説明

可搬式動力作業機及び刈払機

【課題】モータに大電流が流れることを防止でき、かつモータの小型化が可能で安定性を向上させることができる可搬式動力作業機及び刈払機を提供する。
【解決手段】ステータ8の外側にロータ9が配置されたアウタロータ型のモータ4と、モータ4により駆動される駆動部(インナーシャフト2)と、駆動部により作動される作動部(図示略)とを備え、モータ4の回転軸(モータシャフト3)と駆動部との間に遠心クラッチ5が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可搬式動力作業機及び刈払機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業者が手に持って作業を行う可搬式作業機が知られている。このような可搬式作業機として、噴霧器、チェーンソー、草刈に用いられる刈払機等がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、遠心クラッチを介してエンジンからの動力を先端側に伝達して刈歯を回転駆動させるエンジン式の刈払機が記載されている。このように、エンジンと刈歯との間に遠心クラッチが配置されることにより、刈歯に負荷が作用してその動作が停止した場合であってもエンジンが急停止しないように構成されている。
【0003】
しかし、動力源としてエンジンを用いる可搬式作業機は、市街地等の住宅密集地での騒音の問題や二酸化炭素の排出量の過多等の環境問題を有することから、近年、動力源を電動モータに切り替える傾向がある(例えば、特許文献2参照)。このように、可搬式作業機の動力源として電動モータを用いることで従来のエンジン式のものと比較して騒音や二酸化炭素の排出過多等の環境に対する悪影響を低減することができる。
【特許文献1】特開2008−118960号公報
【特許文献2】特開2008−86255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の可搬式動力作業機は、電動モータを用いた場合に、刈刃等の作動部に負荷が作用して動作が停止し、電動モータが急停止(ロック)されると、駆動源であるモータに大電流が流れるという課題がある。
このような大電流がモータに流れると、モータのコイルが損傷したり、コントローラの素子が損傷したりする可能性がある。大電流による損傷を防止するためには、電流制御(制限)回路やヒューズ等の対策が必要になる。また、モータやコントローラ等の素子を大電流に耐え得るパワー素子にした場合には、製造コストが大幅に増加してしまう。
【0005】
上記の電動モータとして、モータ構造の簡素化や低コスト化を図るために、モータの回転を検出するためのセンサを有さないセンサレスブラシレスモータの導入が求められている。一般に、センサレスブラシレスモータは、起動時にロータの微小な正逆回転を複数回行うことで、コイルインダクタンスの変化等を利用してロータの位置を検出している。そのため、センサレスブラシレスモータでは、モータを正常に回転させるために起動時にモータをある程度自由に回転させることが必要である。したがって、センサレスブラシレスモータでは、通常のセンサを有するブラシレスモータのように停止状態から負荷を与えた状態での起動ができないという課題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載されているモータは、ロータがステータの内側に配置されている。そのため、十分なトルクを得るためには、減速機を用いたりあるいはモータを大型化させたりする必要があるという課題がある。
【0007】
そこで、この発明は、モータに大電流が流れることを防止でき、かつモータの小型化が可能で安定性を向上させることができる可搬式動力作業機及び刈払機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の可搬式動力作業機は、ステータの外側にロータが配置されたアウタロータ型のモータと、該モータにより駆動される駆動部と、該駆動部により作動される作動部とを備え、前記モータの回転軸と前記駆動部との間に遠心クラッチが設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の可搬式動力作業機は、前記ステータは、ステータベースと、該ステータベースに固定されたステータコアと、該ステータコアに巻装されたコイルと、を備え、前記ロータは、前記回転軸に固定され前記ステータをその前面から覆う有底筒状のロータヨークと、該ロータヨークの内周面に固定された永久磁石と、前記回転軸を前記ステータベースの中央部に回転自在に支持する軸受けと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の可搬式動力作業機は、前記遠心クラッチは、回転により径方向に拡径可能に設けられたクラッチインナーと、前記クラッチインナーをその前面から覆う有底円筒状のクラッチアウターと、を備え、前記クラッチインナーは前記回転軸に連結され、前記クラッチアウターは前記駆動部に連結されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の可搬式動力作業機は、前記モータは、センサレスブラシレスモータであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の刈払機は、ステータの外側にロータが配置されたアウタロータ型のモータと、該モータにより駆動される駆動部と、該駆動部により作動される刈刃とを備え、前記モータの回転軸と前記駆動部との間に遠心クラッチが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の刈払機は、前記ステータは、ステータベースと、該ステータベースに固定されたステータコアと、該ステータコアに巻装されたコイルと、を備え、前記ロータは、前記回転軸に固定され前記ステータをその前面から覆う有底筒状のロータヨークと、該ロータヨークの内周面に固定された永久磁石と、前記回転軸を前記ステータベースの中央部に回転自在に支持する軸受けと、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の刈払機は、前記遠心クラッチは、回転により径方向に拡径可能に設けられたクラッチインナーと、前記クラッチインナーをその前面から覆う有底円筒状のクラッチアウターと、を備え、前記クラッチインナーは前記回転軸に連結され、前記クラッチアウターは前記駆動部に連結されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の刈払機は、前記モータは、センサレスブラシレスモータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
このように構成することで、作動部または刈刃に負荷が作用してその動作速度が低下、あるいはその動作が停止した場合であっても、遠心クラッチにより駆動部とモータの回転軸とを切り離すことができる。したがって、モータが急停止(ロック)されることを防止して、モータのコイルやコントローラ等に大電流が流れることを防止できる。これにより、コイルの損傷やコントローラの素子の損傷を防止することができる。
また、ステータの外側にロータが配置されているので、ロータをフライホイールとして機能させ、モータ動作時に回転軸を安定して回転させることができる。また、ロータがステータの内側に配置されたモータと比較して、モータを小型化させた場合であっても必要なトルクを得ることができる。
したがって、本発明の可搬式動力作業機及び刈払機によれば、モータに大電流が流れることを防止でき、かつモータの小型化が可能で、モータの安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の刈払機(可搬式動力作業機)は、作業者が手に持って草刈作業を行うための汎用機器である。なお、以下の各図面では、部材毎に縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態の刈払機1の概略構成を示す断面図である。
【0018】
図1に示すように、刈払機(可搬式動力作業機)1は、主に、回転式の刈刃(作動部、図示略)と、刈刃に連結されたインナーシャフト(駆動部)2と、モータシャフト(回転軸)3を回転させてインナーシャフト2を駆動するモータ4とにより構成されている。インナーシャフト2とモータシャフト3との間には、遠心クラッチ5が配置されている。
遠心クラッチ5は、モータ4のモータシャフト3に連結されたクラッチインナー6と、クラッチインナー6を前面から覆うクラッチアウター7とにより構成されている。
【0019】
クラッチインナー6は、モータシャフト3に連結された円筒状の支持部6aの周囲に拡径部6bを備えている。拡径部6bは、周方向に分割された複数のクラッチシュー6cと、クラッチシュー6cを支持部6aに保持するスプリング(弾性部材)6dとにより構成されている。スプリング6dのばね定数(弾性係数)は、クラッチインナー6の回転速度が所定の回転速度を超えたときに、クラッチシュー6cに作用する遠心力によりスプリング6dが伸長し、クラッチシュー6cがクラッチアウター7の内側面7aに当接するように調整されている。
【0020】
クラッチアウター7は、クラッチインナー6を前面から覆う有底円筒状の形状に形成されている。クラッチアウター7の底部7bの外側には、インナーシャフト2が挿入される円筒状の支持部7cが設けられている。クラッチアウター7は、内径がクラッチインナー6の静止時の外径よりも一回り大きく形成され、クラッチインナー6の静止状態において内側面7aがクラッチシュー6cと離間するようになっている。
【0021】
インナーシャフト2の基端側はクラッチアウター7の支持部7cに挿入され、支持部7cにスプライン嵌合またはセレーション嵌合により固定されている。
図示は省略するが、インナーシャフト2の先端側には複数の歯車からなるギア部(駆動部)を介して円板状の刈刃が連結されている。刈刃は、周上に複数の鋸歯状の歯を備えている。ギア部は、複数の歯車によりインナーシャフト2の軸周りの回転を刈刃の周方向の回転に変換するように構成されている。
【0022】
モータ4は、内側に配置されたステータ8と、ステータ8の外側に配置されたロータ9とにより構成されている。モータ4は、所謂センサレスブラシレスモータであって、ロータ9の回転位置を検出する位置センサを備えておらず、位置センサレスで駆動制御を行う。すなわち、モータ4は、起動時にロータ9を複数回、微小に正逆回転させ、誘起電圧や電流を利用してロータ9の位置検出を行うように構成されている。
【0023】
ステータ8は、モータベース(ステータベース)8aと、ボス部8bと、ステータコアと8cを備えている。モータベース8aは円板状に形成され、中央部にはモータシャフト3を挿通させる貫通孔8dが形成され、貫通孔8dにはオイルシール10が設けられている。モータベース8aの貫通孔8dの周囲には、複数のボルト11によりボス部8bが固定されている。
【0024】
ボス部8bは中央部に設けられた円筒状の円筒部8eと、円筒部8eの径方向に張り出すように設けられたフランジ部8fとを備えている。フランジ部8fには、複数のボルト12によりステータコア8cが固定されている。円筒部8eの内側には、モータシャフト3を回転自在に支持する複数のベアリング(軸受け)13が設けられている。
【0025】
ステータコア8cは円環状に形成され、周方向に等間隔で放射状に突設された複数のティース8gを備え、ボス部8bを介してモータベース8aに固定されている。ステータコア8cは、磁性材料からなる金属板をモータシャフト3の軸方向に積層することにより形成されている。各々のティース8gには、絶縁材であるL字状の断面形状のインシュレータ8hを介してコイル8iが巻装されている。
コイル8iの端末部は入力線(図示略)に接続され、入力線はモータ動力線14を通して不図示のコントローラに接続されている。モータ動力線14はモータベース8aに設けられた貫通孔8jから外部に引き出され、貫通孔8jはモータ動力線14を挿通させた封止部材15により密閉されている。
【0026】
ロータ9は、ステータ8をその前面から覆う有底筒状のロータヨーク9aと、ロータヨーク9aの内周面に固定された永久磁石9bとを備えている。永久磁石9bは、ロータヨーク9aの周方向に磁極が順番になるように設けられている。
ロータヨーク9aの底部9cの中央部には貫通孔9dが形成され、貫通孔9dの周囲には径方向に円板状に拡径されたモータシャフト3の端部3aが複数のボルト16により固定されている。これにより、モータシャフト3はロータ9の中央部に固定され、ベアリング13によりモータベース8aの中央部に回転自在に支持されている。
このように、本実施形態のモータ4は、ステータ8の外側にロータ9が配置されたアウタロータ型のセンサレスブラシレスモータである。
【0027】
ロータ9は、複数のボルト17によりモータベース8aに固定された有底円筒状のモータカバー18により覆われている。モータカバー18は例えば樹脂材料等により形成されている。モータベース8aの外縁部のモータカバー18に対向する面にはリング溝19が形成され、リング溝19にはOリング20が嵌め込まれている。Oリング20は、例えばゴム等の弾性を有する材料により形成され、モータカバー18とモータベース8aとの隙間を密閉している。
【0028】
モータベース8aのモータカバー18が固定された面と反対側の面には、平板状の機器取付ベース21と有底円筒状のクラッチカバー22とが、複数のボルト23により固定されている。
クラッチカバー22は遠心クラッチ5のクラッチアウター7と同様の有底円筒状の形状に形成され、遠心クラッチ5を前面から覆うように設けられている。クラッチカバー22の底部22aには円筒状の支持部22bが設けられ、支持部22bの内側にはクラッチアウター7の支持部7cを回転自在に支持するベアリング24が設けられている。
【0029】
クラッチカバー22の支持部22bの開口部22cの内側には、インナーシャフト2を挿通させる筒状のアウターパイプ25の端部が嵌め込まれている。これにより、クラッチカバー22とアウターパイプ25とが一体的に連結されている。アウターパイプ25には、例えば作業者が把持するためのハンドル(図示略)が設けられている。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1に示す刈払機1を用いて草刈作業を行う場合には、まずモータ4を起動する。センサレスブラシレスモータであるモータ4は、起動時にロータ9を複数回、微小に正逆回転させてロータ9の位置検出を行う。これにより、モータシャフト3が微小に回転し、モータシャフト3に連結された遠心クラッチ5のクラッチインナー6も複数回、微小に正逆回転する。
【0031】
ここで、クラッチインナー6のクラッチシュー6cは、静止時にクラッチアウター7の内側面7aから離間するように設けられている。また、スプリング6dのばね定数は、クラッチインナー6が所定の回転速度で回転したときに、クラッチシュー6cがクラッチアウター7の内側面7aに所定の圧力で当接するように調整されている。そのため、このようなロータ9の位置検出時の微小回転では、クラッチシュー6cがクラッチアウター7の内側面7aから離間した状態が維持される。
したがって、本実施形態の刈払機1によれば、モータ4の起動時にロータ9を自由に回転させロータ9の位置検出を行うことができる。
【0032】
モータ4はロータ9の位置検出を終えるとロータ9を正方向に回転させる。すると、ロータ9の回転速度が上昇していき、ロータ9の回転に伴って回転するクラッチインナー6のクラッチシュー6cに作用する遠心力が増大する。クラッチインナー6の回転速度が所定の速度を超えると、クラッチシュー6cに作用する遠心力がスプリング6dのばね力よりも大きくなる。すると、スプリング6dが伸長してクラッチインナー6の拡径部6bが拡径され、クラッチシュー6cがクラッチアウター7の内側面7aに当接する。
【0033】
ロータ9の回転速度がさらに上昇すると、クラッチシュー6cに作用する遠心力がさらに増大し、クラッチシュー6cをクラッチアウター7の内側面7aに押し付ける圧力が増大する。これにより、クラッチシュー6cからクラッチアウター7に作用する摩擦力が増大し、クラッチアウター7が回転を始める。クラッチインナー6の回転速度がさらに上昇すると、クラッチアウター7はクラッチインナー6と略等しい回転速度で回転する。
【0034】
クラッチアウター7が回転すると、クラッチアウター7の支持部7cに連結されたインナーシャフト2が回転する。インナーシャフト2が回転すると、インナーシャフト2の先端側に設けられたギア部が駆動され、刈刃が回転する。作業者は、この回転する刈刃により草刈作業を行うことができる。
【0035】
ここで、草刈時に刈刃に大きな負荷が作用して刈刃の回転速度が低下した場合には、ギア部を介して刈刃に連結されたインナーシャフト2の回転速度が低下する。これにより、インナーシャフト2に連結されたクラッチアウター7の回転速度が低下する。クラッチアウター7の回転速度が低下すると、クラッチアウター7の内側面7aに当接したクラッチインナー6の回転速度が低下する。これにより、クラッチシュー6cに作用する遠心力がスプリング6dのばね力よりも小さくなり、拡径部6bの径が縮小してクラッチシュー6cがクラッチアウター7の内側面7aから離れる。
【0036】
したがって、本実施形態の刈払機1によれば、刈刃に負荷が作用して刈刃の回転速度が低下、あるいは回転が停止した場合であっても、遠心クラッチ5により刈刃に連結されたインナーシャフト2とモータ4のモータシャフト3とを切り離すことができる。したがって、モータ4が急停止(ロック)されることを防止して、コイル8iやコントローラ等に大電流が流れることを防止できる。これにより、コイル8iの損傷やコントローラの素子の損傷を防止することができる。
【0037】
また、遠心クラッチ5によりモータ4の回転速度を所定値以上に維持することができ、大電流による損傷を防止する電流制御(制限)回路やヒューズ等の対策が必要なくなる。これにより、製造コストを低下させることができる。
また、遠心クラッチ5を用いることで、モータ4にセンサレスブラシレスモータを適用することができる。これにより、モータ4の構造の簡素化や部品点数の削減を実現することができ、低コスト化を図ることができる。
【0038】
また、モータ4は起動時や低回転時ほど大きな電流が流れるが、本実施形態の刈払機1によれば、遠心クラッチ5によりモータ4の起動をモータ4単体で行うことができる。したがって、モータシャフト3とインナーシャフト2を直結あるいは減速機を介して連結させた場合と比較して、電力の消費を抑制することができる。そのため、モータ4をバッテリーにより駆動させる場合には、従来よりもモータ4の駆動時間を延長することができ、連続作業時間を延長することができる。
【0039】
また、モータ4の回転速度が低下すると遠心クラッチ5によりモータ4とインナーシャフト2が切り離される。そのため、モータ4の効率が悪くなる高電流(高負荷)側でのモータ4の使用を抑制し、モータ4の効率が良好な範囲でモータ4を使用することができる。したがって、モータ4の消費電力を抑制することができる。そのため、モータ4をバッテリーにより駆動させる場合には、従来よりもモータ4の駆動時間を延長することができ、連続作業時間を延長することができる。
【0040】
また、本実施形態の刈払機1は、ロータ9がステータ8の外側に配置されたアウタロータ型のモータ4を採用している。そのため、ロータ9がステータ8の内側に配置されたモータよりもモータ4を小型化させた場合であっても十分なトルクを得ることができる。したがって、刈払機1を小型・軽量化することが可能になり、作業性を向上させることができる。
【0041】
また、ロータ9がモータシャフト3の径方向に拡がるように設けられたロータヨーク9aを有していることから、ロータ9をフライホイールとして機能させることができる。したがって、モータシャフト3の回転速度の急激な変動等を防止して、モータ4の安定性を向上させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の刈払機1によればモータ4に大電流が流れることを防止でき、かつモータ4の小型化が可能で、モータ4の安定性を向上させることができる。
【0043】
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、可搬式動力作業機は、上述の実施の形態で説明した刈払機に限られず、例えば噴霧器や、チェーンソー等の工作機械であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る可搬式動力作業機の一例である刈払機の断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 刈払機(可搬式動力作業機)
2 インナーシャフト(駆動部)
3 モータシャフト(回転軸)
4 モータ
5 遠心クラッチ
6 クラッチインナー
7 クラッチアウター
8 ステータ
8a モータベース(ステータベース)
8c ステータコア
8i コイル
9 ロータ
9a ロータヨーク
9b 永久磁石
13 ベアリング(軸受け)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータの外側にロータが配置されたアウタロータ型のモータと、該モータにより駆動される駆動部と、該駆動部により作動される作動部とを備え、
前記モータの回転軸と前記駆動部との間に遠心クラッチが設けられていることを特徴とする可搬式動力作業機。
【請求項2】
前記ステータは、ステータベースと、該ステータベースに固定されたステータコアと、該ステータコアに巻装されたコイルと、を備え、
前記ロータは、前記回転軸に固定され前記ステータをその前面から覆う有底筒状のロータヨークと、該ロータヨークの内周面に固定された永久磁石と、前記回転軸を前記ステータベースの中央部に回転自在に支持する軸受けと、を備えたことを特徴とする請求項1記載の可搬式動力作業機。
【請求項3】
前記遠心クラッチは、回転により径方向に拡径可能に設けられたクラッチインナーと、前記クラッチインナーをその前面から覆う有底円筒状のクラッチアウターと、を備え、
前記クラッチインナーは前記回転軸に連結され、前記クラッチアウターは前記駆動部に連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可搬式動力作業機。
【請求項4】
前記モータは、センサレスブラシレスモータであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の可搬式動力作業機。
【請求項5】
ステータの外側にロータが配置されたアウタロータ型のモータと、該モータにより駆動される駆動部と、該駆動部により作動される刈刃とを備え、
前記モータの回転軸と前記駆動部との間に遠心クラッチが設けられていることを特徴とする刈払機。
【請求項6】
前記ステータは、ステータベースと、該ステータベースに固定されたステータコアと、該ステータコアに巻装されたコイルと、を備え、
前記ロータは、前記回転軸に固定され前記ステータをその前面から覆う有底筒状のロータヨークと、該ロータヨークの内周面に固定された永久磁石と、前記回転軸を前記ステータベースの中央部に回転自在に支持する軸受けと、を備えたことを特徴とする請求項5記載の刈払機。
【請求項7】
前記遠心クラッチは、回転により径方向に拡径可能に設けられたクラッチインナーと、前記クラッチインナーをその前面から覆う有底円筒状のクラッチアウターと、を備え、
前記クラッチインナーは前記回転軸に連結され、前記クラッチアウターは前記駆動部に連結されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の刈払機。
【請求項8】
前記モータは、センサレスブラシレスモータであることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の刈払機。

【図1】
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【公開番号】特開2010−110228(P2010−110228A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283264(P2008−283264)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】