説明

各台計数装置および各台計数システム

【課題】計数に関する不正行為を効果的に抑制することができる各台対応装置を提供すること。
【解決手段】遊技店内には、複数の遊技台2と、各遊技台2に1対1に対応付けられた台間ユニット1と、各遊技台2に1対1に対応付けられた遊技装置3とが設置されている。台間ユニット1の本体部の上端部前面には、状態表示ランプが配置されている。台間ユニット1は、遊技台2の下皿から排出されて受け皿に受け止められた遊技玉を計数する計数部を備えている。計数部が遊技玉を計数数すると、状態表示ランプが0.5秒間点灯されるとともに遊技装置3の遊技ランプが0.5秒間点灯される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台に1対1に対応付けられ、当該遊技台で獲得した遊技媒体を計数する各台計数装置および各台計数システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店では、各遊技台に1対1に対応付けて各台計数装置が備えられる。各台計数装置は、縦長の本体と、本体の下端部から左右方向(たとえば右方向)に延び、遊技台の下皿の真下に配置されるトレイ状の受け皿と、本体の内部に収容される計数部とを備えている。遊技台で獲得した遊技玉は、各台計数装置の受け皿によって受け止められた後、計数部に送られ、計数部で遊技玉が計数される。計数後、その計数値が、遊技客が所有するカードに関連付けて持玉データとして記憶される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−268581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技玉の投入口である受け皿は、遊技台の下に配置されているので、他の遊技客や遊技店の従業員から見えにくい。したがって、遊技店外から持ち込んだ持込玉を受け皿に投入し、不正に計数値をカウントアップさせる持込玉ゴトや、針金などを挿入し、不正に計数値をカウントアップさせる針金ゴトが行われるおそれがある。
また、各台計数装置では、島端型の計数装置とは異なり、断続的に計数が実行されるので、遊技店の従業員を計数に立ち合わせるのは困難である。
【0005】
そこで、この発明の目的は、計数に関する不正行為を効果的に抑制することができる各台対応装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台(2)に1対1に対応付けられる各台計数装置(1)であって、前記遊技台から獲得した遊技媒体を計数する計数部(20)と、前記計数部が遊技媒体を計数中である場合に報知する計数中報知手段(31,12)とを含む、各台計数装置である。
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0007】
この構成によれば、計数部による計数中である旨が報知される。そのため、遊技店の従業員が、計数中にある各台計数装置を識別することができ、その各台計数装置に注意を向けるようになる。これにより、計数に関する不正行為を未然に抑制することができる。
また、たとえば遊技台で獲得する遊技媒体(出玉)と計数部で計数された遊技媒体(計数玉)との差(差玉)に基づいて計数に関する不正行為を検出することも考えられるが、想定していない不正のみしか検出できないという問題がある。これに対し、請求項1の構成では、遊技店の従業員の注意を計数中の各台計数装置に向けることができるので、計数に関する不正行為を、その不正行為の種類を問わず、効果的に抑制することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記計数部は、前記遊技台から獲得した遊技媒体が流通する通路(18)の途中部に介装された計数センサ(30)を含み、前記計数中報知手段は、前記計数センサの検出出力に応答して報知する応答報知手段(31)を含む、請求項1記載の各台計数装置である。
この構成によれば、遊技媒体が計数センサを通過すると、当該計数センサから検出信号が出力される。この計数センサの検出出力に応じて計数中報知を行うので、計数中報知を精度良く行うことができる。
【0009】
また、発光/消灯に切換え可能に設けられ、前記各台計数装置の状態を表すためのランプ(12)をさらに備える場合は、請求項3に記載のように、前記計数中報知手段は、前記ランプを所定の態様で発光するように制御する発光制御手段(31)を含むものであってもよい。
この構成によれば、計数部による遊技媒体の計数中には、各台計数装置のランプが所定の態様で発光する。各台計数装置の状態を報知するためのランプは、通常、当該各台計数装置の周囲にいる人間(遊技客または従業員の店員)の目に付きやすい部分に配置されている。このランプにより計数中報知を行うので、遊技店の従業員の注意を集めることができる。
【0010】
また、計数中報知手段は、スピーカなどに所定の音声出力を出力させる音声出力制御手段を含むものであってもよい。
また、請求項4に記載のように、前記計数中報知手段は、前記計数センサの検出出力に応答して、前記遊技台に1対1に対応付けられた遊技装置に対し所定の信号を出力する信号出力手段(31)をさらに含むものであってもよい。
【0011】
この構成によれば、計数センサの検出出力に応答して遊技装置に所定の信号が出力されるので、遊技装置により計数部が計数中である旨を報知することも可能である。この場合、目に付きやすい位置に設置されている遊技装置で計数中報知を行うことができるので、遊技店の従業員に、計数中である旨をより効果的に伝えることができる。
請求項5記載の発明は、遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台(2)に1対1に対応付けられた各台計数装置(1)であって、前記遊技台から獲得した遊技媒体を計数する計数部(20)と、前記計数部における計数結果に基づいて、前記計数部における不正計数を検知する不正計数検知手段(31)と、不正計数検知手段により前記不正計数が検知された場合に報知する不正計数報知手段(31,12)とを含む、各台計数装置である。
【0012】
この構成によれば、不正計数中である旨が報知される。そのため、遊技店の従業員等が、その各台計数装置に注意を向けるようになる。これにより、計数に関する不正行為を効果的に抑制することができる。
請求項6記載の発明は、遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台(2)に1対1に対応付けられた各台計数装置(1)と、発光/消灯に切換え可能に設けられた遊技ランプ(29)を有し、前記各台計数装置に接続されて、前記遊技台の状態を表すため遊技装置(3)とを含み、前記各台計数装置に関連して、前記遊技台から獲得した遊技媒体を計数する計数部(20)が設けられており、前記遊技装置に関連して、前記遊技ランプを所定の態様で発光するように制御する遊技ランプ発光制御手段(37)が設けられている、各台計数システムである。
【0013】
この構成によれば、計数部が計数中である旨が遊技ランプの発光により報知される。遊技店内にいる従業員の目が付きやすい位置に設置されている遊技ランプで計数中報知を行うので、従業員の注意を集めることができ、計数中である旨を従業員等により効果的に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る各台計数装置が適用された台間ユニットが設置される遊技店の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す台間ユニット、遊技台および遊技装置の構成を説明するための正面図である。
【図3】図1に示す台間ユニットに含まれる計数ユニットの構成を説明するための斜視図である。
【図4】図1に示す台間ユニット、および遊技装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】台間ユニット制御部における計数処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る各台計数装置が適用された台間ユニットにおける計数処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る各台計数装置が適用された台間ユニット1が設置される遊技店の構成を示すブロック図である。
遊技店内には、複数の遊技台2と、各遊技台2に1対1に対応付けられた台間ユニット1と、各遊技台2に1対1に対応付けられた遊技装置3とが設置されている。遊技店内には、複数の遊技島が配置されている。各遊技島は、複数の遊技台2および複数の台間ユニット1を、正面を向いた状態に並べて遊技台列を形成し、この遊技台列を背中合わせで2列に配置することにより構成されている。各台間ユニット1は、遊技島に設けられた島コントローラ4に通信可能に接続されている。
【0016】
各島コントローラ4は管理装置5(T/C:ターミナルコントローラ)に対して通信可能に接続されている。管理装置5は、台間ユニット1における遊技媒体の貸出しに関するデータおよび台間ユニット1における遊技媒体の計数に関するデータを管理するものであり、遊技店内の従業員用の事務所などに配置されている。管理装置5と各台間ユニット1との間の通信は、その台間ユニット1に対応する島コントローラ4を介して行われる。
【0017】
図2は、台間ユニット1、遊技台2および遊技装置3の構成を説明するための正面図である。
遊技台2は、たとえば、遊技盤7に向けて遊技媒体としての遊技玉を発射することにより遊技を行うパチンコ機であって、その前面には、発射装置(図示しない)から遊技盤7に向けて発射する遊技玉の勢いを調節するためのハンドル8と、発射装置から遊技盤7に向けて発射すべき遊技玉を貯留しておくための上皿9と、上皿9から溢れた遊技玉を貯留しておくための下皿10とが備えられている。隣り合う遊技台2間には、台間ユニット1がこれらの遊技台2に挟まれた状態で配置されている。上皿9には、カード挿入/排出口16から次に述べるカードを排出するために押操作される返却ボタン21と、玉貸のために押操作される貸出ボタン45と、台間ユニット1に受け付けられているカードに記憶されているプリペイド価値の残高(以下、「プリペイド残高」という)を度数表示するための度数表示部44とが配設されている。
【0018】
次に台間ユニット1について説明する。各台間ユニット1は、対応する遊技台2の隣(図2では左隣)に設置されており、遊技台2で遊技するための遊技玉を貸し出す機能だけでなく、遊技によって遊技台2から排出された遊技玉を計数する機能を有している。
台間ユニット1における遊技玉の貸出しまたは遊技玉の計数にはカードが用いられる。カードには、1枚毎にカードIDが割り当てられている。カードには、後述するように、プリペイド残高や持玉に関するデータ(以下、「持玉データ」という)が関連付けられている。
【0019】
台間ユニット1は、縦長の筐体からなる本体部11と、本体部11の下方部分に取り付けられた計数ユニット17とを備えている。台間ユニット1の本体部11の前面には、状態表示ランプ(ランプ、計数中報知手段、不正計数検知手段)12、紙幣挿入部13、非接触用R/W部22、ノズル15、操作表示部14およびカード挿入/排出口16が、上からこの順で配設されている。また、台間ユニット1の本体部11の前面には、状態表示ランプ12の直下に、収納部状態表示LED23および入金可能表示LED25が配設されている。
【0020】
状態表示ランプ12は、たとえば、所定の色やパターンで発光することによって、遊技玉の貸出動作が可能な状態か否か等を表示する。たとえば貸出動作が可能であるときは状態表示ランプ12が点灯状態になる。状態表示ランプ12は、当該台間ユニット1の周囲にいる遊技客や従業員の目に付き易いように、本体部11の最上部に配置されている。
紙幣挿入部13は、遊技客の紙幣を受け付ける縦長のスリット状をなしており、本体部11内に設けられた紙幣識別部32(図4参照)につながっている。
【0021】
非接触用R/W部22は、遊技客が保持する携帯電話機の非接触ICと非接触通信可能に設けられている。携帯電話機の非接触ICを非接触用R/W部22にタッチ(接近)させることにより、非接触用R/W部22と携帯電話機の非接触ICとの間で非接触無線通信を実行することができる。
ノズル15は水平方向に回動可能に設けられ、その先端部が上皿9の真上位置まで達する。本体部11内には、ノズル15に対して遊技玉を供給するための玉投出部33(図4参照)が内蔵されている。玉投出部33は遊技島の玉補給機構から遊技玉の補給を受けており、玉投出部33の駆動により、ノズル15の先端部から、下方(上皿9)に向けて遊技玉が払い出される。
【0022】
図示したようなノズル形状ではなく、計数ユニット17に払い出す機構にしてもよい。また、貸玉と同じ単位数(通常25玉)の遊技媒体は遊技台2から投出し、24玉以下(端数という)であれば、ノズル15から払い出し若しくは計数ユニット17に払い出すようにしてもよい。
操作表示部14は、小型画面26と、複数(たとえば14個)の操作キー27とを含んでいる。各操作キー27内にはLEDなどの光源が内蔵されており、各操作キー27は発光可能に構成されている。この操作表示部14の操作により、各台間ユニット1に所定の情報を入力することができるようになっている。
【0023】
カード挿入/排出口16は、カードIDを含む所定の情報が記録されたカードを挿入または排出する縦長のスリット状のものである。
収納部状態表示LED23は、収納部(図示しない)に収納されているカードの有無を表示するためのLEDである。収納部(図示しない)にカードがあるときには、収納部状態表示LED23が点灯状態になる。
【0024】
入金可能表示LED25は、紙幣挿入部13への紙幣の挿入が可能な状態か否かを表示する。たとえば紙幣の挿入が可能であるときには、入金可能表示LED25が点灯状態になる。
遊技装置3は、その前面に、液晶表示部28と、当該液晶表示部28の左右にそれぞれ配設された一対の遊技ランプ29とを備えている。液晶表示部28には、大当たりが発生した旨を報知するための表示、遊技台2の電源が投入されてからの大当たりの発生回数の表示、所定期間中(たとえば、過去1週間)の大当たりの発生回数の表示などが表示されるようになっている。また、遊技ランプ29は、遊技台2が遊技者に有利な状態であるとき(たとえば確率変動状態にあるとき)に、所定のパターンで点滅するようになっている。遊技装置3は遊技台2の上方に配置されているので、遊技ランプ29は、遊技店内にいる従業員の目に付き易い。
【0025】
遊技装置3は、たとえば呼出しランプとも呼ばれ、遊技装置3に対応する遊技台2で遊技を行う遊技客が遊技ランプ29を点灯させることにより、遊技店内にいる従業員をその遊技台2に呼び出すためのものである。したがって、遊技ランプ29は、遊技店内にいる従業員等の目が届き易い位置(たとえば遊技店内における幕板の正面部分)に配設されている。
【0026】
図3は、台間ユニット1に含まれる計数ユニット17の構成を説明するための斜視図である。計数ユニット17は、下皿10の排出口の真下に配置されたトレイ状の受け皿19と、受け皿19で受け止めた遊技玉を一列に整列した状態で流通させる管状の玉通路18(通路)と、玉通路18を流通する遊技玉を計数する計数部20(図4参照)とを備えている。受け皿19によって受け止められた遊技玉は、玉通路18の勾配により、下流側へと導かれる。計数部20は、玉通路18の途中部における所定位置に介装された計数センサ30(図4参照)を備えている。この計数センサ30を遊技玉が通過すると、計数センサ30が検出信号を出力する。そして、計数部20で計数が完了したパチンコ玉は、玉通路18の下流端から島設備内部の玉回収路(図示しない)へと排出される。
【0027】
受け皿19には、略平坦面からなり左右に延びる幅広の受け部50と、玉通路18へと遊技玉を案内するための玉入口51に向けて遊技玉を案内する傾斜面からなる案内部53とが前後方向に並んで設けられている。受け部50の上面には、案内部53に向かうに従って低くなる緩やかな勾配が付されている。案内部53の上面には、玉入口51に向かうに従って低くなる勾配が付されている。受け部50の周縁には、受け部50から遊技玉が落下する(こぼれる)のを防止するためのこぼれ防止用リブ52が立設されている。この実施形態では、こぼれ防止用リブ52は、受け皿ランプ36によって構成されている。受け皿ランプ36は、着色半透明のカバー(図示しない)と、カバー内に配置された多数の光源(図示しない)とを備えている。この実施形態では、受け皿ランプ36は、平面視で略U字状の線状をなしている。
【0028】
受け皿19の手前側(遊技客側)には、カードに関連付けて記憶された持玉データを表示するための持玉表示部47と、この持玉データを使用して遊技玉の払出しを受ける際に押操作される持玉払出ボタン48と、会員客が自己の所有する貯玉データを使用して遊技玉の払出しを受ける際に押操作される貯玉払出ボタン49とが設けられている。なお、持玉払出ボタン48と貯玉払出ボタン49とは同一のボタンであってもよい。そのときは、持玉データがあれば優先して、持玉から先に払い出すようになる。
【0029】
受け皿19は遊技台の下皿10の下方に配置されているので、他の遊技客や遊技店の従業員から見えにくい。したがって、遊技店外から持ち込んだ持込玉を受け皿19に投入し、不正に計数値をカウントアップさせる持込玉ゴトなどや、針金などを玉入口51から挿入して計数センサ30による計数値を不正にカウントアップさせる針金ゴトが行われるおそれがある。
【0030】
図4は、台間ユニット1および遊技装置3の電気的構成を示すブロック図である。
台間ユニット1には、マイクロコンピュータなどで構成された台間ユニット制御部(計数中報知手段、応答報知手段、発光制御手段、信号出力手段、不正計数検知手段)31が備えられている。台間ユニット制御部31には、紙幣識別部32、カードR/W24、玉投出部33、通信I/F部34および台間ユニット用記憶部35のそれぞれが電気的に接続されている。また、台間ユニット制御部31には、制御対象として、状態表示ランプ12または受け皿ランプ36が接続されている。さらに、台間ユニット制御部31には、計数センサ30の検出出力が入力されるようになっている。台間ユニット制御部31は、通信I/F部34を介して、島コントローラ4経由で管理装置5と通信することができるとともに遊技台2と通信することができる。
【0031】
紙幣識別部32は、紙幣挿入部13(図2参照)につながっている。紙幣挿入部13に挿入された紙幣は、紙幣識別部32に搬送される。そして、紙幣識別部32は、紙幣挿入部13に挿入された紙幣の種別およびその紙幣の真贋を識別する。
台間ユニット用記憶部35には、当該台間ユニット1の運転条件等の必要な情報のほか、カード挿入/排出口16に挿入されているカードに関連付けられたプリペイド残高および持玉データが記憶されている。
【0032】
遊技装置3内には、遊技装置制御部(遊技ランプ発光制御手段)37が備えられている。遊技装置制御部37は、液晶表示部28の表示制御および遊技ランプ29のランプ制御を行う。遊技装置制御部37には、通信I/F部38が接続されている。通信I/F部38には、台間ユニット1の通信I/F部34から、所定の信号(計数有信号)が入力されるようになっている。
【0033】
また、遊技装置3の通信I/F部38には、遊技台2の主制御基板(図示しない)から外部出力端子板(図示しない)を介して、遊技台2における遊技状態に関する信号(始動口入球信号、大当たり発生信号、図柄確定信号および確率変動状態中である旨の信号(確変信号など))が入力される。
次に、図1〜図4を参照して、台間ユニット1および遊技台2を用いた遊技に関する主な流れをおおまかに説明する。この明細書では、紙幣やプリペイド残高(価値)の対価に応じて台間ユニット1の払出し制御に基づいて、遊技台2から払い出される遊技玉を貸玉といい、入賞に応じて遊技台2から払い出された遊技玉(賞球)を出玉という。また、台間ユニット1によって計数された遊技玉を持玉というが、持玉とは、厳密に言えば、遊技客が遊技によってその当日に獲得した遊技玉数のうちの一部または全部を、数値データの形で当該遊技客が所有するものである。
【0034】
遊技客が、この遊技台2に対応する台間ユニット1に紙幣やカードを挿入すると、この台間ユニット1に対応する遊技台2において、遊技客に対して所定数の遊技玉が貸し出される。
まず、紙幣に基づいて玉貸が行なわれる場合における台間ユニット1の動作について説明する。紙幣で遊技玉を借りる場合、紙幣挿入部13に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の額に相当する度数が度数表示部44に表示される。また、台間ユニット1内の収納部(図示しない)にストックされているカード(一般カード)から1枚のカードが選ばれ、そのカードのカードIDに対応付けて、プリペイド残高(この場合は挿入された紙幣の額に相当する値)および持玉データ(この場合は「0」)が、台間ユニット1の台間ユニット用記憶部35に一時的に記憶される。さらに、これらのカードID、プリペイド残高および持玉データの情報は、所定のタイミングに管理装置5へ送信され、管理装置5に管理される。
【0035】
そして、遊技台2における貸出ボタン45が押されると、遊技台2の投出装置(図示しない)から、1回分の貸出数に相当する貸玉が、遊技台2の上皿9に払い出される。これに伴い、カードIDに関連付けられているプリペイド残高(台間ユニット用記憶部35に記憶されているプリペイド残高および管理装置5に管理されているプリペイド残高)が更新される。そして、この貸玉を用いて、遊技台2で遊技客による遊技が行われる。
【0036】
次に、カードに関連付けられているプリペイド残高に基づいて玉貸が行なわれる場合における台間ユニット1の動作について説明する。台間ユニット1のカード挿入/排出口16にカードが挿入されると、カードR/W24によってカードIDおよびプリペイド残高が読み出される。台間ユニット1の台間ユニット制御部31は、カードから読み出されたカードIDを管理装置5に送信する。台間ユニット1からカードIDを受信した管理装置5は、そのカードIDに対応するプリペイド残高および持玉データを、台間ユニット1に返送する。台間ユニット制御部31は、管理装置5から受信したプリペイド残高および持玉データをそのカードIDに対応付けた形で、台間ユニット1の台間ユニット用記憶部35に一時的に記憶する。このとき、台間ユニット1における持玉データの管理と引換えに、管理装置5に管理されている持玉データは一旦零になる。これに対し、管理装置5に管理されているプリペイド残高は、台間ユニット1におけるプリペイド残高の記憶に拘らず、元の値のままである。
【0037】
また、プリペイド残高が遊技台2に設けられた度数表示部44に表示される。そして、遊技台2における貸出ボタン45が押されると、遊技台2の投出装置46から、1回分の貸出数に相当する貸玉が、遊技台2の上皿9に払い出される。これに伴い、カードIDに関連付けられているプリペイド残高(台間ユニット1の台間ユニット用記憶部35および管理装置5で管理されているプリペイド残高)が更新される。そして、この貸玉を用いて、遊技台2で遊技が行われる。
【0038】
紙幣で玉貸が行われる場合、およびプリペイド残高に基づいて玉貸が行なわれる場合のそれぞれにおいて、遊技台2における遊技中に遊技台2の入賞口(図示しない)に入球があると、遊技台2の投出装置から、遊技玉が遊技台2の上皿9に払い出される。上皿9に貯留される遊技玉が多量になると、上皿9に貯留された遊技玉は、遊技客の操作によりまたはオーバーフロー路(図示しない)を通って下皿10へと移され、下皿10に貯留される。そして、遊技客が遊技台2の下皿10の底面に設けられたシャッタ(図示しない)を開放すると、下皿10に貯留されている遊技玉が下方に向けて排出される。遊技台2から排出された遊技玉は、台間ユニット1の計数ユニット17によって計数される。
【0039】
図5は、計数ユニット17(台間ユニット制御部31)における計数処理の流れを示すフローチャートである。以下、計数ユニット17における計数処理を、図1〜図5を参照しつつ説明する。
遊技台2から排出された遊技玉は、台間ユニット1の受け皿19(図3参照)によって受け止められた後、玉通路18により一列整列されつつ計数部20に送られる。計数センサ30は、計数部20(計数通路)の所定位置における遊技玉の通過を監視している(ステップS1)。計数センサ30は、遊技玉を1球検出する度に、検出信号を出力する。
【0040】
台間ユニット制御部31に計数センサ30からの検出信号が入力されると(ステップS1でYES)、台間ユニット制御部31は、台間ユニット用記憶部35に記憶されている持玉データの値をインクリメント(「+1」)して更新させ(ステップS2)、かつ状態表示ランプ12をたとえば0.5秒間点灯させるとともに(ステップS3)、通信I/F部34を介して遊技装置3に、所定の信号(計数有信号)を送信する(ステップS4)。その後、計数処理はリターンし、計数センサ30からの検出信号が入力される度に、すなわち計数部20が遊技玉を1玉検出する度に図5に示す処理が繰り返し実行される。
【0041】
台間ユニット用記憶部35に記憶されている持玉データの値が更新(変更)されると、台間ユニット制御部31は、持玉表示部47の表示を、台間ユニット用記憶部35に記憶されている持玉データの値に更新する。また、遊技装置3の遊技装置制御部37は、台間ユニット1からの所定の信号(計数有信号)を受信する度に、遊技ランプ29を0.5秒間点灯させる。
【0042】
次に、図1〜図4を参照して、遊技台2における遊技を終了する場合の流れについて説明する。
遊技台2における遊技を終了する場合、遊技客は、遊技台2に設けられた返却ボタン21を押す。この返却ボタン21の押操作に伴い、カードにプリペイド残高が記録される。このとき、紙幣の挿入に基づいて玉貸が行なわれていた場合には、収納部(図示しない)にストックされたカードのうち選ばれた1枚のカードにプリペイド残高が記録される。また、台間ユニット用記憶部35に記憶されているカードID、プリペイド残高および持玉データが、管理装置5に送信される。管理装置5は、受信したカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残高を、使用したプリペイド価値に相当する分だけ減算することで、当該カードIDに対応するプリペイド残高を更新する。また、管理装置5は、管理している持玉データの値を受信した持玉データに更新する。カードへのプリペイド残高の記録後、カードがカード挿入/排出口16から排出(返却)される。ただし、台間ユニット1に受け付けられたカードに記憶されたプリペイド残高および持玉データとも零である場合には、当該カードは排出されずに、台間ユニット1の収納部に収納され、再利用される。なお、管理装置5は、持玉データを持つカードが挿入されると、持玉データを台間ユニット1に送信し、一旦零にすると説明したが、プリペイドカードの管理のように、台間ユニット1と管理装置5との両方で管理しておくようにしてもよい。
【0043】
カード挿入/排出口16から排出されたカードは、遊技客によって引き抜かれる。遊技客は、他の遊技台2に移動して、このカードを別のその遊技台2に対応する台間ユニット1のカード挿入/排出口16に挿入することにより、プリペイド残高に基づく貸玉の払出しや持玉データに基づく遊技玉の払出しを受けることができる。また、遊技客が退店する場合は、精算機(図示しない)において、カードに関連付けられているプリペイド残高を精算することができる。さらに、遊技客は、景品管理機(図示しない)を利用することにより、カードに関連付けられている持玉データの一部または全部を、景品に交換することができる。
【0044】
以上によりこの実施形態によれば、計数部20による計数中には、状態表示ランプ12および遊技装置3の遊技ランプ29が点灯する。これにより、計数部20による計数中である旨が報知される。そのため、遊技店の従業員が、計数中にある台間ユニット1を識別することができ、その台間ユニット1に注意を向けるようになる。これにより、計数に関する不正行為を未然に抑制することができる。
【0045】
また、遊技玉が計数センサ30を通過すると、当該計数センサ30から検出信号が出力される。この計数センサ30の検出出力に応じて計数中報知が行われるので、計数中報知を精度良く行うことができる。
さらに、従業員の目に付きやすい位置にそれぞれ設置されている状態表示ランプ12および遊技ランプ29で計数中報知を行うので、従業員の注意を集めることができ、計数中である旨を従業員や遊技客に対し、より効果的に伝えることができる。
【0046】
図6は、本発明の他の実施形態(第2実施形態)に係る各台計数装置が適用された台間ユニット1における不正計数中報知の流れを示すフローチャートである。
遊技台2には、遊技盤7に向けて発射された玉(アウト玉)を計数するためのアウト玉計数部(図示しない)が備えられている。また、遊技台2には、投出払出装置(図示しない)から賞玉として投出された玉(セーフ玉)を計数するためのセーフ玉検出部(図示しない)が備えられている。通常、遊技台2は、アウト玉の数を示すアウト玉数信号およびセーフ玉の数を示すセーフ玉数信号が外部中継端子基板(図示しない)を介して外部に出力している。この第2実施形態では、遊技台2から出力されたアウト玉数信号およびセーフ玉数信号が、通信I/F部34を介して台間ユニット制御部11に入力されている。
【0047】
なお、遊技台2から台間ユニット1へのセーフ玉数信号およびアウト玉数信号の入力は、直接行われていてもよいし、島コントローラ4を介して行われていてもよい。さらには、管理装置5を介して行われていてもよい。
遊技客による遊技中は、計数センサ30は、遊技玉を1球検出する度に、検出信号を出力する。台間ユニット制御部31に計数センサ30からの検出信号が入力されると、台間ユニット制御部31は、台間ユニット用記憶部35に記憶されている持玉データの値をインクリメント(「+1」)して更新する。
【0048】
また、台間ユニット制御部31は、アウト玉数に計数玉数を加算した値が、セーフ玉数に貸し玉数を加算した値よりも上回るか否かを監視している(ステップS11)。アウト玉数に計数玉数を加算した値が、セーフ玉数に貸し玉数を加算した値よりも上回る場合には(ステップS11でYES)、不正計数が行われているとして、状態表示ランプ12をたとえば約1.5秒間点灯させるとともに(ステップS12)、通信I/F部34を介して遊技装置3に、所定の信号(計数有信号)を出力する(ステップS13)。状態表示ランプ12の点灯は、解除操作が行われるまで続行される。
【0049】
また、遊技装置3の遊技装置制御部37は、台間ユニット1からの所定の信号(計数有信号)が入力されると、遊技ランプ29を点灯させる。遊技ランプ29の点灯は、解除操作が行われるまで続行される。
この第2実施形態によれば、不正計数中には、状態表示ランプ12および遊技装置3の遊技ランプ29が点灯する。これにより、計数部20による不正計数中である旨が報知される。そのため、遊技店の従業員が、不正計数の発生を知ることができる。
【0050】
以上、この発明の2つの実施形態について説明した。しかしながら、この発明は他の形態でも実施することができる。
前述の各実施形態では、状態表示ランプ12および遊技ランプ29の双方で計数中報知/不正計数中報知を行うものとして説明した。しかしながら、状態表示ランプ12および遊技ランプ29の一方でのみ、計数中報知/不正計数中報知を行うこともできる。
【0051】
また、状態表示ランプ12は、遊技店の従業員を呼び出すために点灯させるものとすることもできる。
また、受け皿ランプ36を用いて、計数中報知/不正計数中報知を行うこともできる。すなわち、台間ユニット制御部31に計数センサ30からの検出信号が入力されると、台間ユニット制御部31は、台間ユニット用記憶部35に記憶されている持玉データの値をインクリメント(「+1」)して更新させるとともに、受け皿ランプ36をたとえば0.5秒間点灯させるようにすることもできる。なお、受け皿ランプ36を用いた計数中報知/不正計数中報知は、状態表示ランプ12および/または遊技ランプ29による計数中報知と併せて行うこともできるし、状態表示ランプ12および/または遊技ランプ29による計数中報知/不正計数中報知に代えて行うこともできる。
【0052】
また、計数ユニット17に関連して、持玉データなどを表示するための表示ユニットが遊技台2の上方に配設されている場合、その表示ユニットを用いて計数中報知/不正計数中報知を行うこともできる。
さらに、LED(収納部状態表示LED23、入金可能表示LED25)の点灯や、一または複数の操作キー27を発光させることにより、計数中報知/不正計数中報知を行うこともできる。
【0053】
また、遊技玉を1球検出する度に、状態表示ランプ12および遊技ランプ29がそれぞれ比較的長い所定時間(たとえば5秒間)だけ点滅動作するものであってもよい。このとき所定時間の経過後、計数部20による遊技玉の計数が終了していれば、ランプ12,29の点灯動作終了後、ランプ12,19は消灯する。このときの状態表示ランプ12の点灯動作は、遊技玉の貸出動作が可能な状態か否か等を表示するときの表示態様とは異なる態様(予め定める色で点滅または点灯)である。また、遊技ランプ29の点灯動作は、遊技台2が遊技者に有利な状態であるとき(たとえば確率変動状態にあるとき)の表示態様、および遊技客が従業員を呼び出すときの表示態様とは異なる態様(予め定める色で点滅または点灯)である。
【0054】
また、所定の時間内に計数部20によって計数された遊技玉の個数が予め定める数を超えるときだけ、計数中報知が行われ、所定の時間内に計数部20によって計数された遊技玉の個数が、予め定める数以下であるときには、計数中報知が行われないようにされていてもよい。
また、各台対応装置の一例として、遊技台2の隣に配置される台間ユニット1を例に挙げて説明したが、各台対応装置は遊技台2の上方に配置される構成であってもよい。
【0055】
また、各台対応装置に含まれる計数装置(前述の実施形態では計数ユニット17に相当)が、前述したように本体部11の下部に設けられた構成以外に、遊技店において遊技台2が上から据え付けられるテーブル(「膳板」と呼ばれる)を貫通するように(つまり、遊技台2の下方に)設けられ、遊技台2の下皿10から計数装置に遊技媒体を送り込んで計数する構成であってもよい。
【0056】
また、液晶表示部28や度数表示部44などにメッセージを表示させることにより、計数中報知/不正計数中報知を行うこともできる。さらに、スピーカなど音声出力により、計数中報知/不正計数中報知を行うこともできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 台間ユニット(各台計数装置)
2 遊技台
3 遊技装置
12 状態表示ランプ(ランプ、計数中報知手段、不正計数検知手段)
18 玉通路(通路)
20 計数部
30 計数センサ
31 台間ユニット制御部(計数中報知手段、応答報知手段、発光制御手段、信号出力手段、不正計数検知手段)
37 遊技装置制御部(遊技ランプ発光制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台に1対1に対応付けられる各台計数装置であって、
前記遊技台から獲得した遊技媒体を計数する計数部と、
前記計数部が遊技媒体を計数中である場合に報知する計数中報知手段とを含む、各台計数装置。
【請求項2】
前記計数部は、前記遊技台から獲得した遊技媒体が流通する通路の途中部に介装された計数センサを含み、
前記計数中報知手段は、前記計数センサの検出出力に応答して報知する応答報知手段を含む、請求項1記載の各台計数装置。
【請求項3】
発光/消灯に切換え可能に設けられ、前記各台計数装置の状態を表すためのランプをさらに備え、
前記計数中報知手段は、前記ランプを所定の態様で発光するように制御する発光制御手段を含む、請求項1または2記載の各台計数装置。
【請求項4】
前記計数中報知手段は、前記計数センサの検出出力に応答して、前記遊技台に1対1に対応付けられた遊技装置に対し所定の信号を出力する信号出力手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の各台計数装置。
【請求項5】
遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台に1対1に対応付けられた各台計数装置であって、
前記遊技台から獲得した遊技媒体を計数する計数部と、
前記計数部における計数結果に基づいて、前記計数部における不正計数を検知する不正計数検知手段と、
不正計数検知手段により前記不正計数が検知された場合に報知する不正計数報知手段とを含む、各台計数装置。
【請求項6】
遊技媒体を用いた遊技を行う遊技台に1対1に対応付けられた各台計数装置と、発光/消灯に切換え可能に設けられた遊技ランプを有し、前記各台計数装置に接続されて、前記遊技台の状態を表すため遊技装置とを含み、
前記各台計数装置に関連して、前記遊技台から獲得した遊技媒体を計数する計数部が設けられており、
前記遊技装置に関連して、前記遊技ランプを所定の態様で発光するように制御する遊技ランプ発光制御手段が設けられている、各台計数システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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