説明

原反形成装置、原反形成方法、および印刷装置

【課題】再仮着後の原反の長さ方向の反りを簡単な構成で適切に制御できる原反形成装置、原反形成方法、および、印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、第1,第2原反R1,R2を右方向に搬送する搬送手段2と、剥離シートRLと接着シートSとを離間させる離間手段としての離間ローラ3と、接着シートSから離間した剥離シートRLを迂回させる迂回手段4と、剥離シートRLから離間した接着シートSの接着剤層ADに印刷を施す印刷手段5と、離間ローラ3で離間させた接着シートSを、迂回させた剥離シートRLに再仮着して第2原反R2を形成する再仮着手段6と、第2原反R2の長手方向の反りを制御する反り方向制御手段7を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着シートを剥離シートから一旦分離して所定の処理を施した後、接着シートと剥離シートとを再仮着する原反形成装置、原反形成方法、および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有し、接着剤層を介して帯状の剥離シート上に仮着された接着シートにおいて、接着剤層に印刷を施す方法として、まず、接着シートを剥離シートから一旦剥離し、露出した接着シートの接着剤層に所定の印刷を施し、その後、剥離シートを再仮着する装置が知られている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1に記載の印刷装置では、再仮着時に、被印刷材(接着シート)と剥離紙(剥離シート)に加わる力によっては、巻き取られた原反に予期せぬ方向の内部応力が加わった状態で再仮着されてしまう。したがって、再仮着後、原反を所定形状に切断して使用するような場合、切断片が意図しない方向に反り変形してしまい、例えば、当該切断辺を積層しようにも反り変形の影響で積層できなかったり、積層できたとしても搬送に支障をきたしたりするといった不都合があった。
そこで、このような不都合を解消するために、再仮着後の原反の長さ方向の反り変形を制御する方法が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
この特許文献2に記載のラミネート装置では、帯状のラベル原反(接着シート)と帯状のラミネートフィルム(剥離シート)とが二つのローラの間に挟み込まれることにより貼り合わされる。そして、このラミネート装置において、当該二つのローラの回転軸をラベル原反の搬送方向に相対的にずらすことによって、貼り合わせ品から得られるラベル製品の反り方向を制御している。
【0004】
そして、特許文献1に記載の印刷装置に、特許文献2に記載されているような原反の長さ方向の反りを制御する構成を適用することで、上記のような切断片を積層できなかったり、搬送し難くなるという不都合が解消されると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4408945号公報
【特許文献2】特開2006−213035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の構成では、2つのローラの回転軸を原反の搬送方向に相対的にずらす必要があり、構成が複雑になるという問題がある。さらに、2つのローラの回転軸をずらして再仮着する瞬間の状態を制御することで反りの方向を制御するので、反りの制御が難しいという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、再仮着後の原反の長さ方向の反りを簡単な構成で適切に制御できる原反形成装置、原反形成方法、および印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の原反形成装置は、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートと、前記接着剤層を介して前記接着シートに仮着された帯状の剥離シートとを備える第1原反を搬送する途中において、前記接着シートと前記剥離シートとを一旦離間させた状態で所定の処理を施した後、前記接着シートと前記剥離シートとを再仮着した第2原反を形成する原反形成装置であって、前記第1原反を搬送する搬送手段と、前記搬送されている第1原反の前記接着シートと前記剥離シートとを離間させる離間手段と、前記接着シートから離間した前記剥離シートを迂回させる迂回手段と、前記離間させた接着シートを迂回させた剥離シートに再仮着して前記第2原反を形成する再仮着手段と、前記離間後かつ再仮着前の接着シートに第1張力を付与するとともに、前記離間後かつ再仮着前の剥離シートに第2張力を付与することで、前記第2原反の長さ方向の反りを制御する反り方向制御手段とを備える、という構成を採用している。
【0009】
この際、本発明の原反形成装置では、前記搬送手段は、前記第1原反を前記離間手段へ送る第1駆動ローラと、前記第1駆動ローラを回転させる第1回転モータと、前記第2原反を搬送方向へ送る第2駆動ローラと、前記第2駆動ローラを回転させる第2回転モータとを備え、前記迂回手段は、迂回中の剥離シートを送る第3駆動ローラと、前記第3駆動ローラを回転させる第3回転モータとを備え、前記反り方向制御手段は、前記第1回転モータと、前記第2回転モータと、前記第3回転モータと、前記第1回転モータおよび前記第2回転モータおよび前記第3回転モータの駆動状態を制御することで前記第1張力および前記第2張力を付与するモータ制御手段とを備える、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明の原反形成装置では、前記モータ制御手段は、前記第1回転モータおよび前記第2回転モータおよび前記第3回転モータのトルクを制御する、ことが好ましい。
また、本発明の原反形成装置では、前記モータ制御手段は、前記第1回転モータおよび前記第2回転モータおよび前記第3回転モータの回転速度を制御する、ことが好ましい。
さらに、本発明の原反形成装置では、前記迂回手段は、迂回中の剥離シートを送る迂回ローラと、前記迂回ローラを移動させる回転軸移動手段とを備え、前記迂回ローラを移動させることで前記剥離シートに前記第2張力を付与する前記反り方向制御手段として機能する、ことが好ましい。
さらに、本発明の原反形成装置では、前記反り方向制御手段は、前記離間させた接着シートおよび迂回中の剥離シートのうち少なくとも一方のシートを加熱または冷却して、前記少なくとも一方のシートを伸ばすまたは縮ませることで、前記第1張力および前記第2張力を付与する、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明の印刷装置は、前記原反形成装置と、前記原反形成装置の前記離間手段において離間された前記接着シートの前記接着剤層を有する面、迂回中の前記剥離シートの一方の面、および、前記剥離シートの他方の面のうち少なくとも一つの面に印刷を施す印刷手段とを備える、という構成を採用している。
【0012】
また、本発明の原反形成方法は、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートと、前記接着剤層を介して前記接着シートに仮着された帯状の剥離シートとを備える第1原反を搬送する途中において、前記接着シートと前記剥離シートとを一旦離間させた状態で所定の処理を施した後、前記接着シートと前記剥離シートとを再仮着した第2原反を形成する原反形成方法であって、前記第1原反を搬送する工程と、前記搬送されている第1原反の前記接着シートと前記剥離シートとを離間させる工程と、前記接着シートから離間した前記剥離シートを迂回させる工程と、前記離間させた接着シートを迂回させた剥離シートに再仮着して前記第2原反を形成する工程と、前記離間後かつ再仮着前の接着シートに第1張力を付与するとともに、前記離間後かつ再仮着前の剥離シートに第2張力を付与することで、前記第2原反の長さ方向の反りを制御する工程とを有する、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0013】
以上のような本発明によれば、反り方向制御手段により剥離後かつ再仮着前の接着シートに第1張力を付与するとともに、剥離後かつ再仮着前の剥離シートに第2張力を付与して、再仮着前における第1,第2張力の差により原反の反りを制御するので、再仮着する瞬間の状態で原反の反りを制御する場合に比べて、反りの方向および状態を簡単な構成で適切に制御できる。
さらに、本発明の印刷装置によれば、反りを制御しつつ適切な印刷が施された第2原反を製造できる。
【0014】
さらに、第1,第2原反を送る第1,第2駆動ローラを回転させる第1,第2回転モータと、迂回中の剥離シートを送る第3駆動ローラを回転させる第3回転モータとのトルクあるいは搬送速度の制御をすることで、接着シートと剥離シートに異なる張力を付与すれば、各シートの搬送経路を変更することなく反りを制御できるので、装置の大型化を防止することができる。
また、迂回中の剥離シートを送る迂回ローラを移動させたり、接着シートや剥離シートの加熱によりシートを伸ばしたり、あるいは冷却により縮ませることで、接着シートと剥離シートとに異なる張力を付与すれば、複雑な構成を用いることなく、かつ、装置の大型化を伴うことなく反りを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
また、実施形態では、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」といった方位を示す用語は、図1を基準として用いる。
図1において、印刷装置1は、帯状の基材シートBSの一方の面に接着剤層ADを有する接着シートSと、接着剤層ADを介して接着シートSに仮着された帯状の剥離シートRLとを備える第1原反R1を、搬送する途中において接着シートSから剥離シートRLを一旦離間させた状態で印刷を施した後、接着シートSと剥離シートRLとを再仮着し、第2原反R2を形成するものである。
なお、印刷前の接着シートSは、帯状の剥離シートRLに仮着された状態で第1原反R1として予め準備されている。ここで、印刷が施された接着シートSと剥離シートRLとが仮着された原反を第2原反R2と称して説明する。
【0017】
印刷装置1は、第1,第2原反R1,R2を右方向に搬送する搬送手段2と、剥離シートRLと接着シートSとを離間させる離間手段としての離間ローラ3と、接着シートSから離間した剥離シートRLを迂回させる迂回手段4と、剥離シートRLから離間した接着シートSの接着剤層ADに印刷を施す印刷手段5と、離間ローラ3で離間させた接着シートSを迂回させた剥離シートRLに再仮着して第2原反R2を形成する再仮着手段6と、第2原反R2の長手方向の反りを制御する反り方向制御手段7を備えている。
【0018】
搬送手段2は、回転モータ20によって駆動し第1原反R1を巻回して支持する支持ローラ21と、それぞれ第1,第2回転モータ22,23によって駆動し第1,第2原反R1,R2を繰り出す第1,第2駆動ローラ24,25と、第1,第2駆動ローラ24,25との間に第1,第2原反R1,R2を挟み込むピンチローラ26,27と、回転モータ28によって駆動し印刷が施された第2原反R2を回収する回収ローラ29とを備えている。
そして、搬送手段2は、回転モータ20,28、第1,第2回転モータ22,23の駆動により、第1,第2原反R1,R2を右方向へ搬送する。
【0019】
離間ローラ3は、搬送手段2で搬送される第1原反R1の剥離シートRLに当接し、剥離シートRLと接着シートSとを離間させて剥離シートRLを下方向に案内する。
【0020】
迂回手段4は、離間ローラ3の下方に設けられた第3駆動ローラとしての第1迂回ローラ41と、この第1迂回ローラ41の右方に設けられた第2迂回ローラ42と、第1迂回ローラ41との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ43と、第1迂回ローラ41を駆動させる第3回転モータ44とを備えている。そして、迂回手段4は、離間ローラ3にて離間された剥離シートRLを接着シートSに対して迂回させて再仮着手段6まで案内する。
【0021】
印刷手段5は、接着シートSの接着剤層ADに印刷を施す輪転印刷機51と、この輪転印刷機51で印刷されたインクを乾燥または硬化させる硬化手段52とを備えている。
輪転印刷機51は、接着剤層AD側に設けられた版胴53と、接着シートSを版胴53に押圧する圧胴54とを備えている。版胴53の外周面には、刷版55が設けられている。
硬化手段52は、輪転印刷機51の右方に設けられており、エア吹付装置や紫外線照射装置等で構成され、印刷面である接着剤層ADにエアを吹き付けてインクを乾燥させたり、紫外線硬化型のインクを用いている場合は紫外線を照射したりすることにより、インクを硬化させるように構成されている。
なお、輪転印刷機51の代わりに、インクジェット印刷機、スクリーン印刷機等の公知の印刷機を用いてもよい。
【0022】
再仮着手段6は、印刷手段5の右方に設けられており、接着シートSと剥離シートRLとを上下から挟み込んで第2原反R2を形成する一対の再仮着ローラ61を備えている。
【0023】
反り方向制御手段7は、第1,第2,第3回転モータ22,23,44と、これら第1,第2,第3回転モータ22,23,44の駆動状態を制御するモータ制御手段71とから構成されている。モータ制御手段71は、第1,第2,第3回転モータ22,23,44のトルクを制御して、離間ローラ3での離間後かつ再仮着手段6での再仮着前の接着シートSに第1張力T1を付与し、前記離間後かつ前記再仮着前の剥離シートRLに第2張力T2を付与する。この第1,第2張力T1,T2の大きさを調整することで、第2原反R2の長手方向の反り方向を制御する。つまり、第2回転モータ23に対する第1回転モータ22の相対トルクを制御して接着シートSに第1張力T1を付与し、第2回転モータ23に対する第3回転モータ44の相対トルクを制御して剥離シートRLに第1張力T2を付与する。
【0024】
具体的に、モータ制御手段71は、接着シートSの第1張力T1が剥離シートRLの第2張力T2よりも大きくなるように、第1,第2,第3回転モータ22,23,44のトルクを制御する。この制御により、再仮着された接着シートSに内部応力が蓄積し、第2原反R2の反り方向は、接着シートSを内側にして反る方向となる。すなわち、第2原反R2は、接着シートSが内側で剥離シートRLが外側となる円弧状に反ることになる。
これとは逆に、接着シートSの第1張力T1が剥離シートRLの第2張力T2よりも小さくなるように制御すると、再仮着された剥離シートRLに内部応力が蓄積し、第2原反R2の反り方向は、剥離シートRLを内側にして反る方向となる。すなわち、第2原反R2は、剥離シートRLが内側で接着シートSが外側となる円弧状に反ることになる。
【0025】
次に、印刷装置1を用いた印刷方法を説明する。
まず、原反Rを第1駆動ローラ24とピンチローラ26との間に挟み込み、離間ローラ3において接着シートSと剥離シートRLを離間させる。次に、接着シートSを印刷手段5の版胴53と圧胴54との間に挟み込み、剥離シートRLを第1,第2迂回ローラ41,42で接着シートSに対して迂回させておく。そして、再仮着手段6において接着シートSと剥離シートRLとを挟み込んで再仮着させ、第2駆動ローラ25とピンチローラ27との間に挟み込み、回収ローラ29に巻回させておく。また、第2原反R2の反りを所望の状態に制御するように、反り方向制御手段7の第1,第2,第3回転モータ22,23,44のトルクを調整しておく。
【0026】
この状態で、回転モータ20,28、第1,第2,第3回転モータ22,23,44の駆動により、第1原反R1を右方向に搬送し、搬送された第1原反Rは、離間ローラ3により、接着シートSと剥離シートRLとに分離される。
そして、接着シートSは、第1張力T1が付与された状態で右方向に案内され、輪転印刷機51において印刷が施された後、硬化手段52においてインクの硬化処理が施されて、再仮着手段6に案内される。
一方、剥離シートRLは、第2張力T2が付与された状態で第1,第2迂回ローラ41,42により接着シートSに対して迂回させられ、再仮着手段6に案内される。
そして、再仮着手段6まで案内された接着シートSおよび剥離シートRLは、互いに大きさが異なる第1,第2張力T1,T2が付与された状態で当該再仮着手段6により再仮着され、接着シートSに印刷が施されるとともに反り方向が制御された第2原反R2が形成される。この後、第2原反R2は、回収ローラ29によりロール状に巻き取られる。
【0027】
以上のような本実施形態によれば、離間ローラ3での離間後かつ再仮着手段6での再仮着前の接着シートSに第1張力T1を付与し、前記離間後かつ前記再仮着前の剥離シートRLに第1張力T1と異なる第2張力T2を付与することで、第2原反R2の長手方向の反りを制御するので、再仮着前に第2原反R2の反りの状態を決定でき、再仮着する瞬間の状態で第2原反R2の反りを制御する場合に比べて、反りの方向および状態を簡単な構成で適切に制御できる。なお、第1張力T1と第2張力T2とを同じ張力に設定すれば、第2原反R2に反りは発生しない。
【0028】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0029】
例えば、前記実施形態において、モータ制御手段71により第1,第2,第3回転モータ22,23,44の回転速度を制御することによって、接着シートSおよび剥離シートRLに第1,第2張力T1,T2を付与してもよい。
また、反り方向制御手段7は、第1,第2,第3回転モータ22,23,44を制御するものでなくてもよい。例えば、図1中、二点鎖線で示すように、回転軸移動手段72Aにより第2迂回ローラ42を図中下方向に移動させることで、剥離シートRLに付与する第2張力T2を調整してもよい。
また、接着シートや剥離シートが例えば樹脂で形成されている場合、温度による伸縮性を利用して、第1,第2張力T1,T2を調整してもよい。例えば、図1中第2迂回ローラ42と再仮着ローラ61との間に二点鎖線で示すように、温度調節装置73Bを設置して、迂回中の剥離シートRLを加熱または冷却すれば、温度に応じて剥離シートRLが伸縮するため、接着シートSに再仮着された後、加熱または冷却された剥離シートRLが常温に戻るときに伸縮を伴うことで第2張力T2が変更されるのと同等の効果を得ることができる。なお、接着シートSを加熱または冷却するように温度調節装置73Bを接着シートS側に設けてもよいし、剥離シートRL側と接着シートS側の両方に設けてもよい。
【0030】
また、前記実施形態では、印刷手段5により接着シートSの接着剤層ADに印刷する構成を例示したが、迂回している剥離シートRLの仮着面やその反対面に印刷する構成とし、剥離シートRLの繰出方向下流側に印刷面を硬化させる硬化手段52を設けるとよい。なお、硬化手段52は必須要件ではない。
【符号の説明】
【0031】
1…印刷装置
2…搬送手段
3…離間ローラ(離間手段)
4…迂回手段
5…印刷手段
6…再仮着手段
7…反り方向制御手段
22…第1回転モータ
23…第2回転モータ
24…第1駆動ローラ
25…第2駆動ローラ
41…第1迂回ローラ(第3駆動ローラ)
44…第3回転モータ
71…モータ制御手段
72A…回転軸移動手段
AD…接着剤層
BS…基材シート
R1…第1原反
R2…第2原反
RL…剥離シート
S…接着シート
T1…第1張力
T2…第2張力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートと、前記接着剤層を介して前記接着シートに仮着された帯状の剥離シートとを備える第1原反を搬送する途中において、前記接着シートと前記剥離シートとを一旦離間させた状態で所定の処理を施した後、前記接着シートと前記剥離シートとを再仮着した第2原反を形成する原反形成装置であって、
前記第1原反を搬送する搬送手段と、
前記搬送されている第1原反の前記接着シートと前記剥離シートとを離間させる離間手段と、
前記接着シートから離間した前記剥離シートを迂回させる迂回手段と、
前記離間させた接着シートを迂回させた剥離シートに再仮着して前記第2原反を形成する再仮着手段と、
前記離間後かつ再仮着前の接着シートに第1張力を付与するとともに、前記離間後かつ再仮着前の剥離シートに第2張力を付与することで、前記第2原反の長さ方向の反りを制御する反り方向制御手段とを備えることを特徴とする原反形成装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記第1原反を前記離間手段へ送る第1駆動ローラと、前記第1駆動ローラを回転させる第1回転モータと、前記第2原反を搬送方向へ送る第2駆動ローラと、前記第2駆動ローラを回転させる第2回転モータとを備え、
前記迂回手段は、迂回中の剥離シートを送る第3駆動ローラと、前記第3駆動ローラを回転させる第3回転モータとを備え、
前記反り方向制御手段は、前記第1回転モータと、前記第2回転モータと、前記第3回転モータと、前記第1回転モータおよび前記第2回転モータおよび前記第3回転モータの駆動状態を制御することで前記第1張力および前記第2張力を付与するモータ制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の原反形成装置。
【請求項3】
前記モータ制御手段は、前記第1回転モータおよび前記第2回転モータおよび前記第3回転モータのトルクを制御することを特徴とする請求項2に記載の原反形成装置。
【請求項4】
前記モータ制御手段は、前記第1回転モータおよび前記第2回転モータおよび前記第3回転モータの回転速度を制御することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の原反形成装置。
【請求項5】
前記迂回手段は、迂回中の剥離シートを送る迂回ローラと、前記迂回ローラを移動させる回転軸移動手段とを備え、前記迂回ローラを移動させることで前記剥離シートに前記第2張力を付与する前記反り方向制御手段として機能することを特徴とする請求項1に記載の原反形成装置。
【請求項6】
前記反り方向制御手段は、前記離間させた接着シートおよび迂回中の剥離シートのうち少なくとも一方のシートを加熱または冷却して、前記少なくとも一方のシートを伸ばすまたは縮ませることで、前記第1張力および前記第2張力を付与することを特徴とする請求項1に記載の原反形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の原反形成装置と、
前記原反形成装置の前記離間手段において離間された前記接着シートの前記接着剤層を有する面、迂回中の前記剥離シートの一方の面、および、前記剥離シートの他方の面のうち少なくとも一つの面に印刷を施す印刷手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
帯状の基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートと、前記接着剤層を介して前記接着シートに仮着された帯状の剥離シートとを備える第1原反を搬送する途中において、前記接着シートと前記剥離シートとを一旦離間させた状態で所定の処理を施した後、前記接着シートと前記剥離シートとを再仮着した第2原反を形成する原反形成方法であって、
前記第1原反を搬送する工程と、
前記搬送されている第1原反の前記接着シートと前記剥離シートとを離間させる工程と、
前記接着シートから離間した前記剥離シートを迂回させる工程と、
前記離間させた接着シートを迂回させた剥離シートに再仮着して前記第2原反を形成する工程と、
前記離間後かつ再仮着前の接着シートに第1張力を付与するとともに、前記離間後かつ再仮着前の剥離シートに第2張力を付与することで、前記第2原反の長さ方向の反りを制御する工程とを有することを特徴とする原反形成方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−125972(P2012−125972A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278230(P2010−278230)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】