説明

印字ヘッドのコイル自動挿入装置

【課題】コイルを所定の組付け位置に挿入する際に、一旦姿勢補正機構部により挿入姿勢を補正し、所定の組付け位置に挿入するようにした、印字ヘッドのコイル自動挿入装置を提供する。
【解決手段】姿勢補正機構部27は、コイルトレイ載置待機部25のターンテーブル25t、コイル挿入部26のターンテーブル26t間にあって、基台40上に立設された姿勢補正機構部本体27aと、姿勢補正機構部本体27aに弾発的に退避可能に支持されている補正ヘッド27bと、補正ヘッド27bに突設され、作業ロボット30におけるハンド部30bで把持されたコイルを挿入する複数の姿勢補正用案内突起27b1、27b2とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印字ヘッドのコイル自動挿入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドットインパクトプリンタの印字ヘッド1の一例としては、図15に示す構成のものを挙げることができる。すなわちこの印字ヘッド1では、構成としてノーズ2と、基板3と、磁気ベースのヨーク4と、コイル5と、アーマチャ6と、ドットワイヤ7と、ワイヤガイド8と、アーマチャガイド9と、ストッパ10と、カバー11と、クランパー12と、ゴムリング13と、コイルスプリング14とを含んでいる。
【0003】
アーマチャ6は印字ヘッド1の中心線Oを中心としてドット数に応じた数だけ(例えば、24ドットの場合は24個)放射状に配列されている。各アーマチャ6の内側端部にはそれぞれワイヤ7を固定して接続している。
コイル5はアーマチャ6に対応した数だけ円周上に配置されており、所定のコイル5に通電され該当するヨーク4が励磁されると、アーマチャ6の基端部(B点)を中心としてアーマチャ6がコイル5の側へ吸引される。これにより、ワイヤ7はワイヤガイド8に案内されて、図15のAの方向に突出して印字動作を行う構成となっている。
コイル5への通電が停止されると、アーマチャ6はコイルスプリング14の復元力によりワイヤ7と共に元の位置に戻され、印字動作を終了する。
【0004】
ここで、図16に印字ヘッド1のコイル5の配置を示す。ここでは、印字ヘッド1は、24本のワイヤ7を有し、24ドットの印字幅Wを有する。各ワイヤ7を駆動するコイル5は、図示のように円周上に配置されており、各コイル5とワイヤ7の対応関係は図17の通りであり、図16の参照番号αからδは、それぞれ1番、2番、23番及び24番のワイヤ7を駆動する。
図17は、上述のコイル5に対応するワイヤ7を、ワイヤ番号で示している。ワイヤ7は、打点面では、ワイヤ番号の順に1列又は複数列に配置される。2列に配列する場合は、例えば、一方の列では奇数番のワイヤ7が番号順に1列に所定の間隔で配列され、他方の列では偶数番のワイヤ7が番号順に1列に所定の間隔で配列され、奇数番と偶数番のワイヤ7が配列間隔の半分だけ配列方向にずれて配置される。印字する場合には、列の間隔を考慮してその分データを遅らせるようにしている。
【0005】
以上のような印字ヘッド1のドライブアッセンブリを組み立てる際、組立工程において、複数のコイル5をノーズ2の所定の組込み位置に一つ一つ、ずれないように組み込んでいく必要がある。そのために、コイル5を自動的に位置決めして効率的にセットしていく自動製造設備が求められている。
【0006】
上述のコイルのような多数の部品を自動的に組み立てていく装置として、例えば、ロボット先端に専用工具を装着して、CCDカメラなどにより位相を予め合わせた上で、組み立てを行う方法や、ロボット先端に装着した力センサの計測データから軸心合わせの移動方向や移動量を生成し軸心を合わせ、引き続き力センサの計測データから位相合わせの移動量を生成し、順次嵌合挿入する方法が周知である。
しかしながら、上述の組み立て方法において、力センサデータにノイズが乗りやすく、得られた力情報から軸心合わせの移動方向を正確に求めることは困難であり、嵌合挿入作業が不確実であること、加えて力センサデータに基づいて軸心合わせの移動量を決定し、移動後に動作確認し、次いで位相合わせを順次実行するという手順であるため、高速化が望めない。
そこで、特許文献1では、上記欠点を克服するために、力センサデータの出力を待ってから軸心合わせの移動量や位相合わせの移動量を演算するというような時系列上の制約なしに軸心合わせと位相合わせを同時に実行するという手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−254257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本手法では、位置決め把持工程、押圧工程と、公転軌道生成工程、嵌合挿入方向軸周りの回転量を生成する自動軌道生成工程、において、煩雑な制御手法を用いなければならず、設備費が嵩む懸念がある。
本発明は、以上のような背景に鑑みて提案されたものであって、コイルの自動挿入製造設備に関するもので、コイルを所定の組付け位置に挿入する際に、ロボットによるコイルの把持時の予め定めた挿入姿勢に対するずれを、カメラを用いた画像認識手段等、複雑な制御手段を用いることなく補正して、円滑なコイルの挿入を可能とした、印字ヘッドのコイル自動挿入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、請求項1にかかる発明では、印字ヘッドのコイル自動挿入装置であって、複数のコイルを搭載したトレイを載置できるコイルトレイ載置待機部と、コイルトレイ載置待機部に載置されたトレイから、コイルを把持して取り出す作業ロボットと、作業ロボットにより把持されたコイルの、予め定めた挿入姿勢に対するずれを補正する姿勢補正機構部と、コイルが挿入姿勢で挿入されるヘッドベースを配置できるコイル挿入部と、を備え、姿勢補正機構部において把持時の挿入姿勢に対するずれが補正されたコイルを、再度、作業ロボットにより把持して、コイルを挿入姿勢でヘッドベースに挿入するようにしたことを特徴とする。
【0010】
これにより、コイルトレイ載置待機部におけるトレイから、作業ロボットによりコイルを把持して、一旦姿勢補正機構部により予め定めた挿入姿勢に対するずれを補正し、再度作業ロボットによりコイルを把持して、ヘッドベースにおける所定の挿入位置にコイルを挿入することができる。
【0011】
また、請求項2に係る発明では、コイルトレイ載置待機部は、トレイをそれぞれ載置できる複数のコイルトレイ載置台を具備し、コイルトレイ載置台は、載置されたトレイの歪みを補正する歪み補正手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
これにより、コイルトレイ載置待機部におけるトレイから、作業ロボットによりコイルを把持する前に、トレイ自体の歪みを矯正することができ、トレイに収納されるコイルの姿勢への影響を少なくし、作業ロボットによるコイルの把持時の予め定めた挿入姿勢に対するずれを抑制することができる。
【0013】
また、請求項3に係る発明では、歪み補正手段は、コイルトレイ載置台にトレイが載置されているか否かを検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
これにより、コイルトレイ載置台にトレイが載置されているか否かを検出することができるので、オペレータは、速やかにコイルトレイ載置台にトレイを載置するという対応をとることができる。
【0015】
また、請求項4に係る発明では、姿勢補正機構部は、作業ロボットのハンド部で把持されたコイルを挿入する姿勢補正用案内突起を具備し、姿勢補正用案内突起は、挿入すべきコイルの内径に対応する外径の軸部を有し、軸部の先端に、コイルの挿入を容易とする先端先細形状のテーパー部を設けたことを特徴とする。
【0016】
これにより、コイルは姿勢補正用案内突起の先端先細形状のテーパー部により、容易に姿勢補正用案内突起に挿入される。その際、コイルは、姿勢補正用案内突起の軸部に沿って姿勢が修正される。
【0017】
また、請求項5に係る発明では、姿勢補正用案内突起は補正ヘッドに突設され、姿勢補正機構部の本体に、補正ヘッドを介して弾発的に退避可能に支持されていることを特徴とする。
【0018】
これにより、例えば作業ロボットのハンド部がコイルを把持していない状態で、ロボットのハンド部が姿勢補正用案内突起を姿勢補正機構部本体側に押し込んでも、姿勢補正用案内突起が退避することで、作業ロボットのハンド部における爪部の損傷を回避することができる。
【0019】
また、請求項6に係る発明では、姿勢補正機構部の本体は、コイル挿入検出部を備えていることを特徴とする。
【0020】
これにより、作業ロボットのハンド部における爪部がコイルを把持していない状態で、姿勢補正用案内突起にコイルが挿入できない場合、コイル挿入検出部により、供給ミスが起こったことを把握することができ、オペレータは速やかに対処することができる。
【0021】
また、請求項7に係る発明では、コイル挿入検出部は、姿勢補正機構部の本体に対し、補正ヘッドから突設された検出軸と、検出軸が遮ることでコイルの挿入を検出する非接触型センサとを含んで構成されていることを特徴とする。
【0022】
これにより、作業ロボットのハンド部における爪部が把持したコイルを押し込んで姿勢補正用案内突起にコイルが挿入される際、作業ロボットのハンド部により押し込められて姿勢補正用案内突起が突設される補正ヘッドが、姿勢補正機構部の本体側に退避する。そうすると、検出軸が押込まれる方向に移動することで、非接触型センサにより検出軸が検出され、コイルが所定どおり挿入されたことを把握することができる。
【0023】
また、請求項8に係る発明では、姿勢補正機構部の本体は、コイルを姿勢補正用案内突起に挿入する時に、コイルの端子部が接続されることで、導通テストを行うコンタクトプローブを備えていることを特徴とする。
【0024】
これにより、姿勢補正用案内突起に所定どおりコイルの挿入がなされると、コイルの端子部がそれぞれコンタクトプローブに電気的に接続状態となり、これにより、コイルの導通テストを行うことができ、不良コイルを的確に把握することができ、不良コイルの組付けをなくすことができる。
【0025】
また、請求項9に係る発明では、前記作業ロボットのハンド部は、把持するコイルの内側寸法に応じて、互いの間隔を調節可能とした一対の爪部を備えたことを特徴とする。
【0026】
これにより、組込み機種が異なっても、機種ごとにコイルを把持する作業ロボットのハンド部の爪交換が不要であり、多品種混合組込みが可能となり、小ロット生産にも対応可能である。
【0027】
また、請求項10に係る発明では、一対の爪部は、把持すべきコイルの内側空間形状に対応させて形状を異ならせている対をなす爪部先端部を有することを特徴とする。
【0028】
これにより、爪部は、確実にコイルを把持することができる。
【0029】
さらに、請求項11に係る発明では、爪部の各々は、把持すべきコイルの内側空間の大きさに対応させて差込先端側が小さく、差込後端側が大きい段差形状となっている爪部先端部を有することを特徴とする。
【0030】
これにより、把持すべきコイルが比較的小さい場合、爪部先端部の差込先端側で把持し、コイルが比較的大きい場合は、爪部先端部の差込後端側に差し込んで把持することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、コイルを所定の組付け位置に挿入する際に、カメラを用いた画像認識手段等、複雑な制御手段を用いることなく、コイルを予め定めた挿入姿勢に対するずれを補正して所定の組付け位置にコイルを挿入することができる、印字ヘッドのコイル自動挿入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る印字ヘッドのコイル自動挿入装置の第1実施形態を示す、外観斜視図である。
【図2】図1に示すコイル自動挿入装置におけるコイル移送部収容部に配設されたコイルトレイ載置待機部とコイル挿入部の外観斜視図である。
【図3】図1に示すコイル自動挿入装置におけるコイル移送部収容部に配設されたコイルトレイ載置待機部とコイル挿入部とを示すと共に、コイルの取出しと、姿勢補正機構部においてコイルの姿勢補正を行う際の作業ロボットのハンド部を示した、斜視説明図である。
【図4】図1に示すコイル自動挿入装置におけるコイル移送部収容部に配設されたコイルトレイ載置待機部とコイル挿入部との間に併設された姿勢補正機構部の断面説明図である。
【図5】図4に示す姿勢補正機構部の要部の拡大的な断面説明図である。
【図6】図4に示す姿勢補正機構部の要部の拡大的な断面説明図である。
【図7】図4に示す姿勢補正機構部の要部の拡大的な断面説明図である。
【図8】図1に示すコイル自動挿入装置におけるロボット収容部に配設された作業ロボットのハンド部とハンド部に装着されたリニアガイドを示す、部分拡大図である。
【図9】図8に示すハンド部に装着されたリニアガイドの、斜視説明図である。
【図10】図9に示すリニアガイドの、側面説明図である。
【図11】図9に示すリニアガイドの、一部を断面で示した別側面説明図である。
【図12】図9に示すリニアガイドの、一部を断面で示した別側面説明図である。
【図13】(a)〜(d)は、作業ロボットのハンド部に装着されたリニアガイドの爪部により、コイルを姿勢補正機構部により補正する際の押込み動作から、一旦コイルを開放する動作を示した、工程説明図である。
【図14】(a)〜(c)は、姿勢補正機構部により姿勢補正されたコイルを把持する動作を示した、工程説明図である。
【図15】本発明で扱われるコイルが搭載される、ドットインパクトプリンタの印字ヘッドを一例を示す、断面説明図である。
【図16】図15に示す、印字ヘッドに用いられるコイルの配置を示した説明図である。
【図17】図16に示すコイルに対応するワイヤをワイヤ番号で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る印字ヘッドのコイル自動挿入装置について、実施形態を挙げ、添付図に基づいて、詳細に説明する。
【0034】
図1に本発明に係る印字ヘッドのコイル自動挿入装置20を外観的に示す。
本コイル自動挿入装置20は、SIDMプリンタ(Serial Impact Dot Matrix プリンタ)における印字ヘッドに用いられる複数のコイル(後述)を、印字ヘッドのドライブアッセンブリの所定の位置に自動的に挿入して組み付けるための製造設備の一つである。
コイル自動挿入装置20は、フレームと底板と側板と天板とでラック状に形成された筐体21により以下のように構築されている。すなわち、筐体21は、制御機器類を収容する制御機器収容部21aと、組付け前のコイルを後述するトレイに収納した状態で配置して待機させたコイルトレイ載置待機部(後述)、並びに配置されたトレイからコイルを取り出してコイルを挿入するドライブアッセンブリのベースを配置したコイル挿入部(後述)を収容するコイル移送部収容部21bと、コイルトレイ載置待機部からコイル挿入部へ、コイルを把持して挿入を行うロボット(後述)を収容するロボット収容部21cとに構築されている。
この場合、制御機器収容部21aは筐体21の最下段に、コイル移送部収容部21bは中段に、ロボット収容部21cは最上段に位置させている。
【0035】
制御機器収容部21aには、ロボットに操作指令を出すロボット制御ボックス22を初めとして、上述したコイルトレイ載置待機部、およびコイル挿入部他、その他の周辺設備を制御する周辺設備制御ボックス23を搭載している。また、制御機器収容部21aには、本装置全体の元電源用の電源スイッチ24が設けられている。
【0036】
次に、コイル移送部収容部21bには、前述のように挿入前のコイルを所定数(例えば48個)、トレイtに収納した状態で配置しておくコイルトレイ載置待機部25と、配置されたトレイからコイルを取り出して、コイルを挿入すべき印字ヘッドのドライブアッセンブリにおけるベースを位置決めした状態で複数配置しておくコイル挿入部26とが、コイル移送部収容部21bの基台に隣接するように搭載されている(図2参照)。
また、コイルトレイ載置待機部25とコイル挿入部26との間には、コイルトレイ載置待機部25からコイル挿入部26にロボットによりコイルを移送する際に、ロボットによるコイルの把持時の、予め定めた挿入姿勢に対するずれを補正する姿勢補正機構部27が併設されている(図3参照)。
【0037】
そして、ロボット収容部21cには、いわゆるパラレルリンク方式の作業ロボット30が搭載されている。作業ロボット30は、詳細な説明は省略するが、並列配置される3組の可動リンク30aで先端にハンド部30bを支持したもので、各可動リンク30aは頭部側の基部30c内に格納搭載された駆動用モータおよび動力伝達機構と機構連結され、各可動リンク30aは3自由度の動きの他、それぞれ回転運動をも可能として、先端に取り付けられるハンド部30bが最大で6自由度の動きにより、高精度の位置決め動作を可能としている。3組の可動リンク30aで先端に設けられたハンド部30bには、後述するコイルを把持したり、開放するためのツールとしての爪部を動作させるリニアガイドが装着されている。
また、ロボット収容部21cには、作業ロボット30の傍らに、操作指令を入力したり、動作情報を表示したり、その他状況に応じた信号を前述のロボット制御ボックス22に送るタッチパネル方式の操作パネル31が配置されている。操作パネル31には、例えば、ハンド部30bの動作回数、すなわち、コイルの把持回数等を、オペレータが把握できるように表示するようになっている。
そして作業ロボット30は、ロボット制御ボックス22に格納された動作手順に基づく一連の動作(後述)を行う構成である。
なお、ロボット収容部21cには、筐体21を構成するフレームにオペレータが外から動作が容易に目視できるように、且つ、オペレータと作業ロボット30とが直接接触することのないように隔絶する光透過性パネルが嵌め込まれている。
また、ロボット収容部21cは、筐体21のフレームによって平面視五角形状に構築されている。これは、詳細には後述するが、作業ロボット30のハンド部30bの動作領域を考慮しての設計である。このことにより、ロボット収容部21cを形作るフレームは、コイル移送部収容部21bに対する作業を行うオペレータと作業ロボット30との作業領域を区画するという機能をもたらす。
【0038】
そこで、コイル移送部収容部21bに配設されるコイルトレイ載置待機部25、コイル挿入部26および姿勢補正機構部27について、詳細に説明する(図2、図3参照)。
コイルトレイ載置待機部25およびコイル挿入部26は、基台40上に一体的に外周面が近接するように配置した、それぞれターンテーブル25t、26tを備えている。これらターンテーブル25t、26tは、図示しない駆動機構によって、周辺設備制御ボックス23の制御下に、鉛直中心軸周りに回動する構成である。
【0039】
コイルトレイ載置待機部25には、ターンテーブル25t上に回転軸中心に等角度毎、放射線状に6つのトレイ載置台25aが配設されている。トレイ載置台25aは、トレイtの載置面が略40度傾斜した載置面25bを有している。載置面25bは、載置すべきトレイtを一対の位置決めピンpで所定位置に載置するようにしている。また載置面25bは、平坦面であり、載置されるトレイt裏面が密着状態となるように、歪み補正手段としての吸引手段(図示省略)で吸引するための複数の吸引口25cが設けられている。トレイtは周知の合成樹脂で形成され、トレイt裏面には微妙な歪みが存在し、この歪みが存在すると、収容されるコイルの姿勢に影響し、その分、ロボットによりコイルを把持する際の姿勢が、予め定めた挿入姿勢に対するずれが大きくなるからである。
また、吸引手段には、トレイ載置台25aの載置面25bにトレイtが載置されているか否かを検出する圧力検出手段(図示省略)が設けられる。この圧力手段の検出信号は操作パネル31に表示することで、オペレータはトレイtの有無を把握することができる。
【0040】
トレイtは、例えば48個の取り付け前のコイルがコイルの機種によらず収納できるように升目状に区画されている。コイルについては、後述する。
【0041】
次に、コイル挿入部26には、ターンテーブル26t上に回転軸中心に等角度毎、印字ヘッドのドライブアッセンブリにおけるベース50が6個、位置決めアダプタ26aに載置されるようになっている。
【0042】
そして、姿勢補正機構部27は、コイルトレイ載置待機部25のターンテーブル25t、コイル挿入部26のターンテーブル26t間にあって(図3参照)、基台40上に立設された姿勢補正機構部本体27aと、姿勢補正機構部本体27aに弾発的に退避可能に支持されている補正ヘッド27bと、補正ヘッド27bに突設され、作業ロボット30におけるハンド部30bで把持されたコイルを挿入する複数の姿勢補正用案内突起27b1、27b2とを具備する(図4参照)。
【0043】
補正ヘッド27bは、姿勢補正機構部本体27aの頂部に設けた補正ヘッド支持部27cに、姿勢補正機構部本体27aおよび補正ヘッド支持部27cを貫く鉛直中心軸に沿って、フロート支持機構27fを介して支持されている。フロート支持機構27fは、補正ヘッド27bと補正ヘッド支持部27cとを連結して、鉛直軸方向に補正ヘッド27bを上下動可能とするガイドピン27f1、27f1と、コイルスプリング27f2、27f2とを有する(図5、図6参照)。
【0044】
そして、補正ヘッド27bに突設された姿勢補正用案内突起27b1、27b2は、それぞれ、挿入すべきコイルの内径に合わせて挿入可能とする外径の軸部であり、これら姿勢補正用案内突起27b1、27b2の先端には、コイルの挿入を容易とする先端先細形状のテーパー部27b3、27b4が形成されている。
なお、補正ヘッド27bが、姿勢補正機構部本体27aおよび補正ヘッド支持部27cを貫く鉛直中心軸に沿って、フロート支持機構27fを介して支持されていることで、補正ヘッド27bはガイドピン27f1、27f1に沿って鉛直軸方向にのみ拘束動作する機能であることから、姿勢補正用案内突起27b1、27b2である軸部も鉛直軸方向にのみ拘束動作する構造となっている。
また補正ヘッド27bには、姿勢補正用案内突起27b1、27b2に所定どおりコイルが挿入された際、コイルの端子部が嵌入する嵌入孔27b5が設けられる(図7参照)。
【0045】
また、補正ヘッド支持部27cには、補正ヘッド支持部27cを貫く鉛直中心軸に沿って、コイル挿入検出センサ60が設けられる。コイル挿入検出センサ60には、光透過型センサが適用できる。このコイル挿入検出センサ60には、鉛直中心軸に沿って検出口61が設けられ、補正ヘッド27b側に突設される検出軸62が、検出口61に補正ヘッド27bの上下動に応じて検出軸62が進退動して、コイル挿入検出センサ60により検出軸62を検出することで、所定どおり、コイルが姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入されたか否かを把握する構成である。
【0046】
さらに、補正ヘッド支持部27cには、コンタクトプローブ70、70が補正ヘッド27bの姿勢補正用案内突起27b1、27b2に向けて設けられている。すなわち、コイルが所定どおり姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入された際、コイルの端子部が嵌入する嵌入孔27b5と、コンタクトプローブ70、70の先端が電気的に接続され、コイルの導通テストを可能とする構成である。
【0047】
そして、作業ロボット30の3組の可動リンク30aの先端に支持されるハンド部30bには、コイルを把持したり、開放するためのツールとしての爪部を動作させるリニアガイド80が装着される(図8参照)。リニアガイド80は、エアシリンダに供給されるエアー圧により互いの間隔を動かす一対の爪部81、81を有する。爪部81、81は、把持すべきコイル90の内側寸法に合わせて調節できる爪部先端部81a、81bを具備する。爪部先端部81a、81bは、把持すべきコイル90の内側空間形状が、四辺がそれぞれ長さ寸法が相違する台形状であることから、爪部先端部81a、81bの形状が異なる。また、把持すべきコイル90に応じて差し込むことができるように爪部先端部81a、81bの差込先端側が小さく、差込後端側に大きい寸法のコイル90を差し込むことができるように大きい段差形状となっている(図11、図12参照)。90tは一対の端子部を示す。
【0048】
本発明に係る印字ヘッドのコイル自動挿入装置は、以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
作業開始時、オペレータはコイル自動挿入装置20の元電源用の電源スイッチ24をオンとして、制御機器収容部21aのロボット制御ボックス22、周辺設備制御ボックス23に通電して立ち上げておき、これにより、ロボット収容部21cにおける作業ロボット30の傍らの操作パネル31により、操作指令を入力することができる状態となる。また、オペレータは操作パネル31により表示される動作情報、およびその他の装置状況に係る情報から、現在の装置の動作状態を容易に把握することができる。
【0049】
コイルの組付け工程を開始するに当たり、コイル移送部収容部21bにおける筐体21のフレームにより区画されたコイルトレイ載置待機部25側の作業領域において、先ず、オペレータは組み立てるべき印字ヘッドのコイルアッセンブリに対応したコイル90を、例えば48個収納したトレイtを、ターンテーブル25t上のトレイ載置台25aの載置面25bに載置する。その一方で、オペレータは、コイル挿入部26側の作業領域で、ターンテーブル26t上に位置決めアダプタ26aを介して、印字ヘッドのドライブアッセンブリにおけるベース50を載置する作業を行う。
【0050】
コイルトレイ載置待機部25において、トレイ載置台25aの載置面25bには、載置すべきトレイtを一対の位置決めピンpで所定位置に載置することができる。この際、載置面25bに設けられた吸引口25cを介し(図2参照)、トレイt裏面を吸引するので、トレイtは裏面が載置面25bに密着状態で載置することができる。これにより、トレイt裏面の微妙な歪みが修正され、その分、トレイtに収納されたコイルのラフな収納姿勢を修正することができ、ロボットにより、よりばらつきの少ない所定の姿勢で、コイルを把持することができる。
【0051】
また、トレイ載置台25aの載置面25bにトレイtが載置されていないと、載置面25bに設けられた吸引口25cを介し、トレイt裏面を吸引する吸引手段に設けられた圧力検出手段により検出することができ、その情報は、操作パネル31や、ロボット収容部21c上部の表示灯Lに表示することができ、オペレータがコイル自動挿入装置20の傍らにいなくとも、容易に動作状況を把握することができる。
【0052】
次いで、オペレータが作業ロボット30の傍らの操作パネル31により、操作指令を入力することで、作業ロボット30が起動され、3組の可動リンク30aの先端に支持されるハンド部30bを、所定の把持位置におけるトレイ載置台25aの、40度に傾斜する載置面25b上のトレイtに、直交する方向から近接させる。そしてハンド部30b先端に装着されたリニアガイド80を作動させて、コイル90を把持する動作を行う(図3参照)。
【0053】
コイル90を把持する際、リニアガイド80は、エアシリンダに供給されるエアー圧により一対の爪部81、81が、把持すべきコイル90の内側寸法に合わせて双方間隔を調節し、爪部先端部81a、81bが、把持すべきコイル90の内側空間に差し込まれ、爪部先端部81a、81bを間隔が拡大するように駆動することで、コイル90を把持することができる(図9、図10、図11参照)。
爪部先端部81a、81bは、コイル90の内側空間形状が、四辺がそれぞれ長さ寸法が相違する台形状であっても、爪部先端部81a、81bの形状を一方に比べて他方を大きくしているので確実にコイル90を把持することができる。
また、爪部先端部81a、81bは、爪部先端部81a、81bの差込先端側が小さく、差込後端側に大きい寸法としているので、異なる寸法の、機種の異なるコイル90でも、爪部81、81を交換することなく、共用することができる(図11、図12参照)。
【0054】
このように作業ロボット30のハンド部30b先端に装着されたリニアガイド80の爪部81、81により、コイル90を把持するが、コイル90は、トレイtに高精度に位置決めされて収納されているわけではないので、コイル90は爪部81、81により、多くは、姿勢が予め定めた挿入姿勢からずれた状態で把持される。
このままでは、コイル挿入部26側のターンテーブル26t上に位置決めアダプタ26aを介して、高精度に位置決め載置された印字ヘッドのドライブアッセンブリにおけるベース50に、直接、コイル90を組み込むことはできない。
そこで、作業ロボット30のハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81により把持されたコイル90の把持姿勢を修正するために、コイルトレイ載置待機部25のターンテーブル25tと、コイル挿入部26のターンテーブル26tとの間の姿勢補正機構部27にもたらし、姿勢補正機構部本体27aに弾発的に退避可能に支持されている補正ヘッド27bに突設された姿勢補正用案内突起27b1、27b2に、把持されたコイル90を挿入してコイル90の姿勢を補正する動作を行う。姿勢補正用案内突起27b1、27b2の軸部は、予め定めた挿入姿勢と一致する鉛直軸方向に指向している。
【0055】
作業ロボット30に操作指令を送り、ハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81が、補正ヘッド27bに突設された姿勢補正用案内突起27b1、27b2のいずれかの直上にもたらされると、把持されたコイル90の内側空間が、姿勢補正用案内突起27b1、27b2のうちの対応する側の先端先細形状のテーパー部27b3、27b4を介して、姿勢補正用案内突起27b1、27b2に沿って挿入可能な状態となる(図13a参照)。
把持されたコイル90が姿勢補正用案内突起27b1、27b2に沿って挿入される際、コイル90の内側空間が、姿勢補正用案内突起27b1、27b2の先端先細形状のテーパー部27b3、27b4に当たる。把持されたコイル90の姿勢が予め定めた挿入姿勢に対し、ずれがあるからである。
この状態でコイル90が姿勢補正用案内突起27b1、27b2の軸部に沿って押込まれると、先端先細形状のテーパー部27b3、27b4により、ハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81に把持された状態で、コイル90の姿勢が次第に修正される。
【0056】
そして、この状態でハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81により、姿勢補正用案内突起27b1、27b2に向けて推し進めていくと、コイル90は、双方の端子部90tが、補正ヘッド27bに設けた嵌入孔27b5に嵌入しつつ、姿勢補正用案内突起27b1、27b2に沿って、所定位置まで挿入することができる(図13b、図13c参照)。
なお、ハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81によりコイル90が押込まれると、姿勢補正用案内突起27b1、27b2を突設した補正ヘッド27bは、補正ヘッド支持部27cに対し、ガイドピン27f1、27f1に沿って、コイルスプリング27f2、27f2の反発力に抗して、姿勢補正機構部本体27aおよび補正ヘッド支持部27cを貫く鉛直中心軸に沿って退動せしめられる。
【0057】
補正ヘッド27bが補正ヘッド支持部27c側に、上述のように退動せしめられると、補正ヘッド支持部27cに設けられる検出口61に対し、補正ヘッド27b側から突設される検出軸62が、補正ヘッド27bの退動動作に応じて検出軸62が連動し、コイル挿入検出センサ60により検出軸62を検出することで、所定どおり、コイル90が姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入されたか否かを把握することができる。なお、このコイル90が姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入されたか否かの情報は、作業ロボット30の傍らの操作パネル31に表示することができる。
【0058】
もし、作業ロボット30のハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81によりコイル90が把持されない状態で、ハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81により、姿勢補正用案内突起27b1、27b2が押込まれても、補正ヘッド27b側に突設される検出軸62が検出口61において、コイル挿入検出センサ60により検出されず、コイル90のキャッチミスがあったことを把握することができる。
【0059】
さらに、所定どおり、コイル90が姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入された場合、コイル90の双方の端子部90tが、補正ヘッド27bに設けた嵌入孔27b5に嵌入することで、コンタクトプローブ70、70の先端が電気的に接続され、コイル90の導通テストが可能となり、コイル90の良否を判定することができる。
【0060】
以上のようにして、作業ロボット30のハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81によりコイル90が姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入されたとコイル挿入検出センサ60により検出がなされると、作業ロボット30のハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81が間隔を縮めてコイル90を一旦、開放する(図13d参照)。
すると、姿勢補正用案内突起27b1、27b2に挿入された状態のコイル90は、鉛直軸方向に位置決めしている姿勢補正用案内突起27b1、27b2の軸部に倣い、姿勢が自然に所定の方向に修正された状態となる。
そして、再び、作業ロボット30のハンド部30bのリニアガイド80における爪部81、81によりコイル90を把持するときは、所定の姿勢で正確にコイル90を把持することができる(図14a〜c参照)。
【0061】
このようにして、作業ロボット30の爪部81、81により把持されたコイル90は、コイル挿入部26側のターンテーブル26t上の位置決めアダプタ26aを介して高精度に位置決め載置されたベース50に、所定どおり挿入して組み込むことができる。
【0062】
以上のように、作業ロボット30による、コイル取出し、把持姿勢修正、コイル組込みの一連の工程は、コイルの数だけ、(1トレイに収納された48個)繰り返される。このことは、作業ロボット30を制御するロボット制御ボックス22によりカウントされ、操作パネル31に表示される。これにより、オペレータは工程の進捗状況を容易に把握することができる。
【0063】
そして、上述の工程が48回繰り返されると、所定の把持位置におけるトレイ載置台25aの載置面25b上のトレイtが空となり、ロボット制御ボックス22によりコイル取出し、把持姿勢修正、コイル組込みの一連の工程を停止する指令が出され、作業ロボット30、および周辺設備制御ボックス23によりコイルトレイ載置待機部25に対しターンテーブル25tを半回転、回転させて、作業ロボット30の動作領域にある空のトレイtが載置されるトレイ載置台25aを、オペレータの作業領域の位置まで移動し、装置は停止状態となる。この停止状態は、ロボット収容部21c上部の表示灯Lに表示することができ、オペレータがコイル自動挿入装置20の傍らにいなくとも、容易に動作状況を把握することができる。
【0064】
次いで、オペレータは、作業領域の位置まで移動した空のトレイtが載置されるトレイ載置台25aに対し、コイル90が48個満載されたトレイtを入れ換え載置して、オペレータは、起動スイッチS(リセットスイッチ)を押すことで、再び一連の工程を開始する指令が出され、作業ロボット30を制御するロボット制御ボックス22によりカウント開始され、操作パネル31に表示される。なお、停止状態は、起動スイッチSによりランプの点滅によりオペレータにより容易に認識できるようにすることもできる。
【0065】
一方、コイル組込みの工程では、コイル挿入部26側のターンテーブル26t上の位置決めアダプタ26aを介して高精度に位置決め載置されたベース50に24個組み付けられたことが、作業ロボット30を制御するロボット制御ボックス22によりカウントされると、そのベース50への組み込みが終了し、コイル挿入部26側のターンテーブル26tを半回転させて、その組み込みが終了したベース50を支持する位置決めアダプタ26aが、作業ロボット30の動作領域から、オペレータの作業領域の位置まで移動して、停止令が出され、装置は停止状態となる。この停止状態は、ロボット収容部21c上部の表示灯Lに表示することができ、オペレータがコイル自動挿入装置20の傍らにいなくとも、容易に動作状況を把握することができる。
そして、オペレータは、組み込み終了したベース50を取り出して、組み込みしていない新たなベース50と置き換える作業を行い、起動スイッチS(リセットスイッチ)を押すことで、再び組み込み工程を開始する指令が出され、作業ロボット30を制御するロボット制御ボックス22によりカウント開始され、操作パネル31に表示される。
【0066】
以上、本発明に係る印字ヘッドのコイル自動挿入装置の一例を挙げ、動作を説明したが、機構的な姿勢補正機構部27の他に、周知の画像認識による姿勢補正手段も勿論、適用することができる。この場合はロボットのハンド部側と、下方側にカメラを配置して、把持されるコイルの傾斜を検出して、補正値を導出し、その補正値に基づいてロボットのハンド部の位置修正を行う構成である。
この場合、機構的な姿勢補正機構部27に比較して、装置が複雑煩雑化するが、確実に、コイルの姿勢補正が可能となる。
【符号の説明】
【0067】
20 コイル自動挿入装置
21 筐体
21a 制御機器収容部
21b コイル移送部収容部
21c ロボット収容部
22 ロボット制御ボックス
23 周辺設備制御ボックス
24 電源スイッチ
25 コイルトレイ載置待機部
25a トレイ載置台
25b 載置面
25c 吸引口
26 コイル挿入部
26a 位置決めアダプタ
25t、26t ターンテーブル
27 姿勢補正機構部
27a 姿勢補正機構部本体
27b 補正ヘッド
27b1、27b2 姿勢補正用案内突起
27b3、27b4 テーパー部
27b5 嵌入孔
27b6 検出軸
27c 補正ヘッド支持部
27c1 コイル挿入検出センサ
27c2 検出口
27c3 コンタクトプローブ
27f フロート支持機構
27f1、27f2 ガイドピン
27f3、27f3 コイルスプリング
30 作業ロボット
30a 可動リンク
30b ハンド部
30c 基部
31 操作パネル
40 基台
50 ベース
60 コイル挿入検出センサ
61 検出口
62 検出軸
70 コンタクトプローブ
80 リニアガイド
81 爪部
81a、81b 爪部先端部
90 コイル
90t 端子部
L 表示灯
S 起動スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ヘッドのコイル自動挿入装置であって、
複数のコイルを搭載したトレイを載置できるコイルトレイ載置待機部と、
該コイルトレイ載置待機部に載置されたトレイから、前記コイルを把持して取り出す作業ロボットと、
該作業ロボットにより把持されたコイルの、予め定めた挿入姿勢に対するずれを補正する姿勢補正機構部と、
前記コイルが前記挿入姿勢で挿入されるヘッドベースを配置できるコイル挿入部と、を備え、
前記姿勢補正機構部において把持時の前記挿入姿勢に対するずれが補正された前記コイルを、再度、前記作業ロボットにより把持して、前記コイルを前記挿入姿勢で前記ヘッドベースに挿入するようにしたことを特徴とする印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項2】
前記コイルトレイ載置待機部は、前記トレイをそれぞれ載置できる複数のコイルトレイ載置台を具備し、
該コイルトレイ載置台は、載置された前記トレイの歪みを補正する歪み補正手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項3】
前記歪み補正手段は、前記コイルトレイ載置台に前記トレイが載置されているか否かを検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項4】
前記姿勢補正機構部は、前記作業ロボットのハンド部で把持されたコイルを挿入する姿勢補正用案内突起を具備し、
該姿勢補正用案内突起は、挿入すべきコイルの内径に対応する外径の軸部を有し、該軸部の先端に、コイルの挿入を容易とする先端先細形状のテーパー部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項5】
前記姿勢補正用案内突起は補正ヘッドに突設され、前記姿勢補正機構部の本体に、前記補正ヘッドを介して弾発的に退避可能に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項6】
前記姿勢補正機構部の本体は、コイル挿入検出部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項7】
前記コイル挿入検出部は、前記姿勢補正機構部の本体に対し、前記補正ヘッドから突設された検出軸と、該検出軸が遮ることでコイルの挿入を検出する非接触型センサとを含んで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項8】
前記姿勢補正機構部の本体は、前記コイルを前記姿勢補正用案内突起に挿入する時に、前記コイルの端子部が接続されることで、導通テストを行うコンタクトプローブを備えていることを特徴とする請求項4から7の、いずれか1項に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項9】
前記作業ロボットのハンド部は、把持するコイルの内側寸法に応じて、互いの間隔を調節可能とした一対の爪部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項10】
前記一対の爪部は、把持すべきコイルの内側空間形状に対応させて形状を異ならせている対をなす爪部先端部を有することを特徴とする請求項9に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。
【請求項11】
前記爪部の各々は、把持すべきコイルの内側空間の大きさに対応させて差込先端側が小さく、差込後端側が大きい段差形状となっている爪部先端部を有することを特徴とする請求項9または10に記載の印字ヘッドのコイル自動挿入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−39651(P2013−39651A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179740(P2011−179740)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000237558)富士通アイソテック株式会社 (24)
【Fターム(参考)】