説明

反射光測定装置及び生化学分析装置

【課題】 生化学分析装置において化学分析スライドの光学濃度を測定する際に化学分析スライドの測定面での正反射光による測定精度の低下を防止する。
【解決手段】 LED22は、化学分析スライド3の測定面に対して45°傾けて設けられている。LED22が照射した光の測定面での正反射光は、鏡筒30のLED22と対面する面に当たる。この鏡筒30の正反射光が当たる位置には、表面に黒マット処理が施された吸光板34が設けられている。吸光板34は、正反射光を吸収し、この正反射光がさらに反射することを防止する。これにより、正反射光が迷光となって受光素子24に入り込むことが抑えられ、精度のよい測定を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の角度傾けて設けられた光源で測定面を照射する反射光測定装置、及びこの反射光測定装置を用いた生化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野において、開業医、専門医の診察室、病棟及び外来患者向け診療所などの「患者にちかいところ」で行われるポイントオブケア検査(Point Of Care Testing:POCT)が注目されてきている。この検査は、中央検査室で集中且つ大量に検体を測定することで処理されている従来からの病院での通常の検査に比べて、患者が検査を受けに行ったり、検体を検査に送ったりする必要がなく、患者の近くで検査が行われることにより、検査結果を即座に医師が判断し、迅速な処置を施したり、治療の過程や予後のモニタリングを行うことができるといった利点がある。また、検体の運搬や設備にかかるコストが少なくて済む他に、検体量も少なくて済み、患者への負担が軽減されるなどの利点もある。このPOCT対応装置として、糖尿病患者の血糖モニター検査を始めとした種々の検査機器が開発されている。
【0003】
ところで、本出願人は、富士ドライケム3500(商品名)などの卓上型の生化学分析装置を開発し提供している。この卓上型の生化学分析装置では、例えば、27種類の生化学・免疫項目や、3種類の電解質分析項目を備えており、多項目の検査が可能である反面、大型化してしまい、どこでも利用することができるというレベルには至っていない。そこで、このような医療環境の変化に応じて、従来からの高機能大量処理対応の生化学分析装置の他に、少量処理であるが医療現場において患者の近くで迅速に検査が可能なハンディタイプ(ポータブルタイプ)の生化学分析装置の開発が進められている。
【0004】
この生化学分析装置は、血液や尿などの試料液を化学分析スライドに滴下した後、これを所定時間インキュベーションして呈色反応(色素生成反応)させるインキュベータと、その呈色光学濃度を光学的に測定する測光ヘッド(反射光測定装置)と、この呈色光学濃度から被検成分の含有量を定量分析する演算制御部とから構成されている。
【0005】
測光ヘッドによる呈色光学濃度の測定方法としては、化学分析スライドの測定面に対して45°の角度で配置された光源から光を照射し、測定面と対面する位置に設けられた受光素子で測定面からの反射光を受光することによって測定する方法が、例えば、特許文献1などで知られている。
【0006】
ハンディタイプの生化学分析装置の開発においては、各部の構成を簡素化してコンパクト且つ軽量にする必要があるとともに、電源として電池などの内部電源を用いるため消費電力を軽減する必要がある。しかしながら、特許文献1記載の生化学分析装置では、測光ヘッドの光源にランプが用いられているため、ランプから測定面の間(前分光)、もしくは測定面から受光素子の間(後分光)に所定の波長の光のみを透過させる干渉フィルタを入れておく必要があった。そのため、被検成分を変える毎にこの干渉フィルタを切り替えなければならず、切り替え手段としてのモータが必要になるなど装置が大型化してしまう。また、ランプを用いているため、発熱が大きく温度を安定させるまでに時間が掛かる、消費電力が大きいなどといった問題もあった。
【0007】
このため近年では、例えば、特許文献2記載の生化学分析装置のように、測光ヘッドの光源に発光ダイオード(以下、LEDと称す)を用いる方向になりつつある。LEDは、所定の波長の光のみを照射することができるので、前述の干渉フィルタを必要としないとともに、ランプと比較して消費電力や発熱が低い。さらに、光源にLEDを用いた生化学分析装置では、波長の異なる複数のLEDを同心円上に配置し、試薬に対応した波長のLEDを発光させるだけで複数の被検成分を容易に測定することができる。
【特許文献1】特開昭61−17046号公報
【特許文献2】特開2004−226262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、測光ヘッドの光源は、化学分析スライドの測定面に対して45°の角度で配置されており、受光素子は測定面と対面して、測定面の法線方向の散乱光を測定している。そのため、測定面での正反射光が、対向する位置に設けられたLEDや、このLEDを保持する部材などでさらに反射して迷光となり、受光素子に入り込んで測定精度を低下させるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、正反射光による測定精度の低下を防止した反射光測定装置、及び生化学分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の反射光測定装置及び生化学分析装置は、光源から照射された光が測定面によって正反射する位置に、吸光性部材を設けたことを特徴とする。
【0011】
なお、前記測定面と対面する位置に設けられる受光素子の前面には、前記測定面からの散乱反射光のみを受光させるアパーチャを設けることが好ましい。
【0012】
また、前記光源は、所定の測定タイミングにのみ点灯させることが好ましい。
【0013】
なお、前記光源と前記吸光性部材は、前記測定面を中心とした同心円上に複数設けることが好ましい。また、複数設けられた前記光源と前記吸光性部材は、それぞれが連続的に設けられて郡をなしていることが好ましく、さらには、前記光源に発光ダイオードを用いて、同心円上に複数設けた前記発光ダイオード毎に波長を変えるようにしてもよい。
【0014】
また、前記吸光性部材は、一端が閉じられた筒形状をなし、その内面が黒色にされた光トラップであることが好ましい。
【0015】
さらに前記光源は、測定面に対して30〜60°の角度傾けて設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の反射光測定装置、及び生化学分析装置によれば、光源から照射された光が測定面によって正反射する位置に、この正反射光を吸収する吸光性部材を設けたので、正反射光が迷光となって受光素子に入り込むことを抑え、測定精度の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明を実施したポータブルタイプの生化学分析装置(以下、本分析装置と称す)2を示す外観斜視図である。本分析装置2は、化学分析スライド(以下、スライドと称す)3に滴下される血液や尿などの検体(被測定物質)の定量分析を行うものであり、上カバー4、下カバー5、搬送トレイ(以下、トレイと称す)6を備える。
【0018】
上カバー4の内部には、インキュベータ8が設けられている。インキュベータ8は、ヒータなどを備え、スライド3を予め設定された時間恒温保持(インキュベーション)する。下カバー5の前面には、分析を行った後のスライド3を排出する排出口9が形成されている。また、下カバー5の左側面には、本分析装置2と操作装置10とを電気的に接続するための接続孔5aが形成されている。
【0019】
操作装置10には、例えば、市販の携帯情報端末(PDA)が用いられ、メモリカードなどを介して種々の分析項目用のアプリケーションがインストールされている。このアプリケーションを起動することで、各種の分析項目に対応した処理手順に基づき分析処理が行われる。また、操作装置10には、表示部11と操作部12とが設けられており、接続ケーブル13のプラグ14を接続孔5aに挿入することにより、本分析装置2に接続される。表示部11には、操作者に操作を促す旨の表示や、スライド3に点着した検体の分析結果などが表示される。操作者は、表示部11の表示に基づいて操作部12を操作することにより、各種処理を行うことができる。
【0020】
さらに、下カバー5の内部には、内部電源(図示は省略)が組み込まれている。内部電源には、例えば、4本の単三電池が用いられる。この内部電源により、インキュベータ8や、後述する測光ヘッド20などが駆動される。
【0021】
トレイ6には、スライド3を嵌め込むためのスライド開口6aが形成されている。トレイ6は、前後方向に移動可能に設けられており、嵌め込まれたスライド3を本分析装置2の内部に搬送する。図1(A)は、トレイ6がスライド3の測光を行う第1位置に位置する状態の本分析装置2を示し、図1(B)は、トレイ6が手前方向に移動されてスライド3をセットする第2位置に位置する状態の本分析装置2を示す。また、トレイ6は、第2位置からさらに手前方向に移動した第3位置(図示は省略)を有し、この第3位置と第1位置との間で移動する。トレイ6が第3位置に位置すると、スライド開口6aに嵌め込まれたスライド3が落下し、排出口9から排出される。
【0022】
図2は、本分析装置2に組み込まれた測光ヘッド(反射光測定装置)20、及びその周辺部の構成を概略的に示す説明図である。測光ヘッド20は、下カバー5の内部に組み込まれ、トレイ6を挟んでインキュベータ8と対向するように設けられている。この測光ヘッド20は、45°の角度(図中θで示す角度)傾けて設けられた光源としてのLED22と、受光した光を光電変換する受光素子24と、この受光素子24に光を結像させる集束レンズ26と、この集束レンズ26を保持するレンズホルダ28、及びこれらの部材を保持する鏡筒30とから構成されている。
【0023】
この測光ヘッド20の上には、トレイ6を支持するベース40が設けられている。ベース40の受光素子24と対面する位置(以下、測光位置と称す)には、LED22が照射した光を通過させる開口40aが形成されており、この開口40aには、測光ヘッド20内に塵芥が混入することを防ぐ透明な保護ガラス42が嵌め込まれている。
【0024】
また、ベース40には、スライド開口6aに嵌め込まれたスライド3を支持するためのレール(図示は省略)が、トレイ6の第1位置と第2位置との間の移動に対応するように形成されている。トレイ6が第3位置に位置した際には、このレールがなくなり、前述のようにスライド開口6aからスライド3が落下する。
【0025】
また、トレイ6には、基準濃度を測定するための白板82と黒板84とが測光ヘッド20側に向けて設けられており、トレイ6が第2位置から第1位置へと向かう間に、この白板82と黒板84の測定が行われる。
【0026】
スライド3は、支持体、試薬層、展開層を積層してなる乾式多層フィルム62と、この乾式多層フィルム62を保持する枠体64とから構成されている。枠体64の上面には、血液や尿などの検体を滴下するための滴下用円孔(図1(B)参照)が設けられており、下面には、呈色反応した乾式多層フィルム62の呈色光学濃度を測定するための測光用円孔が設けられている。この測光用円孔から露呈した乾式多層フィルム62の面が測定面となり、白板82と黒板84も、この測定面と面一になるようにされている(以下、測定面には白板82と黒板84との面も含むものとする)。
【0027】
また、ベース40には、スライド3、及び白板82、黒板84の各測定面が測光位置にあることを検出するためのセンサ(図示は省略)がそれぞれ設けられており、測光ヘッド20は、これらのセンサが検出したことに応じて、LED22を、例えば、200msecだけ発光させる。
【0028】
受光素子24は、例えば、フォトダイオードから構成されており、この受光素子24は、各測定面が測光位置にきてLED22が発光した際に、測定面で反射した法線方向の散乱光を受光して光電変換する。この際、LED22が照射する光は、拡散して測定面のみならず、枠体64やトレイ6などの周囲部にも当たってしまう。そのため、受光素子24の前面には、測定面からの散乱反射光のみを受光させるアパーチャ32が設けられている。また、LED22の前面には、照射光の拡散を抑えるためのアパーチャ30aが形成されている。
【0029】
また、LED22が照射した光の各測定面での正反射光は、鏡筒30の内面に当たる。この正反射光が鏡筒30の内面でさらに反射すると、迷光となって受光素子24に入り込み、測定精度を低下させる。そのため、鏡筒30の正反射光が当たる位置には、表面に黒マット処理が施された吸光板(吸光性部材)34が設けられている。なお、吸光板34は、黒マット処理に限らず、例えば、表面に細かな凹凸を設けたものや、全体を艶消し黒の樹脂素材などで成型したものでもよい。さらに、板ではなく、前述の処理を施したラベルを貼り付けるなど、表面に吸光性を有し、鏡筒30の内面に当たる正反射光のスポット径よりも大きいものであれば、如何なるものでもよい。
【0030】
図3は、測光ヘッド20を上方から見た平面図である。LED22と吸光板34は一対となって、測光位置にある各測定面を中心とした同心円上に複数(本実施形態では7個)設けられている。また、各LED22は、それぞれ異なる波長を有しており、スライド3の試薬に対応した波長のLED22を発光させることにより、複数種の被検成分を容易に測定することができる。本実施形態では、例えば、大型生化学分析装置のグルコースなど27種類の全測定項目に対応する400nm、505nm、540nm、570nm、600nm、625nm、650nmの波長を有する7種類のLED22が用いられる。但し、LED22の波長は上記に限るものではなく、その数も7個に限るものではない。
【0031】
図4は、LED22と吸光板34との他の配置例を示すものである。図4に示すように、同心円の片側にLED22とアパーチャ30aを、もう片側に吸光板34を、それぞれの郡をなすように連続的に配置してもよい。このように配置することにより、正反射光を隣り合った吸光板34同士で受けることも可能であり、正反射光の迷光化をさらに抑えることができる。
【0032】
また、LED22の波長は、温度によって変化するので、例えば、LED22を保持する鏡筒30にペルチェ素子などを設けて、一定の温度に調節することが好ましい。また、このような温度調節手段を新たに設ける代わりに、例えば、調節する温度を37℃として、インキュベータ8のヒータでLED22の温度調節を行うようにしてもよい。
【0033】
次に、血液中のグルコースを測定する場合を例に、上記構成による本分析装置2の作用について説明する。
【0034】
先ず図5に示すように、スライド3を第2位置にあるトレイ6のスライド開口6aにセットする。この際、測定すべき被検成分がグルコースであることを、操作装置10の操作部12を操作して本分析装置2に指示する。次に、スライド開口6aにセットした状態でヘパリン採血した新鮮血を検体として一定量、例えば、10μlをスライド3の上部に形成した滴下用円孔から乾式多層フィルム62に滴下する。
【0035】
検体を滴下した後、第2位置にあるトレイ6を第1位置に向けて移動させていくと、図6に示すように、白板82が測光位置にくる。測光ヘッド20は、これをベース40に設けられたセンサで検出し、グルコースに対応した505nmの波長を有するLED22を発光させる。このように、各測定面が測光位置にきたタイミング(請求項記載の所定の測定タイミングに相当)にのみLED22を発光させることにより、発光によるLED22の自己発熱を抑えて、温度による波長の変化を防止することができる。
【0036】
受光素子24は、白板82の測定面で反射した法線方向の散乱光を受光して光電変換し、これを白板82の基準濃度として図示せぬ演算制御部に送る。この際、測定面や保護ガラス42による正反射光を、吸光板34が吸収するので、正反射光が迷光となって受光素子24に入り込むことによる測定精度の低下が防止される。
【0037】
トレイ6がさらに第1位置に移動して黒板84が測光位置にくると、測光ヘッド20は、上記と同様に黒板84の基準濃度を測定してこれを演算制御部に送る。
【0038】
次に、トレイ6が第1位置(図2参照)まで移動したことをベース40に設けられたセンサが検出すると、インキュベータ8が、37℃で約1分間スライド3をインキュベーションする。スライド3には、グルコースに対応した試薬層が予め形成されており、このインキュベーションによって、検体中のグルコース含有量に応じた光学濃度に呈色反応する。
【0039】
測光ヘッド20は、インキュベーションが終了した後にスライド3の呈色光学濃度を測定し、これを演算制御部に送る。なお、インキュベータ8によるインキュベーションのタイミングは上記に限ることなく、予めインキュベーションされたスライド3をスライド開口6aにセットし、白板82、黒板84、及びスライド3の測定を、連続して行うようにしてもよい。
【0040】
演算制御部は、各測定結果を基に種々の演算を行い、検体中のグルコース含有量を得る。測定が終了したスライド3は、トレイ6を第3位置にすることによりスライド開口6aから落下し、排出口9に排出される。以上、グルコースを例に説明したが、本実施形態の生化学分析装置2では、400nmでアミラーゼ、600nmでクレアチニンなどのようにLED22の波長とスライド3の試薬層との組み合わせによって、約27種類の被検成分の分析を行うことができる。
【0041】
このように、本実施形態の測光ヘッド20によれば、LED22から照射された光が各測定面によって正反射する位置に吸光板34を設けたので、精度のよい測定を行うことができる。また、LED22を各測定面が測光位置にきたタイミングにのみ発光させるのでLED22の温度上昇が少なく、LED22の波長が変化することによる測定精度の低下を抑えることができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、吸光性部材として吸光板34を用いているが、これに限ることなく、例えば、図7に示すように、一端が閉じられた筒形状をなす光トラップ36を用いるようにしてもよい。この光トラップ36は、内面全体に黒マット処理が施されている。正反射光を面で受ける吸光板34では、この吸光板34上で反射してしまった光を再度捕捉することはできない。対して光トラップ36では、光トラップ36内で反射してしまった光を再度捕捉できる可能性があるので、吸光板34よりも確実に正反射光による測定精度の低下を抑えることができる。
【0043】
さらに、鏡筒30に当たる正反射光のスポット径が大きい場合などには、鏡筒30の内側全面に黒マット処理などを施すようにしてもよい。また、上記実施形態では、この鏡筒30の内面を14角錐状に形成しているが、円錐状に形成したものであってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、LED22の照射光が、測定面に対して45°の角度θとなるようにLED22を鏡筒30に取り付けているが、角度θはこれに限るものではない。但し、受光素子24が受光する法線方向の散乱光を考慮すると、この角度θは30〜60°であることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上記実施形態では、反射光測定装置の適用例として、生化学分析装置を示したが、本発明はこれに限ることなく、例えば、単方向照明方式を用いた色彩計や分光測色計などに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】生化学分析装置の外観を示す斜視図である。
【図2】生化学分析装置に組み込まれた反射光測定装置及びその周辺部の構成を概略的に示す説明図である。
【図3】反射光測定装置を上方から見た平面図である。
【図4】LED及び吸光板の他の配置例を示す平面図である。
【図5】トレイが第2位置にある際の様子を示す説明図である。
【図6】白板が測光位置にある際の様子を示す説明図である。
【図7】吸光性部材に光トラップを用いた際の構成を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0047】
2 生化学分析装置
3 化学分析スライド
8 インキュベータ
20 測光ヘッド(反射光測定装置)
22 LED(光源)
24 受光素子
32 アパーチャ
34 吸光板(吸光性部材)
36 光トラップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の角度傾けて設けられた光源で測定面を照射し、前記測定面と対面する位置に設けられた受光素子で、前記測定面からの散乱反射光を測定する反射光測定装置において、
前記光源から照射された光が前記測定面によって正反射する位置に、吸光性部材を設けたことを特徴とする反射光測定装置。
【請求項2】
前記受光素子の前面に、前記測定面からの散乱反射光のみを受光させるアパーチャを設けたことを特徴とする請求項1記載の反射光測定装置。
【請求項3】
前記光源は、所定の測定タイミングにのみ点灯することを特徴とする請求項1又は2記載の反射光測定装置。
【請求項4】
前記光源と前記吸光性部材は、前記測定面を中心とした同心円上に複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射光測定装置。
【請求項5】
複数設けられた前記光源と前記吸光性部材は、それぞれが連続的に設けられて群をなしていることを特徴とする請求項4記載の反射光測定装置。
【請求項6】
前記光源は、発光ダイオードであって、同心円上に複数設けられた前記発光ダイオードは、それぞれ波長が異なることを特徴とする請求項4又は5記載の反射光測定装置。
【請求項7】
前記吸光性部材は、一端が閉じられ筒形状をなし、その内面が黒色にされた光トラップであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の反射光測定装置。
【請求項8】
前記所定の角度は、前記測定面に対して30〜60°であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の反射光測定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の反射光測定装置を用いて、化学分析スライドに滴下された被測定物質からの散乱反射光を測定し、この測定結果に基づいて前記被測定物質の定量分析を行うことを特徴とする生化学分析装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−98227(P2006−98227A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285156(P2004−285156)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】