説明

収納式メモ台、背凭れ付き椅子、及び、移動観覧席

【課題】 使用者によるメモ台本体の収納作業時に、所望の位置にてメモ台本体を自動で回転させ、その際のメモ台本体の移動をスムーズにさせる。
【解決手段】 収納式メモ台2は、収納部20から引き出されて使用位置Xaにあるメモ台本体10が、支柱12を中心として垂直位置Yaへ回転するにつれて、コイルバネ50によりメモ台本体10に与えられる付勢力が、その回転に伴い小さくならないように、丸棒部材52(コイルバネ50の湾曲部材14側の端)が、湾曲部材14の後端から先端へ向かって移動するようにされている。このため、ほぼ均一の力でメモ台本体10をスムーズに持ち上げることができ、コイルバネ50がメモ台本体10に与える付勢力を適宜設定することにより、メモ台本体10を収納部20に収納する際に、所望の位置からメモ台本体10を、使用位置Xaから垂直位置Yaへと回転する方向へ自動で回転させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモ台本体をその使用面が略直立した状態で上方から収納可能な収納式メモ台、その収納式メモ台が背凭れ部の背後に取り付けられた背凭れ付き椅子、及び、その椅子を備えた移動観覧席に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人が背を凭れるための背凭れ部を有する椅子においては、背凭れ部の背後に、その椅子の後部座席の人がノートやペン等の物を置くためのメモ台が収納可能に取り付けられたものがある。
【0003】
そして、このような背凭れ付きの椅子に取り付けられる収納式メモ台としては、図8に示すように、板状のメモ台本体100が、その使用面100aが略直立した状態で上方から収納部102に収納可能にされたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
即ち、この収納式メモ台は、図8及び図9に示すように、板状のメモ台本体100と、椅子200における背凭れ部202の背後に取り付けられ、メモ台本体100を、その使用面100aが略直立した状態で上方から収納可能な収納部102と、収納部102の内部にて、その上下方向に沿って配置されたスライドレール104と、スライドレール104に摺動自在に支持されるスライド金具106とを備える。
【0005】
また、メモ台本体100には、その使用面100aの裏面の一端側に、その板厚方向に沿って外側に延びるように形成されたメモ台受け金具108が設けられている。また、メモ台受け金具108とスライド金具106とは、略円柱状のピンSを介して接続されており、メモ台本体100は、収納部102から引き出された際に、ピンS(詳しくは、ピンSの中心軸)を中心として、メモ台本体100の使用面100aが略直立した垂直位置Yから略水平方向に仰向けとなる水平位置(使用位置)Xへと回動可能となるようにされている。
【0006】
そして特に、この収納式メモ台は、一端110aがスライド金具106に取り付けられ、他端110bがメモ台受け金具108に取り付けられた捩りコイルバネ110を備えている。
【0007】
具体的に説明すると、捩りコイルバネ110の一端110aは、ピンSよりも椅子200側に配置されるようスライド金具106に取り付けられている。また、他端110bは、メモ台本体100の回転移動によって、そのメモ台本体100が使用位置Xにあるときに一端110aよりも椅子200側となり、メモ台本体100が垂直位置Yにあるときに一端110aよりも椅子200側とは反対側となるように、メモ台受け金具108に取り付けられている。そして、捩りコイルバネ110は、メモ台本体100が使用位置Xから垂直位置Y側へ所定角度だけ傾斜した傾斜位置Pまで回転するにつれて徐々に縮んでいき(即ち、両端110a,110b間の距離が徐々に短くなり)、メモ台本体100がその傾斜位置Pから垂直位置Yまで回転するにつれて、徐々に伸びていくようにされている。そして更に、捩りコイルバネ110は、メモ台本体100が使用位置Xと傾斜位置Pとの間にあるときに、メモ台本体100を、ピンSを中心として、図9でいう時計回りに回転させる方向に付勢し、メモ台本体100が傾斜位置Pと垂直位置Yとの間にあるときには、メモ台本体100を、ピンSを中心として、図9でいう反時計回りに回転させる方向に付勢する。
【0008】
以上説明した収納式メモ台において、使用者がメモ台本体100を使用する際には、収納部102に収納された状態のメモ台本体100を、収納部102から引き出して図9でいう時計回り(手前)に回転させる。
【0009】
すると、メモ台本体100が、使用位置Xのところまで回転したところで、使用面100aの先端が収納部102の上方に当接する。そして、このとき、捩りコイルバネ110は、メモ台本体100を図9でいう時計回りに回転させる方向に付勢しているため、メモ台本体100は、使用位置Xで保持される。
【0010】
これにより、使用者は、メモ台本体100を使用することができる。
一方、使用状態にあるメモ台本体100を収納部102に収納する際には、捩りコイルバネ110がメモ台本体100を図9でいう反時計回りに回転させる方向に付勢する傾斜位置Pまで、メモ台本体100を持ち上げる。すると、メモ台本体100には、捩りコイルバネ110により、ピンSを中心として図9でいう反時計回りの回転力が加わり、メモ台本体100は、自動で垂直位置Yまで回転する。その後、メモ台本体100は、スライド金具106がスライドレール104を摺動することによって、下方へスライドし、収納部102に収納される。
【特許文献1】特許第3459219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の収納式メモ台においては、緊急時に人が席からスムーズに離れることができるようにするために、メモ台本体100を収納部102に収納する際の使用者による手作業を、なるべく少なくしたいという要望がある。
【0012】
しかしながら、従来の収納式メモ台では、捩りコイルバネ110がメモ台本体100を図9でいう反時計回りに回転させる方向に付勢する傾斜位置Pまで、メモ台本体100を持ち上げなければならない。
【0013】
このため、使用者による手作業をより少なくするためには、その傾斜位置Pと使用位置Xとのなす角がなるべく小さいところで、捩りコイルバネ110がメモ台本体100を図9でいう反時計回りに回転させる方向に付勢するように、例えば捩りコイルバネ110の一端110aを、図9における取り付け位置よりも上方に配置することが考えられる。
【0014】
しかし、捩りコイルバネ110の一端110aを、単に図9における取り付け位置よりも上方に配置しただけでは、使用者による手作業を少なくすることはできるが、捩りコイルバネ110がメモ台本体100に与える付勢力は、メモ台本体100が起立していくほど弱くなるため、メモ台本体100は、自動で回転する際に垂直位置Yまで回転せずに途中で止まってしまう可能性がある。
【0015】
また、この問題を解決するためには、捩りコイルバネ110の弾性力を強くすれば良いが、この場合、収納作業時にメモ台本体100が勢いよく回転してしまうため、メモ台本体100が垂直位置Yまで到達したときに他の部材と衝突することで発生する衝撃音が大きくなってしまい、使用者に不快感を与えてしまうことがある。
【0016】
本発明は、こうした問題を解決するためになされたものであり、使用者によるメモ台本体の収納作業時に、所望の位置にてメモ台本体を自動で回転させると共に、その際のメモ台本体の回転移動をスムーズにさせることが可能な収納式メモ台、その収納式メモ台が背凭れ部の背後に取り付けられる椅子、及び、その椅子を備えた移動式観覧席を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、板状のメモ台本体と、床面に立設された基部に取り付けられ、メモ台本体を、その使用面が略直立した状態で上方から収納可能な収納部と、収納部の内部にて、その上下方向に沿って配置されたスライドレールと、スライドレールに摺動自在に支持されると共に、メモ台本体が収納部から引き出された際に、そのメモ台本体の使用面が略直立した垂直状態から略水平方向に仰向けとなる水平状態へと回動可能となるよう、メモ台本体の一端側を支持する支持部材と、を備えた収納式メモ台であって、支持部材により支持されるメモ台本体の一端側から、メモ台本体の板面方向に沿って外側に突出され、その先端が裏面側から使用面側に向かって湾曲するように形成された湾曲部材と、支持部材の下方に連結され、支持部材と共にスライドレールに対して摺動自在に支持される連結部材と、湾曲部材と連結部材とに各端が取り付けられ、メモ台本体を、その使用面が水平状態から垂直状態へと回転する方向に付勢するための付勢部材と、を備え、付勢部材の湾曲部材側の端は、その湾曲部材の先端と後端との間を摺動自在に取り付けられていることを特徴としている。
【0018】
このような請求項1に記載の収納式メモ台では、メモ台本体が、収納部から引き出されてその使用面が水平状態にあるときに、支持部材によって支持される所定位置を中心として、その使用面が水平状態から垂直状態へと回転する方向に回転すると、付勢部材の湾曲部材側の端が、メモ台本体の回転に従い湾曲部材の後端から先端へ向かって移動するので、付勢部材がメモ台本体に与える付勢力が、その回転に伴い小さくなってしまうのを抑制することができる。
【0019】
このため、請求項1に記載の収納式メモ台によれば、ほぼ均一の力でメモ台本体をスムーズに持ち上げる(メモ台本体の使用面が水平状態から垂直状態へと回転する方向に回転させる)ことができ、付勢部材がメモ台本体に与える付勢力を適宜設定することにより、メモ台本体を収納部に収納する際に、所望の位置からメモ台本体を、その使用面が水平状態から垂直状態へと回転する方向へ自動で回転させることができる。
【0020】
よって、使用者によるメモ台本体の収納作業時に、所望の位置にてメモ台本体を自動で回転させると共に、その際のメモ台本体の回転移動をスムーズにさせることができる。
次に、請求項2に記載の収納式メモ台は、請求項1に記載の収納式メモ台において、収納部の上方には、メモ台本体を内部に挿入するための挿入口が形成され、収納部の底部には、挿入口から当該収納部の内部に侵入した部材を、床面に落とすための排出口が形成されていることを特徴としている。
【0021】
このような請求項2に記載の収納式メモ台によれば、メモ台本体を収納部に収納する際に、例えばメモ台本体に置かれていたペンや紙等の部材が収納部内に侵入してしまったとしても、その部材が収納部内に残ることなく排出口から出てくるので、収納部内に侵入してしまった部材が捕れなくなってしまうことを防止することができる。
【0022】
ところで、請求項2に記載の収納式メモ台において、排出口は、収納部内に侵入してしまった部材が排出される程度の開口であれば良いため、その大きさは、挿入口よりも小さくても良い。
【0023】
しかし、このように排出口を挿入口より小さくした場合には、収納部の内壁に段差ができて、収納部内に侵入してしまった部材が、収納部内で引っかかってしまうことが考えられるので、この場合、請求項2に記載の収納式メモ台は、請求項3に記載のように構成されていると良い。
【0024】
即ち、請求項3に記載の収納式メモ台は、請求項2に記載の収納式メモ台において、収納部の内壁は、当該収納部において、メモ台本体を収納した際にメモ台本体の板厚方向となる当該収納部の幅が、挿入口よりも排出口の方が狭くなるように形成され、更に、排出口に向かって傾斜しているように構成されている。
【0025】
このような請求項3に記載の収納式メモ台によれば、収納部の内壁が排出口に向かって傾斜しているので、収納部内に侵入してしまった部材が収納部内で引っかかってしまうことを防止することができる。
【0026】
次に、請求項4に記載の収納式メモ台は、請求項1〜3の何れかに記載の収納式メモ台において、長尺状に形成されて巻き取り可能な長尺部材、長尺部材をその一端側から巻き取るための巻取部材、及び、巻取部材を巻き取る方向に付勢する巻取用付勢部材からなる巻取装置を備え、巻取装置は、長尺部材の他端及び巻取部材の一方が、支持部材若しくは連結部材に取り付けられ、長尺部材の他端及び巻取部材の他方が、収納部の上方に取り付けられることを特徴としている。
【0027】
つまり、請求項4に記載の収納式メモ台では、巻取装置を設けて、メモ台本体が収納部内を落下したときに、巻取装置が、長尺部材の伸びきったところでメモ台本体を停止するようにされているので、メモ台本体が収納部内を落下する距離を制限することができる。
【0028】
このため、請求項4に記載の収納式メモ台によれば、長尺部材の長さを適宜設定することにより、メモ台本体が収納部に収納されるときに収納部の底部に衝突してしまうことを防止することができる。
【0029】
ところで、請求項4に記載の収納式メモ台では、メモ台本体を収納部に収納する際に、巻取用付勢部材によってメモ台本体の落下速度を抑制することができるが、その落下速度は、メモ台本体の重量と巻取用付勢部材の付勢力とによって決まるので、メモ台本体の重量が大きいときや、巻取用付勢部材の付勢力が小さいときには、巻取用付勢部材だけでメモ台本体の落下速度を充分に抑制することができないことがある。
【0030】
そして、巻取用付勢部材がメモ台本体の落下速度を充分に抑制することができない場合には、メモ台本体が収納部に収納されたとき(即ち、長尺部材が伸びきったとき)に生じる衝撃音が大きくなってしまい、使用者に不快感を与えてしまうことがある。
【0031】
そこで、請求項4に記載の収納式メモ台は、請求項5に記載のように、巻取装置の巻取部材に取り付けられ、巻取部材が長尺部材を巻き取る方向とは逆方向に回転する際の巻取部材の回転を抑制する回転抑制部材を備えていると良い。
【0032】
これによれば、メモ台本体を収納部に収納する際に、メモ台本体の落下速度を充分に抑制することができるので、メモ台本体が収納部に収納されたときに生じる衝撃音を小さくすることができると共に、巻取装置にかかる負担を軽減することができる。
【0033】
また、請求項1〜5の何れかに記載の収納式メモ台は、請求項6に記載のように、支持部材及び連結部材とスライドレールとの係合部に、回転ローラを備えていると良い。
このようにすれば、メモ台本体を収納部へ挿入したり、メモ台本体を収納部から引き出したりすることを、スムーズに行うことができる。
【0034】
次に、請求項7に記載の発明は、着座者が座るための座部と、床面に設置され、座部を略水平に支持するための椅子本体と、椅子本体に支持され、座部に座った着座者が背を凭れるための背凭れ部と、を備えた背凭れ付き椅子であって、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の収納式メモ台が、背凭れ部の背後に取り付けられていることを特徴としている。
【0035】
このような請求項7に記載の背凭れ付き椅子によれば、その背凭れ部に本発明の収納式メモ台が取り付けられているため、当該背凭れ付き椅子の後方に別の椅子を設ければ、その椅子に座った人は、その着座者の前方に配置されることとなる本発明の収納式メモ台(即ち、当該背凭れ付き椅子に取り付けられた収納式メモ台)を使用することができる。
【0036】
また、その収納式メモ台は、上述した請求項1〜請求項6について述べた効果と同様の効果を得ることができるので、請求項7に記載の背凭れ付き椅子の後ろに配置される椅子に座った人は、メモ台本体をスムーズに収納することができ、請求項7に記載の背凭れ付き椅子の使い勝手が良くなる。
【0037】
次に、請求項8に記載の発明は、椅子を備えた高さの異なる複数段の床台からなり、収納時には、最上段の床台の下方に、他の各床台が順に重なるように収納され、使用時には、最下段の床台が引き出されることにより、各床台が順に展開されて階段状の観覧席を構成する伸縮展開式の移動観覧席において、椅子は、請求項7に記載の背凭れ付き椅子であり、その前方が、前記床台が引き出される方向を向くように配置されていることを特徴としている。
【0038】
このような請求項8に記載の移動観覧席によれば、各椅子の背凭れ部に本発明の収納式メモ台が取り付けられているので、当該移動観覧席の使用時に、所定の床台に設けられた椅子に座った人は、その床台の一段下に配置される床台において、その人の前方に配置される椅子の収納式メモ台を使用することができる。
【0039】
また、その収納式メモ台は、上述した請求項1〜6について述べた効果と同様の効果をできることができるので、請求項8に記載の移動観覧席の椅子に座った人は、メモ台本体をスムーズに収納することができ、移動観覧席の使い勝手が良くなる。
【0040】
また、請求項8に記載の移動観覧席は、請求項9に記載のように、背凭れ付き椅子が、背凭れ部を座部に対して折り畳み可能に構成され、床台とそれに隣接する上下段の床台との上下方向の間隔が、背凭れ部が座部に対して折り畳まれた状態の背凭れ付き椅子の高さ分だけ開いているようにされていると良い。
【0041】
このようにすれば、前後の床台における上下方向のスペースを小さくすることができる。
また、請求項8に記載の移動観覧席は、請求項10に記載のように、背凭れ付き椅子が、座部を背凭れ部に対して折り畳み可能に構成されると共に、椅子本体を床台に対して折り畳み可能に構成され、床台とそれに隣接する上下段の床台との上下方向の間隔が、座部が背凭れ部に対して折り畳まれ、且つ、椅子本体が床台に対して折り畳まれた状態の背凭れ付き椅子の高さ分だけ開いているようにされていると良い。
【0042】
このようにすれば、前後の床台における上下方向のスペースを、請求項9に記載の移動観覧席よりも更に小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、図1は背凭れ付き椅子1の側面図であり、図2は背凭れ付き椅子1の平面図であり、図3(a)は背凭れ付き椅子1の正面図であり、図3(b)は背凭れ付き椅子1の背面図である。
【0044】
図1〜図3に示すように、本実施形態の背凭れ付き椅子1(以下、単に「椅子1」ともいう)は、床面に対して横方向(図2における上下方向)に並んで立設された3つの脚体1aと、各脚体1aの間に配設され、人が座るための座部1bと、各脚体1aの間に固設され、座部1bに座った人が背を凭れるための背凭れ部1cと、を備えており、前後方向(図1及び図2における左右方向)に複数(本実施形態では2つ)並んで配置されている。
【0045】
脚体1aには、当該椅子に座った人が肘を掛けるための肘掛け1dが取り付けられている。
座部1bは、脚体1aに取り付けられた支持軸1eを介して、その着座面が略水平方向に仰向けとなる水平状態(使用状態)から略直立した垂直状態へと回動可能となるように、当該座部1bを挟んで配置された脚体1aに支持されている。なお、座部1bは、支持軸1eを中心として、その着座面が水平状態から垂直状態へと回転する方向(即ち、図1でいう時計回りに回転する方向)に付勢されており、当該座部1bに座っている人が立ち上がったときに、その着座面が水平状態から垂直状態となるように、自動で回転するようにされている。
【0046】
一方、各背凭れ部1cの背後には、その後方に配置される椅子1に座る人が使用するための収納式メモ台2が、それぞれ取り付けられている。
収納式メモ台2は、図1〜図3に示すように、板状のメモ台本体10が、その使用面10aが略直立した状態で、上方から収納部20に収納可能となるようにされている。
【0047】
また、収納式メモ台2は、図1に示すように、収納部20に収納された状態のメモ台本体10を収納部20から引き出して、そのメモ台本体10を、その使用面10aが略水平方向に仰向けとなる水平状態となるまで回転させることで使用することができ、逆に、使用状態にあるメモ台本体10を、所定の高さ位置まで持ち上げるだけで、その後メモ台本体10が自動で収納部20に収納されるように構成されている。
【0048】
次に、本発明の収納式メモ台2の構成について、図4及び図5を用いて詳しく説明する。なお、図4は、図3(b)のA−A’における断面図であり、図5は、収納式メモ台2の構成を表す分解斜視図である。
【0049】
図4及び図5に示すように、収納式メモ台2は、板状のメモ台本体10と、椅子1の背凭れ部1cの背後に取り付けられ、メモ台本体10を、その使用面10aが略直立した状態で上方から収納可能な収納部20と、収納部20の内部にてその上下方向に沿って配置されたスライドレール30と、スライドレール30に摺動自在に支持されると共に、メモ台本体10が収納部20から引き出された際に、そのメモ台本体10の使用面10aが垂直状態から水平状態へと回動可能となるよう、メモ台本体10の一端側を支持する支持部材40と、を備えている。
【0050】
収納部20は、背凭れ部1cの背後に取り付けられ、背凭れ部1cの背面のほぼ全体を囲むようにその各辺に沿って枠部22a〜22dが形成された略四角形の枠体22を備える。
【0051】
枠体22を形成する4つの枠部22a〜22dのうち、上方の枠部22aは、他の3つの枠部22b〜22dよりも板厚(椅子1の前後方向の板厚)が薄くなるようにされている。
【0052】
枠部22a〜22dのうち、左右一対の枠部22b,22cは、収納部20の側壁であり、各枠部22b,22cの内壁には、スライドレール30がそれぞれ形成されている。
また、枠部22b,22cの上方には、枠部22aとの連結部分よりも椅子1側とは反対側で且つ枠部22aよりも下方に配置されて、各枠部22b,22cを連結する梁部22eが、枠部22aに対して平行となるように設けられている。
【0053】
これにより、枠体22には、枠部22a,22b,22c及び梁部22eによって、メモ台本体10を内部に挿入するための挿入口22fが形成される。
一方、枠部22a〜22dのうち、下方の枠部22dには、椅子1側を切り欠いた溝部が形成されており、枠体22が背凭れ部1cに取り付けられることで、その溝部が、挿入口22fから当該収納部20の内部に侵入した部材を床面に落とすための排出口22gとなる。
【0054】
また、枠部22dには、挿入口22fから当該収納部20の内部に侵入した部材を排出口22gへ導くための板部材22hが、取り付けられており、板部材22hは、排出口22gに向かって傾斜している。
【0055】
次に、枠体22には、枠部22b,22c,22d及び梁部22eにより囲まれた部分が外部から見えてしまうのを防止するための壁板24が取り付けられている。
また、枠体22の上方には、枠部22aに沿って配置され、その両端が椅子1側とは反対側に突出したカバー部材26が取り付けられている。
【0056】
なお、本実施形態において、壁板24は、枠部22b,22c及び背凭れ部1cと共に、収納部の側壁となる。また、カバー部材26は、収納部20の上方からスライドレール30が見えてしまうのを防止すると共に、メモ台本体10が挿入口22fから抜けてしまうのを防止するためのものである。
【0057】
メモ台本体10は、矩形状に形成された板材であり、その4つの側面(使用面10a及びその裏面に直交する面)のうち、向かい合う1組の側面には、その一端側に略円柱状の支柱12がそれぞれ取り付けられている。
【0058】
また、メモ台本体10には、支柱12が取り付けられた一端側から、メモ台本体10の板面方向に沿って外側に突出され、その先端が裏面側から使用面10a側に向かって湾曲するように形成された湾曲部材14が設けられている。
【0059】
支持部材40は、長尺状に形成されており、メモ台本体10の支柱12が取り付けられた両側面に、それぞれ配置されている。そして、支持部材40の各々は、メモ台本体10が支柱12の中心軸を中心として回動可能となるように、その長手方向の一端側(図5でいう上側)が各支柱12に接続されている。
【0060】
また、各支持部材40には、スライドレール30との対応位置に回転ローラ42が2つずつ取り付けられており、支持部材40は、その回転ローラ42を介してスライドレール30に摺動自在に係合している。
【0061】
また、支持部材40には、各回転ローラ42の間に配置され、支柱12の中心軸に平行となるように、内側(メモ台本体10との接続面側)に突出した略円柱状の支柱40aが形成されている。
【0062】
また、各支持部材40には、長尺状に形成されて巻き取り可能な板バネ44a、板バネ44aをその一端側から巻き取るための巻取部材44b、及び、巻取部材44bを巻き取る方向に付勢する巻取用付勢部材(図示せず)からなる巻取装置44が取り付けられている。
【0063】
具体的に説明すると、巻取装置44は、巻取部材44bが、支柱40aの中心軸を中心として回動可能となるように、各支柱40aに取り付けられており、板バネ44aの他端側が、梁部22eに取り付けられる。また、本実施形態において、板バネ44aの長さは、収納部20の上下方向の長さよりも短くなるようにされている。
【0064】
また、巻取部材44bのうちの一方(本実施形態では、図5における左側の巻取部材44b)には、巻取装置44が板バネ44aを巻き取る方向とは逆方向に回転する際の巻取部材44bの回転を抑制する回転抑制部材としてのオイルダンパ46が取り付けられている。
【0065】
オイルダンパ46は、周知のロータリ式のオイルダンパであり、オイルが内蔵されている本体46aと、本体46a内を回転すると共にこの本体46aから突出した図示しない回転軸とを備え、回転軸は、巻取部材44bの回転に応じて回転するように、巻取部材44bに固設されている。そして、オイルダンパ46は、巻取部材44bが回転した際に、回転軸が本体46a内のオイルの抵抗を受けることによって、巻取部材44bの回転を抑制する。
【0066】
一方、各支柱40aの付け根部分は、連結部材48を介して互いに連結されており、連結部材48には、2つのコイルバネ50の各一端50aが、それぞれ接続されている。
各コイルバネ50の一端50aは、連結部材48の中央部分に固定されており、他端50bは、円柱状の丸棒部材52に取り付けられている。そして、丸棒部材52は、その曲面が、湾曲部材14の先端と後端との間を摺動自在となるように、湾曲部材14におけるメモ台本体10の使用面10a側の面に配置されている。
【0067】
なお、本実施形態において、コイルバネ50の弾性力は、メモ台本体10が、使用状態から図4でいう反時計回りに所定角度だけ回転したときに(後述の図6(b)参照)、メモ台本体10が図4でいう反時計回りに自動で回転するように設定されている。
【0068】
次に、本実施形態の収納式メモ台2において、収納部20に収納された状態のメモ台本体10を使用位置Xaにセットするまでの手順、及び、使用位置Xaにあるメモ台本体10を収納部20に収納する手順について、図6を用いて説明する。なお、図6は、収納部20に収納された状態のメモ台本体10を使用位置Xaにセットするまでの手順、及び、使用位置Xaにあるメモ台本体10を収納部20に収納する手順を説明する説明図であり、図6(a)は、メモ台本体10が使用位置Xaにあるときの収納式メモ台2を表す模式図であり、図6(b)は、メモ台本体10が使用位置Xaから所定角度だけ傾斜した傾斜位置Paにあるときの収納式メモ台2を表す模式図であり、図6(c)は、メモ台本体10が垂直位置Yaにあるときの収納式メモ台2を表す模式図である。また、図6は、本発明の特徴部分だけを模式的に表したものであり、巻取装置44やオイルダンパ46等の記載は省略している。
【0069】
本実施形態の収納式メモ台2において、使用者(即ち、椅子1に座った人)がメモ台本体10を使用する際には、収納部20に収納されている状態のメモ台本体10を、図6(c)に示すように収納部20から引き出し、図6でいう時計回りに回転させる。
【0070】
すると、図6(a)に示すように、メモ台本体10が使用位置Xa(即ち、メモ台本体10の使用面10aが水平状態となる位置)まで回転したところで、メモ台本体10の使用面10a側(詳しくは、メモ台本体10に取り付けられた湾曲部材14)が枠部22aに当接し、メモ台本体10の裏面側が梁部22eに当接するので、メモ台本体10は、使用位置Xaで収納部20により保持される。
【0071】
これにより、使用者は、メモ台本体10を使用することができる。
一方、使用位置Xaにあるメモ台本体10を収納部20に収納する際には、図6(b)に示すように、支柱12を中心として図6でいう時計回りに働くメモ台本体10の回転力よりも、支柱を中心として図6でいう反時計回りに働くメモ台本体10の回転力の方が大きくなる傾斜位置Paまで、メモ台本体10を持ち上げる。
【0072】
すると、メモ台本体10は、その傾斜位置Paから垂直位置Yaまで自動で回転する。
ここで、丸棒部材52(コイルバネ50の他端50b)は、メモ台本体10が図6でいう時計回りに回転すると、その回転に伴い、湾曲部材14の後端側から先端側へ向かって移動する。また、本実施形態において、湾曲部材14の湾曲している部分の形状は、丸棒部材52が湾曲部材14のどの位置にあったとしても、コイルバネ50がメモ台本体10に与える付勢力がほぼ均一となるように設計されている。
【0073】
その後、垂直位置Yaまで移動したメモ台本体10は、支持部材40がスライドレール30を摺動することによって、下方へスライドし、収納部20に収納される。
以上説明したように、本実施形態では、メモ台本体10が、収納部20から引き出されて使用位置Xaにあるときに、支柱12を中心として、使用位置Xaから垂直位置Yaへと回転する方向(図6でいう反時計回りの方向)に回転すると、丸棒部材52が、メモ台本体10の回転に従い、湾曲部材14の後端から先端へ向かって移動するので、コイルバネ50がメモ台本体10に与える付勢力が、その回転に伴い小さくなってしまうのを抑制することができる。
【0074】
このため、本実施形態の収納式メモ台2によれば、ほぼ均一の力でメモ台本体10をスムーズに持ち上げる(メモ台本体10が使用位置Xaから垂直位置Yaへと回転する方向に回転させる)ことができ、コイルバネ50がメモ台本体10に与える付勢力を適宜設定することにより、メモ台本体10を収納部20に収納する際に、所望の位置からメモ台本体10を、使用位置Xaから垂直位置Yaへと回転する方向へ自動で回転させることができる。
【0075】
よって、使用者によるメモ台本体10の収納作業時に、所望の位置にてメモ台本体10を自動で回転させると共に、その際のメモ台本体10の回転移動をスムーズにさせることができる。
【0076】
また、本実施形態の収納式メモ台2によれば、メモ台本体10を収納部20に収納する際に、例えばメモ台本体10に置かれていたペンや紙等の部材が収納部20内に侵入してしまったとしても、その部材が収納部20内に残ることなく排出口22gから出てくるので、収納部20内に侵入してしまった部材が捕れなくなってしまうことを防止することができる。
【0077】
また、本実施形態の収納式メモ台2では、巻取装置44を設けて、メモ台本体10が収納部20内を落下したときに、巻取装置44が、板バネ44aの伸びきったところでメモ台本体10を停止するようにされているので、メモ台本体10が収納部20内を落下する距離を制限することができる。
【0078】
このため、本実施形態によれば、板バネ44aの長さを適宜設定することにより、メモ台本体10が収納部20に収納されるときに収納部20の底部に衝突してしまうことを防止することができる。
【0079】
また、本実施形態では、オイルダンパ46を備えているため、メモ台本体10を収納部20に収納する際に、メモ台本体10の落下速度を充分に抑制することができる。このため、メモ台本体10が収納部20に収納されたときに生じる衝撃音を小さくすることができると共に、巻取装置44にかかる負担を軽減することができる。
【0080】
また、本実施形態では、回転ローラ42を備えているため、メモ台本体10を収納部20へ挿入したり、メモ台本体10を収納部20から引き出したりする作業を、スムーズに行うことができる。
【0081】
一方、本実施形態の椅子1によれば、その背凭れ部1cに本発明の収納式メモ台2が取り付けられているため、当該椅子1の後方に配置された椅子1に座った人は、その着座者の前方に配置されることとなる収納式メモ台2を使用することができる。
【0082】
また、椅子1に座った人は、メモ台本体2をスムーズに収納することができるので、椅子1の使い勝手が良くなる。
また、本実施形態の椅子1によれば、使用者が席を離れる際に、椅子1の座部1bが、その着座面が垂直状態となるように自動で回転するため、使用者は、より早く席を離れることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、背凭れ付き椅子1が基部に相当し、脚体1aが椅子本体に相当し、コイルバネ50が付勢部材に相当している。また、板バネ44aが長尺部材に相当し、オイルダンパ46が回転抑制部材に相当している。
【0084】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、背凭れ付き椅子1の背凭れ部1cに収納式メモ台2を取り付けていたが、これに限らず、例えば、床面において、椅子1の前に基部を取り付け、その基部に収納式メモ台2を取り付けるようにしても良い。
【0085】
また、本実施形態の収納式メモ台2は、図7に示すように、移動観覧席の床台60に設けられる背凭れ付き椅子3(以下、椅子3という)の背凭れ部3cの背後に取り付けられていても良い。なお、図7において、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0086】
具体的に説明すると、図7の移動観覧席は、椅子3を備えた高さの異なる複数段の床台60からなり、収納時には、最上段の床台60の下方に他の床台60が順に重なるように収納され、使用時には、最下段の床台が引き出されることにより、各床台60が順に展開されて階段状の観覧席を構成する伸縮展開式のものである。
【0087】
椅子3は、床台60に立設された脚体3a(本発明の椅子本体に相当)と、脚体3aに支持されて人が座るための座部3bと、脚体3aに支持され、座部3aに座った人が背を凭れるための背凭れ部3cとを備え、座部3bを背凭れ部3cに対して折り畳み可能に構成されると共に、脚体3aを床台60に対して折り畳み可能に構成されている。
【0088】
一方、床台60とそれに隣接する上下段の床台60との上下方向の間隔の各々は、座部3bが背凭れ部3cに対して折り畳まれ、且つ、椅子本体3bが床台60に対して折り畳まれた状態の椅子3の高さ分だけ開いているようにされている。
【0089】
以上のような図7の移動観覧席では、全ての床台60が収納されている状態から、最下段の床台60を椅子3の前方に向かって移動させることで、各床台60を階段状に配列して使用することができ、その配列した使用状態から、座部3bを背凭れ部3cに対して折り畳むと共に、脚体3aを床台60に対して折り畳んだ後、各床台60を椅子3の後方に向かって移動させることで、各床台60を棚状に収納することができる。
【0090】
以上のような図7の移動観覧席によれば、各椅子3の背凭れ部3cに本発明の収納式メモ台2が取り付けられているので、当該移動観覧席の使用時に、所定の床台60に設けられた椅子3に座った人は、その床台60の一段下に配置される床台60において、その人の前方に配置される椅子3の収納式メモ台2を使用することができる。
【0091】
また、移動観覧席の椅子3に座った人は、メモ台本体10をスムーズに収納することができるので、移動観覧席の使い勝手が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施形態の背凭れ付き椅子の側面図である。
【図2】同実施形態の背凭れ付き椅子の平面図である。
【図3】同実施形態の背凭れ付き椅子の正面図及び背面図である。
【図4】図3(b)のA−A’における断面図である。
【図5】実施形態の収納式メモ台の構成を表す分解斜視図である。
【図6】収納部に収納された状態のメモ台本体を使用位置にセットするまでの手順、及び、使用位置にあるメモ台本体を収納部に収納する手順を説明する説明図である。
【図7】実施形態の移動観覧席の側面図である。
【図8】従来の収納式メモ台の側面図である。
【図9】従来の収納式メモ台を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0093】
1,3…背凭れ付き椅子、1a,3a…脚体、1b,3b…座部、1c,3c…背凭れ部、2…収納式メモ台、10…メモ台本体、10a…使用面、12…支柱、14…湾曲部材、20…収納部、22…枠体、22a〜22d…枠部、22e…梁部、22f…挿入口、22g…排出口、22h…板部材、24…壁板、26…カバー部材、30…スライドレール、40…支持部材、40a…支柱、42…回転ローラ、44…巻取装置、44a…板バネ、44b…巻取部材、46…オイルダンパ、46a…本体、48…連結部材、50…コイルバネ、52…丸棒部材、60…床台、Pa…傾斜位置、Xa…使用位置、Ya…垂直位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のメモ台本体と、
床面に立設された基部に取り付けられ、前記メモ台本体を、その使用面が略直立した状態で上方から収納可能な収納部と、
該収納部の内部にて、その上下方向に沿って配置されたスライドレールと、
該スライドレールに摺動自在に支持されると共に、前記メモ台本体が前記収納部から引き出された際に、そのメモ台本体の使用面が略直立した垂直状態から略水平方向に仰向けとなる水平状態へと回動可能となるよう、前記メモ台本体の一端側を支持する支持部材と、
を備えた収納式メモ台であって、
前記支持部材により支持される前記メモ台本体の一端側から、前記メモ台本体の板面方向に沿って外側に突出され、その先端が前記裏面側から前記使用面側に向かって湾曲するように形成された湾曲部材と、
前記支持部材の下方に連結され、前記支持部材と共に前記スライドレールに対して摺動自在に支持される連結部材と、
前記湾曲部材と前記連結部材とに各端が取り付けられ、前記メモ台本体を、その使用面が前記水平状態から前記垂直状態へと回転する方向に付勢するための付勢部材と、
を備え、
前記付勢部材の前記湾曲部材側の端は、その湾曲部材の先端と後端との間を摺動自在に取り付けられていることを特徴とする収納式メモ台。
【請求項2】
前記収納部の上方には、前記メモ台本体を内部に挿入するための挿入口が形成され、
前記収納部の底部には、前記挿入口から当該収納部の内部に侵入した部材を、床面に落とすための排出口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収納式メモ台。
【請求項3】
前記収納部の内壁は、当該収納部において、前記メモ台本体を収納した際に該メモ台本体の板厚方向となる当該収納部の幅が、前記挿入口よりも前記排出口の方が狭くなるように形成され、更に、前記排出口に向かって傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の収納式メモ台。
【請求項4】
長尺状に形成されて巻き取り可能な長尺部材、該長尺部材をその一端側から巻き取るための巻取部材、及び、該巻取部材を巻き取る方向に付勢する巻取用付勢部材からなる巻取装置を備え、
該巻取装置は、前記長尺部材の他端及び前記巻取部材の一方が、前記支持部材若しくは前記連結部材に取り付けられ、前記長尺部材の他端及び前記巻取部材の他方が、前記収納部の上方に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の収納式メモ台。
【請求項5】
前記巻取装置の前記巻取部材に取り付けられ、前記巻取部材が前記長尺部材を巻き取る方向とは逆方向に回転する際の前記巻取部材の回転を抑制する回転抑制部材を備えたことを特徴とする請求項4に記載の収納式メモ台。
【請求項6】
前記支持部材及び前記連結部材と前記スライドレールとの係合部に、回転ローラを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の収納式メモ台。
【請求項7】
着座者が座るための座部と、
床面に設置され、前記座部を略水平に支持するための椅子本体と、
該椅子本体に支持され、前記座部に座った着座者が背を凭れるための背凭れ部と、
を備えた背凭れ付き椅子であって、
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の収納式メモ台が、前記背凭れ部の背後に取り付けられていることを特徴とする背凭れ付き椅子。
【請求項8】
椅子を備えた高さの異なる複数段の床台からなり、収納時には、最上段の床台の下方に、他の各床台が順に重なるように収納され、使用時には、最下段の床台が引き出されることにより、各床台が順に展開されて階段状の観覧席を構成する伸縮展開式の移動観覧席において、
前記椅子は、請求項7に記載の背凭れ付き椅子であり、その前方が、前記床台が引き出される方向を向くように配置されていることを特徴とする移動観覧席。
【請求項9】
前記背凭れ付き椅子は、背凭れ部を座部に対して折り畳み可能に構成され、
前記床台とそれに隣接する上下段の床台との上下方向の間隔は、前記背凭れ部が前記座部に対して折り畳まれた状態の背凭れ付き椅子の高さ分だけ開いていることを特徴とする請求項8に記載の移動観覧席。
【請求項10】
前記背凭れ付き椅子は、座部を背凭れ部に対して折り畳み可能に構成されると共に、椅子本体を前記床台に対して折り畳み可能に構成され、
前記床台とそれに隣接する上下段の床台との上下方向の間隔は、前記座部が前記背凭れ部に対して折り畳まれ、且つ、前記椅子本体が前記床台に対して折り畳まれた状態の背凭れ付き椅子の高さ分だけ開いていることを特徴とする請求項8に記載の移動観覧席。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−7329(P2007−7329A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195363(P2005−195363)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000116596)愛知株式会社 (37)
【Fターム(参考)】