取付け装置
本発明は内燃機関装置内で使用するための管状対象物用の取付け装置に関する。取付け装置は少なくとも一つの基材を有し、それは、管状対象物の収容のための収容部を有し、その際、基材は内燃機関装置の薄板の部材の開口部に設けられ、基材の少なくとも一部が開口平面に平行に整列された平面にほぼ可動である。更に、取付け装置は枠エレメントを有し、それは基材を保持し、薄板の部材の開口境界領域に取付けされる。管状対象物を収容した後、取付け装置は薄板の部材の開口をカバーする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関装置内で使用するための管状対象物のための取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、取付け装置とは、それにより内燃機関装置領域に管状対象物を空間的に案内できる各種取付けまたは各種ガイドを意味するものとする。管状対象物は専ら取付け装置によって、あるいは、それに適した他の手段と組み合わせして内燃機関装置内で保持され得る。
【0003】
内燃機関装置内では、しばしば、エンジンおよびエンジン装置における構造が次第にコンパクトになりつつあるために、管状対象物は内燃機関装置内に開口部を通じて内燃機関装置の他の構成部品にガイドされるか、自由端(free end)により内燃機関装置の他の部材に支持され(rest :隣接し)、そこに取付けられなくてはならないように設けられる。以下、内燃機関装置とは、少なくとも、内燃機関とそれに属する排気システム、とりわけ、排気マニフォールド、触媒、そして場合によってはターボチャージャーをも包括的に意味する。
【0004】
例えば自動車では、できるだけ汚染物質の少ない排気を達成するために、排気導管内の酸素含有量を酸素測定プローブ(O2センサー)、いわゆるラムダプローブ、により測定することが知られている。この目的のためにラムダプローブは内燃機関装置の排気導管内に設けられ、その際、センサーを含むプローブの領域のみが排気導管内に設けられ、他方、例えば接続ソケットが収容されているプローブの残り部分は排気導管外部に設けられる。ラムダプローブはそれ自身が管状対象物であってもよいし、あるいは、管状対象物内に含まれていてもよい。管状対象物のその他の実施形態は、例えば、留め金装置つき管状対象物および少なくとも部分的にねじ山を有することができる管状接合エレメントおよび管状固定エレメントを包含する。管状対象物は原則的にいかなる任意の横断面を有することもでき、従って横断面は必ずしも円形である必要はない。
【0005】
他の物体に取り囲まれている、内燃機関装置内において薄板の部材が使用され、その薄板形状(laminar design)および内燃機関装置のコンパクトな構造のために、内燃機関装置の管状対象物について障害をしばしば呈するので、後者(管状対象物)は薄板の部材により貫通ガイドされなくてはならない。従って例えば自動車の組み立てにおいて、熱源、とりわけ、排気を出す部材から感温部材およびアセンブリーを遮蔽するためには一般的に薄板の熱遮蔽板を熱源と感温部材の間に設ける。排気ガスシステムの部位においては、ラムダプローブが熱遮蔽板から突出するように熱遮蔽板が設けられ、それゆえ、ラムダプローブが貫通ガイドできるような開口部が熱遮蔽板に形成されるように設けられる。この開口部はラムダプローブの直径より大きな直径を有する必要があり、つまり、一方において、内燃機関装置の振動により引き起こされる部材の動きのため、加えて温度に依存する部材の膨張のために、部材にひずみや最終的なダメージを生じることにならないように十分な公差(tolerance:耐性、許容範囲)を有する必要がある。更に、こうして直径をより大きくすることにより、内燃機関装置に管状対象物の組み立ておよび/または分解がより簡単になる。この例としては、レンチを使って、ラムダプローブを排気マニフォールドに対して組み立てるおよび/または分解することが挙げられる。
【0006】
開口部の直径が、開口部により貫通ガイドされる対象物に比べ大きいことにより、この部分において漏れが発生する。とりわけ、熱遮蔽板による開口部において、熱遮蔽板の両面の周辺空気の温度差が大きいことにより暖炉効果(chimny effect)が起こり得、それにより、熱い空気が感温部材の部分に流れ込み、これら部材のダメージが発生しかねない(例えばケーブル絶縁の融解、プラスチック部材の変形等)。この問題を克服するために、他の部材の開口を通過して突出する管状対象物の部分がこの開口部シールする断熱ストッキング(insulating stocking)を有する構造が知られている。かような断熱ストッキングの永続的な固定が非常に煩雑であり、それにより、かような構成の製造プロセスの複雑さが明らかに増すという不都合がある。
【0007】
薄板の部材に支えられ、および/またはそこに固定されている管状対象物においても、様々な部材の異なる熱膨張率のため、および内燃機関装置の振動のために、ひずみや部材の最終的なダメージにつながりかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の課題は、管状対象物の組み立てに必須であり、一方で薄板の部材内の開口部に最適な公差補償を達成し、この開口部の確実で永続的なカバーを達成する管状対象物用の取付け装置を提供することである。加えて、取付け装置は、ひずみを削減し、部材のダメージを回避するために管状対象物の移動に十分な公差をもたらすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明により、請求項1に記載の取付け装置により解決される。取付け装置は少なくとも一つの基材を有し、この基材は管状対象物の収容用の収容部分を有し、基材は、内燃機関装置の薄板の部材の開口部に設けられ、更に基材の少なくとも一部分はほぼ開口部の平面に平行に向けられた移動面で可動である。更に取付け装置は、枠エレメントを有し、この枠エレメントは基材を保持し、薄板の部材の開口境界領域に取付けされる。更に取付け装置は管状対象物の収容後、薄板の部材の開口部をカバーするように形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好適な実施態様は従属請求項に記載される。
【0011】
枠エレメントと基材を構成することにより、薄板の部材の開口部はカバーされ、それにより取付け装置はこの開口部用シールとして作用する。これにより、漏れが回避される。更に取付け装置は、基材の少なくとも一部分が開口部に薄板の部材の開口の平面に平行に設けられた平面で可動であることにより、基材が収容する管状対象物の移動に十分な公差をもたらすために、対象物あるいは取付け装置におけるひずみが回避される。基材の少なくとも一部分が可動である平面は以下移動平面と呼ばれる。更に本発明の枠内で、「薄板の部材内の開口面に平行に設けられた平面」という表現は、開口部平面に平行な平面も開口平面自体も含む。
【0012】
基材は原則的に特定形状に規定されていない。基材は一体構成であってもよいし、複数の個々のエレメント、とりわけ多層構造であってもよい。基材は原則的に移動平面内の一つの移動に限定されず、移動平面に関した傾斜運動を含む全三次元運動をできるように構成することができる。枠エレメントは、薄板の部材に一面でも両面でも取付けできる。
【0013】
本発明の取付け装置は、内燃機関装置部分の熱遮蔽板の開口に設けると好適である。これらの熱遮蔽板はしばしば排気システム部にあり、また取付け装置に収容および/または、貫通する管状対象物はセンサー、とりわけ、ラムダプローブであるとよい。ここで、一方で暖炉効果が回避され熱遮蔽板の熱源と反対側の感温部材が損傷を受けず、加えて取付け装置を貫通してガイドされるセンサー自体も保護される利点がある。
【0014】
好適な実施例では、基材は、金属あるいは金属合金、とりわけ、銅または鋼から製造される。これらの材料は良好な形状特性と耐熱性の両方によりとりわけ適している。更に、耐熱性の繊維補強された材料も基材の形成に使用できる。これらの材料を組み合わせることも可能である。本発明の取付け装置の枠エレメントは、基材用に挙げられた材料で構成することも好適である。
【0015】
本発明の更なる好適な実施態様では、枠エレメントのエッジがフランジとして形成される。その際フランジは、取付け装置のフランジが薄板の部材の開口の境界領域(エッジ部)に支持されるように構成される。本発明の変形例において、枠エレメントのフランジは、薄板の部材の開口の境界領域に設けられ、接合は溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジづけにより行われると好適である。それにより、取付け装置が場所固定され、基材だけが管状対象物とともに薄板の部分に相対的に動けることが保証される。フランジは、枠エレメントの複数の層から形成され、例えば端面において同一平面上で終結する二層から形成されると好都合である。
【0016】
枠エレメントは基材を保持するように形成される。ここで枠エレメントは、基材の境界領域の少なくとも一部分を囲む(enclose:係合する)と好適である。この際、この取り囲みが基材の移動の自由が阻害されないように行われることに留意すべきである。この取り囲みの長さは枠エレメント内の基材の確実な取付けが行われるように基材の囲まれる部分の最大クリアランス(play:遊び)より大きくなくてはならない。更に枠エレメントを二層に構成すると好適である。この際、フランジを形成するために層を境界領域に一つにまとめる。すると、枠エレメントの中心へ向かって両方の層は広がり、その結果、その間に基材の一部分を取付けすることができ、その係合が行われる。
【0017】
更なる実施形態において枠エレメントはそれぞれ上部取付けエレメント、下部取付けエレメントを有し、これらはその境界領域で薄板の部材に支持され、それらの間には基材の少なくとも一部分が設けられている。上部取付けエレメントも下部取付けエレメントも少なくとも開口境界領域において平面に構成されると好適である。その結果それらは薄板の部材と同一平面上に支持される。ここで薄板の部材は局部的に平らにすることもできる。
【0018】
更に上部取付けエレメントと下部取付けエレメントをクロスウェブにより互いに接合すると好適である。その結果枠エレメントの剛性が改良され上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントは相互に向き合って変位したり回転ずれしたりできない。更に両取付け装置の内側に溝(grooves)を設けることもでき、これらの溝はそれぞれウェブの自由端を収容し、それにより、取付け装置の長期安定性の向上がもたらされる。ウェブの高さはほぼ、薄板の部材の厚さに適合され、その結果薄板の部材に大きな突出部は発生しない。この構成においては、第一に、原則的に基材全体、あるいは基材の少なくとも一部分が枠エレメントに相対的に可動である。枠エレメントは薄板の部材に相対的に可動であってよい。しかしながら、上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントが薄板の部材に溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジづけにより備えられていると好適である。それにより、取付け装置の安定性がさらに向上する。
【0019】
本発明の取付け装置の組み立ては、個々の構成要素または薄板の部材に事前組み立てされた構成要素を組み合わせることにより行うと好都合である。例えば、まず枠エレメントの下部取付けエレメントを薄板の部材に固定し基材または基材の少なくとも一部分を載せ、次いで上部取付けエレメントを薄板の部材の対向するエッジ部に固定する。
【0020】
更なる実施形態において枠エレメントは基材の一部として形成される。ここで枠エレメントは、上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントから成ると好都合である。上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントは平面形成され、それぞれ幅広に広がった部材の開口の、境界領域の対向面にその外のエッジが同一平面上に支持されるように設けられる。この構造においては、両方の取付けエレメントがほぼ面を覆うように互いに整列されている点に留意すべきである。両方の取付けエレメントはその内のエッジにおいて互いに接合され、その際、接合部は薄板の部材から離間して形成されるから、枠エレメントないし基材の移動の自由は保証されている。
【0021】
内側のエッジは例えば適当な厚さのリングないしディスクを嵌め込み固定することにより異なった方法で相互に接続できる。とりわけ取付けエレメントの内側のエッジ間の接合を多層爪係止により行うと好適である。それにより、枠エレメントに内部ビード(bead)が生じ、この内部ビードが層数を選択することにより薄板の部材の肉厚に適合でき、それによりまた同一平面上の終結がなされる。とりわけ、少なくともひとつの取付けエレメントの境界領域が曲げ戻され、この曲げ戻された境界領域の一部分を再び前へ曲げると好適である。他方の取付けエレメントの内部領域を一度曲げ戻すと、曲げられた領域が互いに噛みあってはまり、爪係止が出来上がる。同時にこの特殊構成により、取付けエレメントの一致構成が保証される。爪係止は取付けエレメントの一つを薄板の部材の一方の側に、そして他方の取付けエレメントを薄板の部材の対向面に設けた後、薄板の部材に行うと好都合である。あるいは、取付けエレメントの自らの周りにのみフランジをつけて、互いには爪係止をしていない内側のエッジを溶接あるいはリベットにより互いに接合することもできる。周りのフランジつけは一回ないし繰り返し行うことができ、それにより各取付けエレメントがC形ないしS形に形成される。C形取付けエレメントをS形取付けエレメントと組み合わせることも可能である。
【0022】
本発明の更なる好適な実施態様では管状対象物用の基材の収容部分は基材内部の通路として形成される。この際、通路の大きさと形状はほぼ管状対象物に適合されると好適である。それにより、基材は管状対象物に支持される。この実施形態は管状対象物が薄板の部材を突出し、これを貫通してガイドされなくてはならないとき、とりわけ有利である。
【0023】
更に、基材の通路を管状対象物が貫通してガイドされる空洞で両端面が開いたパイプ接合部分として形成されると有利である。この実施形態により、取付け装置内の管状対象物の取付け安定性は一層向上する。あるいは、ないし、加えて、通路領域にねじ山を備えると好適である。この際、このねじ山には、管状対象物が適合する逆ねじ山でねじ留めできるようにする。ねじ山接合によりシステムの全こわさもディスクエレメントと管状対象物の間の密閉性もともに一層向上する。この際、ねじ山接続は、薄板の部材を他の部材に固定し、同時に取付け装置を介してこの固定のための十分な公差を生むためにも使用され得る。
【0024】
本発明の更なる実施態様では、基材は貫通孔を有せず、基材の収容部分が固定エレメントを有し、それにより管状対象物が基材に備えられる。固定エレメントをねじとして形成すると好適である。この実施形態はとりわけ管状対象物が薄板の部材に支持されて設けられているとき有利である。
【0025】
基材の収容部分の固定エレメントは留め金装置として形成してもよい。それにより管状対象物は締め付けにより基材に固定できる。これはとりわけ、管状対象物をしばしば交換したり取り外したりすることが予期されているときに有利である。
【0026】
更なる好適な実施形態では、基材の収容部分は軸受ブシュとして形成される。ここでは、管状対象物の軸受ブシュの取付けが非常に安定している点が有利である。接合こわさを更に向上させるためには管状対象物を収容部分の軸受ブシュと固定的に接合することができる。
【0027】
内燃機関装置の振動により引き起こされ得る管状対象物ないし薄板の部材の鉛直方向移動を管状対象物のダメージを起こすことなく補償するべく軸受ブシュ内部に少なくとも一つの緩衝材を設けると便利である。緩衝材をワイヤクッションとして形成すると好適である。これは、簡単かつ費用的に有利に製造できるからである。しかし、適当なエラストマ材料であってもよい。
【0028】
更なる好適な実施形態では薄板の部材の開口の境界領域を少なくとも片側に薄板の部材内の凹状部(recess)として形成する。この際凹状部の深さは薄板の部材の相当する側に支持される枠エレメントの取付けエレメントの肉厚にほぼ相当するように形成すると便利である。これにより、取付け装置が突出せず薄板の部材の表面が平面であるという利点がある。例えば薄板の部材が熱遮蔽板である場合、熱遮蔽板の肉厚は典型的には1.1 mm 〜 1.6 mmである。更にこの場合、熱遮蔽板に支持される枠エレメントの取付けエレメントの肉厚は約0.2 mm 〜 0.4 mmである。この場合、それに相当して開口の境界領域の熱遮蔽板は残りの部分より0.2 mm 〜 0.4 mm(あるいは凹状部が両面にある場合は0.4 mm 〜 0.8 mm)薄く形成されることになるであろう。金属層から成る熱遮蔽板の場合は、凹状部はこの領域を平らにすることにより形成されると好適である。
【0029】
本発明による取付け装置は任意に多数の管状対象物の取付けに使用できる。例えば、基材にそれぞれ一つの管状対象物の収容用の複数の収容部分を設けることができる。同様に枠エレメントをそれが複数の基材を収容できるように形成することもできる。それにより、密接して設けられた管状対象物の場合、必要な取付け装置の数を減らすことができる。取付け装置は管状対象物を一面のみ、または両面より収容すべく形成することができる。更に取付け装置は異なる管状対象物を同時に収容すべく形成することができる。管状対象物を取付け装置により貫通ガイドすると、それらは同様のまたは異なったサイドから取付け装置に導入され得る。複数の基材を収容する取付け装置の組み立てをより簡単にするために二つの部材から構成すると有利である。その際、取付け装置の両部材は差込み結合(bayonet connection)により相互に接続可能に形成すると好適である。
【0030】
原則的には取付け装置の個々のパーツのクリアランスは制限されている。クリアランスは一方で薄板の部材の開口部の大きさ、管状対象物の直径などという形状規定値により制限される。他方、制約されていないクリアランスでは取付け装置の個々の構成要素の結合が保証されていないであろう。その際、いかなる移動方向においても基材の少なくとも一部分にそれぞれ少なくとも一つのストッパを設けると便利である。ストッパは基体の少なくとも一部分のクリアランスを制約し、これを取付け装置内に保持する。
【0031】
基材は上記のように原則的に特定形状に規定されない。基材は枠エレメントに対し、基材の、少なくとも移動平面上で可動な部分の移動が移動平面の方向に沿ってのみ可能であるように形成することができる。これはとりわけ収容すべき管状対象物が移動平面の一方向にのみの動きに曝されているときに有利であり得る。この場合、一方向に沿った移動の自由空間によるひずみが回避され、同時に移動平面の他の方向に沿った不必要なクリアランスを回避することによる安定した取付けが保証される。
【0032】
本発明の実施形態において基材は一体に構成される。それにより、取付け装置の構造の複雑さが減り、製造が簡易化する。組み立てないし分解も基材を一体に構成することにより簡単になる。なぜなら、複数の部材を基材に継ぎ合わせる作業工程が要らなくなるからである。基材は一体構成すると全体に移動平面上に可動である。一体構成された基材をディスクエレメントとして構成すると好適である。なぜならこの基本形状はとりわけ薄板の部材に使用するために良好に適しているからである。
【0033】
原則的にはディスクエレメントは特定形状に規定されていない。しかし、円、楕円、あるいは多角形に形成すると好適であり、その際、ディスクエレメントを保持する枠エレメントがその都度ディスクエレメントの選択された形状に適合されて形成される。多角形のディスクエレメントの使用の際は更にディスクエレメントの回転可能性が制限できると有利である。更にディスクエレメントは部分領域を介してのみ平坦に形成できる。つまり、ディスク平面においての可動性が必要なところにおいてのみ平面に形成できる。これは例えば外部境界領域である。ディスクエレメントはその他の領域においては高さ方向へ作ることができる。
【0034】
更なる実施形態においてディスクエレメントは多層に形成される。ディスクエレメントのそれぞれの形状と形態に依存し多層構造は製造工程および組み立てを簡易化し、ディスクエレメントが枠構造とより良く合致するように貢献できる。ディスクエレメントの部分領域のみを多層に構成することも可能である。
【0035】
取付け領域により薄板の部材内の開口のカバーをより良くするためには、ディスクエレメントの少なくとも一面が通路領域にビードを有すると便利である。それにより、管状対象物と取付け装置間の接合領域の密閉性が高まる。
【0036】
枠エレメントがディスクエレメントの境界領域を囲むように周囲に(expendiently)形成されると好都合である。ここでは上記のように、ディスクエレメントの移動の自由が阻害されないように係合が行われるように留意すべきである。この際、係合の長さは、枠エレメント内のディスクエレメントの確実な取付けが保証されるべくディスクエレメントの最大クリアランスより大きくあるべきである。
【0037】
本発明の更なる実施形態において基材はともに基材を形成する二つのそれぞれ別個の部分を有する。それにより、取付け装置の柔軟性およびその取り付け環境への適応が改良される。基材の第一の部分と第二の部分はそれぞれ一体構成であってもよいし、複数の個々のエレメント、とりわけ多層から形成されてもよい。取付け装置の取り付けの際、第一の部分と第二の部分はすでに事前組み立てされ、基材へと組み合わせることができる。ないし、この組み合わせは組み立て時にはじめて行ってもよい。基材の少なくとも第一の部分は、ほぼ移動平面上で可動に形成される。
【0038】
基材の第一の部分を移動平面から加えてとりわけ最大15 度の角度、好適には最大10 度、とりわけ好適には最大6度突出して可動に形成すると有利である。これにより、基材の第一の部分は移動方向にのみ作用するのでなくそれに対しやや斜めに作用する取付け装置上に作用する力に対しても、完全に屈することができる。こうして、第一の部分も平面から突出して可動であるから、移動平面に関し作用する横力成分の公差もまたもたらされることができ、それにより薄板の部材に発生するひずみは更に良好に減少され得る。基材の第一の部分を上記最大角のひとつにまでのみ平面から可動にすると好適である。なぜなら、そうでなければ取付け装置の構造が複雑になるからである。しかし原則的には、より大きな角度のずれも可能である。
【0039】
基材の二体構成においては、少なくとも第二の部分を移動平面に横に可動にすると好都合である。それにより、基材により収容されるべき管状対象物の移動公差が拡大される。基材はその移動の自由を管状対象物に伝達するように形成される。移動平面における移動に加えて管状対象物は移動平面に横にも移動でき、それにより部材の製造公差、移動により条件づけられる振動ないし温度に依存する膨張によるひずみがずっと削減され、同時に管状対象物の組み立てと分解が簡単になる。移動平面に横の移動は、移動平面自体にない全ての移動を含む。移動平面に横の移動は直線、平面、または空間的に行うことができる。横方向移動は、移動平面に対して45 度 〜 135 度、とりわけ好適には70 度 〜 110 度の角度で行うと好適である。
【0040】
上記のように、基材の第二の部分は基材の第一の部分の移動平面に横に可動である。移動平面が開口部内の薄板の部材に平行に形成されているから、したがって基材の第二の部分も薄板の部材に横に可動である。横方向移動は、第一の部分の移動面にほぼ垂直に行うと好適である。熱遮蔽板を貫通して突出する例えばラムダプローブはしばしば熱遮蔽板の開口の開口平面にほぼ垂直に設けられているから、基材の第二の部分が合致する構造であることがしばしば望ましい。
【0041】
原則的には基材の第一の部分は移動平面における移動に制限されず、基材の第二の部分は移動平面に横の移動に制限されていない。したがって基材の第一の部分も第二の部分も移動平面上を更に移動平面に横に可動であり得る。同時に発生する長手方向の移動、横の移動、および/または傾斜運動を補償するために複数軸の移動も行うことができる。その際複数軸の移動は両部分のひとつによってのみ、あるいは両部分の移動の組み合わせにより行うことができる。基材の個々の部分の十分なガイドを保証するために、第一の選択肢において基材の他の部分だけを平面に横に、そして、第二の選択肢において、基材の他の部分のみを移動平面で可動にすると好適であり、移動平面にも移動平面に横にも可動な基材の部分は、基材の他の部分に統合して形成する(合体させるように形成する)と好適である。その際基材のこの部分は移動平面、または移動平面に横断する方向へ基材の他の部分の移動により共に動かされ、他の種類の移動が独立に行われるように支持される。これは、組み込まれて形成された部分は、その移動方向に実質的に遊びなしの状態で他の部分で支持される。これにより、取付け装置の構成が簡単になりその密閉性が向上される。
【0042】
原則的には基材の第一の部分が管状対象物を収容するか、あるいは、基材の第二の部分が管状対象物を収容できる。つまり、それ相応に管状対象物は移動平面を横に動く部分(つまり第一の部分)により保持されるか、この平面に横方向移動を行う部分(つまり第二の部分)により保持される。その際基材のその一方の部分がとりわけ中心に設けられた開口を有すると好適である。その際開口周辺部は他の、基材の管状対象物を収容する部分が変位自在な拘束(displaced restraint;変位自在な挟圧)という方法で収容されるよう形成される。更に他の部分も同様にとりわけ中央に設けられた開口を有すると好都合である。この開口は管状対象物の収容のために形成されるものである。
【0043】
どの部分が管状対象物を保持するかにより、第一の部分、第二の部分および枠エレメントの相互の相対的な他の構造が選択されると好適である。管状対象物が第一の部分により保持されるときは、第一の部分が基材の第二の部分に取付けされ、第二の部分がまた枠エレメントを介して薄板の部材に取付けされると好都合である。移動平面での移動は第一の変形例においては基材の第一の部分がフォーク形状に形成された境界領域を有し、この境界領域が第二の部分の境界領域を両方の部分の互いに対向する面の間に間隙を維持したまま第二の部分の境界領域を囲むことにより達成すると好適である。あるいは、基材の第二の部分は、フォーク形状に形成された境界領域であって、両部分の互いに対向する面の間に間隙を維持したまま第一の部分の境界領域を囲む境界領域を備えていてもよい。第二の部分が管状対象物を保持する場合は、第二の部分は基材の第一の部分に、そしてまたこれが枠エレメントを介して薄板の部材に取付けされ、その際、枠エレメントが移動平面における薄板の部材の開口エッジに可動に取付けされるか、または第二の部分が移動平面に枠エレメントに可動に取付けされると好都合である。その際移動平面における可動な取付けは上記のように枠エレメントの形成と関連してかまたは、基材の少なくとも一つの部分と可動な取付けと関連して行うことができる。原則的には、枠エレメントが基材の両方の部分を囲むことも可能である。
【0044】
横断方向移動(つまり第一の部分の移動平面の横断)の実行のためには上記のように第二の部分を変位自在に拘束すると好適である。このためには、第二の部分は第一の部分の管状部分と噛み合うか、または枠エレメントの管状部分と噛み合う管状部分を有すると好都合である。両方の管状部分は、第二の部分の横移動方向に相当する、その軸方向に対向して変位自在である。一つの管状部分が他方の管状部分からずれて出ることを阻止するために両方の管はその互いに滑り込んだ端部にそれぞれストッパを有すると好都合である。このストッパは管状部分の端部を突出することによるとりわけ簡単な形成により形成できる。その際、内側の管の端部は外側へ、そして、外側の管の端部は内側へ曲げ、その結果、管状部分が互いから最大限に引っ張られたとき、両ストッパが相互に突き合わされる。どの管状部分が内側にあり、どの管状部分が外側にあるかは原則的にどちらでもよい。
【0045】
対向面からずれ動くことを阻止するためには、そこにもう一つストッパを設けてもよい。その際例えば、管状部分の端面の端部で取付け装置と引っ掛けて動かなくしたロックワッシャを使ってよい。ロックワッシャを使用することによりストッパは他の工具を使うことなく管状部分に簡単に組み立てることができ、同時に引っ掛けて動かなくすることにより管状部分に固定的に取付けされる。
【0046】
管状部分の対抗した回転を抑制または制約するために、および/または変位行程を制限するために第一の部分あるいは第二の部分に少なくとも一つの溝を、そして、他方の部分に少なくとも一つの一致するウェブを形成することができる。例えば、溝幅がウェブの幅にほぼ相当するときは、ウェブを溝に係合することにより管状部分の対抗する回転性を抑制することができる。溝がその中に噛み合うウェブよりも幅広に形成されているときは、回転可能性は完全には抑制されず、ただ制約されるだけである。
【0047】
更に溝ないしウェブは異なった奥行きまたは高さで形成することができ、それにより、一方の管状部分の他方への軸方向の変位行程が制約できる。これらは、溝を相応に形成することによりウェブのストッパとして作用でき、それにより、長手方向変位が制約されるだけでなく、一方の管状部分が他方にも保持され得る。かような実施形態においては、別個の周回的に形成されたストッパの形成はなくて済む。原則的には、取付け装置においては、異なった形状と異なった長さの溝とウェブを形成することができる。管状対象物の一つに二つのほぼ同様な対向設置されたウェブを形成すると好適である。他方の部材には、複数の溝ペアを形成し、その際各溝ペアの溝がほぼ同様に形成され対向設置される。それに対し、様々な溝ペアはそれぞれ互いに相違して形成されるから、異なった溝ペアにウェブを嵌め込むことにより、変位行程、および/またはウェブをキャリアする管状部分の回転部は変化可能である。例えば異なった長さの二つの溝ペアを90 度の角度で個々の溝の間に均一に管状部分の周辺を介して分配することができ、その際、長めの溝と短めの溝が交互に交替する。しかし、二つより多い異なった溝長と90 度以外の角度も考えられる。
【0048】
基材の第二の部分の上記の取付けにおいては、一方向に直線に変位自在で、取付けは拘束トルク(straining torques:挟圧モーメント)を同時に収容できる。したがって基材の第二の部分は機械的な意味では基材の第一の部分に変位自在であるか、ないし、枠エレメント内部で拘束される。かようにして、基材の第二の部分の移動平面に横の移動方向への最適なガイドが保証され、同時に管状対象物の移動平面に相対的な傾斜が防がれる。それにより、管状対象物のダメージの危険性が減少される。
【0049】
基材の第二の部分をカップ状(pot-like configuration)に構成すると好適である。カップの幾何学的基本形状を相補的管状部分の幾何学的基本形状に適合すると好都合であり、カップの寸法はその側壁が第一の部分あるいは枠エレメントの管状部分の内部ジャケット面あるいは外部ジャケット面に近似的に同一平面上に支持されるように選択される。これにより、基材のカップ状に形成された第二の部分が管状部分の長手方向に移動ないし変位できることが保証され、しかもそれと同時に傾斜が防がれる。カップの高さが、カップがその全長において管状部分に押し込めるように管状部分の高さにほぼ一致すると好都合である。
【0050】
管状対象物を基材のカップ状に形成された第二の部分に収容するためには、その底部に通路を設けると好都合である。更に、カップの底部の少なくとも片側に通路領域にシールエレメント、例えばビードを形成すると好適である。これにより、管状対象物と取付け装置間の接合領域の密閉性が向上する。
【0051】
第一の部分または枠エレメントにおける管状部分は、各部分の内側境界領域を曲げることにより作ると好都合である。ここで管状部分の製作を他の部材を加えることなく行うことができるのが利点である。それにより取付け装置の製造プロセス全体が簡単になる。
【0052】
以下に示す様々な実施形態においては同様の構成部分は同じ符号をつける。なお、本発明は記載される実施例に限定されず、図は単に説明的な性質を有することを指摘する。
【0053】
図1は薄板の部材15の一部斜視図である。ここに示された例では、薄板の部材15は熱遮蔽板である。管状対象物、具体的にはラムダプローブ、の収容用の通路20を有する穴開きディスクとして形成された基材16を有する取付け装置10は、熱遮蔽板15に組み入れられている。更に、図1は熱遮蔽板15内の二つの固定開口26を示し、これらにより、熱遮蔽板15は内燃機関装置、例えば排気マニフォールド部に固定される。取付け装置10の様々な実施態様の可能性が以下の図により記載される。
【0054】
図2はエッジ側フランジ11つき取付け装置10の一部断面側面図である。フランジ11は取付けエレメント12a,12bの互いに重ねられたエッジから成る。両取付けエレメント12,12bは共に枠エレメント14を形成する。取付けエレメント12aはZ形に曲げられ、接続脚が熱遮蔽板の円形開口の端面15´に支持される。図では、構成の開口中央の右にある部分のみが示され、他方、左の鏡対称に形成された半分は図示されていない。フランジ11は、薄板の部材15における曲げられた取付けエレメント12aの内側に支持される。図では、取付けエレメント12bは取付けエレメント12aと離間している。しかし、組み立てが完成した状態では、両取付けエレメントはフランジ11部で直接的に接し、また共に、そして薄板の部材に例えば溶接により固定される。
【0055】
更に図2から分るように、取付けエレメント12a,12bの間にディスクエレメントとして形成された基材16が可動に取付けされる。ディスクエレメントは丸い中央開口20を有する円形ディスクとして形成されている。それは、第二の取付けエレメント12bが取付けエレメント12aに固定される前に、取付けエレメント12aに載置される。この際ディスクエレメントは、ディスクエレメントの側端部と枠エレメント14との間に、円形の間隙としての自由空間17ができるように構成されている。自由空間17が周囲に位置すること(自由空間17の周回的構造)により、ディスクエレメントがディスク平面に相当する移動平面に可動であることが保証される。
【0056】
図3は穴開きディスクとして構成された基材16とエッジ側のフランジ11を有する取付け装置10の断面側面図である。この構成はほぼ図1の構成に相当する。しかし相違は、取付け装置10の組み立ての仕方である。ここでは、取付け装置10を組み立て時にすでに事前組み立てしておく。つまり、枠エレメント14の両方の取付けエレメント12a, 12bには、両方の間に穴開きディスクを嵌め込んだ後、フランジ領域11に点溶接箇所18により相互に溶接される。その後取付け装置10は箇所18´において薄板の部材15と溶接される。
【0057】
図4は二つの取付けエレメント12a,12bより成る枠エレメント14を有する取付け装置10の断面側面図であり、この二つの取付けエレメント12a,12bはそれぞれ対向面において薄板の部材15に支持されクロスウェブ(transverse webs)19を介して相互に接合されている。クロスウェブ19は薄板の部材15とディスクエレメントとの間に設けられ、その際クロスウェブはディスクエレメントとして形成された基材16から離間されて設けられ、その結果自由空間17が発生し、ディスクエレメントの移動の自由が保証される。ここに示した実施形態においては、枠エレメント14は薄板の部材15に固定的に取り付けられている。を図1と同様に、組み立ては取付けエレメント12a,12b熱遮蔽板15に順番に組み立てることにより行われる。
【0058】
図5は図1による本発明の取付け装置に類似した、本発明の取付け装置の一部断面側面図である。しかしここでは、基材16と枠エレメント14は別個の構成要素ではなく、統合されて形成される。取付け装置10は全体に穴開きディスクとして形成される。枠エレメント14は上部取付けエレメント12a、下部取付けエレメント12bから成り、それらはその内側の開口部20に向けて存在するエッジで相互に爪係止される。図5は組み立てを行うために個々の構成要素をすでに熱遮蔽板15に設けた後の爪係止していない状態の枠エレメント14を示す。下部取付けエレメント12bの内側境界領域が約180 度 の角度のもとで曲げ戻されているのが分る。その後の経過において、下部取付けエレメント12bの内側の境界領域の前方部分は約100 度 〜 125 度 の角度のもとに再び曲げもどされる。上部取付けエレメント12aの内部は約50 度 〜 80 度 の角度のもとに内側へ曲げられる。その際、両方の取付けエレメント12a,12bの曲げられた部分の寸法はともに一致する。爪係止は取付けエレメント12a,12bを互いに押下押圧することにより行われる。
【0059】
図6は図5に示した枠エレメントを爪係止した状態で示す。両方の取付けエレメント12a,12bの爪係止は摩擦的に固定するように形成され、その寸法は内側の爪係止部分の厚さが、基材16に組み込まれた枠エレメント14が移動平面で可動であるように薄板の部材15の厚さよりわずかに大きいようにとられている。
【0060】
図7は組み込まれた枠エレメント14つきの穴開きディスクとして形成された基材16の平面図である。その際穴開きディスクとして形成された基材16は通路20を有し、それにより管状対象物がガイドされる。
【0061】
図8は収容部に留め金装置が形成されたディスクエレメントとして形成された基材16を有する取付け装置10の断面側面図である。それ以外は図1の構造に似た構造を有する。しかしここでは、ディスクエレメントは管状対象物(例えばラムダプローブ)の収容のための貫通孔を有せず、留め金装置21が固定された閉鎖円環リングディスクとして形成されている。その際留め金装置21は管状対象物が例えばねじ、ボルトなどの他の付加的固定エレメントなしで締め付けによりディスクエレメントと接合できるように形成される。上部取付けエレメント12aはディスクエレメントの中央位置において留め金装置21と上部取付けエレメント12aの間に凹状部22が存在するよう形成され、凹状部22の長さは自由空間17の長さより大きいか、それと同等である。これにより、移動平面におけるディスクエレメントの移動の自由が保証される。
【0062】
図9は収容部に組み込み緩衝材24つき軸受ブシュ23が形成された、ディスクエレメントとして形成された基材16を有する取付け装置10の断面側面図である。軸受ブシュ23はここに示された例ではディスクエレメントに組み込まれたパイプ接合部分として形成され、そのディスクエレメントの反対側は開いている。管状対象物はディスクエレメントに固定するためにパイプ接合部分23に導入され、その端面が緩衝材24に支持される。緩衝材24は管状対象物または取付け装置10の鉛直方向の動きにクッションをつけ、それにより管状対象物のダメージを防ぐ。
【0063】
図10はディスクエレメントとして基材16を有する取付け装置10の一部断面側面図であり、この基材16の表面にはビード25が形成され、ビード25は管状対象物のシールをより良好にするためのものである。それ以外の構造はほぼ図1の構造に相当する。ビード25は枠エレメント14から離間されて構成され、その際、この離間距離は自由空間17の長さより大きいか、またはそれと同じある。この実施形態が例えば内燃機関装置の排気ガスシステムの部分に設けられるとき、ビード25は基材16の排気ガスシステムのマニフォールドの方を向いた面に形成されると好適である。
【0064】
図11は、組み込まれた枠エレメント14つき穴開きディスクとして形成された基材16を有する取付け装置10の断面側面図である。ディスクエレメントの通路により、管状対象物27がガイドされ、それはここで示された実施形態においてはラムダプローブである。その他の点では、取付け装置10はほぼ、一部を図6に示した取付け装置に相当する。ラムダプローブは通路領域において通路とほぼ適合して形成される。通路領域の直に上か下にラムダプローブはフランジ28を有し、それらはそれぞれディスクエレメントに支持され、それにより取付け装置10を囲む。それにより管状対象物27のシール(封止)がさらに改良される。密閉性を更に高めるためには、フランジ28部のディスクエレメントの表面にビード(図10に示すように)をつけて形成することができる。
【0065】
図12は図3に類似した取付け装置10を示し、下部取付けエレメント12bが外部フランジ部領域として上部取付けエレメント12aの上に重ねられ、上部取付けエレメント12aを囲んでいる。折り重ねられることによって、両方の取付けエレメント12a,12bは固定的に相互に接合され、したがって図3とは異なってもはや相互に溶接される必要はない。溶接箇所18´は取付け装置10と薄板の部材15との溶接を示すにすぎない。
【0066】
図13は図6の取付け装置に類似した取付け装置10の一部断面側面図である。しかしここでは、取付けエレメント12a,12bの開口20の方を向いた内側エッジは自らの回りに折り重ねられ、折り重ねられた領域がしてむらなく互いに支持され、点溶接箇所18により互いに溶接される。
【0067】
図14は薄板の部材15の開口部に設けられた取付け装置10の断面側面図である。ここで示された例においては、薄板の部材15は熱遮蔽板である。取付け装置10は基材16から成り、これがまた第一の部分29とカップ状に形成された第二の部分30から成る。第一の部分29は第一の部分29に組み込まれて形成された枠エレメント14により薄板の部材15に変位自在に設けられている。枠エレメント14は上部取付けエレメント12aと下部取付けエレメント12bから成り、その外側境界領域はそれぞれ薄板の部材15の片側に支持され、取付け装置10の中心線31の方を向いたその内部で互いに溶接により接合される。両方の取付けエレメント12a,12bはその内部領域において下へ向けて曲げられ、その際下部取付けエレメント12bは相対的にずっと下の方へ突出し、それにより管状部分291を形成する。管状部分291の下部端部292は管状部分291に対し、わずかにテーパ状に形成されている。
【0068】
管状部分291はほぼ円筒形である。それ相応に枠エレメント14の取付けエレメント12a,12bは円環リング形に形成されている。取付けエレメント12a,12bの相互に溶接接合された部分は、薄板の部材15に離間されて設けられているから、上部取付けエレメント12a、下部取付けエレメント12bおよび薄板の部材15から境界づけられ自由空間17が環状間隙として発生する。自由空間17の周回的構造により基材16がその第一の部分29を介して移動平面E1に可動であることが保証される。図14に示した実施形態において移動平面E1は薄板の部材15の開口の平面と同一である。
【0069】
基材16のカップ状に形成された第二の部分30は管状部分291に適合されて同様に円筒状に形成されている。管状部分301は管状部分291により少なくとも部分的に取り囲まれる。カップ状に形成された第二の部分30の上部境界領域302はわずか外側に向けて突出し、内部で管状部分291に支持される。更に、カップ状に形成された部分30はその側面領域において、内部へ突出されたテーパ状の領域292に連接してガイドされる。テーパ292と拡幅302は互いにほぼ点対称に形成され、第二の部分30を管状部分291から抜き出すとき拡幅302がテーパ292にぶつかるように互いに一致する。それにより管状部分291のテーパ292はストッパの機能もガイドの機能も満たす。管状部分291の上部端部のストッパとして上部取付けエレメント12aの曲げられた内側境界領域が役割を果たす。
【0070】
カップ状の第二の部分30を管状部分291および/またはテーパ292にガイドすることにより、カップ状部分30の中心軸31に沿った直線運動、および/または中心軸31の回りの回転が可能である。つまり、移動平面E1に直交する方向にのみ可能である。それに対して、第一の部分29内のカップ状第二の部分30が他の軸の回りを回転してずれたり、エッジングしたりすることが回避される。
【0071】
更に基材16のカップ状第二の部分30が管状対象物(ここでは図示されず)の収容のためのおよそ中心に設けられた通路20を底部に有する。通路20はほぼ円形に形成されている。カップ状の第二の部分30の通路境界領域303にはビード25が形成されている。このビードにより、通路境界領域303はカップ状第二の部分30の底部に対しわずかに隆起して形成されている。この隆起303はカップ状第二の部分30を通路20によりガイドすべき管状対象物、具体的にはラムダプローブに幾何学的に適合するために形成され、それによりカップ状第二の部分30がラムダプローブに最適に密着することを保証する。ビード25は管状対象物(ここでは図示されず)がカップ状第二の部分30に密接する密閉性を改良する。ビード25は図14に示された例では半ビードとして形成されている。
【0072】
図15は取付け装置10の更なる実施形態の断面側面図である。図14の取付け装置とは対照的に取付けエレメント12a,12bがその中心軸31の方を向いた部分において直接的に直角に下へ向かって曲がってそれてはいなく、斜め下方へ向かってかつ中心軸31の方へ延びる移行領域13を有する。移行領域13では取付けエレメント12a,12bが互いに溶接されている。上部取付けエレメント12aは移行領域13から斜め内へ向かい延びるように突出し、それにより第二の部分30の突出した境界領域分302のための上部ストッパとしての役割を果たす。カップ状第二の部分30の通路境界領域303はその下面に幾重ものビードとして形成されたビード25を有する。この幾重ものビードは管状対象物(ここでは図示されず)がカップ状の第二の部分30に密着するその密閉性を更に向上するためのものである。
【0073】
図16は取付け装置の一部断面側面図である。取付け装置10はほぼ図14の取付け装置に相当する。図示されたのは、図14の中心線31の右の部分だけである。両方の取付けエレメント12a,12bはそれらが互いにむらなく支持される領域において点溶接箇所18により互いに溶接される。
【0074】
図17は図14の取付け装置に類似した取付け装置10の詳細を示す。ここでは、図14の中心線31の左側の領域を図示する。図14の取付け装置と対照的に図17で示された取付け装置10においては、管状部分291が上部取付けエレメント12aの曲げられた部分から形成される。下部取付けエレメント12bは、ロックワッシャ33から成る。ロックワッシャ33は環ディスクとして形成され、環ディスクはその内側の境界領域に斜め下に延びるばね突起35を有する。ロックワッシャ33は下から管状部分291を介して上部取付けエレメント12aに支持されるまで押して動かされる。管状部分291の上に装着することにより、ばね突起35の上にひずみがもたらされる。それにより、ロックワッシャ33は管状部分291に引っかかって動かなくなり、ロックワッシャ33が管状部分291から滑り落ちることが回避される。管状部分291の上部ストッパは同様に別個のロックワッシャ34として形成される。ロックワッシャ34の機能方法はロックワッシャ33のそれに類似する。ロックワッシャ34もまた、上部取付けエレメント12aに対し引っかかって動かなくなるからロックワッシャ34は確固とした取り付け位置に収まる。
【0075】
図18は高耐熱性のばね鋼から成るのが好適なロックワッシャ33の平面図である。ロックワッシャ33の内側エッジに規則的な間隔で周回するように設けられた凹状部36が存在することがわかる。凹状部36は打ち抜き加工により作られる。凹状部36が存在するために二つの凹状部36間の部分が湾曲してよく、それによりばね突起35が生成される。図18に示された凹状部36は、ロックワッシャ33の中心点から見た場合、それぞれ互いに約45 度の角度で設けられている。
【0076】
図19は取付け装置10の詳細な断面側面図である。以上に示した実施形態と対照的に、枠エレメント14は基材16の第一の部分29に組み入れられず、別個の部材として形成されている。第一の部分29は別個の管状部分291により形成され、その上部境界領域が枠エレメントの内部と爪係止されている。図19は組み立てをおこなうために、各構成要素がすでに熱遮蔽板15に設けられた後の取付け装置を爪係止されていない状態で示す。取付けエレメント12bの内側境界領域が約120 度 〜 135 度 の角度のもとで曲げもどされていることがわかる。管状部分291の上部境界領域は外へ曲げられてあるから、下部取付けエレメント12bの曲げ戻された境界領域にむらなく支持される。その後の経過においては、下部取付けエレメント12bの曲げ戻された境界領域から突出する管状部分291の上部エッジの端部は再び約180 度 の角度のもとに曲げもどされる。この曲げられた端部と下部取付けエレメント12bの曲げられた境界領域はこの際その寸法が互いに一致するようになっている。爪係止は取付けエレメント12bを管状部分291の上部境界領域に押下押圧することにより行われる。図19に示した取付け装置10は基材16のカップ状第二の部分30のための上部ストッパを有さない。ストッパは別個の部材として形成でき(例えば図17に示したロックワッシャとして)、後から取付け装置10に嵌め込むことができる。
【0077】
図20は図19の取付け装置に類似した取付け装置10の一部断面側面図である。両取付けエレメント12a,12bはその内側境界領域において直線状に延び、開口平面から突出して曲げられない。それらは、互いに同一平面上で終結する。管状部分291の上部境界領域は回りにフランジをつけることにより枠エレメント14の内側境界領域と結びつく。このためには管状部分291の上部境界領域がまず約90度の角度のもとに外側へ曲げられ、それから再び180 度 の角度のもとに曲げもどされる。その後の経過においては管状部分291の上端部294は再び約90 度上部へ曲げられるので、管状部分291の内側は同一平面上の側部の面(flush lateral surface)を結果として生じる。曲げることにより約90 度 の角度のもとに外部へ突出する二層のフランジ37が生成される。フランジ37は周回的に形成される。基材16は枠エレメント14に対してフランジ37が取付けエレメント12bの内側境界領域の下面と同一平面上で支持されるように設けられる。基材16の枠エレメント14との接合は、上部取付けエレメント12aの内側境界領域上にと管状部分291の上端294の回りにフランジをつけることにより行われる。上端294の回りにフランジをつける際、第二の部分30のためのストッパとしての役目を果たす、中心線の方向への径方向突起を形成することができる。
【0078】
図21は図20の取付け装置に類似した取付け装置10の一部断面側面図である。図20の取付け装置と対照的に図21に示された取付け装置10は上部取付けエレメント12aのみを有し、枠エレメント内の下部取付けエレメント12bを有さない。下部取付けエレメントは管状部分291からずっと外側へ突出するフランジ37により交換され、フランジ37は図20のフランジに従って作成される。フランジ37と上部取付けエレメント12aの寸法は互いに一致するようにしてある。ここでも、相互の固定は管状部分291の上端294を上部取付けエレメント12aの内部エッジの回りにフランジをつけることにより行うことができる。これに加えて、あるいはこれと二者択一的に、取付けエレメント12aとフランジ37を相互に溶接することが可能である。図20に類似して図21に示された例でも、上端294はストッパとして形成可能である。
【0079】
図22は取付け装置10の更なる実施形態の断面側面図である。取付け装置10はほぼ、図14の取付け装置に相応する。前記図14から図21に対し、カップ状の第二の部分30はより平坦に形成されている。つまり、第二の部分30の管状部分301の長さおよび第一の部分29の管状部分291の長さは、上記した図面の実施形態に比べ、短めに形成されてある。原則的には、比較的長く形成された管状部分291,301においては部分29,30の移動の間、偏心した力の係合点(engagement point)がある場合は、状況によっては管状部分291,301がわずかに傾いたりおよび/またはフッキングしたりする危険性がある。かようなエッジングが発生する確率はこの実施形態においては削減される。したがって、カップ状第二の部分20の高さを中心線31の方向への管状対象物への所期の最大変位にほぼ相当し、それをわずかにしか超えないように適合すると一般的に有意義である。
【0080】
図23は他の取付け装置10の一部断面側面図である。この実施形態では、枠エレメント14は可動でなく、溶接により薄板の部材15に確固と備えられる。取付けエレメント12a,12bはその内側境界領域において約90 度下へ、更にその端部において再び90 度 内側へ、取付け装置10の中心軸の方向へ曲げられている。端部において取付けエレメント12a,12bは互いから離間して設けられているから、自由空間17が結果として生じる。自由空間17には、第一の部分29の管状部分291の曲げられた端部が係合する。管状部分291の端部は自由空間17に可動に設けられている。それにより、ここに図示された取付け装置の移動平面E1は、薄板の部材15内の開口の開口平面に平行かつ下降された一平面上に存在する。
【0081】
図24と図25は本発明による取付け装置10の構造を示し、ここでは、上記の実施形態に対して、第一の部分、第二の部分および枠エレメントの相互に相対的な構造が変化されている。図14から図17および図19から図23において、移動平面E1に横方向に可動な第一の部分29が枠エレメント14を介して薄板の部材15に固定され、第二の部分30が中心線の方向へ変位自在に第一の部分29内に保持され、管状対象物(ラムダプローブなど)の収容に規定づけられているのに対し、図24と図25では第一の部分29が管状対象物を収容する。したがって第二の部分30は枠エレメント14を介して薄板の部材15に固定され、自らは第一の部分29を保持する。第二の部分30を平面E1に横方向に変位できることは、原則的には、すでに説明した実施例に類似して達成される。しかしここでは、第一の部分29の管状部分291の代わりに、枠エレメント14の管状部分141が、第二の部分30の管状部分301のガイドとしての役割を果たす。ストッパ(limit stop)142,302により両方の管状部分が互いから滑り落ちることが防がれる。
【0082】
第一の部分29の収容のためには図24の実施形態においては、第二の部分30の下端部にフォーク形状の部分32が形成される。そのために、管状部分301の最端境界領域はほぼ直角に面取りされる。更に、管状部分301の外部下エッジにコーナー片321が点溶接箇所18により固定される。フォーク32の両端部間には第一の部分29が可動に嵌め込まれている。第一の部分29はディスク状に形成され、管状対象物(ラムダプローブなど)の収容用の中心開口20を有する。図24は上記の部分断面図全てと同様に、全体切断面の半分を示すにすぎない。他方半面は中心線31に対し、鏡像的に設けられる。フォーク形状の部分32は第一の部分29のディスクエッジの外周面に環状に係合する。その際、第一の部分と第二の部分の対向する突合せエッジの間に管状間隙17が残り、これは、平面E1における第一の部分29のクリアランスを可能にする。コーナー片321の上端はストッパの役目を果たし、第二の部分30の上部への移動を制約する。
【0083】
図25は第二の部分30における第一の部分29の取付けの他の様式を示す。ここでは、取付け装置の下部領域のみを示す。上部の、薄板の部材に近接した領域は図24と同様に形成できる。ここでは、図24と異なってフォーク形状の領域(293)は第一の部分に設けられる。このためには、このフォーク形状の領域は二つの互いに重ねられて設けられたプレートから成り、これらプレートの端部は対向する方向に突出し、それにより互いにほぼ平行に延びる端部を有するフォーク293を形成する。それにより発生する環状間隙17には、管状部分301の直角に湾曲した端部が係合する。
【0084】
原則的には、一方では図24または図25の実施形態の一つと、他方で図14から図17および図19から図23の一つの実施形態の一つを組み合わせることも可能である。その際、図14から図17および図19から図23の実施形態の一つにより形成される取付け装置の基材は、第三の部分を有することができ、これは基材の第二の部分30の通路領域に設けられ、図24または図25の実施形態の第一の部分29に類似して形成される。第二の部分に代わって、基材の第三の部分が管状対象物を収容する。第三の部分は、平面E1の平行線に沿い、更にそれにより、基材の第一の部分にも平行に可動である。したがって、平面E1の方向への基材の移動は第一の部分、第三の部分の変位、あるいはこれら変位の組み合わせにより達成され得る
図26は熱遮蔽板15に設けられた取付け装置10の断面側面図である。図26は本発明による取付け装置内の管状対象物の基本的な構成を明示し、原則的には図14から図25の上記の全構成に当てはまる。ここでは、全構成は図14の取付け装置にほぼ相当する取付け装置を例に記載される。基材16のカップ状の第二の部分30の通路により、管状対象物27がガイドされ、これは、ここに示された実施形態においてはラムダプローブである。通路はその大きさと形状において、ラムダプローブ27に適合して形成されているから、ラムダプローブ27は基材16のカップ状第二の部分の通路領域に確固かつ密に閉じ込められ設けられている。かような構造は例えば、一部を図27に示すように、熱遮蔽板で採用することができる。本発明による取付け装置10の位置は、部分図の左側下部領域の開口にある。ここではラムダプローブは図示されない。符号26はねじの固定孔を示し、それにより熱遮蔽板が内燃機関装置に、例えば排気マニフォールド部に、固定される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】穴開きディスクつき組み込み取付け装置を有する熱遮蔽板の部分領域の斜視図。
【図2】薄板の部材上にあるフランジつき取付け装置の一部断面側面図。
【図3】溶接状態の、薄板の部材上にあるフランジつき取付け装置の一部断面側面図。
【図4】クロスウェブにより接合された上部枠エレメントと下部枠エレメントつき取付け装置の断面側面図。
【図5】枠エレメントの二つの、爪係止により相互接続される取付けエレメントの爪係止されていない状態の断面側面図。
【図6】図5による取付け装置の爪係止された状態。
【図7】熱遮蔽板に取り付けられた穴開きディスクつき取付け装置の平面図。
【図8】ディスクエレメントの収容領域内留め金装置つき取付け装置の断面側面図。
【図9】ディスクエレメントの収容領域にある軸受ブシュと緩衝材つき取付け装置の断面側面図。
【図10】ディスクエレメントにあるビードつき取付け装置の一部断面側面図。
【図11】穴開きディスクおよび穴開きディスクによりガイドされるラムダプローブつき取付け装置の断面側面図。
【図12】エッジを折り曲げたフランジつきの図3の取付け装置。
【図13】枠エレメントの内側のエッジにおいてそれ自体の回りにフランジをつけ互いに溶接された二つの取付けエレメントの断面側面図。
【図14】熱遮蔽板の開口部に設けられビードを有する取付け装置の断面側面図。
【図15】幾重ものビードつき他の取付け装置の断面側面図。
【図16】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図17】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図18】ロックワッシャの平面図。
【図19】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図20】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図21】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図22】短縮された第二の部分を有する他の取付け装置の断面側面図。
【図23】開口平面から突出取付けされた移動平面を有する取付け装置の断面側面図。
【図24】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図25】図24の取付け装置の他の取付け可能性を示す断面側面図。
【図26】取付け装置によってガイドされたラムダプローブつき取付け装置の断面側面図。
【図27】本発明による取付け装置つき熱遮蔽板の部分平面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関装置内で使用するための管状対象物のための取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、取付け装置とは、それにより内燃機関装置領域に管状対象物を空間的に案内できる各種取付けまたは各種ガイドを意味するものとする。管状対象物は専ら取付け装置によって、あるいは、それに適した他の手段と組み合わせして内燃機関装置内で保持され得る。
【0003】
内燃機関装置内では、しばしば、エンジンおよびエンジン装置における構造が次第にコンパクトになりつつあるために、管状対象物は内燃機関装置内に開口部を通じて内燃機関装置の他の構成部品にガイドされるか、自由端(free end)により内燃機関装置の他の部材に支持され(rest :隣接し)、そこに取付けられなくてはならないように設けられる。以下、内燃機関装置とは、少なくとも、内燃機関とそれに属する排気システム、とりわけ、排気マニフォールド、触媒、そして場合によってはターボチャージャーをも包括的に意味する。
【0004】
例えば自動車では、できるだけ汚染物質の少ない排気を達成するために、排気導管内の酸素含有量を酸素測定プローブ(O2センサー)、いわゆるラムダプローブ、により測定することが知られている。この目的のためにラムダプローブは内燃機関装置の排気導管内に設けられ、その際、センサーを含むプローブの領域のみが排気導管内に設けられ、他方、例えば接続ソケットが収容されているプローブの残り部分は排気導管外部に設けられる。ラムダプローブはそれ自身が管状対象物であってもよいし、あるいは、管状対象物内に含まれていてもよい。管状対象物のその他の実施形態は、例えば、留め金装置つき管状対象物および少なくとも部分的にねじ山を有することができる管状接合エレメントおよび管状固定エレメントを包含する。管状対象物は原則的にいかなる任意の横断面を有することもでき、従って横断面は必ずしも円形である必要はない。
【0005】
他の物体に取り囲まれている、内燃機関装置内において薄板の部材が使用され、その薄板形状(laminar design)および内燃機関装置のコンパクトな構造のために、内燃機関装置の管状対象物について障害をしばしば呈するので、後者(管状対象物)は薄板の部材により貫通ガイドされなくてはならない。従って例えば自動車の組み立てにおいて、熱源、とりわけ、排気を出す部材から感温部材およびアセンブリーを遮蔽するためには一般的に薄板の熱遮蔽板を熱源と感温部材の間に設ける。排気ガスシステムの部位においては、ラムダプローブが熱遮蔽板から突出するように熱遮蔽板が設けられ、それゆえ、ラムダプローブが貫通ガイドできるような開口部が熱遮蔽板に形成されるように設けられる。この開口部はラムダプローブの直径より大きな直径を有する必要があり、つまり、一方において、内燃機関装置の振動により引き起こされる部材の動きのため、加えて温度に依存する部材の膨張のために、部材にひずみや最終的なダメージを生じることにならないように十分な公差(tolerance:耐性、許容範囲)を有する必要がある。更に、こうして直径をより大きくすることにより、内燃機関装置に管状対象物の組み立ておよび/または分解がより簡単になる。この例としては、レンチを使って、ラムダプローブを排気マニフォールドに対して組み立てるおよび/または分解することが挙げられる。
【0006】
開口部の直径が、開口部により貫通ガイドされる対象物に比べ大きいことにより、この部分において漏れが発生する。とりわけ、熱遮蔽板による開口部において、熱遮蔽板の両面の周辺空気の温度差が大きいことにより暖炉効果(chimny effect)が起こり得、それにより、熱い空気が感温部材の部分に流れ込み、これら部材のダメージが発生しかねない(例えばケーブル絶縁の融解、プラスチック部材の変形等)。この問題を克服するために、他の部材の開口を通過して突出する管状対象物の部分がこの開口部シールする断熱ストッキング(insulating stocking)を有する構造が知られている。かような断熱ストッキングの永続的な固定が非常に煩雑であり、それにより、かような構成の製造プロセスの複雑さが明らかに増すという不都合がある。
【0007】
薄板の部材に支えられ、および/またはそこに固定されている管状対象物においても、様々な部材の異なる熱膨張率のため、および内燃機関装置の振動のために、ひずみや部材の最終的なダメージにつながりかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の課題は、管状対象物の組み立てに必須であり、一方で薄板の部材内の開口部に最適な公差補償を達成し、この開口部の確実で永続的なカバーを達成する管状対象物用の取付け装置を提供することである。加えて、取付け装置は、ひずみを削減し、部材のダメージを回避するために管状対象物の移動に十分な公差をもたらすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明により、請求項1に記載の取付け装置により解決される。取付け装置は少なくとも一つの基材を有し、この基材は管状対象物の収容用の収容部分を有し、基材は、内燃機関装置の薄板の部材の開口部に設けられ、更に基材の少なくとも一部分はほぼ開口部の平面に平行に向けられた移動面で可動である。更に取付け装置は、枠エレメントを有し、この枠エレメントは基材を保持し、薄板の部材の開口境界領域に取付けされる。更に取付け装置は管状対象物の収容後、薄板の部材の開口部をカバーするように形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好適な実施態様は従属請求項に記載される。
【0011】
枠エレメントと基材を構成することにより、薄板の部材の開口部はカバーされ、それにより取付け装置はこの開口部用シールとして作用する。これにより、漏れが回避される。更に取付け装置は、基材の少なくとも一部分が開口部に薄板の部材の開口の平面に平行に設けられた平面で可動であることにより、基材が収容する管状対象物の移動に十分な公差をもたらすために、対象物あるいは取付け装置におけるひずみが回避される。基材の少なくとも一部分が可動である平面は以下移動平面と呼ばれる。更に本発明の枠内で、「薄板の部材内の開口面に平行に設けられた平面」という表現は、開口部平面に平行な平面も開口平面自体も含む。
【0012】
基材は原則的に特定形状に規定されていない。基材は一体構成であってもよいし、複数の個々のエレメント、とりわけ多層構造であってもよい。基材は原則的に移動平面内の一つの移動に限定されず、移動平面に関した傾斜運動を含む全三次元運動をできるように構成することができる。枠エレメントは、薄板の部材に一面でも両面でも取付けできる。
【0013】
本発明の取付け装置は、内燃機関装置部分の熱遮蔽板の開口に設けると好適である。これらの熱遮蔽板はしばしば排気システム部にあり、また取付け装置に収容および/または、貫通する管状対象物はセンサー、とりわけ、ラムダプローブであるとよい。ここで、一方で暖炉効果が回避され熱遮蔽板の熱源と反対側の感温部材が損傷を受けず、加えて取付け装置を貫通してガイドされるセンサー自体も保護される利点がある。
【0014】
好適な実施例では、基材は、金属あるいは金属合金、とりわけ、銅または鋼から製造される。これらの材料は良好な形状特性と耐熱性の両方によりとりわけ適している。更に、耐熱性の繊維補強された材料も基材の形成に使用できる。これらの材料を組み合わせることも可能である。本発明の取付け装置の枠エレメントは、基材用に挙げられた材料で構成することも好適である。
【0015】
本発明の更なる好適な実施態様では、枠エレメントのエッジがフランジとして形成される。その際フランジは、取付け装置のフランジが薄板の部材の開口の境界領域(エッジ部)に支持されるように構成される。本発明の変形例において、枠エレメントのフランジは、薄板の部材の開口の境界領域に設けられ、接合は溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジづけにより行われると好適である。それにより、取付け装置が場所固定され、基材だけが管状対象物とともに薄板の部分に相対的に動けることが保証される。フランジは、枠エレメントの複数の層から形成され、例えば端面において同一平面上で終結する二層から形成されると好都合である。
【0016】
枠エレメントは基材を保持するように形成される。ここで枠エレメントは、基材の境界領域の少なくとも一部分を囲む(enclose:係合する)と好適である。この際、この取り囲みが基材の移動の自由が阻害されないように行われることに留意すべきである。この取り囲みの長さは枠エレメント内の基材の確実な取付けが行われるように基材の囲まれる部分の最大クリアランス(play:遊び)より大きくなくてはならない。更に枠エレメントを二層に構成すると好適である。この際、フランジを形成するために層を境界領域に一つにまとめる。すると、枠エレメントの中心へ向かって両方の層は広がり、その結果、その間に基材の一部分を取付けすることができ、その係合が行われる。
【0017】
更なる実施形態において枠エレメントはそれぞれ上部取付けエレメント、下部取付けエレメントを有し、これらはその境界領域で薄板の部材に支持され、それらの間には基材の少なくとも一部分が設けられている。上部取付けエレメントも下部取付けエレメントも少なくとも開口境界領域において平面に構成されると好適である。その結果それらは薄板の部材と同一平面上に支持される。ここで薄板の部材は局部的に平らにすることもできる。
【0018】
更に上部取付けエレメントと下部取付けエレメントをクロスウェブにより互いに接合すると好適である。その結果枠エレメントの剛性が改良され上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントは相互に向き合って変位したり回転ずれしたりできない。更に両取付け装置の内側に溝(grooves)を設けることもでき、これらの溝はそれぞれウェブの自由端を収容し、それにより、取付け装置の長期安定性の向上がもたらされる。ウェブの高さはほぼ、薄板の部材の厚さに適合され、その結果薄板の部材に大きな突出部は発生しない。この構成においては、第一に、原則的に基材全体、あるいは基材の少なくとも一部分が枠エレメントに相対的に可動である。枠エレメントは薄板の部材に相対的に可動であってよい。しかしながら、上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントが薄板の部材に溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジづけにより備えられていると好適である。それにより、取付け装置の安定性がさらに向上する。
【0019】
本発明の取付け装置の組み立ては、個々の構成要素または薄板の部材に事前組み立てされた構成要素を組み合わせることにより行うと好都合である。例えば、まず枠エレメントの下部取付けエレメントを薄板の部材に固定し基材または基材の少なくとも一部分を載せ、次いで上部取付けエレメントを薄板の部材の対向するエッジ部に固定する。
【0020】
更なる実施形態において枠エレメントは基材の一部として形成される。ここで枠エレメントは、上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントから成ると好都合である。上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントは平面形成され、それぞれ幅広に広がった部材の開口の、境界領域の対向面にその外のエッジが同一平面上に支持されるように設けられる。この構造においては、両方の取付けエレメントがほぼ面を覆うように互いに整列されている点に留意すべきである。両方の取付けエレメントはその内のエッジにおいて互いに接合され、その際、接合部は薄板の部材から離間して形成されるから、枠エレメントないし基材の移動の自由は保証されている。
【0021】
内側のエッジは例えば適当な厚さのリングないしディスクを嵌め込み固定することにより異なった方法で相互に接続できる。とりわけ取付けエレメントの内側のエッジ間の接合を多層爪係止により行うと好適である。それにより、枠エレメントに内部ビード(bead)が生じ、この内部ビードが層数を選択することにより薄板の部材の肉厚に適合でき、それによりまた同一平面上の終結がなされる。とりわけ、少なくともひとつの取付けエレメントの境界領域が曲げ戻され、この曲げ戻された境界領域の一部分を再び前へ曲げると好適である。他方の取付けエレメントの内部領域を一度曲げ戻すと、曲げられた領域が互いに噛みあってはまり、爪係止が出来上がる。同時にこの特殊構成により、取付けエレメントの一致構成が保証される。爪係止は取付けエレメントの一つを薄板の部材の一方の側に、そして他方の取付けエレメントを薄板の部材の対向面に設けた後、薄板の部材に行うと好都合である。あるいは、取付けエレメントの自らの周りにのみフランジをつけて、互いには爪係止をしていない内側のエッジを溶接あるいはリベットにより互いに接合することもできる。周りのフランジつけは一回ないし繰り返し行うことができ、それにより各取付けエレメントがC形ないしS形に形成される。C形取付けエレメントをS形取付けエレメントと組み合わせることも可能である。
【0022】
本発明の更なる好適な実施態様では管状対象物用の基材の収容部分は基材内部の通路として形成される。この際、通路の大きさと形状はほぼ管状対象物に適合されると好適である。それにより、基材は管状対象物に支持される。この実施形態は管状対象物が薄板の部材を突出し、これを貫通してガイドされなくてはならないとき、とりわけ有利である。
【0023】
更に、基材の通路を管状対象物が貫通してガイドされる空洞で両端面が開いたパイプ接合部分として形成されると有利である。この実施形態により、取付け装置内の管状対象物の取付け安定性は一層向上する。あるいは、ないし、加えて、通路領域にねじ山を備えると好適である。この際、このねじ山には、管状対象物が適合する逆ねじ山でねじ留めできるようにする。ねじ山接合によりシステムの全こわさもディスクエレメントと管状対象物の間の密閉性もともに一層向上する。この際、ねじ山接続は、薄板の部材を他の部材に固定し、同時に取付け装置を介してこの固定のための十分な公差を生むためにも使用され得る。
【0024】
本発明の更なる実施態様では、基材は貫通孔を有せず、基材の収容部分が固定エレメントを有し、それにより管状対象物が基材に備えられる。固定エレメントをねじとして形成すると好適である。この実施形態はとりわけ管状対象物が薄板の部材に支持されて設けられているとき有利である。
【0025】
基材の収容部分の固定エレメントは留め金装置として形成してもよい。それにより管状対象物は締め付けにより基材に固定できる。これはとりわけ、管状対象物をしばしば交換したり取り外したりすることが予期されているときに有利である。
【0026】
更なる好適な実施形態では、基材の収容部分は軸受ブシュとして形成される。ここでは、管状対象物の軸受ブシュの取付けが非常に安定している点が有利である。接合こわさを更に向上させるためには管状対象物を収容部分の軸受ブシュと固定的に接合することができる。
【0027】
内燃機関装置の振動により引き起こされ得る管状対象物ないし薄板の部材の鉛直方向移動を管状対象物のダメージを起こすことなく補償するべく軸受ブシュ内部に少なくとも一つの緩衝材を設けると便利である。緩衝材をワイヤクッションとして形成すると好適である。これは、簡単かつ費用的に有利に製造できるからである。しかし、適当なエラストマ材料であってもよい。
【0028】
更なる好適な実施形態では薄板の部材の開口の境界領域を少なくとも片側に薄板の部材内の凹状部(recess)として形成する。この際凹状部の深さは薄板の部材の相当する側に支持される枠エレメントの取付けエレメントの肉厚にほぼ相当するように形成すると便利である。これにより、取付け装置が突出せず薄板の部材の表面が平面であるという利点がある。例えば薄板の部材が熱遮蔽板である場合、熱遮蔽板の肉厚は典型的には1.1 mm 〜 1.6 mmである。更にこの場合、熱遮蔽板に支持される枠エレメントの取付けエレメントの肉厚は約0.2 mm 〜 0.4 mmである。この場合、それに相当して開口の境界領域の熱遮蔽板は残りの部分より0.2 mm 〜 0.4 mm(あるいは凹状部が両面にある場合は0.4 mm 〜 0.8 mm)薄く形成されることになるであろう。金属層から成る熱遮蔽板の場合は、凹状部はこの領域を平らにすることにより形成されると好適である。
【0029】
本発明による取付け装置は任意に多数の管状対象物の取付けに使用できる。例えば、基材にそれぞれ一つの管状対象物の収容用の複数の収容部分を設けることができる。同様に枠エレメントをそれが複数の基材を収容できるように形成することもできる。それにより、密接して設けられた管状対象物の場合、必要な取付け装置の数を減らすことができる。取付け装置は管状対象物を一面のみ、または両面より収容すべく形成することができる。更に取付け装置は異なる管状対象物を同時に収容すべく形成することができる。管状対象物を取付け装置により貫通ガイドすると、それらは同様のまたは異なったサイドから取付け装置に導入され得る。複数の基材を収容する取付け装置の組み立てをより簡単にするために二つの部材から構成すると有利である。その際、取付け装置の両部材は差込み結合(bayonet connection)により相互に接続可能に形成すると好適である。
【0030】
原則的には取付け装置の個々のパーツのクリアランスは制限されている。クリアランスは一方で薄板の部材の開口部の大きさ、管状対象物の直径などという形状規定値により制限される。他方、制約されていないクリアランスでは取付け装置の個々の構成要素の結合が保証されていないであろう。その際、いかなる移動方向においても基材の少なくとも一部分にそれぞれ少なくとも一つのストッパを設けると便利である。ストッパは基体の少なくとも一部分のクリアランスを制約し、これを取付け装置内に保持する。
【0031】
基材は上記のように原則的に特定形状に規定されない。基材は枠エレメントに対し、基材の、少なくとも移動平面上で可動な部分の移動が移動平面の方向に沿ってのみ可能であるように形成することができる。これはとりわけ収容すべき管状対象物が移動平面の一方向にのみの動きに曝されているときに有利であり得る。この場合、一方向に沿った移動の自由空間によるひずみが回避され、同時に移動平面の他の方向に沿った不必要なクリアランスを回避することによる安定した取付けが保証される。
【0032】
本発明の実施形態において基材は一体に構成される。それにより、取付け装置の構造の複雑さが減り、製造が簡易化する。組み立てないし分解も基材を一体に構成することにより簡単になる。なぜなら、複数の部材を基材に継ぎ合わせる作業工程が要らなくなるからである。基材は一体構成すると全体に移動平面上に可動である。一体構成された基材をディスクエレメントとして構成すると好適である。なぜならこの基本形状はとりわけ薄板の部材に使用するために良好に適しているからである。
【0033】
原則的にはディスクエレメントは特定形状に規定されていない。しかし、円、楕円、あるいは多角形に形成すると好適であり、その際、ディスクエレメントを保持する枠エレメントがその都度ディスクエレメントの選択された形状に適合されて形成される。多角形のディスクエレメントの使用の際は更にディスクエレメントの回転可能性が制限できると有利である。更にディスクエレメントは部分領域を介してのみ平坦に形成できる。つまり、ディスク平面においての可動性が必要なところにおいてのみ平面に形成できる。これは例えば外部境界領域である。ディスクエレメントはその他の領域においては高さ方向へ作ることができる。
【0034】
更なる実施形態においてディスクエレメントは多層に形成される。ディスクエレメントのそれぞれの形状と形態に依存し多層構造は製造工程および組み立てを簡易化し、ディスクエレメントが枠構造とより良く合致するように貢献できる。ディスクエレメントの部分領域のみを多層に構成することも可能である。
【0035】
取付け領域により薄板の部材内の開口のカバーをより良くするためには、ディスクエレメントの少なくとも一面が通路領域にビードを有すると便利である。それにより、管状対象物と取付け装置間の接合領域の密閉性が高まる。
【0036】
枠エレメントがディスクエレメントの境界領域を囲むように周囲に(expendiently)形成されると好都合である。ここでは上記のように、ディスクエレメントの移動の自由が阻害されないように係合が行われるように留意すべきである。この際、係合の長さは、枠エレメント内のディスクエレメントの確実な取付けが保証されるべくディスクエレメントの最大クリアランスより大きくあるべきである。
【0037】
本発明の更なる実施形態において基材はともに基材を形成する二つのそれぞれ別個の部分を有する。それにより、取付け装置の柔軟性およびその取り付け環境への適応が改良される。基材の第一の部分と第二の部分はそれぞれ一体構成であってもよいし、複数の個々のエレメント、とりわけ多層から形成されてもよい。取付け装置の取り付けの際、第一の部分と第二の部分はすでに事前組み立てされ、基材へと組み合わせることができる。ないし、この組み合わせは組み立て時にはじめて行ってもよい。基材の少なくとも第一の部分は、ほぼ移動平面上で可動に形成される。
【0038】
基材の第一の部分を移動平面から加えてとりわけ最大15 度の角度、好適には最大10 度、とりわけ好適には最大6度突出して可動に形成すると有利である。これにより、基材の第一の部分は移動方向にのみ作用するのでなくそれに対しやや斜めに作用する取付け装置上に作用する力に対しても、完全に屈することができる。こうして、第一の部分も平面から突出して可動であるから、移動平面に関し作用する横力成分の公差もまたもたらされることができ、それにより薄板の部材に発生するひずみは更に良好に減少され得る。基材の第一の部分を上記最大角のひとつにまでのみ平面から可動にすると好適である。なぜなら、そうでなければ取付け装置の構造が複雑になるからである。しかし原則的には、より大きな角度のずれも可能である。
【0039】
基材の二体構成においては、少なくとも第二の部分を移動平面に横に可動にすると好都合である。それにより、基材により収容されるべき管状対象物の移動公差が拡大される。基材はその移動の自由を管状対象物に伝達するように形成される。移動平面における移動に加えて管状対象物は移動平面に横にも移動でき、それにより部材の製造公差、移動により条件づけられる振動ないし温度に依存する膨張によるひずみがずっと削減され、同時に管状対象物の組み立てと分解が簡単になる。移動平面に横の移動は、移動平面自体にない全ての移動を含む。移動平面に横の移動は直線、平面、または空間的に行うことができる。横方向移動は、移動平面に対して45 度 〜 135 度、とりわけ好適には70 度 〜 110 度の角度で行うと好適である。
【0040】
上記のように、基材の第二の部分は基材の第一の部分の移動平面に横に可動である。移動平面が開口部内の薄板の部材に平行に形成されているから、したがって基材の第二の部分も薄板の部材に横に可動である。横方向移動は、第一の部分の移動面にほぼ垂直に行うと好適である。熱遮蔽板を貫通して突出する例えばラムダプローブはしばしば熱遮蔽板の開口の開口平面にほぼ垂直に設けられているから、基材の第二の部分が合致する構造であることがしばしば望ましい。
【0041】
原則的には基材の第一の部分は移動平面における移動に制限されず、基材の第二の部分は移動平面に横の移動に制限されていない。したがって基材の第一の部分も第二の部分も移動平面上を更に移動平面に横に可動であり得る。同時に発生する長手方向の移動、横の移動、および/または傾斜運動を補償するために複数軸の移動も行うことができる。その際複数軸の移動は両部分のひとつによってのみ、あるいは両部分の移動の組み合わせにより行うことができる。基材の個々の部分の十分なガイドを保証するために、第一の選択肢において基材の他の部分だけを平面に横に、そして、第二の選択肢において、基材の他の部分のみを移動平面で可動にすると好適であり、移動平面にも移動平面に横にも可動な基材の部分は、基材の他の部分に統合して形成する(合体させるように形成する)と好適である。その際基材のこの部分は移動平面、または移動平面に横断する方向へ基材の他の部分の移動により共に動かされ、他の種類の移動が独立に行われるように支持される。これは、組み込まれて形成された部分は、その移動方向に実質的に遊びなしの状態で他の部分で支持される。これにより、取付け装置の構成が簡単になりその密閉性が向上される。
【0042】
原則的には基材の第一の部分が管状対象物を収容するか、あるいは、基材の第二の部分が管状対象物を収容できる。つまり、それ相応に管状対象物は移動平面を横に動く部分(つまり第一の部分)により保持されるか、この平面に横方向移動を行う部分(つまり第二の部分)により保持される。その際基材のその一方の部分がとりわけ中心に設けられた開口を有すると好適である。その際開口周辺部は他の、基材の管状対象物を収容する部分が変位自在な拘束(displaced restraint;変位自在な挟圧)という方法で収容されるよう形成される。更に他の部分も同様にとりわけ中央に設けられた開口を有すると好都合である。この開口は管状対象物の収容のために形成されるものである。
【0043】
どの部分が管状対象物を保持するかにより、第一の部分、第二の部分および枠エレメントの相互の相対的な他の構造が選択されると好適である。管状対象物が第一の部分により保持されるときは、第一の部分が基材の第二の部分に取付けされ、第二の部分がまた枠エレメントを介して薄板の部材に取付けされると好都合である。移動平面での移動は第一の変形例においては基材の第一の部分がフォーク形状に形成された境界領域を有し、この境界領域が第二の部分の境界領域を両方の部分の互いに対向する面の間に間隙を維持したまま第二の部分の境界領域を囲むことにより達成すると好適である。あるいは、基材の第二の部分は、フォーク形状に形成された境界領域であって、両部分の互いに対向する面の間に間隙を維持したまま第一の部分の境界領域を囲む境界領域を備えていてもよい。第二の部分が管状対象物を保持する場合は、第二の部分は基材の第一の部分に、そしてまたこれが枠エレメントを介して薄板の部材に取付けされ、その際、枠エレメントが移動平面における薄板の部材の開口エッジに可動に取付けされるか、または第二の部分が移動平面に枠エレメントに可動に取付けされると好都合である。その際移動平面における可動な取付けは上記のように枠エレメントの形成と関連してかまたは、基材の少なくとも一つの部分と可動な取付けと関連して行うことができる。原則的には、枠エレメントが基材の両方の部分を囲むことも可能である。
【0044】
横断方向移動(つまり第一の部分の移動平面の横断)の実行のためには上記のように第二の部分を変位自在に拘束すると好適である。このためには、第二の部分は第一の部分の管状部分と噛み合うか、または枠エレメントの管状部分と噛み合う管状部分を有すると好都合である。両方の管状部分は、第二の部分の横移動方向に相当する、その軸方向に対向して変位自在である。一つの管状部分が他方の管状部分からずれて出ることを阻止するために両方の管はその互いに滑り込んだ端部にそれぞれストッパを有すると好都合である。このストッパは管状部分の端部を突出することによるとりわけ簡単な形成により形成できる。その際、内側の管の端部は外側へ、そして、外側の管の端部は内側へ曲げ、その結果、管状部分が互いから最大限に引っ張られたとき、両ストッパが相互に突き合わされる。どの管状部分が内側にあり、どの管状部分が外側にあるかは原則的にどちらでもよい。
【0045】
対向面からずれ動くことを阻止するためには、そこにもう一つストッパを設けてもよい。その際例えば、管状部分の端面の端部で取付け装置と引っ掛けて動かなくしたロックワッシャを使ってよい。ロックワッシャを使用することによりストッパは他の工具を使うことなく管状部分に簡単に組み立てることができ、同時に引っ掛けて動かなくすることにより管状部分に固定的に取付けされる。
【0046】
管状部分の対抗した回転を抑制または制約するために、および/または変位行程を制限するために第一の部分あるいは第二の部分に少なくとも一つの溝を、そして、他方の部分に少なくとも一つの一致するウェブを形成することができる。例えば、溝幅がウェブの幅にほぼ相当するときは、ウェブを溝に係合することにより管状部分の対抗する回転性を抑制することができる。溝がその中に噛み合うウェブよりも幅広に形成されているときは、回転可能性は完全には抑制されず、ただ制約されるだけである。
【0047】
更に溝ないしウェブは異なった奥行きまたは高さで形成することができ、それにより、一方の管状部分の他方への軸方向の変位行程が制約できる。これらは、溝を相応に形成することによりウェブのストッパとして作用でき、それにより、長手方向変位が制約されるだけでなく、一方の管状部分が他方にも保持され得る。かような実施形態においては、別個の周回的に形成されたストッパの形成はなくて済む。原則的には、取付け装置においては、異なった形状と異なった長さの溝とウェブを形成することができる。管状対象物の一つに二つのほぼ同様な対向設置されたウェブを形成すると好適である。他方の部材には、複数の溝ペアを形成し、その際各溝ペアの溝がほぼ同様に形成され対向設置される。それに対し、様々な溝ペアはそれぞれ互いに相違して形成されるから、異なった溝ペアにウェブを嵌め込むことにより、変位行程、および/またはウェブをキャリアする管状部分の回転部は変化可能である。例えば異なった長さの二つの溝ペアを90 度の角度で個々の溝の間に均一に管状部分の周辺を介して分配することができ、その際、長めの溝と短めの溝が交互に交替する。しかし、二つより多い異なった溝長と90 度以外の角度も考えられる。
【0048】
基材の第二の部分の上記の取付けにおいては、一方向に直線に変位自在で、取付けは拘束トルク(straining torques:挟圧モーメント)を同時に収容できる。したがって基材の第二の部分は機械的な意味では基材の第一の部分に変位自在であるか、ないし、枠エレメント内部で拘束される。かようにして、基材の第二の部分の移動平面に横の移動方向への最適なガイドが保証され、同時に管状対象物の移動平面に相対的な傾斜が防がれる。それにより、管状対象物のダメージの危険性が減少される。
【0049】
基材の第二の部分をカップ状(pot-like configuration)に構成すると好適である。カップの幾何学的基本形状を相補的管状部分の幾何学的基本形状に適合すると好都合であり、カップの寸法はその側壁が第一の部分あるいは枠エレメントの管状部分の内部ジャケット面あるいは外部ジャケット面に近似的に同一平面上に支持されるように選択される。これにより、基材のカップ状に形成された第二の部分が管状部分の長手方向に移動ないし変位できることが保証され、しかもそれと同時に傾斜が防がれる。カップの高さが、カップがその全長において管状部分に押し込めるように管状部分の高さにほぼ一致すると好都合である。
【0050】
管状対象物を基材のカップ状に形成された第二の部分に収容するためには、その底部に通路を設けると好都合である。更に、カップの底部の少なくとも片側に通路領域にシールエレメント、例えばビードを形成すると好適である。これにより、管状対象物と取付け装置間の接合領域の密閉性が向上する。
【0051】
第一の部分または枠エレメントにおける管状部分は、各部分の内側境界領域を曲げることにより作ると好都合である。ここで管状部分の製作を他の部材を加えることなく行うことができるのが利点である。それにより取付け装置の製造プロセス全体が簡単になる。
【0052】
以下に示す様々な実施形態においては同様の構成部分は同じ符号をつける。なお、本発明は記載される実施例に限定されず、図は単に説明的な性質を有することを指摘する。
【0053】
図1は薄板の部材15の一部斜視図である。ここに示された例では、薄板の部材15は熱遮蔽板である。管状対象物、具体的にはラムダプローブ、の収容用の通路20を有する穴開きディスクとして形成された基材16を有する取付け装置10は、熱遮蔽板15に組み入れられている。更に、図1は熱遮蔽板15内の二つの固定開口26を示し、これらにより、熱遮蔽板15は内燃機関装置、例えば排気マニフォールド部に固定される。取付け装置10の様々な実施態様の可能性が以下の図により記載される。
【0054】
図2はエッジ側フランジ11つき取付け装置10の一部断面側面図である。フランジ11は取付けエレメント12a,12bの互いに重ねられたエッジから成る。両取付けエレメント12,12bは共に枠エレメント14を形成する。取付けエレメント12aはZ形に曲げられ、接続脚が熱遮蔽板の円形開口の端面15´に支持される。図では、構成の開口中央の右にある部分のみが示され、他方、左の鏡対称に形成された半分は図示されていない。フランジ11は、薄板の部材15における曲げられた取付けエレメント12aの内側に支持される。図では、取付けエレメント12bは取付けエレメント12aと離間している。しかし、組み立てが完成した状態では、両取付けエレメントはフランジ11部で直接的に接し、また共に、そして薄板の部材に例えば溶接により固定される。
【0055】
更に図2から分るように、取付けエレメント12a,12bの間にディスクエレメントとして形成された基材16が可動に取付けされる。ディスクエレメントは丸い中央開口20を有する円形ディスクとして形成されている。それは、第二の取付けエレメント12bが取付けエレメント12aに固定される前に、取付けエレメント12aに載置される。この際ディスクエレメントは、ディスクエレメントの側端部と枠エレメント14との間に、円形の間隙としての自由空間17ができるように構成されている。自由空間17が周囲に位置すること(自由空間17の周回的構造)により、ディスクエレメントがディスク平面に相当する移動平面に可動であることが保証される。
【0056】
図3は穴開きディスクとして構成された基材16とエッジ側のフランジ11を有する取付け装置10の断面側面図である。この構成はほぼ図1の構成に相当する。しかし相違は、取付け装置10の組み立ての仕方である。ここでは、取付け装置10を組み立て時にすでに事前組み立てしておく。つまり、枠エレメント14の両方の取付けエレメント12a, 12bには、両方の間に穴開きディスクを嵌め込んだ後、フランジ領域11に点溶接箇所18により相互に溶接される。その後取付け装置10は箇所18´において薄板の部材15と溶接される。
【0057】
図4は二つの取付けエレメント12a,12bより成る枠エレメント14を有する取付け装置10の断面側面図であり、この二つの取付けエレメント12a,12bはそれぞれ対向面において薄板の部材15に支持されクロスウェブ(transverse webs)19を介して相互に接合されている。クロスウェブ19は薄板の部材15とディスクエレメントとの間に設けられ、その際クロスウェブはディスクエレメントとして形成された基材16から離間されて設けられ、その結果自由空間17が発生し、ディスクエレメントの移動の自由が保証される。ここに示した実施形態においては、枠エレメント14は薄板の部材15に固定的に取り付けられている。を図1と同様に、組み立ては取付けエレメント12a,12b熱遮蔽板15に順番に組み立てることにより行われる。
【0058】
図5は図1による本発明の取付け装置に類似した、本発明の取付け装置の一部断面側面図である。しかしここでは、基材16と枠エレメント14は別個の構成要素ではなく、統合されて形成される。取付け装置10は全体に穴開きディスクとして形成される。枠エレメント14は上部取付けエレメント12a、下部取付けエレメント12bから成り、それらはその内側の開口部20に向けて存在するエッジで相互に爪係止される。図5は組み立てを行うために個々の構成要素をすでに熱遮蔽板15に設けた後の爪係止していない状態の枠エレメント14を示す。下部取付けエレメント12bの内側境界領域が約180 度 の角度のもとで曲げ戻されているのが分る。その後の経過において、下部取付けエレメント12bの内側の境界領域の前方部分は約100 度 〜 125 度 の角度のもとに再び曲げもどされる。上部取付けエレメント12aの内部は約50 度 〜 80 度 の角度のもとに内側へ曲げられる。その際、両方の取付けエレメント12a,12bの曲げられた部分の寸法はともに一致する。爪係止は取付けエレメント12a,12bを互いに押下押圧することにより行われる。
【0059】
図6は図5に示した枠エレメントを爪係止した状態で示す。両方の取付けエレメント12a,12bの爪係止は摩擦的に固定するように形成され、その寸法は内側の爪係止部分の厚さが、基材16に組み込まれた枠エレメント14が移動平面で可動であるように薄板の部材15の厚さよりわずかに大きいようにとられている。
【0060】
図7は組み込まれた枠エレメント14つきの穴開きディスクとして形成された基材16の平面図である。その際穴開きディスクとして形成された基材16は通路20を有し、それにより管状対象物がガイドされる。
【0061】
図8は収容部に留め金装置が形成されたディスクエレメントとして形成された基材16を有する取付け装置10の断面側面図である。それ以外は図1の構造に似た構造を有する。しかしここでは、ディスクエレメントは管状対象物(例えばラムダプローブ)の収容のための貫通孔を有せず、留め金装置21が固定された閉鎖円環リングディスクとして形成されている。その際留め金装置21は管状対象物が例えばねじ、ボルトなどの他の付加的固定エレメントなしで締め付けによりディスクエレメントと接合できるように形成される。上部取付けエレメント12aはディスクエレメントの中央位置において留め金装置21と上部取付けエレメント12aの間に凹状部22が存在するよう形成され、凹状部22の長さは自由空間17の長さより大きいか、それと同等である。これにより、移動平面におけるディスクエレメントの移動の自由が保証される。
【0062】
図9は収容部に組み込み緩衝材24つき軸受ブシュ23が形成された、ディスクエレメントとして形成された基材16を有する取付け装置10の断面側面図である。軸受ブシュ23はここに示された例ではディスクエレメントに組み込まれたパイプ接合部分として形成され、そのディスクエレメントの反対側は開いている。管状対象物はディスクエレメントに固定するためにパイプ接合部分23に導入され、その端面が緩衝材24に支持される。緩衝材24は管状対象物または取付け装置10の鉛直方向の動きにクッションをつけ、それにより管状対象物のダメージを防ぐ。
【0063】
図10はディスクエレメントとして基材16を有する取付け装置10の一部断面側面図であり、この基材16の表面にはビード25が形成され、ビード25は管状対象物のシールをより良好にするためのものである。それ以外の構造はほぼ図1の構造に相当する。ビード25は枠エレメント14から離間されて構成され、その際、この離間距離は自由空間17の長さより大きいか、またはそれと同じある。この実施形態が例えば内燃機関装置の排気ガスシステムの部分に設けられるとき、ビード25は基材16の排気ガスシステムのマニフォールドの方を向いた面に形成されると好適である。
【0064】
図11は、組み込まれた枠エレメント14つき穴開きディスクとして形成された基材16を有する取付け装置10の断面側面図である。ディスクエレメントの通路により、管状対象物27がガイドされ、それはここで示された実施形態においてはラムダプローブである。その他の点では、取付け装置10はほぼ、一部を図6に示した取付け装置に相当する。ラムダプローブは通路領域において通路とほぼ適合して形成される。通路領域の直に上か下にラムダプローブはフランジ28を有し、それらはそれぞれディスクエレメントに支持され、それにより取付け装置10を囲む。それにより管状対象物27のシール(封止)がさらに改良される。密閉性を更に高めるためには、フランジ28部のディスクエレメントの表面にビード(図10に示すように)をつけて形成することができる。
【0065】
図12は図3に類似した取付け装置10を示し、下部取付けエレメント12bが外部フランジ部領域として上部取付けエレメント12aの上に重ねられ、上部取付けエレメント12aを囲んでいる。折り重ねられることによって、両方の取付けエレメント12a,12bは固定的に相互に接合され、したがって図3とは異なってもはや相互に溶接される必要はない。溶接箇所18´は取付け装置10と薄板の部材15との溶接を示すにすぎない。
【0066】
図13は図6の取付け装置に類似した取付け装置10の一部断面側面図である。しかしここでは、取付けエレメント12a,12bの開口20の方を向いた内側エッジは自らの回りに折り重ねられ、折り重ねられた領域がしてむらなく互いに支持され、点溶接箇所18により互いに溶接される。
【0067】
図14は薄板の部材15の開口部に設けられた取付け装置10の断面側面図である。ここで示された例においては、薄板の部材15は熱遮蔽板である。取付け装置10は基材16から成り、これがまた第一の部分29とカップ状に形成された第二の部分30から成る。第一の部分29は第一の部分29に組み込まれて形成された枠エレメント14により薄板の部材15に変位自在に設けられている。枠エレメント14は上部取付けエレメント12aと下部取付けエレメント12bから成り、その外側境界領域はそれぞれ薄板の部材15の片側に支持され、取付け装置10の中心線31の方を向いたその内部で互いに溶接により接合される。両方の取付けエレメント12a,12bはその内部領域において下へ向けて曲げられ、その際下部取付けエレメント12bは相対的にずっと下の方へ突出し、それにより管状部分291を形成する。管状部分291の下部端部292は管状部分291に対し、わずかにテーパ状に形成されている。
【0068】
管状部分291はほぼ円筒形である。それ相応に枠エレメント14の取付けエレメント12a,12bは円環リング形に形成されている。取付けエレメント12a,12bの相互に溶接接合された部分は、薄板の部材15に離間されて設けられているから、上部取付けエレメント12a、下部取付けエレメント12bおよび薄板の部材15から境界づけられ自由空間17が環状間隙として発生する。自由空間17の周回的構造により基材16がその第一の部分29を介して移動平面E1に可動であることが保証される。図14に示した実施形態において移動平面E1は薄板の部材15の開口の平面と同一である。
【0069】
基材16のカップ状に形成された第二の部分30は管状部分291に適合されて同様に円筒状に形成されている。管状部分301は管状部分291により少なくとも部分的に取り囲まれる。カップ状に形成された第二の部分30の上部境界領域302はわずか外側に向けて突出し、内部で管状部分291に支持される。更に、カップ状に形成された部分30はその側面領域において、内部へ突出されたテーパ状の領域292に連接してガイドされる。テーパ292と拡幅302は互いにほぼ点対称に形成され、第二の部分30を管状部分291から抜き出すとき拡幅302がテーパ292にぶつかるように互いに一致する。それにより管状部分291のテーパ292はストッパの機能もガイドの機能も満たす。管状部分291の上部端部のストッパとして上部取付けエレメント12aの曲げられた内側境界領域が役割を果たす。
【0070】
カップ状の第二の部分30を管状部分291および/またはテーパ292にガイドすることにより、カップ状部分30の中心軸31に沿った直線運動、および/または中心軸31の回りの回転が可能である。つまり、移動平面E1に直交する方向にのみ可能である。それに対して、第一の部分29内のカップ状第二の部分30が他の軸の回りを回転してずれたり、エッジングしたりすることが回避される。
【0071】
更に基材16のカップ状第二の部分30が管状対象物(ここでは図示されず)の収容のためのおよそ中心に設けられた通路20を底部に有する。通路20はほぼ円形に形成されている。カップ状の第二の部分30の通路境界領域303にはビード25が形成されている。このビードにより、通路境界領域303はカップ状第二の部分30の底部に対しわずかに隆起して形成されている。この隆起303はカップ状第二の部分30を通路20によりガイドすべき管状対象物、具体的にはラムダプローブに幾何学的に適合するために形成され、それによりカップ状第二の部分30がラムダプローブに最適に密着することを保証する。ビード25は管状対象物(ここでは図示されず)がカップ状第二の部分30に密接する密閉性を改良する。ビード25は図14に示された例では半ビードとして形成されている。
【0072】
図15は取付け装置10の更なる実施形態の断面側面図である。図14の取付け装置とは対照的に取付けエレメント12a,12bがその中心軸31の方を向いた部分において直接的に直角に下へ向かって曲がってそれてはいなく、斜め下方へ向かってかつ中心軸31の方へ延びる移行領域13を有する。移行領域13では取付けエレメント12a,12bが互いに溶接されている。上部取付けエレメント12aは移行領域13から斜め内へ向かい延びるように突出し、それにより第二の部分30の突出した境界領域分302のための上部ストッパとしての役割を果たす。カップ状第二の部分30の通路境界領域303はその下面に幾重ものビードとして形成されたビード25を有する。この幾重ものビードは管状対象物(ここでは図示されず)がカップ状の第二の部分30に密着するその密閉性を更に向上するためのものである。
【0073】
図16は取付け装置の一部断面側面図である。取付け装置10はほぼ図14の取付け装置に相当する。図示されたのは、図14の中心線31の右の部分だけである。両方の取付けエレメント12a,12bはそれらが互いにむらなく支持される領域において点溶接箇所18により互いに溶接される。
【0074】
図17は図14の取付け装置に類似した取付け装置10の詳細を示す。ここでは、図14の中心線31の左側の領域を図示する。図14の取付け装置と対照的に図17で示された取付け装置10においては、管状部分291が上部取付けエレメント12aの曲げられた部分から形成される。下部取付けエレメント12bは、ロックワッシャ33から成る。ロックワッシャ33は環ディスクとして形成され、環ディスクはその内側の境界領域に斜め下に延びるばね突起35を有する。ロックワッシャ33は下から管状部分291を介して上部取付けエレメント12aに支持されるまで押して動かされる。管状部分291の上に装着することにより、ばね突起35の上にひずみがもたらされる。それにより、ロックワッシャ33は管状部分291に引っかかって動かなくなり、ロックワッシャ33が管状部分291から滑り落ちることが回避される。管状部分291の上部ストッパは同様に別個のロックワッシャ34として形成される。ロックワッシャ34の機能方法はロックワッシャ33のそれに類似する。ロックワッシャ34もまた、上部取付けエレメント12aに対し引っかかって動かなくなるからロックワッシャ34は確固とした取り付け位置に収まる。
【0075】
図18は高耐熱性のばね鋼から成るのが好適なロックワッシャ33の平面図である。ロックワッシャ33の内側エッジに規則的な間隔で周回するように設けられた凹状部36が存在することがわかる。凹状部36は打ち抜き加工により作られる。凹状部36が存在するために二つの凹状部36間の部分が湾曲してよく、それによりばね突起35が生成される。図18に示された凹状部36は、ロックワッシャ33の中心点から見た場合、それぞれ互いに約45 度の角度で設けられている。
【0076】
図19は取付け装置10の詳細な断面側面図である。以上に示した実施形態と対照的に、枠エレメント14は基材16の第一の部分29に組み入れられず、別個の部材として形成されている。第一の部分29は別個の管状部分291により形成され、その上部境界領域が枠エレメントの内部と爪係止されている。図19は組み立てをおこなうために、各構成要素がすでに熱遮蔽板15に設けられた後の取付け装置を爪係止されていない状態で示す。取付けエレメント12bの内側境界領域が約120 度 〜 135 度 の角度のもとで曲げもどされていることがわかる。管状部分291の上部境界領域は外へ曲げられてあるから、下部取付けエレメント12bの曲げ戻された境界領域にむらなく支持される。その後の経過においては、下部取付けエレメント12bの曲げ戻された境界領域から突出する管状部分291の上部エッジの端部は再び約180 度 の角度のもとに曲げもどされる。この曲げられた端部と下部取付けエレメント12bの曲げられた境界領域はこの際その寸法が互いに一致するようになっている。爪係止は取付けエレメント12bを管状部分291の上部境界領域に押下押圧することにより行われる。図19に示した取付け装置10は基材16のカップ状第二の部分30のための上部ストッパを有さない。ストッパは別個の部材として形成でき(例えば図17に示したロックワッシャとして)、後から取付け装置10に嵌め込むことができる。
【0077】
図20は図19の取付け装置に類似した取付け装置10の一部断面側面図である。両取付けエレメント12a,12bはその内側境界領域において直線状に延び、開口平面から突出して曲げられない。それらは、互いに同一平面上で終結する。管状部分291の上部境界領域は回りにフランジをつけることにより枠エレメント14の内側境界領域と結びつく。このためには管状部分291の上部境界領域がまず約90度の角度のもとに外側へ曲げられ、それから再び180 度 の角度のもとに曲げもどされる。その後の経過においては管状部分291の上端部294は再び約90 度上部へ曲げられるので、管状部分291の内側は同一平面上の側部の面(flush lateral surface)を結果として生じる。曲げることにより約90 度 の角度のもとに外部へ突出する二層のフランジ37が生成される。フランジ37は周回的に形成される。基材16は枠エレメント14に対してフランジ37が取付けエレメント12bの内側境界領域の下面と同一平面上で支持されるように設けられる。基材16の枠エレメント14との接合は、上部取付けエレメント12aの内側境界領域上にと管状部分291の上端294の回りにフランジをつけることにより行われる。上端294の回りにフランジをつける際、第二の部分30のためのストッパとしての役目を果たす、中心線の方向への径方向突起を形成することができる。
【0078】
図21は図20の取付け装置に類似した取付け装置10の一部断面側面図である。図20の取付け装置と対照的に図21に示された取付け装置10は上部取付けエレメント12aのみを有し、枠エレメント内の下部取付けエレメント12bを有さない。下部取付けエレメントは管状部分291からずっと外側へ突出するフランジ37により交換され、フランジ37は図20のフランジに従って作成される。フランジ37と上部取付けエレメント12aの寸法は互いに一致するようにしてある。ここでも、相互の固定は管状部分291の上端294を上部取付けエレメント12aの内部エッジの回りにフランジをつけることにより行うことができる。これに加えて、あるいはこれと二者択一的に、取付けエレメント12aとフランジ37を相互に溶接することが可能である。図20に類似して図21に示された例でも、上端294はストッパとして形成可能である。
【0079】
図22は取付け装置10の更なる実施形態の断面側面図である。取付け装置10はほぼ、図14の取付け装置に相応する。前記図14から図21に対し、カップ状の第二の部分30はより平坦に形成されている。つまり、第二の部分30の管状部分301の長さおよび第一の部分29の管状部分291の長さは、上記した図面の実施形態に比べ、短めに形成されてある。原則的には、比較的長く形成された管状部分291,301においては部分29,30の移動の間、偏心した力の係合点(engagement point)がある場合は、状況によっては管状部分291,301がわずかに傾いたりおよび/またはフッキングしたりする危険性がある。かようなエッジングが発生する確率はこの実施形態においては削減される。したがって、カップ状第二の部分20の高さを中心線31の方向への管状対象物への所期の最大変位にほぼ相当し、それをわずかにしか超えないように適合すると一般的に有意義である。
【0080】
図23は他の取付け装置10の一部断面側面図である。この実施形態では、枠エレメント14は可動でなく、溶接により薄板の部材15に確固と備えられる。取付けエレメント12a,12bはその内側境界領域において約90 度下へ、更にその端部において再び90 度 内側へ、取付け装置10の中心軸の方向へ曲げられている。端部において取付けエレメント12a,12bは互いから離間して設けられているから、自由空間17が結果として生じる。自由空間17には、第一の部分29の管状部分291の曲げられた端部が係合する。管状部分291の端部は自由空間17に可動に設けられている。それにより、ここに図示された取付け装置の移動平面E1は、薄板の部材15内の開口の開口平面に平行かつ下降された一平面上に存在する。
【0081】
図24と図25は本発明による取付け装置10の構造を示し、ここでは、上記の実施形態に対して、第一の部分、第二の部分および枠エレメントの相互に相対的な構造が変化されている。図14から図17および図19から図23において、移動平面E1に横方向に可動な第一の部分29が枠エレメント14を介して薄板の部材15に固定され、第二の部分30が中心線の方向へ変位自在に第一の部分29内に保持され、管状対象物(ラムダプローブなど)の収容に規定づけられているのに対し、図24と図25では第一の部分29が管状対象物を収容する。したがって第二の部分30は枠エレメント14を介して薄板の部材15に固定され、自らは第一の部分29を保持する。第二の部分30を平面E1に横方向に変位できることは、原則的には、すでに説明した実施例に類似して達成される。しかしここでは、第一の部分29の管状部分291の代わりに、枠エレメント14の管状部分141が、第二の部分30の管状部分301のガイドとしての役割を果たす。ストッパ(limit stop)142,302により両方の管状部分が互いから滑り落ちることが防がれる。
【0082】
第一の部分29の収容のためには図24の実施形態においては、第二の部分30の下端部にフォーク形状の部分32が形成される。そのために、管状部分301の最端境界領域はほぼ直角に面取りされる。更に、管状部分301の外部下エッジにコーナー片321が点溶接箇所18により固定される。フォーク32の両端部間には第一の部分29が可動に嵌め込まれている。第一の部分29はディスク状に形成され、管状対象物(ラムダプローブなど)の収容用の中心開口20を有する。図24は上記の部分断面図全てと同様に、全体切断面の半分を示すにすぎない。他方半面は中心線31に対し、鏡像的に設けられる。フォーク形状の部分32は第一の部分29のディスクエッジの外周面に環状に係合する。その際、第一の部分と第二の部分の対向する突合せエッジの間に管状間隙17が残り、これは、平面E1における第一の部分29のクリアランスを可能にする。コーナー片321の上端はストッパの役目を果たし、第二の部分30の上部への移動を制約する。
【0083】
図25は第二の部分30における第一の部分29の取付けの他の様式を示す。ここでは、取付け装置の下部領域のみを示す。上部の、薄板の部材に近接した領域は図24と同様に形成できる。ここでは、図24と異なってフォーク形状の領域(293)は第一の部分に設けられる。このためには、このフォーク形状の領域は二つの互いに重ねられて設けられたプレートから成り、これらプレートの端部は対向する方向に突出し、それにより互いにほぼ平行に延びる端部を有するフォーク293を形成する。それにより発生する環状間隙17には、管状部分301の直角に湾曲した端部が係合する。
【0084】
原則的には、一方では図24または図25の実施形態の一つと、他方で図14から図17および図19から図23の一つの実施形態の一つを組み合わせることも可能である。その際、図14から図17および図19から図23の実施形態の一つにより形成される取付け装置の基材は、第三の部分を有することができ、これは基材の第二の部分30の通路領域に設けられ、図24または図25の実施形態の第一の部分29に類似して形成される。第二の部分に代わって、基材の第三の部分が管状対象物を収容する。第三の部分は、平面E1の平行線に沿い、更にそれにより、基材の第一の部分にも平行に可動である。したがって、平面E1の方向への基材の移動は第一の部分、第三の部分の変位、あるいはこれら変位の組み合わせにより達成され得る
図26は熱遮蔽板15に設けられた取付け装置10の断面側面図である。図26は本発明による取付け装置内の管状対象物の基本的な構成を明示し、原則的には図14から図25の上記の全構成に当てはまる。ここでは、全構成は図14の取付け装置にほぼ相当する取付け装置を例に記載される。基材16のカップ状の第二の部分30の通路により、管状対象物27がガイドされ、これは、ここに示された実施形態においてはラムダプローブである。通路はその大きさと形状において、ラムダプローブ27に適合して形成されているから、ラムダプローブ27は基材16のカップ状第二の部分の通路領域に確固かつ密に閉じ込められ設けられている。かような構造は例えば、一部を図27に示すように、熱遮蔽板で採用することができる。本発明による取付け装置10の位置は、部分図の左側下部領域の開口にある。ここではラムダプローブは図示されない。符号26はねじの固定孔を示し、それにより熱遮蔽板が内燃機関装置に、例えば排気マニフォールド部に、固定される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】穴開きディスクつき組み込み取付け装置を有する熱遮蔽板の部分領域の斜視図。
【図2】薄板の部材上にあるフランジつき取付け装置の一部断面側面図。
【図3】溶接状態の、薄板の部材上にあるフランジつき取付け装置の一部断面側面図。
【図4】クロスウェブにより接合された上部枠エレメントと下部枠エレメントつき取付け装置の断面側面図。
【図5】枠エレメントの二つの、爪係止により相互接続される取付けエレメントの爪係止されていない状態の断面側面図。
【図6】図5による取付け装置の爪係止された状態。
【図7】熱遮蔽板に取り付けられた穴開きディスクつき取付け装置の平面図。
【図8】ディスクエレメントの収容領域内留め金装置つき取付け装置の断面側面図。
【図9】ディスクエレメントの収容領域にある軸受ブシュと緩衝材つき取付け装置の断面側面図。
【図10】ディスクエレメントにあるビードつき取付け装置の一部断面側面図。
【図11】穴開きディスクおよび穴開きディスクによりガイドされるラムダプローブつき取付け装置の断面側面図。
【図12】エッジを折り曲げたフランジつきの図3の取付け装置。
【図13】枠エレメントの内側のエッジにおいてそれ自体の回りにフランジをつけ互いに溶接された二つの取付けエレメントの断面側面図。
【図14】熱遮蔽板の開口部に設けられビードを有する取付け装置の断面側面図。
【図15】幾重ものビードつき他の取付け装置の断面側面図。
【図16】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図17】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図18】ロックワッシャの平面図。
【図19】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図20】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図21】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図22】短縮された第二の部分を有する他の取付け装置の断面側面図。
【図23】開口平面から突出取付けされた移動平面を有する取付け装置の断面側面図。
【図24】本発明の更なる実施形態による取付け装置の一部断面側面図。
【図25】図24の取付け装置の他の取付け可能性を示す断面側面図。
【図26】取付け装置によってガイドされたラムダプローブつき取付け装置の断面側面図。
【図27】本発明による取付け装置つき熱遮蔽板の部分平面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関装置内で使用するための管状対象物用の取付け装置であって、
該取付け装置(10)は、少なくとも一つの基材であって、管状対象物(27)の収容用の収容部分を有する基材(16)を備え、該基材(16)が内燃機関装置の薄板の部材(15)の開口部に設けられ、前記基材(16)の少なくとも一部分(29)が開口平面に平行に向けられた平面(移動平面; E1)でほぼ可動であり、
前記取付け装置(10)は、前記基材(16)を保持する枠エレメント(14)が設けられると共に、前記薄板の部材(15)の開口の境界領域で支持され、
前記取付け装置(10)は、前記管状対象物(27)を収容後に前記薄板の部材(15)の開口をカバーする、ことを特徴とする取付け装置。
【請求項2】
内燃機関装置の薄板の部材(15)が熱遮蔽板であることを特徴とする請求項1に記載の取付け装置。
【請求項3】
熱遮蔽板が排気ガスシステムの部位に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の取付け装置。
【請求項4】
管状対象物(27)がセンサーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項5】
センサーが酸素測定プローブであることを特徴とする請求項4に記載の取付け装置。
【請求項6】
基材(16)、および/または枠エレメント(14)が金属、金属合金、好適には銅または鋼、または耐熱性の繊維補強した材料から成ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項7】
枠エレメント(14)のエッジがフランジ(11)として形成され、このフランジ(11)が薄板の部材(15)において支持されている、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項8】
枠エレメント(14)のフランジ(11)が薄板の部材(15)に固定的に取付けられ、前記フランジ(11)が、好適には溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジつけにより、薄板の部材(15)と接合されている、ことを特徴とする請求項7に記載の取付け装置。
【請求項9】
枠エレメント(14)が上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)を有し、該上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントがその境界領域において薄板の部材(15)に支持されると共に、それぞれの間に基材(16)の少なくとも一部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項10】
上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)がクロスウェブ(19)により耐たわみ性を有して互いに接合され、前記ウェブ(19)の長さが薄板の部材(15)の厚さにほぼ相当する、ことを特徴とする請求項9に記載の取付け装置。
【請求項11】
枠エレメント(14)の上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)が薄板の部材(15)に固定的に取り付けられ、取付けエレメント(12a,12b)が、好適には溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジつけにより、薄板の部材(15)に接合されている、ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の取付け装置。
【請求項12】
枠エレメント(14)が基材(16)に合体させられていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項13】
枠エレメント(14)は、上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)から成り、該上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントが、互いにほぼ合致して構成されると共にそれぞれ内側のエッジおよび外側のエッジを有しており、該外側のエッジが薄板の部材(15)により可動な状態で支えられ、前記取付けエレメント(12a,12b)がその内側の境界領域で互いに固定的に接合すると共に基材(16)の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項12に記載の取付け装置。
【請求項14】
取付けエレメント(12a,12b)の内側エッジ間の固定的な結合は、エッジが多層に爪係止されることにより形成され、該エッジの一つが少なくとも3層に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の取付け装置。
【請求項15】
枠エレメント(14)の取付けエレメント(12a,12b)の内側境界領域が互いに溶接、および/またはリベットされていることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の取付け装置。
【請求項16】
基材(16)の収容部分が通路(20)として基材(16)内部に形成され、該通路(20)の直径が管状対象物(27)の直径にほぼ相当することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項17】
基材(16)の通路(20)は、両端面が開いた空洞のパイプソケットであることを特徴とする請求項16に記載の取付け装置。
【請求項18】
通路領域(20)がねじ山を有することを特徴とする請求項16または請求項17に記載の取付け装置。
【請求項19】
基材(16)の収容部分は、管状対象物(27)を固定するための固定エレメントを有することを特徴とする請求項1から請求項18のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項20】
固定エレメントがねじまたは留め金装置として形成されていることを特徴とする請求項19に記載の取付け装置。
【請求項21】
基材(16)の前記収容部が管状対象物(27)の取付け用の軸受ブシュ(23)を有することを特徴とする請求項1から請求項20のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項22】
前記管状対象物(27)が軸受ブシュ(23)と固定的に結合されていることを特徴とする請求項21に記載の取付け装置。
【請求項23】
前記収容部は、基材(16)および収容すべき管状対象物(27)の間に設けられている緩衝材(24)を有することを特徴とする請求項21または請求項22に記載の取付け装置。
【請求項24】
緩衝材(24)がワイヤクッションとして形成されていることを特徴とする請求項23に記載の取付け装置。
【請求項25】
薄板の部材(15)の開口の境界領域が少なくとも片側で凹状部として形成され、該凹状部の深さが、前記片側の方に対応する枠エレメント(14)の取付けエレメント(12a,12b)の厚さ、または枠エレメント(14)のフランジ(11)の厚さに本質的に相当することを特徴とする請求項1から請求項24のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項26】
複数の基材(16)が枠エレメント(14)に保持されることを特徴とする請求項1から請求項25のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項27】
基材(16)の移動を制約するために各移動方向に対しそれぞれ少なくとも一つのストッパを設けることを特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項28】
基材(16)の少なくとも一部(29)が移動平面(E1)方向にのみ可動であることを特徴とする請求項1から請求項27のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項29】
基材(16)が一体に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項28のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項30】
基材(16)がディスクエレメントとして形成されていることを特徴とする請求項29に記載の取付け装置。
【請求項31】
ディスクエレメントがほぼ円形、楕円形、または多角形に形成されていることを特徴とする請求項30に記載の取付け装置。
【請求項32】
ディスクエレメントが多層に形成されていることを特徴とする請求項30または請求項31に記載の取付け装置。
【請求項33】
ディスクエレメントが少なくとも片側にビード(25)を有することを特徴とする請求項30から請求項32のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項34】
枠エレメント(14)がディスクエレメントの境界領域を取り囲むことを特徴とする請求項30から請求項33のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項35】
基材(16)が第一の部分(29)と第二の部分(30)を有することを特徴とする請求項1から請求項28のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項36】
基材(16)の第一の部分(29)が最大15 度 の角度、好適には最大 10 度 の角度、特に最大6 度 の角度だけ移動平面(E1)から突出して移動できることを特徴とする請求項35に記載の取付け装置。
【請求項37】
基材(16)の少なくとも第二の部分(30)が移動平面(E1)の横断方向に可動であることを特徴とする請求項35または請求項36に記載の取付け装置。
【請求項38】
基材(16)の第二の部分(30)が移動平面(E1)に対して45度から135 度の範囲、好適には70度からの110 度の範囲で可動であることを特徴とする請求項37に記載の取付け装置。
【請求項39】
基材(16)の少なくとも第二の部分(30)が基材(16)の第一の部分(29)の移動平面(E1)に対して相対的に直交するように本質的に可動であることを特徴とする請求項38に記載の取付け装置。
【請求項40】
基材(16)の第一の部分(29)または第二の部分(30)が移動平面(E1)にも、該平面に対して横断するようにも可動であることを特徴とする請求項35から請求項39のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項41】
基材(16)の、移動平面(E1)にも、該平面に対して横断するようにも可動である部分が基材(16)の他の部分に一体となるように形成されていることを特徴とする請求項40に記載の取付け装置。
【請求項42】
基材(16)の第一の部分(29)が管状対象物(27)の収容用に形成されていることを特徴とする請求項35から請求項41のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項43】
基材(16)の第二の部分(30)が管状対象物(27)の収容用に形成されていることを特徴とする請求項35から請求項41のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項44】
基材(16)の一つの部分が開口を有し、該開口は特に中心に設けられ、管状対象物(27)を収容する基材(16)の他方の部分による変位自在な拘束という方法で収容するように前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項42または請求項43に記載の取付け装置。
【請求項45】
移動平面(E1)に横方向に変位自在な拘束のために、基材(16)の第二の部分(30)が管状部分(301)を有し、管状部分(301)が第一の部分(29)または枠エレメント(14)の管状部分(291; 141)と噛みあい、前記方向に対して軸方向に変位自在であることを特徴とする請求項42または請求項44に記載の取付け装置。
【請求項46】
管状部分(301; 291; 141)がその互いに挿入された端部にそれぞれストッパ(302; 292; 141)を有し、それによりずれて出ないよう防がれていることを特徴とする請求項45に記載の取付け装置。
【請求項47】
ストッパが管状部分の突出端部として形成されていることを特徴とする請求項46に記載の取付け装置。
【請求項48】
枠エレメント(14)の管状部分(141)が枠エレメント(14)の内側部分を曲げることにより形成されていることを特徴とする請求項45から請求項47のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項49】
基材(16)の第二の部分(30)がカップ状に形成されていることを特徴とする請求項45から請求項48のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項50】
基材(16)のカップ状第二の部分(30)の高さが、第一の部分(29)または枠エレメント(14)の管状部分(301; 141)の高さに本質的に相当することを特徴とする請求項49に記載の取付け装置。
【請求項51】
基材(16)のカップ状に形成された第二の部分(30)の底部が、管状対象物(27)の収容のための通路を有し、基材(16)のカップ状に形成された第二の部分(30)の底部の少なくとも片側の前記通路領域にビードが形成されていることを特徴とする請求項49または請求項50に記載の取付け装置。
【請求項52】
第二の部分(30)が基材(16)の第一の部分(29)に取付けられ、第一の部分が枠エレメント(14)を介して薄板の部材(15)に取付けられ、枠エレメント(14)が薄板の部材(15)の開口エッジに移動平面(E1)で可動に取付けられるか、または、第二の部分(30)が枠エレメント(14)に移動平面(E1)で可動に取付けられていることを特徴とする請求項43から請求項51のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項53】
第一の部分(29)が基材(16)の第二の部分(30)に、第二の部分が枠エレメント(14)を介して薄板の部材(15)に取付けられていることを特徴とする請求項42に記載かつ、請求項44から請求項50のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項54】
移動平面(E1)方向に変位自在な拘束のために、基材(16)の第一の部分(29)がフォーク形状に形成された境界領域(293)を有し、該境界領域(293)が第二の部分(30)の境界領域を取り囲み、両部分の互いに対向する面の間に間隙(17)を維持したままであることを特徴とする請求項53に記載の取付け装置。
【請求項55】
移動平面(E1)方向に変位自在な拘束のために、基材(16)の第二の部分(30)がフォーク形状に形成された境界領域(32)を有し、該境界領域(32)が第一の部分(29)の境界領域を取り囲み、両部分の互いに対向する面の間に間隙(17)を維持したままであることを特徴とする請求項53に記載の取付け装置。
【請求項1】
内燃機関装置内で使用するための管状対象物用の取付け装置であって、
該取付け装置(10)は、少なくとも一つの基材であって、管状対象物(27)の収容用の収容部分を有する基材(16)を備え、該基材(16)が内燃機関装置の薄板の部材(15)の開口部に設けられ、前記基材(16)の少なくとも一部分(29)が開口平面に平行に向けられた平面(移動平面; E1)でほぼ可動であり、
前記取付け装置(10)は、前記基材(16)を保持する枠エレメント(14)が設けられると共に、前記薄板の部材(15)の開口の境界領域で支持され、
前記取付け装置(10)は、前記管状対象物(27)を収容後に前記薄板の部材(15)の開口をカバーする、ことを特徴とする取付け装置。
【請求項2】
内燃機関装置の薄板の部材(15)が熱遮蔽板であることを特徴とする請求項1に記載の取付け装置。
【請求項3】
熱遮蔽板が排気ガスシステムの部位に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の取付け装置。
【請求項4】
管状対象物(27)がセンサーであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項5】
センサーが酸素測定プローブであることを特徴とする請求項4に記載の取付け装置。
【請求項6】
基材(16)、および/または枠エレメント(14)が金属、金属合金、好適には銅または鋼、または耐熱性の繊維補強した材料から成ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項7】
枠エレメント(14)のエッジがフランジ(11)として形成され、このフランジ(11)が薄板の部材(15)において支持されている、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項8】
枠エレメント(14)のフランジ(11)が薄板の部材(15)に固定的に取付けられ、前記フランジ(11)が、好適には溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジつけにより、薄板の部材(15)と接合されている、ことを特徴とする請求項7に記載の取付け装置。
【請求項9】
枠エレメント(14)が上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)を有し、該上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントがその境界領域において薄板の部材(15)に支持されると共に、それぞれの間に基材(16)の少なくとも一部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項10】
上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)がクロスウェブ(19)により耐たわみ性を有して互いに接合され、前記ウェブ(19)の長さが薄板の部材(15)の厚さにほぼ相当する、ことを特徴とする請求項9に記載の取付け装置。
【請求項11】
枠エレメント(14)の上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)が薄板の部材(15)に固定的に取り付けられ、取付けエレメント(12a,12b)が、好適には溶接、リベット、爪係止、および/またはフランジつけにより、薄板の部材(15)に接合されている、ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の取付け装置。
【請求項12】
枠エレメント(14)が基材(16)に合体させられていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項13】
枠エレメント(14)は、上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメント(12a,12b)から成り、該上部取付けエレメントおよび下部取付けエレメントが、互いにほぼ合致して構成されると共にそれぞれ内側のエッジおよび外側のエッジを有しており、該外側のエッジが薄板の部材(15)により可動な状態で支えられ、前記取付けエレメント(12a,12b)がその内側の境界領域で互いに固定的に接合すると共に基材(16)の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項12に記載の取付け装置。
【請求項14】
取付けエレメント(12a,12b)の内側エッジ間の固定的な結合は、エッジが多層に爪係止されることにより形成され、該エッジの一つが少なくとも3層に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の取付け装置。
【請求項15】
枠エレメント(14)の取付けエレメント(12a,12b)の内側境界領域が互いに溶接、および/またはリベットされていることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の取付け装置。
【請求項16】
基材(16)の収容部分が通路(20)として基材(16)内部に形成され、該通路(20)の直径が管状対象物(27)の直径にほぼ相当することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項17】
基材(16)の通路(20)は、両端面が開いた空洞のパイプソケットであることを特徴とする請求項16に記載の取付け装置。
【請求項18】
通路領域(20)がねじ山を有することを特徴とする請求項16または請求項17に記載の取付け装置。
【請求項19】
基材(16)の収容部分は、管状対象物(27)を固定するための固定エレメントを有することを特徴とする請求項1から請求項18のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項20】
固定エレメントがねじまたは留め金装置として形成されていることを特徴とする請求項19に記載の取付け装置。
【請求項21】
基材(16)の前記収容部が管状対象物(27)の取付け用の軸受ブシュ(23)を有することを特徴とする請求項1から請求項20のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項22】
前記管状対象物(27)が軸受ブシュ(23)と固定的に結合されていることを特徴とする請求項21に記載の取付け装置。
【請求項23】
前記収容部は、基材(16)および収容すべき管状対象物(27)の間に設けられている緩衝材(24)を有することを特徴とする請求項21または請求項22に記載の取付け装置。
【請求項24】
緩衝材(24)がワイヤクッションとして形成されていることを特徴とする請求項23に記載の取付け装置。
【請求項25】
薄板の部材(15)の開口の境界領域が少なくとも片側で凹状部として形成され、該凹状部の深さが、前記片側の方に対応する枠エレメント(14)の取付けエレメント(12a,12b)の厚さ、または枠エレメント(14)のフランジ(11)の厚さに本質的に相当することを特徴とする請求項1から請求項24のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項26】
複数の基材(16)が枠エレメント(14)に保持されることを特徴とする請求項1から請求項25のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項27】
基材(16)の移動を制約するために各移動方向に対しそれぞれ少なくとも一つのストッパを設けることを特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項28】
基材(16)の少なくとも一部(29)が移動平面(E1)方向にのみ可動であることを特徴とする請求項1から請求項27のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項29】
基材(16)が一体に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項28のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項30】
基材(16)がディスクエレメントとして形成されていることを特徴とする請求項29に記載の取付け装置。
【請求項31】
ディスクエレメントがほぼ円形、楕円形、または多角形に形成されていることを特徴とする請求項30に記載の取付け装置。
【請求項32】
ディスクエレメントが多層に形成されていることを特徴とする請求項30または請求項31に記載の取付け装置。
【請求項33】
ディスクエレメントが少なくとも片側にビード(25)を有することを特徴とする請求項30から請求項32のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項34】
枠エレメント(14)がディスクエレメントの境界領域を取り囲むことを特徴とする請求項30から請求項33のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項35】
基材(16)が第一の部分(29)と第二の部分(30)を有することを特徴とする請求項1から請求項28のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項36】
基材(16)の第一の部分(29)が最大15 度 の角度、好適には最大 10 度 の角度、特に最大6 度 の角度だけ移動平面(E1)から突出して移動できることを特徴とする請求項35に記載の取付け装置。
【請求項37】
基材(16)の少なくとも第二の部分(30)が移動平面(E1)の横断方向に可動であることを特徴とする請求項35または請求項36に記載の取付け装置。
【請求項38】
基材(16)の第二の部分(30)が移動平面(E1)に対して45度から135 度の範囲、好適には70度からの110 度の範囲で可動であることを特徴とする請求項37に記載の取付け装置。
【請求項39】
基材(16)の少なくとも第二の部分(30)が基材(16)の第一の部分(29)の移動平面(E1)に対して相対的に直交するように本質的に可動であることを特徴とする請求項38に記載の取付け装置。
【請求項40】
基材(16)の第一の部分(29)または第二の部分(30)が移動平面(E1)にも、該平面に対して横断するようにも可動であることを特徴とする請求項35から請求項39のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項41】
基材(16)の、移動平面(E1)にも、該平面に対して横断するようにも可動である部分が基材(16)の他の部分に一体となるように形成されていることを特徴とする請求項40に記載の取付け装置。
【請求項42】
基材(16)の第一の部分(29)が管状対象物(27)の収容用に形成されていることを特徴とする請求項35から請求項41のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項43】
基材(16)の第二の部分(30)が管状対象物(27)の収容用に形成されていることを特徴とする請求項35から請求項41のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項44】
基材(16)の一つの部分が開口を有し、該開口は特に中心に設けられ、管状対象物(27)を収容する基材(16)の他方の部分による変位自在な拘束という方法で収容するように前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項42または請求項43に記載の取付け装置。
【請求項45】
移動平面(E1)に横方向に変位自在な拘束のために、基材(16)の第二の部分(30)が管状部分(301)を有し、管状部分(301)が第一の部分(29)または枠エレメント(14)の管状部分(291; 141)と噛みあい、前記方向に対して軸方向に変位自在であることを特徴とする請求項42または請求項44に記載の取付け装置。
【請求項46】
管状部分(301; 291; 141)がその互いに挿入された端部にそれぞれストッパ(302; 292; 141)を有し、それによりずれて出ないよう防がれていることを特徴とする請求項45に記載の取付け装置。
【請求項47】
ストッパが管状部分の突出端部として形成されていることを特徴とする請求項46に記載の取付け装置。
【請求項48】
枠エレメント(14)の管状部分(141)が枠エレメント(14)の内側部分を曲げることにより形成されていることを特徴とする請求項45から請求項47のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項49】
基材(16)の第二の部分(30)がカップ状に形成されていることを特徴とする請求項45から請求項48のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項50】
基材(16)のカップ状第二の部分(30)の高さが、第一の部分(29)または枠エレメント(14)の管状部分(301; 141)の高さに本質的に相当することを特徴とする請求項49に記載の取付け装置。
【請求項51】
基材(16)のカップ状に形成された第二の部分(30)の底部が、管状対象物(27)の収容のための通路を有し、基材(16)のカップ状に形成された第二の部分(30)の底部の少なくとも片側の前記通路領域にビードが形成されていることを特徴とする請求項49または請求項50に記載の取付け装置。
【請求項52】
第二の部分(30)が基材(16)の第一の部分(29)に取付けられ、第一の部分が枠エレメント(14)を介して薄板の部材(15)に取付けられ、枠エレメント(14)が薄板の部材(15)の開口エッジに移動平面(E1)で可動に取付けられるか、または、第二の部分(30)が枠エレメント(14)に移動平面(E1)で可動に取付けられていることを特徴とする請求項43から請求項51のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項53】
第一の部分(29)が基材(16)の第二の部分(30)に、第二の部分が枠エレメント(14)を介して薄板の部材(15)に取付けられていることを特徴とする請求項42に記載かつ、請求項44から請求項50のいずれかに記載の取付け装置。
【請求項54】
移動平面(E1)方向に変位自在な拘束のために、基材(16)の第一の部分(29)がフォーク形状に形成された境界領域(293)を有し、該境界領域(293)が第二の部分(30)の境界領域を取り囲み、両部分の互いに対向する面の間に間隙(17)を維持したままであることを特徴とする請求項53に記載の取付け装置。
【請求項55】
移動平面(E1)方向に変位自在な拘束のために、基材(16)の第二の部分(30)がフォーク形状に形成された境界領域(32)を有し、該境界領域(32)が第一の部分(29)の境界領域を取り囲み、両部分の互いに対向する面の間に間隙(17)を維持したままであることを特徴とする請求項53に記載の取付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2007−537389(P2007−537389A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512090(P2007−512090)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005101
【国際公開番号】WO2005/108754
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(303050078)ラインツーディチュングスーゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005101
【国際公開番号】WO2005/108754
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(303050078)ラインツーディチュングスーゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】
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