aは、サーバ3、或いは、クライントPC7Aのハードディスク37Aに記憶された印刷要求者A(本発明の「受け取る者」の一例)のスケジュール情報を取得する(S105 本発明の「第2取得処理」の一例)。このとき、CPU31Aは、本発明の「第2取得部」として機能する。例えば図2において、「T2」が予約時刻として指定されている場合には、スケジュール上、非印刷要求者Bは不在であるため、判定条件1Xを満たすことになる。
【0048】
次に、CPU31Aは、当該印刷要求者Aのスケジュール情報、及び、ハードディスク37Aにおいて上記印刷要求に対応付けられた記憶内容を参照して、上記予約時刻が、印刷要求者Aが印刷装置3から所定領域内に居る時間帯内であるとの判定条件1Yを満たすか否かを判定する(S107 本発明の「第1判定処理」の一例)。このとき、CPU31Aは、本発明の「第1判定部」として機能する。
【0049】
具体的には、CPU31Aは、印刷装置3が配置されている部屋と、印刷要求者Aの居る場所とが一致すれば、換言すれば、印刷要求者Aが、印刷装置3が配置されている部屋内に居れば、上記判定条件1Yを満たすと判定する。以下、この判定条件1Yを満たす場合を、印刷要求者Aが「在席」といい、同条件を満たさない場合を、印刷要求者Aが「不在」という。
【0050】
予約時刻に印刷要求者Aが「不在」であれば(S107:NO)、仮に、このままの予約時刻に、印刷要求者Aの印刷要求に基づく印刷処理を印刷装置3に印刷させると、その印刷物が放置された状態となり、例えば想定外の者に見られてしまう可能性が高くなる。このため、CPU31Aは、図3のS5に戻り、印刷要求者Aに、改めて予約時刻を指定し直させる。例えば図2において、「T3」が予約時刻として指定されている場合には、スケジュール上、印刷要求者Aは不在であるため、判定条件1Yを満たさず、当該予約時刻での印刷処理は禁止される。
【0051】
予約時刻に印刷要求者Aが「在席」していれば(S107:YES)、CPU31Aは、当該非印刷要求者Bのスケジュール情報、及び、ハードディスク37Aにおいて上記印刷要求に対応付けられた記憶内容を参照して、予約時刻に基づき実行する印刷処理が、非印刷要求者Bの不在時間帯内に完了するとの判定条件1Zを満たすか否かを判定する(S109 本発明の「第1判定処理」の一例)。このとき、CPU31Aは、本発明の「第1判定部」として機能する。
【0052】
具体的には、予約時刻に、上記S11で予測した印刷所要時間を加算した時刻が、非印刷要求者Bの不在時間帯内であれば、上記判定条件1Zを満たすと判定する。例えば図2において、「T2」が予約時刻として指定されている場合には、非印刷要求者Bが在席するまでに十分な時間があるため、判定条件1Zを満たすことになる。
【0053】
CPU31Aは、判定条件1Zを満たすと判定すれば(S109:YES)、現在指定されている予約時刻での印刷処理の実行を許可し、当該予約時刻を、印刷物の受け取り者、本実施形態では、印刷要求者Aに改めて通知する(S111)。この通知方法の例としては、確定した予約時刻を、受け取り者が使用するクライアントPC7や図示しない携帯端末の表示部41A等を介して通知したり、クライアントPC7や携帯端末へのメールを介して通知したりすることが挙げられる。
【0054】
例えば図2において、「T4」が予約時刻として指定されている場合には、非印刷要求者Bが在席するまでにほとんど時間がないため、判定条件1Zを満たさないことになる。CPU31Aは、判定条件1Zを満たさないと判定すれば(S109:NO)、このままの予約時刻及び印刷条件での印刷処理の実行を禁止する(本発明の「制御処理」の一例)。これにより、印刷処理の完了時に、非印刷要求者Bが、印刷装置3から所定領域内に戻ってきて印刷物が見られたりすることを抑制することができる。このときCPU31Aは本発明の「制御部」として機能する。
【0055】
次に、CPU31Aは、ハードディスク37Aにおいて上記印刷要求に対応付けられた記憶内容を参照して、上記S9において印刷条件の変更が許可されているか否かを判定する(S113)。印刷条件の変更が禁止されていれば(S113:NO)、仮に、このままの予約時刻に、印刷要求者Aの印刷要求に基づく印刷処理を印刷装置3に印刷させると、その印刷物が非印刷要求者Bに見られてしまう可能性が高くなる。このため、CPU31Aは、図3のS5に戻り、印刷要求者Aに、改めて予約時刻を指定し直させる。
【0056】
印刷条件の変更が許可されていれば(S113:YES)、上記判定条件1Zを満たすように印刷条件を変更し(S115 本発明の「第1変更処理」の一例)、S111に進む。具体的には、印刷データの解像度、用紙サイズや印刷部数などのうち少なくとも1つを低下ないし減少させることにより、印刷所要時間を短くし、印刷処理の完了時刻を繰り上げるのである。このように、判定条件1Zを満たすように、印刷条件を変更することが可能であるから、印刷装置3にて出力された印刷物が、非印刷要求者Bに見られたりすることを抑制しつつ、印刷を実行することができる。
【0057】
CPU31Aは、S111で予約時刻を通知した後、本予約可否判定処理を終了及び印刷要求処理を終了し、印刷要求情報(例えば予約時刻、印刷データ及び印刷条件を含む)を印刷装置3に送信する。すると、印刷装置3は、予約時刻が到来したときに、その印刷要求情報に基づき印刷処理を実行する。
【0058】
(4)スケジュール変更時処理
図5はスケジュール変更時処理のフローチャートである。印刷装置3のCPU11は、クライアントPC7から受信した印刷要求情報に基づき印刷ジョブを待ち行列に登録する。CPU11は、例えば待ち行列に印刷ジョブが登録されていることを条件にスケジュール変更時処理を実行する。
【0059】
CPU11は、まず、予約印刷が指定された印刷ジョブ(以下、「予約印刷ジョブ」という)が待ち行列に登録されているか否かを判断する(S201)。予約印刷ジョブは登録されておらず、予約印刷が指定されていない印刷ジョブ(以下、「通常印刷ジョブ」という)のみ登録されている場合には(S201:NO)、その通常印刷ジョブに基づく印刷処理を実行するよう、印刷部23を制御する(S211)。そして、本スケジュール変更時処理を終了する。なお、その印刷予約が指定されている印刷処理が完了すると、その旨を、印刷要求者に通知してもよい。この場合、この通知方法の例としては、S111で説明したものと同じである。
【0060】
予約印刷ジョブが登録されている場合には(S201:YES)、CPU11は、サーバ5にアクセスし、非印刷要求者Bのスケジュール情報を新たに取得し、非印刷要求者Bのスケジュールが変更されたことにより、予約時刻に非印刷要求者Bが「不在」から「在席」に変更されていないか否かを判定する(S203)。「在席」に変更されていれば(S203:YES)、例えば予約印刷ジョブを待ち行列の登録から除外するなどして印刷処理を禁止し(S215)、S217に進む。例えば図2において、「T2」が予約時刻として指定されている場合に、会議が中止となって同会議の予定がスケジュール上から削除されると、上記判定条件1Xを後発的に満たさなくなる。
【0061】
予約時刻に非印刷要求者Bが「不在」のままであれば(S203:NO)、CPU11は、当該予約時刻が到来したかどうかを判断し(S205)、到来していなければ(S205:NO)、再びS201に戻る。予約時刻が到来していれば(S205:YES)、その予約時刻の直前第1基準時間内(本発明でいう「予定時刻を含む所定時間内」の一例)に、非印刷要求者Bによる印刷要求に基づく印刷処理を実行したとの判定条件2Xを満たすか否かを判定する(S207 本発明の「第2判定処理」の一例)。CPU11は、印刷処理を実行するごとに、その印刷履歴をハードディスク37Aに記憶するようにしており、この印刷履歴情報に基づき上記判断を行うことができる。
【0062】
上記判定条件2Xを満たす場合には(S207:YES)、CPU11は、現在の予定時刻での印刷処理を禁止し(S215)、S217に進む。判定条件2Xを満たさなければ(S207:NO)、その予約時刻の直後第2基準時間内(本発明でいう「予定時刻を含む所定時間内」の一例)に、非印刷要求者Bによる印刷要求(印刷ジョブ)に基づく印刷処理が実行されるとの判定条件2Yを満たすか否かを、待ち行列に登録されている印刷ジョブを参照して判定する(S209 本発明の「第2判定処理」の一例)。
【0063】
上記判定条件2Yを満たす場合には(S209:YES)、CPU11は、現在の予定時刻での印刷処理を禁止し(S215)、S217に進む。判定条件2Xを満たさなければ(S209:NO)、現在の予約時刻での印刷処理を実行するよう印刷部23を制御し(S211)、S213に進む。
【0064】
後発的に判定条件1Xを満たさなくなったり(S203:YES)、判定条件2X、2Yを満たすようになったりしたときには(S207:YES、S209:YES)、現在の予約時刻での印刷処理を禁止し、前述した図4に示す予約可否判定処理に移行する(S217)。この予約可否判定処理、更には印刷要求処理の一部を実行することにより、上記判定条件1Xを満たしたり、判定条件2X、2Yを満たさなくなるように、予約時刻や印刷条件が変更される(本発明の「第2変更処理」の一例)。なお、予約可否判定処理を、印刷装置3のCPU11に実行させる構成でも、予約印刷ジョブの印刷要求者が使用するクライアントPC7のCPU31Aに実行させる構成でもよい。
【0065】
(5)本実施形態の効果
本実施形態によれば、印刷要求者Aとは異なる非印刷要求者Bのスケジュール情報を取得し、そのスケジュール情報に基づき、印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、非印刷要求者Bの不在時間帯内であると判定した場合には(図4のS103:YES)、当該予定時刻での印刷実行を許可し、予定時刻が在席時間内であると判定した場合には(S103:NO)、当該予定時刻での印刷実行を禁止する。従って、印刷要求者Aが要求した印刷要求に対応する印刷が、非印刷要求者Bの在席時間内に実行されて印刷装置3から出力された印刷物が非印刷要求者Bに見られたりすることを抑制することが可能である。
【0066】
しかも、印刷要求に対応する印刷実行の予約時刻が、非印刷要求者Bの不在時間帯内であって、且つ、印刷要求者Aの在席時間帯内であることを条件に、当該予定時刻の印刷実行を許可する。従って、予定時刻が受け取り者の不在時間帯内でも印刷実行を許可する構成に比べて、受け取り者に早期に印刷物を受け取らせることができ、印刷物に対するセキュリティを向上させることが可能である。
【0067】
また、印刷要求の際に第1判定条件(判定条件1X)を満たすとして予定時刻での印刷実行が許可されたとしても、その後の非印刷要求者Bのスケジュール変更により、第1判定条件を満たさなくなった場合には予定時刻での印刷実行を許可から禁止に切り替える。このため、印刷要求後に非印刷要求者Bのスケジュールが変更されたとしても、印刷装置3から出力された印刷物が、非印刷要求者Bに見られたりすることを抑制することができる。
【0068】
非印刷要求者Bが予定時刻を含む所定時間内(予約時刻の直前第1基準時間内、予約時刻の直後第2基準時間内)に印刷装置3に印刷を実行させるための印刷要求をした場合には、予定時刻に非印刷要求者Bが自分の印刷物を取りに行くために印刷装置3近傍にいる可能性がある。そこで、本実施形態によれば、このような場合には、予定時刻での印刷実行を禁止することにより、印刷装置3から出力された印刷物が、非印刷要求者Bに見られたりすることを抑制することができる。
【0069】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。特に、各実施形態の構成要素のうち、最上位の発明の構成要素以外の構成要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。
【0070】
(1)上記実施形態では、クライアントPC7及び印刷装置3の使用者が、本発明でいう「非印刷要求者」の一例として挙げられたが、本発明はこれに限れない。例えば、クライアントPC7や印刷装置3を使用しない者でもよい。例えば会社において一時的に入室する清掃業者などでもよい。
【0071】
(2)上記実施形態では、印刷要求者Aが、非印刷要求者を指定する構成であったが、本発明でいう「指定処理」はこれに限られない。例えば、登録者のうち、印刷要求者A以外であって、且つ、印刷装置3の近傍に座席があることや、印刷物に付与された機密レベルに応じてその印刷物の閲覧ができない者を特定するなど、所定の条件を満たす者を、自動で指定する構成でもよい。
【0072】
(3)上記実施形態では、予約印刷の指定された印刷要求ないし予約印刷ジョブについて、予約可否判定処理やスケジュール変更時処理を実行したが、本発明はこれに限られない。予約印刷を指定しない印刷要求ないし通常印刷ジョブについて、予約時刻を、印刷要求時の時刻として、予約可否判定処理やスケジュール変更時処理を実行してもよい。
【0073】
(4)上記実施形態では、スケジュール情報をサーバ5から取得したが、本発明の「第1取得処理、第1取得部、第2取得処理、第2取得部」はこれに限られない。例えば、スケジュール情報が記憶された可搬型の外部メモリ(例えばUSBメモリ)から取得する構成でもよい。更に、印刷要求者が、非印刷要求者等のスケジュールを把握している場合には、印刷要求者が操作部39Aでの操作により入力したスケジュール情報を取得する構成でもよい。但し、上記実施形態であれば、サーバ5が管理するスケジュール情報を利用して比較的に容易に非印刷要求者Bのスケジュール情報を取得することができる。
【0074】
(5)上記実施形態では、印刷要求する者と、その印刷要求に基づく印刷物を受け取る者とが一致した例を挙げたが、本発明の「受け取る者」は、これに限られない。例えば印刷要求者A及び非印刷要求者B以外の者(例えば図2の登録者C)でもよい。この場合、印刷要求者Aが印刷要求の際に、登録者Cを指定することにより、当該登録者C宛にメール等を送付して、予約時刻等を通知することが好ましい。また、CPU31Aは、図4のS107において、サーバ5から登録者Cのスケジュール情報を取得し、予約時刻に登録者Cは在席しているかどうかを判定することになる。
【0075】
(6)上記実施形態では、判定条件1X、1Yを満たさない場合(S103:NO、S107:NO)、図3のS5に戻り、印刷要求者Aに、改めて予約時刻を指定し直させたが、本発明はこれに限られない。例えばCPU31Aが、各判定条件1X、1Yを満たす時刻に予約時刻を自動で変更する構成でもよい。また、判定条件1Zを満たさない場合に(S109:NO)、上記S5に進む構成でもよい。更に、判定条件1X、1Yを満たさない場合に(S103:NO、S107:NO)、S113に進む構成でもよい。
【0076】
(7)上記実施形態では、印刷要求処理をクライアントPC7側で実行し、スケジュール変更時処理を印刷装置3側で実行したが、本発明は、これに限られない。例えばクライアントPC7側で、印刷要求処理だけでなく、スケジュール変更時処理をも実行してもよい。また印刷装置3側で、印刷要求処理及びスケジュール変更時処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1...印刷システム
3...印刷装置
5...サーバ
7A,7B...クライアントPC
23...印刷部
11...CPU
31A...CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信可能に接続される印刷装置及び情報処理装置の少なくとも一方のコンピュータに、
印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付処理と、
前記印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得処理と、
前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、前記非印刷要求者が前記印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たすか否かを判定する第1判定処理と、
前記第1判定処理にて前記第1判定条件を満たすと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を許可し、前記第1判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御処理と、を実行させる、印刷要求プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷要求プログラムであって、
前記コンピュータに、更に、
前記印刷要求に基づき前記印刷装置から出力される印刷物を受け取る者のスケジュール情報を取得する第2取得処理を実行させ、
前記第1判定条件は、前記非印刷要求者及び前記印刷物の受け取り者のスケジュールに基づき、前記予定時刻が、前記非印刷要求者の前記不在時間帯内であって、且つ、前記受け取り者が前記印刷装置から前記所定領域内にいる時間帯内であることである、印刷要求プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の印刷要求プログラムであって、
前記第1判定条件には、更に、前記予定時刻に基づき実行した印刷が前記不在時間帯内に完了することが含まれる、印刷要求プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷要求プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1判定処理にて前記第1判定条件を満たさないと判定された場合に、前記第1判定条件を満たすように、前記予定時刻及び印刷条件の少なくとも一方を変更するための第1変更処理を実行させる、印刷要求プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷要求プログラムであって、
前記制御処理では、前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求の後に当該非印刷要求者のスケジュールが変更されたことにより、前記第1判定処理にて前記第1判定条件を満たさなくなった場合には、前記予定時刻での印刷実行を許可から禁止に切り替える、印刷要求プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷要求プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記非印刷要求者が前記予定時刻を含む所定時間内に前記印刷装置に印刷を実行させるための印刷要求をしたとの第2判定条件を満たすか否かを判定する第2判定処理を実行させ、
前記制御処理では、前記第1判定処理で前記第1判定条件を満たす場合であっても、前記第2判定処理にて前記第2判定条件を満たすと判定された場合には、前記予定時刻での印刷実行を禁止し、前記第2判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を許可する、印刷要求プログラム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の印刷要求プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記予定時刻での印刷実行を禁止した場合には、当該予定時刻を、前記印刷実行を許可できる時刻に変更するための第2変更処理を実行させる、印刷要求プログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷要求プログラムであって、
前記情報処理装置は、複数の者のスケジュールを管理する管理装置と通信可能に接続され、
前記第1取得処理は、前記複数の者から1または複数の者を、指定する指定処理を含み、当該指定処理で指定された者のスケジュール情報を前記管理装置から取得する、印刷要求プログラム。
【請求項9】
印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、
印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付部と、
前記印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得部と、
前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、前記非印刷要求者が本印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たすか否かを判定する第1判定部と、
前記第1判定部にて前記第1判定条件を満たすと判定された場合には、前記印刷装置に対し、当該予定時刻での印刷実行を許可し、前記第1判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御部と、を備える情報処理装置。
【請求項10】
印刷装置と、当該印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置とを備える印刷システムであって、
前記情報処理装置に設けられ、印刷要求者による印刷要求を受け付ける受付部と、
前記印刷要求者とは異なる非印刷要求者のスケジュール情報を取得する第1取得部と、
前記非印刷要求者のスケジュール情報に基づき、前記印刷要求に対応する印刷実行の予定時刻が、前記非印刷要求者が本印刷装置から所定領域内にいない不在時間帯内であるとの第1判定条件を満たすか否かを判定する第1判定部と、
前記印刷装置に設けられる印刷部と、
前記第1判定部にて前記第1判定条件を満たすと判定された場合には、前記印刷部に対し、当該予定時刻での印刷実行を許可し、前記第1判定条件を満たさないと判定された場合には、当該予定時刻での印刷実行を禁止する制御部と、を備える印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−209870(P2011−209870A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75259(P2010−75259)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】