説明

吸光度計測装置及び吸光度計測方法

【課題】 ガス濃度測定などを目的としたレーザ光の吸光度の計測における検出感度又はS/N比を向上させることができる吸光度計測装置及び吸光度計測方法を提供する。
【解決手段】 レーザ源11、13aから測定対象物に向けて拡散させたレーザ光Pを出射し、当該レーザ光の照射面内に複数の光検出素子からなる光検出素子アレイDAを配置し、各光検出素子から出力される強度信号に基づいて測定対象物におけるレーザ光Pの吸光度を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として気体(ガス)を測定対象物とする吸光度計測装置及び吸光度計測方法に関し、ガス濃度の測定に特に好適に使用することができる吸光度計測装置及び吸光度計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油資源を利用した産業の発展に伴い、地球温暖化の問題が深刻になっている。この地球温暖化は、大気中の温室効果ガスが赤外線の一部を吸収し、その一部を地表面に再放射し、地表面を暖めることによって起こるものである。温室効果ガスには、水蒸気、石油資源を燃焼させた際に発生する二酸化炭素、天然ガスを採掘する際やごみなどから発生するメタン、一酸化窒素、フロンなどがある。近年、石油資源の消費増大等により、これら温室効果ガスが大量に排出されており、これを抑制するため、これらガスの排出量制限が設けられるようになってきている。そのため、大気中のこれらガス濃度を測定し、これらガスの濃度を監視することが必要とされている。
【0003】
環境問題として、地球温暖化の問題のほか、大気汚染の問題も深刻になっている。汚染ガスには、一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、硫化水素、アンモニア、アセチレン、ダイオキシン、ハロゲン等があり、特に、一酸化炭素や一酸化窒素、硫化水素、ダイオキシン、ハロゲン等は吸引すると危険である。従って、これらの有害ガスが発生する可能性のある環境では、これらのガスの濃度を測定することが必要である。
【0004】
上記の各種ガスは、ガス分子の回転や原子間の振動等により、特定波長の光を吸収する吸収帯を有している。そこで、この吸収帯を利用したガス濃度測定法が数多く提案されている。
【0005】
上記測定法としては、赤外線を利用した赤外吸収測定法(特許文献1)が知られているが、分解能の高い測定を行うことが可能であるなどの理由から、レーザ光に対するガスの吸光度を計測することによるガス濃度測定法も数多く検討されている(特許文献2〜5)。
【0006】
上記ガス分子の多くは、複数の振動/回転モードを有するために、基本振動数での吸収帯(基本バンド)を複数有しており、更に、当該各基本バンドよりも高周波側(短波長側)に基本バンドの倍音や結合音に係る多数の吸収帯を有している。これらの吸収帯のなかでは、基本バンドでの吸収強度が倍音や結合音に係る吸収帯に比して格段に大きいことが一般的であり、ガス濃度を測定するに際しては、基本バンドを対象として吸光度の計測を行うことが有利である。
【0007】
しかし、測定対象のガスの種類や、サンプルガス(例えば大気)の圧力、或いはサンプルガス中における測定対象のガスの濃度(分圧)によっては、基本バンドを対象とした吸光度測定によっても正確なガス濃度の測定を行うに十分な検出感度又はS/N比を得ることができない場合がある。
【0008】
吸光度計測における検出感度やS/N比を高めるための手法としては多重光路測定法が知られている(例えば、特許文献4)。
【0009】
図1(A)は、多重光路測定法の測定原理を示す説明図であり、同図に示されるように、この手法は、2枚(ホワイト型セル)又は3枚(ヒリオット型セル)のミラーM間でレーザ光Pを多数回反射させることで、セル(容器)Cに収容したサンプルガス中におけるレーザ光Pの光路長を延長することにより検出感度を高めるものである。即ち、k(ν)を吸収係数、Lをセル長、n−1をミラーMでの反射回数とすると、サンプルガス中における吸光度AIは下記(1)式で表すことができるため、レーザ光Pを反射させることで光路長が延長され、吸光度AIが上昇することになる。
AI=k(ν)×[n×L] (1)
【0010】
しかし、多重光路測定法は、多数回の反射を実現するために高い精度でのミラーMの角度調整が必要になる点で不便であり、更には、ミラーMでの反射毎にレーザ光Pは反射損失を受けるため、この方法による検出感度乃至S/N比の向上には限界がある。
【0011】
また、上記した各種ガスの基本音バンドは、多くの場合赤外線帯域に位置するが、赤外線帯域で発振する波長可変レーザは一般に高価であり、液体窒素温度で作させることが必要となるなどの不便がある。これに対し、近赤外帯域では、光通信用途などのために安価かつ高性能であり、室温で動作可能な波長可変レーザを容易に入手することができる。しかし、近赤外帯域において存在する吸収帯は、吸収の弱い倍音や結合音に係る吸収帯であり、十分な検出感度乃至S/N比を得ることは、基本音バンドを対象とした吸光度の計測の場合に比して格段に難しくなる問題がある。
【特許文献1】特開2004−226104号公報
【特許文献2】特開平7−270308号公報
【特許文献3】特開平7−27701号公報
【特許文献4】特開平5−79976号公報
【特許文献5】特開2005−106521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、以下のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0013】
即ち、本発明の目的は、従来の吸光度計測と比較して、吸光度の検出感度又はS/N比を高めることが可能な吸光度計測装置又は吸光度計測方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、レーザ光をガスに照射したときの吸光度計測によりガス濃度を測定することが可能な吸光度計測装置又は吸光度計測方法であって、従来の測定法と比較して、より高い検出感度又はより高いS/N比をもってガス濃度を測定することが可能な吸光度計測装置又は吸光度計測方法を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、レーザ光をガスに照射したときの吸光度計測によりガス濃度を測定することが可能な吸光度計測装置又は吸光度計測方法であって、従来よりも小型又は安価な吸光度計測装置を提供すること、又は、従来の測定法と比較して、より小型又は安価な装置をもってガス濃度を測定することが可能な吸光度計測方法を提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、近赤外波長域のレーザ光を用いた吸光度計測によって、ガス濃度の測定を行うことが可能な吸光度計測装置又は吸光度計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、測定対象物に向けて拡散させたレーザ光を出射するレーザ源と、前記レーザ光の照射面内に配置され、それぞれが前記測定対象物を透過した前記レーザ光の強度信号を出力する複数の光検出素子からなる光検出素子アレイとを備えることを特徴とする吸光度計測装置(請求項1)又は、
測定対象物に向けて拡散させたレーザ光を出射するステップと、前記レーザ光の照射面内に配置される複数の光検出素子からなる光検出素子アレイによって、前記測定対象物を透過した前記レーザ光の強度信号を計測するステップとを有することを特徴とする吸光度計測方法(請求項5)により上記課題を達成したものである。
【0018】
本発明のレーザ源は、拡散させたレーザ光を放射するものであるが、当該拡散は、光検出素子アレイを構成する複数の光検出素子にレーザ光を照射させることが可能になる程度の拡散を言う。なお、光検出素子アレイを構成する全ての光検出素子においてレーザ光の強度信号を計測する場合には、全ての光検出素子にレーザ光が照射されることが必要であるが、光検出素子アレイを構成する光検出素子の一部の光検出素子によりレーザ光の強度信号を計測する場合には、その一部の光検出素子にレーザ光が照射されれば足りる。
【0019】
本発明における光検出素子アレイを構成する複数の光検出素子は、レーザ光の照射面内に配置されるが、配置の態様は、マトリクス状であっても直線状であっても構わない。なお、装置のコンパクト化などの観点からは、マトリクス状の配置とすることが好ましい。
【0020】
図1(B)は、本発明のメカニズムを模式的に示す概念説明図である。
【0021】
図示のように、本発明では、ビーム断面が所定の面積Sとなるように拡散させたレーザ光Pが測定対象物を収容する容器Cに照射され、当該測定対象物を透過したレーザ光の強度が光検出素子アレイDAを構成する複数の光検出装置によって並行して計測される。従って、本発明により計測される吸光度AIは、nを光検出素子の個数として下記(2)式で表されることになるが、下記(2)式は、上記(1)式と等価であることから、多重光路測定法の場合と同様に、吸光度の検出感度又はS/N比の上昇が達成されるものである。
AI=n×[k(ν)×L] (2)
【0022】
ただし本発明では、多重光路測定法の場合と異なり、ミラーMの調整の困難を伴わない利点があり、更に、ミラーMによる反射損失の問題を有さないが故に、光検出素子数を増加させることで多重光路測定法におけるよりも高い検出感度又はS/N比を達成することも可能となる点において多重光路測定法よりも優れているといえる。
【0023】
なお、本発明は、多重光路測定法を否定するものではなく、例えば、図1(A)における光検出素子Dに代えて本発明の光検出素子アレイDAを配置することで吸光度の計測を行うことが可能であり、多重光路測定法に本発明を適用することが可能である。
【0024】
本発明では、前記測定対象物を所定の容器に収容されたガスとすること(請求項2)が好ましい。
【0025】
かかる発明では、地球温暖化や環境問題への対応として必要とされる各種ガスの濃度測定における検出感度又はS/N比を上昇させることが可能となり、或いはガス濃度の測定を安価且つ小型の装置で実現することが可能になる。
【0026】
本発明では、前記レーザ光の周波数を変化させる周波数制御手段と、前記レーザ光の周波数を横軸として前記光検出素子のそれぞれから出力される強度信号の合計値又は平均値をプロットすることにより得られるスペクトル曲線と、前記測定対象物による吸収がないことを表す直線とによって囲まれる領域の面積を算出する計算手段とを更に備えること(請求項3)が好ましい。
【0027】
即ち、本願発明者は、特開2007−004693号において、周波数を変化させつつレーザ光を測定対象のガスに照射してその透過光強度を光検出素子で計測し、レーザ光の周波数を横軸として前記光検出素子により測定される透過光強度をプロットすることにより得られるスペクトル曲線と、前記測定対象物の吸収がないことを表す直線とによって囲まれる領域の面積を算出することにより、基準ガスを参照することなく、しかもピーク強度を測定することもなく、高感度でガス濃度を測定することができる装置及び方法を開示しているが、かかる装置又は方法に、本願請求項2の発明を適用することにより、ガス濃度の測定精度の一層の向上、及び測定装置の小型化、低廉化を達成することが可能である。
【0028】
図2は、請求項3に係る発明におけるガス濃度の導出方法を示す説明図である。
【0029】
図の横軸及び縦軸は、それぞれレーザ光Pの発振周波数及び吸光度であり、図中の20a、20bは、図1(B)に示す装置において容器C中に例えばCOなどの測定対象ガスを含むサンプルガスを封入してそれぞれ異なる条件下で計測された吸光度を示す吸収曲線である。なお、吸光度AI=K(ν)×Lは、入射光強度をIとして、透過光強度I(ν)と下記(3)式の関係にある。
AI=(I−I(ν))/I (3)
【0030】
本発明者は、上記のようにして計測した測定対象ガスの吸収曲線20a、20と、吸収がないことを示す直線21により囲まれる領域22a、22bの面積が、サンプルガスに測定対象ガス以外の物質が含まれるか否かにかかわらず、測定対象ガスの圧力のみに依存すること確認している。従って、領域22a、22bの面積から測定対象ガスの圧力を得、その圧力をサンプルガスの全圧で除することにより、測定対象ガスの濃度を簡単に導出することができる。
【0031】
なお、図2における曲線23a、23bは、それぞれ、1.5GHz又は300MHz毎に共振を生じるファブリ−ペロー共振器による吸収曲線であり、上記測定時におけるレーザ光Pの周波数校正用データとして示されているものであり、凸状のピーク24は、吸収曲線における例えば透過率90%の高さを示す目安として示されているものである。
【0032】
本発明では、前記レーザ源から放射されるレーザ光の波長が近赤外領域にあること(請求項4)が好ましい。
【0033】
即ち、地球温暖化や環境問題への対応から測定することが必要又は有益とされるガスの多くが、近赤外領域に結合音又は倍音に係る吸収帯を有している。これらの吸収帯での吸収強度は、基本音での吸収帯に比較すると微弱ではあるが、本発明の吸光度計測装置では、光検出素子アレイを構成する光検出素子数を増加させることにより、吸光度の検出感度又はS/N比を増大させることが可能であるために、市場において安価且つ容易に入手できる近赤外領域で発振するレーザ源を用いた安価且つ小型の吸光度計測装置によるガス濃度の測定が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0035】
図3は、本発明に係る吸光度計測装置10の構成を示す説明図である。
【0036】
図中11は、波長可変レーザ素子であり、当該レーザ素子11は、コンピュータ14からの信号に基づくD/Aコンバータ12からのアナログ信号により指定される発信波長のレーザ光Pを放射し、当該レーザ光Pは、全反射ミラーM1、M2による反射を受けた後に拡散レンズ13aにおいてビーム径が所定面積となるまで拡散を受け、コリメータレンズ13bにより平行光にされた状態で気体(ガス)などの形態の測定対象物を収容するサンプル容器Cに導かれ、測定対象物を通過したレーザ光Pによって光検出素子アレイDAを構成する複数の光検出素子が照射される。上記レーザ光Pを受光することにより光検出素子アレイDAの各光検出素子が出力する強度信号は信号チャンネルCh1〜Ch16に入力されて、コンピュータ14において解析処理される。
【0037】
また、全反射ミラーM1、M2間のレーザ光Pの光路上には4つのハーフミラーM3〜M6が配置されており、そのそれぞれからレーザ光P1〜P4が分岐される。
【0038】
このうち、レーザ光P1は周波数モニター15に導かれてレーザ素子11の発信波長がモニタされる。
【0039】
また、レーザ光P2、P3の光路上には、それぞれ300MHz及び1500MHz毎に共振を生じるファブリ−ペロー共振器16a、16bが配置され、ファブリ−ペロー共振器16a、16bからの出力光がそれぞれ光検出素子D1、D2に導かれ、ハーフミラーM6からのレーザ光P4はそのまま光検出素子D3に導かれており、光検出素子D1〜D3は、受光したレーザ光P2〜P4の強度信号をそれぞれコンピュータ14の信号チャンネルCh17〜Ch19に出力する。従って、光検出素子D1、D2からの出力信号における300MHz及び1500MHz毎のピークによってレーザ素子11の正確な発信周波数を知ることが可能であり、光検出素子D3からの出力信号はレーザパワーモニタ信号として使用される。
【0040】
以下、測定対象物をCOガスとして上記吸光度計測装置10を用いて行った吸光度計測の結果について説明する。
【0041】
この計測では、レーザ素子として、インジウム−アルミニウム−ガリウム−ヒ素系の光帰還型波長可変半導体レーザ(サンテック(株)製TSL−210/出力2mW)を使用し、1.5μm帯域にあるCO分子の2ν+2ν+2νバンドのR(18)線における吸収を測定した。測定におけるCOの圧力は、0.5〜10.8kPaとし、検出法は、7MHz/digitのビデオ法(周波数掃引)とし、15GHz/150mSの速度でレーザ素子11の発信周波数を掃引した。
【0042】
なお、図4(A)には、結合バンド2ν+2ν+νの基本バンドであるν、ν及びνの振動モードを示す説明図が示されており、図4(B)には、2ν+2ν+νバンドにおけるレーザ光Pの透過率が示されている。本測定において、上記2ν+2ν+νバンドのR(18)線を測定対象としたのは、当該バンドがレーザ素子の入手が容易な近赤外帯域にあり、図4(B)に示されるように、2ν+2ν+νバンド中においては、R(18)線での吸収が比較的大きいことによる。
【0043】
図5には、上記により行った計測の結果が示されている。図における縦軸及び横軸は、それぞれ、光検出素子アレイDAにより検出された光強度(電圧値/V)であり、横軸はレーザ光Pの周波数であり、(A)は、単一の光検出素子を使用した場合、(B)は、光検出素子アレイDAに4つの光検出素子を使用した場合の各光検出素子により検出された光強度の平均値であり、(C)は、(B)の測定を20回繰り返して行ったときの総平均値である。
【0044】
図示のように、(A)及び(B)を比較すれば、複数の光検出素子からなる光検出素子アレイDAを使用することにより吸光度の検出感度又はS/N比が向上することが明瞭である。また、(B)の測定の平均値である(C)においては、(B)の場合よりも更に高い検出感度又はS/N比が得られることから、光検出素子アレイDAを構成する光検出素子数を増加させることにより、検出感度又はS/N比の更なる向上が達成できるものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の吸光度計測装置及び吸光度計測方法は、大気中の温室効果ガスや有害な環境ガスの監視、規制などの目的で行われる二酸化炭素、メタン、一酸化窒素、フロン、一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、硫化水素、アンモニア、アセチレン、ダイオキシン、ハロゲンなどのガス濃度測定の分野に利用できる他、上記以外のガス、或いは液体、粉塵などにおけるレーザ光の吸光度を測定することによるサンプル中に含まれる元素や分子の同定又は濃度測定を含む多様な産業分野において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】(A)は、多重光路測定法の測定原理を示す説明図。(B)は、本発明のメカニズムを模式的に示す概念説明図。
【図2】本発明の特に好ましい態様におけるガス濃度の導出方法を示す説明図。
【図3】本発明の一実施形態に係る吸光度計測装置の構成を示す説明図。
【図4】(A)は、二酸化炭素の結合バンド2ν+2ν+νの基本バンドであるν、ν及びνの振動モードを示す説明図、(B)は、二酸化炭素の2ν+2ν+νバンドにおけるレーザ光の透過率を示す説明図。
【図5】本発明の一実施形態に係る吸光度計測装置による吸光度の測定結果を示す説明図
【符号の説明】
【0047】
10 吸光度計測装置
11 レーザ素子
12 D/Aコンバータ
13a 拡散レンズ
13b コリメータレンズ
14 コンピュータ
15 周波数モニター
16a、16b ファブリ−ペロー共振器
C 容器
DA 光検出素子アレイ
D 光検出素子
M ミラー
P レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に向けて拡散させたレーザ光を出射するレーザ源と、
前記レーザ光の照射面内に配置され、それぞれが前記測定対象物を透過した前記レーザ光の強度信号を出力する複数の光検出素子からなる光検出素子アレイとを備えることを特徴とする吸光度計測装置。
【請求項2】
前記測定対象物が、所定の容器に収容されたガスであることを特徴とする請求項1に記載の吸光度計測装置。
【請求項3】
前記レーザ光の周波数を変化させる周波数制御手段と、
前記レーザ光の周波数を横軸として前記光検出素子のそれぞれから出力される強度信号の合計値又は平均値をプロットすることにより得られるスペクトル曲線と、前記測定対象物による吸収がないことを表す直線とによって囲まれる領域の面積を算出する計算手段とを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の吸光度計測装置。
【請求項4】
前記レーザ光の波長が近赤外領域にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸光度計測装置。
【請求項5】
測定対象物に向けて拡散させたレーザ光を出射するステップと、
前記レーザ光の照射面内に配置される複数の光検出素子からなる光検出素子アレイによって、前記測定対象物を透過した前記レーザ光の強度信号を計測するステップとを有することを特徴とする吸光度計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−241269(P2008−241269A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78051(P2007−78051)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(597040902)学校法人東京工芸大学 (28)
【出願人】(800000080)タマティーエルオー株式会社 (255)
【Fターム(参考)】