説明

口腔内疾患予防用及び/又は治療用の発酵乳、並びに口臭予防用及び/又は抑制用の発酵乳

【課題】安価かつ風味の良好な歯周病(口腔内疾患)治療用及び/又は予防用の発酵乳並びに口臭抑制用及び/又は予防用の発酵乳の製造を課題とする。
【解決手段】発酵乳に、口臭抑制、歯周病関連菌の増殖及び酵素抑制などがないか、種々の乳酸菌株を組み合わせて総合的に探索し、その結果、ブルガリア菌OLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)とサーモフィラス菌OLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)で調製した発酵乳をヒトに投与することで、口臭抑制と歯肉の腫れが抑制できることを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発酵乳の技術分野に関する。より具体的には、本発明は、安価かつ風味の良好な口腔内疾患予防用及び/又は治療用発酵乳、並びに口臭予防用及び又は抑制用の発酵乳に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周病予防や口臭予防を目的としたものに、乳酸菌を使用した組成物や食品などがある。これら従来の組成物や食品で使用されている、ほとんどの乳酸菌は、ヒトから分離されたものであるが、製造特性や風味の観点から、食品に適していないものが多い。
【0003】
例えば、乳酸菌(ラクトバチルス・サリバリウス)に属する菌体を有効成分として含有する、う歯を含む口腔疾患などの予防用/治療用組成物及びプロバイオテック製品(特許文献1:WO2002/016554号)、更に、乳酸菌又はそのろ過液若しくは処理物及び種々の糖/植物抽出液との組成物(特許文献2:WO2002/080946号)が開発されてきている。
【0004】
一方、特許文献3(特開2003-171292)には、歯周病予防効果のある乳酸菌及びこれらが資化できる糖類を含有する歯周病の予防又は治療剤が記載されている。
【0005】
また、特許文献4(特開2003-299480)には、虫歯(う蝕)予防効果のある乳酸菌(ロイテリ菌)を含む食品、及びヨーグルトを製造することが記載されている。又、ロイテリ菌は、抗生物質を産生することが知られている(特許文献5:米国特許第5,352,586号)。
【0006】
【特許文献1】WO2002/016554号
【特許文献2】WO2002/080946号
【特許文献3】特開2003-171292号
【特許文献4】特開2003-299480号
【特許文献5】米国特許第5,352,586号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来公知の歯周病予防/治療効果があると言われている乳酸菌は、主として、治療剤又は他の食品形態として用いられるものであって、ヨーグルトとして用いられることは、ほとんど無かった。これは、例えば、前記特許文献1(WO2002/016554号)記載のラクトバチルス・サリバリウスは、口内唾液に存在する細菌であって、乳酸などによる酸性条件下に弱く、これらの乳酸菌を用いて発酵乳を製造しようとした場合、カードを形成することができないためである。
【0008】
たとえ、これらの乳酸菌を用いて、ヨーグルトを製造しようとしても、余分の製造工程を必要とする。例えば、従来の歯周病予防/治療効果があると言われている乳酸菌を用いて発酵乳を製造しようとすると、(1)乳酸菌を単独で培養し、(2)状況に応じて遠心分離法や膜分離法により、その培養菌体を所定の濃度まで濃縮し、(3)カードを形成する別の乳酸菌と共に、その濃縮菌体を発酵前の調合乳へ添加し、混合培養する製造工程が必要となる。これらの製造工程は管理が複雑であり、製造に要する費用も時間も増大する。また、嗜好性の優れた風味を得ることも難しい。
【0009】
一方、上記した特許文献4では、ロイテリ菌をスターターに用いてヨーグルトが製造されているが、このヨーグルトは虫歯菌(ミュータンス菌)に対する静菌又は殺菌作用を有する虫歯防止用ヨーグルトに過ぎず、歯周病に対してはあまり有効ではない。更に、ヨーグルトの発酵時間が10時間と極端に長く、通常の商用ヨーグルトの製造には向いていない。
【0010】
そこで、本願発明は、安価かつ風味の良好な歯周病(口腔内疾患)治療及び/又は予防発酵乳並びに口臭の抑制及び/又は予防用発酵乳の製造を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者らは、発酵乳に、口臭抑制、歯周病関連菌の増殖抑制などの効果がないか、発酵乳を調製するための乳酸菌株の組み合わせに基づきin vitroで試験した。
【0012】
その結果、ブルガリア菌OLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)とサーモフィラス菌OLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)で調製した発酵乳をヒトに投与することで、口臭抑制と歯肉の腫れが抑制されることを明らかにした。
【発明の効果】
【0013】
本願発明により、嗜好性が高く、しかも口腔内疾患、例えば、歯周病予防/治療効果の高い発酵乳並びに嗜好性が高く口臭予防及び/又は抑制効果の高い発酵乳が提供できる。
【0014】
更に、本願発明は、嗜好性が高く歯周病予防/治療効果の高い発酵乳及び嗜好性が高く口臭予防及び/又は抑制効果の高い発酵乳を、容易に製造できる製造方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
1.発酵乳の製造用菌種の概要
従来より、ヨーグルトなどの発酵乳は、乳及び乳製品を主原料として調製した原料乳(ヨーグルトミックス)に、ラクトバチルス・ヘルベティクス、ラクトバチルス・カゼイなどの単一菌種のスターターを接種すること、又はラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィルスなどの二菌種以上のスターターを接種することにより製造されている。
【0016】
しかしながら、単一菌種では、酸生成、風味生成、組織形成で、満足できるものは製造できないと言われている。ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィルスを併用することによる共生作用が良質なヨーグルト製造には、必要である。
【0017】
(一般の発酵乳(ヨーグルト)製造概要)
ヨーグルトの製造工程は通常、
I.(1)原料乳などの混合・調製、(2)均質化・殺菌、(3)冷却、(4)スターターの添加、(5)容器への充填、(6)発酵、(7)カードの形成、及び(8)冷蔵、又はII−1.(1)原料乳などの混合・調製、(2)均質化・殺菌、(3)冷却、(4)スターターの添加、(5)発酵、(6)カードの形成、(7)カードの破砕、(8)冷却、(9)容器への充填、及び(10)冷蔵、若しくは
II−2.(1)原料乳などの混合・調製、(2)均質化・殺菌、(3)冷却、(4)スターターの添加、(5)発酵、(6)カードの形成、(7)カードの破砕、(8)容器への充填、(9)冷却、及び(10)冷蔵よりなる。均質化・殺菌工程において均質化は、殺菌前にされることも、殺菌後にされることもある。できるだけ、工程数が複雑とならないことが商業的生産には重要である。
【0018】
2.歯周病
歯周病は、歯肉に炎症をおこす歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎に分けられる。いわゆる歯槽膿漏は、成人性歯周炎に分類されている。歯肉炎は、歯肉縁上プラークにより引き起こされ、歯周炎は歯肉縁下プラークにより引き起こされ、これらに関与する病原菌としては、Porphyromonas gingivalis(P.g.)、Porphyromonas interumedia(P.i.)、Tannerella forsythensis(T.f.)など、数種類の細菌があると言われている。これらは嫌気性細菌、通性嫌気性細菌が多く、特に、Porphyromonas gingivalis(P.g.)が主要な原因であると言われている。
【0019】
ところで、Porphyromonas gingivalis(P.g.)の産生する種々の酵素の内、トリプシン様システインプロテアーゼ(ジンジパイン)は、触媒活性として強力なトリプシン様活性を有し、宿主タンパク質の分解や宿主細胞の傷害をひき起こし、歯周病に関連する様々な病態を生み出すと考えられている。
【0020】
そこで、歯周病を予防又は治療する手段として、ジンジパインプロテアーゼの作用を阻害することは非常に有効な手段と考えられる。植物抽出物を有効成分とすることを特徴とするプロテアーゼ阻害剤も報告されている(特開平6-25000号)。
【0021】
また、歯周病の症状の一つとして、口臭の発生が上げられる。口臭の原因は主として、Fusobacterium nucleatumなどの嫌気性細菌がメチオニン代謝により産生するメチルメルカプタンであると言われている。う蝕、歯周病及び口臭を予防するためには、病巣において、これらの細菌類の生育を阻害することが重要である。これらの細菌類に対して有効な抗菌性物質の応用が効果的であると報告されており(特開平9−157144号)、従来より、抗菌活性がある植物性抽出物の中から口臭抑制効果のあるものが探索されている。
【0022】
3.発酵乳の口腔内疾患、例えば、歯周病予防/治療効果、その中でも味覚に優れた発酵乳(ヨーグルト)の探索
本願発明者らは、口臭を抑制し、歯周病関連菌の増殖を抑制し、歯周病の症状を抑制する発酵乳の製造を目的として、発酵乳の調製に用いる乳酸菌株の組み合わせを、総合的に探索した。また、発酵乳は治療薬として接種するのではなく、日常の食品としても摂取可能な味覚上の欠点がないことが必要であり、好適には、毎日喫食できるような嗜好上の優れた特性を有することが望ましいので、製造した発酵乳の官能検査も行った。
【0023】
具体的には、発酵乳製造の主要な菌である、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィルスを併用し、これら種々の菌株の組み合わせから、有用な菌株2種の組み合わせを選択した。
【0024】
まず、歯周病関連菌として一番重要である細菌は、Porphyromonas (Bacteroides) gingivalis(P.g.)であることから、該細菌の増殖を抑制する効果が高い発酵乳を調製する乳酸菌株の組み合わせを探索した。更に、歯肉炎抑制活性として、ジンジパイン阻害活性が高い菌株の組み合わせを探索した。そして、口臭抑制活性として、唾液及び発酵乳を添加した培地で混合培養時に発生するメチルメルカプタン濃度が低くなる菌株の組み合わせを探索した。
【0025】
次に、探索された歯周病予防/治療効果が高い組み合わせの中から、官能検査により、味覚上で優れたものを選んだ。これにより、特定の菌株を併用することが特に好ましいことを見出した。
【0026】
こうして見出された、特定菌株を併用して調製された発酵乳は、口腔内疾患、例えば、具体的に歯周病の予防及び/又は治療に有効である。更に、前記発酵乳は、口臭の予防及び/又は抑制にも有効であることを確認した。
【0027】
4.口腔内疾患、例えば、歯周病の予防用及び/又は治療用の発酵乳
本願発明は、(イ)口腔内疾患、例えば、歯周病の予防及び/又は治療に有効なLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株を含有する発酵乳、(ロ)口腔内疾患、例えば、歯周病の予防及び/又は治療に有効なLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株を含有する前記発酵乳の製造方法、(ハ)口腔内疾患、例えば、歯周病の予防及び/又は治療に有効な旨の表示を付したLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株を含有する発酵乳を包含する。
【0028】
本願発明の選抜方法は、具体的には、発酵乳製造用の乳酸菌の中から、(1)歯周病関連菌、好適には、Porphyromonas gingivalis(P.g.)に対する抑制効果が高い発酵乳を調製する乳酸菌株の探索、(2)歯肉炎抑制活性として、ジンジパイン阻害活性が高い菌株の探索、及び(3)口臭抑制活性として、唾液との混合培養時に発生するメチルメルカプタン濃度の低い菌株の探索することを包含する。
【0029】
また、これらの発酵乳には、口腔内疾患、例えば、歯周病の予防及び/又は治療のために用いられる旨の表示を付すこともできる。
【0030】
なお、Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株は下記の条件で寄託されている。
(1)寄託機関名:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(2)連絡先:〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8
電話番号0438-20-5580
(3)受領番号:NITE AP-76
(4)識別のための表示:Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255
(5)寄託日(受領日): 平成17年2月10日
また、Streptococcus thermophilus OLS3294株は下記の条件で寄託されている。
(1)寄託機関名:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(2)連絡先:〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8
電話番号0438-20-5580
(3)受領番号:NITE AP-77
(4)識別のための表示:Streptococcus thermophilus OLS3294
(5)寄託日(受領日): 平成17年2月10日
【0031】
5.口臭予防用及び/又は抑制用の発酵乳
本願発明は、(イ)口臭予防用及び/又は抑制用のLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株を含有する発酵乳、(ロ)口臭予防用及び/又は抑制用のLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株を含有する前記発酵乳の製造方法、(ハ)口臭予防及び/又は抑制に有効な旨の表示を付したLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株を含有する発酵乳を包含する。
【0032】
また、これらの発酵乳には、あわせて口腔内疾患、例えば、歯周病の予防及び/又は治療のためにも用いられる旨の表示を付すこともできる。
【0033】
6.発酵乳の製造方法
従来より、錠剤として歯周病予防/治療効果があると言われている乳酸菌では、発酵乳を製造するためには、別のスターター乳酸菌を添加する必要がある。これに対し、本願発明の発酵乳は、通常の発酵乳を製造するために用いられているラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィルスを用いることから、他のスターターを添加する必要はなく、通常の発酵乳の製造工程を改変することなしに製造することができる。
【0034】
具体的には、(1)原料乳などを混合・調製し、(2)均質化・殺菌し、(3)冷却した後、(4)本願発明の歯周病予防及び/又は治療、又は口臭予防及び/又は抑制に有効なラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)をスターターとして添加し、(5)容器へ充填し、(6)発酵させて、(7)カードを形成させた後に、(8)冷蔵することにより、製造することができる。
【0035】
また、(1)原料乳などを混合・調製し、(2)均質化・殺菌し、(3)冷却した後、(4)本願発明の歯周病予防及び/又は治療、又は口臭予防及び/又は抑制に有効なラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)をスターターとして添加し、(5)発酵させて、(6)カードを形成させた後に、(7)カードを破砕し、(8)容器へ充填し、(9)冷蔵することにより、製造することができる。この場合、発酵後の冷却の開始は、カードの形成後、カードの破砕後、又は容器の充填後、いずれでもよい。さらに、前記(7)のカード破砕後、果肉、野菜、各種ソース、及び/又は各種添加剤を混合することもできる。
【0036】
本願発明の発酵時間としては、通常の発酵乳製造に用いることができる時間、すなわち、8時間以内、好適には、6あるいは5時間以内、さらに好適には、4時間である。
【0037】
また、本願発明の発酵乳は、発酵乳としての味覚が極めて優れたものであるから、常用することができ、無理なく継続的に摂取ができ、これにより、歯周病予防/治療効果をより高めることができる。
【0038】
7.ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)について
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)の菌学的性質は、次のとおりである。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【実施例】
【0041】
[実施例1] 発酵乳の調製
1.供試菌
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィルス菌株として、それぞれ以下の菌株の組み合わせを用いた。
【0042】
(1)ヨーグルト調製用の菌株(L.bulgaricus MEP170801株及びS.thermophilus MEP170801株、L.bulgaricus MEP170802株及びS.thermophilus MEP170802株)
(2)ヨーグルト調製用の菌株(ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294株)、以下、それぞれOLL1255株及びOLS3294株、または、Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株及びStreptococcus thermophilus OLS3294株と略記することもある。)
(3)ヨーグルト調製用の標準菌株(JCM 1002T株(L.bulgaricus)及びNCIMB 8510株(S.thermophilus))
(4)植物から分離された菌株(L.bulgaricus MEP170803株及びS.thermophilus MEP170803株、L.bulgaricus MEP170804株及びS.thermophilus MEP170803株、L.bulgaricus MEP170805株及びS.thermophilus MEP170803株、L.bulgaricus MEP170804株及びS.thermophilus MEP170804株、L.bulgaricus MEP170805株及びS.thermophilus MEP170804株)
また、ラクトバチルス・ロイテリ菌としては、ATCC53608を用いた。
【0043】
2.発酵乳の調製
ヨーグルトミックスの組成は、牛乳857mL、脱脂粉乳25g、精製水98mLである。
ヨーグルトミックスの殺菌は、温度95℃、時間2分間とした。
菌液濃度はLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株で0.4%(v/v)、Streptococcus thermophilusで1.6%(v/v)、L. reuteri ATCC53608で0.4%(v/v)である。これらの菌液から、前記した組合せでスターターを調製し、ヨーグルトを製造した。ヨーグルトミックスへの菌液の添加濃度は3%(w/w)とした。
【0044】
供試菌を添加後、4時間で発酵を終了させた。ロイテリ菌で調製したヨーグルト(ロイテリ・ヨーグルト)は8時間で発酵を終了させた。
調製された発酵乳の酸度及びpHを図1に示す。
【0045】
[実施例2] 歯周病原因菌(P. gingivalis、P. intermedia)に対する抗菌活性による選抜
実施例1で調製された発酵乳について歯周病原因菌(P. gingivalis、P. intermedia)に対する抗菌活性を次のように測定した。
【0046】
上述した歯周病原菌のいずれかをブルセラHK培地(極東製薬工業(株)製)に混釈し、直径90cmのシャーレに10mLずつ分注した。さらに、ブルセラHK培地を重層した後、コルクボーラーにて無菌的に上層部分をくり抜き、ここに発酵乳50mgを電子天秤上で滴下した。本培地を嫌気的条件下で24時間培養した後、生じた増殖阻止円径(クリアゾーン)を測定した。結果を表3及び表4に示す。なお、表3と表4は別々に行った試験である。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
[実施例3] ジンジパイン阻害活性による選抜
実施例1で調製された発酵乳について、ジンジパイン阻害活性を次のように測定した。
ジンジパインは基質のBenzoyl-L-Arginine-p-Nitroanilineを分解してp-Nitroanilineを生成するが、その活性は、p-Nitroanilineを比色定量して調査できる。そこで、反応液に上記実施例1で調整した発酵乳を添加した際に、どの程度分解反応が阻害されるかを測定した。
【0050】
なお、分解反応は緩衝液(200mM Tris-HCl (pH 8.0)、300mM NaCl、20mM Cysteine-HCl、10mM CaCl2、2mM 2-メルカプトエタノール)400μL、基質溶液(100mM Tris-HCl (pH 8.0)、150mM NaCl、10mM Benzoyl-L-Arg-p-Nitroanilide)100μL、ジンジパイン溶液(P. gingivalis培養上清)100μLに、生理的食塩水で5倍に希釈した発酵乳400μLをチューブに入れ、40℃で40分間行った。反応後、反応停止液(1mg/mL Leupeptin)を10μL添加し、遠心分離(15000rpm、10分)して得た上清をフィルター濾過し、透過液の吸光度(OD 405nm)を測定した。陽性対照として発酵乳の希釈液の代わりに生理的食塩水400μLを添加して同様の処理を行った。結果を図2及び表5に示す。なお、図2と表5は別々に行った試験である。
【0051】
【表5】

【0052】
[実施例4] 唾液との混合培養時に発生するメチルメルカプタン濃度による口臭抑制活性の測定
メチルメルカプタン発生基質(L-メチオニン)を0.05%(w/v)含むTodd Hewitt Broth(Difco)をバイアル瓶(125mL容)に30mL分注し、更に、健常成人から得た唾液0.5mLと当該発酵乳0.012mLを添加し、pH 7.8に調整後、37℃で14時間培養した。培養後、バイアル瓶のヘッドスペース中のメチルメルカプタン濃度を炎光光度検出器付きガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製)にて測定した。結果を図3及び表6に示す。
【0053】
【表6】

【0054】
[実施例5] 官能検査
1.発酵乳の製造方法
ヨーグルトミックスの組成は、牛乳857mL、脱脂粉乳25g、精製水98mLである。
ヨーグルトミックスの殺菌は、温度95℃、時間2分間とした。
脱脂粉乳培地にて前培養した菌液を、それぞれ以下の接種菌量で添加した。
【0055】
菌液(a) Streptococcus thermophilus OLS3294株では1.6%(v/v)
菌液(b) Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株では0.4%(v/v)
菌液(c) L. reuteri ATCC53608では0.4%(v/v)
前記した3種類の菌液から、以下のスターターを調製し、ヨーグルトを製造した。ヨーグルトミックスへの菌液の添加濃度は3%(w/w)とした。
【0056】
試料(1) Streptococcus thermophilus OLS3294株とLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株の混合菌液(本発明)
試料(2) Streptococcus thermophilus OLS3294株とL. reuteri ATCC53608の混合菌液
試料(3) L. reuteri ATCC53608の単独菌液(ロイテリ・ヨーグルト)
発酵温度はL. reuteriの生育温度を考慮し、全て37℃とした。
【0057】
2.官能検査
6名のパネルにより、(イ) 酸味の好み(好き:嫌い)、(ロ) 甘さの好み(好き:嫌い)、(ハ)酸味・甘さのバランス(良い:悪い)、(ニ) 口に含んだときの香り(良い:悪い)、(ホ)コク(ある:ない)、(ヘ) おいしさ(まずい:おいしい)の6項目をビジュアルアナログスケール法により官能検査の実施項目した。大きい数値が「好き」、「良い」、「ある」、「おいしい」に対応する。
【0058】
ヨーグルトの製造特性
試料(1)では約4時間の発酵でカードを形成したが、試料(2)および(3)では8時間の発酵でもカードを形成しなかった。
【0059】
官能検査の解析
今回の試験では、ヨーグルトミックスを通常の殺菌条件である温度95℃、時間2分間で処理し、発酵条件では温度37℃とした。発酵時間が8時間の試料を官能検査に用いることとした。このとき、前記したように、試料(1)ではカードを形成していたが、試料(2)および(3)ではカードを形成しておらず、液体状であった。
【0060】
官能検査の結果を表7に示した。前記した通り、大きい数値が項目では、「好き」、「良い」、「ある」、「おいしい」に対応する。試料(2)および(3)に比較して、試料(1)は著しく風味が良かった。統計処理(Mann-WhitneyのU検定)からも、本発明である試料(1)のLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株とStreptococcus thermophilus OLS3294株から製造したヨーグルトの優位性が示された。
【0061】
【表7】

【0062】
[実施例6] 口臭低下効果の確認男性17名、女性7名の計24名のボランティア(平均36.4±8.6歳)にLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255株とStreptococcus thermophilus OLS3294株にて調製したプレーンヨーグルトを1日あたり2個(90g×2)、任意の時間に6週間摂取させた際の口腔菌叢、口臭、口腔所見に及ぼす影響について検討した。なお、プレーンヨーグルトは原料ミックス(生乳、脱脂粉乳など)を均質化後、殺菌・冷却し、上述の菌株を添加して、43℃で約3時間発酵して、酸度0.73の時点で冷却することで調製した。菌叢解析にはブルセラHK培地、変法FM培地(日水製薬(株)製)を用い、口臭測定には簡易ガスクロマトグラフィー(オーラルクロマ、アビリット(株)製)を使用した。また、口腔所見は歯科医師による診察を行った。
【0063】
その結果、口臭(硫化水素)が閾値以上であった被験者の約8割が、摂取前に比較して口臭が低下した。
【0064】
また、唾液pHも摂取前のpH 7.27からpH 7.08にと、摂取6週間後には、より中性になった(p<0.01)。口腔検診においても摂取前に比べて、摂取6週間後で歯垢、歯肉の腫れが有意に減少した(p<0.05)。以上の結果から、本試験に用いたヨーグルトの投与は口臭及び口腔有害菌を減少させることが示された。なお、本結果は、Wilcoxon検定による。
【0065】
[実施例7] 調整された発酵乳による歯周病原因菌Porphyromonas gingivalis (PG)の口腔上皮細胞における付着性への影響
発酵乳は4種類調製した。すなわち、Lactobacillus bulgaricus(L. bulgaricus)OLL1255とStreptococcus thermophilus(S. thermophilus) OLS3294(OLL1255-OLS3294のヨーグルトスターター)、L. bulgaricusMEP170801とS. thermophilus MEP170801、L. bulgaricus MEP170802とS. thermophilusMEP170802、標準菌株(L.bulgaricus ATCC11842とS.thermophilus ATCC19258、)を用いて共通のヨーグルトミックスを発酵させた。ヘミンを0.05%とビタミンKを0.01%で添加したGAMブロスにてPGを37℃、18時間で培養した。遠心分離(3000rpm、15分)により上清を除去しながら、PG(菌体)をPBSで2回洗浄した後に、PBSにてPGを約1×108 cfu/mlとなるよう調製した。このとき、調製したPG数(菌数)を計測し、これを「PG添加菌数」とした。
【0066】
続いて口腔上皮細胞株(KB cell)を1×105cell/mlに調製し、24ウェルプレートの1ウェル毎に1mlずつ播種した。これらを37℃、18時間で培養した後に、培地を除去し、新たな培地を0.8ml添加した。そして、調整したPGを0.1mlで加え、さらにPBSで5倍に希釈した各種のヨーグルトと、ヨーグルトミックスを0.1mlで添加した。このとき、希釈したヨーグルト中の乳酸菌数を計測し、これを「乳酸菌添加菌数」とした。プレートをCO2インキュベータ内に60分間静置した後に、培地を除去し、細胞をPBSにて3回洗浄した。トリプシン-EDTA液を1mlで加え、細胞からPGを分離した後に、菌数を計測し、これを「PG付着菌数」とした。ヨーグルト乳酸菌の付着菌数についても同様に計測し、これを「乳酸菌付着菌数」とした。
【0067】
結果を下表8に示した。PGの添加菌数に対する付着菌数の割合を「PG付着率」として算出したところ、PGのみを細胞株に添加した場合には9.73±2.57%であるのに対し、OLL1255-OLS3294のヨーグルトを添加した場合には1.89±0.63%と有意に低下した(P=0.020)。
【0068】
一方、他のヨーグルトやヨーグルトミックスを添加した場合には有意な低下は認められなかった。また、PG付着菌数について、PGのみ添加した場合と各種のヨーグルトを添加した場合との比率から「PG付着阻害率」を算出したところ、OLL1255-OLS3294のヨーグルトを添加した場合には80.6±6.5%となり、統計学上の有意差はないが、他のヨーグルトやヨーグルトミックスよりも高い数値であった。なお、同じ要領で2種類の乳酸菌の総和に対して算出した「乳酸菌付着率」は、標準株で調製したヨーグルトの場合には、他のヨーグルトやヨーグルトミックスに比べて有意に高い数値であった(P<0.0001)。
【0069】
口腔細胞へのPGの付着率が低下すると歯周炎症が軽減することが既に報告されている。今回の実験でin vitroではあるが、Gingival Indexの改善作用を有するOLL1255-OLS3294のヨーグルトによるPGの付着抑制が確認されたこと(PG付着率が有意に低下したこと)は、ヨーグルトの歯周病治療・予防に有意義な結果を得たものである。
【0070】
【表8】

【0071】
[実施例8]
調整された発酵乳がS. mutansによるバイオフィルム形成の抑制効果に及ぼす影響
Streptococcus mutans(S. mutans)OLS3288(JCM 5705T)をBrain Heart Infusion(BHI)(237500 Difco,Sparks,MD,USA)にて37℃、24時間で培養した。遠心分離(5000g、10min、4℃)によりS. mutans(菌体)を回収した。回収したS. mutansはChemically defined medium(CMD)(組成は後述する)で2回洗浄した後に、ショ糖(sucurose)を1%(w/v)で含むCDMの100mlに添加した。
【0072】
一方、Lactobacillus bulgaricus(L. bulgaricus)OLL1255とStreptococcus thermophilus(S. thermophilus) OLS3294(OLL1255-OLS3294のヨーグルトスターター)を使用したヨーグルト(披験発酵乳)、L. bulgaricus MEP170801とS. thermphilus MEP170801を使用したヨーグルト(対照発酵乳)、ヨーグルトミックス(未発酵乳)の0.1gを、ショ糖(sucurose)を1%(w/v)で含むCDMの100mlに添加した。
【0073】
そして、前述のS. mutansを含むCDMと、ヨーグルトやヨーグルトミックスを含むCDMを同量の100mlずつで混合した。これら混合液をenzyme immunoassay - radioimmunoassay 96 well plate (9017 Cornig,Cornig,NY)に100μl/wellで播種し、37℃、48時間で培養した。このとき、サンプル1種につき3 wellを使用した。これらを培養した後に培地を除去し、プレートを乾燥させ、各wellに付着しているバイオフィルム量をフェノール硫酸法により測定した。具体的には、乾燥したプレートに30μl/wellで蒸留水を加えた後に、さらに5%フェノール溶液を30μl/wellで加え良く攪拌した。その後に、150μl/wellで濃硫酸を加え、その直後にプレートを良く攪拌して、常温まで冷却し、490nmの吸光度を測定した。
【0074】
結果を図4に示す。L. bulgaricus OLL1255とS. thermphilus OLS3294を使用したヨーグルト(披験発酵乳)の場合には、ヨーグルトの無添加やヨーグルトミックスの場合に比べて、S. mutansによるバイオフィルム量が有意に低下した。しかしながら、L. bulgaricus MEP170801とS. thermphilus MEP170801を使用したヨーグルト(対照発酵乳)の場合には、ヨーグルトの無添加の場合に比べて、バイオフィルム量が有意に低下したものの、そのバイオフィルム量はヨーグルトミックスの場合と同等であった。
【0075】
これらの結果から、ヨーグルトミックスの場合にもS. mutansによるバイオフィルム形成の抑制効果が認められるが、ヨーグルトの場合には、さらに高い抑制効果が期待できる。そして、ヨーグルトによるバイオフィルム形成の抑制効果は、L. bulgaricusとS. thermophilusの種類により異なり、これらの選択が重要であることが分かった。
【0076】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0077】
本願発明の発酵乳は、歯周病予防用/治療用並びに嗜好性が高く口臭予防用及び/又は抑制用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】調製された発酵乳の酸度及びpH。
【図2】調製された発酵乳のジンジパイン阻害活性。
【図3】調製された発酵乳に唾液を混合した混合培養時に生じるメチルメルカプタン濃度。
【図4】調整された発酵乳がS. mutansによるバイオフィルム形成の抑制効果に及ぼす影響。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294)を含有する口腔内疾患予防用及び/又は治療用の発酵乳。
【請求項2】
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294)を用いて調製した口腔内疾患予防用及び/又は治療用の発酵乳。
【請求項3】
前記口腔疾患が歯周病である請求項1又は2のいずれか1項に記載の発酵乳。
【請求項4】
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294)を含有する口臭予防用及び/又は抑制用の発酵乳。
【請求項5】
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294)を用いて調製した口臭予防用及び/又は抑制用の発酵乳。
【請求項6】
歯周病の予防及び/又は治療に有効な旨の表示を付したラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS 3294)を含有する発酵乳。
【請求項7】
口臭の予防及び/又は抑制に有効な旨の表示を付したラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294)を含有する発酵乳。
【請求項8】
(1)原料乳などを混合・調製し、(2)均質化・殺菌し、(3)冷却した後に、(4)ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)をスターターとして添加し、(5)容器へ充填し、(6)発酵させて、(7)カードを形成させた後に、(8)冷蔵することを特徴とするラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)を含有する、歯周病予防及び/又は抑制用発酵乳又は口臭予防及び/又は抑制用発酵乳の製造方法。
【請求項9】
(1)原料乳などを混合・調製し、(2)均質化・殺菌し、(3)冷却した後に、(4)ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)をスターターとして添加し、(5)発酵させて、(6)カードを形成させた後に、(7)カードを破砕し、(8)容器へ充填し、(9)冷蔵することを特徴とするラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)を含有する、歯周病予防及び/又は抑制用発酵乳又は口臭予防及び/又は抑制用発酵乳の製造方法。
【請求項10】
(7)カードを破砕した後、又は(8)容器へ充填した後に冷却することを特徴とする請求項9記載の歯周病予防及び/又は抑制用発酵乳又は口臭予防及び/又は抑制用の発酵乳の製造方法。
【請求項11】
前記ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)がラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスOLL1255株(Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1255)及びストレプトコッカス・サーモフィルスOLS3294株(Streptococcus thermophilus OLS3294)である請求項8、9又は10のいずれか1項に記載の発酵乳の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−262893(P2006−262893A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378097(P2005−378097)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000006138)明治乳業株式会社 (265)
【Fターム(参考)】