説明

合成コンテンツ記録装置、及び、プログラム

【課題】コンテンツの使用態様によって、外部記憶部への記録を規制し、コンテンツの適切な保護を行うことができる合成コンテンツ記録装置、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】複数のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを外部記憶部に記録する合成記録手段と、前記複数のコンテンツのうちの1以上のコンテンツの、前記外部記憶部への記録を許可する使用態様をそれぞれ指定する1以上の使用態様情報を取得する取得手段と、を備える。合成記録手段は、前記1以上のコンテンツそれぞれが、前記取得手段が取得した前記1以上の使用態様情報がそれぞれ指定する前記使用態様で前記合成コンテンツに使用されているかを特定する。そして、合成記録手段は、特定した結果に応じて前記合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成コンテンツ記録装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、入力される、コピー規制情報を有するデータストリームを情報処理する情報処理装置において、上記コピー規制情報に応じて、上記データストリームをデータ劣化処理するデータ劣化処理手段を有することを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−60361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された情報処理装置は、デジタル情報の使用態様によってコピーを規制するものでは無かった。このように、従来は、デジタル情報等のコンテンツの使用態様によって、外部記憶部への記録を規制する技術が無かったために、コンテンツの適切な保護(特に著作権上の保護)が適切に行われていなかった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、コンテンツの使用態様によって、外部記憶部への記録を規制し、コンテンツの適切な保護を行うことができる合成コンテンツ記録装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る合成コンテンツ記録装置は、
複数のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを外部記憶部に記録する合成記録手段と、
前記複数のコンテンツのうちの1以上のコンテンツの、前記外部記憶部への記録を許可する使用態様をそれぞれ指定する1以上の使用態様情報を取得する取得手段と、を備え、
前記合成記録手段は、前記1以上のコンテンツそれぞれが、前記取得手段が取得した前記1以上の使用態様情報がそれぞれ指定する前記使用態様で前記合成コンテンツに使用されているかを特定し、特定した結果に応じて前記合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する。
【0007】
本発明の第2の観点に係る合成コンテンツ記録装置は、
コンテンツと前記コンテンツの外部記憶部への記録を許可する使用態様を指定する使用態様情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記コンテンツと他のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する合成記録手段と、を備え、
前記合成記録手段は、前記取得手段が取得した前記コンテンツが、前記取得手段が取得した前記使用態様情報が指定する前記使用態様で使用されていない合成コンテンツの記録を行わない。
【0008】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
複数のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを外部記憶部に記録する合成記録手段、
前記複数のコンテンツのうちの1以上のコンテンツの、前記外部記憶部への記録を許可する使用態様をそれぞれ指定する1以上の使用態様情報を取得する取得手段、として機能させ、
前記合成記録手段は、前記1以上のコンテンツそれぞれが、前記取得手段が取得した前記1以上の使用態様情報がそれぞれ指定する前記使用態様で前記合成コンテンツに使用されているかを特定し、特定した結果に応じて前記合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する。
【0009】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
コンテンツと前記コンテンツの外部記憶部への記録を許可する使用態様を指定する使用態様情報とを取得する取得手段、
前記取得手段が取得した前記コンテンツと他のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する合成記録手段、として機能させ、
前記合成記録手段は、前記取得手段が取得した前記コンテンツが、前記取得手段が取得した前記使用態様情報が指定する前記使用態様で使用されていない合成コンテンツの記録を行わない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る合成コンテンツ記録装置、及び、プログラムによれば、コンテンツの使用態様によって、外部記憶部への記録を規制し、コンテンツの適切な保護を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の1実施形態に係る表示端末の構成を示す図である。
【図3】本発明の1実施形態に係る表示端末のハードウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の1実施形態に係る表示端末が行うコンテンツ取得処理についての表示端末とコンテンツ配信サーバとについてのフローチャートである。
【図5】本発明の1実施形態で使用される一覧情報の一例の内容を示す図である。
【図6】合成画像の一例を示す図である。
【図7】本発明の1実施形態で使用される対応表の一例の内容を示す図である。
【図8】本発明の1実施形態に係る表示端末が行う合成記録処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明及び図面の記載によって限定されるものではない。下記の説明及び図面の内容に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。
【0013】
まず、図1を参照して、本実施形態に係るコンテンツ配信システム1の構成を説明する。コンテンツ配信システム1は、表示端末(合成コンテンツ記録装置)100と、コンテンツ配信サーバ200と、を備える。表示端末100とコンテンツ配信サーバ200とは、インターネット等のネットワーク300に接続されている。表示端末100及び/又はコンテンツ配信サーバ200は、複数あっても良い。
【0014】
コンテンツ配信サーバ200は、サーバコンピュータであり、表示端末100の要求に応答して、この表示端末100にコンテンツファイルの一覧情報、コンテンツファイル等を、ネットワーク300を介して配信する。コンテンツ配信サーバ200は、ハードディスク等から構成される記憶部を有し、表示端末100の要求に応じたデータ(コンテンツファイルの一覧情報、コンテンツファイル等のデータ)をこの記憶部から取得して配信するものとする。
【0015】
表示端末100は、コンテンツ配信サーバ200に、コンテンツファイルの一覧情報、コンテンツファイル等の送信の要求を行って、コンテンツ配信サーバ200から、コンテンツファイルの一覧情報、コンテンツファイル等を、ネットワーク300を介して取得する。表示端末100は、コンテンツファイルに含まれるコンテンツを用いて後述の合成コンテンツを生成する。また、表示端末100は、コンテンツファイルの一覧情報に含まれる使用態様情報に基づいて、所定の条件のもと、合成コンテンツを外部記憶部に記録する。
【0016】
本実施形態では、表示端末100とコンテンツ配信サーバ200との通信プロトコルとして、HTTPが用いられている。また、以下では、コンテンツは、画像であるとして説明するが、コンテンツは、音声等であってもよい。コンテンツファイルは、コンテンツを表すデータを含むデータファイルをいう。
【0017】
次に表示端末100の主要な構成を、図2及び3を参照して説明する。図2のように、表示端末100は、制御部110と、内部記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150と、読取書込部160と、を備える。表示端末100は、デジタルフォトフレーム、パーソナルコンピュータ等の適宜の装置で構成される。表示端末100には、メモリーカード等からなる外部記憶部50が着脱可能に接続される。
【0018】
通信部130は、ネットワークカード等を含む通信装置131によって構成される。通信部130は、ネットワーク300に接続される。通信部130は、コンテンツ配信サーバ200との通信に使用される。
【0019】
操作部140は、各種の操作ボタン等を含む入力装置141によって構成される。操作部140は、所定の操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作信号を制御部110に供給する。
【0020】
表示部150は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)、プラズマ等の各種方式のディスプレイ装置151によって構成され、制御部110の制御のもと、所定のコンテンツを表示する。
【0021】
読取書込部160は、カードスロット等を含む読取書込装置161によって構成される。読取書込部160には、外部記憶部50が接続される。読取書込部160は、外部記憶部50に対してのデータの読み書きに使用される。
【0022】
内部記憶部120は、RAM(Random Access Memory)121、フラッシュメモリ122によって構成され、所定のデータを適宜記憶する。RAM121は、後述のCPU(Central Processing Unit)111のメインメモリとして機能する。フラッシュメモリ122は、プログラム、各種のデータを記憶する。フラッシュメモリ122は、補助記憶装置として機能し、プログラム、各種データは、適宜、RAM121に読み出される。内部記憶部120を構成する記憶装置は、上記に限られず、他の記憶装置(例えば、ハードディスク)であってもよい。
【0023】
制御部110は、取得部110aと、合成記録部110bと、を備える。これらは、表示端末110全体を制御するとともに、後述の処理を行う。
【0024】
制御部110は、CPU111によって構成される。CPU111は、RAM121に読み出されたプログラムに従って、取得部110aと、合成記録部110bと、が行う後述の処理を行う。CPU111は、特に、RAM122に記録されたデータやフラッシュメモリ122に記録されたデータ(RAM121に適宜読み出される)等を用いて、取得部110aと合成記録部110bとが行う後述の処理を行う。制御部110(取得部110a、合成記録部110b)の少なくとも一部は、各種の専用回路等によって構成されてもよい。この場合、この専用回路が後述の処理の少なくとも一部を行う。
【0025】
次に、表示端末100の動作(制御部110の各部が行う処理)について説明する。下記の動作で用いられる必要なデータは、適宜内部記憶部120に記録されているものとし、制御部110の各部は適宜内部記憶部120からデータを取得して用いるものとする。
【0026】
まず、取得部110aが、通信部130を用いてネットワーク300を介してコンテンツ配信サーバ200と通信し、コンテンツファイル等をコンテンツ配信サーバ200から取得するコンテンツ取得処理を、図4等を参照して説明する。
【0027】
制御部110の取得部110aは、所定のタイミングで、コンテンツ取得処理を開始し、コンテンツ配信サーバ200に、第1のHTTPリクエストを送信する(ステップS101)。所定のタイミングとは、例えば、コンテンツ配信サーバ200からコンテンツ配信を受ける指示を、ユーザが操作部140を操作して行ったときである。取得部110aは、所定の操作画面を表示部150に表示し、ユーザは、この操作画面を見ながら操作部140を操作して前記の指示を行う。取得部110aは、ユーザの操作に応じた操作信号を操作部140から受け取り、ユーザによって前記の指示が行われたと判別した場合に、コンテンツ配信サーバ200に対して第1のHTTPリクエストを送信する。この第1のHTTPリクエストは、コンテンツファイルの一覧情報の送信要求である。制御部110の取得部110aは、図示しないカレンダ部を参照し、予め設定されている時期が到来したときを所定のタイミングとして、予め設定されている方法で第1のHTTPリクエストを送信してもよい。
【0028】
コンテンツ配信サーバ200は、第1のHTTPリクエストを受け取ると、このリクエストに応答してコンテンツファイルの一覧情報を表示端末100に返信する(ステップS102)。この一覧情報は、例えば、XML文書で表される。
【0029】
前記の一覧情報の一例を図5に示す。図5のように、この一覧情報には、ダウンロード可能なコンテンツファイルについての情報と、これらのコンテンツファイルについての付帯情報(例えば、「<title>」(一覧情報のタイトル)として、「DP素材リスト」等が含まれる。)と、が記述されている。コンテンツファイルについての情報それぞれには、コンテンツファイルが格納されているURL(「<attachedfileurl>」のタグの「https://artframe.jp/?char=1」)、コンテンツファイル名(「<attachedfilename>」のタグの「aaa.jpe」)、及び、このコンテンツファイルに含まれるコンテンツの使用態様情報(「<copyprotectpolicy>」のタグの「partsfree」)が含まれている。
【0030】
図5では、コンテンツファイルについての情報は、1つしか表されていないが、実際は複数ある。この場合、一覧情報には、複数のコンテンツファイル分、コンテンツファイルについての情報が含まれる。つまり、図5のような記述では、この複数のコンテンツファイル分、コンテンツファイルについての記述が繰り返される。なお、コンテンツファイルについての情報は、1つであってもよい。
【0031】
このコンテンツファイルに含まれるコンテンツは、取得部110aによって、他のコンテンツと合成される。この合成によって、合成後のコンテンツである合成コンテンツが生成される。つまり、複数のコンテンツが合成されて合成コンテンツが生成される。合成は、例えば、基礎となるコンテンツに、パーツとなるコンテンツを1以上重畳する(貼り付ける、対応する部分をパーツとなるコンテンツに置き換える等)ことによって行われる。他のコンテンツが重畳されるコンテンツを合成の基礎となるコンテンツとして基礎コンテンツという。基礎コンテンツ上に重畳されるコンテンツを合成の際のパーツとなるコンテンツとしてパーツコンテンツという。
【0032】
使用態様情報は、そのコンテンツの、外部記録部50への記録を許可する使用態様を指定する情報である。ここで指定される使用態様は、このコンテンツがこの使用態様で合成コンテンツの生成に使用されている場合に、その合成コンテンツを外部記憶部50へ記録することを許可する使用態様である。使用態様とは、本実施形態では、そのコンテンツを他のコンテンツと合成した場合のそのコンテンツの態様(基礎又はパーツ)を示すものである。上記のように、コンテンツは、基礎コンテンツとして使用されるか、パーツコンテンツとして使用されるかであるので、前記の使用態様としては、2種類ある。
【0033】
本実施形態では、コンテンツは画像(動画又は静止画)である。また、合成コンテンツは、合成画像である。合成画像は、例えば、背景となる一つの静止画像である背景画像(基礎コンテンツ)に、動画、連写画像等の画像であるパーツ画像(パーツコンテンツ)を重畳させた画像である。
【0034】
前記の合成画像としては、例えば、ダイナミックフォト(登録商標)がある。ダイナミックフォトとは、例えば、所定の背景画像に、動画像からこの画像上で動く被写体を切り抜いた動画像(パーツ画像)を重畳させた画像である。この画像は、背景画像(空の画像)に、前記のパーツ画像(人が走っている画像)を構成する静止画像を一コマ一コマ重畳させた、複数の静止画像(図7では、二コマの画像)によって構成される(図7参照)。図5で記述されている情報のコンテンツファイルは、このダイナミックフォトに用いられる画像のファイルである。
【0035】
本実施形態では、使用態様情報として、「copyfree」と、「copyguard」と、「partsfree」と、がある。
【0036】
「copyfree」は、そのコンテンツを外部記憶部50に記録することに制限がない旨の情報であり、そのコンテンツがどのような使用態様によって合成コンテンツに使用されたとしても、そのコンテンツを外部記憶部50に記録することを許可する旨の情報である。つまり、「copyfree」は、すべての使用態様(基礎コンテンツとして使用する使用態様及びパーツコンテンツとして使用する使用態様)を指定する情報である。
【0037】
「copyguard」は、そのコンテンツを外部記憶部50に記録することを禁止する旨の情報であり、そのコンテンツが、どのような使用態様によって合成コンテンツに使用されたとしても、そのコンテンツを外部記憶部50に記録することを禁止する旨の情報である。つまり、「copyguard」は、全ての使用態様を指定しない情報である。このような情報は、どの使用態様でもないものを指定する情報とも考えられるので、この情報も、使用態様を指定する使用態様情報に含まれる。
【0038】
「partsfree」は、そのコンテンツを基礎コンテンツとしてではなく、パーツコンテンツとして使用した場合に、そのコンテンツを外部記憶部50に記録することを許可する旨の情報である。つまり、「partsfree」は、パーツコンテンツとして使用する使用態様を指定する情報である。
【0039】
取得部110aは、一覧情報を受信すると、受信した一覧情報の中から、コンテンツファイル名(コンテンツファイル名を示すデータ)と使用態様情報(使用態様情報を示すデータ)とを抽出し、これらを各コンテンツファイル毎に対応付けて内部記憶部120に記録する(ステップS103)。
【0040】
取得部110aは、対応表を作成すると、この一覧情報のコンテンツファイル(例えば、最初に記述されたコンテンツファイル)についての情報に含まれるURL(コンテンツ配信サーバ200におけるURL)に第2のHTTPリクエストを、コンテンツ配信サーバ200に送信する(ステップS104)。この第2のHTTPリクエストは、コンテンツファイルの送信要求になる。
【0041】
コンテンツ配信サーバ200は、表示端末100から送信される第2のHTTPリクエストを取得すると、この第2のHTTPリクエストの送信先のURLに記録しているコンテンツファイルを記憶部から取得して、表示端末100に送信する(ステップS105)。
【0042】
取得部110aは、コンテンツファイルを受信すると、コンテンツファイルを前記で作成した対応表のファイル名に対応付けて内部記憶部120に記録する(ステップS106)。
【0043】
取得部110a及び画像配信サーバ200は、ステップS104乃至ステップS106の同様の処理を、一覧情報におけるコンテンツファイルの数だけ行って(ステップS107乃至S109等)、取得部110aは一覧情報におけるコンテンツファイル全てを取得し、内部記憶部120に記録し、画像取得処理を終了する。
【0044】
上記のような処理によって、取得部110aは、コンテンツファイル名と、コンテンツファイルと、使用態様情報と、が対応づけられて記録された対応表を作成する。この対応表は、内部記憶部120に記録される。対応表の一例を図7に示す。図7では、内部記憶部120内のコンテンツファイルの格納場所を特定するファイルパスのデータが対応表に含まれており、これによって、コンテンツファイルがファイル名等と対応付けられ、コンテンツファイルも対応表に含まれることなる。
【0045】
なお、上記処理では、取得部110aは、一覧情報における全てのコンテンツファイルを取得しているが、例えば、一覧情報に含まれるコンテンツファイル名等を表示部150に表示し、ユーザは、このファイル名等を見ながら操作部140を操作して、取得部110aに取得させるコンテンツファイルを指定してもよい。この場合、取得部110aは、ユーザの操作に応じた操作信号を操作部140から受け取り、ユーザによってコンテンツファイルの指定が行われたと判別した場合に、指定されたコンテンツファイルのURLに第2のHTTPリクエストを送信する。
【0046】
次に、合成記録部110bが行う合成記録処理について図8等を参照して説明する。この処理は、例えば、合成コンテンツの作成を行う指示を、ユーザが操作部140を操作して行ったときを契機として開始する。合成記録部110bは、所定の操作画面を表示部150に表示し、ユーザは、この操作画面を見ながら操作部140を操作して前記の指示を行う。合成記録部110bは、ユーザの操作に応じた操作信号を操作部140から受け取り、ユーザによって前記の指示が行われたと判別した場合に、合成記録処理を開始する。
【0047】
まず、合成記録部110bは、保護ポリシー変数を「0」に設定する(ステップS201)。保護ポリシー変数は、下記の説明でも分かるように、外部記憶部50への合成コンテンツの記録についての許否を特定するものである。保護ポリシー変数が「1」であれば、記録が許否され、「0」であれば、記録が許可される。
【0048】
次に、合成記録部110bは、ステップS202において、ユーザの操作に応答して、コンテンツを基礎コンテンツ又はパーツコンテンツのいずれかとして選択するとともに、2回目以降に到来するステップS202については、適宜、これらのコンテンツのデータ(コンテンツファイルに含まれるデータ)を用いて合成処理を行う(ステップS202)。
【0049】
例えば、合成記録部110bは、合成記録処理の開始以降、前記で作成された対応表に記録されているコンテンツファイルや対応表に含まれず内部記憶部120及び外部記憶部50に記録されているコンテンツファイル(例えば、ユーザによって撮影された画像の画像ファイル)に基づいて、各コンテンツをそれぞれ表す複数のサムネイル画像の一覧を含む操作画面を表示部150に表示する。
【0050】
ユーザは、表示部150に表示された操作画面を見ながら、操作部140を操作し、コンテンツを選択するとともに、選択したコンテンツを使用して合成コンテンツを生成するための操作を行う。
【0051】
最初に到来したステップS102で選択されたコンテンツは、基礎コンテンツとして使用される。また、2回目以降に到来したステップS102では、合成コンテンツを生成するための操作として、このコンテンツを基礎コンテンツに重畳させる操作(例えば、コンテンツを重畳する位置を基礎コンテンツ上で指定する操作等を含む)をユーザが行った場合に、選択されたコンテンツはパーツコンテンツとして使用され、合成が行われる。合成は、パーツコンテンツを基礎コンテンツに重畳する処理によって行われる。
【0052】
操作部140は、ユーザからの前記の操作に応じた操作信号を合成記録部110bに供給する。合成記録部110bは、この操作信号に基づいて、ユーザが選択したコンテンツ(コンテンツファイル)を特定するとともに、2回目以降に到来するステップS102では操作信号に従って(ユーザが行う操作部140への操作に応答して)、複数のコンテンツを合成する処理を行う。
【0053】
なお、このような合成についての処理は、適宜の公知技術(例えば、ダイナミックフォトの作成のための技術等)を利用できる。このようにして、合成記録部110bは、ステップS202の処理を行う。
【0054】
次に、合成記録部110bは、直近のステップS202で選択されたコンテンツのコンテンツファイルに対応付けられた使用態様情報を、内部記憶部120に記録されている対応表から取得する(ステップS203)。
【0055】
なお、ステップS203において、合成記録部110bは、直近のステップS202で選択されたコンテンツファイルが対応表に含まれないコンテンツファイルである場合には、「copyfree」の使用態様情報を取得したものとして、後に続く処理を行う。このようなコンテンツファイルのコンテンツは、基本的にユーザが撮影した画像であるので、ユーザが自由にこのコンテンツを外部記憶部50に記録できるようにするためである。
【0056】
次に、合成記録部110bは、直近のステップS203で取得した使用態様情報が「partsfree」であるかを判別し(ステップS204)、使用態様情報が「partsfree」である場合(ステップS204;YES)、ステップS206の処理を行い、「partsfree」でない場合(ステップS204;NO)、ステップS205の処理を行う。
【0057】
合成記録部110bは、ステップS205において、直近のステップS203で取得した使用態様情報が「copyguard」であるかを判別し、使用態様情報が「copyguard」である場合(ステップS205;YES)、ステップ207の処理を行い、保護ポリシー変数を「1」にし(すでに「1」の場合には、このステップの処理はスキップされる。)、ステップS208の処理を行う。合成記録部110bは、使用態様情報が「copyguard」でない場合(ステップS205;NO)、ステップS208の処理を行う。なお、この場合には、使用態様情報は、「copyfree」であることになる。
【0058】
合成記録部110bは、ステップS206において、直近のステップS202において選択されたコンテンツがパーツコンテンツとして使用されているかを判別する。合成記録部110bは、例えば、直近のステップS202において、このコンテンツを他のコンテンツ上に重畳する処理を行っていた場合に、このコンテンツがパーツコンテンツとして使用されていると判別し(ステップS206;YES)、ステップS208の処理を行う。合成処理部110bは、例えば、直近のステップS202において、このコンテンツを他のコンテンツ上に重畳する処理を行っていない場合等に、このコンテンツが基礎コンテンツとして使用されていると判別し(ステップS206;NO)、ステップS207の処理を行い(保護ポリシー変数を「1」にし)、ステップS208の処理を行う。
【0059】
合成記録部110bは、ステップS208の処理において、合成終了が指示されたかを判別する。ユーザは、合成を終了したい場合に、表示部150に表示された操作画面を見ながら、操作部140を操作し、合成を終了される操作を行う。操作部140は、ユーザからのこの操作に応じた操作信号を合成記録部110bに供給する。合成記録部110bは、この操作信号が供給されていないと、合成終了が指示されていないと判別し(ステップS208;NO)、ステップS202の処理に戻る。これによって、再度コンテンツが選択等され、合成処理が続行される。合成記録部110bは、この操作信号が供給されていると、合成終了が指示されたと判別し(ステップS208;YES)、ステップS209の処理を行う。
【0060】
合成記録部110bは、ステップS209の処理において、現在の保護ポリシー変数が「1」であるかを判別する。もしも、「1」である場合(ステップS209;YES)、現在生成されている合成コンテンツは、外部記憶部50への記録が許可されていないコンテンツであるので、合成記録部110bは、外部記憶部50に、生成した合成コンテンツを記録出来ない旨の情報を表示部150に表示し、本処理を終了する。もしも、現在の保護ポリシー変数が「0」である場合(ステップS209;NO)、現在生成されている合成コンテンツは、外部記憶部50への記録が許可されているコンテンツであるので、合成記録部110bは、外部記憶部50に、生成した合成コンテンツを読取書込部160を介して記録し、記録した旨の情報を表示部150に表示し、本処理を終了する。なお、このとき、合成記録部110bは、合成コンテンツのデータとともに、所定の情報をヘッダに含ませた合成コンテンツファイルを生成して、生成した合成コンテンツファイルを記録してもよい。
【0061】
以上のように、本処理では、複数のコンテンツを用いて合成コンテンツが生成されるが、複数のコンテンツの少なくとも一つのコンテンツについての使用態様が、外部記憶部50への記録を許可しないものであった場合には、合成コンテンツは、外部記憶部50へ記録されないことになる。
【0062】
例えば、図6に示す合成コンテンツにおいて、パーツ画像についての使用態様情報が、「copyguard」であった場合には、合成コンテンツの外部記憶部50への記録が許可されない。例えば、図6に示す合成コンテンツにおいて、背景画像についての使用態様情報が、「partsfree」又は「copyguard」であった場合には、合成コンテンツの外部記憶部50への記録が許可されない。一方で、パーツ画像についての使用態様情報が「partsfree」又は「copyfree」であり、かつ、背景画像のコンテンツについての使用態様情報が「copyfree」である場合には、合成コンテンツの外部記憶部50への記録が許可される。
【0063】
なお、上記の処理では、合成と記録とを同じ処理で行っていたが、これらを別々に行っても良い。この場合、合成記録部110bは、ステップS208でYESと判別したあと、合成コンテンツのデータを含む合成コンテンツファイルを内部記憶部120に記録するとともに、保護ポリシー変数を合成コンテンツファイルのヘッダに含ませて記録しておく。その後、ユーザが合成コンテンツを記録したい場合に、記録を指示する操作を行うと、操作部140はこの操作に応じた操作信号を合成記録部110bに供給する。合成記録部110bは、この操作信号が供給されると、ステップS209乃至S211の処理を行う(このとき、ヘッダ内の保護ポリシー変数を用いてステップS209の判別が行われる。)。
【0064】
本実施形態では、上記処理によって、合成記録部110bは、複数のコンテンツを内部記憶部120から取得し、合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを外部記憶部50に記録する。また、取得部110aは、前記の複数のコンテンツのうちの1以上のコンテンツの、外部記憶部への記録を許可する使用態様をそれぞれ指定する1以上の使用態様情報を取得して内部記憶部120に記録する。そして、合成記録部110bは、前記の1以上のコンテンツそれぞれが、取得部110aが取得した前記の1以上の使用態様情報がそれぞれ指定する使用態様で合成コンテンツに使用されているかを特定し、特定した結果に応じて合成コンテンツを外部記憶部50に記録するか記録しない。本実施形態では、コンテンツ1つでも、使用態様情報が指定する使用態様で合成コンテンツに使用されていなければ、記録が拒否される。
【0065】
特に、本実施形態では、上記処理によって、取得部110aは、コンテンツとこのコンテンツの使用態様情報とを取得し、合成記録部110bは、取得部110aが取得したコンテンツと他のコンテンツ(対応表のコンテンツファイルのコンテンツ又は対応表に含まれないコンテンツファイルのコンテンツ)とを内部記憶部120から取得して使用し、各コンテンツを合成して、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを外部記憶部50に記録する。合成記録部110bは、取得部110aが取得したコンテンツが、取得部110aが取得した使用態様情報が指定する使用態様で使用されていない合成コンテンツの記録を行わない。
【0066】
なお、ユーザが、上記合成終了の指示又は記録の指示の操作を操作部140を用いて行うと、合成記録部110bは合成コンテンツを外部記憶部50に記録する又は記録しない(記録することを拒否する)ことになる。また、ユーザは、操作部140を操作して対応表に含まれるコンテンツファイルを指定してそのまま外部記憶部50に記録する指示を行っても良い。この場合、合成記録部110bは、指定されたコンテンツファイルに対応付けられた使用態様情報が「copyfree」である場合にのみ、このコンテンツファイルの少なくともコンテンツを外部記憶部50に記録してもよい
【0067】
なお、表示端末100におけるプログラムは、OS(Operation System)と協働してCPUに上記処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSも内部記憶部120に記録される。また、プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、表示端末100に供給され、内部記憶部120(フラッシュメモリ等)に記録されてもよい。また、プログラムは、ネットワーク300を介して表示端末100に供給され、記憶部に記録されてもよい。
【0068】
プログラムが記録された、記憶装置、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、プログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された表示端末100を動作させるものであってもよい。つまり、表示端末100は、全体として、上記処理を行うものであればよく、プログラムは、そのような表示端末100(コンピュータ)を動作させるものであればよい。
【0069】
現在コンテンツは、様々な使用法で使用されている。特に、上記のダイナミックフォトのように、コンテンツを他のコンテンツと合成することがある。コンテンツの著作権者は、合成の使用態様に応じてコピー(外部記憶部50への記録)を制限したり、許可したりしたいと考えることが想定される。使用態様によって、そのコンテンツをコピーしたとしても、特に不利益が生じない場合があるからである。例えば、コンテンツがパーツコンテンツとして合成に使用される場合には、合成コンテンツはパーツコンテンツと全体的には異なるコンテンツとなっているので、合成コンテンツの一部であるパーツコンテンツがコピーされても問題が生じない場合が多い。本実施形態では、合成コンテンツに使用されるコンテンツ(特にコンテンツ配信サーバ200から配信されるコンテンツ)について使用態様情報を規定し、この使用態様情報が特定する使用態様でコンテンツが使用されているかに応じてコピーの許否を特定している。特に、使用態様情報が特定する使用態様でコンテンツが使用されていない合成コンテンツのコピーについては禁止される。これによって、使用態様に応じてコピーを制限したり、許可したりしたいとする著作権者の要請に応えることができ、コンテンツの使用態様によって、外部記憶部への記録を規制し、著作権者の意図に沿った、コンテンツの適切な保護を行うことができる。
【0070】
本実施形態によれば、著作権者の意向によって、コンテンツ配信サーバ200から配信されたコンテンツが、「コンテンツ単体でコピーしても問題がないもの」、「コンテンツ単体でのコピーは望ましくないが、パーツコンテンツとして使用した結果であればコピーを行っても差し支えないもの(コンテンツ単体は有料だが、有料コンテンツを用いた合成コンテンツは自由に使って欲しいものなど)」、「コンテンツ本体でも、合成結果もコピーを禁止したいもの」のうちのいずれかに該当するものであっても、このコンテンツについて適切な保護が行われる。また、コンテンツがそもそもコピー禁止であれば、従来と同じようにコピーを禁止できる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・コンテンツ配信システム、100・・・表示端末、110・・・制御部、110a・・・取得部、110b・・・合成記録部、120・・・内部記憶部、130・・・通信部、140・・・操作部、150・・・表示部、160・・・読取書込部、200・・・コンテンツ配信サーバ、300・・・ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを外部記憶部に記録する合成記録手段と、
前記複数のコンテンツのうちの1以上のコンテンツの、前記外部記憶部への記録を許可する使用態様をそれぞれ指定する1以上の使用態様情報を取得する取得手段と、を備え、
前記合成記録手段は、前記1以上のコンテンツそれぞれが、前記取得手段が取得した前記1以上の使用態様情報がそれぞれ指定する前記使用態様で前記合成コンテンツに使用されているかを特定し、特定した結果に応じて前記合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する、
ことを特徴とする合成コンテンツ記録装置。
【請求項2】
コンテンツと前記コンテンツの外部記憶部への記録を許可する使用態様を指定する使用態様情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記コンテンツと他のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する合成記録手段と、を備え、
前記合成記録手段は、前記取得手段が取得した前記コンテンツが、前記取得手段が取得した前記使用態様情報が指定する前記使用態様で使用されていない合成コンテンツの記録を行わない、
ことを特徴とする合成コンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記使用態様は、そのコンテンツを他のコンテンツと合成した場合の、そのコンテンツの態様を含むものでる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の合成コンテンツ記録装置。
【請求項4】
コンピュータを、
複数のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを外部記憶部に記録する合成記録手段、
前記複数のコンテンツのうちの1以上のコンテンツの、前記外部記憶部への記録を許可する使用態様をそれぞれ指定する1以上の使用態様情報を取得する取得手段、として機能させ、
前記合成記録手段は、前記1以上のコンテンツそれぞれが、前記取得手段が取得した前記1以上の使用態様情報がそれぞれ指定する前記使用態様で前記合成コンテンツに使用されているかを特定し、特定した結果に応じて前記合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
コンテンツと前記コンテンツの外部記憶部への記録を許可する使用態様を指定する使用態様情報とを取得する取得手段、
前記取得手段が取得した前記コンテンツと他のコンテンツを合成し、合成した後のコンテンツである合成コンテンツを前記外部記憶部に記録する合成記録手段、として機能させ、
前記合成記録手段は、前記取得手段が取得した前記コンテンツが、前記取得手段が取得した前記使用態様情報が指定する前記使用態様で使用されていない合成コンテンツの記録を行わない、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−39559(P2012−39559A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180365(P2010−180365)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】