説明

合成樹脂製サッシ

【課題】障子の各框を熱溶着で連結することで框体とすることができること、上枠、下枠、縦枠と上框、下框、戸当り框の見付け方向の重なり寸法を大きくできること、内観の見栄えが良いこと、召合せ框の見付け方向外端部に施錠部材をカバー材を用いずに取付けできることを満足した合成樹脂製サッシとする。
【解決手段】上框と下框と戸当り框を、本体と、その本体の見付け方向外端面に設けた外向突部を有する形状とし、召合せ框は前述の本体のみの形状とし、この召合せ框の端面と上框、下框の本体の端面を熱溶着で連結し、召合せ框の見付け寸法を小さくして内観の見栄えを良くすると共に、召合せ框の見付け方向外端部を平坦面として施錠部品をカバー材を用いずに取付けできるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の枠体に、合成樹脂製の障子を面内方向に移動自在に建て込んだ合成樹脂製サッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から合成樹脂製の上枠、下枠、左右の縦枠を方形状に連結した合成樹脂製の枠体に、合成樹脂製の上框、下框、戸当り框、召合せ框を方形状に連結した框体内にガラスを装着した合成樹脂製の障子を、面内方向に移動自在に建て込んだ合成樹脂製サッシが種々提案されている。
この合成樹脂製の枠体、障子の框体は、例えば特許文献1に開示されたように、各枠、各框の長手方向端部を45度に切断加工し、その切断した端面をつき合わせて熱溶着により圧着して連結することで枠体、框体としている。
【0003】
また、前述した合成樹脂製サッシにおいては、障子の上框、下框、戸当り框と枠体の上枠、下枠、縦枠の見付け方向(上下方向、左右方向)の重なり寸法(例えば、のみ込み寸法)を大きくし、サッシとしての耐風圧性能や気密・水密性能を確保している。
例えば、特許文献2に開示したように、上枠、下枠、縦枠を、その内面に複数の内向突部を設け、上框、下框、戸先框の見付け方向外端部に外向突部を設け、この外向突部と前記内向突部を見付け方向に重なり合うようにして障子を枠体に建て込んでいる。
【特許文献1】実開平5−32678号公報
【特許文献2】特許第3177910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記合成樹脂製の障子の框を、前述したように熱溶着で連結するために、従来は障子の上框、下框、戸当り框、召合せ框を同一断面形状としている。
また、前述したように、上枠、下枠、縦枠と上框、下框、戸当り框の見付け方向の重なり寸法を大きくした合成樹脂製サッシにおいては、その上框、下框、戸当り框の見付け寸法(上下方向の寸法、左右方向の寸法)は外向突部のために大きい。
【0005】
このようであるから、框を熱溶着で連結した障子とすると共に、枠と框の見付け方向の重なり寸法を大きくした合成樹脂製サッシにおいては、障子の召合せ框が上框、下框、戸当り框と同一断面形状で、その召合せ框の見付け寸法が大きく、室内から見た時に見付け寸法の大きな召合せ框全体が見え、内観の見栄えが悪い。
【0006】
また、上框、下框、戸当り框が、見付け方向外端部に外向突部を有する断面形状であると、召合せ框も見付け方向外端部に外向突部を有する断面形状であるから、その召合せ框の見付け方向外端部にクレセントなどの施錠部品を取付けることが困難で、その召合せ框の見付け方向外端部にカバー材を取付け、そのカバー材に施錠部品を取付けているので、コスト高である。
【0007】
本発明の目的は、框を熱溶着で連結して障子の框体を形成できると共に、上枠、下枠、縦枠と上框、下框、戸当り框の見付け方向の重なり寸法を大きくでき、しかも内観の見栄えが良いと共に、召合せ框の見付け方向外端部に施錠部品をカバー材を用いずに取付けできるようにした合成樹脂製サッシとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、合成樹脂製の上枠、下枠及び左右縦枠を方形状に連結し、その内面に内向突部を備えた枠体に、合成樹脂製の上框、下框、戸当り框及び召合せ框を方形状に連結した框体から成る障子を面内方向に移動自在に建て込んだ合成樹脂製サッシであって、
前記上框、下框及び戸当り框は、ガラス装着部を有した本体と、その本体の見付け方向外端部に外向突部を備えた同一断面形状で、
前記召合せ框は、前記上框、下框及び戸当り框における外向突部を備えていない本体と同様な断面形状とし、
前記上框、下框及び戸当り框は、長手方向の端面をそれぞれ45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結し、
前記上框、下框及び召合せ框は、上框、下框の本体と召合せ框の長手方向の端面をそれぞれ45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結し、
前記障子は前記枠体に、前記上框、下框の外向突部が前記上枠、下枠の内向突部に見付け方向に重なり合うように建て込まれ、障子を閉じた状態で前記戸当り框の外向突部が前記縦枠の内向突部に見付け方向に重なり合うようにしたことを特徴とする合成樹脂製サッシである。
【0009】
本発明においては、上框、下框及び戸当り框は、その本体の室内側部が外向突部よりも室内側に張り出した形状で、その各本体の室内側張り出し部と召合せ框が同一見付け寸法で四周連続しているようにできる。
このようにすれば、室内から見た時に、見付け寸法が小さな召合せ框、上框、下框、戸当り框の本体における室内側張り出し部が四周連続して目立つので、内観がスリムでスッキリとした見栄えの良いものとなる。
【0010】
本発明においては、障子が閉じた状態において、戸当り框の本体の室内側張り出し部と縦枠との間に人の手が入り込む隙間が生じるようにできる。
このようにすれば、戸当り框の本体の室内側張り出し部を手掛けとして障子を容易に開放操作できる。
【0011】
本発明においては、召合せ框に、上框、下框の外向突部の長手方向の端面を被覆する覆部材を取付けることができる。
このようにすれば、上框、下框の外向突部の長手方向の端面が露出しないようにできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上框、下框と戸当り框を熱溶着で連結すると共に、上框、下框の本体と召合せ框を熱溶着で連結したので、框を熱溶着で連結して障子の框体を形成できる。
また、上框、下框、戸当り框の本体に設けた外向突部が上枠、下枠、縦枠の内向突部に見付け方向に重なり合うので、その見付け方向の重なり寸法を大きくできる。
また、召合せ框は上框、下框、戸当り框の外向突部を備えていない本体と同様な断面形状であるから、その見付け寸法が小さく、内観の見栄えが良い。
また、召合せ框の見付け方向外端部を、凹凸の無い平坦面とすることができるから、その召合せ框の見付け方向外端部に、施錠部品をカバー材を用いずに取付けできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1と図2に示すように、枠体1は、合成樹脂製の上枠10と下枠11と左右の縦枠12を方形状に連結した合成樹脂製である。
この枠体1内に面内方向に移動自在に建て込んだ障子2は、合成樹脂製の上框20と下框21と戸当り框22と召合せ框23を方形状に連結した框体24内にガラス25を装着した合成樹脂製である。
この実施の形態では、枠体1の室内側寄りと室外側寄りに障子2が面内方向に移動自在で、引き違いにそれぞれ建て込んであり、合成樹脂製引き違いサッシとしてある。
前記面内方向とは上枠10、下枠11の長手方向に沿った方向である。
なお、室外側寄りに建て込んだ障子2を固定して嵌め殺し部とし、室内側寄りに建て込んだ障子2を移動するようにしても良い。
【0014】
前記上枠10、下枠11、縦枠12は、図3、図4に示すように、本体30の内面30aに複数の内向突部を室内外側方向に間隔を置いて有した同一断面形状の形材を用いている。前記内面30aとは見付け方向(上下方向、左右方向)における障子2と対向した内側の面である。
例えば、室内側内向突部31、室内側寄り中間内向突部32、室外側寄り中間突部33、室外側内向突部34を有している。
前記室内側内向突部31と室内側寄り中間内向突部32との間に第1溝35、室内側寄り中間内向突部32と室外側寄り中間内向突部33との間に第2溝部36、室外側寄り中間内向突部33と室外側内向突部34との間に第3溝部37をそれぞれ形成している。
この第1・第2・第3溝部35,36,37は内方に開口している。
前記上枠10と縦枠12、下枠11と縦枠12は、各長手方向の端面を、切断などによって45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結している。
【0015】
この実施の形態では、本体30の室内側面30bと室内側内向突部31の室内側面31aが面一に連続し、室内から見た時に枠体1の室内側面がフラットな1つの面として見える。
また、前記室外側内向突部34の室外側面34aは前記本体30の室外側面30cよりも室内側寄りである。そして、上枠10、下枠11の本体30の内面30aにおける室外側内向突部34よりも室外寄り部分に網戸レール38が取付けてある。
前記本体30は中空部を有する形状で、その中空部に金属製の補強部材39を挿入している。
前記上枠10、下枠11、縦枠12は前述の形状に限ることはない。
【0016】
前記上框20、下框21、戸当り框22は、本体40と、その本体40の見付け方向外端面40aに設けた前記上枠10、下枠11、縦枠12の内向突部と見付け方向に重なり合う外向突部を有し、本体40の見付け方向内端部にガラス装着部41を有した同一断面形状である。
例えば、本体40の見付け方向外端面40aに室内側外向突部42と室外側外向突部43を一体的に設けてある。
前記本体40の見付け方向内端面40bに内向ガラス支持部44を一体的に設けると共に、押縁45を取付けて内向溝部を形成し、その内向溝部をガラス装着部41とする。
【0017】
前記召合せ框23は、本体40と、その本体40の見付け方向内端部に設けたガラス装着部41を有している。
前記ガラス装着部41は、前記本体40の見付け方向内端面40bに内向ガラス支持部44を一体的に設けると共に、押縁45を取付けて内向溝部としてある。
すなわち、召合せ框23のガラス装着部41と上框20、下框21、戸当り框22のガラス装着部41は同一断面形状で、召合せ框23の本体40は上框20、下框21、戸当り框22の本体40と同様な断面形状である。要するに召合せ框23は上框20、下框21、戸当り框22における外向突部を備えていない本体40と同様な断面形状である。
なお、召合せ框23の本体40は、見付け方向外端面40aと連続した見込み方向(室内外側方向)に向かう突片46を有しているので、断面形状は上框20、下框21、戸当り框22の本体40の断面形状とは同一ではないが、後述するように熱溶着して連結する部分の外周形状は同一であるので、同様の断面形状と表現する。この突片46は無くとも良く、その場合には同一の断面形状となるが、前述の同様の断面形状は同一の断面形状を含むものとする。すなわち、同様な断面形状とは端面同士を正しく突き合わせできる形状である。
【0018】
前記上框20と戸当り框22、下框21と戸当り框22は、図5に示すように、上框20、下框21、戸当り框22の長手方向の端面20a,21a,22aを、切断などによって45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結している。
このようであるから、上框20、下框21と戸当り框22は、本体40の端面40cと外向突部(室内側外向突部42、室外側向突部43)の端面42a,43aがそれぞれ熱溶着で連結され、熱溶着で連結される部分の面積が大きく、強固に連結できる。
この実施の形態では、内向ガラス支持部44の端面44aも熱溶着で連結される。
【0019】
前記召合せ框23と上框20、下框21は、図5に示すように、上框20、下框21の本体40の長手方向の端面40cと召合せ框23の長手方向の端面(本体40の端面40c)を、切断などで45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結している。
この実施の形態では、上框20、下框21の外向突部(室内側外向突部42、室外側外向突部43)の長手方向の端面42a,43aは、長手方向と直角で、召合せ框23の本体40の見付け方向外端面40aと面一に連続しているので、障子の見栄えが良い。
また、内向ガラス支持部44の端面44aも熱溶着で連結される。
また、各本体40は中空部を有し、その中空部に金属製の補強部材47を挿入している。
【0020】
前述のようであるから、框を熱溶着で連結して障子2の框体24を形成できる。
なお、框体24を形成する時には押縁45を外しておき、框体24を形成した後にガラス25を装着し、その後に押縁45を取付けする。
【0021】
前記障子2を枠体1に建て込むことで、上框20、下框21の外向突部が上枠10、下枠11の内向突部と見付け方向に重なり合い、障子2を閉じた状態とすることで戸当り框22の外向突部が縦枠12の内向突部に見付け方向に重なり合う。
例えば、室内側外向突部42が第1溝部35内に入り込むと共に、室外側外向突部43が第2溝部36に入り込む。
また、下框21の本体40には戸車48が取付けてある。この戸車48は下枠11の室内側中間内向突部32に設けたレール32aに接している。
【0022】
このようであるから、框を熱溶着で連結して障子2の框体24を形成できると共に、上枠10、下枠11、縦枠12と上框20、下框21、戸当り框22の見付け方向の重なり寸法を大きくできる。
また、召合せ框23は、上框20、下框21、戸当り框22における外向突部を備えていない本体40のみで、その見付け寸法Hは、本体40と室内外側外向突部42,43を有した上框20、下框21、戸当り框22の見付け寸法Hよりも小さいから、内観の見栄えが良い。
また、召合せ框23の見付け方向外端部は、本体40の見付け方向外端面40aで、凹凸のない平坦面であるから、その見付け方向外端部に施錠部品、例えばクレセント3を取付けでき、従来のようにカバー材を取付ける必要がない。
【0023】
前記上框20、下框21、戸当り框22は、その本体40の室内側面40dが外向突部、例えば室内側外向突部42の室内側面42bよりも室内寄りで、上框20、下框21、戸当り框22は、本体40の室内側部が外向突部(室内側外向突部42)よりも室内側に張り出した形状である。
そして、上框20、下框21と召合せ框23が、その召合せ框23の本体40の室内側面40dと上框20、下框21の本体40の室内側面40dと室内外側方向に面一となるように連結してある。
【0024】
このようであるから、上框20、下框21、戸当り框22の本体40と、召合せ框23が同一見付け寸法で四周連続し、かつ上框20、下框21、戸当り框22の本体40の室内側部が外向突部よりも室内側に張り出した状態となるから、枠体1に障子2を建て込んだ状態で室内から見た時に、召合せ框23と同一見付け寸法の上框20、下框21、戸当り框22の本体40における室内側張り出し部が四周連続して目立つから、内観が著しく見栄えが良い(図7参照)。
【0025】
また、図1、図4に示すように障子2を閉じた状態で、戸当り框22の本体40の見付け方向外端面40aにおける室内側外向突部42よりも室内側部分(つまり、室内側張り出し部)と、縦枠30の室内側内向突部31の内端面31bとの間には隙間4がある。
例えば、図4に示すように、戸当り框22の本体40の見付け方向外端面40aに戸当り部材70を取付け、障子2を閉じた状態で戸当り部材70が縦枠12の室内側寄り中間内向突部32に当接すると共に、室内側外向突部42が第1溝部35に入り込むようにして前述の隙間4が生じるようにする。
【0026】
このようであるから、前述の隙間4に手の指を入れて戸当り框22の本体40に掛けて障子2を開き方向に移動できる。
つまり、戸当り框22の本体40における外向突部よりも室内側に張り出した部分を、障子2を開放する時の手掛けとすることができる。
したがって、障子2を人の手で開放操作し易い。
【0027】
なお、前述の隙間4を手の指が入り込むことができない小さい隙間としても良い。
また、本体40の室内側面40dと外向突部の室内側面(室内側外向突部42の室内側面42bを面一、又は室内側面42bが室内側に張り出すようにしても良い。
【0028】
前記召合せ框23の本体40の見付け方向外端面40aの上部と下部には、図5、図6に示すように上框20、下框21の外向突部の端面(室内側外向突部42、室外側外向突部43の端面42a,43a)を被覆する覆部材50がそれぞれ取付けてある。
前記覆部材50は、取付部51と被覆部、例えば室内側外向突部42を被覆する第1覆部52、室外側外向突部43を被覆する第2覆部53を有し、その取付部51がビス54で召合せ框23の本体40の見付け方向外端面40aに取付けられる。
【0029】
このようであるから、上框20、下框21の外向突部の端面(室内側外向突部42、室外側外向突部43の端面42a,43a)が露出しないので、見栄えが良い。
前述の覆部材50は室内外側方向に対称形状で、上下反転することで召合せ框23の上下部にそれぞれ取付けできるようにしてある。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態を図8に基づいて説明する。
この実施の形態は、前述の第1の実施の形態の枠体と同様の枠体1の室内側寄りの左右両側に、前述の第1の実施の形態の障子と同様の第1の障子2を面内方向に移動自在にそれぞれ建て込み、前記枠体1の室外側寄りの左右中間部に第2の障子5を建て込んである。
前記第1の障子2の上框、下框(図示せず)は第1の実施の形態の室内側寄りの障子2の上框20、下框21と同一断面形状で、その第1の障子2の戸当り框22、召合せ框23は第1の実施の形態の室内側寄りの障子の戸当り框22、召合せ框23と同一断面形状である。
前記左側の第1の障子2は召合せ框23が右側に位置し、右側の第1の障子2は召合せ框23が左側に位置し、その召合せ框23の本体40の見付け方向外端面40aが相対向している。
要するに、左右の第1の障子2の召合せ框23は左右対称形状である。
【0031】
前記第2の障子5は、上框、下框(図示せず)と左右の召合せ框23を方形状に連結した框体24にガラス25を装着したもので、その上框、下框は前述の第1の実施の形態の室外側の障子2の上框、下框と同一断面形状で、召合せ框23は前述の第1の実施の形態の室外側の障子の召合せ框23を、召合せ部を室内側部分とした框と同一断面形状である。
【0032】
そして、第2の障子5の上框、下框が上枠、下枠に固定手段で固定されて第2の障子5は固定される。
前記左側の第1の障子2を閉じると、その召合せ框23が第2の障子5の左側の召合せ框23と重なり合う。
前記右側の第2の障子2を閉じると、その召合せ框23が第2の障子5の右側の召合せ框23と重なり合う。
【0033】
このようであるから、左側、右側の第1の障子2を閉じた状態で左側・右側の第1の障子2と第2の障子5の左右との召合せ部の見付け寸法が小さく、内観及び外観の見栄えが良い。
なお、第1の障子2を枠体1の室外側寄りの左右両側に建て込み、第2の障子5を枠体1の室内側寄りの左右中間部に建て込んでも良い。この場合には、召合せ框23の召合せ部分を室内外側で反対とする。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態を図9、図10に基づいて説明する。
この実施の形態は、前述の第1の実施の形態における枠体1の室内側寄りの障子2と室外側寄りの障子2との間に中間障子6を面内方向に移動自在に建て込んだ三枚建て合成樹脂製サッシである。
前記枠体1の上枠10、下枠11、左右の縦枠12は、第1の実施の形態の本体30の内面30aにおける室外側内向突部34よりも室外側寄りに、室外側補助中間内向突部60、室外側補助内向突部61を設けたものである。
要するに、本体30の室内外側方向の寸法を第1の実施の形態の本体よりも大きくして中間障子6を建て込むスペースを確保すると共に、その本体30の内面に2つの内向突部を余分に設けた形状である。
【0035】
前記枠体1の室内側寄りに建て込んだ障子2、室外側寄りに建て込んだ障子2は、その上框20、下框21、戸当り框22、召合せ框23が前述の第1の実施の形態における室内側寄り、室外側寄りに建て込んだ障子2の上框20、下框21、戸当り框22、召合せ框23と同一の断面形状である。
そして、室内側寄りに建て込んだ障子2は、上枠10、下枠11の室内側寄り中間内向突部32に沿って面内方向に移動自在に建て込まれている。
前記室外側寄りに建て込んだ障子2は、上枠10、下枠11の室外側補助内向突部61に沿って面内方向に移動自在に建て込まれる。
【0036】
前記中間障子6は、上框20と下框21と左右の召合せ框23を方形状に連結した框体24にガラス25を装着したものである。
この中間障子6の上框20、下框21は前記障子2の上框20、下框21と同一断面形状である。
また、左側の召合せ框23は、室内側の障子2の召合せ框23と同一断面形状で、召合せ部が室外側部分である。右側の召合せ框23は室外側の障子2の召合せ框23と同一断面形状で、召合せ部が室内側部分である。
【0037】
前記中間障子6は、上枠10、下枠11の室外側内向突部34に沿って面内方向に移動自在に建て込まれる。
そして、前記室内側の障子2と中間障子6を閉じ位置とすることで、その室内側の障子2の召合せ框23と中間障子6の右側の召合せ框23が重なり合う。
前記室外側の障子2と中間障子6を閉じ位置とすることで、その室内側の障子2の召合せ框23と中間障子6の左側の召合せ框23が重なり合う。
【0038】
前記各召合せ框23は本体40のみで見付け寸法が小さいので、室内側の障子2と中間障子6の召合せ部の見付け寸法が小さいと共に、室外側の障子2と中間障子6の召合せ部の見付け寸法が小さい。
したがって、内観及び外観の見栄えが良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態を示す合成樹脂製サッシの概略内観図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す合成樹脂製サッシの概略外観図である。
【図3】図1の詳細縦断面図である。
【図4】図1の詳細横断面図である。
【図5】障子の框体の内観図である。
【図6】図5の左側面図である。
【図7】合成樹脂サッシの斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す合成樹脂製サッシの横断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す合成樹脂製サッシの縦断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す合成樹脂製サッシの横断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1…枠体、2…障子、3…クレセント(施錠部品)、4…隙間、10…上枠、11…下枠、12…縦枠、20…上框、21…下框、22…戸当り框、23…召合せ框、24…框体、25…ガラス、30…本体、30a…内面、31…室内側内向突部、32…室内側寄り中間内向突部、33…室外側寄り中間内向突部、34…室外側内向突部、40…本体、40a…見付け方向外端面、40b…見付け方向内端面、41…ガラス装着部、42…室内側外向突部、43…室外側外向突部、50…覆部材、60…室外側補助中間内向突部、61…室外側補助内向突部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の上枠、下枠及び左右縦枠を方形状に連結し、その内面に内向突部を備えた枠体に、合成樹脂製の上框、下框、戸当り框及び召合せ框を方形状に連結した框体から成る障子を面内方向に移動自在に建て込んだ合成樹脂製サッシであって、
前記上框、下框及び戸当り框は、ガラス装着部を有した本体と、その本体の見付け方向外端部に外向突部を備えた同一断面形状で、
前記召合せ框は、前記上框、下框及び戸当り框における外向突部を備えていない本体と同様な断面形状とし、
前記上框、下框及び戸当り框は、長手方向の端面をそれぞれ45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結し、
前記上框、下框及び召合せ框は、上框、下框の本体と召合せ框の長手方向の端面をそれぞれ45度の傾斜面とし、その端面同士を突き合わせて熱溶着で連結し、
前記障子は前記枠体に、前記上框、下框の外向突部が前記上枠、下枠の内向突部に見付け方向に重なり合うように建て込まれ、障子を閉じた状態で前記戸当り框の外向突部が前記縦枠の内向突部に見付け方向に重なり合うようにしたことを特徴とする合成樹脂製サッシ。
【請求項2】
上框、下框及び戸当り框は、その本体の室内側部が外向突部よりも室内側に張り出した形状で、その各本体の室内側張り出し部と召合せ框が同一見付け寸法で四周連続している請求項1記載の合成樹脂製サッシ。
【請求項3】
障子が閉じた状態において、戸当り框の本体の室内側張り出し部と縦枠との間に人の手が入り込む隙間が生じるようにした請求項2記載の合成樹脂製サッシ。
【請求項4】
召合せ框に、上框、下框の外向突部の長手方向の端面を被覆する覆部材を取付けた請求項1〜3いずれか1項に記載の合成樹脂製サッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−52364(P2009−52364A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222066(P2007−222066)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】