説明

原稿圧着板開閉装置及びこれを備えた事務機器

【課題】原稿圧着板開閉装置に対する原稿圧着板の前後位置の調節を部品点数を省略した簡単な構成で正確に行い得る原稿圧着板開閉装置を提供する。
【解決手段】原稿圧着板12を事務機器10の装置本体11に対し原稿圧着板開閉装置1を介して開閉可能に取り付けるに当たり、前記原稿圧着板12と前記原稿圧着板開閉装置1との間にその前後方向の取付位置を調節できる原稿圧着板前後位置調節手段48を、前記原稿圧着板開閉装置1の前記原稿圧着板を取り付ける構成部材に直に設置したことで解決した。また、前記前後位置調節手段48は、原稿圧着板開閉装置1のリフト部材4、支持部材3又は第2ヒンジシャフト16のうちから選ばれたいずれかの部材に設けることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、印刷機、ファクシミリ、スキャナー等の事務機器の原稿圧着板を事務機器の装置本体へ開閉可能に取り付ける原稿圧着板開閉装置及びこの原稿圧着板開閉装置を備えた事務機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、印刷機、ファクシミリ、スキャナー等の事務機器の装置本体には、この装置本体に備えたコンタクトガラスの上面を覆う原稿圧着板が装置本体の上面後部に一対の原稿圧着板開閉装置を介して開閉可能に取り付けられている。
この原稿圧着板開閉装置は、一種のヒンジ機構であり、原稿圧着板をヒンジ軸まわりに回動可能に軸支して、装置本体の上面のコンタクトガラス上に原稿圧着板を圧着させることができると共に、そのコンタクトガラスを露出させることができる。
そのような原稿圧着板開閉装置は、事務機器の装置本体に取り付けられる取付部材と、この取付部材にヒンジシャフトを介して回動可能に設けられていると共に原稿圧着板を支持する支持部材と、支持部材と取付部材との間に設けられ、支持部材を開成方向へ付勢する弾性手段とを備えている。この弾性手段によって支持部材を介して原稿圧着板が開成方向に回転付勢されているので、原稿圧着板を開成方向に回転するときには、弾性手段の弾力により本来の重量を感じさせることなく原稿圧着板を開くことができるようになっている。また、上記の如き原稿圧着板には自動原稿送り装置[以下、単にADF(Automatic Document Feeder)という。]を取り付けたものも広く用いられている。本発明において原稿圧着板とはこのADF付きのものも含んでいる。
このような原稿圧着板開閉装置によって開閉される原稿圧着板は、当然にコンタクトガラスに対して平行な位置に取り付けられることが望まれるが、寸法誤差、原稿圧着板の設置位置の誤差などから、平行位置(前後位置)に誤差が生じるのは避けらない。原稿圧着板においては、これを水平にしたときの左右端の前後位置がズレていると、原稿圧着板がコンタクトガラス上に正しくセットされず、ずれが生じ不体裁である上に、ADFの構成によっては、コンタクトガラス上に原稿を送り込む際に、原稿がコンタクトガラス上で斜め方向に移動され、スキャン画像が傾いたり、原稿に皺ができたり、紙詰まりを生じたりするなどの問題が生じた。
そこで前記原稿圧着板を取り付ける場合の原稿圧着板の前後方向の取付位置を調節するための手段を設けた原稿圧着板開閉装置が下記特許文献1〜2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3641357号公報
【特許文献2】特許第4351597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載されているものは、原稿圧着板開閉装置の側に装置本体に対してその前後方向の取り付け位置を調節できる調節手段が設けられていることから、分部品点数が多くなり、原稿圧着板開閉装置のコストアップの原因の一つとなっていた。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、原稿圧着板開閉装置に対する原稿圧着板の前後位置の調節を、簡単な構造で、しかも正確に行える原稿圧着板開閉装置及びこれを備えた事務機器を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明に係る原稿圧着板開閉装置は、原稿圧着板を事務機器の装置本体に対し原稿圧着板開閉装置を介して開閉可能に取り付けるに当たり、前記原稿圧着板と前記原稿圧着板開閉装置との間にその前後方向の取り付け位置を調節できる原稿圧着板前後位置調節手段を、前記原稿圧着板開閉装置の前記原稿圧着板を取り付ける構成部材に直に設置したことを特徴とする。
【0007】
その際に、原稿圧着板前後位置調節手段は、前記原稿圧着板又は当該原稿圧着板を取り付ける前記原稿圧着板開閉装置の構成部材のいずれか一方或は双方に設けた取付長孔と、前記原稿圧着板における後方を向く面に対向する前記原稿圧着板開閉装置の構成部材から前方へ向けて突出するところの長さ調節可能な調節部材と、前記取付長孔を介して前記原稿圧着板を取り付ける取付ネジと、で構成することができる。
さらに、調節部材は、前記原稿圧着板開閉装置の構成部材に取り付けられた調節ネジと、この調節ネジに取り付けられた締付ナットを有することを特徴とする。
さらに本発明は、原稿圧着板開閉装置が、事務機器の装置本体側に取り付けられる取付部材と、この取付部材に第1ヒンジシャフトにより回動可能に取り付けられた支持部材と、この支持部材に第2ヒンジシャフトにより回動可能に取り付けられると共に前記原稿圧着板が取り付けられるリフト部材と、を有する場合においては、前記原稿圧着板前後位置調節手段が、前記リフト部材、前記支持部材、又は前記第2ヒンジシャフトのうちから選ばれたいずれかの構成部材に備えられたことを特徴とする。
上記構成の場合で原稿圧着板開閉装置が、リフト部材に作動部材を有する場合には、前記調節部材を前記作動部材に設けることができる。
さらに、原稿圧着板開閉装置が、リフト部材を有しない場合においては、前記調節部材を、前記支持部材に設けることができる。
前記原稿圧着板開閉装置の取付部材は、底板とこの底板の両側から上方へ立ち上げた両側板を有するものとし、この両側板に第1ヒンジピンを介して支持部材の両側板を回動可能に連結させるものである。
前記原稿圧着板開閉装置で、装置本体側へ取り付けられる取付部材と、この取付部材にヒンジピンを介して回動可能に取り付けられた支持部材から成るものは、前記原稿圧着板前後位置調節手段を前記支持部材に設けるものである。
前記原稿圧着板開閉装置で、取付部材とこの取付部材に回動可能に取り付けた支持部材から成るものは、前記取付部材と支持部材の間、取付部材とこの取付部材に回動可能に取り付けた支持部材とこの取支持部材に回動可能に取り付けたリフト部材から成るものは、取付部材とリフト部材の間にそれぞれ前記原稿圧着板の弾性手段を設けることが好ましい。
原稿圧着板開閉装置で支持部材に弾性手段を有するものは、この弾性手段の弾力を受けるスライダーを当該弾性手段の両端部に被せてなることを特徴とする。
前記原稿圧着板開閉装置で、取付部材とこの取付部材に回動可能に取り付けた支持部材とこの取支持部材に回動可能に取り付けたリフト部材から成るものは、リフト部材を一方向へ回動付勢させる弾性手段を、当該リフト部材を前記支持部材へ回動可能に取り付けるヒンジピンへ環巻きさせることができる。
本発明はまた、前記いずれかに記載の原稿圧着板開閉装置を備えたことを特徴とする、事務機器である。
そして本発明は、事務機器の装置本体と原稿圧着板とを左右一対の原稿圧着板開閉装置により連結する場合においては、少なくともその一方を前記原稿圧着板開閉装置としたことを特徴とする、事務機器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る原稿圧着板開閉装置は、上記の如く、原稿圧着板における後方を向く面に対向する前記原稿圧着板開閉装置上の部位から前方へ向けて突出する、長さ調節が可能な原稿圧着板前後位置調節手段を設けたので、この調節手段の長さを調節し、その頂部が原稿圧着板における後方を向く面と当接するように調節することにより、当該原稿圧着板の前後位置を容易に調節できるものである。
また、前記原稿圧着板前後位置調節手段を、前記原稿圧着板又は当該原稿圧着板を取り付ける前記原稿圧着板開閉装置の構成部材のいずれか一方或は双方に設けた取付長孔と、前記原稿圧着板における後方を向く面に対向する前記原稿圧着板開閉装置の構成部材から前方へ向けて突出するところの長さ調節可能な調節部材と、前記取付長孔を介して前記原稿圧着板を取り付ける取付ネジと、により構成することにより、コストダウンを図ることのできる簡単な構造で、原稿圧着板開閉装置に対する原稿圧着板の前後方向の取付位置の正確な調節を行うことが可能になる。
【0009】
前記原稿圧着板前後位置調節手段は、使用状況に応じて原稿圧着板開閉装置のリフト部材、支持部材又は第2ヒンジシャフトのうちから選ばれたいずれかの部材に取り付けることが可能であるので、適用場面が広く、多くの使用状況に対応できる。
【0010】
また、本発明に係る前記構成の原稿圧着板開閉装置を備えた事務機器であれば、前記と同様に、簡単な構造でありながら、原稿圧着板開閉装置に対する原稿圧着板の前後位置の正確な調節を行うことができる。
事務機器の左右一対の原稿圧着板開閉装置として、少なくともその一方の原稿圧着板開閉装置として本発明に係る前記の原稿圧着板開閉装置を用いることにより、原稿圧着板がコンタクトガラス上で前後方向に斜めに傾いている場合に、これを容易に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る原稿圧着板開閉装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した原稿圧着板開閉装置の分解斜視図である。
【図3】図1に示した原稿圧着板開閉装置の概略側断面図である。
【図4】図1に示した原稿圧着板開閉装置を事務機の後端部に取り付けると共に、その原稿圧着板開閉装置に原稿圧着板を取り付けた状態を示す一部破断側面図である。
【図5】図4に示した状態における原稿圧着板開閉装置の上面図である。
【図6】本発明に係る原稿圧着板開閉装置の他の実施例2を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る原稿圧着板開閉装置のさらに他の実施例3を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る原稿圧着板開閉装置のさらに他の実施例4を示す斜視図である。
【図9】図8に示した原稿圧着板開閉装置の取り付け状態を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係る原稿圧着板開閉装置のさらに他の実施例5を示す斜視図である。
【図11】図10に示した原稿圧着板開閉装置の取り付け状態を示す縦断面図である。
【図12】本発明に係る原稿圧着板開閉装置のさらに他の実施例6を示す斜視図である。
【図13】図12に示した原稿圧着板開閉装置の取り付け状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る原稿圧着板開閉装置及びこれを備えた事務機器を、添付図面に基づいて詳述する。尚、事務機器としては、例えば、複写機、印刷機、ファクシミリ、スキャナー等が挙げられ、とくに複写機が好ましいものとして挙げられる。以下の説明では複写機を例にとって説明するがこのものに限定されない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図5は本発明に係る原稿圧着板開閉装置の一実施例を示す図である。
本発明に係る原稿圧着板開閉装置1は、図4に示すように、事務機器10の一例としての複写機の装置本体11の後端部に、原稿圧着板12を開閉可能に取り付けるためのものである。また、図4に示した例では、原稿自動送り装置(ADF)122を有する原稿圧着板12を本発明に係る原稿圧着板開閉装置1により保持する例が描かれているが、本発明に係る原稿圧着板開閉装置及び事務機器は、原稿自動送り装置の有無に関係なく適用可能なものである。
【0014】
本発明に係る原稿圧着板開閉装置1は、図1〜図5に示すように、原稿圧着板12を有する事務機器10の装置本体11側に取り付けられる通称1本脚型の取付部材2と、この取付部材2に第1ヒンジシャフト15を軸に回動可能に取り付けられている支持部材3と、この支持部材3に第2ヒンジシャフト16により回動可能に取り付けられると共に前記原稿圧着板12が取り付けられるリフト部材4とを備えている。尚、取付部材2を図示のように合成樹脂の成形品にすると、SUS のような金属板をプレス加工してカム部材や受圧ピンを取り付ける構成のものよりもコストダウンを図ることができる利点がある。
支持部材3の内部には、その軸方向にスライド可能に設けられる一対の第1及び第2スライダー6及び7と、これらのスライダーを介してリフト部材4を支持部材3と重なり合う方向へ付勢すると共に原稿圧着板12を開成方向に回転付勢するコンプレッションスプリングから成る弾性手段5とが設けられ、原稿圧着板12を回動させて装置本体11の上面を原稿圧着板12で覆う閉成状態と、その上面を露出させる開成状態とを形成し得るようになっている。
【0015】
本発明に係る原稿圧着板開閉装置1は、当該原稿圧着板開閉装置1に対する原稿圧着板12の前後方向の取り付け位置を調節するための原稿圧着板前後位置調節手段48が設けられていることを特徴とする。
即ち、図1〜5に示した実施例の原稿圧着板開閉装置1には、前記原稿圧着板12における後方を向く面123R(仕切壁123の後側面。図4参照。)に対向する原稿圧着板開閉装置1上の部位から前方へ向けて突出する、長さ調節可能な原稿圧着板前後位置調節手段48が設けられる。即ち、図4に示した実施例においては、前記原稿圧着板12の仕切壁123の後側面123Rに対向する原稿圧着板開閉装置1のリフト部材4の頂板40上に、原稿圧着板前後位置調節手段48が設けられる。
この原稿圧着板前後位置調節手段48としては、好適には、前記原稿圧着板開閉装置1のリフト部材4の頂板40に設けた雌ネジ孔49にネジ着された調節ネジ481と、この調節ネジ481にネジ着された締付ナット482と、リフト部材4のフランジ43、43に設けた複数の取付長孔431と、これらの取付長孔431に原稿圧着板12の取付部124を取り付ける複数の取付ネジ125と、から成るものが採用されている。取付長孔431は原稿圧着板の取付部124の側に設けてもよい。頂板40に対する調節ネジ481のねじ込み量を増減することにより、原稿圧着板前後位置調節手段48と原稿圧着板12の仕切壁123の後側面123Rとの間の間隔Wを増減でき、締付ナット482で締め付けることにより調節ネジ481を固定させることにより、原稿圧着板12の前後位置を原稿圧着板の原稿圧着板開閉装置への取り付け時、或は取り付け後の位置調節時に原稿圧着板の前後方向の取り付け位置を調節することができる。
図示した実施例において、調節ネジ481としては、例えば、十字穴付なべ小ネジM4×14を用い、これに対する締付ナット482としては、ナットM4を用いることができる。調節ネジの頭は4角形状或は6角形状に構成してスパナを用いて回転させるようにしてもよい。また、本発明における前後位置調節手段48は、上記の如き調節ネジ及び締付ナットに限らず、突出長さが調節可能なものであれば、例えばパンタグラフやカム機構などの各種手段を採用し得る。締付ナットは複数重ねて用いてもよい。
【0016】
原稿圧着板開閉装置1に対する原稿圧着板12の取付手段としては、例えば図4に示す如く、原稿圧着板12に設けられた取付部124の下端部へ取付ネジ125により前記リフト部材4のフランジ43を固定するものである。即ち、取付ネジ125のネジ部は前記フランジ43に明けた取付長孔431を貫通し、取付部124にネジ着されることのより、原稿圧着板12がリフト部材4に取り付けられるようになっている。このとき、前記取付長孔431は図1等に示す如く長孔状に形成されているため、前記の前後位置調節手段48による前記間隔Wの増減に伴う原稿圧着板12の前後位置の調節に対応することができる。
【0017】
尚、図示した実施例においては、リフト部材4の上板41の後端部近傍に、原稿圧着板12の水平位置(高さ)を調節する水平位置調節手段46が設けられている。
水平位置調節手段46は、例えば、リフト部材4の上板41の後端部近傍であってその幅方向の中央部(略中央部を含む。)に設けられた調節ネジ461と締付ナット462とからなる。調節ネジ461が上板41の雌ネジ孔47にネジ着されその先端が支持部材3の上板31に当接しており、この調節ネジ461へ締付ナット462がネジ着されている。調節ネジ461の左右いずれかの方向への回転により、リフト部材4が第2ヒンジシャフト16を支点に回動して原稿圧着板12の取り付け位置の水平(高さ)位置が調節されるようになっている。
【0018】
なお、図1〜5に示した実施例においては、前記前後位置調節手段48をリフト部材4の頂板40上に設けたが、その取り付け箇所はこれに限らず、リフト部材4の上板41から調節ネジの取付片を切り起こしたり、或は前記支持部材3や前記第2ヒンジシャフト16に取り付けるようにしてもよい。
【0019】
以上、本発明の特徴である原稿圧着板の前後位置調節手段48の構成について説明したが、以下に、原稿圧着板開閉装置1自体の全体的構成についての説明を補足する。
原稿圧着板開閉装置1は、前記のように、原稿圧着板12を有する事務機器10の装置本体11側に取り付けられる取付部材2と、この取付部材2に第1ヒンジシャフト15を軸に回動可能に取り付けられている支持部材3と、この支持部材3に第2ヒンジシャフト16により回動可能に取り付けられると共に前記原稿圧着板12が取り付けられるリフト部材4と、を備えている。
【0020】
図示した実施例における取付部材2は、差し込み式の取付脚部2aを有するいわゆる1本脚型の取付部材であり、図4に示す如く、事務機器10の装置本体11の後端部に設けた取付孔112に取付脚部2aを上下動可能に挿入、保持されるようになっている。また、取付脚部2aの下端部には係止突起部2bが突設されており、この突起部は装置本体11側の取付孔112に設けたガイド溝112aと係合し取付部材2が不用意に装置本体11から抜け出ないようになっている。
このように上下動可能な取付脚部2aを有する取付部材2は、書物のように厚さの厚い原稿(厚物原稿)であっても、これを装置本体11の上面(コンタクトガラス111)に安定して圧着させるためのものである。即ち、厚物原稿を複写等する場合において、厚物原稿をコンタクトガラス111上に置き、原稿圧着板12を閉成方向に回転させると、厚物原稿の開閉装置1側の端部又はその近傍に原稿圧着板12の開閉装置1の近傍の一部が接触し、厚物原稿の開閉装置1側の端部とは反対側の端部と原稿圧着板12との間に空間が形成される。即ち、原稿圧着板12は厚物原稿の上面から浮いた状態となる。その浮いている原稿圧着板12をコンタクトガラス111側に押圧するとその力により、若しくは原稿圧着板12の自重により、原稿圧着板12の開閉装置1側の端部が持ち上がるように作用し、これにより取付部材2の取付脚部2aを引き上げる力が作用して、取付脚部2aが取付孔112内で上方向へ移動する。これに伴い、原稿圧着板12の開閉装置1と反対側の端部は押し下げられ、原稿圧着板12が厚物原稿の上部を覆うように移動する。例えば、その厚物原稿の上部が平坦面である場合には、この上部に原稿圧着板12が面接触し、その結果、厚物原稿の下面が安定してコンタクトガラス111に密着されることになる。従って、本実施例における如く、差し込み式の上下動可能な取付脚部2aを有する取付部材2を用いることにより、原稿の厚さに関係なく、原稿圧着板12により原稿の上面全体を押圧し、原稿下面を安定してコンタクトガラスに密着させることができ、良好な複写等を行うことができるものである。
【0021】
図2に示すように、取付部材2の上半部にはカム8が一体的に設けられ、カム8の頂部にはカム面81が形成されると共に、カム8の主体部には、前記第1ヒンジシャフト15を挿通するための第1ヒンジシャフト孔82が形成されている。
カム8に設けた前記第1ヒンジシャフト孔82に挿通される前記第1ヒンジシャフト15の両端は、支持部材3の側板32の後端近くに明けた第1ヒンジシャフト孔38に挿通され、これによって、カム8(従ってまた、取付部材2)に対して支持部材3が回動可能に支持されるようになっている。
支持部材3は、例えば、天板である上板31と、上板31の両側端部からそれぞれ上板31に対して直交する下方向(略直交する方向も含む。)に延びる側板32と、側板32の先端部を互いに対向する側に略90°折り曲げてなる拘持板33とからなる。これらの上板31、両側板32、拘持板33で一対の第1スライダー6及び第2スライダー7をスライド可能に収容する収容部34が形成されるようになっている。第2スライダー7の後面は、前記カム8のカム面81に当接するようになっている。
【0022】
支持部材3の両側板32の前端部(自由端部)近くには、前記第2ヒンジシャフト16が挿通される第2ヒンジシャフト孔36が設けられていると共に、後述する作動部材18が入り込む切欠部37が設けられている。また、両側板32には、例えば、支持部材3に対するリフト部材4の回動を行うための摺接部(図示せず)を設けてもよい。摺接部は、例えば、両側板32の第2ヒンジシャフト孔36と切欠部37との間に略円状に2つ形成されている。これらの摺接部は、リフト部材4の側板42の内面に接して支持部材3の側板32の外面とリフト部材4の側板42の内面との間にクリアランスを設けることにより、支持部材3に対するリフト部材4の回動が良好に行われるようにするためのものである。
【0023】
図1〜5に示した実施例において、リフト部材4は、前記の如く、これに取り付けられた前記水平位置調節手段46により、原稿圧着板12の水平位置を調節する機能を有すると共に、後述する如く、補助的に、書物のような厚物原稿を装置本体11の上面に安定して圧着させる機能を有する。
リフト部材4は、上板41と、この上板41の両端部からそれぞれ上板41に対して直交する下方向(略直交する方向も含む。)に延びる両側板42とからなる略コ字状の部材であって前記支持部材3を覆うように形成されている。
【0024】
リフト部材4の両側板42の前端部近くで上板41寄りの箇所には第2ヒンジシャフト孔44が設けられると共に、当該第2ヒンジシャフト孔44より下の箇所には作動部材である作動部材18が挿通される作動部材孔45が設けられている。第2ヒンジシャフト孔44と支持部材3の両側板32の第2ヒンジシャフト孔36とが孔合わせされて、これらの孔に第2ヒンジシャフト16が挿通されることによって、リフト部材4と支持部材3とが第2ヒンジシャフト16を軸に互いに回動可能に連結される。両側板42の作動部材孔45には作動部材18が挿通されて固定される。
また、リフト部材4の上板41の後端部近くには、前記の如く、原稿圧着板12の水平位置(高さ)を調節する水平位置調節手段46を設けるようにしてもよい。
【0025】
コンプレッションスプリングから成る弾性手段5は、原稿圧着板12を開成方向に回転付勢すると共に、リフト部材4を支持部材3と重なり合う方向へ付勢し、かつ、原稿圧着板12が任意の回動角度以下のとき、原稿圧着板12を付勢する弾力が原稿圧着板12のモーメントより小さくなるように設定されている。
なお、本発明において開成方向とは、原稿圧着板12を回転させる際に原稿圧着板12が装置本体11の上部のコンタクトガラス111から離間する方向をいう。
本発明において閉成方向とは、開成方向とは反対の方向で原稿圧着板12を回転させる際に原稿圧着板12がコンタクトガラス111に近づく方向をいう。
本発明における回動角度とは、装置本体11の上面であるコンタクトガラス面に対する原稿圧着板12の開閉角度である。
【0026】
弾性手段5を構成するコンプレッションスプリングは、その個数はとくに限定されず、1つでも2つ以上でもよく、また、2つ以上を並列させてもよく、例えば、図示例では、径の大きなコンプレッションスプリング51の中に径の小さなコンプレッションスプリング52を入れたものを用いている。
即ち、コンプレッションスプリングから成る弾性手段5は、原稿圧着板12を開成方向に回転付勢すると共に、原稿圧着板12が所定の回動角度(例えば、略20°)以下のとき、原稿圧着板12を付勢する弾力が原稿圧着板12のモーメントより小さくなるならばどのように構成してもよい。
【0027】
第1スライダー6及び第2スライダー7は、それぞれ断面矩形の有底筒体状に形成されている。第1スライダー6及び第2スライダー7には、前記大径及び小径の2本のコンプレッションスプリング51,52からなる弾性手段5の端部をそれぞれ個別に収容するスプリング収容部65、75(図3参照)がそれぞれ設けられている。
【0028】
第1スライダー6及び第2スライダー7は、互いの開口部が向き合うと共にこれらの間に弾性手段5の両端部が収容された状態で支持部材3の収容部34にそれぞれ個別に摺動可能に収装された状態で挿入されている。第1スライダー6及び第2スライダー7は、事務機器の装置本体11の上面と支持部材3(その上板31)が略平行になっているとき(例えば、装置本体11の上面のコンタクトガラス111上に原稿圧着板12を密着させたとき、即ち、原稿圧着板12が閉成位置にあるとき)、支持部材3の収容部34内に嵌合される長さに形成されている。
【0029】
第1スライダー6がコンプレッションスプリング5の弾力によって作動部材18を押圧して、支持部材3とリフト部材4とが重なり合うように付勢される。即ち、コンプレッションスプリング5の弾力によってリフト部材4の上板41が支持部材3の上板31に当接又は近接するようになっている。このとき、上板41が例えばコンタクトガラス111に対して略平行になるようになっていることが好ましい。なお、支持部材3の上板31にリフト部材4の上板41を当接又は近接するようにしてもよい。
【0030】
第2スライダー7の底部の外表面(後面)の略中央部には、突部71が設けられている。この突部71の下方は漸次傾斜された傾斜部72として形成されている。この第2スライダー7の底部の外表面の突部71及び傾斜部72がカムとして形成され、前記カム8のカム面81と圧接するようになっている。
即ち、閉成位置にある原稿圧着板12をコンタクトガラス111から離間する方向(上方)に第1ヒンジシャフト15を軸に回転させると、カム8のカム面81に当接する箇所が突部71から傾斜部72へと徐々に摺動すると共に、第2スライダー7が弾性手段5によって支持部材3内を後端部側へと押圧されて摺動し、弾性手段5が徐々に伸びる。そして、原稿圧着板12が最大使用開放角度(例えば、略60°〜略70°)になると、その開閉が原稿圧着板開閉規制機構(図示せず)によって規制されるようになっている。
【0031】
次に、本発明に係る原稿圧着板開閉装置1及び事務機器10の作用を説明する。
【0032】
原稿圧着板12は、事務機器10の装置本体11が使用されていない状態では、装置本体11のコンタクトガラス111に密着されている。コンタクトガラス111上に原稿を載置するには、まず、リフト部材4が取り付けられている箇所とは反対側の原稿圧着板12の前端部又はその近傍等に設けられている把持部を持って、原稿圧着板12を上方に持ち上げる。即ち、原稿圧着板12を第1ヒンジシャフト15のみを軸にして回転させてコンタクトガラス面を外部に露出させる。
このように原稿圧着板12を回転させるとき、原稿圧着板12は、弾性手段5の弾力によって開成方向に回転付勢されているので、重量を感じさせることなく開成方向に回転することができる。
【0033】
露出したコンタクトガラス面上に原稿を載置した後、持ち上げた原稿圧着板12を降ろす。即ち、原稿圧着板12をコンタクトガラス111と接触する閉成方向に第1ヒンジシャフト15を軸に回転させて下方に移動させて閉成状態にする。原稿圧着板12が閉成状態になると、原稿が薄い紙である場合には、原稿圧着板12によって原稿をコンタクトガラス上から浮き上がることなく確実にコンタクトガラス111に密着させることができるので、原稿を良好に複写等することができる。即ち、原稿圧着板12とコンタクトガラス111との間に光が入らないように原稿圧着板12がコンタクトガラス111に密着されて、原稿を良好に複写等することができる。
【0034】
なお、図1〜5の実施例1においては、本のような厚物原稿に対しては、前記の如く、取付部材2の差し込み式の取付脚部2aの上下動をメインとして対応するものであるが、補助的には、リフト部材4の機能を利用して厚物原稿に一層広範囲に対応し得るようになっている。
即ち、例えば本のような厚物原稿の場合、原稿圧着板12を閉成方向に回転させると、原稿の支持部材3側の端部又はその近傍に原稿圧着板12の支持部材3の近傍の一部が接触し、原稿の支持部材3側の端部とは反対側の端部と原稿圧着板12との間に空間が形成される。即ち、原稿圧着板12は浮いた状態となる。その浮いている原稿圧着板12をコンタクトガラス111側に押圧するとその力により、若しくは原稿圧着板12の自重により、作動部材18が第1スライダー6を押圧して弾性手段5の弾力に抗して第1スライダー6が弾性手段5側に移動すると共に、原稿圧着板12(リフト部材4)が第2ヒンジシャフト16を軸に回転する。つまり、原稿の上部を覆うように原稿圧着板12が移動する。例えば、その原稿の上部が平坦面である場合には、この上部に原稿圧着板12が面接触する。その結果、厚さが厚い原稿が安定してコンタクトガラスに密着されることになる。よって、原稿圧着板12は、原稿の厚さに関係なく原稿を安定してコンタクトガラスに密着することができ、原稿を良好に複写等することができる。
【実施例2】
【0035】
図6は他の実施例2を示し、図面によればこの実施例2は、原稿圧着板開閉装置105の原稿圧着板前後位置調節手段100を構成する調節ネジ101及び締付ナット102を、支持部材103の頂板103a上に取り付けてある。
この場合、図1〜5の実施例1に示したようにリフト部材104に頂板は設けることなく、支持部材103に設けた頂板103aを露出させることにより、頂板103aを前記原稿圧着板12の仕切壁123の後側面123R(図4参照)に対向させ、この支持部材103の頂板103a上に前後位置調節手段100を構成する調節ネジ101及び締付ナット102を取り付けるものである。この場合においても、頂板103aに対する調節ネジ101のねじ込み量を増減することにより前記の間隔Wを増減させ、原稿圧着板12の前後位置を調節することができる。
【実施例3】
【0036】
図7に示した実施例3においては、原稿圧着板開閉装置106の原稿圧着板前後位置調節手段110を構成する調節ネジ115及び締付ナット116を第2ヒンジシャフト117上に取り付けてある。
この場合、図1〜5に示した実施例1におけるリフト部材4の頂板40や、図6に示した実施例2における支持部材103の頂板103aは設けることなく、第2ヒンジシャフト117を露出させることにより、原稿圧着板12の仕切壁123の後側面123R(図4参照)に対向させ、第2ヒンジシャフト117上に原稿圧着板前後位置調節手段110を構成する調節ネジ115及び締付ナット116取り付けるものである。この場合においても、第2ヒンジシャフト117に対する調節ネジ115のねじ込み量を増減することにより前記間隔Wを増減させ、原稿圧着板12の前後位置を調節することができる。
【実施例4】
【0037】
図8と図9は、本発明に係る原稿圧着板開閉装置の他の実施例4を示し、図面によれば、この実施例4に係る原稿圧着板開閉装置107は、実施例2のもののように、リフト部材を省略させたもので、取付部材118の取付脚部118aを事務機器の10の装置本体11の取付孔112に対して上下動させることにより、原稿圧着板12を厚物原稿に対してリフトアップさせるものである。この実施例4の場合には、実施例1のように支持部材の頂板側に設けられる弾性手段のスライダーは省略されている。そして、この実施例4の場合、原稿圧着板前後位置調節手段108を構成する調節ネジ119と締付ナット120は、支持部材130の頂板130aか、或は支持部材130の上板130bより切り起こした図示してない取付板に設けられるものである。即ち、図示したものは、支持部材130の頂板130aに設けた雌ネジ孔130cに調節ネジ119がネジ着され、この調節ネジ119に締付ナット120が取り付けられている。この実施例においては、支持部材130の両側板130dの一部が切り開かれ、両側板の下部領域は外側へ折り曲げられてフランジ部130eを形成し、両側板の中央領域は内側へ折り曲げられてスライダーガイド130gを形成するようになっている。フランジ部130eには、原稿圧着板12の取付部124を取り付けるための取付ネジ125と係合する取付長孔130fが形成されている。前記頂板130aの左右端に形成した耳部130a’は、両側板130dの前端近くに明けたスロット130d’に挿入され、外力に対する頂板130aの強度と安定性を高めるようになっている。取付部材118の機能や作用効果は実施例1のものと同じであるので、説明を省略する。
【実施例5】
【0038】
図10と図11は、本発明に係る原稿圧着板開閉装置のさらに他の実施例5を示し、図面によれば、この実施例5に係る原稿圧着板開閉装置131は、取付部材132の取付脚部132aを筒状に構成してその中に弾性手段133とスライダー134を収装し、この取付脚部132aの上部に設けた取付部132bにヒンジシャフト135を介して支持部材136を回動可能に取り付けたものであり、原稿圧着板12がこの支持部材136へ取り付けられるものである。また、支持部材136には、その上板136fの内面にカム部136aが取付ネジ136gによって固着され、このカム部136aがスライダー134の上面と圧接している。この実施例5の場合には、リフト部材を支持部材の自由端側へ第2ヒンジシャフトを用いて取り付けてもよいし、図示したように、装置本体11側に設けた取付脚部132aを取付孔112に対して上下動可能に取り付けてもよい。そして、この実施例5の場合で図示したものは、リフト部材を用いていず、原稿圧着板前後位置調節手段137の調節ネジ138と締付ナット139は、支持部材136の頂板136bに設けられている。即ち、図示したものは、支持部材136の頂板136bに設けた雌ネジ孔136cに調節ネジ138がネジ着され、この調節ネジ138に締付ナット139が取り付けられており、さらに、支持部材136に原稿圧着板12の取付部124を取り付けるフランジ部136dが設けられ、このフランジ部136dに取付ネジ140と係合する取付長孔136eが設けられている。その変形実施例と作用効果は実施例1のものと同じであるので、説明を省略する。
【実施例6】
【0039】
図12と図13は、本発明に係る原稿圧着板開閉装置のさらに他の実施例6を示し、図面によれば、この実施例6に係る原稿圧着板開閉装置145は、取付部材146を、SUSのような金属板をプレス加工して作ったもので、他の構成は実施例1のものと同じである。この取付部材146は、底板146aと、この底板146aの両側部から立ち上げた両側板146b、146bと、底板146aの後部に立ち上げた後板146cとで構成されており、両側板146b、146bに支持部材147の両側板147a,147aを第1ヒンジピン148で回動可能に連結すると共に、両側板147a、147aにはスライダー150を受ける受圧部材149が取り付けられている。受圧部材149は図示のものはピン状であるが、ローラー状、カム状のものであってもよい。
なお、この実施例6における取付部材146は、図1〜5に示した実施例における差し込み式の取付脚部2aを有する取付部材2とはその構成が異なるため、本のような厚物原稿に対して、差し込み式の取付脚部2aのような上下動によって対応するのではなく、もっぱらリフト部材4、作動部材18、第1スライダー6等の作動により対応するようになっている。
即ち、前記の如く、例えば本のような厚物原稿の場合、原稿圧着板12(図13参照)を閉成方向に回転させると、原稿の開閉装置145側の端部又はその近傍に原稿圧着板12の開閉装置145の近傍の一部が接触し、原稿の開閉装置145側の端部とは反対側の端部と原稿圧着板12との間に空間が形成される。即ち、原稿圧着板12は浮いた状態となる。その浮いている原稿圧着板12をコンタクトガラス111側に押圧するとその力により、若しくは原稿圧着板12の自重により、作動部材18が第1スライダー6を押圧して弾性手段5の弾力に抗して第1スライダー6が弾性手段5側に移動すると共に、原稿圧着板12(リフト部材4)が第2ヒンジシャフト16を軸に回転する。つまり、原稿の上部を覆うように原稿圧着板12が移動する。例えば、その原稿の上部が平坦面である場合には、この上部に原稿圧着板12が面接触する。その結果、厚物原稿が安定してコンタクトガラスに密着されることになる。よって、原稿圧着板12は、原稿の厚さに関係なく原稿を安定してコンタクトガラス111に密着させることができ、原稿を良好に複写等することができる。
なお、支持部材とリフト部材、及び原稿圧着板前後位置調節手段の構成は実施例1と同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0040】
本発明に係る事務機器10は、その装置本体11の後端部に、上記の如く構成された本発明に係る原稿圧着板開閉装置1、105、106、107、131、145を備えたものであり、前記の如く、原稿圧着板前後位置調節手段48、100、110、108、137を設けることより、装置本体11に対する原稿圧着板12の前後位置の調節を容易かつ正確に行い得るようにしたものである。
なお、本発明に係る事務機器10の装置本体11と原稿圧着板12とを左右一対の原稿圧着板開閉装置1、105、106、107、131、145により連結する場合においては、少なくともその一方を前記の本発明に係る原稿圧着板開閉装置1,105,106,107、131、145により連結することによって、原稿圧着板12の左右端の前後位置のズレを容易に修正することができる。尚、原稿圧着板開閉装置を一対設ける場合には、その一方を本発明に係るものにすることができる。
【0041】
なお、本発明に係る原稿圧着板開閉装置及び事務機器は、前記実施例のものに限らず、本願特許請求の範囲に記載の技術的範囲内において、前記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上説明したように本発明に係る原稿圧着板開閉装置及び事務機器は、原稿圧着板開閉装置に対する原稿圧着板の前後位置の調節を簡単な機構で、しかも正確に行えることから、とくに複写機、印刷機、ファクシミリ、スキャナー等の事務機器に好適に適用し得るものである。
【符号の説明】
【0043】
1 原稿圧着板開閉装置
2 取付部材
3 支持部材
4 リフト部材
5 弾性手段(コンプレッションスプリング)
6 第1スライダー
7 第2スライダー
8 カム
10 事務機器
11 装置本体
12 原稿圧着板
15 第1ヒンジシャフト
16 第2ヒンジシャフト
18 作動部材
30 頂板
31 上板
32 側板
33 拘持板
34 収容部
36 第2ヒンジシャフト孔
37 切欠部
38 第1ヒンジシャフト孔
40 頂板
41 上板
42 側板
43 フランジ
44 第2ヒンジシャフト孔
45 作動部材孔
46 水平位置調節手段
47 ネジ孔
48 前後位置調節手段
49 雌ネジ孔
51 第1コンプレッションスプリング
52 第2コンプレッションスプリング
65 スプリング収容部
71 突部
72 傾斜部
75 スプリング収容部
81 カム面
82 第1ヒンジシャフト孔
100 原稿圧着板前後位置調節手段
101 調節ネジ
102 締付ナット
103 支持部材
103a 頂板
105 原稿圧着板開閉装置
106 原稿圧着板開閉装置
107 原稿圧着板開閉装置
108 原稿圧着板前後位置調節手段
110 原稿圧着板前後位置調節手段
111 コンタクトガラス
112 取付孔
112a ガイド溝
115 調節ネジ
116 締付ナット
117 第2ヒンジシャフト
118 取付部材
118a 取付脚部
119 調節ネジ
120 締付ナット
121 天板
122 ADF
123 仕切壁
123R 後方を向く面
124 取付部
125 取付ネジ
130 支持部材
130a 頂板
130b 上板
130c 雌ネジ孔
130d 側板
130e フランジ部
130f 取付長孔
130g スライダーガイド
131 原稿圧着板開閉装置
132 取付部材
132a 取付脚部
132b 取付部
133 弾性手段
134 スライダー
135 ヒンジシャフト
136 支持部材
136a カム部
136b 頂板
136c 雌ネジ孔
136d フランジ部
136e 取付長孔
136f 上板
136g 取付ネジ
137 原稿圧着板前後位置調節手段
138 調節ネジ
139 締付ナット
140 取付ネジ
145 原稿圧着板開閉装置
146 取付部材
146a 底板
146b 側板
146c 後板
147 支持部材
147a 側板
148 第1ヒンジピン
149 受圧部材
150 スライダー
431 取付長孔
461 調節ネジ
462 締付ナット
481 調節ネジ
482 締付ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿圧着板を事務機器の装置本体に対し原稿圧着板開閉装置を介して開閉可能に取り付けるに当たり、前記原稿圧着板と前記原稿圧着板開閉装置との間にその前後方向の取付位置を調節できる原稿圧着板前後位置調節手段を、前記原稿圧着板開閉装置の前記原稿圧着板を取り付ける構成部材に直に設置したことを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項2】
前記原稿圧着板前後位置調節手段は、前記原稿圧着板又は当該原稿圧着板を取り付ける前記原稿圧着板開閉装置の構成部材のいずれか一方或は双方に設けた取付長孔と、前記原稿圧着板における後方を向く面に対向する前記原稿圧着板開閉装置の構成部材から前方へ向けて突出するところの長さ調節可能な調節部材と、前記取付長孔を介して前記原稿圧着板を取り付ける取付ネジと、で構成したことを特徴とする、請求項1に記載の原稿圧着板開閉装置。
【請求項3】
前記調節部材が、前記原稿圧着板開閉装置の構成部材に取り付けられた調節ネジと、この調節ネジに取り付けられた締付ナットを有することを特徴とする、請求項2に記載の原稿圧着板開閉装置。
【請求項4】
前記原稿圧着板開閉装置が、事務機器の装置本体側に取り付けられる取付部材と、この取付部材に第1ヒンジシャフトにより回動可能に取り付けられた支持部材と、この支持部材に第2ヒンジシャフトにより回動可能に取り付けられると共に前記原稿圧着板が取り付けられるリフト部材と、を有する場合において、前記原稿圧着板前後位置調節手段が、前記リフト部材、前記支持部材、又は前記第2ヒンジシャフトのうちから選ばれたいずれかの構成部材に備えられたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原稿圧着板開閉装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載の原稿圧着板開閉装置が、リフト部材に作動部材を有する場合には、前記調節部材が前記作動部材に設けられることを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項6】
前記請求項4に記載の原稿圧着板開閉装置が、リフト部材を有しない場合においては、前記調節部材が、前記支持部材に備えられたことを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項7】
前記請求項4乃至6に記載の原稿圧着板開閉装置の取付部材は、底板とこの底板の両側から上方へ立ち上げた両側板を有するものであり、この両側板に第1ヒンジピンを介して支持部材の両側板が回動可能に連結されたものであることを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項8】
前記請求項1に記載の原稿圧着板開閉装置は、装置本体側へ取り付けられる取付部材と、この取付部材にヒンジピンを介して回動可能に取り付けられた支持部材から成るものであり、前記原稿圧着板前後位置調節手段が前記支持部材に設けられていることを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項9】
前記請求項1に記載の原稿圧着板開閉装置は、取付部材とこの取付部材に回動可能に取り付けた支持部材から成るものは、前記取付部材と支持部材の間、取付部材とこの取付部材に回動可能に取り付けた支持部材とこの取支持部材に回動可能に取り付けたリフト部材から成るものは、取付部材とリフト部材の間にそれぞれ前記原稿圧着板の弾性手段を設けたものであることを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項10】
請求項9に記載の弾性手段を有するものは、この弾性手段の弾力を受けるスライダーを当該弾性手段の両端部に被せてなることを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項11】
請求項1に記載の原稿圧着板開閉装置で、取付部材とこの取付部材に回動可能に取り付けた支持部材とこの取支持部材に回動可能に取り付けたリフト部材から成るものは、りフト部材を一方向へ回動付勢させる弾性手段を、当該リフト部材を前記支持部材へ回動可能に取り付けるヒンジピンへ環巻きさせてなることを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
【請求項12】
前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の原稿圧着板開閉装置を備えたことを特徴とする、事務機器。
【請求項13】
事務機器の装置本体と原稿圧着板とを左右一対の原稿圧着板開閉装置により連結する場合において、少なくともその一方を前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の原稿圧着板開閉装置により連結したことを特徴とする、請求項12に記載の事務機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−155096(P2012−155096A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13377(P2011−13377)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000124085)加藤電機株式会社 (117)
【Fターム(参考)】