説明

卵移し替え装置

【課題】 N行M列(N<M)の収容座を有し、サイズの異なる卵が収容された卵トレーを2個並置して、一部卵の移し替えを行い、サイズの異なる卵が千鳥状に配置されたようにする場合、卵を吸着した移し替え機構を水平方向に180度回転させるにあたって、移し替え機構の回転の中心を変えたり、吸着部5の配置を可変にすることなく、卵トレー1の停止位置のみを変えることにより、簡易に、サイズの異なる卵を千鳥状に配置させることができる装置を提供する。
【解決手段】 一の搬送路には所定距離を隔てて卵トレー1の進行を阻止するストッパ3a、3bを設け、他の一の搬送路には前記所定距離とは異なる距離で隔ててストッパ3c、3dを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N行M列(ただし、N<M)の収容座を有し、サイズの異なる卵が収容された選別容器を2個並置して、一部卵の移し替えを行い、相互の選別容器においてサイズの異なる卵が所定の配置になるようにする卵移し替え装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の重量区分の卵を混合させて1パックあたりの重量を所定の重量範囲内にする卵の定重量包装方法は公知である(例えば、特公平2−29970号公報等)。
【0003】
この点、本出願人は、特願2006−151383(未公開)にて、複数の重量区分毎に選別された卵を選別容器に収容した後、これを一旦、一時ストック場所にストックしてから所定の定重量パックを生産する方法を出願している。本出願人が出願したこの方法によると、重量区分毎に選別された卵を所定数の収容座を有する選別容器に収容したのち、該選別容器を一時貯留するとともに、卵の一包装単位の総重量が所定の重量範囲になるように複数の重量区分と当該重量区分毎の卵の個数の組み合わせを決定し、前記組み合わせで決定された一の重量区分の卵が収容されている選別容器と他の重量区分の卵が収容されている選別容器からそれぞれ一部の卵を取り出し、各選別容器から取り出した卵を、卵が一部取り出されたことにより一部空となった他方の選別容器の所定の位置の収容座に移し替えて収容したのち、前記選別容器から卵を包装容器に移行するにあたり、各包装容器に移行されるべき一包装単位の総重量が所定の重量範囲になるように前記選別容器の所定の位置の収容座から卵を取り出し、前記取り出された卵を各包装容器に移し替えるので、効率よく定重量パックを生産することができる。
【0004】
さらに詳細にいえば、特願2006−151383の段落番号0057および添付図面8によると、まず、サイズMS−2の卵が収容されている選別容器V1とサイズL−2の卵が収容されている選別容器V1を取り出し、次いで混合充填手段を作動させてMS−2の選別容器V1に収容されている1、3、5、7、‥‥‥29の卵Eと、L−2の選別容器V1に収容されている2、4、6、8、‥‥‥30の卵Eを各選別容器V1から取り出す。次に、混合充填手段を、MS−2およびL−2から取り出した卵を保持した状態で水平方向に180度回転させる。そして、MS−2の選別容器V1の収容座a1、a3、a5、a7、a9、a11、a13 、a15‥‥‥a27、a29にL−2の選別容器V1の30、28、26、24、22、20、18、16‥‥4、2の卵Eを充填する。同様に、L−2の選別容器V1の収容座a2、a4、a6、a8、a10、a12、a14、a16‥‥、a28、a30にMSの選別容器V1の29、27、25、23、21、19、17、15‥‥、3、1の卵Eを充填する。このようにすれば、別に混合容器を用いることなく、MS−2の選別容器V1およびL−2の選別容器V1上において、より簡単に異なる重量区分の卵を混合させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記方法には次のような問題がある。
【0006】
選別容器は、N行M列の収容座を有している。以下、たとえば、N=5、M=6として、5×6の30個の収容座を有するものとして説明する。図5は、5個配列した側(1〜5)を先頭にして選別容器を2個並置して、卵を吸着した混合充填手段を水平方向に180度回転させる場合の混合充填手段の回転の中心位置を示した概略平面図である。その場合の回転の中心は、C2である。
これに対し、図6は、6個配列した側(1〜6)を先頭にして選別容器を2個並置して、卵を吸着した混合充填手段を水平方向に180度回転させる場合の混合充填手段の回転の中心位置を示した概略平面図である。その場合の回転の中心は、C3である。
【0007】
このように、混合充填手段を水平方向に180度回転させる場合、5個配列した側を先頭にして選別容器が並置されているときと、6個配列した側を先頭にして選別容器が並置されているときとでは、混合充填手段の回転の中心は異なる。そこで、一台の混合充填手段によりこれに対処しようとすれば、まず、混合充填手段の回転の中心を変更自在の構成にすることが考えられる。しかし、混合充填手段の回転の中心を変更自在にするということは、装置の複雑化、大型化を招き、好ましくない。また、仮に、回転にあたって混合充填手段の回転の中心位置を変えないとすれば、吸着した卵を移し替えるべき所望の収容座に充填するためには、卵を吸着している吸着部の配置を可変にする必要があるが、これも装置の複雑化、大型化を招き、好ましくない。
【0008】
本発明は、N行M列(ただし、N<M)の収容座を有し、サイズの異なる卵が収容された選別容器を2個並置して、一部卵の移し替えを行い、サイズの異なる卵をそれぞれ所定の配置にする場合、卵を吸着した混合充填手段を水平方向に180度回転させるにあたって、混合充填手段の回転の中心を変えたり、吸着部の配置を可変にすることなく、選別容器の停止位置のみを変えることにより、簡易に、サイズの異なる卵を所定の配置にすることを実現する装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の卵移し替え装置における発明では、選別済の同一サイズの卵を収容するN行M列(ただし、N<M)の収容座を有する卵トレーのうち、一のサイズの卵を収容する卵トレーを搬送する搬送路と他の一のサイズの卵を収容する卵トレーを搬送する搬送路とからなる搬送手段と、それぞれの搬送路下流側において、それぞれの卵トレーの進行を阻止し、2個の卵トレーを並置させる進行阻止手段と、進行阻止手段により進行を阻止され、並置した状態にある2個の卵トレーから一部の卵を真空吸着し、その後、水平方向に180度回転し、それぞれの卵トレーにおいてサイズの異なる卵が互いに所定の配置になるように吸着保持している卵を他方の卵トレーの空きの収容座に移し替える移し替え手段を備える卵移し替え装置であって、前記移し替え手段は、並置した状態にある2個の卵トレーから相互に移し替えるべき移し替え対象卵を真空吸着する吸着盤を備えており、さらに、前記進行阻止手段により卵トレーが進行を阻止され、卵トレーが並置する際の卵トレーの停止位置は、M個配列した側を先頭にして搬送する場合にあっては、一のサイズの卵を収容した卵トレーの搬送方向下流側端部が他の一のサイズの卵を収容した卵トレーの搬送方向下流側端部より所定距離(P)を隔てた搬送方向下流側に位置するとともに、一のサイズの卵を収容した卵トレーに続く後続の卵トレーは、先行する卵トレーの搬送方向上流側端部より所定距離(P)を隔てた上流側で停止するのに対し、N個配列した側を先頭にして搬送する場合にあっては、一のサイズの卵を収容した卵トレーと他の一のサイズの卵を収容した卵トレーの搬送方向下流側端部は搬送方向に直交する同一線上にあることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の卵移し替え装置における発明では、請求項1における発明において、
前記所定距離(P)が、収容座ピッチ×(M−N)であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の卵移し替え装置における発明では、請求項1または2に記載の発明において、Nが5であり、Mが6であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の卵移し替え装置における発明では、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記移し替え手段の移し替えによって、卵トレー内で生じるサイズの異なる卵の配置は千鳥状配置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、N行M列(ただし、N<M)の収容座を有し、サイズの異なる卵が収容された選別容器を2個並置して、一部卵の移し替えを行い、サイズの異なる卵をそれぞれ所定の配置にする場合、卵を吸着した混合充填手段を水平方向に180度回転させるにあたって、混合充填手段の回転の中心を変えたり、吸着部の配置を可変にすることなく、選別容器の停止位置のみを変えることにより、簡易に、サイズの異なる卵を所定の配置にすることを実現する装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
つぎに、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0015】
図1における1(1a、1b)は、卵を所定の収容座に収容する選別容器としての卵トレーである。この卵トレー1の構成は、公知のものを採用すればよく、例えば、本出願人が出願した特開H11−255282号公報に開示されたものを利用することができる。収容座は、たとえば、5行6列で構成されており、一個の卵トレー1には卵Eが30個収容されている。収容座のピッチは、約53mmである。
【0016】
2は、卵トレー1を搬送する搬送コンベアである。搬送面XとYにおいて、それぞれ卵トレー1を矢印Aの方向に搬送する。搬送コンベア2には、卵トレー1の搬送中の位置ずれを防止するため、卵トレーの搬送経路の両側近傍にガイドが設けられている(図示せず)。卵を5個配列した側を先頭に搬送する場合と6個配列した側を先頭に搬送する場合とでは、搬送する卵トレー1の幅は異なることになるので、ガイド間の幅は後記のモード設定器の選択により変更可能となっている。
【0017】
搬送コンベア2の移し替え領域(後記移し替え機構により卵の移し替え作業を行なう領域)には、ストッパ3a、3b、3cおよび3dが設けられている。そのうち、搬送面Xの移し替え領域には、ストッパ3aと3bが設けられている。ストッパ3aは、卵を5個配列した側を先頭にして卵トレー1aを搬送する場合の卵トレー停止位置に昇降可能に設けられている。ストッパ3bは、卵を6個配列した側を先頭にして卵トレー1bを搬送する場合の卵トレー停止位置に同じく昇降可能に設けられている。ストッパ3aと3bの停止位置の差は、卵トレー1の収容座の1ピッチ分である。
【0018】
搬送面Yの移し替え領域には、ストッパ3cとストッパ3dが設けられている。ストッパ3cは、卵を5個配列した側を先頭にして卵トレー1aを搬送する場合または6個配列した側を先頭にして卵トレー1bを搬送する場合の卵トレー停止位置に昇降可能に設けられている。ストッパ3dは、ストッパ3cにより停止させられる卵トレー1の後続の卵トレー1bを所定位置で停止させるために、卵トレー停止位置に昇降可能に設けられている。
ストッパ3cで卵トレー1bが停止した場合、ストッパ3dが後続の卵トレー1bを停止させるが、先行する卵トレー1bの搬送方向上流側端部(卵トレーを構成する部分の最後尾)から後続の卵トレー1bの搬送方向下流側端部(卵トレーを構成する部分の先頭部分)まで距離は、卵トレー1の収容座の1ピッチ分である。
【0019】
ストッパ3aと3cの作動により各卵トレー1aが停止した場合、停止した各卵トレー1aの搬送方向下流側端部(卵トレーを構成する先頭部分)は同一線上にある。
【0020】
各ストッパは、制御装置(図示せず)から出力される制御信号に基づいてエアシリンダ(図示せず)が作動することにより、下降、上昇する。上昇した各ストッパは、卵トレー1の外縁に当接して卵トレー1の進行を阻止する。
【0021】
図1における4a、4bは、卵トレー1の到来を検知する光電センサである。センサ4aは、搬送面Xに搬送される卵トレー1の到来を検知し、センサ4bは、搬送面Yに搬送される卵トレー1の到来を検知する。そして、その検知信号が制御装置を介してエアシリンダに出力される。
【0022】
移し替え領域の停止位置に並置された2個の卵トレー1上方には、2個の卵トレー1の所定収容座から卵を真空吸着し、水平方向に180度回転した後、吸着した卵を他方の卵トレー1の空収容座に充填する移し替え機構が設けられている(図1には、図示せず)。移し替え機構には、卵を真空吸着する吸着部5が設けられており、図4に示すように、吸着部5の吸着盤は、吸着して移し替えるべき卵の配置に対応して千鳥状に配置されている。その他、移し替え機構には、前記の吸着および移し替え作業を実施するために移し替え機構を下降、上昇、回転させる機構も備えられているが、これらは公知のため、詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、本実施形態の作動例を添付図面に従って説明する。以下では、Lサイズの卵が収容された卵トレー1とMSサイズの卵が収容された卵トレー1との間で一部卵の移し替えを行い、それぞれの卵トレー1において、2種類のサイズの異なる卵が千鳥状に配置されるようにする場合について説明する。
【0024】
まず、卵トレー1を搬送コンベア2で搬送するにあたっては、卵を5個配列した側を先頭にして搬送する(以下、これを「5先頭モード」と略称する)か、6個配列した側を先頭にして搬送する(以下、これを「6先頭モード」と略称する)かを、モード設定器(図示せず)により選択する。
【0025】
モード設定器によりモードが選択されると、選択信号が制御装置(図示せず)に送られる。以下では、6先頭モードが選択されたものとして説明する。
【0026】
この場合、図1および2の搬送面XにはMSサイズの卵が収容された卵トレー1bが6個配列した側を先頭にした状態で搬送されてくる。搬送面Xにおいては、センサ4aで卵トレー1bの到来を検知すると、エアシリンダが駆動して、ストッパ3bが上昇する。到来を検知された卵トレー1bは、ストッパ3bにより停止位置で停止する。なお、6先頭モードを選択した場合、センサ4aの検出信号により作動するのは、ストッパ3bであり、ストッパ3aは作動しない。
【0027】
他方、搬送面Yにおいては、センサ4bで卵トレー1bの到来を検知すると、ストッパ3cおよび3dの各エアシリンダが駆動し、ストッパ3cおよび3dが上昇する。先行する卵トレー1bは、ストッパ3cの停止位置で停止し、後続の卵トレー1bはストッパ3dの停止位置で停止する。
【0028】
ところで、搬送面Yにおいては、搬送面Xと異なる位置にストッパ3dを設け、後続の卵トレー1bを停止させるようになっているが、その理由は以下のとおりである。仮に、ストッパ3dが存在しなければ搬送面Yにおける後続の卵トレー1bはストッパ3cで停止している卵トレー1bに隣接して停止する。この場合、後続の卵トレー1bに収容されている卵のうち、先頭の6個は、移し替え領域内に位置しており、移し替え機構が作動すると、ストッパ3cにより停止している先行の卵トレー1b内の卵とともに、移し替え機構の吸着部により真空吸着されることになる。これを防止するためには、図4の吸着部5の吸着盤のうち、後続の卵トレー1bの先頭部分の卵に対応する吸着盤のみ真空吸着しないよう、吸着部5を個別に制御する方法が考えられるが、その方法では、装置の複雑化、大型化を招き、妥当でない。本発明のように、ストッパ3dにより後続の卵トレー1bをその停止位置で停止させることにすれば、移し替え機構の吸着部5の個別制御の必要はない。
【0029】
ところで、図2−(a)は、ストッパ3b、3cおよび3dでそれぞれ卵トレー1bが停止している状態を示す概略平面図である。搬送面X上の卵トレー1bに収容されている卵のうち、1、3、5、8、10、12、‥‥‥29の卵(○で囲んで、網掛けしてある卵)が移し替え機構によって吸着される卵(吸着対象卵)である。
【0030】
他方、搬送面Y上の卵トレー1bに収容されている卵のうち、2、4、6、7、9、11、‥‥‥30の卵(△で囲んで、網掛けしてある卵)が移し替え機構によって吸着される卵(吸着対象卵)である。
【0031】
移し替え機構は、ストッパ3b、3c、3d作動後、停止している卵トレー1bに収容されている卵近傍まで下降し、前記吸着対象卵を吸着部5の吸着盤により真空吸着する。移し替え機構は、吸着後、一旦上昇し、その後、C1を中心に水平方向に180度回転した後、卵トレー1bに収容されている卵近傍まで下降し、真空解除して、空きの収容座に吸着していた卵を放出する。
【0032】
図2−(b)は、前記の移し替え作業完了後における卵の収容状態を示す卵トレー1bの概略平面図である。サイズの異なる卵はそれぞれ千鳥状に配置されている。
【0033】
移し替え機構が卵トレー1bへの移し替えを完了すると、制御装置から出力される移し替え完了信号に基づき、エアシリンダが駆動し、ストッパ3b、3cおよび3dは下降する。ストッパ3b、3cおよび3dが下降すると、各卵トレー1bは、停止位置から再び進行方向へ搬送される。以後、後続の卵トレー1bについて同じ動作が繰り返される。
【0034】
これまでは、6先頭モードを選択した場合について説明してきたが、次に、図3を用いて5先頭モードを選択した場合について説明する。
この場合、作動するストッパは、搬送面Xでは、ストッパ3aであり、搬送面Yでは、ストッパ3cである。その他の作動は、6先頭モードを選択した場合と基本的に同じなので、説明は、省略する。
【0035】
このように、本発明では、N行M列の収容座を有し、サイズの異なる卵が収容された卵トレーを2個並置して、一部卵の移し替えを行い、サイズの異なる卵が千鳥状に配置されたようにする場合、卵を吸着した移し替え機構を水平方向に180度回転させるにあたって、移し替え機構の回転の中心を変えたり、吸着部5の配置を可変にすることなく、卵トレー1の停止位置のみを変えることにより、簡易に、サイズの異なる卵を千鳥状に配置させることができる。
なお、千鳥状に配置することが定重量パック生産に役立つことは、特願2006−151383に開示されているのでここでは省略する。
【0036】
次に、別実施形態についていくつか説明する。
(1)これまでは、Nは5であり、Mは6として説明してきたが、これに限らず、たとえばMを7としてもよい。この場合、ストッパ3aとストッパ3bによる卵トレーの停止位置の差は、卵トレー1の収容座の2ピッチ分にする必要がある。また、卵を7個配列した側を先頭にして搬送する場合、ストッパ3cで卵トレー1bを停止させ、ストッパ3dで後続の卵トレー1bを停止させることになるが、先行する卵トレー1bの搬送方向上流側端部(卵トレーを構成する部分の最後尾)から後続の卵トレー1bの搬送方向下流側端部(卵トレーを構成する部分の先頭部分)まで距離は、卵トレー1の収容座の2ピッチ分とする必要がある。
(2)また、前記実施形態では、移し替え後の配置を千鳥配置で説明してきたが、これに限らない。たとえば、図3−(a)は、本来、千鳥状に配置する場合の概略平面図であるが、これを利用して説明すると、向かって左側の卵トレー1aのうち、1〜5、11〜15、21〜25と、右側の卵トレー1aのうち、6〜10、16〜20、26〜30の卵を吸着対象卵(移し替え対象卵)としてもよい。この場合には、移し替え機構の吸着部の配置もそれに対応した配置にする必要がある。
(3)前記実施形態では、搬送コンベア2は1本として説明してきたが、搬送面Xと搬送面Yとをそれぞれ別の搬送コンベアとして構成してもよい。
(4)前記実施形態では、搬送面X上のストッパを3a、3bとし、搬送面Y上のストッパを3c、3dとしたが、それに代えて、搬送面X上のストッパを3c、3dとし、搬送面Y上のストッパを3a、3bとしてもよい。
(5)前記実施形態では、ストッパを卵トレー1の外縁に当接する板状のものとして構成したが、これに代えて、卵トレー1の下方のリブに当接して停止させるべく、複数の棒状のものが突出するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明にかかる卵移し替え装置における卵トレーの停止位置を説明する概略平面図である。
【図2】6先頭モードの場合における卵トレー同士での移し替え作動説明図である。
【図3】5先頭モードの場合における卵トレー同士での移し替え作動説明図である。
【図4】移し替え機構の吸着部の概略底面図である。
【図5】従来の移し替えにおける概略平面図である。
【図6】従来の移し替えにおける概略平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 卵トレー
2 搬送コンベア
3a〜3d ストッパ
4a、4b センサ
C1〜C3 混合充填手段(移し替え装置)が180度水平方向に回転する場合の回転の中心
5 吸着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別済の同一サイズの卵を収容するN行M列(ただし、N<M)の収容座を有する卵トレーのうち、一のサイズの卵を収容する卵トレーを搬送する搬送路と他の一のサイズの卵を収容する卵トレーを搬送する搬送路とからなる搬送手段と、
それぞれの搬送路下流側において、それぞれの卵トレーの進行を阻止し、2個の卵トレーを並置させる進行阻止手段と、
進行阻止手段により進行を阻止され、並置した状態にある2個の卵トレーから一部の卵を真空吸着し、その後、水平方向に180度回転し、それぞれの卵トレーにおいてサイズの異なる卵が互いに所定の配置になるように吸着保持している卵を他方の卵トレーの空きの収容座に移し替える移し替え手段を備える卵移し替え装置であって、
前記移し替え手段は、並置した状態にある2個の卵トレーから相互に移し替えるべき移し替え対象卵を真空吸着する吸着盤を備えており、
さらに、前記進行阻止手段により卵トレーが進行を阻止され、卵トレーが並置する際の卵トレーの停止位置は、M個配列した側を先頭にして搬送する場合にあっては、一のサイズの卵を収容した卵トレーの搬送方向下流側端部が他の一のサイズの卵を収容した卵トレーの搬送方向下流側端部より所定距離(P)を隔てた搬送方向下流側に位置するとともに、一のサイズの卵を収容した卵トレーに続く後続の卵トレーは、先行する卵トレーの搬送方向上流側端部より所定距離(P)を隔てた上流側で停止するのに対し、N個配列した側を先頭にして搬送する場合にあっては、一のサイズの卵を収容した卵トレーと他の一のサイズの卵を収容した卵トレーの搬送方向下流側端部は搬送方向に直交する同一線上にあることを特徴とする卵移し替え装置。
【請求項2】
前記所定距離(P)は、収容座ピッチ×(M−N)であることを特徴とする請求項1に記載の卵移し替え装置。
【請求項3】
Nは5であり、Mは6であることを特徴とする請求項1または2に記載の卵移し替え装置。
【請求項4】
前記移し替え手段の移し替えによって、卵トレー内で生じるサイズの異なる卵の配置は千鳥状配置であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の卵移し替え装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−44621(P2008−44621A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218990(P2006−218990)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(597017812)株式会社ナベル (56)
【Fターム(参考)】