説明

受動光網システムおよびその送信制御方法

【課題】省電力状態から復旧、もしくは省電力状態へ移行する際に意図しない光信号(誤発光)発生を防止するONUを実現する。
【解決手段】OLTとONUからなり、かつ、OLTよりONUのスリープ状態の移行・復旧を制御するPONシステムにおいて、ONUには、通信端末と通信を行なう信号送受信部、OLTと光信号により通信を行なう光・電気変換部、ONUが運用中およびスリープ期間中にデータ通信を制御するためのPON LSI、OLTから送信されるスリープ制御信号を解析するスリープ制御信号処理部、スリープ状態への移行・復帰を制御するスリープ状態制御部、光信号送信部の光信号を遮断・開通する光スイッチ、および、光スイッチを遮断・開通を制御する光スイッチ制御部を備えた受動光網システムにより、達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力機能を備えた受動光網システムおよびその送信制御方法に係り、宅内光伝送路終端装置が省電力状態から復旧、または省電力状態へ移行する機能を備えた受動光網システムおよびその送信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信網の高速・広帯域化が進む中、それらに対応するために光ネットワークの導入が図られている。受動光網システム(Passive Optical Network:以下PONと称する)は、1つの局側光伝送路終端装置(Optical Line Terminal:以下OLTと称する)が光ファイバおよび光ファイバを分岐する光スプリッタを介して複数の宅内光伝送路終端装置(Optical Network Unit:以下ONUと称する)とスター型のポイントツーマルチポイントのネットワークを形成するものである。PONの代表的な規格として、IEEE802.3で標準化されたEPON(Ethernet(登録商標)PON)、ITU−T G.984で標準化されたGPON(Gigabit Capable PON)がある。
【0003】
PONにおけるONUからOLTに向かって送信される上りフレームと、OLTからONUに向かって送信される下りフレームは、波長分割多重(Wave Division Multiplexing:以下WDMと称する)によって多重される。下りフレームは、OLTから光ファイバで接続された全てのONUに対して同じデータを送信する。データを受信したONUは、信号中に含まれる宛先情報を参照して自分宛のフレーム以外を破棄し、自分宛のデータのみをユーザ側へ転送する。
【0004】
一方、上りフレームについて、ONUは、OLTからの送信許可にしたがって指定された時間にデータを出力する時分割多重(Time Division Multiple Access:以下TDMAと称する)により多重され通信を行なう。
【0005】
また、PONの通信速度は、64kbit/sのような低速信号を扱うシステムから始まり、固定長のATMセルを最大約600Mbit/sで送受信するBPON(Broadband PON)あるいはEthernetの可変長パケットを最大約1Gbit/sで送受信するEPONや、より高速な2.4Gbit/s程度の信号を扱うGPONの導入が進められており、更に今後は10Gbit/sから40Gbit/sの信号を扱うことが可能な高速PONの実現が求められている。
【0006】
このようなPONの通信速度の向上に伴い伝送路上の中継装置の消費電力も増大傾向にある。ONUは、加入者宅に設置されることからネットワーク上に多数設置される。ONUは、OLTや上位スイッチ群と比較して利用できる帯域を必要とする時間が短い。したがってONUは非通信時においても無駄な電力を使用しながら放置されていることになる。
【0007】
この現状からONUの省電力化の要請が高まると共に、非特許文献1に示されるように、OLTからの制御によりONUの省電力(スリープ)制御を行なうシステムやそのプロトコル、スリープの契機について議論が高まっている。
【0008】
特許文献1は、光モジュールの後段に光スイッチを配置し、光モジュールの電源ON/OFF時に予定外の光が出力されることを防止する技術を開示する。しかし、その制御は、OLTによるものではない。
【0009】
特許文献2は、パワーダウン信号に基づいて、光モジュール部への電源供給を行なう技術を開示する。しかし、特許文献2の技術は、PONシステムに適用できない。
特許文献3は、OLTから通知される1つのONUの送信区間に基づいて、光モジュール送信部への給電制御をする技術を開示する。しかし、特許文献3の技術では、電源投入・遮断時に発生した誤発光を防止できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−086770号公報
【特許文献2】特開2009−071345号公報
【特許文献3】特開2009−302876号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】2010年電子情報通信学会全国大会 発表番号B−8−29“スリープモードによる次世代PON省電力化の検討”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の省電力機能を実装し、ONUがスリープ状態から復旧、または、ONUがスリープ状態に移行する際の光送信部への電力給電および停止時に、意図しない光信号(以下、誤発光と称する)が発生する可能性が考えられる。
【0013】
具体的には省電力機能を有するONUにおいて、スリープ状態にあるONUをOLTから起動する際、または、スリープ状態に移行する際のONUの光送信部に電力供給および停止する過渡期間、すなわち、急峻な電圧変動により光送信部の制御状態が不定となり、誤発光が発生する可能性がある。この結果、他ONUの上り信号に干渉し、フレーム(パケット)ロスを発生する危険性がある。したがって、スリープ制御の導入に伴いフレームロスを発生する危険性が高まり、さらにスリープ状態からの起動時間短縮の要請により、この危険性がより高まる。しかし、現在のところ省電力制御時に他ONUの上り信号に干渉する危険性は指摘されておらず、そのリスクを回避する手段も開示されていない。
【0014】
本発明はこの問題点を考慮して、OLTからのスリープ制御によりONUがスリープ状態から起動する際、またはスリープ状態に移行する際に、ONUから誤発光を発生させないPONシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
OLTからONUのスリープ制御を行なう実施形態を考慮すると、スリープ状態にあるONUは、OLTからのスリープ制御通知を受信可能な状態になければならない。これを加味し、ONUの光送信部の後段(OLT側)のみに光スイッチを配置し、スリープ状態から起動もしくはスリープ状態へ移行する際は、光スイッチをOFF状態に制御する。この制御により、光送信部より誤発光が発生しても光スイッチにて遮断することで、ONUからOLT側への誤発光は発生せず、他ONUの上り信号への干渉も発生しない。本明細書において、光スイッチとは、光を遮断・開通できる、または、ONUからの光送信波長のみを遮断(もしくはある閾値以下の光強度にできるも)・開通できるものとする。
【0016】
前述の手段を用いた一例を挙げる。本発明のONUのスリープ状態とは、OLTからのスリープ制御信号を受信可能な状態であるため、少なくとも、ONUの光受信部は起動状態(供給状態)である。この状態を利用して、光スイッチへ電力給電しOFF状態に制御する。これより、ONUのスリープ状態の制御形態が、光受信部が常時起動状態、あるいは、定期的な起動する場合においても光スイッチがOFF状態を実現できる。この状態よりOLTからスリープ状態解除を契機にONUがスリープ状態から起動し、運用状態に移行してから光スイッチをON制御する事により、ONUからの誤発光発生を防止する。ONUが運用状態からスリープ状態に移行する際は、ONUの光送信部への電力給電停止前に光スイッチをOFF制御する事により、ONUからの誤発光発生を防止する。
【0017】
上述した課題は、局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、局側光伝送路終端装置より宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムにおいて、局側光伝送路終端装置は、上位ネットワーク側の中継装置と通信を行なう信号送受信部と、宅内光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう信号変換部と、媒体アクセス制御部と、宅内光伝送路終端装置をスリープ状態に移行・復帰させるスリープ制御管理部とを備え、宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、デバイスを制御する第2の制御部とを備え、第2の制御部がデバイスの遮断状態した後に第1の制御部が光送信回路部を有効化し、また第2の制御部がデバイスの状態を遮断状態にした後に第1の制御部が光送信回路部を無効化する受動光網システムにより、達成できる。
【0018】
また、局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、局側光伝送路終端装置より宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムの送信制御方法において、宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、デバイスを制御する第2の制御部とを備え、局側光伝送路終端装置が宅内光伝送路終端装置へスリープの開始を指示する信号を送信するステップと、宅内光伝送路終端装置内の第2の制御部がデバイスの状態を遮断状態にするステップと、第1の制御部が光送信回路部を無効化するステップとを備える受動光網システムの送信制御方法により、達成できる。
【0019】
さらに、局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、局側光伝送路終端装置より宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムの送信制御方法において、宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、デバイスを制御する第2の制御部とを備え、局側光伝送路終端装置が宅内光伝送路終端装置へスリープの解除を指示する信号を送信するステップと、宅内光伝送路終端装置内の第1の制御部が光送信回路部を有効化するステップと、第2の制御部がデバイスの遮断状態を解除するステップとを備える受動光網システムの送信制御方法により、達成できる。
【0020】
さらに、また、局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、局側光伝送路終端装置より宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムの送信制御方法において、宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、デバイスを制御する第2の制御部とを備え、局側光伝送路終端装置が宅内光伝送路終端装置へ信号の送信許可区間を通知する信号を送信するステップと、送信許可区間の開始時に宅内光伝送路終端装置内の第2の制御部がデバイスの遮断状態を解除するステップと、その後に光送信回路部が信号を送信するステップと、送信許可区間の終了時に宅内光伝送路終端装置内の第2の制御部がデバイスの状態を遮断状態にするステップとを備える受動光網システムの送信制御方法により、達成できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、OLTからスリープ状態のONUを起動する際、または起動状態にあるONUをスリープ状態に移行する際に、ONUからの意図しない光信号(誤発光)発生を防止し、他ONUの上り信号に影響を与えないPONシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】PONシステムのブロック図である。
【図2】OLTの構成を説明するブロック図である。
【図3】ONUの構成を説明するブロック図である。
【図4】他のONUの構成を説明するブロック図である。
【図5】さらに他のONUの構成を説明するブロック図である。
【図6】ONUの構成を説明するブロック図である。
【図7】ONUの制御シーケンス図である。
【図8】ONUの構成を説明するブロック図である
【図9A】ONUの制御シーケンス図(その1)である。
【図9B】ONUの制御シーケンス図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【0024】
図1を参照して、PONシステムの構成を説明する。図1において、PONシステム100は、OLT2と、ONU4と、光スプリッタ3と、幹線ファイバ5と、支線ファイバ7とから構成されている。幹線ファイバ5は、OLT2と光スプリッタ3とを接続する。支線ファイバ7は、光スプリッタ3とONU4とを接続する。OLT2には、ネットワーク1が接続されている。ONU4には、端末装置6が接続されている。
【0025】
ONU4−1およびONU4−2、端末装置6−1および端末装置6−2はそれぞれ2台のみ図示しているが、光スプリッタ3を経由して同様に多数台のONU4がOLT2と接続されている。OLT2とONU4は、WDM(Wavelength Division Multiplexing)により波長多重された光信号を用いて通信する。そのため上り方向と下り方向の通信が衝突することはない。一方、複数のONU4は、同じ送信波長で通信を行なうため、TDM(Time Division Multiplexing)によって光送出が同じ時間に重ならないようにOLT2が各ONU4の光送信許可区間をコントロールする。
【0026】
図2を参照して、OLTの構成を説明する。図2において、OLT2は、信号送受信部201と、信号変換部202と、媒体アクセス制御部203と、制御部204とから構成されている。制御部204は、スリープ制御信号処理部205と、送信許可区間信号処理部206とを含む。
【0027】
信号送受信部201は、上位ネットワーク側の中継装置と通信を行なう。信号変換部202は、下りフレームの電気信号を光信号に、上りフレームの光信号を電気信号に変換し、ONU4と光信号により通信を行なう。媒体アクセス制御部203は、ONU4が運用中およびスリープ期間中にデータ通信を制御する。制御部204は、OLT2の各機能ブロックを制御する。制御部204は、スリープ制御信号処理部205と、送信許可区間信号処理部206とを含む。スリープ制御信号処理部205は、ONU4をスリープ状態に移行・復帰させるフレームを生成・通知を行う。送信許可区間信号処理部206は、ONU4の送信許可区間を通知するフレームを生成する。
【0028】
上りフレームが信号変換部202で受信されると、媒体アクセス制御部203は、上りフレームのMACアドレスと、プリアンプル部に付与されている送信元ONU情報を経路情報として関連付けて蓄積し、上りフレームを信号送受信部201から送信する。
【0029】
下りフレームが信号送受信部201で受信されると、媒体アクセス制御部203は、下りフレームのMACアドレスを参照し、予め保持された経路情報から宛先ONU識別情報を下りフレームのプリアンブル部に付与して、信号変換部202から送信する。媒体アクセス制御部203は、上述のスイッチング機能を保持している。
【実施例1】
【0030】
図3を参照して、実施例1のONUの光スイッチ配置構成を説明する。図3において、ONU4Aは、光・電気変換部302Aと、PON LSI303と、信号送受信部301と、制御部308とを含む。光・電気変換部302Aは、WDM304と、光受信回路305と、光送信回路306と、スイッチ307とを含む。光・電気変換部302AのWDM304と光受信回路305と光送信回路306とスイッチ307とは、光接続されている。制御部308は、スリープ制御信号処理部309と、スリープ状態制御部310と、光スイッチ制御部311とから構成されている。
【0031】
信号送受信部301は、TE(Terminal Equipment:以下TEと称する)などと通信を行なう。光・電気変換部302Aは、OLT2と光信号により通信を行なう。WDM部304は、上りフレームおよび下りフレームの波長分割多重を行なう。光受信回路305は、下りフレームの光信号を電気信号に変換する。光送信回路306は、上りフレームの電気信号を光信号に変換する。光スイッチ307は、光を遮断・開通する。PON LSI303は、下りフレームのEtherフレーム生成、および上りフレームのPONフレーム生成、およびONUが運用中およびスリープ期間中にデータ通信の制御を行なうなど媒体アクセス制御を司る。制御部308は、ONU内にある機能ブロックを制御する。
【0032】
スリープ制御信号処理部309は、OLT2から送信されるスリープ制御信号を解析する。スリープ状態制御部310は、スリープ状態への移行・復帰制御および光送信回路306の電力給電制御を行なう。光スイッチ制御部311は、光スイッチ307を光遮断・開通状態に制御する。
【0033】
光スイッチ307の配置の特徴は、WDM304と光送信回路306の間へ光スイッチ307を配置することにある。この配置構成にて、光スイッチ307および光スイッチ制御部311の追加のみにて、ONU4Aがスリープ状態から復帰、およびスリープ状態へ移行する際の誤発光の発生を防止できる。なお、光スイッチ307は、機械式光スイッチ、半導体光スイッチ等公知の光スイッチを適用できる。機械式スイッチは、制御部の電源断により制御信号が途絶えても信号の遮断ないし開通状態を保持可能という利点があり、また半導体光スイッチは光信号の遮断および開通の反応速度がナノ秒オーダーで非常に速いという利点がある。
【実施例2】
【0034】
図4を参照して、実施例2のONUの光スイッチ配置構成を説明する。図4において、ONU4Bは、光コネクタ401と、WDM402と、WDM403と、信号送受信部301と、光・電気変換部302Bと、PON LSI303と、光スイッチ307と、制御部308とから構成されている。制御部308は、スリープ制御信号処理部309と、スリープ状態制御部310と、光スイッチ制御部311とから構成されている。WDM402とWDM403と光スイッチ307とは、光ファイバで接続されている。
【0035】
光コネクタ401は光スプリッタ3とONU4Bを光ファイバで接続する。WDM部402およびWDM部403は、上りフレームおよび下りフレームの波長分割多重を行なう。
【0036】
ONU4Bは、WDM402とWDM403間において上り光信号と下り光信号を波長分離し、上り信号側へ光スイッチ307を配置する構成にて、ONUがスリープ状態から復帰、およびスリープ状態へ移行する際の誤発光を防止するものである。
本実施例の特徴は、光・電気変換部302内に光スイッチを有さない汎用的な光モジュール等を使用可能な点である。
【実施例3】
【0037】
図5を参照して、実施例3のONUの光スイッチ配置構成を説明する。図5において、ONU4Cは、光コネクタ401と、光スイッチ501と、信号送受信部301と、光・電気変換部302Bと、PON LSI303と、制御部308とから構成されている。制御部308は、スリープ制御信号処理部309と、スリープ状態制御部310と、光スイッチ制御部311とから構成されている。光コネクタ401と光スイッチ501と光・電気変換部302Bとは、光ファイバで接続されている。光スイッチ501は、透過する光波長を可変制御する波長可変フィルタである。 実施例3のONU4Cは、スリープ状態において、光スイッチ(波長可変フィルタ)501を下りフレームの光波長(1.5μm帯)のみ透過状態に制御する。一方、運用時において、ONU4Cは、下りフレームの光波長(1.5μm帯)と上りフレームの光波長(1.3μm帯)の両波長を透過状態に制御する。これにより、ONU4Cがスリープ状態から復帰、およびスリープ状態へ移行する際の誤発光を防止するものである。
【0038】
実施例3の特徴は、光・電気変換部302内に光スイッチを有さない汎用的な光モジュール等を使用でき、かつ、光スイッチ(波長可変フィルタ)501および光スイッチ制御部311のみの追加にて実現可能な点である。
【実施例4】
【0039】
図6、図7を参照して、実施例4のONUの構成におけるPONシステムのスリープ状態の移行・復旧時の光スイッチ制御および送信制御方法を説明する。図6において、ONU4Dは、光・電気変換部302Aと、PON LSI303と、信号送信部301と、制御部308Aと、光スイッチドライバ314と、光送信回路電源部313とから構成されている。制御部308Aは、スリープ制御信号処理部309と、スリープ状態制御部310Aとから構成される。スリープ状態制御部310Aは、さらに光スイッチ制御部311と、光送信回路給電制御部312とから構成されている。光・電気変換部302Aの構成は、先に説明した通りである。
【0040】
光送信回路給電制御部312は、スリープ制御解除を契機として、給電を開始する。一方、給電停止について、光送信回路給電制御部312は、光スイッチ307がOFF状態へ遷移後に給電停止する。また、光スイッチ制御部311は、スリープ制御解除契機にてONUが運用状態に起動後、または、光送信回路306への給電安定後に光スイッチをONする。一方、光スイッチのOFFについて、光スイッチ制御部311は、スリープ制御を契機として光スイッチOFFへ制御する。
【0041】
図7を参照して、実施例4の制御シーケンスを説明する。図7は、スリープ状態から復旧、およびスリープ状態への遷移する際のONUの制御シーケンスと、ONUのブロック状態((a)〜(e))である。
【0042】
図7において、初期状態でONU4Dは、スリープ状態である。スリープ状態のとき、光受信回路305は給電状態であり、光スイッチ307はOFF状態である。この状態で、OLT2のスリープ制御信号処理部205は、スリープ解除通知をONU4DのPON LSI303を介してスリープ制御信号処理部309に通知する(S701)。スリープ制御信号処理部309は、スリープ解除通知の受信を契機に、スリープ制御解除をスリープ状態制御部310Aへ通知する(S702)。スリープ制御解除の受信契機に、光送信回路給電制御部312は、光送信回路電源部313へ給電開始を通知し(S703)、光送信回路電源部313は、光送信回路306へ給電を開始する。これより、(a)光送信回路給電状態は、給電状態となる。給電状態が安定かつONUが起動状態となると、(d)ONU状態はスリープ状態から運用状態へ遷移する。
【0043】
スリープ制御解除の受信契機で、光スイッチ制御部311は、スリープ制御解除の受信からONUの運用状態、または、光送信回路306の給電状態安定までの時間経過後(遅延時間”1”と表記)に、光スイッチドライバ314へ光スイッチONを通知し(S704)、光スイッチドライバ314は、光スイッチ307をON状態へ駆動する。これより、(b)光スイッチ状態は、ON状態となる。
【0044】
OLT2によるONU4Dの送信許可制御に基づいて、OLT2の送信許可区間信号処理部206は、送信許可通知をPON LSI303へ通知する(S705)。この通知にてPON LSI303は、ONU4Dの送信許可時間を設定し、その期間を送信許可状態へ制御する。これより、(c)送信許可状態の送信許可区間が決定する。OLT2から送信許可通知が通知される度に、PON LSI303は、上記動作を繰返し、ONU4Dは、OLT2へ上りフレームを送信する。
【0045】
OLT2の省電力制御に基づきONU4Dをスリープ状態へ移行させる際に、OLT2のスリープ制御信号処理部205は、スリープ通知をONU4DのPON LSI303を介してスリープ制御信号処理部309へ通知する(S706)。スリープ制御信号処理部309は、スリープ通知の受信を契機にスリープ制御設定をスリープ状態制御部310Aへ通知する(S707)。
【0046】
スリープ制御設定の受信を契機に、光スイッチ制御部311は、光スイッチドライバ314へ光スイッチOFFを通知し(S708)、光スイッチドライバ314は、光スイッチ307をOFF状態へ駆動する。これより、(b)光スイッチ状態はOFF状態となる。スリープ制御設定の受信を契機として、光送信回路給電制御部312は、スリープ制御設定の受信から光スイッチOFFまでの時間経過後(遅延時間”2”と表記)に、光送信回路電源部313へ給電停止を通知し(S709)、光送信回路電源部313は、光送信回路306の給電を停止する。これより、(d)ONU状態は運用状態からスリープ状態へ遷移し、(a)光送信回路給電状態の給電状態が終了する。
【0047】
本制御シーケンスにより、ONUがスリープ状態から復旧時、およびスリープ状態へ遷移時の(e)誤発光発生区間において光スイッチをOFF状態に制御でき、光送信回路の誤発光をONUから送信される事が防止できる。
【0048】
実施例4における図6のONU4Dの光スイッチ配置構成は、実施例1に記載のONU4Aの光スイッチ配置を用いた例を代表とする。したがって、実施例2に記載のONU4B、および、実施例3に記載のONU4Cの光スイッチ配置構成おいても本実施例が適用可能である。また、上記制御方法は、ONUが運用状態時は常に光スイッチをON状態にする制御であり、ONUの構成および制御シーケンスはこの限りではない。
【実施例5】
【0049】
図8、図9を参照して、実施例5のONUの構成におけるPONシステムのスリープ状態の移行・復旧時の光スイッチ制御および送信制御方法を説明する。図8において、ONU4Eは、光・電気変換部302Aと、PON LSI303と、信号送信部301と、制御部308Bと、光スイッチドライバ314と、光送信回路電源部313とから構成されている。制御部308Bは、スリープ制御信号処理部309と、スリープ状態制御部310Bとから構成される。スリープ状態制御部310Bは、さらに光スイッチ制御部311と、光送信回路給電制御部312とから構成されている。PON LSI303は、送信許可通知信号処理部801と、送信許可状態制御部802と、タイムカウンタ803と、発光区間制御部804とから構成されている。光・電気変換部302Aの構成は、先に説明した通りである。
【0050】
送信許可通知信号処理部801は、OLT2の送信許可区間信号処理部206から発行される送信許可通知を解析する。信号許可状態制御部802は、OLT2からの送信許可通知に基づいて、ONU4Eの送信許可区間および光送信回路の発光区間を設定し、各区間の開始・終了を通知する。タイムカウンタ803は、現在時刻を管理する。発光区間制御部804は、光送信回路306を光送信状態に制御する。
【0051】
光送信回路給電制御部312は、スリープ制御解除を契機に給電開始する。一方、給電停止について、光送信回路給電制御部312は、スリープ制御設定を契機に給電停止する。光スイッチ制御部311は、送信許可区間開始を契機に光スイッチ307をON状態に遷移させる。光スイッチ制御部311は、送信許可区間終了を契機に光スイッチ307をOFF状態へ制御する。送信許可状態制御部802の送信許可区間および発光区間の制御は、送信許可通知受信を契機にタイムカウンタ803を参照して各区間を設定し、送信許可区間内に発光区間を設けるよう制御する。
【0052】
図9を参照して、実施例5の制御シーケンスを説明する。図9は、スリープ状態から復旧、およびスリープ状態への遷移する際のONUの制御シーケンスと、ONUのブロック状態((a)〜(e))である。
【0053】
図9Aにおいて、初期状態でONU4Eは、スリープ状態である。スリープ状態のとき、光受信回路305は給電状態であり、光スイッチ307はOFF状態である。この状態で、OLT2のスリープ制御信号処理部205は、スリープ解除通知をONU4EのPON LSI303を介してスリープ制御信号処理部309へ通知する(S901)。スリープ制御信号処理部309は、スリープ解除通知の受信を契機として、スリープ状態制御部310Bの光送信回路給電制御部312へスリープ制御解除を通知する(S902)。光送信回路給電制御部312は、スリープ制御解除の受信を契機として、光送信回路電源部313へ給電開始を通知し(S903)、光送信回路電源部313は、光送信回路306へ給電を開始する。これより、(a)光送信回路給電状態は給電状態となる。給電状態が安定かつONUが起動状態となると、(d)ONU状態はスリープ状態から運用状態へ遷移する。
【0054】
OLT2によるONU4Eの送信許可制御に基づいて、OLT2の送信許可区間信号処理部206は、送信許可通知をPON LSI303の送信許可状態信号処理部801へ通知する(S904)。送信許可通知信号処理部801は、送信許可通知の受信を契機として、送信許可通知受信を送信許可状態制御部802へ通知する(S905)。送信許可状態制御部802は、送信許可通知受信を契機にタイムカウンタ803を参照して送信許可区間および発光区間を設定する。具体的な各区間の設定は、送信許可区間の開始・終了を契機に光スイッチのON・OFF制御を行ない、発光区間の開始・終了を契機に光送信回路306の光信号送信・停止制御を行なうことを考慮して、光信号に影響を与えないよう、発光区間は光スイッチをON状態となるよう送信許可区間および発光区間を設定する。即ち、送信許可区間開始の発行から光スイッチがON状態へ遷移する時間経過後(遅延時間”3”と表記)に発光区間開始を発行し、発光区間終了の発行から発光区間が終了する時間経過後(遅延時間”4”と表記)に送信許可区間終了を発行するよう制御する。
【0055】
設定した送信許可区間に基づいて、送信許可状態制御部802は、送信許可区間開始を光スイッチ制御部311へ通知する(S906)。これより、(c)送信許可状態は送信許可へ遷移する。
【0056】
光スイッチ制御部311は、送信許可区間開始の受信を契機として、光スイッチONを光スイッチドライバ314へ通知し(S907)、光スイッチドライバ314は光スイッチ307をON状態へ駆動する。これより、(b)光スイッチ状態はON状態となる。送信許可状態制御部802は、設定した発光区間に基づいて、発光区間開始を発光区間制御部804へ通知し(S908)、発光区間制御部804は光送信回路306を光信号送信状態へ駆動する。これより、(c)送信許可状態は発光区間へ遷移する。
【0057】
図9Bに移って、送信許可状態制御部802は、発光区間の設定に基づいて、発光区間終了を発光区間制御部804に通知し(S909)、発光区間制御部804は光送信回路306の光信号送信を停止する。これより、(c)送信許可状態の発光区間が終了する。送信許可状態制御部802は、設定した送信許可区間に基づいて、送信許可区間終了を光スイッチ制御部311へ通知する(S910)。これより、(c)送信許可状態が終了する。
【0058】
光スイッチ制御部311は、送信許可区間終了の受信を契機として、光スイッチOFFを光スイッチドライバ314へ通知し(S911)、光スイッチドライバ314は、光スイッチ307をOFF状態へ駆動する。ここで、(b)光スイッチ状態はOFF状態となる。
OLT2から送信許可通知が通知される度に、ステップ904〜ステップ911の動作を繰返し、ONU4Eは、OLT2へ上りフレームを送信する。
【0059】
OLT2の省電力制御に基づき、ONU4Eをスリープ状態へ移行させる際に、OLT2のスリープ制御信号処理部205は、スリープ通知をONU4EのPON LSI303を介してスリープ制御信号処理部309へ通知する(S912)。スリープ制御信号処理部309は、スリープ通知の受信を契機として、スリープ制御設定をスリープ状態制御部310Bの光送信回路給電制御部312へ通知する(S913)。光送信回路給電制御部312は、スリープ制御設定の受信を契機として、光送信回路電源部313へ給電停止を通知し(S914)、光送信回路電源部313は、光送信回路306の給電を停止する。これより、(d)ONU状態は運用状態からスリープ状態へ遷移し、(a)光送信回路給電状態の給電状態が終了する。
【0060】
本制御シーケンスにより、ONUがスリープ状態から復旧時、およびスリープ状態へ遷移時の(e)誤発光発生区間において光スイッチをOFF状態に制御でき、光送信回路の誤発光をONUから送信される事が防止できる。
【0061】
実施例5における図8のONUの光スイッチ配置構成は、実施例1に記載のONU4Aを代表とする。したがって、実施例2に記載のONU4B、および、実施例3に記載のONU4Cの光スイッチ配置構成においても本実施例が適用可能である。また、上記制御方法は、ONUが送信許可区間のみ光スイッチをON状態にする制御であり、ONUの構成および制御シーケンスはこの限りではない。
【符号の説明】
【0062】
1…ネットワーク、2…局側光伝送路終端装置(OLT)、3…光スプリッタ、4…宅内光伝送路終端装置(ONU)、5…幹線ファイバ、6…端末装置、7…支線ファイバ、100…PONシステム、201…OLTの信号送受信部、202…信号変換部、203…媒体アクセス制御部、204…OLTの制御部、205…OLTのスリープ制御信号処理部、206…送信許可区間信号処理部、301…ONUの信号送受信部、302…光・電気変換部、303…PON…LSI、304、402、403…WDM部、305…光受信回路、306…光送信回路、307…光スイッチ、308…ONUの制御部、309…ONUのスリープ制御信号処理部、310…スリープ状態制御部、311…光スイッチ制御部、312…光送信回路給電制御部、313…光送信回路電源部、314…光スイッチドライバ、401…光コネクタ、501…光スイッチ(波長可変フィルタ)、801…送信許可通知信号処理部、802…送信許可状態制御部、803…タイムカウンタ、804…発光区間制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、前記局側光伝送路終端装置より前記宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムにおいて、
前記局側光伝送路終端装置は、上位ネットワーク側の中継装置と通信を行なう信号送受信部と、前記宅内光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう信号変換部と、媒体アクセス制御部と、前記宅内光伝送路終端装置をスリープ状態に移行・復帰させるスリープ制御管理部とを備え、
前記宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、前記局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、前記局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、前記光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、前記デバイスを制御する第2の制御部とを備え、
前記第2の制御部が前記デバイスを遮断状態した後に前記第1の制御部が前記光送信回路部を有効化し、また前記第2の制御部が前記デバイスの状態を遮断状態にした後に前記第1の制御部が前記光送信回路部を無効化することを特徴とする受動光網システム。
【請求項2】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記宅内光伝送路終端装置の前記光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部の出力に前記デバイスが接続され、前記デバイスの出力に接続された波長分割多重部をさらに備えることを特徴とする受動光網システム。
【請求項3】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記宅内光伝送路終端装置の前記光・電気変換部の出力に接続された第1の波長分割多重部と、前記第1の波長分割多重部の出力に接続された前記デバイスと、前記デバイスの出力に接続された第2の波長分割多重部とを備えることを特徴とする受動光網システム。
【請求項4】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記デバイスは、波長可変フィルタであり、
前記第2の制御部は、前記波長可変フィルタにおいて、前記局側光伝送路終端装置から前記宅内光伝送路終端装置へ送信される波長を透過しかつ前記宅内光伝送路終端装置から前記局側光伝送路終端装置へ送信される波長を遮断することで遮断制御を実施し、また前記局側光伝送路終端装置から前記宅内光伝送路終端装置へ送信される波長と前記宅内光伝送路終端装置から前記局側光伝送路終端装置へ送信される波長の双方を透過することで遮断状態の解除を実施することを特徴とする受動光網システム。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれか一つに記載の受動光網システムであって、
前記第2の制御部は、前記局側光伝送路終端装置から送信されるスリープの解除を指示する信号を受信したとき前記デバイスの遮断状態を解除し、前記局側光伝送路終端装置から送信されるスリープの開始を指示する信号を受信したとき、前記デバイスを遮断状態にすることを特徴とする受動光網システム。
【請求項6】
請求項2ないし請求項4のいずれか一つに記載の受動光網システムであって、
前記第2の制御部は、前記局側光伝送路終端装置が前記宅内光伝送路終端装置へ送信した送信許可区間に基づき、前記送信許可区間の開始時に前記デバイスの遮断状態を解除し、前記送信許可区間の終了時に前記デバイスの状態を遮断状態にすることを特徴とする受動光網システム。
【請求項7】
局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、前記局側光伝送路終端装置より前記宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムの送信制御方法において、
前記宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、前記局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、前記局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、前記光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、前記デバイスを制御する第2の制御部とを備え、
前記局側光伝送路終端装置が前記宅内光伝送路終端装置へスリープの開始を指示する信号を送信するステップと、
前記宅内光伝送路終端装置内の前記第2の制御部が前記デバイスの状態を遮断状態にするステップと、
前記第1の制御部が前記光送信回路部を無効化するステップとを備えることを特徴とする受動光網システムの送信制御方法。
【請求項8】
局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、前記局側光伝送路終端装置より前記宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムの送信制御方法において、
前記宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、前記局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、前記局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、前記光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、前記デバイスを制御する第2の制御部とを備え、
前記局側光伝送路終端装置が前記宅内光伝送路終端装置へスリープの解除を指示する信号を送信するステップと、
前記宅内光伝送路終端装置内の前記第1の制御部が前記光送信回路部を有効化するステップと、
前記第2の制御部が前記デバイスの遮断状態を解除するステップとを備えることを特徴とする受動光網システムの送信制御方法。
【請求項9】
局側光伝送路終端装置と複数の宅内光伝送路終端装置とから構成され、前記局側光伝送路終端装置より前記宅内光伝送路終端装置のスリープ状態の移行・復旧を制御する受動光網システムの送信制御方法において、
前記宅内光伝送路終端装置は、通信端末と通信を行なう信号送受信部と、前記局側光伝送路終端装置と光信号により通信を行なう光・電気変換部と、PON LSI部と、前記局側光伝送路終端装置から送信されるスリープ制御信号を受信するスリープ制御信号処理部と、スリープ状態を制御する第1の制御部と、前記光・電気変換部の内部に備えられた光送信回路部から出力される光信号を遮断するデバイスと、前記デバイスを制御する第2の制御部とを備え、
前記局側光伝送路終端装置が前記宅内光伝送路終端装置へ信号の送信許可区間を通知する信号を送信するステップと、
前記送信許可区間の開始時に前記宅内光伝送路終端装置内の前記第2の制御部が前記デバイスの遮断状態を解除するステップと、
その後に前記光送信回路部が信号を送信するステップと、
前記送信許可区間の終了時に前記宅内光伝送路終端装置内の前記第2の制御部が前記デバイスの状態を遮断状態にするステップとを備えることを特徴とする受動光網システムの送信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2012−249056(P2012−249056A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118859(P2011−118859)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】