説明

取付け具、髄内釘キット、および、釘組立て品を事前設定する方法

【課題】整形外科用留め具に関する諸問題の幾つかを軽減する。
【解決手段】釘本体を有する髄内釘、および、釘本体に対して方向が確定されることが可能であるネジを受け入れるためのネジ機能部、と共に使用される取付け具が提供される。取付け具は、釘に対して、ネジ機能部の方向を確定するように構成されている。取付け具は、釘本体と協働する第1の部分と、釘本体に対するネジ機能部の複数の位置の1つの位置に対応することのできる第2の部分とを含む。取付け具は、第2の部分に関連してネジ機能部と協働するための、ネジ機能部協働機能部を更に含む。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、概して整形外科学の分野に関し、更に詳しくは、整形外科用外傷製品または整形外科用連結製品として使用するために、人工装具部品を骨に固定するためのデバイスに関する。
【0002】
〔関連出願に対する相互参照〕
相互参照は、本出願と同時に出願された次の出願:発明の名称「髄内釘インプラント組立て品、キットおよび方法(INTRAMEDULLARY NAIL IMPLANT ASSEMBLY, KIT AND METHOD)」のDEP5517USNP、発明の名称「髄内釘、髄内釘組立て品および方法(INTRAMEDULLARY NAIL, INTRAMEDULLARY NAIL ASSEMBLY AND METHOD)」のDEP5720USNP、発明の名称「可変角の髄内釘、キットおよび方法(VARIABLE ANGLE INTRAMEDULLARY NAIL KIT AND METHOD)」のDEP5654USNP、発明の名称「可変角の髄内釘、組立て品および方法(VARIABLE ANGLE INTRAMEDULLARY NAIL, ASSEMBLY AND METHOD)」のDEP5722USNP、発明の名称「可変角の取付け具、キット、および、釘組立て品の事前設定方法(VARIABLE ANGLE FIXTURE, KIT AND METHOD OF PRESETTING A NAIL ASSEMBLY)」のDEP5723USNP、に対して行われる。これらの出願明細書は、参照されることによって本明細書に組み入れられる。
【0003】
〔発明の背景〕
骨格系は、人間の胴から延びる多数の長骨を含む。このような長骨には、大腿骨、腓骨、脛骨、上腕骨、橈骨、および尺骨が含まれる。これらの長骨は、特に、事故によって外傷を受けやすく、このような外傷で骨折することがよくあり、重度な複雑骨折をすることもある。
【0004】
例えば自動車事故が、長骨の外傷の一般的な原因である。具体的には、正面衝突で膝の周囲の領域が当たると、大腿骨および脛骨が骨折することがよくある。
【0005】
例えば大腿骨や脛骨などの長骨の遠位端部または近位部分は、骨折して複数に分離することがよくあり、再整合しなければならない。通常は、ピン、プレート、ネジ、釘、ワイヤ、および外部装置の形態である機械装置が、骨折した長骨を取り付けるために一般に用いられている。ピン、プレート、ワイヤ、釘、およびネジは通常、例えば、チタン、ステンレス鋼、またはコバルトクロムなどの人体に適合性である耐久材料から形成されている。
【0006】
長骨の骨折部は通常、3つの可能な技術の少なくとも1つによって所定の位置に固定される。
【0007】
第1の方法は、骨折した骨の部分の髄管内に配置する髄内釘を用いることである。
【0008】
骨折した骨を修復するための第2の方法は、内部骨プレートを用いることである。この内部骨プレートは、軟組織の下側の骨の外側に配置され、骨の骨折部分をブリッジする。
【0009】
骨折した骨を所定の位置に固定するための別の方法は、外部固定装置を用いることである。このような外部固定装置は、少なくとも2つに大きく分類できる。1つの分類では、固定装置は、概ね線形であって、骨の第1の骨折部分に連結するための第1の部分と、骨の第2の骨折部分に連結するための第2の部分を備えている。第1の一連の骨ネジまたはピンが、まず固定装置に連結され、次に骨の第1の部分に連結される。次に、第2の一連のネジまたはピンが、固定装置に連結され、次に、骨の第2の骨折部分に連結される。したがって、骨の第1の部分の骨折部分が、骨の第2の部分に固定される。
【0010】
外部固定装置の第2の方法では、骨を固定するために一連の離間したリングを用いるリング型固定装置が用いられる。例えば、上側リングと下側リングがロッドによって離間している。複数のワイヤが、長骨内に通され、リングによって長骨の各端部に連結される。次に、ワイヤが、自転車のスポークが張られるのと同じ要領で張力がかけられ、それにより骨の第1の骨折部分を支持する剛体構造が形成される。同様に、複数のワイヤが、骨の第2の骨折部分内に通され、下側リングによって固定されて張力をかけられ、骨折部位をブリッジする骨の第2の骨折部分が強固に固定される。
【0011】
大腿骨の骨折を治療するために用いられる様々な装置が存在する。大腿骨の頚部、骨頭、または転子間の骨折は、様々な圧縮ネジ組立体を用いて適切に治療されてきた。圧縮ネジ組立体は通常、バレル部材、ラグネジ、および圧縮ネジを有する圧縮プレートを含む。このような圧縮プレートは、大腿骨の外側に固定され、バレル部材は、大腿骨骨頭の方向に予め穿孔された孔の中に挿入される。
【0012】
ネジ付き端部および平滑部分を有するラグネジが、損傷部に亘って大腿骨骨頭内に延びるようにバレル部材内に挿入される。ネジ部分が、大腿骨骨頭に係合する。圧縮ネジが、ラグネジをプレートに連結する。圧縮ネジの張り具合を調節して、骨折の圧縮(整復(reduction))を調節することができる。ラグネジの平滑部分は、圧縮ネジを調節できるようバレル部材内を自由にスライドできなければならない。
【0013】
転子下の、および大腿骨骨幹の骨折は、大腿骨の髄管内に挿入されて骨折した大腿骨の骨折部分を固定する髄内ロッドを用いて治療されてきた。1つの傾斜交差釘または止めネジが、大腿骨を通って髄内ロッドの近位端部に挿入される。一部の変更形態では、1つまたは2つのネジを、大腿骨骨幹を通して髄内ロッドの遠位端部内に挿入することもできる。標準的な髄内ロッドは、大腿骨骨幹の下部の骨折の治療に適切に用いられている。
【0014】
大腿骨頚部の骨折の修復に用いられる転子釘は、例えばラグネジの形態のネジを利用する。
【0015】
例えば、小転子、大転子、および大腿骨頚部などの周りの近位大腿骨骨折は、様々な圧縮ネジ組立体および髄内ロッドを用いて適切に治療されてきた。髄内ロッドが、大腿骨の狭い管内に挿入され、骨折した大腿骨部分が固定される。一般に、1つのネジが、大腿骨および髄内ロッドの近位端部を通して挿入される。別法では、第2のネジが、大腿骨を通して髄内ロッドの近位端部内に挿入され、例えば、大腿骨の頚部および骨頭の回転が防止される。
【0016】
髄内ロッドまたは釘が、大腿骨の骨幹または頚部の骨折の修復によく用いられる。大腿骨の髄内管と頚部の中心線が、これらの間に所与の角度を成している。大腿骨と大腿骨頚部との間の角度は、患者によって様々である。患者の大腿骨における骨幹に対する頚部の角度の差異に対応する試みがなされてきた。例えば、大腿骨頚部の異なる角度が得られる髄内釘が提供された。例えば、125度、130度、および135度の大腿骨頚部の角度が提案されている。外科医がこの角度を提案された角度から変更したい場合は、この髄内釘を利用できないため、この解決策は最善の方法ではない。また、この解決策では、それぞれが固有の大腿骨頚部の角度を有する3つの異なる髄内釘の在庫が必要となる。さらに、大腿骨頚部は、プロテーゼの大腿骨頚部の角度に一致する骨折パターンの骨折が起こることもある。患者がこのような骨折をした場合、頚部を適切に修復することができるように、骨折パターンの角度とは異なる角度となる大腿骨頚部の角度を提供するのが望ましい場合がある。
【0017】
本発明は、整形外科用締結具によって、上記問題のいくらかを軽減することに関する。
【0018】
〔発明の概要〕
本発明によると、髄内釘のほぼ長さ方向軸に沿って配置された回転性円筒体(rotating cylinder)を有する髄内釘が提供される。回転性円筒体は、固定された支持ロッド(support rods)が追加されて、該円筒体の中心の周りで旋回することが可能となる。該支持ロッドは、回転性円筒体を支持するが、該円筒体に固定されず、そのことによって、該円筒体は旋回することが可能となる。回転性円筒体は、所望の角度で配置可能であること、および、髄内釘の中心を通る固定装置によって、所定の位置に固定されることが可能である。
【0019】
本発明は、髄内釘の形態、例えば、大腿骨用釘、脛骨用釘、または、長骨の管にぴったり嵌めることのできるいずれかの釘であることができる。髄内釘は、該釘の本体の中に、旋回する円筒体を有する。旋回する円筒体またはバレルは、様々な角度で髄内釘を通ってバレル中に形成された開口部の中に止めネジ(locking screw)が配置されるのを可能にする。止めネジは、例えば、髄内釘の中心軸に垂直に配置されてもよく、または、その垂直方向から45°以下の角度(しかし、その角度に限定されない)で配置されてもよい。バレルは、次いで、固定装置で固定されることが可能である。例えば、固定装置は、選定された最適な角度でバレルを固定するための、髄内釘中の雌ネジとかみ合う雄ネジを有する固定プラグ(locking plug)の形態であってもよい。
【0020】
本発明の別の具体例によると、長骨の髄管の中でネジと共に使用される髄内釘組立て品が提供される。該組立て品は、長骨の髄管の中で使用される髄内釘組立て品を含む。該組立て品は、該髄管の中に少なくとも部分的に配置する釘を含む。釘は、該釘を通り抜ける開口部を画定する。釘は、該釘の長さ方向軸を更に画定する。該組立て品は、ブシュおよびネジを更に含む。ブシュは、該開口部の中に少なくとも部分的に配置されるように、かつ、該釘の該長さ方向軸に対して複数の角度方向で該ネジを受け入れるように構成されている。
【0021】
本発明の別の具体例によると、長骨の髄管の中で使用される髄内釘キットが提供される。髄内釘キットは、髄管の中に少なくとも部分的に配置する釘を含む。釘は、釘を通り抜ける釘開口部を画定する第1の内壁を有する。釘は、該釘の長さ方向軸を更に画定する。髄内釘キットは、釘の開口部と協働するネジと、該開口部に少なくとも部分的にぴったり嵌まることができるブシュであって、該釘の該長さ方向軸に対して複数の角度方向で該ネジを受け入れるように構成されている該ブシュを更に含む。髄内釘キットは、該ネジおよび該ブシュの少なくとも一方を、該釘に対して配置するためのデバイスを更に含む。
【0022】
本発明の更に別の具体例によると、長骨に関する外傷手術を実施する方法が提供される。その方法は、髄内釘を提供する段階を含む。該髄内釘はそれを通り抜ける開口部を画定する。該開口部はその開口部の中心線を有している。該開口部の該中心線は調節可能である。その方法は、長骨に取り付けられるネジを提供する段階と、患者に特有の情報に基づき、該開口部の該中心線の適切な位置を決定する段階とを更に含む。その方法は、髄内釘の該開口部の該中心線を前記の適切な位置に調節する段階と、該髄内釘を該患者に植え込む段階と、該ネジを該髄内釘の該開口部の中に植え込む段階とを含む。
【0023】
本発明の更に別の具体例によると、長骨の髄管の中でブシュおよびネジと一緒に使用される髄内釘組立て品が提供される。前記組立て品は、前記髄管の中に少なくとも部分的に配置する本体を含む。前記本体は、前記本体を通り抜ける本体開口部を画定している。前記本体は、前記本体の長さ方向軸と、前記本体に操作可能に連結される方向確定機能部(orientation feature)とを更に画定している。前記方向確定機能部は、前記ブシュが前記本体の前記長さ方向軸に対して複数の角度方向で前記ネジを受け入れることができるように、前記ブシュが前記本体に対して移動可能なように配置できるように、前記ブシュを支持するように構成されている。
【0024】
本発明の更に別の具体例によると、長骨の髄管の中でネジと共に使用される髄内釘組立て品が提供される。前記組立て品は、前記髄管の中に少なくとも部分的に配置する釘を含む。前記釘は、前記釘を通り抜ける釘開口部を画定する第1の内壁を有する。前記釘は、前記釘の長さ方向軸とブシュとを更に画定している。前記ブシュは、前記釘開口部に少なくとも部分的に、回転可能に配置され、かつ、前記釘の前記長さ方向軸に対して複数の角度方向で前記ネジを受け入れるように構成されている。
【0025】
本発明の別の具体例によると、長骨に対する外傷手術を実施する方法が提供される。該方法は、長骨に取り付けられるネジを提供する段階と、髄内釘を提供する段階とを含む。前記釘は前記釘を通り抜ける開口部を画定している。前記開口部は前記ネジにぴったり整合している。前記釘に対する前記開口部の中心線の方向は、固定可能に変更することができる。前記中心線の様々な方向のうち、事前に選定された1つの方向に固定された前記中心線を、前記釘は備える。該方法は、髄管の中に前記釘を少なくとも部分的に植え込む段階と、ネジを前記開口部に通して前記長骨に取り付ける段階とを含む。
【0026】
本発明の別の具体例によると、釘本体を有する髄内釘、および、前記釘本体に対して方向が確定されることが可能であるネジを受け入れるためのネジ機能部、と共に使用される取付け具が提供される。前記取付け具は、前記釘に対して、前記ネジ機能部の方向を確定するように構成されている。前記取付け具は、前記釘本体と協働する第1の部分と、前記釘本体に対する前記ネジ機能部の複数の位置の1つの位置に対応することのできる第2の部分とを備えている。前記取付け具は、前記第2の部分に対して前記ネジ機能部と協働するための、ネジ機能部協働機能部を更に備えている。
【0027】
本発明の別の具体例によると、関節形成術を実施するのに使用されるキットが提供される。前記キットは、髄管の中に少なくとも部分的に配置する釘本体を有する釘を備えている。前記釘本体は、第1の内壁を有し、第1の内壁は、この内壁を通り抜ける釘開口部を画定している。前記釘本体は、前記釘本体の長さ方向軸を更に画定している。前記釘は、前記釘開口部の中に少なくとも部分的に配置され、内部に開口部を画定するネジ機能部を更に含む。前記ネジ機能部は、前記釘本体の前記長さ方向軸に対して複数の角度方向で移動するのに適している。前記キットは、前記ネジ機能部の前記開口部の内部に少なくとも部分的にぴったり嵌ることのできるネジと、取付け具とを更に備えている。前記取付け具は、前記釘本体と協働する第1の部分と、前記ネジ機能部と協働する第2の部分とを備えている。前記第2の部分は、前記第1の部分に対して、複数の位置に配置されることが可能である。前記取付け具は、前記取付け具の前記第1の部分に対して前記釘を配置するための釘配置機能部と、前記取付け具の前記第2の部分に対して前記ネジ機能部を配置するためのネジ機能部配置機能部とを更に備えている。
【0028】
本発明の別の具体例によると、患者の長骨に対する外傷手術を実施する方法において、髄内釘組立て品を提供する段階を含む該方法が提供される。該組立て品は、釘本体と、前記釘本体に対して複数の角度で配置することが可能であるネジ機能部とを含む。該方法は、患者に切開部を形成し、前記長骨を露出させる段階と、前記患者の複数の骨の1つの骨の形状に関連する、前記患者に特有のデータを入手する段階とを更に含む。該方法は、前記患者に特有の前記データに基づき、前記釘本体に対する、前記ネジ機能部の適切な角度関係を決定する段階と、前記釘本体に対する前記ネジ機能部の角度位置を設定するための取付け具を提供する段階とを更に含む。該方法は、前記釘本体に対する前記ネジ機能部の前記角度位置を、前記取付け具との適切な前記角度関係で設定する段階と、前記釘組立て品を前記患者に植え込む段階とを更に含む。
【0029】
本発明の技術的な利点には、髄内釘の長さ方向軸に対して様々な角度でネジを配置できることが含まれる。様々な角度でネジを配置できるため、例えば大腿骨の、頚部と骨幹との間の角度(neck shaft angle)における、患者ごとの差異に対処することができ、あるいはネジでつなぐ骨折部に対して適切な角度位置にネジを配置できる。
【0030】
例えば、本発明の一態様に従って、長骨の髄管内でネジと共に使用するための髄内釘を提供する。この組立体は、髄管内に配置するための釘を含む。この釘は、この釘を貫通した開口部を含む。この釘は、長さ方向軸をさらに画定している。この釘組立体は、開口部内にブシュ位置をさらに備え、複数の角度位置でネジを受容するように構成されている。
【0031】
したがって、本発明により、釘に対して様々な角度でネジを配置することができる。したがって、本発明により、釘に対して様々な角度でネジを設けることができる。この様々な角度により、解剖学的構造における差異、および特に頚部の骨折部などの骨折部の位置における差異に対応できる。
【0032】
本発明の技術的な利点には、様々な角度のいずれか一つに旋回バレルを固定して、それにより、ネジ、特に大腿骨髄内釘の大腿骨頚部のネジを所定の固定角度にできることがさらに含まれる。
【0033】
例えば、本発明の別の態様によると、髄管内でネジと共に使用される髄内釘が提供される。髄内釘は、該釘の中に少なくとも部分的に配置され、かつ、開口部を含む。ブシュは、該開口部の中に配置され、かつ、複数の角度方向でネジを受け入れるように構成されている。固定デバイスは、特定の固定された角度で、ブシュを固定可能に配置するための釘と関連する。したがって、本発明は、旋回バレルを、所定の選択された角度で固定することができる。
【0034】
本発明の技術的な利点には、髄内釘に対して特定の角度でネジを備えた髄内釘組立体を提供することで、人体の解剖学的構造の差異および骨折位置の差異に対応できることがさらに含まれる。例えば、本発明のさらに別の態様に従って、髄管内でネジと共に使用するための髄内釘を提供する。
【0035】
釘組立体は、髄管内に部分的に配置され、貫通した開口部を画定する釘を含む。釘組立体はまた、開口部内に配置され、かつ釘の長さ方向軸に対して所定の角度でネジを受容するように構成されたブシュを含む。したがって、本発明は、髄内釘の長さ方向軸に対して特定の角度でネジを設けることで、人体の解剖学的構造および骨折位置における差異に対応できるネジを有する髄内釘を提供する。
【0036】
本発明の技術的な利点には、病院または製造施設における髄内釘の在庫を減らすことができることが含まれる。例えば、本発明のさらに別の態様に従って、開口部を画定している釘、およびこの釘内に適合し、かつ複数の位置に配置されるように構成されたブシュを含む髄内釘組立体を提供する。この釘組立体は、この髄内釘組立体が釘に対して複数の角度関係が得られるようにブシュ内に配置できるネジをさらに含む。
【0037】
したがって、本発明は、様々な角度位置に配置できるネジを備えた髄内釘を提供する。様々な角度位置に配置できるネジを備えた髄内釘組立体を提供することにより、個々の特定の角度位置またはある範囲の角度位置に対して個々の釘組立体を用意する必要がなくなり、これにより、在庫を減らすことができる。したがって、本発明により、釘組立体の在庫を減らすことができる。
【0038】
本発明の技術的な利点には、大腿骨の頚部に理想的な角度位置で配置できるネジを備えた大腿骨髄内釘を提供することができることが含まれる。例えば、本発明の別の態様に従って、開口部を含む釘、およびこの釘に対して回転可能に配置され、かつ釘内にはめ込まれたブシュを含む髄内釘組立体を提供する。この釘組立体は、ブシュの開口部内に適合するネジも含む。このネジは、患者の体内の所望の位置に釘を配置するべく、この釘に対して回転可能に配置することができる。したがって、本発明は、ネジを大腿骨頚部の最適な位置に配置できる髄内釘を提供する。
【0039】
本発明の技術的な利点には、大転子と小転子との間に理想的な角度で配置できるネジを備えた髄内釘を提供することができることも含まれる。例えば、本発明のさらに別の実施形態に従って、開口部を有する釘、およびその開口部内に適合可能に、かつ回転可能に配置されるブシュを含む髄内釘組立体を提供する。このブシュは、大転子から小転子に延在するように所与の角度で配置されるネジを受容するための開口部を含む。したがって、本発明は、大転子および小転子に対して理想の角度位置で配置できるネジと協働する髄内釘を提供する。
【0040】
本発明の技術的な利点には、大腿骨の頚部における骨折と大転子および小転子に関連した骨折に同じ釘で対応できることも含まれる。
【0041】
例えば、本発明のさらに別の態様に従って、開口部を有する釘を含む髄内釘組立体を提供する。この釘の開口部は、釘内に回転可能に配置できるブシュを受容する。このブシュは、ネジが大腿骨の頚部と整列した第1の位置から、ネジが大転子および小転子に対して配置された第2の位置まで回転可能に配置できるネジを受容する開口部を含む。したがって、本発明は、大転子および小転子の両方の骨折と大腿骨頚部の骨折に用いることができる髄内釘組立体を提供する。
【0042】
本発明の技術的な利点には、患者の特別な要求に対して予め設定することができる髄内釘を提供できることも含まれる。例えば、本発明のさらに別の態様に従って、髄内釘キットを提供する。このキットは、ブシュを受容するための開口部を有する釘、およびその開口部内に回転可能に適合するブシュを含む。このブシュは、ネジを受容するための開口部を含む。釘組立体は、特定の角度関係で釘に対してブシュを固定するための固定機構も含む。
【0043】
このキットは、釘に対してブシュの位置を事前に設定すなわち整合させて、固定機構で所定の位置にロックされる釘に対してブシュの整合位置を実現する整合装置も含む。したがって、本発明は、所定の位置に事前に設定することができる髄内釘組立体を提供する。
【0044】
本発明の他の技術的利点は、添付図面、次の記述および特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0045】
対応する参照符号は、幾つかの図面の全体にわたり、対応する部分を示す。同様の参照符号は、幾つかの図面の全体にわたり、同様の部品を示す傾向がある。
【0046】
〔発明の詳細な記述〕
本発明の具体例および本発明の利点は、次の記述及び図面を参照することによって最もよく理解される。それらの記述及び図面において、同様の参照符号は、図面の中の同様の対応部品に対して用いられている。
【0047】
さて、図1を参照すると、本発明による髄内釘組立て品(intramedullary nail assembly)10は、長骨4の髄管2の中で使用されるように示されている。長骨4は、体の中の長骨であればいかなるもの(例えば、大腿骨、脛骨または上腕骨)でもよい。
【0048】
さて、図1を参照すると、本発明によると、髄内釘組立て品10は、長骨4の髄管2の中で、ネジ12と共に使用するように示されている。釘組立て品10は、釘14を含む。釘14は、少なくとも部分的に髄管2の中に配置するように構成されている。釘14は、釘14を通過する開口部16を画定する。釘14は、釘14の長さ方向軸18を画定する。
【0049】
釘組立て品10は、ブシュ(bushing)20を更に含む。ブシュ20は、少なくとも部分的に釘14の開口部16の中に配置される。ブシュ20は、釘14の長さ方向軸18に対して、複数の角度位置(angular positions)でネジ12を受け入れるように構成されている。
【0050】
ブシュ20は、様々な方法または具体例において、複数の角度方向でネジ12を受け入れるように構成することができる。例えば、釘組立て品10は、ブシュ20が釘14の開口部16の中に可動的に配置可能であるように、構成することができる。
【0051】
ブシュ20は、釘14内部で、適切な様々な相対的配置(configurations)のいずれかで回転可能に配置されてもよい。例えば、ブシュ20は、該ブシュの周辺部22の周りに回転することができるか、または、ブシュ20は、ブシュ20の回転中心線(rotational centerline)26に沿って中心に配置された、向き合った心棒(opposed stems)24を有することができる。心棒24は、ブシュ20の中に形成された横向き開口部(transverse openings)28に、回転可能に嵌め込むことができる。心棒24は、ブシュ20と一体化されていてもよく、または、単純にするために、ブシュ20の長さ方向中心線26に沿って配置された、ブシュ20の長さ方向開口部30の中にぴったり嵌るように配置された別個の部品であってもよい。ブシュ20は、ネジ12の軸部(shank)34を受け入れるための横向きブシュ開口部(transverse bushing openings)32を更に含む。
【0052】
横向き開口部32は、釘14の長さ方向軸18と角度αを形成する横向き開口部中心線(transverse opening centerline)36を画定する。角度αは、矢印38の方向にブシュ20を回転させることによって、最適角度αを得るように変更または調整することができる。ブシュ20と釘14との間の隙間(clearance)は、ひとたび確立された角度αを維持するために最小限であってよい。
【0053】
釘14は、釘14が長骨4の髄管2の中にぴったり嵌り得るように、任意の適切な形状を有することができる。例えば、釘14は、例えば円筒状または円形であることができる外周部40を有することができる。釘14の外周部40は、均一であってもよく、または、図1に示されるように、大腿骨4の顆部分(condylar portion)6の近辺でより大きい直径を有してもよい。外周部40は、釘の近位部分42でより大きい直径を有し、釘14の遠位部分44でより小さい直径を有することができる。釘14は、中実断面を更に有してもよく、または、図1に示すように、カニューレ状になっていてもよく、もしくは、釘14の中心線18に沿って延びている長さ方向の開口部46を有してもよい。釘14は、一直線状もしくは線形である場合があるか、または、長骨4の髄管2に一致するように曲がっているか、もしくは湾曲していてよい。
【0054】
例えば、図2に示すように、釘14の外周部40の形状をより詳細に示す。図2に示されるように、釘14は、概して円形の横断面を有する。釘14は、直径DPによって画定される近位部分42に加えて、近位部分42から延びている遠位部分44であって直径DDを有する円形の横断面を有する遠位部分44を有している。
【0055】
今度は図3および図4を参照すると、釘組立て品10を形成するために、釘14の中に配置されているブシュ20がより詳細に示されている。図3および図4に示されるように、ブシュ20は、釘14の中に形成された開口部16の中にぴったり嵌る。開口部16は、ブシュ20を受け入れるために、かつ、ネジ12(図1を参照されたい)が釘14の長さ方向軸18に対して複数の角度位置で配置されることが可能となるために、十分大きいことが好ましい。
【0056】
例えば、図3に示されるように、開口部16は、概して一定の横断面を有しており、かつ、向かい合う平坦な端部48によって画定される。開口部16は、図3に示されるように、平坦な端部48から延びている、向かい合う半円形の端部50によって更に画定される。
【0057】
今度は図4を参照すると、開口部16の形状によって、ネジ12は、心棒またはピン24の周りにアーチ方向(arcuate direction)に回転することができる。例えば、ネジ12は、水平な中心線52からネジ12の中心線36まで近位方向にαの角度で、かつ、水平な中心線52からネジ12の中心線36まで遠位方向に角度βで回転することができる。
【0058】
今度は図5を参照すると、開口部16がより詳細に示される。開口部16は、例えば、向かい合う平坦な端部48の一方から向かい合う平坦な端部48の他方まで延びる幅Wによって画定されることが可能である。開口部16は更に、向かい合う半円形の端部50を画定する、一対の向かい合う半径Rによって画定されることが可能である。半径Rは、基点(origins)54から延びている。基点54は、距離Lによって分離されている。
【0059】
今度は図6および図7を参照すると、釘14の近位部分42が、ブシュ16、および、該釘の中には取り付けられていないピン28と共に示される。釘14は、ブシュ16を受け入れるための開口部16の他に、ピン24を受け入れるための横向き開口部28を含む。釘14は、中実であってもよく、または、図6および図7に示されるように、カニューレ状になっていてもよい。釘14は、釘14の長さ方向の中心線に沿って延びている長さ方向の開口部46を含む。
【0060】
本発明の、複数位置釘組立て品(multiple position nail assembly)は、該釘組立て品が例えば、大腿骨の頚部を支持することができるような具合に、釘に対するブシュの角度位置を選択的に動かないように連結するための手段を含むことが好ましい。
【0061】
ブシュは、いずれかの適切な方法で、釘に、選択的に動かないように連結されることが可能である。ピンは、動かないように、または回転可能に、ブシュに連結されることが可能である。ピンがブシュに動かないように連結される場合、ピンを釘に選択的に動かないように連結することによって、釘は、ブシュに選択的に連結されることが可能である。代わりに、ブシュは、釘に選択的に動かないように連結されることが可能である。単純化するために、ブシュ20の周辺部を、選択的に接触させるか、またはかみ合わせて、該ブシュを釘に、動かないように連結することができる。
【0062】
例えば、図8に示されるように、釘14に対してブシュ20を選択的に動かないように配置するために、例えば、固定プラグ(locking plug)の形態の固定手段(locking means)54を使用する。固定手段54は、選択的に押し動かして、例えば、ブシュ20の周辺部22と接触させる。固定手段54は、いずれかの手段によって、ブシュを選択的にしっかり係合させることができる。例えば、図8に示すように、固定プラグ54は、釘14の近位部分42の近位端に形成されたカウンターボア(counter-bore)60の上に形成された雌ネジ58とかみ合う雄ネジ56を含むことができる。固定プラグ54は、ブシュ20の周辺部22と選択可能に接触する心棒(stem)62を含む。
【0063】
例えば、図8に示されるように、ブシュ開口部32の中心線36が適切な角度位置となるような具合に、中心線36を矢印38方向に回転させる。ひとたび、ブシュ開口部32が適切に方向付けされれば、心棒62がブシュ20の周辺部22に対して固定し、釘14に対してブシュ開口部32の固定された角度方向(angular orientation)が提供されるような具合に、心棒62を矢印38方向に進めるように、固定プラグ54を回転させる。
【0064】
今度は図9を参照すると、固定プラグ54がより詳細に示される。固定プラグ54は、釘14の雌ネジ58(図7を参照されたい)と協働するための雄ネジ56を含む。固定プラグ54は、ブシュ20(図8を参照されたい)と接触するための心棒62を更に含む。固定プラグ54は、例えば、(図示されていない)標準ねじ回しと協働するための六角ドライブ66を更に含む。固定プラグ54は、中央の長さ方向開口部68を含むことができる。
【0065】
今度は図10を参照すると、ピン24は、(図1に、より詳細に示される)釘組立て品10の中で使用される、向き合った心棒としての機能を果たす。ピン24は、例えば、円筒状横断面を有することができ、また、直径DPおよび長さLPによって画定することができる。
【0066】
今度は図11を参照すると、ブシュ20がより詳細に示される。ブシュ20は、直径DBおよび長さLBによって画定される。ブシュ20は、中央の長さ方向開口部30を含むことができる。
【0067】
今度は図12を参照すると、ブシュ20は、概して円筒形状と円形の横断面を有する場合があり、直径DBによって画定することができる。ブシュ20の開口部30は、直径DOによって画定することができる。
【0068】
図1〜図3の髄内釘組立て品10は、人体と適合性のある(compatible)、適切な耐久性材料であればいかなる材料で作ってもよい。例えば、釘組立て品10は、複数の部品(例えば、釘14、ブシュ20およびピン24に加えて、例えば、金属、プラスチックまたは複合材料で作られた固定プラグ54を含むことができる。釘組立て品10の諸部品は、金属で作られる場合、例えば、コバルトクロム合金、ステンレス鋼合金またはチタン合金で作ることができる。釘組立て品10の諸部品は、簡略化しかつ材料の相互作用を回避するため、全て同一材料で作ることができる。
【0069】
今度は図13を参照すると、釘組立て品10の全体が示される。一方、本発明の釘および釘組立て品は、いかなる長骨においても利用することができ、また、体の長骨の中の、様々な市販タイプの髄内釘のいかなる釘の代わりにも利用することができるということを認識すべきである。
【0070】
図13に示される釘組立て品10は、ピリ・フォーマ釘(piri forma nail)の形態である。図13の釘組立て品10のピリ・フォーマ釘14は、大腿骨4の顆部分6のピリ・フォーマ部分(piri forma)を通して挿入するように設計されている。図13に示されるような、大腿骨4のピリ・フォーマ部分8は、図13の前面/後面図において見られるように、大腿骨4の長さ方向中心の線と一致している。このように、釘組立て品10の釘14は、前面/後面図に示されるように概して一直線である長さ方向中心線18を有する。
【0071】
釘組立て品10は、近位部分42と遠位部分44とを含む。近位部分42は、ピン24によって釘14に固定されているブシュ20を含む。釘14は、長さ方向に延びる開口部またはカニューレ46を有することができる。
【0072】
釘14は、大腿骨4の遠位部分44にネジを固定して、釘組立て品10を大腿骨4に適切に固定するための、追加の横向き開口部(transverse openings)を更に含む。釘14は、単一の遠位開口部、または、図13に示されるように、複数の遠位開口部を含むことができる。例えば、釘14は、図13に示される、内側から横方向に延びる場合もある第1の遠位開口部70の他に、内側から横方向に延びる場合もある第2の遠位開口部72を含む。
【0073】
図14に示されるように、釘組立て品10の釘14は、大腿骨の生来の湾曲特性またはアーチ形特性に対応するように、図14の内側/側面図では、概してアーチ形状を有している。図14に示される、釘14の長さ方向中心線18は、基点(origin)78から延びる半径R1によって画定される方向に延びている。半径R1と基点78の位置とを選定して、ヒト大腿骨の形状をモデル化する。半径R1の基点78の位置とR1の寸法とは、釘14の大きさと釘14が適合するように設計される特定の解剖学的大腿骨とによって決まるが、それらに対応して変わることを認識すべきである。
【0074】
今度は図15を参照すると、釘14の遠位部分44における遠位開口部70および72がより詳細に示される。第1の遠位開口部70および第2の遠位開口部72は、いずれかの適切な形状を有することができる。開口部70および72は、釘14の遠位部分44の長さ方向軸18に対して垂直であるか、または横方向であることが好ましい。開口部70および72がそのように横方向に配向されることによって、(図示されていない)横方向のネジがそれらの開口部を通って大腿骨の皮質壁の中に固定される能力が提供される。
【0075】
開口部70および72は、適切な形状を有することができ、また、図15に示されるように、第1の開口部70に示されるような円筒状開口部を包含することができるか、または、第2の開口部72に示されるような長円形開口部を提供することができる。第2の開口部72のような長円形開口部によって、釘14の遠位部分44が大腿骨またはネジに対して軸方向に移動することが可能となる。釘組立て品10を髄管2に取り付けるのを助けるために、釘14は、釘14の端部82から延びるテーパードフラット(tapered flat)80を含むことができる。
【0076】
本発明の釘組立て品は、図14および図15に示されるように、2個の遠位開口部を含むことができるが、釘組立て品は、追加の開口部を含み、追加の遠位のネジを収容するか、または、長さ方向軸18もしくは該釘に対して、様々な角度方向で遠位のネジを収容することができる。
【0077】
例えば、図16に示されるように、本発明の別の具体例による釘組立て品10Aを示される。釘組立て品10Aは、図1〜図3の釘組立て品10に類似しており、釘14Aを有し、釘14Aは4個の遠位開口部を有している。例えば、図16に示されるように、釘組立て品10Aは、図15の釘14の第1の開口部70に類似する第1の開口部70Aの他に、図15の釘14の開口部72に類似する、スロット形態の第2の開口部72Aを含む。釘14Aは、図16に示されるように、第3の開口部74Aおよび第4の開口部76Aを更に含むことができる。第3の開口部74Aおよび第4の開口部76Aは、図16に示されるように、例えば、両方とも釘14Aの長さ方向軸18Aに対して横方向であるか、または垂直であり、かつ、第1の開口部70Aおよび第2の開口部72Aに対して垂直であってよい。第3の開口部74Aおよび第4の開口部76Aは、図16に示されるように、概して円筒状であってもよく、また、図16に示されるように、長さ方向軸18Aに対し純垂直方向から僅かに斜めに作られてもよい。
【0078】
今度は図17を参照すると、本発明の別の具体例による釘インプラント組立て品84が示される。釘インプラント組立て品84は、釘組立て品10の他に、ネジ12を含む。釘インプラント組立て品84は、図17に示されるように、遠位ネジ(例えば、第1の遠位開口部70で協働するための第1の遠位ネジ86の他に、第2の遠位開口部72と協働するための第2の遠位ネジ88)を更に含むことができる。第1の遠位ネジ86および第2の遠位ネジ88は、例えば、大腿骨または長骨4の皮質骨3に係合するための皮質ネジ(cortical screws)の形態である場合がある。
【0079】
今度は図17Aを参照すると、本発明の別の具体例による釘インプラント組立て品84Bが示される。釘インプラント組立て品84Bは、釘組立て品10Bの他に、ネジ12Bを含む。釘インプラント組立て品84Bは、図17Aに示されるように、釘14Bの遠位部分44Bに固定された遠位ネジ用ブシュ20Bの中に形成された遠位ネジ用開口部70Bを通して、遠位ネジ86Bを受け入れるための遠位ネジ用ブシュ20Bを更に含むことができる。例えば、第2の遠位ネジ86Bは、例えば、大腿骨または長骨4の皮質骨3に係合するための皮質ネジの形態である場合がある。
【0080】
今度は図18を参照すると、遠位ネジ86および88がより詳細に示される。遠位ネジ86は、ヘッド90から皮質細目ネジ(cortical fine pitch threads)が延びているヘッド90を含む。ネジ86は、ヘッド90に対置するセルフドリリング・セルフタッピング部分(self-drilling and self-tapping portion)94を更に含む。第2の遠位ネジ88は、第1の遠位ネジ86に類似しており、透視図で示されるように、それの長さが異なっている。
【0081】
今度は図19を参照すると、図1〜図3の釘組立て品10と一緒に使用されるネジ12が示される。ネジ12は、ネジ山96を画定するシャンク部分を含む。ネジ12は、釘14のブシュ20開口部32の中にぴったり嵌るように配置されることが可能であり、かつ、釘14に動かないように嵌め込まれるように構成されることが可能であるネジであればいかなるネジであってもよい。例えば、図19に示されるように、ネジ12は、シャンク34から延びているヘッドまたはリップ90を含むことができる。
【0082】
リップ90は、ネジ12がブシュ20の開口部32を通って移動するのを防止するように設計することができる。リップ90は、ネジ12が開口部32の外に横断するのを防止することのできる適切な寸法および形状であればいかなる寸法および形状をも有することができる。例えば、リップ90は、開口部32の開口部直径ODよりも大きいリップ直径LDを有することができる。
【0083】
さて、図19を参照すると、ネジ12は、回転機能部(rotating feature)(例えば、ネジ12に形成されたスロット21の形態のもの)を含むか、または画定することができる。スロット21は、適切ないずれかの寸法を有することができる。スロット21は、ネジ12を回転させるのを助けるために利用することができ、それ自体、ネジ12の長さ方向中心線23の付近に中央に配置することができる。スロット21は、スロット幅SWの他に、スロット深さSDを有することができる。スロット21は、スロット21によって生じる応力集中部(stress risers)を減少させるために、スロット21中に配置された半径(radius)を含むことができる。スロット幅SDおよびスロット長さSLは、ネジ12が、例えば、ネジ12を長骨4の中に植え込むための(図示されていない)ネジ回しと協働するのに十分であるように設計される。
【0084】
図19に示されるように、ネジ12にはカニューレ状にすることができ、ネジ12は、ネジ12の長さ方向中心線23に沿って延びている長さ方向開口部25を含むことができる。長さ方向開口部25は、例えば、(図示されていない)ガイドワイヤを受け入れて、釘組立て品10の横向き開口部32の内部の所定の位置にネジ12を導き、かつ、ネジ12を長骨4の中に適切に配置するために利用することができる。
【0085】
ネジ12は、(図示されていない)取外し機能部(removal feature)、例えば、ネジ12のスロット21に隣接する、長さ方向開口部25の中に形成された(図示されていない)小さいカウンターボアの中に形成された雌ネジの形態のもの、を更に含むことができる。ネジ12は、ネジ12の端部から延びている(図示されていない)大きいカウンターボアであって、小さいカウンターボアと同心であるだけでなく長さ方向開口部25とも同心である、大きいカウンターボアを更に含むことができる。
【0086】
図19に示されるように、ネジ12は、ネジ12のシャンク34の上に形成された複数のネジ山96を更に含むことができる。ネジ山96は、図19に示されるように、不均一な横断面を有する。このことは、米国特許出願シリアル第60/627,266号明細書に、より完全に記述されている。この米国特許出願明細書は、そっくりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0087】
再び図19を参照するが、ネジ12のシャンク34は、第1の部分27の中にネジ山が形成されている第1の部分27を含む。第1の部分27は、ネジ12の第1の端部29から第2の端部31までネジ12の長さ方向軸23に沿って延びることができることを認識すべきである。図19に示されるように、シャンク34は、第2の部分33を含むことができることをも認識すべきである。シャンク34の第2の部分33は、平滑面を画定することができる。図19に示されるように、シャンク34は、概して円筒状であってよく、直径(例えば、DS)によって画定することができる。
【0088】
図17に示されるネジ12は、概して円筒状であり、直径DSと全長Lとによって画定される。ネジ12のシャンク34は、ネジ山96を含む第1の部分27と、平滑面を有する第2の部分33とを含む。直径DSの全長Lは、ネジ山長さTLと、平滑長さまたはネジ山が切られていない長さULとに分割される。ネジ山長さTLは第1の部分27を画定し、平滑長さULは第2の部分33を画定する。ネジ山長さTLは、例えば、シャンク34の一部分(例えば、全長Lの20〜40%)である場合がある。ネジ12の第2の部分33が、髄内釘14のブシュ20の斜め開口部32(図1〜図3を参照されたい)の中に配置されて、大腿骨4の骨折の摺動圧縮(sliding compression)が可能となるような具合に、平滑長さULは十分な長さであることが好ましいということを認識すべきである。
【0089】
図19に示されるネジ山96は、ネジ12のシャンク34の周りを螺旋状に進むことができる。ネジ山96は、隣接するネジ山の間の、長さ方向軸23に沿った間隔を画定するピッチPによって画定することができる。ネジ山96は、右巻き螺旋配列または左巻き螺旋配列で、長さ方向軸23の周りを螺旋状に進むことができる。それらのネジ山は、図19に示されるように、単一リード型(single lead type)であってよいが、代替的に、二条ネジ構造(double lead configuration)または三条ネジ構造(triple lead configuration)であってもよい。
【0090】
今度は図20を参照するが、ネジ山96は、任意の適切な形状またはネジ山形状を有することができる。例えば、図20に示されるように、ネジ山96は、コンビネーションボックス(combination box)およびテーパー形状(tapered configuration)を有することができる。例えば、図20に示されるように、ネジ山96は、いずれかの適切な形状またはプロファイルを有することができる。例えば、図20に示されるように、そのプロファイルは、ネジ山の頂(crest)35と、相対する谷底(root)37とを含むことがある。トレーリング表面(trailing surface)39は、ネジ12の第2の端部31に隣接する、ネジ山の頂35と谷底37との間に配置されているのに対して、リーディングエッジ(leading edge)41は、ネジ12の第1の端部29に隣接する、ネジ山の頂35と谷底37との間に配置されている。
【0091】
図20に示されるように、リーディングエッジ41およびトレーリング表面39は、矢印43と反対の方向に取り外す力よりも、矢印43の方向に組立てるための力の方がより小さくなるように構成することができる。そのような、組み立ての容易性と取り外しの困難性とは、図20に示されるように、谷底37およびネジ山の頂35に対して垂直であるか、または直角に交わる相対的配置(configuration)をトレーリング表面39に設け、かつ、リーディングエッジ41に垂直表面(normal surface)43を設け、しかも、垂直表面43と谷底37との間に、部分的にある角度を成す表面45を設けることによって達成することができる。
【0092】
ネジ12のネジ山96は、図20に示されるように、リーディングエッジ41が垂直面または垂直表面43の他に、傾斜部分45を含むように、リーディングエッジ41を含むことができる。ネジ12を長骨または大腿骨4の中にネジ12を組立てるための力は、傾斜部分45によって減少する。垂直部分43および傾斜部分45は、それらの間に角度ααを画定することができる。応力を最小限に抑えるため、ネジ山の頂35、谷底37、トレーリングエッジ(trailing edge)39およびリーディングエッジ41は、それらの間にアーチ形部分を含み、応力を最小限に抑えることができる。
【0093】
今度は図20A〜図20Fを参照すると、本発明の釘のネジのネジ山のための代替的プロファイル形状(profile configuration)が示される。さて図20Aを参照すると、アーチ形の谷底とネジ山の頂とを含むプロファイル47Aが示される。例えば、図20Aに示されるように、ネジ12Aのプロファイル47Aは、トレーリング斜め表面(trailing angled surface)39Aがアーチ形のネジ山の頂35Aまで延びている該頂35Aを含む。リーディングエッジ41Aは、アーチ形のネジ山の頂35Aから同様に延びている。プロファイル47Aは、アーチ形の谷底37Aであって、トレーリング表面39Aおよびリーディング表面41Aと連結されている該谷底37Aを更に含む。
【0094】
さて図20Bを参照すると、本発明のネジのネジ山のための更にもう一つのプロファイルは、ネジ12Bとして示され、このネジ12Bは概してV形状のネジ山96Bを含むプロファイル47Bを有するネジ山96Bを含む。プロファイル47Bは、トレーリング表面39Bおよびリーディング表面41Bを含む。谷底37Bとネジ山の頂35Bとは、図20Bに示されるように、最小限である。
【0095】
さて図20Cを参照すると、本発明によるネジのためのネジ山の更にもう一つのプロファイルが示される。例えば、図20Cに示されるように、ブロック型にされているか、または矩形であるプロファイル47Cを有するネジ山96Cを、ネジ12Cは含む。プロファイル47Cは、トレーリング表面39Cと、一定間隔を置いて配置された平行なリーディング表面41Cとを含む。トレーリング表面39Cおよびリーディング表面41Cは、谷底37Cおよびネジ山の頂35Cに対して垂直であるか、または直角を成している。
【0096】
さて図20Dを参照すると、本発明によるネジのためのネジ山のプロファイルの更にもう一つの具体例が示される。ネジ12Dのネジ山96Dのプロファイル47Dは、標準的ネジ山の、概して先端を切ったような形の(truncated)V形状を有する。プロファイル47Dは、平らなネジ山の頂35Dと、向かい合った、斜めのトレーリング表面39Dおよびリーディング表面41Dとを含む。谷底37Dは、トレーリング表面39Dおよびリーディング表面41Dから延びている。
【0097】
さて図20Eを参照すると、本発明のネジのネジ山の更にもう一つのプロファイルが、プロファイル47Eとして示される。ネジ12Eは、プロファイル47Eを有するネジ山96Eを含む。プロファイル47Eは、ネジ山の頂35Eに対して垂直であるリーディング表面41Eと、間隔を置いて配置された平行な谷底37Eとを含む。プロファイル47Eは、谷底37Eとネジ山の頂35Eとの間に所与の角度で配置されているトレーリング表面39Eを更に含む。
【0098】
本発明に従って、今度は図20Fを参照すると、本発明のネジのプロファイルの更にもう一つの形態が示される。図20Fのネジ12Fは、プロファイル47Fを画定するネジ山96Fを含む。プロファイル47Fは、間隔を置いて配置された平行なネジ山の頂35Fと谷底37Fとを含む。プロファイル47Fは、谷底37Fに対して垂直であるトレーリング表面39Fと、ネジ山の頂35Fとを含む。プロファイル47Fは、谷底62Fとネジ山の頂35Fとの間に角度を成して配置されている表面41Fを更に含む。
【0099】
今度は図21を参照すると、釘組立て品10の釘14の近位部分42がより詳細に示される。釘組立て品10が図示されており、釘組立て品10の中にネジ12が配置され、釘インプラント組立て品84が形成されている。図21に示されるように、ネジ12は、ブシュ20内に形成されたブシュ用開口部32の中に摺動可能なようにぴったり嵌められているシャンク34を含む。
【0100】
ブシュ20は、図21に示されるように、釘14の中に形成された横向き開口部32と協働する、例えばピン24によって、釘14に回転可能にしっかり固定されている。図21に示されるように、ネジ12は、ネジ山96を含む第1の部分27と、図21に示され、平滑な周辺部を有する第2の部分33とを含む。ネジ12のシャンク34の部分であってブシュ20の開口部32の中にぴったり嵌められる該部分は、滑らかであり、摺動圧縮(sliding compression)を提供して、骨折の治癒、とりわけ、大腿骨頚部骨折の治癒を助ける。
【0101】
しかし、ネジ山96はネジ12のシャンク34全体にわたって延びることができること、および、ネジ山96はブシュ20の開口部32の中にぴったり嵌められることが可能であることを認識すべきである。そのような形状(configuration:相対的配置)は、摺動圧縮を促すものとして存在しないことがあり、また、大腿骨頚部骨折を同程度に治癒しないことがある。
【0102】
ブシュ20が矢印38の方向に回転することができることによって、ネジ12の長さ方向中心線36は、矢印38の方向に同様に回転することが可能になる。したがって、本発明の釘組立て品10を利用すれば、ネジ12の長さ方向中心線36は、実線で示される第1の位置37から、点線で示される第2の位置39まで移動することが可能になる場合がある。ブシュ20が回転することができることによって、ネジ12の中心線36は、透視図で示される第3の位置41まで移動することが更に可能となる。
【0103】
ネジ12の中心線36は、実線で示される第1の位置37と透視図で示される第3の位置41との間のいずれかの位置に配置されうることを認識すべきである。回転可能なブシュ20を有する釘組立て品10が提供されることによって、釘14の長さ方向中心線18に対する、ネジの様々な角度方向(angular orientations)を提供することができる。
【0104】
ネジ12の長さ方向中心線36が所望の角度方向を取るような具合に、ひとたびブシュ20を適切な位置まで回転させれば、固定プレート(locking plate)54の心棒部分62がブシュ20の周辺部22に係合するように、固定プレート54が矢印64の方向に進むよう、固定プラグ54を回転させることができる。そうさせることによって、ブシュ20は、固定された角度方向に固定される。
【0105】
図21に示されるように、ネジ12が、実線で図示される第1の位置37にある場合、ネジ12のヘッド90は、大腿骨4の皮質骨3に支えられており、また、ネジ12のシャンク34の第2の部分33は、ブシュ20の開口部32を通過する。ネジ12の第1の部分27の上に形成されたネジ山96は、大腿骨4の頚部5の中の海綿骨質(cancellous bone)とかみ合って、大腿骨4のヘッド7に向かって延びる。
【0106】
今度は図22を参照すると、釘インプラント組立て品84を形成するためのネジ12を有する釘組立て品10が示される。釘インプラント組立て品84が、大転子(greater trochanter)を小転子骨折部(lesser trochanter fracture)に固定するために利用されるように、釘インプラント組立て品84は構成されている。釘インプラント組立て品84は、ブシュ20と一緒に釘組立て品10を形成する釘14を含む。
【0107】
ブシュ20は、ブシュ中心線36が大転子9から小転子11まで延びるように方向付けられている。ブシュ20の横中心線36が大転子9から小転子11まで一直線上に揃い、次いで、釘14に対してブシュ20を固定するために、固定プラグ54が使用されるように、釘組立て品10のブシュ20を所定の位置まで回転させる。
【0108】
ネジ12のヘッド90は、大転子9で皮質骨3に支えられる。ネジ12のシャンク34はブシュ20を通って延び、かつ、ネジ12のネジ山96は大腿骨4にまで延び、また、図22に示されるように、大腿骨4の小転子11の近辺の皮質骨3を通り抜けて延びることができる。
【0109】
今度は図22Aを参照すると、釘インプラント組立て品84Cを形成するための皮質ネジ12Cを有する釘組立て品10Cが示される。釘インプラント組立て品84Cが大転子を小転子骨折部に固定するのに利用されるような具合に、釘インプラント組立て品84Cは構成されている。釘インプラント組立て品84Cは、ブシュ20Cと一緒に釘組立て品10Cを形成する釘14Cを含む。
【0110】
ブシュ20Cは、ブシュ中心線36Cが大転子9から小転子11まで延びるように方向付けられている。ブシュ20Cの横中心線36が大転子9から小転子11まで一直線上に揃い、次いで、釘14Cに対してブシュ20Cを固定するために、固定プラグ54Cが使用されるような具合に、釘組立て品10Cのブシュ20Cを所定の位置まで回転させる。
【0111】
ネジ12Cのヘッド90Cは、大転子9で皮質骨3に支えられる。ネジ12Cのシャンク34Cはブシュ20Cを通って延び、かつ、ネジ12Cのネジ山96Cは大腿骨4にまで延び、また、図22Aに示されるように、大腿骨4の小転子11の近辺の皮質骨3を通り抜けて延びることができる。
【0112】
今度は図23を参照するが、大腿骨4が示され、骨折部13は大腿骨4の頚部5を通り抜けて延びている。骨折部13は、頚部5を横断して延びている。図23に示されるように、ネジ12が釘組立て品10のブシュ20の中に配置された時、ネジ12が骨頭7を大腿骨4の残部に固定するのに役立つようネジ12が骨折部13を横断するように、ブシュ20の横向き開口部32の中心線36は配列されるように、釘組立て品10のブシュ20を矢印64の方向に回転させることができる。図23に示されるように、ブシュ20の横向き開口部32の長さ方向軸36は、骨頭7を大腿骨4に適切に固定するように一直線に合されている。ブシュ20を釘14に固定するために、固定プラグ54を利用する。
【0113】
今度は図24を参照するが、本発明の釘インプラント組立て品84であって、大腿骨4中の長さ方向の骨折部15が、大腿骨4の本体から頚部5を通って骨頭7にまで延びている該大腿骨4の中で利用される該組立て品84が示される。骨頭7を大腿骨4に適切に固定するために、ネジ12が骨折部位15を横方向に通り抜けて延びるような具合に、釘組立て品10を配向させることができることを認識すべきである。
【0114】
図24に示されるように、ネジ12は、ネジ12が、骨折部位15を適切な角度で横断して、骨頭7を大腿骨4に適切に固定することができるような具合に、頚部5と骨頭7との物理的中心線(physical centerline)とは異なる方向に配向させることができる。ブシュ20がひとたび、ブシュ20の横軸36と適切な方向に方向付けられれば、固定プラグ54は、ブシュ20に固定されて、固定プラグ54は釘14に固定される。
【0115】
今度は図25を参照するが、本発明の釘インプラント組立て品84であって、大腿骨4の遠位顆部分(distal condylar portion)17から大腿骨4の髄管2の中に挿入された該組立て品84が示される。釘インプラント組立て品84は、釘14と、釘組立て品10を形成しているブシュ20とを含む。釘組立て品10は、大腿骨4の遠位顆部分17を通し、髄内管(intramedullary canal)2を通して挿入する。ネジ12は、大腿骨4の遠位顆部分17の皮質骨3を通し、ブシュ20のブシュ開口部32を通して、大腿骨4の中に挿入する。大腿骨4の遠位顆部分17の中に植え込まれた、そのような釘インプラント組立て品84は、しばしば逆行性釘(retrograde nail)と称される。
【0116】
図1の釘インプラント組立て品84は、手術中に(interoperatively)固定される頚部角度(neck angle)αを有することができることを認識すべきであり、また、頚部角度αは、釘組立て品10を患者の中に植え込む前、例えば、手術室の中の作業台の上で事前設定することができることを認識すべきである。例えば、図26に示されるように、大腿骨4のX線写真45の前面/後面図が示される。X線写真45に示されるように、大腿骨4の頚部5および骨頭7は、頚部角度αとして画定される角度を大腿骨4と形成する。頚部角度αは、X線写真45に基づいて決定することができる。
【0117】
今度は図27を参照するが、ブシュ20を釘14の中に配置するためのデバイス47が示される。デバイス47は、釘組立て品10と一緒に、釘キット49を形成する。
【0118】
デバイス47は、髄内釘と一緒に使用するための取付け具(fixture)(例えば、図1〜図4の釘組立て品10)の形態である場合がある。釘組立て品10は、釘本体(例えば、図1〜図4に示される釘14)を含む。髄内釘組立て品10は、ネジ機能部(screw feature)、例えば、ネジ(例えば、図1のネジ12)を受け入れるためのブシュ20であって釘14に対して配向することのできる該ブシュ20、を更に含む。取付け具47は、釘14に対してブシュ20を配向させるように構成されている。
【0119】
取付け具47は、釘14と協働するための第1の部分51を含む。取付け具47は、第2の部分53を更に含む。第2の部分53は、釘14に対する、ブシュ20の複数の位置の1つに対応することができる。取付け具47は、例えば、図27に示されるように、ブシュ20内に形成された横向き開口部32の内部に摺動可能なようにぴったり嵌る取付け具ピン(fixture pin)の形態の、ネジ機能部と協働する機能部(screw feature cooperating feature)55を更に含む。取付け具ピンは、例えば、ネジ12、または、恐らくは別個の部品であってもよい。ネジ機能部と協働する機能部55は、ブシュ20を第2の部分53と協働させて利用する。
【0120】
図27に示されるように、第2の部分53は、第1の部分51に対して固定して配置されうる。例えば、図27に示されるように、第2の部分53は、第1の部分51と一体である場合がある。代替的に、第2の部分53は、第1の部分に対して選択可能に配置されうる。例えば、第2の部分53は、第1の部分に対して旋回可能に配置されうる。旋回位置は、ブシュ20の中心と一致することができる。
【0121】
釘14は、釘14が第1の部分51に支えられるようにする単純な重力によって、第1の部分51に対して配置されうる。例えば、図27に示されるように、第1の部分51は、釘14の周辺部を支持するための「V字形」を形成する、一対の平面の形態である。第1の部分51を形成するそれら平面は、釘14が第1の部分51に保持されるような具合に、配置される。コレット(collet)、留め具(clamp)、偏向部材(biasing member)、または、第1の部分51に対して釘14を配置し保持することのできるいずれかのデバイスによって、釘14を固定し得ることを認識すべきである。
【0122】
取付け具47は、取付け具47の第1の部分51に釘14を固定するための手段を更に含むことができる。固定するための手段は、取付け具47の第1の部分51に取り付けることのできる、例えば留め具57の形態である場合がある。
【0123】
ネジ機能部と協働する機能部55は、ブシュ20と協働して、ブシュ20の方向(orientation)を指示することのできる機能部であればいかなる機能部でもよい。ネジ機能部と協働する機能部55は、ブシュ20の中に形成されている開口部32の中に摺動可能なようにぴったり嵌めることができる。ネジ機能部と協働する機能部55は、実際は、単に、患者に植え込まれるべきネジ12である場合がある。単純化のために、かつ、植え込まれるべきネジ12の汚染を回避するために、ネジ機能部と協働する機能部55は、別個の部品(例えば、第2の部分53が協働する円筒状ピン(cylindrical pin))である場合がある。ネジ機能部と協働する機能部55は、第2の部分53と協働するための先端部または指針(pointer)59を含むことができることを認識すべきである。
【0124】
取付け具47は、取付け具47の第2の部分53に、ネジ機能部と協働する機能部55を固定するための手段を更に含むことができる。例えば、ネジ機能部と協働する機能部55は、ピンの形態であってよく、このピンは、第2の部分53に取り付けられた留め具61の形態であるピン(pin)55を固定し、ピン55を第2の部分53に固定するための手段を備える。
【0125】
取付け具47は、釘14に対する、ネジ機能部20の位置を測定するためのゲージ63を更に含むことができる。例えば、ゲージ63は、取付け具47の第2の部分53に配置された角度計(protractor)63または一連の刻まれた線の形態である場合がある。角度計63は、概して平面であってもよく、かつ、ピン55の指針59の上に置くことができる。
【0126】
取付け具47は、釘14に対する、横向き開口部32の、事前設定された角度関係を提供するための事前設定機能部(preset feature)65を更に含むことができる。例えば、事前設定機能部65は、ピン55と協働して横向き開口部32の角度関係を特定の角度関係αに事前設定するバネ偏向戻り止め(spring biased detent)の形態である場合がある。
【0127】
第1の部分51、および/または、ネジ機能部と協働する機能部55が、異なる直径、長さおよび形状を有する複数の髄内釘を収容するように構成されることが可能であるような具合に、取付け具47を構成することができることを認識すべきである。例えば、図27に示されるように、第1の部分51は、「V字形」を形成する一対の平面の形態であり、したがって、取付け具47と共に様々な長さの釘14を利用することができるような具合に、釘14を反対方向に延ばすことが可能となる場合がある。更に、「V字形」を形成する平面を有する第1の部分51を使用することによって、様々な直径の釘14が容認される。
【0128】
今度は図28を参照すると、角度計63の上の所定の位置にある指針59が示されている。角度計63は、マーク69および対応する数字または文字71の形態である場合がある印(indicia)67を含むことができる。数字または文字71は、釘14に対するブシュ開口部32の特定の角度、または、特定の所望の角度位置αに一致することができる。
【0129】
図28に示されるように、指針59が、角度計63の印67によって指示された適切な位置と一直線上に揃うまで、対応する機能部またはピン55を回転させるか、または一直線に合せることができる。ひとたび指針59が角度計63の適切な印67を越えれば、釘組立て品10が適切に方向付けられて釘組立て品10が体の中に植え込まれるように、固定ピン54を回転させて固定ピン54をブシュ20に固定する。次いで、ピン55をブシュ開口部32から取り外し、釘14は、植え込まれる状態になる。
【0130】
今度は図29を参照すると、本発明の別の具体例が、釘組立て品110として示されている。釘組立て品110は、転子釘組立て品(trochanteric nail assembly)の形態である。釘組立て品110の転子釘114が、転子釘114の遠位部分144と斜めになっているかまたは一直線上に揃っていない近位部分142を含むという点で、転子釘114は図1〜図4の釘組立て品10の釘14と異なっていることを除き、釘組立て品110は、図1〜図4の釘組立て品10に類似する。
【0131】
近位部分142は、遠位部分144の中心線118との間の角度θを形成する近位部分中心線173を画定する。大腿骨4の大転子9を通して転子釘組立て品110を挿入する段階が容易となるように、角度θを選定する。
【0132】
図29に示されるように、転子釘組立て品110は、転子釘114の近位部分142における開口部116を画定する釘114を含む。開口部116は、ネジ112を受け入れるための横向き開口部130を画定するブシュ120を受け入れる。ブシュ120は、例えばピン124によって、釘114に回転可能なように固定される。釘114は、長さ方向中心線118と一直線上に揃っている長さ方向開口部146を画定する。釘114は、図28に示されるように、第1の遠位開口部170と第2の遠位開口部172とを含むことができる。
【0133】
今度は図30を参照するが、釘114の遠位部分144は、一直線もしくは線形であってよく、または、図30に示されるように、大腿骨の髄管(canal)の中の弧状部(arc)もしくは湾曲部(curve)と整合するように弧状を成すか、または湾曲することができる。図30に示されるように、釘114の遠位部分144は、湾曲しているか、または、基点(origin)178から延びる半径R2によって画定される弧状部を形成している。
【0134】
本発明の釘は、股関節頚部骨折(hip neck fracture)に対して用いられる髄内釘として利用することができるが、本発明の釘は、長骨骨折部の他の箇所で用いることができることを認識すべきである。例えば、図31および図32に示されるように、本発明の釘は、図31および図32に示されるような、逆行性大腿骨釘インプラント組立て品(retrograde femoral nail implant assembly)284に利用することができる。
【0135】
さて図31を参照するが、ネジ212が釘組立て品210に対して複数の角度位置に配置されうる該釘組立て品210を、釘インプラント組立て品284は含む。釘インプラント組立て品284は、図31に示されるように、釘組立て品210の釘214の中に形成された第1の近位開口部270に、摺動可能なようにぴったり嵌る第1の近位ネジ286を更に含む。釘インプラント組立て品284は、釘214の中に形成された第2の近位開口部272に、摺動可能なようにぴったり嵌る第2の近位ネジ288を更に含む。
【0136】
図31に示されるように、釘インプラント組立て品284は、釘214に、摺動可能なようにぴったり嵌る第2の遠位ネジ275を更に含むことができる。釘インプラント組立て品284は、ブシュ220が遠位開口部216の中にぴったり嵌る該遠位開口部216を含む釘214を含む。ブシュ220は、ネジ212が開口部232の中に、摺動可能なようにぴったり嵌る該開口部232を含む。ブシュ220の開口部232は、釘214の軸218に対して、必要に応じて調節されることが可能である軸236を含む。
【0137】
さて図32を参照するが、ブシュ220は、ねじ込み可能なように釘214とかみ合う、例えば固定プラグ254によって、選択可能なように固定されることが可能である。ブシュ220は、例えば、釘214にぴったり嵌められた心棒ピン(stem pin)224の周りに回転することができる。
【0138】
本発明の釘は、大腿骨に対して用いるのにとりわけよく適合することができるが、本発明の釘は、他の長骨(例えば、脛骨(tibia))に対して用いることができることを認識すべきである。例えば、図33および図34に示されるように、本発明の釘は、釘組立て品310の形態である場合がある。図33および図34に示されるような釘組立て品310は、脛骨に使用するための釘の形態である場合がある。そのような釘の1つは、図33および図34に示されるように、釘を融合して用いるために使用することができる。釘組立て品310は、図33に示されるように、体の踵骨(calcaneus)79の中に挿入し、次いで、脛骨77の髄管99に通して挿入することができる。
【0139】
釘組立て品310は、釘314を含むことができる。釘314は、ブシュ320が横向き開口部(transverse aperture)316にぴったり嵌る該横向き開口部316を含む。ブシュ320は、釘314に、例えばピン324によって、回転可能なようにぴったり嵌める。釘組立て品310は、近位部分342の他に、開口部316が配置されている遠位部分344を含む。遠位部分344は、ブシュ320の中に形成された開口部332が適切に配置される時、ブシュ320を所定の位置に選択的に固定するための固定プラグ354を更に含むことができる。釘314は、釘314の中心線318に沿って延びている長さ方向開口部346を更に含むことができる。
【0140】
本発明の釘は、入り口が足(foot)を通過する脛骨用釘(tibial nail)として利用することができるが、本発明の釘は、図35に示されるように、例えば、脛骨77の近位部分を通して挿入される釘組立て品410の形態である場合があることを認識すべきである。
【0141】
釘組立て品410は、ブシュ420がぴったり嵌る横向きブシュ開口部432を画定する釘414を含む。ブシュ420は、ピン424によって、ブシュ420の中に回転可能なようにぴったり嵌められることが可能である。ブシュ420は、ネジ412を受け入れて釘組立て品410を形成するためのブシュ開口部432を含むことができる。釘414は、ブシュ420が配置されている近位部分442の他に、遠位開口部470および472を含むことができる遠位部分444を更に含むことができる。釘414にはカニューレ状にすることができるか、または、釘414は、釘414の中心線418に沿って形成された長さ方向開口部446を含むことができる。
【0142】
今度は図36を参照するが、本発明の釘組立て品は、脚(leg)の長骨以外の他の骨に使用することができることを認識すべきである。例えば、本発明の釘は、例えば、上腕骨79に利用することができる。
【0143】
図36に示される釘組立て品510は、長骨79の髄内管181に近位で挿入される釘514を含むことができる。ブシュ520が、開口部516の中に、例えば、釘514に固定されたピン524によって、回転可能なようにぴったり嵌められる該開口部516を、釘514は含むことができる。釘514およびブシュ520は、固定プラグ554と組み合わさって、釘組立て品510を形成する。
【0144】
釘514は、図36に示されるように、長さ方向中心線518を画定する遠位部分544を含む。釘514は、遠位部分544から延びている近位部分542を更に含むことができる。近位部分542は、開口部516を含む。
【0145】
ブシュ520は、ネジ512がブシュネジ開口部(bushing screw opening)532を通って摺動可能なようにぴったり嵌ることのできる該ブシュネジ開口部532を含む。ネジ512および釘組立て品510は、組み合わさって、釘インプラント組立て品584を形成する。釘514は、釘514の長さ方向中心線518と同心で延びている長さ方向開口部546を含むことができる。
【0146】
釘に対して様々な角度位置を有するネジに適合する釘組立て品は、図1〜図36に示されるように、該釘内部で旋回するブシュを含むことを認識すべきであり、また、本発明の代わりの具体例は、複数のネジ方向(screw orientations)を与えるための代わりの方法を提供することができることを認識すべきである。例えば、今度は図37〜図42を参照するが、釘組立て品610が示され、この組立て品610は、開口部が内部で様々な方向に機械加工することができるプラグを利用している。プラグは、例えば、手術室のバックテーブル(back table)の上で機械加工して、開口部の調整によって患者が汚染されるのを回避することができる。
【0147】
今度は図37および図38を参照すると、釘組立て品610が示されている。釘組立て品610は、図37に示されるように、近位部分642を含むピリ・フォーマ釘(piri forma nail)の形態であって、この近位部分642は遠位部分644から延びている。釘614の近位部分642は、近位部分642の周辺部640から反対の周辺部640まで延びている横向き開口部616を含む。開口部616は、開口部616内に配置されているプラグ620にぴったり嵌る大きさである。ネジを受け入れるための開口部632は、例えば、プラグ620を通して穿孔することによって形成する。釘組立て品610の釘614の遠位部分644は、長さ方向中心線618を通りそれに沿って長さ方向開口部646を形成することができる該長さ方向中心線618を画定する。
【0148】
さて図37を参照するが、釘組立て品610の釘614は、大腿骨の髄管(canal)と整合するように湾曲するか、または弧状を成すことができる。釘組立て品610の釘614の遠位部分644は、例えば、第1の遠位開口部670の他に、間隔を置いて離れている第2の遠位開口部672を含むことができる。
【0149】
今度は図39を参照すると、釘組立て品610の釘614の近位部分642の開口部616がより詳細に示されている。開口部616は、近位部分642を通って延び、適切ないずれかの形状を有することができる。例えば、図39に示されるように、開口部616は、長円形形状を有することができる。開口部616は同様に、矩形または円形であってよい。開口部616は、長円形形状である場合、図39に示されるように、最小限の材料が釘614から取り外された状態で複数の角度で配置されるネジに適合する。
【0150】
今度は図40を参照すると、釘組立て品610のプラグ620がより詳細に示されている。プラグ620は、釘614の開口部616の形状に整合する形状を有することが好ましい(図39を参照されたい)。プラグ620は、開口部616と締まり嵌め(interference fit)を形成することができるか、または、釘614と互いにかみ合う機能部(例えば、隆起部もしくは突起部)683を含むことができる。
【0151】
プラグ620は、大きさおよび位置を適切に選択して、ネジを受け入れるための開口部を提供するように構成されており、しかも、開口部(例えば、いずれかの適切な方法でプラグ中に形成された開口部632)を含むことができる。例えば、開口部632は、手術室のバックテーブルの上で、ドリルによって穿孔することができる。
【0152】
今度は図41および図42を参照すると、釘インプラント組立て品684が示されている。釘インプラント組立て品684は、図38および図39の釘組立て品610の他に、釘614にぴったり嵌るブシュ620の中に形成された開口部632に、摺動可能なようにぴったり嵌るネジ612を含む。
【0153】
さて図42を参照するが、ネジ612のシャンク634は、ブシュ620中に形成された開口部632に、摺動可能なようにぴったり嵌る。ネジ612は、長骨4と協働するためのヘッド690を含むことができる。ブシュ620の開口部632は、釘614の長さ方向軸618と角度を形成して、内抱角(included angle)αααを形成する長さ方向軸636を画定する。角αααは、長骨または大腿骨4の頚部の角度と調和するように選定する。
【0154】
図1〜図37に示される本発明は、髄内釘内部で回転するブシュを提供するが、本発明は、回転するのではなく移動するブシュを有する釘の形態である場合があることを認識すべきである。例えば、図43および図44に示されるように、本発明の別の具体例を、釘組立て品710として示す。釘組立て品710は、ブシュ720と協働する釘714を含む。ブシュ720は、釘714の長さ方向軸718に沿って移動する。
【0155】
ブシュ720は、長さ方向軸718に沿って適切ないずれかの方法で移動することができる。例えば、図44に示されるように、ブシュ720は、釘714に形成された向かい合わせの溝781に沿って移動することができる。ブシュ720の回転を回避するために、ブシュ720は、向かい合わせのブシュ平面部分(bushing flats)783であって、釘714の溝781の中で、釘平面部分(nail flats)785と調和して形を成している該ブシュ平面部分783を含むことができる。
【0156】
再び図43を参照するが、ブシュ720は、適切ないずれかの方法で、釘714の中に固定可能に配置することができる。例えば、図43に示されるように、釘組立て品710は、ブシュ720の一方の端部を配置するために、釘714にねじ込み可能に係合された遠位固定プラグ756を更に含むことができる。遠位固定プラグ756とは反対に、近位固定プラグ787は、釘714にねじ込み可能に係合することができ、かつ、遠位固定プラグ756と近位固定プラグ787との間でブシュ720を固定するために、ブシュ720に対して配置されうる。
【0157】
図43に示されるように、開口部732は、ネジを受け入れるように、ブシュ720中に形成される。釘組立て品710を、大腿骨頚部の中でネジと一緒に使用される釘として使用する場合、大腿骨の頚部および骨頭の中にネジを入れるのに適した角度で、開口部732の方向を確定することができる。ネジを他の部位で使用する場合、開口部732は、長さ方向軸718に対して垂直であるか、または直角をなすことができる。
【0158】
本発明は、単一のネジを有する釘であって複数の角度で配置されうる該釘に利用することができるが、様々な角度で配置するために、釘が2本のネジを有する状態で、本発明を使用することができる。
【0159】
例えば、今度は図45を参照すると、本発明による釘組立て品810が示されている。釘組立て品810は、第1の開口部816と、間隔を置いて離れた第2の釘開口部889とを有する釘814を含む。第1のブシュ820は、第1の釘開口部816の中に、回転可能なように配置されている。第1のブシュ開口部832は、第1のブシュ820の中に形成されており、しかも、(図示されていない)第1のネジを受け入れるように構成されている。第2の釘開口部889は、第2のブシュ891を受け入れるように構成されている。第2のブシュ891は、釘814の中に、回転可能なように配置されており、しかも、第2のブシュ891の中に形成された第2のブシュ開口部893を含む。
【0160】
第2のブシュ開口部893は、第2のネジを受け入れるように構成されているのに対し、第1のブシュ開口部832は、第1のネジを受け入れるように構成されていることを認識すべきである。第1のネジおよび第2のネジは、類似の方向に方向が確定されることが可能である。例えば、第1のネジおよび第2のネジは、大腿骨の頚部および骨頭の中に配置されうる。第2のネジは、大腿骨頚部が骨折した後の骨幹に、大腿骨の骨頭および/または頚部を適切に固定するために、非回転ネジ(anti-rotation screw)の形態である場合がある。
【0161】
今度は図46を参照すると、本発明による釘インプラント組立て品884が示されている。釘インプラント組立て品884は、釘814の他に、第1のブシュ820および第2のブシュ891を含む釘組立て品810を含む。第1のネジ812は、第1のブシュ820に、摺動可能なようにぴったり嵌るのに対して、第2のネジ895は、第2のブシュ891を通って摺動可能なようにぴったり嵌る。第1のネジ812および第2のネジ895は、大腿骨4の頚部5および骨頭7にまで延びる。
【0162】
本発明によると、今度は図47を参照すると、本発明の更に別の具体例が、釘組立て品910として示されている。釘組立て品910は、図1〜図4の釘組立て品10に類似するものの、釘の近位部分に、ネジ開口部の幾つかの角度方向(angular orientations)を事前に選定するための手段を更に含む。
【0163】
例えば、図47に示されるように、釘組立て品910は、近位部分942を有する釘914を含む。近位部分942は、ブシュ920を受け入れるための開口部916を画定する。ブシュ920は、(図示されていない)ネジを受け入れるためのブシュ920を通過する開口部932を画定する。ブシュ920は、事前選定機能部または固定機能部(preselection or locking feature)を使用することによって、複数の異なる角度方向で事前選定されることが可能である。
【0164】
例えば、図47に示されるように、ブシュ920は、間隔を置いて離された複数の切れ込み(indentations)997であって、固定プラグ954中に形成された先端部998と協働する該切れ込み997を含むことができる。固定プレート954は、釘914の中に形成された雌ネジ958と協働する雄ネジ956を含む。切れ込み997の中の先端部998は、互いに協働し、釘914の長さ方向軸918に対する、幾つかの事前設定された、開口部932の固定角度を提供する。
【0165】
図1〜図4の釘組立て品10として示される本発明は、釘を横切って釘に固定されたピンの周りを回転するブシュの形態であってよいが、釘の中に回転ブシュ(rotating bushing)を設けて、ネジに対して複数の角度位置(angular positions)を有する釘を形成する他の方法は、本発明の趣旨の範囲内で提供することができることを認識すべきである。例えば、図48〜図51に示されるように、本発明の更に別の具体例を、釘組立て品1010として示す。ブシュ20が図1〜図4の釘組立て品10の釘14にぴったり嵌められる方法とは異なる方法で、釘1014にぴったり嵌められるブシュ1020を、釘組立て品1010が含んでいることを除き、釘組立て品1010は、図1〜図4の釘組立て品10に類似する。
【0166】
例えば、図48および図49に示されるように、釘1014は、釘1014の近位部分1042に形成されたクレードル(cradle)1019を含む。クレードル1019は、ブシュ1020を受け入れて、ブシュ1020が釘1014のクレードル1019の周りを回転するのを可能にする。
【0167】
釘1014は、ブシュ1020を受け入れるための開口部1016を含む。ブシュ1020は、開口部1016にぴったりと整合し、しかも、(図示されていない)ネジを受け入れる開口部1032を含む。ブシュ1020は、矢印1038の方向に回転して、釘1014の長さ方向軸1018に対する、開口部1032の適切な方向を確定することができる。固定プラグ1054は、釘1014に回転可能なように固定されて、釘1014に対するブシュ1020のポジティブ固定ロッキング(positive fixed locking)を提供する。ブシュ1020が釘1014から横方向に摺動するのを防止するため、ブシュ1020は、釘1014と協働する端末キャップ(end cap)1035を含み、ブシュ1020が釘1014から軸方向に摺動するのを防止することができる。釘1014の中に形成された凹部(recesses)1043の内部に、端末キャップ1035を置くことができる。
【0168】
今度は図50および図51を参照すると、図48および図49の釘組立て品1010を利用する釘インプラント組立て品1084が示されている。釘インプラント組立て品1084は、図48および図49の釘組立て品1010の他に、ブシュ1020の中に形成された開口部1032に摺動可能なようにぴったり嵌るネジ1012を含む。ネジ1012は、ヘッド1090の他に、開口部1032内部に摺動可能なようにぴったり嵌るシャンク1034を含むことができる。
【0169】
今度は図52を参照するとするが、本発明の更に別の具体例が、外科的処置方法1100として示されている。外科的処置方法1100は、髄内釘を提供する第1の段階1110を含む。該髄内釘は、該髄内釘を通り抜ける開口部を画定する。該開口部は、該開口部の中心線を有する。該開口部の中心線は、調節することができる。方法1100は、長骨に取り付けるためのネジを提供する第2の段階1112を更に含む。
【0170】
方法1100は、患者に特有の情報に基づき、前記開口部の中心線の適切な位置を決定する第3の段階1114を更に含む。方法1100は、前記髄内釘の開口部の中心線を適切な位置に調節する第4の段階1116を更に含む。方法1100は、前記髄内釘を患者に植え込む第5の段階1118を更に含む。方法1100は、前記ネジを前記髄内釘の開口部の中に植え込む第6の段階1120を更に含む。
【0171】
今度は図53を参照すると、本発明の更に別の具体例が、外科的処置または外科的方法1200として示されている。方法1200は、長骨に取り付けるためのネジを提供する第1の段階1210を含む。方法1200は、髄内釘を提供する第2の段階1212を更に含む。前記髄内釘は、該髄内釘を通り抜ける開口部を画定する。該開口部は、前記ネジにぴったり整合する。該髄内釘に対する該開口部の中心線の方向は、固定可能に変更することができる。該中心線の様々な方向のうち、事前に選定した1つの方向に固定された中心線を、該髄内釘は備える。方法1200は、髄管の中に前記髄内釘を少なくとも部分的に植え込む第3の段階1214を更に含む。方法1200は、ネジを前記開口部に通して前記長骨に取り付ける第4の段階1216を更に含む。
【0172】
今度は図54を参照すると、本発明の更に別の具体例が、外科的処置または外科的方法1300として示されている。方法1300は、釘本体とネジ機能部とを含む髄内釘組立て品を提供する第1の段階1310を含む。該ネジ機能部は、該釘本体に対して複数の角度に配置されうる。方法1300は、患者に切開部を形成し、長骨を露出させる第2の段階1312を更に含む。
【0173】
方法1300は、患者の複数の骨の1つの骨の形状に関連する、患者に特有のデータを入手する第3の段階1314を更に含む。方法1300は、患者に特有のデータに基づき、前記釘本体に対する、前記ネジ機能部の適切な角度関係を決定する第4の段階1316を更に含む。方法1300は、前記釘本体に対する、前記ネジ機能部の角度位置を設定するための取付け具を提供する第5の段階1318を更に含む。方法1300は、前記釘本体に対する前記ネジ機能部の角度位置を、前記取付け具との適切な角度関係で設定する第6の段階1320を更に含む。方法1300は、前記髄内釘組立て品を患者に植え込む第7の段階1322を更に含む。
【0174】
本発明およびそれの利点を詳細に記述してきたが、本発明に関する様々な変化、置き換えおよび一部変更は、特許請求の範囲に規定する本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができることを理解すべきである。
【0175】
〔実施の態様〕
(1)釘本体を有する髄内釘、および、前記釘本体に対して方向が確定されることが可能であるネジを受け入れるためのネジ機能部、と共に使用するための取付け具であって、前記釘に対して、前記ネジ機能部の方向を確定するように構成された、取付け具において、
前記釘本体と協働する第1の部分と、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の複数の位置のうちの1つの位置に対応することのできる第2の部分と、
前記第2の部分に対して前記ネジ機能部と協働するための、ネジ機能部協働機能部と、
を備える、取付け具。
(2)実施態様1に記載の取付け具において、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して選択的に配置されることが可能である、取付け具。
(3)実施態様1に記載の取付け具において、
前記取付け具の前記第1の部分に対して前記釘本体を配置するための釘本体配置機能部、
を更に備える、
取付け具。
(4)実施態様1に記載の取付け具において、
前記取付け具の前記第1の部分に前記釘本体を固定するための手段、
を更に備える、取付け具。
(5)実施態様4に記載の取付け具において、
前記手段は、留め具を含む、取付け具。
【0176】
(6)実施態様1に記載の取付け具において、
前記取付け具の前記第2の部分に前記ネジ機能部協働機能部を固定するための手段、
を更に備える、取付け具。
(7)実施態様6に記載の取付け具において、
前記手段は、留め具を含む、取付け具。
(8)実施態様1に記載の取付け具において、
前記釘本体に対する、前記ネジ機能部の位置を測定するためのゲージ、
を更に備える、取付け具。
(9)実施態様1に記載の取付け具において、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の事前設定済み角度関係を提供するための事前設定機能部、
を備える、取付け具。
(10)実施態様1に記載の取付け具において、
前記釘本体配置機能部および前記ネジ機能部協働機能部の少なくとも一方は、複数の前記釘および前記ネジをそれぞれ収容するように構成されている、取付け具。
【0177】
(11)関節形成術を実施するのに使用するためのキットにおいて、
髄管の中に少なくとも部分的に配置するための釘本体を含む釘であって、
前記釘本体は、前記釘本体を通り抜ける釘開口部を画定している第1の内壁を有し、かつ、前記釘本体は、前記釘本体の長さ方向軸を更に画定し、
前記釘は、前記釘開口部の中に少なくとも部分的に配置され、内部に開口部を画定する、ネジ機能部を更に含み、
前記ネジ機能部は、前記釘本体の前記長さ方向軸に対して複数の角度方向に移動するように構成されている、
釘と、
前記ネジ機能部の前記開口部の内部に少なくとも部分的にぴったり嵌ることのできるネジと、
取付け具であって、
前記釘本体と協働する第1の部分、
前記ネジ機能部と協働し、前記第1の部分に対して、複数の位置に配置されることが可能である前記第2の部分、
前記取付け具の前記第1の部分に対して前記釘を配置するための釘配置機能部、および、
前記取付け具の前記第2の部分に対して前記ネジ機能部を配置するためのネジ機能部配置機能部、
を含む、取付け具と、
を備える、キット。
(12)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して、選択可能に固定して配置されることが可能である、キット。
(13)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して、回転可能に配置されることが可能である、キット。
(14)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記取付け具の前記第1の部分に前記釘本体を固定するための手段、
を更に備える、キット。
(15)実施態様14に記載のキットにおいて、
前記手段は、留め具を含む、キット。
【0178】
(16)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記取付け具の前記第2の部分に前記ネジ機能部を固定するための手段、
を更に備える、キット。
(17)実施態様16に記載のキットにおいて、
前記手段は、留め具を含む、キット。
(18)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の位置を測定するためのゲージ、
を更に備える、キット。
(19)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記取付け具は、前記釘本体に対する前記ネジ機能部の事前設定済み角度関係を提供するための事前設定機能部を備えている、キット。
(20)実施態様11に記載のキットにおいて、
前記釘本体配置機能部および前記ネジ機能部配置機能部の少なくとも一方は、複数の前記釘および前記ネジをそれぞれ収容するように構成されている、キット。
【0179】
(21)患者の長骨に対する外傷手術を実施する方法において、
釘本体、および前記釘本体に対して複数の角度で配置されることが可能であるネジ機能部を含む髄内釘組立て品を提供する段階と、
前記患者に切開部を形成し、前記長骨を露出させる段階と、
前記患者の複数の骨のうち1つの骨の形状に関連する、前記患者に特有のデータを入手する段階と、
前記患者に特有の前記データに基づき、前記釘本体に対する、前記ネジ機能部の適切な角度関係を決定する段階と、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の角度位置を設定するための取付け具を提供する段階と、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の前記角度位置を、前記取付け具との適切な前記角度関係で設定する段階と、
前記釘組立て品を前記患者に植え込む段階と、
を含む、方法。
(22)実施態様21に記載の方法において、
前記ネジ機能部の角度位置を設定する段階は、前記植え込み段階の前に行う、方法。
(23)実施態様21に記載の方法において、
前記ネジ機能部の角度位置を設定する段階は、前記植え込み段階と同時に行う、方法。
(24)実施態様21に記載の方法において、
前記ネジ機能部の角度位置を設定する段階は、切開部を形成する前記段階の前に行う、方法。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】本発明の具体例による、梨状筋入り口(piriformis entry)で使用される、圧縮ネジを有する髄内釘の部分的前面/後面図である。
【図2】図1の髄内釘の部分的内側/側面図である。
【図3】図2の髄内釘の拡大された部分的内側/側面図である。
【図4】図1の髄内釘の部分的前面/後面部分図である。
【図5】図2の髄内釘組立て品の髄内釘の開口部の拡大された部分的内側/側面図である。
【図6】図2の髄内釘組立て品の髄内釘の近位部分の拡大された部分的内側/側面図である。
【図7】図2の髄内釘組立て品の髄内釘の近位部分の拡大された部分的斜視図である。
【図8】図2の髄内釘組立て品の近位部分の部分的前面/後面図である。
【図9】図2の髄内釘組立て品の固定プラグの部分的に断面を示した平面図である。
【図10】図2の髄内釘組立て品のピンの平面図である。
【図11】図2の髄内釘組立て品のブシュの平面図である。
【図12】図11のブシュの端面図である。
【図13】図2の髄内釘組立て品の前面/後面図である。
【図14】髄内釘の中央部分の湾曲を示す、図13の釘組立て品の内側/側面図である。
【図15】図14の髄内釘の遠位部分の部分的内側/側面図である。
【図16】4個の遠位開口部を有する髄内釘の形態の本発明の別の具体例を部分的に断面で示す部分的内側/側面図である。
【図17】斜め位置のネジを示す、図1の髄内釘組立て品の前面/後面図である。
【図17A】本発明の別の具体例による髄内釘組立て品の前面/後面図であって、髄内釘の遠位部分における、旋回するネジを示す図である。
【図18】図1の髄内釘組立て品の、遠位開口部で使用される皮質ネジの平面図である。
【図19】図1の髄内釘組立て品の、斜めの近位開口部で使用される海綿質ラグネジ(cancellous lag screw)の平面図である。
【図20】図19のラグネジのボックス形ネジ山の部分拡大された断面図である。
【図20A】本発明のラグネジの代替的構造となり得るねじ山が成形された標準的ネジのネジ山の部分拡大された断面図である。
【図20B】本発明の髄内釘組立て品と一緒に使用されるラグネジの代替的構造となり得るV字形形状のネジ山の部分図である。
【図20C】本発明の髄内釘組立て品と一緒に使用されるラグネジの代替的構造となり得る矩形形状のネジ山の部分図である。
【図20D】本発明の髄内釘組立て品と一緒に使用されるラグネジの代替的構造となり得る切頭V字形形状のネジ山の部分図である。
【図20E】本発明の髄内釘組立て品と一緒に使用されるラグネジの代替的構造となり得る逆ボックス形状(reverse box-shaped)ネジ山の部分図である。
【図20F】本発明の髄内釘組立て品と一緒に使用されるラグネジの代替的構造となり得る単純ボックス形状(simple box-shaped)ネジ山の部分図である。
【図21】図1の髄内釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図であって、複数の位置のネジを示す図である。
【図22】図1の髄内釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図であって、大転子位置から小転子位置におけるネジを示す図である。
【図22A】本発明の別の具体例による髄内釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図であって、大転子位置から小転子位置における皮質ネジを示す図である。
【図23】図1の髄内釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図であって、頚部の横骨折部を橋渡しする(bridging)ネジを示す図である。
【図24】図1の髄内釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図であって、頚部の部分的長さ方向骨折部を橋渡しするネジを示す図である。
【図25】図1の髄内釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図であって、遠位大腿骨において横方向のまっすぐな位置にあるネジを有する、逆行位置にある髄内釘を示す図である。
【図26】前面/後面図による大腿骨を示す放射線透過写真の平面図である。
【図27】本発明の更に別の具体例による釘のブシュを配置するための取付け具を含む釘キットの斜視図である。
【図28】図27の釘キットの部分的上面図である。
【図29】本発明の別の具体例による転子髄内釘組立て品の前面/後面図である。
【図30】図29の髄内釘組立て品の内側/側面図であって、該髄内釘の中央部分の弧状部分を示す図である。
【図31】本発明の別の具体例による逆行性釘インプラント組立て品の前面/後面図である。
【図32】図31の逆行性釘インプラント組立て品の髄内釘組立て品の部分的前面/後面図であり、釘のブシュを固定するための固定プラグを示している。
【図33】本発明の別の具体例による融合釘(fusion nail)インプラント組立て品の前面/後面図である。
【図34】図33の融合釘インプラント組立て品の髄内釘組立て品の部分的前面/後面図であり、釘のブシュを固定するための固定プラグを示している。
【図35】本発明の別の具体例による脛骨用釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図である。
【図36】本発明の別の具体例による上腕骨用釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図である。
【図37】本発明の別の具体例による転子髄内釘組立て品であって、事前穿孔済み横向き開口部を有するプラグを有する該組立て品の内側/側面図である。
【図38】図37の釘組立て品の前面/後面図である。
【図39】図37の髄内釘組立て品の部分的内側/側面図である。
【図40】図37の髄内釘組立て品のプラグの斜視図である。
【図41】本発明の別の具体例による釘インプラント組立て品であって、図37の髄内釘組立て品を使用している該釘インプラント組立て品の部分的内側/側面図である。
【図42】図41の部分的前面/後面図であって、斜め方向になっているネジを示す図である。
【図43】本発明の更に別の具体例による釘インプラント組立て品の部分的内側/側面図であって、平行移動ブシュ(translating bushing)を有する髄内釘を示す図である。
【図44】平行移動ブシュおよび髄内釘を示す、図43の部分的上面図である。
【図45】本発明の更に別の具体例による髄内釘組立て品であって、間隔を置いて離れている2個のブシュを有する髄内釘組立て品の形態である該組立て品の部分的内側/側面図である。
【図46】本発明の更に別の具体例による釘インプラント組立て品であって、図45の髄内釘組立て品を利用している該釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図である。
【図47】本発明の更に別の具体例による釘インプラント組立て品であって、事前に確立された事前設定位置で設定された固定プラグとブシュとを利用している該組立て品の部分的前面/後面図である。
【図48】本発明の更に別の具体例による髄内釘組立て品であって、外部支持クレードルを有するブシュを利用している該組立て品の部分的内側/側面図である。
【図49】図48の髄内釘組立て品の部分的前面/後面図である。
【図50】本発明の更に別の具体例による釘インプラント組立て品であって、図48および図49の髄内釘組立て品を利用している該釘インプラント組立て品の部分的内側/側面図である。
【図51】図50の釘インプラント組立て品の部分的前面/後面図である。
【図52】本発明の更に別の具体例によって外傷手術を実施する方法の流れ図である。
【図53】本発明の更に別の具体例によって外傷手術を実施する方法の流れ図である。
【図54】本発明の更に別の具体例によって外傷手術を実施する別の方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釘本体を有する髄内釘、および、前記釘本体に対して方向が確定されることが可能であるネジを受け入れるためのネジ機能部、と共に使用するための取付け具であって、前記釘に対して、前記ネジ機能部の方向を確定するように構成された、取付け具において、
前記釘本体と協働する第1の部分と、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の複数の位置のうちの1つの位置に対応することのできる第2の部分と、
前記第2の部分に対して前記ネジ機能部と協働するための、ネジ機能部協働機能部と、
を備える、取付け具。
【請求項2】
請求項1に記載の取付け具において、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して選択的に配置されることが可能である、取付け具。
【請求項3】
請求項1に記載の取付け具において、
前記取付け具の前記第1の部分に対して前記釘本体を配置するための釘本体配置機能部、
を更に備える、取付け具。
【請求項4】
請求項1に記載の取付け具において、
前記取付け具の前記第1の部分に前記釘本体を固定するための手段、
を更に備える、取付け具。
【請求項5】
請求項4に記載の取付け具において、
前記手段は、留め具を含む、取付け具。
【請求項6】
請求項1に記載の取付け具において、
前記取付け具の前記第2の部分に前記ネジ機能部協働機能部を固定するための手段、
を更に備える、取付け具。
【請求項7】
請求項6に記載の取付け具において、
前記手段は、留め具を含む、取付け具。
【請求項8】
請求項1に記載の取付け具において、
前記釘本体に対する、前記ネジ機能部の位置を測定するためのゲージ、
を更に備える、取付け具。
【請求項9】
請求項1に記載の取付け具において、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の事前設定済み角度関係を提供するための事前設定機能部、
を備える、取付け具。
【請求項10】
請求項1に記載の取付け具において、
前記釘本体配置機能部および前記ネジ機能部協働機能部の少なくとも一方は、複数の前記釘および前記ネジをそれぞれ収容するように構成されている、取付け具。
【請求項11】
関節形成術を実施するのに使用するためのキットにおいて、
髄管の中に少なくとも部分的に配置するための釘本体を含む釘であって、
前記釘本体は、前記釘本体を通り抜ける釘開口部を画定している第1の内壁を有し、かつ、前記釘本体は、前記釘本体の長さ方向軸を更に画定し、
前記釘は、前記釘開口部の中に少なくとも部分的に配置され、内部に開口部を画定する、ネジ機能部を更に含み、
前記ネジ機能部は、前記釘本体の前記長さ方向軸に対して複数の角度方向に移動するように構成されている、
釘と、
前記ネジ機能部の前記開口部の内部に少なくとも部分的にぴったり嵌ることのできるネジと、
取付け具であって、
前記釘本体と協働する第1の部分、
前記ネジ機能部と協働し、前記第1の部分に対して、複数の位置に配置されることが可能である前記第2の部分、
前記取付け具の前記第1の部分に対して前記釘を配置するための釘配置機能部、および、
前記取付け具の前記第2の部分に対して前記ネジ機能部を配置するためのネジ機能部配置機能部、
を含む、取付け具と、
を備える、キット。
【請求項12】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して、選択可能に固定して配置されることが可能である、キット。
【請求項13】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記第2の部分は、前記第1の部分に対して、回転可能に配置されることが可能である、キット。
【請求項14】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記取付け具の前記第1の部分に前記釘本体を固定するための手段、
を更に備える、キット。
【請求項15】
請求項14に記載のキットにおいて、
前記手段は、留め具を含む、キット。
【請求項16】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記取付け具の前記第2の部分に前記ネジ機能部を固定するための手段、
を更に備える、キット。
【請求項17】
請求項16に記載のキットにおいて、
前記手段は、留め具を含む、キット。
【請求項18】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記釘本体に対する前記ネジ機能部の位置を測定するためのゲージ、
を更に備える、キット。
【請求項19】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記取付け具は、前記釘本体に対する前記ネジ機能部の事前設定済み角度関係を提供するための事前設定機能部を備えている、キット。
【請求項20】
請求項11に記載のキットにおいて、
前記釘本体配置機能部および前記ネジ機能部配置機能部の少なくとも一方は、複数の前記釘および前記ネジをそれぞれ収容するように構成されている、キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図17A】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図21】
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【図22】
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【図22A】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2007−275571(P2007−275571A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−91819(P2007−91819)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】