説明

双方向コンバータ、その制御回路およびその制御方法

【課題】電気蓄電装置の充電と放電が切り換わるときにおける双方向コンバータの応答性を改善する。
【解決手段】目標電圧設定部101は負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧VDCを設定する。電圧PI制御部103は設定された目標電圧VDCと負荷装置の電圧VDCとの差に基づくPI制御により電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流Iを求める。電流PI制御部106は目標電流Iと電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流Iとの差に基づくPI制御により補正電圧ΔVを求める。デューティ比決定部110は補正電圧ΔVに応じて電気蓄電装置の電圧と負荷装置の電圧の変換の程度を指定するデューティ比を求める。電圧変換部は、求められたデューティ比に応じて電圧の昇圧または降圧を行い、電気蓄電装置の電圧と負荷装置の電圧とを変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気蓄電装置と負荷装置との間に置かれ、直流電圧の大きさを変換する双方向コンバータ、その制御回路およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド自動車や電車では、力行運転時には電気蓄電装置の電力をモータに供給し、一方、回生運転時にはモータを発電機として機能させ、モータから出力される電力を電気蓄電装置に供給する。
このような車両等では、モータの駆動力を高めるために電気蓄電装置の電圧を昇圧してモータに印加する。また、モータによって発電された電圧を降圧して電気蓄電装置に印加し、電気蓄電装置を充電する。このため、電圧を変換するための双方向コンバータが電気蓄電装置とモータを含む負荷装置との間に設けられる。
【0003】
このような双方向コンバータの制御方法として、特許文献1は、目標電圧と負荷装置側の電圧の差が少なくなるようにPI(比例・積分)制御を行い、昇圧動作と降圧動作の区別なく双方向コンバータに含まれる2個のスイッチング素子をPWM(Pulth Width Modulation)制御する方法を開示する。
また、特許文献2は、目標電圧と負荷装置側の電圧の差が少なくなるようにPI制御を行い、双方向コンバータに含まれる2個のスイッチング素子のうち、昇圧時には昇圧用のスイッチング素子をPWM制御し、降圧時には昇圧用のスイッチング素子をPWM制御する方法を開示する。
【0004】
ここで、電気蓄電装置から負荷装置に流れる電流の向きを正とし、負荷装置から電気蓄電装置に流れる電流の向きを負とする。すなわち、回生運転時には負の電流が流れ、力行運転時には正の電流が流れると定義する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−115056号公報
【特許文献2】特開2009−303423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている制御方法を用いた双方向コンバータでは、モータが発電機の機能を停止し、電気蓄電装置の電圧により駆動され始めるとき、電気蓄電装置と負荷装置の間に流れる電流を巨視的に見ると、その電流Iは負から0を経て正に変化し、電気蓄電装置の充電から放電に切り換わる。
このとき、理想的には、巨視的に見た電流Iは直線的に変化し、その電流値が0である状態は瞬間的にしか発生しない。しかし、実際には、双方向コンバータの応答性が悪化し、電流Iの値が0付近に張り付く現象が発生する。この現象が発生すると、電流Iの値はなかなか上昇せず、理想的な電流Iに比べて実際の電流Iは小さくなる。そして、この電流Iの値が0付近に停滞する状態が長い時間続いた後、通常の昇圧動作が可能な状態になると、電流Iの値が瞬間的に大きくなり、サージが発生する。
【0007】
また、特許文献2に開示されている制御方法を用いた双方向コンバータでは、昇圧動作と降圧動作の切替点に近い電流が微小な領域において、電流の応答が遅れるため昇圧動作又は降圧動作を適切に行うことができない不感帯領域が現れる。このため、特許文献2に記載の発明では、不感帯領域にあるか否かを判定し、不感帯領域にある場合にはPI制御の比例ゲインと積分ゲインを増大させて応答性を向上させる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、昇圧動作と降圧動作の区別なく制御することができ、電気蓄電装置の充電と放電が切り換わるときの応答性を改善することができる双方向コンバータ、その制御回路およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の双方向コンバータは、
充電と放電が可能な電気蓄電装置と直流電力の授受が可能な負荷装置との間にあり、当該電気蓄電装置の電圧と当該負荷装置の電圧を変換する双方向コンバータであって、
電圧の変換の程度を指定するデューティ比に応じて、前記電気蓄電装置の電圧と前記負荷装置の電圧とを変換する電圧変換部と、
前記負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づいて前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流を求め、当該目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づいて前記デューティ比を求める制御部と、
を備える。
【0010】
好ましくは、本発明の双方向コンバータは、
前記電圧変換部が、前記電気蓄電装置の充電時および放電時に電流が流れることによって両端に電圧が生じるコイルを備え、
前記制御部が、
前記目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づくPI制御により前記目標電流を求め、
前記目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づくPI制御により補正電圧を求め、
前記電気蓄電装置の電圧と前記コイルの両端に生じる電圧と前記補正電圧とに基づいて前記デューティ比を求める。
【0011】
好ましくは、本発明の双方向コンバータは、
前記電圧変換部が、
前記電気蓄電装置と前記負荷装置の両方に接続される負極ラインと、
前記電気蓄電装置と前記コイルの一端に接続される第1の正極ラインと、
前記負荷装置に接続される第2の正極ラインと、
前記デューティ比に基づいて第1のゲート信号と第2のゲート信号を生成するゲート信号生成部と、
一端が前記第2の正極ラインに接続され、他端が前記コイルの他端に接続されており、前記第1のゲート信号によって導通と非導通が制御される第1の導電路と、当該第1の導電路の他端から一端に向かう方向にのみ電流を流す第2の導電路とを有する第1の素子と、
一端が前記第1の素子の導電路の他端に接続され、他端が前記負極ラインに接続されており、前記第2のゲート信号によって導通と非導通が制御される第3の導電路と、当該第3の導電路の他端から一端に向かう方向にのみ電流を流す第4の導電路とを有する第2の素子と、
を備え、
前記制御部が、
前記目標電圧を設定する目標電圧設定部と、
前記目標電圧設定部によって設定された目標電圧と前記負荷装置の電圧との差を求め、当該差に基づくPI制御により前記目標電流を求める目標電流決定部と、
前記目標電流決定部によって求められた目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差を求め、当該差に基づくPI制御により前記補正電圧を求める補正電圧決定部と、
前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流に基づいて前記コイルの両端に生じる電圧を求めるコイル電圧取得部と、
前記補正電圧決定部で求められた補正電圧と、前記コイル電圧取得部で求められた前記コイルの両端に生じる電圧と、前記電気蓄電装置の電圧とに基づいてデューティ比に応じた電圧を求める電圧決定部と、
前記電圧決定部によって求められた前記デューティ比に応じた電圧と前記負荷装置の電圧とに基づいて前記デューティ比を求めるデューティ比決定部と、
を備える。
【0012】
好ましくは、本発明の双方向コンバータは、
前記制御部が、
前記電気蓄電装置の充放電特性に合わせて充電時に流れる電流の電流制限値および放電時に流れる電流の電流制限値が記憶されている記憶部と、
前記電気蓄電装置の充電時または放電時に、前記記憶部に記憶されている電流制限値を前記目標電流の値が超える場合に、前記目標電流の値を前記記憶部に記憶されている電流制限値に置き換えるリミッタと、
を備える。
【0013】
好ましくは、本発明の双方向コンバータは、
前記負荷装置が、発電機として機能するモータを含み、
前記制御部のリミッタは、前記電気蓄電装置の充電時に流れる電流の電流制限値に基づいて求められたモータの出力電流の電流制限値を前記目標電流の値が超える場合に、前記目標電流の値を前記モータの出力電流の電流制限値に置き換える、
ことを特徴とする請求項4に記載の双方向コンバータ。
【0014】
また、本発明の双方向コンバータの制御回路は、
充電と放電が可能な電気蓄電装置と直流電力の授受が可能な負荷装置との間にあり、電圧の変換の程度を指定するデューティ比に応じて当該電気蓄電装置の電圧と当該負荷装置の電圧を変換する電圧変換部を備える双方向コンバータの制御回路であって、
前記負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づいて前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流を求め、当該目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づいて前記デューティ比を求める。
【0015】
また、本発明の双方向コンバータの制御方法は、
充電と放電が可能な電気蓄電装置と直流電力の授受が可能な負荷装置との間にあり、電圧の変換の程度を指定するデューティ比に応じて当該電気蓄電装置の電圧と当該負荷装置の電圧を変換する電圧変換部を備える双方向コンバータの制御方法であって、
前記負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づいて前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流を求めるステップと、
前記目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づいて前記デューティ比を求めるステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、昇圧動作と降圧動作の区別なく制御することができ、電気蓄電装置の充電と放電が切り換わるときにおける双方向コンバータの応答性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る双方向コンバータを含む電源システムの構成の一例を示す図である。
【図2】ゲート信号G1とゲート信号G2の基準となるゲート基準信号GBSと、ゲート信号G1と、ゲート信号G2の波形の一例を示す図である。
【図3】コイルを流れる電流の変化の一例を示す図である。
【図4】PWM制御回路の構成の一例を示す図である。
【図5】PWM制御プログラムにおけるPWM制御処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る双方向コンバータについて図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る双方向コンバータ10を含む電源システムの構成の一例を示す。
この電源システムは、双方向コンバータ10と、電気蓄電装置20と、平滑用コンデンサ30とで構成される。
双方向コンバータ10は、電気蓄電装置20と負荷装置40の間に配置される。双方向コンバータ10は電気蓄電装置20が放電しているときに電気蓄電装置20の電圧を負荷装置40の電圧に昇圧し、電気蓄電装置20が充電されているときに負荷装置40の電圧を電気蓄電装置20の電圧に降圧する。
電気蓄電装置20は、正極端子と負極端子がそれぞれ正極ラインPL1と負極ラインNLに接続される。電気蓄電装置20は、充放電可能な直流電源であり、例えば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池、大容量のコンデンサ等で構成される。電気蓄電装置20の電圧Vは正極ラインPL1と負極ラインNLの間の直流電圧である。
平滑用コンデンサ30は、正極ラインPL2と負極ラインNLの間に負荷装置40と並列に接続される。平滑用コンデンサ30は、負荷装置40の電圧VDCを平滑化する。
負荷装置40は、正極端子と負極端子がそれぞれ正極ラインPL2と負極ラインNLに接続される。負荷装置40は、例えば発電機として機能するモータ等を含む。負荷装置40の電圧VDCは正極ラインPL2と負極ラインNLの間の直流電圧である。
【0020】
例えば、負荷装置40に含まれるモータが、電気蓄電装置20の電圧により駆動される電動機として機能するとき、電気蓄電装置20は放電し、電気蓄電装置20から負荷装置40に電力が供給される。このとき、電気蓄電装置20から負荷装置40に向けて正の電流Iが流れる。
一方、例えば、負荷装置40に含まれるモータが発電機として機能するとき、負荷装置40から電気蓄電装置20に電力が供給され、電気蓄電装置20は充電される。このとき、負荷装置40から電気蓄電装置20に向けて負の電流Iが流れる。
【0021】
双方向コンバータ10は、スイッチング素子11と、スイッチング素子12と、ダイオード13と、ダイオード14と、コイル15と、ゲート信号生成部16と、後述するPWM制御回路100とを含む。
本実施形態では、スイッチング素子11とスイッチング素子12は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成されるものとする。ただし、スイッチング素子11とスイッチング素子12は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やバイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子で構成することもできる。
【0022】
スイッチング素子11とスイッチング素子12は、正極ラインPL2と負極ラインNLの間に直列に接続される。スイッチング素子11とスイッチング素子12のゲートには、ゲート信号G1とゲート信号G2が入力される。なお、ゲート信号G1とゲート信号G2は、それぞれ第1のゲート信号と第2のゲート信号の一例である。
スイッチング素子11は、コレクタが正極ラインPL2に接続され、エミッタがスイッチング素子12のコレクタに接続される。スイッチング素子11は、コレクタとエミッタの間にゲート信号G1によって導通と非導通が制御される導電路を有する。なお、コレクタとエミッタは、それぞれスイッチング素子11の導電路の一端と他端の一例である。
スイッチング素子12は、コレクタがスイッチング素子11のエミッタに接続され、コレクタが負極ラインNL2に接続される。スイッチング素子12は、コレクタとエミッタの間にゲート信号G2によって導通と非導通が制御される導電路を有する。なお、コレクタとエミッタは、それぞれスイッチング素子12の導電路の一端と他端の一例である。
【0023】
ダイオード13は、アノードとカソードがそれぞれスイッチング素子11のエミッタとコレクタに接続される。ダイオード13は、スイッチング素子11のエミッタからコレクタに向かう方向にのみ電流を流す。ダイオード14は、アノードとカソードがそれぞれスイッチング素子12のエミッタとコレクタに接続される。ダイオード14は、スイッチング素子12のエミッタからコレクタに向かう方向にのみ電流を流す。
なお、ダイオード13とダイオード14は、それぞれスイッチング素子11とスイッチング素子12に内蔵されて一体化されているものであってもよいし、スイッチング素子11とスイッチング素子12とは別途取り付けるものであってもよい。
【0024】
コイル15は、その一端が正極ラインPL1に接続され、その他端がスイッチング素子11のエミッタとスイッチング素子12のコレクタとが接続された接続ノードNDに接続される。接続ノードNDの電圧Vはコイル15の他端と負極ラインNLの間の電圧である。
なお、電流I(I)は、電気蓄電装置20の放電時に電気蓄電装置20から負荷装置40に向けて流れ、電気蓄電装置20の充電時に負荷装置40から電気蓄電装置20に向けて流れるが、この電流I(I)はコイル15を流れる電流でもある。電流I(I)が流れることにより、コイル15の両端に電圧Vが生じる。ここで、後で図3を参照して説明するように、電流Iは実際にコイル15に流れる電流であり、電流Iは巨視的に見た場合のコイル15に流れる電流である。
【0025】
後述するPWM制御回路100(図4参照)は、電気蓄電装置の電圧と負荷装置の電圧の変換の程度を指定するデューティ比αを生成し、ゲート信号生成部16に送る。ゲート信号生成部16は、受け取ったデューティ比αを示す信号に応じて、ゲート信号G1とゲート信号G2を生成する。
図2は、ゲート信号G1とゲート信号G2の基準となるゲート基準信号GBSと、ゲート信号G1と、ゲート信号G2の波形の一例を示す。
ゲート基準信号GBSの周期がTであり、その電位レベルがハイレベルである期間がThであるとき、ゲート基準信号GBSのデューティ比はTh/Tで定義される。ゲート信号生成部16は、ゲート基準信号GBSのデューティ比がPWM制御回路100から送信されるデューティ比αと一致するように、ゲート基準信号GBSを生成する。
そして、ゲート信号生成部16は、ゲート信号G1を、ゲート基準信号GBSの立ち上がりからデッドタイムd1だけ遅れて立ち上がり、ゲート基準信号GBSが立ち下がるとともに立ち下がるように生成する。また、ゲート信号生成部16は、ゲート信号G2を、ゲート基準信号GBSの立ち下がりからデッドタイムd2だけ遅れて立ち上がり、ゲート基準信号GBSが立ち上がるとともに立ち下がるように生成する。
【0026】
ゲート信号G1は、スイッチング素子11のゲートに供給される。ゲート信号G1の電位レベルがハイレベルである期間にスイッチング素子11はオン(導通)状態となり、ゲート信号G1の電位レベルがローレベルである期間にスイッチング素子11はオフ(非導通)状態となる。
ゲート信号G2は、スイッチング素子12のゲートに供給される。ゲート信号G2の電位レベルがハイレベルである期間にスイッチング素子12はオン(導通)状態となり、ゲート信号G2の電位レベルがローレベルである期間にスイッチング素子12はオフ(非導通)状態となる。
デッドタイムd1とデッドタイムd2の期間には、スイッチング素子11とスイッチング素子12のいずれもオフとなる。これにより、スイッチング素子11とスイッチング素子12が同時にオン(導通)となって正極ラインPL2と負極ラインNLとが短絡されることが防止される。
【0027】
デューティ比αが小さくなると、スイッチング素子12がオンである期間が長くなる。このとき、巨視的に見た場合のコイル15に流れる電流Iは、正の方向に増加する。
例えば、ハイブリッド自動車等において、運転手がブレーキを踏んでいる場合、電気蓄電装置20は充電されている。このとき、運転手がブレーキを離し、アクセルを踏んだ場合、負荷装置40側に電流を流すためPWM制御回路100はデューティ比αを小さくする。デューティ比αが小さくなると、図3に示すように、実際にコイルに流れる電流Iはゲート基準信号GBSの周期にあわせて周期的に増減を繰り返すが、巨視的に見た場合のコイル15に流れる電流Iは、最初負であるが、徐々に増加して時刻t0において負から正に変化する。
【0028】
逆にデューティ比αが大きくなると、スイッチング素子11がオンである期間が長くなる。このとき、巨視的に見た場合のコイル15に流れる電流Iは負の方向に増加(すなわち、減少)する。
なお、電流Iが負のとき、電流Iは負荷装置40から電気蓄電装置20に向けて流れる。一方、電流Iが正のとき、電流Iは電気蓄電装置20から負荷装置40に向けて流れる。
【0029】
図4は、PWM制御回路100の構成の一例を示す。
PWM制御回路100は、目標電圧設定部101と、減算器102と、電圧PI制御部103と、リミッタ104と、減算器105と、電流PI制御部106と、コイル電圧取得部107と、加算器108と、減算器109と、デューティ比決定部110とを有する。
【0030】
図示しない2つの電圧センサがそれぞれ電気蓄電装置20の電圧Vと負荷装置40の電圧VDCを検出し、検出された値をPWM制御回路100に送る。
また、図示しない電流センサが実際にコイル15を流れる電流Iを検出し、検出された値をPWM制御回路100に送る。PWM制御回路100は、巨視的に見た場合の電流Iを求める。このとき、PWM制御回路100は、ゲート基準信号GBSの1周期ごとに1回電流Iをサンプリングすることにより電流Iを求めてもよいし、ゲート基準信号GBSの1周期ごとに複数回サンプリングし、それらを平均することにより電流Iを求めてもよい。
【0031】
目標電圧設定部101は、たとえば負荷装置40に含まれるモータのトルクと回転速度、電気蓄電装置20の残存容量等に基づいて、負荷装置40の電圧VDCの目標を示す目標電圧VDCを求め、減算器102に送る。
減算器102は、次の(1)式に示すように、目標電圧VDCと、電圧センサによって負荷装置40の電圧VDCとの差εを求め、電圧PI制御部103に送る。
【0032】
【数1】

【0033】
電圧PI制御部103は、次の(2)式に示すように、差εを基にPI(比例・積分)制御を行ってコイル15を流れる電流の目標を示す目標電流Iを求め、リミッタ104に送る。ここで、KPiとKliは一般に定数であるが、変数であってもよい。
【0034】
【数2】

【0035】
リミッタ104は、過大な電流Iが流れ、電源システム等を損傷させることを防止するために、目標電流Iの値が所定の範囲に入るように制限する。
更に、目標電流Iにより、電気蓄電装置20の充放電管理の制御を行うことができる。例えば、電気蓄電装置20の電圧、電流の充放電特性に合わせて電気蓄電装置20の充放電の電流制限値(すなわち、充電時に流れる電流の電流制限値および放電時に流れる電流の電流制限値)を予めROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を含むPWM制御回路100内に設けられた記憶部(図示なし)に記憶しておく。充電時または放電時に目標電流Iの値が記憶されている電流制限値を超える場合、リミッタ104が目標電流Iの値を記憶されている電流制限値に置き換えることにより、電気蓄電装置20の充放電管理の制御を同時に行うことができる。
【0036】
また、負荷装置40に含まれるモータが発電機として機能する場合に、電気蓄電装置20の充電時に流れる電流の電流制限値により、負荷であるモータの出力電流の電流制限値を連動して設定することも可能である。例えば、パワー不変の原則で、電気蓄電装置20の充電時に流れる電流の電流制限値により、モータの出力電流の電流制限値を算出できる。負荷装置40はインバータで誘導モータを駆動する場合に、次の(3)式の関係がある。
【0037】
【数3】

【0038】
ここで、Vは電気蓄電装置20の電圧であり、IA_limは電気蓄電装置20の充電時に流れる電流の電流制限値であり、Vは誘導モータの電圧であり、Im_lim1は誘導モータの出力電流の電流制限値、COSφは誘導モータの力率である。
また、負荷装置は直流モータの場合、次の(4)式の関係がある。
【0039】
【数4】

【0040】
ここでは、VDCは負荷装置40の電圧、つまり直流モータの電圧であり、Im_lim2は直流モータの出力電流の電流制限値である。
従って、上記(3)式または(4)式により、モータの出力電流の電流制限値Im_lim1、Im_lim2を算出することができる。目標電流Iの値がモータの出力電流の電流制限値を超える場合、リミッタ104が目標電流Iの値をモータの出力電流の電流制限値に置き換えることにより、負荷装置40とモータを保護することができる。
なお、上述した電気蓄電装置20の充電時に流れる電流の電流制限値とモータの出力電流の電流制限値を算出する際に、誤差を考えて、モータの出力電流の電流制限値をやや小さめに設定することが望ましい。
【0041】
減算器105は、次の(5)式に示すように、目標電流Iとコイル15を流れる電流Iとの差εを求め、電流PI制御部106に送る。
【0042】
【数5】

【0043】
電流PI制御部106は、次の(6)式に示すように、差εを基にPI制御を行って補正電圧ΔVを求め、減算器109に送る。ここで、KPvとKlvは一般に定数であるが、変数であってもよい。
【0044】
【数6】

【0045】
コイル電圧取得部107は、次の(7)式に示すように、コイル15を電流Iが流れることによりコイル15の両端に生じる電圧Vを求め、加算器108に送る。ここで、Lはコイル15のインダクタンス値、Tはゲート基準信号GBSの周期、I(t)は時刻tにコイル15を流れる電流I、I(t−T)は時刻(t−T)、すなわち時刻tより1周期T前にコイル15を流れる電流Iである。
【0046】
【数7】

【0047】
加算器108は、次の(8)式に示すように、電気蓄電装置20の電圧Vとコイル15の両端に生じる電圧Vを加算して電圧Vを求め、減算器109に送る。
【0048】
【数8】

【0049】
減算器109は、次の(9)式に示すように、電圧Vから上式(6)により求められた補正電圧ΔVを減算し、デューティ比に応じた電圧Vpwmを求め、デューティ比決定部110に送る。
【0050】
【数9】

【0051】
デューティ比決定部110は、次の(10)式に示すように、デューティ比に応じた電圧Vpwmを負荷装置の電圧VDCで割り、デューティ比αを求める。そして、デューティ比決定部110は、デューティ比αをゲート信号生成部16に送る。
【0052】
【数10】

【0053】
PWM制御回路100の各機能をハードウェアで実現するのではなく、コンピュータまたはDSP(Digital Signal Processor)で実現することもできる。この場合、コンピュータまたはDSP(以下、コンピュータ等という。)のCPU(Central Processing Unit)が記憶装置に格納されているPWM制御プログラムを実行することにより、PWM制御回路100の各機能を実現する。
【0054】
図5は、PWM制御プログラムにおけるPWM制御処理の流れの一例を示す。
図示しない2つの電圧センサと1つの電流センサによって検出された電気蓄電装置20の電圧V、負荷装置40の電圧VDCおよびコイル15を流れる電流Iは所定の周期でサンプリングされる。そして、これらはA/D(Analog−to−Digital)変換されて、入力装置からコンピュータ等に入力される。その際、電磁ノイズを除去するために、電気蓄電装置20の電圧V、負荷装置40の電圧VDCがA/D変換された数値をローパスフィルタLPF(Low Pass Filter)、または移動平均などにより平滑化する処理を行うこともできる。
以下では、デジタル信号に変換された電気蓄電装置20の電圧V、負荷装置40の電圧VDCおよびコイル15を流れる電流Iをそれぞれ電気蓄電装置20の電圧V、負荷装置40の電圧VDCおよびコイル15を流れる電流Iの測定値という。
【0055】
CPUは、負荷装置の電圧の目標値VDCと、電圧センサによって測定された負荷装置の電圧VDCの測定値との差εを求め(S101)、差εを基にPI制御を行ってコイルを流れる電流の目標値Iを求める(S102)。そして、CPUは、電流の目標値Iの値が所定の範囲に入るように制限する(S103)。
CPUは、電流の目標値Iとコイルを流れる電流Iの測定値の差ε求め(S104)、差εを基にPI制御を行ってデューティ比αを求めるための補正値ΔVを求める(S105)。
【0056】
CPUは、コイル15を電流Iが流れることによりコイル15の両端に生じる電圧Vを求める(S106)。そして、CPUは、電圧Vに電気蓄電装置20の電圧Vを加算して電圧Vを求め、電圧VからステップS106で求めた補正値ΔVを減算してデューティ比に応じた電圧Vpwmを求める(S107)。
CPUは、デューティ比に応じた電圧Vpwmを負荷装置の電圧VDCで割り、デューティ比αを求める(S108)。そして、CPUは、求められたデューティ比αをゲート信号生成部16に送る。
【0057】
上述した実施形態に示したように、デューティ比に応じた電圧Vpwmは、上記(9)式に示すように、電気蓄電装置20の電圧Vとコイル15の両端に生じる電圧Vを加算し、更に補正電圧ΔVを減算することによって求められる。
ここで、上記(7)式から分かるようにコイル15を流れる電流Iの変化が小さくなると、電圧Vは小さくなる。従って、電流Iの値が0付近に停滞するとき、電圧Vは小さくなる。
また、電流Iの値が0付近に停滞するとき、上記(5)式で示される電流の目標値Iとコイル15を流れる電流Iの差εが大きくなる。差εが大きくなると、上記(6)式に示される補正電圧ΔVが大きくなる。
【0058】
従って、電流Iの値が0付近に停滞するとき、電圧Vが小さくなり、補正電圧ΔVが大きくなるため、上記(7)式で示されるデューティ比に応じた電圧Vpwmは小さくなる。
デューティ比αは上記(8)式に示すようにデューティ比に応じた電圧Vpwmを負荷装置の電圧VDCで割った値であるため、このとき、デューティ比αが小さくなる。
デューティ比αが小さくなるほど、コイル15に流れる電流Iは増加する。
【0059】
このように、PWM制御回路100は、電流Iの値が0付近に停滞すると、コイル15に流れる電流Iを増加させる。このため、仮に電流Iの値が0付近に張り付く現象が発生したとしても、その現象は早期に解消される。
【0060】
以上説明したように、本発明によれば、負荷装置40の電圧VDCが目標電圧VDCとなるように制御してコイル15を流れる電流Iの目標電流Iの値を求め、更にコイル15を流れる電流Iがその目標電流Iとなるように制御することにより、昇圧動作と降圧動作の区別なく制御することができ、電気蓄電装置の充電と放電が切り換わるときにおける双方向コンバータ10の応答性を改善することができる。
本発明によれば、コイル15を流れる電流Iの値が0付近に張り付く現象がなくなるか、または仮にコイル15を流れる電流Iの値が0付近に張り付く現象が発生したとしても、その現象は早期に解消されるため、双方向コンバータの応答性が改善する。このため、負荷装置と並列に接続される平滑用コンデンサの容量を小さくすることができる。
また、本発明によれば、仮にコイル15を流れる電流Iの値が0付近に張り付く現象が発生したとしても、その現象は早期に解消されるため、特許文献1に記載されている電源システムと異なり、電流Iが0付近に張り付いている状態が終わったとき、電流Iが急激に上昇し、サージが発生することはない。
【0061】
なお、PWM制御回路100は、上述した負荷装置40の電圧VDCが目標電圧VDCとなるように制御する電圧制御、および電流Iが目標電流Iとなるように制御する電流制御をコイル15の電流I等のサンプリング周期(数十μSECから数百μSEC)の一回毎または複数回毎に実施するために、双方向コンバータ10の応答性が速やかになる。このように応答性が速やかになることによっても負荷装置と並列に接続される平滑用コンデンサの容量を小さくすることができる。
更に、DSP等で実現されたPWM制御回路100の演算スピードに応じてサンプリング周期を短縮すると、コイル15のインダクタンス値Lを小さくすることができる。その場合に、付随効果として双方向コンバータ10のスイッチング音も小さくすることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、本発明の範囲に含まれる。
また、本発明はハイブリッド自動車や電車等の力行運転と回生運転を行う車両等に限らず、電気蓄電装置と負荷装置との間で直流電圧の大きさを変換するシステムであって、電気蓄電装置の充電時には負荷装置から電気蓄電装置に向けて電流が流れ、電気蓄電装置の放電時には電気蓄電装置から負荷装置に向けて電流が流れるシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10…双方向コンバータ、11…スイッチング素子、12…スイッチング素子、13、14…ダイオード、15…コイル、16…ゲート信号生成部、20…電気蓄電装置、30…平滑用コンデンサ、40…負荷装置、100…PWM制御回路、101…目標電圧設定部、102、105、109…減算器、103…電圧PI制御部、104…リミッタ、106…電流PI制御部、107…コイル電圧取得部、108…加算器、110…デューティ比決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電と放電が可能な電気蓄電装置と直流電力の授受が可能な負荷装置との間にあり、当該電気蓄電装置の電圧と当該負荷装置の電圧を変換する双方向コンバータであって、
電圧の変換の程度を指定するデューティ比に応じて、前記電気蓄電装置の電圧と前記負荷装置の電圧とを変換する電圧変換部と、
前記負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づいて前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流を求め、当該目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づいて前記デューティ比を求める制御部と、
を備えることを特徴とする双方向コンバータ。
【請求項2】
前記電圧変換部が、前記電気蓄電装置の充電時および放電時に電流が流れることによって両端に電圧が生じるコイルを備え、
前記制御部が、
前記目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づくPI制御により前記目標電流を求め、
前記目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づくPI制御により補正電圧を求め、
前記電気蓄電装置の電圧と前記コイルの両端に生じる電圧と前記補正電圧とに基づいて前記デューティ比を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の双方向コンバータ。
【請求項3】
前記電圧変換部が、
前記電気蓄電装置と前記負荷装置の両方に接続される負極ラインと、
前記電気蓄電装置と前記コイルの一端に接続される第1の正極ラインと、
前記負荷装置に接続される第2の正極ラインと、
前記デューティ比に基づいて第1のゲート信号と第2のゲート信号を生成するゲート信号生成部と、
一端が前記第2の正極ラインに接続され、他端が前記コイルの他端に接続されており、前記第1のゲート信号によって導通と非導通が制御される第1の導電路と、当該第1の導電路の他端から一端に向かう方向にのみ電流を流す第2の導電路とを有する第1の素子と、
一端が前記第1の素子の導電路の他端に接続され、他端が前記負極ラインに接続されており、前記第2のゲート信号によって導通と非導通が制御される第3の導電路と、当該第3の導電路の他端から一端に向かう方向にのみ電流を流す第4の導電路とを有する第2の素子と、
を備え、
前記制御部が、
前記目標電圧を設定する目標電圧設定部と、
前記目標電圧設定部によって設定された目標電圧と前記負荷装置の電圧との差を求め、当該差に基づくPI制御により前記目標電流を求める目標電流決定部と、
前記目標電流決定部によって求められた目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差を求め、当該差に基づくPI制御により前記補正電圧を求める補正電圧決定部と、
前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流に基づいて前記コイルの両端に生じる電圧を求めるコイル電圧取得部と、
前記補正電圧決定部で求められた補正電圧と、前記コイル電圧取得部で求められた前記コイルの両端に生じる電圧と、前記電気蓄電装置の電圧とに基づいてデューティ比に応じた電圧を求める電圧決定部と、
前記電圧決定部によって求められた前記デューティ比に応じた電圧と前記負荷装置の電圧とに基づいて前記デューティ比を求めるデューティ比決定部と、
を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の双方向コンバータ。
【請求項4】
前記制御部が、
前記電気蓄電装置の充放電特性に合わせて充電時および放電時に流れる電流の電流制限値が記憶されている記憶部と、
前記電気蓄電装置の充電時または放電時に、前記記憶部に記憶されている電流制限値を前記目標電流の値が超える場合に、前記目標電流の値を前記記憶部に記憶されている電流制限値に置き換えるリミッタと、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の双方向コンバータ。
【請求項5】
前記負荷装置が、発電機として機能するモータを含み、
前記制御部のリミッタは、前記電気蓄電装置の充電時に流れる電流の電流制限値に基づいて求められたモータの出力電流の電流制限値を前記目標電流の値が超える場合に、前記目標電流の値を前記モータの出力電流の電流制限値に置き換える、
ことを特徴とする請求項4に記載の双方向コンバータ。
【請求項6】
充電と放電が可能な電気蓄電装置と直流電力の授受が可能な負荷装置との間にあり、電圧の変換の程度を指定するデューティ比に応じて当該電気蓄電装置の電圧と当該負荷装置の電圧を変換する電圧変換部を備える双方向コンバータの制御回路であって、
前記負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づいて前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流を求め、当該目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づいて前記デューティ比を求めることを特徴とする双方向コンバータの制御回路。
【請求項7】
充電と放電が可能な電気蓄電装置と直流電力の授受が可能な負荷装置との間にあり、電圧の変換の程度を指定するデューティ比に応じて当該電気蓄電装置の電圧と当該負荷装置の電圧を変換する電圧変換部を備える双方向コンバータの制御方法であって、
前記負荷装置の電圧の目標を示す目標電圧と前記負荷装置の電圧との差に基づいて前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流の目標を示す目標電流を求めるステップと、
前記目標電流と前記電気蓄電装置の充電時および放電時に流れる電流との差に基づいて前記デューティ比を求めるステップと、
を備えることを特徴とする双方向コンバータの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−157145(P2012−157145A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13584(P2011−13584)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000220712)株式会社TBK (13)
【Fターム(参考)】