反応検出装置
【課題】 装置自体の高さ寸法を低くすることで、省スペース化を実現することができると共に、各反応容器ごとの測定感度のむらを最小とし、高感度かつ高精度な反応検出を可能とする反応検出装置を提供する。
【解決手段】 本体3に構成された反応室4内に設けられて温度制御可能な反応ブロック6の上側に配置されて光を反射する反射板22と、本体3内に設けられた光源ランプ23及びカメラ27とを備え、光源ランプ23からの光を反射板22により反射して、各反応容器7に上方から入射させると共に、反応試料から上方に向かう蛍光などの光を反射板22により反射し、カメラ27に入射させる。
【解決手段】 本体3に構成された反応室4内に設けられて温度制御可能な反応ブロック6の上側に配置されて光を反射する反射板22と、本体3内に設けられた光源ランプ23及びカメラ27とを備え、光源ランプ23からの光を反射板22により反射して、各反応容器7に上方から入射させると共に、反応試料から上方に向かう蛍光などの光を反射板22により反射し、カメラ27に入射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や検体等から採取されたDNA(ディオキシリボ核酸)等の反応試料の温度を変化させて培養(増幅)等の反応を促進させると共に、当該反応状況、即ち、培養による増幅量の検出を行う反応検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、血液や検体等から採取されたDNA等の反応試料の増幅にインキュベータが用いられている。このインキュベータには、ホスホトリエステル法によるDNA或いはRNAの自動合成装置などがあり、反応器の外周を熱ブロックで覆い、この熱ブロックにペルチェ効果による加熱冷却機能を有したサーモモジュールを装着すると共に、サーモモジュールを埋設して構成されている。
【0003】
一般に、上記ホスホトリエステル法によるDNA等の合成方法は、マスキング・脱保護・乾燥・縮合の4工程をこの順で繰り返すことにより、DNAの増殖を促進する方法であり、そのために、前記合成装置では反応器内にDNAや各種試薬・溶液を混合した試料を入れ、前記サーミスタによってサーモモジュールの通電を制御して熱ブロックを+42℃に加熱することにより前記マスキング・乾燥・縮合の3工程を行うと共に、サーモモジュールの通電方向を変えて熱ブロックを+20℃に冷却することにより脱保護工程を行うように構成されている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
そして、このようなDNAの合成工程を複数回実行することにより、所定量にまでDNAの増幅を行う。この反応試料の増幅量を測定するため、従来では、合成の終了時において、インキュベータから反応容器を取り出し、別途設置される反応検出装置を用いてDNAの増幅量、即ち、反応液の濃度の測定を行っている。
【0005】
この場合に用いられる反応検出装置は、光学的測定法により反応物の増幅量を測定するものが一般的である。このような反応検出装置には、例えば特許文献2や特許文献3に示す如きものがある。ここで、図12の基本概念説明図を参照して、反応検出の基本原理を説明する。尚、液体状の反応試料である反応液は、検出目的とされる又は既知の反応試料の成分の励起要件、及び、発光、又は、放射特性に合うように選択された蛍光染料により調製されているものとする。
【0006】
そして、この反応液は、上面に開口する反応容器100に収容される。ここで、使用される反応容器100は、複数、この場合、96個の反応容器が平面上に連結されており、一度に複数の反応試料の測定を可能とするものである。また、この反応容器100の上面開口は、光透過性のフィルムやキャップなどの蓋部材101により、開閉自在に閉塞され、内部に収容された反応液の蒸発を抑制している。尚、図12における反応容器100は縦断側面図である。
【0007】
更に、この反応液を収容した反応容器100は、アルミニウム等の熱伝導性材料にて形成された反応ブロック102に収容される。この反応ブロック102は、各反応容器100を保持するための複数、本実施例では96個の保持穴が形成されており、各反応容器100が保持される。この反応ブロック102を加熱、冷却等の温度制御することで反応試料の培養(増幅)が行われる。尚、当該反応ブロック102に収容された反応容器100は、熱伝導性の良い押さえ部材103によって反応ブロック102に押さえつけられる。
【0008】
そして、この反応容器100の上方には、平板にて構成された反射板104が設けられる。この反射板104は、例えば反応容器100と平行する方向に光を照射する光源ランプ105からの光を反応容器100側に反射させるものである。この光源ランプ105と反射板104との間に位置する光路には、光源ランプ105から照射される光の成分のうち、蛍光を励起するのに必要な波長の光のみを透過するバンドパスフィルタ106が設けられている。これにより、光源ランプ105から照射された光は、バンドパスフィルタ106を介して反応試料が蛍光を励起するのに必要な波長の光のみとされた後、反応容器100の反応液に照射される。
【0009】
その後、反応容器100内の反応液は、蛍光染料の作用によって当該反応液中の反応試料の濃度に応じた蛍光を発する。当該蛍光及び反射光は、当該反応容器100の上方に位置して設けられるバンドパスフィルタ107を介して更にその上方に位置して設けられる反応検出手段を構成するカメラ108に照射される。尚、このバンドパスフィルタ107は、蛍光成分のみを透過するものであり、カメラ108には、蛍光のみが照射されることとなる。また、図12において、反射板104は、蛍光を透過する材料にて構成されているため、反応容器100の反応試料から発せられた蛍光は、前記反射板104を透過してカメラ108に照射されることとなる。
【0010】
そして、反応検出手段を構成するカメラ108にて撮影された蛍光を測定することで、反応試料の分析、即ち、反応試料や種類や濃度(増幅量)の検出を行うことが可能となる。
【特許文献1】実公昭62−44979号公報
【特許文献2】特開平10−201464号公報
【特許文献3】特開2003−329590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2に示す如き反応検出装置は、反応ブロックに収容された複数の反応容器に光学的に増幅反応を検出する装置を備えたものであるが、かかる構成では、一度にすべての反応容器の増幅反応を検出するために、光ファイバ線を用いることで、光源からの光を反応容器中に導いている。そのため、装置を構成する部品のコストが増大する問題がある。そこで、光ファイバ線によるコストの増大を回避するには、低コストにて光源からの光を反応容器中の反応試料に導く必要がある。また、高感度に反応液からの蛍光を受光するためには、反応容器の上方より光源からの光を導き、当該光源からの蛍光を含む反射光を反応検出手段にて受光する必要がある。なぜならば、反応容器は、反応ブロックに形成された保持穴に収容された状態で、当該内部に収容された反応液の分析を行う必要があるからである。
【0012】
しかし、この場合には、反応ブロックから上方に位置して光源や反応検出手段を設ける必要があるため、装置が大型化する問題がある。そこで、反応容器と反応検出手段との間の蛍光の光路を短くすることが望ましいが、当該距離が短縮させると、光源から照射され、反射板を介して反応容器の反応液に導かれる光は、当該反応ブロックの中央に位置する反応容器と、周辺部に位置する反応容器とでむらが生じる。即ち、図13に示されるように、カメラ104において検出される蛍光は、中央のものと周辺部のものとで受光状態にむらが生じる。これは、中央に位置する反応容器には、略平行の光が照射されることとなるが、周辺に位置する反応容器には、入射角度が90°ではないことから、当該反応容器の内壁によって影が生じ、光源からの入射光や、当該反応液からの蛍光や反射光の一部が欠けてしまう問題がある。
【0013】
そのため、中央に位置する反応容器内の反応液の検出感度に比して、周辺に位置する反応容器内の反応液の検出感度が著しく低下し、検出の信頼度が悪いことから、実際には、当該周辺に位置する反応容器内の反応液の検出は行えないという問題があった。
【0014】
そこで、この周辺に位置する反応容器内の反応液の検出感度を改善するためには、反応容器と反応検出手段との間の蛍光の光路を長くすることが考えられるが、この場合には、上述した如く本体の高さ寸法が大型化することとなる。また、この場合には、光路が長くなることで、全体の感度が悪くなるという問題もある。
【0015】
一方、反応ブロックに収容された反応容器は、測定対象を変更するごとに、納出作業を行わなければならない。かかる納出作業を行うためには、当該反応ブロック上方に所定の作業空間を形成しなければならず、そのためには、光源や反応検出手段を当該反応ブロック上方から撤去するか、反応ブロックごと光源等の下方から移動させる等の手段が必要となる。
【0016】
これに対し、光源や反応検出手段は、相当重量を要する装置であることから、当該光源や反応検出手段を移動可能に構成することは困難である。そのため、反応ブロックごと光源下方から移動させる必要があるが、この反応ブロック自体も相当重量を要するため、格別な搬送手段が必要となる。従って、光ファイバ線を使用しない場合であっても、格別な搬送手段を設けなければならないことから、高額な部品点数の増加によりコストが高騰する問題がある。
【0017】
また、特許文献3に示す如き反応検出装置は、反応液の入った毛管が平面上に一列に配置されているものであり、ミラーを走査手段によって、動かすことにより、各毛管に段階的に順次励起放射線を導き、それぞれ毛管を介した光を集束レンズに集束させることで、検出器に反応対象の情報を送る構成とされている。そのため、反応液には、側方から光を照射し、当該反応液を透過した光を集束レンズにて集束して検出器に導かれる構成であることから、各毛管は、平面上に一列に配置可能とする数しか一度に検出できず、検出数が制限されてしまう問題がある。更には、光源、走査手段を備えたミラー、反応ブロック、各毛管、集束レンズ、検出手段のすべてを平面上に構成しなければならず、装置自体の設置面積が大きくなるという問題がある。
【0018】
そこで、本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、装置自体の高さ寸法を低くすることで、省スペース化を実現することができると共に、各反応容器ごとの測定感度のむらを最小とし、高感度かつ高精度な反応検出を可能とする反応検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の反応検出装置は、本体に構成された反応室内に設けられて温度制御可能な反応ブロックにより、反応試料が収納された複数の反応容器、又は、複数のくぼみを有する反応容器を保持すると共に、反応容器に光を照射したときの反応試料からの光を検出するものであって、反応ブロックの上側に配置されて光を反射する反射手段と、本体内に設けられた光源及び検出手段とを備え、光源からの光を反射手段により反射して、反応容器に上方から入射させると共に、反応試料から上方に向かう光を反射手段により反射し、検出手段に入射させることを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明の反応検出装置は、上記発明において、反射手段から反応容器に入射する光を、当該反応容器に対して平行若しくは平行に近い光とする光集束手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明の反応検出装置は、上記発明において、光集束手段は、反射手段と反応容器間に位置する光学レンズであることを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明の反応検出装置は、上記発明において、光学レンズは、フレネルレンズであることを特徴とする。
【0023】
請求項5の発明の反応検出装置は、上記発明において、フレネルレンズは、凸面を下側として配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項6の発明の反応検出装置は、上記発明において、反応容器の上部に対応して当該反応容器を加熱する押さえ部材を備え、光学レンズと押さえ部材とを所定の間隔を存して一体化したことを特徴とする。
【0025】
請求項7の発明の反応検出装置は、請求項2の発明において、反射手段は、所定曲率の反射面を備え、光集束手段として機能することを特徴とする。
【0026】
請求項8の発明の反応検出装置は、上記各発明において、反応ブロックの上方に位置して反応室を開閉自在に閉塞し、反応室への外光の入射を遮断するカバーを備え、反射手段、又は、当該反射手段及び光集束手段を、カバーの内側に設けて一体に開閉自在としたことを特徴とする。
【0027】
請求項9の発明の反応検出装置は、上記発明において、カバーは、光源及び検出手段と反射手段との間の光の経路方向に移動して反応室を開閉自在とすると共に、開放状態において本体内に格納されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、本体に構成された反応室内に設けられて温度制御可能な反応ブロックにより、反応試料が収納された複数の反応容器、又は、複数のくぼみを有する反応容器を保持すると共に、反応容器に光を照射したときの反応試料からの光を検出する反応検出装置において、反応ブロックの上側に配置されて光を反射する反射手段と、本体内に設けられた光源及び検出手段とを備え、光源からの光を反射手段により反射して、反応容器に上方から入射させると共に、反応試料から上方に向かう光を反射手段により反射し、検出手段に入射させることにより、光源及び検出手段を反応ブロックの垂直上方に設ける必要が無くなるため、本体の高さを低くすることが可能となる。また、反射手段によって光源からの光を反応容器の上方から入射させることから、光路をのばすことなく、各反応容器ごとの測定感度のむらを最小とすることができる。そのため、小型化された装置によって、高感度で、かつ、高精度の反応検出を実現することができる。
【0029】
請求項2の発明によれば、上記発明において、反射手段から反応容器に入射する光を、当該反応容器に対して平行若しくは平行に近い光とする光集束手段を備えたことにより、反射手段から反射された光源からの光が光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光を当該光集束手段によって効果的に無駄なく反応容器内の反応試料に照射することが可能となる。そのため、中央に位置する反応容器だけでなく、周辺部に位置する反応容器についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることとなり、反応容器ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、より高感度な検出を実現することができるようになる。
【0030】
請求項3の発明によれば、上記発明において、光集束手段は、反射手段と反応容器間に位置する光学レンズであるため、反射手段を平板により構成することが可能となる。これにより、反射手段の構成を簡素化することができることとなり、容易に各反応容器に対しての平行若しくは平行に近い光の照射を実現することができるようになる。
【0031】
請求項4の発明によれば、上記発明において、光学レンズは、フレネルレンズであるため、当該フレネルレンズによるすべての反応容器に対して略真上から光を入射させることができ、効果的に光の照射により得られる像の歪みを修正することができる。そして、いずれの反応容器についても、中央に位置する反応容器と同様に欠けのない像を検出手段に入射させることが可能となることから、各反応容器の反応試料を、むらなく高い測定感度にて検出を行うことができる。
【0032】
また、当該フレネルレンズは、他の凸レンズに比して、比較的薄く構成されることから、構成物品の小型化を図ることが可能となり、本体内の構成を簡素化することができるようになる。
【0033】
請求項5の発明によれば、上記発明において、フレネルレンズは、凸面を下側として配置されていることから、当該フレネルレンズの凹凸を有する凸面を下側とすることで、上面に埃等が堆積する不都合を抑制することができる。また、当該フレネルレンズの上面に位置する面の清掃性を向上させることができ、安定した測定を実現することが可能となる。
【0034】
請求項6の発明によれば、上記発明において、反応容器の上部に対応して当該反応容器を加熱する押さえ部材を備え、光学レンズと押さえ部材とを所定の間隔を存して一体化したので、光学レンズと押さえ部材によって、加熱された空気を当該反応容器上部に保持することが可能となる。そのため、当該光学レンズの曇りの発生を解消することができ、検出能力の向上を図ることができるようになる。
【0035】
請求項7の発明によれば、請求項2の発明において、反射手段は、所定曲率の反射面を備え、光集束手段として機能するため、光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光源からの光を当該反射手段の反射面によって反射することで、効果的に無駄なく反応容器内の反応試料に照射することを実現することが可能となる。そのため、中央に位置する反応容器だけでなく、周辺部に位置する反応容器についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることとなり、反応容器ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、より高感度な検出を実現することができるようになる。また、かかる場合には、反射手段が光集束手段としても機能することから部品点数の削減を図ることが可能となり、構造の簡素化を図ることができるようになる。
【0036】
請求項8の発明によれば、上記各発明において、反応ブロックの上方に位置して反応室を開閉自在に閉塞し、反応室への外光の入射を遮断するカバーを備え、反射手段、又は、当該反射手段及び光集束手段を、カバーの内側に設けて一体に開閉自在としたので、カバーを開放することで、反応容器の上方から反射手段を撤去することができる。これにより、反応容器の納出作業を容易とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0037】
請求項9の発明によれば、上記発明において、カバーは、光源及び検出手段と反射手段との間の光の経路方向に移動して反応室を開閉自在とすると共に、開放状態において本体内に格納されるので、カバーの開放状態を考慮して装置を設置する必要がないため、より一層装置のコンパクト化を図ることができるようになる。また、カバーを開放した状態で、当該カバーが反応容器の納出作業の邪魔とならないことから、より一層反応容器の納出作業を容易とすることができ、利便性が向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本実施例の反応検出装置1の斜視図、図2は図1の反応検出装置1のカバー2を開放した状態の斜視図、図3は図1の反応検出装置1の内部構成を示す縦断側面図である。本実施例の反応検出装置1は、反応試料としての染色体DNA増殖を行うと共に、当該増殖に関する反応状態を光学的測定方法により検出を行う装置である。
【0039】
反応検出装置1は、上面に反応室4を形成した本体3と、当該反応室4の後方であって本体3の上面に配設された反応検出部5を備えている。そして、この反応室4には、アルミニウム等の熱伝導性材料にて形成された反応ブロック6が設けられている。この反応ブロック6には、内部にDNAや各種試薬、培地となる溶液等を混合した反応試料(反応液)を収容した複数の反応容器7を保持するための複数の保持穴8が形成されている。尚、当該反応容器7は、これ以外にも、複数のくぼみを有する反応容器であってもよいものとする。
【0040】
本実施例において用いられる反応容器7は、図4の平面図及び図5の側面図に示されるように、複数、実際には、縦に12個、横に8個、合計96個の反応容器7を一体に形成して構成される。尚、当該反応容器7の個数は、これに限られるものではなく、これ以外にも、例えば384個を一体に構成したものが、取り扱い性がよい。また、各反応容器7は、上面に開口して形成されており、当該上面開口は、反応液の温度処理による蒸発を阻止するため、蓋部材9が開閉自在に設けられる。この蓋部材9は、反応容器7と同様に、各反応容器7の上面開口に対して一体に形成して構成される。また、本実施例において、反応液の検出には、当該蓋部材9を透過して検出が行われることから、光学的に優れた材料にて構成されるフィルムやキャップなどが用いられる。
【0041】
そして、この本体2内には、反応ブロック6を加熱、冷却するペルチェ素子10を備えている。尚、このペルチェ素子10は、図示しない制御装置により温度制御されることで、反応ブロック6を加熱・冷却し、これにより、各反応容器7内の反応試料の培養(増幅)が行われる。
【0042】
この本体2の後端上面に設けられた反応検出部5から他端、本実施例では、反応室4が形成される本体2前端上方にわたって暗室構成部12が設けられる。この暗室構成部12の前面は、前方に向けて開放して形成されていると共に、この前面開口には、前方に向けて低く傾斜して形成される前記カバー2が開閉自在に設けられる。そして、このカバー2は、図2及び図3に示されるように、暗室構成部12の前方、即ち、本体2上面前部、から該暗室構成部12内後部にわたって構成されるレール部材13により、前後に移動可能に構成され、後方に移動した状態で該カバー2は、暗室構成部12内に収容される。尚、本実施例では、当該暗室構成部12の側面は、カバー2の両側面にわたって、当該カバー2の傾斜に沿って前方に向けて低く形成されているが、これに限らず、カバー自体を両側面を備える構成とし、両側面及び前面にて構成されるカバー全体を暗室構成部12内に収容可能としても良いものとする。
【0043】
そして、このカバー2内には、該カバー2が閉塞された状態で反応室4の反応ブロック6に臨んで反応容器7を反応ブロック6に押しつけるための押さえ部材15が一体に移動自在に設けられている。この押さえ部材15は、熱伝導性の良いアルミニウム材などにより構成される板材であり、図6及び図7に示すように、各反応容器7の上面開口に対応して複数の透孔16が形成されている。そして、この押さえ部材15の例えば両端には、上部加熱手段としてのヒータ17、17が設けられている。更に、この押さえ部材15には温度センサ18が設けられており、当該温度センサ18の出力に基づき前記制御装置によって、ヒータ17が温度制御される。これにより、反応容器7の上部や蓋部材9が結露する不都合が抑制される。
【0044】
更に、この押さえ部材15の上側には、連結部材20を介して光学レンズとしてのフレネルレンズ21が配設される。このフレネルレンズ21は、図7に模式的に図示するように、一般に平面上に複数の溝が形成されており、これによって、入射した光を屈折させて拡大するものである。このとき、フレネルレンズ21は、入射した光を屈折させて拡大するに際して、入射光を平行若しくは平行に近い状態に収束させて透過する光学特性を有しており、これにより、入射光は、各光路の歪みが修整された状態で、投光されることとなる。
【0045】
また、このとき、フレネルレンズ21は、連結部材20によって該レンズ21と押さえ部材15との間に空気を適切に保持する空間を構成している。そのため、カバー2が閉塞されている状態では、押さえ部材15に設けられるヒータ17にて加熱された空気が、反応容器7の上方で保持され、反応容器7上部の結露を効果的に防止している。また、該フレネルレンズ21は、反応容器7に直接触れない構成とされているため、反応容器7に付着した汚れ等によってフレネルレンズ21の曇りを生起し、これによって、光学特性に生じる変動を最小とされる。
【0046】
また、本実施例において、該フレネルレンズ21は、図7に示されるように、凸面を下側、即ち、反応ブロック6に臨んで配設されている。これにより、該フレネルレンズ21に形成された複数の溝に埃等が堆積する不都合を抑制することができ、清掃性が向上されると共に、該レンズを透過する光の歪みの発生を抑制することができる。尚、本実施例では、光学レンズとしてフレネルレンズ21を採用しているが、これ以外にも一般的な凸レンズにより構成しても良いが、フレネルレンズ21を採用することで、当該光学レンズを薄型に構成することが可能となる。そのため、反応検出部5内の構成を簡素化することができる。
【0047】
一方、反応ブロック6の上方において、反応室4の前上方を閉塞するカバー2の反応室4側を構成する面には、反射板22が配設される。本実施例における反射板22は、平板にて構成されるミラーなどから構成されており、詳細は後述する光源ランプ23からの光をフレネルレンズ21に向けて屈曲させるものである。
【0048】
他方、反応検出部5内には、図8及び図9の構成説明図に示されるように、光源ランプ23と、複数のバンドパスフィルタを備えたフィルタ装置35と、反射板26と、反応検出手段としてのカメラ27と、当該カメラ27にて得られた画像から測定対象物の分析を行う反応分析部28とを備えている。
【0049】
光源ランプ23は、反応液内の検出対象となる物質量に応じて当該反応液から蛍光を励起させるための励起光を含む光を照射するランプであり、一般にハロゲンランプが用いられる。反射板26は、光源ランプ23から照射された光を所定の角度に屈曲させることで、反射板22に偏光させるものである。また、この反射板26は、所定の蛍光を透過する性質を有している。本実施例では、反応検出部5の上部に配設される光源ランプ23からの光を当該反射板26によって前方に屈曲させることで、当該光源ランプ23の光が反射板22に照射される。
【0050】
フィルタ装置35は、数種類のバンドパスフィルタを輪状に配置することにより構成される装置であり、図示しない駆動装置により回転することで、光源ランプ23と反射板26との間や反射板22とカメラ27との間に所定のバンドパスフィルタを選択して位置させるものである。尚、図中、光源ランプ23と反射板26との間に位置させるものをバンドパスフィルタ24とし、反射板22とカメラ27との間に位置させるものをバンドパスフィルタ25とする。
【0051】
バンドパスフィルタ24は、光源ランプ23からの光の成分のうち、反応液から蛍光を励起するのに必要な波長の光だけを透過する性質を有する光学フィルタであり、当該フィルタ24を通過した光は、反応液の特定成分から蛍光を励起させるための励起光とされる。
【0052】
バンドパスフィルタ25は、反射板22を介して反応容器7の反応液から発する蛍光及び反射光から所定の蛍光成分だけを透過する性質を有する光学フィルタであり、ここで、当該蛍光以外の反射光は遮断される。
【0053】
カメラ27は、バンドパスフィルタ25を透過した蛍光を検出する装置であり、当該カメラ27にて検出された蛍光に基づき、反応分析部28にて、各反応液の濃度、即ち増幅量が分析される。尚、これらバンドパスフィルタ24、25は、検出対象となる反応液、更には、これに対応して用いられる蛍光染料の種類に基づいて、これらバンドパスフィルタ24、25の組み合わせが任意に決定され、選択的に使用されるものとする。
【0054】
尚、図1及び図2において、本体3の前面下部に設けられる30は、反応検出装置1の電源スイッチである。また、本体3の側面に設けられる31は、本体3内の排気を外部に排出するための排気口であり、反応検出部5の上面に設けられる32は、反応検出部5内の排熱を外部に排出するための排気口である。
【0055】
以上の構成により、前記制御装置は、前記ペルチェ素子10を制御し、反応ブロック6の保持穴8に保持された反応容器7内の反応液を例えば+94℃の熱変性温度とし、反応液を熱変性させる熱変性工程を行う。次いで、制御装置は、ペルチェ冷却素子10を制御し、反応ブロック6を例えば+37℃に冷却して、反応容器7内に収容されて熱変性された反応液中の反応試料のアニーリング工程と伸張工程を行う。制御装置は、この熱変性工程と、アニーリング工程と、伸張工程を1サイクルとして複数回、例えば30回繰り返すことにより、PCR法によるDNA等の培養(増幅)を行う。
【0056】
この培養の過程又は、終了時において、反応検出部5は、各反応容器7内の反応液の増幅状態を検出するため、任意に、又は、1サイクル終了後など、定期的に検出動作の実行を行う。検出動作は、まず、光源ランプ23から照射された光がバンドパスフィルタ24を介して反射板26に到達する。バンドパスフィルタ24は、光源ランプ23からの光のうち、蛍光を励起させるのに必要な波長の光、即ち、励起光だけを透過させる。当該励起光は、反射板26により暗室構成部12内を通過して反射板22方向に照射され、更に、反射板22によって当該励起光は、反応ブロック6に臨んで設けられるフレネルレンズ21に向けて、即ち、上から下方向に向かって照射される。
【0057】
当該フレネルレンズ21に照射された励起光は、当該レンズ21の光学特性により、光を集束し、反応ブロック6に収容される各反応容器7に対して平行若しくは、平行に近い角度に入射角度が変更される。これにより、当該レンズ21を透過した励起光は、押さえ部材15に形成された各透孔16を介して平行若しくは、平行に近い角度の入射角度にて各反応容器7に入射される。
【0058】
各反応容器7内に平行若しくは平行に近い角度にて入射された励起光は、予め所定の蛍光染料が添加された反応容器7内の反応試料に照射されることで、反応試料の量に応じた蛍光を発する。この発生した蛍光及びその他の反応試料からの反射光は、同様に押さえ部材15に形成された各透孔16及びフレネルレンズ21を介して反射板22に到達する。
【0059】
その後、反射板22に到達した蛍光及びその他の反射光は、該反射板22の作用によって暗室構成部12内を略水平方向に光路を形成しながら、当該反射板22に対向して設けられるバンドパスフィルタ25を介してカメラ27に到達する。尚、この場合において、暗室構成部12内は、カバー2が閉塞されていることにより、暗室とされていることから、蛍光が減衰等される不都合を抑制することができる。
【0060】
このとき、反射板26は、蛍光を透過可能とする材料にて構成されていることから、当該反射板26を透過した反射光及び蛍光は、バンドパスフィルタ25に照射されることとなる。バンドパスフィルタ25では、上述したように、当該フィルタ25の種類に応じて、所定の蛍光のみが透過可能とされているため、その後方に配設されるカメラ27には、所定の蛍光のみが照射されることとなる。
【0061】
そして、カメラ27では、受光された蛍光を撮影することにより、各反応容器7内の反応試料の蛍光状態を検出することができる。そして、この検出された各反応試料の蛍光状態は、反応分析部28において、分析されることにより、各試料の濃度、即ち、DNA等の増幅量を検出することが可能となる。尚、蛍光によりDNA等の増幅量を検出・分析する手法については、公知技術と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
また、本実施例において、反応容器7の納出作業を行う際には、図8及び図9に示すように、まず、カバー2の前端を少許後方に傾斜させた後、前記レール部材13に沿って後方に、即ち、光源ランプ23及びカメラ27と反射板22との間の光の経路方向に、摺動させる。これにより、カバー2は、開放状態において、暗室構成部12内に格納されると共に、反応ブロック6の上方は、開放されることとなる。そのため、当該カバー2が反応容器7の納出作業の邪魔とならないことから、容易に反応容器7の納出作業を行うことができる。尚、この場合において、反応容器7を反応ブロック6に押さえつけるための押さえ部材15や、フレネルレンズ21等は、カバー2と共に、後方に撤去され、暗室構成部12内に格納されることとなるため、反応容器7の上方は、カバー2を開放するという一動作によって容易に開放することが可能となり、利便性が向上される。
【0063】
また、かかるカバー2の構成によれば、カバー2の開放状態を考慮して装置を設置する必要がないため、より一層装置のコンパクト化を図ることができるようになる。そのため、ラックなどに当該反応検出装置1を複数台配置する場合において、カバー2の開放状態を考慮して配置する必要がなく、省スペース化を実現することができる。
【0064】
上述したように、本発明の反応検出装置1は、本体3に構成された反応室4内に設けられて温度制御可能な反応ブロック6により、反応試料が収納された複数の反応容器7を保持すると共に、反応容器7に光を照射したときの反応試料からの光を検出するものであって、本体3の一端、本実施例では本体3の上面の後端に反応試料からの光を検出する反応検出部5と、本体3の上面の他端、本実施例では前端であって、反応ブロック6の上方に位置するカバー2と、これらカバー2と反応検出部5間に暗室を構成する暗室構成部12を備え、カバー2は、内方から外方に向けて低く傾斜する傾斜面が形成されると共に、当該傾斜面の反応ブロック6側に位置する面には、反射板22が設けられ、反応ブロック6に収容される各反応容器7の上方に位置して、光学レンズとしてのフレネルレンズ21を備える。そして、反応検出部5には、光源ランプ23と、バンドパスフィルタ24、25と、検出手段としてのカメラ27や反応分析部28を備える。そして、光源ランプ23から上方に向かう光を反射板22により反射して、各反応容器7に上方から入射させると共に、反応容器7内の反応試料から上方に向かう光を反射板22により反射し、反応検出部5に入射させる。
【0065】
そのため、光源ランプ23やバンドパスフィルタ24、25、反射板26、カメラ27及び反応分析部28等が配設される反応検出部5を反応ブロック6の垂直上方に設ける必要がなくなるため、反応検出装置1自体の高さ寸法を低く形成することが可能となる。また、反射板22によって光源ランプ23からの光を各反応容器7の上方から入射させることができるようになるため、光路をのばすことなく、各反応容器7ごとの測定感度のむらを最小とすることができる。そのため、小型化された装置によって、高感度で、かつ、高精度の反応検出を実現することができるようになる。
【0066】
特に、本実施例では、光集束手段として、反射板22から各反応容器7に入射する光を、該反応容器7に対して平行若しくは平行に近い光とするフレネルレンズ(光学レンズ)21が設けられていることから、反射板22から反射された光源ランプ23からの光が光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光をこのレンズ21によって効果的に無駄なく反応容器7内の反応試料に照射することが可能となる。
【0067】
そのため、中央に配置された反応容器7だけでなく、周辺部に配置された反応容器7についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることから、実際に本実施例によってカメラ27により検出された画像を示す図10に示されるように、反応容器7ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、反応容器7の配置位置に影響されることなく高感度な検出を実現することができるようになる。
【0068】
特に、本実施例において、光学レンズとしてのフレネルレンズ21は、反射板22と反応容器7の間に位置して設けられることから、反射板22を平板により構成することが可能となる。そのため、反射板22の構成を簡素化しながら、容易に各反応容器7に対して平行若しくは平行に近い光の照射を実現することができるようになる。
【0069】
また、本実施例において用いられるフレネルレンズ21は、すべての反応容器7に対して、略真上から光を入射させることができ、効果的に光の照射により得られる像の歪みを修正することができる。そして、いずれの反応容器7についても、中央に位置する反応容器7と同様に欠けのない像を検出手段に入射させることが可能となることから、各反応容器7の反応試料を、むらなく高い測定感度にて検出を行うことができる。
【0070】
更にまた、詳細は詳述した如く反応容器7を加熱する押さえ部材15は、フレネルレンズ21と押さえ部材15とを所定の間隔を存して一体化して構成されているため、該レンズ21と押さえ部材15によって、加熱された空気を当該反応容器7上部に保持することが可能となる。そのため、当該フレネルレンズ21の曇りの発生を解消することができ、当該曇りによる影響を回避することで、検出能力の向上を図ることができるようになる。
【0071】
尚、上記実施例においては、光集束手段として、フレネルレンズ21等の光学レンズを使用しているが、これに限られるものではない。即ち、図11に示す他の実施例としての反応検出装置29のように、光集束手段として、カバー2の反応室4側を構成する面に設けられた所定曲率の反射面を備えた反射板40、例えば非球面の反射板などにより構成しても良いものとする。
【0072】
当該反射板40は、光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光源ランプ23からの光を効果的に無駄なく各反応容器7内の反応試料に照射可能とする曲率にて形成された反射面を備えることから、上記実施例と同様に、中央に配置された反応容器7だけでなく、周辺部に配置された反応容器7についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることとなり、反応容器7ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、より高感度な検出を実現することができるようになる。また、かかる場合には、反射板40が反射機能を有すると共に光集束手段としても機能することから部品点数の削減を図ることが可能となり、構造の簡素化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施例の反応検出装置の斜視図である。
【図2】図1の反応検出装置のカバーを開放した状態の斜視図である。
【図3】図1の反応検出装置の内部構成を示す縦断側面図である。
【図4】各反応容器の平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】押さえ部材の平面図である。
【図7】押さえ部材及びフレネルレンズの縦断側面図である。
【図8】反応検出装置の一部拡大概略構成図であって、カバーを少許後方に傾斜させた状態を示す図である。
【図9】図8におけるカバーを暗室構成部内に収容した状態を示す図である。
【図10】本実施例により得られた検出画像を示す図である。
【図11】他の実施例の反応検出装置の内部構成を示す縦断側面図である。
【図12】光学的測定法の基本概念説明図である。
【図13】従来の光学的測定により得られた検出画像を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1、29 反応検出装置
2 カバー
3 本体
4 反応室
5 反応検出部
6 反応ブロック
7 反応容器
8 保持穴
9 蓋部材
10 ペルチェ素子
12 暗室構成部
15 押さえ部材
16 透孔
20 連結部材
21 フレネルレンズ(光学レンズ)
22、26、40 反射板
23 光源ランプ(ハロゲンランプ)
24、25 バンドパスフィルタ
27 カメラ
28 反応分析部
35 フィルタ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や検体等から採取されたDNA(ディオキシリボ核酸)等の反応試料の温度を変化させて培養(増幅)等の反応を促進させると共に、当該反応状況、即ち、培養による増幅量の検出を行う反応検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、血液や検体等から採取されたDNA等の反応試料の増幅にインキュベータが用いられている。このインキュベータには、ホスホトリエステル法によるDNA或いはRNAの自動合成装置などがあり、反応器の外周を熱ブロックで覆い、この熱ブロックにペルチェ効果による加熱冷却機能を有したサーモモジュールを装着すると共に、サーモモジュールを埋設して構成されている。
【0003】
一般に、上記ホスホトリエステル法によるDNA等の合成方法は、マスキング・脱保護・乾燥・縮合の4工程をこの順で繰り返すことにより、DNAの増殖を促進する方法であり、そのために、前記合成装置では反応器内にDNAや各種試薬・溶液を混合した試料を入れ、前記サーミスタによってサーモモジュールの通電を制御して熱ブロックを+42℃に加熱することにより前記マスキング・乾燥・縮合の3工程を行うと共に、サーモモジュールの通電方向を変えて熱ブロックを+20℃に冷却することにより脱保護工程を行うように構成されている(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
そして、このようなDNAの合成工程を複数回実行することにより、所定量にまでDNAの増幅を行う。この反応試料の増幅量を測定するため、従来では、合成の終了時において、インキュベータから反応容器を取り出し、別途設置される反応検出装置を用いてDNAの増幅量、即ち、反応液の濃度の測定を行っている。
【0005】
この場合に用いられる反応検出装置は、光学的測定法により反応物の増幅量を測定するものが一般的である。このような反応検出装置には、例えば特許文献2や特許文献3に示す如きものがある。ここで、図12の基本概念説明図を参照して、反応検出の基本原理を説明する。尚、液体状の反応試料である反応液は、検出目的とされる又は既知の反応試料の成分の励起要件、及び、発光、又は、放射特性に合うように選択された蛍光染料により調製されているものとする。
【0006】
そして、この反応液は、上面に開口する反応容器100に収容される。ここで、使用される反応容器100は、複数、この場合、96個の反応容器が平面上に連結されており、一度に複数の反応試料の測定を可能とするものである。また、この反応容器100の上面開口は、光透過性のフィルムやキャップなどの蓋部材101により、開閉自在に閉塞され、内部に収容された反応液の蒸発を抑制している。尚、図12における反応容器100は縦断側面図である。
【0007】
更に、この反応液を収容した反応容器100は、アルミニウム等の熱伝導性材料にて形成された反応ブロック102に収容される。この反応ブロック102は、各反応容器100を保持するための複数、本実施例では96個の保持穴が形成されており、各反応容器100が保持される。この反応ブロック102を加熱、冷却等の温度制御することで反応試料の培養(増幅)が行われる。尚、当該反応ブロック102に収容された反応容器100は、熱伝導性の良い押さえ部材103によって反応ブロック102に押さえつけられる。
【0008】
そして、この反応容器100の上方には、平板にて構成された反射板104が設けられる。この反射板104は、例えば反応容器100と平行する方向に光を照射する光源ランプ105からの光を反応容器100側に反射させるものである。この光源ランプ105と反射板104との間に位置する光路には、光源ランプ105から照射される光の成分のうち、蛍光を励起するのに必要な波長の光のみを透過するバンドパスフィルタ106が設けられている。これにより、光源ランプ105から照射された光は、バンドパスフィルタ106を介して反応試料が蛍光を励起するのに必要な波長の光のみとされた後、反応容器100の反応液に照射される。
【0009】
その後、反応容器100内の反応液は、蛍光染料の作用によって当該反応液中の反応試料の濃度に応じた蛍光を発する。当該蛍光及び反射光は、当該反応容器100の上方に位置して設けられるバンドパスフィルタ107を介して更にその上方に位置して設けられる反応検出手段を構成するカメラ108に照射される。尚、このバンドパスフィルタ107は、蛍光成分のみを透過するものであり、カメラ108には、蛍光のみが照射されることとなる。また、図12において、反射板104は、蛍光を透過する材料にて構成されているため、反応容器100の反応試料から発せられた蛍光は、前記反射板104を透過してカメラ108に照射されることとなる。
【0010】
そして、反応検出手段を構成するカメラ108にて撮影された蛍光を測定することで、反応試料の分析、即ち、反応試料や種類や濃度(増幅量)の検出を行うことが可能となる。
【特許文献1】実公昭62−44979号公報
【特許文献2】特開平10−201464号公報
【特許文献3】特開2003−329590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2に示す如き反応検出装置は、反応ブロックに収容された複数の反応容器に光学的に増幅反応を検出する装置を備えたものであるが、かかる構成では、一度にすべての反応容器の増幅反応を検出するために、光ファイバ線を用いることで、光源からの光を反応容器中に導いている。そのため、装置を構成する部品のコストが増大する問題がある。そこで、光ファイバ線によるコストの増大を回避するには、低コストにて光源からの光を反応容器中の反応試料に導く必要がある。また、高感度に反応液からの蛍光を受光するためには、反応容器の上方より光源からの光を導き、当該光源からの蛍光を含む反射光を反応検出手段にて受光する必要がある。なぜならば、反応容器は、反応ブロックに形成された保持穴に収容された状態で、当該内部に収容された反応液の分析を行う必要があるからである。
【0012】
しかし、この場合には、反応ブロックから上方に位置して光源や反応検出手段を設ける必要があるため、装置が大型化する問題がある。そこで、反応容器と反応検出手段との間の蛍光の光路を短くすることが望ましいが、当該距離が短縮させると、光源から照射され、反射板を介して反応容器の反応液に導かれる光は、当該反応ブロックの中央に位置する反応容器と、周辺部に位置する反応容器とでむらが生じる。即ち、図13に示されるように、カメラ104において検出される蛍光は、中央のものと周辺部のものとで受光状態にむらが生じる。これは、中央に位置する反応容器には、略平行の光が照射されることとなるが、周辺に位置する反応容器には、入射角度が90°ではないことから、当該反応容器の内壁によって影が生じ、光源からの入射光や、当該反応液からの蛍光や反射光の一部が欠けてしまう問題がある。
【0013】
そのため、中央に位置する反応容器内の反応液の検出感度に比して、周辺に位置する反応容器内の反応液の検出感度が著しく低下し、検出の信頼度が悪いことから、実際には、当該周辺に位置する反応容器内の反応液の検出は行えないという問題があった。
【0014】
そこで、この周辺に位置する反応容器内の反応液の検出感度を改善するためには、反応容器と反応検出手段との間の蛍光の光路を長くすることが考えられるが、この場合には、上述した如く本体の高さ寸法が大型化することとなる。また、この場合には、光路が長くなることで、全体の感度が悪くなるという問題もある。
【0015】
一方、反応ブロックに収容された反応容器は、測定対象を変更するごとに、納出作業を行わなければならない。かかる納出作業を行うためには、当該反応ブロック上方に所定の作業空間を形成しなければならず、そのためには、光源や反応検出手段を当該反応ブロック上方から撤去するか、反応ブロックごと光源等の下方から移動させる等の手段が必要となる。
【0016】
これに対し、光源や反応検出手段は、相当重量を要する装置であることから、当該光源や反応検出手段を移動可能に構成することは困難である。そのため、反応ブロックごと光源下方から移動させる必要があるが、この反応ブロック自体も相当重量を要するため、格別な搬送手段が必要となる。従って、光ファイバ線を使用しない場合であっても、格別な搬送手段を設けなければならないことから、高額な部品点数の増加によりコストが高騰する問題がある。
【0017】
また、特許文献3に示す如き反応検出装置は、反応液の入った毛管が平面上に一列に配置されているものであり、ミラーを走査手段によって、動かすことにより、各毛管に段階的に順次励起放射線を導き、それぞれ毛管を介した光を集束レンズに集束させることで、検出器に反応対象の情報を送る構成とされている。そのため、反応液には、側方から光を照射し、当該反応液を透過した光を集束レンズにて集束して検出器に導かれる構成であることから、各毛管は、平面上に一列に配置可能とする数しか一度に検出できず、検出数が制限されてしまう問題がある。更には、光源、走査手段を備えたミラー、反応ブロック、各毛管、集束レンズ、検出手段のすべてを平面上に構成しなければならず、装置自体の設置面積が大きくなるという問題がある。
【0018】
そこで、本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、装置自体の高さ寸法を低くすることで、省スペース化を実現することができると共に、各反応容器ごとの測定感度のむらを最小とし、高感度かつ高精度な反応検出を可能とする反応検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の反応検出装置は、本体に構成された反応室内に設けられて温度制御可能な反応ブロックにより、反応試料が収納された複数の反応容器、又は、複数のくぼみを有する反応容器を保持すると共に、反応容器に光を照射したときの反応試料からの光を検出するものであって、反応ブロックの上側に配置されて光を反射する反射手段と、本体内に設けられた光源及び検出手段とを備え、光源からの光を反射手段により反射して、反応容器に上方から入射させると共に、反応試料から上方に向かう光を反射手段により反射し、検出手段に入射させることを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明の反応検出装置は、上記発明において、反射手段から反応容器に入射する光を、当該反応容器に対して平行若しくは平行に近い光とする光集束手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明の反応検出装置は、上記発明において、光集束手段は、反射手段と反応容器間に位置する光学レンズであることを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明の反応検出装置は、上記発明において、光学レンズは、フレネルレンズであることを特徴とする。
【0023】
請求項5の発明の反応検出装置は、上記発明において、フレネルレンズは、凸面を下側として配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項6の発明の反応検出装置は、上記発明において、反応容器の上部に対応して当該反応容器を加熱する押さえ部材を備え、光学レンズと押さえ部材とを所定の間隔を存して一体化したことを特徴とする。
【0025】
請求項7の発明の反応検出装置は、請求項2の発明において、反射手段は、所定曲率の反射面を備え、光集束手段として機能することを特徴とする。
【0026】
請求項8の発明の反応検出装置は、上記各発明において、反応ブロックの上方に位置して反応室を開閉自在に閉塞し、反応室への外光の入射を遮断するカバーを備え、反射手段、又は、当該反射手段及び光集束手段を、カバーの内側に設けて一体に開閉自在としたことを特徴とする。
【0027】
請求項9の発明の反応検出装置は、上記発明において、カバーは、光源及び検出手段と反射手段との間の光の経路方向に移動して反応室を開閉自在とすると共に、開放状態において本体内に格納されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、本体に構成された反応室内に設けられて温度制御可能な反応ブロックにより、反応試料が収納された複数の反応容器、又は、複数のくぼみを有する反応容器を保持すると共に、反応容器に光を照射したときの反応試料からの光を検出する反応検出装置において、反応ブロックの上側に配置されて光を反射する反射手段と、本体内に設けられた光源及び検出手段とを備え、光源からの光を反射手段により反射して、反応容器に上方から入射させると共に、反応試料から上方に向かう光を反射手段により反射し、検出手段に入射させることにより、光源及び検出手段を反応ブロックの垂直上方に設ける必要が無くなるため、本体の高さを低くすることが可能となる。また、反射手段によって光源からの光を反応容器の上方から入射させることから、光路をのばすことなく、各反応容器ごとの測定感度のむらを最小とすることができる。そのため、小型化された装置によって、高感度で、かつ、高精度の反応検出を実現することができる。
【0029】
請求項2の発明によれば、上記発明において、反射手段から反応容器に入射する光を、当該反応容器に対して平行若しくは平行に近い光とする光集束手段を備えたことにより、反射手段から反射された光源からの光が光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光を当該光集束手段によって効果的に無駄なく反応容器内の反応試料に照射することが可能となる。そのため、中央に位置する反応容器だけでなく、周辺部に位置する反応容器についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることとなり、反応容器ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、より高感度な検出を実現することができるようになる。
【0030】
請求項3の発明によれば、上記発明において、光集束手段は、反射手段と反応容器間に位置する光学レンズであるため、反射手段を平板により構成することが可能となる。これにより、反射手段の構成を簡素化することができることとなり、容易に各反応容器に対しての平行若しくは平行に近い光の照射を実現することができるようになる。
【0031】
請求項4の発明によれば、上記発明において、光学レンズは、フレネルレンズであるため、当該フレネルレンズによるすべての反応容器に対して略真上から光を入射させることができ、効果的に光の照射により得られる像の歪みを修正することができる。そして、いずれの反応容器についても、中央に位置する反応容器と同様に欠けのない像を検出手段に入射させることが可能となることから、各反応容器の反応試料を、むらなく高い測定感度にて検出を行うことができる。
【0032】
また、当該フレネルレンズは、他の凸レンズに比して、比較的薄く構成されることから、構成物品の小型化を図ることが可能となり、本体内の構成を簡素化することができるようになる。
【0033】
請求項5の発明によれば、上記発明において、フレネルレンズは、凸面を下側として配置されていることから、当該フレネルレンズの凹凸を有する凸面を下側とすることで、上面に埃等が堆積する不都合を抑制することができる。また、当該フレネルレンズの上面に位置する面の清掃性を向上させることができ、安定した測定を実現することが可能となる。
【0034】
請求項6の発明によれば、上記発明において、反応容器の上部に対応して当該反応容器を加熱する押さえ部材を備え、光学レンズと押さえ部材とを所定の間隔を存して一体化したので、光学レンズと押さえ部材によって、加熱された空気を当該反応容器上部に保持することが可能となる。そのため、当該光学レンズの曇りの発生を解消することができ、検出能力の向上を図ることができるようになる。
【0035】
請求項7の発明によれば、請求項2の発明において、反射手段は、所定曲率の反射面を備え、光集束手段として機能するため、光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光源からの光を当該反射手段の反射面によって反射することで、効果的に無駄なく反応容器内の反応試料に照射することを実現することが可能となる。そのため、中央に位置する反応容器だけでなく、周辺部に位置する反応容器についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることとなり、反応容器ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、より高感度な検出を実現することができるようになる。また、かかる場合には、反射手段が光集束手段としても機能することから部品点数の削減を図ることが可能となり、構造の簡素化を図ることができるようになる。
【0036】
請求項8の発明によれば、上記各発明において、反応ブロックの上方に位置して反応室を開閉自在に閉塞し、反応室への外光の入射を遮断するカバーを備え、反射手段、又は、当該反射手段及び光集束手段を、カバーの内側に設けて一体に開閉自在としたので、カバーを開放することで、反応容器の上方から反射手段を撤去することができる。これにより、反応容器の納出作業を容易とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0037】
請求項9の発明によれば、上記発明において、カバーは、光源及び検出手段と反射手段との間の光の経路方向に移動して反応室を開閉自在とすると共に、開放状態において本体内に格納されるので、カバーの開放状態を考慮して装置を設置する必要がないため、より一層装置のコンパクト化を図ることができるようになる。また、カバーを開放した状態で、当該カバーが反応容器の納出作業の邪魔とならないことから、より一層反応容器の納出作業を容易とすることができ、利便性が向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本実施例の反応検出装置1の斜視図、図2は図1の反応検出装置1のカバー2を開放した状態の斜視図、図3は図1の反応検出装置1の内部構成を示す縦断側面図である。本実施例の反応検出装置1は、反応試料としての染色体DNA増殖を行うと共に、当該増殖に関する反応状態を光学的測定方法により検出を行う装置である。
【0039】
反応検出装置1は、上面に反応室4を形成した本体3と、当該反応室4の後方であって本体3の上面に配設された反応検出部5を備えている。そして、この反応室4には、アルミニウム等の熱伝導性材料にて形成された反応ブロック6が設けられている。この反応ブロック6には、内部にDNAや各種試薬、培地となる溶液等を混合した反応試料(反応液)を収容した複数の反応容器7を保持するための複数の保持穴8が形成されている。尚、当該反応容器7は、これ以外にも、複数のくぼみを有する反応容器であってもよいものとする。
【0040】
本実施例において用いられる反応容器7は、図4の平面図及び図5の側面図に示されるように、複数、実際には、縦に12個、横に8個、合計96個の反応容器7を一体に形成して構成される。尚、当該反応容器7の個数は、これに限られるものではなく、これ以外にも、例えば384個を一体に構成したものが、取り扱い性がよい。また、各反応容器7は、上面に開口して形成されており、当該上面開口は、反応液の温度処理による蒸発を阻止するため、蓋部材9が開閉自在に設けられる。この蓋部材9は、反応容器7と同様に、各反応容器7の上面開口に対して一体に形成して構成される。また、本実施例において、反応液の検出には、当該蓋部材9を透過して検出が行われることから、光学的に優れた材料にて構成されるフィルムやキャップなどが用いられる。
【0041】
そして、この本体2内には、反応ブロック6を加熱、冷却するペルチェ素子10を備えている。尚、このペルチェ素子10は、図示しない制御装置により温度制御されることで、反応ブロック6を加熱・冷却し、これにより、各反応容器7内の反応試料の培養(増幅)が行われる。
【0042】
この本体2の後端上面に設けられた反応検出部5から他端、本実施例では、反応室4が形成される本体2前端上方にわたって暗室構成部12が設けられる。この暗室構成部12の前面は、前方に向けて開放して形成されていると共に、この前面開口には、前方に向けて低く傾斜して形成される前記カバー2が開閉自在に設けられる。そして、このカバー2は、図2及び図3に示されるように、暗室構成部12の前方、即ち、本体2上面前部、から該暗室構成部12内後部にわたって構成されるレール部材13により、前後に移動可能に構成され、後方に移動した状態で該カバー2は、暗室構成部12内に収容される。尚、本実施例では、当該暗室構成部12の側面は、カバー2の両側面にわたって、当該カバー2の傾斜に沿って前方に向けて低く形成されているが、これに限らず、カバー自体を両側面を備える構成とし、両側面及び前面にて構成されるカバー全体を暗室構成部12内に収容可能としても良いものとする。
【0043】
そして、このカバー2内には、該カバー2が閉塞された状態で反応室4の反応ブロック6に臨んで反応容器7を反応ブロック6に押しつけるための押さえ部材15が一体に移動自在に設けられている。この押さえ部材15は、熱伝導性の良いアルミニウム材などにより構成される板材であり、図6及び図7に示すように、各反応容器7の上面開口に対応して複数の透孔16が形成されている。そして、この押さえ部材15の例えば両端には、上部加熱手段としてのヒータ17、17が設けられている。更に、この押さえ部材15には温度センサ18が設けられており、当該温度センサ18の出力に基づき前記制御装置によって、ヒータ17が温度制御される。これにより、反応容器7の上部や蓋部材9が結露する不都合が抑制される。
【0044】
更に、この押さえ部材15の上側には、連結部材20を介して光学レンズとしてのフレネルレンズ21が配設される。このフレネルレンズ21は、図7に模式的に図示するように、一般に平面上に複数の溝が形成されており、これによって、入射した光を屈折させて拡大するものである。このとき、フレネルレンズ21は、入射した光を屈折させて拡大するに際して、入射光を平行若しくは平行に近い状態に収束させて透過する光学特性を有しており、これにより、入射光は、各光路の歪みが修整された状態で、投光されることとなる。
【0045】
また、このとき、フレネルレンズ21は、連結部材20によって該レンズ21と押さえ部材15との間に空気を適切に保持する空間を構成している。そのため、カバー2が閉塞されている状態では、押さえ部材15に設けられるヒータ17にて加熱された空気が、反応容器7の上方で保持され、反応容器7上部の結露を効果的に防止している。また、該フレネルレンズ21は、反応容器7に直接触れない構成とされているため、反応容器7に付着した汚れ等によってフレネルレンズ21の曇りを生起し、これによって、光学特性に生じる変動を最小とされる。
【0046】
また、本実施例において、該フレネルレンズ21は、図7に示されるように、凸面を下側、即ち、反応ブロック6に臨んで配設されている。これにより、該フレネルレンズ21に形成された複数の溝に埃等が堆積する不都合を抑制することができ、清掃性が向上されると共に、該レンズを透過する光の歪みの発生を抑制することができる。尚、本実施例では、光学レンズとしてフレネルレンズ21を採用しているが、これ以外にも一般的な凸レンズにより構成しても良いが、フレネルレンズ21を採用することで、当該光学レンズを薄型に構成することが可能となる。そのため、反応検出部5内の構成を簡素化することができる。
【0047】
一方、反応ブロック6の上方において、反応室4の前上方を閉塞するカバー2の反応室4側を構成する面には、反射板22が配設される。本実施例における反射板22は、平板にて構成されるミラーなどから構成されており、詳細は後述する光源ランプ23からの光をフレネルレンズ21に向けて屈曲させるものである。
【0048】
他方、反応検出部5内には、図8及び図9の構成説明図に示されるように、光源ランプ23と、複数のバンドパスフィルタを備えたフィルタ装置35と、反射板26と、反応検出手段としてのカメラ27と、当該カメラ27にて得られた画像から測定対象物の分析を行う反応分析部28とを備えている。
【0049】
光源ランプ23は、反応液内の検出対象となる物質量に応じて当該反応液から蛍光を励起させるための励起光を含む光を照射するランプであり、一般にハロゲンランプが用いられる。反射板26は、光源ランプ23から照射された光を所定の角度に屈曲させることで、反射板22に偏光させるものである。また、この反射板26は、所定の蛍光を透過する性質を有している。本実施例では、反応検出部5の上部に配設される光源ランプ23からの光を当該反射板26によって前方に屈曲させることで、当該光源ランプ23の光が反射板22に照射される。
【0050】
フィルタ装置35は、数種類のバンドパスフィルタを輪状に配置することにより構成される装置であり、図示しない駆動装置により回転することで、光源ランプ23と反射板26との間や反射板22とカメラ27との間に所定のバンドパスフィルタを選択して位置させるものである。尚、図中、光源ランプ23と反射板26との間に位置させるものをバンドパスフィルタ24とし、反射板22とカメラ27との間に位置させるものをバンドパスフィルタ25とする。
【0051】
バンドパスフィルタ24は、光源ランプ23からの光の成分のうち、反応液から蛍光を励起するのに必要な波長の光だけを透過する性質を有する光学フィルタであり、当該フィルタ24を通過した光は、反応液の特定成分から蛍光を励起させるための励起光とされる。
【0052】
バンドパスフィルタ25は、反射板22を介して反応容器7の反応液から発する蛍光及び反射光から所定の蛍光成分だけを透過する性質を有する光学フィルタであり、ここで、当該蛍光以外の反射光は遮断される。
【0053】
カメラ27は、バンドパスフィルタ25を透過した蛍光を検出する装置であり、当該カメラ27にて検出された蛍光に基づき、反応分析部28にて、各反応液の濃度、即ち増幅量が分析される。尚、これらバンドパスフィルタ24、25は、検出対象となる反応液、更には、これに対応して用いられる蛍光染料の種類に基づいて、これらバンドパスフィルタ24、25の組み合わせが任意に決定され、選択的に使用されるものとする。
【0054】
尚、図1及び図2において、本体3の前面下部に設けられる30は、反応検出装置1の電源スイッチである。また、本体3の側面に設けられる31は、本体3内の排気を外部に排出するための排気口であり、反応検出部5の上面に設けられる32は、反応検出部5内の排熱を外部に排出するための排気口である。
【0055】
以上の構成により、前記制御装置は、前記ペルチェ素子10を制御し、反応ブロック6の保持穴8に保持された反応容器7内の反応液を例えば+94℃の熱変性温度とし、反応液を熱変性させる熱変性工程を行う。次いで、制御装置は、ペルチェ冷却素子10を制御し、反応ブロック6を例えば+37℃に冷却して、反応容器7内に収容されて熱変性された反応液中の反応試料のアニーリング工程と伸張工程を行う。制御装置は、この熱変性工程と、アニーリング工程と、伸張工程を1サイクルとして複数回、例えば30回繰り返すことにより、PCR法によるDNA等の培養(増幅)を行う。
【0056】
この培養の過程又は、終了時において、反応検出部5は、各反応容器7内の反応液の増幅状態を検出するため、任意に、又は、1サイクル終了後など、定期的に検出動作の実行を行う。検出動作は、まず、光源ランプ23から照射された光がバンドパスフィルタ24を介して反射板26に到達する。バンドパスフィルタ24は、光源ランプ23からの光のうち、蛍光を励起させるのに必要な波長の光、即ち、励起光だけを透過させる。当該励起光は、反射板26により暗室構成部12内を通過して反射板22方向に照射され、更に、反射板22によって当該励起光は、反応ブロック6に臨んで設けられるフレネルレンズ21に向けて、即ち、上から下方向に向かって照射される。
【0057】
当該フレネルレンズ21に照射された励起光は、当該レンズ21の光学特性により、光を集束し、反応ブロック6に収容される各反応容器7に対して平行若しくは、平行に近い角度に入射角度が変更される。これにより、当該レンズ21を透過した励起光は、押さえ部材15に形成された各透孔16を介して平行若しくは、平行に近い角度の入射角度にて各反応容器7に入射される。
【0058】
各反応容器7内に平行若しくは平行に近い角度にて入射された励起光は、予め所定の蛍光染料が添加された反応容器7内の反応試料に照射されることで、反応試料の量に応じた蛍光を発する。この発生した蛍光及びその他の反応試料からの反射光は、同様に押さえ部材15に形成された各透孔16及びフレネルレンズ21を介して反射板22に到達する。
【0059】
その後、反射板22に到達した蛍光及びその他の反射光は、該反射板22の作用によって暗室構成部12内を略水平方向に光路を形成しながら、当該反射板22に対向して設けられるバンドパスフィルタ25を介してカメラ27に到達する。尚、この場合において、暗室構成部12内は、カバー2が閉塞されていることにより、暗室とされていることから、蛍光が減衰等される不都合を抑制することができる。
【0060】
このとき、反射板26は、蛍光を透過可能とする材料にて構成されていることから、当該反射板26を透過した反射光及び蛍光は、バンドパスフィルタ25に照射されることとなる。バンドパスフィルタ25では、上述したように、当該フィルタ25の種類に応じて、所定の蛍光のみが透過可能とされているため、その後方に配設されるカメラ27には、所定の蛍光のみが照射されることとなる。
【0061】
そして、カメラ27では、受光された蛍光を撮影することにより、各反応容器7内の反応試料の蛍光状態を検出することができる。そして、この検出された各反応試料の蛍光状態は、反応分析部28において、分析されることにより、各試料の濃度、即ち、DNA等の増幅量を検出することが可能となる。尚、蛍光によりDNA等の増幅量を検出・分析する手法については、公知技術と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
また、本実施例において、反応容器7の納出作業を行う際には、図8及び図9に示すように、まず、カバー2の前端を少許後方に傾斜させた後、前記レール部材13に沿って後方に、即ち、光源ランプ23及びカメラ27と反射板22との間の光の経路方向に、摺動させる。これにより、カバー2は、開放状態において、暗室構成部12内に格納されると共に、反応ブロック6の上方は、開放されることとなる。そのため、当該カバー2が反応容器7の納出作業の邪魔とならないことから、容易に反応容器7の納出作業を行うことができる。尚、この場合において、反応容器7を反応ブロック6に押さえつけるための押さえ部材15や、フレネルレンズ21等は、カバー2と共に、後方に撤去され、暗室構成部12内に格納されることとなるため、反応容器7の上方は、カバー2を開放するという一動作によって容易に開放することが可能となり、利便性が向上される。
【0063】
また、かかるカバー2の構成によれば、カバー2の開放状態を考慮して装置を設置する必要がないため、より一層装置のコンパクト化を図ることができるようになる。そのため、ラックなどに当該反応検出装置1を複数台配置する場合において、カバー2の開放状態を考慮して配置する必要がなく、省スペース化を実現することができる。
【0064】
上述したように、本発明の反応検出装置1は、本体3に構成された反応室4内に設けられて温度制御可能な反応ブロック6により、反応試料が収納された複数の反応容器7を保持すると共に、反応容器7に光を照射したときの反応試料からの光を検出するものであって、本体3の一端、本実施例では本体3の上面の後端に反応試料からの光を検出する反応検出部5と、本体3の上面の他端、本実施例では前端であって、反応ブロック6の上方に位置するカバー2と、これらカバー2と反応検出部5間に暗室を構成する暗室構成部12を備え、カバー2は、内方から外方に向けて低く傾斜する傾斜面が形成されると共に、当該傾斜面の反応ブロック6側に位置する面には、反射板22が設けられ、反応ブロック6に収容される各反応容器7の上方に位置して、光学レンズとしてのフレネルレンズ21を備える。そして、反応検出部5には、光源ランプ23と、バンドパスフィルタ24、25と、検出手段としてのカメラ27や反応分析部28を備える。そして、光源ランプ23から上方に向かう光を反射板22により反射して、各反応容器7に上方から入射させると共に、反応容器7内の反応試料から上方に向かう光を反射板22により反射し、反応検出部5に入射させる。
【0065】
そのため、光源ランプ23やバンドパスフィルタ24、25、反射板26、カメラ27及び反応分析部28等が配設される反応検出部5を反応ブロック6の垂直上方に設ける必要がなくなるため、反応検出装置1自体の高さ寸法を低く形成することが可能となる。また、反射板22によって光源ランプ23からの光を各反応容器7の上方から入射させることができるようになるため、光路をのばすことなく、各反応容器7ごとの測定感度のむらを最小とすることができる。そのため、小型化された装置によって、高感度で、かつ、高精度の反応検出を実現することができるようになる。
【0066】
特に、本実施例では、光集束手段として、反射板22から各反応容器7に入射する光を、該反応容器7に対して平行若しくは平行に近い光とするフレネルレンズ(光学レンズ)21が設けられていることから、反射板22から反射された光源ランプ23からの光が光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光をこのレンズ21によって効果的に無駄なく反応容器7内の反応試料に照射することが可能となる。
【0067】
そのため、中央に配置された反応容器7だけでなく、周辺部に配置された反応容器7についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることから、実際に本実施例によってカメラ27により検出された画像を示す図10に示されるように、反応容器7ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、反応容器7の配置位置に影響されることなく高感度な検出を実現することができるようになる。
【0068】
特に、本実施例において、光学レンズとしてのフレネルレンズ21は、反射板22と反応容器7の間に位置して設けられることから、反射板22を平板により構成することが可能となる。そのため、反射板22の構成を簡素化しながら、容易に各反応容器7に対して平行若しくは平行に近い光の照射を実現することができるようになる。
【0069】
また、本実施例において用いられるフレネルレンズ21は、すべての反応容器7に対して、略真上から光を入射させることができ、効果的に光の照射により得られる像の歪みを修正することができる。そして、いずれの反応容器7についても、中央に位置する反応容器7と同様に欠けのない像を検出手段に入射させることが可能となることから、各反応容器7の反応試料を、むらなく高い測定感度にて検出を行うことができる。
【0070】
更にまた、詳細は詳述した如く反応容器7を加熱する押さえ部材15は、フレネルレンズ21と押さえ部材15とを所定の間隔を存して一体化して構成されているため、該レンズ21と押さえ部材15によって、加熱された空気を当該反応容器7上部に保持することが可能となる。そのため、当該フレネルレンズ21の曇りの発生を解消することができ、当該曇りによる影響を回避することで、検出能力の向上を図ることができるようになる。
【0071】
尚、上記実施例においては、光集束手段として、フレネルレンズ21等の光学レンズを使用しているが、これに限られるものではない。即ち、図11に示す他の実施例としての反応検出装置29のように、光集束手段として、カバー2の反応室4側を構成する面に設けられた所定曲率の反射面を備えた反射板40、例えば非球面の反射板などにより構成しても良いものとする。
【0072】
当該反射板40は、光軸を中心に放射状に拡散し減衰する光源ランプ23からの光を効果的に無駄なく各反応容器7内の反応試料に照射可能とする曲率にて形成された反射面を備えることから、上記実施例と同様に、中央に配置された反応容器7だけでなく、周辺部に配置された反応容器7についても、平行若しくは平行に近い光を効果的に照射することができることとなり、反応容器7ごとの測定感度のむらを最小とすることができるようになる。これにより、より高感度な検出を実現することができるようになる。また、かかる場合には、反射板40が反射機能を有すると共に光集束手段としても機能することから部品点数の削減を図ることが可能となり、構造の簡素化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施例の反応検出装置の斜視図である。
【図2】図1の反応検出装置のカバーを開放した状態の斜視図である。
【図3】図1の反応検出装置の内部構成を示す縦断側面図である。
【図4】各反応容器の平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】押さえ部材の平面図である。
【図7】押さえ部材及びフレネルレンズの縦断側面図である。
【図8】反応検出装置の一部拡大概略構成図であって、カバーを少許後方に傾斜させた状態を示す図である。
【図9】図8におけるカバーを暗室構成部内に収容した状態を示す図である。
【図10】本実施例により得られた検出画像を示す図である。
【図11】他の実施例の反応検出装置の内部構成を示す縦断側面図である。
【図12】光学的測定法の基本概念説明図である。
【図13】従来の光学的測定により得られた検出画像を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1、29 反応検出装置
2 カバー
3 本体
4 反応室
5 反応検出部
6 反応ブロック
7 反応容器
8 保持穴
9 蓋部材
10 ペルチェ素子
12 暗室構成部
15 押さえ部材
16 透孔
20 連結部材
21 フレネルレンズ(光学レンズ)
22、26、40 反射板
23 光源ランプ(ハロゲンランプ)
24、25 バンドパスフィルタ
27 カメラ
28 反応分析部
35 フィルタ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に構成された反応室内に設けられて温度制御可能な反応ブロックにより、反応試料が収納された複数の反応容器、又は、複数のくぼみを有する反応容器を保持すると共に、前記反応容器に光を照射したときの前記反応試料からの光を検出する反応検出装置において、
前記反応ブロックの上側に配置されて光を反射する反射手段と、
前記本体内に設けられた光源及び検出手段とを備え、
前記光源からの光を前記反射手段により反射して、前記反応容器に上方から入射させると共に、前記反応試料から上方に向かう光を前記反射手段により反射し、前記検出手段に入射させることを特徴とする反応検出装置。
【請求項2】
前記反射手段から前記反応容器に入射する光を、当該反応容器に対して平行若しくは平行に近い光とする光集束手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の反応検出装置。
【請求項3】
前記光集束手段は、前記反射手段と前記反応容器間に位置する光学レンズであることを特徴とする請求項2に記載の反応検出装置。
【請求項4】
前記光学レンズは、フレネルレンズであることを特徴とする請求項3に記載の反応検出装置。
【請求項5】
前記フレネルレンズは、凸面を下側として配置されていることを特徴とする請求項4に記載の反応検出装置。
【請求項6】
前記反応容器の上部に対応して当該反応容器を加熱する押さえ部材を備え、
前記光学レンズと前記押さえ部材とを所定の間隔を存して一体化したことを特徴とする請求項5に記載の反応検出装置。
【請求項7】
前記反射手段は、所定曲率の反射面を備え、前記光集束手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の反応検出装置。
【請求項8】
前記反応ブロックの上方に位置して前記反応室を開閉自在に閉塞し、前記反応室への外光の入射を遮断するカバーを備え、
前記反射手段、又は、当該反射手段及び前記光集束手段を、前記カバーの内側に設けて一体に開閉自在としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の反応検出装置。
【請求項9】
前記カバーは、前記光源及び検出手段と前記反射手段との間の光の経路方向に移動して前記反応室を開閉自在とすると共に、開放状態において前記本体内に格納されることを特徴とする請求項8に記載の反応検出装置。
【請求項1】
本体に構成された反応室内に設けられて温度制御可能な反応ブロックにより、反応試料が収納された複数の反応容器、又は、複数のくぼみを有する反応容器を保持すると共に、前記反応容器に光を照射したときの前記反応試料からの光を検出する反応検出装置において、
前記反応ブロックの上側に配置されて光を反射する反射手段と、
前記本体内に設けられた光源及び検出手段とを備え、
前記光源からの光を前記反射手段により反射して、前記反応容器に上方から入射させると共に、前記反応試料から上方に向かう光を前記反射手段により反射し、前記検出手段に入射させることを特徴とする反応検出装置。
【請求項2】
前記反射手段から前記反応容器に入射する光を、当該反応容器に対して平行若しくは平行に近い光とする光集束手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の反応検出装置。
【請求項3】
前記光集束手段は、前記反射手段と前記反応容器間に位置する光学レンズであることを特徴とする請求項2に記載の反応検出装置。
【請求項4】
前記光学レンズは、フレネルレンズであることを特徴とする請求項3に記載の反応検出装置。
【請求項5】
前記フレネルレンズは、凸面を下側として配置されていることを特徴とする請求項4に記載の反応検出装置。
【請求項6】
前記反応容器の上部に対応して当該反応容器を加熱する押さえ部材を備え、
前記光学レンズと前記押さえ部材とを所定の間隔を存して一体化したことを特徴とする請求項5に記載の反応検出装置。
【請求項7】
前記反射手段は、所定曲率の反射面を備え、前記光集束手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の反応検出装置。
【請求項8】
前記反応ブロックの上方に位置して前記反応室を開閉自在に閉塞し、前記反応室への外光の入射を遮断するカバーを備え、
前記反射手段、又は、当該反射手段及び前記光集束手段を、前記カバーの内側に設けて一体に開閉自在としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の反応検出装置。
【請求項9】
前記カバーは、前記光源及び検出手段と前記反射手段との間の光の経路方向に移動して前記反応室を開閉自在とすると共に、開放状態において前記本体内に格納されることを特徴とする請求項8に記載の反応検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図13】
【公開番号】特開2007−46904(P2007−46904A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228314(P2005−228314)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302010448)三洋電機バイオメディカ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302010448)三洋電機バイオメディカ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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