説明

受信装置、受信装置の制御方法、制御プログラム、及び記録媒体

【課題】ファイルの復号に必要な数のパケットを取得済みとなった後に、受信部の機能が維持されることによって生じる無駄な電力消費を抑える。
【解決手段】携帯電話機1は、デジタル放送波を受信してシンボルを取得する受信部4と、受信部4が取得済みのシンボルからファイルの復号が可能か判断するシンボル情報管理部25と、シンボル情報管理部25が、ファイルの復号が可能と判断したときに、受信部4の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御部27とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤り訂正用のパケットを付加して冗長化されたパケット群を受信する受信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送を受信して録画する録画機器は、放送波の受信状況が良好でないときに録画を行うと、良好な再生を行うことのできない録画データを生成することがある。例えば、デジタル放送でテレビ番組を受信している際に、放送波の受信状態が悪化し、映像出力が停止したり、ブロックノイズが発生したりすることがある。
【0003】
このようなときに録画されたデータを再生したときには、映像が停止し、ブロックノイズが発生する。音声も同様であり、録画時の受信状態によっては、音声出力が停止する、音声が途切れる等により、聴き取りが困難となることがある。また、さらに受信状態が悪化した場合、記録された映像や音声の内容が全く認識できなくなることもある。
【0004】
また、近年では、デジタル放送を受信及び録画することのできる携帯型の端末装置が広く普及している。このような端末装置では、放送波の受信状態が刻一刻と変化する。このため、例えば、トンネルや建物などの遮蔽物によって放送波が遮られる位置に移動したときに録画を行っていた場合、録画した映像にブロックノイズが発生していたり、音声が途切れていたりすることがある。また、ユーザが移動していない場合であっても、電車のような遮蔽物が付近を通過することによって、放送波が遮られることもある。
【0005】
このように、従来から、デジタル放送を受信及び録画したときの受信状態によって、録画データの映像・音声品質が劣化するという問題がある。そこで、このような問題を解決するため、様々な技術が提案されている。
【0006】
例えば、下記の特許文献1には、録画したコンテンツに録画状態の悪い部分が含まれている場合に、そのコンテンツが再放送されたときに、再放送コンテンツを録画することが記載されている。そして、先に録画していたコンテンツの録画状態の悪い部分を、新たに録画した再放送コンテンツの同じ部分で置き換えることが記載されている。
【0007】
また、放送波を利用したファイルキャスティングサービスでは、ファイルを複数のパケットに分割して送信するが、放送波の受信中に受信感度が安定しない場合を想定し、ファイルの情報欠損を補償するための誤り訂正符号を付与してファイルを送信することも検討されている。誤り訂正符号を用いることにより、ファイルの一部(一部のパケット)が受信不良等によって欠損した場合であっても、ファイルを復号することが可能になる。
【0008】
しかしながら、誤り訂正符号による誤り訂正にも限界があり、受信感度が余りに不良な状態で録画された場合には、ファイルを復号することができなくなる。そこで、放送波を利用したファイルキャスティングサービスでは、1つのファイルについて、誤り訂正用のパケットを含むパケット群の配信を複数回行うという運用が想定されている。
【0009】
これにより、1回目の配信の受信時にパケットの欠損が生じてファイルを復号できなかった場合であっても、2回目以降に配信されるパケットを受信することにより、欠損したパケットを誤り訂正で補完してファイルを復号することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−67305号公報(2010年3月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、誤り訂正によって欠損ファイルを補完する場合には、所定数のパケットを受信した時点でファイルの復号が可能になるため、2回目以降の配信では、パケット群の全てを受信する必要はない場合がある。
【0012】
しかしながら、従来は、ファイルの復号が可能になる時点を特定する技術が知られていなかったため、ファイルの復号に必要なパケットを受信した後も、受信機能が維持されることによって無駄な電力消費が生じるおそれがあった。
【0013】
なお、特許文献1は、記録済みのコンテンツの一部分を、記録済みの再放送コンテンツの対応部分で置き換えるものであり、特許文献1の構成では、ファイルの復号が可能になる時点を特定する必要性は生じない。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファイルの復号に必要な数のパケットを記録済みとなった後に、受信機能が維持されることによって生じる無駄な電力消費を抑えることのできる受信装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明の受信装置は、ファイルを複数のパケットに分割すると共に誤り訂正用のパケットを付加して冗長化したパケット群を搬送波で送信する処理を、一つのファイルにつき複数回実行するサービスから、上記パケットを受信して記録する受信装置であって、上記搬送波から上記パケットを取得する受信部と、上記受信部が取得済みのパケットから上記ファイルを復号することが可能か判断する復号要件判断手段と、上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の受信装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、ファイルを複数のパケットに分割すると共に誤り訂正用のパケットを付加して冗長化したパケット群を搬送波で送信する処理を、一つのファイルにつき複数回実行するサービスから、上記パケットを受信して記録する受信装置の制御方法であって、上記受信装置は、上記搬送波から上記パケットを取得する受信部を備え、上記受信部が取得済みのパケットから上記ファイルを復号することが可能か判断する復号要件判断ステップと、上記復号要件判断ステップで、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、受信部が取得済みのパケットから上記ファイルを復号することが可能か判断する。そして、ファイルの復号が可能と判断したときに、受信部の少なくとも一部の機能を停止させる。
【0018】
したがって、ファイルの復号に必要な数のパケットを記録済みとなった後に、受信部の機能が維持されることによって生じる無駄な電力消費を抑えることができるという効果を奏する。
【0019】
なお、取得済みのパケットからファイルを復号することが可能か否かの判断方法は特に限定されない。例えば、取得済みのパケットからファイルの復号を試行し、復号に成功するか否かによってファイルを復号することが可能かを判断してもよい。
【0020】
また、停止させる受信部の機能は、その機能の停止によって消費電力が低減されるものであればよい。例えば、搬送波を同調または復調する機能を停止してもよいし、復調で得られるデータからパケットを取得する機能を停止してもよく、これら機能を全て停止してもよい。
【0021】
また、上記受信装置は、上記受信部が取得して自装置に記録されたパケット数を示す記録済パケット数情報を生成するパケット情報管理手段を備え、上記復号要件判断手段は、上記パケット情報管理手段が生成した記録済パケット数情報と、上記ファイルの復号に必要な記録済みのパケット数を示す必要パケット数情報とを参照して、上記ファイルの復号が可能か判断することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、受信部が取得して自装置に記録されたパケット数を示す記録済パケット数情報を生成する。そして、この記録済パケット数情報と、ファイルの復号に必要な記録済みのパケット数を示す必要パケット数情報とを参照して、ファイルの復号が可能か判断する。
【0023】
したがって、取得済みのパケットからファイルの復号を試行する等の処理を行うことなく、ファイルの復号が可能か判断することができる。
【0024】
なお、記録済パケット数情報の生成方法は、特に限定されない。例えば、記録済パケット数情報は、記録されているパケットの数をカウントして生成してもよい。また、例えば、パケットの記録時に記録済みパケット数のカウント値を更新することによって、記録済パケット数情報を生成してもよい。
【0025】
そして、必要パケット数情報の取得方法も、特に限定されない。例えば、必要パケット数情報がパケットの付加情報として受信されている場合には、付加情報を参照することにより取得することができる。また、上記サービス等に問い合わせを行って、必要パケット数情報を取得してもよい。
【0026】
また、上記受信装置は、上記パケット群の冗長化率を検出し、検出した冗長化率から上記必要パケット数情報を生成する冗長化率検出手段を備えていることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、パケット群の冗長化率を検出し、検出した冗長化率から必要パケット数情報を生成するので、必要パケット数情報を取得できない場合であっても、これを受信装置で生成することができる。
【0028】
なお、冗長化率は、ファイルを分割して得られるパケット数に対する、当該ファイルを復号するために必要なパケット数(ファイルを分割して得られるパケット数と、誤り訂正用のパケット数との和)の割合で表される。
【0029】
したがって、必要パケット数情報は、検出した冗長化率に、ファイルを分割して得られるパケット数を乗じることによって、生成することができる。なお、ファイルを分割して得られるパケット数は、パケットの付加情報から特定してもよいし、上記サービス等に問い合わせを行って特定してもよい。
【0030】
また、上記受信装置は、記録済みのパケットを示す記録済パケット情報を参照して、上記受信部が取得したパケットが記録済みであるか否かを判断する記録済判断手段と、上記受信部が取得したパケットのうち、上記記録済判断手段が記録済みと判断したパケットを記録せず、上記記録済判断手段が記録済みではないと判断したパケットを記録する記録手段とを備えていることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、記録済パケット情報を参照して、取得したパケットが記録済みであるか否かを判断し、記録済みと判断したパケットを記録せず、記録済みではないと判断したパケットを記録する。したがって、記録済みのパケットを記録するという無駄な処理の発生を防ぐことができると共に、記録領域が無駄に使用されることを防ぐことができる。
【0032】
なお、記録済パケット情報は、例えば、パケットを記録するときに、記録するパケットを特定する情報(識別情報)を記録しておくことによって生成することができる。この場合、受信したパケットを特定する情報が、記録済みパケット情報に含まれているか否かによって、記録済みか否かを判断することができる。
【0033】
また、上記受信装置は、上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部が取得済みの上記パケットから、上記ファイルを復号するファイル生成手段を備えていることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、ファイルの復号が可能と判断したときに、受信部が取得済みのパケットからファイルを復号するので、パケット群に含まれる全パケットの受信が完了する前に、ファイルを復号することが可能になる。
【0035】
また、上記受信装置は、上記サービスが2回目以降に上記パケット群を送信するタイミングを特定する送信タイミング特定手段を備え、上記受信制御手段は、上記受信部があるパケット群の各パケットの取得を終了した時点で、上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能でないと判断している場合に、上記送信タイミング特定手段が特定した次のパケット群の送信タイミングまでの少なくとも一部の期間において、上記受信部の動作を停止させることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、あるパケット群の各パケットの取得を終了した時点で、ファイルの復号が可能でないと判断している場合に、次のパケット群の送信タイミングまでの少なくとも一部の期間において、受信部の動作を停止させる。
【0037】
したがって、パケット群の送信が行われておらず、ファイル復号のためのパケットを受信する必要のない期間における消費電力を低減することができる。なお、2回目以降にパケット群が送信されるタイミングは、例えばパケットの付加情報から特定してもよいし、上記サービス等に問い合わせを行って特定してもよい。
【0038】
また、上記受信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記受信装置の各手段として動作させることにより、上記受信装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0039】
以上のように、本発明の受信装置は、搬送波からパケットを取得する受信部と、上記受信部が取得済みのパケットからファイルを復号することが可能か判断する復号要件判断手段と、上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御手段とを備えている構成である。
【0040】
また、本発明の受信装置の制御方法は、上記受信装置は、搬送波からパケットを取得する受信部を備え、上記受信部が取得済みのパケットからファイルを復号することが可能か判断する復号要件判断ステップと、上記復号要件判断ステップで、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御ステップとを含む構成である。
【0041】
したがって、ファイルの復号に必要な数のパケットを記録済みとなった後に、受信部の機能が維持されることによって生じる無駄な電力消費を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態にかかる携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】上記携帯電話機が利用するファイルキャスティングサービスで送信されるシンボルを説明する図である。
【図3】上記携帯電話機が、記録済みの上記シンボルを管理するために使用するシンボル管理情報の一例を示す図である。
【図4】上記携帯電話機が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
【0044】
〔携帯電話機1の構成〕
まず、本実施形態の携帯電話機(受信装置)1の構成について図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態の携帯電話機1の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、携帯電話機1は、記憶部2、制御部3、受信部4、及びアンテナ5を備えている。
【0045】
なお、携帯電話機1は、これらの構成の他にも、表示部、音声出力部、音声入力部、通信部等の一般的な携帯電話機と同様の構成を備えているが、これらの構成の図示は省略している。
【0046】
携帯電話機1は、通話や電子メールの送受信等の一般的な携帯電話機と同様の機能を有していると共に、ファイルをパケットとして受信し、受信したパケットに含まれるシンボルを復号してファイルを生成する機能を有している。
【0047】
詳細については以下で説明するが、携帯電話機1は、ファイルの復号に必要な数のパケットを受信し、これらのパケットに含まれるシンボルが記録済みとなったときに、パケットの受信機能を停止する点が主な特徴点である。これにより、パケットの受信が必要なくなった状態において、受信機能が維持されることによって生じる無駄な電力消費を抑えることができる。
【0048】
記憶部2は、携帯電話機1で使用するデータを記憶するものである。図示の記憶部2には、シンボルを格納するシンボル格納部11と、シンボルから生成されるファイルを格納するファイル格納部12が含まれている。なお、シンボルとファイルは、別の記憶部に記録してもよい。
【0049】
制御部3は、携帯電話機1の動作を統括して制御するものであり、放送スケジュール管理部(送信タイミング特定手段)21、追加取得検出部(記録済判断手段)22、冗長化率検出部(冗長化率検出手段)23、記録処理部(記録手段)24、シンボル情報管理部(復号要件判断手段、パケット情報管理手段)25、ファイル生成部(ファイル生成手段)26、及び受信制御部(受信制御手段)27を含む。
【0050】
放送スケジュール管理部21は、受信した放送が初回放送であるか、2回目以降の放送であるかを判断する。また、2回目以降の放送スケジュールを取得する。なお、初回放送であるか2回目以降の放送であるか、また、2回目以降の放送スケジュールは、受信したパケットの付加情報(例えばヘッダー情報)から特定する。なお、パケットの送信元等に問い合わせを行うことによって、これらの特定を行ってもよい。
【0051】
追加取得検出部22は、受信したパケットが記録済みであるか否かを判断する。より詳細には、受信したパケットに含まれるシンボルがシンボル格納部11に記録済みであるか否かを判断する。そして、記録済みではないと判断した場合には、このシンボルを記録処理部24に記録させ、記録済みであると判断した場合には、このシンボルを破棄する。なお、受信したシンボルが記録済みであるか否かは、シンボル情報管理部25に問い合わせ、この問い合わせの結果から判断する。
【0052】
冗長化率検出部23は、受信したパケット群(シンボル群)の冗長化率を検出する。そして、検出した冗長化率から、ファイルを復号するために必要なシンボル数を算出する。具体的には、受信したパケットの付加情報から、冗長化率とファイルを構成するシンボル数を検出する。そして、検出した冗長化率とシンボル数の積を、ファイルを復号するために必要なシンボル数として算出する。
【0053】
記録処理部24は、受信したシンボルのうち、シンボル格納部11に記録されていないシンボルを記憶部2に記録する。なお、初回放送の受信時には、受信したシンボルの全てが未記録であるため、これら全てを記録する。一方、再放送の受信時には、追加取得検出部22が未記録と判断したシンボルを記録する。
【0054】
シンボル情報管理部25は、シンボル格納部11に記録されている記録済みのシンボルを管理する。そして、記録済みのシンボルを管理するためのシンボル管理情報を用いて、ファイルの復号に必要な数のシンボルを記録済みであるか判断する。なお、シンボル管理情報については後述する。
【0055】
ファイル生成部26は、シンボル情報管理部25が、ファイルの復号に必要な数のシンボルを記録済みであると判断した後、シンボル格納部11に記録されているシンボルからファイルを復号し、復号したファイルをファイル格納部12に記録する。
【0056】
受信制御部27は、チューナ31、復調部32、及び信号分離部33の動作を停止(または休止)させることによって、受信部4の機能を停止させる。これにより、携帯電話機1の消費電力が低減される。なお、消費電力が低減されるのであれば、これらの一部のみを動作停止させてもよい。
【0057】
より詳細には、受信制御部27は、シンボル情報管理部25が、ファイルの復号に必要な数のシンボルを記録済みであると判断したときに、受信部4の機能を停止させる。また、あるパケット群の受信を終了した時点で、ファイルの復号ができなかった場合に、次のパケット群の送信タイミングまでの期間、受信部4の機能を停止させる。
【0058】
受信部4は、放送波から制御部3の処理対象となる信号を抽出するものであり、チューナ31、復調部32、及び信号分離部33を含む。アンテナ5は、放送波を受信するものであり、受信した放送波は受信部4に送られる。なお、ここでは、アンテナ5がデジタルテレビ放送波を受信するものである例を説明するが、他のデジタル放送波を受信するものであっても構わない。
【0059】
ここで、デジタル放送波は、いわゆるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調されている。このため、チューナ31は、アンテナ5で受信したデジタルテレビ放送波を同調して復調部32に出力し、復調部32は、入力された放送波の特定の周波数のデータを復調して信号分離部33に出力する。
【0060】
そして、信号分離部33は、復調部32から入力されるデジタル信号から必要な信号を分離して、制御部3に出力する。なお、デジタル放送は、映像サービス、音声サービス、データ放送サービス、及びファイルキャスティングサービス等の複数のサービスで構成され、これらのサービスが多重化されたトランスポートストリームとして配信される。
【0061】
このため、信号分離部33は、このようなトランスポートストリームから所望のサービスのパケットを抽出する。例えば、信号分離部33は、映像サービスのパケットを分離して制御部3に送信する。そして、このパケットに含まれるシンボルが、記憶部2に記憶されて、ファイルに復号される。
【0062】
〔ファイルキャスティングサービスについて〕
携帯電話機1が利用するファイルキャスティングサービスで配信されるファイルと、それを構成するソースシンボルと、パリティシンボルとの関係について、並びにファイルキャスティングサービスの方式について、図2に基づいて説明する。図2は、携帯電話機1が利用するファイルキャスティングサービスで送信されるシンボルを説明する図である。なお、同図では1つのシンボルを1つの立方体で示している。
【0063】
携帯電話機1が利用するファイルキャスティングサービスでは、図示のように、配信対象となるファイル(例えば1つの映像コンテンツ)を複数のソースシンボルに分割する。次に、冗長化のためのパリティシンボルを生成し、これをソースシンボルに対してランダムにインターリーブする。
【0064】
また、各シンボルには、そのシンボルを特定する識別情報が付与される。この識別情報は、シンボルを一意に特定できるものであればよく、特に限定されないが、ここでは各シンボルに固有の番号を識別情報として付与する。ただし、生成するパリティシンボルには、同一内容のものが含まれており、同一内容のパリティシンボルには同一の番号が付与される。
【0065】
ここで、上記パリティシンボルは、誤り訂正符号を含み、対応するソースシンボルが欠損したときに、上記の誤り訂正符号を用いてそのソースシンボルを補完する誤り訂正用のシンボルである。つまり、図示の例では、ファイルを構成する5個のソースシンボルの一部が受信されなくとも、受信されていないソースシンボルをパリティシンボルで補完することができれば、ファイルを復号することができる。
【0066】
そして、このようにして生成されたソースシンボルとパリティシンボルを、各放送回の何れを受信する場合であっても、その放送回で送信される全てのシンボルが受信されたときには、ファイルを復号することができるようなシンボル群に分ける。図示の例では、先頭から6個を1回目に送信するシンボル群とし、次の6個を2回目、最後の6個を3回目に送信するシンボル群としている。
【0067】
なお、ファイルキャスティングでは、各シンボルをそれぞれ1つのパケットに格納して送信する。つまり、コンテンツのファイルを、ソースシンボルが格納されたパケットと、パリティシンボルが格納された誤り訂正用のパケットとを含む一連のパケット群として送信する。
【0068】
このようにして送信されるパケット群を受信した携帯電話機1では、各パケットに含まれるシンボルを復号することによって、ファイルを得ることができる。より詳細には、各放送回の何れを受信する場合であっても、その放送回で送信される全てのシンボルが受信されたときには、ファイルを復号することができる。
【0069】
具体的には、図示の例において、1回目のファイルキャスティングで送信されるのは、1つのソースシンボルと5つのパリティシンボルの、合わせて6個のシンボルであるが、これらを全て受信した場合には、ファイルを復号することができる。2回目以降も同様である。
【0070】
つまり、この例では、ソースシンボルは5個であるが、6個のシンボルを受信することによって、この5個のソースシンボルに対応するファイルを復号することができる。ここでは、ファイルを構成するシンボルの個数に対する、ファイルを復号するために受信する必要のあるシンボルの個数の割合を冗長化率と呼ぶ。例えば、図示の例における冗長化率は、6÷5×100=120(%)と表すことができる。また、6÷5=1.2と表してもよい。
【0071】
ここで、1回目のファイルキャスティングで受信できなかったシンボルがある場合には、2回目以降のファイルキャスティングで送信されるシンボルを受信して、受信できなかったシンボルを補完することによって、ファイル復号が可能になる。
【0072】
より詳細には、2回目以降のファイルキャスティングで送信されるシンボルのうち、これまでに受信していなかったシンボルを受信し、受信したシンボルの個数(重複して受信したものを除く)が、6個に達したときに、ファイル復号が可能になる。
【0073】
携帯電話機1が利用するファイルキャスティングサービスでは、冗長化率を示す情報、及びソースシンボル数を示す情報を、各パケットの付加情報として記述して送信する。また、各シンボルの番号についても、各パケットの付加情報として記述している。なお、付加情報は、パケットのヘッダー等に記述可能である。
【0074】
このため、冗長化率検出部23は、受信したパケットの付加情報からこれらの情報を読み出して、ファイル復号に必要なシンボル数を特定する。例えば、上記の例では、冗長化率(120%)×ソースシンボル数(5個)÷100=6個のシンボルを受信する必要があることを特定する。
【0075】
また、シンボル情報管理部25は、受信したパケットのヘッダーから読み出したシンボルの番号を記録し、追加取得検出部22は、受信したパケットのヘッダーから読み出したシンボルの番号から、該シンボルを記録するか否かを判断する。
【0076】
〔シンボルの管理について〕
シンボル情報管理部25は、例えば図3に示すようなシンボル管理情報を生成してシンボルの管理を行ってもよい。図3は、シンボル情報管理部25が記録済みのシンボルを管理するために使用するシンボル管理情報の一例を示す図である。
【0077】
図示のシンボル管理情報は、ファイル復号に必要なシンボル数を示す必要シンボル数、記録済みのシンボル数を示す記録済シンボル数、及び記録済みのシンボルのシンボル番号を含んでいる。
【0078】
これらの情報のうち、必要シンボル数は、冗長化率検出部23から通知され、シンボル番号は、記録処理部24から通知される。また、記録済シンボル数は、記録処理部24からシンボル番号が通知されたときに、記録済みシンボル数のカウント値を更新することによって取得する。
【0079】
シンボル情報管理部25は、受信するファイルごとにこのようなシンボル管理情報を生成することにより、そのファイルを復号するに足るシンボルが受信済みであるか否かを判断することができる。
【0080】
ここで、上述のように、各シンボルは、それぞれ1つのパケットに格納された状態で受信される。このため、上記必要シンボル数は、ファイル復号に必要なパケット数を示す必要パケット数情報と言うこともできる。また、上記記録済シンボル数は、記録済みのパケット数を示す記録済パケット数情報と言うこともできる。そして、記録済みのシンボルのシンボル番号は、記録済みのパケットを示す記録済パケット情報と言うこともできる。
【0081】
なお、上記シンボル管理情報を予め記憶しておき、復号の対象となるファイルのシンボルの記録状況に合わせて、このシンボル管理情報を更新するようにしてもよい。また、記録済シンボル数は、記録済シンボル数が必要となるタイミングで、記憶されているシンボル番号の数、またはシンボル格納部11に格納されているシンボルの数をカウントすることによって特定してもよい。
【0082】
〔処理の流れ〕
次に、携帯電話機1が実行する処理の流れを図4に基づいて説明する。図4は、携帯電話機1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ファイルキャスティングサービスからのファイルの取得が開始されたときに開始される。また、ここでは、初回放送の受信時の処理を先に説明し、次に再放送受信時の処理を説明する。
【0083】
(初回放送受信時)
まず、放送スケジュール管理部21は、初回放送の受信か、再放送の受信かを判定する(S1)。なお、ここでは、ファイルキャスティングサービスがヘッダーに放送スケジュールを示す情報を記述したパケットを送信することを想定している。このため、放送スケジュール管理部21は、受信したパケットのヘッダーを参照して、初回放送の受信であるか判断する。
【0084】
また、このヘッダーには、2回目以降の放送スケジュールを示す情報も記述されているので、放送スケジュール管理部21は、この情報も読み出す。なお、放送スケジュールを示す情報とは、2回目以降の放送が行われるタイミング(例えば、放送の時刻または放送までの待ち時間)を示す情報である。
【0085】
S1では、放送スケジュール管理部21は、初回放送の受信であると判定(S1でYES)し、その旨を冗長化率検出部23と記録処理部24に通知する。
【0086】
初回放送を受信した旨の通知を受けた冗長化率検出部23は、受信したパケットのヘッダーを参照して冗長化率を検出する(S2)。また、このときに、冗長化率検出部23は、受信したパケットのヘッダーを参照して、ファイルを構成するソースシンボル数も検出する。そして、検出した冗長化率及びソースシンボル数からファイル復号に必要なシンボル数を算出し(S3)、算出したシンボル数をシンボル情報管理部25に通知する。
【0087】
一方、初回放送を受信した旨の通知を受けた記録処理部24は、初回放送で送信される全てのパケットを、受信部4の信号分離部33から受信し、各パケットに含まれるシンボルを記憶部2に記録する。また、記録処理部24は、記録したシンボルのシンボル番号をシンボル情報管理部25に通知する。
【0088】
次に、冗長化率検出部23からシンボル数を通知され、記録処理部24からシンボル番号を通知されたシンボル情報管理部25は、シンボル管理情報を生成する(S5)。具体的には、通知されたシンボル番号と、通知されたシンボル番号の数から特定される記録済みシンボル数と、冗長化率検出部23から通知されたシンボル数(必要シンボル数)から、図3のようなシンボル管理情報を生成して記憶する。
【0089】
続いて、シンボル情報管理部25は、生成したシンボル管理情報を参照して、ファイルの復号が可能であるか判断する(S6、復号要件判断ステップ)。具体的には、記録済シンボル数が、必要シンボル数に達している場合には復号可能と判断し、達していない場合には復号不能と判断する。
【0090】
ここで、復号可能と判断した場合(S6でYES)には、シンボル情報管理部25は、受信制御部27に指示して受信部4の機能を停止させる(S7、受信制御ステップ)。これにより、携帯電話機1の消費電力は低下する。
【0091】
また、シンボル情報管理部25は、ファイル生成部26に指示して、記憶部2に格納されているシンボルからファイルを復号させて(S8)、処理を終了する。なお、復号に必要なシンボルが格納されていれば、ファイルへの復号はいつでも行うことができるので、復号に必要なシンボルが格納された時点で処理を終了してもよい。この場合、例えば、ファイルキャスティングサービスが提供されていない時間帯にファイルへの復号を行ってもよい。
【0092】
一方、復号不能と判断した場合(S6でNO)には、シンボル情報管理部25は、放送スケジュール管理部21に、次の放送タイミングを問い合わせる。この問い合わせを受信した放送スケジュール管理部21は、次の放送が行われるタイミング(放送時刻または放送までの時間等)を、シンボル情報管理部25に通知する。
【0093】
そして、タイミングを通知されたシンボル情報管理部25は、受信制御部27に指示して、通知されたタイミングまでの期間、受信部4の機能を停止させる(S9)。受信制御部27が受信停止状態を解除し、受信部4が次回放送の受信を開始すると、処理はS1に戻る。
【0094】
なお、次回放送を受信するまでの期間中に、他の放送を受信することも考えられるので、この期間の全てで受信停止状態とする必要はない。また、次回放送開始後、すぐに受信を開始することができるように、受信制御部27は、受信部4が受信可能な状態となるまでのマージンを考慮して、受信停止状態を解除することが好ましい。
【0095】
(再放送受信時)
再放送(2回目以降のファイルキャスティング)受信時には、放送スケジュール管理部21は、受信したパケットのヘッダーを参照して、再放送の受信であると判定(S1でNO)し、その旨を追加取得検出部22に通知する。
【0096】
再放送を受信した旨の通知を受信した追加取得検出部22は、受信部4の信号分離部33から1つ目のパケットを受信して、このパケットに含まれるシンボルを取得し(S10)、そのシンボルが取得済みであるか判定する(S11)。具体的には、追加取得検出部22は、受信したシンボルのシンボル番号をシンボル情報管理部25に通知して、このシンボル番号のシンボルが記録済みであるか問い合わせる。
【0097】
ここで、シンボル情報管理部25からの問い合わせ結果が記録済みであった場合(S11でYES)、追加取得検出部22は、このシンボルを破棄し(S12)、S16の処理に進む。一方、問い合わせ結果が未記録であった場合(S11でNO)、追加取得検出部22は、記録処理部24に指示して、このシンボルをシンボル格納部11に記録させる(S13)。
【0098】
次に、シンボルを記録した記録処理部24は、記録したシンボルのシンボル番号をシンボル情報管理部25に通知し、この通知を受信したシンボル情報管理部25は、シンボル管理情報を更新する(S14)。具体的には、シンボル情報管理部25は、通知されたシンボル番号をシンボル管理情報に追加し、記録済みシンボル数を1だけ増加させる。
【0099】
続いて、シンボル情報管理部25は、更新したシンボル管理情報を参照して、ファイルの復号が可能であるか判断する(S15、復号要件判断ステップ)。ここで、復号不能と判断した場合(S15でNO)には、その旨を追加取得検出部22に通知して、処理はS16に進む。
【0100】
一方、復号可能と判断した場合(S15でYES)には、シンボル情報管理部25は、受信制御部27に指示して受信部4の機能を停止させる(S7、受信制御ステップ)。これにより、携帯電話機1の消費電力は低下する。また、ファイル生成部26に指示して、記憶部2に格納されているシンボルからファイルを復号させて(S8)、処理を終了する。なお、ファイルを復号させずに処理を終了してもよいことは、前述の通りである。
【0101】
S16では、追加取得検出部22は、受信を開始した放送回におけるシンボルの受信が終了したか判断する。なお、各放送回で送信されるシンボルの総数は、例えば受信したパケットのヘッダー等に記述される付加情報を参照する等によって特定することができる。このため、破棄したものを含めて受信したシンボルの数をカウントしておくことによって、シンボルの受信を終了したか否かを判断することができる。
【0102】
ここで、受信が終了していないと判断した場合(S16でNO)、追加取得検出部22は、S10に戻って次のシンボルを受信する。一方、受信が終了していると判断した場合(S16でYES)、追加取得検出部22は、その旨をシンボル情報管理部25に通知する。
【0103】
この通知を受信したシンボル情報管理部25は、放送スケジュール管理部21に、次の放送タイミングを問い合わせる。そして、受信制御部27に指示して、放送スケジュール管理部21から通知されたタイミングまでの期間、受信部4の機能を停止させる(S17)。受信制御部27が受信停止状態を解除し、受信部4が次回放送を受信開始すると、処理はS1に戻る。
【0104】
なお、全ての放送回の受信が終了している場合には、放送スケジュール管理部21はその旨をシンボル情報管理部25に通知する。そして、シンボル情報管理部25は、受信に失敗した旨を表示する等してユーザに通知し、処理を終了する。
【0105】
また、上記の例では、S9、S17で受信停止状態としているが、これらの処理は省略することもできる。ただし、S9、S17の処理により、ファイルキャスティングが行われていない期間の携帯電話機1の消費電力を低減することができるので、S9、S17の処理は行うことが望ましい。
【0106】
〔変形例〕
上記実施形態では、シンボル情報管理部25が、冗長化率検出部23から通知される必要シンボル数だけシンボルを受信したと判断したときに、復号を行う例を示したが、この例に限られない。
【0107】
例えば、ファイル生成部26は、再放送受信時には、パケットの受信毎に、そのパケットに含まれるシンボルと、受信済みのシンボルとから復号の試行を行うようにしてもよい。そして、復号に失敗した場合には、次のパケットを受信し、復号に成功した場合には、パケットの受信を終了して、受信部4を動作停止させる。
【0108】
このような構成とした場合であっても、復号が可能になった後もパケットの受信状態が継続することによる無駄な電力消費が発生することを防ぐことができる。なお、この構成では、ファイル生成部26がファイルの復号に必要な数のパケットを記録済みであるか判断する復号要件判断手段として機能することになる。このため、この構成では、追加取得検出部22、冗長化率検出部23、及びシンボル情報管理部25を省略することができる。
【0109】
また、上記実施形態では、受信するパケットの付加情報に、放送回、放送スケジュール、冗長化率、ファイルを構成するシンボル数等の情報が含まれている例を示したが、これらの情報は他の方法で取得してもよい。例えば、ファイルキャスティングサービス等のこれらの情報を保持している機器に問い合わせを行うことによって、これらの情報を取得してもよい。
【0110】
そして、上記実施形態では、携帯電話機1を例示して説明を行ったが、本発明は、冗長化されたパケットで送信されるコンテンツを受信する任意の受信装置に適用することができる。この受信装置は、据え置き型の装置であってもよいが、電池等の限られた電力供給源によって動作し、省電力化の要請が強い携帯型の装置であることが好ましい。具体例を挙げれば、携帯型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistance)等に好適に適用できる。
【0111】
また、上記実施形態では、デジタル放送を受信する例を示したが、本発明は、通信を利用したストリーミング放送等にも適用可能である。そして、パケットの伝送媒体は、冗長化されたパケットを送信できるものであれば放送波に限られず、有線の伝送媒体であっても無線の伝送媒体であってもよい。例えば、上記受信装置は、インターネット回線で送信される冗長化したパケットを受信するものであってもよい。
【0112】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0113】
〔制御部3の構成例〕
最後に、携帯電話機1の各ブロック、特に制御部3は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0114】
後者の場合、携帯電話機1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、携帯電話機1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0115】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0116】
また、携帯電話機1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、冗長化されたパケットで送信されるコンテンツを受信する受信装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 携帯電話機(受信装置)
4 受信部
11 シンボル
12 ファイル
21 放送スケジュール管理部(送信タイミング特定手段)
22 追加取得検出部(記録済判断手段)
23 冗長化率検出部(冗長化率検出手段)
24 記録処理部(記録手段)
25 シンボル情報管理部(復号要件判断手段、パケット情報管理手段)
26 ファイル生成部(ファイル生成手段)
27 受信制御部(受信制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルを複数のパケットに分割すると共に誤り訂正用のパケットを付加して冗長化したパケット群を搬送波で送信する処理を、一つのファイルにつき複数回実行するサービスから、上記パケットを受信して記録する受信装置であって、
上記搬送波から上記パケットを取得する受信部と、
上記受信部が取得済みのパケットから上記ファイルを復号することが可能か判断する復号要件判断手段と、
上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御手段とを備えていることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
上記受信部が取得して自装置に記録されたパケット数を示す記録済パケット数情報を生成するパケット情報管理手段を備え、
上記復号要件判断手段は、上記パケット情報管理手段が生成した記録済パケット数情報と、上記ファイルの復号に必要な記録済みのパケット数を示す必要パケット数情報とを参照して、上記ファイルの復号が可能か判断することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
上記パケット群の冗長化率を検出し、検出した冗長化率から上記必要パケット数情報を生成する冗長化率検出手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
記録済みのパケットを示す記録済パケット情報を参照して、上記受信部が取得したパケットが記録済みであるか否かを判断する記録済判断手段と、
上記受信部が取得したパケットのうち、上記記録済判断手段が記録済みと判断したパケットを記録せず、上記記録済判断手段が記録済みではないと判断したパケットを記録する記録手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の受信装置。
【請求項5】
上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部が取得済みの上記パケットから、上記ファイルを復号するファイル生成手段を備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の受信装置。
【請求項6】
上記サービスが2回目以降に上記パケット群を送信するタイミングを特定する送信タイミング特定手段を備え、
上記受信制御手段は、上記受信部があるパケット群の各パケットの取得を終了した時点で、上記復号要件判断手段が、上記ファイルの復号が可能でないと判断している場合に、上記送信タイミング特定手段が特定した次のパケット群の送信タイミングまでの少なくとも一部の期間において、上記受信部の動作を停止させることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の受信装置。
【請求項7】
ファイルを複数のパケットに分割すると共に誤り訂正用のパケットを付加して冗長化したパケット群を搬送波で送信する処理を、一つのファイルにつき複数回実行するサービスから、上記パケットを受信して記録する受信装置の制御方法であって、
上記受信装置は、上記搬送波から上記パケットを取得する受信部を備え、
上記受信部が取得済みのパケットから上記ファイルを復号することが可能か判断する復号要件判断ステップと、
上記復号要件判断ステップで、上記ファイルの復号が可能と判断したときに、上記受信部の少なくとも一部の機能を停止させる受信制御ステップとを含むことを特徴とする受信装置の制御方法。
【請求項8】
請求項1から6の何れか1項に記載の受信装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−244546(P2012−244546A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115001(P2011−115001)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】