説明

反応副生成物の濃度が低い水性シルセスキオキサン分散液

組成物の製造方法が提供される。この方法は、i)a)シリカ、b)アンモニウムではない非揮発性カチオンおよびc)水を含有して成る粒子分散液を生じさせ、ii)式R−(R−O)−Si[式中、Rは、置換アルキルおよび非置換アルキルから成る群より選択され、そしてRは、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より選択されるが、Rの置換アルキルはアミノアルキルではない]で表される少なくとも1種の有機シリルカップリング剤を添加して、iii)前記有機シリルカップリング剤と前記粒子分散液を反応させることでシルセスキオキサンおよびアルコールを含有して成る混合物を生じさせ、そしてiv)前記アルコールを前記混合物から真空蒸留で最終的アルコール濃度が総混合物の約1重量%以下になるように除去することを含んで成る。更にシルセスキオキサン、非揮発性カチオンおよびアルコールが入っている水性分散液を含有して成る組成物および前記組成物の使用方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2009年3月13日付けで出願した米国仮出願番号61/159825による優先権の利点を請求するものである。
【0002】
本発明は、揮発性アルコールである反応副生成物の濃度が顕著に低いシルセスキオキサン分散液に関し、これはカーペットおよび他の繊維製品で用いるに適する。
【背景技術】
【0003】
シルセスキオキサン分散液はカーペットおよび繊維製品の処理で用いるに有用であることが分かっており、それをフルオロケミカル樹脂と協力させて用いると特許文献1に開示されているように撥油性および撥水性および一般的防汚性が与えられる。しかしながら、そのような分散液の製造をアルキルトリアルコキシシランを用いた縮合反応で行うとアルコキシ化合物(例えばアルキルトリメトキシシランの場合にはメタノール)がシラン反応の副生成物として許容されないほど多い量で存在し得る。アルコキシ化合物、例えばメタノールなどは処理用組成物および処理された製品にとって一般に好ましくないが、それを縮合反応工程中に有効に除去するのは不可能である、と言うのは、シランが示す揮発性は除去工程によって所望反応体も同様に除去される可能性もある程の揮発性であるからである。反応終了後にシルセスキオキサン粒子を浄化しそして再分散させる通常の方法は厄介でありかつ結果として反応生成物が好ましくなく広範に凝集する可能性があり、その結果として効果と収率の両方が失われるからである。
【0004】
代替の反応体を用いた縮合反応で表面改質を受けさせたシリカの分散液を生じさせてもまた結果として好ましくない代替の副生成物がもたらされ、その例はエタノールをもたらすトリエトキシシランおよびハロゲン酸をもたらすハロゲン置換シランである。ハロゲン酸は関連してpHを変化させることが理由で好ましくない凝集の原因になり得る一方、エタノールはメタノールと同様に揮発性の有機化合物であることからカーペットなどの如き製品にとって好ましくない。
【0005】
上述した反応副生成物であるアルコールを水から除去する目的で使用可能な潜在的に有用な方法がいくつか存在する。しかしながら、多くはカーペットおよび繊維製品に適用可能な種類のシルセスキオキサン分散液に適用するのは適切でないことを確認した。特に、そのような系からメタノールまたはエタノールのいずれかを除去しようとして蒸発を用いると結果としてシルセスキオキサン分散液が好ましくない凝集を起こすことを確認した。特にカーペットおよび繊維製品に適用可能な分散液の製造は典型的にそれらが安定になるようにアンモニウム対イオンによる緩衝を受けた水系として行われてきた。アンモニウム−アンモニアの平衡状態は蒸発によって悪影響を受ける可能性があり、その結果としてもたらされる系はもはや粒子全部の分散を支持することができなく、結果として当該分散液の中に懸濁している粒子のいくつかまたは全部が沈澱を起こす可能性がある。また、シリカコアで構成されたシルセスキオキサンの分散液が苦しんでいる問題は表面改質シリカの分散液が直面している問題と同じであることも観察した。
【0006】
酸性のアミノアルキルシラン改質シリカ粒子は他のアルキルシラン材料とは対照的に酸性水溶液中で安定であることが特許文献2に教示されている。しかしながら、特許文献2に開示されている有機アミン官能は防汚性で撥油性の疎水性布地をもたらす能力を持たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,225,403号(Knowlton)
【特許文献2】米国特許出願番号2008/0216709A1(Steingrover)
【発明の概要】
【0008】
発明の要約
従って、シルセスキオキサン分散液の安定性を維持しながら上述した如き溶解している副生成物を前記分散液から除去するに有効かつ効果的な手段が必要とされている。
【0009】
特定のシルセスキオキサン分散液を生じさせる方法を本発明に従って変えるとシルセスキオキサン分散液の安定性が維持されながら溶解している副生成物を前記分散液から有効かつ効果的に除去することが可能になる。具体的には、非揮発性の遊離カチオンを含有させた一般に疎水性のシルセスキオキサン分散液は真空蒸留に安定である。例えば、ナトリウムによる安定化を受けさせた表面改質シリカ粒子もしくはシリカ−コアシルセスキオキサンではメタノールの如き副生成物を真空蒸留で非常に低い濃度にまで留出させることができ、その濃度は真空度合、温度、撹拌および時間の組み合わせによって決まる。
【0010】
1つの面にとして、組成物の製造方法が提供され、この方法は、i)a)シリカ、b)非揮発性カチオン[この非揮発性カチオンはアンモニウムではない]およびc)水を含有して成る粒子分散液を生じさせ、ii)式R−(R−O)−Si[式中、Rは、置換アルキルおよび非置換アルキルから成る群より選択され、そしてRは、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より選択されるが、Rの置換アルキルはアミノアルキルではない]で表される少なくとも1種の有機シリルカップリング剤を添加して、iii)前記有機シリルカップリング剤と前記粒子分散液を反応させることでシルセスキオキサンおよびアルコールを含有して成る混合物を生じさせ、そしてiv)前記アルコールを前記混合物から真空蒸留で最終的アルコール濃度が総混合物の約1重量%以下になるように除去することを含んで成る。
【0011】
本発明は、更に、シルセスキオキサン、非揮発性カチオンおよびアルコールを含有して成る組成物および前記組成物の使用方法にも関する。
【0012】
別の面として、シルセスキオキサン、非揮発性カチオンおよびアルコールが入っている水性分散液を含有して成る組成物が提供される。前記アルコールの濃度は総組成物の約0.5重量%以下でありかつ前記非揮発性カチオンはアンモニウムではない。
【0013】
さらなる面として、カーペットを処理する方法が提供される。この方法は、シルセスキオキサン、アンモニウムではない非揮発性カチオンおよびアルコールが入っている水性分散液を含有して成っていてアルコール濃度が総組成物の約0.5重量%以下である組成物をカーペットに適用した後に前記カーペットを乾燥させることを含んで成る。
【0014】
発明の詳細な説明
組成物の製造方法が提供される。この方法は、i)a)シリカ、b)アンモニウムではない非揮発性カチオンおよびc)水を含有して成る粒子分散液を生じさせ、ii)式R−(R−O)−Si[式中、Rは、置換アルキルおよび非置換アルキルから成る群より選択され、そしてRは、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より選択されるが、Rの置換アルキルはアミノアルキルではない]で表される少なくとも1種の有機シリルカップリング剤を添加して、iii)前記有機シリルカップリング剤と前記
粒子分散液を反応させることでシルセスキオキサンおよびアルコールを含有して成る混合物を生じさせ、そしてiv)前記アルコールを前記混合物から真空蒸留で最終的アルコール濃度が総混合物の約1重量%以下になるように除去することを含んで成る。場合により、前記最終的アルコール濃度を総混合物の約0.5重量%以下にしてもよく、それには総混合物の約1000ppm以下が含まれる。そのような分散液をまたゾルと呼ぶこともあり得る。本方法で生じさせた組成物は布地の処理で使用可能であり、それにはカーペットの処理が含まれる。
【0015】
当該アルコールを除去する真空蒸留では温度と圧力の組み合わせを用いる。その温度を約30℃から約80℃の範囲にしてもよく、それには約40℃から約60℃および約40℃から約50℃が含まれる。その蒸留の温度はまた約40℃から約45℃であってもよい。その蒸留中にかける真空度は200トール未満であり、それには150トール未満、100トール未満、75トール未満および約50トールが含まれる。そのかける真空度はまた約75トールから約50トールの範囲内であってもよく、それには約75トールが含まれる。当該アルコールを除去するための温度と圧力の1つの組み合わせは約45℃で約75トールである。
【0016】
前記非揮発性カチオンはアルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウムなどから成る群より選択可能である。二価の非揮発性カチオン、例えばマグネシウムおよびカルシウムなどを本発明の方法で用いることも可能ではあるが、それらは後で添加するか或は結果として生じた組成物と組み合わせる他の化学品と相互作用する(沈澱物を生じる)傾向を示し得る。本発明の非揮発性カチオンはアンモニウムではない。Rはメチル、エチルおよびプロピルから成る群より選択可能である。Rはメチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より選択可能であるか、或はRはハロアルキルであってもよい。Rの置換アルキルはアミノアルキルではない。
【0017】
この方法に更にv)段階iv)で生じさせた生成物をフルオロケミカル樹脂が入っている水性分散液と混合することも含めてもよい。加うるに、この方法に更にvi)段階v)の生成物をカーペットまたは布地に加えることも含めてもよい。
【0018】
また、シルセスキオキサン、アンモニウムではない非揮発性カチオンおよびアルコールを含有して成っていてアルコール濃度が総組成物の約1重量%以下である組成物も提供される。そのアルコール濃度を総組成物の約0.5重量%以下にしてもよく、それには総組成物の約1000ppm以下が含まれる。この組成物に更にフルオロケミカル樹脂を含有させることも可能であり、かつ場合により、アルコール濃度が総カーペットもしくは布地重量の約100ppm以下であるカーペットもしくは布地を含めることも可能であり、それには総カーペットもしくは布地重量の約10ppm以下が含まれる。
【0019】
更に、カーペットを処理する方法も提供される。この方法は、前記組成物をカーペットに加えた後に前記カーペットを乾燥させることを含んで成る。そのような処理を受けたカーペットが含有するアルコールの濃度は総カーペット重量の約10ppm以下であり得る。
【0020】
本発明の方法は、シルセスキオキサン、表面改質シリカおよびシリカ−コアシルセスキオキサン粒子を生じさせるばかりでなく、一般式R−(R−O)−Si[式中、Rは、最終的粒子もしくは材料の所望表面化学官能性を持ちかつ置換もしくは非置換アルキル鎖、モノマーまたはポリマーであってもよく、そしてRは短鎖アルキル基である(Rは一般にここに示した3個の酸素含有ペンダント基の全部が同じであるが、異なってもよい)]で表される反応性シランを用いて作られたか或は修飾を受けた反応性ケイ素が基になった化学基を持つ他の材料を生じさせる。その興味の持たれる反応の結果としてR
−OHが媒体の中に遊離して来る。その媒体にまた元々の粒子を安定に分散させる(シリカまたは他の粒子を出発材料として用いる場合)か或は生じさせる粒子の生成および分散を支持する1種以上の作用剤も入れておいてもよい。
【0021】
水性粒子分散液を生じさせる1つの方法は、帯電している粒子を対イオンと一緒にする方法である。カチオン帯電している基質に引き付ける必要がある場合または溶液に入っている他の粒子または化学品の電荷による影響を受ける場合にはアニオン帯電粒子が適切である。
【0022】
水性媒体中で用いるべき生成物の場合には水が適切な反応媒体であり得る。それによって好ましくない溶媒の除去、反応生成物の回収そして次に回収した生成物を水の中に分散させることが回避される。所望生成物がミクロ粒子およびナノ粒子の水性分散液である場合、界面活性剤を添加しないと、そのような粒子を非水性媒体中で生じさせて前記粒子を反応用溶媒から分離した後にそれを水の中に凝集も沈澱も起こさせることなく分散させるのは特に困難であり得る。不幸なことには、そのような界面活性剤を用いると生成物がカーペットおよび繊維製品をより疎水性かつ防汚性にする効力が危うくなる。
【0023】
従って、水をシリケートと有機シランの間の反応で用いると、副生成物であるアルコール(メタノール、エタノールなど)が水の中に分散してくる。そのような副生成物であるアルコール(および恐らくは他の低分子量不純物)が存在すると揮発性有機炭素(VOC)の含有量によって最終品目または製品の最終的使用が制限される可能がある。
【0024】
上述したように、無水の粉末を生じさせた後にそれを水に入れて再分散させる手段は、結果としてVOC含有量をゼロにする可能性のある利用可能な手段ではあり得るが、凝集、沈澱および費用が障害になる。そのような混合物から生じさせた溶液または分散液から揮発性混入物を除去する目的で真空蒸留を用いることは可能である。しかしながら、ある種の副生成物もしくは不純物は当該媒体に親和性を示すことで、例えば共沸混合物が生じることなどで除去可能な量が制限される。
【0025】
アンモニウムは様々な配合物および用途に相性が良くかつpHをある程度制御することから、アニオン帯電粒子の対イオンとして通常用いられてきた。アンモニウムによる安定化を受けていてそれ以外に例えば界面活性剤または他の適切な分散剤などによる支持を受けていないシルセスキオキサン粒子系に真空蒸留方法を加熱および/または撹拌の有り無しで適用すると失敗に終わることを見いだした。しかしながら、そのような安定化作用を示す追加的材料は数多くの用途で好ましくないと思われている。そのような用途の中の実際の例には、カーペット用防汚配合物に適したシルセスキオキサン粒子系が含まれる、と言うのは、そのような安定化剤は水、油および埃に化学的に相溶する傾向があるからである。
【0026】
本発明の方法の1つの面では、当該水性分散液を安定にする目的で非揮発性対イオン(アンモニウムではない)を用いると同時にメタノールを真空蒸留方法で除去することによってシルセスキオキサン分散液に副生成物であるアルコールが混入すると言った問題を解決した。上述したアニオン性シルセスキオキサン粒子の場合、アンモニウム対イオンの代わりにナトリウム対イオンを用いることができる。ナトリウムイオンは真空蒸留中に保持されることから、電荷安定化分散液が崩壊することはなくかつその分散液は工程全体および次の貯蔵中に安定なままである。他の対イオンにはリチウム、カリウム、セシウム、マグネシウムおよびカルシウムが含まれ得る。
【0027】
真空蒸留を穏やかな加熱を伴わせて適用すると、比較的不安定な疎水性シルセスキオキサンの分散液からでもメタノールが有効かつ効果的に除去される。エトキシもしくはプロ
ポキシシランを反応体として用いた場合にも同様な条件下でエタノールもしくはプロパノールを高い分率で除去することができる。また、比較的高い揮発性を示す他の副生成物も同時に除去され得る。そのような副生成物および他の揮発物が除去される度合は、用いる具体的条件(温度、真空度および時間)に依存する。如何なる場合でも、結果として残存する揮発性有機化合物の濃度が実質的に低下した安定な分散液がもたらされる。
【0028】
メタノールを単一段階の工程で1重量%以上の初期濃度から100ppm以下の如き低い濃度に低下させる方法を記述する。
【0029】
メタノールまたは他のアルコール系副生成物を0.1重量%の如き少ない量から10重量%以上の如き多い量の様々な初期濃度で含有している可能性のある反応混合物からそのようなアルコールを留出させて結果として所望の濃度を達成することができるようにする目的で温度、撹拌、真空度および時間の様々な組み合わせを用いることができると理解されるべきである。意図する使用に応じて、残存メタノール濃度を約10,000ppm未満にまで低くすることができるか、或は100ppm未満にさえ低くすることができる。更に条件を調整する(温度をより高くし、真空度を向上させそして/または時間をより長くする)ことで20ppmの如き低い濃度を達成することも可能である。また、メタノールを約0.9%から5%含有していてナトリウムによる安定化を受けているアルキルシル化シリカ分散液のメタノール量を約500ppm(メタノールが約150ppm未満であることを包含)にまで低くすることができることも開示する。
【実施例】
【0030】
試験方法
質量スペクトル検出器が備わっているガスクロマトグラフィ(GC−MS)を用いて水性分散液中に存在する副生成物であるアルコールの量を真空蒸留工程前および後に測定した。その分散液に残存するアルコールを酢酸エチルによる抽出で優先的に除去した。その抽出液を濾過して微粒子を除去した後、メタノールの相対的濃度をGC−MSで測定して、通常の標準添加方法を用いて既知標準と比較した。
【0031】
比較実施例1
20リットルの反応槽にGraceDavidsonのLudox AS−40(これは平均粒径が約20から30nmのシリカ粒子が水にシリカ量が約40重量%になるように懸濁していてアンモニウムによる安定化を受けた名目上のpHが9の懸濁液であると記述)を約1.2kg入れた。その粒子懸濁液と30gのメチルトリメトキシシランを約30℃でゆっくり反応させることでアルキルシラン改質粒子(これをシリカ−コアシルセスキオキサンと呼ぶことができる)の水性懸濁液を生じさせたが、それのメタノール濃度は約1重量%であった。約40℃でゆっくりした撹拌を維持しながら真空を約50トールの圧力になるように約4時間かけることでメタノールを徐々に除去した。固体が有意な量で沈澱することを確認し、このことは、粒子が凝集を起こしかつ安定な粒子分散液の破壊が始まったことを示している。
【0032】
実施例2
20リットルの反応槽にGraceDavidsonのLudox TM−40(これは平均粒径が約20から30nmのシリカ粒子が水にシリカ量が約40重量%になるように懸濁していてナトリウムによる安定化を受けた名目上のpHが9の懸濁液であると記述)を約1.2kg入れた。その粒子懸濁液と30gのメチルトリメトキシシランを約30℃でゆっくり反応させることでアルキルシラン改質粒子(これをシリカ−コアシルセスキオキサンと呼ぶことができる)の水性懸濁液を生じさせたが、それのメタノール濃度は約1重量%であった。約50トールの圧力下約40℃でゆっくりした撹拌を維持することでメタノールを徐々に除去した。約10時間後の溶液中に残存するメタノールの量は100
ppm未満であることを確認した。粒子の凝集はほとんど観察されなかった。
【0033】
本発明を本発明の具体的態様と関連させて説明してきたが、この上で行った説明を考慮することで数多くの代替形、修飾形および変形が当業者に明らかになるであろうことは明らかである。従って、添付請求の範囲の精神および幅広い範囲の範囲内に入る如きそのような代替形、修飾形および変形の全部を包含させることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の製造方法であって、
a)シリカ、b)アンモニウムではない非揮発性カチオンおよびc)水を含有して成る粒子分散液を生じさせ、
前記分散液に式R−(R−O)−Si[式中、Rは、置換アルキルおよび非置換アルキルから成る群より選択され、そしてRは、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より選択されるが、Rの置換アルキルはアミノアルキルではない]で表される少なくとも1種の有機シリルカップリング剤を添加して、
前記有機シリルカップリング剤と前記粒子分散液を反応させることでシルセスキオキサンおよびアルコールを含有して成る混合物を生じさせ、そして
前記アルコールを前記混合物から真空蒸留で最終的アルコール濃度が総混合物の約1重量%以下になるように除去する、
ことを含んで成る方法。
【請求項2】
前記最終的アルコール濃度を総混合物の約0.5重量%以下にする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記最終的アルコール濃度を総混合物の約1000ppm以下にする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記非揮発性カチオンをリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウムおよびカルシウムから成る群より選択する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記非揮発性カチオンをリチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウムから成る群より選択する請求項1記載の方法。
【請求項6】
をメチル、エチルおよびプロピルから成る群より選択する請求項1記載の方法。
【請求項7】
をメチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より選択する請求項1記載の方法。
【請求項8】
がハロアルキルである請求項1記載の方法。
【請求項9】
更に段階iv)で生じた生成物をフルオロケミカル樹脂含有水性分散液と混合する段階v)も含んで成る請求項1から8のいずれか記載の方法。
【請求項10】
更に段階v)の生成物をカーペットに適用する段階vi)も含んで成る請求項9記載の方法。
【請求項11】
水性分散液を含有して成る組成物であって、前記水性分散液がシルセスキオキサン、アンモニウムではない非揮発性カチオンおよびアルコールを含有して成っていてアルコール濃度が総組成物の約0.5重量%以下である組成物。
【請求項12】
前記アルコール濃度が総組成物の約1000ppm(重量)以下である請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記アルコール濃度が総組成物の約200ppm以下である請求項11記載の組成物。
【請求項14】
更にフルオロケミカル樹脂も含有して成る請求項11−13のいずれか記載の組成物。
【請求項15】
更にカーペットも含有して成っていて前記アルコール濃度が総カーペット重量の約5ppm以下である請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記アルコール濃度が総カーペット重量の約0.5ppm以下である請求項15記載の組成物。
【請求項17】
カーペットを処理する方法であって、前記カーペットに請求項11−14のいずれか1項記載の組成物を適用した後に前記カーペットを乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法で生じさせたカーペットであって、含有するアルコールの濃度が総カーペット重量の約0.1ppm以下であるカーペット。

【公表番号】特表2012−520318(P2012−520318A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554203(P2011−554203)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/027008
【国際公開番号】WO2010/105071
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】