説明

吐出装置

【課題】規定された流体圧力を吐出装置に発生させる吐出装置を提供する。
【解決手段】液体薬剤用の吐出装置であって、薬剤を貯蔵するための容器と、薬剤を送るための加圧装置10と、薬剤を周囲に供給するための少なくとも1つの吐出開口部80とを有する吐出装置であって、加圧装置10が圧力室16を有し、圧力室16の内容物を、並進移動可能なピストン14によって加圧することができる吐出装置に関する。ピストンに動作可能に連結された圧電アクチュエータ、あるいはアクチュエータコイル30およびアクチュエータコア32を有するコイルアクチュエータ装置30であって、アクチュエータコイルを通電することによってアクチュエータコイル30に対して力を加えることができ、アクチュエータコイル30またはアクチュエータコア32がピストンに対して固定されるコイルアクチュエータ装置30を有する圧電アクチュエータ装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体薬剤用の吐出装置であって、薬剤を貯蔵するための容器と、薬剤を送るための加圧装置と、薬剤を周囲に供給するための少なくとも1つの吐出開口部とを有する吐出装置であって、加圧装置が圧力室を有し、その圧力室の内容物を、並進移動可能なピストンによって加圧することができる吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の異なるこのような吐出装置は、従来技術から知られており、本発明について、医療のために患者の体内にまたは体の上に適用される物質を意味すると理解される薬剤を供給するために使用される。吐出装置に基づいて、液滴、噴流、霧等の形態で吐出を行うことができる。
【0003】
このような吐出装置では、容器は、薬剤を吐出する前に薬剤を貯蔵するために使用される。吐出について、薬剤を吐出開口部に送るために、容器から圧力室に既に供給された薬剤の薬剤部分が加圧される。
【0004】
従来技術から公知の大部分の吐出装置において好ましくはポンプ装置として構成された加圧装置の作動は、手動で、すなわち、使用者が必要なエネルギーをシステムに導入する加圧によって行われる。このことは、高齢者にとって困難な動作、さらには、間違った操作の可能性を含む多数の欠点をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、従来技術の欠点が低減または回避されるように、このような吐出装置をさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、このことは、圧電アクチュエータ装置またはコイルアクチュエータ装置を有するこのような吐出装置によって達成される。圧電アクチュエータ装置は、ピストンに動作可能に連結される圧電アクチュエータを有するか、またはコイルアクチュエータ装置はアクチュエータコイルおよびアクチュエータコアを有し、前記コイルアクチュエータ装置により、前記アクチュエータコイルを通電することでアクチュエータコイルを介して力を加えることができ、アクチュエータコイルまたはアクチュエータコアはピストンに対して固定して構成される。
【0007】
本発明によれば、ピストンは、吐出装置のケーシングに対して並進移動可能な部分を意味すると理解され、前記ケーシングの位置は圧力室容積を決定する。さらに、本発明によれば、ピストンはベローズポンプのポンプベローズの移動可能な前部であり得る。
【0008】
圧電アクチュエータ装置を有する実施形態では、圧電アクチュエータは、通電によって少なくとも1つの寸法の圧電アクチュエータの伸びを変化させ、吐出装置のケーシングに対して固定された表面の片面に支持され、これに対して、反対側は、圧電アクチュエータの長さが伸びることによって移動可能であり、移動可能な前記反対側がピストンの移動を生じさせるように直接的または間接的にピストンに接続される。可動側の比較的大きな移動を生じさせるために、圧電アクチュエータは圧電スタックとして構成されることが好ましい。実現可能な大きな力と力の正確な付与とにより、圧電アクチュエータは、ピストンへの力の付加に特に適切であり、明確に規定された圧力を圧力室内に発生させることを可能にする。
【0009】
圧電アクチュエータ装置が変換器によってピストンに動作可能に連結され、変換器が、圧電アクチュエータを経路長L1だけ変形させることにより、ピストンを経路長L1よりも長い経路長L2だけ移動させるように構成されると特に有利である。このようにして、変換器は、力の対応する減少に伴い、圧電アクチュエータの比較的制限された変形経路を長くするように構成される。このことは、大きなピストンストロークを達成することを可能にする。変換器は、例えば、固定して取り付けられたレバーによって変換を行う機械的に作用する歯車として構成することができる。さらに、圧電アクチュエータにより、大きなピストン面を有する補助ピストンが直接移動され、この補助ピストンが補助流体を移動させ、次に、この補助流体が、比較的小さなピストン面を有する第2の補助ピストンを移動させるために使用されるように、油圧変換器を使用することが可能である。圧力室を画成する主ピストンは、上記第2の補助ピストンに直接連結することができる。
【0010】
コイルアクチュエータ装置を有する構造の場合、通電コイルが磁界を形成し、この磁界において、磁力によりアクチュエータコアに力が加えられるという事実が利用される。この効果を向上させるために、アクチュエータコアは永久磁石として構成されることが好ましい。アクチュエータコアに作用する力は、アクチュエータコイルに流れる電流の強度に依存する。
【0011】
ピストンを移動させるかまたはそれに力を与えるために、説明した力を直接用いることができる。このため、アクチュエータコイルをポンプケーシングに対して固定して設けることと、アクチュエータコアをピストンに対して固定することが可能である。アクチュエータコアを移動させおよびそれに力を加えることにより、ピストンの対応する移動またはピストンへの力の付加が生じる。この構造は、固定された構成要素のためにのみ力の付与が行われればよいので特に簡単である。
【0012】
また代わりに、アクチュエータコアをポンプケーシングに対して固定することと、アクチュエータコイルをピストンに設けることが可能である。ラウドスピーカにほぼ対応するこの第2の構造は、比較的軽量のアクチュエータコイルがアクチュエータコアに対して移動され、その結果、エネルギーの要求が低くなるという利点を提供する。
【0013】
本発明の別の発展形態では、ポンプケーシングに対するピストンの偏位を検出することを可能にする測定装置が提供される。
【0014】
最も簡単な例では、ピストンの移動が生じているかどうかを測定装置が単に検出するように、その測定装置を構成することができる。また、ピストン位置を正確に検出するように、上記測定装置を構成することもできる。特に、測定装置は、動作状態になる前にまたは動作を行う前に、ピストンが圧電アクチュエータまたはアクチュエータコイルの通電に反応したときに移動したかどうかをチェックすることを可能にする。より複雑な構造では、測定装置は、例えば摩擦力またはばね力等の別の力がピストンにどの程度作用しているかを検出することもできる。特定の吐出装置の特性のこのような分析は、動作時に、正確に規定された圧力を圧力室内に発生させることを可能にし、このことは、意図された用途に応じて多くの利点を提供する。
【0015】
測定装置が、測定コイルに対する測定コアの位置を決定するように構成された測定コイルを有する吐出装置が特に有利である。永久磁石の測定コイルの移動がコイルの電圧の誘導を生じさせるという事実が利用される。測定コイルに対する測定コアの速度が高くなると、それだけ上記電圧も高くなる。したがって、この結果、測定コアが移動しているかどうかを検出し、さらには、移動速度がどの程度であるかを検出することが可能である。コアが移動していることを単に検出することは、ピストンが第1の終端位置と第2の終端位置との間で移動され、移動時間が検出され、この移動時間が摩擦力の大きさと共に増加することによって、ピストンとポンプシリンダとの間に作用する摩擦力を決定することを可能にする。
【0016】
吐出開口部を介して薬剤を吐出するために、圧力室内に発生された圧力を直接用いることができる。このため、圧力室と吐出開口部との間に直接接続部が設けられ、好ましくは、吐出弁が設けられ、特定の最小圧力に達したときにのみ開放する。また代わりに、ポンプ装置によって供給された薬剤を最初に他の室に送ることも可能であり、この他の室から、薬剤が特定の吐出機構によって吐出される。
【0017】
このようにして、好ましくは圧力室に接続された吐出室が設けられ、前記吐出室は複数の吐出開口部によって周囲に接続され、ここで、吐出室は、振動アクチュエータにより振動状態を生じさせることができる壁部によって画成される。
【0018】
このような構造により、実際の吐出工程が振動壁部によって行われ、このことは、吐出室の高周波数で脈動する容積を生じさせる。この容積の変化により、圧力室内に存在する薬剤は微小な液滴の霧の形態で吐出開口部から通過する。ポンプ装置によって発生された圧力は、薬剤を吐出室に供給するためにのみ用いられる。特にこのような構造では、本発明による圧電アクチュエータ装置または本発明によるコイルアクチュエータ装置の使用が有利であるが、その理由は、前記装置が、正確に付与された制限圧力を提供することを可能にし、この制限圧力が、吐出開口部を介した吐出を行うことなく、ポンプ装置によって発生された圧力のみにより、吐出室の薬剤供給を保証するような大きさにされているからである。
【0019】
ポンプ装置を制御するための別の発展形態によれば、圧電アクチュエータ装置またはコイルアクチュエータ装置によって、ピストンへの力の付加を制御する制御ユニットが提供される。圧電アクチュエータ装置の場合、制御ユニットが、明確に規定された電圧を利用可能にすることによって、制御が行われる。コイルアクチュエータ装置では、制御ユニットは、明確に規定された電流強度を提供する。電圧強度または電流強度は、ピストンに加えられる力に直接影響を与える。このことは、ピストン面を含む間、明確に規定された圧力を圧力室内に発生させることを可能にする。ピストンとポンプシリンダ壁との間の摩擦力等の他の変化要因に関係なく、明確に規定されたこの圧力を達成することができるので、測定装置によって予め決定された値、例えば、ピストンを一方の終端位置から他方の終端位置に移動させるために圧力室が依然として空であるときに必要とされる時間を組み込むことができる。このため、ピストンの移動中に測定装置によって決定された値を判定することにより、ピストンに作用する摩擦力および/またはばね力を検出するように、制御ユニットがさらに構成されることが好ましい。
【0020】
さらに、吐出装置を動作状態にしたときに、ピストンの移動の測定によって、ポンプ装置と吐出開口部との間の流路内に空気が依然として密閉されているかどうかを決定するように、制御ユニットを構成することができる。その上、他の多数の目的のために、例えば、吐出工程の数をカウントするか、または先の吐出工程の後に一定時間が経過しなかった場合に吐出工程を停止するために、制御ユニットを使用することができる。
【0021】
本発明の別の態様および特徴は、請求項、および図面に示しておりかつ以下に説明する本発明の3つの好ましい実施形態の以下の説明から理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】コイルアクチュエータ装置と圧力依存型の吐出弁開口部とを有する本発明による吐出装置の第1の実施形態の図である。
【図2】コイルアクチュエータ装置とアトマイザーとを有する本発明による吐出装置の第2の実施形態の図である。
【図3】圧電アクチュエータ装置と圧力依存型の吐出弁開口部とを有する本発明による吐出装置の第3の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、導管40によって吐出弁70に接続されたポンプ装置10を有する本発明による吐出装置の第1の実施形態を示している。図1は、公知の従来技術の構成要素とほぼ一致する別の吐出装置の構成要素を示していない。したがって、吐出装置を囲む媒体容器を有するケーシングは図示されていない。さらに、吐出装置は、例えばキースイッチによって動作可能であり、かつ吐出工程を制御するために設けられる図示していない制御ユニットを有する。
【0024】
ポンプ装置10は、ピストン14と共に圧力室16を画成するポンプシリンダ12を有する。ピストンは、ポンプシリンダに液密に係合する周縁ピストンリップ14aを有する。ピストン14の移動により、圧力室16の容積を変化させることと、前記室16内の液体を加圧することが可能である。吸気導管18と、接続導管40によって吐出弁70に接続された吐出導管20とが圧力室16に通じる。吸気導管18および吐出導管20はピストン14の移動方向2に対して移動され、その結果、方向2aへのピストンの移動中、最初に、図示していない媒体容器に通じる吸気導管18が圧力室から分離される。
【0025】
ピストン14の左側には、アクチュエータコイル30と、それによって囲まれたアクチュエータコア32とを備えるコイルアクチュエータ装置が接続される。アクチュエータコア32はプラグ接続によってピストン14に確実に接続されるので、アクチュエータコアはピストン14と共に常に移動する。さらに、アクチュエータコア32は、アクチュエータコイル30に平行に延びる測定コイル34によって囲まれる。
【0026】
圧力室16内における圧力の発生は以下のように行われる。
【0027】
図示していない制御ユニットは電流をアクチュエータコイル30に導入し、このアクチュエータコイル30はアクチュエータコア32の近傍に磁界を発生させる。前記磁界の強度はアクチュエータコイル30の電流強度に依存する。磁界により、少なくとも帯状に永久磁石で構成されるアクチュエータコア32には、方向2aまたは2bの力が与えられる。さらに、方向2aへの力の付加により、ピストン14が方向2aにおいて圧力室16に向かって移動させられる。ピストン14のピストンリップ14aが吸気導管18を通過すると、前記力は、容積が減少された圧力室16内に圧力を発生させる。さらに、前記圧力は吐出弁70の弁体72に作用し、このようにして、この弁体72を方向4bに移動させ、結果として、弁体72によって予め閉鎖された吐出開口部80を開放する。吐出工程は吐出開口部80の前記開放によって行われる。
【0028】
ピストン14への力の付加が終了すると、吐出工程が終了する。このことは、アクチュエータコイル30の通電を中止することによって行うことができる。代わりに、吐出弁70の追加のコイル装置7により、流体圧力に抗して弁体72を再び図1の閉鎖位置に押圧し、これにより、吐出工程を終了することが可能である。
【0029】
吐出工程の終了時、逆極性の電流がアクチュエータコイル30に供給され、その結果、方向2bにおいてアクチュエータコア32およびピストン14に力が加えられる。このときに、吐出弁70は再び閉鎖されるので、圧力室16の結果として得られた拡大は負圧を生じさせ、この負圧は、ピストンリップ14が吸気導管18を通過したときに媒体容器から媒体を吸引する。
【0030】
アクチュエータコイル30の説明した制御により、十分に規定された力をピストン14に加えることが可能であり、その結果、十分に規定された圧力による圧力の発生が行われる。所望の圧力値を維持することに関連して圧力室16内に発生させるべき圧力について、特に高い要求が行われた場合、ピストン14とシリンダ壁12との間に摩擦力が発生し、加圧中に、前記力がピストン14の移動方向に抗して作用することを考慮しなければならない。前記摩擦力のレベルを決定するために、圧力室16の最初の充填の前に、測定コイル34による測定が行われる。アクチュエータコイル30の明確に規定された電流強度によって、ピストン14はその第1の終端位置からその第2の終端位置に移動され、同時に、測定コイル34は、この工程がどのくらいの時間行われたかを検出する。摩擦力が大きくなると、それだけ移動時間間隔が長くなる。
【0031】
次に、検出されたこの時間間隔は、圧力室16内の媒体の加圧中にアクチュエータコイル30の電流強度を変化させることによって摩擦力を補償するために、および圧力室16内に所望の圧力比を発生させるために用いることができる。
【0032】
図2による吐出装置は図1の吐出装置にほぼ対応する。ポンプ装置110については相違が生じないので、図1の実施形態に関する上記のものが再び適用される。図1の実施形態とは異なり、吐出弁が存在せず、その代わりに、ライン140によって圧力室116に接続されたアトマイザー170に置き換えられる。前記アトマイザーは、穿孔プレート174によって前記アトマイザーの上部に終端されたケーシング172を備え、前記穿孔プレート174および前記ケーシング12は共に吐出室176を囲む。穿孔プレート174から離れたケーシング172の側面において、圧電振動装置178が振動壁部172aに設けられ、高周波数の振動により、振動壁部172aに振動を発生させることができる。振動壁部172aのこれらの振動は、吐出室176の高周波数量の変化を生じさせ、この変化により、室176内に密閉された媒体が穿孔プレート174の吐出開口部180を介して押圧され、霧状に漏れる。
【0033】
図2の図面は縮尺通りではない。アトマイザー170はポンプ装置110よりもかなり大きな縮尺で示されている。したがって、実際には、圧力室116の容積は吐出室176の容積よりもはるかに大きいので、長時間の吐出工程により、媒体を圧力室116内に送ることが可能になる。
【0034】
動作中、非常に制限された過圧のみが圧力室116内に発生されるように、図示していない制御ユニットによって図2の吐出装置が制御される。制限されたこの過圧は、振動壁172aの振動に関係なく吐出開口部180を介して媒体の吐出を行うポンプ装置110によって発生される圧力なしに、吐出室176が常時充填状態のままであることを保証する。
【0035】
図3の実施形態では、コイルアクチュエータ装置によってピストン214に力が加えられず、その代わりに、この力の付加が圧電アクチュエータ装置230によって行われることを除いて、図1の実施形態の構造が保持されている。前記圧電アクチュエータ装置230は圧電スタック232を備え、この圧電スタック232は、電圧が印加されたときに方向206において前記圧電スタックの伸びを増加させる。前記方向206はピストン214の移動方向202に対して直角をなす。圧電スタック232からピストン214に力を伝達するために、変換器236が設けられ、2つのくさび要素236a、236bを備える。くさび要素236bは圧電スタック232の移動可能な端部232aに設けられる。他のくさび要素236aは、圧力室216から離れたピストン214の側面に係合される。くさび面は移動方向202に対して約15φの角度をなし、その結果、圧電スタック232の移動可能な端部232aの移動がピストン214のはるかに大きな移動を生じさせる。結果として、圧電スタック232の比較的短い移動は、はるかに大きなピストンストロークを生じさせることができる。
【0036】
したがって、図示した構造は、圧力室216内で加圧を行うために、圧電スタック232によって発生される力を用いることを可能にする。変換器236は方向202aにおいてピストン214に力を加えることのみを可能にするように構成されるので、リターンスプリング238がさらに設けられ、圧電スタック232によって発生された力が終端したときに、その力はピストン214をその開始位置に押し戻す。
【符号の説明】
【0037】
2 移動方向
2a 方向
2b 方向
4b 方向
10 ポンプ装置
12 ポンプシリンダ
12 シリンダ壁
14 ピストン
14a 周縁ピストンリップ
16 圧力室
18 吸気導管
20 吐出導管
30 アクチュエータコイル
32 アクチュエータコア
34 測定コイル
40 接続導管
70 吐出弁
72 弁体
80 吐出開口部
110 ポンプ装置
116 圧力室
140 ライン
170 アトマイザー
172 ケーシング
172a 振動壁部
174 穿孔プレート
176 吐出室
178 圧電振動装置
180 吐出開口部
202 移動方向
202a 方向
206 方向
214 ピストン
230 圧電アクチュエータ装置
232 圧電スタック
232a 移動可能な端部
236 変換器
236a くさび要素
236b くさび要素
238 リターンスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体薬剤用の吐出装置であって、
−前記薬剤を貯蔵するための容器と、
−前記薬剤を送るための加圧装置(10;110;210)と、
−前記薬剤を周囲に供給するための少なくとも1つの吐出開口部(80;180;280)と、
を有する吐出装置であって、
−前記加圧装置(10;110;210)が圧力室(16;116;216)を有し、該圧力室の内容物を、並進移動可能なピストン(14;114;214)によって加圧することができる吐出装置において、
−ピストン(214)に動作可能に連結された圧電アクチュエータ(232)を有する圧電アクチュエータ装置(232、236)あるいは、
−アクチュエータコイル(30;130)とアクチュエータコア(32;132)とを有するコイルアクチュエータ装置(30、32;130、132)であって、前記アクチュエータコイルを通電することによって前記アクチュエータコイル(30;130)に対して力を加えることができ、前記アクチュエータコイル(30;130)またはアクチュエータコア(32;132)が前記ピストンに対して固定されるコイルアクチュエータ装置(30、32;130、132)を特徴とする吐出装置。
【請求項2】
前記圧電アクチュエータ装置(232、236)が変換器(236)によってピストン(214)に動作可能に連結され、前記変換器(236)が、圧電アクチュエータ(232)を経路長L1だけ変形させることにより、ピストン(214)を経路長L2だけ移動させるように構成され、L2がL1よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記アクチュエータコイル(30;130)がポンプケーシング(12;112)に対して固定され、前記アクチュエータコア(32;132)がピストン(14;114)に対して固定されるか、または前記アクチュエータコアが前記ポンプケーシングに対して固定され、前記アクチュエータコイルが前記ピストンに固定して設けられることを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項4】
測定装置(32、34;132、134)が設けられ、該測定装置によって、ポンプケーシング(12;112)に対するピストン(14;114)の偏位を検出することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記測定装置(32、34;132、134)が、測定コイル(34;132)に対する測定コア(32;132)の位置を検出するように構成された測定コイル(34;134)を有することを特徴とする請求項4に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記圧力室(116)に接続された吐出室(176)であって、該吐出室(176)が、複数の吐出開口部(180)によって前記周囲に接続され、前記吐出室(176)が、振動アクチュエータ(178)により振動状態を生じさせることができる壁部(172a)によって画成される吐出室(176)を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項7】
前記圧電アクチュエータ装置(232、236)またはコイルアクチュエータ装置(30、32;130、132)によって、ピストン(14;114;214)への力の付加を制御する制御装置であって、好ましくは、該制御装置が、さらに、
−前記ピストン(14;114;214)の移動中に前記測定装置(32、34;132、134)によって決定された値の判定により、前記ピストン(14;114;214)に作用する摩擦力および/またはばね力を検出するようにおよび/または、
−前記吐出装置を動作状態にしたときに、ピストン(14;114;214)の移動の測定によって、前記ポンプ装置(10;110)と前記吐出開口部(80;180)との間の流路内に空気が依然として密閉されているかどうかを決定するように構成される制御装置を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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