説明

卵焼き用加工液卵及び卵焼き

【課題】加熱むらを防止した卵焼き用加工液卵を提供する。
【解決手段】平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1である卵焼き用加工液卵、上記卵焼き用加工液卵を配合したスラリーを加熱調理した卵焼き、及び、平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1であるスラリーを加熱調理した卵焼き。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱むらの生じない卵焼き用加工液卵及びこれを用い加熱調理した卵焼きに関する。特に、電子レンジを用いた場合に加熱むらの生じない卵焼き用加工液卵及びこれを用い加熱調理した卵焼きに関する。
【背景技術】
【0002】
卵焼きは、一般的に卵黄又は全卵からなる液卵に、必要に応じてだし汁、食塩、砂糖、小麦粉、バター等を配合後、バーナー、オーブン、電子レンジ等を用い加熱調理して製する。従来、日常の食生活で広く親しまれており、家庭で作られる他、業務用や学校給食向け等に工業的に大量生産されている。
【0003】
しかしながら、工業的に大量生産する場合、加熱条件や攪拌条件に少なからずばらつきが起きるため加熱むらが生じ、卵焼きにざらつきや焦げが生じ品位を損ねてしまう場合がある。そこで、高度なノウハウや技術を要しない簡便な加熱調理方法が求められている。
【0004】
卵を加熱調理した際の食感の改良方法として、特開2004−33181号公報(特許文献1)には、トレハロースと澱粉及び/又は増粘多糖類を含有する調味液に卵を加え、耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌することを特徴とする卵料理用加工食品の製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献1は、工程が煩雑であり、上記方法により得られる卵製品は消費者の要望を十分に満足するものではないため、より加熱むらの生じない卵焼きを製造する方法が要望されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−33181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、加熱むらの生じない卵焼き用加工液卵及びこれを用い加熱調理した卵焼き、特に、電子レンジを用いた場合に加熱むらの生じない卵焼き用加工液卵及びこれを用い加熱調理した卵焼きを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の粒子径の乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、特定のpHである加工液卵を用いることで、意外にも加熱むらの生じない卵焼きが得られ、特に電子レンジを用いた場合に加熱むらが生じないことを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1である卵焼き用加工液卵、
(2)(1)の卵焼き用加工液卵を配合したスラリーを加熱調理した卵焼き、
(3)液卵、平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1であるスラリーを加熱調理した卵焼き、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱むらの生じない卵焼き用加工液卵及びこれを用い加熱調理した卵焼きを提供することができる。これにより、卵焼きを簡便かつ安定的に製することができるようになり、食品市場の更なる拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
【0011】
本発明は、特定の粒子径の乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し特定のpHに調整することにより、加熱むらの生じない卵焼き用加工液卵及びこれを用い加熱調理した卵焼きを提供することができる。
【0012】
本発明の卵焼きは、卵をときほぐしたものを加熱凝固させた卵加工品であり、具体的には、オムレツ、厚焼き卵、だし巻き卵等が挙げられる。加熱方法は、特に限定されず、電子レンジ、グリル、バーナー、オーブン、スチーマー等が挙げられ、特に、電子レンジを用いた場合は加熱むらが起こり易く問題であったが、本発明を用いることにより加熱むらの発生を防止することができ非常に好ましかった。
【0013】
本発明に用いる乳化油脂は、例えば、清水とポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を配合し均一に混合した水相原料をミキサー等で攪拌しながら、油相原料を注加して粗乳化し、次にコロイドミル等で処理することにより平均粒子径を1〜30μm(品温10℃)に均質化したものであり、1〜10μmがより好ましい(品温10℃)。平均粒子径が上記範囲より小さい場合、製造工程の煩雑さに応じて本発明の効果が増し難く経済的でない場合があり、上記範囲より大きい場合、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。
【0014】
乳化油脂に用いる乳化剤は、特に限定されないが、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、乳酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、リンゴ酸モノグリセライド、酢酸モノグリセライド等の有機酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等を配合することで、卵焼き用加工液卵の平均粒子径を上記範囲内に調製する。
【0015】
乳化油脂に用いる油脂は、食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を用いることができる。
【0016】
本発明に用いる乳化油脂は、乳化剤及び油脂以外に、本発明の効果を損わない範囲で適宜選択し配合することができる。具体的には、例えば、牛乳、大豆、卵等の蛋白質、グルコース、ショ糖、麦芽糖、オリゴ糖、ぶどう糖果糖液糖等の糖類、食塩、食酢、酵母エキス等の調味料、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、グアガム、アラビアガム、サイリュームシードガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の増粘材、有機酸塩、香辛料、香料等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いる乳化油脂の均質化方法は、平均粒子径を上記範囲に調製できるせん断力に優れた均質化処理機であればいずれのものでも良い。例えば、高圧ホモゲナイザー、コロイドミル等を挙げることができる。
【0018】
また、平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装(株)製、商品名「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いて、試料をセットしてから超音波をかけることなく1.5分後に測定開始し、2.5分後に測定終了して得られた値である。
【0019】
本発明に用いる食用油脂は、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を用いることができる。特に、室温で液状の大豆液状油及びパーム液状油が本発明の加熱むら防止効果に優れ好ましい。
【0020】
本発明に用いる乳化油脂と食用油脂の配合比率は、特に限定されないが、1:10〜10:1が好ましく、1:3〜3:1がより好ましい。乳化油脂に対する食用油脂の配合比率が上記範囲より低い場合、又は、乳化油脂に対する食用油脂の配合比率が上記範囲より高い場合、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。
【0021】
本発明に用いる乳化油脂と食用油脂の配合量は、特に限定されない。乳化油脂と食用油脂の合計は、本発明の卵焼き用加工液卵に対しては、1〜30%が好ましく、2〜10%がより好ましい。本発明の卵焼きに対しては、0.5〜30%が好ましく、1〜10%がより好ましい。合計配合量が上記範囲より少ない場合、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。上記範囲より多い場合、油脂の分離等が生じ、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。
【0022】
本発明に用いる膨張剤は、特に限定されないが、一般にベーキングパウダー、重曹、ふくらし粉と呼ばれるものであり、例えば、主剤として炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性剤を20〜70%配合し、副剤として酒石酸、酒石酸カリウム、フマル酸、フマル酸第一ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、グルコノデルタラクトン、塩化アンモニウム等の酸性剤とコーンスターチ等の分散剤を配合したものである。
【0023】
本発明における膨張剤の配合量は、特に限定されない。本発明の卵焼き用加工液卵に対しては、0.05〜3%配合することが好ましく、0.2〜1%配合することがより好ましい。本発明の卵焼きに対しては、膨張剤を0.03〜3%配合することが好ましく、0.1〜1%配合することがより好ましい。膨張剤の配合量が上記範囲より少ない又は多い場合は、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。
【0024】
本発明の卵焼き用加工液卵及び卵焼きのpHは、5.8〜7.1であり、6.2〜6.7が好ましい。pHが上記範囲より低い場合、十分に加熱凝固せず卵焼きを成形できない場合があり、上記範囲より高い場合、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。
【0025】
本発明に用いる卵は、特に限定されないが、例えば、鶏卵を割卵して得られる生全卵、生卵黄をはじめ、当該生卵に加熱等による殺菌処理、ホスフォリパーゼ又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理、及び、上記液卵のスプレードライ又はフリーズドライ等による乾燥処理等の1種又は2種以上の処理を施したものを挙げることができる。
【0026】
本発明における卵の配合量は、特に限定されない。本発明の卵焼き用加工液卵に対しては、卵蛋白質(固形分換算)あたり8〜45%が好ましく、12〜35%がより好ましい。本発明の卵焼きに対しては、7〜45%が好ましく、11〜35%がより好ましい。卵の配合量が上記範囲より少ない場合、加熱むらの問題が生じない場合があり、上記範囲より多い場合、本発明の加熱むら防止効果が得られない場合がある。
【0027】
本発明の卵焼き用加工液卵及び卵焼きは、乳化油脂、食用油脂、膨張剤及び卵以外に、本発明の効果を損わない範囲で適宜選択し配合することができる。具体的には、例えば、砂糖、醤油、みりん、食塩、味噌、ケチャップ、ソース、ブイヨン、カレー粉、豆板醤、コチュジャン等の調味料、牛乳、バター、生クリーム等の乳製品、ねぎ、あさつき、大根、ほうれん草、人参等の野菜、うなぎ、ベーコン、ソーセージ等の肉類、パセリ、バジル、大蒜、ごま、とうがらし、胡椒等の香辛料、小麦粉、片栗粉等を配合することができる。
【0028】
本発明の卵焼き用加工液卵及び卵焼きは、以下のように製することができるがこれに限定するものではない。例えば、ニーダーで全卵、特定の粒子径の乳化油脂、食用油脂、膨張剤、醤油等の調味料、清水及び酸剤を攪拌混合し、pH5.8〜7.1の卵焼き用加工液卵を調製する。また、卵焼き用加工液卵は、必要に応じて加熱殺菌や冷蔵保管、冷凍保管等を行ってもよい。さらに、電子レンジやバーナー等で加熱処理を施すことで本発明の卵焼きを調製する方法が挙げられる。
【実施例】
【0029】
以下に本発明の卵焼き用加工液卵及び卵焼きを実施例及び試験例に基づき詳述する。なお、本発明はこれに限定するものではない。
【0030】
〔実施例1〕
まず、清水49.7%、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.3%、大豆液状油50%をコロイドミルで均質化し、平均粒子径8μm(品温10℃)の乳化油脂を調製した。次に、ニーダーで全卵45%、前記乳化油脂3%、パーム液状油2%、膨張剤0.8%、バター2%、クエン酸0.1%、清水47.1%を撹拌混合し60℃で加熱後、500g容ポリエチレン製パウチに500gずつ充填密封し、−20℃の保冷庫に1日保管することで、本発明の卵焼き用加工液卵(pH6.6、乳化油脂と食用油脂の配合比率3:2、卵蛋白質(固形分換算)15%)を得た。
【0031】
〔実施例2〕
まず、清水49.5%、リゾレシチン0.5%、大豆液状油50%をコロイドミルで均質化し、平均粒子径7μm(品温10℃)の乳化油脂を調製した。次に、ニーダーで卵黄50%、前記乳化油脂3%、大豆液状油7%、膨張剤0.3%、醤油2%、クエン酸0.1%、清水37.6%を撹拌混合し60℃で加熱後、500g容ポリエチレン製パウチに500gずつ充填密封し、−20℃の保冷庫に1日保管することで、本発明の卵焼き用加工液卵(pH6.6、乳化油脂と食用油脂の配合比率3:7、卵蛋白質(固形分換算)25%)を得た。
【0032】
〔比較例1〕
実施例1の乳化油脂3%をパーム液状油に置換えた以外は、実施例1に準じて卵焼き用加工液卵(pH6.6、卵蛋白質(固形分換算)15%)を得た。
【0033】
〔比較例2〕
パーム液状油1%を実施例1の乳化油脂に置換えた以外は、実施例1に準じて卵焼き用加工液卵(pH6.6、卵蛋白質(固形分換算)15%)を得た。
【0034】
〔比較例3〕
膨張剤0.8%を清水に置換えた以外は、実施例1に準じて卵焼き用加工液卵(pH6.6、乳化油脂と食用油脂の配合比率3:2、卵蛋白質(固形分換算)15%)を得た。
【0035】
〔比較例4〕
クエン酸を清水に置換えた以外は、実施例1に準じて卵焼き用加工液卵(pH7.5、卵蛋白質(固形分換算)15%)を得た。
【0036】
〔試験例1〕
実施例1、2及び比較例1〜4で得られた各卵焼き用加工液卵を流水解凍後、200g容耐熱性プラスチックカップに180gずつ注ぎ入れ、電子レンジ中央に置き、1700W、90秒間加熱し卵焼きを製した。その結果、平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1に調整した卵焼き用加工液卵を用いた場合、液卵全体が均一に凝固し、全く加熱むらの生じない卵焼きが得られ非常に好ましかった(実施例1、2)。一方、平均粒子径1〜30μmの乳化油脂を配合していない、食用油脂を配合していない、膨張剤を配合していない、又は、pH5.8〜7.1に調整していない卵焼き用加工液卵を用いた場合、加熱むらがみられ適性を損ねた(比較例1〜4)。
【0037】
〔試験例2〕
実施例1及び比較例1で得られた卵焼き用加工液卵を流水解凍後、200g容卵焼き器に180gずつ注ぎ入れ、常法に則りバーナーで加熱調理して卵焼きを製した。その結果、電子レンジで加熱調理した場合と同様、実施例1では加熱むらの生じない卵焼きが得られ、比較例1では加熱むらがみられ適性を損ねた。また、バーナー加熱よりも試験例1の電子レンジ加熱の場合により顕著な効果がみられた。
【0038】
〔試験例3〕
乳化油脂の平均粒子径が本発明に及ぼす影響を調べるため、乳化油脂の平均粒子径を変更した以外は実施例1に準じて卵焼き用加工液卵を製した。得られた卵焼き用加工液卵を上記試験例1と同様の方法で卵焼きに製し、下記の評価基準に沿って官能評価を行った。
<評価基準>
◎:全く加熱むらが生じない
○:ほとんど加熱むらが生じない
△:やや加熱むらが生じる
×:加熱むらが生じ適性を損ねる
【0039】
【表1】

【0040】
表1の結果、乳化油脂の平均粒子径が1〜30μmの場合、加熱むら防止効果がみられ食感に優れたものであった(No.1、2)。特に、平均粒子径が1〜10μmの場合、全く加熱むらが生じず非常に食感に優れたものであった(No.1)。一方、平均粒子径が30μmより大きい場合、加熱むらがみられ適性を損ねた(No.3)。
【0041】
〔試験例4〕
卵焼き用加工液卵のpHが本発明に及ぼす影響を調べるため、卵焼き用加工液卵のpHを変更した以外は実施例1に準じて卵焼き用加工液卵を製した。得られた卵焼き用加工液卵を上記試験例1と同様の方法で卵焼きに製し、試験例3と同様の評価基準に沿って官能評価を行った。
【0042】
【表2】

【0043】
表2の結果、pHが5.8〜7.1の場合、加熱むら防止効果がみられ食感に優れたものであった(No.5〜8)。特に、pHが6.2〜6.7の場合、ほとんど加熱むらが生じずより食感に優れたものであった(No.6、7)。一方、pHが7.1より大きい場合、加熱むらが本発明の卵焼き用加工液卵の適性を損ねていた(No.4、9)。
【0044】
〔試験例5〕
乳化油脂と食用油脂の配合比率が本発明に及ぼす影響を調べるため、乳化油脂と食用油脂の配合比率を変更した以外は実施例1に準じて卵焼き用加工液卵を製した。得られた卵焼き用加工液卵を上記試験例1と同様の方法で卵焼きに製し、試験例3と同様の評価基準に沿って官能評価を行った。
【0045】
【表3】

【0046】
表3の結果、乳化油脂と食用油脂の比率が1:10〜10:1の場合、ほとんど加熱むらが生じずより食感に優れ、1:3〜3:1の場合、全く加熱むらが生じず非常に食感に優れたものであった(No.11〜14)。
【0047】
〔実施例3〕
実施例2の卵焼き用加工液卵に配合した各原料を攪拌混合後、200g容耐熱性プラスチックカップに180gずつ注ぎ入れ、電子レンジ中央に置き、1700W、90秒間加熱し本発明の卵焼きを製した。得られた卵焼きは、試験例1における実施例2の卵焼きと同等の加熱むら防止効果がみられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1であることを特徴とする卵焼き用加工液卵。
【請求項2】
請求項1記載の卵焼き用加工液卵を配合したスラリーを加熱調理した卵焼き。
【請求項3】
液卵、平均粒子径1〜30μmの乳化油脂、食用油脂及び膨張剤を配合し、pH5.8〜7.1であるスラリーを加熱調理した卵焼き。

【公開番号】特開2010−172315(P2010−172315A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21401(P2009−21401)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【出願人】(593145009)株式会社カナエフーズ (11)
【Fターム(参考)】