説明

可逆ハイライト用混合物によるハイライト方法、ハイライト用キット及びハイライトされた複合体

有色顔料と、色消し可能染料と、非色消し可能染料とを含むインクのようなハイライト可能混合物;該ハイライト可能混合物とインク消し流体とを備えるキット;ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体及びメチン染料よりなる群から選択される無色の又は実質的に無色の色消し可能染料と含む着色剤複合体;及びハイライト可能混合物で作成されたマーキングの少なくとも一部分に色消し剤を塗布する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2003年10月7日に出願された米国特許出願第10/680,362号の一部継続出願である、2004年10月1日に出願された米国特許出願第10/956,584号の一部継続出願である。これらの開示は、引用によって援用するものとする。
【0002】
背景
技術分野
本発明は、概して、色変化用組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の簡単な説明
インクのような消色性混合物系は、一般に、2つの成分を含む。一つ目の成分は、亜硫酸塩還元剤、アミン又はヒドロキシドのような他の塩基性化合物などの物質と接触したときに実質的に無色にすることができる染料(典型的にはトリアリールメタン)を含む水性混合物である。2番目の成分は、該染料を実質的に無色の形に変換させることができる相補的な物質を含む水性インク消し流体である。例えば、使用者は、消色性インクを使って書き、そして、もし訂正が必要ならば、該インク消し流体をこのインクマーキングに塗って染料を脱色させる。
【0004】
マーキングの強調(ハイライティング)は、通常、基材(例えば紙)上にインクで作成された一定のマーキングの上に塗られる蛍光インクを使用して実行される。典型的な蛍光ハイライト用インクは、使用者が該ハイライト用インクを塗布してもなお、マーカーで作成された蛍光インクマーキングの下にある一定のインクマーキングを視認することができるように半透明の特性を有している。この方法は、一定のインクマーキングをハイライトするのに役立つが、一定のインクマーキングのない基材の領域をハイライトするといった望ましくない効果も有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概略
本発明の一態様は、水と、顔料と、消色性染料とを含む混合物を基材に塗布してマークを作成し、該マークの少なくとも一部分にインク消し流体を塗布し、そして該マークの少なくとも一部分に酸化剤を塗布する工程を含む、可逆的ハイライト方法である。このようなマークのいずれも揮発性溶媒を含んでいなくてよい。
【0006】
本発明の別の態様は、色消しされた染料に酸化剤を塗布して目に見える染料を生じさせる工程を含むハイライト方法を包含する。
【0007】
本発明の別の態様は、ここに記載したハイライト可能混合物と、インク消し流体と、酸化剤とを含むキットである。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、有色顔料と、消色性染料と、インク消し流体と、酸化剤との混合物を含む複合体であり、該複合体は揮発性溶媒を含んでいなくてもよい。
【0009】
本発明のさらなる詳細及び利点は、当業者であれば、次の詳細な説明を添付した特許請求の範囲と共に検討することで明らかになるであろう。該混合物、該混合物の使用方法、該キット及び該複合体は、様々な形の実施形態が可能であるが、以下の説明は、特定の実施形態を包含するものであるが、当該開示は、例示であり、特許請求の範囲をここに記載した特定の実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面の簡単な説明
図1は、紫色の化合物由来のアシッドバイオレット17から実質的に無色(色消しされた)の化合物への変換についての理論的機構を示している。
【0011】
図2は、還元剤によって無色にされたアシッドバイオレット17から着色状態への変換についての理論的機構を示している。
【0012】
詳細な説明
インクのマーキングと色消しの方法は、次の2段階で進めることができる:第1段階は、消色性インクによる基材(例えば、紙)のマーキングであり、第2段階は、該マーキングへの色消し溶液の塗布である。消色性インク用の典型的な処方物は、色消しされることのできる染料(例えば、トリアリールメタン染料)を溶解させるための溶媒(例えば、水)を含む。該色消し溶液は、化学的方法によって、補色性有色染料を実質的に無色の化合物に変換させるインク消し又は基材の色に調和させる色(例えば、白い紙に対して白色)を有する。このような化合物としては、酸化剤、還元剤、酸−塩基反応剤及び熱の作用下で昇華し得る化学物質が挙げられる。いかなる特定の色消し方法にも限定することを意図するものではないが、トリアリールメタン染料について、例えば、その活性な有色染料は、該分子中の芳香環の共役のため、可視域(380nm〜780nmの間)で色を反射することができるが、いったん還元剤(例えば、亜硫酸ナトリウム)を該トリアリールメタン染料に加えると、該還元剤は、そのsp2炭素中心(図1において「*」で示す)を、該炭素中心の酸化によってsp3炭素に変換させることにより、該共役を破壊するものと考えられる。いったんこの混成変化が生じたら、該染料分子の様々な環の間の共役が失われ、そして該染料分子は無色になる。この提案される方法は、図1においてアシッドバイオレット17について示されている。
【0013】
該インクのこのハイライト可能な性質は、着色化合物からの染料(発色団)を少なくとも実質的に無色に変換させるが、実質的に不溶性の有色顔料に実質的に影響を及ぼさない能力に由来する。上で議論したように、これは、有色顔料と、インク消し(例えば、還元剤、塩基、熱など)に感受性のある染料との組合せで達成できる。インク消しの適用によって少なくとも実質的に無色になることができる染料としては、ジアリールメタン誘導体染料、トリアリールメタン誘導体染料及びメチン誘導体染料が挙げられる。ここに記載したインクで使用するのに好適なジアリール染料としては、オーラミンO(Chemical Index No. 41000)及び塩基性黄2(Chemical Index No. 41000)が挙げられる。着色状態では、ジ−及びトリ−アリールメタン及びメチン染料は、多くの場合、1個以上の陽イオン性イミン基を含有する。以下、トリアリールメタン染料の包括的な構造を式(II):
【化1】

(式中、それぞれのR基は、同一のもの又は異なるものであり、好ましくは、C1〜C10アルキル基から選択される。)
で示す。ここに記載したインクに使用するためのトリアリールメタン染料の網羅的でないリストを以下の表Iに列挙する。
【0014】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0015】
*1:R.D.Lillie,Conn’s Biological Stains(第8版、1969)、ウィリアムズ・アンド・ウィルキンスカンパニー、米国メリーランド州バルチモア;Susan Budavari(著)、The Merck Index、(第12版、1996)、Merck & Co.,Whitehouse Station,N.J参照;また、P.A.Lewis(著)、Pigment Handbook第1巻,Properties and Economics,sections I(D)f(1)及びI(D)g、ジョン・ウィリーアンドソンズ、(第2版、1988);H.Zollinger,Color Chemistry:Syntheses, Properties,and Applications of Organic Dyes And Pigments,Chapter 4、VCHパブリッシャーズ(1987);D.R.Waring及びG.Hallas(著)、The Chemistry and Application of Dyes,Chapter2,Section IX、プレナム・プレス(1990);及びM.Okawara,T.Kitao,T.Hirashima及びM.Matsuoka,Organic Colorants:A Handbook of Data of Selected Dyes for Electro−Optical Applications,Section VI,Elsevier(1988)も参照。これらの開示は参照によって援用するものとする。
【0016】
インクに使用できる別のタイプの染料は、メチン染料群である。該メチン染料は、一般に、1個以上のメチン基発色団(−CH=)を有し、メチリジン又はメチン基とも呼ばれる。該メチン染料が1個のメチン基しか有しない場合には、該染料はシアニン染料と呼ばれることがあり、3個のメチン基の場合には、該染料はカルボシアニン染料と呼ばれることがあり、また、3個以上のメチン基の場合には、該染料は、多くの場合、ポリメチン染料と呼ばれる。メチン染料の例はチアゾールオレンジ:
【化2】

(式中、メチン基を構成する結合は破線で示している。)
である。メチン染料の他の例としては、塩基性赤15、塩基性黄11及び塩基性黄13が挙げられる。メチン染料の包括的なリストについては、F.M.Hamer、ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンド、A.Weissberger(著)、シアニン染料及び関連化合物、Wiley Interscience、ニューヨーク(1964)を参照されたい。
【0017】
特定色のハイライト可能インクを処方するときには、1種の消色性染料又は消色性染料と顔料との混合物の添加によるかどうかにかかわらず、染料の色消し速度が消色性染料を選択する際に考慮すべき事項である。特定の機構に限定することを意図するものではないが、ジアリールメタン、トリアリールメタン及びメチン染料の色消し速度は、混合物(例えば、混合物で作成されたインク又はマーキング)中の該染料の濃度に比例すると考えられる。ここで説明するハイライト可能インクは、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される1種以上の消色性染料を含む。マーキング組成物中において、該染料は、好ましくは、該混合物の総重量の少なくとも約0.01%から約40重量%まで、より好ましくは約0.1%〜約10重量%、例えば約1重量%又は約1.5重量%までの量で存在する。
【0018】
インクに使用するための特定の染料と有色顔料を選択するにあたっては、選択すべき多数の染料及び顔料が存在するため、結果として、異なる色の染料及び顔料を混合してほとんど全ての色のインクを創り出すことができる。ここで説明するハイライト可能インクは、組み合わせると様々な色のインクとなる1種以上の染料及び1種以上の顔料を含むことができる。一実施態様では、染料と顔料とを組み合わせて、色消しされていない状態の色が黒色で且つ色消しされた(ハイライトされた)状態の色が赤色であるインクを与える。少なくとも1種の消色性染料を含むインクを処方する場合には、2つの拮抗する問題点がある。色消し速度と色の強度である。特定の色を創り出すために使用される消色性染料の濃度が増加すると、色の強度が増加するであろうが、しかし、上で議論したように、この染料の濃度が増加すると、該染料の色を消すために必要な時間も増加する。ここに記載したインク染料については、該混合物の総重量に基づき、少なくとも約0.1%から約40重量%までの量の染料濃度が、これらの問題点のバランスをとるための好ましい濃度であることが分かった。
【0019】
ここで説明するインクは、多孔質又は非多孔質基材上で使用できる。非多孔質基材の例としては、ガラス、セラミック、磁器、プラスチック、金属、光沢のある紙及び厚紙その他のハードボード材料のような他の非多孔質紙が挙げられるが、これらに限定されない。実質的に不溶性の顔料を消色性染料とともに使用すると、色消し中にインクのにじみが起こらなくなることが分かった。にじみの減少について特定の機構に限定することを意図するものではないが、実質的に不溶性の顔料を紙のような多孔質基材に塗布すると、この顔料は、インク消し(例えば、水性インク消し)によって再度溶解されず、且つ、該基材の細孔中に配置されることによってにじみがさらに防止され、それによってインク消し溶液による影響が少なくなるものと考えられる。或いは、着色剤(例えば、顔料)を基材に結合させる結合剤の使用によっても同様の効果が達成でき、それによって該着色剤が色消し溶液によって受ける影響を小さくすることも可能である。好ましいインクは、1種以上の有色顔料及び1種以上の消色性染料を含む。
【0020】
該色消し溶液は、好ましくは、主溶媒としての水又は有機溶媒、インク消し、例えば、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム)、亜硫酸水素塩又はアミン(例えば、グリシン酸ナトリウム)であって影響を受けやすい染料の色を失わせることができるもの(例えば、トリアリールメタン染料)又は色を変化させることができるもの及びフィルム形成性重合体を含む。ここに記載したインクに好適なインク消し溶液は、亜硫酸塩及び活性色消し剤としてのアミンの両方を含む市販のインク消し溶液である(フランス国バレンスのサンフォードレイノルズから入手できる)。
【0021】
非常に驚くべきことに、色消しされた混合物(又は該混合物で作成され、その後色消しされたマーキングの少なくとも一部分)に酸化剤を塗布すると、その色消しプロセスを逆転させることができることが分かった。この色消しプロセスの可逆的な性質は、実質的に無色の色消しされた染料を実質的にその元の色に戻すことを可能にする。この逆転システムは、ハイライト可能混合物及び/又は消色性混合物で作成されたマーキングの意図的でない色消しのようなハイライトミス又は色消しミスを訂正するための機構として使用できることが予期される。この色消しを逆転させる任意の特定の方法に限定することを意図するものではないが、トリアリールメタン染料については、例えば、その活性な有色染料が該分子の芳香環の共役のため可視域(380nm〜780nmの間)で色を反射させることができるが、いったん還元剤(例えば、亜硫酸ナトリウム)がこのトリアリールメタン染料に加えられたら、該還元剤は、そのsp2炭素中心(図2において「*」で示す)を、該炭素中心を酸化させることでsp3炭素に変化させることによって該共役を破壊するものと考えられる。一度この混成の変化が生じたら、該染料の様々な環の間の共役が失われ、そして該染料は少なくとも実質的に無色になる。該酸化剤がこの実質的に無色の染料のsp3炭素から電子を受け取って、該染料の芳香環と共役することになるsp2炭素中心に戻るときにこのプロセスの逆転が起こり、そして可視域において色を反射させることができると考えられる。この提案されたプロセスを図2においてアシッドバイオレット17について示している。色消しの完全な逆転のためには、該酸化剤は、該混合物(又は該混合物で作成されたマーキング)中に残されたいかなる残余のインク消しも中和することができなければならない。
【0022】
ここで説明する可逆色消し系に使用するためのインク消し溶液の選択肢は、sp2炭素中心からsp3炭素中心へのこの理論的変化に影響を及ぼすことができ且つ酸化剤を加えるとsp2炭素中心に戻ることができる化合物から選択される。好ましくは、インク消し流体は、還元剤を含み、且つ、硫黄含有還元剤、塩基性還元剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される。また、硫黄系還元剤インク消し(例えば、亜硫酸ナトリウム)を使用すると、この色消しプロセスの可逆性は特に容易になることも分かった。従って、還元剤インク消し、より好ましくは硫黄系還元剤(例えば、亜硫酸ナトリウム)は、好ましくは、消色性混合物を色消しさせるために使用される。さらに好ましくは、硫黄系インク消しは、亜硫酸塩還元剤(例えば、亜硫酸ナトリウム)、亜硫酸水素塩還元剤、メタ亜硫酸塩還元剤、チオ亜硫酸塩還元剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される。
【0023】
消色性染料をその実質的に無色の状態からその実質的に着色された状態に逆転させることは、色消しされた混合物又はここで説明した混合物で作成されたマーキングに酸化剤を加えることによって実行でき、それで色消しできる。酸化剤は、他の何らかの種を酸化させたり電子を失わせたりする物質である。酸化プロセスが起こるためには、該酸化剤は還元を受けなければならず、そして、該酸化剤と無色染料との相対的な酸化強度及び還元強度を利用して、所定の種について酸化が起こりやすいかどうかを予測することができる。ここで使用する消色性染料について、還元される(即ち、電子を失う)ための薬剤は、sp3炭素陽イオンである。このような炭素陽イオンの例は、以下に示す色消しされたアシッドバイオレット17(該sp3炭素陽イオンは「*」で示されている)である。
【化3】

【0024】
色消しの逆転を完全に達成するためには、混合物(又は該混合物で作成されたマーキング)中のいかなる残余のインク消しも酸化剤によって中和すべきである。従って、ここで説明した可逆的色消しに使用される酸化剤は、インク消しについての還元能力と比較して、ネットで負のギブズ自由エネルギー(ΔG)を生じさせる還元部分を有する。該酸性酸化剤は、強酸若しくは弱酸又はそれらの組合せであることができる。また、該酸性酸化剤は、一塩基酸、二塩基酸、三塩基酸、四塩基酸及びそれらの組合せよりなる群から選択されることもできる。好ましくは、使用される酸化剤は酸であり、且つ、無機酸、有機酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、該無機酸は、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、硝酸、硫酸、炭酸、クロム酸、燐酸、亜燐酸、ホスホン酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、有機酸は、安息香酸、乳酸、酢酸、プロパン酸、アセト酢酸、クロトン酸、蟻酸、グリコール酸、グリオキシル酸、乳酸、ピルビン酸、トランスアコニット酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アセチレンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メサコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イタコン酸、トランスエチレンオキシドジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、置換燐酸、置換亜燐酸、クエン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、2−カルボキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ホスホン酸、置換ホスホン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸、2−ホスホノエチルイミノ二酢酸、ジエチレン四酢酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される。該酸化剤は、好ましくは水に混和性又は可溶性であり、該酸化剤は、好ましくは水性混合物である。
【0025】
また、色消しは、強い求核性の種を添加することによって逆転できることも分かった。特定の機構に限定することを意図するものではないが、強い求核性の種が色消しされた染料の炭素陽イオンに結合し、そしてこの結合によって、該炭素陽イオンでの求核種による攻撃と、再度共役した消色性有色染料の形成とに至るものと考えられる。従って、ここで説明した消色性反応は、好ましくは、消色性混合物又は消色性混合物で作成されたマーキングに求核試薬を加えることによって逆転する。より好ましくは、該求核試薬はアルコキシドである。
【0026】
インクで可逆的にハイライトする方法は、インク混合物中の(複数の)消色性染料をインク消しで色消しすることから始まる。しかしながら、該有色顔料は、該インク消しに実施的に影響を受けず、且つ、該インクの色に寄与し続ける。ここで説明するハイライト可能インクは、3つの異なる着色状態を有することができる。第1の状態は、色消しされていない状態として説明でき、この場合、該インク(又は該インクで作成されたマーキングの少なくとも一部分)は、インク消しとは接触していない。色の第2の状態は、色消しされた(ハイライトされた)状態として説明でき、この場合、該インク(又は該インクで作成されたマーキングの少なくとも一部分)はインク消しと接触しており、しかも該インクは、好ましくは人の目で知覚できるほど十分に色が変化している。色の第3の状態は、色の逆転状態として説明でき、この場合、その混合物(又はマーク)の色は、顔料と、実質的に無色から実質的にその元の色消しされていない色に変換された消色性染料とからの寄与を受けている。完全に逆転したときに、この色の第3の状態は、第1の状態と同一であり又は第1の状態とは視覚的に区別できない。いったん染料が色消しされたら(該消色性染料が色消しされた状態にある)、該インクの色は、好ましくは、主として該インク混合物中の有色顔料が寄与する色によって決まる。該有色顔料が寄与する色は、少なくとも人の目で認識できる劇的なハイライト効果及び逆転効果を達成するために、その色消しされていない状態のインクの色とは異なることが好ましい。好ましくは、その色消しされていない状態のインクの色は黒色であり、色消しされた状態のインクの色は、赤色、緑色又は青色のいずれかである。
【0027】
ここに記載したインクに使用するための顔料は、有機顔料、無機顔料、天然顔料及び合成顔料を含め、様々な色とタイプをカバーする。好ましい顔料は、水性媒体に実質的に不溶であり、且つ、インク溶液に分散する粒状材料である。通常、顔料は化学的に不活性であり、非毒性であり、しかも熱及び光に安定である。ここで説明したインクに使用するための顔料の網羅的でないリストを以下の表IIに列挙する。
【0028】
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【0029】
特定の色のインクを製造するためには、インクにおける有色顔料の使用量は、その色消しされていない状態の所望のインクの色を生じさせるために該インク中に存在する染料の量とバランスをとることができる。また、大量の有色顔料を使用すると、基材によっては、該顔料は、溶媒(例えば、水)が蒸発した後に、該基材を過剰に飽和させる可能性がある。過剰飽和が生じる場合にインク消し流体をマーキングに塗布すると、該基材の表面上で該顔料のにじみが生じ得る。従って、該インクは、好ましくは、このにじみ効果が望ましくない場合には、該インク消し溶液の塗布によるにじみを防止するために有効な量を含有する。該有色顔料は、好ましくは、該混合物の総重量の少なくとも約0.01%〜約50重量%まで、より好ましくは少なくとも約0.1%〜約20重量%まで、例えば約3.5%、7%又は10重量%までの量で存在する。
【0030】
インクの色は、主として、消色性染料と、該インクが可視光の特定の波長を反射するようにする有色顔料との組合せによって決まるであろう。異なる色の染料と顔料の混合物は、非常に広範囲にわたる色のインク混合物となることができる。色の選択は、様々な使用量の2種以上の補色や、全3種の原色(赤色、黄色及び青色)を含む混合物で行うことができる。2種の補色を混ぜ合わせると、得られる混合物は灰色となるが、ここで、黒色は灰色の完全に飽和された形である。赤色の補色は緑色であり、橙色の補色は青色であり、黄色の補色は紫色(バイオレット)である。補色を使用するときに、これらの補色ペアは、実際に、3種の原色全てを反映する。例えば、赤色染料と緑色染料とを補色として混ぜ合わせると、これは、緑色が2種の原色の黄色と青色とから構成されるため、赤色と黄色及び青色とを混ぜ合わせたに等しい。別の例では、2種の補色である黄色と紫色との混合物は、紫色が2種の原色の赤色と青色とから構成されるため、赤色と青色とを混ぜ合わせたものに等しい。
【0031】
ここで説明したインクは、随意に、インクににじみ抵抗性と水抵抗性とを与えるために結合剤樹脂を含むことができる。該インクに使用するための結合剤樹脂としては、好ましくは、グリコール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びそれらの共重合体と塩、ポリ酢酸ビニル及びそれらの共重合体と塩、並びにポリアクリル酸及びそれらの共重合体と塩、他のフィルム形成性の水溶性樹脂、並びに前記のものの組合せが挙げられる。該結合剤樹脂は、好ましくは、PVP及びそれらの共重合体、PVA及びそれらの共重合体並びに前記の組合せから選択される。より好ましくは、該結合剤樹脂は、PVP、それらの共重合体及び前記のものの組合せから選択される。
【0032】
また、該結合剤樹脂を使用してインクの粘度を調節することもできる。非常に粘稠なインクが望ましい場合(例えば、cP>10,000)には、大量の結合剤樹脂を使用することによって非常に粘稠なインクが達成されるであろう。使用される結合剤樹脂が所定の重合体(例えば、PVP)である場合には、該樹脂は、広範囲の粘度及び分子量を持つものから選択できる。例えば、PVPは、例えば、様々な粘度及び10,000ダルトン〜1,300,000ダルトンの範囲の分子量で市販されている(ウィスコンシン州ミルウォーキーのオールドリッチ社)。従って、重合体樹脂の分子量に応じて、インクにおける樹脂の使用量及び該インクの全体的な粘度には非常に多くのバリエーションがあり得る。例えば、低分子量のPVPを使用する場合に、該インクは、にじみ抵抗性及び水抵抗性を達成できると共に、低粘度(例えば、約2cP〜約5cP)をなお維持することができる。ここで使用される結合剤樹脂は、好ましくは、該混合物の総重量に基づき、約1重量%〜約80重量%、より好ましくは約5重量%〜約20重量%の範囲の量で存在する。
【0033】
該インクは、好ましくは水性混合物である。水は、好ましくは、該混合物の総重量の約50%〜約95重量%、より好ましくは約60%〜約80重量%の範囲の量で存在する。水は、該染料成分を溶解させるように作用し、且つ、該有色顔料を懸濁したり、また油性インクと比較して様々な材料(例えば、生地)からのインクの洗浄性を改善させたりする溶媒として作用する。
【0034】
水性インクを筆記具又はインクジェットカートリッジのようなデリバリーシステムに使用する場合には、1種以上の有機溶媒を使用して、基材に塗布したときにインクが乾燥するのにかかる時間(乾燥時間)を調節することが好ましい。好ましいデリバリーシステムとしては、筆記具及びインクジェットカートリッジが挙げられる。水と比較すると、有機溶媒は、通常、水よりも早く蒸発するため、水性インクが有機溶媒を含む場合にはその乾燥時間は減少する。インクの乾燥時間を最適化し且つ制御するためには、1種以上の有機溶媒を含むことが必要かもしれない。有機溶媒は、好ましくは、実質的に水に可溶である。好ましくは、有機溶媒は、グリコール、尿素、脂肪アルコール、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、高分子量炭化水素(即ち、12個以上の炭素原子を有する炭化水素)、低分子量炭化水素(即ち、11個以下の炭素原子を有する炭化水素)及びそれらの組合せよりなる群から選択される。より好ましくは、該有機溶媒は、ポリエチレングリコールである。好ましくは、有機溶媒は、使用するならば、典型的な筆記具及びマーキング用途に好適な乾燥時間を達成するために、インク中に、該混合物の総重量を基にして少なくとも約5%〜約30重量%まで、より好ましくは少なくとも約10%〜約20重量%までの量で存在する。
【0035】
有機溶媒として使用するグリコールとしては、グリコールの幅広い3つのカテゴリー:(a)グリコールエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル);(b)グリコールエーテルアセテート(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど);及び(c)グリコールアセテート(例えば、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート及びジエチレングリコールジアセテート)が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、該インクとして、エチレングリコール及びエトキシル化グリコールのようなグリコールを含めて、これら3つのカテゴリーの一つに包含されない他のグリコールを挙げることができる。グリコールは、インク組成物において、好ましくは、該混合物の総重量に基づき約10%〜約20重量%の範囲の量で使用できる。
【0036】
有機溶媒として使用するための脂肪アルコールとしては、8〜20個の炭素原子を有するアルコール及び1〜3モル当量のエチレンオキシドでエトキシル化された脂肪アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪アルコール及びエトキシル化脂肪アルコールの例としては、ベヘニルアルコール、カプリルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、イソセチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、獣脂アルコール、ステアレス−2、セテス−1、セテアレス−3及びラウレス−2が挙げられるが、これらに限定されない。追加の好適な脂肪アルコールは、CTFA化粧品成分ハンドブック(第1版)、J.Nikotakis(著)、「The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association」、第28〜45頁(1988)に列挙されている。該文献は参照によって援用するものとする。
【0037】
ここで説明する混合物は、ここで説明したインクの乾燥時間又はキャップオフ時間を減少又は増加させるための1種以上の湿潤剤を含むことができる(例えば、該混合物を筆記具又はインクジェット塗布で処置する場合)。乾燥時間を変更する特定の機構に限定することを意図するものではないが、インクに添加される湿潤剤(通常は有機溶媒)は、インクの揮発性を増大又は減少させ、それによって乾燥時間を減少させ(即ち、該混合物が基材に適用される場合)及び/又はキャップオフ時間を増加させる(即ち、該混合物が筆記具のようなデリバリー装置に配置される場合)ように、該インク混合物の揮発性に寄与する。好ましくは、ここで説明する水性混合物については、該湿潤剤は、水と混和できるように選択され、より好ましくは、水と混和できる有機溶媒である。好ましくは、揮発性有機溶媒は、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、尿素、置換尿素、エーテル、カルボン酸、エステル、アルコール、有機スルフィド、有機スルホキシド、スルホネート、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、エーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル、アミド、スルホキシド、ラクトン及びそれらの組合せよりなる群から選択される。
【0038】
好ましくは、該混合物中の水対該混合物中の有機物(例えば、有機溶媒及び/又は湿潤剤)の比は、該混合物の総重量に基づき、重量で約100:0〜約30:70、より好ましくは約97:3〜約50:50の範囲にある。
【0039】
所定の液体が表面(例えば、紙)上で効果的に湿り、そして広がるためには、該液体の表面張力は、該表面の表面張力よりも小さくなければならない。また、該混合物の表面張力を改変させるために有機溶媒を選択して様々な表面を湿らせるのに十分な表面張力を有する混合物を創作することできる。該混合物としては、好ましくは、該混合物の表面張力を改変させるためのグリコール、より好ましくはポリエチレングリコールが挙げられる。
【0040】
ここに記載したインクにおいて、緑色は、いずれか2種の補色(例えば、緑色−赤色又は黄色−マゼンタ)の染料と顔料の組合せを混合することによって又は全3種の原色(赤色、黄色及び青色)の組合せを有する染料/顔料によって達成できる。深緑色のインクは、好ましくは、緑色染料と、赤色顔料、紫色顔料及びそれらの組合せよりなる群から選択される顔料との組合せから形成される。好ましい組合せは、緑色染料と赤色顔料であり、また、好ましい組合せは、塩基性緑4と赤色顔料、又は赤色顔料の分散液を形成させるように組み合わせた顔料の組合せである。好ましい赤色顔料分散液は、米国ノースカロライナ州シャーロットのBASF社から入手できるLUCONYL3855である。
【0041】
2種以上の色を組み合わせて所望の色のインクとする場合に、所望の色(例えば、黒色)は、たとえ別の色(例えば、赤みがかった色)の基調色が知覚できる可能性があったとしても、達成できると考えられる。例えば、黒色のインクは、赤色又は緑の基調色を有することができること、及びこれはなお黒色インクとみなされると考えられる。
【0042】
緑色の消色性染料と紫色及び/又は赤色染料との組合せを混ぜ合わせて緑色のハイライト可能インクを形成できることが分かった。ここで説明したインクの一実施形態は、所定の有色顔料と、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される1種以上の染料との1種以上の混合物を含む緑色のハイライト可能インクであるが、ここで、該染料と顔料の混合物は、色が緑色に見える。
【0043】
緑色の消色性染料は、好ましくは、アシッドグリーン、アシッドグリーン5、塩基性緑4、ダイヤモンドグリーンB、エチルグリーン、ファーストグリーンFcf、フードグリーン3、ライトグリーン、リザミングリーンSf、マラカイトグリーン、メチルグリーン、ビクトリアグリーンB及びそれらの組合せよりなる群から選択され、より好ましくは、該緑色染料は、塩基性緑3、塩基性緑4及びそれらの組合せから選択される。好ましくは、赤色染料は、塩基性赤9、塩基性赤14、塩基性赤15、塩基性赤29、塩基性赤46及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、紫色染料は、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット19、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫4、塩基性紫14、クロムバイオレットCg、クリスタルバイオレット、エチルバイオレット、ゲンチアナ紫、ホフマン紫、メチルバイオレット、メチルバイオレット2b、メチルバイオレット10b、モルダントバイオレット39及びそれらの組合せよりなる群から選択される。黄色のインクを形成させるためには、黄色染料は、好ましくは、塩基性黄11、塩基性黄13、塩基性黄21、塩基性黄28、塩基性黄29、塩基性黄40、塩基性黄49、塩基性黄291及びそれらの組合せよりなる群から選択される。
【0044】
好ましくは、ここで説明する混合物は色が黒色である。非常に驚くべきことに、顔料と消色性染料とを含む該混合物に1種以上の非消色性染料を添加すると、黒色ハイライト可能組成物における黒色の深みが改善し、またハイライトされていない混合物とハイライトされた混合物との間のコントラストが改善することが分かった。従って、ここで説明する混合物は、好ましくは非消色性染料を含む。
【0045】
青色、赤色、紫色、黄色及び/又は橙色の非消色性染料を添加すると、ここで説明する黒色混合物における黒色の深みが改善することが分かった。従って、一実施形態では、非消色性染料は、ここで説明する混合物中に存在し、且つ、好ましくは、青色非消色性染料、赤色非消色性染料、紫色非消色性染料、黄色非消色性染料、橙色非消色性染料及び前記のものの組合せから選択される。好ましくは、青色非消色性染料は、アシッドブルー1、アシッドブルー104、アシッドブルー182、アシッドブルー204、アシッドブルー74、アシッドブルー9、アシッドブルー90、塩基性青1、塩基性青7、塩基性青9、塩基性青33、ダイレクトブルー199、ダイレクトブルー281、ディスパースブルー73、リアクティブブルー19、リアクティブブルー21及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、赤色非消色性染料は、アシッドレッド18、アシッドレッド249、アシッドレッド52、アシッドレッド87、アシッドレッド92、塩基性赤22、塩基性赤28、塩基性赤46、ダイレクトレッド236、ダイレクトレッド252及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、紫色非消色性染料は、アシッドバイオレット12、アシッドバイオレット126、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット49、塩基性紫1、塩基性紫10、塩基性紫3及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、黄色非消色性染料は、アシッドイエロー17、アシッドイエロー118、アシッドイエロー23、アシッドイエロー3、アシッドイエロー32、アシッドイエロー36、塩基性黄21、塩基性黄28、塩基性黄37、塩基性黄40、塩基性黄49、塩基性黄291及びそれらの組合せよりなる群から選択される。好ましくは、橙色非消色性染料は、アシッドオレンジ10、リアクティブオレンジ16及びそれらの組合せよりなる群から選択される。
【0046】
ここで説明した混合物、方法及びキットの一実施形態は、水と、有色顔料と、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される消色性染料とを含む混合物を基材に塗布してマークを作成し、該マークにインク消し流体を塗布し、そして該マークに酸化剤を塗布する工程を含む、可逆的ハイライト方法である。
【0047】
また、目的とするものは、水と、有色顔料と、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される消色性染料と、インク消し溶液と、酸化剤とを含む混合物を備えたキットである。混合物、インク消し流体及び酸化剤のそれぞれを使いやすさのために筆記具(例えば、ペン)に配置したり、塗り道具、ボトルのいらないインク溶液、スタンプ台などのような別の塗布器の形で供給したりすることができる。好ましくは、ここで説明する混合物は筆記具に配置され、しかも該筆記具は、例えば、ボールペン、押出プラスチック多孔質チップペン又はマーカーである。
【0048】
ある用途では、ここで説明するハイライト可能インク混合物を基材に塗布した後に、該混合物中に存在する揮発性溶媒(例えば、水)は、少なくとも実質的に蒸発するであろう。色消し中に、インク消し流体中に存在する揮発性溶媒(例えば、水)は、該インク消しを該混合物に塗布した後に少なくとも実質的に蒸発するであろう。同様に、溶媒中に存在する酸化剤を混合物又はそれによって作成されたマーキングに塗布するときに、酸化剤中に存在する揮発性溶媒は蒸発し、その結果、混合物の成分(例えば、有色の消色性染料及び有色顔料)及び酸化剤と共に色消し剤(例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩)が残るであろう。従って、本発明の別の態様は、揮発性溶媒が実質的に又は完全に蒸発した後の、ここで説明する混合物とインク消し流体及び酸化剤との着色複合体である。このハイライトされた複合体は、 ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される有色の(即ち、実質的には色消しされていない)消色性染料と、有色顔料と、インク消し(例えば、還元剤)と、酸化剤(例えば、無機酸及び/又は有機酸)と、ここで説明した任意の添加剤とを含む。他の有用な実施形態では、ここで説明した薬剤及び/又は混合物を、反応媒体(例えば、溶媒)が変化しにくい(例えば、蒸発しない)条件下で該媒体(例えば、溶媒)の存在下に混合することができる。
【0049】
ここで説明した混合物のハイライト効果又は色変化効果は、該混合物中に存在する顔料の色が色消し溶液によって実質的に影響を受けないときに最もよく達成される。顔料の色が色消し溶液によって実質的に影響を受けない場合に、該顔料の色は、色消しされた染料と、顔料と、色消し溶液との混合物によって創り出される複合体の全体的な色(これは、該色消し溶液を該混合物に加えたときに創り出される)に寄与する。従って、好ましくは、ここで説明する混合物中に存在する有色顔料の色は、還元剤、酸化剤及び該混合物のpH変化のうちの一つ以上によっては実質的に影響を受けない。
【0050】
ここで説明する混合物をインクとして使用して様々な基材(例えば、紙)上にマーキングを作成することができる。インクにおいて、所定の界面活性剤を使用して基材(例えば、紙)によるインクの吸収を改善させることができ、また、フィルム形成剤を使用して、得られたマークの基材に対する付着性を改善させることができる。従って、ここで説明する混合物は、pH緩衝剤、界面活性剤、殺生物剤、防せい剤、金属イオン封鎖剤、クラスト防止剤、レオロジー制御剤、結合剤樹脂、フィルム形成剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される1種以上の添加剤を、様々な用途のインクに従来使用されている量及び割合で含むことができる。
【0051】
ここで説明する混合物は、インクジェット塗布のようなデリバリーシステムに使用できる。該混合物は、自宅用−オフィス用インクジェットシステム(例えば、ヒューレット・パッカード製インクジェットプリンターカートリッジ)並びに商業的及び工業的インクジェット塗布に使用できる。ここで説明した混合物と共に使用するためのインクジェットプリンターとしては、印刷媒体上又は再循環用の側溝の中での連続的なインクジェット液滴流れの方向を、予め荷電したインクジェット液滴に電場を加えることによって偏向させ且つ制御する連続インクジェットプリンター技術を使用するもの及びインクの液滴を媒体上に印刷することが必要な場合にのみ該液滴を噴出するドロップオンデマンドインクジェット技術(例えば、圧電インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッド)を使用するものが挙げられる。好ましいデリバリーシステムとしては、圧電インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッドが挙げれる。
【0052】
ここで説明する混合物は、該混合物を基材に塗布すること(例えば、インクとして)を伴わない用途を含めて、多数の用途に使用できる。従って、ここで説明する混合物は、ハイライト効果又は色変化効果の原位置として機能する基材とともに又はそれなしで使用できる。例えば、ここで説明する混合物は、混合物と色消し溶液とを液相中で混合して該色消し溶液と該混合物とが接触するときに該混合物に色の変化を生じさせる用途に使用できる。別の例では、ここで説明する水性混合物は、液相中で、非水性インク消し溶液と組み合わせることができる。この場合、これは、該混合物のハイライト効果又は色変化効果がこれら2種の溶液の二相の界面で生じる二相混合物を生じさせる。
【実施例】
【0053】

次の例は、本発明を例示するために与えるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0054】
例1
ハイライト可能インクを、以下の表IIIに示した成分と量で調製した。
【表3】

【0055】
プロピレングリコール(米国ニュージャージー州ギブスタウンのEMサイエンス社から入手できる)を室温で水に添加し、そして均質な粒状物のない溶液が形成されるまで混合した。次いで、塩基性緑4染料をこの溶液に添加し、そして該溶液を該染料が完全に溶解するまで混合した。次いで、顔料を添加し、そして該溶液を均質な溶液が形成されるまで1時間混合した。
【0056】
次いで、得られたインクをSHARPIEマーカーに入れ、そして白色の紙のシートに塗布して該基材に塗布したインクの色を決定した。該インクは深緑色であることが観察された。
上記のように、ここで説明したインクをハイライトするのにかかる時間の長さに対する大きな寄与因子は、該インク中に存在する消色性染料の重量パーセントに比例すると考えられる。従って、該インクを紙の白色シートに塗布した後に、その色消し時間をフランス国バレンスのサンフォードレイノールズ社から入手できる市販のインク消し溶液と共に試験した。該色消し溶液をマーキングに塗布したところ、該マーキングは深緑色から赤色に色が変化し、そしてこの変化には、およそ5秒かかった。
【0057】
例2
2種のハイライト可能インク混合物を以下の表IVに特定した成分と量で調製した。
【0058】
【表4】

【0059】
プロピレングリコール(米国ニュージャージー州ギブスタウンのEMサイエンス社から入手できる)を室温で水に添加し、そして均質な粒状物のない溶液が形成されるまで混合した。次いで、処方物1に対して消色性染料(SPECTRACIDブラック(米国ニュージャージー州カーニーのスペクトラカラーズコーポレーションから入手できる)、処方物2に対してSPECTRAソルブルブルー2B EX(米国ニュージャージー州カーニーのスペクトラカラーズコーポレーションから入手できる)、処方物1及び2に対して非消色性染料(SPECTRAZINEイエローGRL200%,カラーインデックス番号:塩基性黄291(米国ニュージャージー州カーニーのスペクトラカラーズコーポレーションから入手できる)及び処方物2に対してSPECTRAZINEブリリアントブルー,カラーインデックス番号:塩基性青1(米国ニュージャージー州カーニーのスペクトラカラーズコーポレーションから入手できる)をこの溶液に添加し、そして該溶液を該染料が完全に溶解するまで混合した。次いで、処方物1に対して顔料(HOSTAFINEレッドHF3S,カラーインデックス番号:顔料赤188(ロードアイランド州コンベトリーのクライアントコーポレーションから入手できる)及び処方物2に対してHOSTAFINEグリーンGN,カラーインデックス番号:顔料緑7(ロードアイランド州コンベトリーのクライアントコーポレーションから入手できる)を添加し、そして該溶液を均質な溶液が形成されるまで1時間混合した。
【0060】
次いで、得られたインクをSHARPIEマーカーに入れ、そして白色の紙のシートに塗布して該基材に塗布されたインクの色を決定した。処方物1及び2の塗布によって得られたマーキングは、鮮やかな黒色であると認められた。次いで、白色の紙上に得られたマーキングをフランス国バレンスのサンフォードレイノールズ社から入手できる市販のインク消し溶液で処理した。処方物1で作成されたマーキングは、黒色から赤色へと色が変化し、処方物2で作成されたマーキングは、黒色から緑色へと色が変化した。処方物1及び2の両方で作成されたマーキングの色消しはマーキングのにじみを生じず、該インクで作成されたマーキング(例えば、紙に書かれた文字)のみが色を変化させた(即ち、ハイライト効果を示した)。
【0061】
例3
酸性酸化剤を含む混合物を、表Vに挙げた材料を均質な混合物が形成されるまで混合することによって調製した。
【表5】

【0062】
得られた水性混合物をPOCKET ACCENTマーカー中に配置し、そして作成されたマーキングに塗布し、例1に記載したとおりに色消しした。この水性混合物を色消しされたマーキングに塗布したところ、この赤色の色消しマーキングは、人の目には例1で調製した色消しされていない混合物の色に等しいように見える深緑色に変化した。この赤色から深緑色(一見したところ黒色)への逆転には、ほぼ5秒かかった。
【0063】
例4
酸性酸化剤を含む混合物を、表VIに挙げた材料を均質な混合物が形成されるまで混合することによって調製した。
【表6】

【0064】
得られた水性混合物をPOCKET ACCENTマーカー中に配置し、そして作成されたマーキングに塗布し、例1に記載したように色消しした。この水性混合物を色消しされたマーキングに塗布したところ、この赤色の色消しマーキングは、人の目には例1で調製された色消しされていない混合物の色に等しいように見える深緑色に変化した。この赤色から深緑色(一見して黒色)への色の逆転には、ほぼ5秒かかった。
【0065】
例5
酸性酸化剤を含む混合物を、表VIIに挙げた材料を均質な混合物が形成されるまで混合することによって調製した。
【表7】

【0066】
得られた水性混合物をPOCKET ACCENTマーカー中に配置し、そして作成されたマーキングに塗布し、例1に記載したように色消しした。この水性混合物を色消しされたマーキングに塗布したところ、この赤色の色消しマーキングは、人の目には例1で調製された色消しされていない混合物の色に等しいように見える深緑色に変化した。この赤色から深緑色(一見して黒色)への色の逆転には、ほぼ5秒かかった。
【0067】
上記説明は、理解を明確にする目的でのみ与えており、それから不必要な限定を解釈すべきではない。本発明の範囲内にある改変は、当業者には明らかだからである。本明細書全体を通して、組成物が成分又は材料を含むように説明している場合には、該組成物は、特に示さない限り、請求の範囲に規定された成分又は材料の任意の組合せからなる又は該組合せから本質的になることができるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】紫色の化合物由来のアシッドバイオレット17から実質的に無色(色消しされた)の化合物への変換についての理論的機構を示す図である。
【図2】還元剤によって無色にされたアシッドバイオレット17から着色状態への変換についての理論的機構を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、有色顔料と、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される消色性染料とを含む混合物を基材に塗布してマークを作成し、該マークにインク消し流体を塗布し、そして該マークに酸化剤を塗布する工程を含む、可逆的ハイライト方法。
【請求項2】
前記インク消し流体が還元剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記還元剤が硫黄含有還元剤、塩基性還元剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記硫黄含有還元剤が亜硫酸塩還元剤、亜硫酸水素塩還元剤、メタ亜硫酸塩還元剤、チオ亜硫酸塩還元剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化剤が酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記酸が無機酸、有機酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記無機酸が塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、硝酸、硫酸、炭酸、クロム酸、燐酸、亜燐酸、ホスホン酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記有機酸が安息香酸、乳酸、酢酸、プロパン酸、アセト酢酸、クロトン酸、蟻酸、グリコール酸、グリオキシル酸、乳酸、ピルビン酸、トランスアコニット酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アセチレンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メサコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イタコン酸、トランスエチレンオキシドジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、置換燐酸、置換亜燐酸、クエン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、2−カルボキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ホスホン酸、置換ホスホン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸、2−ホスホノエチルイミノ二酢酸、ジエチレン四酢酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記酸化剤が強力な求核試薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記強力な求核試薬がアルコキシドである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物が黒色である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基材が紙である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記紙が非多孔質の紙である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記消色性染料がトリアリールメタン誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記消色性染料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.01重量%から約40重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記消色性染料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.1重量%から約10重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記有色顔料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.01重量%から約50重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記有色顔料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.1重量%から約20重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記混合物が非消色性染料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記非消色性染料が、非消色性青色染料、非消色性赤色染料、非消色性紫色染料、非消色性黄色染料、非消色性橙色染料及びそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記混合物を塗布する工程が、該混合物を筆記具から分与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記混合物を塗布する工程が、前記混合物をプリンターカートリッジから分与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記混合物を塗布する工程が、前記混合物を連続インクジェットプリントヘッドから分与することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記混合物を塗布する工程が、前記混合物をドロップオンデマンドインクジェットプリントヘッドから分与することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ドロップオンデマンドインクジェットプリントヘッドが、圧電インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッドよりなる群から選択されるプリントヘッドを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
水と、有色顔料と、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される消色性染料と、インク消し流体と、酸化剤とを備えるキット。
【請求項27】
前記インク消し流体が還元剤を含む、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記還元剤が硫黄含有還元剤、塩基性還元剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項27に記載のキット。
【請求項29】
前記硫黄含有還元剤が亜硫酸塩還元剤、亜硫酸水素塩還元剤、メタ亜硫酸塩還元剤、チオ亜硫酸塩還元剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項28に記載のキット。
【請求項30】
前記酸化剤が酸を含む、請求項26に記載のキット。
【請求項31】
前記酸が無機酸、有機酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項30に記載のキット。
【請求項32】
前記無機酸が塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、硝酸、硫酸、炭酸、クロム酸、燐酸、亜燐酸、ホスホン酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記有機酸が安息香酸、乳酸、酢酸、プロパン酸、アセト酢酸、クロトン酸、蟻酸、グリコール酸、グリオキシル酸、乳酸、ピルビン酸、トランスアコニット酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アセチレンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メサコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イタコン酸、トランスエチレンオキシドジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、置換燐酸、置換亜燐酸、クエン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、2−カルボキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ホスホン酸、置換ホスホン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸、2−ホスホノエチルイミノ二酢酸、ジエチレン四酢酸及びそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項31に記載のキット。
【請求項34】
前記混合物が黒色である、請求項26に記載のキット。
【請求項35】
前記消色性染料がトリアリールメタン誘導体である、請求項26に記載のキット。
【請求項36】
前記消色性染料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.01重量%から約40重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項26に記載のキット。
【請求項37】
前記消色性染料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.1重量%から約10重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
前記有色顔料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.01重量%から約50重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項26に記載のキット。
【請求項39】
前記有色顔料が、前記混合物の総重量の少なくとも約0.1重量%から約20重量%までの量で該混合物中に存在する、請求項38に記載のキット。
【請求項40】
前記混合物が非消色性染料をさらに含む、請求項26に記載のキット。
【請求項41】
前記非消色性染料が、非消色性青色染料、非消色性赤色染料、非消色性紫色染料、非消色性黄色染料、非消色性橙色染料及びそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項40に記載のキット。
【請求項42】
前記混合物が結合剤樹脂をさらに含む、請求項26に記載のキット。
【請求項43】
前記混合物が有機溶媒をさらに含む、請求項26に記載のキット。
【請求項44】
前記混合物が、pH緩衝剤、界面活性剤、殺生物剤、防せい剤、金属イオン封鎖剤、クラスト防止剤、レオロジー制御剤、結合剤樹脂、フィルム形成剤及びそれらの組合せよりなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項26に記載のキット。
【請求項45】
前記混合物が筆記具に配置される、請求項26に記載のキット。
【請求項46】
前記混合物がプリンターカートリッジに配置される、請求項26に記載のキット。
【請求項47】
前記混合物が連続インクジェットプリントヘッドに配置される、請求項46に記載のキット。
【請求項48】
前記混合物がドロップオンデマンドインクジェットプリントヘッドに配置される、請求項46に記載のキット。
【請求項49】
前記ドロップオンデマンドインクジェットプリントヘッドが、圧電インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッドよりなる群から選択されるプリントヘッドを含む、請求項48に記載のキット。
【請求項50】
有色顔料と、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、メチン染料及びそれらの組合せよりなる群から選択される消色性染料と、還元剤を含むインク消し流体と、酸を含む酸化剤との混合物を含む、ハイライトされた複合体。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−524426(P2008−524426A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548220(P2007−548220)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/040816
【国際公開番号】WO2006/068723
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(501495318)サンフォード エル.ピー. (32)
【Fターム(参考)】