説明

印刷適性向上剤

【課題】印刷適性向上効果の高い印刷適性向上剤を提供することである。
【解決手段】
ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)、並びに界面活性剤(d)を必須成分として含むことを特徴とする印刷適性向上剤を用いる。(a)、(b)、(c)及び(d)の重量に基づいて、(a)の含有量が10〜50重量%、(b)の含有量が20〜70重量%、(c)の含有量が10〜40重量%、(d)の含有量が1〜30重量%であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷適性向上剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷適性向上剤としては、ポリアルキレンポリ尿素−アルデヒド樹脂(特許文献1)の他、エチレン系不飽和カルボン酸アミドモノマー(アクリルアミド等)−不飽和カルボン酸モノマー(イタコン酸等)の共重合体(特許文献2)、ポリアミド−尿素−アルデヒド樹脂、アミン−エピハロヒドリン樹脂及びケトン樹脂が知られている(非特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−116351号公報
【特許文献2】特開昭63−243398号公報
【非特許文献1】紙パルプ製造技術シリーズ▲8▼コーティング107〜109頁、紙パルプ技術協会編、1993年発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の塗被紙用印刷適性向上剤では、印刷適性向上効果{たとえば、印刷光沢、インク着肉、ドライピック、ウエットピック、インクセット}が不十分であり、更に印刷適性向上効果の高い印刷適性向上剤の開発が求められていた。
本発明の目的は、印刷適性向上効果の高い印刷適性向上剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はこのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の印刷適性向上剤の特徴は、ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)、並びに界面活性剤(d)を必須成分として含む点を要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印刷適性向上剤は、印刷適性向上効果{たとえば、印刷光沢、インク着肉、ドライピック、ウエットピック及びインクセット}が優れている。したがって、本発明の印刷適性向上剤を塗被塗料に適用すると、印刷適性を格段に向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<ポリアクリルアミド(a)>
ポリアクリルアミド(a)はアクリルアミドホモポリマーを意味する。
ポリアクリルアミド(a)の重量平均分子量は、1万〜2000万が好ましく、さらに好ましくは5万〜1000万、特に好ましくは10万〜800万である。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ポリアクリルアミド(a)の水溶液の極限粘度と、次式とから算出される値である。
【数1】

[η]は極限粘度を意味する。
極限粘度は、JIS K7367−1:2002に準拠して測定される。但し、測定温度は30℃、測定溶液は1N−NaNO3水溶液を使用して調整する。
ポリアクリルアミドは、公知の方法{たとえば、特開平8−208720号公報、特開平10−316714号公報及び特開2002−145918号公報等}により、容易に得られる。
【0008】
<水(b)>
水(b)としては、蒸留水、イオン交換水、水道水及び工業用水等が挙げられる。これらのうち、蒸留水及びイオン交換水が好ましい。
【0009】
<炭化水素液体(c)>
炭化水素液体(c)としては、鉱物油及び動植物油等が含まれる。
鉱物油としては、原油のうち、250〜415℃の留分を水素添加して得られるもの等が含まれ、灯油、ナフサ、ノルマルパラフイン、イソパラフイン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。
動植物油としては、天然植物油、天然動物油及びこれらの変性油等が使用でき、牛脂、豚脂、鯨油、魚油、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、トウモロコシ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、月見草油、パーム油、ヤシ油、パーム核油等及びこれらの水素添加油等が挙げられる。
炭化水素液体のうち、鉱物油が好ましく、さらに好ましくは灯油、ナフサ、ノルマルパラフイン、イソパラフイン、ベンゼン、トルエン及びキシレン、特に好ましくはノルマルパラフイン及びイソパラフインである。
【0010】
炭化水素液体(c)の動粘度(mm2/s;40℃)としては、4〜146が好ましく、さらに好ましくは4〜30、特に好ましくは10〜28、最も好ましくは15〜25である。この範囲であると、製品安定性等がさらに良好となる。
【0011】
<界面活性剤(d)>
界面活性剤(d)としては、公知の界面活性剤{全改訂新・界面活性剤入門、藤本武彦著、1981年発行};非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤}等が含まれる。
これらのうち、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が好ましく、さらに好ましくは非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤、特に好ましくは非イオン性界面活性剤、次に好ましくは脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキシド(炭素数2〜8)付加物(付加モル数1〜100)、多価(2〜10価)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル及びポリアルキレングリコール(炭素数2〜8、重合度1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル、さらに次に好ましくは脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキシド(炭素数2〜8)付加物(付加モル数1〜100)及び多価(2〜10価)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル、最も好ましくは脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキシド(炭素数2〜8)付加物(付加モル数1〜100)である。
【0012】
ポリアクリルアミド(a)の含有量(重量%)は、ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の重量に基づいて、10〜50が好ましく、さらに好ましくは20〜45、特に好ましくは30〜40である。
水(b)の含有量(重量%)は、ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の重量に基づいて、20〜70が好ましく、さらに好ましくは25〜60、特に好ましくは30〜50重量部である。
炭化水素液体(c)の含有量(重量%)は、ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の重量に基づいて、10〜40が好ましく、さらに好ましくは15〜30、特に好ましくは20〜25である。
界面活性剤(d)の含有量(重量%)は、ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の重量に基づいて、1〜30が好ましく、さらに好ましくは5〜25、特に好ましくは10〜20である。
これらの範囲であると、印刷適性向上効果等がさらに良好となる。
【0013】
本発明の印刷適性向上剤には、必要により、公知のpH緩衝剤、重合体の劣化防止剤(酸化防止剤等)、消臭剤、防腐剤、防錆剤、脱色剤等(たとえば、14102の化学商品 化学工業日報社編、2002年発行;及びファインケミカルシリーズ コーティング用添加剤の最新技術 シーエムシー編、2001年発行)}を含んでいてもよい。これらを含む場合、これらの含有量は、ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の重量に基づいて、0.001〜5重量%が好ましい。
【0014】
本発明の印刷適性向上剤の形態には制限がなく、乳化分散状又は粉体状等の何れでもよいが、製造しやすさ、取り扱いやすさの観点等から、乳化分散状が好ましい。
乳化分散状にする方法としては、アクリルアミドを、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の存在下で乳化重合する方法等が適用できる。乳化重合は、公知の方法{たとえば、特開昭60−20517号公報、特開昭60−190403号公報等}と同様である。
なお、乳化重合に際して、必要に応じて、連鎖移動剤、pH緩衝剤、キレート剤等を用いてもよい。
また、界面活性剤(d)は、乳化重合後に、同じ種類又は別の種類の界面活性剤をさらに添加混合してもよい。
また、乳化重合後、水(c)を加えたり、留去したりして、濃度調整してもよい。
乳化重合法の他に、溶液重合{たとえば、特開平10−316714号公報}で得られたポリアクリルアミドを、水(b)、界面活性剤(d)等と共に、炭化水素液体(c)に乳化分散する方法や、含水ゲル状重合{たとえば、特開平10−87842号公報}で得られた含水状重合体(ポリアクリルアミド)を、界面活性剤(d)等と共に、炭化水素液体(c)に乳化分散する方法や、分散重合{たとえば、特開2003−41141号公報}で分散体を得る方法等が適用できる。
【0015】
本発明の印刷適性向上剤の形態が乳化分散状の場合、乳化分散粒子の体積平均粒子径(μm)は、0.01〜50が好ましく、さらに好ましくは0.05〜30、特に好ましくは0.1〜20、最も好ましくは0.3〜15である。
なお、体積平均粒子径は、体積平均粒子径が1〜100μmの場合、レーザー回折式粒度分析計{例えば、日機装(株)製のマイクロトラックHRA粒度分析計}により測定される{JIS Z8825−1:2001(粒子径解析−レーザー回折法−第1部:測定原理)、対応ISO;ISO 13320−1:1999(Particle size analysis-Laser diffraction methods-Part1:General principles.)に準拠}。一方、体積平均粒子径が1μmより小さい場合、レーザードップラー式粒度分析計{日機装(株)製のマイクロトラックUPA粒度分析計}により測定される(たとえば、測定条件は以下の通りである)。
溶 媒 :電気伝導度0.1mS/m以下の水99重量部とノニオン性界面活性剤(高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(HLB=13.3)、ナロアクティHN−100、三洋化成工業株式会社製)1重量部との水溶液
サンプル濃度:1重量%
溶媒屈折率 :1.33
粒子屈折率 :1.81
測定温度 :25℃±10℃
粒子透過性 :透過
【0016】
本発明の印刷適性向上剤の形態が乳化分散状の場合、乳化分散体の粘度(mPa・s;25℃)は、1000〜10,000が好ましく、さらに好ましくは2000〜8000、特に好ましくは3000〜5000である。この範囲であると、取扱い性がさらに良好となる。なお、粘度の測定は、JIS K7117−1:1999(B型粘度計、25℃、No.4ローター、60rpm、1分後の粘度を測定)により測定できる。
【0017】
本発明の印刷適性向上剤の形態が粉体状の場合、乳化分散体から、揮発分を留去すること等による得られる。
本発明の印刷適性向上剤の形態が粉体状の場合、粉体の体積平均粒子径(μm)は、0.01〜50が好ましく、さらに好ましくは0.05〜30、特に好ましくは0.1〜20、最も好ましくは0.3〜15である。
【0018】
本発明の印刷適性向上剤は、水系の塗被塗料(塗被紙用塗被塗料、外装建材用塗被塗料、自動車用塗被塗料等)等に添加して用いられる。
水系の塗被塗料のうち、塗被紙用塗被塗料に対して好適である。
なお、塗被紙としては、アート紙、上質コート紙、中質コート紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、キャストコート紙、エンボス紙、アートポスト紙、ファンシーコーテッド紙、純白ロールコート、ダルコート紙、マットコート紙、微塗工上質紙、微塗工印刷紙、インクジェット紙、感熱紙及び感圧紙等が挙げられる。これらのうち、アート紙、上質コート紙、ダルコート紙及びマットコート紙の塗被塗料用として最適である。
【0019】
塗被紙用塗被塗料としては、公知の顔料及び接着剤等{たとえば、紙塗工、高分子ラテックスの応用、室井宗一著、1992年発行}を含有してなり、これに本発明の印刷適性向上剤を混合すると、印刷適性向上効果が著しく向上する。
塗被紙用塗被塗料に適用する場合、印刷適性向上剤の含有量(重量%)は、顔料の重量に基づいて、0.05〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜7、特に好ましくは0.3〜5である{他の塗被塗料の場合もこの範囲と同等である。}。この範囲にあると、印刷適性向上効果等がさらに良好となる。
【0020】
塗被塗料には、顔料として、炭酸カルシウム{重質及び/又は軽質炭酸カルシウム}を必須成分として含むことが好ましい。炭酸カルシウムを含む場合、この含有量(重量%)は、顔料の重量に基づいて、50〜100が好ましく、さらに好ましくは60〜100である。この範囲であると、印刷物の印刷適性等がさらに良好となる。
【実施例】
【0021】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
【0022】
<実施例1>
炭化水素液体(c1){イソパラフィン;日本石油化学工業社製アイソゾール−300}380部、界面活性剤(d1){ソルビタンモノオレエート;三洋化成工業株式会社製イオネット S−80}50部及び界面活性剤(d2){ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;三洋化成工業株式会社製イオネット MO−600}100部を均一撹拌混合し、窒素ガスをバブリングしながら60℃に昇温した後、窒素ガスバブリング及び60℃を保ちながら、これに、単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部及び水(b1){イオン交換水}370部を均一溶解した水溶液}を加え、ホモミキサー{TKホモミクサーMARK2、特殊機化工業株式会社製、6000rpm}で30分間攪拌して、乳化体を得た。引き続き、窒素ガスのバブリング及び60℃を保ちながら、触媒溶液{2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.39部及びアセトン5部を溶解した溶液}を添加し、3時間重合させて本発明の印刷適性向上剤(1){25℃の粘度:5000mPa・s(トキメック社製BM型粘度計:TV−20型、25℃、No.4ローター、60rpm、1分値;以下同様)}を得た。
を得た。
【0023】
<実施例2>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)180部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)30部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)70部」に変更したこと、「アクリルアミド(a1)100部」を「アクリルアミド(a1)500部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}220部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(2)を得た。
【0024】
<実施例3>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「アクリルアミド(a1)100部」を「アクリルアミド(a1)200部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}530部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(3)を得た。
【0025】
<実施例4>
「アクリルアミド(a1)100部」を「アクリルアミド(a1)450部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}280部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(4)を得た。
【0026】
<実施例5>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「アクリルアミド(a1)100部」を「アクリルアミド(a1)300部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}430部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(5)を得た。
炭化水素液体(c2)310部、界面活性剤(d3)40部及び界面活性剤(d5){ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム;三洋化成工業株式会社製キャリボン EN−200}30部を均一撹拌混合し、窒素ガスをバブリングしながら60℃に昇温した後、窒素ガスバブリング及び60℃を保ちながら、これに、単量体水溶液{アクリルアミド(A1)223.2部、共重合体ビニル単量体(A21){アクリル酸ナトリウム}93.0部、共重合体ビニル単量体(A23){2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム}51.5部及び水(b1){イオン交換水}252部を均一溶解した水溶液}を加え、ホモミキサー{TKホモミクサーMARK2、特殊機化工業株式会社製、6000rpm}で30分間攪拌して、乳化体を得た。引き続き、窒素ガスのバブリング及び60℃を保ちながら、触媒溶液{過硫酸ナトリウム0.35部をイオン交換水5部に溶解した溶液}を添加し、4時間重合させて本発明の印刷適性向上剤(5)を得た。
【0027】
<実施例6>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「アクリルアミド(a1)100部」を「アクリルアミド(a1)200部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}530部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(6)を得た。
【0028】
<実施例7>
炭化水素液体(c2){出光興産社製スーパーゾルLA−35}360部、界面活性剤(d3){ソルビタンモノオレエート;三洋化成工業株式会社製イオネット S−80}30部及び界面活性剤(d4){ポリオキシアルキレンエーテル;三洋化成工業株式会社製エマルミン 50}40部を均一撹拌混合し、窒素ガスをバブリングしながら60℃に昇温した後、窒素ガスバブリング及び60℃を保ちながら、これに、単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部及び水(b1){イオン交換水}200部を均一溶解した水溶液}を加え、ホモミキサー{TKホモミクサーMARK2、特殊機化工業株式会社製、6000rpm}で30分間攪拌して、乳化体を得た。引き続き、窒素ガスのバブリング及び60℃を保ちながら、触媒溶液{過硫酸ナトリウム0.30部をイオン交換水5部に溶解した溶液}を添加し、2時間重合させて本発明の印刷適性向上剤(7)を得た。
【0029】
<実施例8>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)130部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)20部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)30部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)120部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}700部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(8)を得た。
【0030】
<実施例9>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)270部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)100部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)170部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)210部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}270部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(9)を得た。
【0031】
<実施例10>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)130部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}600部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(10)を得た。
【0032】
<実施例11>
「炭化水素液体(c2)360部」を「炭化水素液体(c2)290部」に変更したこと、「界面活性剤(d3)30部」を「界面活性剤(d3)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d4)40部」を「界面活性剤(d4)35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)350部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}200部」を「水(b1){イオン交換水}300部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(11)を得た。
【0033】
<実施例12>
「炭化水素液体(c2)360部」を「炭化水素液体(c2)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d3)30部」を「界面活性剤(d3)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d4)40部」を「界面活性剤(d4)35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)230部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}200部」を「水(b1){イオン交換水}500部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(12)を得た。
【0034】
<実施例13>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)100部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)70部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)350部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}380部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(13)を得た。
【0035】
<実施例14>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)400部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)160部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}380部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(14)を得た。
【0036】
<実施例15>
「炭化水素液体(c2)360部」を「炭化水素液体(c2)150部」に変更したこと、「界面活性剤(d3)30部」を「界面活性剤(d3)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d4)40部」を、「界面活性剤(d5){ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム;三洋化成工業株式会社製キャリボン EN−200}35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)350部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}200部」を「水(b1){イオン交換水}440部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(15)を得た。
【0037】
<実施例16>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)300部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)260部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}380部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(16)を得た。
【0038】
<実施例17>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)200部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)60部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)60部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)360部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}320部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(17)を得た。
【0039】
<実施例18>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)250部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)25部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)35部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)350部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}340部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(18)を得た。
【0040】
<実施例19>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)190部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)3部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)7部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)120部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}680部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(19)を得た。
【0041】
<実施例20>
「炭化水素液体(c2)360部」を「炭化水素液体(c2)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d3)30部」を「界面活性剤(d3)100部」に変更したこと、「界面活性剤(d4)40部」を、「界面活性剤(d4)200部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)110部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}200部」を「水(b1){イオン交換水}380部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(20)を得た。
【0042】
<実施例21>
「炭化水素液体(c2)360部」を「炭化水素液体(c2)220部」に変更したこと、「界面活性剤(d3)30部」を「界面活性剤(d3)20部」に変更したこと、「界面活性剤(d4)40部」を、「界面活性剤(d5)50部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)350部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}200部」を「水(b1){イオン交換水}380部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(21)を得た。
【0043】
<実施例22>
「炭化水素液体(c2)360部」を「炭化水素液体(c2)230部」に変更したこと、「界面活性剤(d3)30部」を「界面活性剤(d3)100部」に変更したこと、「界面活性剤(d4)40部」を、「界面活性剤(d4)150部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)370部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)280部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}200部」を「水(b1){イオン交換水}240部」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(22)を得た。
【0044】
<実施例23>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)40部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)60部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)350部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}340部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(23)を得た。
【0045】
<実施例24>
「炭化水素液体(c1)380部」を「炭化水素液体(c1)210部」に変更したこと、「界面活性剤(d1)50部」を「界面活性剤(d1)80部」に変更したこと、「界面活性剤(d2)100部」を「界面活性剤(d2)120部」に変更したこと、「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)100部」を「単量体水溶液{アクリルアミド(a1)120部」に変更したこと、「水(b1){イオン交換水}370部」を「水(b1){イオン交換水}350部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の印刷適性向上剤(24)を得た。
【0046】
【表1】

【0047】
<比較例1>
特許文献1に記載された実施例の例1(a)と同様にして、比較用の印刷適性向上剤(H1){ポリアルキレンポリ尿素−アルデヒド樹脂}を得た。
【0048】
<比較例2>
特許文献2に記載された実施例の共重合体Aと同様にして、比較用の印刷適性向上剤(H2){アクリルアミド:イタコン酸=90:10の共重合体}を得た。
【0049】
特許文献2に記載
<比較例3>
ジエチレントリアミン103部及び尿素60部を140〜150℃で5時間加熱撹拌し、その間発生するアンモニアを除去した。次いで120℃まで冷却してから、290部の水を加え、均一混合した後、37重量%ホルマリン水溶液51部を加えて水溶液を得た。この水溶液に、10N−水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10.5に調整した。さらに、この水溶液を63〜65℃で2時間攪拌した後、1N−塩酸でpHを7.5に調整して、比較用の印刷適性向上剤(H3){ポリアミド−尿素−アルデヒド樹脂、アミン−エピハロヒドリン樹脂}を得た。
【0050】
<実施例25〜48及び比較例4〜6>
No.1プレディスパーズトクレー{ENGELHARD MINERAL&CHEMICALS社製、UW−90}50部、重質炭酸カルシウム{(株)ファイマテック製、FMT−90(75%水分散液)}66.7部、分散剤{サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040(40%水溶液)}0.35部、水酸化ナトリウム0.18部及び水14.2部を、ホモディスパー{(株)島崎製作所製、ROTARY AJITER SH2Z}(3000rpm)で30分間、混合・分散して、分散体を得た。
引き続き、この分散体に、スチレン−ブタジエンラテックス[ジェイエスアール(株)製、JSR2635G(濃度48%、残りは水)]24.8部及び水に溶解したリン酸エステル化澱粉(濃度35%)[日本食品加工(株)製、MS−4600]8.6部を加えた後、実施例1〜13及び比較例1〜3の印刷適性向上剤のうちいずれか1種を0.25部を加えて、ホモディスパー(3000rpm)で15分間、撹拌・混合して、本発明の塗被塗料(1)〜(24)及び比較用の塗被塗料(H1)〜(H3){いずれも濃度64%}を得た。
また、印刷適性向上剤を加えなかったこと以外、上記と同様にして、塗被塗料(ブランク)を得た。
【0051】
<実施例49〜72及び比較例7〜9>
重質炭酸カルシウム{(株)ファイマテック製、FMT−90(75%水分散液)}133.3部、分散剤{サンノプコ(株)製、SNディスパーサント5040(40%水溶液)}0.35部、水酸化ナトリウム0.05部及び水5.8部を、ホモディスパー{(株)島崎製作所製、ROTARY AJITER SH2Z}(3000rpm)で30分間、混合・分散して、分散体を得た。
引き続き、この分散体に、スチレン−ブタジエンラテックス[ジェイエスアール(株)製、JSR2635G(濃度48%、残りは水)]20.8部及び水に溶解した酸化澱粉(濃度35%)[日本食品加工(株)製、MS−3600]8.6部を加えた後、実施例1〜13及び比較例1〜3の印刷適性向上剤のうちいずれか1種を0.25部を加えて、ホモディスパー(3000rpm)で15分間、撹拌・混合して、本発明の塗被塗料(25)〜(48)及び比較用のと被塗料(H4)〜(H6){いずれも濃度67%}を得た。
また、印刷適性向上剤を加えなかったこと以外、上記と同様にして、塗被塗料(ブランク)を得た。
【0052】
<実施例73〜120、比較例10〜15>
実施例25〜72及び比較例4〜9で得た塗被塗料のうちいずれか1種の塗被塗料を、坪量68g/m2 の上質紙原紙{コクヨ(株)製、KB−34}に塗工量(坪量)が10g/m2 になるように枚葉式ブレードコーター{(株)オースギ製 MLC−100L}(塗被速度20m/秒)で塗被した後、135℃で20秒間乾燥し、さらに、温度70℃、線圧100kg/cmでスーパーカレンダーに2回通紙し、本発明の塗被紙(1)〜(48)及び比較用の塗被紙(H1)〜(H6)(30×20cm)を得た。
【0053】
<印刷光沢>
印刷適性試験機{石川島産業機械(株)製、RI‐1型}及びインク(東洋インキ製造(株)製、TKハイエコー紅、M8.0)を用いて、塗被紙にインクを印刷した後、ディジタル光沢計{村上色彩技術研究所(株)製、GM−26D型}で、印刷光沢を測定した。数値が大きいほど光沢が良好であることを示す。
【0054】
<インク着肉>
印刷適性試験機{石川島産業機械(株)製、RI‐1型}及びインク(東洋インキ製造(株)製、TKハイエコー墨、M9.0)を用いて、塗被紙にインクを印刷した後、濃度計{GRETAGMACBETH製、RD−19}で、インク着肉を測定した。数値が大きいほどインク着肉が良好であることを示す。
【0055】
<ウエットインク着肉>
印刷適性試験機{石川島産業機械(株)製、RI‐1型}及びピッキングインク(大日本インキ化学工業(株)製、TV=6)を用いて、塗被紙にピッキングインクを印刷した後、目視で印刷面を観察し、以下の基準でウエットインク着肉を評価した。数値が大きいほどウエットインク着肉が良好であることを示す。
5:紙面にインクが載っていない部分がない
4:紙面の約1〜20面積%にインクが載っていない部分がある
3:紙面の約21〜40面積%にインクが載っていない部分がある
2:紙面の約41〜70面積%にインクが載っていない部分がある
1:紙面の約71〜100面積%にインクが載っていない部分がある
【0056】
<インクセット>
印刷適性試験機{石川島産業機械(株)製、RI‐1型}及びインク(大日本インキ化学工業(株)製、ジオスGスミ)を用いて、塗被紙にインクを印刷した後、濃度計{GRETAGMACBETH製、RD−19}で、インクセットを測定した。数値が小さいほどインクセットが良好であることを示す。
【0057】
<ドライピック>
印刷適性試験機{石川島産業機械(株)製、RI‐1型}及びピッキングインク(大日本インキ化学工業(株)製、TV=30)を用いて、塗被紙にピッキングインクを印刷した後、目視で印刷面を観察し、以下の基準でドライピック強度を評価した。数値が大きいほどドライピック強度が強いことを示す。
5:紙面にムケがない
4:紙面の約1〜20面積%にムケがある
3:紙面の約21〜40面積%にムケがある
2:紙面の約41〜70面積%にムケがある
1:紙面の約71〜100面積%にムケがある
【0058】
<ウエットピック>
印刷適性試験機{石川島産業機械(株)製、RI‐1型}及びピッキングインク(大日本インキ化学工業(株)製、TV=26)を用いて、塗被紙にピッキングインクを印刷した後、目視で印刷面を観察し、以下の基準でウエットピック強度を評価した。数値が大きいほどウエットピック強度が強いことを示す。
5:紙面にムケがない
4:紙面の約1〜20面積%にムケがある
3:紙面の約21〜40面積%にムケがある
2:紙面の約41〜70面積%にムケがある
1:紙面の約71〜100面積%にムケがある
【0059】
<塗被塗料物性>
(1)ローシア粘度
BM型粘度計{(株)東京計器製}を用いて、塗被塗料の25℃での低剪断粘度(60rpm)を測定した。
(2)ハイシア粘度
ハイシア粘度計{SMT(株)製、PM−9000V}を用いて、塗被塗料の25℃での高剪断粘度(8800rpm)を測定した。
(3)保水性
保水性試験機{CALTEKSCIENTIFIC(株)製}を用いて、塗被塗料の25℃での保水性を測定した。数値が小さい方が保水性が良好である。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
本発明の印刷適性向上剤は、印刷適性向上剤を添加しなかったとき{ブランク(無添加)}と比較して、印刷適性が著しく向上した。さらに、塗被塗料の増粘性、保水性も良好であった。一方、比較例の印刷性向上剤は、ブランクに比較して、印刷適性はわずかに向上した程度であった。さらに、塗被塗料の増粘性、保水性も本発明の印刷適性向上剤ほど良好ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の印刷適性向上剤は、印刷適性を要求される用途に制限なく使用できる。特に、塗被紙の印刷適性を向上させる目的で、塗被塗料に使用される塗被紙用印刷適性向上剤として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)、並びに界面活性剤(d)を必須成分として含むことを特徴とする印刷適性向上剤。
【請求項2】
ポリアクリルアミド(a)、水(b)、炭化水素液体(c)及び界面活性剤(d)の重量に基づいて、ポリアクリルアミド(a)の含有量が10〜50重量%、水(b)の含有量が20〜70重量%、炭化水素液体(c)の含有量が10〜40重量%、界面活性剤(d)の含有量が1〜30重量%である請求項1に記載の印刷適性向上剤。
【請求項3】
顔料、接着剤及び請求項1又は2のいずれかに記載の印刷適性向上剤を含有してなる塗被紙用塗被塗料。
【請求項4】
顔料として炭酸カルシウムを含み、炭酸カルシウムの含有量が顔料の重量に基づいて50〜100重量%である請求項3に記載の塗被塗料。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の塗被塗料を塗被原紙に塗被してなる塗被紙。

【公開番号】特開2007−332268(P2007−332268A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165484(P2006−165484)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(000106438)サンノプコ株式会社 (124)
【Fターム(参考)】