説明

台間装置および遊技媒体管理システム

【課題】遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行うこと。
【解決手段】移行処理部が、プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得し、遊技終了指示を受け付けた場合に、取得されたプリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行するように台間装置を構成する。また、移行処理部によって取得されたプリペイド残額を所定額で除することによって得られる剰余を、持玉価値へ移行するように台間装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に対応して設けられる台間装置および遊技媒体管理システムに関し、特に、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合であっても、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行うことができる台間装置および遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技台と並設され、紙幣や硬貨といった貨幣を受け付けてパチンコ玉やメダルといった遊技媒体を貸し出す貸出処理機(以下、「台間装置」と記載する)が知られている。
【0003】
かかる台間装置には、ノズルを介して遊技媒体を遊技台へ貸し出すタイプや、遊技台に対して所定の払出指示を送信して遊技台側に遊技媒体を貸し出させるタイプがある。たとえば、特許文献1には、所定の1単位額相当の玉貸しを遊技台へ要求し、遊技台から玉貸しの準備が整った旨の応答を受けた場合に、遊技台に対する1単位額相当の玉貸し指示を行う台間装置が開示されている。
【0004】
このような従来の台間装置は、遊技客から現金の挿入を受け付けると、台間装置内にあらかじめストックされているカード状記録媒体(以下、単に「カード」と記載する)に対してプリペイド残額を関連付ける。そして、貸出を実行するたびに、プリペイド残額を減算していく。また、遊技客が遊技終了指示を入力すると、最終的なプリペイド残額が関連付けられたカードが遊技客に対して発行される。
【0005】
ところで、遊技媒体貸出に課される消費税については、現在、遊技店側が負担しており、遊技媒体の貸出単価(たとえば、4円)が消費税を含んだ価格となっている(以下、「内税方式」と記載する)。たとえば、貸出単価が4円で消費税率が5%の場合、本体価格は3.81円で、消費税額が0.19円となっている。
【0006】
そして、遊技媒体貸出を行う場合、所定額の遊技媒体をまとめて貸し出すことが一般的に行われている。たとえば、100円分の遊技媒体をまとめて貸し出す場合、一度の貸出で25個の遊技媒体が貸し出される。そして、プリペイド残額は、一度の貸出ごとに100円ずつ減算されていき、最終的には、0円となる。
【0007】
このような運用を行う場合、プリペイド残額は100円刻みの金額となる。したがって、100円以上のプリペイド残額が関連付けられたカードを発行された遊技客は、かかるカードを精算機に挿入することで、100円の倍数の現金を受け取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3545395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の台間装置には、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合に、プリペイド残額に端数が発生してしまうという問題がある。たとえば、貸出単価が4円で5%の消費税を外税方式で課すると、遊技媒体1個あたりの貸出価格は、4.2円となる。
【0010】
ここで、1000円の現金が挿入された場合について説明すると、1000円は4.2円で割り切れない(小数点以下の端数が発生する)ため、最終的なプリペイド残額が0円とはならないことが明らかである。
【0011】
そして、100円の倍数ではないプリペイド残額をすべて遊技客へ払い戻そうとすると、上記した精算機は、1円硬貨などの低額貨幣を釣り銭としてストックしておく必要がある。したがって、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合には、遊技店側にとってみれば精算機の買い換えや変更が必要となるうえ、取り扱う硬貨の種類が多くなるのでメンテナンス面の負荷もかかる。さらに、遊技客側にとってみれば多くの小銭を受け取ることになり利便性に欠ける。
【0012】
なお、将来的に消費税率が引き上げられる可能性は高いため、従来のように内税方式で消費税を遊技店負担とする運用を継続することは困難であると考えられる。したがって、外税方式を導入して消費税を遊技客負担とする運用が採用される可能性は高い。
【0013】
これらのことから、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合であっても、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行うことができる台間装置あるいは遊技媒体管理システムをいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0014】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合であっても、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行うことができる台間装置および遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技機に対応して設けられる台間装置であって、プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得するプリペイド残額取得手段と、遊技終了指示を受け付けた場合に、前記プリペイド残額取得手段によって取得された前記プリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行する移行手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記移行手段は、前記プリペイド残額取得手段によって取得された前記プリペイド残額を所定額で除することによって得られる剰余を、前記持玉価値へ移行することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記移行手段は、遊技媒体貸出における最小単位数に相当する額を前記所定額として用いることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記の発明において、遊技媒体を払い出す払出手段と、既存の前記持玉価値が所定値未満である場合には、前記剰余に対応する個数の遊技媒体を払い出すように前記払出手段に対して指示する払出指示手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記の発明において、前記移行手段による移行が反映された前記持玉価値を所定の記録媒体へ関連付ける関連付け手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、遊技機に対応して設けられる台間装置と前記台間装置を管理する管理装置とを有する遊技媒体管理システムであって、プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得するプリペイド残額取得手段と、遊技終了指示を受け付けた場合に、前記プリペイド残額取得手段によって取得された前記プリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行する移行手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得し、遊技終了指示を受け付けた場合に、取得されたプリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行することとしたので、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合であっても、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行うことができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、取得されたプリペイド残額を所定額で除することによって得られる剰余を、持玉価値へ移行することとしたので、持玉価値への移行対象となるプリペイド残額を少額としつつ、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を防止することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、遊技媒体貸出における最小単位数に相当する額を所定額として用いることとしたので、遊技媒体貸出における最小単位数に満たない額に相当するプリペイド残額を持玉価値へ移行することで、貸出の対象とならない少額なプリペイド残額が残存することを防止することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、遊技媒体を払い出すノズルなどの払出部を備えることとしたうえで、既存の持玉価値が所定値未満である場合には、剰余に対応する個数の遊技媒体を払い出すように払出部に対して指示することとしたので、貸出の対象とならない少額なプリペイド残額が残存することを防止することができるとともに、プリペイド残額に見合った遊技媒体を遊技客へ渡すことができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、移行が反映された持玉価値を所定の記録媒体へ関連付けることとしたので、プリペイド残額の運用フローを、持玉価値が関連付けられる記録媒体の運用フローへ統合することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明に係るプリペイド残額取扱手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る台間装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、台間装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、台間装置の外観図である。
【図5】図5は、移行処理の概要を示す図である。
【図6】図6は、移行処理における端数取扱いの例を示す図である。
【図7】図7は、台間装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、選択画面の例を示す図である。
【図9】図9は、台間装置が実行する処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るプリペイド残額取扱手法を適用した台間装置および遊技媒体管理システムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、消費税率が5%である場合を例に挙げて説明するが、消費税率が5%以外の場合にも本発明を適用することができる。
【0028】
まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明に係るプリペイド残額取扱手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るプリペイド残額取扱手法の概要を示す図である。
【0029】
なお、同図の(A)には、内税方式におけるプリペイド残額の推移について、同図の(B)には、本発明に係るプリペイド残額取扱手法の概要について、それぞれ示している。また、同図においては、遊技客が1000円の現金を台間装置へ挿入した場合のプリペイド残額推移について示している。
【0030】
図1の(A)に示すように、遊技媒体の貸出単価が4円であり、貸出単価に消費税が含まれる内税方式の場合、最小の払出単位が25玉であるとすると、1回の払出では、100円分の遊技媒体が払い出されることになる。
【0031】
そして、図1の(A)に示したように、1回あたり100円分の遊技媒体が払い出されていくと、最初は1000円であったプリペイド残額は、払出が実行されるたびに、900円、800円のように100円ずつ減算されていく。そして、払出回数が10回に達すると、プリペイド残額は0円となる。
【0032】
このように、遊技媒体の貸出単価が4円であり、貸出単価に消費税が含まれる内税方式の場合には、プリペイド残額は、100円の倍数となる。したがって、プリペイド残額の精算を行う精算機は、最小単位の釣り銭として100円硬貨を取り扱えば足りることになる。
【0033】
一方、遊技媒体貸出に課される消費税を外税方式とした場合には、図1の(B)に示したように、遊技媒体の単価は4.2円(本体価格4円、消費税額4円×5%=0.2円)となる。そして、最小の払出単位が25玉であるとすると、1回の払出では、105円分の遊技媒体が払い出されることになる。
【0034】
したがって、図1の(B)に示したように、1回あたり105円分の遊技媒体が払い出されていくと、最初は1000円であったプリペイド残額は、払出が実行されるたびに、895円、790円のように105円ずつ減算されていく。そして、払出回数が9回に達すると、プリペイド残額は55円となる。
【0035】
このように、外税方式を採用した場合には、100円未満の額がプリペイド残額として最終的に残ることになる。また、各払出回数においても、895円や790円のように、100円未満の額がプリペイド残額として残ることになる。
【0036】
これらのことから、従来のように、プリペイド残額に応じた金額を払い戻す精算機を用いようとすると、精算機側に100円未満の硬貨(たとえば、10円玉や1円玉)を払い戻す機構が必要となる。しかし、従来の精算機は、10円などの低額硬貨に対応していないため、精算機に低額硬貨対応機能を付加したり、精算機自体を取り替えたりする必要がある。
【0037】
また、このように10円などの低額硬貨を遊技店側が取り扱うこととすると、低額硬貨の準備や、精算機への補充といった作業が発生してしまう。また、遊技客も、精算機から多くの小銭を受け取ることになり、利便性に欠ける。
【0038】
そこで、本発明に係るプリペイド残額取扱手法では、たとえば、100円未満のプリペイド残額(以下、「プリペイド残額の端数」または単に「端数」と記載する)を、持玉価値へ移行したり、台間装置のノズル経由で遊技媒体として払い出したりすることで、釣り銭用の低額貨幣を不要とすることとした。
【0039】
たとえば、図1の(B)に示したように、プリペイド残額が55円の場合、55円のプリペイド残額を持玉価値へ移行したり(同図の(B−1)参照)、プリペイド残額に見合う個数の遊技媒体を払い出したりすることとした(同図の(B−2)参照)。
【0040】
ここで、持玉価値とは、遊技客が遊技機で獲得した遊技媒体数のことを指し、台間装置が各台計数機能を有している場合には、持玉価値は台間装置ごとに更新されていくことになる。また、他の遊技台から移動してきた遊技客が、持玉価値が関連付けられたカードを挿入した場合には、カードに対応する持玉価値が更新されていくことになる。
【0041】
ところで、図1の(B)には、プリペイド残額が55円の場合を例示したが、プリペイド残額が100円より大きい場合、たとえば、895円の場合には、端数分の95円を、持玉価値への移行対象としたり、遊技媒体払出の対象としたりするものとする。ここで、プリペイド残額の端数以外(800円)については、従来通り、プリペイド価値としてカードへ関連付ける。なお、かかる端数以外(800円)についても、持玉価値への移行対象にしてもよい。
【0042】
なお、持玉価値への移行、あるいは、遊技媒体払出のいずれを行うかは、遊技客が会員であるか否か、プリペイド残額や持玉価値の大きさによって、自動的に決定することができる。また、かかる決定を遊技客の選択に基づいて行うことも可能である。
【0043】
このように、本発明に係るプリペイド残額取扱手法によれば、プリペイド残額に端数が発生しないように調整することができるので、遊技店側では、従来の精算機をそのまま使用することが可能となる。したがって、精算機の買い換えや変更に伴う出費を遊技店側に強いることがない。また、遊技客が多くの低額貨幣を受け取る事態を回避することができるので、遊技客の利便性を低下させることもない。
【0044】
以下では、図1を用いて説明したプリペイド残額取扱手法を適用した台間装置および遊技媒体管理システムについての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、いわゆる各台計数機能を有する台間装置について説明するが、各台計数機能を有しない台間装置に対しても本発明を適用することができる。
【実施例】
【0045】
図2は、本実施例に係る台間装置10が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに設けられる台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各機器と接続されている。なお、本実施例に係る遊技媒体管理システムは、台間装置10および管理装置200を含むものとする。
【0046】
また、島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
【0047】
ここで、台間装置10がカードを返却した場合、他の遊技台100で遊技を継続する意志がない遊技客は、カードを精算機400へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。
【0048】
また、遊技客は、景品交換コーナへカードを持参し、カード処理機600にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
【0049】
なお、本実施例では、台間装置10が、100円未満のプリペイド残額をカードへ関連付けない場合について説明するが、500円未満のプリペイド残額をカードへ関連付けないこととしてもよい。
【0050】
また、同図に示すように、管理装置200は、カードに関連付けられる価値を管理する記録媒体管理DB(データベース)201を有している。そして、記録媒体管理DB201は、プリペイド価値を管理するプリペイドカードDB(データベース)201aと、遊技客が獲得した遊技媒体を換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預けておくことを指す貯玉を管理する貯玉DB(データベース)201bと、遊技店が獲得した持玉価値を管理する持玉DB(データベース)201cとから構成される。
【0051】
たとえば、台間装置10が返却するカードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、管理装置200が管理するプリペイドカードDB201aや、持玉DB201cによっても管理されている。
【0052】
なお、貯玉DB(データベース)201bは、遊技店の会員に対して配布される会員カードに付与された貯玉サービスを行うためのデータベースであり、一般カードの場合には、プリペイドカードDB(データベース)201aおよび持玉DB(データベース)201cのみが関連する。
【0053】
ここで、貯玉DB(データベース)201bについては、会員用の管理装置を別途設けることとしたうえで、かかる会員用の管理装置が貯玉DB(データベース)201bを管理することとしてもよい。
【0054】
次に、本実施例に係る台間装置10の構成について図3を用いて説明する。図3は、台間装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0055】
同図に示すように、台間装置10は、払出部11と、カード保持部12と、計数部13と、制御部14と、記憶部15とを備えている。また、制御部14は、移行処理部14aと、払出指示部14bと、関連付け部14cとをさらに備えており、記憶部15は、プリペイド残額15aと、持玉価値15bとを記憶する。
【0056】
払出部11は、ノズルや玉切り機構といったデバイスで構成されており、払出指示部14bから指示された個数分の遊技媒体を払い出す。カード保持部12は、遊技客によって挿入された会員カードを保持するとともに、あらかじめ格納された一般カードを内部に保持するデバイスである。
【0057】
なお、本実施例では、遊技店の会員が会員カードを用いる場合について説明するが、遊技客が携帯する携帯電話などの携帯端末装置を、会員カードの代わりに用いることとしてもよい。この場合、台間装置10は、携帯端末装置と通信する通信部を備えることになる。
【0058】
計数部13は、遊技客が獲得した遊技媒体の数を計数するとともに、計数結果で記憶部15の持玉価値15bを更新していく処理を行うデバイスである。ここで、図3に示した台間装置10の外観構成について図4を用いて説明しておく。
【0059】
図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
【0060】
図4に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52とを備えている。また、台間装置10は、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、カードの返却ボタンといった操作部を含んだ表示・操作部54とを備えている。
【0061】
また、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた払出部55(図3の払出部11に対応)と、一般カードや会員カードといったカードを受け付けるとともに持玉価値、貯玉価値、プリペイド価値といった各価値が関連付けられたカードを返却するカード挿入部56(図3のカード保持部12に対応)とを備えている。
【0062】
さらに、台間装置10は、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部57(図3の計数部13に対応)と、持玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部58とを備えている。そして、玉貯留部58は、図4に示したように、持玉の計数値を表示する持玉表示部58aと、持玉の計数値に基づく遊技媒体の払出(再利用)を指示する持玉払出ボタン58bとをさらに備えている。なお、遊技台100の下皿から落下した遊技媒体は、玉貯留部58を経て計数部57へと導かれることになる。
【0063】
また、遊技台100には、プリペイド残額を表示する表示部100aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示するカード返却ボタンといった操作ボタン100bとが設けられる。なお、表示部100aおよび操作ボタン100bは、台間装置10の制御部14に接続されている。
【0064】
ここで、台間装置10の持玉表示部58aおよび持玉払出ボタン58b、遊技台100の表示部100aおよび操作ボタン100bの設置位置については、図4に例示した位置に限定されるものではない。また、持玉(獲得玉)や貯玉価値の払い出しを払出部55経由で行うのではなく、遊技台100から行うこととしてもよい。
【0065】
図3の説明に戻り、制御部14について説明する。制御部14は、台間装置10の全体制御を行う制御部である。移行処理部14aは、プリペイド残額15aを持玉価値15bへ移行する処理や、プリペイド残額15aに相当する遊技媒体の払出指示処理を行う処理部である。
【0066】
具体的には、移行処理部14aは、所定の基準値を、精算機400が取り扱う最小硬貨の額(たとえば、100円)としたうえで、プリペイド残額15aを、かかる基準値で除する処理を行う。そして、プリペイド残額15aを基準値で除した剰余(端数)を、持玉価値への移行対象や、遊技媒体の払出対象として取り扱う。
【0067】
たとえば、基準値が100円で、プリペイド残額15aが895円の場合、895円を100円で除した剰余(端数)である95円を、持玉価値への移行対象や、遊技媒体の払出対象として取り扱う。
【0068】
なお、プリペイド残額15aの端数以外(800円)については、プリペイド価値としてそのまま取り扱う(プリペイド残額そのままの形でカードへ関連付ける)ものとするが、この端数以外についても、持玉価値への移行対象として取り扱うこととしてもよい。
【0069】
また、基準値が100円で、プリペイド残額15aが55円の場合、55円を100円で除した剰余(端数)は、55円であるので、この55円を、持玉価値への移行対象や、遊技媒体の払出対象として取り扱う。
【0070】
ここで、移行処理部14aが実行する移行処理について図5および図6を用いてさらに詳細に説明しておく。図5は、移行処理の概要を示す図であり、図6は、移行処理における端数取扱いの例を示す図である。
【0071】
まず、移行処理の概要について図5を用いて説明する。なお、図5の(A)には、プリペイド残額の端数を持玉価値へ移行する処理の概要を、図5の(B)には、プリペイド残額の端数に相当する遊技媒体の払出指示処理の概要を、それぞれ示している。
【0072】
また、図5では、プリペイド残額そのものが基準値100円よりも小さく、プリペイド残額そのものがプリペイド残額の端数と等しい場合について例示しているが、プリペイド残額が基準値100円よりも大きい場合には、プリペイド残額を基準値(100円)で除した剰余(端数)が、処理対象となる。たとえば、プリペイド残額が895円である場合には、端数である95円が、処理対象となる。
【0073】
プリペイド残額の端数を持玉価値へ移行する場合には、図5の(A)に示したように、まず、プリペイド残額の端数を遊技媒体数へ換算する処理を行う(同図の(A−1)参照)。たとえば、同図のように、プリペイド残額の端数が55円である場合には、55円を玉単価4.2円で除することによって換算値13.1玉を算出する。なお、ここでは、小数点以下の玉数は切り捨てることとする。
【0074】
そして、たとえば、既存の持玉価値が1000玉であれば、換算値13玉を加算し(同図の(A−2)参照)、加算後の持玉価値1013玉をカードへ関連付ける(同図の(A−3)参照)。そして、持玉価値1013玉が関連付けられたカードを排出する。
【0075】
なお、プリペイド残額が895円のように、基準値(100円)よりも大きい場合には、端数の95円分に相当する換算値22玉(小数点以下切り捨て)を既存の持玉価値へ移行するとともに、800円分については、プリペイド残額そのままの形でカードへ関連付ける。この場合、1枚のカードに対して持玉価値およびプリペイド残額を関連付けることとしてもよいし、持玉価値を関連付けるカードと、プリペイド残額を関連付けるカードとを別々にしてもよい。
【0076】
このように、精算機400の最小釣り銭(たとえば、100円硬貨)の額を、基準値とすることで、プリペイド残額に、基準値未満の端数が残存することがない。なお、同図では、プリペイド残額の端数を持玉価値へ移行する場合について示したが、プリペイド残額の大小に関わらず、残存するプリペイド残額全額を持玉価値へ移行することとしてもよい。たとえば、プリペイド残額が895円である場合には、換算値213玉を、既存の持玉価値へ加算することとすればよい。
【0077】
次に、プリペイド残額に相当する遊技媒体の払出指示を行う場合について説明する。図5の(B)に示したように、まず、プリペイド残額を遊技媒体数へ換算する処理を行う(同図の(B−1)参照)。なお、かかる換算処理は、図5の(A)に示した場合と同様である。
【0078】
そして、台間装置10は、換算値をノズルから投出する(同図の(B−2)参照)。たとえば、同図に示すように換算値が13.1玉である場合には、13玉の遊技媒体をノズルから投出することで遊技客へ渡すことになる。
【0079】
このように、プリペイド残額の端数に相当する個数の遊技媒体を投出することとすれば、プリペイド残額に、精算機400の最小釣り銭(たとえば、100円硬貨)未満の額が残存することがない。なお、遊技媒体を受け取った遊技客は、遊技媒体を持って台移動したり、遊技媒体をカウンタに持ち込んでお菓子などの一般景品へ交換したりすることができる。
【0080】
なお、図5では、プリペイド残額を持玉価値へ移行する場合(図5の(A)参照)と、プリペイド残額に相当する遊技媒体を投出する場合(図5の(B)参照)とを、それぞれ示したが、両者を組み合わせて実行することとしてもよい。
【0081】
たとえば、プリペイド残額を持玉価値へ仮に移行したうえで、持玉価値が特殊景品(現金との交換が可能な景品)の最少額の倍数となるように調整し、剰余分に相当する個数の遊技媒体を投出することとしてもよい。
【0082】
なお、移行処理部14aは、プリペイド残額の端数を既存の持玉価値へ加算した後の持玉価値が「所定値」に満たない場合には、遊技客が非会員の場合に限って、加算後の持玉価値に相当する遊技媒体を払い出す処理を行う。これは、非会員(一般客)による一般カードの持ち帰りを防止するためである。
【0083】
ここで、「所定値」としては、たとえば、最も低額な特殊景品の額を指す。これに対し、会員の場合には、かかる持ち帰りの問題は生じないため、加算後の持玉価値が少額であっても、カードへ関連付ける処理を行う。
【0084】
次に、移行処理における端数取扱いの例について図6を用いて説明する。なお、図6の(A)には、持玉価値を実数として管理する場合について、図6の(B)には、持玉価値を整数として管理する場合について、それぞれ示している。
【0085】
持玉価値を実数として管理する場合には、図6の(A)に示したように、たとえば、持玉価値を小数第一位まで保持しておくこととすればよい。そして、持玉価値が加算されていき、小数部が一の位に繰り上がった時点で、持玉払出の対象とすることとすればよい。
【0086】
また、持玉価値を整数として管理する場合には、図6の(B)に示したように、あらかじめ行われた設定に基づき、切り下げ処理あるいは切り上げ処理を行うこととすればよい。たとえば、切り下げ設定が行われている場合には、持玉価値13.1玉を13玉と取扱い、逆に、切り上げ設定が行われている場合には、持玉価値13.1玉を14玉と取り扱うこととすればよい。なお、いわゆる四捨五入処理を行うこととしてもよい。
【0087】
図3の説明に戻り、制御部14の説明をつづける。払出指示部14bは、移行処理部14aから指示された場合に、払出部11に対して所定個数の遊技媒体を払い出すように指示する処理を行う処理部である。
【0088】
関連付け部14cは、カード返却指示を受け付けた場合などに、持玉価値15bをカードに関連付ける処理を行う処理部である。また、関連付け部14cは、持玉価値15bが関連付けられたカードの排出を、カード保持部12へ指示する処理部でもある。なお、関連付け部14cは、プリペイド残額15aの端数以外を、プリペイド価値としてカードへ関連付ける処理を併せて行うものとする。
【0089】
記憶部15は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、プリペイド残額15aと、持玉価値15bとを記憶する。プリペイド残額15aは、プリペイド価値の残額を示す値である。ここで、プリペイド残額15aは、紙幣挿入部52(図4参照)に紙幣が挿入された場合に、紙幣に相当する値が初期値として設定されるとともに、貸出ボタン等が押下されるたびに、払出数に相当する額が減算されていく。
【0090】
持玉価値15bは、計数部13による計数結果を示す値である。また、カード保持部12に挿入されたカードに持玉価値が関連付けられている場合には、この持玉価値を持玉価値15bの初期値として用いることも可能である。また、持玉価値15bには、移行処理部14aによって換算されたプリペイド残額15aの端数が加算される場合もある。
【0091】
なお、図3では、台間装置10が、プリペイド残額を取得する処理や、プリペイド残額の一部または全部を持玉価値へ移行する処理を行う場合について説明したが、これらの処理の一部または全部を、管理装置200(図2参照)が行うこととしてもよい。
【0092】
次に、台間装置10が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、台間装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0093】
図7に示すように、台間装置10は、カード返却操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。そして、カード返却操作を受け付けた場合には(ステップS101,Yes)、移行処理部14aは、プリペイド残額に端数があるか否かを判定する(ステップS102)。なお、ステップS101の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS101,No)、ステップS101の処理を繰り返す。
【0094】
そして、プリペイド残額に端数がある場合には(ステップS102,Yes)、プリペイド残額の端数を持玉へ移行し(ステップS103)、既存持玉と移行分持玉(ステップS103による移行分)とを合算する(ステップS104)。
【0095】
つづいて、プリペイド残額に端数以外があるか否かを判定し(ステップS105)、プリペイド残額に端数以外がある場合には(ステップS105,Yes)、プリペイド残額の端数以外をカードへ関連付ける(ステップS106)。
【0096】
ここで、ステップS106では、プリペイド残額の端数以外をプリペイド価値としてカードへ関連付ける。なお、ステップS105の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS105,No)、ステップS106の処理を行うことなく、ステップS107の処理へと進む。
【0097】
そして、遊技客が会員であるか否かを判定し(ステップS107)、遊技客が会員である場合には(ステップS107,Yes)、ステップS104で合算された合算持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS108)、カードを返却し(ステップS109)、処理を終了する。ここで、ステップS107では、たとえば、遊技客によって会員カードが挿入されていた場合に、遊技客が会員であると判定する。
【0098】
一方、遊技客が会員ではない場合には(ステップS107,No)、ステップS104で合算された合算持玉が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS110)。そして、合算持玉が所定値以上である場合には(ステップS110,Yes)、合算持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS108)、カードを返却し(ステップS109)、処理を終了する。
【0099】
これに対し、ステップS110の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS110,No)、合算持玉に相当する玉(遊技媒体)を返却し(ステップS111)、処理を終了する。
【0100】
ところで、ステップS102において、プリペイド残額に端数がないと判定された場合には(ステップS102,No)、プリペイド残額に端数以外があるか否かを判定する(ステップS112)。そして、プリペイド残額に端数以外がある場合には(ステップS112,Yes)、すべてのプリペイド残額(端数+端数以外)をカードへ関連付ける(ステップS113)。ここで、ステップS113では、すべてのプリペイド残額をプリペイド価値としてカードへ関連付ける。
【0101】
そして、遊技客が会員であるか否かを判定し(ステップS114)、遊技客が会員である場合には(ステップS114,Yes)、既存持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS115)、カードを返却し(ステップS109)、処理を終了する。
【0102】
一方、遊技客が会員ではない場合には(ステップS114,No)、既存持玉が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS116)。ここで、かかる所定値としては、最も低額な特殊景品の額に対応する値を用いることができる。
【0103】
そして、既存持玉が所定値以上である場合には(ステップS116,Yes)、既存持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS115)、カードを返却し(ステップS109)、処理を終了する。これに対し、既存持玉が所定値未満である場合には(ステップS116,No)、既存持玉に相当する玉(遊技媒体)を返却し(ステップS117)、処理を終了する。
【0104】
なお、図7に示したステップS104において合算持玉を算出する際に、既存持玉がない場合には、合算持玉は、移行分持玉と等しいものとなる。
【0105】
ところで、これまでは、プリペイド残額を持玉価値へ移行するか(図5の(A)参照)、プリペイド残額に相当する遊技媒体の払出を行うか(図5の(B)参照)を自動的に判定する場合について説明してきたが、いずれの処理を行うかを遊技客に選択させることとしてもよい。そこで、以下では、持玉移行あるいは玉返却を遊技客に選択させる場合について図8および図9を用いて説明することとする。
【0106】
図8は、選択画面の例を示す図である。なお、図8に示した各画面は、制御部14の指示によって台間装置10の表示・操作部54へ表示されるものとする。たとえば、図8の(A)に示すように、選択画面には、プリペイド残額(同図では「895円」)や、プリペイド残額の端数分(同図では、「95円」)、かかる端数分を玉数へ変換した値(同図では「22玉」が表示される。
【0107】
そして、選択画面には、端数分の取扱いの選択を促すメッセージとともに、持玉移行ボタン81および玉返却ボタン82が表示される。そして、遊技客が、いずれか一方のボタンを選択した場合には、ボタンに該当する処理が実行される。
【0108】
たとえば、持玉移行ボタン81が選択された場合には、プリペイド残額の端数分(22玉)が持玉価値へ移行される。そして、プリペイド残額の端数以外(800円)と等しいプリペイド価値および移行後の持玉価値が関連付けられたカードが排出される。
【0109】
また、玉返却ボタン82が選択された場合には、プリペイド残額の端数(22玉)に見合う個数の遊技媒体が払出部55(図4参照)経由で払い出される。この場合、プリペイド残額の端数以外(800円)と等しいプリペイド価値および既存の持玉価値が関連付けられたカードが排出される。
【0110】
なお、既存の持玉価値が規定値よりも少なく、プリペイド残額を持玉価値へ移行したとしても、たとえば、最も低額な特殊景品の額に満たない場合であって、遊技客が非会員である場合には、図8の(A)に示した持玉移行ボタン81を選択不可とすることができる。
【0111】
具体的には、図8の(B)に示したように、プリペイド残額の端数を移行した後の合算持玉数が規定値(同図における「XX個」に相当)未満である場合には、たとえば、「持玉数がXX個未満のため持玉移行はできません」などのメッセージを表示し、持玉移行ボタン81を非表示とする。なお、持玉移行ボタン81を選択不可状態で表示することとしてもよい。
【0112】
次に、持玉移行あるいは玉返却を遊技客に選択させる場合の処理手順について図9を用いて説明する。図9は、台間装置10が実行する処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【0113】
図9に示すように、台間装置10は、カード返却操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。そして、カード返却操作を受け付けた場合には(ステップS201,Yes)、移行処理部14aは、プリペイド残額に端数があるか否かを判定する(ステップS202)。なお、ステップS201の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS201,No)、ステップS201の処理を繰り返す。
【0114】
そして、プリペイド残額に端数がある場合には(ステップS202,Yes)、制御部14は、図8に例示した選択画面を表示させる(ステップS203)。つづいて、遊技客が会員であるか否かを判定し(ステップS204)、遊技客が会員である場合には(ステップS204,Yes)、持玉移行ボタン81(図8参照)を有効化する(ステップS205)。
【0115】
つづいて、持玉移行ボタン81が押下されたか否かを判定し(ステップS206)、持玉移行ボタンが押下された場合には(ステップS206,Yes)、プリペイド残額の端数を持玉へ移行し(ステップS207)、既存持玉と移行分持玉とを合算する(ステップS208)。
【0116】
一方、持玉移行ボタンが押下されず(ステップS206,No)、玉返却ボタン82が押下された場合には(ステップS209,Yes)、プリペイド残額の端数に相当する玉(遊技媒体)を返却したうえで(ステップS210)、既存持玉を合算持玉とし(ステップS211)、ステップS212の処理へ進む。なお、ステップS209の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS209,No)、ステップS206以降の処理を繰り返す。
【0117】
つづいて、プリペイド残額に端数以外があるか否かを判定し(ステップS212)、プリペイド残額に端数以外がある場合には(ステップS212,Yes)、プリペイド残額の端数以外をカードへ関連付ける(ステップS213)。ここで、ステップS213では、プリペイド残額の端数以外をプリペイド価値としてカードへ関連付ける。
【0118】
なお、ステップS212の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS212,No)、ステップS213の処理を行うことなく、ステップS214の処理へ進む。そして、合算持玉を持玉価値としてカードへ関連付けたうえで(ステップS214)、カードを返却し(ステップS215)、処理を終了する。
【0119】
ところで、ステップS204において、遊技客が会員ではないと判定された場合には(ステップS204,No)、プリペイド残額に端数以外があるか否かを判定する(ステップS216)。そして、プリペイド残額に端数以外がある場合には(ステップS216,Yes)、ステップS205以降の処理を行うことになる。
【0120】
一方、プリペイド残額に端数以外がない場合には(ステップS216,No)、つづいて、プリペイド残額の端数を持玉へ移行した移行分持玉と既存持玉との和が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS217)。ここで、かかる所定値としては、最も低額な特殊景品の額に対応する値を用いることができる。そして、ステップS217の判定条件を満たした場合には(ステップS217,Yes)、ステップS205以降の処理を行うことになる。
【0121】
これに対し、ステップS217の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS217,No)、持玉移行ボタン81(図8参照)を無効化する(ステップS218)。そして、玉返却ボタン82(図8参照)が押下されたか否かを判定する(ステップS219)。
【0122】
そして、玉返却ボタン82が押下された場合には(ステップS219,Yes)、プリペイド残額の端数を持玉へ移行した移行分持玉と既存持玉との和に相当する玉(遊技媒体)を返却し(ステップS220)、処理を終了する。なお、ステップS219の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS219,No)、ステップS219の処理を繰り返す。
【0123】
ところで、ステップS202において、プリペイド残額に端数がないと判定された場合には(ステップS202,No)、プリペイド残額に端数以外があるか否かを判定する(ステップS221)。
【0124】
そして、プリペイド残額に端数以外がある場合には(ステップS221,Yes)、すべてのプリペイド残額(端数+端数以外)をカードへ関連付ける(ステップS222)。なお、ステップS221の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS221,No)、ステップS222の処理を行うことなくステップS223の処理へ進む。
【0125】
そして、遊技客が会員であるか否かを判定し(ステップS223)、遊技客が会員である場合には(ステップS223,Yes)、既存持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS224)、カードを返却し(ステップS215)、処理を終了する。
【0126】
一方、遊技客が会員ではない場合には(ステップS223,No)、プリペイド残額があるか否かを判定し(ステップS225)、プリペイド残額がある場合には(ステップS225,Yes)、既存持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS224)、カードを返却し(ステップS215)、処理を終了する。
【0127】
これに対し、プリペイド残額がない場合には(ステップS225,No)、既存持玉が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS226)。ここで、かかる所定値としては、最も低額な特殊景品の額に対応する値を用いることができる。
【0128】
そして、既存持玉が所定値以上である場合には(ステップS226,Yes)、既存持玉をカードへ関連付けたうえで(ステップS224)、カードを返却し(ステップS215)、処理を終了する。これに対し、既存持玉が所定値未満である場合には(ステップS226,No)、既存持玉に相当する玉(遊技媒体)を返却し(ステップS227)、処理を終了する。
【0129】
なお、図9に示したステップS208において合算持玉を算出する際に、既存持玉がない場合には、合算持玉は、移行分持玉と等しいものとなる。また、図9に示したステップS217においてプリペイド残額の端数と既存持玉との和を算出する際に、既存持玉がない場合には、かかる和は、プリペイド残額の端数と等しいものとなる。
【0130】
上述してきたように、本実施例では、移行処理部が、プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得し、遊技終了指示を受け付けた場合に、取得されたプリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行することとした。したがって、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合であっても、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行うことができる。
【0131】
なお、上述した実施例では、プリペイド残額を、持玉価値へ移行する場合について説明したが、プリペイド残額の移行先は持玉価値には限られない。たとえば、プリペイド残額の移行先を、遊技店発行のポイントや、各種電子マネーとすることとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上のように、本発明に係る台間装置は、遊技店側への金銭的負荷や遊技客への利便性低下を強いることなくプリペイド価値の残額運用を行いたい場合に有用であり、特に、遊技媒体貸出に課される消費税が外税方式となった場合に適している。
【符号の説明】
【0133】
10 台間装置
11 払出部
12 カード保持部
13 計数部
14 制御部
14a 移行処理部
14b 払出指示部
14c 関連付け部
15 記憶部
15a プリペイド残額
15b 持玉価値
20 店舗内LAN
51 状態表示部
52 紙幣挿入部
53 リモコン受光部
54 表示・操作部
55 払出部
56 カード挿入部
57 計数部
58 玉貯留部
100 遊技台
100a 表示部
100b 操作ボタン
200 管理装置
300 島コントローラ
400 精算機
500 景品管理機
600 カード処理機
700 景品払出機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられる台間装置であって、
プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得するプリペイド残額取得手段と、
遊技終了指示を受け付けた場合に、前記プリペイド残額取得手段によって取得された前記プリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行する移行手段と
を備えたことを特徴とする台間装置。
【請求項2】
前記移行手段は、
前記プリペイド残額取得手段によって取得された前記プリペイド残額を所定額で除することによって得られる剰余を、前記持玉価値へ移行することを特徴とする請求項1に記載の台間装置。
【請求項3】
前記移行手段は、
遊技媒体貸出における最小単位数に相当する額を前記所定額として用いることを特徴とする請求項2に記載の台間装置。
【請求項4】
遊技媒体を払い出す払出手段と、
既存の前記持玉価値が所定値未満である場合には、前記剰余に対応する個数の遊技媒体を払い出すように前記払出手段に対して指示する払出指示手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の台間装置。
【請求項5】
前記移行手段による移行が反映された前記持玉価値を所定の記録媒体へ関連付ける関連付け手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の台間装置。
【請求項6】
遊技機に対応して設けられる台間装置と前記台間装置を管理する管理装置とを有する遊技媒体管理システムであって、
プリペイド価値の残額を示すプリペイド残額を取得するプリペイド残額取得手段と、
遊技終了指示を受け付けた場合に、前記プリペイド残額取得手段によって取得された前記プリペイド残額の一部または全部を、遊技客が獲得した遊技媒体数を示す持玉価値へ移行する移行手段と
を備えたことを特徴とする遊技媒体管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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