可撓性材料ループタグ
物品(たとえば、高級品または織物製品)への影響を小さくするまたは零にする、物品に取り付け可能なセキュリティタグ。このセキュリティタグは、それが保護する1つ以上の物品の周囲にループを形成し、自身にまたは可撓性材料の拡張部において閉じ合わされる、可撓性材料内に封入されるセキュリティ要素を含む。高級品または織物製品に対する取り付けの際、孔を穿ったり、突き通したり、接着したりしないため、物品への「影響が小さくまたは零」になる。また、物品を陳列する場合、顧客への見栄えを好ましくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセキュリティタグに関する。より詳細には、本発明は高級品または織物製品に取り付けられる可撓性材料ループタグを開示する。
【背景技術】
【0002】
本PCT出願は、35U.S.C.§119(e)に基づき、米国特許仮出願第60/985,695号(出願日:2007年11月6日)に記載の「可撓性材料ループタグ(PLIABLE MATERIAL LOOP TAG)」の利益を主張するものである。その全開示内容を引用によって本明細書に援用する。
【0003】
多くの衣料アイテム(衣料品)には、既存の物および方法を用いる供給元において、タグ付け(すなわち、セキュリティ装置またはセキュリティ要素の付着)がなされる。これらのセキュリティ装置には、電子商品監視(EAS)要素、無線タグ(RFID)要素、またはこのようなセキュリティ装置を組み合わせたものなどが含まれる。このような装置は、ビジネスポータル(たとえば、店舗の出口またはPOSレジスタなど)において無線で検出され、店舗からの窃盗を防止または低減することが可能である。衣料品にセキュリティ装置/セキュリティ要素を実際にタグ付けすると、衣料品に孔が穿たれたり(たとえば、ピンおよびレセプタクル)、衣料品へ接着によって固定されたり、衣料品内へ埋め込まれたり(たとえば、縫い付け)することによって、衣料に「影響」が与えられる。これは望ましくない効果(たとえば、衣料材料における穿孔、歪みなど)を与えるだけでなく、店舗において陳列する際、衣料の見栄えを損なう。たとえば、衣料品にセキュリティ装置/セキュリティ要素を取り付けると、ハンガ、マネキン、または他の手段によって衣料が陳列されるとき、生地に歪みまたは皺が生じる場合がある。好ましくない別の効果は、縫い付けられたタグまたはラベルを衣料品から取り外すと望ましくない端切れが残るので、衣料品の高級感または見栄えを更に損なうことである。このような魅力のない陳列では、実際、顧客が衣料品を試着する気すら削がれるため、潜在的な売り上げが損なわれる。
【0004】
このことは多くの衣料品において(たとえば、肌着、水着、装飾品だけでなく織物製品においても)、顕著に見られる。織物製品には、家庭用品(たとえば、寝具、タオル、布類)が含まれる。したがってこれらの種類の品物には、品物の大きさのため、または本技術分野で既知の物がもつ破壊的な(invasive)性質のため、既知のセキュリティ装置やそのような装置を取り付けるための方法は好ましくない。衣料、リネン、および織物製品のパッケージに埋め込まれるセキュリティ装置の取り付けは、本技術分野において既知である。織られたラベル(たとえば、ブレックマン(Bleckmann)らによる特許文献1に示すもの)には、EAS装置またはRFID装置が埋め込まれている。このような織られたラベルをミシンによって取り付ける方法も、本技術分野において既知である。紙片、値札、またはハングタグ(下げ札)内に装置を埋め込む他の方法が開示されている。これらの物も、既知の方法によって取り付けられている。たとえば、ベッカー(Becker)による特許文献2、ローメーカ(Loemaker)らによる特許文献3、エルストン(Elston)による特許文献4、およびブレックマン(Bleckmann)らによる特許文献5を参照されたい。
【0005】
また、RFIDセキュリティ装置が用いられる場合、多くの人々は、そうした装置が個人的な物品に関連して用いられることはプライバシ侵害の意味を含んでいるため、そのような装置に懸念を抱いている。RFIDセキュリティ装置は、典型的にはその物品自体に関する記憶を含んでいる。このようなセキュリティ装置が衣料品に縫い込まれている場合、情報を記憶することができ、その衣料品を損傷せずには取り外せない装置が永久的に含
まれ得る衣料品を購入することは、ためらわれる。このため、RFIDセキュリティ装置の使用は、このようなセキュリティ装置による衣料への「影響」を増大させる傾向にある。
【0006】
ローラシュ(Laurash)らによる特許文献6には、紙またはプラスチックなどの可撓性材料からなる印刷可能な識別バンドが開示されている。この可撓性材料は、RFID集積回路を覆うカバーパッチを含み、パッチまたはバンドに取り付けられ、バンドの両端部は物体(たとえば、リストハンドル、ラゲッジハンドル)の周囲に接着によって固定され一体となっている。しかし、セキュリティタグを隠す可撓性材料(すなわち、折り曲げられた上端部および下端部を有するとともに、織物製品の周囲に一体に堅固に固定されている、上端部および下端部に交わる対向する端部を有する可撓性材料)を設けることについては、開示も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,780,265号明細書
【特許文献2】米国特許第5,508,684号明細書
【特許文献3】米国特許第5,583,489号明細書
【特許文献4】米国特許第6,254,953号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1171300号明細書
【特許文献6】米国特許第6,836,215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記に鑑み、高級品または織物製品に対し、突き通したり、穴を穿ったり、接着によって取り付けたりする必要なく固定可能であり、顧客のプライバシ侵害の懸念を最小にする(すなわち、このような物品への「影響が小さいまたは零」の)セキュリティタグを提供することが、なお求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのセキュリティ要素が埋め込まれた非破壊性の可撓性パッケージを容易に取り付けるための物および方法を提供する。
本発明は、セキュリティ要素が埋め込まれるパッケージに関する。また、本発明は、効率的にかつ確実に衣料品への取り付けを行うための道具に関する。
【0010】
物品(たとえば、高級品または織物製品)への結合用に適合された1つのセキュリティタグは、以下を含む。すなわち、1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)と、セキュリティ要素の配置された可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)と、を含む。可撓性材料の寸法はセキュリティ要素の寸法より大きく、可撓性材料は折り曲げられた上端部および下端部を有し、可撓性材料は、互いに重なり合って物品の周囲にループ(輪)を形成することの可能な、閉じ合わされた対向する端部を有し、この対向する端部は互いに堅固に固定される(たとえば、一体に縫い合わされる、熱圧着される)。
【0011】
1つのセキュリティタグは、可撓性材料からなるカバー部分を含み、カバー部分はセキュリティ要素を覆うとともに、カバー部分とセキュリティ要素の取り付けられた可撓性材料との間にセキュリティ要素を挟んでいる。
【0012】
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料は長方形であって、その短辺に平行な軸を有
し、この軸の周りに可撓性材料がループを形成している。
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料は長方形であって、その長辺に平行な軸を有し、この軸の周りに可撓性材料がループを形成している。
【0013】
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料は織布である。
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料はプラスチックである。
1つのセキュリティタグでは、対向する端部は接着剤を用いて一体に堅固に固定される。
【0014】
1つのセキュリティタグでは、対向する端部は超音波を用いて一体に堅固に固定される。
1つのセキュリティタグでは、対向する端部はリベットを用いて一体に堅固に固定される。
【0015】
物品(たとえば、高級品または織物製品)への結合用に適合された1つのセキュリティタグは、以下を含む。すなわち、1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)と、内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、セキュリティ要素の配置された可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)と、を含む。可撓性材料は自由端を有する拡張部を更に含み、拡張部は物品の周囲にループを形成するように操作され、自由端は可撓性材料のポーチまたはポケット内に堅固に固定されている(たとえば、縫い合わされる、熱圧着される)。
【0016】
1つのセキュリティタグでは、拡張部は基部に対し垂直の関係をなす。
1つのセキュリティタグでは、拡張部は基部と垂直でない角度をなす。
1つのセキュリティタグでは、自由端が基部の一部に固定されるとき、拡張部は物品の周囲に台形のループを形成するように操作される。
【0017】
物品(たとえば、高級品または織物製品)への結合用に適合された1つのセキュリティタグは、1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)と、内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、セキュリティ要素の配置された可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)と、を含む。可撓性材料は、自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの拡張部を更に含み、拡張部は物品の周囲にループを形成するように操作され、自由端は一体に堅固に固定される(たとえば、縫い合わされる、熱圧着される)。
【0018】
1つのセキュリティタグは、カバー部分を含み、このカバー部分はセキュリティ要素を覆うとともに、カバー部分とセキュリティ要素の取り付けられた基部との間において挟んでいる。
【0019】
1つのセキュリティタグでは、この少なくとも2つの拡張部は、基部と垂直の関係をなす。
1つのセキュリティタグは、拡張部の自由端を一体に堅固に固定するための閉じ合わせ部を含む。
【0020】
物品(たとえば、高級品または織物製品)にセキュリティタグを取り付けるための1つの方法は、以下を含む。すなわち、セキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)を可撓
性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)内に封入する工程(ここで、可撓性材料の寸法は、その周囲においてセキュリティ要素の寸法より大きい)と、可撓性材料の対向する端部が互いの一部に重なるように、物品の周囲において可撓性材料を操作する工程と、可撓性材料の対向する端部を一体に堅固に固定する(たとえば、縫い合わせる、熱圧着する)工程と、を含む。
【0021】
1つの方法では、可撓性材料にセキュリティ要素を結合する工程は、可撓性材料からなるカバー層をセキュリティ要素の上に付着させる工程を更に含む。
1つの方法では、可撓性材料は織布である。
【0022】
1つの方法では、可撓性材料はプラスチックである。
1つの方法では、可撓性材料の対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、対向する端部を一体に縫い合わせる工程を含む。
【0023】
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、熱圧着を使用する工程を含む。
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、接着剤を使用する工程を含む。
【0024】
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、超音波を使用する工程を含む。
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、リベットを使用する工程を含む。
【0025】
物品(たとえば、高級品または織物製品)にセキュリティタグを取り付けるための1つの方法は、以下を含む。すなわち、可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)からなるポーチまたはポケットを形成する工程と、セキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)をポーチまたはポケット内に配置する工程と、可撓性材料からなる、自由端を有する拡張部を形成する工程と、物品の周囲にループを形成するように拡張部を操作する工程と;ポーチまたはポケット内に拡張部の自由端を堅固に固定する(たとえば、縫い合わせる、熱圧着する)工程と、を含む。
【0026】
1つの方法では、自由端を堅固に固定する工程は、基部に拡張部を縫い付ける工程を含む。
1つの方法では、自由端を堅固に固定する工程は、熱圧着を使用する工程を含む。
【0027】
物品(たとえば、高級品または織物製品)にセキュリティタグを取り付けるための1つの方法は、以下を含む。すなわち、可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)からなるポーチまたはポケットを形成する工程と、セキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)をポーチまたはポケット内に配置する工程と、可撓性材料からなる少なくとも2つの拡張部を形成する工程(ここで、それぞれの拡張部は自由端を有する)と、ポーチまたはポケットを固定して閉じる工程と、物品の周囲にループを形成するように拡張部を操作する工程と、拡張部の自由端を一体に堅固に固定する(たとえば、縫い合わせる、熱圧着する)工程と、を含む。
【0028】
1つの方法では、自由端を堅固に固定する工程は、拡張部の自由端を一体に縫い合わせる工程を含む。
1つの方法では、自由端を一体に堅固に固定する工程は、熱圧着を使用する工程を含む
。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】可撓性材料内に隠されたセキュリティ要素を示す、本発明の第1実施形態の前面図。
【図2】本発明の第1実施形態の背面図。
【図3】図2の3−3線に沿った本発明の断面図。
【図4】重なり合う端部が一体に堅固に固定され、物品(図示せず)の周囲のループへと形成された第1実施形態の等角図。
【図5】可撓性材料内に隠されたセキュリティ要素を示す、本発明の第1実施形態の別例の背面図。
【図6】重なり合う端部が一体に堅固に固定され、物品(図示せず)の周囲のループへと形成された、折り曲げられた上端部および下端部を有する、図5に示す第1実施形態の等角図。
【図6A】図6の6A−6A線に沿った図5に示す第1実施形態の断面図。
【図7】ラベル情報を含む可撓性材料の前面を示す、第1実施形態のさらなる例の図。
【図8】可撓性材料に取り付けられたセキュリティ要素を示す、図7に示す実施形態の背面図。
【図9】重なり合う対向端部が一体に堅固に固定され、物品(図示せず)の周囲のループへと形成された、図8に示す実施形態の上面図。
【図10A】保護対象物品の周囲にループを形成するための可撓性材料からなる拡張部またはランヤードを含む、本発明の第2実施形態の平面図。
【図10B】可撓性材料からなる層の間に埋め込まれたセキュリティ要素を示す、図10Aの10B−10B線に沿った第2実施形態の側面図。
【図11A】ランヤードは可撓性材料の層から分離した要素である、本発明の第2実施形態の代替例の平面図。
【図11B】セキュリティ要素を挟んでいる可撓性材料の層を示す、図11Aの11B−11B線に沿った第2実施形態の代替例の側面図。
【図12】拡張部/ランヤードの自由端を収容するためのポーチまたはポケットを示す、第2実施形態の拡張部/ランヤードの変形例の図。
【図13】拡張部/ランヤードの自由端を収容するためのポーチまたはポケットを示す、第2実施形態の拡張部/ランヤードの変形例の図。
【図14】拡張部/ランヤードの自由端を収容するためのポーチまたはポケットを示す、第2実施形態の拡張部/ランヤードの変形例の図。
【図15】保護対象物品の周囲にループを形成する拡張部/ランヤードを示す、本発明の第2実施形態の平面図。
【図16】ポーチまたはポケットのカバー部分を省略した他は図15と同じである、セキュリティ要素が露出された平面図。
【図17】図16と同様であるが、部分的にセキュリティ要素を示す平面図。
【図18】保護対象物品(図示せず)の周囲に拡張部/ランヤードによってループが形成されている第2実施形態の図。
【図19】図18と同様であるが、単に明瞭に示すために、カバー部分が除去され、セキュリティ要素が露出された図。
【図20】図19と同様であるが、部分的にセキュリティ要素を示す図。
【図21】取り付けられる織物製品に異なる見栄えを与えるように角度を付けた拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態を示す図。
【図22】図21と同様であるが、カバー部分を省略した図。
【図23】図22と同様であるが、部分的にセキュリティ要素を示す図。
【図24】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分はラベル側に面する)。
【図25】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分はラベル側に面し、カバー部分は除去されている)。
【図26】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分はラベル側に面し、カバー部分は除去されている)。
【図27】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分は本発明の背面にある)。
【図28】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分は本発明の背面にあり、カバー部分は除去されている)。
【図29】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分は本発明の背面にあり、カバー部分は除去されている)。
【図30】2つの拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態の別の変形例を示す図。
【図31】2つの拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態の別の変形例を示す図(カバー部分は除去されている)。
【図32】2つの拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態の別の変形例を示す図(カバー部分は除去されている)。
【図33】保護対象物品の周囲にループを形成するために、両拡張部/ランヤードがどのように使用されるかを示す図。
【図34】保護対象物品の周囲にループを形成するために、両拡張部/ランヤードがどのように使用されるかを示す図(カバー部分は除去されている)。
【図35】保護対象物品の周囲にループを形成するために、両拡張部/ランヤードがどのように使用されるかを示す図(カバー部分は除去されている)。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に引用されるすべての文献について、その全内容を引用によって本明細書に援用する。
本発明について、類似の参照符号が類似の要素を示す添付の図面に関連して記載する。
【0031】
本発明は、無線周波数(RF)、音響磁気(AM)、電磁(EM)式その他の送受信装置、回路、コイル、マイクロチップ、アンテナ、EAS装置、RFID装置、またはそれらの組み合わせ(以降、「セキュリティ要素」という)を、「影響を小さくまたは零」にするように1つ以上の物品に結合するための物および方法を提供する。本発明の取り付けられる好ましい物品は、衣料品または織物製品であるが、これは例示であって限定ではない。物の様々な実施形態(詳細は後述)は、可撓性材料内に封入されたセキュリティ要素を含むことによって、「セキュリティタグ」を形成する。セキュリティ要素の動作周波数範囲によって本発明が限定されないこと、およびkHz範囲(もしくはそれ未満)におけるセキュリティ要素の動作またはマイクロ波もしくはGHz範囲(もしくはそれより高い範囲)における動作は本発明の最大の範囲内にあることに留意されたい。
【0032】
本発明の本質は、可撓性材料内にセキュリティ要素を封入すること、および形成されたセキュリティタグを織物製品に関連させることにある。本発明の第1実施形態(図1〜図9)は、可撓性材料の寸法がセキュリティ要素の寸法より大きくなるように構成される。これによって、セキュリティ要素の周囲に上端および下端を折り曲げることができるとともに、セキュリティ要素を内部に封入するように横方向の端部が閉じられる。可撓性材料のこれらの横方向の端部は対向する端部をなし、そのうちの1つは、高級品または織物製品(図示せず)の周囲にループを形成するように巻かれ、次いでループを閉じるように、可撓性材料の対向する端部は互いに対し固定される(たとえば、縫い合わせること、もしくは接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、または他の既知の取り付け方法によって)。第2実施形態(図10A〜図29)は、可撓性材料からなる拡張部またはランヤ
ードを使用する。この拡張部またはランヤードは、高級品または織物製品の周囲にループを形成するように巻かれ、次いでループを閉じるように、拡張部またはランヤードの一部がポーチまたはポケット内に固定される(たとえば、縫い合わせ、接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、または他の既知の取り付け方法によって)。また、第2実施形態は、1対の拡張部またはランヤードの使用も含む(図30〜図35)。この拡張部またはランヤードは、高級品または織物製品の周囲にループを形成するように巻かれ、次いでループを閉じるように、拡張部またはランヤードの自由端が一体に固定される(たとえば、縫い合わせ、接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、または他の既知の取り付け方法によって)。
【0033】
可撓性材料には、次に限定されないが、布(たとえば、織られた材料など)またはプラスチックなど、ロールまたはループを形成するように巻かれることの可能な様々な材料が含まれてよいことを理解されたい。
【0034】
以下に記載するすべての実施形態において、セキュリティ要素は可撓性材料に取り付けられてもよい。これは様々にして達成されてよいが、最も好ましい方法は接着剤であり、典型的にはホットメルトゴム系接着剤を使用して行われる。これらの接着剤は、セキュリティ要素に可撓性材料を貼り付けるのに使用される。これに代えて、セキュリティ要素は単に可撓性材料内で自由に遊動するものであってもよい。
【0035】
明細書全体を通じて「縫う」という表現を用いるが、あらゆる方法および種類の縫い付け/縫い合わせを含む最も広い解釈がなされるものと理解されたい。参照符号132(図18〜図20)は、縫い付けによる固定の一例を示す。固定を行う好ましい方法は縫い付けによるものであるが、他のすべての周知の種類の固定(たとえば、熱圧着、接着剤、超音波、リベット留めなど)は本発明の最大の範囲に含まれる。
【0036】
[第1実施形態]
図1〜図2から分かるように、本発明20は可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック材料など)22Aを含む。セキュリティ要素10(たとえば、EASセキュリティ要素、RFIDセキュリティ要素、または複数のセキュリティ要素もしくはタグの組み合わせなど)は、たとえば、接着剤23もしくは超音波ボンディングによって、または単に自由に遊動するように隠されている(図10A参照)。この材料は非導電性材料を含む。特に、セキュリティ要素10が可撓性材料22Aに配置される(しかして接着によって固定されるまたは自由に遊動する)場合、可撓性材料22Aの上部および可撓性材料22Aの下部はセキュリティ要素10の周囲において折り曲げられ、重なり合う折り曲げ部F1,F2をそれぞれ形成する(図3参照)。これらの折り曲げ部を加熱およびプレスし、可撓性材料22とメモリとが離れないように折り曲げ部F1,F2においてメモリを可撓性材料22に付着させることによって、セキュリティ要素10が隠される。これに代えて、折り曲げ部F1,F2の重なり部分に接着剤を適用してもよい。また、可撓性材料22Aの側部同士を接続し、閉じ合わされた左端部L1および右端部R1を形成することによって、セキュリティ要素10を可撓性材料22A内に封入する。
【0037】
次いで端部L1またはR1は、端部L1およびR1が重なり合う、対向する端部を形成するように、物品(図示しないが、たとえば、織物製品など)もしくは織物製品の懸架用品(ハンガーの支柱など)の周囲、または物品の一部(開口部分、タイ、レースなど)の周囲に巻かれ、次いで、この対向する端部は一体に堅固に固定される(たとえば、一体に縫い合わされることによって)。これに代えて、熱圧着処理を使用して永久的な取り付け面26を形成するために、圧着工具を用いてもよい(図4参照)。
【0038】
単なる例として、可撓性材料22の前面には、次の種類のみに限定されないが、物品に
関連する標示(価格、サイズなど)および/または視覚的な窃盗抑止標示(「セキュリティ装置封入」など)、様々な種類の標示(indicia)が含まれる。たとえば、RFID集積回路(IC)をセキュリティ要素10として使用する場合、プライバシの懸念から購入後に顧客がICを取り除きたい場合に備え、標示には、RFID ICが含まれているという顧客への通知が含まれてもよい。
【0039】
第1実施形態の別の変形例を図5に示す。図5において、本発明20Aは可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック材料など)22を含む。セキュリティ要素10(たとえば、EASセキュリティ要素、RFIDセキュリティ要素、または複数のセキュリティ要素もしくはタグの組み合わせ)は、たとえば、接着剤23もしくは超音波ボンディングによって、または単に自由に遊動するように隠されている(図10A参照)。この材料は非導電性材料を含む。同じ可撓性材料からなるカバー層22Aがセキュリティ要素10の上に配置され、可撓性材料22に対し固定される。窃盗を行おうとする者がセキュリティ要素10に到達するのを防ぎつつ、カバー層22Aおよび可撓性材料22を一体に固定する方法は多数あるが、好ましい方法は(図1〜図4に関連して先に述べた通り)、図1および図2に示すような、上端部および下端部に沿った折り曲げ部F1,F2を用いることである。この折り曲げ部F1,F2は、折り曲げ部の超音波ボンディングもしくは溶着を行って、または接着剤によって取り付けられることができる。
【0040】
単なる例として、このカバー層22Aには、次の種類のみに限定されないが、物品に関連する標示(価格、サイズなど)および/または視覚的な窃盗抑止標示(「セキュリティ装置封入」など)、様々な種類の標示が含まれる。たとえば、RFID ICをセキュリティ要素10として使用する場合、プライバシの懸念から購入後に顧客がICを取り除きたい場合に備え、標示には、RFID ICが含まれているという顧客への通知が含まれてもよい。
【0041】
図6Aは本発明20の部分断面図であり、可撓性材料22およびカバー部分22Aが本発明20の前面および背面をどのように形成するかを示している。カバー部分22Aは、セキュリティ要素10の端部の周囲において可撓性材料22に固定されている(たとえば、縫い付けられることによって、熱圧着によってなど)、分離した要素を含んでもよいことを理解されたい。
【0042】
可撓性材料22およびカバー部分22Aが一体に固定される場合、本発明20の前面/背面の寸法は、セキュリティ要素10の寸法より大きい。この結果、本発明20は、保護される対象の物品(図示せず)の周囲にロールまたはループを形成するように巻かれ、対向する端部が互いに重なるように水平にまたは垂直に通され、次いで固定されてよい(たとえば、一体に縫い合わされることによって)。これに代えて、熱圧着処理を使用して永久的な取り付け面26を形成するために、圧着工具を用いてもよい(図2参照)。
【0043】
図7〜図9は、第1実施形態20の別の変形例を示す。図8(第1実施形態20の背面を示す)において、セキュリティ要素10の垂直方向の寸法が可撓性材料22の垂直方向の寸法とほぼ同じであることが分かる。したがって、この場合、可撓性材料22Aは水平軸Hの周りにではなく、垂直軸Vの周りに巻かれる。図7は前面22Aの第1実施形態20の平面図であり、図8は第1実施形態20の背面を示す。図9は可撓性材料/カバー部分22Aの端部と、永久的な取り付け面26との重なりを示す、第1実施形態20の上面図である。上記のように、永久的な取り付け面26が形成される(たとえば縫い合わせによって、または接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、もしくは他の既知の取り付け方法によって)前に、閉じ合わされた対向する端部L1,R1の一方は保護対象物品(図示せず)にループを形成するように巻かれ、次いで他方の対向する端部と重ねられ、取り付け面26が形成されることを理解されたい。
【0044】
[第2実施形態]
上記のように、第2実施形態120は、閉じ合わされた対向する端部L1,R1ではなく、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれる拡張部またはランヤード128を使用する。
【0045】
特に、図10Aには、第2実施形態120の側面図を示す。可撓性材料122は、セキュリティ要素10を挟むカバー部分122Aを形成するように折り返される(B1)が、可撓性材料122は、一体をなす拡張部またはランヤード128を含む。可撓性材料122の側部L1,R1(図10A)は閉じ合わされて、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれたときに拡張部/ランヤード128の自由端127を収容する開口部126を形成する。形成されるのは、拡張部またはランヤード128の自由端127を収容する一種の「ポーチ」、「ポケット」、または「パッケージ」である。開口部126は、次いで、様々な方法を用いて固定されて閉じ合わされるが、好ましいのは熱圧着を使用する方法である。図10Bは、この第2実施形態120の平面図である。
【0046】
第2実施形態および以下に記載する他の変形例は、様々にして形成されてよいことを理解されたい。好ましい方法において、側端部L1,L2(図10B)は、可撓性材料122の側端部とカバー部分122Aの側端部とを一体に接続または融着することによって形成される。下端部B1は折り曲げられた側部であり、可撓性材料122とカバー部分122Aとが鋭角α1をなす(図10A)。得られるのは、3つの閉じ合わされた側部(L1,R1,B1)と1つの開いた側部T1とを含み、開口部126を形成する構造である。拡張部/ランヤード128の自由端がポーチまたはポケットに配置されると、端部T1または端部T1の幾らか下方(たとえば、図18〜図20の参照符号132)において、端部T1を熱圧着により閉じ合わせること、縫い合わせる、または接着により閉じ合わせることができると理解されたい。端部L1,R1については、これらの端部が可撓性材料122の側端部とカバー部分122Aの側端部との熱融着、または超音波切断およびボンディングによって形成されてよいことを理解されたい。
【0047】
これに代えて、L1,R1は可撓性材料122の側端部とカバー部分122Aの側端部とを接着によって封止して形成されてもよい。
別の変形例において、端部B1は折り曲げ部ではなく、やはり接着によって封止される。この状況において、可撓性材料122およびカバー部分122Aは、それぞれの下端部を有する独自の層を含み、それらの下端部が接着によって一体に封止されて、下端部B1を形成する。
【0048】
別の変形例では、可撓性材料122自身の内部にポーチまたはポケットを形成することによって「織られた空洞部(woven cavity)」を形成する。特に、「筒織(tube weaving)」として知られる処理を使用する場合、端部L1,R1,B1は織られた端部となり、T1は開いた端部となる。これによって、セキュリティ要素10の配置を可能とし、拡張部/ランヤード128の自由端を収容するための、一体をなすポーチまたはポケットが形成される。他のすべての実施形態と同様に、開いた端部T1は、次いで、熱圧着、縫い合わせ、または接着剤によって閉じられる。
【0049】
図11Aは、第2の実施形態の一代替例120Aの側面図である。拡張部またはランヤード128Aは可撓性材料122と一体化されておらず、可撓性材料からなる分離した要素であり、セキュリティ要素10を挟む処理時に可撓性材料122(またはカバー部分122A)に対し固定される。拡張部/ランヤード128Aの固定は、様々な処理を用いて行ってよいが、好ましい方法は、図10A〜図10Bに関連して先に説明したように、可撓性材料122(またはカバー部分122A)に拡張部/ランヤード128Aを縫い付け
ることである。これに代えて、熱圧着処理を使用してもよく、この場合、図10A〜図10Bに関連して先に説明したように、開口部126Aが形成されるのと同時にランヤード128Aが可撓性材料122(またはカバー部分122A)に対し付着される。したがって、カバー部分122Aおよび可撓性材料122の上部124A,125Aは一体に固定される(たとえば、縫い合わされることによって、または熱圧着によって)とともに、ランヤード128Aも固定され、ランヤード128Aの自由端127Aを収容するように開口部126Aが形成される。上記のように、形成されるのは、ランヤード128Aの自由端127Aを収容する一種の「ポーチ」または「ポケット」である。自由端127Aは、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれると、ポケットまたはポーチの開口部126Aに挿入され、次いで、この開口部が、たとえば縫い合わされることによって、または熱圧着処理の使用によって固定され閉じられる。図11Bは、この第2実施形態120Aの平面図である。図10A〜図10Bの実施形態と同様、下端部B1は折り曲げられた側部であり、可撓性材料122とカバー部分122Aとが鋭角α2をなす(図11A)。
【0050】
図12〜図14は、第2実施形態の拡張部/ランヤード128(または128A)の変形例を示す。自由端127は保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれ、開口部126を通るように配置される。様々な設計の自由端127では、開口部126を封止したときに閉じ込められるランヤードの表面積がより大きくなる。図12は自由端127の半円状の先端部を含み、図13は尖った自由端127を有するランヤード128を含む。また、図14は短くしたランヤード128を示す。
【0051】
図15〜図17は、第2実施形態120についての、カバー部分122Aを含む、または含まない拡大図である。単に明瞭に示すために、セキュリティ要素10は露出されている。
【0052】
図18は、保護対象物品(図示せず)の周囲に(拡張部/ランヤード128によって)ループ130が形成された第2実施形態120を示す。また、図18は閉じ合わせ部132(たとえば、縫い合わされることによる、または接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、もしくは他の既知の取り付け方法による)を示す。図19は図18と同様であるが、カバー部分122Aが除去され、単に明瞭に示すためにセキュリティ要素10は露出されている。図20は図19と同様であるが、セキュリティ要素10を部分的に示す。
【0053】
高級品または織物製品に取り付けられるときに本発明の様々な見栄えを提供するために、拡張部/ランヤード128は、可撓性材料122/カバー部分122Aに対し固定されるとき、ポーチまたはポケットに対して角度を有してもよい。たとえば、図21は、一定の角度に配向された拡張部/ランヤード128を示す、第2実施形態120の平面図である。図22は図21と同様であるが、カバー部分122Aは省略されており、図22は図21と同じであるが、セキュリティ要素10を部分的に示す。拡張部/ランヤード128を一定の角度に配向することの利点は、図24〜図26および図27〜図29に示すように、自由端127がポケットまたはポーチに挿入される手法によって、より明確に理解される。図24〜図26において、角度を有する拡張部/ランヤード128によって形成されるループ130Aは、本発明120のラベル側に見られる、台形状のループである。図25〜図26はこのことを表している。このループ130Aが形成される場合、拡張部/ランヤード128の自由端127は紙面外上方に折られ、左方に折られてから、開口部126を通じて下方に折られる。対照的に、図27〜図29では、角度を有する拡張部/ランヤード128によって形成されるループ130Bは、本発明120のラベル側から離れて反対側に形成される台形状のループである。図28〜図29はこのことを表している。このループ130Bが形成される場合、拡張部/ランヤード128の自由端127は紙面外下方に折られ、左方に折られてから、開口部126を通じて下方に折られる。
【0054】
図30〜図35は、2つの拡張部/ランヤードを使用する第2実施形態の別の変形例を示す。これらの拡張部/ランヤードは、可撓性材料122と一体をなす拡張部/ランヤードであってもよく、あるいは可撓性材料122から分離していてもよい。この例では、ループ230は、自由端がポケットまたはポーチ内に取り込まれる1つの拡張部/ランヤードで形成されるのではなく、保護対象物品の周囲にループを形成する2つの拡張部/ランヤードの自由端の接合体である。特に、拡張部/ランヤード228A,228Bは、ポーチまたはポケット内でそれぞれの端部に固定され(一体をなす拡張部ではなく、別個の拡張部を用いる場合)、閉じ合わせ部132が形成される。図30〜図32はこのことを示す。拡張部/ランヤードの自由端227A,227Bは、保護対象物品(図示せず)の周囲に配置され、次いでこれらの自由端が一体に固定される(たとえば、一体に縫い合わされることによって、または熱圧着処理を使用することによってなど)。図33は、第2実施形態のこの変形例の平面図である。図34〜図35に同じ発明を示すが、カバー部分122Aが除去されている。
【0055】
一体をなす拡張部を使用する場合、セキュリティ要素10を隠し、それによって窃盗を行おうとする者に開封させないために、閉じ合わせ部132がなお必要であることを理解されたい。
【0056】
熱圧着処理には、セキュリティ要素10を損傷しないように、局所的な熱(周囲の熱ではなく)を生成する加熱を利用する圧着工具が使用されることを理解されたい。熱圧着処理では、保護対象物品の周囲に本発明のループを固定するために、可撓性材料の、拡張部/ランヤードの自由端とカバー部分とを一体に溶融させる。それらの間には熱活性型接着剤またはアクリル接着剤が使用される。この熱圧着合わせ部の幅は、単なる例として、約1.59mm(1/16インチ)または約0.79mm(1/32インチ)であってよい。
【0057】
幾つかの場合には、織物製品は本発明20/120がループを形成するように巻かれる未完成の構成要素またはループ自体を含んでもよく、次いで織物製品のこの未完成部分が織物製品自体に固定されることを理解されたい。たとえば、未完成の構成要素がベルトループである場合、ループ130または230はベルトループに固定されてもよく、次いでベルトループがズボンのウエスト部分に縫い付けられる、すなわち、固定される。
【0058】
上記のように、本発明は第1実施形態または第2実施形態において、幾つかの異なる変形例、たとえば、拡張アームが所望の通りに物品に吊るされるようにねじられ、すなわち、操作される、拡張アームが所望の通りに物品に吊るされるように所望の外観または影響を有する形状とされる、拡張アームまたはパッケージ自身が幾つかの物品を一体に固定するような一定の長さを有するなどの変形例を含んでよい。様々な実施形態および/または変形例は、所望の外観が得られるように様々な色または材料構成を含んでもよく、次に限定されないが、たとえば装置の性質のために物品を除去する指示(たとえば、「RFID装置が封入されています。必要なら除去してください」、または「RFID装置が封入されています。このラベルを取り外した場合、物品は返却できません」)など所望の情報を含んでもよい。このパッケージングに対して他の指示も意図される。
【0059】
また、圧着特性もしくは熱溶着特性を増加させるように、または本発明を取り付けた物品からの本発明の外れ易さを低減すべくパッケージが強化されるように、本発明は、パッケージ固定時の接続特性を増加させる追加の材料で構成されてもよい。同じ特性が、本発明の本体において、および/または1つ以上の物品の周囲にループを形成するように巻かれる拡張部/ランヤードにおいて用いられることが意図される。
【0060】
また上記のとおり、拡張部またはランヤードは、パッケージ本体において使用されるのと同じ織布材料の一部であってもよく、分離した布の部分であってもよい。またパッケージ本体と異なる材料であってもよい。材料の拡張部またはランヤードは、本体に縫い付けられることによって、または接着剤によって、超音波ボンディングによって、装置の特性(たとえば、装置上の粘着性)を使用することによって、圧着、リベット留め、もしくは他の既知の取り付け方法によって、パッケージ本体に取り付けられてもよい。
【0061】
本発明は、1つ以上の物品に装置を保持する非破壊性のパッケージを取り付けるための手段を提供する。この手段によって、装置は効率的に取り付けられ、物品に永久的に取り付けられるのではなく、指示またはブランド情報を含み、製造元で取り付けられ、流通時に取り付けられ、小売店その他、サプライチェーンに沿った任意の場所において取り付けられることができる。本発明は、消費者によって物品から取り外されることが意図される。
【0062】
上記発明のいずれかがループを形成するように巻かれるなど織物製品に関連付けられる前に顧客に提供される場合、拡張部/ランヤードの自由端は輸送中、ポーチまたはポケット内に一時的に配置されていてもよい。これによって、輸送中、拡張部/ランヤードが保護される。したがって、単なる例として、拡張部/ランヤード128(図8)の自由端および大半の部分は、輸送中、開口部126内に配置される。着荷時、拡張部/ランヤード128の自由端は開口部126から取り除かれ、上記のように、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれ、固定される(たとえば、縫い付けまたは熱圧着処理によって)。
【0063】
特定の例に関連して本発明について詳細に記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更および修正がなされ得ることは、当業者には明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明はセキュリティタグに関する。より詳細には、本発明は高級品または織物製品に取り付けられる可撓性材料ループタグを開示する。
【背景技術】
【0002】
本PCT出願は、35U.S.C.§119(e)に基づき、米国特許仮出願第60/985,695号(出願日:2007年11月6日)に記載の「可撓性材料ループタグ(PLIABLE MATERIAL LOOP TAG)」の利益を主張するものである。その全開示内容を引用によって本明細書に援用する。
【0003】
多くの衣料アイテム(衣料品)には、既存の物および方法を用いる供給元において、タグ付け(すなわち、セキュリティ装置またはセキュリティ要素の付着)がなされる。これらのセキュリティ装置には、電子商品監視(EAS)要素、無線タグ(RFID)要素、またはこのようなセキュリティ装置を組み合わせたものなどが含まれる。このような装置は、ビジネスポータル(たとえば、店舗の出口またはPOSレジスタなど)において無線で検出され、店舗からの窃盗を防止または低減することが可能である。衣料品にセキュリティ装置/セキュリティ要素を実際にタグ付けすると、衣料品に孔が穿たれたり(たとえば、ピンおよびレセプタクル)、衣料品へ接着によって固定されたり、衣料品内へ埋め込まれたり(たとえば、縫い付け)することによって、衣料に「影響」が与えられる。これは望ましくない効果(たとえば、衣料材料における穿孔、歪みなど)を与えるだけでなく、店舗において陳列する際、衣料の見栄えを損なう。たとえば、衣料品にセキュリティ装置/セキュリティ要素を取り付けると、ハンガ、マネキン、または他の手段によって衣料が陳列されるとき、生地に歪みまたは皺が生じる場合がある。好ましくない別の効果は、縫い付けられたタグまたはラベルを衣料品から取り外すと望ましくない端切れが残るので、衣料品の高級感または見栄えを更に損なうことである。このような魅力のない陳列では、実際、顧客が衣料品を試着する気すら削がれるため、潜在的な売り上げが損なわれる。
【0004】
このことは多くの衣料品において(たとえば、肌着、水着、装飾品だけでなく織物製品においても)、顕著に見られる。織物製品には、家庭用品(たとえば、寝具、タオル、布類)が含まれる。したがってこれらの種類の品物には、品物の大きさのため、または本技術分野で既知の物がもつ破壊的な(invasive)性質のため、既知のセキュリティ装置やそのような装置を取り付けるための方法は好ましくない。衣料、リネン、および織物製品のパッケージに埋め込まれるセキュリティ装置の取り付けは、本技術分野において既知である。織られたラベル(たとえば、ブレックマン(Bleckmann)らによる特許文献1に示すもの)には、EAS装置またはRFID装置が埋め込まれている。このような織られたラベルをミシンによって取り付ける方法も、本技術分野において既知である。紙片、値札、またはハングタグ(下げ札)内に装置を埋め込む他の方法が開示されている。これらの物も、既知の方法によって取り付けられている。たとえば、ベッカー(Becker)による特許文献2、ローメーカ(Loemaker)らによる特許文献3、エルストン(Elston)による特許文献4、およびブレックマン(Bleckmann)らによる特許文献5を参照されたい。
【0005】
また、RFIDセキュリティ装置が用いられる場合、多くの人々は、そうした装置が個人的な物品に関連して用いられることはプライバシ侵害の意味を含んでいるため、そのような装置に懸念を抱いている。RFIDセキュリティ装置は、典型的にはその物品自体に関する記憶を含んでいる。このようなセキュリティ装置が衣料品に縫い込まれている場合、情報を記憶することができ、その衣料品を損傷せずには取り外せない装置が永久的に含
まれ得る衣料品を購入することは、ためらわれる。このため、RFIDセキュリティ装置の使用は、このようなセキュリティ装置による衣料への「影響」を増大させる傾向にある。
【0006】
ローラシュ(Laurash)らによる特許文献6には、紙またはプラスチックなどの可撓性材料からなる印刷可能な識別バンドが開示されている。この可撓性材料は、RFID集積回路を覆うカバーパッチを含み、パッチまたはバンドに取り付けられ、バンドの両端部は物体(たとえば、リストハンドル、ラゲッジハンドル)の周囲に接着によって固定され一体となっている。しかし、セキュリティタグを隠す可撓性材料(すなわち、折り曲げられた上端部および下端部を有するとともに、織物製品の周囲に一体に堅固に固定されている、上端部および下端部に交わる対向する端部を有する可撓性材料)を設けることについては、開示も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,780,265号明細書
【特許文献2】米国特許第5,508,684号明細書
【特許文献3】米国特許第5,583,489号明細書
【特許文献4】米国特許第6,254,953号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1171300号明細書
【特許文献6】米国特許第6,836,215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記に鑑み、高級品または織物製品に対し、突き通したり、穴を穿ったり、接着によって取り付けたりする必要なく固定可能であり、顧客のプライバシ侵害の懸念を最小にする(すなわち、このような物品への「影響が小さいまたは零」の)セキュリティタグを提供することが、なお求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのセキュリティ要素が埋め込まれた非破壊性の可撓性パッケージを容易に取り付けるための物および方法を提供する。
本発明は、セキュリティ要素が埋め込まれるパッケージに関する。また、本発明は、効率的にかつ確実に衣料品への取り付けを行うための道具に関する。
【0010】
物品(たとえば、高級品または織物製品)への結合用に適合された1つのセキュリティタグは、以下を含む。すなわち、1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)と、セキュリティ要素の配置された可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)と、を含む。可撓性材料の寸法はセキュリティ要素の寸法より大きく、可撓性材料は折り曲げられた上端部および下端部を有し、可撓性材料は、互いに重なり合って物品の周囲にループ(輪)を形成することの可能な、閉じ合わされた対向する端部を有し、この対向する端部は互いに堅固に固定される(たとえば、一体に縫い合わされる、熱圧着される)。
【0011】
1つのセキュリティタグは、可撓性材料からなるカバー部分を含み、カバー部分はセキュリティ要素を覆うとともに、カバー部分とセキュリティ要素の取り付けられた可撓性材料との間にセキュリティ要素を挟んでいる。
【0012】
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料は長方形であって、その短辺に平行な軸を有
し、この軸の周りに可撓性材料がループを形成している。
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料は長方形であって、その長辺に平行な軸を有し、この軸の周りに可撓性材料がループを形成している。
【0013】
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料は織布である。
1つのセキュリティタグでは、可撓性材料はプラスチックである。
1つのセキュリティタグでは、対向する端部は接着剤を用いて一体に堅固に固定される。
【0014】
1つのセキュリティタグでは、対向する端部は超音波を用いて一体に堅固に固定される。
1つのセキュリティタグでは、対向する端部はリベットを用いて一体に堅固に固定される。
【0015】
物品(たとえば、高級品または織物製品)への結合用に適合された1つのセキュリティタグは、以下を含む。すなわち、1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)と、内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、セキュリティ要素の配置された可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)と、を含む。可撓性材料は自由端を有する拡張部を更に含み、拡張部は物品の周囲にループを形成するように操作され、自由端は可撓性材料のポーチまたはポケット内に堅固に固定されている(たとえば、縫い合わされる、熱圧着される)。
【0016】
1つのセキュリティタグでは、拡張部は基部に対し垂直の関係をなす。
1つのセキュリティタグでは、拡張部は基部と垂直でない角度をなす。
1つのセキュリティタグでは、自由端が基部の一部に固定されるとき、拡張部は物品の周囲に台形のループを形成するように操作される。
【0017】
物品(たとえば、高級品または織物製品)への結合用に適合された1つのセキュリティタグは、1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)と、内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、セキュリティ要素の配置された可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)と、を含む。可撓性材料は、自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの拡張部を更に含み、拡張部は物品の周囲にループを形成するように操作され、自由端は一体に堅固に固定される(たとえば、縫い合わされる、熱圧着される)。
【0018】
1つのセキュリティタグは、カバー部分を含み、このカバー部分はセキュリティ要素を覆うとともに、カバー部分とセキュリティ要素の取り付けられた基部との間において挟んでいる。
【0019】
1つのセキュリティタグでは、この少なくとも2つの拡張部は、基部と垂直の関係をなす。
1つのセキュリティタグは、拡張部の自由端を一体に堅固に固定するための閉じ合わせ部を含む。
【0020】
物品(たとえば、高級品または織物製品)にセキュリティタグを取り付けるための1つの方法は、以下を含む。すなわち、セキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)を可撓
性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)内に封入する工程(ここで、可撓性材料の寸法は、その周囲においてセキュリティ要素の寸法より大きい)と、可撓性材料の対向する端部が互いの一部に重なるように、物品の周囲において可撓性材料を操作する工程と、可撓性材料の対向する端部を一体に堅固に固定する(たとえば、縫い合わせる、熱圧着する)工程と、を含む。
【0021】
1つの方法では、可撓性材料にセキュリティ要素を結合する工程は、可撓性材料からなるカバー層をセキュリティ要素の上に付着させる工程を更に含む。
1つの方法では、可撓性材料は織布である。
【0022】
1つの方法では、可撓性材料はプラスチックである。
1つの方法では、可撓性材料の対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、対向する端部を一体に縫い合わせる工程を含む。
【0023】
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、熱圧着を使用する工程を含む。
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、接着剤を使用する工程を含む。
【0024】
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、超音波を使用する工程を含む。
1つの方法では、対向する端部を一体に堅固に固定する工程は、リベットを使用する工程を含む。
【0025】
物品(たとえば、高級品または織物製品)にセキュリティタグを取り付けるための1つの方法は、以下を含む。すなわち、可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)からなるポーチまたはポケットを形成する工程と、セキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)をポーチまたはポケット内に配置する工程と、可撓性材料からなる、自由端を有する拡張部を形成する工程と、物品の周囲にループを形成するように拡張部を操作する工程と;ポーチまたはポケット内に拡張部の自由端を堅固に固定する(たとえば、縫い合わせる、熱圧着する)工程と、を含む。
【0026】
1つの方法では、自由端を堅固に固定する工程は、基部に拡張部を縫い付ける工程を含む。
1つの方法では、自由端を堅固に固定する工程は、熱圧着を使用する工程を含む。
【0027】
物品(たとえば、高級品または織物製品)にセキュリティタグを取り付けるための1つの方法は、以下を含む。すなわち、可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック、他の非導電性の可撓性材料)からなるポーチまたはポケットを形成する工程と、セキュリティ要素(たとえば、EASもしくはRFIDセキュリティ要素、または1つ以上の周波数範囲におけるそれらの組み合わせ)をポーチまたはポケット内に配置する工程と、可撓性材料からなる少なくとも2つの拡張部を形成する工程(ここで、それぞれの拡張部は自由端を有する)と、ポーチまたはポケットを固定して閉じる工程と、物品の周囲にループを形成するように拡張部を操作する工程と、拡張部の自由端を一体に堅固に固定する(たとえば、縫い合わせる、熱圧着する)工程と、を含む。
【0028】
1つの方法では、自由端を堅固に固定する工程は、拡張部の自由端を一体に縫い合わせる工程を含む。
1つの方法では、自由端を一体に堅固に固定する工程は、熱圧着を使用する工程を含む
。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】可撓性材料内に隠されたセキュリティ要素を示す、本発明の第1実施形態の前面図。
【図2】本発明の第1実施形態の背面図。
【図3】図2の3−3線に沿った本発明の断面図。
【図4】重なり合う端部が一体に堅固に固定され、物品(図示せず)の周囲のループへと形成された第1実施形態の等角図。
【図5】可撓性材料内に隠されたセキュリティ要素を示す、本発明の第1実施形態の別例の背面図。
【図6】重なり合う端部が一体に堅固に固定され、物品(図示せず)の周囲のループへと形成された、折り曲げられた上端部および下端部を有する、図5に示す第1実施形態の等角図。
【図6A】図6の6A−6A線に沿った図5に示す第1実施形態の断面図。
【図7】ラベル情報を含む可撓性材料の前面を示す、第1実施形態のさらなる例の図。
【図8】可撓性材料に取り付けられたセキュリティ要素を示す、図7に示す実施形態の背面図。
【図9】重なり合う対向端部が一体に堅固に固定され、物品(図示せず)の周囲のループへと形成された、図8に示す実施形態の上面図。
【図10A】保護対象物品の周囲にループを形成するための可撓性材料からなる拡張部またはランヤードを含む、本発明の第2実施形態の平面図。
【図10B】可撓性材料からなる層の間に埋め込まれたセキュリティ要素を示す、図10Aの10B−10B線に沿った第2実施形態の側面図。
【図11A】ランヤードは可撓性材料の層から分離した要素である、本発明の第2実施形態の代替例の平面図。
【図11B】セキュリティ要素を挟んでいる可撓性材料の層を示す、図11Aの11B−11B線に沿った第2実施形態の代替例の側面図。
【図12】拡張部/ランヤードの自由端を収容するためのポーチまたはポケットを示す、第2実施形態の拡張部/ランヤードの変形例の図。
【図13】拡張部/ランヤードの自由端を収容するためのポーチまたはポケットを示す、第2実施形態の拡張部/ランヤードの変形例の図。
【図14】拡張部/ランヤードの自由端を収容するためのポーチまたはポケットを示す、第2実施形態の拡張部/ランヤードの変形例の図。
【図15】保護対象物品の周囲にループを形成する拡張部/ランヤードを示す、本発明の第2実施形態の平面図。
【図16】ポーチまたはポケットのカバー部分を省略した他は図15と同じである、セキュリティ要素が露出された平面図。
【図17】図16と同様であるが、部分的にセキュリティ要素を示す平面図。
【図18】保護対象物品(図示せず)の周囲に拡張部/ランヤードによってループが形成されている第2実施形態の図。
【図19】図18と同様であるが、単に明瞭に示すために、カバー部分が除去され、セキュリティ要素が露出された図。
【図20】図19と同様であるが、部分的にセキュリティ要素を示す図。
【図21】取り付けられる織物製品に異なる見栄えを与えるように角度を付けた拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態を示す図。
【図22】図21と同様であるが、カバー部分を省略した図。
【図23】図22と同様であるが、部分的にセキュリティ要素を示す図。
【図24】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分はラベル側に面する)。
【図25】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分はラベル側に面し、カバー部分は除去されている)。
【図26】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分はラベル側に面し、カバー部分は除去されている)。
【図27】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分は本発明の背面にある)。
【図28】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分は本発明の背面にあり、カバー部分は除去されている)。
【図29】台形のループを形成するように操作された、角度を付けた拡張部/ランヤードを示す図(橋架け部分は本発明の背面にあり、カバー部分は除去されている)。
【図30】2つの拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態の別の変形例を示す図。
【図31】2つの拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態の別の変形例を示す図(カバー部分は除去されている)。
【図32】2つの拡張部/ランヤードを使用する、第2実施形態の別の変形例を示す図(カバー部分は除去されている)。
【図33】保護対象物品の周囲にループを形成するために、両拡張部/ランヤードがどのように使用されるかを示す図。
【図34】保護対象物品の周囲にループを形成するために、両拡張部/ランヤードがどのように使用されるかを示す図(カバー部分は除去されている)。
【図35】保護対象物品の周囲にループを形成するために、両拡張部/ランヤードがどのように使用されるかを示す図(カバー部分は除去されている)。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に引用されるすべての文献について、その全内容を引用によって本明細書に援用する。
本発明について、類似の参照符号が類似の要素を示す添付の図面に関連して記載する。
【0031】
本発明は、無線周波数(RF)、音響磁気(AM)、電磁(EM)式その他の送受信装置、回路、コイル、マイクロチップ、アンテナ、EAS装置、RFID装置、またはそれらの組み合わせ(以降、「セキュリティ要素」という)を、「影響を小さくまたは零」にするように1つ以上の物品に結合するための物および方法を提供する。本発明の取り付けられる好ましい物品は、衣料品または織物製品であるが、これは例示であって限定ではない。物の様々な実施形態(詳細は後述)は、可撓性材料内に封入されたセキュリティ要素を含むことによって、「セキュリティタグ」を形成する。セキュリティ要素の動作周波数範囲によって本発明が限定されないこと、およびkHz範囲(もしくはそれ未満)におけるセキュリティ要素の動作またはマイクロ波もしくはGHz範囲(もしくはそれより高い範囲)における動作は本発明の最大の範囲内にあることに留意されたい。
【0032】
本発明の本質は、可撓性材料内にセキュリティ要素を封入すること、および形成されたセキュリティタグを織物製品に関連させることにある。本発明の第1実施形態(図1〜図9)は、可撓性材料の寸法がセキュリティ要素の寸法より大きくなるように構成される。これによって、セキュリティ要素の周囲に上端および下端を折り曲げることができるとともに、セキュリティ要素を内部に封入するように横方向の端部が閉じられる。可撓性材料のこれらの横方向の端部は対向する端部をなし、そのうちの1つは、高級品または織物製品(図示せず)の周囲にループを形成するように巻かれ、次いでループを閉じるように、可撓性材料の対向する端部は互いに対し固定される(たとえば、縫い合わせること、もしくは接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、または他の既知の取り付け方法によって)。第2実施形態(図10A〜図29)は、可撓性材料からなる拡張部またはランヤ
ードを使用する。この拡張部またはランヤードは、高級品または織物製品の周囲にループを形成するように巻かれ、次いでループを閉じるように、拡張部またはランヤードの一部がポーチまたはポケット内に固定される(たとえば、縫い合わせ、接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、または他の既知の取り付け方法によって)。また、第2実施形態は、1対の拡張部またはランヤードの使用も含む(図30〜図35)。この拡張部またはランヤードは、高級品または織物製品の周囲にループを形成するように巻かれ、次いでループを閉じるように、拡張部またはランヤードの自由端が一体に固定される(たとえば、縫い合わせ、接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、または他の既知の取り付け方法によって)。
【0033】
可撓性材料には、次に限定されないが、布(たとえば、織られた材料など)またはプラスチックなど、ロールまたはループを形成するように巻かれることの可能な様々な材料が含まれてよいことを理解されたい。
【0034】
以下に記載するすべての実施形態において、セキュリティ要素は可撓性材料に取り付けられてもよい。これは様々にして達成されてよいが、最も好ましい方法は接着剤であり、典型的にはホットメルトゴム系接着剤を使用して行われる。これらの接着剤は、セキュリティ要素に可撓性材料を貼り付けるのに使用される。これに代えて、セキュリティ要素は単に可撓性材料内で自由に遊動するものであってもよい。
【0035】
明細書全体を通じて「縫う」という表現を用いるが、あらゆる方法および種類の縫い付け/縫い合わせを含む最も広い解釈がなされるものと理解されたい。参照符号132(図18〜図20)は、縫い付けによる固定の一例を示す。固定を行う好ましい方法は縫い付けによるものであるが、他のすべての周知の種類の固定(たとえば、熱圧着、接着剤、超音波、リベット留めなど)は本発明の最大の範囲に含まれる。
【0036】
[第1実施形態]
図1〜図2から分かるように、本発明20は可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック材料など)22Aを含む。セキュリティ要素10(たとえば、EASセキュリティ要素、RFIDセキュリティ要素、または複数のセキュリティ要素もしくはタグの組み合わせなど)は、たとえば、接着剤23もしくは超音波ボンディングによって、または単に自由に遊動するように隠されている(図10A参照)。この材料は非導電性材料を含む。特に、セキュリティ要素10が可撓性材料22Aに配置される(しかして接着によって固定されるまたは自由に遊動する)場合、可撓性材料22Aの上部および可撓性材料22Aの下部はセキュリティ要素10の周囲において折り曲げられ、重なり合う折り曲げ部F1,F2をそれぞれ形成する(図3参照)。これらの折り曲げ部を加熱およびプレスし、可撓性材料22とメモリとが離れないように折り曲げ部F1,F2においてメモリを可撓性材料22に付着させることによって、セキュリティ要素10が隠される。これに代えて、折り曲げ部F1,F2の重なり部分に接着剤を適用してもよい。また、可撓性材料22Aの側部同士を接続し、閉じ合わされた左端部L1および右端部R1を形成することによって、セキュリティ要素10を可撓性材料22A内に封入する。
【0037】
次いで端部L1またはR1は、端部L1およびR1が重なり合う、対向する端部を形成するように、物品(図示しないが、たとえば、織物製品など)もしくは織物製品の懸架用品(ハンガーの支柱など)の周囲、または物品の一部(開口部分、タイ、レースなど)の周囲に巻かれ、次いで、この対向する端部は一体に堅固に固定される(たとえば、一体に縫い合わされることによって)。これに代えて、熱圧着処理を使用して永久的な取り付け面26を形成するために、圧着工具を用いてもよい(図4参照)。
【0038】
単なる例として、可撓性材料22の前面には、次の種類のみに限定されないが、物品に
関連する標示(価格、サイズなど)および/または視覚的な窃盗抑止標示(「セキュリティ装置封入」など)、様々な種類の標示(indicia)が含まれる。たとえば、RFID集積回路(IC)をセキュリティ要素10として使用する場合、プライバシの懸念から購入後に顧客がICを取り除きたい場合に備え、標示には、RFID ICが含まれているという顧客への通知が含まれてもよい。
【0039】
第1実施形態の別の変形例を図5に示す。図5において、本発明20Aは可撓性材料(たとえば、織布、プラスチック材料など)22を含む。セキュリティ要素10(たとえば、EASセキュリティ要素、RFIDセキュリティ要素、または複数のセキュリティ要素もしくはタグの組み合わせ)は、たとえば、接着剤23もしくは超音波ボンディングによって、または単に自由に遊動するように隠されている(図10A参照)。この材料は非導電性材料を含む。同じ可撓性材料からなるカバー層22Aがセキュリティ要素10の上に配置され、可撓性材料22に対し固定される。窃盗を行おうとする者がセキュリティ要素10に到達するのを防ぎつつ、カバー層22Aおよび可撓性材料22を一体に固定する方法は多数あるが、好ましい方法は(図1〜図4に関連して先に述べた通り)、図1および図2に示すような、上端部および下端部に沿った折り曲げ部F1,F2を用いることである。この折り曲げ部F1,F2は、折り曲げ部の超音波ボンディングもしくは溶着を行って、または接着剤によって取り付けられることができる。
【0040】
単なる例として、このカバー層22Aには、次の種類のみに限定されないが、物品に関連する標示(価格、サイズなど)および/または視覚的な窃盗抑止標示(「セキュリティ装置封入」など)、様々な種類の標示が含まれる。たとえば、RFID ICをセキュリティ要素10として使用する場合、プライバシの懸念から購入後に顧客がICを取り除きたい場合に備え、標示には、RFID ICが含まれているという顧客への通知が含まれてもよい。
【0041】
図6Aは本発明20の部分断面図であり、可撓性材料22およびカバー部分22Aが本発明20の前面および背面をどのように形成するかを示している。カバー部分22Aは、セキュリティ要素10の端部の周囲において可撓性材料22に固定されている(たとえば、縫い付けられることによって、熱圧着によってなど)、分離した要素を含んでもよいことを理解されたい。
【0042】
可撓性材料22およびカバー部分22Aが一体に固定される場合、本発明20の前面/背面の寸法は、セキュリティ要素10の寸法より大きい。この結果、本発明20は、保護される対象の物品(図示せず)の周囲にロールまたはループを形成するように巻かれ、対向する端部が互いに重なるように水平にまたは垂直に通され、次いで固定されてよい(たとえば、一体に縫い合わされることによって)。これに代えて、熱圧着処理を使用して永久的な取り付け面26を形成するために、圧着工具を用いてもよい(図2参照)。
【0043】
図7〜図9は、第1実施形態20の別の変形例を示す。図8(第1実施形態20の背面を示す)において、セキュリティ要素10の垂直方向の寸法が可撓性材料22の垂直方向の寸法とほぼ同じであることが分かる。したがって、この場合、可撓性材料22Aは水平軸Hの周りにではなく、垂直軸Vの周りに巻かれる。図7は前面22Aの第1実施形態20の平面図であり、図8は第1実施形態20の背面を示す。図9は可撓性材料/カバー部分22Aの端部と、永久的な取り付け面26との重なりを示す、第1実施形態20の上面図である。上記のように、永久的な取り付け面26が形成される(たとえば縫い合わせによって、または接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、もしくは他の既知の取り付け方法によって)前に、閉じ合わされた対向する端部L1,R1の一方は保護対象物品(図示せず)にループを形成するように巻かれ、次いで他方の対向する端部と重ねられ、取り付け面26が形成されることを理解されたい。
【0044】
[第2実施形態]
上記のように、第2実施形態120は、閉じ合わされた対向する端部L1,R1ではなく、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれる拡張部またはランヤード128を使用する。
【0045】
特に、図10Aには、第2実施形態120の側面図を示す。可撓性材料122は、セキュリティ要素10を挟むカバー部分122Aを形成するように折り返される(B1)が、可撓性材料122は、一体をなす拡張部またはランヤード128を含む。可撓性材料122の側部L1,R1(図10A)は閉じ合わされて、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれたときに拡張部/ランヤード128の自由端127を収容する開口部126を形成する。形成されるのは、拡張部またはランヤード128の自由端127を収容する一種の「ポーチ」、「ポケット」、または「パッケージ」である。開口部126は、次いで、様々な方法を用いて固定されて閉じ合わされるが、好ましいのは熱圧着を使用する方法である。図10Bは、この第2実施形態120の平面図である。
【0046】
第2実施形態および以下に記載する他の変形例は、様々にして形成されてよいことを理解されたい。好ましい方法において、側端部L1,L2(図10B)は、可撓性材料122の側端部とカバー部分122Aの側端部とを一体に接続または融着することによって形成される。下端部B1は折り曲げられた側部であり、可撓性材料122とカバー部分122Aとが鋭角α1をなす(図10A)。得られるのは、3つの閉じ合わされた側部(L1,R1,B1)と1つの開いた側部T1とを含み、開口部126を形成する構造である。拡張部/ランヤード128の自由端がポーチまたはポケットに配置されると、端部T1または端部T1の幾らか下方(たとえば、図18〜図20の参照符号132)において、端部T1を熱圧着により閉じ合わせること、縫い合わせる、または接着により閉じ合わせることができると理解されたい。端部L1,R1については、これらの端部が可撓性材料122の側端部とカバー部分122Aの側端部との熱融着、または超音波切断およびボンディングによって形成されてよいことを理解されたい。
【0047】
これに代えて、L1,R1は可撓性材料122の側端部とカバー部分122Aの側端部とを接着によって封止して形成されてもよい。
別の変形例において、端部B1は折り曲げ部ではなく、やはり接着によって封止される。この状況において、可撓性材料122およびカバー部分122Aは、それぞれの下端部を有する独自の層を含み、それらの下端部が接着によって一体に封止されて、下端部B1を形成する。
【0048】
別の変形例では、可撓性材料122自身の内部にポーチまたはポケットを形成することによって「織られた空洞部(woven cavity)」を形成する。特に、「筒織(tube weaving)」として知られる処理を使用する場合、端部L1,R1,B1は織られた端部となり、T1は開いた端部となる。これによって、セキュリティ要素10の配置を可能とし、拡張部/ランヤード128の自由端を収容するための、一体をなすポーチまたはポケットが形成される。他のすべての実施形態と同様に、開いた端部T1は、次いで、熱圧着、縫い合わせ、または接着剤によって閉じられる。
【0049】
図11Aは、第2の実施形態の一代替例120Aの側面図である。拡張部またはランヤード128Aは可撓性材料122と一体化されておらず、可撓性材料からなる分離した要素であり、セキュリティ要素10を挟む処理時に可撓性材料122(またはカバー部分122A)に対し固定される。拡張部/ランヤード128Aの固定は、様々な処理を用いて行ってよいが、好ましい方法は、図10A〜図10Bに関連して先に説明したように、可撓性材料122(またはカバー部分122A)に拡張部/ランヤード128Aを縫い付け
ることである。これに代えて、熱圧着処理を使用してもよく、この場合、図10A〜図10Bに関連して先に説明したように、開口部126Aが形成されるのと同時にランヤード128Aが可撓性材料122(またはカバー部分122A)に対し付着される。したがって、カバー部分122Aおよび可撓性材料122の上部124A,125Aは一体に固定される(たとえば、縫い合わされることによって、または熱圧着によって)とともに、ランヤード128Aも固定され、ランヤード128Aの自由端127Aを収容するように開口部126Aが形成される。上記のように、形成されるのは、ランヤード128Aの自由端127Aを収容する一種の「ポーチ」または「ポケット」である。自由端127Aは、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれると、ポケットまたはポーチの開口部126Aに挿入され、次いで、この開口部が、たとえば縫い合わされることによって、または熱圧着処理の使用によって固定され閉じられる。図11Bは、この第2実施形態120Aの平面図である。図10A〜図10Bの実施形態と同様、下端部B1は折り曲げられた側部であり、可撓性材料122とカバー部分122Aとが鋭角α2をなす(図11A)。
【0050】
図12〜図14は、第2実施形態の拡張部/ランヤード128(または128A)の変形例を示す。自由端127は保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれ、開口部126を通るように配置される。様々な設計の自由端127では、開口部126を封止したときに閉じ込められるランヤードの表面積がより大きくなる。図12は自由端127の半円状の先端部を含み、図13は尖った自由端127を有するランヤード128を含む。また、図14は短くしたランヤード128を示す。
【0051】
図15〜図17は、第2実施形態120についての、カバー部分122Aを含む、または含まない拡大図である。単に明瞭に示すために、セキュリティ要素10は露出されている。
【0052】
図18は、保護対象物品(図示せず)の周囲に(拡張部/ランヤード128によって)ループ130が形成された第2実施形態120を示す。また、図18は閉じ合わせ部132(たとえば、縫い合わされることによる、または接着剤、熱溶着、圧着、超音波、リベット留め、もしくは他の既知の取り付け方法による)を示す。図19は図18と同様であるが、カバー部分122Aが除去され、単に明瞭に示すためにセキュリティ要素10は露出されている。図20は図19と同様であるが、セキュリティ要素10を部分的に示す。
【0053】
高級品または織物製品に取り付けられるときに本発明の様々な見栄えを提供するために、拡張部/ランヤード128は、可撓性材料122/カバー部分122Aに対し固定されるとき、ポーチまたはポケットに対して角度を有してもよい。たとえば、図21は、一定の角度に配向された拡張部/ランヤード128を示す、第2実施形態120の平面図である。図22は図21と同様であるが、カバー部分122Aは省略されており、図22は図21と同じであるが、セキュリティ要素10を部分的に示す。拡張部/ランヤード128を一定の角度に配向することの利点は、図24〜図26および図27〜図29に示すように、自由端127がポケットまたはポーチに挿入される手法によって、より明確に理解される。図24〜図26において、角度を有する拡張部/ランヤード128によって形成されるループ130Aは、本発明120のラベル側に見られる、台形状のループである。図25〜図26はこのことを表している。このループ130Aが形成される場合、拡張部/ランヤード128の自由端127は紙面外上方に折られ、左方に折られてから、開口部126を通じて下方に折られる。対照的に、図27〜図29では、角度を有する拡張部/ランヤード128によって形成されるループ130Bは、本発明120のラベル側から離れて反対側に形成される台形状のループである。図28〜図29はこのことを表している。このループ130Bが形成される場合、拡張部/ランヤード128の自由端127は紙面外下方に折られ、左方に折られてから、開口部126を通じて下方に折られる。
【0054】
図30〜図35は、2つの拡張部/ランヤードを使用する第2実施形態の別の変形例を示す。これらの拡張部/ランヤードは、可撓性材料122と一体をなす拡張部/ランヤードであってもよく、あるいは可撓性材料122から分離していてもよい。この例では、ループ230は、自由端がポケットまたはポーチ内に取り込まれる1つの拡張部/ランヤードで形成されるのではなく、保護対象物品の周囲にループを形成する2つの拡張部/ランヤードの自由端の接合体である。特に、拡張部/ランヤード228A,228Bは、ポーチまたはポケット内でそれぞれの端部に固定され(一体をなす拡張部ではなく、別個の拡張部を用いる場合)、閉じ合わせ部132が形成される。図30〜図32はこのことを示す。拡張部/ランヤードの自由端227A,227Bは、保護対象物品(図示せず)の周囲に配置され、次いでこれらの自由端が一体に固定される(たとえば、一体に縫い合わされることによって、または熱圧着処理を使用することによってなど)。図33は、第2実施形態のこの変形例の平面図である。図34〜図35に同じ発明を示すが、カバー部分122Aが除去されている。
【0055】
一体をなす拡張部を使用する場合、セキュリティ要素10を隠し、それによって窃盗を行おうとする者に開封させないために、閉じ合わせ部132がなお必要であることを理解されたい。
【0056】
熱圧着処理には、セキュリティ要素10を損傷しないように、局所的な熱(周囲の熱ではなく)を生成する加熱を利用する圧着工具が使用されることを理解されたい。熱圧着処理では、保護対象物品の周囲に本発明のループを固定するために、可撓性材料の、拡張部/ランヤードの自由端とカバー部分とを一体に溶融させる。それらの間には熱活性型接着剤またはアクリル接着剤が使用される。この熱圧着合わせ部の幅は、単なる例として、約1.59mm(1/16インチ)または約0.79mm(1/32インチ)であってよい。
【0057】
幾つかの場合には、織物製品は本発明20/120がループを形成するように巻かれる未完成の構成要素またはループ自体を含んでもよく、次いで織物製品のこの未完成部分が織物製品自体に固定されることを理解されたい。たとえば、未完成の構成要素がベルトループである場合、ループ130または230はベルトループに固定されてもよく、次いでベルトループがズボンのウエスト部分に縫い付けられる、すなわち、固定される。
【0058】
上記のように、本発明は第1実施形態または第2実施形態において、幾つかの異なる変形例、たとえば、拡張アームが所望の通りに物品に吊るされるようにねじられ、すなわち、操作される、拡張アームが所望の通りに物品に吊るされるように所望の外観または影響を有する形状とされる、拡張アームまたはパッケージ自身が幾つかの物品を一体に固定するような一定の長さを有するなどの変形例を含んでよい。様々な実施形態および/または変形例は、所望の外観が得られるように様々な色または材料構成を含んでもよく、次に限定されないが、たとえば装置の性質のために物品を除去する指示(たとえば、「RFID装置が封入されています。必要なら除去してください」、または「RFID装置が封入されています。このラベルを取り外した場合、物品は返却できません」)など所望の情報を含んでもよい。このパッケージングに対して他の指示も意図される。
【0059】
また、圧着特性もしくは熱溶着特性を増加させるように、または本発明を取り付けた物品からの本発明の外れ易さを低減すべくパッケージが強化されるように、本発明は、パッケージ固定時の接続特性を増加させる追加の材料で構成されてもよい。同じ特性が、本発明の本体において、および/または1つ以上の物品の周囲にループを形成するように巻かれる拡張部/ランヤードにおいて用いられることが意図される。
【0060】
また上記のとおり、拡張部またはランヤードは、パッケージ本体において使用されるのと同じ織布材料の一部であってもよく、分離した布の部分であってもよい。またパッケージ本体と異なる材料であってもよい。材料の拡張部またはランヤードは、本体に縫い付けられることによって、または接着剤によって、超音波ボンディングによって、装置の特性(たとえば、装置上の粘着性)を使用することによって、圧着、リベット留め、もしくは他の既知の取り付け方法によって、パッケージ本体に取り付けられてもよい。
【0061】
本発明は、1つ以上の物品に装置を保持する非破壊性のパッケージを取り付けるための手段を提供する。この手段によって、装置は効率的に取り付けられ、物品に永久的に取り付けられるのではなく、指示またはブランド情報を含み、製造元で取り付けられ、流通時に取り付けられ、小売店その他、サプライチェーンに沿った任意の場所において取り付けられることができる。本発明は、消費者によって物品から取り外されることが意図される。
【0062】
上記発明のいずれかがループを形成するように巻かれるなど織物製品に関連付けられる前に顧客に提供される場合、拡張部/ランヤードの自由端は輸送中、ポーチまたはポケット内に一時的に配置されていてもよい。これによって、輸送中、拡張部/ランヤードが保護される。したがって、単なる例として、拡張部/ランヤード128(図8)の自由端および大半の部分は、輸送中、開口部126内に配置される。着荷時、拡張部/ランヤード128の自由端は開口部126から取り除かれ、上記のように、保護対象物品の周囲にループを形成するように巻かれ、固定される(たとえば、縫い付けまたは熱圧着処理によって)。
【0063】
特定の例に関連して本発明について詳細に記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更および修正がなされ得ることは、当業者には明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品への結合用に適合されたセキュリティタグにおいて、
1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素と、
前記セキュリティ要素の配置された可撓性材料であって、前記可撓性材料の寸法は前記セキュリティ要素の寸法より大きく、前記可撓性材料は折り曲げられた上端部および下端部を有し、前記可撓性材料は、互いに重なり合って前記物品の周囲にループを形成することの可能な、前記上端部および下端部に交わる閉じ合わされた対向する端部を有し、前記対向する端部は互いに堅固に固定されている、前記可撓性材料と、を含む、セキュリティタグ。
【請求項2】
前記対向する端部を互いに堅固に固定するための閉じ合わせ部を更に含む、請求項1に記載のセキュリティタグ。
【請求項3】
物品への結合用に適合されたセキュリティタグにおいて、
1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素と、
内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、前記セキュリティ要素の配置された可撓性材料であって、前記可撓性材料は自由端を有する拡張部を更に含み、前記拡張部によって前記物品の周囲にループが形成され、前記自由端は前記可撓性材料の前記ポケットまたはポーチ内に堅固に固定されている、前記可撓性材料と、を含む、セキュリティタグ。
【請求項4】
前記拡張部のループを形成する自由端を前記ポケットまたはポーチ内に堅固に固定するための閉じ合わせ部を更に含む、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項5】
前記拡張部は可撓性材料と一体の部分を含む、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項6】
前記ポーチまたはポケットは、折り曲げられ、側部が閉じ合わされた可撓性材料によって形成されている、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項7】
前記ポーチまたはポケットはカバー部分によって形成されており、前記カバー部分は前記セキュリティ要素を覆うとともに、前記カバー部分と前記可撓性材料との間に前記セキュリティ要素を挟んでおり、3つの側部に沿って前記可撓性材料に対し固定されている、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項8】
前記拡張部は、ポーチまたはポケット内に配置された第1端部を有する別個の要素である、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項9】
物品への結合用に適合されたセキュリティタグにおいて、
1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素と、
内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、前記セキュリティ要素の配置された可撓性材料であって、前記可撓性材料は自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの拡張部を更に含み、前記拡張部によって前記物品の周囲にループが形成され、前記自由端は一体に堅固に固定される、前記可撓性材料と、を含む、セキュリティタグ。
【請求項10】
前記ポケットまたはポーチを堅固に固定して閉じ合わせるための閉じ合わせ部を更に含む、請求項9に記載のセキュリティタグ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの拡張部は、基部と一体の部分を含む、請求項10に記載のセキュリティタグ。
【請求項12】
物品にセキュリティタグを取り付けるための方法において、
可撓性材料内にセキュリティ要素を封入する工程であって、前記可撓性材料の寸法は、その周囲において前記セキュリティ要素の寸法より大きい、前記工程と;
前記可撓性材料の対向する端部が互いの一部に重なるように、前記物品の周囲に前記可撓性材料を通す工程と;
前記可撓性材料の前記対向する端部を一体に堅固に固定する工程と、を含む方法。
【請求項13】
物品にセキュリティタグを取り付けるための方法において、
可撓性材料からなるポーチまたはポケットを形成する形成工程と;
前記ポーチまたはポケット内にセキュリティ要素を配置する配置工程と;
前記可撓性材料からなる、自由端を有する拡張部を形成する拡張部形成工程と;
前記拡張部によって前記物品の周囲にループを形成するループ形成工程と;
前記ポーチまたはポケット内に前記拡張部の自由端を堅固に固定する自由端固定工程と、を含む方法。
【請求項14】
前記拡張部形成工程は、前記ポケットまたはポーチ内に前記拡張部の第1端部を固定する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ループ形成工程は、基部に前記拡張部の自由端を堅固に固定する前に前記拡張部を折り曲げるまたはねじる工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
物品にセキュリティタグを取り付けるための方法において、
可撓性材料からなるポーチまたはポケットを形成する形成工程と;
前記ポーチまたはポケット内にセキュリティ要素を配置する配置工程と;
可撓性材料からなる、自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの拡張部を形成する拡張部形成工程と;
前記ポーチまたはポケットを固定して閉じる固定工程と;
前記拡張部によって前記物品の周囲にループを形成するループ形成工程と;
前記拡張部の自由端を一体に堅固に固定する工程と、を含む方法。
【請求項17】
前記拡張部形成工程は、前記ポーチまたはポケット内に配置されている第1端部を有する複数の別個の拡張部を使用する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項1】
物品への結合用に適合されたセキュリティタグにおいて、
1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素と、
前記セキュリティ要素の配置された可撓性材料であって、前記可撓性材料の寸法は前記セキュリティ要素の寸法より大きく、前記可撓性材料は折り曲げられた上端部および下端部を有し、前記可撓性材料は、互いに重なり合って前記物品の周囲にループを形成することの可能な、前記上端部および下端部に交わる閉じ合わされた対向する端部を有し、前記対向する端部は互いに堅固に固定されている、前記可撓性材料と、を含む、セキュリティタグ。
【請求項2】
前記対向する端部を互いに堅固に固定するための閉じ合わせ部を更に含む、請求項1に記載のセキュリティタグ。
【請求項3】
物品への結合用に適合されたセキュリティタグにおいて、
1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素と、
内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、前記セキュリティ要素の配置された可撓性材料であって、前記可撓性材料は自由端を有する拡張部を更に含み、前記拡張部によって前記物品の周囲にループが形成され、前記自由端は前記可撓性材料の前記ポケットまたはポーチ内に堅固に固定されている、前記可撓性材料と、を含む、セキュリティタグ。
【請求項4】
前記拡張部のループを形成する自由端を前記ポケットまたはポーチ内に堅固に固定するための閉じ合わせ部を更に含む、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項5】
前記拡張部は可撓性材料と一体の部分を含む、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項6】
前記ポーチまたはポケットは、折り曲げられ、側部が閉じ合わされた可撓性材料によって形成されている、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項7】
前記ポーチまたはポケットはカバー部分によって形成されており、前記カバー部分は前記セキュリティ要素を覆うとともに、前記カバー部分と前記可撓性材料との間に前記セキュリティ要素を挟んでおり、3つの側部に沿って前記可撓性材料に対し固定されている、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項8】
前記拡張部は、ポーチまたはポケット内に配置された第1端部を有する別個の要素である、請求項3に記載のセキュリティタグ。
【請求項9】
物品への結合用に適合されたセキュリティタグにおいて、
1つ以上の特定の周波数の磁場または電磁場に応答する少なくとも1つのセキュリティ要素と、
内部に形成されたポケットまたはポーチを有し、前記セキュリティ要素の配置された可撓性材料であって、前記可撓性材料は自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの拡張部を更に含み、前記拡張部によって前記物品の周囲にループが形成され、前記自由端は一体に堅固に固定される、前記可撓性材料と、を含む、セキュリティタグ。
【請求項10】
前記ポケットまたはポーチを堅固に固定して閉じ合わせるための閉じ合わせ部を更に含む、請求項9に記載のセキュリティタグ。
【請求項11】
前記少なくとも2つの拡張部は、基部と一体の部分を含む、請求項10に記載のセキュリティタグ。
【請求項12】
物品にセキュリティタグを取り付けるための方法において、
可撓性材料内にセキュリティ要素を封入する工程であって、前記可撓性材料の寸法は、その周囲において前記セキュリティ要素の寸法より大きい、前記工程と;
前記可撓性材料の対向する端部が互いの一部に重なるように、前記物品の周囲に前記可撓性材料を通す工程と;
前記可撓性材料の前記対向する端部を一体に堅固に固定する工程と、を含む方法。
【請求項13】
物品にセキュリティタグを取り付けるための方法において、
可撓性材料からなるポーチまたはポケットを形成する形成工程と;
前記ポーチまたはポケット内にセキュリティ要素を配置する配置工程と;
前記可撓性材料からなる、自由端を有する拡張部を形成する拡張部形成工程と;
前記拡張部によって前記物品の周囲にループを形成するループ形成工程と;
前記ポーチまたはポケット内に前記拡張部の自由端を堅固に固定する自由端固定工程と、を含む方法。
【請求項14】
前記拡張部形成工程は、前記ポケットまたはポーチ内に前記拡張部の第1端部を固定する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ループ形成工程は、基部に前記拡張部の自由端を堅固に固定する前に前記拡張部を折り曲げるまたはねじる工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
物品にセキュリティタグを取り付けるための方法において、
可撓性材料からなるポーチまたはポケットを形成する形成工程と;
前記ポーチまたはポケット内にセキュリティ要素を配置する配置工程と;
可撓性材料からなる、自由端をそれぞれ有する少なくとも2つの拡張部を形成する拡張部形成工程と;
前記ポーチまたはポケットを固定して閉じる固定工程と;
前記拡張部によって前記物品の周囲にループを形成するループ形成工程と;
前記拡張部の自由端を一体に堅固に固定する工程と、を含む方法。
【請求項17】
前記拡張部形成工程は、前記ポーチまたはポケット内に配置されている第1端部を有する複数の別個の拡張部を使用する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公表番号】特表2011−504264(P2011−504264A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533205(P2010−533205)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/082457
【国際公開番号】WO2009/061801
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(396026846)チエツクポイント システムズ, インコーポレーテツド (47)
【出願人】(510124423)
【氏名又は名称原語表記】BLECKMANN,Frederick A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/082457
【国際公開番号】WO2009/061801
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(396026846)チエツクポイント システムズ, インコーポレーテツド (47)
【出願人】(510124423)
【氏名又は名称原語表記】BLECKMANN,Frederick A.
【Fターム(参考)】
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