説明

受動ミキサのためのオフセット訂正

【課題】不整合(mismatch)を較正し(calibrate)訂正するために、ミキサにおいて構成可能なパラメータを提供し、ミキサ歪みを最小化する。
【解決手段】入力RF信号を受信するために第1及び第2のRFトランジスタを備え、ミキサはさらに、LO信号を受信するために第1及び第2のLOトランジスタを備え、トランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧(a gate bias voltage that is variable in response to a configurable control signal)を有している。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2007年9月14日に出願され「受動ミキサのためのオフセット訂正(OFFSET CORRECTION FOR PASSIVE MIXERS)」と題された米国仮出願第60/972,719号の利益を主張しており、本願の全体の開示は、本出願の開示の一部であると考えられる。
【分野】
【0002】
本開示は、通信受信機(communications receivers)に関し、より具体的には、通信受信機におけるミキサのためのオフセット訂正技術(offset correction techniques for mixers)に関する。
【背景】
【0003】
デジタル通信システムでは、受信機は送信機から無線周波数(radio-frequency)(RF)変調された信号を受信する。受信機は、RFから受信された信号をベースバンドにダウンコンバートし(downconverts)、サンプルを生成するためにベースバンド信号をデジタル化し(digitizes)、そして、送信機によって送られたデータを回復するためにサンプルをデジタルに処理する(digitally processes)。受信機は、RFから受信された信号をベースバンドにダウンコンバートするために、1つまたは複数のダウンコンバージョンミキサ(downconversion mixers)を使用することができる。
【0004】
理想的なミキサは、歪み(distortion)なしで、ある周波数から別の周波数へと、入力信号を単に変換する(translates)。しかしながら、集積回路では、ミキサの性能(mixer’s performance)は、例えばレイアウトあるいはプロセスの変動(variations)によって引き起こされたトランジスタ間の不整合(mismatch)により、理想的なケースから逸脱する(deviate)可能性がある。そのような不整合は、ミキサの出力に歪みを導入する可能性があり、不要な相互変調積(unwanted inter-modulation products)となる。例えば、直接変換受信機(direct conversion receiver)のためのミキサでは、特に、2次相互変調(second-order inter-modulation)(IM2)積は、ベースバンドにおいて、信号対雑音比(signal-to-noise ratio)(SNR)を特に下げる(degrade)可能性がある。対称的なレイアウトおよび異なる信号処理はデバイス不整合の影響を縮減させることに役立つことができるが、まだ、処理制限による残余不整合(residual mismatch)がある可能性がある。
【0005】
ここにおいて開示されているのは、そのような不整合(mismatch)を較正し(calibrate)訂正するために、ミキサにおいて構成可能なパラメータを提供する技術であり、その結果、ミキサ歪みを最小化する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様は、ベースバンド信号を生成するためにローカルオシレータ(LO)信号で入力無線周波数(RF)信号をミックスすることが動作可能なミキサを備えている受信機装置(receiver apparatus)を提供しており、なお、ミキサは、入力RF信号を受信するために第1及び第2のRFトランジスタを備え、ミキサはさらに、LO信号を受信するために第1及び第2のLOトランジスタを備え、トランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧(a gate bias voltage that is variable in response to a configurable control signal)を有している。
【0007】
本開示の別の態様は、ベースバンド信号を生成するためにローカルオシレータ(LO)信号で入力無線周波数(RF)信号をミックスすることが動作可能なミキサを備える受信機装置を提供しており、なお、ミキサは、入力RF信号を受信するために第1及び第2のRFトランジスタを備え、ミキサはさらに、LO信号を受信するために第1及び第2のLOトランジスタを備え、トランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するバルクバイアス電圧(a bulk bias voltage that is variable in response to a configurable control signal)を有している。
【0008】
さらに、本開示の別の態様は、受信された信号をダウンコンバートするための方法を提供しており、その方法は、構成可能な制御信号をミキサに提供することと、なお、その制御信号は、該ミキサにおいて少なくとも1つのトランジスタのゲートバイアス電圧を規定する;ローカルオシレータ信号で該受信された信号をミックスすることによって、該受信された信号をダウンコンバートすることと;を備えている。
【0009】
さらに、本開示の別の態様は、受信された信号をダウンコンバートするための方法を提供しており、その方法は、構成可能な制御信号をミキサに提供することと、なお、その制御信号は、該ミキサにおいて少なくとも1つのトランジスタのバルクバイアス電圧を規定する;ローカルオシレータ信号で該受信された信号をミックスすることによって、該受信された信号をダウンコンバートすることと;を備えている。
【0010】
さらに、本開示の別の態様は、ミキサを較正するための方法(method for calibrating a mixer)を提供しており、その方法は、ミキサに信号入力を提供することと、ミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を初期化し、そして、少なくとも1つの初期化されたゲートバイアス電圧に関連づけられたミキサの出力特性(output characteristic)を測定することと、ミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を調節し、そして、少なくとも1つの調節されたゲートバイアス電圧に関連づけられたミキサの出力特性を測定することと、ミキサの測定された出力特性に基づいて、ミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、ミキサのオペレーションの間の使用のために、該好ましい設定を保存することと、を備えている。
【0011】
さらに、本開示の別の態様は、受信機における第1及び第2のミキサを較正するための方法を提供し、その方法は、受信機に信号入力を提供することと、第1のミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を初期化し、そして、少なくとも1つの初期化されたゲートバイアス電圧に関連づけられた第1のミキサの出力特性を測定することと、第1のミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を調節し、そして、少なくとも1つの調節されたゲートバイアス電圧に関連づけられた第1のミキサの出力特性を測定することと、第1のミキサの測定された出力特性に基づいて、第1のミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、第1のミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を好ましい設定に設定しながら、第2のミキサを調節し、測定し、そして決定するステップを繰り返すことと、を備えている。
【0012】
さらに、本開示の別の態様は、ミキサを較正するための方法を提供しており、その方法は、ミキサに信号入力を提供することと、ミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を初期化し、そして、少なくとも1つの初期化されたバルクバイアス電圧に関連づけられたミキサの出力特性を測定することと、ミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を調節し、そして、少なくとも1つの調節されたバルクバイアス電圧に関連づけられたミキサの出力特性を測定することと、ミキサの測定された出力特性に基づいて、ミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、ミキサのオペレーションの間の使用のために、該好ましい設定を保存することと、を備えている。
【0013】
さらに、本開示の別の態様は、受信機における第1及び第2のミキサを較正するための方法を提供し、その方法は、受信機に信号入力を提供することと、第1のミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を初期化し、そして、少なくとも1つの初期化されたバルクバイアス電圧に関連づけられた第1のミキサの出力特性を測定することと、第1のミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を調節し、そして、少なくとも1つの調節されたバルクバイアス電圧に関連づけられた第1のミキサの出力特性を測定することと、第1のミキサの測定された出力特性に基づいて、第1のミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、第1のミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を好ましい設定に設定しながら、第2のミキサを調節し、測定し、そして決定するステップを繰り返すことと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、受動ミキサのための従来の回路トポロジ(conventional circuit topology)を示す。
【図2】図2は、トランジスタのDCゲートバイアス電圧がミキサのトランジスタM1−M4における不整合を訂正するように構成可能に作られている実施形態を図示する。
【図3】図3は、トランジスタのゲートバイアス電圧よりもむしろバルクバイアス電圧がミキサのトランジスタM1−M4における不整合を訂正するように構成可能に作られている、さらなる実施形態を図示する。
【図4】図4は、ここにおいて説明されているような構成可能バイアス電圧でミキサを使用している受信機のための較正メカニズム(calibration mechanism)を図示する。
【図5】図5は、2次相互変調(IM2)積を最小化するために、本開示の構成可能なミキサを較正するための方法の一実施形態を図示する。
【図5A】図5Aは、図5と比較して潜在的に省略された数のステップ(a potentially abbreviated number of steps)を利用している本開示の構成可能なミキサを較正するための方法の代替の実施形態を図示する。
【図5B】図5Bは、上記で説明されたパラメータを図示するために、仮定P|f1−f2|対VC1の関係を図示する。
【図6】図6は、最適制御信号VC1best(n)とVC2best(n)を決定するために、任意の数の回数nを連続的に繰り返す方法の一実施形態を図示する。
【図7】図7は、2つのミキサ、例えば同相(I)経路のためのミキサと直角位相(Q)経路のためのミキサと、を有する無線のための較正メカニズムの一実施形態を図示する。
【図8】図8は、図7で示されるI/Qミキサを較正するための方法の一実施形態を図示する。
【詳細な説明】
【0015】
本開示に従って、ミキサデバイス(mixer devices)においてオフセットを較正し、訂正するための技術が開示されている。
【0016】
図1は、受動ミキサ(passive mixer)のための従来の回路トポロジを示している。図1は、DCバイアシング及び結合(DC biasing and coupling)の詳細を示していないということに注意してください。図1では、第1の差動電圧V1(V1=V1−V1)は、差動電流出力IOUT(IOUT=IOUT−IOUT、なお、IOUTは端子OUTの外に流れる電流として定義され、IOUTは、端子OUTへと流れる電流である。)を作るために、第2の差動電圧V2(V2=V2−V2)とミックスされる。トランジスタが整合されているということを仮定すると、出力電流は、以下のように近似されることができる。
【数1】

【0017】
なお、rdsは、ドレイン(D)とソース(S)との間の抵抗であり(図1でトランジスタM1と代表的にラベル付けされている)、μCOXは、トランジスタデバイスのパラメータを表しており、WとLは、各トランジスタの幅と長さを表しており、Vは、スレッシュホールド電圧(threshold voltage)を表しており、Kは定数項(constant term)を表す。トーマス H.リー氏の「CMOS無線周波数集積回路の設計(The Design of CMOS Radio-Frequency Integrated Circuits)」(1998)341頁参照。
【0018】
実際の集積回路において、デバイスの不整合は、ミキサの出力に非線形歪みを導出する可能性があり、理想的なシナリオの式(1)から、ミキサの入力−出力の特性のずれ(deviation)を引き起こす。不整合の影響に取り組むために、トランジスタM1−M4の1つまたは複数のバイアス電圧は、本開示にしたがって調節されることができる。
【0019】
図2は、トランジスタのDCゲートバイアス電圧は、ミキサのトランジスタM1−M4における不整合を訂正するように構成可能に作られる、一実施形態を図示する。電圧VGM1、VGM2、VGM3、及びVGM4は、それぞれ、トランジスタM1−M4のそれぞれのゲートバイアス電圧を表わす。バイアス電圧は、名目上同じ抵抗を有する可能性のある抵抗器R1−R4によってトランジスタゲートに結合されることができる。ゲートバイアス電圧において意図的なオフセット(intentional offsets)を導入することによって、抵抗器R1−R4と同様にトランジスタM1−M4間の不整合は訂正されることができる。図2では、キャパシタC1P1、C1N1、C1P2、C1N2、C2、及びC2は、ミキサに、信号V1及びV2のACコンポーネントのみを結合する役割を果たす。
【0020】
図2は、すべてのトランジスタについて、バルクバイアス電圧VBが一定となることを示すということに注意してください。しかしながら、バルクバイアス電圧もまた、ここにおいて後述される代替の実施形態において構成可能に作られることができる。
【0021】
一実施形態では、バイアス電圧VGM1、VGM2、VGM3、及びVGM4は、以下のように、外部供給された制御信号VC1−VC4によって直接に設定されることができる。
【数2】

【0022】
したがって、VC1−VC4は、4つのゲートバイアス電圧を構成することにおいて自由度4(four degrees of freedom)を可能にする。
【0023】
代替の実施形態では、較正を単純化するために、自由度は、バイアス電圧のうちのいくつかを構成不可能にすることによって低減されることができる。一実施形態では、VGM1及びVGM3は、構成不可能に作られることができるが、例えばオンチップ電圧基準に結び付けられる、VGM2及びVGM4は、制御信号VC1及びVC2によって独立に構成可能に作られることができる。このことは構成において自由度を2に低下させるが、それはまた、より少ない数のパラメータにより、より単純な較正を可能にする。
【0024】
別の実施形態において、ゲートバイアス電圧は以下のように規定されることができる。
【数3】

【0025】
なお、VGM1及びVGM3は構成不可能であり、VC1及びVC2は、各作動ペアにおけるトランジスタ間の構成可能なバイアスオフセット電圧として特性づけられることができる。
【0026】
まだ別の実施形態では、4つのゲートバイアス電圧のうち2つは、以下のように規定されることができる。
【数4】

【0027】
なお、VGM1_nomとVGM3_nomは、それぞれ、VGM1及びVGM3についての名目値を表す。残りのゲートバイアス電圧VGM2およびVGM4は、構成不可能に作られ、名目電圧に設定されることができる。
【0028】
さらに、別の実施形態では、較正をさらに単純化するために、4つのゲートバイアス電圧のうちの1つのみが構成可能になる必要がある。
【0029】
一般に、バイアス電圧は、式(2)にあるように直接的に、あるいは、式(3)及び(4)に示されるような関係のようないずれの線形あるいは非線形の関係によって間接的に、単数または複数の制御信号(the control signal or signals)によって、規定されることができる。
【0030】
図3は、トランジスタのゲートよりもむしろバルクの、バイアス電圧は、ミキサのM1−M4における不整合を訂正するように構成可能に作られる、さらなる実施形態を図示する。電圧VBM1、VBM2、VBM3、及びVBM4は、それぞれ、トランジスタM1−M4のそれぞれのバルクバイアス電圧を表わす。バルクバイアス電圧において意図的なオフセットを導入することによって、トランジスタM1−M4の間の不整合は訂正されることができる。図3は、ゲートバイアス電圧VGがすべてのトランジスタにとって構成不可能であることを示すということに注意してください。しかしながら、ゲートバイアス電圧もまた、ここにおいてあらかじめ説明された実施形態にしたがって構成可能に作られることができる。
【0031】
ゲートバイアス電圧についての説明と同様に、制御信号VC1−VC4は、自由度4におけるバルクバイアス電圧を制御するために使用されることができる。バルクバイアス電圧はまた、ゲートバイアス電圧についてあらかじめ説明されているように較正を簡潔にするために自由度4より小さいように構成可能であってもよい。制御信号は、いずれのあらかじめ決定された変換(transformation)によって直接にあるいは非直接にバルクバイアス電圧に関連づけられることができる。
【0032】
図4は、ここにおいて説明されるような構成可能なバイアス電圧でミキサを使用している受信機のための較正メカニズムを図示する。通常のオペレーションの間に、アンテナ400は、アンテナコネクタ401を介して、デュプレクサ402に接続される。デュプレクサ402は、送信経路(TX)450と受信経路(RX)451との間でアンテナ400が共有されることを可能にする。較正フェーズ(calibration phase)の間に、アンテナコネクタ401は、信号Vsを供給されることができる。一実施形態では、アンテナ400は、Vsがアンテナコネクタ401に供給されるときアンテナコネクタ401から非接続になる。別の実施形態においては(示されていない)、例えば電磁放射(electromagnetic radiation)の形態で、アンテナコネクタ401に接続されながら、Vsは、アンテナ400に直接供給されることができる。信号Vsは、低雑音増幅器(low-noise amplifier)(LNA)404に対する入力である。さらに別の実施形態で(示されていない)、Vsは、TX450から供給されることができる。
【0033】
LNAの出力はミキサ406に対する入力であり、以前に説明された構成可能なゲートあるいはバルクのバイアス電圧をサポートすることができる。ミキサ406は、ミックスされた信号を生成するためにローカルオシレータLO(示されていない)で、LNA出力をミックスする。一実施形態では、LO出力は、図2あるいは図3における差動信号に対応し、LNA出力は、差動信号V2に対応する。別の実施形態においては、LO出力及びLNA出力は、逆であってもよい。ミキサ406の出力は、ベースバンドプロセッサ408に提供される。ベースバンドプロセッサ408からの出力は、デジタル信号プロセサ(DSP)410に提供される。
【0034】
ベースバンドプロセッサ408の出力に基づいて、DSP410は、デジタル信号414を出力する。一実施形態では、デジタル信号414は、制御信号VC1−VC4のデジタル表示(digital representations)、あるいはここにおいて前述されたいずれのサブセットの制御信号(any subset of the control signals)を備えることができる。デジタル信号414は、ここにおいて後述されるように、IM2積を最小化するために較正方法にしたがって導出されることができ、あるいは、信号414は、いずれの他の目的、例えば他の非IM2歪みを最小化する、のためにいずれの他の方法にしたがって導出されることができる。デジタル信号414は、デジタル−アナログコンバータ(DAC)412によってアナログ電圧416に変換されることができる。アナログ電圧416は、ここにおいてあらかじめ説明されているように、ミキサ406のバイアス電圧を構成するために使用されることができる。
【0035】
制御信号VC1及びVC2が調節される範囲は、制御信号と、構成されるべき特定のバイアス電圧あるいは複数の電圧と、の間のマッピングにしたがって決定されることができる。一実施形態では、VC1及びVC2は、例えば式(3)にしたがって、差動ペアにおけるトランジスタのゲートバイアス電圧間のオフセットを調節する。VC1は、−Vmax_offsetの最小から+Vmax_offsetの最大まで及ぶように構成されることができ、なお、Vmax_offsetは、VC1のフルスケール範囲に関連づけられたパラメータである。VC2は、VC1のそれと同一あるいは異なる範囲を有する。
【0036】
ネガティブ電圧オフセットからポジティブ電圧オフセットまでの範囲を規定するために、DAC412は、制御信号のサインされたデジタル表示(signed digital representations of the control signals)をサポートすることができる。一実施形態において、VC1は、DAC412における8ビットレジスタ(an eight-bit register)へとDSP410によってプログラムされた8ビット値によって表されることができる。一実施形態において、レジスタのビット<7:6>は、VC1のフルスケール範囲を決定するために使用されるVmax_offsetを表示しているコードであることができ、ビット<5:0>は、制御信号VC1のサインされた大きさ(signed magnitude of the control signal VC1)を特定することができ、ビット<5>はサインビット(sign bit)である。一実施形態において、Vmax_offsetへのビット<7:6>のマッピングは、以下の通りであることができる:
【表1】

【0037】
他のデジタル制御信号は、例えばVC2−VC4(利用可能である場合)、利用可能である場合に同様に表されることができる。
【0038】
図4で示されるメカニズムは、ここにおいて開示される構成可能なミキサについての較正メカニズムの一実施形態のみを説明することが意図されている、ということに注意してください。代替の実施形態は、図4で示されたものよりも、より少ないあるいはより多くの機能ブロックを利用することができる。一実施形態では、デジタル信号414は、ベースバンドプロセッサ408によって直接生成され提供されることができる。代替の実施形態では、それらは、示されていないモジュールによって、例えばマイクロプロセッサによって、生成され供給されることができる。
【0039】
図4で図示されるDAC412が、いずれの数のデジタル制御入力414をサポートし、各デジタル制御入力に関連づけられた1つまたは複数のアナログ電圧416を出力することができるということに注意してください。
【0040】
図5は、2次相互変調(IM2)積を最小化するために、本開示の構成可能なミキサを較正するための方法の実施形態を図示する。図5のステップは、図4で示されている較正メカニズムを参照して説明されている。しかしながら、図5の方法は、図4に示されているものとは他に、較正メカニズムに均一に適用可能(equally applicable)である。例えば、図5の方法は、根元的な較正メカニズム(underlying calibration mechanism)において、アンテナ400、あるいは、ミキサ406の他のエレメントを必ずしも必要としない。例えば、図5の方法は、DSPの代わりに、マイクロプロセッサあるいは他のコンピューティングデバイスを利用することができる。
【0041】
図5の方法では、ミキサは、制御信号VC1およびVC2を介して、自由度2において構成可能である。しかしながら、その方法は、ここにおいてあらかじめ開示された原理にしたがって、より低いあるいは高い自由度でミキサを較正することが容易に拡張されることができる。VC1及びVC2は、図2においてラベル付けされているようなゲートバイアス電圧VGM1及びVGM3、あるいは、図3においてラベル付けされているようなバルクバイアス電圧VBM1及びVBM3、を設定するために使用されることができる。
【0042】
図5を参照すると、ステップ500で、図4の較正メカニズムは、例えばセルラ帯域に対応している869−894MHz、あるいは、パーソナルコミュニケーションサービス(personal communications service)(PCS)帯域に対応している1930−1990MHz、のような対象の周波数帯域の中心(center of the frequency band of interest)の近くのチャネル上で受信するように指示されることが出来る。このことは、望ましいチャネルの周波数にLOの周波数(図4に示されていない)を設定することにより行われることができる。制御信号VC1およびVC2は両方とも、それぞれの範囲内の最小値に当初設定される。ステップ502では、2つの周波数トーン、f1とf2、を備えた信号は、入力電圧VsとしてLNAの入力に供給される。一実施形態では、トーンf1とf2は、対象のチャネル外に位置する。W−CDMA基準のための直接変換受信機の一実施形態では、f1及びf2は200kHzごとに異なるので、それらのIMS積は、1.92MHz帯域幅を有するベースバンドチャネル内にある。
【0043】
ミキサにおける2次の歪みがあることで、ミキサの出力は、差異の周波数|f1−f2|において、トーンを含むであろう。ステップ504では、ベースバンド408は、差異周波数|f1−f2|において存在するトーンの電力P|f1−f2|を測定し、そして、DSPに対し、P|f1−f2|の値を供給する。ステップ506で、DSPは、P|f1−f2|の値を、関連づけられた値VC1と一緒に記録する。ステップ508で、DSPは、VC1の値がその範囲内で最大値に増加されたかどうかを決定する。もしそうでない場合には、DSPは、ステップ510でステップサイズごとに(by a step size)VC1をインクリメントし、ステップ504に戻る。VC1が、VC1の最大許可値(maximum allowed value)に達する場合、DSPは、ステップ512に進む。ステップ512で、DSPは、VC1のすべての掃引された値のために、P|f1−f2|の記録された値を分析し、最低の測定されたP|f1−f2|(lowest measured P|f1-f2|)に関連づけられたVC1の値を決定する。このVC1の値は、VC1bestと呼ばれることができる。ステップ512ではまた、値VC1は、図5の残りのステップについてVC1bestに設定されることができる。
【0044】
図5Bは、上記で記載されたパラメータを説明するために、仮定P|f1−f2| 対 VC1の関係を図示している。図5Bは説明の目的のためだけに提供されており、いずれの具体的なトランスファ特性(particular transfer characteristics)を有しているパラメータあるいはデバイスに開示された技術を制限することを意味していない。
【0045】
図5は、ある他の単数または複数のパラメータの、単数または複数の望ましい特性をチェックすることと、最小P|f1−f2|(minimum P|f1-f2|)をチェックすることと、を単に置き換えることによって、IM2のほかに、あるいは、IM2に加えて、パラメータについて最適化するように設計されることができる。
【0046】
図5に戻ると、VC1はVC1bestに一定に保持されながら、VC2はあらかじめ決定された範囲にわたって次に掃引される(swept)。特に、ステップ514は、その許可可能範囲内で最小値に設定されたVC2で最初に開始する。ステップ514で、ベースバンドは、差異周波数において存在する電力を再び測定し、測定された電力値P|f1−f2|をDSPに対し供給する。ステップ516で、DSPは、測定されたP|f1−f2|を関連づけられた値VC2と一緒に記録する。ステップ518で、DSPは、値VC2がその範囲内で最大に増加されたかどうかを決定する。そうでなければ、DSPは、ステップ520でVC2をインクリメントし、ステップ514に戻る。VC2がVC2の最大許可値に到達する場合には、DSPは、ステップ522に進む。ステップ522で、DSPは、VC2のすべての掃引された値のために、P|f1−f2|の記録された値を分析し、最低の測定されたP|f1−f2|に関連づけられたVC2の値を決定する。このVC2の値は、VC2bestと呼ばれることができる。いったんVC2bestが決定されると、無線は較正モードを抜け、通常の動作(normal operation)を始める(あるいは再開する)ことができる。一実施形態では、通常のオペレーションの間に、制御信号VC1best及びVC2bestは、ここにおいてあらかじめ説明されているようにミキサのバイアス電圧を構成するためにDACに対し連続的に供給されることができる。
【0047】
一実施形態において、VC1及びVC2はそれぞれ、較正の間にDACの最小解像度(minimum resolution of the DAC)に等しいステップサイズごとに、インクリメントされることができる。例えば、DACレジスタのビット<5:0>は、VC1のサインされた大きさ(the signed magnitude of VC1)を特定する実施形態では、ステップサイズは、最小有効ビットのビット<5:0>に関連づけられた電圧差異であることができる。
【0048】
代替の実施形態において、較正をスピードアップするために、ステップサイズは、DACの最小解像度よりも大きくてもよい。この実施形態では、ミキサのための最小IM2積(the lowest IM2 product)に対応しているVC1bestの設定は、より大きなステップサイズによりベスト設定が「スキップされた(skipped)」ため、記録された値VC1 対 P|f1−f2|において存在していない可能性がある。このケースでは、VC1bestは、P|f1−f2|の最低及び第2に最低の値(the lowest and second-lowest values of P|f1-f2|)に対応するVC1の2つの値を平均することによって決定されることができる。代替的に、あらかじめ決定されたオフセットは、ミキサに供給された実際の制御入力を導出するために、決定されたVC1bestに加えられることができる。
【0049】
図5Aは、図5と比較して潜在的に省略されたステップの数を利用して、本開示の構成可能なミキサを較正するための方法の代替的な実施形態を図示する。図5Aにおけるステップは、図5で同様にラベル付けされたステップに対応しており、ステップ508A及び518Aにおいて記された差異(noted differences)を備えている。図5Aの実施形態において、値VC1がステップ508において最大に増加されるかどうかをチェックすることよりもむしろ、ステップ508Aにおける方法は、P|f1−f2|の現在測定された値(currently measured value of P|f1-f2|)がP|f1−f2|の前に測定された値(previously measured value of P|f1-f2|)よりも多いかどうかをチェックする。もしそうである場合には、その方法は、残りの値VC1を通じて掃引せずにVC2の較正に進む。検出された増加の前に測定されたP|f1−f2|に対応している値VC1は、VC1bestとして採択されることができる。同様のチェックは、ステップ518AでVC2について実行されることができる。この実施形態は、測定されたP|f1−f2|についてローカル最小(local minimum)を、グローバル最小(global minimum)として、効果的に扱う。このことは、較正をスピードアップすることができる、というのも、VC1及びVC2についての望ましい値は、いずれのパラメータの全体の範囲を通じて掃引せずに決定されることができる。
【0050】
図5及び5Aにおいて図示される方法は、例えば示されているものよりも、より多くのあるいは少ないステップを提供することによって、2より多いあるいは2より少ない構成意可能な自由度を有するミキサを較正するために、容易に適用されることができるということに注意してください。例えば、一実施形態において、1つの制御信号VC1のみが、ミキサを構成するために使用され、図5の方法は、ステップ512の後で終了されることができる。別の実施形態において4つの制御信号VC1−VC4は、VC3及びVC4を決定するための522より先のステップを加えることにより決定されることができるが、決定された最適値で一定に、あらかじめ最適化された自由度を維持する。
【0051】
図5及び5Aで説明される較正は、信号入力Vsが知られているときにはいつでも、実行されることができるということに注意してください。一実施形態において、較正は、チップが船積みされる前に(prior to shipping)テストされるときに、工場で行なわれることができる。一実施形態において、較正は以下のような通常オペレーションの間に行なわれることができる。フルデュプレキシング(full duplexing)がサポートされていると(すなわち、単独の無線(radio)による同時送信及び受信)、TX450はVsを送信することができ、そしてそれは、デュプレクサ402の残りの結合を通じてRX451に結合される。TX450は、例えばデュプレクサ402及び/またはTX/RXフィルタ(示されていない)によって導入される送信経路と受信経路との間の希薄化(attenuation)を克服するために、適切に高い電力レベルで、Vsを送信することができる。
【0052】
一実施形態では、図5に示されているものに加えられたステップは、ミキサのためのIM2をさらに最適化するために提供されることができる。図6は、最適制御信号VC1best(n)及びVC2best(n)を決定するために任意の回数の数nを連続的に反復する方法の一実施形態を図示する。ステップ600で、nは0に初期化され、VC1及びVC2は、それぞれの範囲VC1min及びVC2minにおける最小電圧(the minimum voltages)に初期化されることができる。ステップ602において、VC2は一定に保持されているが、VC1は、ベスト設定VC1best(1)を見つけだす(locate)ためにその範囲にわたって掃引される。一実施形態において、掃引(sweep)は、図5あるいは図5Aのいずれかに示される方法にしたがって行なわれることができる。他の実施形態において、VC1bestを決定するための他の方法が適用されることができる。ステップ604で、VC1は、VC1best(1)に一定に保持されており、VC2は、ベストな設定VC2best(1)を見つけ出すためにその範囲にわたって掃引される。ステップ606で、nは、n=1に対し1ずつ繰り返されており(n is iterated by 1 to n = 1)、ステップ602−604が繰り返されることができる(すなわちループである)。
【0053】
図6で示された方法は、ループ内のいずれの任意の時点において一般的には終了されることができる(may be terminated)。一実施形態において、nが1に達するとき、すなわち、1つの反復のループが実行である(only one iteration of the loop is run)、その方法は終了する。別の実施形態において、n=1で、すなわち、1回半の反復のループが実行である(one-and-a-half iterations of the loop are run)、ステップ702の後で、その方法は終了する。別の実施形態において、新しく決定されたVC1best(n)あるいはVC2best(n)についてP|f1−f2|の測定された値が、あらかじめ決定されたスレッシュホールドよりも少ない量によって、それぞれ、前のVC1best(n−1)あるいはVC2best(n−1)についてP|f1−f2|の測定された値と異なるときに、その方法は終了する。
【0054】
図6で図示される方法は、例えば示されたループ内でさらなるステップを加えることによって、2以上の構成可能な自由度(more than two configurable degrees of freedom)を有するミキサを較正するために容易に適用されることができる、ということに注意してください。
【0055】
図7は、2つのミキサ、例えば同相(I)経路のためのミキサ及び直角位相(Q)経路のためのミキサ、を有する無線のための較正メカニズムの一実施形態を図示する。図7は、アンテナコネクタ701を介して、デュプレクサ702に結合されたアンテナ700を示す。LNA704出力は、Iミキサ706A及びQミキサ706Bの両方に提供される。各ミキサは、ここにおいて開示される実施形態にしたがって構成可能なように作られることができる。ミキサ706A及び706Bの出力は、ベースバンド708にVsはし提供されており、ベースバンド708は、DSP710に信号を供給する。DSP710は、デジタル信号VCI及びVCQ714を生成する。VCIは、本開示に従ってIミキサ706Aを構成するために1つまたは複数の制御信号を備えることができ、VCQは、同様に、Qミキサ706Bを構成するために1つまたは複数の制御信号を備えることができる。デジタル信号714は、DAC712に供給され、そしてそれは、デジタル信号714を2セットのアナログ電圧716A及び716Bに、変換する。アナログ電圧716Aは、Iミキサ706Aを構成するために使用されるが、アナログ電圧716Bは、ここにおいてあらかじめ開示された技術にしたがって、Iミキサ706Bを構成するために使用される。
【0056】
図8は、図7で示されるI/Qミキサを較正するための方法の一実施形態を図示する。ステップ800で、VCIとVCQは初期化される。ステップ802で、2つのトーンを含んでいる入力信号Vs(an input signal Vs containing two tones)は、図7におけるLNA704に供給される。ステップ804で、単数または複数のベスト制御信号VCIbest(best control signal or signals VCIbest)は、Iミキサ706Aについて決定される。ステップ804は、VCIbestを導出するために(for deriving)、ここにおいてあらかじめ開示された方法、あるいは、いずれの他の方法、を使用することができる。ステップ806では、単数または複数のベスト制御信号VCQbestは、Qミキサ706Bについて決定されているが、VCIはVCIbestに保持されている。
【0057】
一実施形態では、図8の方法は、ステップ804にループバックするステップ806を有することによって、そして、VCQbestに固定されるVCQを保持しながらVCIbestについての新しい値を決定することによって、さらに補われることができる(may be further augmented)。このことは、制御信号についての最適な構成を得るために、任意の数の回数行なわれることができる。
【0058】
本開示の技術は、受動ミキサに限定される必要はないということに注意してください。ギルバート乗算器(Gilbert multipliers)を使用するような能動ミキサ(Active mixers)はまた、開示される技術を利用することができる。適切な修正は、当業者にとって明らかであり、本開示の範囲内にあるように熟考される。
【0059】
ここにおいて説明された教示に基づいて、ここにおいて開示された態様は、いずれの他の態様から独立してインプリメントされるということ、そして、これらの態様のうち2以上が様々な方法で組み合わせられることができるということが明らかであるべきである。ここにおいて説明された技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいは、それのいずれの組み合わせ、においてインプリメントされることができる。ハードウェアでインプリメントされる場合には、本技術は、デジタルハードウェア、アナログハードウェア、あるいはそれらの組み合わせを使用して実現されることができる。ソフトウェアでインプリメントされる場合には、本技術は、1つまたは複数の命令あるいはコードが保存されるコンピュータ可読媒体(computer readable medium)を含むコンピュータプログラムプロダクト(computer-program product)によって少なくとも部分的に実現されることができる。
【0060】
例として、そして制限するものではなく、そのようなコンピュータ可読媒体は、シンクロナス動的ランダムアクセスメモリ(synchronous dynamic random access memory)(SDRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(nonvolatile random access memory)(NVRAM)、ROM、電子的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory)(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory)(EPROM)、FLASHメモリ、CD−ROMあるいは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージあるいは他の磁気ストレージデバイス、あるいは、命令あるいはデータストラクチャの形式において望ましいプログラムコードを搬送するあるいは保存するために使用されることができる且つコンピュータによってアクセスされることができる、いずれの他のタンジブル媒体(tangible medium)、のようなRAMを備えることができる。
【0061】
コンピュータプログラムプロダクトのコンピュータ可読媒体に関連づけられた命令あるいはコードは、コンピュータによって、例えば1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSPs)、汎用マイクロプロセッサ、ASICs、FPGAs、あるいは他の均等の集積あるいはディスクリート論理回路(other equivalent integrated or discrete logic circuitry)、のような1つまたは複数のプロセッサによって、実行されることができる。
【0062】
多数の態様及び例が説明されている。しかしながら、これらの例に対する様々な修正は可能であり、ここにおいて提示された原則は、同様に他の態様に適用されうる。これらおよび他の態様は、特許請求の範囲の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機装置であって、
ベースバンド信号を生成するためにローカルオシレータ(LO)信号で入力無線周波数(RF)信号をミックスすることが動作可能なミキサと、
を備え、前記ミキサは、前記入力RF信号を受信するために第1及び第2のRFトランジスタを備えており、前記ミキサは、前記LO信号を受信するために第1及び第2のLOトランジスタをさらに備えており、前記トランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧を有している、受信機装置。
【請求項2】
前記ミキサは、前記LO信号を受信する第3及び第4のLOトランジスタをさらに備えている、請求項1に記載の受信機装置。
【請求項3】
前記ミキサは、前記RF信号を受信する第3及び第4のRFトランジスタをさらに備えている、請求項1に記載の受信機装置。
【請求項4】
構成可能な制御信号に応じて変化する少なくとも1つのゲートバイアス電圧を有する少なくとも1つのトランジスタを備えている第2のミキサ、をさらに備えている請求項1に記載の受信機装置。
【請求項5】
前記構成可能な制御信号についての好ましい設定を決定するための較正手段、をさらに備え、なお、前記較正手段は、前記ミキサの通常オペレーティングフェーズの間に、前記好ましい設定に前記制御信号を設定するようにさらに構成されている、請求項1に記載の受信機装置。
【請求項6】
前記ベースバンド信号を受信するベースバンドプロセッサと、なお、前記ベースバンドプロセッサは、前記ミキサ出力の特性に対応する信号を出力するように構成されている;
前記ベースバンドプロセッサに結合されたデジタル信号プロセッサ(DSP)と、なお、前記DSPは、前記ミキサ出力の前記特性に対応する前記信号を受信するように構成されており、前記DSPは、構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧を有する前記トランジスタのうちの前記少なくとも1つを構成するために制御信号を導出するようにさらに構成されている;
をさらに備えている請求項1に記載の受信機装置。
【請求項7】
前記DSPによって導出される前記制御信号を前記構成可能な制御信号に変換するデジタル−アナログコンバータ、をさらに備えている請求項6に記載の受信機装置。
【請求項8】
前記較正手段は、前記ミキサの測定された2次相互変調積を縮小するために、好ましい設定を決定するための手段を備えている、請求項5に記載の受信機装置。
【請求項9】
セカンダリベースバンド信号を生成するために、セカンダリローカルオシレータ(LO)信号で前記入力無線周波数(RF)信号をミックスすることが動作可能なセカンダリミキサと、をさらに備え、前記セカンダリミキサは、前記入力RF信号を受信するためにセカンダリ第1及び第2のRFトランジスタと、前記セカンダリLO信号を受信するためにセカンダリ第1及び第2のLOトランジスタと、を備えており、前記セカンダリトランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧を有している、請求項5に記載の受信機装置。
【請求項10】
前記ミキサは、同相(I)ミキサであり、前記セカンダリミキサは、直角位相(Q)ミキサである、請求項9に記載の受信機装置。
【請求項11】
前記トランジスタのうちの前記少なくとも1つは、前記第1のLOトランジスタと前記第1のRFトランジスタとを備えており、前記第1のLOトランジスタは、第1の構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧を有しており、前記第1のRFトランジスタは、第2の構成可能な制御信号に応じて変化するゲートバイアス電圧を有している、請求項1に記載の受信機装置。
【請求項12】
前記トランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するバルクバイアス電圧を有している、請求項1に記載の受信機装置。
【請求項13】
受信機装置であって、
ベースバンド信号を生成するためにローカルオシレータ(LO)信号で入力無線周波数(RF)信号をミックスすることが動作可能なミキサと、
を備え、前記ミキサは、前記入力RF信号を受信するために第1及び第2のRFトランジスタを備えており、前記ミキサは、前記LO信号を受信するために第1及び第2のLOトランジスタをさらに備えており、前記トランジスタのうちの少なくとも1つは、構成可能な制御信号に応じて変化するバルクバイアス電圧を有している、受信機装置。
【請求項14】
前記構成可能な制御信号についての好ましい設定を決定するための較正手段、をさらに備え、なお、前記較正手段は、前記ミキサの通常オペレーティングフェーズの間に、前記好ましい設定に前記制御信号を設定するようにさらに構成されている、請求項13に記載の受信機装置。
【請求項15】
前記トランジスタのうちの前記少なくとも1つは、前記第1のLOトランジスタと前記第1のRFトランジスタとを備えており、前記第1のLOトランジスタは、第1の構成可能な制御信号に応じて変化するバルクバイアス電圧を有しており、前記第1のRFトランジスタは、第2の構成可能な制御信号に応じて変化するバルクバイアス電圧を有している、請求項13に記載の受信機装置。
【請求項16】
受信された信号をダウンコンバートするための方法であって、前記方法は、
ミキサに構成可能な制御信号を提供することと、なお、前記制御信号は、前記ミキサにおいて少なくとも1つのトランジスタのゲートバイアス電圧を規定する;
ローカルオシレータ信号で前記受信された信号をミックスすることによって、前記受信された信号をダウンコンバートすることと;
を備えている、
方法。
【請求項17】
受信された信号をダウンコンバートするための方法であって、前記方法は、
ミキサに構成可能な制御信号を提供することと、なお、前記制御信号は、前記ミキサにおいて少なくとも1つのトランジスタのバルクバイアス電圧を規定する;
ローカルオシレータ信号で前記受信された信号をミックスすることによって、前記受信された信号をダウンコンバートすることと;
を備えている、
方法。
【請求項18】
ミキサを較正するための方法であって、前記方法は、
前記ミキサに信号入力を提供することと、
前記ミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を初期化し、そして、前記少なくとも1つの初期化されたゲートバイアス電圧に関連づけられた前記ミキサの出力特性を測定することと、
前記ミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧を調節し、前記少なくとも1つの調節されたゲートバイアス電圧に関連づけられた前記ミキサの前記出力特性を測定することと、
前記ミキサの前記の測定された出力特性に基づいて、前記ミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、
前記ミキサのオペレーションの間の使用のために、前記好ましい設定を保存することと、
を備えている、
方法。
【請求項19】
前記ミキサの前記出力特性は、周波数帯域内の電力に関連しており、前記ミキサに対する前記信号入力は、絶対周波数差異が前記周波数帯域内に入る2つのトーンを備えており、前記ミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧についての前記好ましい設定は、前記周波数帯域内で測定された前記電力を最小化する設定である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧は、第1のゲートバイアス電圧と第2のゲートバイアス電圧とを備えており、前記第1のゲートバイアス電圧は、前記ミキサの第1の差動ペアにおけるトランジスタに関連づけられており、前記第2のゲートバイアス電圧は、前記ミキサの第2の差動ペアにおけるトランジスタに関連づけられている、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧は、少なくとも1つのオフセット電圧を備えており、前記少なくとも1つのオフセット電圧は、前記ミキサの差動ペアにおける第1のトランジスタのための少なくとも1つの名目ゲートバイアス電圧と直列で結合されている、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのオフセット電圧は、前記ミキサの差動ペアにおける第2のトランジスタの前記ゲートと直列でさらに結合されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧は、第1のゲートバイアス電圧と第2のゲートバイアス電圧とを備えており、前記ミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧を前記調節することは、
前記第1のゲートバイアス電圧を一定に保持しながら、前記第2のゲートバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、
前記第2のゲートバイアス電圧を一定に保持しながら、前記第1のゲートバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、
を備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記バイアス電圧についての好ましい設定を決定することは、
あらかじめ決定された範囲にわたって前記バイアス電圧を掃引することと、
前記あらかじめ決定された範囲にわたって前記ミキサの前記測定された出力特性をモニタすることと、
を備えている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記あらかじめ決定された範囲にわたって最大あるいは最小の測定された出力特性に対応する前記バイアス電圧を前記好ましい設定として選択すること、をさらに備えている請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記最小あるいは最大の測定された出力特性に対応する前記バイアス電圧と前記第2に最小あるいは最大の測定された出力特性に対応する前記バイアス電圧との間のバイアス電圧を、前記好ましい設定として選択すること、をさらに備えている請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記あらかじめ決定された範囲にわたって最大あるいは最小の測定された出力特性に対応するバイアス電圧を加えたあらかじめ決定されたオフセットに等しいバイアス電圧を前記好ましい設定として選択すること、をさらに備えている請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、前記第1あるいは第2のゲートバイアス電圧を、前に決定された好ましい値に一定に保持することによって、前記ミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧を調節するステップを繰り返すことをさらに備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
受信機における第1及び第2のミキサを較正するための方法であって、前記方法は、
前記受信機に信号入力を提供することと、
前記第1のミキサの少なくとも1つのゲートバイアス電圧を初期化し、そして、前記少なくとも1つの初期化されたゲートバイアス電圧に関連づけられた前記第1のミキサの出力特性を測定することと、
前記第1のミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧を調節し、そして、前記少なくとも1つの調節されたゲートバイアス電圧に関連づけられた前記第1のミキサの前記出力特性を測定することと、
前記第1のミキサの前記の測定された出力特性に基づいて、前記第1のミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、
前記第1のミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧を前記好ましい設定に設定しながら、前記第2のミキサを調節し、測定し、そして決定するステップを繰り返すことと、
を備えている、
方法。
【請求項30】
前記第2のミキサの前記少なくとも1つのゲートバイアス電圧を前記第2のミキサについての前記好ましい設定に設定しながら、前記第1のミキサについての更新された好ましい設定を決定するために、前記第1のミキサを調節し、測定し、そして決定するステップを繰り返すこと、をさらに備えている請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ミキサを較正するための方法であって、前記方法は、
前記ミキサに信号入力を提供することと、
前記ミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を初期化し、そして、前記少なくとも1つの初期化されたバルクバイアス電圧に関連づけられた前記ミキサの出力特性を測定することと、
前記ミキサの前記少なくとも1つのバルクバイアス電圧を調節し、そして前記少なくとも1つの調節されたバルクバイアス電圧に関連づけられた前記ミキサの前記出力特性を測定することと、
前記ミキサの前記の測定された出力特性に基づいて、前記ミキサの前記少なくとも1つのバルクバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、
前記ミキサのオペレーションの間の使用のために、前記好ましい設定を保存することと、
を備えている、
方法。
【請求項32】
受信機における第1及び第2のミキサを較正するための方法であって、前記方法は、
前記受信機に信号入力を提供することと、
前記第1のミキサの少なくとも1つのバルクバイアス電圧を初期化し、そして、前記少なくとも1つの初期化されたバルクバイアス電圧に関連づけられた前記第1のミキサの出力特性を測定することと、
前記第1のミキサの前記少なくとも1つのバルクバイアス電圧を調節し、そして、前記少なくとも1つの調節されたバルクバイアス電圧に関連づけられた前記第1のミキサの前記出力特性を測定することと、
前記第1のミキサの前記の測定された出力特性に基づいて、前記第1のミキサの前記少なくとも1つのバルクバイアス電圧についての好ましい設定を決定することと、
前記第1のミキサの前記少なくとも1つのバルクバイアス電圧を前記好ましい設定に設定しながら、前記第2のミキサを調節し、測定し、そして決定するステップを繰り返すことと、
を備えている、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62838(P2013−62838A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−237208(P2012−237208)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2010−525008(P2010−525008)の分割
【原出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】