説明

口内乾燥の処置のための組成物および方法

本発明は、口内乾燥の処置のための、塩基性アミノ酸、たとえばアルギニンを含む方法および組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、米国特許出願No.61/027,438、2008年2月9日出願、に基づく優先権を主張し、かつ米国特許出願No.61/027,442、2008年2月9日出願、ならびに米国特許出願No.61/027,432;61/027,431;61/027,420;および61/027,435、すべて2008年2月8日出願、に基づく優先権を主張し、それらの出願の内容をすべて本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 口内乾燥(dry mouthまたはxerostomia)は、主に唾液の欠乏により起きる急性または慢性の状態である。それは、シェーグレン症候群などの原疾患、水分欠乏、唾液腺に対する外傷、アルコール摂取、または薬物療法の副作用により起きる可能性がある。それは全般的な集団において増加しつつある状態であることが確認された。おおよそ、15%〜20%の青少年が口内乾燥を訴えており、60〜80歳の人々の30〜40%が口内乾燥を訴えている。
【0003】
[0003] 口内乾燥は、患者においていくつかの合併症の原因となる可能性がある。唾液が減少している可能性があり、かつ気泡性、濃厚および粘稠である場合がある。舌が乾燥し、亀裂を生じ、葉状になる場合があり、多様な細菌および酵母が感染する可能性がある。頬がしばしば乾燥し、鈍感になり、かつ蒼白になる。唾液の欠乏により食物の咀嚼および嚥下が悪化するので、口内の水分減少は摂食困難を生じる。これは、人が食物を味わい、言語を発する能力をも妨げる。さらに、湿った口内は人の緊密な関係に有益であり、これも口内乾燥の結果として損なわれる。
【0004】
[0004] 口内乾燥を患っている患者は、広汎な歯の衰退、たとえば齲食も伴い、これには通常は衰退しやすくない領域、たとえば下側の切歯および歯根が含まれる。可能な説明のひとつは、唾液中に存在するペリクルが酸と歯の表面の間に保護バリヤーを提供し、そのようなバリヤーが唾液の不存在下では減少するというものである。
【0005】
[0005] 口内を湿潤させるリンス、ゲルおよび合成唾液スプレーを含めて口内乾燥を緩和するための多数の製品があるが、抗齲食効果をもたらす製品はほとんどない。口内乾燥を処置するための現在の口腔用製品は、齲食を発生するリスクを低下させるために高濃度のフッ化物を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006] 口内乾燥を患っている人々を処置するための口腔ケア組成物および方法の開発が、依然として求められている。口内乾燥を患っている人々における齲食の発生を抑制するための口腔ケア組成物および方法の開発も、依然として求められている。口内乾燥を患っている人々における食物摂取および言語構成を補助しうる口腔ケア組成物の開発も、依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 塩基性アミノ酸、たとえばアルギニンを練り歯磨き配合物中に使用することは当技術分野で知られているが、本発明者らは、重炭酸アルギニンを含む練り歯磨きを口内乾燥を患っている者が用いた場合の予想外の驚くべき結果、すなわち、そのような組成物が口内乾燥を緩和、治療および抑制することを見いだした。塩基性アミノ酸、たとえばアルギニンを用いて(フッ化物無し、または無し)、空洞を予防することができると考えられる;塩基性アミノ酸塩、たとえば重炭酸アルギニンが不溶性カルシウム塩と組み合わさると、一般にこの歯磨剤用研磨剤は歯をコートすることにより齲食に対抗する唾液の保護効果を模倣し、歯のエナメル質および歯根を完全に保護するからである。
【0008】
[0008] したがって本発明には、組成物1.0、すなわち、口内乾燥を治療、予防、改善または抑制するための口腔ケア組成物であって、たとえば配合物が歯磨剤である場合には少なくとも1%(遊離塩基の重量)、配合物がマウスリンスである場合には少なくとも0.1%の量で存在する、有効量の遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、たとえばアルギニンを含むものが含まれる;この配合物は、場合によりさらに下記のうち1以上を含む:
i.カルシウムおよび/またはホスフェートイオン源、たとえば炭酸カルシウムおよび/または可溶性カルシウム塩、たとえば塩化カルシウム、乳酸カルシウム;
ii.可溶性ホスフェート塩、たとえば一塩基性リン酸カリウムまたは二塩基性リン酸カリウム;および/または
iii.リン酸カルシウム、たとえば第二リン酸カルシウム;カリウムイオン源、たとえば塩化カリウム、一塩基性リン酸カリウムまたは二塩基性リン酸カリウム、および/または硝酸カリウム;
iv.フッ化物源、たとえば可溶性フッ化物塩、たとえばフッ化ナトリウムまたはモノフルオロリン酸ナトリウム;
v.マグネシウム源、たとえば塩化マグネシウム;唾液の流出を誘発する着香剤、たとえばカプサシエン(capsacien);ならびに/あるいは
vi.ポリオール系湿潤剤、たとえばグリセロール、糖アルコール(たとえばソルビトール、キシリトール)から選択されるもの;
ならびにその組合わせ;
たとえば下記のいずれかの組成物:
1.0.1.塩基性アミノ酸がアルギニン、リジン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸(diaminoproprionic acid)、その塩類、および/またはその組合わせである、組成物1.0;
1.0.2.塩基性アミノ酸がL−立体配置をもつ、組成物1.0または1.0.1;
1.0.3.塩基性アミノ酸を含むジ−またはトリ−ペプチドの塩の形で供給される、前記のいずれかの組成物;
1.0.4.塩基性アミノ酸がアルギニンである、前記のいずれかの組成物;
1.0.5.塩基性アミノ酸がL−アルギニンである、前記のいずれかの組成物;
1.0.6.塩基性アミノ酸が部分的または完全に塩の型である、前記のいずれかの組成物;
1.0.7.塩基性アミノ酸がリン酸アルギニンである、組成物1.0.6;
1.0.8.塩基性アミノ酸が塩酸アルギニンの形である、組成物1.0.6;
1.0.9.塩基性アミノ酸が硫酸アルギニンである、組成物1.0.6;
1.0.10.塩基性アミノ酸が重炭酸アルギニンである、組成物1.0.6;
1.0.11.塩基性アミノ酸の塩が配合物中においてその場で、酸または酸の塩類による塩基性アミノ酸の中和により形成される、前記のいずれかの組成物;
1.0.12.フッ化物塩と組み合わせる前に、塩基性アミノ酸の中和により塩基性アミノ酸の塩を形成してプレミックスを調製する、前記のいずれかの組成物;
1.0.13.塩基性アミノ酸の重量を遊離塩基形として計算して、塩基性アミノ酸が全組成物重量の約0.1〜20%、たとえば約1重量%〜約10重量%に相当する量で存在する、前記のいずれかの組成物;
1.0.14.塩基性アミノ酸が全組成物重量の約7.5重量%の量で存在する、組成物1.0.11;
1.0.15.塩基性アミノ酸が全組成物重量の約5重量%の量で存在する、組成物1.0.11;
1.0.16.塩基性アミノ酸が全組成物重量の約3.75重量%の量で存在する、組成物1.0.11;
1.0.17.塩基性アミノ酸が全組成物重量の約1.5重量%の量で存在する、組成物1.0.11;
1.0.18.フッ化物塩が、フッ化スズ(II)、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン(たとえばN’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオリド)、フッ化アンモニウム、フッ化チタン、ヘキサフルオロ硫酸塩、およびその組合わせから選択される、前記のいずれかの組成物;
1.0.19.フッ化物塩がフルオロリン酸塩である、前記のいずれかの組成物;
1.0.20.フッ化物塩がモノフルオロリン酸ナトリウムである、前記のいずれかの組成物;
1.0.21.フッ化物塩がフッ化ナトリウムである、前記のいずれかの組成物;
1.0.22.フッ化物塩が全組成物重量の約0.01重量%〜約2重量%の量で存在する、前記のいずれかの組成物;
1.0.23.フッ化物塩が全組成物重量の約0.1〜約0.2重量%の量のフッ化物イオンを供給する、前記のいずれかの組成物;
1.0.24.可溶性フッ化物塩が約50〜10,000ppmの量のフッ化物イオンを供給する、前記のいずれかの組成物;
1.0.25.100〜約250ppmの有効フッ化物イオンを含むマウスウォッシュ(mouthwash)である、前記のいずれかの組成物;
1.0.26.約750〜2000ppmの有効フッ化物イオンを含む歯磨剤である、前記のいずれかの組成物;
1.0.27.組成物が、750〜2000ppmのフッ化物イオンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.28.組成物が、1000〜1500ppmのフッ化物イオンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.29.組成物が、約1450ppmのフッ化物イオンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.30.pHが約6〜約9、たとえば6.5〜7.4、または7.5〜9である、前記のいずれかの組成物;
1.0.31.pHが約6.5〜約7.4である、前記のいずれかの組成物;
1.0.32.pHが約6.8〜約7.2である、前記のいずれかの組成物;
1.0.33.pHがほぼ中性である、前記のいずれかの組成物;
1.0.34.さらに研磨剤または粒状物質を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.35.接着剤または粒状物質が、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム(たとえば第二リン酸カルシウム・2水和物)、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、シリカ(たとえば水和シリカ)、酸化鉄、酸化アルミニウム、パーライト、プラスチック粒子、たとえばポリエチレン、およびその組合わせから選択される、上記の組成物;
1.0.36.研磨剤または粒状物質が、リン酸カルシウム(たとえば第二リン酸カルシウム・2水和物)、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、シリカ(たとえば水和シリカ)、およびその組合わせから選択される、上記の組成物;
1.0.37.全組成物重量の約15重量%〜約70重量%の量の研磨剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.38.約5マイクロメートル未満のd50を有する少なくとも約5%の小粒子研磨剤画分を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.39.150未満、たとえば約40〜140のRDAを有する、前記のいずれかの組成物;
1.0.40.陰イオン界面活性剤が下記のものから選択される、前記のいずれかの組成物:
a.高級脂肪酸モノグリセリドモノスルフェートの水溶性塩(たとえば、水素化ヤシ(椰子)油脂肪酸のモノスルフェート化モノグリセリドのナトリウム塩、たとえばナトリウムN−メチル N−ココイルタウレート、ナトリウムココモ−グリセリドスルフェート)、
b.高級アルキルスルフェート、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、
c.高級アルキル−エーテルスルフェート、たとえば次式のもの:
CH(CHCH(OCHCHOSOX、ここでmは6〜16、たとえば10であり、nは1〜6、たとえば2、3または4であり、XはNaまたはKである(たとえばナトリウムラウレス−2スルフェート(CH(CH10CH(OCHCHOSONa))、
d.高級アルキルアリールスルホネート(たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム))、
e.高級アルキルスルホアセテート(たとえばナトリウムラウリルスルホアセテート(ドデシルナトリウムスルホアセテート)、1,2 ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、スルホコラウレート(N−2−エチルラウレートカリウムスルホアセトアミド)およびラウリルサルコシン酸ナトリウム)、
f.ならびにその混合物;
”高級アルキル”は、たとえばC6−30アルキルを意味する。具体的な態様において、陰イオン界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される;
1.0.41.陰イオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、およびその混合物から選択される、前記のいずれかの組成物;
1.0.42.陰イオン界面活性剤が、約0.3重量%から約4.5重量%までの量で存在する、前記のいずれかの組成物;
1.0.43.陽イオン、両性イオンおよび非イオン界面活性剤、ならびにその混合物から選択される界面活性剤をさらに含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.44.少なくとも1種類の湿潤剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.45.グリセリン、ソルビトール、およびその組合わせから選択される少なくとも1種類の湿潤剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.46.キシリトールを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.47.少なくとも1種類のポリマーを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.48.ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル−マレイン酸コポリマー、多糖類(たとえばセルロース誘導体、たとえばカルボキシメチルセルロース、または多糖ガム、たとえばキサンタンガムもしくはカラギーナンガム)、およびその組合わせから選択される少なくとも1種類のポリマーを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.49.ガムのストリップまたはフラグメントを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.50.着香剤、芳香剤および/または着色剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.51.水を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.52.下記のものから選択される抗細菌剤を含む、前記のいずれかの組成物:ハロゲン化ジフェニルエーテル(たとえばトリクロサン(triclosan))、草本エキスおよび精油(たとえばローズマリーエキス、茶エキス、モクレン(magnolia)エキス、チモール(thymol)、メントール、ユーカリプトール(eucalyptol)、ゲラニオール、カルバクロール(carvacrol)、シトラール(citral)、ヒノキトール(hinokitol)、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン(epigallocatechin gallate)、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(ナチュラルブラシ)(miswak)エキス、シーバックソーン(sea−buckthorn)エキス)、ビスグアニド系防腐剤(たとえばクロルヘキシジン(chlorhexidine)、アレキシジン(alexidine)またはオクテニジン(octenidine))、第四級アンモニウム化合物(たとえばセチルピリジニウムクロリド(CPC)、塩化ベンザルコニウム、テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC)、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン(hexetidine)、オクテニジン、サンギナリン(sanguinarine)、ポビドンヨード(povidone iodine)、デルモピノール(delmopinol)、サリフルオル(salifluor)、金属イオン(たとえば亜鉛塩、たとえばクエン酸亜鉛、スズ(II)塩、銅塩、鉄塩)、サンギナリン、プロポリス(propolis)および酸素化剤(たとえば過酸化水素、緩衝化されたペルオキシホウ酸ナトリウムまたはペルオキシ炭酸ナトリウム)、フタル酸およびその塩、モノパーサル酸(monoperthalic acid)ならびにその塩およびエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレオイルサルコシン(oleoyl sarcosine)、硫酸アルキル、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン(domiphen bromide)、デルモピノール、オクタピノール(octapinol)および他のピペリジノ誘導体、ナイシン製剤、亜塩素酸塩、ならびに以上のいずれかの混合物;
1.0.53.抗炎症性化合物、たとえば下記のものを含む、前記のいずれかの組成物:マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、シクロオキシゲナーゼ(COX)、PGE、インターロイキン1(IL−1)、IL−1β変換酵素(ICE)、トランスフォーミング成長因子β1(TGF−β1)、誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)、ヒアルロニダーゼ、カテプシン、核因子カッパB(NF−κB)、およびIL−1受容体関連キナーゼ(IRAK)から選択される宿主炎症性因子のうち少なくとも1つの阻害剤、たとえばアスピリン、ケトロラク(ketorolac)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、インドメタシン(indomethacin)、アスピリン、ケトプロフェン(ketoprofen)、ピロキシカム(piroxicam)、メクロフェナム酸(meclofenamic acid)、ノルジヒドグアイアレチン酸(nordihydoguaiaretic acid)、およびその混合物から選択されるもの;
1.0.54.抗酸化剤、たとえば補酵素Q10、PQQ、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、アネトール−ジチオチオン(anethole−dithiothione)、およびその混合物からなる群から選択されるものを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.55.抗微生物剤が貧溶性である、前記のいずれかの組成物;
1.0.56.トリクロサンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.57.トリクロサンおよびキシリトールを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.58.トリクロサン、キシリトールおよび沈降炭酸カルシウムを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.59.全組成物重量の0.01〜5重量%の量の抗細菌剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.60.全組成物重量の0.01〜1重量%の量のトリクロサンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.61.全組成物重量の約0.3%の量のトリクロサンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.62.増白剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.63.ペルオキシド、亜塩素酸金属塩、ペルボレート、ペルカーボネート、ペルオキシ酸、次亜塩素酸塩、およびその組合わせからなる群から選択される増白活性物質から選択される増白剤を含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.64.過酸化水素または下記の過酸化水素源を含む、前記のいずれかの組成物:たとえば過酸化尿素、またはペルオキシド塩もしくは複合体(たとえばペルオキシホスフェート、ペルオキシカーボネート、ペルボレート、ペルオキシシリケートまたはペルスルフェート塩;たとえばペルオキシリン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、ナトリウムカーボネートペルオキシド、ペルオキシリン酸ナトリウム、および過硫酸カリウム);
1.0.65.さらに、細菌の付着を妨害または阻止する薬剤、たとえばソルブロール(solbrol)またはキトサンを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.66.さらに、下記のものから選択されるカルシウムおよびホスフェートの供給源を含む、前記のいずれかの組成物:(i)カルシウム−ガラス複合体、たとえばカルシウムナトリウムホスホシリケート、および(ii)カルシウム−タンパク質複合体、たとえばカゼインホスホペプチド−非晶質リン酸カルシウム;
1.0.67.さらに、可溶性カルシウム塩、たとえば硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、およびその組合わせから選択されるものを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.68.さらに、生理的に許容できるカリウム塩、たとえば硝酸カリウムまたは塩化カリウムを、象牙質知覚過敏を軽減するのに有効な量で含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.69.約0.1%から約7.5%までの生理的に許容できるカリウム塩、たとえば硝酸カリウムおよび/または塩化カリウムを含む、前記のいずれかの組成物;
1.0.70.アルギニン塩、たとえば塩酸アルギニン、リン酸アルギニンまたは重炭酸アルギニン;トリクロサン;陰イオン界面活性剤、たとえばラウリル硫酸ナトリウム;および可溶性フッ化物塩、たとえばモノフルオロリン酸ナトリウムまたはフッ化ナトリウムを含む練り歯磨きである、前記のいずれかの組成物;
1.0.71.たとえばブラッシングにより口腔に適用した際に、口内乾燥を軽減し、および/または水分補給効果の知覚を発生させ、かつ場合により下記のために有効な、前記のいずれかの組成物:(i)齲歯、たとえば唾液流出の減少および口内乾燥から生じる齲歯の形成を軽減または抑制する、(ii)たとえば定量光誘導蛍光(quantitative light−induced fluorescence)(QLF)または電気的齲食測定(electrical caries measurement)(ECM)により検出される初期のエナメル質病変を軽減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を軽減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を軽減する、(v)歯肉炎を軽減または抑制する、(vi)口内の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸産生細菌のレベルを低下させる、(viii)アルギニン分解細菌の相対レベルを高める、(ix)口腔における微生物バイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇および/または維持する、(xi)歯垢の蓄積を軽減する、(xiii)たとえば口腔組織を介した全身感染の潜在性を低下させることにより、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態を増進する、ならびに/あるいは(xiv)歯の侵食を軽減する、(xv)歯を増白する、(xvi)歯を齲食原性細菌に対して免疫化する、(xvii)歯および口腔を清浄にする、ならびに(xvii)口内乾燥による睡眠障害(sleep disruption)を軽減する;
1.0.72.前記のいずれかの組成物において述べた成分を組み合わせることにより得られた、または得ることができる、組成物;
1.0.73.マウスリンス、練り歯磨き、歯磨きゲル、歯磨き粉、非研磨ゲル、ムース、フォーム、口内スプレー、トローチ、口内錠、インプラント義歯、およびペットケア製品から選択される形態の、前記のいずれかの組成物;
1.0.74.組成物が練り歯磨きである、前記のいずれかの組成物;
1.0.75.組成物が、場合によりさらに、水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン、ポリマー、酵素、湿潤剤、増粘剤、抗微生物剤、保存剤、着香剤、着色剤、および/またはその組合わせのうち1以上を含む練り歯磨きである、前記のいずれかの組成物;
1.0.76.組成物がマウスウォッシュである、組成物1.0〜1.0.72のいずれかの組成物;
1.0.77.組成物がチューインガムである、組成物1.0〜1.0.72のいずれかの組成物;
1.0.78.さらに、ブレスフレッシュナー(breath freshner)、芳香剤または着香剤を含む、前記のいずれかの組成物。
【0009】
[0009] 有効成分のレベルは、送達系および個々の有効物質の性質に基づいて異なるであろう。たとえば塩基性アミノ酸は、たとえば約0.1から約20重量%まで(遊離塩基の重量として表わす)、たとえばマウスリンスについては約0.1から約3重量%まで、消費者用練り歯磨きについては約1から約10重量%まで、または専門用もしくは処方箋処置製品については約7から約20重量%までのレベルで存在することができる。フッ化物は、たとえば約25〜約25,000ppm、たとえばマウスリンスについては約25〜約250ppm、消費者用練り歯磨きについては約750〜約2,000ppm、または専門用もしくは処方箋処置製品については約2,000〜約25,000ppmのレベルで存在することができる。抗細菌剤のレベルも同様に異なり、練り歯磨き中に用いるレベルはマウスリンス中に用いるレベルよりたとえば約5〜約15倍大きいであろう。たとえば、トリクロサンマウスリンスはたとえば約0.03重量%のトリクロサンを含有することができ、一方、トリクロサン練り歯磨きは約0.3重量%のトリクロサンを含有することができる。
【0010】
[0010] 本発明には、方法2.0、すなわち、口内乾燥を治療、抑制または寛解するための方法であって、その必要がある患者、たとえば口内乾燥を患っている患者の口腔内へ、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸を含む口腔ケア組成物、たとえば組成物1.0〜1.0.78のいずれかを導入することを含む方法が含まれる。
【0011】
[0011] 本発明の他の態様には、下記の方法も含まれる:
2.1 方法2.0のうち、下記のためにも有効な方法:(i)齲歯の形成を軽減または抑制する、(ii)たとえば定量光誘導蛍光(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出される初期のエナメル質病変を軽減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を軽減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を軽減する、(v)歯肉炎を軽減または抑制する、(vi)口内の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸産生細菌のレベルを低下させる、(viii)アルギニン分解細菌の相対レベルを高める、(ix)口腔における微生物バイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇および/または維持する、(xi)歯垢の蓄積を軽減する、(xiii)たとえば口腔組織を介した全身感染の潜在性を低下させることにより、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態を増進する、ならびに/あるいは(xiv)歯の侵食を軽減する、ならびに(xv)歯および口腔を清浄にする;
2.2 方法2.0または2.2のうち、組成物が少なくとも7.5%のアルギニンを含むもの;
2.3 方法2.0〜2.2のうち、組成物が少なくとも10%の重炭酸アルギニンを含むもの;
2.4 方法2.0〜2.3のうち、組成物が少なくとも5%の湿潤剤を含むもの;
2.5 方法2.0〜2.4のうち、患者が口内乾燥の素因をもつもの;
2.6 方法2.0〜2.5のうち、患者が口内乾燥を患っているもの;
2.7 方法2.0〜2.6のうち、患者が口内乾燥の結果として食物咀嚼困難を有するもの;
2.8 方法2.0〜2.7のうち、患者が口内乾燥の結果として嚥下困難を有するもの;
2.9 方法2.0〜2.8のうち、患者が口内乾燥の結果として言語困難を有するもの;
2.10 方法2.0〜2.9のうち、患者が口内乾燥の結果として舌の日和見感染症にも罹患しているもの;
2.11 方法2.0〜2.10のうち、口内乾燥の原因が疾患であるもの;
2.12 方法2.0〜2.11のうち、患者が薬剤で処置されており、その薬剤が口内乾燥の原因であるもの;
2.13 方法2.0〜2.12のうち、口内乾燥が慢性的であるもの;
2.14 方法2.0〜2.13のうち、組成物が約7.5%から約25.0%までのアルギニンを含むもの;
2.15 方法2.0〜2.14のうち、組成物が歯磨剤であるもの;
2.16 方法2.0〜2.15のうち、組成物が練り歯磨きであるもの;
2.17 方法2.0〜2.16のうち、組成物がゲルであるもの;
2.18 方法2.0〜2.17のうち、組成物を口腔に歯ブラシで適用するもの;
2.19 方法2.0〜2.15のうち、組成物がマウスウォッシュであるもの;
2.20 方法2.0〜2.19のうち、患者がその方法を1日1回より多く行なうもの;
2.21 方法2.0〜2.20のうち、患者がその方法を毎日行なうもの。
【0012】
[0012] 本発明は、口内乾燥を治療、改善、抑制または予防するための、たとえば組成物1.0〜1.0.78のいずれかにおいて供給される遊離または塩の型の塩基性アミノ酸、たとえばアルギニンの使用をも考慮する。
【0013】
[0013] 本発明はさらに、口内乾燥を治療、改善、抑制または予防する薬剤の製造のための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸の使用を提供する。
[0014] 本発明はさらに、口内乾燥を治療、改善、抑制または予防する際に使用するための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0015] 本発明は、口内乾燥を患っている患者においてそれを治療、予防、管理または抑制するための方法および組成物を提供する。1態様において、患者は疾患または傷害により口内乾燥を伴い、あるいはその素因をもつ。他の態様において、患者は口内乾燥の原因となる薬剤での処置(1以上)により口内乾燥を伴い、あるいはその素因をもち、その際、口内乾燥はその薬剤の副作用である。
【0015】
[0016] 用語”治療する(treat)”または”改善する(ameliorate)”は、本明細書中で、本発明組成物の投与が、患者、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトの、ある状態を和らげることを表わすために用いられる。
【0016】
[0017] 用語”抑制する(inhibit)”は、本明細書中で、本発明組成物の投与が、ある状態の発現を、たとえば組成物の投与後6時間、12時間、24時間、48時間、96時間、遅延させることを表わすために用いられる。
【0017】
[0018] 用語”予防する(prevent)”は、ある状態が将来完全に避けられることではなく、むしろ患者が第2の時点で、たとえば初回投与の12時間、24時間、48時間、96時間以内に本発明組成物を投与しうるまでその状態が避けられることを意味する。
【0018】
[0019] 特定の理論により拘束されるつもりはないが、アルギニンの有益な効果において重要な要因は、アルギニンその他の塩基性アミノ酸を、あるタイプの細菌、たとえば齲食原性ではなく歯および口腔における存在位置についてストレプトコッカス・ミュータンス(S.mutans)などの齲食原性細菌と競合するストレプトコッカス・サングイス(S.sanguis)が代謝できることであるという仮説が立てられる。これらのアルギニン分解細菌(arginolytic bacteria)はアルギニンその他の塩基性アミノ酸を使ってアンモニアを産生し、これによりそれらの環境のpHを上昇させることができ、一方、齲食原性細菌は糖を代謝して乳酸を産生し、これは歯垢pHを低下させ、歯を脱灰し、最終的に空洞を生じる傾向がある。本発明組成物を規則的に経時使用すると、アルギニン分解細菌が相対的に増加し、齲食原性細菌が相対的に減少し、その結果、歯垢pHがより高くなると考えられる(塩基性アミノ酸が無機オキソ酸により中和されて、本発明組成物自体は全般的にpH中性であるにもかかわらず)。このpH上昇効果は、実質的にフッ化物を含まない組成物において達成できると考えられる。このpH上昇効果は、歯のエナメル質の再石灰化および強化の促進においてフッ化物の効果とは機序が異なり、それに対し相補的である可能性があるとも考えられる。
【0019】
[0020] 抗齲食効果を得るための口腔ケア組成物中におけるアルギニンの濃度は約1.5%であってよい。歯の過敏性を寛解するためには、より高い濃度、たとえば約3.75%から約7.50%までのアルギニンを使用できる;これらの配合物は、開放した象牙質細管(疼痛経路)を物理的に遮蔽し、効果的な疼痛寛解をもたらすからである。理論により拘束されるわけではないが、より高い、たとえば7.50%より高いレベル、すなわち約7.50%から約25%まで、約8.0%から約20%まで、約9%から約15%まで、または約10%のアルギニンですら、歯、歯肉、および/または口腔をコートして、口内が湿潤または水分補給された知覚を保つという仮説が立てられる。
【0020】
[0021] 本発明組成物は、たとえば水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン、ポリマー、酵素、湿潤剤、増粘剤、抗微生物剤、保存剤、着香剤、着色剤、および/またはその組合わせのうち1以上から選択される追加成分を含む歯磨剤の形態であってよい。
【0021】
[0022] 本発明の組成物および方法に使用できる塩基性アミノ酸には、天然の塩基性アミノ酸、たとえばアルギニン、リジンおよびヒスチジンだけでなく、分子中にカルボキシル基およびアミノ基をもち、水溶性であって約7以上のpHの水溶液を与える塩基性アミノ酸はいずれも含まれる。したがって、塩基性アミノ酸にはアルギニン、リジン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、その塩類、またはその組合わせが含まれるが、これらに限定されない。具体的な態様において、塩基性アミノ酸はアルギニン、シトルリンおよびオルニチンから選択される。特定の態様において、塩基性アミノ酸はアルギニン、たとえばL−アルギニン、またはその塩である。
【0022】
[0023] 本発明組成物は、口内に局所使用するためのものであり、したがって本発明に使用するための塩類は、提示した量および濃度でそのような用途について安全でなければならない。適切な塩類には医薬的に許容できる塩類であることが当技術分野で知られている塩類が含まれ、これらは提示した量および濃度で一般に生理的に許容できると考えられる。生理的に許容できる塩類には、医薬的に許容できる無機酸もしくは有機酸または塩基から誘導されるもの、たとえば生理的に許容できる陰イオンを形成する酸により形成される酸付加塩、たとえば塩酸塩または臭化物塩、ならびに生理的に許容できる陽イオンを形成する塩基により形成される塩基付加塩、たとえばアルカリ金属、たとえばカリウムおよびナトリウム、またはアルカリ土類金属、たとえばカルシウムおよびマグネシウムから誘導されるものが含まれる。生理的に許容できる塩類は、当技術分野で既知の標準法を用いて、たとえば十分に塩基性の化合物、たとえばアミンと、生理的に許容できる陰イオンを与える適切な酸との反応により得ることができる。
【0023】
[0024] 多様な態様において、塩基性アミノ酸は全組成物重量の約7.5重量%〜約25重量%、全組成物重量の約1重量%〜約10重量%、たとえば全組成物重量の約1.5重量%、3.75重量%、5重量%、または7.5重量%の量で存在する。
【0024】
[0025] 口腔ケア組成物はさらに1種類以上のフッ化物イオン源、たとえば可溶性フッ化物塩を含有することができる。多様なフッ化物イオン供与物質を本発明組成物中に可溶性フッ化物の供給源として使用でき、そのような物質は当業者に既知である。適切なフッ化物イオン供与物質の例は下記にある:U.S.Pat.No.3,535,421,Brinerらに付与;U.S.Pat.No.4,885,155,Parran,Jr.らに付与;およびU.S.Pat.No.3,678,154,Widderらに付与;これらを本明細書に援用する。
【0025】
[0026] 代表的なフッ化物イオン源には、フッ化スズ(II)、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびその組合わせが含まれるが、これらに限定されない。特定の態様において、フッ化物イオン源には、フッ化スズ(II)、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、およびその混合物が含まれる。
【0026】
[0027] 特定の態様において、本発明の口腔ケア組成物は、フッ化物イオン源またはフッ素供給成分を、約25ppm〜25,000ppm、一般に少なくとも約500ppm、たとえば約500〜約2000ppm、たとえば約1000〜約1600ppm、たとえば約1450ppmのフッ化物イオンを供給するのに十分な量で含有することもできる。フッ化物の適切なレベルは、個々の用途に依存するであろう。たとえばマウスウォッシュは、一般に約100〜約250ppmのフッ化物を含むであろう。一般消費者用の練り歯磨きは一般に約1000〜約1500ppmを含み、小児用練り歯磨きはこれより若干少ない量を含むであろう。専門用の歯磨剤またはコーティングは、5,000ppmに及ぶフッ化物、または25,000ppmのフッ化物すら含むことができる。
【0027】
[0028] 特定の態様において、本発明の口腔ケア組成物は、フッ化物イオン源またはフッ素供給成分を、約100ppm〜10,000ppm、たとえば1000〜2000ppmのフッ化物イオンを供給するのに十分な量で含有することができる。
【0028】
[0029] 本発明組成物はリン酸カルシウム研磨剤、たとえば第三リン酸カルシウム(Ca(PO)、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、または第二リン酸カルシウム・2水和物(CaHPO・2HO、本明細書中で時にはDiCalとも言う)、またはピロリン酸カルシウムを含むことができる。
【0029】
[0030] 本発明組成物は、当業者に既知の1種類以上の追加の研摩剤、たとえばシリカ研磨剤、たとえば最高で約20ミクロンの平均粒度をもつ沈降シリカ、たとえばJ.M.Huberが市販するZeodent 115(登録商標)を含有することができる。他の有用な研磨剤には、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ケイ酸アルミニウム、焼成アルミナ、ベントナイトもしくは他のケイ質材料、またはその組合わせも含まれる。
【0030】
[0031] 本発明に有用なシリカ研磨剤系の研磨材料、および他の研磨剤は、一般に約0.1〜約30ミクロン、約5〜約15ミクロンの範囲の平均粒度をもつ。シリカ研磨剤は、沈降シリカまたはシリカゲルからのもの、たとえばU.S.Pat.No.3,538,230,Paderらに付与、およびU.S.Pat.No.3,862,307,Digiulioに付与(両方を本明細書に援用する)に記載されたシリカキセロゲルであってもよい。具体的なシリカキセロゲルは、商品名Syloid(登録商標)でW.R.Grace & Co.,Davison Chemical Divisionにより市販されている。沈降シリカ材料には、J.M.Huber Corp.が商品名Zeodent(登録商標)で市販しているものが含まれ、これにはZeodent 115および119の表示をもつシリカが含まれる。これらのシリカ研磨剤はU.S.Pat.No.4,340,583,Wasonに付与(本明細書に援用する)に記載されている。
【0031】
[0032] 特定の態様において、本発明による口腔ケア組成物の実施に有用な研磨剤には、約100cc/100gシリカ未満、約45cc/100g〜約70cc/100gシリカの範囲の吸油価(oil absorption value)をもつシリカゲルおよび沈降非晶質シリカが含まれる。吸油価は、ASTA Rub−Out、方法D281を用いて測定される。特定の態様において、シリカは約3ミクロン〜約12ミクロン、および約5〜約10ミクロンの平均粒度をもつコロイド粒子である。
【0032】
[0033] 特定の態様において、粒状物質または研磨剤は、たとえば約5ミクロン未満のd50をもつきわめて小さい粒子、たとえば約3〜約4ミクロンのd50をもつ小粒子シリカ(small particle silica)(SPS)、たとえばSorbosil AC43(登録商標)(Ineos)を大きな割合で含む。そのような小粒子は、過敏性の軽減を目標とする配合物に特に有用である。小粒子成分は、より大きい第2の粒子研磨剤との組合わせで存在してもよい。特定の態様において、たとえば配合物は約3〜約8%のSPS、および約25〜約45%の一般的な研磨剤を含む。
【0033】
[0034] 本発明の実施に特に有用な吸油性の低いシリカ研磨剤は、商品名Sylodent XWA(登録商標)でW.R.Grace & Co.,Davison Chemical Division、21203メリーランド州ボルチモア、により市販されている。Sylodent 650 XWA(登録商標)、すなわち約29重量%の含水率をもち、平均約7〜約10ミクロンの直径、および約70cc/100gシリカ未満の吸油価のコロイドシリカ粒子からなるシリカヒドロゲルは、本発明の実施に有用な吸油性の低いシリカ研磨剤の一例である。研磨剤は、本発明の口腔ケア組成物中に約10〜約60重量%、他の態様においては約20〜約45重量%、他の態様においては約30〜約50重量%の濃度で存在する。
【0034】
[0035] 本発明の口腔ケア組成物は、口腔をブラッシングした際に発生する泡の量を増加させるための作用物質を含有することもできる。そのような作用物質は当業者に既知である。泡の量を増加させる作用物質の具体例には、ポリオキシエチレンおよび特定のポリマー(アルギネートポリマーが含まれるが、これに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
[0036] ポリオキシエチレンは、本発明の口腔ケアキャリヤー成分により発生する泡の量および泡の厚みを増大させることができる。ポリオキシエチレンは一般にポリエチレングリコール(”PEG”)またはポリエチレンオキシドとしても知られている。本発明に適切なポリオキシエチレンは約200,000〜約7,000,000の分子量をもつであろう。1態様において分子量は約600,000〜約2,000,000、他の態様においては約800,000〜約1,000,000であろう。Polyox(登録商標)は、Union Carbideにより製造される高分子量ポリオキシエチレンに対する商品名である。
【0036】
[0037] ポリオキシエチレンは、本発明の口腔ケア組成物の口腔ケアキャリヤー成分の約1%〜約90%、1態様においては約5%〜約50%、他の態様においては約10%〜約20%(重量)の量で存在することができる。口腔ケア組成物中の発泡剤の投与量(すなわち1回量)は、約0.01〜約0.9重量%、約0.05〜約0.5重量%、他の態様においては約0.1〜約0.2重量%である。
【0037】
[0038] 本発明の口腔ケア組成物中に場合により含有される他の作用物質は、界面活性剤、または適合する界面活性剤の混合物である。適切な界面活性剤は、広いpH範囲を通して妥当な程度に安定なもの、たとえばは陰イオン、陽イオン、非イオンまたは両性イオン界面活性剤である。適切な界面活性剤は、より詳細に、たとえば下記に記載されている:U.S.Pat.No.3,959,458,Agricolaらに付与;U.S.Pat.No.3,937,807,Haefeleに付与;およびU.S.Pat.No.4,051,234,Gieskeらに付与;これらを本明細書に援用する。好ましい界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
【0038】
[0039] 界面活性剤、または適合する界面活性剤の混合物は、本発明組成物中に全組成物の約0.1%〜約5.0%、他の態様においては約0.3%〜約3.0%、他の態様においては約0.5%〜約2.0%(重量)で存在することができる。
【0039】
[0040] 本発明の口腔ケア組成物は、着香剤をも含有することができる。本発明の実施に際して用いられる着香剤は当業者に既知であり、精油ならびに種々の芳香性アルデヒド類、エステル類、アルコール類、およびこれらに類する物質を含めることができる。着香剤は、口腔用組成物中に約0.1〜約5重量%、および約0.5〜約1.5重量%の濃度で含有される。個々の口腔ケア組成物投与に際しての着香剤の投与量(すなわち1回量)は、約0.001〜0.05重量%、他の態様においては約0.005〜0.015重量%である。
【0040】
[0041] 本発明の口腔ケア組成物は、場合により、細菌の細胞壁中にあるカルシウムを錯化することができる1種類以上のキレート化剤をも含有することができる。このカルシウムの結合は、細菌細胞壁を脆弱にし、細菌溶解を促進する。キレート化剤は当業者に周知であり、たとえば水和形および非水和形の可溶性ピロホスフェートである。本発明組成物に有用なピロホスフェート塩の有効量は、一般に少なくとも約1.0重量%のピロホスフェートイオン、約1.5重量%〜約6重量%、約3.5重量%〜約6重量%のピロホスフェートイオンを供給するのに十分なものである。
【0041】
[0042] 本発明の口腔ケア組成物は、場合により1種類以上のポリマーを含有することもでき、それらは当業者に既知である。そのようなポリマーには、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル−マレイン酸コポリマー、多糖類(たとえばセルロース誘導体、たとえばカルボキシメチルセルロース、または多糖ガム、たとえばキサンタンガムもしくはカラギーナンガム)を含めることができる。使用するのに適切なポリマーには下記のものを含めることができる:Gantrez AN 139(M.W.500,000)、AN 119(M.W.250,000)、およびS−97医薬グレード(M.W.700,000);GAF Corporation。適切なポリマーには、置換アクリルアミドのホモポリマーならびに/あるいは不飽和スルホン酸およびその塩のホモポリマーも含めることができる;特にその際、ポリマーは、アクリルアミドアリカンスルホン酸(acrylamidoalykane sulfonic acid)から選択される不飽和スルホン酸、たとえば2−アクリルアミド 2−メチルプロパンスルホン酸をベースとし、分子量約1,000〜約2,000,000をもつ;U.S.Pat.No.4,842,847、1989年6月27日にZahidに付与(本明細書に援用する)に記載。他の有用なクラスのポリマー系作用物質には、ポリアミノ酸、特にある割合の陰イオン界面活性アミノ酸、たとえばアスパラギン酸、グルタミン酸およびホスホセリンを含有するものが含まれる;U.S.Pat.No.4,866,161,Sikesら(本明細書に援用する)に開示。
【0042】
[0043] 本発明の組成物および方法は、望ましい稠度を付与するために、または配合物の安定化もしくは性能増強のために、増粘剤を含むこともできる。そのような増粘剤は当業者に既知であり、たとえばカルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、ならびに水溶性セルロースエーテル塩、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムである。天然ガム、たとえばカラヤガム、アラビアゴム、およびトラガントゴムを含有させることもできる。組成物のテキスチャーをさらに改善するために、コロイド状のケイ酸アルミニウムマグネシウムまたは微細に分割したシリカを増粘組成物の成分として使用できる。特定の態様において、全組成物の約0.5重量%〜約5.0重量%の量の増粘剤が用いられる。
【0043】
[0044] 本発明の組成物および方法は、場合により1種類以上の酵素を含有することもできる。有用な酵素には当業者に既知のものが含まれ、これにはプロテアーゼ、グルカノヒドロラーゼ、エンドグリコシダーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ、リパーゼおよびムチナーゼ、またはその適合する混合物を含めることができる。本発明に使用するのに適切な酵素は、U.S.Pat.No.5,000,939,Dringらに付与;U.S.Pat.No.4,992,420;U.S.Pat.No.4,355,022;U.S.Pat.No.4,154,815;U.S.Pat.No.4,058,595;U.S.Pat.No.3,991,177;およびU.S.Pat.No.3,696,191に開示されており、これらのすべてを本明細書に援用する。本発明において酵素、あるいは幾つかの適合性酵素の混合物は、1態様においては約0.002%〜約2.0%、または他の態様においては約0.05%〜約1.5%、またはさらに他の態様においては約0.1%〜約0.5%を構成する。
【0044】
[0045] 水も本発明の口腔用組成物中に存在することができる。商業用の口腔用組成物を調製する際に用いる水は、好ましくは脱イオン処理されかつ有機不純物を含まないものである。水は一般に組成物の残部を補い、添加した遊離水と、他の物質により、たとえばソルビトールまたは本発明のいずれかの成分により導入された量とを合わせたものを含む。
【0045】
[0046] 本発明は、組成物が空気に曝された際に硬化するのを防ぐために、かつ口内の水分補給を補助するために、湿潤剤を含むこともできる。特定の湿潤剤は、望ましい甘味または香味を歯磨組成物に付与することもできる。湿潤剤は、純湿潤剤を基準として、一般に1態様においては歯磨組成物の約15%〜約70%、または他の態様においては約30%〜約65%(重量)含有される。
【0046】
[0047] 適切な湿潤剤には、食用多価アルコール、たとえばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、および他のポリオール、ならびにこれらの湿潤剤の混合物が含まれる。グリセリンとソルビトールの混合物を、特定の態様において本発明の練り歯磨き組成物の湿潤剤成分として使用できる。
【0047】
[0048] 前記成分のほかに、本発明の態様は多様な任意の歯磨剤成分を含有することができ、それらのうちの若干を以下に記載する。任意成分には、たとえば接着剤、起泡剤(sudsing agent)、着香剤、甘味剤、追加の抗歯垢剤、研磨剤、および着色剤が含まれるが、これらに限定されない。これらおよび他の任意成分は、さらに下記に記載されている:U.S.Pat.No.5,004,597,Majetiに付与;U.S.Pat.No.3,959,458,Agricolaらに付与;およびU.S.Pat.No.3,937,807,Haefeleに付与;これらのすべてを本明細書に援用する。
【0048】
[0049] 本発明による組成物および方法は、口内乾燥を処置し、場合により修復および再石灰化を促進することによって歯を保護し、特に齲歯の形成を軽減または抑制し、歯の脱灰を軽減または抑制し、再石灰化を促進し、歯の過敏性を軽減し、ならびに、たとえば定量光誘導蛍光(QLF)または電気的齲食測定(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食病変を軽減、修復または抑制する方法に有用である。定量光誘導蛍光は、エナメル質の前齲食病変を早期に検出することができる可視光線システムである。正常な歯は可視光線中で蛍光発光する;脱灰した歯は発光しないか、またはより低い程度に発光するにすぎない。脱灰領域を定量し、その進行をモニターすることができる。電導度測定は、脱灰およびエナメル質侵食を受けて流体が充たされた歯細管は電気を伝導するという事実を利用する。したがって、患者の歯の電導度の上昇を脱灰の指標とすることができる。したがって、本発明組成物は、有効量のフッ素および/またはアルギニンを含まない組成物と対比してエナメル質の前齲食病変(QLFまたはECMにより測定)を軽減する方法に有用である。
【0049】
[0050] したがって本発明組成物は、口内乾燥を処置するだけでなく、口内の他の口腔状態をも処置し、かつ口腔を清浄にするのに有用であり、口内の健康状態を増進するための改善された方法を提供する。
【0050】
[0051] 口腔組織は全身感染の入り口となる可能性があるので、口内の健康状態の増進は全身の健康状態にも有益となる。口内の良好な健康状態は、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態に関連する。塩基性アミノ酸、特にアルギニンは、NO合成経路に補給する窒素源であり、したがって口腔組織における微小循環を増強するので、本発明の組成物および方法は格別な有益性を提供する。より酸性の低い口腔環境を提供することは、胃部不快感(gastric distress)の軽減にも役立ち、胃潰瘍に関連するヘリコバクター(Heliobacter)にとって、より好ましくない環境を作り出す。アルギニンは特に特定の免疫細胞受容体、たとえばT細胞受容体の高発現に必要であり、したがってアルギニンは有効な免疫応答を増強することができる。したがって本発明の組成物および方法は、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態を増進するのに有用である。
【0051】
[0052] 本発明による組成物および方法は、口内および歯のケアのための口腔用組成物、たとえば練り歯磨き、透明なペースト、ゲル、マウスリンス、スプレーおよびチューインガムに採用できる。
【0052】
[0053] 全体を通して用いる範囲は、その範囲内にあるあらゆる数値を記述するための略記として用いられる。その範囲内の数値をいずれも範囲の末端として選択できる。さらに、本明細書に引用するすべての参考文献は、それらの全体が本明細書に援用される。本発明の開示における定義と引用した参考文献の定義が矛盾する場合、本発明の開示が支配する。配合物について記載する場合、それらは当技術分野で一般に行なわれるようにそれらの成分により記載することができると理解され、実際の配合物中でその製造、貯蔵および使用に伴ってそれらの成分が互いに反応する可能性があるにもかかわらず、そのような製品は本明細書に記載する配合物に包含されるものとする。
【0053】
[0054] 以下の実施例は、本発明の範囲における具体的な態様をさらに記載および立証する。これらの実施例は説明のために示したにすぎず、本発明の精神および範囲から逸脱しない多数の変更が可能なので、本発明の限定とみなすべきではない。本明細書に提示および記載したもののほか本発明の多様な改変が当業者に自明なはずであり、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【実施例】
【0054】
実施例1−練り歯磨き配合物
[0055] 下記の成分から練り歯磨き組成物を調製して、7.50重量%のアルギニンを含む練り歯磨きを製造する。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例2−患者試験
[0056] 口内乾燥を患っている8人の患者に、実施例1の組成物を与える。実施例1の組成物で1日2回ブラッシングし、使用前、4日目および8日目に彼らの口内乾燥状態についての所見を記録するように、患者に指示する。
【0057】
[0057] この練り歯磨きの使用前は、7人の患者が一日中、口内乾燥を伴い;4人の患者は唇および舌の乾燥も伴い;2人の患者は嚥下が困難であり;3人の患者は口内乾燥のため摂食、会話および睡眠が困難である。
【0058】
[0058] 4日目に、大部分の患者は、この組成物により彼らの口内が水分補給され、口内が快適な感触に保たれると感じる。この組成物が口内をより乾燥させたと考える患者はいない。25%の患者は、口内がより滑らかで湿った水分補給された感触になると指摘する。
【0059】
[0059] 8日目には、大部分の患者は、この組成物が口内乾燥の寛解をもたらし、彼らの口内を湿った快適で滑らかな感触に保つと考える。
実施例3−アルギニンを含む人工唾液配合物
[0060] 下記の成分から人工唾液配合物を調製する。
【0060】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内乾燥を治療、改善、抑制または予防する方法であって、その必要がある患者の口腔に、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸を含む組成物を投与することを含む方法。
【請求項2】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルギニンが重炭酸アルギニンの形である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
組成物がさらに、下記のうち1以上を含む、請求項1、2または3に記載の方法:
a.カルシウムイオン源、
b.ホスフェートイオン源、
c.カリウムイオン源、
d.マグネシウムイオン源、
e.フッ化物源、
f.唾液の流出を促進する着香剤、
g.ポリオール系湿潤剤、
h.およびその組合わせ。
【請求項5】
患者が口内乾燥の素因をもつ、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
患者が口内乾燥を患っている、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
患者が口内乾燥の結果として食物咀嚼困難を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
患者が口内乾燥の結果として嚥下困難を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
患者が口内乾燥の結果として言語困難を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
患者が口内乾燥の結果として舌の日和見感染症にも罹患している、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
口内乾燥の原因が疾患である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
患者が薬剤により処置されており、その薬剤が口内乾燥の原因である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
口内乾燥が慢性的である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
組成物が歯磨剤である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
組成物がマウスリンスである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
マウスリンスが、カルシウム、ホスフェート、カリウム、マグネシウム、およびその組合わせから選択されるイオンを含む人工唾液である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
齲食の発生を軽減または抑制する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
遊離または塩の型のアルギニンを下記のうち1以上と共に含む人工唾液:
a.カルシウムイオン源、
b.ホスフェートイオン源、
c.カリウムイオン源、
d.マグネシウムイオン源、
e.フッ化物源、
f.唾液の流出を促進する着香剤、および/または
g.ポリオール系湿潤剤。
【請求項19】
口内乾燥を治療、改善、抑制または予防する薬剤の製造のための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸の使用。
【請求項20】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
アルギニンが重炭酸アルギニンの形である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
さらに下記のうち1以上を含む薬剤における、請求項19〜21のいずれか1項に記載の使用:
a.カルシウムイオン源、
b.ホスフェートイオン源、
c.カリウムイオン源、
d.マグネシウムイオン源、
e.フッ化物源、
f.唾液の流出を促進する着香剤、
g.ポリオール系湿潤剤、
h.およびその組合わせ。
【請求項23】
薬剤が歯磨剤である、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
薬剤がマウスリンスである、請求項22に記載の使用。
【請求項25】
マウスリンスが、カルシウム、ホスフェート、カリウム、マグネシウム、およびその組合わせから選択されるイオンを含む人工唾液である、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
口内乾燥の治療、改善、抑制または予防に使用するための、遊離または塩の型の塩基性アミノ酸。
【請求項27】
塩基性アミノ酸がアルギニンである、請求項26に記載の塩基性アミノ酸。
【請求項28】
アルギニンが重炭酸アルギニンの形である、請求項27に記載の塩基性アミノ酸。
【請求項29】
さらに下記のうち1以上を含む組成物中における、請求項26〜28のいずれか1項に記載の塩基性アミノ酸:
a.カルシウムイオン源、
b.ホスフェートイオン源、
c.カリウムイオン源、
d.マグネシウムイオン源、
e.フッ化物源、
f.唾液の流出を促進する着香剤、
g.ポリオール系湿潤剤、
h.およびその組合わせ。
【請求項30】
組成物が歯磨剤である、請求項29に記載の塩基性アミノ酸。
【請求項31】
組成物がマウスリンスである、請求項29に記載の塩基性アミノ酸。
【請求項32】
マウスリンスが、カルシウム、ホスフェート、カリウム、マグネシウム、およびその組合わせから選択されるイオンを含む人工唾液である、請求項31に記載の塩基性アミノ酸。

【公表番号】特表2011−511793(P2011−511793A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546016(P2010−546016)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/033291
【国際公開番号】WO2009/100265
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】