説明

取鍋からのスラグの除滓方法

【課題】スラグを短時間で除滓することができるようにする。
【解決手段】取鍋内のスラグを機械的に除滓するに際して、取鍋に設置するスラグ除滓用バブリング孔に関し、第1領域10内にスラグ除滓用バブリング孔を1つ以上設置すると共に、第2領域11内に、スラグ除滓用バブリング孔を1つ以上設置し、さらに、取鍋の縦横比を1.5以下としてき、スラグ3を機械的に除滓するときには、スラグ除滓用バブリング孔から吹き込むガス流量の合計を適正化すると共に、ガス流量比も適正化し、第1領域10及び第2領域11以外の第3領域12におけるガス流量の合計を第1領域10及び第2領域11の合計の1/4以下にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取鍋からのスラグの除滓方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、製鋼工場では、高炉から出銑した溶銑を取鍋に装入し、この溶銑に対して脱硫などの溶銑予備処理を行ったり、脱りん処理、脱炭処理などの一次精錬や二次精錬を行うことが一般的である。溶銑予備処理、一次精錬、二次精錬などの処理では、取鍋内に装入した溶銑や溶鋼に石灰等の精錬剤を添加して処理を実施しており、この処理ではスラグが生成する。各処理で生成したスラグは、次の工程において反応効率を低下させる虞があるため、次の処理前にスラグを取り除くスラグ排滓処理を行う。スラグ除滓処理を効果的に行う方法は様々開発されてきており、特許文献1〜3に示すような技術がある。
【0003】
特許文献1には、溶湯容器内の溶融金属及び溶融スラグから溶融スラグを分離除去する方法において、溶湯容器の底部若しくは側壁に設置したポーラスプラグを介して又は溶湯容器の上部開口から溶融金属中にガスを導入し、溶融金属中を浮上する気泡の流れによって溶融スラグを選択的に溶融金属から排出する特徴とするスラグの除去方法が開示されている。
【0004】
特許文献2には、溶銑鍋又は溶鋼鍋等を傾動せしめた状態で鍋底部に設けた通気性煉瓦により不活性ガスを吹き込みスラグを鍋上縁排出口より排出することを特徴とするスラグ排出方法が開示されている。
特許文献3には、傾転した容器内溶融金属に浸漬ランスを介して気体同伴処理材を吹き込むスラグを生成させると共に、該溶融金属内を浮上する気泡の作用で該溶融金属内に旋回流れを形成させ、生成スラグを該旋回流れにのせて容器の一端に浮上集積させつつ、該生成スラグを容器外へ掻き出す溶融金属のスラグ除去方法が開示されている。
【0005】
なお、スラグの除去を目的とするものではないが、精錬用の取鍋に関する技術、特に取鍋にポーラスプラグを設置したものとして特許文献4〜7に示すものが開示されている。
特許文献4には、底部にガス吹き込み用のプラグ、上部に取鍋底部側壁と同心円上に3本の通電加熱用電極を備えた精錬用取鍋であって、前記プラグは前記精錬用取鍋の底部を2分割した一方に偏在させて複数配置され、かつ、前記プラグが配置される取鍋底部側壁の内径(D)と該取鍋底部側壁と同心である前記プラグが配置される直径(d)との関係が、d/D=0.50〜0.80を満足し、さらに、前記プラグが配置される直径(d)と電極の中心を通る円の直径(A)との関係が、d>1.5Aを満足することを特徴とする溶鋼の精錬用取鍋が開示されている。
【0006】
特許文献5には、取鍋底部に不活性ガス吹込み用のポーラスプラグを配設した取鍋脱ガス処理装置において、複数のポーラスプラグを、前記取鍋の中心からの水平距離が該取鍋半径の1/2以上となる様な位置に弧状に配設し、該弧の中心角が60〜270度となる様に構成してなることを特徴とする取鍋脱ガス処理装置が開示されている。
特許文献6には、底部にガス吹き用の吹込みプラグを2つ以上有する溶鋼精錬用取鍋であって、前記吹込みプラグの設置される取鍋底部の側壁の内径をDとしたときに、隣接する吹込みプラグの中心間の距離が、D/6以上D/4以下であることを特徴とする溶鋼精錬用取鍋が開示されている。
【0007】
特許文献7には、底壁中心に底吹プラグを備えた溶融金属精錬用取鍋において、底壁中心から底壁半径の0.35倍の同心円範囲以内に第2の底吹プラグを設置したことを特徴
とする溶融金属精錬用取鍋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭57−060181号公報
【特許文献2】特公昭49−007769号公報
【特許文献3】特開昭61−246305号公報
【特許文献4】特許第3721872号公報
【特許文献5】特開平05−311229号公報
【特許文献6】特開2010−070815号公報
【特許文献7】特許第3305951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3では、溶融金属(溶湯)内にガスを吹き込み、ガスの気泡によってスラグを排出することが開示されている。とはいえ、特許文献1〜3の技術では、ガスを吹き込むポーラスプラグ等の位置が特定されておらず、単にガスを吹き込むことを主眼としたものとなっており、取鍋から効果的にスラグが排出されるか甚だ疑問である。
さて、特許文献4〜7には、ガスを吹き込むポーラスプラグの位置が開示されているものの、これらの技術は、精錬効率を考慮してポーラスプラグの位置を定めたものであり、スラグを排滓するときの状況を考慮して位置設定はなされていない。
【0010】
即ち、特許文献1〜7の技術を用いても、ガスを吹き込んでスムーズにスラグを排滓方向に移動させ、移動したスラグを短時間で排滓することはできなかったのが実情である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、スラグ除滓用バブリング孔の配置、スラグ除滓用バブリング孔から吹き込むガス流量及び取鍋の縦横比を適正にすることによって、スラグを短時間で除滓することができる取鍋からのスラグの除滓方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の技術的手段は、取鍋内のスラグを機械的に除滓するに際して、前記取鍋に設置するスラグ除滓用バブリング孔に関し、前記取鍋の底面を平面視して底面の中心を原点とし、スラグの除滓方向をx軸方向(除滓方向がマイナス)とし、x軸と直交する方向をy方向としたとき、式(1)〜(3)を満たす第1領域内に、前記スラグ除滓用バブリング孔を1つ以上設置すると共に、式(4)〜(6)を満たす第2領域内に、前記スラグ除滓用バブリング孔を1つ以上設置し、さらに、前記取鍋の縦横比を1.5以下としてき、前記スラグを機械的に除滓するときには、前記スラグ除滓用バブリング孔から吹き込むガス流量の合計を式(7)に満たすようにし、ガス流量比を式(8)を満たすようにし、前記第1領域及び第2領域以外の第3領域におけるガス流量の合計を式(9)を満たすようにすることを特徴とする。
【0012】
【数1】

【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スラグ除滓用バブリング孔の配置、スラグ除滓用バブリング孔から吹き込むガス流量及び取鍋の縦横比を適正にすることによって、スラグを短時間で除滓することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】スラグドラッガーでスラグを機械的に排滓する図である。
【図2】側面視で不活性ガスの流れを示す図である。
【図3】平面視で裸湯形状を示す図である。
【図4】スラグ除滓用バブリング孔の個数を変化させたときのスラグ流れ図である。
【図5】実機におけるスラグ除滓用バブリング孔の設置位置を示す図である。
【図6】水モデルにおける流量と実機における流量との関係図である。
【図7】水モデルでのスラグの状況を示した図である。
【図8】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第1図である。
【図9】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第2図である。
【図10】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第3図である。
【図11】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第4図である。
【図12】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第5図である。
【図13】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第6図である。
【図14】水モデルにおけるスラグ除滓用バブリング孔の設置位置を示す図である。
【図15】実機におけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第1図である。
【図16】実機におけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第2図である。
【図17】実機におけるスラグ除滓用バブリング孔の位置を示す第3図である。
【図18】取鍋の縦横比と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係図である。
【図19】不活性ガスを吹き込むときの取鍋の傾動角度と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係図である。
【図20】第1領域及び第2領域のガス流量の合計と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係図である。
【図21】第1領域及び第2領域のガス流量比と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係図である。
【図22】第3領域のガス流量と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係図である。
【図23】スラグドラッガーにてスラグを掻き出す際の取鍋1の傾動角度と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係図である。
【図24】実機において実施例及び比較例での除滓速度と、溶湯の歩留との関係図である。
【図25】スラグの粘度と、第1領域及び第2領域の合計流量との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の取鍋からのスラグの除滓方法について説明する。
製鋼工場では、高炉から出銑した溶銑を取鍋に装入し、この溶銑に対して脱硫などの溶銑予備処理を行ったり、脱りん処理、脱炭処理などの一次精錬や二次精錬を行うことが一般的である。
溶銑予備処理、一次精錬、二次精錬などの処理では、取鍋内に装入した溶銑や溶鋼に石灰等の精錬剤を添加して処理を実施していて、この処理ではスラグが生成する。各処理で生成したスラグは、次の工程において反応効率を低下させる虞があるため、次の処理前に取り除くスラグ排滓処理を行う。なお、説明の便宜上、溶銑と溶鋼とをまとめて溶湯ということがある。
【0016】
図1に示すように、スラグ排滓処理では、取鍋1(溶銑を装入したり溶鋼を装入する容器)内の溶湯2に浮かぶスラグ3に対してスラグドラッガー4などの除滓装置を用いて、スラグ3を機械的に除去している。それに加え、本発明では、スラグ排滓処理を行うに際して、短時間で取鍋1内のスラグ3の残留量を減少することができるように、取鍋1に設置するスラグ除滓用バブリング孔5の位置、スラグ除滓用バブリング孔5から吹き込むガス流量などを適正化している。なお、図1は、溶銑用の取鍋を例示したものである。
【0017】
以下、取鍋(溶銑鍋)からのスラグの除滓方法について詳しく説明する。
スラグ除滓処理では、取鍋1を傾動した後、取鍋1に設置したスラグ除滓用バブリング孔5から不活性ガスを吹き込み、溶湯2に浮くスラグ3を除滓側の鳥口7(排滓側の開口部)へ移動させ(排滓方向にスラグ3を動かす)、排滓方向に移動してきたスラグ3をスラグドラッガー4にて掻き出すことになる。スラグ3を排滓する場合には、溶湯2に浮くスラグ3を出来るだけ、烏口7に移動させることが良いが、スラグ除滓用バブリング孔5の位置によって不活性ガスの浮上挙動が異なり、これにより、スラグ3の動きも変化する。以下、説明の便宜上、スラグドラッガー4から見て、烏口7を手前側、烏口7とは反対側を奥側ということがある。
【0018】
図2に示すように、不活性ガスの浮上挙動を側面視で見たとき、不活性ガスが取鍋1の円筒部(胴部)8に当たって奥側から手前側に向かうケース1と、不活性ガスが取鍋1の胴部8に当たらずにスラグ3用バブリング孔からそのまま上昇を続けるケース2とがある。ケース1では、不活性ガスが胴部8にあたってから向きを変えて奥側から手前側へ向かうため、スラグ3は不活性ガスへ押されて手前側に向かいやすい。一方、ケース2であっても、取鍋1を傾動したとき不活性ガスが中心部9よりも奥側に上がる場合であれば、ス
ラグ3は不活性ガスに押されて手前側に向かい易い。なお、図2(a)は、溶鋼用の取鍋の場合を示し、図2(b)は、溶銑用の取鍋の場合を示している。
【0019】
また、図3に示すように、平面視でスラグ3の移動状態(スラグ3除去処理時において湯面上の状況)を見たとき、スラグ3と溶銑との分かれ方(裸湯形状)は、湯面上において溶湯2とスラグ3との境界部分が一様となる一様パターン(楕円型、直線型)と、境界部分が山型となる山型パターン(反楕円型、W型)と、境界部分が谷型となる谷型パターン(分離型)との3つのパターンとなる。
【0020】
図3に示すように、奥側から手前側に向けてスラグ3をスラグドラッガー4によって掻き出す場合、スラグ3は奥側にあるよりも手前側に一様に移動するほどスラグ3を掻き出し易い。そのため、裸湯形状が一様パターンとなる楕円型や直線型では、スラグ3が奥側から手前側に移動し、烏口7とスラグ3の境界部分との最大距離も短いため、スラグ3の除滓を考えたとき、除滓時間は短くなる。
【0021】
一方、裸湯形状が山型パターンとなる反楕円型やW型では、スラグ3は奥側から手前側に移動するものの一部のスラグ3は中心部よりも奥側になることがあり、その結果、一様パターンに比べて少し排滓時間は長くなる傾向にある。また、裸湯形状が谷型パターンとなる分離型では、烏口7と境界部分との最大距離が最も長く、さらに、スラグ3が分離してしまうため最も排滓時間は長くなる。
【0022】
ここで、スラグ除滓用バブリング孔5の位置と個数とを考慮することとする。図4に示すように、スラグ除滓用バブリング孔5を奥側に1つ設置した場合は、裸湯形状が山型パターンになり易く、奥側に2つ設置した場合は、一様パターンになり易く、奥側に3つ設置した場合は、山型パターンになることもある。
以上をまとめると、スラグ除滓用バブリング孔5に不活性ガスを吹き込んだ時に、裸湯形状が一様パターンになるように、スラグ除滓用バブリング孔5の位置や個数を設定することが必要である。
【0023】
発明者らは、スラグ除滓用バブリング孔5から不活性ガスを吹き込んだときに一様パターンになるようなスラグ除滓用バブリング孔5の位置について、様々な実験等により検証を行った。
その結果、図5に示すように、取鍋1の底面(底部)を平面視して底面の中心を原点とし、スラグ3の除滓方向をx軸方向とし、x軸と直交する方向をy方向としたとき、式(1)〜(3)を満たす第1領域10内にスラグ除滓用バブリング孔5を少なくとも1つ以上設置すると共に、式(4)〜(6)を満たす第2領域11内に、スラグ除滓用バブリング孔5を少なくとも1つ以上設置することによって、各領域に設置したそれぞれのスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込む不活性ガスの気泡によりスラグ3の移動をスムーズにし、裸湯形状を一様パターンにすることができる。x軸方向に関しては、除滓方向と反対方向をプラス(+)とすることとしていて、除滓方向はマイナス(−)となる。図5に示す「●」又は「○」は、スラグ除滓用バブリング孔5を示している。以下、取鍋1を平面視した各図において「●」は、スラグ除滓用バブリング孔5を示している。
【0024】
【数2】

【0025】
つまり、式(1)に示すラインAと、式(2)に示すラインCと、式(3)に示すラインD、取鍋1の内縁Eとで囲まれた第1領域10内に1個以上のスラグ除滓用バブリング孔5を設置する。また、式(4)に示すラインA’と、式(5)に示すラインC’と、式(6)に示すラインD’、取鍋1の内縁Eとで囲まれた第2領域11内に1個以上のスラグ除滓用バブリング孔5を設置する。
【0026】
ここで、ラインA及びA’は、取鍋1を傾動していないときは、取鍋1の中心部9よりも手前側に位置するものの、取鍋1を傾動させたときに不活性ガスが奥側のスラグ3を手前側に移動できるかどうかの限界位置である。ラインC及びC’、ラインD及びD’は、それぞれ山型パターンや谷型パターンにならない限界位置である。
さて、上述したように、第1領域10や第2領域11内にスラグ除滓用バブリング孔5を設置することによって、裸湯形状を一様パターンとしスラグ3を手前側に集めることができることが期待できる。
【0027】
スラグ除滓用バブリング孔5を適正に設置した場合であっても、当該スラグ除滓用バブリング孔5から吹き込む不活性ガスの流量はスラグ3の移動に影響を与えることが考えられる。そこで、発明者らは、第1領域10や第2領域11内に設置したスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込む不活性ガスの流量も様々な角度から検証を行った。
その結果、スラグ除滓用バブリング孔5から吹き込むガス流量の合計を式(7)に満たすようにすることが良い。
【0028】
【数3】

【0029】
式(7)は、第1領域10内のスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込む不活性ガスの流量と、第2領域11内のスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込む不活性ガスの流量との合計が上下限値を示したものである。スラグ3の種類、即ち、スラグ3の粘度によってスラグ3の移動しやすさが変化するため、下限値はスラグ3の粘度に関連付けた数値とし
ている。ガス流量の合計が下限値を下回ってしまうと、裸湯の領域が小さく、スラグ3が手前側に十分に寄ることがなく、除滓効率が低下してしまう虞がある。
【0030】
一方、ガス流量の合計を大きくするとスラグ3が移動し易くなるものの、上限値を超えてしまうと、不活性ガスを吹き込んだ時に湯面(浴面)の変動が大きくなり、スプラッシュが頻発して操業が難しくなったり、鉄歩留が低下することがある。また、スラグ3が溶湯2に巻き込まれてしまいスラグ3中のM-Fe濃度が高くなり、その結果、大気による酸化によってスラグ3中のFeO濃度が増加して鉄歩留が低下する。スラグ3と溶湯2とが反応してしまい復硫が発生したりスラグ3フォーミングが発生することがあり、この点でも、操業が難しくなったり、復硫によって後処理による反応を低下させてしまう要因となる。したがって、ガスの流量の合計は、式(7)を満たす必要がある。
【0031】
なお、スラグ3の粘度μは、式(A)によって求めることができ、この粘度μの求め方は、「溶融スラグ・ガラスの粘性、アグネ技術センター、東京、2003、p68−69,p119−121、p124−125」の文献に記載されている。
【0032】
【数4】

【0033】
上述したように、ガスの流量の合計が式(7)を満たしたとしても、第1領域10のスラグ除滓用バブリング孔5からのガス流量と、第2領域11のスラグ除滓用バブリング孔
5からのガス量とに大きな偏りがあると、一様パターンになりにくいことがある。第1領域10のスラグ除滓用バブリング孔5からのガス量と第2領域11のスラグ除滓用バブリング孔5からのガス量とが一致(同じ)であることが理想的な状態ではあるが、第1領域10のガス量と第2領域11のガス量との比であるガス流量比が式(8)を満たすようにすれば、問題なく一様パターンにすることができる。
【0034】
【数5】

【0035】
上述したように、第1領域10や第2領域11にスラグ除滓用バブリング孔5を適正に配置して、適正に不活性ガスを吹き込むことによって、スラグ3を一様に手前側に移動させることができる。
さて、第1領域10や第2領域11以外の第3領域12にスラグ除滓用バブリング孔5を配置した場合、第3領域12のスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込まれた不活性ガスによってスラグ3の移動が妨げられる可能性がある。しかしながら、仮に、第3領域12にスラグ除滓用バブリング孔5を設置したとしても、第3領域12に配置したスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込まれた不活性ガスによってスラグ3の移動を阻害しない程度であれば、第3領域12にスラグ除滓用バブリング孔5を設置してもよい。即ち、本発明では、第3領域12におけるスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込んだガス流量の合計が式(9)を満たせば、問題ないとしている。
【0036】
【数6】

【0037】
式(9)に示すように、第3領域12のスラグ除滓用バブリング孔5からのガス流量が、第1領域10及び第2領域11のスラグ除滓用バブリング孔5からのガス流量の1/4以内であれば、第3領域12のスラグ除滓用バブリング孔5の影響もなく第1領域10及び第2領域11のスラグ除滓用バブリング孔5のガスによってスラグ3を手前側に移動させることができる。
【0038】
さて、取鍋1には様々な形状があり、取鍋1の形状によっても不活性ガスの浮上挙動が異なる。そこで、上述したように、スラグ除滓用バブリング孔5の位置、スラグ除滓用バブリング孔5から吹き込むガス流量の規定に加え、本発明では、取鍋1の適正な形状を規定するために取鍋1の縦横比(高さと幅の比)を1.5以下としている。即ち、取鍋1において取鍋1内の底面(底部)から上端までの直線距離をl(エル)とし、取鍋1の半径(内壁から中心部9までの平均半径)をrとしたとき、縦横比であるl(エル)/2rの値が1.5以下となる取鍋1を対象としている。縦横比が1.5よりも大きい場合、縦長の取鍋1となるため不活性ガスが中心部に寄りやすく、奥側にスラグ3が残留し易い。したがって、縦横比は1.5以下としている。
【0039】
以上まとめると、スラグ除滓用バブリング孔5に関し、式(1)〜(3)を満たす第1領域10内にスラグ除滓用バブリング孔5を1つ以上設置すると共に、式(4)〜(6)を満たす第2領域11内にスラグ除滓用バブリング孔5を1つ以上設置し、さらに、取鍋1の縦横比を1.5以下としてき、スラグ3をスラグドラッガー4などによって機械的に除滓するときには、第1領域10及び第2領域11のスラグ除滓用バブリング孔5から吹き込むガス流量の合計を式(7)に満たすようにし、ガス流量比を式(8)を満たすよう
にし、第3領域12におけるガス流量の合計を式(9)を満たすようにしている。
【0040】
ここで、スラグ除滓用バブリング孔5から不活性ガスを吹き込む際には、取鍋1の傾動角度αを6°以上10°以下にしている。傾動角度αが小さく6°未満であるとき、不活性ガスを吹き込んだとしても奥側にスラグ3が残り易く、傾動角度αが大きく10°よりも大きいと溶湯2がこぼれ落ちる可能性がある。そのため、不活性ガスを吹き込むときの取鍋1の傾動角度αは6°〜10°の領域としている。
【0041】
スラグ3を手前側に移動し、スラグドラッガー4などで移動したスラグ3を外側に掻き出すときは、さらに、取鍋1の傾動角度αを15°以上45°以下にしている。通常、取鍋1の搬送時や攪拌精錬時に溶湯2が外側に、こぼれないように取鍋1のフリーボード(溶湯2から取鍋1上端までの直線距離)を500mm以上に設定している。そのため、取鍋1内のスラグ3を外側へ掻き出すには、少なくとも取鍋1の傾動角度αを15°以上にする必要がある。一方、傾動角度αを大きくし過ぎると、手前側から奥側までの距離が長くなり、スラグドラッガー4で奥側にあるスラグ3を掻き出し難くなると共に除滓時間も長くなる。また、不活性ガスが中心部に寄りやすくなるため、スラグ3が山型パターンになり易い。このようなことを考えると、取鍋1の傾動角度αの限界は45°であり、スラグドラッガー4でスラグ3を掻き出すときの傾動角度αは15〜45°の領域にすることが必要である。
【実施例】
【0042】
表1〜8は、水モデルを用いて本発明の方法にてスラグ3を除滓した実施例と、本発明とは異なる方法にてスラグ3を排滓した比較例とをまとめたものである。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
【表8】

【0051】
まず、水モデルについて説明する。
水モデルでは、取鍋1を模した容器に、スラグ除滓用バブリング孔5を模したポーラスプラグを設置する。また、容器の傾動角度を0°の状態で当該容器に溶湯2を模した水と、スラグ3を模したスラグ3模擬剤(低密度ポリエチレン)を入れる。その後、ポーラス
プラグからガスを吹き込んで、容器の傾動角度を20°、30°、40°にしてスラグ3模擬剤(低密度ポリエチレン)を観察した。水モデルにてガスを吹き込むにあたっては、図6に示すように、2gHs/Um2(Hs:スラグ3の厚み、Um2:鉄−スラグ3界面での鉄平均流速[m2/s])の相似を仮定して流量を決定した。裸湯率を、裸湯率=水の面積÷(水の面積+スラグ模擬剤の面積)とし、手前からスラグ3と水とが分かれる境界部での最大距離を求めた。なお、その他の水モデルの実験条件は、表9の通りである。
【0052】
【表9】

【0053】
実施例及び比較例において、第1領域10及び第2領域11にポーラスプラグ(スラグ除滓用バブリング孔5)が配置されている状況を適否「○」とした。x1、y1は、第1領域10において1つめのポーラスプラグの設置座標を示し、x2、y2は、2つめのポーラスプラグを設置座標を示している。x’1、y’1は、第2領域11において1つめのポーラスプラグの設置座標を示し、x’2、y’2は、2つめのポーラスプラグを設置座標を示している。x’’1、y’’1は、第3領域12において1つめのポーラスプラグの設置座標を示し、x’’2、y’’2は、2つめのポーラスプラグを設置座標を示している。
【0054】
(x1y1)は、第1領域10において、1つめのポーラスプラグからのガス流量を示し、Q(x2y2)は、2つめのポーラスプラグからのガス流量を示している。Qtotal(1)は、第1領域10のガス流量の合計を示している。Q(x'1y'1)は、第2領域11において、1つめのポーラスプラグからのガス流量を示し、Q(x'2y'2)は、2つめのポーラスプラグからのガス流量を示している。Qtotal(2)は、第2領域11のガス流量の合計を示している。Q(x''1y''1)は、第3領域12において、1つめのポーラスプラグからのガス流量を示し、Q(x''2y''2)は、2つめのポーラスプラグからのガス流量を示している。Qtotal(3)は、第3領域12のガス流量の合計を示している。
【0055】
水モデルの実施例及び比較例において、図7(a)及び(b)に示すように、手前側に低密度ポリエチレンが集まり、スラグ3と水との状況が図3に示したような一様パターンであれば、合格「○」とし、山型パターンや谷型パターン、旋回流が発生してスラグ3が回転した場合は不合格「×」とした。また、第1領域10及び第2領域11にポーラスプラグ(スラグ除滓用バブリング孔5)が配置されている状況を適否「○」とした。
【0056】
図8〜13は、水モデルの実施例及び比較例において第1〜第3領域に設置したポーラスプラグの位置を示したものである。図14は水モデルの実施例及び比較例におけるポーラスプラグの設置をまとめたものである。
図7〜14及び表に示すように、実施例では、ポーラスプラグを第1領域10及び第2領域11に設置して、適正な流量でガスの吹き込みを行うと、裸湯形状が一様パターンとなり、スラグ3が手前に移動することから非常にスラグ3の除滓がスムーズに行うことができると考えられる。裸湯形状が一様パターンとなるとき、裸湯率は20%以上を超えている。一方、比較例では、ポーラスプラグが第1領域10及び第2領域11外であったり、ガスの吹き込み量が適正でないと、裸湯形状が山型や谷型になることが多く、裸湯率も
20%未満となり、最大距離も実施例に比べて長くなる傾向にある。
【0057】
このように、水モデルの結果を見てみると、裸湯形状、裸湯率、最大距離は、取鍋1の形状(縦横比)、スラグ除滓用バブリング孔5(ポーラスプラグ)の位置、ガス流量に大きな影響を受けることが分かる。
発明者らは、このような水モデルの結果を踏まえ、実機に本発明に規定したスラグ除滓用バブリング孔5(ポーラスプラグ)の位置、ガス流量(不活性ガスの流量)について検証を行った。実機における実施条件は、表10に示す通りとした。
【0058】
【表10】

【0059】
表11〜19は、実機を用いて本発明の方法にてスラグ3を除滓した実施例と、本発明とは異なる方法にてスラグ3を排滓した比較例とをまとめたものである。
【0060】
【表11】

【0061】
【表12】

【0062】
【表13】

【0063】
【表14】

【0064】
【表15】

【0065】
【表16】

【0066】
【表17】

【0067】
【表18】

【0068】
【表19】

【0069】
実機では、スラグ除滓用バブリング孔5(ポーラスプラグ)を設置した取鍋1に、高炉処理、脱珪処理(脱Si)、脱硫処理(脱S)、脱りん処理(脱P)、脱炭処理(転炉)、二次精錬処理(溶鋼)のいずれかの処理を行った後の溶湯2を装入した。その後、傾動角度α=0〜15°の領域内で取鍋1を傾け、この状態でポーラスプラグ5から0.38
〜3.5NL/min/tの窒素(不活性ガス)を吹き込み、スラグ3を移動させた。そして、さらに、傾動角度α=15〜48°の領域内で取鍋1を傾けて、スラグドラッガー4にてスラグ3を排滓した。目視にて裸湯率が90%以上となった時点でスラグドラッガー4による排滓を終了し、取鍋1の傾動角度αを0°として取鍋1の傾動を終了した。なお、除滓時間は、傾動角度α=0〜15°の領域内で取鍋1を傾けて不活性ガスを吹き込んでから取鍋1の傾動を終了するまでの間とした。実機における表に示したパラメータは表20の通りである。なお、Zmi は、取鍋を水平にしたとき(傾けていないとき)の溶湯浴面からポーラスプラグ5までの垂直距離である。Hmi は、取鍋を傾動したときの溶湯浴面からポーラスプラグ5までの垂直距離である。
【0070】
【表20】

【0071】
図15〜17は、実機での実施例及び比較例において第1〜第3領域12に設置したポーラスプラグ5の位置を示したものである。図5は実機での実施例及び比較例におけるポーラスプラグ5の設置をまとめたものである。
図15〜17及び表に示すように、実施例では、ポーラスプラグ5を第1領域10及び第2領域11に設置して、適正な流量でガスの吹き込みを行うと、裸湯形状が一様パターンとなり、スラグ3が手前に移動することから非常にスラグ3の除滓がスムーズに行うことができ、除滓時間も6分以内とすることができた。実機においても水モデルと同様に裸湯形状が一様パターンとなるとき、裸湯率は20%以上を超えている。一方、比較例では、ポーラスプラグ5が第1領域10及び第2領域11外であったり、ガスの吹き込み量が適正でないと、裸湯形状が山型や谷型になることが多く、裸湯率も20%未満となり、最大距離も実施例に比べて長くなる傾向にある。
【0072】
図18は、取鍋1の縦横比と、除滓速度又は溶湯2歩留との関係をまとめたものである。縦横比が1.5よりも大きくなると、不活性ガスのガス気泡が湯面の中心部などに寄り易くスラグ3が残留してしまい、除滓速度が低下した。一方、縦横比が1.5以内であれば、溶湯2の歩留、除滓速度共に高い結果が得られた。
図19は、不活性ガスを吹き込むときの取鍋1の傾動角度と、除滓速度又は溶湯2歩留との関係をまとめたものである。傾動角度αが6°未満では奥側にスラグ3が残留することに起因して除滓速度が急激に低下した。また、傾動角度が10°を超えると、不活性ガスを吹き込んだ時に湯面安定までに時間が掛かった。また、溶銑飛散による鉄ロスも多く、溶湯2の歩留、除滓速度共に低下した。一方、傾動角度が6〜10°では、溶湯2の歩留、除滓速度共に高い結果が得られた。
【0073】
図20は、第1領域10及び第2領域11のガス流量の合計と、除滓速度又は溶湯2歩留との関係をまとめたものである。スラグ3の粘性に比べて合計のガス流量が小さすぎると除滓速度が低く、合計のガス流量が5.6NL/min/tを超えて大きすぎても溶湯
2の飛散による鉄ロスも多く、湯面が安定しないこともあり、溶湯2の歩留、除滓速度共に低下した。一方、スラグ3状態(粘度)に応じて必要最小量以上のガス流量を流せば、溶湯2の歩留、除滓速度共に高い結果が得られた。
【0074】
図21は、第1領域10及び第2領域11のガス流量比と、除滓速度又は溶湯2歩留との関係をまとめたものである。第1領域10と、第2領域11とのどちらか一方のガス流量が大き過ぎてバランスが悪いと、除滓速度や溶湯2の歩留が低下することがあった。ガス流量比は、最適な領域があり、式(8)を満たす領域では、溶湯2の歩留、除滓速度共に高い結果が得られた。なお、第1領域10のガス流量と第2領域11のガス流量とが同じであるとき、即ち、ガス流量比が1であるときが除滓速度も溶湯2の歩留も最も良い結果を得られた。
【0075】
図22は、第3領域のガス流量と、除滓速度又は溶湯の歩留との関係をまとめたものである。第3領域12にポーラスプラグ5があり不活性ガスを吹き込むと、当該不活性ガスによってスラグ3の移動を阻害するため好ましくないが、式(9)に示すように、第1領域10や第2領域11のガス流量の合計に比べて、第3領域12のガス流量が1/4以下であれば、除滓速度も溶湯2の歩留も低下することが無かった。
【0076】
図23は、スラグドラッガー4にてスラグ3を掻き出す際の取鍋1の傾動角度と、、除滓速度又は溶湯2歩留との関係をまとめたものである。上述したように、フリーボードを500mm以上に設定されているため、少なくともスラグドラッガー4で排滓するときの傾動角度を15°にしないとスラグ3を掻き出すことができない(未処理)。一方、取鍋1を傾動し過ぎて傾動角度を45°よりも大きくしてしまうと、スラグドラッガー4による除滓処理が非常に難しくなり、除滓時間が長くなる。
【0077】
図24は、実機において実施例及び比較例での除滓速度と、溶湯2の歩留との関係をまとめたものである。図24に示すように、本発明の規定を満たす実施例は、本発明の規定を満たさない比較例に比べ、除滓速度も溶鉄の歩留も非常に向上させることができた。なお、スラグの粘度μと第1領域10と第2領域11との流量の合計との関係は図25となった。
【0078】
以上、本発明によれば、スラグ除滓用バブリング孔5の配置、スラグ除滓用バブリング孔5から吹き込むガス流量を適正にすることによって、スラグ3を短時間で除滓することができる。実機における実施例では、除滓時間を6分以内とし、除滓終了後の取鍋1内のスラグ3の残留量を0.15kg/tにすることができ、除滓速度、歩留、除滓率も比較例に比べて非常に向上させることができた。
【0079】
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する領域を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【符号の説明】
【0080】
1 取鍋
2 溶湯
3 スラグ
4 機械除去装置
5 スラグ除滓用バブリング孔
7 鳥口
8 円筒部(胴部)
9 中心部
10 第1領域
11 第2領域
12 第3領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取鍋内のスラグを機械的に除滓するに際して、
前記取鍋に設置するスラグ除滓用バブリング孔に関し、前記取鍋の底面を平面視して底面の中心を原点とし、スラグの除滓方向をx軸方向(除滓方向がマイナス)とし、x軸と直交する方向をy方向としたとき、式(1)〜(3)を満たす第1領域内に、前記スラグ除滓用バブリング孔を1つ以上設置すると共に、式(4)〜(6)を満たす第2領域内に、前記スラグ除滓用バブリング孔を1つ以上設置し、さらに、前記取鍋の縦横比を1.5以下としてき、
前記スラグを機械的に除滓するときには、前記スラグ除滓用バブリング孔から吹き込むガス流量の合計を式(7)に満たすようにし、ガス流量比を式(8)を満たすようにし、前記第1領域及び第2領域以外の第3領域におけるガス流量の合計を式(9)を満たすようにすることを特徴とする取鍋からのスラグの除滓方法。
【数7】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−53363(P2013−53363A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194278(P2011−194278)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(506029255)フェストアルピネ シュタール ゲーエムベーハー (11)
【氏名又は名称原語表記】VOESTALPINE STAHL GMBH
【住所又は居所原語表記】VOESTALPINE−STRASSE 3, A−4020 LINZ, AUSTRIA
【Fターム(参考)】