説明

取引装置

【課題】縦方向か横方向かという特徴については同一である複数種類のバーコードであっても、取引用媒体の種類を判別できる取引装置を提供する。
【解決手段】バーコードを読取るラインセンサ10と、該ラインセンサ10のCCD20の配列に対して通帳を相対的に垂直方向に移動する搬送ローラーと、前記ラインセンサ10で読取った画像情報に基づいて判定処理を実行する制御部50とを備え、バーコードが印刷された複数種類の通帳を取り扱う通帳取扱装置32であって、前記制御部50は、前記バーコードのバー長手方向の黒画素数に基づいて前記通帳の種類を判定する取引用媒体種別判定処理を実行する通帳取扱装置32。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、通帳その他の取引用媒体を取り扱う取引用媒体取扱装置に関し、特に複数種類の取引用媒体の使用を許容し、各種類の取引用媒体のバーコードの特徴に基づいて使用された取引用媒体を判別するような取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等では、ユーザに対する入出金等の取引に現金自動取引装置(以下、ATMという)が使用されている。このATMは、通帳が使用される取引の際に、通帳に付された磁気ストライプ及び通帳の各頁に印刷されたバーコードから必要な情報を読取る。
【0003】
ここで、通帳に付された磁気ストライプの位置やバーコードの仕様は、金融機関によって異なることがある。また、近年、金融機関の合併および提携が進んでいる。このため、磁気ストライプの位置やバーコードの仕様が異なる複数種類の通帳を、1台のATMで取扱可能にすることが要望されている。
【0004】
複数種類の通帳から情報を読取る方法として、次の2つの方法が提案されている。
まず、通帳の搬送方向に沿って縦型の磁気ストライプが付された通帳と、搬送方向に直交する方向に横型の磁気ストライプが付された通帳とが存在する場合に対応できる方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、縦型の読取りと横型の読取りを順番に試し、読取れた磁気ストライプの位置あるいは読取れたデータのデータ形式により通帳種類を判別する。
【0005】
また、別の方法として、通帳各頁の頁番号などの情報を表すバーコードとして、縦方向の線の組み合わせによるバーコードが印刷された通帳と、横方向の線の組合せによるバーコードが印刷された通帳が存在する場合に対応できる方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法は、読取り成功したバーコードが縦方向か横方向かというバーコードの特徴により通帳種類を判別する。
【0006】
前者の従来技術では、通帳種類を確定する為にそれぞれの磁気ストライプ読取り動作が発生する為、処理時間を要してしまうことがあった。特に、通帳種類は、縦型、横型のタイプの違いに加えて、磁気ストライプの位置の違いもあるため、この位置違いに対応して取り扱う通帳種別を多くすれば、それだけ処理時間が長くなるという問題点があった。
【0007】
また、後者の従来技術では、縦方向のバーコードが複数種類ある場合や、横方向のバーコードが複数種類ある場合に、媒体種類を判別できないことがあった。
【特許文献1】特開平8−7206号公報
【特許文献2】特開2003−196708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述の問題に鑑み、縦方向か横方向かという特徴については同一である複数種類のバーコードであっても、取引用媒体の種類を判別できる取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、バーコードを読取るラインセンサ部と、該ラインセンサ部のCCD配列に対して取引用媒体を相対的に垂直方向に移動する駆動部と、前記ラインセンサ部で読取った画像情報に基づいて判定処理を実行する制御部とを備え、バーコードが印刷された複数種類の取引用媒体を取り扱う取引装置であって、前記制御部は、前記バーコードのバー長手方向の画素量に基づいて前記取引用媒体の種類を判定する取引用媒体種別判定処理を実行する取引装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、縦方向か横方向かという特徴については同一である複数種類のバーコードであっても、取引用媒体の種類を判別できる取引装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、現金自動取引装置30とセンター装置31とで構成される自動取引システム1の接続構成図を示し、図2は取引装置としての通帳取扱装置32の制御部50のブロック図を示し、図3は通帳取扱装置32の構成図を示す。この実施例では、現金自動取引装置30に搭載される通帳取扱装置32に、本発明の判別方法を適用した場合について説明する。
【0012】
自動取引システム1は、図1に示すように、現金自動取引装置30とセンター装置31が通信可能に接続されて構成されている。
現金自動取引装置30は、制御装置33と、この制御装置33に接続された通帳取扱装置32および通信装置34とを備えている。ここで、通帳取扱装置32は、金融機関ごとに発行した通帳への記入などを行う装置である。
センター装置31は、制御装置36と、この制御装置36に接続された通信装置35および記憶装置37とを備えている。
【0013】
この構成により、通帳取扱装置32は、現金自動取引装置30内の制御装置33から通信装置34,35を介して、センター装置31と通信する。通帳の磁気ストライプデータ及び頁バーコード情報は、センター装置31内の記憶装置37内の前回取引データや顧客情報と照合して、整合性が確認される。なお、センター接続をせず現金自動取引装置30内に記憶装置を設けて、単独で整合性を確認する構成でも構わない。
【0014】
図2に示すように、通帳取扱装置32には、頁バーコード情報読取りを行う制御部50が設けられている。この制御部50には、画像センサ制御回路51、CPU52、メモリ53、および回線制御回路54が、それぞれ互いに通信可能に設けられている。
【0015】
回線制御回路54は、上位である制御装置33(図1参照)に接続されている。
画像センサ制御回路51は、ラインセンサ10に接続されている。ラインセンサ10には、複数の画素を一列に備えるCCD20が設けられている。
【0016】
この構成により、画像採取の際に、ラインセンサ10内部のLEDを点灯し、反射光に応じた各画素の出力電圧をCCD20が画像センサ制御回路51に入力する。画像センサ制御回路51は、入力された出力電圧を増幅しAD変換を行い、あらかじめ設定した白と黒レベルを決定する為のしきい値に対する比較により2値化処理し、メモリ53に格納する。このデータ採取して格納する処理を、読取り中に周期的に連続して実行することで、2値画像情報が得られる。CPU52は、この画像情報を解析し、バーコード情報として回線制御回路54を介して上位の制御装置33に送信する。
【0017】
図3は、通帳取扱装置32における、頁バーコード情報及び磁気ストライプデータの読取機構の説明図である。
通帳取扱装置32は、ラインセンサ10、取引用媒体としての通帳40、挿入口41、光学センサ42,43、搬送ローラー44、および磁気ヘッド45,46,47を備えている。
【0018】
頁バーコード情報を読取る場合、通帳40が挿入口41から挿入されると、図示省略するモータ等の駆動部により回転する搬送ローラー44にて通帳40を挿入方向へ搬送する。通帳40の上端部分が媒体有無を検知する光学センサ42の上部にかかると、光学センサ42は媒体有りを検知する。この検知の後に、通帳取扱装置32は、ラインセンサ10での画像採取を開始する。その後、通帳40が光学センサ43の上を通り過ぎると、光学センサ43は媒体有りから無しを検知する。この媒体有りから無しを検知した時点で、ラインセンサ10での画像採取を停止する。
【0019】
ここで画像の上部のみの採取のみであれば光学センサ43が媒体有りを検知した時点で画像採取を停止しても構わない。この場合でも、画像採取する領域内に頁バーコード情報が存在していれば、頁バーコード情報を取得できる。
【0020】
また、挿入された通帳40を一端奥まで取り込んだ後に逆方向(排出方向)に搬送し、光学センサ43の検知で起動し、光学センサ42で画像採取停止する構成にしても構わない。
また、通帳40を停止させ、ラインセンサ10自体を通帳40の挿入方向(あるは排出方向)へ移動することで画像を採取しても構わない。
【0021】
磁気ストライプデータについて、通帳40の搬送方向に沿って付された縦型の磁気ストライプを読取る場合であれば、通帳40を搬送しつつ磁気ヘッド45あるいは磁気ヘッド46を押し上げながら読取るとよい。あるいは、通帳40を停止した状態で磁気ヘッド45,46を通帳40の挿入方向(あるは排出方向)へ押し付けながら移動して読取っても構わない。
【0022】
また、搬送方向に直交する方向に付された横型の磁気ストライプデータを読取る場合であれば、通帳40を停止した状態で磁気ヘッド47を通帳40の挿入方向と直交する方向に移動し、磁気ヘッド47を通帳40に押し付けながら読取るとよい。
【0023】
図4は、4種類の通帳40(40a〜40d)の構成を説明する説明図である。
4種類の通帳40は、いずれも上下開きで同一サイズに形成されており、各頁に設けられて頁数を表す頁バーコード11(11a〜11d)と磁気ストライプ65(65a〜65d)が異なっている。頁バーコード11の位置は、いずれも見開き上側部の上端中央付近に設けられており、磁気ストライプ65は、いずれも見開き下側部に設けられている。
【0024】
図4(A)の通帳40aは、縦長(バー長手方向が縦)のバーが横並び配置された第1型バーコードとしての縦型頁バーコード11aと、縦長で左側に配置された磁気ストライプ65aが設けられている。
図4(B)の通帳40bは、縦長(バー長手方向が縦)のバーが横並び配置された第1型バーコードとしての縦型頁バーコード11bと、横長で下側に配置された磁気ストライプ65bが設けられている。
【0025】
ここで、縦型頁バーコード11aと縦型頁バーコード11bを比較すると、いずれも縦型のバーコードであるが、バー長手方向である縦方向の長さのみが異なっている。つまり、縦型頁バーコード11aは、縦型頁バーコード11bより縦方向の長さが短く構成されている。
【0026】
そして、縦型頁バーコード11a,11bは、縦線の太さで情報が形成されている。縦型頁バーコード11a,11bの太線同士および細線同士はそれぞれ同一である。また、縦型頁バーコード11a,11bは、バーの合計本数も同じである。従って、太い線と細い線の組合せが同じ縦型頁バーコード11aと縦型頁バーコード11bが存在する場合、縦型バーコードで表されたデータの読取り結果としては同じ結果となる。
【0027】
図4(C)の通帳40cは、横長(バー長手方向が横)のバーが縦並び配置された第2型バーコードとしての横型頁バーコード11cと、縦長で右側に配置された磁気ストライプ65cが設けられている。
図4(D)の通帳40dは、横長(バー長手方向が横)のバーが縦並び配置された第2型バーコードとしての横型頁バーコード11dと、横長で通帳40dの下側部の上下方向中央付近に配置された磁気ストライプ65dが設けられている。
【0028】
ここで、横型頁バーコード11cと横型頁バーコード11dを比較すると、いずれも横型のバーコードであるが、バー長手方向である横方向の長さのみが異なっている。つまり、横型頁バーコード11cは、横型頁バーコード11dより横方向の長さが長く構成されている。
【0029】
そして、横型頁バーコード11cと横型頁バーコード11dは、線の本数と線の有る無しのパターンにより情報が形成されている。また、横型頁バーコード11cと横型頁バーコード11dは、バーコードを形成する線間ピッチが同一である。従って、線の有る無しのパターンが同じ横型頁バーコード11cと横型頁バーコード11dが存在する場合、横型バーコードで構成されたデータの読取り結果としては同じ結果となる。
【0030】
このように4種類の通帳40が存在する場合、いずれもサイズが同一であるから通帳取扱装置32の挿入口41に挿入可能である。しかし、現金自動取引装置30を扱うユーザは、挿入する通帳40の種類をあらかじめ入力することをしない。このため、装置にとってはどの通帳が挿入されるかわからない。また、従来のように読取り結果が正常か否かだけでは、同一パターンどうしの判別ができない。つまり、縦型頁バーコード11aと11bを区別できず、横型頁バーコード11cと横型頁バーコード11dも区別できない。これに対して、本実施例では、次の認定方法によってバーコード仕様が同一のパターンであっても種類の違いを判別する。
【実施例1】
【0031】
図5は、図4(A)および図4(B)に示した同一仕様の縦型バーコード通帳(通帳40aおよび通帳40b)において、頁バーコード11a及び頁バーコード11bの特徴から何れが挿入されたのかを判別する実施例1の判別方法を示す説明図である。
【0032】
制御部50は、ラインセンサ10によるスキャン毎にメモリ53に白黒判定結果を格納する(ステップS101)。そして、制御部50は、バーコードが印刷されている領域内におけるスキャン毎に、前記白黒判定で黒判定された黒画素数(画素量)をカウントする。さらに、制御部50は、この黒画素数が認識しきい値としての画素数P1を超えるスキャンが連続する連続スキャン数をカウントする。ここで画素数P1は、最も黒画素数が少ない状態で印字された頁バーコード11a及び頁バーコード11bをスキャンした際の黒画素数よりも小さい画素数に設定されている。
【0033】
制御部50は、取引用媒体種別判定処理を実行し、連続スキャン数(YAまたはYB)と、あらかじめ定義された種別判定しきい値としてのスキャン数しきい値YSとを比較し、連続スキャン数(YB)がスキャン数しきい値YSより大きければ(ステップS102:YES)、通帳タイプが通帳40bであると判定し確定する(ステップS103)。連続スキャン数(YA)がスキャン数しきい値YSより小さければ(ステップS10:NO)、通帳タイプが通帳40aであると判定し確定する(ステップS104)。
【0034】
なお、通帳40aと通帳40bの連続スキャン数は、バーコード高さの仕様とスキャンタイミングにより決まる。この実施例の場合、通帳40aの連続スキャン数が連続スキャン数YAであり、通帳40bの連続スキャン数がスキャン数YBであることから、あらかじめ設定するスキャン数しきい値YSは、両者の中間付近とするのが好ましい。
【0035】
また、この実施例では、連続スキャン数がスキャン数しきい値YSを超えるか否かで通帳タイプを判定しているが、しきい値(例えば画素数P1)を超えるスキャンの開始と終了アドレス情報で通帳タイプを判定してもかまわない。
【実施例2】
【0036】
図6は、図4(C)および図4(D)に示した同一仕様の横型バーコード通帳(通帳40cおよび通帳40d)において、頁バーコード11c及び頁バーコード11dの特徴から何れが挿入されたのかを判別する実施例2の判別方法を示す説明図である。
【0037】
制御部50は、ラインセンサ10によるスキャン毎にメモリ53に白黒判定結果を格納する(ステップS111)。そして、制御部50は、バーコードが印刷されている領域内におけるスキャン毎に、前記白黒判定で黒判定された黒画素数をカウントする。さらに、制御部50は、取引用媒体種別判定処理を実行し、各スキャンの黒画素数のうち最も画素数の多い最大画素数(PCまたはPD)と、あらかじめ定義された種別判定しきい値としての画素数しきい値PSと比較し、最大画素数(PC)が画素数しきい値PSより大きければ(ステップS112:YES)、通帳タイプが通帳40cであると判定し確定する(ステップS113)。最大画素数(PC)が画素数しきい値PSより小さければ(ステップS112:NO)、通帳タイプが通帳40dであると判定し確定する(ステップS114)。
【0038】
なお、通帳40cと通帳40dの最大画素数は、バーコード長さの仕様により決まる。この実施例の場合、通帳40cの黒画素数の最大値が最大画素数PCであり、通帳40dの黒画素数の最大値が最大画素数PDであることから、あらかじめ設定する画素数しきい値PSは両者の中間付近とするのが好ましい。
【実施例3】
【0039】
図7は、1台の通帳取扱装置32で、図4に示した通帳40a、40b、40c、40dの縦バーコードと横バーコードが混在する4種類の媒体種別を判別する場合のフローチャートである。
【0040】
制御部50は、1回の読取り動作によりラインセンサ10でのスキャン毎にメモリ53に白黒判定結果を格納する(ステップS121)。そして、制御部50は、バーコードが印刷されている領域内におけるスキャン毎に、前記白黒判定で黒判定された黒画素数をカウントする。さらに、制御部50は、この黒画素数が画素数P1を超えるスキャンがあるか否か判定し、これにより読取った箇所にバーコードが有るか無いかを判定する(ステップS122)。
【0041】
画素数P1の値は、全種類の通帳40a、40b、40c、40dの内、バーコード仕様上最も横方向の長さが短い値よりも小さい値を設定しておく。例えば、バーコードの無い頁において汚れにより発生すると考えられる画素数の値と、仕様上最も横方向の長さが短い値との中間値を、画素数P1としておくのが好ましい。
【0042】
前記ステップS121のスキャンに画素数P1を超えるスキャンが無い場合(ステップS122:NO)、制御部50は、バーコード無しとして処理を行う(ステップS123)。
【0043】
画素数P1を超えるスキャンが有る場合(ステップS122:YES)、制御部50は、画素数P1を超えるスキャンの連続数をカウントし、連続数が型判定しきい値としての縦横判定しきい値Y1を超えるか判定することで縦型バーコードか横型バーコードかを判定する(ステップS124)。
【0044】
ここで、縦横判定しきい値Y1の値は、横型頁バーコード11c,11dの1本分の縦方向の長さ(つまり1本分の太さ)より大きく、かつ縦型バーコードのうち縦方向の長さが短い通帳40aの縦型頁バーコード11aの連続スキャン数YAよりも小さい値を設定する。この値は、例えば横型バーコード1本分の太さと、短い方の連続スキャン数YAの中間付近とするのが好ましい。
【0045】
縦型バーコードと判定した場合(ステップS124:YES)、制御部50は、取引用媒体種別判定処理を実行し、画素数P1を超えるスキャンの連続スキャン数と、あらかじめ定義したスキャン数しきい値YSとを比較する(ステップS125)。
【0046】
連続スキャン数がスキャン数しきい値YSよりも大きければ、制御部50は、通帳タイプを通帳40bであると判定し確定する(ステップS126)。連続スキャン数がスキャン数しきい値YSよりも小さければ、制御部50は、通帳タイプを通帳40aであると判定し確定する(ステップS127)。
【0047】
一方、前記ステップS124で横型バーコードと判定した場合(ステップS124:NO)、制御部50は、取引用媒体種別判定処理を実行し、最大画素数PC,PDと、あらかじめ定義した画素数しきい値PSとを比較する(ステップS128)。
【0048】
最大画素数PDが大きければ(ステップS128:YES)、制御部50は、通帳タイプが通帳40cであると判定し確定する(ステップS129)。最大画素数PCが小さければ(ステップS128:NO)、制御部50は、通帳タイプが通帳40dであると判定し確定する(ステップS130)。
【0049】
なお、ステップS121において、バーコード領域だけでなく通帳全面をスキャンする構成にし、同時に前回までに記帳された行数を判定する構成にすることができる。この場合、1回の動作で通帳の種別判定、バーコード情報の生成、および記帳行数情報の生成を行うことができる。
【0050】
このようにして通帳種別を判定した後に、図4に示した各通帳40a、40b、40c、40dの表紙に付された磁気ストライプ65a、65b,65c,65dの磁気ストライプデータを、各通帳種別に対応した読取り方法で読取ることができる。これにより、最短の処理時間で他種類の通帳40の読取りが実現可能となる。
【0051】
詳述すると、例えば通帳40aと判別した場合、通帳を搬送しながら磁気ヘッド45を磁気ストライプ65aに押し上げ、磁気ストライプ65aから磁気ストライプデータを読取る。
通帳40cと判別した場合、通帳を搬送しながら磁気ヘッド46を磁気ストライプ65cに押し上げ、磁気ストライプ65cから磁気ストライプデータを読取る。
通帳40bと判別した場合、磁気ストライプ65bが磁気ヘッド47の移動線上となる位置に通帳を停止した状態で磁気ヘッド47を通帳挿入方向と直交する方向に移動し、磁気ストライプ65bに押し付けながら磁気ストライプデータを読取る。
通帳40dと判別した場合、磁気ストライプ65dが磁気ヘッド47移動線上となる位置に通帳を停止した状態で磁気ヘッド47を通帳挿入方向と直交する方向に移動し、磁気ストライプ65dに押し付けながら磁気ストライプデータを読取る。
そして、頁バーコード情報、磁気ストライプデータ、記帳行数情報をセンター装置31内の記憶装置37内の前回取引データや顧客情報と照合し、正常であればその後の記帳処理を行う。
【0052】
以上に説明した各実施例により、同種のバーコードが付されているが通帳としての種別が異なる通帳40a、40bや通帳40c、40dについて、通帳種別を判定することができる。特に実施例3では、4種類の通帳40a、40b、40c、40dのうちどれが挿入されても、いずれの通帳種別であるかを判定することができる。
【0053】
また、ラインセンサ10の視野範囲内のバーコードであれば、一度のスキャン動作で通帳40のバーコード情報を読取り、媒体の種別を判定することができる。従って、従来のように各種別での読取り方式を順番に実行する必要がなく、通帳40の種別判定の処理時間を短縮することができる。
【0054】
また、読取り成功するか否かだけでは正確に通帳種別を判定できないような同種のバーコードが付されている異種の通帳についても、問題なく通帳種別を判定することができる。
【0055】
また、従来のバーコードのタイプの違いによる判定の場合、縦型バーコード同士や横型バーコード同士といった同一タイプのバーコードでは、ともに読取りが正常にできてしまい区別することができなかったが、上述した実施例により、同一タイプのバーコードであっても、通帳40の種別を判定することができる。
【0056】
なお、上述した各実施例では、搬送方向に対して垂直方向に並んだ画像読取用のラインセンサ10により、通帳40を搬送しながらスキャンすることでバーコードの画像情報を取得したが、これに限らず通帳40を固定してラインセンサ10を移動することでバーコードの画像情報を取得してもよい。この場合も、上述した各実施例と同じ処理で通帳40の種別を判定することができる。
【0057】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】自動取引システムの接続構成図。
【図2】通帳取扱装置の制御部のブロック図。
【図3】通帳取扱装置の構成図。
【図4】4種類の通帳の構成を説明する説明図。
【図5】実施例1の判別方法を示す説明図。
【図6】実施例2の判別方法を示す説明図。
【図7】実施例3で4種類の媒体種別を判別する場合のフローチャート。
【符号の説明】
【0059】
10…ラインセンサ、11…頁バーコード、11a,11b…縦型頁バーコード、11c,11d…横型頁バーコード、32…通帳取扱装置、40(40a,40b,40c,40d)…通帳、44…搬送ローラー、50…制御部、P1…画素数、Y1…縦横判定しきい値、YS…スキャン数しきい値、PS…画素数しきい値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを読取るラインセンサ部と、該ラインセンサ部のCCD配列に対して取引用媒体を相対的に垂直方向に移動する駆動部と、前記ラインセンサ部で読取った画像情報に基づいて判定処理を実行する制御部とを備え、バーコードが印刷された複数種類の取引用媒体を取り扱う取引装置であって、
前記制御部は、
前記バーコードのバー長手方向の画素量に基づいて前記取引用媒体の種類を判定する取引用媒体種別判定処理を実行する
取引装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記バーコードの一方向の黒画素数が認識しきい値以上であるスキャンが該一方向と直交する方向に型判定しきい値以上連続するか否かにより第1型バーコードか第2型バーコードかを判定するバーコード種別判定処理を実行し、
その後に前記取引用媒体種別判定処理を実行する
請求項1記載の取引装置。
【請求項3】
バーコードを読取るラインセンサ部と、ラインセンサ部のCCD配列に対し取引用媒体を相対的に垂直方向に移動する駆動部と、
画像情報の2値化処理を行う制御部及びバーコードの特徴を区別する為のしきい値情報を格納するメモリを備え、バーコードが印刷された複数種類の取引用媒体を取り扱う取引装置であって、
前記ラインセンサ部のCCD配列方向と垂直方向のバーの組合せで形成された同型のバーコードを持つ複数種類の取引用媒体を取り扱う場合に、
前記駆動部により前記ラインセンサ部と前記バーコードを前記CCD配列方向と垂直方向に相対的に移動して連続的にスキャンを行い、
該スキャンで取得した前記CCD配列方向の黒画素数が認識しきい値を超えるスキャンが連続する列数と、予め前記メモリに記憶された種別判定しきい値とを比較することで取引用媒体の種別を判定する
取引装置。
【請求項4】
バーコードを読取るラインセンサ部と、ラインセンサ部のCCD配列に対し取引用媒体を相対的に垂直方向に移動する駆動部と、画像情報の2値化処理を行う制御部及びバーコードの特徴を区別する為のしきい値情報を格納するメモリを備え、バーコードが印刷された複数種類の取引用媒体を取り扱う取引装置であって、
前記ラインセンサ部のCCD配列方向と水平方向のバーの組合せで形成された同型のバーコードを持つ複数種類の取引用媒体を取り扱う際に、
前記駆動部により前記ラインセンサ部と前記バーコードを前記CCD配列方向と垂直方向に相対的に移動して連続的にスキャンを行い、
該スキャンで取得した前記CCD配列方向の黒画素数と、予め前記メモリに記憶された種別判定しきい値とを比較することで取引用媒体の種別を判定する
取引装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−310386(P2008−310386A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154852(P2007−154852)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】