可撓性タブ、可撓性タブの製造用ツーリング及び可撓性タブの製造方法
【解決手段】本発明は、一般的にビール/飲料缶端及び食品缶端を開けるために用いられる可撓性タブに関するものである。タブは、複数のスロットを有しており、スロットは、タブの両側にある先端部とリフト部間の、タブのほぼ中央部に設けられている。スロットは、支点を形成するように結合し、支点は、タブの長さに沿って通る軸に対してほぼ直交する方向に延びている。支点は、リフト部が先端部に関して上方及び下方に回転することを許容する。タブは、タブのほぼ中央部分でスロットに隣接するパネル加工又はビード加工された領域も有している。可撓性タブの製造用ツーリングも提供される。さらに、可撓性タブを製造する方法も同様に提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<発明の分野>
本発明は、一般的にビール/飲料缶端及び食品缶端を開けるために用いられる可撓性タブ、可撓性タブの製造用ツーリング(tooling)及び可撓性タブを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
<発明の背景>
タブは、一般的に、缶端に固定されており、タブのリフト部を持ち上げて、タブを缶端に固定されたリベット周りで回転させ、タブを上方に引っ張ることで缶端を開けることができる。タブのリフト部を上方に持ち上げることによって、缶端に配置されたスコア線(score line)が破壊され、それにより、エンドユーザは缶端から内容物にアクセスすることができる。
【0003】
多くの場合、従来のタブは剛性部材であり、タブの剛性により、タブ付きの缶端を容易に開けることができない。使用前、タブは、缶端の蓋パネルの面に対して、概ね向きがフラットで、平行となっている。タブを持ち上げるには、エンドユーザは、タブと缶端の継ぎ目との間に指を差し入れ、タブの底面を上方に持ち上げることを必要とする。そのようなやり方は、エンドユーザが、適当なテコの作用を確保し、缶端を開けることを困難にする可能性がある。そのような困難性は、エンドユーザの指爪が長かったり、指が弱く、タブと缶端の継ぎ目との間に届き難い場合に、より顕著になる可能性がある。
【0004】
タブ内部に可撓性部分を設けることによって、この問題を解決しようと試みた特許もある。そのやり方として、エンドユーザは、最初にリベットの周りでタブを回転させ、缶端からの抵抗を受けることなく、最初に可撓性部分の周りでタブのリフト部を上方に向けて回転できるようにしている。この方法でタブが一旦曲げられると、エンドユーザは、缶端にタブを固定するリベットに沿ってタブを回転させるために、タブ上に十分なテコの作用を確保でき、端パネル又は継ぎ目の緊密な境界に妨げられることなく、缶端上のスコア線を切断することができる。
【0005】
Lundgrenへ付与された米国特許第6026971号は、可撓性部分を有するプルタブを開示しており、可撓性部分は、プルタブを横に切断し、それを先端部とリフト部に分割する。可撓性部分の周りでプルタブが上方に曲がるようにしたことで、ユーザは、先端部を静止させたまま、最初にリフト部を上方に曲げることができ、缶端を開ける際に、テコ作用を確保することができる。しかしながら、可撓性部分は、プルタブの一方の側から他方の側まで完全に延びており、完全な分割線が形成されている。完全な分割線を有するプルタブは、リフト部を最初に上方へ引き上げたとき、又は、使用後にリフト部を下方に押し下げている間に、折れて取れ易い。
【0006】
Dickieらへ付与された米国特許第6575325号は、可撓性の屈曲線(crease line)によって分離された先端部とリフト部とを有するプルタブオープナーを開示しており、リフト部は、先端部に関して関節により繋げられている。先端部とリフト部は、プルタブから直立しており、少なくとも一対の角度のあるヒンジの如き突出部によって連結されている。突出部は、缶端を開けるために、プルタブを上方に引き上げたときに、プルタブが屈曲線に沿って折れて取れないようにするが、プルタブを下方へ押し下げたときに、屈曲線の周りでプルタブがフレキシブルに下方へ十分動けるように、屈曲線が補強されていないため、リフト部が折れて取れてしまうリスクがある。また、突出部は、製造が困難であり、プルタブの形成に用いられる材料量と、必要な機器との両方において、プルタブの製造コストを実質的に増加させる。さらに、突出部は、缶を保管するために別の缶の上に垂直に積み重ねる際に、缶の底面のドーム部と干渉する可能性がある。突出部が高くなりすぎると、そのような閉じ方をしている缶を積み重ねることが困難となるから、この缶端による保管の問題が生じる。
【0007】
Adamsへ付与された米国特許第3499573号は、容器の蓋パネル全体を取り外す開口システムを開示している。開口システムは、プルタブの両端にノッチ部を有するプルタブを含んでおり、ノッチにより、プルタブを上方に曲げることができ、ユーザが缶を開けたり、蓋パネルを取り除くのに十分なテコ作用を得ることができるようにしている。プルタブには2つのリベットが必要となるが、リベットは缶端の製品側にある口髭形状のスコア線によって囲まれており、プルタブの引き上げにより、一方のリベットとプルタブとの間の連結が切断される。さらに、プルタブの中央領域は、リベットの周りに広がっている。タブともう一方のリベットの硬性により、タブを開ける際に不要な抵抗を生じる。さらに、タブの形成に余分な材料が用いられ、製品を製造するコストを増大させる。
【0008】
ユーザが、缶端にあるスコア線を切断するテコ作用を確保するために、最小の抵抗でタブを支点周りで上方に曲げ、その後、リフト部を折り取らずに、端パネル上で概ねフラットな位置までタブを下方に押し下げることのできるタブが、当該分野では依然として要請されている。
【発明の開示】
【0009】
<発明の要旨>
本発明の目的は、支点を有するタブであって、支点により、タブのリフト部を上方に引き上げたときに、リフト部を支点周りに上方に曲げることができるようにして、リフト部がタブから折り取られることなくスコア線が切断された後、リフト部を支点周りに下方に曲げることのできるタブを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、缶端に取り付けられる可撓性タブを提供することにより達成される。タブは、タブの前端に位置する先端部と、タブの後端に位置するリフト部を有している。タブの後端は、所定高さの外面を有し、先端部及びリフト部は、巻き返され又は折り返されたエッジを有しており、タブは、所定の長さを有する。軸はタブの長さ方向に沿って通り、複数のスロットは、タブの両側の先端部とリフト部との間のタブのほぼ中央部に形成されている。スロットは、軸に対してほぼ直交するよう延びる第1支点を形成するように組み合わされており、第1支点により、リフト部を先端部に関して上方及び下方に回転できるようにしている。リベット受入部は、リベット孔を有しており、先端部の後方に位置している。リベット受入部は、先端部に一体に取り付けられている。スロットは両端を有し、リベット孔に隣接し、リベット孔の外周とリベット受入部の外周の一部を取り囲んでおり、スロットの端部を有するリベット受入部の外周は、第2支点を形成し、第2支点は軸に対してほぼ直交に延び、タブは、支点周りに上方及び下方に回転できる。パネル又はビード領域(a paneled or beaded area)は、リフト部の外面の前側で、外面よりも高さが低い位置に、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して配置される。パネル又はビード領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前に第1エッジを有しており、第1エッジは、軸に対してほぼ直交に延び、両端を有する。第1エッジの両端は、両端の一方に付随する第2エッジ又は第3エッジを有している。第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向関係に位置し、概ね軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端し、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に連結される。本発明の目的は、上述の缶端に取り付けられる可撓性タブを製造するためのツーリングを提供することによっても達成される。
【0011】
本発明の目的は、さらに、缶端に取り付けられる可撓性タブを製造する方法を提供することによって達成される。本方法は、材料の長さ方向に沿って通る軸に対してほぼ直交する方向にある材料のほぼ中央部で、スロットを切開(lancing)、穿孔又は切削するステップ、材料の周縁で材料を巻き返すステップ、外面には、外面より高さの低いタブの後端部で、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置する、所定高さを有するリフト部を有する外面の前方で材料をパネル加工又はビード加工するステップを有している。パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前側に第1エッジを有しており、第1エッジは、軸に対してほぼ直交する方向に延び、第1エッジには、両端を有している。第1エッジの両端は、両端の一方に付随する第2エッジ又は第3エッジを有している。第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向関係に位置し、ほぼ軸の方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端し、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に連結される。
【0012】
本発明の目的は、本明細書に添付の図面を参照する下記の発明の詳細な説明から、より十分に理解されるであろう。
【0013】
<望ましい実施例の詳細な説明>
以下の説明のために、用語「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「前」、「後」及びそれらの派生語は、図面にも適用されるように、本発明で参照されるべきである。しかしながら、本発明は、明示的に特記した場合を除き、種々の代替の構造を前提とすることができると理解されるべきである。また、図面に示され、以下の明細書で説明される特定の部材は、本発明を単に例示する実施例であると理解されるべきである。それゆえ、本明細書にて開示される実施例に関連する特定の寸法、向き及びその他の物理的形態に限定されるものではない。
【0014】
本明細書で用いる場合、用語「数」は、1又は2以上(すなわち複数)を意味する。本明細書で用いる場合、用語「固定具」は、任意の適した固定、連結又は締付機構を意味しており、一体型リベットを明示的に含むが、これに限定されるものではない。本明細書で用いる場合、2以上の部品が「結合」、「取付」又は「接続」されるという記述は、それら部品が、直接的に接合され、又は、1以上の中間部品を通じて接合されることを意味するものとする。
【0015】
図1〜図4を参照すると、本発明のタブ(10)が示されている。タブ(10)は、タブ(10)の前端の先端部(12)と、タブ(10)の後端のリフト部(14)を含んでおり、各部分は、その2つの部分が、ほぼ楕円形状のタブ(10)を形成するために相互補完するように、その外周に沿ってU字形になっていることが望ましい。第1及び第2スロット(16)は、タブ(10)の両側にある先端部(12)とリフト部(14)との間の、タブ(10)のほぼ中央部に設けられており、2つのスロット(16)は、軸(20)に対して、ほぼ直交方向に延びる第1支点(18)を形成するよう結合し、軸(20)は、所定の長さでタブ(10)の長さ方向に通り抜け、タブ(10)の各半分が、他方の半分のミラーイメージとなるようにタブ(10)を分割している。第1支点(18)は、リフト部(14)が、先端部(12)に関して上方及び下方に回転できるようにしている。第1支点(18)は、エンドユーザが、タブ(10)が缶端に取り付けられているときに、タブ(10)を容易に引き上げることができるようにする利点を有している。そのような引き上げ容易なタブは、(i)幼い子供や、(ii)従来の長手方向に剛いタブを開けるのが困難な、関節炎を患う人々にとって特に有用である。さらに、第1支点(18)により、あらゆるエンドユーザが、より簡単にタブ(10)を引き上げて、缶の内容物にアクセスすることが可能となる。
【0016】
先端部(12)は、先端部(12)の外周に沿って巻き返された又は折り返された第1エッジ(22)を含んでおり、エッジ(22)は、先端部(12)の下で巻き返されて、断面が円筒形状のカール又はエッジ(24)を形成し、先端部(12)を硬くして、先端部(12)に梁強度を付与し、それにより、タブ(10)の強度を増大させている。あるいは、エッジ(24)は折り返されていてもよい。巻き返された第1エッジ(22)は、先端部(12)のU字形の外周の周りに延びている。先端部(22)の前部(26)は、より著しく巻き込むことで、缶端の裂パネル(tear panel)又は缶端の取外し可能な中央パネルと接触する先端部(12)の領域が大幅に増大する。
【0017】
リベット受入部(28)は、圧縮され、ほぼ半円形、正方形又は矩形のパネルであって、中央のリベット孔(30)を有する先端部(12)の後方に位置する。リベット孔(30)は、一体型リベットを受け入れることができる形状であり、缶端の周囲で先端部(12)を回転させることができるように、タブ(10)は缶端に取り付けられる。リベット受入部(28)は、1つ又は多数の凹み(32)に沿って、先端部(12)に一体に取り付けられている。凹み(32)は、先端部(12)が動かされる際に、リベットの周囲の可撓性を高める。C字状のスロット(34)は、リベット孔(30)の外周の一部と、リベット受入部の外周の一部を取り囲む。C字状のスロット(34)は、C字状のスロット(34)の両端でタブ(10)の可撓性をさらに高める空隙となり、軸(20)に対してほぼ直交方向に延びる第2支点(36)を形成する。支点(36)は、タブ(10)が支点(36)周りで上方及び下方に回転することを許容する。
【0018】
V字状の圧痕(coin)(38)は、凹み(32)に隣接するリベット孔(30)と前部(26)との間に設けられており、リベット受入部(28)とほぼ同じ厚さである。V字状の圧痕(38)は、巻き返された第1エッジ(22)を硬くし、タブ(10)が缶端を開口する応力を受ける間に、引き裂かれることを防止する。凹み(32)に隣接する傾斜したトラフ(40)は、前部(26)をV字状の圧痕(38)に接続することができる。
【0019】
リフト部(14)は、エンドユーザが缶端を開けるために動かすタブ(10)の一部である。リフト部(14)は、ほぼU字状であり、リフト部(14)の外周に沿って、巻き返された又は折り返された第2エッジ(42)を含んでいる。巻き返された第2エッジ(42)は、リフト部(14)の下で巻き返され又は折り返されて、折り返された形のカール又はエッジ(44)を形成する。あるいは、エッジ(44)は、円筒形のカールを有していてもよい。リフト部(14)は、ユーザが動かすために、リフト部(14)の外面(47)を貫通して配置された指孔(46)を含んでいる。外面(47)は、所定の高さを有する。指孔(46)として、円形のものを図示しているが、当該分野の専門家であれば、指孔(46)は、楕円、長円又は他の幾何学的形状にできることは理解されるであろう。テーパー部(48)は、指孔(46)及び外面(47)の前にあり、リフト部(14)の外面(47)に対して、高さのより低い又は平面であるパネル加工又はビード加工された領域(50)まで下方に延びている。パネル加工領域(50)は、リフト部(14)に隣接し且つ一体の圧縮された領域であり、スロット(16)に隣接し且つ外面(47)の前にあるタブ(10)のほぼ中央に位置する。他の実施例として、指孔(46)及び外面(47)の前に、急な壁部を形成し、該壁部をパネル加工領域(50)まで下方に延ばすようにしてもよい。
【0020】
パネル加工領域(50)は、さらに、先端部(12)に向けて、ほぼ軸(20)の方向に延びる延長部(52)を含んでいる。延長部(52)は、巻き返された第1エッジ(22)によって、先端部(12)に一体に接続されており、それによって、タブ(10)の中央を通じて、先端部(12)とリフト部(14)を一体に取り付けている。パネル加工又はビード加工された領域(50)は、タブ(10)の中央に強度と剛性を付与するから、リフト部(14)が支点(18)周りで上方へ移動又は下方へ移動した後に、リフト部(14)が、タブ(10)から切り離されることはない。
【0021】
第1及び第2スロット(16)は、先端部(12)とリフト部(14)との間の、タブ(10)のほぼ中央に設けられており、2つのスロット(16)は結合して第1支点(18)を形成し、第1支点(18)に沿って、リフト部(14)を先端部(12)に関して上方及び下方に回転させることができる。スロット(16)は、タブ(10)の両側にあり、タブ(10)の外周から、軸(20)に対してほぼ直交する方向で、パネル加工又はビード加工された領域(50)に向かって延びている。
【0022】
他の実施例として、スロット(16)は、パネル加工領域(50)まで延びないようにすることもできる。その代わりに、小さいコネクタ(図示せず)を、パネル加工領域(50)と、スロット(16)の内縁との間に設けることができる。コネクタは、先端部(12)及びリフト部(14)に一体に接続されており、エンドユーザが缶端を開口するためにリフト部(14)を動かす際に、支点(18)周りにリフト部(14)が上向きに動く応力を受け、また、リフト部(14)がエンドユーザによって下方に押される際に、リフト部(14)が支点(18)周りに下方に動く応力を受けている間、タブ(10)に強度を付与する。
【0023】
他の実施例として、パネル加工又はビード加工された領域(50)は、指孔(46)に隣接するテーパー部(48)に連結された第1エッジ(56)を有することができる。第1エッジ(56)は、軸(20)に対してほぼ直交する方向に延びている。第1エッジ(56)の両端(58)のそれぞれは、第1エッジ(56)の両端(58)に付随する第2エッジ(60)又は第3エッジ(62)を有し、第2エッジ(60)と第3エッジ(62)は、互いに対向関係にあって、ほぼ軸(20)の方向に向いている。第2エッジ(60)と第3エッジ(62)は、C字状のスロット(34)との合流点で終端している。第2エッジ(60)と第3エッジ(62)の終端点は、タブ(10)の第4エッジ(64)を通じて互いに一体に接続されて、パネル加工又はビード加工された領域(50)を形成する。第4エッジ(64)は、(i)円弧内で交差が全く無い、滑らかに流れるような円弧であって、円弧は一般的なU字状とすることができ、(ii)第4エッジ(64)は滑らかな円弧のようには見えないように、巻き返された部分に連結された直線部、又は(iii)その他の構成を含むことができる。
【0024】
他の実施例として、エッジ(22)(42)は、先端部(12)とリフト部(14)の両外周の下で巻き返され、スロット(16)の下で接続される部分を有し、それにより、先端部(12)とリフト部(14)をさらに一体に接続することもできる。この実施例では、スロット(16)は、タブ(10)の外周を深さ方向に貫通しないから、スロット(16)の下の巻き返されたエッジは切断されない。先端部(12)とリフト部(14)の巻き返されたエッジと、スロット(16)の下の巻き返されたエッジはともに、タブ(10)の強度を高める連続カール部(65)を形成する。図3を参照のこと。連続カール部(65)は、リフト部(14)を支点(18)周りに上方に引き上げ、リフト部(14)が下方に戻される際に、タブ(10)に強度を改善し、それによって、使用中に先端部(12)とリフト部(14)を共に保持する。
【0025】
次に、図5を参照すると、本発明のタブ(10)は、ビール/飲料用途に用いられる標準的な缶端(66)に取り付けられている。缶端(66)は、ほぼ円形の端パネル(68)を有しており、端パネル(68)は、缶端(66)を適したビール/飲料缶(図示せず)などに取り付ける円周方向に延びる凸状カール(70)を含んでいる。一般的に、缶端(66)は、例えばアルミニウムのような比較的延性のある金属から作製されるが、要望に応じて、他の許容可能な材料、例えば鋼鉄から作製することもできる。
【0026】
保持される裂パネル(72)は、凸状カール(70)の内側に間隔を存した位置から缶端(66)のほぼ中央まで、缶端(66)を横断するように延びている。裂パネル(72)は、ほぼU字形のスコア線(74)によって形成され、U字状のスコア線(74)の開口端(76)は、缶端(66)の中央に向けて配置されている。スコア線(74)は、裂パネル(72)が裂かれて開けられた時に、裂パネル(72)が缶端(66)の裏面又は製品側に留まるようにしている。一体型リベット(78)は、U字形のスコア線(74)の開口端(76)に隣接し、スコア線(74)の裂パネル(72)と対向する側に、リベット(78)で缶端(66)に固定された本発明のタブ(10)のリフト部(14)がある。
【0027】
次に、図6を参照すると、上方に延びる軸(80)が、スロット(16)から延びており、軸(80)は、タブ(10)の長さ方向に沿って延びる軸(20)と角度θを形成している。実施例では、θの値は約90°である。理解され得るように、本発明の他の実施例では、θの値は約80°〜約100°とすることができる。リフト部(14)が支点(18)周りに上方に持ち上げられる際、リフト部(14)は、支点(18)に沿って上方に曲がり、エンドユーザが、缶端を開けるために、適切なテコ作用を得て、より容易にリフト部(14)を引き上げることができる。リフト部(14)は、先端部(12)が静止したまま又は依然として軸(20)に沿って位置している間、約45°未満又は約30°未満の所定の角度で、支点(18)周りに上方へ曲がる。リフト部(14)が曲がる角度は、リフト部(14)と軸(20)を長さ方向に通って延びる線間に形成される角度によって規定される。リフト部(14)が上方に引き上げられる量は、タブ(10)で使用されるスロット(16)の特定の構造に依存する。リフト部(14)を最初に上方へ引き上げ又は移動する間、先端部(12)は、約0°の角度にとどまっており、その角度は、先端部(12)及び軸(20)を長さ方向に通って延びる線間に形成される角度によって規定される。リフト部(14)を支点(18)周りで十分に上方に引き上げたとき、スロット(16)は、約45°未満又は約30°未満の所定の角度にて十分閉じた状態にあり、その角度は、リフト部(14)及び軸(20)を長さ方向に通って延びる線間に形成される角度によって規定される。この時点で、リフト部(14)には、閉じたスロット(16)を通じて先端部(12)に伝えるべき張力が生じなければ、これ以上、上方へ動くことはできない。リフト部(14)が、この時点からさらに上方に引き上げられると、タブ(10)が固定されているリベット(78)は、裂パネル(72)に向けて前方に曲げられる。裂パネル(72)に向かうリベット(78)の動きにより、リベット(78)に隣接したスコア線(74)が最初に引き裂かれる。タブ(10)が動かされると、レバーのように機能して、先端部(12)を裂パネル(72)に向けて回転させる。
【0028】
この時点で、リフト部(14)をさらに上方へ動かすと、先端部(12)が下方へ動かされ、先端部(12)はリベット(78)周りに回転する。先端部(12)は、その後、スコア線(74)に沿って引き裂きを行ない、パネル(72)を下方へ曲げる。リフト部(14)がさらに持ち上げられると、スコア線(74)は引き裂かれ、裂パネル(72)の一部は、缶端(66)に依然として固定されたままである。したがって、裂パネル(72)は、缶端(66)の裏面又は製品側に留まる。リフト部(14)が、裂パネル(72)が十分に開くように引き上げられているときに、リフト部(14)は、支点(18)周りに下向きに曲げられ、缶端(66)の蓋パネル(68)の外面にほぼ平らになるようにリセットされる。パネル加工又はビード加工された領域(50)と、タブ(10)の外周の一部の周囲の連続カール(65)は、リフト部(14)が支点(18)周りに上方へ移動する間、又はリフト部(14)が支点(18)周りにで下方へ移動する間に、リフト部(14)が先端部(12)から確実に折れて取れないようにする。スロットを支点周りに上方及び下方へ引き上げることができるように使用するだけの従来のタブが、タブからリフト部が折り取れてしまうという制限を被るのは、支点や、タブの外周の一部の連続カールに隣接する、パネル加工又はビード加工された領域で、支点が補強されていなかったためである。
【0029】
図5及びそれに関連する明細書の開示は、液体を飲む又は液体を缶から直接別の容器に注ぐことを目的としたビール/飲料用の缶端に関したものであるが、本発明のタブ(10)は例えば食料缶端のように、端パネル全体が取り除かれるような他の種類の缶にも適用することができる。当該分野の専門家であれば、本発明の開示が、食品用途と同様に、ビール/飲料用途に使用される缶端に一様に当てはまることを、容易に理解されるであろう。つまり、本発明のタブ(10)は、ビール/飲料缶端、食品缶端及び他の缶端に取り付けられるタブを含んでいる。他の缶端に取り付けられた本発明のタブ(10)の詳細は、本発明の明細書及び図面を簡素化するために省略されている。
【0030】
本発明のタブ(10)の製造用ツーリング及びそれに関連した方法として、複数のタブ(10)に加工されるべき材料は、コンバージョンプレスへ移される。コンバージョンプレスの一般的な作業では、材料は、間隔を存して配置され、開放状態にある少なくとも1の上側ツール部材と少なくとも1の下側ツール部材との間に導入される。ラムは、上側ツール部材を前進させて、種々のツーリング作業、例えばリベット形成、孔開け、スコアリング(scoring)、パネル加工(paneling)、打出し(embossing)及び/又は最終ステーキング(final staking)を行なう。特定のステーションで作業を行なった後、プレスラム(press ram)は、上側ツール部材と下側ツール部材が再度開放し、間隔を存する離間位置に至るまで後退する。部分的に加工された材料は、タブ(10)が完全に形成されてコンバージョンプレスから排出されると、次のツーリングステーションへ移送される。材料が所定のツーリング作業から離れると、さらなる材料(例えば連続シートの一部)が、空き作業に投入され、これにより、製造プロセスが連続的に繰り返される。
【0031】
本発明のタブ(10)を形成する方法を図7〜図11に示している。図7〜図9に示すように、本発明のタブ(10)が、形成される材料の長さ方向に沿って通る軸に対してほぼ直交する方向に、1以上のツールを用いて、第1及び第2スロットを有する材料を切開、穿孔又は切断することによって形成されるまで、材料が複数のステーションを通り抜けるから、切開されたスロットは、タブ(10)のスロット(16)のように見え、1つ以上のツールを用いて、スロット(16)に隣接する位置に材料にパネル加工又はビード加工を施して、タブ(10)のパネル加工又はビード加工された領域(50)を形成する。
【0032】
各ステーションは、1以上のツールを含んでおり、各ツールは、材料にツーリング作業を施す。図面に含まれるステーションの数は限定されているが、本発明のタブ(10)を製造する方法は、当該分野で知られており、ここでは記載されていない多くの他のステーションを含むことができることに留意されたい。さらに、各ステーションは、個別の機械ハウジング、単一の機械ハウジング又はそれらの任意の組み合わせを内包することができる。
【0033】
材料は、当該分野で周知の任意の方法でコンバージョンプレスへ移されることができる。一般的に、材料は、シートとしてコンバージョンプレスに供給され、又は、最初に延ばされ、次にシート状でコンバージョンプレスに供給されて、次に、タブ(10)を形成するのに十分なツーリング作業が材料に施され、固体シートとしてステーションへ移される。さらに、タブ(10)を製造する材料は、比較的延性の高い金属、例えばアルミニウムとすることができるが、必要に応じて他の許容可能な材料、例えば鋼鉄から製造することもできる。
【0034】
図7は、第1穿孔ステーション(82)の部分断面図を示している。第1穿孔ステーション(82)は、下から上に、下側ダイシュー(84)、下側ダイプレート(86)、ダイ保持具(88)、パンチ保持具(90)、上側パンチプレート(92)及び上側ダイシュー(94)を有している。下側ダイシュー(84)、下側ダイプレート(86)及びダイ保持具(88)は、静止しており、望ましくは、コンバージョンプレスの基部に固定される。パンチ保持具(90)、上側パンチプレート(92)及び上側ダイシュー(94)(まとめて「上側ツール」と称する)は、平面上で、概ね軸方向の上方及び下方に移動可能である。上側ツールは、当該分野で周知の任意の装置を用いて動かすことができる。一般的に、これは、上側ダイシュー(94)に取り付けられたプレスラムを用いて行なうことができ、ラムは、コンバージョンプレスを取り囲む大きいハウジング内に固定されている。したがって、ラムが上下に動くと、対応して、上側ツールが軸方向に上下に動く。ラムの動作は、コンピュータプログラマブル論理制御装置又は当該分野で周知の他の手段で制御することができる。
【0035】
図7に、保持具(88)(90)内の4組の相補型のツーリング部材を示しており、それらは、シート材料が、経路Aに沿って第1穿孔ステーション(82)の開口(96)を通じて移送されると、シート材料を切開、穿孔又は切断する。4組のツーリング部材はそれぞれ、軸方向の上方及び下方に移動可能な上側パンチ(98)と、これに対応するダイ(100)を含んでおり、ダイ(100)には、上側パンチ(98)の下側面に、尖ったエッジ(102)と僅かなクリアランス又はクリアランスの関係をもって嵌まるサイズの孔を有する。ダイ(100)には、また、孔の外周に隣接したダイ(100)の上側面の周囲に尖ったエッジを有している。上側パンチ(98)は、コンバージョンプレスのラムに結合された上側ツールの動作によって、軸方向に上下に動かされる。上側パンチ(98)の尖ったエッジ(102)は、ダイ(100)内へ延びることで、ダイ(100)の上側面の尖ったエッジと協働して、材料を切開、穿孔又は切断する。
【0036】
材料は、上側パンチ(98)が上側ツールにより軸方向下方へ動かされることで、上側パンチ(98)により切開、穿孔又は切断される。穿孔ステーション(82)内の4つの穿孔ステーションは、三角パンチ(104)及び相補する三角ダイ(106)と、リベット孔パンチ(108)及び相補するリベット孔ダイ(110)と、トングパンチ(tongue punch)(112)及び相補するトングダイ(114)と、指孔パンチ(116)及び相補する指孔ダイ(118)である。
【0037】
図10に示すように、図7の三角パンチ(104)及び相補する三角ダイ(106)は、材料の前側領域に三角形の孔(120)を切開、穿孔又は切断する。三角パンチ(104)は、三角パンチ(104)の下側面が三角形の輪郭を有しており、三角ダイ(106)の孔は、三角ダイ(106)の上側面に隣接した相補する三角形の孔を有している。リベット孔パンチ(108)及び相補するリベット孔ダイ(110)は、リベット(78)を受け入れるために、材料にリベット孔(30)を切開、穿孔又は切断する。リベット孔パンチ(108)は、リベット孔パンチ(108)の下側面が円形又は丸い形の輪郭を有し、リベット孔ダイ(110)の孔は、リベット孔ダイ(110)の上側面に隣接した相補する円形又は丸い形の孔を有している。トングパンチ(112)及び相補するトングダイ(114)は、材料にC字状のスロット(34)を切開、穿孔又は切断する。トングパンチ(112)は、トングパンチ(112)の下側面がC字状の輪郭を有し、トングダイ(114)は、トングダイ(114)のトングダイ(114)の上側面に隣接した相補するC字状の孔を有している。指孔パンチ(116)及び相補する指孔ダイ(118)は、材料に指孔(46)を穿孔、切開又は切断する。指孔パンチ(116)は、指孔パンチ(116)の下側面が円形、楕円形又は長円形の輪郭を有し、指孔ダイ(118)の孔は、指孔ダイ(118)の上側面に隣接した相補する円形、楕円形又は長円形の孔を有している。
【0038】
材料から穿孔、切開、切断又はパンチで型抜きされる金属片は、穿孔ステーション(82)から取り除いて、穿孔ステーション(82)内に金属が過剰に蓄積しないようにすることが望ましい。ガスはボア(122)を通じて運ばれる。ガスは、上側パンチ(98)の開口を通って移動し、下側ダイプレート(86)及び下側ダイシュー(84)にて、ダイ(100)の下の開口(124)を通って、あらゆる金属を下方に吹き飛ばす。金属は、部材(126)に落ちて、下側ダイシュー(84)の底部まで滑り、金属は、ガスとともに下側ダイシュー(84)から排出される。
【0039】
図8に断面で示すように、材料は、第1穿孔ステーション(82)から、第2穿孔ステーション(128)に運ばれる。前述の如く、追加の穿孔及び/又はツーリングステーションを、第1穿孔ステーション(82)と第2穿孔ステーション(128)の間又は前後に含むようにしてもよい。第2穿孔ステーション(128)は、下から上に、下側ダイシュー(図示せず)、下側ダイプレート(130)、ダイ保持具(132)、パンチ保持具(134)、上側パンチプレート(136)及び上側ダイシュー(図示せず)を有している。少なくとも1つのスロットパンチ(138)は、パンチ保持具(134)内に配置され、少なくとも1つのスロットダイ(140)は、パンチ保持具(134)内でスロットパンチ(138)の下に配置されている。スロットパンチ(138)は、軸方向上方及び下方に移動可能であって、それに対応するスロットダイ(140)には、スロットパンチ(138)の下側面に、尖ったエッジ(142)に僅かなクリアランス又はクリアランスの関係をもって嵌まるサイズの孔を有する。ダイ(140)には、また、孔の外周に隣接したダイ(140)の上側面の周囲に尖ったエッジを有する。スロットパンチ(138)は、コンバージョンプレスのラムに結合されており、ラムの移動によって、軸方向に上下に動かされる。スロットパンチ(138)の尖ったエッジ(142)は、スロットダイ(140)内へ延びることにより、スロットダイ(140)の上側面の尖ったエッジと協働して、材料を切開、穿孔又は切断し、形成される材料を長さ方向に貫通する軸に対してほぼ直交する方向に、材料のほぼ中央部分に、スロット(144)を形成する。第2穿孔ステーション(128)は、図10に示されるスロット(144)を形成するために、2つのスロットパンチ(138)と、2つのスロットダイ(140)を有していることが望ましい。一旦スロット(144)が形成されると、材料の外周はカールされて、図11に示されている部分的に加工されたタブが得られる。
【0040】
材料は、さらに、タブリフォームステーション(146)に運ばれ、そこでは、図9に示されるように、材料に、パネル加工又はビード加工された領域(50)が形成される。このステーション(146)は、雄ツーリング部品及び雌ツーリング部品と協働する上側ツーリングと下側ツーリングを含んでおり、上側ツーリングは、軸方向下方に移動でき、上側ツーリングと下側ツーリングの間で材料を圧縮し、それによって、パネル加工又はビード加工される領域(50)である、スロット(16)に隣接した圧縮領域を形成する。上側ツーリングは、パンチタブ(148)と上側インサート(150)を含み、下側ツーリングは、ダイリフォーム(152)と下側インサート(154)を含んでいる。一般的に、上側インサート(150)は、突出部を有する下側面を含み、第1エッジは、形成される材料を長さ方向に貫通する軸に対してほぼ直交する方向に延びている。第1エッジの両端はそれぞれ、第1エッジの両端に付随する第2エッジと第3エッジを有しており、第2エッジと第3エッジは、互いに対向関係に配置されて、ほぼ軸方向にある。第2エッジと第3エッジの終端点は、第4エッジを通じて互いに一体に接続されて、突出部の輪郭を形成する。第4エッジは、(i)円弧内で交差が全く無い、滑らかに流れるような円弧であって、円弧は一般的なU字状とすることができ、(ii)第4エッジ(64)は滑らかな円弧のようには見えないように、巻き返された部分に連結された直線部、又は(iii)その他の構成を含むことができる。ダイリフォーム(152)は、上側ツーリングの突出部に嵌まる形状の凹所を有する上側面を含む構成とすることができる。凹所は、形成される材料を長さ方向に貫通する軸に対してほぼ直交する方向に延びる第1エッジを含んでいる。第1エッジの両端はそれぞれ、第1エッジの両端に取り付けられた第2エッジと第3エッジを有しており、第2エッジと第3エッジは、互いに対向関係に配置されて、ほぼ軸方向にある。第2エッジと第3エッジの終端点は、第4エッジを通じて互いに一体に接続されて、凹所の輪郭を形成する。第4エッジは、(i)円弧内で交差が全く無い、滑らかに流れるような円弧であって、円弧は一般的なU字状とすることができ、(ii)第4エッジ(64)は滑らかな円弧のようには見えないように、巻き返された部分に連結された直線部、又は(iii)その他の構成を含むことができる。上側ツーリングの突出部は、軸方向の下方に移動可能であって、下側ツーリングの相補的な形状の凹所に形成される材料をプレスし、スロット(16)に隣接したパネル加工又はビード加工された領域(50)を形成する。上側ツーリング上の突出部、下側ツーリング上の凹所、パネル加工又はビード加工された領域(50)は、何れも互いに嵌り合う形状を有している。
【0041】
タブ(10)を製造するためのツーリング及びそれと関連する方法には、追加のツーリングステーション及びステップを含むことができる。それらの追加のツーリングステーション及びステップは、本発明の明細書及び図面を簡素化する目的で、図面及び明細書から省略している。
【0042】
本発明の具体的な実施例を詳細に説明したが、当該分野の専門家であれば、開示の全体的な内容を考慮に入れて、それらの詳細について種々の変更や改変を行なうことができると理解されるべきである。つまり、開示された特定の構成は、一例に過ぎず、添付された請求項の全ての範囲及びそのあらゆる均等物に生ずる発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のタブの等角図である。
【図2】本発明のタブの平面図である。
【図3】本発明のタブの底面図である。
【図4】本発明のタブの横断面図である。
【図5】ビール/飲料缶端に取り付けられた本発明のタブの平面図である。
【図6】本発明のタブの側面図である。
【図7】穿孔ステーションの断面図である。
【図8】別の穿孔ステーションの断面図である。
【図9】パネル加工及びリフォームステーションの断面図である。
【図10】材料に種々の穿孔及び切開を施した後の材料の平面図である。
【図11】外周を巻き返した後の本発明のタブを示す材料の平面図である。
【技術分野】
【0001】
<発明の分野>
本発明は、一般的にビール/飲料缶端及び食品缶端を開けるために用いられる可撓性タブ、可撓性タブの製造用ツーリング(tooling)及び可撓性タブを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
<発明の背景>
タブは、一般的に、缶端に固定されており、タブのリフト部を持ち上げて、タブを缶端に固定されたリベット周りで回転させ、タブを上方に引っ張ることで缶端を開けることができる。タブのリフト部を上方に持ち上げることによって、缶端に配置されたスコア線(score line)が破壊され、それにより、エンドユーザは缶端から内容物にアクセスすることができる。
【0003】
多くの場合、従来のタブは剛性部材であり、タブの剛性により、タブ付きの缶端を容易に開けることができない。使用前、タブは、缶端の蓋パネルの面に対して、概ね向きがフラットで、平行となっている。タブを持ち上げるには、エンドユーザは、タブと缶端の継ぎ目との間に指を差し入れ、タブの底面を上方に持ち上げることを必要とする。そのようなやり方は、エンドユーザが、適当なテコの作用を確保し、缶端を開けることを困難にする可能性がある。そのような困難性は、エンドユーザの指爪が長かったり、指が弱く、タブと缶端の継ぎ目との間に届き難い場合に、より顕著になる可能性がある。
【0004】
タブ内部に可撓性部分を設けることによって、この問題を解決しようと試みた特許もある。そのやり方として、エンドユーザは、最初にリベットの周りでタブを回転させ、缶端からの抵抗を受けることなく、最初に可撓性部分の周りでタブのリフト部を上方に向けて回転できるようにしている。この方法でタブが一旦曲げられると、エンドユーザは、缶端にタブを固定するリベットに沿ってタブを回転させるために、タブ上に十分なテコの作用を確保でき、端パネル又は継ぎ目の緊密な境界に妨げられることなく、缶端上のスコア線を切断することができる。
【0005】
Lundgrenへ付与された米国特許第6026971号は、可撓性部分を有するプルタブを開示しており、可撓性部分は、プルタブを横に切断し、それを先端部とリフト部に分割する。可撓性部分の周りでプルタブが上方に曲がるようにしたことで、ユーザは、先端部を静止させたまま、最初にリフト部を上方に曲げることができ、缶端を開ける際に、テコ作用を確保することができる。しかしながら、可撓性部分は、プルタブの一方の側から他方の側まで完全に延びており、完全な分割線が形成されている。完全な分割線を有するプルタブは、リフト部を最初に上方へ引き上げたとき、又は、使用後にリフト部を下方に押し下げている間に、折れて取れ易い。
【0006】
Dickieらへ付与された米国特許第6575325号は、可撓性の屈曲線(crease line)によって分離された先端部とリフト部とを有するプルタブオープナーを開示しており、リフト部は、先端部に関して関節により繋げられている。先端部とリフト部は、プルタブから直立しており、少なくとも一対の角度のあるヒンジの如き突出部によって連結されている。突出部は、缶端を開けるために、プルタブを上方に引き上げたときに、プルタブが屈曲線に沿って折れて取れないようにするが、プルタブを下方へ押し下げたときに、屈曲線の周りでプルタブがフレキシブルに下方へ十分動けるように、屈曲線が補強されていないため、リフト部が折れて取れてしまうリスクがある。また、突出部は、製造が困難であり、プルタブの形成に用いられる材料量と、必要な機器との両方において、プルタブの製造コストを実質的に増加させる。さらに、突出部は、缶を保管するために別の缶の上に垂直に積み重ねる際に、缶の底面のドーム部と干渉する可能性がある。突出部が高くなりすぎると、そのような閉じ方をしている缶を積み重ねることが困難となるから、この缶端による保管の問題が生じる。
【0007】
Adamsへ付与された米国特許第3499573号は、容器の蓋パネル全体を取り外す開口システムを開示している。開口システムは、プルタブの両端にノッチ部を有するプルタブを含んでおり、ノッチにより、プルタブを上方に曲げることができ、ユーザが缶を開けたり、蓋パネルを取り除くのに十分なテコ作用を得ることができるようにしている。プルタブには2つのリベットが必要となるが、リベットは缶端の製品側にある口髭形状のスコア線によって囲まれており、プルタブの引き上げにより、一方のリベットとプルタブとの間の連結が切断される。さらに、プルタブの中央領域は、リベットの周りに広がっている。タブともう一方のリベットの硬性により、タブを開ける際に不要な抵抗を生じる。さらに、タブの形成に余分な材料が用いられ、製品を製造するコストを増大させる。
【0008】
ユーザが、缶端にあるスコア線を切断するテコ作用を確保するために、最小の抵抗でタブを支点周りで上方に曲げ、その後、リフト部を折り取らずに、端パネル上で概ねフラットな位置までタブを下方に押し下げることのできるタブが、当該分野では依然として要請されている。
【発明の開示】
【0009】
<発明の要旨>
本発明の目的は、支点を有するタブであって、支点により、タブのリフト部を上方に引き上げたときに、リフト部を支点周りに上方に曲げることができるようにして、リフト部がタブから折り取られることなくスコア線が切断された後、リフト部を支点周りに下方に曲げることのできるタブを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、缶端に取り付けられる可撓性タブを提供することにより達成される。タブは、タブの前端に位置する先端部と、タブの後端に位置するリフト部を有している。タブの後端は、所定高さの外面を有し、先端部及びリフト部は、巻き返され又は折り返されたエッジを有しており、タブは、所定の長さを有する。軸はタブの長さ方向に沿って通り、複数のスロットは、タブの両側の先端部とリフト部との間のタブのほぼ中央部に形成されている。スロットは、軸に対してほぼ直交するよう延びる第1支点を形成するように組み合わされており、第1支点により、リフト部を先端部に関して上方及び下方に回転できるようにしている。リベット受入部は、リベット孔を有しており、先端部の後方に位置している。リベット受入部は、先端部に一体に取り付けられている。スロットは両端を有し、リベット孔に隣接し、リベット孔の外周とリベット受入部の外周の一部を取り囲んでおり、スロットの端部を有するリベット受入部の外周は、第2支点を形成し、第2支点は軸に対してほぼ直交に延び、タブは、支点周りに上方及び下方に回転できる。パネル又はビード領域(a paneled or beaded area)は、リフト部の外面の前側で、外面よりも高さが低い位置に、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して配置される。パネル又はビード領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前に第1エッジを有しており、第1エッジは、軸に対してほぼ直交に延び、両端を有する。第1エッジの両端は、両端の一方に付随する第2エッジ又は第3エッジを有している。第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向関係に位置し、概ね軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端し、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に連結される。本発明の目的は、上述の缶端に取り付けられる可撓性タブを製造するためのツーリングを提供することによっても達成される。
【0011】
本発明の目的は、さらに、缶端に取り付けられる可撓性タブを製造する方法を提供することによって達成される。本方法は、材料の長さ方向に沿って通る軸に対してほぼ直交する方向にある材料のほぼ中央部で、スロットを切開(lancing)、穿孔又は切削するステップ、材料の周縁で材料を巻き返すステップ、外面には、外面より高さの低いタブの後端部で、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置する、所定高さを有するリフト部を有する外面の前方で材料をパネル加工又はビード加工するステップを有している。パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前側に第1エッジを有しており、第1エッジは、軸に対してほぼ直交する方向に延び、第1エッジには、両端を有している。第1エッジの両端は、両端の一方に付随する第2エッジ又は第3エッジを有している。第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向関係に位置し、ほぼ軸の方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端し、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に連結される。
【0012】
本発明の目的は、本明細書に添付の図面を参照する下記の発明の詳細な説明から、より十分に理解されるであろう。
【0013】
<望ましい実施例の詳細な説明>
以下の説明のために、用語「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「前」、「後」及びそれらの派生語は、図面にも適用されるように、本発明で参照されるべきである。しかしながら、本発明は、明示的に特記した場合を除き、種々の代替の構造を前提とすることができると理解されるべきである。また、図面に示され、以下の明細書で説明される特定の部材は、本発明を単に例示する実施例であると理解されるべきである。それゆえ、本明細書にて開示される実施例に関連する特定の寸法、向き及びその他の物理的形態に限定されるものではない。
【0014】
本明細書で用いる場合、用語「数」は、1又は2以上(すなわち複数)を意味する。本明細書で用いる場合、用語「固定具」は、任意の適した固定、連結又は締付機構を意味しており、一体型リベットを明示的に含むが、これに限定されるものではない。本明細書で用いる場合、2以上の部品が「結合」、「取付」又は「接続」されるという記述は、それら部品が、直接的に接合され、又は、1以上の中間部品を通じて接合されることを意味するものとする。
【0015】
図1〜図4を参照すると、本発明のタブ(10)が示されている。タブ(10)は、タブ(10)の前端の先端部(12)と、タブ(10)の後端のリフト部(14)を含んでおり、各部分は、その2つの部分が、ほぼ楕円形状のタブ(10)を形成するために相互補完するように、その外周に沿ってU字形になっていることが望ましい。第1及び第2スロット(16)は、タブ(10)の両側にある先端部(12)とリフト部(14)との間の、タブ(10)のほぼ中央部に設けられており、2つのスロット(16)は、軸(20)に対して、ほぼ直交方向に延びる第1支点(18)を形成するよう結合し、軸(20)は、所定の長さでタブ(10)の長さ方向に通り抜け、タブ(10)の各半分が、他方の半分のミラーイメージとなるようにタブ(10)を分割している。第1支点(18)は、リフト部(14)が、先端部(12)に関して上方及び下方に回転できるようにしている。第1支点(18)は、エンドユーザが、タブ(10)が缶端に取り付けられているときに、タブ(10)を容易に引き上げることができるようにする利点を有している。そのような引き上げ容易なタブは、(i)幼い子供や、(ii)従来の長手方向に剛いタブを開けるのが困難な、関節炎を患う人々にとって特に有用である。さらに、第1支点(18)により、あらゆるエンドユーザが、より簡単にタブ(10)を引き上げて、缶の内容物にアクセスすることが可能となる。
【0016】
先端部(12)は、先端部(12)の外周に沿って巻き返された又は折り返された第1エッジ(22)を含んでおり、エッジ(22)は、先端部(12)の下で巻き返されて、断面が円筒形状のカール又はエッジ(24)を形成し、先端部(12)を硬くして、先端部(12)に梁強度を付与し、それにより、タブ(10)の強度を増大させている。あるいは、エッジ(24)は折り返されていてもよい。巻き返された第1エッジ(22)は、先端部(12)のU字形の外周の周りに延びている。先端部(22)の前部(26)は、より著しく巻き込むことで、缶端の裂パネル(tear panel)又は缶端の取外し可能な中央パネルと接触する先端部(12)の領域が大幅に増大する。
【0017】
リベット受入部(28)は、圧縮され、ほぼ半円形、正方形又は矩形のパネルであって、中央のリベット孔(30)を有する先端部(12)の後方に位置する。リベット孔(30)は、一体型リベットを受け入れることができる形状であり、缶端の周囲で先端部(12)を回転させることができるように、タブ(10)は缶端に取り付けられる。リベット受入部(28)は、1つ又は多数の凹み(32)に沿って、先端部(12)に一体に取り付けられている。凹み(32)は、先端部(12)が動かされる際に、リベットの周囲の可撓性を高める。C字状のスロット(34)は、リベット孔(30)の外周の一部と、リベット受入部の外周の一部を取り囲む。C字状のスロット(34)は、C字状のスロット(34)の両端でタブ(10)の可撓性をさらに高める空隙となり、軸(20)に対してほぼ直交方向に延びる第2支点(36)を形成する。支点(36)は、タブ(10)が支点(36)周りで上方及び下方に回転することを許容する。
【0018】
V字状の圧痕(coin)(38)は、凹み(32)に隣接するリベット孔(30)と前部(26)との間に設けられており、リベット受入部(28)とほぼ同じ厚さである。V字状の圧痕(38)は、巻き返された第1エッジ(22)を硬くし、タブ(10)が缶端を開口する応力を受ける間に、引き裂かれることを防止する。凹み(32)に隣接する傾斜したトラフ(40)は、前部(26)をV字状の圧痕(38)に接続することができる。
【0019】
リフト部(14)は、エンドユーザが缶端を開けるために動かすタブ(10)の一部である。リフト部(14)は、ほぼU字状であり、リフト部(14)の外周に沿って、巻き返された又は折り返された第2エッジ(42)を含んでいる。巻き返された第2エッジ(42)は、リフト部(14)の下で巻き返され又は折り返されて、折り返された形のカール又はエッジ(44)を形成する。あるいは、エッジ(44)は、円筒形のカールを有していてもよい。リフト部(14)は、ユーザが動かすために、リフト部(14)の外面(47)を貫通して配置された指孔(46)を含んでいる。外面(47)は、所定の高さを有する。指孔(46)として、円形のものを図示しているが、当該分野の専門家であれば、指孔(46)は、楕円、長円又は他の幾何学的形状にできることは理解されるであろう。テーパー部(48)は、指孔(46)及び外面(47)の前にあり、リフト部(14)の外面(47)に対して、高さのより低い又は平面であるパネル加工又はビード加工された領域(50)まで下方に延びている。パネル加工領域(50)は、リフト部(14)に隣接し且つ一体の圧縮された領域であり、スロット(16)に隣接し且つ外面(47)の前にあるタブ(10)のほぼ中央に位置する。他の実施例として、指孔(46)及び外面(47)の前に、急な壁部を形成し、該壁部をパネル加工領域(50)まで下方に延ばすようにしてもよい。
【0020】
パネル加工領域(50)は、さらに、先端部(12)に向けて、ほぼ軸(20)の方向に延びる延長部(52)を含んでいる。延長部(52)は、巻き返された第1エッジ(22)によって、先端部(12)に一体に接続されており、それによって、タブ(10)の中央を通じて、先端部(12)とリフト部(14)を一体に取り付けている。パネル加工又はビード加工された領域(50)は、タブ(10)の中央に強度と剛性を付与するから、リフト部(14)が支点(18)周りで上方へ移動又は下方へ移動した後に、リフト部(14)が、タブ(10)から切り離されることはない。
【0021】
第1及び第2スロット(16)は、先端部(12)とリフト部(14)との間の、タブ(10)のほぼ中央に設けられており、2つのスロット(16)は結合して第1支点(18)を形成し、第1支点(18)に沿って、リフト部(14)を先端部(12)に関して上方及び下方に回転させることができる。スロット(16)は、タブ(10)の両側にあり、タブ(10)の外周から、軸(20)に対してほぼ直交する方向で、パネル加工又はビード加工された領域(50)に向かって延びている。
【0022】
他の実施例として、スロット(16)は、パネル加工領域(50)まで延びないようにすることもできる。その代わりに、小さいコネクタ(図示せず)を、パネル加工領域(50)と、スロット(16)の内縁との間に設けることができる。コネクタは、先端部(12)及びリフト部(14)に一体に接続されており、エンドユーザが缶端を開口するためにリフト部(14)を動かす際に、支点(18)周りにリフト部(14)が上向きに動く応力を受け、また、リフト部(14)がエンドユーザによって下方に押される際に、リフト部(14)が支点(18)周りに下方に動く応力を受けている間、タブ(10)に強度を付与する。
【0023】
他の実施例として、パネル加工又はビード加工された領域(50)は、指孔(46)に隣接するテーパー部(48)に連結された第1エッジ(56)を有することができる。第1エッジ(56)は、軸(20)に対してほぼ直交する方向に延びている。第1エッジ(56)の両端(58)のそれぞれは、第1エッジ(56)の両端(58)に付随する第2エッジ(60)又は第3エッジ(62)を有し、第2エッジ(60)と第3エッジ(62)は、互いに対向関係にあって、ほぼ軸(20)の方向に向いている。第2エッジ(60)と第3エッジ(62)は、C字状のスロット(34)との合流点で終端している。第2エッジ(60)と第3エッジ(62)の終端点は、タブ(10)の第4エッジ(64)を通じて互いに一体に接続されて、パネル加工又はビード加工された領域(50)を形成する。第4エッジ(64)は、(i)円弧内で交差が全く無い、滑らかに流れるような円弧であって、円弧は一般的なU字状とすることができ、(ii)第4エッジ(64)は滑らかな円弧のようには見えないように、巻き返された部分に連結された直線部、又は(iii)その他の構成を含むことができる。
【0024】
他の実施例として、エッジ(22)(42)は、先端部(12)とリフト部(14)の両外周の下で巻き返され、スロット(16)の下で接続される部分を有し、それにより、先端部(12)とリフト部(14)をさらに一体に接続することもできる。この実施例では、スロット(16)は、タブ(10)の外周を深さ方向に貫通しないから、スロット(16)の下の巻き返されたエッジは切断されない。先端部(12)とリフト部(14)の巻き返されたエッジと、スロット(16)の下の巻き返されたエッジはともに、タブ(10)の強度を高める連続カール部(65)を形成する。図3を参照のこと。連続カール部(65)は、リフト部(14)を支点(18)周りに上方に引き上げ、リフト部(14)が下方に戻される際に、タブ(10)に強度を改善し、それによって、使用中に先端部(12)とリフト部(14)を共に保持する。
【0025】
次に、図5を参照すると、本発明のタブ(10)は、ビール/飲料用途に用いられる標準的な缶端(66)に取り付けられている。缶端(66)は、ほぼ円形の端パネル(68)を有しており、端パネル(68)は、缶端(66)を適したビール/飲料缶(図示せず)などに取り付ける円周方向に延びる凸状カール(70)を含んでいる。一般的に、缶端(66)は、例えばアルミニウムのような比較的延性のある金属から作製されるが、要望に応じて、他の許容可能な材料、例えば鋼鉄から作製することもできる。
【0026】
保持される裂パネル(72)は、凸状カール(70)の内側に間隔を存した位置から缶端(66)のほぼ中央まで、缶端(66)を横断するように延びている。裂パネル(72)は、ほぼU字形のスコア線(74)によって形成され、U字状のスコア線(74)の開口端(76)は、缶端(66)の中央に向けて配置されている。スコア線(74)は、裂パネル(72)が裂かれて開けられた時に、裂パネル(72)が缶端(66)の裏面又は製品側に留まるようにしている。一体型リベット(78)は、U字形のスコア線(74)の開口端(76)に隣接し、スコア線(74)の裂パネル(72)と対向する側に、リベット(78)で缶端(66)に固定された本発明のタブ(10)のリフト部(14)がある。
【0027】
次に、図6を参照すると、上方に延びる軸(80)が、スロット(16)から延びており、軸(80)は、タブ(10)の長さ方向に沿って延びる軸(20)と角度θを形成している。実施例では、θの値は約90°である。理解され得るように、本発明の他の実施例では、θの値は約80°〜約100°とすることができる。リフト部(14)が支点(18)周りに上方に持ち上げられる際、リフト部(14)は、支点(18)に沿って上方に曲がり、エンドユーザが、缶端を開けるために、適切なテコ作用を得て、より容易にリフト部(14)を引き上げることができる。リフト部(14)は、先端部(12)が静止したまま又は依然として軸(20)に沿って位置している間、約45°未満又は約30°未満の所定の角度で、支点(18)周りに上方へ曲がる。リフト部(14)が曲がる角度は、リフト部(14)と軸(20)を長さ方向に通って延びる線間に形成される角度によって規定される。リフト部(14)が上方に引き上げられる量は、タブ(10)で使用されるスロット(16)の特定の構造に依存する。リフト部(14)を最初に上方へ引き上げ又は移動する間、先端部(12)は、約0°の角度にとどまっており、その角度は、先端部(12)及び軸(20)を長さ方向に通って延びる線間に形成される角度によって規定される。リフト部(14)を支点(18)周りで十分に上方に引き上げたとき、スロット(16)は、約45°未満又は約30°未満の所定の角度にて十分閉じた状態にあり、その角度は、リフト部(14)及び軸(20)を長さ方向に通って延びる線間に形成される角度によって規定される。この時点で、リフト部(14)には、閉じたスロット(16)を通じて先端部(12)に伝えるべき張力が生じなければ、これ以上、上方へ動くことはできない。リフト部(14)が、この時点からさらに上方に引き上げられると、タブ(10)が固定されているリベット(78)は、裂パネル(72)に向けて前方に曲げられる。裂パネル(72)に向かうリベット(78)の動きにより、リベット(78)に隣接したスコア線(74)が最初に引き裂かれる。タブ(10)が動かされると、レバーのように機能して、先端部(12)を裂パネル(72)に向けて回転させる。
【0028】
この時点で、リフト部(14)をさらに上方へ動かすと、先端部(12)が下方へ動かされ、先端部(12)はリベット(78)周りに回転する。先端部(12)は、その後、スコア線(74)に沿って引き裂きを行ない、パネル(72)を下方へ曲げる。リフト部(14)がさらに持ち上げられると、スコア線(74)は引き裂かれ、裂パネル(72)の一部は、缶端(66)に依然として固定されたままである。したがって、裂パネル(72)は、缶端(66)の裏面又は製品側に留まる。リフト部(14)が、裂パネル(72)が十分に開くように引き上げられているときに、リフト部(14)は、支点(18)周りに下向きに曲げられ、缶端(66)の蓋パネル(68)の外面にほぼ平らになるようにリセットされる。パネル加工又はビード加工された領域(50)と、タブ(10)の外周の一部の周囲の連続カール(65)は、リフト部(14)が支点(18)周りに上方へ移動する間、又はリフト部(14)が支点(18)周りにで下方へ移動する間に、リフト部(14)が先端部(12)から確実に折れて取れないようにする。スロットを支点周りに上方及び下方へ引き上げることができるように使用するだけの従来のタブが、タブからリフト部が折り取れてしまうという制限を被るのは、支点や、タブの外周の一部の連続カールに隣接する、パネル加工又はビード加工された領域で、支点が補強されていなかったためである。
【0029】
図5及びそれに関連する明細書の開示は、液体を飲む又は液体を缶から直接別の容器に注ぐことを目的としたビール/飲料用の缶端に関したものであるが、本発明のタブ(10)は例えば食料缶端のように、端パネル全体が取り除かれるような他の種類の缶にも適用することができる。当該分野の専門家であれば、本発明の開示が、食品用途と同様に、ビール/飲料用途に使用される缶端に一様に当てはまることを、容易に理解されるであろう。つまり、本発明のタブ(10)は、ビール/飲料缶端、食品缶端及び他の缶端に取り付けられるタブを含んでいる。他の缶端に取り付けられた本発明のタブ(10)の詳細は、本発明の明細書及び図面を簡素化するために省略されている。
【0030】
本発明のタブ(10)の製造用ツーリング及びそれに関連した方法として、複数のタブ(10)に加工されるべき材料は、コンバージョンプレスへ移される。コンバージョンプレスの一般的な作業では、材料は、間隔を存して配置され、開放状態にある少なくとも1の上側ツール部材と少なくとも1の下側ツール部材との間に導入される。ラムは、上側ツール部材を前進させて、種々のツーリング作業、例えばリベット形成、孔開け、スコアリング(scoring)、パネル加工(paneling)、打出し(embossing)及び/又は最終ステーキング(final staking)を行なう。特定のステーションで作業を行なった後、プレスラム(press ram)は、上側ツール部材と下側ツール部材が再度開放し、間隔を存する離間位置に至るまで後退する。部分的に加工された材料は、タブ(10)が完全に形成されてコンバージョンプレスから排出されると、次のツーリングステーションへ移送される。材料が所定のツーリング作業から離れると、さらなる材料(例えば連続シートの一部)が、空き作業に投入され、これにより、製造プロセスが連続的に繰り返される。
【0031】
本発明のタブ(10)を形成する方法を図7〜図11に示している。図7〜図9に示すように、本発明のタブ(10)が、形成される材料の長さ方向に沿って通る軸に対してほぼ直交する方向に、1以上のツールを用いて、第1及び第2スロットを有する材料を切開、穿孔又は切断することによって形成されるまで、材料が複数のステーションを通り抜けるから、切開されたスロットは、タブ(10)のスロット(16)のように見え、1つ以上のツールを用いて、スロット(16)に隣接する位置に材料にパネル加工又はビード加工を施して、タブ(10)のパネル加工又はビード加工された領域(50)を形成する。
【0032】
各ステーションは、1以上のツールを含んでおり、各ツールは、材料にツーリング作業を施す。図面に含まれるステーションの数は限定されているが、本発明のタブ(10)を製造する方法は、当該分野で知られており、ここでは記載されていない多くの他のステーションを含むことができることに留意されたい。さらに、各ステーションは、個別の機械ハウジング、単一の機械ハウジング又はそれらの任意の組み合わせを内包することができる。
【0033】
材料は、当該分野で周知の任意の方法でコンバージョンプレスへ移されることができる。一般的に、材料は、シートとしてコンバージョンプレスに供給され、又は、最初に延ばされ、次にシート状でコンバージョンプレスに供給されて、次に、タブ(10)を形成するのに十分なツーリング作業が材料に施され、固体シートとしてステーションへ移される。さらに、タブ(10)を製造する材料は、比較的延性の高い金属、例えばアルミニウムとすることができるが、必要に応じて他の許容可能な材料、例えば鋼鉄から製造することもできる。
【0034】
図7は、第1穿孔ステーション(82)の部分断面図を示している。第1穿孔ステーション(82)は、下から上に、下側ダイシュー(84)、下側ダイプレート(86)、ダイ保持具(88)、パンチ保持具(90)、上側パンチプレート(92)及び上側ダイシュー(94)を有している。下側ダイシュー(84)、下側ダイプレート(86)及びダイ保持具(88)は、静止しており、望ましくは、コンバージョンプレスの基部に固定される。パンチ保持具(90)、上側パンチプレート(92)及び上側ダイシュー(94)(まとめて「上側ツール」と称する)は、平面上で、概ね軸方向の上方及び下方に移動可能である。上側ツールは、当該分野で周知の任意の装置を用いて動かすことができる。一般的に、これは、上側ダイシュー(94)に取り付けられたプレスラムを用いて行なうことができ、ラムは、コンバージョンプレスを取り囲む大きいハウジング内に固定されている。したがって、ラムが上下に動くと、対応して、上側ツールが軸方向に上下に動く。ラムの動作は、コンピュータプログラマブル論理制御装置又は当該分野で周知の他の手段で制御することができる。
【0035】
図7に、保持具(88)(90)内の4組の相補型のツーリング部材を示しており、それらは、シート材料が、経路Aに沿って第1穿孔ステーション(82)の開口(96)を通じて移送されると、シート材料を切開、穿孔又は切断する。4組のツーリング部材はそれぞれ、軸方向の上方及び下方に移動可能な上側パンチ(98)と、これに対応するダイ(100)を含んでおり、ダイ(100)には、上側パンチ(98)の下側面に、尖ったエッジ(102)と僅かなクリアランス又はクリアランスの関係をもって嵌まるサイズの孔を有する。ダイ(100)には、また、孔の外周に隣接したダイ(100)の上側面の周囲に尖ったエッジを有している。上側パンチ(98)は、コンバージョンプレスのラムに結合された上側ツールの動作によって、軸方向に上下に動かされる。上側パンチ(98)の尖ったエッジ(102)は、ダイ(100)内へ延びることで、ダイ(100)の上側面の尖ったエッジと協働して、材料を切開、穿孔又は切断する。
【0036】
材料は、上側パンチ(98)が上側ツールにより軸方向下方へ動かされることで、上側パンチ(98)により切開、穿孔又は切断される。穿孔ステーション(82)内の4つの穿孔ステーションは、三角パンチ(104)及び相補する三角ダイ(106)と、リベット孔パンチ(108)及び相補するリベット孔ダイ(110)と、トングパンチ(tongue punch)(112)及び相補するトングダイ(114)と、指孔パンチ(116)及び相補する指孔ダイ(118)である。
【0037】
図10に示すように、図7の三角パンチ(104)及び相補する三角ダイ(106)は、材料の前側領域に三角形の孔(120)を切開、穿孔又は切断する。三角パンチ(104)は、三角パンチ(104)の下側面が三角形の輪郭を有しており、三角ダイ(106)の孔は、三角ダイ(106)の上側面に隣接した相補する三角形の孔を有している。リベット孔パンチ(108)及び相補するリベット孔ダイ(110)は、リベット(78)を受け入れるために、材料にリベット孔(30)を切開、穿孔又は切断する。リベット孔パンチ(108)は、リベット孔パンチ(108)の下側面が円形又は丸い形の輪郭を有し、リベット孔ダイ(110)の孔は、リベット孔ダイ(110)の上側面に隣接した相補する円形又は丸い形の孔を有している。トングパンチ(112)及び相補するトングダイ(114)は、材料にC字状のスロット(34)を切開、穿孔又は切断する。トングパンチ(112)は、トングパンチ(112)の下側面がC字状の輪郭を有し、トングダイ(114)は、トングダイ(114)のトングダイ(114)の上側面に隣接した相補するC字状の孔を有している。指孔パンチ(116)及び相補する指孔ダイ(118)は、材料に指孔(46)を穿孔、切開又は切断する。指孔パンチ(116)は、指孔パンチ(116)の下側面が円形、楕円形又は長円形の輪郭を有し、指孔ダイ(118)の孔は、指孔ダイ(118)の上側面に隣接した相補する円形、楕円形又は長円形の孔を有している。
【0038】
材料から穿孔、切開、切断又はパンチで型抜きされる金属片は、穿孔ステーション(82)から取り除いて、穿孔ステーション(82)内に金属が過剰に蓄積しないようにすることが望ましい。ガスはボア(122)を通じて運ばれる。ガスは、上側パンチ(98)の開口を通って移動し、下側ダイプレート(86)及び下側ダイシュー(84)にて、ダイ(100)の下の開口(124)を通って、あらゆる金属を下方に吹き飛ばす。金属は、部材(126)に落ちて、下側ダイシュー(84)の底部まで滑り、金属は、ガスとともに下側ダイシュー(84)から排出される。
【0039】
図8に断面で示すように、材料は、第1穿孔ステーション(82)から、第2穿孔ステーション(128)に運ばれる。前述の如く、追加の穿孔及び/又はツーリングステーションを、第1穿孔ステーション(82)と第2穿孔ステーション(128)の間又は前後に含むようにしてもよい。第2穿孔ステーション(128)は、下から上に、下側ダイシュー(図示せず)、下側ダイプレート(130)、ダイ保持具(132)、パンチ保持具(134)、上側パンチプレート(136)及び上側ダイシュー(図示せず)を有している。少なくとも1つのスロットパンチ(138)は、パンチ保持具(134)内に配置され、少なくとも1つのスロットダイ(140)は、パンチ保持具(134)内でスロットパンチ(138)の下に配置されている。スロットパンチ(138)は、軸方向上方及び下方に移動可能であって、それに対応するスロットダイ(140)には、スロットパンチ(138)の下側面に、尖ったエッジ(142)に僅かなクリアランス又はクリアランスの関係をもって嵌まるサイズの孔を有する。ダイ(140)には、また、孔の外周に隣接したダイ(140)の上側面の周囲に尖ったエッジを有する。スロットパンチ(138)は、コンバージョンプレスのラムに結合されており、ラムの移動によって、軸方向に上下に動かされる。スロットパンチ(138)の尖ったエッジ(142)は、スロットダイ(140)内へ延びることにより、スロットダイ(140)の上側面の尖ったエッジと協働して、材料を切開、穿孔又は切断し、形成される材料を長さ方向に貫通する軸に対してほぼ直交する方向に、材料のほぼ中央部分に、スロット(144)を形成する。第2穿孔ステーション(128)は、図10に示されるスロット(144)を形成するために、2つのスロットパンチ(138)と、2つのスロットダイ(140)を有していることが望ましい。一旦スロット(144)が形成されると、材料の外周はカールされて、図11に示されている部分的に加工されたタブが得られる。
【0040】
材料は、さらに、タブリフォームステーション(146)に運ばれ、そこでは、図9に示されるように、材料に、パネル加工又はビード加工された領域(50)が形成される。このステーション(146)は、雄ツーリング部品及び雌ツーリング部品と協働する上側ツーリングと下側ツーリングを含んでおり、上側ツーリングは、軸方向下方に移動でき、上側ツーリングと下側ツーリングの間で材料を圧縮し、それによって、パネル加工又はビード加工される領域(50)である、スロット(16)に隣接した圧縮領域を形成する。上側ツーリングは、パンチタブ(148)と上側インサート(150)を含み、下側ツーリングは、ダイリフォーム(152)と下側インサート(154)を含んでいる。一般的に、上側インサート(150)は、突出部を有する下側面を含み、第1エッジは、形成される材料を長さ方向に貫通する軸に対してほぼ直交する方向に延びている。第1エッジの両端はそれぞれ、第1エッジの両端に付随する第2エッジと第3エッジを有しており、第2エッジと第3エッジは、互いに対向関係に配置されて、ほぼ軸方向にある。第2エッジと第3エッジの終端点は、第4エッジを通じて互いに一体に接続されて、突出部の輪郭を形成する。第4エッジは、(i)円弧内で交差が全く無い、滑らかに流れるような円弧であって、円弧は一般的なU字状とすることができ、(ii)第4エッジ(64)は滑らかな円弧のようには見えないように、巻き返された部分に連結された直線部、又は(iii)その他の構成を含むことができる。ダイリフォーム(152)は、上側ツーリングの突出部に嵌まる形状の凹所を有する上側面を含む構成とすることができる。凹所は、形成される材料を長さ方向に貫通する軸に対してほぼ直交する方向に延びる第1エッジを含んでいる。第1エッジの両端はそれぞれ、第1エッジの両端に取り付けられた第2エッジと第3エッジを有しており、第2エッジと第3エッジは、互いに対向関係に配置されて、ほぼ軸方向にある。第2エッジと第3エッジの終端点は、第4エッジを通じて互いに一体に接続されて、凹所の輪郭を形成する。第4エッジは、(i)円弧内で交差が全く無い、滑らかに流れるような円弧であって、円弧は一般的なU字状とすることができ、(ii)第4エッジ(64)は滑らかな円弧のようには見えないように、巻き返された部分に連結された直線部、又は(iii)その他の構成を含むことができる。上側ツーリングの突出部は、軸方向の下方に移動可能であって、下側ツーリングの相補的な形状の凹所に形成される材料をプレスし、スロット(16)に隣接したパネル加工又はビード加工された領域(50)を形成する。上側ツーリング上の突出部、下側ツーリング上の凹所、パネル加工又はビード加工された領域(50)は、何れも互いに嵌り合う形状を有している。
【0041】
タブ(10)を製造するためのツーリング及びそれと関連する方法には、追加のツーリングステーション及びステップを含むことができる。それらの追加のツーリングステーション及びステップは、本発明の明細書及び図面を簡素化する目的で、図面及び明細書から省略している。
【0042】
本発明の具体的な実施例を詳細に説明したが、当該分野の専門家であれば、開示の全体的な内容を考慮に入れて、それらの詳細について種々の変更や改変を行なうことができると理解されるべきである。つまり、開示された特定の構成は、一例に過ぎず、添付された請求項の全ての範囲及びそのあらゆる均等物に生ずる発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のタブの等角図である。
【図2】本発明のタブの平面図である。
【図3】本発明のタブの底面図である。
【図4】本発明のタブの横断面図である。
【図5】ビール/飲料缶端に取り付けられた本発明のタブの平面図である。
【図6】本発明のタブの側面図である。
【図7】穿孔ステーションの断面図である。
【図8】別の穿孔ステーションの断面図である。
【図9】パネル加工及びリフォームステーションの断面図である。
【図10】材料に種々の穿孔及び切開を施した後の材料の平面図である。
【図11】外周を巻き返した後の本発明のタブを示す材料の平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶端に取り付けられる可撓性タブであって、該タブは、
タブの前端部に位置する先端部と、
所定高さの外面を有するタブの後端部に位置するリフト部であって、先端部及びリフト部は、巻き返された又は折り返されたエッジを有し、タブは、所定の長さを有するものであり、
タブの長さ方向に沿って通る軸と、
タブの両側の先端部とリフト部との間で、タブのほぼ中央部に設けられた複数のスロットであって、スロットは結合して、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第1支点を形成し、第1支点は、リフト部が先端部に関して上方及び下方に回転することを許容し、
リベット孔を有し、先端部の後方に位置するリベット受入部であって、リベット受入部は、先端部に一体に取り付けられており、
リベット孔に隣接して位置し、リベット孔の外周とリベット受入部の外周の一部を取り囲み、両端を有するスロットであって、スロットの端部は、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第2支点を形成し、第2支点は、タブが支点周りに上方及び下方に回転することを許容し、
リフト部の外面の前方で、該外面よりも高さが低く、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置するパネル加工又はビード加工された領域と、
パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前方に第1エッジを有し、第1エッジは、第1エッジの軸に対してほぼ直交する方向に延び、両端を有するものであり、
第1エッジの両端は、一端に付随する第2エッジ又は第3エッジを有しており、
第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向する関係に配置され、ほぼ軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端しており、及び、
第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に接続されている、
缶端に取り付けられる可撓性タブ。
【請求項2】
スロットは、C字状のスロットである請求項1に記載のタブ。
【請求項3】
スロットと、パネル加工又はビード加工された領域との間に位置するコネクタをさらに含んでいる請求項1に記載のタブ。
【請求項4】
タブに取り付けられた缶端をさらに含んでいる請求項1に記載のタブ。
【請求項5】
缶端は、ビール缶端、飲料缶端及び食品缶端からなる群より選択される請求項4に記載のタブ。
【請求項6】
先端部及びリフト部は、連続するカール部によって、スロットの下側で接続されている請求項1に記載のタブ。
【請求項7】
スロットから上方に延びる軸をさらに含んでおり、該軸は、タブの長さ方向に沿って通る軸と80°〜100°の角度θをなす請求項1に記載のタブ。
【請求項8】
リフト部は、約45°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項1に記載のタブ。
【請求項9】
リフト部は、約30°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項1に記載のタブ。
【請求項10】
タブのリフト部に位置する指孔をさらに含んでいる請求項1に記載のタブ。
【請求項11】
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造用ツーリングであって、タブは、
タブの前端部に位置する先端部と、
所定高さの外面を有するタブの後端部に位置するリフト部であって、先端部及びリフト部は、巻き返された又は折り返されたエッジを有し、タブは、所定の長さを有するものであり、
タブの長さ方向に沿って通る軸と、
タブの両側の先端部とリフト部との間で、タブのほぼ中央部に設けられた複数のスロットであって、スロットは結合して、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第1支点を形成し、第1支点は、リフト部が先端部に関して上方及び下方に回転することを許容し、
リベット孔を有し、先端部の後方に位置するリベット受入部であって、リベット受入部は、先端部に一体に取り付けられており、
リベット孔に隣接して位置し、リベット孔の外周とリベット受入部の外周の一部を取り囲み、両端を有するスロットであって、スロットの端部は、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第2支点を形成し、第2支点は、タブが支点周りに上方及び下方に回転することを許容し、
リフト部の外面の前方で、該外面よりも高さが低く、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置するパネル加工又はビード加工された領域と、
パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前方に第1エッジを有し、第1エッジは、第1エッジの軸に対してほぼ直交する方向に延び、両端を有するものであり、
第1エッジの両端は、一端に付随する第2エッジ又は第3エッジを有しており、
第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向する関係に配置され、ほぼ軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端しており、及び、
第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に接続されている、
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造用ツーリング。
【請求項12】
スロットから上方に延びる軸をさらに含んでおり、該軸は、タブの長さ方向に沿って通る軸と80°〜100°の角度θをなす請求項11に記載のツーリング。
【請求項13】
リフト部は、約45°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項11に記載のツーリング。
【請求項14】
リフト部は、約30°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項11に記載のツーリング。
【請求項15】
スロットパンチ及びスロットダイをさらに含んでおり、スロットダイは、スロットパンチの下側面に位置する尖ったエッジが嵌まる孔を有しており、スロットダイは、孔の外周に隣接したスロットダイの上側面の周囲に位置する尖ったエッジを有している請求項11に記載のツーリング。
【請求項16】
突出部を有するツーリングをさらに含んでおり、突出部は、パネル加工又はビード加工された領域の形状とを相補する形状を有する請求項11に記載のツーリング。
【請求項17】
凹所を有するツーリングをさらに含んでおり、凹所は、パネル加工又はビード加工された領域の形状を相補する形状を有する請求項11に記載のツーリング。
【請求項18】
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造方法であって、該方法は、
材料の長さ方向に沿って通る軸に対してほぼ直交する方向に、材料のほぼ中央部にスロットを切開、穿孔又は切削するステップ、
材料の外周の周囲で材料を巻き返すステップ、
外面の前方で材料をパネル加工又はビード加工するステップであって、タブの後端部で、外面より高さが低く、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置する、所定高さのリフト部を有しており、パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前方に第1エッジを有しており、第1エッジは、軸に対してほぼ直交する方向に延び、両端を有しており、
第1エッジの両端は、一端に付随する第2エッジ又は第3エッジを有しており、
第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向する関係に配置され、ほぼ軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端しており、及び、
第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に接続されている、
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造方法。
【請求項19】
リベット孔を形成するために、材料を穿孔、切開又は切削するステップをさらに含んでいる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
スロットを形成するために、材料を穿孔、切開又は切削するステップをさらに含んでいる請求項18に記載の方法。
【請求項1】
缶端に取り付けられる可撓性タブであって、該タブは、
タブの前端部に位置する先端部と、
所定高さの外面を有するタブの後端部に位置するリフト部であって、先端部及びリフト部は、巻き返された又は折り返されたエッジを有し、タブは、所定の長さを有するものであり、
タブの長さ方向に沿って通る軸と、
タブの両側の先端部とリフト部との間で、タブのほぼ中央部に設けられた複数のスロットであって、スロットは結合して、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第1支点を形成し、第1支点は、リフト部が先端部に関して上方及び下方に回転することを許容し、
リベット孔を有し、先端部の後方に位置するリベット受入部であって、リベット受入部は、先端部に一体に取り付けられており、
リベット孔に隣接して位置し、リベット孔の外周とリベット受入部の外周の一部を取り囲み、両端を有するスロットであって、スロットの端部は、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第2支点を形成し、第2支点は、タブが支点周りに上方及び下方に回転することを許容し、
リフト部の外面の前方で、該外面よりも高さが低く、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置するパネル加工又はビード加工された領域と、
パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前方に第1エッジを有し、第1エッジは、第1エッジの軸に対してほぼ直交する方向に延び、両端を有するものであり、
第1エッジの両端は、一端に付随する第2エッジ又は第3エッジを有しており、
第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向する関係に配置され、ほぼ軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端しており、及び、
第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に接続されている、
缶端に取り付けられる可撓性タブ。
【請求項2】
スロットは、C字状のスロットである請求項1に記載のタブ。
【請求項3】
スロットと、パネル加工又はビード加工された領域との間に位置するコネクタをさらに含んでいる請求項1に記載のタブ。
【請求項4】
タブに取り付けられた缶端をさらに含んでいる請求項1に記載のタブ。
【請求項5】
缶端は、ビール缶端、飲料缶端及び食品缶端からなる群より選択される請求項4に記載のタブ。
【請求項6】
先端部及びリフト部は、連続するカール部によって、スロットの下側で接続されている請求項1に記載のタブ。
【請求項7】
スロットから上方に延びる軸をさらに含んでおり、該軸は、タブの長さ方向に沿って通る軸と80°〜100°の角度θをなす請求項1に記載のタブ。
【請求項8】
リフト部は、約45°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項1に記載のタブ。
【請求項9】
リフト部は、約30°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項1に記載のタブ。
【請求項10】
タブのリフト部に位置する指孔をさらに含んでいる請求項1に記載のタブ。
【請求項11】
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造用ツーリングであって、タブは、
タブの前端部に位置する先端部と、
所定高さの外面を有するタブの後端部に位置するリフト部であって、先端部及びリフト部は、巻き返された又は折り返されたエッジを有し、タブは、所定の長さを有するものであり、
タブの長さ方向に沿って通る軸と、
タブの両側の先端部とリフト部との間で、タブのほぼ中央部に設けられた複数のスロットであって、スロットは結合して、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第1支点を形成し、第1支点は、リフト部が先端部に関して上方及び下方に回転することを許容し、
リベット孔を有し、先端部の後方に位置するリベット受入部であって、リベット受入部は、先端部に一体に取り付けられており、
リベット孔に隣接して位置し、リベット孔の外周とリベット受入部の外周の一部を取り囲み、両端を有するスロットであって、スロットの端部は、軸に対してほぼ直交する方向に延びる第2支点を形成し、第2支点は、タブが支点周りに上方及び下方に回転することを許容し、
リフト部の外面の前方で、該外面よりも高さが低く、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置するパネル加工又はビード加工された領域と、
パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前方に第1エッジを有し、第1エッジは、第1エッジの軸に対してほぼ直交する方向に延び、両端を有するものであり、
第1エッジの両端は、一端に付随する第2エッジ又は第3エッジを有しており、
第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向する関係に配置され、ほぼ軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端しており、及び、
第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に接続されている、
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造用ツーリング。
【請求項12】
スロットから上方に延びる軸をさらに含んでおり、該軸は、タブの長さ方向に沿って通る軸と80°〜100°の角度θをなす請求項11に記載のツーリング。
【請求項13】
リフト部は、約45°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項11に記載のツーリング。
【請求項14】
リフト部は、約30°未満の角度で第1支点周りに上方に曲がり、その角度は、リフト部を通って延びる線と、タブの長さ方向に沿って通る軸との間に形成される角度によって形成される請求項11に記載のツーリング。
【請求項15】
スロットパンチ及びスロットダイをさらに含んでおり、スロットダイは、スロットパンチの下側面に位置する尖ったエッジが嵌まる孔を有しており、スロットダイは、孔の外周に隣接したスロットダイの上側面の周囲に位置する尖ったエッジを有している請求項11に記載のツーリング。
【請求項16】
突出部を有するツーリングをさらに含んでおり、突出部は、パネル加工又はビード加工された領域の形状とを相補する形状を有する請求項11に記載のツーリング。
【請求項17】
凹所を有するツーリングをさらに含んでおり、凹所は、パネル加工又はビード加工された領域の形状を相補する形状を有する請求項11に記載のツーリング。
【請求項18】
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造方法であって、該方法は、
材料の長さ方向に沿って通る軸に対してほぼ直交する方向に、材料のほぼ中央部にスロットを切開、穿孔又は切削するステップ、
材料の外周の周囲で材料を巻き返すステップ、
外面の前方で材料をパネル加工又はビード加工するステップであって、タブの後端部で、外面より高さが低く、タブのほぼ中央部に位置するスロットに隣接して位置する、所定高さのリフト部を有しており、パネル加工又はビード加工された領域は、リフト部の外面に隣接し、リフト部の外面の前方に第1エッジを有しており、第1エッジは、軸に対してほぼ直交する方向に延び、両端を有しており、
第1エッジの両端は、一端に付随する第2エッジ又は第3エッジを有しており、
第2エッジ及び第3エッジは、互いに対向する関係に配置され、ほぼ軸方向にあり、第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で終端しており、及び、
第2及び第3エッジは、スロットとの合流点で、第4エッジを通じて互いに一体に接続されている、
缶端に取り付けられる可撓性タブの製造方法。
【請求項19】
リベット孔を形成するために、材料を穿孔、切開又は切削するステップをさらに含んでいる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
スロットを形成するために、材料を穿孔、切開又は切削するステップをさらに含んでいる請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−515777(P2009−515777A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526933(P2008−526933)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/025841
【国際公開番号】WO2007/021388
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(505257497)ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー (8)
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/025841
【国際公開番号】WO2007/021388
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(505257497)ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー (8)
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
【Fターム(参考)】
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