説明

合成アルキルアリールスルホネートを製造する方法

【課題】アルキルアリールスルホネートの製造方法を提供する。
【解決手段】(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも約60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;(b)(a)の生成物をスルホン酸化する工程;そして(c)(b)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程からなる製法により製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルイス酸もしくはブレンステッド酸触媒の存在下、芳香族化合物を、約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンから選ばれるオレフィンの混合物と反応させることにより得られるアルキル化芳香族化合物を、スルホン酸化することによって誘導される合成アルキルアリールスルホネートを製造する方法に関する。スルホン酸化アルキル化芳香族化合物は、強化された油回収用アルキレートとして使用できる。これらのスルホネートは、強化された油回収用界面活性剤として、特に温度が125°F乃至180°F、API度が37、塩水の塩分濃度が16g/l、そして塩水の全溶解固体(TDS)が17500mg/lの貯留層において、優れた性能を示す。
【背景技術】
【0002】
各種のルイス酸もしくはブレンステッド酸の触媒が、芳香族のアルキル化の触媒として作用することが良く知られている。代表的な工業用触媒は、リン酸/珪藻土、ハロゲン化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化アンチモン、塩化第二スズ、塩化亜鉛、ポリ(フッ化水素)オニウム、およびフッ化水素を含む。低分子量のオレフィン、例えば、プロピレンによるアルキル化は、液相もしくは蒸気相中で実施できる。より高分子量のオレフィン、例えば、C16+のオレフィンによるアルキル化については、液相中、多くの場合、フッ化水素の存在下でアルキル化を行う。より高分子量のオレフィンによるベンゼンのアルキル化は困難な場合があり、一般にフッ化水素処理を必要とする。そのような方法は、特許文献1に「芳香族炭化水素のアルキル化方法におけるHFの再生」との発明の名称で開示されており、その記載は、あらゆる目的において参照するため、本明細書の記載とする。
【0003】
これらのアルキル化芳香族化合物は、さらに反応に供され、様々な油含有貯留層からの強化された油回収において使用することができるスルホネート(すなわち、界面活性剤)を生成する。全ての界面活性剤が、全ての貯留層において同じように機能する訳ではないことが発見されている。ある種の界面活性剤は、その分子構造に基づき、少なくとも、貯留層温度185°F、API度36、塩水の塩分濃度2500ppm、そして塩水の全溶解固体(TDS)3000ppmを示す貯留層において、より良好な油回収能を示す。
【0004】
特許文献2は、芳香族炭化水素をオレフィン活性アルキル化剤でアルキル化するための方法を開示している。この芳香族炭化水素は、最初のアルキル化反応ゾーン内で、フッ化水素酸触媒と接触するアルキル化反応条件下で、上記アルキル化剤の最初の一部と混合される。
【0005】
特許文献3はアルキル化方法を開示し、その方法では、流動するオレフィン性物質を流動する酸と混合し、重合させることにより、重合体希釈剤を生成する。この重合体希釈剤は、アルキル化方法において最初に加えられる極めて強い酸のための重合体希釈剤となる。
【0006】
特許文献4は、アルキル化反応器中、炭化水素基体を酸アルキル化触媒の存在下、オレフィン性アルキル化剤で液相アルキル化するための方法であって、少なくとも一種の炭化水素が炭化水素基体よりも低い沸点を有し、アルキル化剤に対して実質的に化学量論的に過剰な炭化水素基体を用い、液体の生成物混合物を生成させる方法を開示している。
【0007】
特許文献5は、約2乃至約30の全塩基価、0%乃至約25%のジアルキレート量、および約75%乃至約90%以上のモノアルキレート量を有し、アルキルアリール部分がアルキルトルエンもしくはアルキルベンゼンであって、上記アルキル基がプロピレンオリゴマーから誘導されるC15−C21分岐鎖アルキル基である低過塩基性アルカリ土類金属アルキルアリールスルホネートを開示しており、これらは潤滑油添加剤として有用である。
【0008】
特許文献6は、(a)50乃至85質量%のC14乃至C40の直鎖を伴うモノアルキルフェニルスルホネートであって、1位もしくは2位におけるフェニルスルホネート置換基のモル比が0乃至13%かつ重質アルキルアリールスルホネートの15乃至50質量%であり、アリール基がフェニルであるか、それ以外であり、アルキル鎖が16乃至40の総炭素原子数を有する2つの直鎖アルキル鎖であるか、または平均で15乃至48の総炭素原子数を有する一つもしくは複数の分岐アルキル鎖であるものを含む超アルカリ価アルカリ土類金属のアルキルアリールスルホネートの混合物を開示している。
【0009】
特許文献7は、地中の貯留層に含まれる残油を回収するために用いられる界面活性剤スラグを開示している。このスラグは、(1)約1乃至約10%の、フッ化水素触媒の存在下、芳香族炭化水素をオレフィン性炭化水素でアルキル化することにより得られたモノおよびジアルキル置換芳香族炭化水素の混合物のスルホネート;(2)約3乃至約6の炭素原子を有する低級アルキルアルコール;および(3)約12乃至約15の炭素原子を有するエトキシ化n−アルコールを含む非イオン性共界面活性剤の混合物を含む。
【0010】
特許文献8は、強化された油回収方法のため、未中和のアルキルキシレンスルホン酸組成物を開示している。この発明も、地中の貯留層からの油の回収を強化するための方法に関する。この発明の方法は、この発明の未中和のアルキルキシレンスルホン酸組成物を用いる。上記未中和のアルキルキシレンスルホン酸組成物は、水性媒体中で用いられる。この方法は、任意に、適切な共界面活性剤、例えば、アルコール、アルコールエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリ(オキシアルキレン)グリコール、および/またはポリ(オキシアルキレン)グリコールエーテルを用いる。
【0011】
特許文献9は、C−C30のアルキルベンゼンとスチレンとの反応生成物およびそれらのスルホン酸化誘導体、並びにそのような生成物および誘導体を製造するための方法を開示している。反応生成物のスルホネート塩は、清浄剤として特に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4503277号明細書(Himes)
【特許文献2】米国特許第4225737号明細書(Mikulicz外)
【特許文献3】米国特許第3953538号明細書(Boney)
【特許文献4】米国特許第5750818号明細書(Mehlberg外)
【特許文献5】米国特許第6551967号明細書(King外)
【特許文献6】米国特許第6054419号明細書(LeCoent)
【特許文献7】米国特許第4536301号明細書(Malloy外)
【特許文献8】米国特許第6989355号明細書(Campbell外)
【特許文献9】米国特許第4816185号明細書(Parker)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
これまでに述べた従来技術には、いずれも、本発明の界面活性剤が、約120°F乃至約180°Fの温度、より好ましくは約140°F乃至約170°Fの温度、最も好ましくは約150°F乃至約160°Fの温度、さらに好ましくは150°Fを超える温度を有する貯留層において用いられ得ることについての認識がない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
最も広い態様において、本発明は下記の工程を含むアルキルアリールスルホネートを製造するための方法に関する:(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも約60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;(b)(a)の生成物をスルホン酸化する工程;そして(c)(b)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程。
【0015】
従って、本発明は:
(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも約60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;
(b)(a)の生成物をスルホン酸化する工程;そして
(c)(b)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程;
により製造されたアルキルアリールスルホネート化合物にも関する。
【0016】
本発明は、下記の工程を含む地中の炭化水素含有累層から原油を回収する方法にも関する:(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも約60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;(b)(a)の生成物をスルホン酸化する工程;(c)(b)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程;そして(d)上記溶液で累層を置換し、産出井から炭化水素を回収する工程。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は様々な修正や変形を許容するが、その特定の態様について本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本明細書における特定の態様についての説明は、本発明を開示される特定の形態に限定することを意図するのではなく、むしろ逆に、添付される特許請求の範囲が定義する本発明の精神と範囲に含まれている限り、全ての修正、同等物、および選択肢を包含するものであることを意図している。
【0018】
[定義]
(オレフィン)
用語「オレフィン」は、数多くの方法で得られる一つ以上の炭素−炭素間二重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素の分類を意味する。一つの二重結合を含むものはモノ−アルケンと呼ばれ、二つの二重結合を有するものはジエン、アルキルジエン、もしくはジオレフィンと呼ばれる。アルファオレフィンは、二重結合が第一炭素と第二炭素との間にあるため、特に反応性がある。例としては、1−オクテンおよび1−オクタデセンであって、これらは環境生分解可能な界面活性剤のための出発点として利用される。直鎖および分岐オレフィンもオレフィンの定義に含まれている。
【0019】
(直鎖オレフィン)
用語「直鎖オレフィン」は、直鎖アルファオレフィンを含み、直鎖で分岐がなく、少なくとも一つの炭素−炭素間二重結合が鎖中に存在する炭化水素であるオレフィンを意味する。
【0020】
(分岐オレフィン)
用語「分岐オレフィン」は、二重結合を含む直鎖当たり一つ以上のアルキル分岐を含むオレフィンの分類を意味し、アルキル分岐はメチル基もしくはそれ以上であってもよい。
【0021】
(C10−C20の直鎖アルファオレフィン)
この用語は、10未満の炭素数が蒸留もしくは他の分別法により除去された直鎖アルファオレフィンの留分を定義している。
【0022】
本発明の好ましい態様の一つは、下記の工程を含む合成アルキルアリールスルホネートを製造するための方法である:(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも約60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;(c)(b)の生成物をスルホン酸化する工程;そして(d)(c)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程。
【0023】
[メタ−キシレン化合物]
本発明で用いるメタ−キシレン化合物は、この技術で良く知られている方法により製造される。
【0024】
[オレフィンもしくはオレフィンの混合物]
(オレフィンの供給源)
本発明で用いるオレフィンもしくはオレフィンの混合物は、直鎖オレフィンの混合物、異性化直鎖オレフィンの混合物、分岐もしくは部分的分岐直鎖オレフィンの混合物、または以上述べたものの任意の混合物のいずれであってもよい。
【0025】
オレフィンは、様々な供給源から誘導できる。そのような供給源は、直鎖アルファオレフィン、直鎖アルファオレフィン、異性化直鎖アルファオレフィン、二量化およびオリゴマー化オレフィン、およびオレフィンの複分解から誘導されるオレフィンを含む。別のオレフィンを誘導できる供給源は、石油もしくはフィッシャー・トロプシュろうのクラッキングによる。フィッシャー・トロプシュろうは、クラッキングの前に水素化処理してもよい。他の市販の供給源は、パラフィンの脱水素化、エチレンおよび他のオレフィンのオリゴマー化、メタノール原料オレフィン製造法(メタノール分解装置)、その他から誘導されるオレフィンを含む。
【0026】
オレフィンは、他の官能基、例えば、カルボン酸基、ヘテロ原子、その他により置換されていてもよい。ただし、そのような基は、強酸触媒と反応しないことが条件である。
【0027】
オレフィンもしくはオレフィンの混合物は、約10の炭素原子乃至約20の炭素原子の範囲の炭素数を有するオレフィンから選択される。好ましくは、オレフィンの混合物は、約12乃至約18の炭素原子の範囲の炭素数を有するオレフィンから選択される。ある態様においては、約12乃至約14の炭素原子を有するものが採用される。ある態様においては、約16乃至約18の炭素原子を有するものが採用される。
【0028】
別の態様において、好ましくは、オレフィンもしくはオレフィンの混合物は、約10乃至約20の炭素原子を含む直鎖アルファオレフィンもしくは異性化直鎖オレフィンから誘導されるオレフィンの混合物である。さらに好ましくは、オレフィンもしくはオレフィンの混合物は、約12乃至約18の炭素原子を含む直鎖アルファオレフィンもしくは異性化直鎖オレフィンから誘導される混合物である。ある態様において、オレフィンもしくはオレフィンの混合物は、約12乃至約14の炭素原子を含む直鎖アルファオレフィンもしくは異性化直鎖オレフィンから誘導されるオレフィンの混合物である。ある態様において、オレフィンまたは直鎖アルファオレフィンもしくは異性化直鎖オレフィンから誘導されるオレフィンの混合物は、約16乃至18の炭素原子を含む直鎖アルファオレフィンもしくは異性化直鎖オレフィンから誘導されるオレフィンの混合物である。
【0029】
ある態様において、オレフィンの混合物は、分岐オレフィンの混合物である。上記分岐オレフィンの混合物は、好ましくは、C以上のモノオレフィン(すなわち、ポリプロピレン、ポリブチレン、もしくはコオリゴマー等)から誘導できるポリオレフィンから選択される。好ましくは、分岐オレフィンの混合物は、ポリプロピレンもしくはポリブチレンのいずれか、またはそれらの混合物である。
【0030】
(直鎖アルファオレフィン)
好ましくは、アルキル化反応のため用いることができる直鎖オレフィンの混合物は、分子当たり約10乃至約20の炭素原子を有するオレフィンから選択される直鎖アルファオレフィンの混合物である。さらに好ましくは、直鎖アルファオレフィン混合物は、分子当たり約12乃至約18の炭素原子を有するオレフィンから選択される。ある態様において、直鎖アルファオレフィン混合物は、分子当たり約12乃至約14の炭素原子を有するオレフィンから選択される。ある態様において、直鎖アルファオレフィン混合物は、分子当たり約16乃至約18の炭素原子を有するオレフィンから選択される。
【0031】
本発明のある態様において、直鎖アルファオレフィンは、固体もしくは液体の二種類の酸性触媒のうち、少なくとも一種類を用いて異性化される。固体触媒は、好ましくは、少なくとも一種の金属酸化物と5.5オングストローム未満の平均孔径とを有する。さらに好ましくは、固体触媒は、一次元の孔系を有する分子ふるいであって、例えば、SM−3、MAPO−11、SAPO−11、SSZ−32、ZSM−23、MAPO−39、SAPO−39、ZSM−22、もしくはSSZ−20である。異性化に利用可能なその他の酸性固体触媒は、ZSM−35、SUZ−4、NU−23、NU−87、および天然もしくは合成フェリエ沸石を含む。これらの分子ふるいは、この技術で良く知られており、ローズマリー・ツォスタク著、分子ふるいのハンドブック(ニューヨーク、バン・ノストランド・ラインホルド、1992年)に記載されており、その記載は、あらゆる目的において参照するため、本明細書の記載とする。使用可能な液体型の異性化触媒は、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))である。
【0032】
直鎖アルファオレフィンを異性化するための方法は、バッチもしくは連続方式で実施できる。その方法における温度は、約50℃乃至約250℃の範囲でよい。バッチ方式において採用する代表的な方法は、撹拌オートクレーブもしくはガラス製フラスコであって、これらは望ましい反応温度まで加熱することができる。連続方法は、固定床型方法において最も効率良く実施される。固定床型方法における空間速度は、1時間当たり0.1乃至10以上の質量の空間速度の範囲が可能である。
【0033】
固定床型方法では、異性化触媒を反応器に加えて、少なくとも150℃の温度で、吸引下もしくは不活性な乾燥気体の流動下、活性化もしくは乾燥させる。活性化後、異性化触媒の温度を望ましい反応温度まで調節し、オレフィンを反応器に流入する。部分的に分岐した異性化オレフィンを含む反応器の流出液を集めた。得られる部分的に分岐した異性化オレフィンは、様々なオレフィンの分布(すなわち、アルファオレフィン、ベータオレフィン;内部オレフィン、トリ置換オレフィン、およびビニリデンオレフィン)と分岐量とを含み、望ましいオレフィンの分布と分岐の程度を得られるように、未異性化オレフィンと条件とを選択する。
【0034】
[酸触媒]
一般に、アルキル化芳香族化合物は、酸触媒(ブレンステッド酸もしくはルイス酸)を用いて製造できる。
【0035】
好ましくは、酸触媒は、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、および硝酸からなる群より選択される。さらに好ましくは、酸触媒は三塩化アルミニウムである。
【0036】
アルキル化方法は、バッチ式もしくは連続式の方法で実施できる。酸触媒は、連続式の方法において使用すると、再利用できる。酸触媒は、バッチ式の方法もしくは連続式の方法において使用すると、再利用もしくは再生できる。
【0037】
酸触媒は、不活性化(すなわち、触媒が全てもしくは一部の触媒活性を失った)後に再生できる。この技術で良く知られている方法を用いて、不活性化した酸触媒を再生できる。
【0038】
[アルキル化芳香族化合物を製造するための方法]
本発明のある態様において、アルキル化方法は、メタ−キシレン化合物を、酸触媒、例えば三塩化アルミニウムの存在下、撹拌を継続している反応器中で、オレフィンもしくはオレフィン化合物の混合物と反応させることにより実施され、それにより、アルキル化メタ−キシレン生成物が生成する。過剰量のメタ−キシレンを、アルキル化反応に用いることができる。酸触媒を閉鎖環状サイクルにおいて、反応器で再利用することができる。炭化水素生成物は、さらに処理されて、目的とするアルキレート生成物から、過剰な未反応の芳香族化合物、および任意にオレフィン性化合物が除かれる。過剰な芳香族化合物は、反応器で再利用することもできる。
【0039】
酸触媒対オレフィン化合物の混合物の全添加モル比は、約1.0乃至1である。
【0040】
メタ−キシレン化合物対オレフィン化合物の混合物の全添加モル比は、約5.0乃至1である。
【0041】
多くの種類の配置からなる反応器が使用できる。これらは、以下に限定されるものではないが、バッチ式および連続式の撹拌タンク反応器、反応器と上昇管との配置、沸騰床反応器、および他の当業者に良く知られている反応器の配置を含む。それらの反応器の多くは当業者に知られており、アルキル化反応に適している。バッチ式もしくは準バッチ式の反応器において、撹拌はアルキル化反応に必須であり、回転翼を回転させること(隔壁はあってもなくてもよい)、静的撹拌器、上昇管における動的な撹拌、もしくは当業者に良く知られている他の任意の撹拌装置により実施できる。
【0042】
アルキル化方法は、約15℃乃至約65℃の温度で実施できる。この方法は、原料成分の実質的な部分が液相として残存するために充分な圧力下で実施する。一般に、原料と生成物とを液相として維持するためには、0乃至150psigの圧力で充分である。
【0043】
反応器内に留まる時間は、オレフィンの実質的な部分をアルキレート生成物に変換するために充分な時間である。必要な時間とは、約30秒間乃至約120分間である。より正確な滞留時間は、当業者がバッチ式の撹拌タンク反応器を用いて、アルキル化方法の速度を測定することにより決定できる。
【0044】
メタ−キシレン化合物とオレフィンもしくはオレフィンの混合物とは、別々に反応ゾーンに注入でき、あるいは注入前に予め混合することもできる。単一および複数の反応ゾーンのいずれも、上記芳香族化合物と上記オレフィンの混合物とを一つの、もしくは幾つかのあるいは全ての反応ゾーンに注入する際に使用できる。複数の反応ゾーンを、同じ処理条件に保つ必要はない。
【0045】
アルキル化方法のための炭化水素原料油は、メタ−キシレン化合物と混合物オレフィンとを含むことができ、メタ−キシレン化合物対オレフィンのモル比は、約0.5:1乃至約50:1以上である。メタ−キシレン化合物対オレフィンのモル比が1.0を超える値乃至1となる場合、過剰量の芳香族化合物が存在する。好ましくは過剰のメタ−キシレン化合物を使用して、反応速度を増加させ、生成物の選択性を改良する。過剰のメタ−キシレンが使用される場合、反応器の排出液における過剰で未反応のメタ−キシレンは、例えば、蒸留により分離し、反応器で再利用することができる。
【0046】
[トリアルキル置換アルキル化芳香族化合物]
本発明の中間生成物は、トリアルキル置換芳香族化合物である。好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。より好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約65質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と35質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。さらに好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約70質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と30質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。最も好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約75質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と25質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。さらにまた好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約80質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と20質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。特に好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約85質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と15質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。さらにまた特に好ましくは、得られる中間生成物が、少なくとも約90質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物と10質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物とを含む。
【0047】
[アルキル化芳香族スルホネートの製造]
本発明のある態様において、本明細書に記載する方法により製造される生成物(すなわち、アルキル化芳香族化合物:1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物;1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物およびそれらの混合物)は、さらに反応させてスルホネートを生成する。
【0048】
[スルホン酸化]
次に、アルキル化芳香族化合物のスルホン酸化は、当業者に知られている任意の方法により実施できる。スルホン酸化反応は、一般に、約55℃に保たれている連続式落下膜管型反応器中で実施される。アルキルアリール化合物は、空気で希釈した三酸化硫黄、硫酸、クロロスルホン酸、もしくはスルファミン酸と共に反応器に入れ、それによりアルキルアリールスルホン酸が生成する。好ましくは、アルキル化芳香族化合物を、空気で希釈した三酸化硫黄でスルホン酸化し、それによりアルキルアリールスルホン酸化合物が生成する。三酸化硫黄対アルキレートの添加モル比は、約0.8乃至1.1:1の範囲を保つ。
【0049】
[アルキルアリールスルホン酸の中和]
アルキルアリールスルホン酸の中和は、当業者に知られている連続式もしくはバッチ式の方法で実施でき、それによりアルキルアリールスルホネートが生成する。一般に、アルキルアリールスルホン酸は、アルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する。好ましくは、供給源は、アルカリもしくはアルカリ土類金属であり;さらに好ましくは、供給源は、アルカリ土類金属の水酸化物、例えば、これらに限定される訳ではないが、水酸化カルシウムもしくは水酸化マグネシウムである。
【0050】
その他の態様は、当業者にとって自明であろう。
【0051】
以下の実施例は本発明の態様を説明するために示すが、いずれにしても本発明の範囲を限定するように解釈されることはない。
【実施例】
【0052】
[実施例1]
(三塩化アルミニウムのアルキル化触媒を用いるアルキルキシレンの製造)
【0053】
[例1A]
(C12−C18の直鎖アルファオレフィンによるメタ−キシレンのアルキル化)
三塩化アルミニウムからなるアルキル化触媒を用いて、アルキルキシレンを製造した。バッチ方式のベンチスケール単位で、C12−C18の直鎖アルファオレフィンでメタ−キシレンをアルキル化した。窒素下、3リットルのガラス製反応器に、1120.4gのメタ−キシレンを加え、撹拌しながら18.0gの三塩化アルミニウムを反応混合物に加えた。次に、443.7gのC12−C18の直鎖アルファオレフィンを、発熱反応による温度上昇を抑制するため1.5時間をかけて、反応器に加えた。反応の温度は、27℃を超えることはなかった。オレフィンの添加の最後で、反応混合物を約26℃で1時間保った。この期間の後、反応を冷却蒸留水、水酸化ナトリウムの50質量%溶液、および3回の連続水洗でクエンチし、有機相から酸触媒を除いた。アルキルキシレン生成物を含む有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、過剰なメタ−キシレンを、ロータバップ蒸発器を用いる圧力下で蒸発させ、アルキルキシレン生成物を回収した。
【0054】
例1Aに関し、GCおよびNMRにより測定される分析データのまとめについては表Iを参照されたい。
【0055】
[例1B]
(C12−C18の直鎖アルファオレフィンによるメタ−キシレンのアルキル化)
三塩化アルミニウムからなるアルキル化触媒を用いて、アルキルキシレンを製造した。バッチ方式のベンチスケール単位で、C12−C18の直鎖アルファオレフィンでメタ−キシレンをアルキル化した。窒素下、3リットルのガラス製反応器に、1120.7gのメタ−キシレンを加え、撹拌しながら17.8gの三塩化アルミニウムを反応混合物に加えた。次に、444.0gのC12−C18の直鎖アルファオレフィンを、発熱反応による温度上昇を抑制するため1.0時間かけて、反応器に加えた。反応の温度は、60℃を超えることはなかった。オレフィンの添加の最後で、反応混合物を約60℃で1時間維持した。この期間の後、反応をクエンチし、例1Aに記載したようにアルキルキシレンを回収した。
【0056】
例1Bに関する分析データのまとめについては表Iを参照されたい。
【0057】
[例1C]
(C12−C14の直鎖アルファオレフィンによるメタ−キシレンのアルキル化)
三塩化アルミニウムからなるアルキル化触媒を用いて、アルキルキシレンを製造した。バッチ方式のベンチスケール単位で、C12−C14の直鎖アルファオレフィンでメタ−キシレンをアルキル化した。窒素下、3リットルのガラス製反応器に、1120.0gのメタ−キシレンを加え、撹拌しながら15.4gの三塩化アルミニウムを反応混合物に加えた。次に、384.0gのC12−C14の直鎖アルファオレフィンを、発熱反応による温度上昇を抑制するため0.5時間かけて、反応器に加えた。反応の温度は、25℃を超えることはなかった。オレフィンの添加の最後で、反応混合物を約24℃で1時間維持した。この期間の後、反応をクエンチし、例1Aに記載したようにアルキルキシレンを回収した。
【0058】
例1Cに関する分析データのまとめについては表Iを参照されたい。
【0059】
[例1D]
(C12−C14の直鎖アルファオレフィンによるメタ−キシレンのアルキル化)
三塩化アルミニウムからなるアルキル化触媒を用いて、アルキルキシレンを製造した。バッチ方式のベンチスケール単位で、C12−C14の直鎖アルファオレフィンでメタ−キシレンをアルキル化した。窒素下、3リットルのガラス製反応器に、1120.0gのメタ−キシレンを加え、撹拌しながら15.4gの三塩化アルミニウムを反応混合物に加えた。次に、384.0gのC12−C14の直鎖アルファオレフィンを、発熱反応による温度上昇を抑制するため0.5時間をかけて、反応器に加えた。反応の温度は、60℃を超えることはなかった。オレフィンの添加の最後で、反応混合物を約60℃で1時間維持した。この期間の後、反応をクエンチし、例1Aに記載したようにアルキルキシレンを回収した。
【0060】
例1Dに関する分析データのまとめについては表Iを参照されたい。
【0061】
[例1E]
(C16−C18の直鎖アルファオレフィンによるメタ−キシレンのアルキル化)
三塩化アルミニウムからなるアルキル化触媒を用いて、アルキルキシレンを製造した。バッチ方式のベンチスケール単位で、C16−C18の直鎖アルファオレフィンでメタ−キシレンをアルキル化した。窒素下、3リットルのガラス製反応器に、1120.1gのメタ−キシレンを加え、撹拌しながら20.1gの三塩化アルミニウムを反応混合物に加えた。次に、502.2gのC16−C18の直鎖アルファオレフィンを、発熱反応による温度上昇を抑制するため0.5時間をかけて、反応器に加えた。反応の温度は、60℃を超えることはなかった。オレフィンの添加の最後で、反応混合物を約60℃で1時間維持した。この期間の後、反応をクエンチし、例1Aに記載したようにアルキルキシレンを回収した。
【0062】
例1Eに関する分析データのまとめについては表Iを参照されたい。
【0063】
表I
──────────────────────────────────
アルキル鎖の結合位置 芳香族異性体分布
──────────────────────────────────
質量%、1− 質量%、1−
アルキル− アルキル−
例 2−結合 3−結合 4以上− 3,5−ジメ 2,4−ジメ
結合 チルベンゼン チルベンゼン
──────────────────────────────────
1A 58.7% 18.6% 22.7% 71.8% 28.2%
1B 40.7% 17.7% 41.6% 93.8% 6.2%
1C 60.3% 18.9% 20.8% 65.8% 34.2%
1D 39.1% 18.7% 42.2% 94.0% 6.0%
1E 32.7% 15.7% 51.6% 93.7% 6.3%
──────────────────────────────────
【0064】
[実施例2]
(アルキルキシレンスルホン酸の製造)
上記実施例1で製造したアルキルキシレンを用いて、アルキルキシレンスルホン酸を製造した。アルキルキシレンのスルホン酸化は、連続式落下膜流動反応器中で、アルキルキシレンを空気と三酸化硫黄との流体に接触させることにより実施した。アルキルキシレン対三酸化硫黄のモル比は、約1.0:1.0であった。反応器のジャケットの温度は、ほぼ55℃に維持した。スルホン酸生成物を、標準シクロヘキシルアミン溶液で電位差滴定し、試料中のスルホン酸および硫酸の質量%を測定した。結果を以下の表IIにまとめて示す。
【0065】
表II
──────────────────────
例 スルホン酸(質量%) 硫酸(質量%)
──────────────────────
例1A 90.1 1.3
例1B 90.0 1.0
例1C 83.2 1.6
例1D 83.0 1.9
例1E 88.6 1.5
──────────────────────
【0066】
[実施例3]
(アルキルキシレンスルホネートの製造)
上記実施例2で製造したアルキルキシレンスルホン酸を用いて、アルキルキシレンスルホネートを製造した。スルホン酸の中和は、ビーカー中で磁気撹拌をしながら実施した。スルホン酸を約40℃まで加熱し、スルホン酸の粘度を低下させた。次に、水酸化ナトリウムの50質量%溶液を反応混合物に、ゆっくり加えた。反応の温度を80℃よりも低く保ち、水の蒸発を抑制した。加えた水酸化ナトリウムは、各試料のスルホン酸および硫酸の量に基づいて計算した(実施例2を参照)。水酸化ナトリウムの正確な量を用いて、アルキルキシレンスルホン酸の正確な100%中和を実現した。アルキルキシレンスルホン酸ナトリウムを、標準アミン溶液を用いて滴定し、試料中のスルホネートの質量%を測定した。結果を以下の表IVにまとめて示す。
【0067】
表IV
───────────────
例 スルホネート(質量%)
───────────────
例1A 79.1
例1B 78.8
例1C 76.9
例1D 77.0
例1E 72.5
───────────────
【0068】
[実施例4]
(相挙動による強化された油回収能の測定)
例1A、1B、および1Dのスルホネートについて、ジャクソン、A.C.の「強化された油回収のための界面活性剤における炭酸ナトリウムの利点について実験による研究」、MSE論文、テキサス大学、オースチン、2006年、12月に概説されている通り、相挙動を調べた。
【0069】
相挙動の結果は、表Vにまとめて示す。本発明の界面活性剤は、強化された油回収のため貯留層において有用となる望ましい可溶化率を有している。少なくとも8の可溶化率を有していることが望ましい。可溶化率はV/Vとして定義され、Vは、「中間点」もしくは「至適塩分濃度」での中間相微細乳化液において、石油スルホネート反応体の容積単位(V)当たり溶解する油の容積である。本質において、可溶化率は、乳化液中で界面活性剤がどの程度の量の油を可溶化するかの測定値である。可溶化率が大きいほど、界面活性剤はより多くの油を可溶化できる。
【0070】
表V
──────────────────────────────
例 可溶化率 至適塩分濃度
(cc/cc) (質量%、カーボネート) 平衡時間*
──────────────────────────────
例1A 24 2.1 <1週間
例1B 24 2.0 >1週間
例1D 11 0.38 >1週間
──────────────────────────────
【0071】
*平衡時間は、界面活性剤/油の相挙動から安定した状態に到達した結果である微細乳化液に至るまでに要する時間として定義される。1週間未満の平衡時間を有することが望ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含むアルキルアリールスルホネートを製造するための方法:
(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、10乃至20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;
(b)(a)の生成物をスルホン酸化する工程;そして
(c)(b)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程。
【請求項2】
上記アルカリもしくはアルカリ土類金属の供給源が水酸化物である請求項1に従う方法。
【請求項3】
(b)の生成物を、空気で希釈した三酸化硫黄と反応させる際に、生成物がスルホン酸化される請求項1に従う方法。
【請求項4】
工程(a)におけるオレフィンもしくはオレフィンの混合物が、直鎖オレフィンの混合物、異性化直鎖オレフィンの混合物、分岐オレフィンの混合物、部分的分岐オレフィンの混合物、もしくはそれらの混合物である請求項1に従う方法。
【請求項5】
工程(a)におけるオレフィンもしくはオレフィンの混合物が直鎖オレフィンの混合物である請求項4に従う方法。
【請求項6】
上記の直鎖オレフィンの混合物が直鎖アルファオレフィンの混合物である請求項5に従う方法。
【請求項7】
上記の直鎖オレフィンの混合物が、石油ろう或いはフィッシャー・トロプシュろうのクラッキングにより誘導されるオレフィンを含む請求項6に従う方法。
【請求項8】
上記のオレフィンもしくはオレフィンの混合物が、12の炭素原子乃至18の炭素原子を含むオレフィンから選択される請求項4に従う方法。
【請求項9】
上記のオレフィンもしくはオレフィンの混合物が、12乃至18の炭素原子を含む直鎖アルファオレフィンもしくは異性化直鎖オレフィンから誘導されたオレフィンの混合物である請求項4に従う方法。
【請求項10】
上記の直鎖オレフィンの混合物が、オレフィンの複分解により誘導された直鎖内部オレフィンの混合物である請求項5に従う方法。
【請求項11】
上記のオレフィンの混合物が、分岐オレフィンの混合物である請求項1に従う方法。
【請求項12】
上記の分岐オレフィンの混合物が、C以上のモノオレフィンから誘導されたポリオレフィン化合物を含む請求項11に従う方法。
【請求項13】
上記のポリオレフィン化合物が、ポリプロピレンもしくはポリブチレンのいずれかである請求項12に従う方法。
【請求項14】
上記のポリオレフィン化合物が、ポリプロピレンである請求項13に従う方法。
【請求項15】
上記のポリオレフィン化合物が、ポリブチレンである請求項14に従う方法。
【請求項16】
上記の酸触媒が、ブレンステッド酸もしくはルイス酸から選択される請求項1に従う方法。
【請求項17】
上記の酸触媒が、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、および硝酸からなる群より選択される請求項16に従う方法。
【請求項18】
上記の得られる生成物が、25質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも75質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む請求項1に従う方法。
【請求項19】
上記の得られる生成物が、10質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも90質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む請求項18に従う方法。
【請求項20】
請求項1に従う方法により製造されたアルキルアリールスルホネート化合物。
【請求項21】
下記の工程を含む地中の炭化水素含有累層から原油を回収する方法:
(a)少なくとも一種のメタ−キシレン化合物を、酸触媒の存在下、10乃至20の炭素原子を有するオレフィンもしくはオレフィンの混合物と反応させる工程、ただし得られる生成物は40質量%以下の1−アルキル−2,4−ジメチル置換芳香族化合物と少なくとも60質量%の1−アルキル−3,5−ジメチル置換芳香族化合物とを含む;
(b)(a)の生成物をスルホン酸化する工程;
(c)(b)の生成物をアルカリもしくはアルカリ土類金属またはアンモニアの供給源で中和する工程;そして
(d)上記溶液を累層に注入し、産出井から炭化水素を回収する工程。

【公表番号】特表2013−511529(P2013−511529A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540003(P2012−540003)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/057035
【国際公開番号】WO2011/062988
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(598037547)シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー (135)
【Fターム(参考)】