説明

合成樹脂表皮材の製造方法

【課題】合成樹脂シートに対する絞転写性が高く、合成樹脂シートに連続的に絞付け加工するのに好適な合成樹脂表皮材の製造方法を提供する。
【解決手段】回転自在に設けられた第1の絞付エンドレスベルト10と、回転自在に設けられた第2のエンドレスベルト12と、加熱盤18と、加熱プレス盤22と、冷却盤20と、冷却プレス盤24を備えている。第1の絞付エンドレスベルト10と第2のエンドレスベルト12との間に合成樹脂シート30を搬送し、加熱プレス盤22と加熱盤18との間で合成樹脂シート30を挟圧して絞押する絞押工程と、絞押工程を経た合成樹脂シート30を冷却プレス盤24と冷却盤20との間で冷却する冷却工程とを有し、絞押工程と前記冷却工程を順次連続的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面加飾目的で利用される合成樹脂表皮材の製造方法に係り、特に合成樹脂シートに対する絞転写性が高く、合成樹脂シートに連続的に絞付け加工するのに好適であって自動車内装部品、鉄道車両・航空機内装部品、家具表皮、靴・履物・鞄、建築物内外装、衣類表層材・裏地等の用途に有効な合成樹脂表皮材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、所定の凹凸模様が形成された絞シートを形成する場合、所定の絞模様が彫刻された絞ロール、絞シートあるいは絞板等を用い、これらの絞ロール、絞シートあるいは絞板等を絞を形成するための合成樹脂シート面に押圧し、合成樹脂シート面に所定の絞模様を転写する方法が採用されている。(例えば、特許文献1〜特許文献4等)
【0003】
所定の絞模様が彫刻された絞ロールを用いて合成樹脂シートに絞押する場合、回転する絞ロールに順次合成樹脂シートを送り込み、絞ロール面を合成樹脂シート面に押圧して絞を形成している。しかし、この方法は絞ロール面と合成樹脂シート面との接触時間が少ないと絞転写性が低くなり、絞転写性を高めるために絞ロール面を合成樹脂シート面との接触時間が長く設定すると生産効率が低下する。
【0004】
自動車内装材の表皮等を製造する場合、絞シートあるいは絞板等を用い、これらの絞シートあるいは絞板等を合成樹脂シート面に押圧して表皮を製造する方法が採られている。
この方法は絞転写性がよいが、1枚の絞シートあるいは絞板等による1枚の合成樹脂シートへの絞押工程と、その後の所定時間の工程を要する。このため、多数枚の絞押された表皮を形成するには生産効率が低いものであり、改善が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特開平7−276580号公報
【特許文献2】特開2007−62245号公報
【特許文献3】特開平6−238828号公報
【特許文献4】特開2006−21345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記した問題点を解決し、合成樹脂シートに対する絞転写性が高く、絞形態の見栄えがよく、しかも生産効率の高い自動車内装材等の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記した問題点を解決するために下記の構成からなる。
すなわち、本発明の合成樹脂表皮材の製造方法は、以下の構成からなる。
<1> 回転自在に設けられた第1の絞付エンドレスベルトと、回転自在に設けられた第2のエンドレスベルトと、第1の絞付エンドレスベルトで囲まれる領域又は第2のエンドレスベルト側で囲まれる領域の少なくとも一方の領域からなる第1領域に配置された加熱プレス盤と、第1の絞付エンドレスベルトで囲まれる領域又は第2のエンドレスベルト側で囲まれる領域の他方の領域からなり、第1の領域と対応する位置に配置された加熱盤と、前記加熱プレス盤のエンドレスベルト搬送方向下流側に配置された冷却プレス盤と、前記加熱固定盤のエンドレスベルト搬送方向下流側に配置された冷却盤と、を備え、第1の絞付エンドレスベルトと第2のエンドレスベルトエンドとの間に合成樹脂シートを搬送し、前記加熱プレス盤と前記加熱盤との間で合成樹脂シートを挟圧して絞押する絞押工程と、絞押工程を経た合成樹脂シートを冷却プレス盤と冷却盤で冷却する冷却工程とを有し、前記絞押工程と前記冷却工程を順次連続的に行うことを特徴とする合成樹脂表皮材の製造方法である。
<2> 第1の絞付エンドレスベルトが、表面に絞が形成されているシリコンゴム層が布ベルト面に形成されたものであることを特徴とする前記<1>に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
<3> 前記合成樹脂シートが、絞付けされるためのシートとこのシートに張り付けられる下貼り用シート又は発泡シートとからなることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
<4> 第2のエンドレスベルトが、シリコンゴム層が布ベルト面に形成されたものであることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれかに記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
自動車内装用部品の表面には最近ますます精緻な絞意匠が求められており、従来の絞ロールを使用する方式による合成樹脂シートに転写された絞の精緻さでは品質が不十分であるという限界が見られつつある。本発明によれば、合成樹脂シートに対して所定時間加熱挟圧による絞押工程によって絞転写性を高くすることができ、冷却工程によって合成樹脂シートが十分に冷却した状態で冷却盤から剥がれるため微細な絞形態が崩れることがなく微細な絞形態を維持できる。また、合成樹脂シートは、エンドレスベルト間に順次搬送されながら絞押工程及び冷却工程が経て絞付けされるため生産効率が極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す概略的構成図である。図1において、第1の絞付エンドレスベルト10と、第2のエンドレスベルト12を備えている。第1の絞付エンドレスベルト10は、布ベルトの片面(第2のエンドレスベルト12側に対応する面側)にシリコンゴム層が設けられ、このシリコンゴム層表面に絞が形成されている。第2のエンドレスベルト12は、布ベルトの片面(第1の絞付エンドレスベルト10側に対応する面側)にシリコンゴム層が設けられている。
【0010】
第1の絞付エンドレスベルト10としては、布ベルトの片面に設けられているシリコンゴム層の代わりに彫刻が容易で耐熱性が高く、離型性が高い材料を用いることもできる。このような材料としては、フッ素系ゴム等を用いることができる。また、第2のエンドレスベルトとしては、ステンレス製ベルト、フッ素系ゴム層が布ベルト面に形成されたフッ素系ゴム布ベルト、シリコンゴム層が布ベルト面に形成されたシリコン布ベルトを用いることができる。
【0011】
第1の絞付エンドレスベルト10は、駆動ロール14A、14B、ガイドロール14C、14Dを介して図中矢印で示す方向に回動するようになっている。第2のエンドレスベルト12は、駆動ロール16A、16B、ガイドロール16C、16Dを介して図中矢印で示す方向に回動するようになっている。
【0012】
第1の絞付エンドレスベルト10で囲まれる領域であって、ガイドロール14C側に加熱盤18が設けられている。この加熱盤18は、図中実線で示す位置に固定されると共に図中破線で示す位置に昇降可能な機構となっている。
【0013】
第2のエンドレスベルト12で囲まれる領域であって、ガイドロール16C側に加熱プレス盤22が設けられている。この加熱プレス盤22は、図中実線で示す位置に固定されると共に図中破線で示す位置に昇降可能な機構となっている。
【0014】
加熱盤18及び加熱プレス盤22には加熱ヒーターが内蔵されており、これらの加熱ヒーターによって加熱盤18及び加熱プレス盤22のそれぞれのエンドレスベルト面側が所定の温度に保持できるようになっている。
【0015】
第1の絞付エンドレスベルト10で囲まれる領域であって、加熱盤18の第1の絞付エンドレスベルト10の搬送方向下流側には冷却盤20が設けられている。この冷却盤20は、図中実線で示す位置に固定されると共に図中破線で示す位置に昇降可能な構造となっている。
【0016】
第2のエンドレスベルト12で囲まれる領域であって、加熱プレス盤22の第2エンドレスベルト12の搬送方向下流側には、冷却プレス盤24が設けられている。この冷却プレス盤24は、図中実線で示す位置に固定されると共に図中破線で示す位置に昇降可能な構造となっている。
【0017】
冷却盤20及び冷却プレス盤24には、冷却水等の冷却媒体が図示していない配管を介して流動する機構となっている。なお、図中、26は加熱ヒーター、28は搬送ロールを示している。
【0018】
次に上記した装置を用いて合成樹脂表皮材を製造する例を説明する。
加熱盤18及び加熱プレス盤22、冷却盤20及び冷却プレス盤24は、それぞれ図中、破線で示す位置に待機した状態とし、この状態で絞押されるべき合成樹脂シート30が加熱ヒーター26によって加熱される。この加熱温度は、合成樹脂シートの種類、絞形態、絞押する領域の大きさ等によって任意に設定されるべきものであるが、合成樹脂シート30表面で100℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。
【0019】
加熱盤18及び加熱プレス盤22はそれぞれ熱所定の温度に調整され、冷却盤20及び冷却プレス盤24がそれぞれ所定の温度に調整される。これらの温度は、絞押するための合成樹脂シートの種類、絞形態、絞押する領域の大きさ等によって任意に設定されるべきものであるが、加熱盤18及び加熱プレス盤22をそれぞれ合成樹脂シート30表面で100℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃に設定することがより好ましい。冷却盤20及び冷却プレス盤24をそれぞれ合成樹脂シート30表面で0℃〜80℃が好ましく、10℃〜40℃とすることがより好ましい。
【0020】
次に加熱された合成樹脂シート30は両エンドレスベルト間に搬送されると共に必要に応じて巻き取りロールに巻かれた下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32と重ねられた状態で第1の絞付エンドレスベルト10と第2のエンドレスベルト12との間を搬送される。
【0021】
合成樹脂シート30と下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32を重ねた状態でその搬送方向先端部が加熱プレス盤22と冷却プレス盤24との境界付近を達したとき、加熱盤18が図示していない駆動機構によって上昇し、加熱プレス盤22が図示していない駆動機構によって下降する。これによって合成樹脂シート30と下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32の積層体は、加熱盤18と加熱プレス盤22との間で挟圧される。
【0022】
この挟圧される時間は、絞押するための合成樹脂シートの種類、絞形態、絞押する領域の大きさ等によって任意に設定されるべきものであるが、1秒間〜20秒間が好ましく、1秒間〜5秒間がより好ましい。
【0023】
この挟圧によって、第1の絞付エンドレスベルト10面に彫刻された絞形態が合成樹脂シート30面に転写される。その後、加熱盤18が図示していない駆動機構によって下降し、加熱プレス盤22が図示していない駆動機構を介して上昇する。その後、再び、第1の絞付エンドレスベルト10と第2のエンドレスベルトが作動して合成樹脂シート30と下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32の積層体は搬送され、その搬送方向先端部が駆動ロール14Aと駆動ロール16B付近に到達する。
【0024】
このとき、再び、加熱盤18が図示していない駆動機構によって上昇し、加熱プレス盤22が図示していない駆動機構によって下降して合成樹脂シート30と下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32の積層体は、加熱盤18と加熱プレス盤22との間で挟圧されると同時に冷却盤20が図示していない駆動機構によって上昇し、加熱プレス盤22が図示していない駆動機構によって下降して積層体を冷却盤20及び冷却プレス盤24によって冷却する。
【0025】
冷却盤20及び冷却プレス盤24による冷却時間は、加熱盤18と加熱プレス盤22のよる挟圧時間と連動することが必要である。合成樹脂シート30に対する冷却盤20及び冷却プレス盤24による冷却工程と加熱盤18と加熱プレス盤22のよる挟圧による絞押工程が同時に行われた後、加熱盤18と加熱プレス盤22がエンドレスベルト面から離間し、また、冷却盤20及び冷却プレス盤24がエンドレスベルト面から離間したとき、合成樹脂シート30と下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32の積層体が搬送されて搬送ロール28を経て取り出される。その後、合成樹脂シート30面が絞押された積層体は、各々の用途に応じて凸型真空成形に移される。
【0026】
本発明において、第1の絞付エンドレスベルト10で囲まれる領域に配置される加熱盤18および冷却盤20は、上記した実施の形態に示すようにそれぞれ昇降自在な機構を有することが望ましいが、加熱盤18および冷却盤20はそれぞれ固定した機構とし、加熱プレス盤22および冷却プレス盤24側のみを昇降自在な機構としてもよい。
【0027】
本発明において、第1の絞付エンドレスベルト10のシリコンゴム層又はフッ素系ゴム層に形成される絞模様はベルトの長手方向(搬送方向)に沿って連続して形成されていてもよく、ベルトの長手方向(搬送方向)に所定の間隔をおいて、所定の領域(合成樹脂シートに絞を形成させる領域)に絞模様が形成されたものでもよい。
【0028】
第1の絞付エンドレスベルト10のシリコンゴム層又はフッ素系ゴム層に形成される絞模様は、絞の凹凸パターンの形態、絞深さに基づいてコンピュータグラフィック上に予め計算されたデータに基づいたスポット径のレーザービームをシリコンゴム層又はフッ素系ゴム層の表面に照射して表面が彫刻されたものが望ましい。
【0029】
レーザービームを照射する場合、シリコンゴム層又はフッ素系ゴム層の表面に長波長の第1のレーザービームを照射して、シリコンゴム層又はフッ素系ゴム層の表面に粗い表面構造を彫刻し、その後、第1のレーザービームよりも短波長で、第1のレーザービームよりも小さいスポット径の第2のレーザービームをシリコンゴム層又はフッ素系ゴム層の表面に照射してシリコンゴム層又はフッ素系ゴム層の表面に微細な表面構造を彫刻したものを用いることができる。
レーザービームによる彫刻以外に絞付エンドレスベルトを形成する方法としては、通常の絞形成方法であるミルロール方式、電鋳方式、原稿からの樹脂転写方式のいずれかの方法によるものであっても良い。
【0030】
本発明において、合成樹脂シート30を構成する成分は、絞押された合成樹脂表皮材の必要に応じてオレフィン系樹脂、熱可塑性オレフィン(TPO)系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、熱可塑性スチレン系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂等から任意に選定されるべきものであり、さらに絞付けされる合成樹脂シート30の裏面には必要に応じて下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布32が裏打ちされる。自動車内装部品用の表皮材の場合、凸型真空成形によって平面部、曲面部等を有し、展開率が異なる部位を有する表皮材張り込み部品等に有効である。このような表皮材が使用できる部位としては、インストルメントパネル、ドアトリムの他に、センターコンソール、センターコンソールリッド、フロントピラー、センターピラー、リヤピラー、グラブボックス、天井材、メーターフード等が挙げられる。
【0031】
自動車内装部品用の表皮材で真空成形しない縫製部品の場合は、座席用表皮のように座席形状と位置をきちんと合わせた絞外観を持つ表皮を作るのに有効である。このような表皮材が使用できる部位としては、シートメイン、シートカマチ、シートバックの他に、ヘッドレスト、アームレスト、インストルメントパネル、メーターフード等が挙げられる。
【0032】
自動車内装材の場合、凸型真空成形によって平面部、曲面部等を有する部品においては、凸型真空成形前の合成樹脂シートは、成型後の部位によって展開率が異なる。例えば、インストルメントパネルを凸型真空成形によって成形した場合、インストルメントパネルの各ゾーン、部位によって展開率が異なる。ここで展開率とは、テスト成形用シートにおける凸型真空成形前の合成樹脂シート面に示された1つのマス目(分割領域)の(X方向、Y方向、X×Y=面積)が凸型真空成形後どの程度拡大したかを示す指標である。
【0033】
このような成型後の部位によって展開率が異なると、成型前の合成樹脂シートに形成された絞模様および絞深さが凸型真空成形後の部位によって異なることになる。そこで各ブロック毎に所定の絞模様、絞深さを設定することによって凸型真空成形後の部品の部位にかかわらず、均一な絞形態を保持することができる。
【0034】
ここで各ブロック毎の所定の絞模様および絞深さとは、例えば、各ブロック毎に上記した展開率に基づいて展開率の逆数を基準にして求められた絞模様および絞深さを意味する。これらの絞模様および絞深さとなるように各ブロック毎の絞模様および絞深さを設定した絞付エンドレスベルトを用いて合成樹脂シートに絞押し、その後、凸型真空成形すると、成型後の各部位の絞模様および絞深さがほぼ均一となる。
【0035】
したがって、本発明において上記のような各ブロック毎の絞模様および絞深さを設定した絞付エンドレスベルトを用いると、絞転写性が高く、凸型真空成形後の自動車内装材部品の部位にかかわらず絞形態が均一で見栄えがよく、かつ生産効率も高くなる。
【実施例】
【0036】
実施例1
図1における第1の絞付エンドレスベルト10として綿帆布製の布ベルト面に2mm厚のシリコンゴム層が形成され、このシリコンゴム層面に絞が形成されたシリコンエンボス布ベルトを用い、第2のエンドレスベルト12として綿帆布製の布ベルト面に2mm厚のシリコンゴム層が形成されたシリコン布ベルトを用いた。
また、合成樹脂シート30として厚さ0.5mmの熱可塑性オレフィン系樹脂シートを用い、フォームとして厚さ2mmのポリプロピレン系発泡体シートを用いた。加熱ヒーター26を合成樹脂シート表面で150℃に設定し、加熱盤18および加熱プレス盤22をそれぞれ合成樹脂シート表面で200℃に設定してプレス時間を3秒とした。また、冷却盤20および冷却プレス盤24をそれぞれ20℃に設定し、プレス時間を3秒とした。
上記のような設定の絞押工程および冷却工程 ⇒エンドレスベルトによる可塑性オレフィン系樹脂シートとポリプロピレン系発泡体シートとの積層体の搬送 ⇒ 絞押工程および冷却工程 ⇒ エンドレスベルトによる熱可塑性オレフィン系樹脂シートとポリプロピレン系発泡体シートとの積層体の搬送 ⇒ を連続的に行ったところ、熱可塑性オレフィン系樹脂シート面に鮮明な絞が形成された。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の合成樹脂表皮材の製造方法の好ましい一実施の形態を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
【0038】
10 第1の絞付エンドレスベルト
12 第2のエンドレスベルト
14A、14B 駆動ロール
14C、14D ガイドロール
16A、16B 駆動ロール
16C、16D ガイドロール
18 加熱盤
20 冷却盤
22 加熱プレス盤
24 冷却プレス盤
26 加熱ヒーター
28 搬送ロール
30 合成樹脂シート
32 下貼り合成樹脂シート又はフォーム又は基布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けられた第1の絞付エンドレスベルトと、回転自在に設けられた第2のエンドレスベルトと、第1の絞付エンドレスベルトで囲まれる領域又は第2のエンドレスベルト側で囲まれる領域の少なくとも一方の領域からなる第1領域に配置された加熱プレス盤と、第1の絞付エンドレスベルトで囲まれる領域又は第2のエンドレスベルト側で囲まれる領域の他方の領域からなり、第1の領域と対応する位置に配置された加熱盤と、前記加熱プレス盤のエンドレスベルト搬送方向下流側に配置された冷却プレス盤と、前記加熱盤のエンドレスベルト搬送方向下流側に配置された冷却盤と、を備え、第1の絞付エンドレスベルトと第2のエンドレスベルトエンドとの間に合成樹脂シートを搬送し、前記加熱プレス盤と前記加熱盤との間で合成樹脂シートを挟圧して絞押する絞押工程と、絞押工程を経た合成樹脂シートを冷却プレス盤と冷却盤との間で冷却する冷却工程とを有し、前記絞押工程と前記冷却工程を順次連続的に行うことを特徴とする合成樹脂表皮材の製造方法。
【請求項2】
第1の絞付エンドレスベルトが、表面に絞が形成されているシリコンゴム層が布ベルト面に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
【請求項3】
前記合成樹脂シートが、絞付けされるためのシートとこのシートに張り付けられる下貼り用シート又は発泡シートとからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
【請求項4】
第2のエンドレスベルトが、シリコンゴム層が布ベルト面に形成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−255449(P2009−255449A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109008(P2008−109008)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(390023009)共和レザー株式会社 (17)
【Fターム(参考)】