説明

吸水装置に用いられる吸水ロール及び表面処理装置

【課題】吸水ロールを取り外して絞ることなく長期間、連続的に使用することができ、メンテナンスや洗浄時に取り外す場合においても脱着が容易であり、効率的に表面処理を行なえる吸水装置に用いられる吸水ロール及び表面処理装置を提供する。
【解決手段】吸水ロール13内の空気を吸引することで、吸水ロール本体14の多孔質吸水体35に備えられたスポンジ体36により基板から吸収された水分が、吸水シャフト37及びインナパイプ39の周壁に形成された孔38,40を通過してバキューム管へ流出させることができるため、多孔質吸水体35は取り外して絞ることなく長期間使用することができる。
また、当接フランジ33とワンタッチ継手25を、付勢手段のみで密着当接させることができるため、メンテナンス時や洗浄時の着脱が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吸水装置に用いられる吸水ロール及び表面処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板、フレキシブル基板等の半導体基板の表面処理工程において、その基板の表面に付着する水分を除去するために吸水装置が利用されている。この吸水装置は、基板の水洗工程後の吸水工程において、心棒にスポンジ体が外装され、回転可能に支持された吸水ロールと、これに対向する押圧ロールとの間に基板が通過する際、吸水ロールに外装されたスポンジ体によって基盤表面の水分が除去されるものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−187144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の吸水ロールは、水洗工程後、水分が多く付着した基板が通過するため吸水ロールに設けられたスポンジ体の吸水量が飽和状態に達してしまい水分を吸着出来なくなってしまという問題がある。そのため、吸水装置の距離を長くとり、吸水ロール自体の段数を増やす等の対策が立てられているが、非効率的である。
また、吸水ロールの給水量が飽和状態に達した場合には吸水ロールを取り外して絞らなければならない。さらに、メンテナンス時、洗浄時においても吸水ロールを取り外さなければならないが、上述の吸水ロールは大型で構造的に複雑なため、脱着し難いという問題がある。
【0004】
そこで、この発明は、吸水ロールを取り外して絞ることなく長期間、連続的に使用することができ、メンテナンスや洗浄時に取り外す場合においても脱着が容易であり、効率的に表面処理を行なえる吸水装置に用いられる吸水ロール及び表面処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、押圧ロールとの間に薄板状のワークを回転しながら挟み込んで、ワークに付着した水分を多孔質吸水体により吸着する吸水装置に用いられる吸水ロールにおいて、筒状の多孔質吸水体が外装されると共に周壁に多数の孔を備えた回転可能なインナパイプを設け、前記インナパイプの端部にこのインナパイプ内に連通する開口部を備えた当接フランジを設ける一方、バキューム装置に接続されたバキュームパイプを設け、前記バキュームパイプの端部にこのバキュームパイプ内に連通する吸入孔を備えた当接フランジを設け、両当接フランジを付勢手段を介して摺接可能に密着当接し、前記開口部と前記吸入孔を連通可能に構成したことを特徴とする。
このように構成することで、ワークの表面に付着した水分を多孔質吸水体で吸収し、インナパイプに備えられた多数の孔を通過してバキュームパイプに流入させることができる。
また、インナパイプの端部に設けられた当接フランジとバキュームパイプの端部に設けられた当接フランジを、付勢手段のみで摺接可能に密着当接させることができる。
【0006】
請求項2に記載した発明は、前記当接フランジの何れか一方をインナパイプあるいはバキュームパイプの端部に首振り可能に支持することを特徴とする。
このように構成することで、インナパイプあるいはバキュームパイプの端部と当接フランジとの間でなじみをつけることができ、当接面の面方向が変化しても、これに対して首振り動作により当接面間を隙間なく追従できる。
【0007】
請求項3に記載した発明は、前記インナパイプの周囲に前記多孔質吸水体との間にクリアランスを形成する線材が螺旋状に巻装されていることを特徴とする。
このように構成することで、多孔質吸水体で吸収されてクリアランス内に滞留している水分を、吸水ロールの回転により、螺旋状に巻装された線材に沿うようにして、吸水シャフトに設けられた孔に案内させることができる。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記当接フランジの何れか一方の当接面を開口部を有する平坦面に、他方の当接面を前記開口部を囲む環状の当接面で形成したことを特徴とする。
このように構成することで、他方の当接フランジとの間の水密性を確保した上で、接触面積を減少させることができる。
【0009】
請求項5に記載した発明は、前記請求項1〜請求項4の何れかに記載の吸水ロールと、この吸水ロールに対向配置された押圧ロールとを水洗装置の後段であって乾燥装置の前段に備えたことを特徴とする。
このように構成することで、基板の表面に付着している水分を、乾燥装置を通過する前で確実に除去することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、ワークの表面に付着した水分を多孔質吸水体で吸収し、インナパイプに備えられた多数の孔を通過してバキュームパイプに流入させることができるため、多孔質吸水体を取り外して絞ることなく連続的に使用できる効果がある。
また、インナパイプの端部に設けられた当接フランジとバキュームパイプの端部に設けられた当接フランジを、付勢手段のみで摺接可能に密着当接させることができるため、メンテナンス時や洗浄時において脱着が容易になる効果がある。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、インナパイプあるいはバキュームパイプの端部と当接フランジとの間でなじみをつけることができ、当接面の面方向が変化しても、これに対して首振り動作により当接面間を隙間なく追従できるため、両当接フランジ間を摺接可能に当接させながら回転できる効果がある。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、多孔質吸水体で吸収されてクリアランス内に滞留している水分を、吸水ロールの回転により、螺旋状に巻装された線材に沿うようにして、給水シャフトに備えられた孔に案内させることができるため、多孔質吸水体により吸着した水分の流れ方向をつくり、水分を円滑にバキューム装置へ送り出せる効果がある。
【0013】
請求項4に記載し発明によれば、他方の当接フランジとの間の水密性を確保した上で、接触面積を減少させることができるため、両当接フランジ間の当接力を向上させる効果があるとともに当接面の表面加工が容易になる効果がある。
【0014】
請求項5に記載した発明によれば、基板の表面に付着している水分を、乾燥装置を通過する前で確実に除去することができるため、効率的に乾燥を行なえる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、表面処理装置1は、現像装置2、水洗装置3、吸水装置4、及び乾燥装置5を備え、この表面処理装置1の内部に、露光されパターンが転写された基板6が搬送され表面処理が施されて所望の基板6を成形するものである。表面処理装置1の内部は、くし歯状に形成された軸受部7に、基盤6を搬送する多数のローラ8が回転可能に支持されている。つまり、このローラ8の図示しないスパイラルギアに図示しないベルトが巻装され、このベルトがモータ9により駆動されてローラ8が回転して基板6を搬送するものである。
【0016】
ローラ8により搬送された基板6は、現像装置2内で炭酸ソーダ等の現像液によって、露光されたパターンに現像される。次に、水洗装置3内で、数段階における水洗工程(例えば、スイング水洗)を経て現像液は洗い流される。次に、最終工程である乾燥装置5の前段の吸水装置4内で付着した水分が除去された後、乾燥装置5内で乾燥され、所望の基板6を得ることができる。
【0017】
図2に示すように、吸水装置4は、周囲にフレーム10を設け、内部には搬送方向に沿って両側にくし歯状の軸受部7が形成されている。軸受部7には、下側に設けた押圧ロール12と、この押圧ロール12の上側で、これに対向する吸水ロール13が後述するシャフトを介して回転可能に支持されている。ここで、本実施形態では、この吸水ロール13が搬送方向に3段設けられている。また、押圧ロール12と吸水ロール13とでロール部11が構成されている。
【0018】
図3に示すように、前述した吸水装置4の外部には、バキューム装置として図示しないエアードポンプ(例えば、常用エア使用量が0.2Mpa(150NL/min))が設けられている。エアードポンプにはバキューム管16が接続され、このバキューム管16は、フレーム10の外壁17に設けられた吸水ボックス18に接続される。この吸水ボックス18は、両端にフランジ部53,54が設けられており、一端のフランジ部53はフレーム10の外壁17にボルト55によって固定され、他端のフランジ部54は、端面にシール材57を取付け、蓋体56がボルト58によって冠着されている。また、吸水ボックス18には、フレーム10の内壁19から外壁17の吸水ボックス18内まで連通するバキュームパイプ20が挿通されている。
【0019】
フレーム10の内壁19には、フレーム10の外壁17に設けられた吸水ボックス18から連通してバキュームパイプ20が挿通されている。バキュームパイプ20の端部には、サポートパイプ22が装着され、このサポートパイプ22を介してバキュームパイプ20に連通する孔を備えた樹脂製の球面ジョイント23が設けられている。この球面ジョイント23の先端には、球面部24が形成され、バキュームパイプ20内に連通する吸入孔28を備えたワンタッチ継手25の係合部26に首振り可能に装着されている。ここで、フレーム10の内壁19に挿通しているバキュームパイプ20には、ベローズ形状をなした樹脂製の付勢部材27が外装され、一端はワンタッチ継手25の外周部分に、他端はフレーム10の内壁19に圧入されている。
【0020】
一方、ロール部11は下側に設けた押圧ロール12と、この押圧ロール12の上側で、これに対向する吸水ロール13の吸水ロール本体14を備え、この押圧ロール12は軸受部7にカラー32を介してシャフト29により回転可能に支持されている。また、吸水ロール本体14は軸受部7にカラー32を介して後述する中実シャフト30および、中空シャフト31により回転可能に支持されている。吸水ロール本体14の一端には、後述するインナパイプ39から連通する中空の中空シャフト31が設けられ、さらに、この中空シャフト31の端部には開口部48を備えた当接フランジ33が設けられている。
【0021】
図4,5に示すように、吸水ロール本体14は、筒状の多孔質吸水体35が外装されている。この多孔質吸水体35はポリビニルアルコール(PVA)製のスポンジ体36と、周壁に多数の孔38を備えた樹脂製の吸水シャフト37が一体形成されたものである。
【0022】
多孔質吸水体35の内周面にはインナパイプ39が挿通されている。このインナパイプ39は、ステンレス、チタン等からなり、前述した吸水シャフト37と同様、周壁に多数の孔40を備え、インナパイプ39の両端部は全体の内径と比較して若干大きい内径の大径部72が形成されている。また、インナパイプ39の外周面にはステンレス、チタン等からなる線材41が螺旋状に巻装され、これにより、多孔質吸水体35とインナパイプ39との周壁間にはクリアランス42が形成される。具体的には、吸水ロール13の回転方向とは逆の方向に線材41が螺旋状に巻装され、吸水ロール13の回転とともに孔38から流入する水分を送り出せるようになっている。
【0023】
吸水ロール本体14の一端には、中実シャフト30が設けられている。この中実シャフト30は、先端部が前述したインナパイプ39内の大径部72に嵌入するように形成されており、また、中間部には大径部44が吸水シャフト37内に嵌入するように形成されている。
【0024】
中実シャフト30にはセットカラー46が外装されている。このセットカラー46は、フランジ部59を有する筒状の部材であって、先端部が吸水シャフト37内に嵌入されるとともに、中実シャフト30の大径部44をインナパイプ39の端面68との間で挟み込むようにして固定するものである。セットカラー46のフランジ部59には止めネジ60が螺合され、中実シャフト30に対して回り止めされた状態で固定されている。ここで、フランジ部59の裏側にはシール材61が取付けられフランジ部59と吸水シャフト37の端面62との間をシールしている。中実シャフト30の基端側には、小径部63が形成され、この小径部63は、カラー32を介して軸受部7に回転可能に支持されている。中実シャフト30の基端にはストップリング64が外装され止めネジ65により回り止め固定されている。
【0025】
吸水ロール本体14の他端には、中空シャフト31が設けられている。この中空シャフト31は、先端から基端まで貫通孔47が形成されている。中空シャフト31の先端部は、インナパイプ39の大径部72に嵌入するように形成され、中間部は吸水シャフト37内に嵌入するように形成されている。中空シャフト31の中間部は、吸水シャフト37の周壁からナベビス66が螺合され吸水シャフト37と中空シャフト31とを固定している。ここで、インナパイプ39は、中実シャフト30と中空シャフト31が両端面68,68に当接して挟み込まれるように固定される構成となる。
【0026】
中空シャフト31には吸水シャフト37の端面62と当接する大径部67が形成されている。この大径部67の当接面69と吸水シャフト37の端面62との間にはシール材61が取付けられ中空シャフト31と吸水シャフト37との間をシールしている。中空シャフト31の基端側に小径部71が形成され、この小径部71はカラー32を介して軸受部7に回転可能に支持される。
【0027】
小径部71の基端には当接フランジ33が挿通されている。この当接フランジ33の中央部には前述した中空シャフト31に挿通する開口部48が形成され、中空シャフト31の基端に当接フランジ33が止めネジ73により回り止め固定されている。ここで、当接フランジ33の当接面49は、平坦面を切欠いて外周縁のみを環状の当接面49として形成している。
【0028】
ここで、吸水ロール本体14とバキュームパイプ20との間で中空シャフト31に設けられた当接フランジ33と、球面ジョイント23に設けられたワンタッチ継手25により摺接可能に当接して、吸水ロール13は連通可能に構成されるものである。
【0029】
次に図1,3に基づいて表面処理装置の作用を説明する。
図1に示すように、ローラ8により表面処理装置1内に搬送された基板6は、現像装置2内で炭酸ソーダ等の現像液によって、露光されたパターンに現像される。次に、水洗装置3内で、数段階における水洗工程(例えば、スイング水洗)を経て現像液は洗い流される。水洗装置3で水洗処理が施された後、吸水装置4内に案内される。
【0030】
図3に示すように、吸水装置4内では、回転可能に設けられた押圧ロール12と吸水ロール本体14の間を、水洗処理により表面に水分が付着した基板6が挟み込まれながら搬送される。搬送された基板6は、ロール部11を通過する際、多孔質吸水体35のスポンジ体36によって水分が吸収される。
【0031】
スポンジ体36で吸収した水分は、バキューム装置のエアードポンプにより吸引される。吸引された水分は、スポンジ体36の内周面方向に浸透し、吸水シャフト37に形成された孔38を伝って、クリアランス42内へ流入する。クリアランス42内に滞留している水分は、吸水ロール13の回転により、螺旋状に巻装された線材41に沿ってインナパイプ39に形成された孔40に送り出され、インナパイプ39内へ流入する。インナパイプ39内に流入した水分は、連通可能に構成した当接フランジ33とワンタッチ継手25を伝って吸引され、バキュームパイプ20から吸水ボックス18に流入する。吸水ボックス18内に流入した水分はバキューム管16より排出されることとなる。
【0032】
したがって、上述の実施の形態によれば、エアードポンプにより吸水ロール13内の空気を吸引することで、吸水ロール本体14の多孔質吸水体35に備えられたスポンジ体36により基板6の表面に付着した水分を吸収し、吸水シャフト37及びインナパイプ39の周壁に形成された孔38,40を通過してバキューム管16へ流出させることができるため、多孔質吸水体35は取り外して絞ることなく長期間、連続的に使用することができる効果がある。
また、吸水ロール本体14に連通した当接フランジ33とバキュームパイプ20に連通したワンタッチ継手25を、バキュームパイプ20に外装された付勢部材27の吸水ロール本体14方向への付勢力とエアードポンプからの吸引力のみで、密着当接させている。そのため、ワンタッチ継手25と当接フランジ33との当接状態を解除して吸水ロール本体14を吸水ロール13から簡単に取り外すことができ、したがって、メンテナンス時や洗浄時の着脱が容易になる効果がある。
【0033】
また、球面ジョイント23をワンタッチ継手25と首振り可能に係合させることで、係合部26と球面部24との間でなじみができ、当接面の面方向が変化しても、これに対して首振り動作により両当接面49,50が常に垂直に当接し、当接面間を隙間なく追従させることができるため、吸水ロール本体14とワンタッチ継手25を摺接可能に当接させながら回転できる効果がある。
さらに、インナパイプ39と多孔質吸水体35との間に螺旋状に線材41を巻装したため、多孔質吸水体35のスポンジ体36で吸収されてクリアランス42内に滞留している水分を、吸水ロール13の回転により、線材41に沿わせて、吸水シャフト37に形成された孔38に案内させることができる。そのため、クリアランス42内での水分の滞留を防ぎ、円滑にバキューム装置へ送り出せる効果がある。
【0034】
また、当接フランジ33とワンタッチ継手25の当接面積を小さくして当接フランジ33の外周縁のみを環状の当接面49として残しているため、水密性を確保した上で当接力を向上させる効果がある。
【0035】
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えば以下のような態様が採用可能である。
まず、本実施形態では吸水装置4に吸水ロール13を3段設けた場合について説明したが、吸水ロール13の段数は1段でも十分に効果があり任意に設定してもよい。そして、本実施形態では当接フランジ33に外周縁に当接面49が形成されたが、当接面49が環状で隙間がなく形成されれば内周縁等に形成してもよい。また、本実施形態では、当接フランジの開口部48側の平坦面を切欠いて環状の当接面49を形成していたが、ワンタッチ継手25の当接面50を切欠いて環状の当接面を形成してもよい。また、押圧ロール12も吸水ロール13で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態における表面処理装置の全体説明図である。
【図2】本発明の実施の形態における吸水装置の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態における吸水装置内部の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における吸水ロールの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における吸水ロールの図4におけるA−A線に沿う切断面拡大図である。
【符号の説明】
【0037】
1…表面処理装置 3…水洗装置 4…給水装置 5…乾燥装置 6…基板(ワーク) 12…押圧ロール 13…吸水ロール 20…バキュームパイプ 25…ワンタッチ継手(当接フランジ) 28…吸入孔 33…当接フランジ 35…多孔質吸水体 39…インナパイプ 40…孔 41…線材 42…クリアランス 48…開口部 49…当接面50…当接面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧ロールとの間に薄板状のワークを回転しながら挟み込んで、ワークに付着した水分を多孔質吸水体により吸着する吸水装置に用いられる吸水ロールにおいて、
筒状の多孔質吸水体が外装されると共に周壁に多数の孔を備えた回転可能なインナパイプを設け、前記インナパイプの端部にこのインナパイプ内に連通する開口部を備えた当接フランジを設ける一方、バキューム装置に接続されたバキュームパイプを設け、前記バキュームパイプの端部にこのバキュームパイプ内に連通する吸入孔を備えた当接フランジを設け、両当接フランジを付勢手段を介して摺接可能に密着当接し、前記開口部と前記吸入孔を連通可能に構成したことを特徴とする吸水ロール。
【請求項2】
前記当接フランジの何れか一方をインナパイプあるいはバキュームパイプの端部に首振り可能に支持することを特徴とする請求項1記載の吸水ロール。
【請求項3】
前記インナパイプの周囲に前記多孔質吸水体との間にクリアランスを形成する線材が螺旋状に巻装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸水ロール。
【請求項4】
前記当接フランジの何れか一方の当接面を開口部を有する平坦面に、他方の当接面を前記開口部を囲む環状の当接面で形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の吸水ロール。
【請求項5】
前記請求項1〜請求項4の何れかに記載の吸水ロールと、この吸水ロールに対向配置された押圧ロールとを水洗装置の後段であって乾燥装置の前段に備えたことを特徴とする薄板状ワークの表面処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−45857(P2008−45857A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224126(P2006−224126)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(592008217)株式会社協友機工 (2)
【Fターム(参考)】