説明

吸収性ガス燃料の貯蔵システムと同システムを形成する方法

本発明は、貯蔵タンクに配置された複数のブリケット・ユニット(BU)を有する吸収性ガスを有する貯蔵システムを提供する。本発明の一実施例においては、各BUは、ライナに外部支持を与えるために、ライナと係合する圧縮されたガス吸収性粒子材を有する。ライナはBUの形態を維持する。ライナは、圧力気密容器を形成しない。ライナの局部圧力は、貯蔵タンク内のガス圧力より小さい。ガス吸収材料は、メタンと、水素吸収材料(活性カーボン、ゼオライト)と、炭化水素ガス、水素吸収材料とを含む。各BUは、粒子材が貯蔵タンク内を巡回するのを阻止するラッパを有する。貯蔵システムは、BUを加熱/冷却する機構を有する。ガス貯蔵システムの製造方法も開示される。圧縮メタン吸収粒子材を具備した貯蔵システムを有するメタン駆動の自動車も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の吸収可能ガスが固体吸収媒体中に吸収維持されるような貯蔵分配システムに関する。この吸収性ガスは、ガス燃料と、炭化水素ガス(ガス状炭化水素)と、メタンと、水素を含むが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
天然ガス(Natural Gas (NG))は、有望な代替燃料である。ところが、天然ガスは貯蔵するのが困難である。天然ガスの貯蔵は、超高圧および/または極低温を必要とする。今日までにNG貯蔵用には、2つの技術が商業的に利用されている。
【0003】
第1の貯蔵技術は、圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas (CNG))を大気温度で、超高圧状態(例えば、200−250bar)で貯蔵する。この圧力は特別に設計された強化タンクを必要とし、大型で重いものである。さらに、ガスの圧縮は、高価で且つ多段の高圧圧縮プロセスを必要とする。圧縮された天然ガスを収納する高圧容器は、重大な火災または爆発の危険を起こす可能性があることで知られている。
【0004】
別の構成として、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas (LNG))は、−161.5℃まで冷やし適宜の圧力で貯蔵される。この技術は、複雑且つ高価な液化装置と断熱タンクを必要とし、ガスを液化しそれを再気化するために、大きなエネルギー(元のガスエネルギー容量に対し、15−25%)を必要とする。
【0005】
CNG技術とLNG技術は、円筒状あるいは球状の貯蔵タンクを使用し、並べられた容器の間のスペースが無駄となる。
【0006】
天然ガス(Adsorbed natural gas (ANG))の吸収は、これら上記の天然ガス貯蔵に対する有望な代替技術である。その理由は、天然ガス(NG)と同一容量が、遙かに低い圧力(35−40bar)で、室温で、より薄い壁のタンクで、より低圧で貯蔵できるからである。さらにこの方法は、高価で且つ面倒なガスの圧縮装置又は、液化装置と絶縁タンク等を必要としない。ANG(吸収された天然ガス)タンクは、NG高圧タンクの円筒形状とは対照的な構造を有する。かくして、このタンクは、半端なスペース(例、自動車のガソリンまたはディーゼル・タンク)に適合するよう製造することができる。
【0007】
ANG技術の目立った特徴は、高い吸収特性と、容器内に配置された熱管理システムとを有することである。ANGシステムは、最大のガス容量を取り出し、分配できる吸収能力で特徴付けられる。今日まで活性化カーボンをベースにした溶剤が有望である。望ましいことは、吸収材料のミクロ細孔(ミクロ細孔容積の一部)を最大化し、ミクロ細孔材料の分子(原子)により占有されるスペースを最小にすることと、結晶(クリスタライト)の不十分なパッキングにより費やされるスペースを最小にすることである。
【0008】
天然ガスの吸収貯蔵の場合には、吸収材料の効率は、特定の圧力と室温における、吸収材の単位容積当たりのガスの吸収能力で測定される。吸収材の単位体積当たりの吸収容量は、V=(V)×(d)で表される。ここで、Vは、吸収材の単位質量当たりの材料の吸収容量であり、dは、吸収材ペレットの密度である。材料をコンパクトにすることにより、密度dは増加し、単位体積当たりの吸収能力Vもまた増加する。
【0009】
主に活性化されたカーボン吸収材は、粒子材(例えば粉末あるいは粒子状粉末)の形態で供給される。容量当たりの性能は、多くのアプリケーション特に搭載用の燃料タンクにおいては決定的なファクターであるので、吸収材は、コンパクトに固定される必要がある。
【0010】
パックされた吸着性カーボンを十分な吸収密度を有する貯蔵用容器内に直接配置することは、恐ろしく難しい仕事であることが分かっている。カーボンをブリケット化すること即ち固定化することは、代替方法と考えられた。ブリケット化することの利点は2つある。固定化されたカーボンは、貯蔵容器内で定住しないあるいは巡回しないので、放出に際しガス・ストリームで搬送される可能性が低い。固定化されたカーボンを使用することにより、容器をより簡単に、通常の粒状あるいは粉末状のカーボンを使用するよりも、より高密度にすることができる。
【0011】
それ故に、現在一般的に採用されているタンクのデザインは、マルチセル(多数セル)・コンセプト(図1)に基づいている。このコンセプトにおいては、貯蔵タンク1aは、複数のセル6を有する。各セルは、ガスを貯蔵する圧力容器として且つ吸着性ブリケット3a用のコンテナとして機能する。この方法には、2つの問題点がある。
【0012】
第1の問題点は、タンクのハウジングの設計が複雑になることであり、その製造には、高価且つ複雑な装置を使用する特別な設計が必要となる点である。第2の問題点は、吸収材ブロックに、高い機械的強度が必要とされる点である。
【0013】
吸収材ブロックに必要な機械的強度を与えるためには、大量の結合媒体を吸収材に追加する必要がある。しかし、化学バインダの使用は吸収性能を阻害する。その理由は、結合材は、カーボンのミクロ(微細)細孔へのメタンのアクセスを阻害し、貯蔵/分配量が減るからである。さらに、結合材を追加することにより、吸収材ブロックのサイズが大きくなるが、各吸収材ブロック内のガス吸収材料の量は増加することはない。
【0014】
機械的に安定な吸着材ユニットを貯蔵タンク内に有する吸収性ガスの貯蔵システムの必要性がある。現在の技術は、この現在必要とされるニーズに対する実行可能な解決方法を提供できていない。その理由は、高強度のブリケットは強固な結合材料を必要とし、しかもこの結合材は、同時に吸収剤の吸収性能を減らしてしまうからである。化学的結合材を使用することに伴う性能劣化を補償する他の技術は、複雑且つ高価であり、また所望の結果を与えることはない。
【0015】
吸収性ガス貯蔵システムに対し現在必要とされていることは、目的とするガス(例えばメタン)を吸収材に吸着/放出するのに必要な時間を短縮し、ガスをタンクに充填する時間および/またはガスをタンクから取り出す時間を短縮することである。メタンガスを吸収材に吸着(吸収)させることは、発熱プロセスである。かくしてガスが吸収材に吸着されると貯蔵タンク内の温度が上昇し、吸収材に吸着されるメタンの割合が減る。同様に、ガスの脱着(放出)はタンク内の周囲温度と圧力を低下させ、タンクから吸着されたガスを分配(放出)するのに必要な時間が増える。ガスの吸着の間熱をタンクから除去し、ガスの脱着(放出)の間、熱をタンクに加えるシステムと方法が現在必要とされている。好ましくは、容器内の全ての吸着ユニットを最適な状態にするために、加熱と冷却は、タンク内で均一に行わなければならない。
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,019,823号明細書
【特許文献2】米国特許第4,744,21号明細書
【特許文献3】米国特許第6,660,063号明細書
【特許文献4】米国特許第4,599,867号明細書
【非特許文献1】“A new method of methane storage and transportation” by L.L. Vasiliev et al. published in minutes of seminar “Heat pipes, heat pumps and refrigerators”, Minsk 2000
【0017】
特許文献1は、吸着された流体を保持する固層物理的吸着媒体が、カートリッジ内に具備される吸着材ベースの流体貯蔵/分配システムを開示している。
【0018】
非特許文献1は、タンクの内部横材内に配置したヒート・パイプを含むマルチセルのメタン貯蔵タンクを開示している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記のニーズは、本発明の複数の態様により解決される。
【0020】
本発明のガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に所定の全ガス圧で貯蔵される吸収性ガスを含むガス燃料と、そのガス燃料を吸収するために前記貯蔵タンク内に配置された複数のブリケット・ユニットとを有する。
【0021】
本発明の一実施例においては、前記ブリケット・ユニットは、少なくとも部分的に解放した部分開放容器と、前記容器内に配置されたガス燃料を吸収する被圧縮粒子材とを有する。前記部分解放容器の封止が閉鎖容器を形成し、その圧力はタンク内の前記所定の全ガス圧以下である。
【0022】
代表的なガス燃料は、これに限定される訳ではないが、炭化水素ガス、例えばメタンガス、水素ガスである。
【0023】
本発明の一実施例においては、前記被圧縮粒子材は、メタン吸収性の被圧縮粒子材、例えば活性炭を有する。あるいは、前記被圧縮粒子材は、水素吸収性の被圧縮粒子材、例えば可逆性水素化金属(reversible metal hydrides)を有する。
【0024】
本発明の一実施例によるブリケット・ユニットの解放容器またはは、圧縮されたガス燃料吸収粉末に外部支持を与えて、結合材の必要性を無くしている。しかし、本発明の解放容器またはライナ(以下ライナと総称する)は、ブリケット・ユニットの形状を維持するのに必要以上の余分な機械的強度を与える必要はない。かくして、本発明の解放容器またはライナは、耐圧容器の機械的特性を有しなければならないような解放容器またはライナでもない。この機械的特性は、外部貯蔵タンク内の全周囲圧力またはガス燃料の部分圧にほぼ等しい圧力差に耐える程度のものである。かくして、圧力がかかるタンクを提供するシステムとは異なり、本発明のガス貯蔵システムは、これらの厳しい要件をブリケット・ユニットに課すことはない。これにより、ライナのコストの削減が可能となり、薄い壁のライナを提供でき、スペースの無駄がなくなる。
【0025】
本発明の一実施例においては、前記解放容器の封止は、前記ガス燃料の部分圧未満の圧力の閉鎖容器を形成する。
【0026】
本発明の一実施例においては、前記解放容器の封止は、所定の全ガス圧と前記吸収性ガスの部分圧からなるグループから選択された圧力よりも、少なくとも50%低い圧力の閉鎖容器を形成する。
【0027】
本発明の一実施例においては、前記容器の外側表面と前記貯蔵タンクの内側表面との間に間隙が存在する。この間隙は、貯蔵タンクの外部環境とブリケット・ユニットとの間の断熱を提供する。
【0028】
本発明の一実施例においては、部分的解放容器は、吸収性ガスを前記粒子材に拡散する複数の開口を有する。
【0029】
本発明の一実施例においては、被圧縮粒子材は、圧縮されて、少なくとも部分的に自己支持型の構造物を形成する。
【0030】
本発明の一実施例においては、被圧縮粒子材は、前記解放容器の局部圧力に等しい圧力以上に圧縮されている。
【0031】
任意の選択として、前記ブリケット・ユニットは、前記粒子材の巡回(動き)を阻止するために、前記粒子材のガス多孔性包囲体を形成する、前記容器に取り付けられるラッパーを有する。
【0032】
本発明の一実施例においては、前記被圧縮粒子材は、化学結合材料を含む。
【0033】
本発明の一実施例においては、前記被圧縮粒子材は、圧縮された粉末と圧縮された粒状物の少なくとも一方を含む。
【0034】
本発明の一実施例においては、本発明の貯蔵システムは、前記ブリケット・ユニットを加熱/冷却するメカニズムをさらに有する。
をさらに有する。
【0035】
本発明の伝熱メカニズムには制約はない。本発明の一実施例においては、前記伝熱メカニズムは、ガスおよび/または流体を伝搬する少なくとも1本のチャネルを有し、このチャネルが、前記ブリケット・ユニット内を貫通する。
【0036】
本発明の一実施例においては、前記メカニズムは、ガス・チャネルと、ヒート・パイプと、流体チャネルからなるグループから選択された少なくとも1個の伝熱キャリアを有する。
【0037】
本発明の一実施例においては、前記伝熱キャリアは、前記解放容器の担持要素の役目をする。
【0038】
本発明の一実施例においては、前記担持要素は、前記容器を直接担持する。
【0039】
本発明の一実施例においては、前記担持要素は、前記容器を良好な熱伝導体を有する適合部分を介して、担持する。
【0040】
本発明の一実施例においては、前記メカニズムは、前記貯蔵タンクの外部に配置されたヒート・ソースとヒート・シンクの少なくとも一方を含む。
【0041】
本発明の一実施例においては、前記ヒート・ソースとヒート・シンクの少なくとも一方は、電気ヒータ、液状燃料ヒータ、ガス燃料ヒータ、空気熱交換器、水熱交換器である。
【0042】
前記被圧縮粒子材は、前記容器内に配置され、前記容器の内側表面と前記被圧縮粒子材の外側表面との間に間隙が存在しない。被圧縮粒子材と、粒子材がその中に配置される周囲の伝熱容器との直接接触は、ブリケット・ユニットとの間の伝熱を強化し、伝熱メカニズムの効果を上げる。
【0043】
本発明のガス貯蔵システムは、圧力を有する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有し、前記ブリケット・ユニットは、少なくとも部分的に解放した部分開放容器と、前記容器内に配置されガス燃料を吸収する被圧縮粒子材とを有する。前記部分解放容器は、前記部分解放容器の封止が閉鎖容器を形成し、その圧力は前記所定の全ガス圧力以下であり、前記ガス燃料は、炭化水素ガス燃料と水素からなるグループから選択される。
【0044】
本発明の一実施例においては、開放容器は、前記解放容器の封止が前記貯蔵タンクの圧力よりも、少なくとも20%低い圧力の閉鎖容器を形成するように形成される。
【0045】
本発明のガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。
【0046】
本発明の一実施例においては、前記ブリケット・ユニットは、ライナと、圧縮されたガス燃料吸収性粒子材とを有する。前記ライナは、ガス拡散用の複数の開口を有し、前記被圧縮粒子材に外部支持を与える。
【0047】
本発明の一実施例においては、前記ガス燃料吸収性粒子材は圧縮され、少なくとも部分的に自己支持型の構造物を形成する。
【0048】
本発明の一実施例においては、前記ライナは、前記ブリケット・ユニットの形成を維持する。
【0049】
本発明の一実施例においては、少なくとも1個の前記ブリケット・ユニットにとって、前記ライナの内側表面の大部分は、前記被圧縮粒子材の表面に接触する。
【0050】
本発明の一実施例においては、前記ライナは、耐圧力容器の一部を形成しない。
【0051】
本発明のガス貯蔵システムは、圧力を有する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。本発明の一実施例においては、前記ブリケット・ユニットは、少なくとも部分的な部分的解放容器と、前記容器内に配置されるガス燃料を吸収する粒子材とを有する。前記ガス燃料は、水素と炭化水素ガス燃料からなるグループから選択され、前記粒子材は、前記解放容器の局部圧力以上に圧縮される。
【0052】
本発明のガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。前記ブリケット・ユニットは、被圧縮ガス燃料吸収性粒子材と、前記被圧縮粒子材に外部支持を与えるライナと、前記粒子材の巡回を阻止するために、前記粒子材のガス多孔性包囲体を形成する、前記容器に取り付けられるラッパーとを有する。
【0053】
本発明のガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。前記ブリケット・ユニットは、被圧縮ガス燃料吸収性粒子材と、前記被圧縮粒子材に外部支持を与えるライナと、前記粒子材の巡回を阻止するために、前記粒子材のガス多孔性包囲体を形成する前記容器に取り付けられたラッパーとを有する。
【0054】
本発明のガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。前記ブリケット・ユニットは、ガス多孔性包囲用ライナと、前記ライナ内に配置される被圧縮ガス燃料吸収性粒子材とを有する。前記ライナは、前記被圧縮粒子材に外部支持を与える。
【0055】
本発明のガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。前記ブリケット・ユニットは、被圧縮ガス燃料吸収性粒子材と、前記被圧縮粒子材に外部支持を与えるライナと、ブリケット・ユニットを貫通する流体またはガス流が流れる少なくとも1本のチャネルを有する。このチャネル内を流れる流体またはガス流は、ブリケット・ユニットを加熱または冷却する。
【0056】
本発明の一実施例の吸着された天然ガス技術の適用は、これに限定されるわけではないが、エンジン付き乗物、例えばトラック、自動車、バス、戦車用の搭載用ガスタンクおよび商業用あるいは家庭用消費者の仮想パイプライン用あるいは海上ガス輸送用を含む。
【0057】
本発明の自動車は、炭化水素ガスと、メタンと、水素とからなるグループから選択されたガス燃料によりエネルギーが供給されるエンジンと、搭載用のガス貯蔵システムと、ガス貯蔵システムからのガス燃料を前記エンジンに供給するメカニズムとを有し、前記ガス貯蔵システムは、貯蔵タンクと、前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットとを有する。本発明の一実施例においては、前記ブリケット・ユニットは、ライナと、前記ガス燃料を吸収する被圧縮粒子材とを有する。前記ライナは、前記被圧縮粒子材に外部支持を与える。
【0058】
本発明のガス燃料の貯蔵用システムを組み立てる方法において、前記ガス燃料は、炭化水素ガスと、メタンと、水素からなるグループから選択される。本発明のこの方法は、モールドあるいは剛性モールド内の支持用ライナ内にガス燃料吸収用粒子材を準備(具備)するステップと、前記支持ライナ内に前記粒子材からブリケットを形成するステップと、前記モールドから前記支持用ライナに係合する前記ブリケットを取り出すステップと、前記支持用ライナに係合する前記ブリケットを貯蔵タンクに留置するステップとを有する。
【0059】
本発明の一実施例においては、前記形成するステップは、前記ブリケットを形成するために前記ガス燃料吸収性粒子材に圧力を加えるステップを含む。
【0060】
前記留置するステップの後、本発明の方法は、前記ブリケットに前記ガス燃料を吸収させるために、前記貯蔵タンクにガス燃料を追加するステップをさらに有する。
【0061】
本発明のガス燃料の貯蔵用システムを組み立てる方法において、前記ガス燃料は、炭化水素ガスと、メタンと、水素からなるグループから選択される。本発明のこの方法は、支持用ライナ内にガス燃料吸収用粒子材を準備するステップと、前記支持ライナ内に前記粒子材からブリケットを形成するステップと、前記支持用ライナに係合する前記ブリケットを貯蔵タンクに留置するステップとを有する。本発明の一実施例において、前記留置するステップは、前記ブリケットを前記貯蔵タンク内に挿入するステップを含み、前記ブリケットは、前記挿入時には、吸収されたガス燃料を有さない。
【0062】
前記留置するステップの後、前記ブリケットに前記ガス燃料を吸収させるために、前記貯蔵タンクにガス燃料を追加するステップをさらに有する。
【実施例】
【0063】
本発明の一実施例による貯蔵タンクを説明する。本発明の貯蔵タンクは、1個あるいは複数個のブリケット・ユニットを有する。各ブリケット・ユニットは、ライナに関与する圧縮されたガス吸収性粒子材を有する。このライナは、ブリケット・ユニットの形状を保つためのものである。本発明の貯蔵タンクは、天然ガスと水素のような吸収性ガスの貯蔵に有用なシステムである。本発明は、ブリケット・ユニットの完全性を保つために結合添加物(例えば、ポリマー結合材、あるいは化学結合材)の使用を排除するものではないが、本発明によればこのような結合添加物は必要ではない。ある実施例によれば、結合材は、吸収性のブリケット・ユニットの吸収性能を劣化させる。このため、被圧縮粒子材(例えば、圧縮された吸収性粒子あるいは圧縮された吸収性粉末)にとって、支持包囲体、ライナ、シェル、シース、容器、膜から、その形状を維持する外部支持を得ることが有用である。
【0064】
被圧縮粒子材を機械的に支持するような適宜の厚さの適宜の材料は、ブリケット・ユニットのライナにとって適したものである。本発明の一実施例によれば、ライナは、良好な熱伝導体で、例えば金属、伝熱プラスチックを有する。代表的な材料は、これに限定される訳ではないが、アルミ、カーボン・スチール、ステンレス・スチール、チタン、マグネシウム、亜鉛、銅である。本発明の一実施例によれば、ライナは、高伝熱性材料を積層するあまり良好ではない伝熱材を含む。
【0065】
さらに、本発明は、圧縮されたガス吸収性粒子材に適用できる。代表的なガス吸収性材料はこれに限定されるわけではないが、カーボン(活性カーボン)、ゼオライト、クレイ、アルミナ、シリカ・ゲルを含む。
【0066】
図2は、吸収されたガス、例えば吸収された天然ガスの貯蔵に適した貯蔵タンクの実施例を示す。図2の代表的な貯蔵タンク1は、1つの容積を有するタンクであるが、これは、本発明を限定するものではなく、他の実施例においては、マルチセル・タンクからなる貯蔵タンクである。
【0067】
貯蔵タンク1bを構成する材料に対し、特別な制約があるわけではない。代表的な材料は、これに限定されるわけではないが、金属、合成材料、ポリマー材料およびそれらの組み合わせである。
【0068】
図2に示すように、貯蔵タンク1bは、三角形状のユニット・ブロックで形成され、その一方の側はキャップ32により封止されている。被圧縮粒子材を有する複数のブリケット・ユニットは、貯蔵タンク1b内に配置され、シェルあるいはライナの外側表面と貯蔵タンク1bの内側表面との間に、選択的事項として間隙42が存在する。間隙42により、貯蔵タンク1bの外側の外部環境からブリケット・ユニットを隔離している。
【0069】
図に示したブリケット・ユニットは、貯蔵タンク1b内に選択的に留置可能である。
【0070】
複数のブリケット・ユニットが配置される貯蔵タンク1bの形状と大きさは、適宜のものでよく、これは、円筒形状のタンクが必要とされるCNGシステムとは異なるものである。図示されている角柱形状のタンクである貯蔵タンク1bは、単なる一実施例で、本発明のタンクの形状を限定するものではない。他の適宜の形状、限定されるわけではないが、球状、円筒形状でもよい。本発明の一実施例による貯蔵タンク1bは、他の形状のタンクの組み合わせを含むこともできる。同様に、圧縮された被圧縮粒子材が機械的支持を得る開放コンテナあるいはライナの形状と大きさも適宜のものでよい。本発明の一実施例によれば、開放コンテナあるいはライナは、ヒート・パイプあるいはチャネルがブリケット・ユニットを貫通する形状である。
【0071】
図2に示したブリケット・ユニット3bは、伝熱性材料からなるシェルでもあるライナ4と、前記ライナ4内に配置された被圧縮粒子材を含む吸収材床15とを有する。選択的事項として、ライナは、容器の壁またはライナの壁(図示せず)内に小径の複数の孔または開口を有し、ガスを被圧縮粒子材に拡散させる。選択的事項として、容器の上部部分は蓋7により包囲される。この包囲体が、耐圧容器を生成するために、気密封止の形成をする必要はないが、タンク内でガス吸収性の粒子材が巡回するのを阻止する。追加的にまたは別の構成として、ライナ、包囲体あるいは容器は、溶接方法、結合方法あるいは他の方法で接続した2つの部分を含み、一方の部分が下側に他方を上側の配置する、あるいは横半分(例えば半円筒形状)にすることもできる。
【0072】
別の構成としてあるいは追加的に、各ブリケット・ユニットは、タンク内の粒子材の巡回を阻止するラッパーにより封止される。ガス多孔性包囲体を形成する如何なる材料もラッパーに適したものである。代表的な材料は、これに限定されるわけではないが、繊維構造体あるいは網目構造体である。貯蔵タンクが突発的な動きに曝されるような場合においては、例えば自動車内に搭載される貯蔵タンクの場合においては、ブリケット・ユニットを覆ことが有効である。この理由は、被圧縮粒子材の一部がブリケット・ユニットから切り離されて貯蔵タンク内を巡回するような状況を阻止するからである。
【0073】
ガス吸収性の被圧縮粒子材に関連する解放容器あるいはライナが、耐圧システムを形成するための特別な要件は存在しない。また貯蔵タンク内のガスの周囲圧力に対する、あるいは貯蔵タンクそのものの圧力に対する容器またはライナの機械的特性に対する制約もない。かくして、本発明の一実施例においては、ライナ内の如何なる場所の局部的圧力は、外部にある貯蔵タンク1b内の吸収性ガスの部分周囲圧力以下である。あるいは、ライナが配置される外部貯蔵タンク内の全周囲圧力(大気圧)以下である。
【0074】
本明細書において、内側表面と外側表面を有する対象物(麗、ライナ、膜、解放容器)の「局部圧力」、「解放容器圧力」、「非閉鎖容器圧力」は、対象物を封止すること(その結果、全対象物が内側表面と外側表面との間の圧力差による力を担持する)により得られる、閉鎖(封止)された耐圧容器の最大圧力である。。
【0075】
対象物の封止は、対象物に材料を添加する(その結果、対象物が耐圧閉鎖容器を形成する)ことも含み、「封止」材料の強度または厚さに対する如何なる制約もない。局部圧力とは、閉鎖容器を形成することにより得られる最大圧力を意味する。さらに、閉鎖容器を形成する封止の概念は、大部分が閉鎖されたライナに限定されるものではなく、対象物の局部圧力は、対象物全体が内側表面と外側表面と圧力差によりかかる力を胆持するような閉鎖対象物を形成するために、如何なる量の如何なる材料を添加することにより得られる最大圧力として定義される。
【0076】
被圧縮粒子材が外部の機械的支持を得るようなライナの局部圧力に対する如何なる要件も存在しない。これにより、吸収性ガスの大気圧または外部貯蔵タンク内の全周囲圧力未満の局部圧力のライナの使用が可能となる。
【0077】
これにより、吸収性ガスの大気圧または外部貯蔵タンク内の全周囲圧力未満の局部圧力に抵抗するよう設計された薄い壁のライナの使用が可能となる。
【0078】
さらにまた、このことにより、ブリケット・ユニットが配置される外部貯蔵タンクの気圧未満の局部圧力のライナの使用が可能となる。ブリケット・ユニットのライナの材料と厚さに関する制約は、十分な外部機械的支持が被圧縮粒子材に与えられればよいことである。かくして、本発明の一実施例によれば、ライナの局部圧力は、外部貯蔵タンク内の周囲圧力、外部貯蔵タンク内の吸収性ガスの部分圧、外部貯蔵タンク内の全周囲圧力、外部貯蔵タンク内の圧力よりも十分小さい(20%小さい、40%小さい、50%小さい、60%小さいあるいは80%小さい)ものである。
【0079】
ライナに関与するあるいは解放容器内に配置される被圧縮粒子材を特徴付ける圧縮レベルについては特別な要件は存在しない。本発明の一実施例によれば、被圧縮粒子材は、ブリケット・ユニットの支持ライナあるいは支持解放容器の局部圧力以上の圧力で圧縮される。
【0080】
さらにまた、外部貯蔵タンクの圧力、タンク内の吸収性ガスの圧力、タンク内の全周囲圧力に関する制約はない。本発明の一実施例においては、天然ガスは、10barと50barの間の圧力で貯蔵タンク内に貯蔵される。本発明の一実施例においては、天然ガスは、80bar以上の圧力で貯蔵タンク内に貯蔵される。同様に、吸収性ガスがブリケット・ユニット内に貯蔵される温度に関する制約はない。本発明の一実施例においては、天然ガスは室温で貯蔵される。
【0081】
代表的なブリケット・ユニットの製造方法
吸収性ガスを貯蔵するシステムの製造方法のプロセスには、何ら制約がない。しかし、本発明の一実施例により、このガス貯蔵システムを形成するプロセスを以下説明する。
【0082】
図3Aに示す本発明の製造プロセスは、
(ステップ1A) ライナ4を準備する。
(ステップ2A) 例えば天然ガスを吸収した粉末であるガス吸収性微粒子材53をライナ4内に配置する。
(ステップ3A) 圧力をガス吸収性微粒子材53に加える。
(ステップ4A) 圧縮ガス吸収材43を形成する。
(ステップ5A(図3C)) 圧縮ガス吸収材43を含む複数のブリケット・ユニット3Bを貯蔵タンク1B内に配置する。
【0083】
図3Bに示す本発明の製造プロセスは、
(ステップ1B) 強化モールド54内に、ライナ4を準備する。
(ステップ2B) 例えば天然ガスを吸収した粉末であるガス吸収性微粒子材53をライナ4内に配置する。
(ステップ3B) 圧力をガス吸収性微粒子材53に加える。
(ステップ4B) 圧縮ガス吸収材43を形成する。
(ステップ5B(図3C)) 圧縮ガス吸収材43を含む複数のブリケット・ユニット3Bを貯蔵タンク1B内に配置する。
【0084】
選択的事項として、準備されたライナ4は、塑性変形することなく、ステップ3Aで加えられる圧力に耐えられるものである。図3Bのプロセスのガス吸収性微粒子材53は、圧力が加えられるステップ(ステップ3B)の間、ライナ4に対する外部支持を提供する。ライナがブリケット・ユニットの圧縮されたガス吸収性材料に対する必要な機械的支持を提供するのに十分な場合には、外部にある貯蔵タンク1B内にその後配置するために何ら必要な要件はない。
【0085】
図2−3に示した形状は単なる実施例であり、ブリケット・ユニットのライナ4に対する如何なる形状も本発明を実施するために適切なものである。さらに、ライナ4に対する特定の形状の要件は存在しない。圧縮されたカーボン粉末が、自動車に搭載されたタンク内にメタンガスを吸収する実施例においては、各ブリケット・ユニット内の被圧縮粒子材の容積は、約600cmである。
【0086】
図4は、チャネルが被圧縮粒子材を貫通するように、被圧縮粒子材用のモールド・システムを表すブロック図である。図5は、本発明の一実施例による吸収性ガス貯蔵システムのブロック図である。図6は、本発明の一実施例による伝熱システムのブロック図である。本発明の一実施例においては、図5の貯蔵システムは、自動車に搭載される天然ガス貯蔵に適したものである。
【0087】
上記の本明細書において、「含む」、「有する」、「含有する」等は、目的物を有するのみでなく、それ以外のものを排除する意味で用いてはならない。
【0088】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】複数のセルを有するマルチセル・タンクを示す図で、各セルは、ガス貯蔵用の圧力容器として、吸収ブリケットのコンテナ(容器)として機能する。
【図2】本発明の一実施例による吸収性ガス貯蔵システムのブロック図。
【図3】吸収性ガス貯蔵システムの製造プロセスを表す図。
【図4】チャネルが被圧縮粒子材を貫通するように、被圧縮粒子材用のモールド・システムを表すブロック図。
【図5】本発明の一実施例による吸収性ガス貯蔵システムのブロック図。
【図6】本発明の一実施例による伝熱システムのブロック図で、上面図とそのA−Aで切断した縦方向断面図。
【符号の説明】
【0090】
1a 貯蔵タンク
1b 貯蔵タンク
3a 吸着性ブリケット
3B ブリケット・ユニット
4 ライナ(解放容器)
6 セル
7 蓋
15 吸収材床
17 入口
22 出口
32 キャップ
42 間隙
43 圧縮ガス吸収材
53 ガス吸収性微粒子材
54 強化モールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に所定の全ガス圧力で貯蔵されるガス燃料と、
前記ガス燃料は、水素と炭化水素ガス燃料からなるグループから選択され、前記ガスは、吸収性ガスを含み、
(c) 前記貯蔵タンク内に配置された複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) 少なくとも部分的に解放した部分的解放容器と、
前記部分解放容器は、前記部分解放容器の封止が閉鎖容器を形成し、その圧力は前記所定の全ガス圧力以下であり、
(ii) 前記容器内に配置され、ガス燃料を吸収する被圧縮粒子材と
を有する
ことを特徴とするガス貯蔵システム。
【請求項2】
前記被圧縮粒子材は、メタン吸収性の被圧縮粒子材を有する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記被圧縮粒子材は、水素吸収性の被圧縮粒子材を有する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記炭化水素ガス材料は、メタンを含む
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記部分的解放容器の封止は、前記ガス燃料の部分圧未満の圧力の閉鎖容器を形成する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記部分的解放容器の封止は、所定の全ガス圧力と前記吸収性ガスの部分圧からなるグループから選択された圧力よりも、少なくとも50%低い圧力の閉鎖容器を形成する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記部分的解放容器の外側表面と前記貯蔵タンクの内側表面との間に間隙が存在する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記部分的解放容器は、前記吸収性ガスが前記粒子材内に拡散する複数の開口を有する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記被圧縮粒子材は、圧縮され少なくとも部分的に自己支持型の構造物を形成する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記被圧縮粒子材は、前記解放容器の局部圧力以上に圧縮されている
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記ブリケット・ユニットは、
(iii) 前記粒子材の巡回を阻止するために、前記粒子材のガス多孔性包囲体を形成する、前記容器に取り付けられたラッパー
を更に有する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記被圧縮粒子材は、化学結合材料を含む
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記被圧縮粒子材は、圧縮された粉末と圧縮された粒状物の少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項14】
(d) 前記ブリケット・ユニットを加熱あるいは冷却する機構
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記機構は、ガスと流体からなるグループから選択された物質を伝搬する少なくとも1本のチャネルを有し、
前記チャネルは、前記ブリケット・ユニット内を貫通する
ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記機構は、ガス・チャネルと、ヒート・パイプと、流体チャネルとからなるグループから選択された少なくとも1個の伝熱キャリアを有する
ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記伝熱キャリアは、前記解放容器用の担持要素の役目をする
ことを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項18】
前記担持要素は、前記容器を直接担持する
ことを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記担持要素は、前記容器を良好な伝熱体を有する適合部分を介して、担持する
ことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
前記機構は、前記貯蔵タンクの外側に配置されたヒート・ソースとヒート・シンクの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項21】
前記ヒート・ソースとヒート・シンクの少なくとも一方は、電気ヒータ、液体燃料ヒータ、ガス燃料ヒータ、空気熱交換器、水熱交換器である
ことを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項22】
前記被圧縮粒子材は、前記容器内に配置され、前記容器の内側表面と前記被圧縮粒子材の外側表面との間に間隙が存在しない
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項23】
前記被圧縮粒子材は、活性カーボン、ゼオライト、クレイ、アルミナ、シリカ・ゲルの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項24】
(a) ある圧力の貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) 少なくとも部分的に解放した部分的解放容器と、
前記部分解放容器は、前記部分解放容器の封止が閉鎖容器を形成し、その圧力は前記所定の全ガス圧力以下であり、
(ii) 前記容器内に配置され、ガス燃料を吸収する被圧縮粒子材と
前記ガス燃料は、水素と炭化水素ガス燃料からなるグループから選択される
を有する
ことを特徴とするガス貯蔵システム。
【請求項25】
前記解放容器の封止は、前記貯蔵タンクの圧力よりも、少なくとも20%低い圧力の閉鎖容器を形成する
ことを特徴とする請求項24記載のガス貯蔵システム。
【請求項26】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) ライナと、
(ii) 圧縮されたガス燃料吸収性粒子材と
を有し、
前記ライナは、ガス拡散用の複数の開口を有し、前記被圧縮粒子材に外部支持を与える
ことを特徴とするガス燃料貯蔵システム。
【請求項27】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) ライナと、
(ii) 少なくとも部分的に自己支持構造体を形成するよう圧縮されたガス燃料吸収性粒子材と
を有し、
前記ライナは、前記圧縮されたガス燃料吸収性粒子材に外部支持を与える
ことを特徴とする天然ガス貯蔵システム。
【請求項28】
前記ライナは、前記ブリケット・ユニットの形成を維持する
ことを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項29】
少なくとも1個の前記ブリケット・ユニットにとって、前記ライナの内側表面の大部分は、前記被圧縮粒子材の表面に接触する
ことを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項30】
前記ライナは、耐圧力容器の一部を形成しない
ことを特徴とする請求項27記載のシステム。
【請求項31】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) 少なくとも部分的に解放された部分的解放容器と、
(ii) 前記容器内に配置されるガス燃料を吸収する粒子材と
を有し、
前記ガス燃料は、水素と炭化水素ガス燃料からなるグループから選択され、
前記粒子材は、前記解放容器の局部圧力に等しい圧力以上に圧縮される
ことを特徴とするガス貯蔵システム。
【請求項32】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) ライナと、
(ii) 被圧縮ガス燃料吸収性粒子材と、
前記ライナは、前記圧縮されたガス燃料吸収性粒子材に外部支持を与え、
(iii) 前記粒子材の巡回を阻止するために、前記粒子材のガス多孔性包囲体を形成する、前記ライナに取り付けられたラッパー
を有する
ことを特徴とするガス貯蔵システム。
【請求項33】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) ガス多孔性の包囲用ライナと、
(ii) 前記ライナ内に配置される、被圧縮ガス燃料吸収性粒子材と
を有し、
前記ライナは、前記被圧縮粒子材に外部支持を与える
ことを特徴とするガス貯蔵システム。
【請求項34】
(a) 貯蔵タンクと、
(b) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有するガス貯蔵システムにおいて、
前記ブリケット・ユニットは、
(i) ライナと、
(ii) 前記ライナ内に配置される圧縮粒子材と、
前記ライナは、前記被圧縮粒子材に外部支持を与え、
(iii) 前記粒子材の加熱と冷却からなるグループから選択された熱力学プロセスを行う少なくとも1本のチャネルと、
前記熱力学的プロセスは、ガスと流体からなるグループから選択された物質を伝搬することにより、行われ、
前記チャネルは、前記ブリケット・ユニット内を貫通する
を有する
ことを特徴とするガス貯蔵システム。
【請求項35】
(a) 炭化水素ガスと、メタンと、水素とからなるグループから選択されたガス燃料によりエネルギーが供給されるエンジンと、
(b) 搭載用のガス貯蔵システムと、
(c) 前記ガス貯蔵システムからガス燃料を前記エンジンに供給する機構と
を有する自動車において、
前記ガス貯蔵システムは、
(i) 貯蔵タンクと、
(ii) 前記貯蔵タンク内に配置される複数のブリケット・ユニットと
を有し、
前記ブリケット・ユニットは、
(x) ライナと、
(y) 前記ガス燃料を吸収する被圧縮粒子材と、
を有し、
前記ライナは、前記被圧縮粒子材に外部支持を与える
ことを特徴とする自動車。
【請求項36】
ガス燃料の貯蔵用システムを組み立てる方法において、
前記ガス燃料は、炭化水素ガスと、メタンと、水素からなるグループから選択され、
(a) モールド内の支持用ライナ内にガス燃料吸収用粒子材を準備するステップと、
(b) 前記支持ライナ内で前記粒子材からブリケットを形成するステップと、
(c) 前記モールドから前記支持用ライナに係合する前記ブリケットを取り出すステップと、
(d) 前記支持用ライナに係合する前記ブリケットを貯蔵タンク内に留置するステップと
を有する
ことを特徴とするガス燃料貯蔵システムの組立方法。
【請求項37】
前記(b)ステップは、前記ブリケットを形成するために、前記ガス燃料吸収性粒子材を加圧するステップを含む
ことを特徴とする請求項36記載の組立方法。
【請求項38】
前記(d)ステップの後、
(e) 前記ブリケットに前記ガス燃料を吸収させるために、前記貯蔵タンクにガス燃料を追加するステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項36記載の組立方法。
【請求項39】
ガス燃料の貯蔵用システムを組み立てる方法において、
前記ガス燃料は、炭化水素ガスと、メタンと、水素からなるグループから選択され、
(a) 支持用ライナ内にガス燃料吸収用粒子材を準備するステップと、
(b) 前記支持ライナ内で前記粒子材からブリケットを形成するステップと、
(c) 前記支持用ライナに係合する前記ブリケットを貯蔵タンク内に留置するステップと
を有する
ことを特徴とするガス燃料貯蔵システムの組立方法。
【請求項40】
前記(b)ステップは、前記ブリケットを形成するために、前記ガス燃料吸収性粒子材を加圧するステップを含む
ことを特徴とする請求項39記載の組立方法。
【請求項41】
前記(c)ステップの後、
(d) 前記ブリケットに前記ガス燃料を吸収させるために、前記貯蔵タンクにガス燃料を追加するステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項39記載の組立方法。
【請求項42】
前記(c)ステップは、前記ブリケットを前記貯蔵タンク内に挿入するステップを含み、
前記ブリケットは、前記挿入時に、吸収されたガス燃料を有さない
ことを特徴とする請求項39記載の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−533935(P2007−533935A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509060(P2007−509060)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000439
【国際公開番号】WO2005/102500
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(506352049)アングストア テクノロジーズ リミティド. (1)
【Fターム(参考)】