説明

収納ボックスの取付構造

【課題】着脱作業が容易な収納ボックスの取付構造を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態1は、車両の天井面30に取り付けられる収納ボックス10の取付構造に関するものである。本実施形態では、収納ボックス10ニ形成した係合部20と車両の室内の取付部31に形成した被係合部33とが、収納ボックス10が取付部31に対して垂直方向に接近することに伴って係合する構成とされる。また、本実施形態では、係合部20が凸状をなすロックピン20であり、被係合部33が凹状の取付孔33である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ボックスの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内に取り付けられる収納ボックスとしては、例えば、後部座席の後側の荷室に取り付けられ、荷室の出入り口側(車両の後側)から荷物を収納可能なものが知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
上記文献に記載の構成においては、車両の前後方向に延びるガイドレールが形成されたガイド部材を荷室内に取り付けて、このガイド部材にガイドレールに係合するガイド溝が形成された収納ボックスが取り付けられるようになっている。この構成において、収納ボックスは、そのガイド溝が、ガイドレールに沿って荷室出入り口側から奥側(車両の前側)にスライド案内されることにより、所定位置に取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−58355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、収納ボックスを車両に着脱する際に、収納ボックスのガイド溝を、ガイド部材に形成されたガイドレールに沿って、ガイド溝の長さの分、スライドさせる必要があるため、着脱作業に時間がかかるという問題があった。
【0006】
また、この構成では、収納ボックスを取り付ける作業の際には、収納ボックスのガイド溝の後端をガイドレールの先端に位置合わせしてからスライドさせ、取り外し作業の際にも、収納ボックスのガイド溝の後端をガイドレール先端のところまでスライドさせる必要があるため、車両の後側のドアを開かないと収納ボックスの取り付け作業ができず、着脱作業が頻雑であるという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、着脱作業が容易な収納ボックスの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の室内に取り付けられる収納ボックスの取付構造であって、前記収納ボックスもしくは前記車両の室内の取付部のいずれか一方に形成した係合部と、他方に形成した被係合部とが、前記収納ボックスが前記取付部に対して垂直方向に接近することに伴って係合する構成とされ、前記係合部もしくは前記被係合部のいずれか一方は、凸状をなす係合凸部であり、他方は凹状の係合凹部であるところに特徴を有する。
【0008】
本発明においては、収納ボックスが車両の取付部に対して垂直方向に接近することに伴い、係合部と被係合部とが係合するから、収納ボックスを車両の取付部に対して垂直方向に移動させることにより、収納ボックスを車両に取り付けることができ、係合部と被係合部との係合を解除すれば、収納ボックスを車両の取付部から外すことができる。
【0009】
また、本発明においては、係合部と被係合部のうちいずれか一方は、凸状をなす係合凸部であり、他方は凹状をなす係合凹部であるから、車両にガイドレールを備え収納ボックスにガイド溝を備えるもの(特許文献1に記載のもの)と比較して、着脱の際に収納ボックスを車両の取付部に対して移動させる距離が短くて済む。
その結果、本発明によれば、収納ボックスを車両の室内に着脱する作業が容易な収納ボックスの取付構造を提供することができる。
【0010】
本発明は以下の構成としてもよい。
前記係合凸部が前記収納ボックスに形成され、かつ、前記係合凹部が前記車両の取付部に形成されている構成としてもよい。係合凸部が車両の取付部に形成されている場合、車両の取付部に収納ボックスが取り付けられていない状態においては、係合凸部が身体や衣服などに引っかかるおそれがある。しかし、上記のような構成とすると、車両の取付部のほうに係合凹部が形成されているので、安全面上好ましい。
【0011】
前記車両の室内の天井面には、前記車両のボディパネルを補強する補強材が設けられ、前記補強材に前記係合凹部が形成される一方、前記収納ボックスに、前記補強材を嵌め込み可能な溝部が形成されており、前記溝部の内面には前記係合凸部が形成されている構成としてもよい。
【0012】
このような構成とすると、車両に通常取り付けられる部材である補強材を用いるため、コストを低減することができる。また、溝部に補強材を嵌め込むことにより取付作業が完了するので、取付作業が容易でありかつ、取付構造を簡易なものとすることができる。
【0013】
前記車両の取付部には第1の傾斜面が形成される一方、前記収納ボックスには前記第1の傾斜面に沿って案内される第2の傾斜面が形成されている構成としてもよい。
このような構成とすると、車両の取付部に形成された第1の傾斜面に、収納ボックスに形成された第2の傾斜面が案内されるので、収納ボックスを車両に取り付ける作業を円滑に行うことができる。
【0014】
上記構成においては、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面のうちいずれか一方に前記係合凸部が形成され、他方に前記係合凹部が形成されている構成としてもよい。
このような構成とすると車両の取付部の第1の傾斜面に収納ボックスの第2の傾斜面が案内され、これらの傾斜面に形成されている係合凹部と係合凸部とが係合するので、収納ボックスを車両に取り付ける作業をより円滑に行うことができる。
【0015】
前記収納ボックスと前記車両の取付部との間には、干渉材が配されている構成としてもよい。車両の取付部に形成された係合凸部または係合凹部に対する、収納ボックスに形成された係合凹部または係合凹部の位置は、製品ごとに誤差が生じうるが、上記のような構成とすると誤差が吸収される。また、このような構成とすることにより、収納ボックスのがたつきが防止されるので、収納ボックスががたつくことにより生じ得る異音が軽減される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、着脱作業が容易な収納ボックスの取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1の収納ボックスの取付構造を示す斜視図
【図2】収納ボックスの下面図
【図3】天井面からはずした収納ボックスを上側から見た斜視図
【図4】ロック解除レバーとロックピンとが連結部材により連結されている状態を示す模式図
【図5】連結部材に取り付けられた保護部材を示す模式図
【図6】図2のA−A断面図
【図7】図5の部分拡大図
【図8】ロック解除レバーを収容部側から見た斜視図
【図9】ロック解除つまみをロック解除位置まで回した様子を示す模式図
【図10】図2のB−B断面図
【図11】リンフォースと収納ボックスの溝部とを対応させた様子を示す模式図
【図12】収納ボックスの溝部にリンフォースが嵌め込まれた状態を示す模式図
【図13】実施形態2の収納ボックスが取り付けられるリンフォースの一部を示す斜視図
【図14】リンフォースの係合孔にロックピンが係合する前の様子を示す模式図
【図15】リンフォースの案内溝にロックピンが嵌まっている様子を示す模式図
【図16】リンフォースの係合孔にロックピンが係合した様子を示す模式図
【図17】他の実施形態に示す収納ボックスの取付構造を示す斜視図
【図18】他の実施形態に示す収納ボックスの取付構造を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
本実施形態は、例えばワンボックスカーなどの車高の高い車両の室内に取り付けられる収納ボックス10に本発明を適用した例である。
本実施形態において、収納ボックス10は、図1に示すように、車両の室内の天井面30に設けられた、車両のボディパネルを補強するための2本のリンフォース31(本発明の補強材に相当)に取り付けられている。
【0019】
車両の室内の天井面30において、2本のリンフォース31は略平行に配されており、断面が略台形状をなしている(図3、図11を参照)。リンフォース31の長さ方向に伸びる2つの側壁面は、図3に示すように、傾斜面(第1の傾斜面32)になっており、この第1の傾斜面32には収納ボックス10を取り付けるための取付孔33(係合凹部に相当)が、一定の間隔をあけて複数形成されている。リンフォース31の第1の傾斜面32に形成されている取付孔33には、孔カバー34が取り付けられ、収納ボックス10を取り付けた際に後述するロックピン20とのガタツキを抑制している。
【0020】
収納ボックス10は、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料をブロー成形などにより箱状に成形したものである。収納ボックス10は、内部に荷物などを収納可能な収容部11を有している。収納ボックス10の2つの対向する側面(図2において左右に配されている面)には、それぞれ方形状の蓋12が設けられており、収納された荷物などの脱落を防止している。蓋12は蓋12の上端に設けたロックつまみ13により開閉可能となっている(図1および図6を参照)。
【0021】
収納ボックス10の上面には、図3に示すように収納ボックス10の長手方向に対して略垂直な方向に2本の溝部14が形成されており、この2本の溝部14により3つに分断された部分には収納ボックス10と車両の天井面30との間に配される干渉材17が貼り付けられている。
【0022】
溝部14は、リンフォース31を嵌め込み可能な形状をなしており、リンフォース31の第1の傾斜面32に対応する面が傾斜面(第2の傾斜面16)となっている。第2の傾斜面16には、それぞれ、ピン挿通孔15が対向するように2つずつ設けられており、各ピン挿通孔15には、リンフォース31の取付孔33に係合されるロックピン20(係合凸部に相当)が挿通されている。
【0023】
各ロックピン20は、図4に示すように、収容部11内に配される連結部材22により、収納ボックス10の下面に設けたロック解除レバー24に連結されている。連結部材22には、図5に示すように、収容部11から隔離して保護する保護カバー23が取り付けられている。連結部材22とロックピン20についての詳細は後述する。
【0024】
ロック解除レバー24は、図2に示すように、収納ボックス10の下面の略中央に設けた、円形のレバー取付孔18に取り付けられている。レバー取付孔18には、その孔径を小さくすることにより段つき状に形成されロック解除レバー24の外周縁により保持される段差部18Aが収容部11の方向に突設されている(図6、図7を参照)。
【0025】
ロック解除レバー24は、図6、図7に示すように、ドーム状をなしており、膨らんだ側を収容部11側(上側)に配した状態で取り付けられている。ロック解除レバー24の収納ボックス10の外側(下側)に配される部分には、ロック解除つまみ25が突出形成されている。
ロック解除レバー24の外周縁のうち、収納ボックス10の外側に配される部分はフランジ状をなすフランジ部26とされる。このフランジ部26は、レバー取付孔18の段差部18Aの下面側に配されて、収納ボックス10の下側面と面一となっている。
【0026】
ロック解除レバー24の外周縁のうち、収容部11側に配される部分には、図8に示すように、連結部材22を構成するワイヤーケーブルを固定する2つのワイヤー固定部27が設けられ、2つのワイヤー固定部27の間には、段差部18Aの上面側に配されて、フランジ部26とともにレバー取付孔18の段差部18Aを挟んで保持する保持部28が設けられている。
【0027】
ロック解除レバー24に連結されている連結部材22は、図4に示すように、略二等辺三角形状をなすように配策されてロックピン20に連結されるロックピン連結部22Aと、長手方向に隣り合う2つのロックピン連結部22Aを連結するとともにロック解除レバー24のワイヤー固定部27に連結されるレバー連結部22Bと、からなる。
ロックピン連結部22Aにおいては、端部にそれぞれロックピン20が連結された2本のワイヤーケーブルがそれぞれ、バネ収容室19(後述する)に設けたワイヤー挿通孔19Aに挿通されて収容部11内に配され、ローラー部22Cのところで折り曲げられて、第1の一括部22Dで一括されている(図4及び図11を参照)。
【0028】
レバー連結部22Bにおいて、第1の一括部22Dから下方に連なったワイヤーケーブルは、収納ボックス10の底面のところで略垂直に折り曲げられて収納ボックス10の長手方向に平行に配され、長手方向の略中央に設けた第2の一括部22Eで、隣り合う第1の一括部22Dから連なったワイヤーケーブルと一括されている。この第2の一括部22Eで一括されたワイヤーケーブルは略垂直に折り曲げられて、ロック解除レバー24のワイヤー固定部27に連結されている(図4を参照)。
【0029】
ロックピン20には、リンフォース31の取付孔33に係合して固定される係合固定部20Aと、ピン挿通孔15の孔縁よりも大きく形成されて、収容部11側のピン挿通孔15の孔縁に引っかかることにより抜け止めされる抜け止め部20Bとが設けられている。
ロックピン20の抜け止め部20Bには、図11及び図12に示すように、ロックピン連結部22Aを構成するワイヤーケーブルとともにバネ部材21が取り付けられている。ロックピン20の抜け止め部20Bは、ワイヤーケーブルとバネ部材21とともに、収容部11内に設けたバネ収容室19内に収容されている。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態において、収納ボックス10は、以下のようにして車両の室内に取り付けられる。収納ボックス10を溝部14を上に向けた状態で天井面30の所望の位置に配して、垂直方向に近づけると、収納ボックス10の溝部14はリンフォース31の外側面32を摺動しながらリンフォース31に嵌め込まれる(図11を参照)。本実施形態ではリンフォースの外側面32と摺動する溝部14の面は、傾斜面(第2の傾斜面16)であるので、リンフォース31の第1の傾斜面32に案内され、収納ボックス10を円滑に移動させることができる。収納ボックス10を、ロックピン20がリンフォース31の第1の傾斜面32に突き当たるところまで移動させると、リンフォース31の第1の傾斜面32によりロックピン20がバネ収容室19側に押されてバネ部材21が縮む。さらに収納ボックス10を移動させて、ロックピン20がリンフォース31の取付孔33に至るところまで移動させると、バネ部材21が復帰してロックピン20(係合部)が取付孔33(被係合部)に係合し、収納ボックス10がリンフォース31に取り付けられる(図12を参照)。
【0031】
上記のようにして取り付けられた収納ボックス10は、以下のようにして取り外される。ロック解除つまみ25を図9の二点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで矢印方向に回すと、ロック解除レバー24のワイヤー固定部27に固定されている連結部材22を介してロックピン20がバネ収容室19側に引っ張られて、ロックピン20と取付孔33との係合が解除され、収納ボックス10がリンフォース31から取り外される。
【0032】
次に本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、上述したように、収納ボックス10が車両の天井面30に設けたリンフォース31に対して垂直方向に接近することに伴い、ロックピン20と取付孔33とが係合するから、収納ボックス10を車両の取付部(リンフォース31)に対して垂直方向に移動させることにより、収納ボックス10を車両に取り付けることができ、ロックピン20と取付孔33との係合を解除すれば、収納ボックス10を車両の取付部から外すことができる。
【0033】
また、本実施形態においては、係合部と被係合部として、凸状をなすロックピン20と凹状をなす取付孔33とを備えるから、車両にガイドレールを備えるとともに収納ボックス10にガイド溝を備える従来の構成のものと比較して、着脱の際に収納ボックス10を移動させる距離が短くて済む。
その結果、本実施形態によれば、収納ボックス10を車両の室内に着脱する作業が容易な収納ボックス10の取付構造を提供することができる。
【0034】
ところで、車両の取付部側に係合凸部が形成されている場合、車両の取付部に収納ボックス10が取り付けられていない状態においては、係合凸部が露出してことがある。このような場合には、身体や衣服などに引っかかるおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、ロックピン20が収納ボックス10側に形成されており、リンフォース31(車両)側には取付孔33が形成されているので、安全である。
【0035】
また、本実施形態によれば、車両に通常取り付けられる部材であるリンフォース31を用いるため、コストを低減することができる。また、溝部14にリンフォース31を嵌め込むことにより取付作業が完了するので、取付作業が容易であるとともに、取付構造を簡易なものとすることができる。さらに、車両室内の天井面30に収納ボックス10を設けるので後部ドアを開かなくても収納ボックス10に収納した荷物等の出し入れが可能であり、収納ボックス10の大きさなど設計上や、取付位置における自由度が高い。
【0036】
さらに、本実施形態では、リンフォース31に第1の傾斜面32が形成され、収納ボックス10には第1の傾斜面32に沿って案内される第2の傾斜面16が形成されており、第1の傾斜面32と第2の傾斜面16にそれぞれ、取付孔33とロックピン20が形成されている。その結果、本実施形態によれば、車両の取付部の第1の傾斜面32に収納ボックス10の第2の傾斜面16が案内され、これらの傾斜面32,16に形成されている取付孔33とロックピン20とが係合するので、収納ボックス10を車両に取り付ける作業をより円滑に行うことができる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、収納ボックス10と車両の取付部との間には、干渉材17が配されているから、車両の取付部に形成された取付孔33に対する収納ボックス10に形成されたロックピン20の位置の誤差が吸収される。また、収納ボックス10のがたつきが防止されるので収納ボックス10のがたつきに起因する異音が軽減される。
【0038】
さらに、本実施形態によれば、収納ボックス10に2枚の蓋12が設けられているので、二方向からの荷物の出し入れが可能である。
加えて、本実施形態によれば、リンフォース31に複数の取付孔33が形成されているので所望の位置に収納ボックス10を取り付けることができる。
【0039】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図13ないし図16によって説明する。
本実施形態においては、リンフォース31の側面の形状が実施形態1と相違している。実施形態1と同様の構成のものについては同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態において、収納ボックス10が取り付けられるリンフォース31の側面には、図13に示すように、リンフォース31の長さ方向にのびる案内溝35が形成されている。収納ボックス10のロックピン20に係合する取付孔33は、図13および図14に示すように、リンフォース31の案内溝35よりも奥まったところに複数設けられている。
【0040】
本実施形態において収納ボックス10を取り付ける際には、収納ボックス10を溝部14を上に向けて、垂直方向に近づけると、収納ボックス10の溝部14はリンフォース31の外側面を摺動しながらリンフォース31に嵌め込まれる。実施形態1と同様に本実施形態でも収納ボックス10の溝部14に形成された第2の傾斜面16が、リンフォース31の第1の傾斜面32に案内されるので、収納ボックス10を円滑に移動させることができる。収納ボックス10を、ロックピン20がリンフォース31の第1の傾斜面32に突き当たるところまで移動させると、リンフォース31の第1の傾斜面32によりロックピン20がバネ収容室19側に押されてバネ部材21が縮む。さらに収納ボックス10を移動させて、ロックピン20がリンフォース31の案内溝35に至るところまで移動させると、図15に示すようにロックピン20が案内溝35に嵌まり込んで仮止めされる。次に、収納ボックス10を所望の位置まで案内溝35に沿って移動させると、バネ部材21が完全に復帰することによりロックピン20が取付孔33に係合し、収納ボックス10がリンフォース31に取り付けられる(図16を参照)。
【0041】
本実施形態によれば、リンフォース31に案内溝35が設けられているので、収納ボックス10を一旦、仮止めしておいてから、案内溝35に沿って移動させることにより所望の位置に取り付けることができるため、収納ボックス10を外すことなく、取付位置の変更を容易に行うことができる。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1) 上記実施形態では、車両の取付部に取付孔33(係合凹部)を設け、収納ボックス10にロックピン20(係合凸部)を設けたものを示したが、車両の取付部に係合凸部を設け収納ボックス10に係合凹部を設けたものであってもよい。
【0043】
(2) 上記実施形態では、リンフォース31に車両の取付部を設けたが、取付部としてリンフォース31以外の他の部材を設けてもよい。
【0044】
(3) 上記実施形態では、2本のリンフォース31に収納ボックス10を取り付けた構成のものを示したが、図17に示すように、リンフォース31は1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
【0045】
(4) 上記実施形態では、平板状の蓋12を2つ備える収納ボックス10を示したが、図18に示すようにシャッター状の蓋12を備えるものや、蓋12を1つだけ備えるものなどであってもよい。
【0046】
(5) 上記実施形態では、車両の天井面30に取り付ける収納ボックス10を示したが、車両の荷室に取り付けるものや車両の側面や床面に取り付けるものなどであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…収納ボックス
20…ロックピン(係合凸部、係合部)
31…リンフォース(車両の取付部)
33…取付孔(係合凹部、被係合部)
30…天井面(車両の室内)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に取り付けられる収納ボックスの取付構造であって、
前記収納ボックスもしくは前記車両の室内の取付部のいずれか一方に形成した係合部と、他方に形成した被係合部とが、前記収納ボックスが前記取付部に対して垂直方向に接近することに伴って係合する構成とされ、
前記係合部もしくは前記被係合部のいずれか一方は、凸状をなす係合凸部であり、他方は凹状の係合凹部であることを特徴とする収納ボックスの取付構造。
【請求項2】
前記係合凸部が前記収納ボックスに形成され、かつ、前記係合凹部が前記車両の取付部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収納ボックスの取付構造。
【請求項3】
前記車両の室内の天井面には、前記車両のボディパネルを補強する補強材が設けられ、
前記補強材に前記係合凹部が形成される一方、
前記収納ボックスに、前記補強材を嵌め込み可能な溝部が形成されており、
前記溝部の内面には前記係合凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納ボックスの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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