説明

含浸用樹脂配合物

本発明は、アリルエーテル含有不飽和ポリエステル樹脂を含有する成分A、ジシクロペンラジエン末端基を有する、成分Aとは異なる不飽和ポリエステル樹脂を含有する成分B、成分AおよびBによるポリエステル樹脂とは異なる他の不飽和ポリマーを含有する成分Cならびに場合によっては硬化剤、促進剤、安定化剤、添加剤およびレオロジー助剤を含有する、含浸用樹脂配合物に関する。さらに本発明は、シート状絶縁材料のベース材料を製造するための巻線の含浸およびプリント回路基板の被覆のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、DE 10 2004 028 417.2-43の優先権を請求する。本発明は、電気機器のための含浸用樹脂配合物に関する。
【0002】
電気巻線の含浸は、電気機器の製造の際の標準的操作である。硬化した含浸用樹脂は、巻線を機械的に固定し、攻撃的化学薬品および環境の影響から保護するため、形成された熱を排除し、かつ電気的に絶縁するといった機能を有する。
【0003】
技術水準は、スチロール含有不飽和ポリエステルの使用である。これは一般に知られているものであって、かつ、その製造および使用は、当業者に公知である。文献は、ポリマー化学のための通常の研究論文および製造元のパンフレットにおいて見いだされる。さらに、通常処理可能な系において(たとえば、Varnish and resin usage with various motor construction, M. Winkeler, lEEE Proceedings, 1999, S. 143; Evaluation of electrical jnsulating resins tor inverter duty application, M. Winkeler, iEEE Proceedings 1997, S 145)、さらには、たとえば冷硬化系において(Heatless cure coating of electrical windings, Th. J. Weiss, IEEE Proceedings, 1993, S. 443)会議報告がなされている。
【0004】
したがって、硬化の際にスチロールを放出するスチロール含有樹脂は、加工装置からの排気を処理しなければならない。スチロールが他のコモノマー、たとえばビニルトルオールまたは種々のアクリレートを使用する場合には、原則として放出については何ら変わらない。したがって、電気巻線の含浸に使用するのに適した、コモノマー不含の不飽和ポリエステル樹脂を改良するといった試みがなされた。
【0005】
EP O 968 501において、液体コモノマー不含の硬化可能な不飽和ポリエステルを含有する配合物が記載されており、この場合、これは、さらにUV−硬化性でもある。不飽和ポリエステルは、ジシクロペンタジエン構造およびマレイン酸構造を含有する。勿論、これらの配合物は、相対的に高い粘度を有する(2600mPasよりも高い)。これらは、通常の系における加工の妨げとなるものである。
【0006】
EP 1 122 282においては、同様に、コモノマー不含の硬化可能な不飽和ポリエステル樹脂を含有する配合物を記載している。これは、マレイン酸およびジシクロペンタジエンをベースとする不飽和ポリエステルおよびポリマー架橋剤から構成され、この場合、これらは、たとえば、イソプレノール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)を、構成単位として使用する。樹脂混合物の粘度は、任意の場合において極めて高い。さらに配合物は、樹脂およびポリマー架橋剤を任意に混合することはできず、それというのも、ポリマー架橋剤自体は、硬化性でないためである。
【0007】
本発明は、低粘度のコモノマー不含の不飽和ポリエステル樹脂を含有する配合物を開発するといった課題を有し、この場合、これらは、専ら硬化しないポリマー架橋剤不含であり、かつ電気巻線を含浸するのに適している。
【0008】
これらの課題は、アリルエーテル含有不飽和ポリエステル樹脂を含有する成分A、成分Aとは異なるジシクロペンタジエン末端不飽和ポリエステル樹脂を含有する成分B、成分AおよびBによるポリエステル樹脂とは異なる他の不飽和ポリマーを含有する成分Cならびに場合によっては硬化剤、促進剤、安定化剤、添加剤およびレオロジー助剤を含有する、低粘度の含浸用樹脂配合物によって解決される。
【0009】
好ましくは、含浸用樹脂配合物は、成分A、B、Cさらには通常の硬化剤、促進剤、安定化剤および添加剤、レオロジー助剤から構成されていてもよい。
【0010】
本発明の範囲内の低粘度の含浸用樹脂配合物は、好ましくは25℃で、1500mPas以下の粘度を示す。
【0011】
特に好ましい含浸用樹脂配合物は、25℃で測定して600〜1300mPas、特に好ましくは850〜1200mPasの粘度を示す。
【0012】
成分A中に存在するアリルエーテル含有不飽和ポリエステル樹脂は、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂または不飽和ポリエステル樹脂混合物を含有し、この場合、これらは、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルおよび/またはトリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリコール、マレイン酸ならびに不飽和ポリエステル樹脂化学において公知の他の成分から構成される。このようにして構成されたポリエステル樹脂は、本発明によればイミド構造、ジシクロペンタジエン構造で、イソシアネートおよび/またはメラミン樹脂と一緒に変性することができる。
【0013】
これらの樹脂は公知であり(たとえば、die Broschuere Nr. 0207 der Firma Perstorp, DE 2645657, DOS 2113998参照のこと)、かつ、アリルエーテル、ポリオール、カルボン酸およびさらにはモノ官能性分子を、連鎖停止剤として反応させることによって製造することができる。
【0014】
これらの樹脂の製造は、同様に一般に知られている。これに関して、成分は、エステル交換触媒を用いてまたはこれを用いないで、通常、160〜200℃の温度で加熱する。反応は、通常は保護ガス下で実施する。形成された水の除去を容易にするために、共沸混合物および/または真空を使用することができる。凝縮工程の制御は、通常は、酸価および/または凝縮粘度を測定することによって実施する。
【0015】
アリルエーテルとして、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリトリットトリアリルエーテルを使用することができる。好ましくは、全部で3個の、単独または種々の混合物である。
【0016】
ポリオールとして、エチレングリコール、ジ−およびトリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−および1,6−ヘキサンジオール、ペルヒドロニスフェノール−A、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリットである。好ましくはジ−およびトリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびトリメチロールプロパンである。
【0017】
カルボン酸としては、α−、β−不飽和ジカルボン酸または−誘導体、たとえばマレイン酸無水物およびフマル酸、ならびに、改質化されたジカルボン酸、たとえばアジピン酸、コハク酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸との混合物を使用する。好ましくは、マレイン酸無水物およびアジピン酸である。
【0018】
連鎖停止剤として、モノ官能性カルボン酸および/またはモノ官能性アルコールが使用され、たとえばタル油脂肪酸、安息香酸、2−エチルヘキサン酸、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、tert−ブタノール、イソプレノール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)およびテトラヒドロフタル酸無水物とエタノールアミンとの反応生成物である。好ましくは、ヘキサノール、イソプレノールならびにテトラヒドロフタル酸無水物とエタノールアミンとの反応生成物である。
【0019】
本発明によれば、成分Bは、成分Aとは異なる少なくとも1種の結合剤から構成されていてもよく、この場合、これらは、EP O 968 501および/またはEP 1 122 282 に記載されている。
【0020】
成分Bにおいて存在する成分Aとは異なる不飽和のポリエステル樹脂は、この場合、ジシクロペンタジエン構造を有するものであり、たとえば、マレイン酸およびジシクロペンタジエン、グリコール、マレイン酸ならびに不飽和ポリエステル樹脂化学で公知の他の成分を添加することによって、製造することができる。
【0021】
本発明によれば、成分Cは、通常の不飽和ポリマーを含有していてもよい。これらのポリマーは、商品名、たとえばLaromer PO 33F, Sartomer SR 9045 または Sartomer CD 9021 またはポリエチレングリコールジビニルエーテルとして入手可能である。
【0022】
成分C中に存在する不飽和ポリマーは、存在するポリマーを、二重結合を有する分子で官能化することによって製造することができ、たとえば、カルボン酸末端ポリアクリレートとグリシジルメタクリレートから成る反応生成物、あるいは、不飽和イソシアネートを有するポリエーテルポリオールである。さらに、ポリマーはビニルエーテル、たとえば種々の分子量を有するポリエチレングリコールジビニルエーテルを使用することができる。
【0023】
本発明による含浸用樹脂配合物は、
1.アリルエーテル含有不飽和ポリエステル樹脂(成分A)40〜95質量%、好ましくは50.0〜90質量%、特に好ましくは60〜80質量%、
2.ジシクロペンタジエン末端不飽和ポリエステル樹脂(成分B)5.0〜60質量%、好ましくは8.0〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%、
3.不飽和ポリマー(成分C)1.0〜30質量%、好ましくは1.0〜20質量%、特に好ましくは1.0〜10質量%を含有し、
4.硬化剤、促進剤、安定化剤、添加剤、レオロジー助剤0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、特に好ましくは1〜3質量%、
を含有し、その際、%の記載は、それぞれ全含浸用樹脂配合物に対するものである。
【0024】
好ましくは、本発明による配合物は、これらの成分から構成されていてもよい。本発明によれば、3個の成分A、B、Cは好ましくは最初に混合され、かつ通常の硬化剤、促進剤、安定化剤および添加剤と一緒に配合する。それによって、配合物は、組成とは無関係に低粘度、良好な硬化挙動および優れた機械的、電気的および熱的性質で、硬化された均一な成形材料を達成する。
【0025】
したがって、本発明による含浸用樹脂配合物は、好ましくは、成分A、BおよびCを混合することによって製造し、その一方で、硬化剤、促進剤、安定化剤、添加剤、レオロジー助剤を、好ましくは、最後に添加することができる。
【0026】
硬化剤として、ペルオキシドが挙げられ、たとえばジクミルペルオキシドおよびtert.−ブチルペルベンゾエートならびにシリル化ベンズピナコールが挙げられる。光開始剤、たとえばホスフィンオキシドおよびケタールの使用によって、UV−光硬化性を調節することができる。
【0027】
促進剤は、金属石鹸、たとえばコバルト−、バナジウムおよびジルコンオクトエートまたはナフテネートである。
【0028】
安定化剤としては、アルキル化フェノール、ヒドロキノンおよびベンゾキノン、たとえば、2,4−ジ−tert−ブチルフェノールまたはメチルヒドロキノンを使用する。添加剤は、当業者に公知の流れ調整剤および表面添加剤である。
【0029】
レオロジー助剤として、熱分解法シリカ、ベントナイトおよび尿素ポリマーが挙げられる。これに関しては、塗料ハンドブック中に記載されている。
【0030】
本発明による含浸用樹脂配合物は、室温で液体であり、低粘度であり、かつコモノマー不含である。通常の加工装置を用いて、電気巻線の、たとえば、浸漬、点滴、漬け塗り、流し込みおよび真空含浸および真空プレス含浸によって、加工することができる。
【0031】
含浸用樹脂配合物の前記加工に引き続いて、含浸用樹脂配合物を硬化する。これに関しては、熱硬化であってもよい。これらは、炉中でか、あるいは、巻線のジュール熱によって、あるいは、これら可能性の組み合わせによって達成することができる。
【0032】
硬化は、さらに放射線、好ましくはUV−照射を用いて達成することができる。特に、含浸用樹脂配合物が光開始剤を含む場合には、積層鉄芯上で、UV光により硬化させることができる。積層鉄芯上で直接的に硬化させることを予定している場合には、本発明によれば、さらに熱硬化とUV光硬化との組み合わせが可能である。これに関して、付加的に、硬化のためにジュール熱およびUV光の同時使用が可能である。
【0033】
電気巻線の含浸とは別に、本発明による含浸用樹脂配合物は、さらに、電気部品、ハイブリッド、SMD−モジュールおよび組み立てられたプリント回路基板中のフラットモジュールを被覆するために使用することができるか、あるいは、シート状の絶縁材料のためのベース材料として使用することができる。
【0034】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。試験は、DINおよびIEC−規格によりおこなった。
【0035】
実施例
例1:アリルエーテル変性不飽和ポリエステル樹脂1の製造
標準的な3首フラスコ装置中で、保護ガス下で、マレイン酸無水物290g、トリエチレングリコール114g、2−エチルヘキサノール320g、トリメチロールプロパンジアリルエーテル190gおよびグリセリン70gを互いに190℃で反応させた。得られた樹脂の酸価は、20mg/KOH/gであり、かつ、粘度20Pasであった。
【0036】
例2:アリルエーテル変性不飽和ポリエステル樹脂2の製造
最初に、標準的な3首フラスコ装置中で、マレイン酸無水物302g、水28gおよびジシクロペンタジエン217gを反応させた。その後に、例1と同様に、前反応生成物を、ネオペンチルグリコール161g、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル134gおよびヘキサノール157gと、195℃で反応させた。得られた樹脂は、酸化21mgKOH/gであり、かつ粘度22Pasであった。
【0037】
例3:アリルエーテル変性不飽和ポリエステル樹脂3の製造
最初に、標準的な3首フラスコ装置中で、マレイン酸無水物271g、水17gおよびジシクロペンタジエン130gを一緒に反応させた。その後に、例1と同様に、前生成物をトリエチレングリコール208g、ネオペンチルグリコール48g、2−エチルヘキサノール120gおよびトリメチロールプロパンジアリルエーテル197gと、190℃で反応させた。得られた樹脂は、酸価24mgKOH/gおよび粘度12Pasであった。
【0038】
例4:ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステルの製造(成分B)
EP 1 122 282 の例1からの生成物を製造した。
【0039】
例5:樹脂1を含む含浸用樹脂配合物の製造
例4からの樹脂100g、例1からの樹脂790g、Laromer PO 33F80g、コバルトオクトエート1g、市販の熱分解法シリカ8.5g、ジ−tert−ブチルフェノール0.5g、tert−ブチルペルベンゾエート20gを、強力に混合した。配合物は、粘度1050mPas、120℃で3分のゲル化時間を有していた。配合物でIEC61033(方法A)にしたがって、ドリルドロッドを含浸し、かつ硬化後に(160℃で1時間)、焼付け耐性(Verbackungsfestigkeit)を測定した。これらは、155℃で50Nであった。さらに配合物で、サイズ90のステーターを含浸し、かつ、150℃で1時間に亘って硬化させた。炉中での硬化における液だれ損失量は、わずかである。その後に、ステーターを切り出し、かつ樹脂吸収量および含浸の質について検査した。ステーターは、非の打ちどころなく含浸されており、かつ巻線は、樹脂で十分に飽和されていた。
【0040】
例6:例2からの樹脂を有する含浸用樹脂配合物の製造
例4からの樹脂100g、例2からの樹脂800g、Laromer PO 33F70g、コバルトオクトエート1g、ジ−tert−ブチルフェノール0.5g、tert−ブチルペルベンゾエート20gを混合した。この配合物は1000mPasの粘度、120℃で4分のゲル化時間を有する。配合物で、IEC61033(方法A)にしたがってドリルドロッドを含浸し、かつ硬化後に(160℃、1時間)、焼付け耐性を測定した。これは155℃で65Nであった。さらに、配合物で、ステーター(サイズ90)を含浸し、かつ150℃で1時間に亘って硬化させた。その後にステーターを切り出し、かつ樹脂吸収量および含浸の質について検査した。ステーターは非の打ち所なく含浸されていた。
【0041】
例7:樹脂3を含む含浸用樹脂配合物の製造
例4からの樹脂100g、例2からの樹脂800g、Laromer PO 33F70g、コバルトオクトエート1g、ジ−tert−ブチルフェノール0.5gおよびtert−ブチルペルベンゾエート20gを混合した。配合物は、粘度1200mPas、120℃で3分のゲル化時間を有していた。配合物、IEC61033(方法A)にしたがってドリルドロッドを含浸し、かつ硬化後に(160℃で1時間)焼付け耐性を測定した。これらは、155℃で51Nであった。さらに、配合物で、ステーラー(サイズ90)を含浸し、かつ、150℃で1時間に亘って硬化させた。その後にステーターを切り出し、かつ樹脂吸収量および含浸の質について検査した。ステーターは、非の打ち所なく含浸されていた。
【0042】
比較例8:例4からの樹脂での含浸
例4からの樹脂は、2%ジクミルペルオキシドで活性化させた。粘度は8Pasであった。ステーター(サイズ90)を樹脂で含浸し、かつ1時間に亘って160℃で硬化させた。その後にステーターを切り出し、かつ樹脂吸収量および含浸の質について検査した。樹脂吸収量は、例5〜7よりも顕著に少ないものであった。
【0043】
比較例9:例1からの樹脂での含浸
例1からの樹脂を、3%tert−ブチルペルベンゾエートで活性化させた。粘度は20Pasであった。ステーター(サイズ90)を、樹脂で含浸し、かつ1時間に亘って160℃で硬化させた。その後にステーターを切り出し、かつ樹脂吸収量および含浸の質について検査した。樹脂吸収量は、例5〜7よりも顕著に少ないものであった。
【0044】
比較例10:不飽和ポリマーでの含浸
Laromer PO 33 Fを、2%tert.−ブチルペルベンゾエートで活性化し、かつステーラー(サイズ90)をこれで含浸し、かつ130℃で1時間に亘って硬化した。その後にステーターを切り出し、かつ樹脂吸収量および含浸の質について検査した。樹脂は、巻線頭部からはがれ落ち、かつ、巻線中で割れが生じていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低粘度の含浸用樹脂配合物において、配合物が、
アリルエーテル含有不飽和ポリエステル樹脂を含有する成分A、
ジシクロペンタジエン末端基を有する、成分Aとは異なる不飽和ポリエステル樹脂を含有する成分B、
成分AおよびBによるポリエステル樹脂とは異なる、他の不飽和ポリマーを含有する成分Cならびに
場合によっては硬化剤、促進剤、安定化剤、添加剤およびレオロジー助剤を含有する、低粘度の含浸用樹脂配合物。
【請求項2】
成分Aとして、アリルエーテル含有不飽和ポリエステル樹脂40〜95質量%、好ましくは50.0〜90質量%、特に好ましくは60〜80質量%、
成分Bとして、ジシクロペンタジエン末端不飽和ポリエステル樹脂5.0〜60質量%、好ましくは8.0〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%および
成分Cとして、不飽和ポリマー1.0〜30質量%、好ましくは1.0〜20質量%、特に好ましくは1.0〜10質量%を含有し、
その際、%の記載は、それぞれ全含浸用樹脂配合物に対するものである、請求項1に記載の含浸用樹脂配合物。
【請求項3】
それぞれ25℃で測定して1500mPas以下、好ましくは600〜1300mPasおよび特に好ましくは850〜1200mPasの粘度を示す、請求項1または2に記載の含浸用樹脂配合物。
【請求項4】
成分A中の不飽和ポリエステル樹脂が、トリメチロールプロパンモノ−および/またはトリメチロールプロパンジアリルエーテルおよび/またはペンタエリトリットトリアリルーテルならびにグリコール、ポリオールおよびカルボン酸を含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
成分B中の不飽和ポリエステル樹脂が、マレイン酸およびジシクロペンタジエン、ならびにグリコール、カルボン酸および不飽和ポリエステル樹脂化学から公知の他の成分の添加によって製造可能なジシクロペンタジエン構造を含有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の含浸用樹脂配合物。
【請求項6】
成分C中の不飽和ポリマーが、二重結合を有する分子で存在するポリマーを官能化することによって製造可能である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の含浸用樹脂配合物。
【請求項7】
成分A、BおよびCを、ラジカル形成剤の添加によって、熱硬化性成形材料に硬化可能である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の含浸用樹脂配合物。
【請求項8】
電気巻線の含浸のための、請求項1から7までのいずれか1項に記載の含浸用樹脂配合物の使用。
【請求項9】
熱硬化に引き続いての浸漬、点滴、漬塗り、流し込み、真空含浸および/または真空プレス含浸による電気巻線の含浸の、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
UV−硬化と熱硬化の組み合わせに引き続いての浸漬、点滴、漬塗り、流し込み、真空含浸および/または真空プレス含浸による電気巻線の含浸のための、請求項8に記載の使用。
【請求項11】
シート状絶縁材料のベース材料を製造するための、請求項1から7までのいずれか1項に記載の含浸用塗料配合物の使用。
【請求項12】
電気部品、ハイブリッド、SMD−モジュールおよび組込まれたプリント回路基板中のフラットモジュールを被覆するための、請求項1から7までのいずれか1項に記載の含浸用塗料配合物の使用。

【公表番号】特表2008−501841(P2008−501841A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526436(P2007−526436)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052703
【国際公開番号】WO2005/121246
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(503402633)アルタナ エレクトリカル インシュレイション ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (7)
【氏名又は名称原語表記】Altana Electrical Insulation GmbH
【住所又は居所原語表記】Abelstr. 45, D−46483 Wesel, Germany
【Fターム(参考)】