周期動作検出装置及び方法
【課題】ノイズの影響による誤判別の発生を抑制しつつ、対象とする周期動作を好適に検出する。
【解決手段】周期動作検出装置(10)は、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目までの各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換手段(110)と、周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、該第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算手段(120)と、該演算された差分値に基づいて、検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定手段(130)と、を備える。
【解決手段】周期動作検出装置(10)は、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目までの各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換手段(110)と、周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、該第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算手段(120)と、該演算された差分値に基づいて、検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定手段(130)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像中から、例えば手振り等の周期性を有する動作を検出する周期動作検出装置及び方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、例えば、時系列の濃淡画像(即ち、グレースケール画像)を低解像度化し、低解像度化された画像を構成する各画素の濃淡値を取得して、濃淡値の時系列変化から特徴量を取得し、該取得された特徴量と、予め定められた検出対象の特徴量とを比較して検出対象の有無を判別する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−248829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の背景技術では、ノイズの影響により誤判別が生じる可能性があるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、ノイズの影響による誤判別の発生を抑制することができる周期動作検出装置及び方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の周期動作検出装置は、上記課題を解決するために、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換手段と、前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算手段と、前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定手段と、を備える。
【0007】
本発明の周期動作検出装置によれば、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる周波数変換手段は、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、該時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目までの各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、該時間軸方向に周波数変換を施す。
【0008】
「時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像」は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ等の撮像装置により生成すればよい。尚、撮像装置は、当該周期動作検出装置とは別個の装置であってもよいし、当該周期動作検出装置に備えられていてもよい。撮像装置が、当該周期動作検出装置とは別個の装置である場合、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像は、ネットワークを介して、或いは、例えばフラッシュメモリや光ディスク等の情報記録媒体を介して、当該周期動作検出装置に入力される。
【0009】
例えば80画素×60画素、140画素×160画素等の比較的低解像度のフレーム画像に対しては、画素単位で周波数変換が施されることが望ましい。他方、例えば1920画素×1080画素、720画素×480画素等の比較的高解像度のフレーム画像に対しては、例えば8画素×8画素、16画素×16画素、25画素×25画素等の複数の画素からなる所定領域単位で周波数変換が施されることが望ましい。
【0010】
このように構成すれば、比較的低解像度のフレーム画像については、振れ幅の比較的小さな周期動作の検出漏れを抑制することができ、比較的高解像度のフレーム画像については、比較的容易に周期動作を検出することができると共に、周期動作の検出までに要する時間を短縮することができる。
【0011】
尚、周波数変換には、例えばウィンドウフーリエ変換や離散フーリエ変換等を適用可能である。
【0012】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる第1演算手段は、周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、該第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する。
【0013】
第1周波数は、検出対象とする周期動作毎に異なっており、例えば手振りでは、2Hz(ヘルツ)〜6Hzである。第1周波数は、予め実験等により、例えば検出対象とする周期動作に係る周波数(又は周波数範囲)を求め、該求められた周波数(又は周波数範囲)に基づいて決定すればよい。
【0014】
ここで、本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、動きの無い又はほとんど無い定常状態である場合、或いは、一の方向に一回だけ物体が通り過ぎた場合、周波数変換の結果は、周波数が高くなるほど、周波数成分(パワー)が減衰する。このため、第1周波数に係るパワーと第2周波数に係るパワーとの差分値を演算すると負の値になる。他方、周期動作が存在する場合、周波数変換の結果は、該周期動作に対応する周波数にピークが現れる。このため、第1周波数に係るパワーと第2周波数に係るパワーとの差分値を演算すると正の値になる。
【0015】
そこで本発明では、例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる判定手段により、演算された差分値に基づいて、検出対象とする周期動作が存在するか否かが判定される。具体的には例えば、判定手段は、演算された差分値が正の値であることを条件に、検出対象とする周期動作が存在すると判定し、演算された差分値が負の値であることを条件に、検出対象とする周期動作が存在しないと判定する。
【0016】
本発明では特に、i番目からi+j番目までの(即ち、所定時間分の)複数のフレーム画像各々に対して、周波数変換が施され、差分値が演算される。このため、判定結果の信頼性を向上させることができる。言い換えれば、ノイズの影響による誤判定の発生を抑制することができる。
【0017】
以上の結果、本発明の周期動作検出装置によれば、ノイズの影響による誤判定の発生を抑制しつつ、比較的容易に対象とする周期動作を検出することができる。
【0018】
本発明の周期動作検出装置の一態様では、前記判定手段は、前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値を逐次積算して積算値を出力する第2演算手段を含み、前記出力された積算値が第1閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定する。
【0019】
この態様によれば、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる第2演算手段は、演算された差分値のうち、i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の画素単位又は一の所定領域単位についての差分値を逐次積算して積算値を出力する。
【0020】
「i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の画素単位又は一の所定領域単位についての差分値」は、具体的には、i番目のフレーム画像における一画素(i、x1、y1)に係る差分値と、i+1番目のフレーム画像において、該一画素と対応する画素(i+1、x1、y1)に係る差分値と、…、i+j番目のフレーム画像において、該一画素と対応する画素(i+j、x1、y1)に係る差分値と、を意味する。
【0021】
「差分値を逐次積算して積算値を出力」は、具体的には例えば、i番目のフレーム画像に対応する差分値と、i+1番目のフレーム画像に対応する差分値とを積算した段階で、1番目の積算値を出力し、次に、該1番目の積算値と、i+2番目のフレーム画像に対応する差分値とを積算した段階で2番目の積算値を出力し、・・・、n−1番目の積算値と、i+j番目のフレーム画像に対応する差分値とを積算した段階でn番目の積算値を出力することを意味する。
【0022】
判定手段は、出力された積算値が第1閾値より大きいことを条件に、検出対象とする周期動作が存在すると判定する。他方、判定手段は、出力された積算値が第1閾値より小さいことを条件に、検出対象とする周期動作が存在しないと判定する。
【0023】
「第1閾値」とは、検出対象とする周期動作が存在するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。
【0024】
このような「第1閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば演算される差分値の範囲を求め、該求められた範囲のうちの一の数値と、検出対象とする周期動作の継続期間の最小値に対応するフレーム画像数との積として設定すればよい。
【0025】
具体的には例えば、1秒間当たり30枚のフレーム画像が存在する場合(即ち、30fps(frames per second)の場合)であって、演算される差分値の範囲のうちの一の数値を0.03、検出対象とする周期動作が少なくとも1秒間継続する場合、第1閾値は0.9(=0.03×1×30)とすればよい。
【0026】
判定手段が第2演算手段を含む態様では、前記第2演算手段は、前記積算値が負の値となる場合、前記積算値をゼロとしてよい。
【0027】
このように構成すれば、検出対象とする周期動作の検出漏れを効果的に抑制することができ、実用上非常に有利である。
【0028】
具体的には例えば、i番目からi+j番目までの複数のフレーム画像のうち、i+k番目(但し、1≦k<j)以降のフレーム画像にのみ、検出対象とする周期動作が含まれている場合、積算値を演算すべき差分値のうち、先頭(即ち、i番目のフレーム画像に対応する差分値)からある程度経過するまでは、負の値が続くこととなる。この場合に、単純に積算値が演算されると、負の値を持つ差分値に起因して、積算値が上記第1閾値未満となり、検出対象とする周期動作が存在しないと、判定手段により判定される可能性がある、或いは、積算値が上記第1閾値を超えるまでにかかる処理時間が比較的長くなる可能性がある。
【0029】
これに対して、上述の如く、積算値が負の値となる場合に該積算値をゼロとすれば、検出対象とする周期動作が含まれないフレーム画像の影響を排除することができる。
【0030】
この態様では、前記第2演算手段は、前記積算値を得るために積算すべき差分値のうち、第2閾値より大きい差分値を前記第2閾値としてよい。
【0031】
このように構成すれば、判定手段による判定結果(即ち、検出対象とする周期動作の検出結果)の信頼性を向上させることができる。
【0032】
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、ノイズの影響により、例えば、2〜3フレーム画像だけ(つまり、極めて短い時間だけ)、周波数変換の結果における検出対象とする周期動作に対応する周波数に比較的大きなピークが現れた場合、該2〜3フレーム画像について得られる差分値が比較的大きくなる。すると、該2〜3フレーム画像について得られる差分値の積算値だけで、上記第1閾値を超えてしまい、検出対象とする周期動作が存在すると、判定手段により判定される可能性がある(つまり、誤判定される可能性がある)。
【0033】
そこで、上述の如く、差分値が第2閾値を超える場合に該差分値を第2閾値とすれば、ノイズの影響による誤判定を抑制することができる。ここで、「第2閾値」とは、積算値を得るために積算すべき差分値の値を変更するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。
【0034】
このような「第2閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば、検出対象とする周期動作の継続期間と検出の信頼度との関係を求め、該求められた関係に基づいて、実践上十分な信頼度が得られる該周期動作の継続期間を特定し、該特定された継続期間に対応するフレーム画像数分の差分値が積算されるまで上記第1閾値を超えないような値として設定すればよい。
【0035】
具体的には例えば、第1閾値が0.9であり、十分な信頼度が得られる継続期間が1秒であり、30fpsである場合、第2閾値は、0.03(=0.9÷(1×30))とすればよい。
【0036】
本発明の周期動作検出装置の他の態様では、前記判定手段は、前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値の各々が第3閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定する。
【0037】
この態様によれば、ノイズの影響による誤判定を抑制することができ、もって、判定手段による判定結果の信頼性を向上させることができる。
【0038】
「第3閾値」とは、検出対象とする周期動作が存在するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。本発明では、「第3閾値」は、典型的には、ゼロ又は正の値である。このような「第3閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば当該周期動作検出装置における演算誤差を求め、該演算誤差に応じて設定すればよい。
【0039】
本発明の周期動作検出方法は、上記課題を解決するために、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換工程と、前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算工程と、前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定工程と、を備える。
【0040】
本発明の周期動作検出方法によれば、上述した本発明の周期動作検出装置と同様に、ノイズの影響による誤判定の発生を抑制しつつ、比較的容易に対象とする周期動作を検出することができる。
【0041】
尚、本発明の周期動作検出方法においても、上述した本発明の周期動作検出装置に係る各種態様と同様の各種態様を採ることができる。
【0042】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る周期動作検出装置を備える電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像の概念を示す概念図である。
【図3】第1実施形態に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】(a)は定常状態の場合の輝度値の時間変動の一例であり、(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。
【図5】(a)は一の方向に一回だけ物体が通り過ぎた場合の輝度値の時間変動の一例であり、(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。
【図6】(a)は周期動作がある場合の輝度値の時間変動の一例であり、(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。
【図7】特定周波数に係るパワーの変動(実線a参照)と、比較周波数に係るパワーの変動(実線b参照)との一例を示す図である。
【図8】図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態の第1変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態の第2変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態の第3変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【図14】第1実施形態の第4変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】第1実施形態の第5変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の周期動作検出装置に係る実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0045】
<第1実施形態>
本発明の周期動作検出装置に係る第1実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。
【0046】
(電子機器の構成)
先ず、本実施形態に係る周期動作検出装置を備える電子機器の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る周期動作検出装置を備える電子機器の構成を示すブロック図である。
【0047】
図1において、電子機器1は、周期動作検出装置10、撮像装置20、画像変換部30、制御部40、記憶装置50、表示装置60及び操作パネル70を備えて構成されている。
【0048】
周期動作検出装置10は、周波数変換部110、差分演算部120及び判定部130を備えて構成されている。本実施形態に係る「周波数変換部110」、「差分演算部120」及び「判定部130」は、夫々、本発明に係る「周波数変換手段」、「第1演算手段」及び「判定手段」の一例である。
【0049】
撮像装置20は、例えばレンズ、CCD等を備えて構成されており、動画や連続写真を撮影し、時間軸上で所定間隔或いは一定間隔で並ぶ複数のフレーム画像を生成するように構成されている。
【0050】
画像変換部30は、撮像装置20により生成された複数のフレーム画像の少なくとも一部に対して、グレースケール化処理を施したり、低解像度化処理を施したりする。ここで、「グレースケール化処理」及び「低解像度化処理」には、公知の各種態様を適用可能であるので、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
【0051】
尚、撮像装置20により生成されるフレーム画像が、モノトーンのフレーム画像である場合、画像変換部30は、グレースケール化処理を実行しない。また、撮像装置20が、比較的低解像度の撮像素子を備えており、生成されるフレーム画像が比較的低解像度である場合、画像変換部30は、低解像度化処理を実行しなくてもよい。更には、撮像装置20により生成されるフレーム画像が、モノトーン且つ比較的低解像度のフレーム画像である場合には、電子機器1が画像変換部30を備えていなくてもよい。
【0052】
例えばHDD(Hard Disk Drive)、不揮発性メモリ等である記憶装置50は、撮影装置20によって生成されたフレーム画像や、画像変換部30によりグレースケール化処理及び/又は低解像度化処理が施されたフレーム画像等を逐次蓄える。
【0053】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御部40は、周期動作検出装置10や撮像装置20等の電子機器1に備えられている各種部材を統括制御する。具体的には例えば、制御部40は、操作パネル70により受け付けられたユーザの指示に応じて、動画等を撮影するように撮像装置20を制御したり、該撮像装置20により撮影された動画等を表示するように、例えば液晶ディスプレイ等である表示装置60を制御したりする。
【0054】
制御部40は、特に、操作パネル70により、周期動作検出の要求が受け付けられた際に、記憶装置50に蓄えられている、グレースケール化処理及び/又は低解像度化処理が施されたフレーム画像を、入力端子P1を介して、順次読み込むように周期動作検出装置10を制御する。
【0055】
ここで、周期動作検出装置10に読み込まれるフレーム画像について、図2を参照して説明を加える。図2は、本実施形態に係る時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像の概念を示す概念図である。
【0056】
図2において、複数のフレーム画像i、i+1、i+2、…、i+jの各々は、時間軸上における時刻t0、t1、t2、…、tjに取得されている。各フレーム画像i、i+1、i+2、…、i+jは、比較的低解像度(例えば、縦30画素×横40画素、縦60画素×横80画素等)のモノトーンのフレーム画像である。
【0057】
このような比較的低解像度のフレーム画像を用いることにより、ノイズの低減と、周期動作検出装置10における処理量の削減とを図ることができる。
【0058】
(周期動作検出装置の動作)
次に、周期動作検出装置10の動作について、図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0059】
図3において、先ず、周波数変換部110は、周期動作検出装置10に読み込まれたフレーム画像から、時刻tに取得されたフレーム画像を取得する(ステップS101)。ここでは、時刻t0に取得されたフレーム画像iを取得したものとする。
【0060】
次に、周波数変換部110は、フレーム画像i対して、画素単位で、或いは、複数の画素からなる所定領域単位で、時間軸方向に周波数変換を施す(ステップS102)。ここで、周波数変換部110が画素単位で周波数変換を行う場合について、より具体的に説明する。
【0061】
フレーム画像iにおける画素Pi(i、x1、y1)に対して周波数変換が施される場合、周波数変換部110は、画素Pi(i、x1、y1)の輝度値、及びフレーム画像iに続く、例えば29のフレーム画像i+1、…、i+29の各々において画素Pi(i、x1、y1)に対応する画素である画素Pi+1(i+1、x1、y1)、…、Pi+29(i+29、x1、y1)の輝度値を取得する(つまり、30フレーム画像分の輝度値を取得する)。
【0062】
続いて、周波数変換部110は、取得された輝度値に基づいて、画素Pi(i、x1、y1)の輝度値の時間変動を求め、該求められた時間変動に対して周波数変換を施す。尚、所定領域単位で周波数変換が行われる場合には、画素単位の場合と同様に、該所定領域毎の輝度値の時間変動が求められ、該求められた時間変動に対して周波数変換が施される。
【0063】
輝度値の時間変動と、周波数変換の結果について、図4乃至図6を参照して説明を加える。図4(a)は定常状態の場合の輝度値の時間変動の一例であり、図4(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。図5(a)は一の方向に一回だけ物体が通り過ぎた場合の輝度値の時間変動の一例であり、図5(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。図6(a)は周期動作がある場合の輝度値の時間変動の一例であり、図6(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。尚、図4乃至図6に示す周波数変換の結果は、周波数変換の一例としての、ハミング窓を用いたウィンドウフーリエ変換を、輝度値の時間変動に対して施した場合の結果である。
【0064】
定常状態の場合、図4(a)に示すように、輝度値の時間変動はほとんど無い。図4(a)に示した輝度値の時間変動に対してウィンドウフーリエ変換を施すと、図4(b)に示すような結果が得られる。尚、ウィンドウフーリエ変換が施されると、窓関数の畳み込みにより、比較的低い周波数(ここでは、1Hz以下)に集中する。
【0065】
一回だけ物体が通り過ぎた場合、図5(a)に示すように、輝度値の時間変動には一つだけピークが現れる。図5(a)に示した輝度値の時間変動に対してウィンドウフーリエ変換を施すと、図5(b)に示すような結果が得られる。
【0066】
図4(b)及び図5(b)からわかるように、定常状態の場合、及び一回だけ物体が通り過ぎた場合、ウィンドウフーリエ変換が施されると、周波数が高くなる減衰するスペクトルが得られる。
【0067】
周期動作がある場合、図6(a)に示すように、周期的にピークが現れる。図6(a)に示した輝度値の時間変動に対してウィンドウフーリエ変換を施すと、図6(b)に示すような結果が得られる。図6(b)からわかるように、周期動作がある場合、該周期動作に対応した周波数(ここでは、4Hz)にピークが現れる。
【0068】
再び図3に戻り、ステップS102の処理の後、差分演算部120は、検出対象とする周期動作の周波数である、本発明に係る「第1周波数」の一例としての、特定周波数のパワー(即ち、図4(b)等における縦軸の値)と、該特定周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である、本発明に係る「第2周波数」の一例としての、比較周波数のパワーと、の差分値(即ち、(特定周波数のパワー)−(比較周波数のパワー))を演算する(ステップS103)。尚、ここで演算された差分値は、時刻tに取得されたフレーム画像(ここでは、フレーム画像i)の各画素又は所定領域に係る差分値である。
【0069】
例えば、特定周波数を4Hzとし、比較周波数を2Hzとすると、図4に示す定常状態の場合、及び図5に示す一回だけ物体が通り過ぎた場合では、演算された差分値は負の値となる。他方、図6に示す周期動作がある場合では、演算された差分値は正の値となる。
【0070】
次に、本発明に係る「第2演算手段」の一例としての、判定部130は、画素毎又は所定領域毎に、演算された差分値を逐次積算して累積値を取得する(ステップS104)。続いて、判定部130は、累積値が第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS105)。
【0071】
より具体的には、判定部130は、フレーム画像iの各画素又は所定領域に係る差分値を、前回の累積値(つまり、フレーム画像i−1の各画素又は所定領域に係る差分値を積算することにより得られた累積値)に加算する。尚、フレーム画像iが最初のフレーム画像の場合は、前回の累積値はゼロである。そして、判定部130は、累積値が更新される度に、該更新された累積値が第1閾値より大きいか否かを判定する。
【0072】
累積値が第1閾値より大きいと判定された場合(ステップS105:Yes)、判定部130は、検出対象とする周期動作があると判定する(ステップS106)。尚、この際、周期動作検出装置10は、例えば「周期動作検出」を示す信号を、出力端子P2を介して、制御部40に送信する。該信号を受信した制御部40は、表示装置60上に、例えば周期動作が検出された旨を示すメッセージ又は画像等を示すように、表示装置60を制御する。
【0073】
他方、ステップS105の処理において、累積値が第1閾値より小さいと判定された場合(ステップS105:No)、判定部130は、後述するステップS107の処理を実行する。尚、累積値が第1閾値と「等しい」場合は、どちらかの場合に含めて扱えばよい。
【0074】
ここで、累積値について、図7及び図8を参照して説明を加える。図7は、特定周波数に係るパワーの変動(実線a参照)と、比較周波数に係るパワーの変動(点線b参照)との一例を示す図である。図8は、図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の一例を示す図である。
【0075】
図7に示されるように、約260フレーム目までは、特定周波数に係るパワーよりも比較周波数に係るパワーが大きい。つまり、検出対象とする周期動作は存在しない。このため、図8に示すように、累積値は減少する。他方で、約260フレーム目以降は、比較周波数に係るパワーよりも特定周波数に係るパワーが大きい。つまり、検出対象とする周期動作が存在している。このため、図8に示すように、累積値が増加に転じる。
【0076】
例えば、第1閾値を“1”とすると、判定部130は、約400フレーム画像分の差分値が積算された時点で、検出対象とする周期動作があると判定する(図8参照)。本実施形態では特に、特定周波数に係るパワーが比較周波数に係るパワーよりも大きい状態、即ち、差分値が正の値となる状態が、ある程度継続されないと第1閾値を超えないような値として、該第1閾値が設定されている。このため、判定部130による判定結果(言い換えれば、周期動作検出装置10による検出結果)の信頼度を向上させることができる。
【0077】
再び図3に戻り、判定部130は、動作を終了するか否かを判定する(ステップS107)。ここで、動作を終了するか否かは、所定の終了条件を満たしたか否かにより判定すればよい。「所定の終了条件」は、例えば、検出対象とする周期動作が検出されたこと、ユーザからの終了要求があること、ユーザにより予め設定された範囲の各フレーム画像について一連の処理が終了したこと、等である。
【0078】
動作を終了すると判定された場合(ステップS107:Yes)、周期動作検出装置10は、動作を終了すると共に、動作を終了することを示す信号を、出力端子P2を介して、制御部40に送信する。
【0079】
他方、動作を終了しないと判定された場合(ステップS107:No)、周期動作検出装置10は、時刻tの値を更新して(ステップS108)、ステップS101の処理を実行する(即ち、次のフレーム画像を取得する)。
【0080】
本実施形態では、上述の如く、差分値の累積値が第1閾値より大きいことを条件に、検出対象とする周期動作が存在すると判定される。このため、周期動作検出装置10は、複数のフレーム画像に対して、上述した一連の処理を施すことを前提に構成されている。
【0081】
ここでは、上述したステップS107の処理において動作を終了すると判定されるまでに、周期動作検出装置10が、フレーム画像iからフレーム画像i+j(本発明に係る「i+j番目のフレーム画像に相当)までの各フレーム画像に対して、上述した一連の処理を施すものとする。尚、図2では“j”が、便宜上、29よりも大きい値となっているが、“j”は29以下であってよい。
【0082】
<第1変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第1変形例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0083】
図9において、上述したステップS104の処理において累積値が取得された後、判定部130は、該取得された累積値が負の値であるか否かを判定する(ステップS201)。累積値が負の値であると判定された場合(ステップS201:Yes)、判定部130は、累積値をゼロとして(ステップS202)、上述したステップS105の処理を実行する。他方、累積値が負の値でない(即ち、累積値がゼロ以上である)と判定された場合(ステップS201:No)、判定部130は、上述したステップS105の処理を実行する。
【0084】
図9のフローチャートに示した処理が実行された場合の累積値の変動は、例えば図10のようになる。ここで、例えば第1閾値を“1”とすると、図10に示すように、約360フレーム画像分の差分値が積算された時点で累積値が第1閾値より大きくなるので、図3のフローチャートに示した処理に比べて、早期に検出対象とする周期動作を検出することができる。
【0085】
図10は、図8と同趣旨の、図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【0086】
<第2変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第2変形例について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
図11において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、差分演算部120は、演算された差分値をN倍する(N>0)(ステップS301)。次に、判定部130は、上述したステップS104の処理を実行する。このように構成すれば、比較的早期に累積値が第1閾値に達するため、対象とする周期動作が存在する場合に、比較的早期に該周期動作を検出することができる。
【0088】
尚、ステップS104の処理の後は、図2のフローチャートにおけるステップS105の処理が実行されてもよいし、図9のフローチャートにおけるステップS201の処理が実行されてもよい。
【0089】
<第3変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第3変形例について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
図12において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、判定部130は、該演算された差分値が第2閾値より大きいか否かを判定する(ステップS401)。差分値が第2閾値より大きいと判定された場合(ステップS401:Yes)、判定部130は、差分値を第2閾値として(ステップS402)、上述したステップS104及びS301の処理を実行する。他方、差分値が第2閾値以下であると判定された場合(ステップS401:No)、判定部130は、上述したステップS104及びS301の処理を実行する。
【0091】
図12のフローチャートに示した処理が実行された場合の累積値の変動は、例えば図13のようになる。差分値に上限(即ち、第2閾値)が存在しているので、図13に示すように、図9のフローチャートに示した処理に比べて、累積値の上昇の程度が緩やかになる。
【0092】
図13は、図8と同趣旨の、図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【0093】
<第4変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第4変形例について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
図14において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、判定部130は、該演算された差分値が負の定数Mより小さいか否かを判定する(ステップS501)。差分値が負の定数Mより小さいと判定された場合(ステップS501:Yes)、判定部130は、差分値を負の定数Mとして(ステップS502)、上述したステップS401の処理を実行する。他方、差分値が負の定数M以上であると判定された場合(ステップS501:No)、判定部130は、上述したステップS401の処理を実行する。このように構成すれば、累積値の変動を抑制することができる。
【0095】
<第5変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第5変形例について、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0096】
図15において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、判定部130は、該演算された差分値が負であるか否かを判定する(ステップS601)。差分値が負であると判定された場合(ステップS601:Yes)、判定部130は、差分値を負の定数Mとして(ステップS602)、上述したステップS401の処理を実行する。他方、差分値が負ではないと判定された場合(ステップS601:No)、判定部130は、上述したステップS401の処理を実行する。このように構成すれば、対象とする周期動作が存在しない箇所の減衰を比較的速くすることができ、ノイズに対する耐性をより向上させることができる。
【0097】
<第2実施形態>
本発明の周期動作検出装置に係る第2実施形態を、図16のフローチャートを参照して説明する。第2実施形態では、周期動作検出装置の動作の一部が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0098】
図16において、上述したステップS103の処理の後、判定部130は、演算された差分値が、例えばゼロ等である第3閾値より大きいか否かを判定する(ステップS701)。差分値が第3閾値より大きいと判定された場合(ステップS701:Yes)、判定部130は、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS702)。ここで、「所定時間経過」とは、N枚のフレーム画像を処理する過程で、n枚の連続するフレーム画像について、差分値が第3閾値より大きいと連続して判定されたことを意味する(N>0;n>0;N>n)。
【0099】
所定時間経過したと判定された場合(ステップS702:Yes)、判定部130は、検出対象とする周期動作があると判定する(ステップS703)。続いて、判定部130は、上述したステップS107の処理を実行する。
【0100】
ステップS701の処理において、差分値が第3閾値より小さいと判定された場合(ステップS701:No)、及びステップS702の処理において、所定時間経過していないと判定された場合(ステップS702:No)、判定部130は、上述したステップS107の処理を実行する。
【0101】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う周期動作検出装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1…電子機器、10…周期動作検出装置、20…撮像装置、30…画像変換部、40…制御部、50…記憶装置、60…表示装置、70…操作パネル、110…周波数変換部、120…差分演算部、130…判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像中から、例えば手振り等の周期性を有する動作を検出する周期動作検出装置及び方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、例えば、時系列の濃淡画像(即ち、グレースケール画像)を低解像度化し、低解像度化された画像を構成する各画素の濃淡値を取得して、濃淡値の時系列変化から特徴量を取得し、該取得された特徴量と、予め定められた検出対象の特徴量とを比較して検出対象の有無を判別する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−248829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の背景技術では、ノイズの影響により誤判別が生じる可能性があるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、ノイズの影響による誤判別の発生を抑制することができる周期動作検出装置及び方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の周期動作検出装置は、上記課題を解決するために、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換手段と、前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算手段と、前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定手段と、を備える。
【0007】
本発明の周期動作検出装置によれば、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる周波数変換手段は、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、該時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目までの各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、該時間軸方向に周波数変換を施す。
【0008】
「時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像」は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ等の撮像装置により生成すればよい。尚、撮像装置は、当該周期動作検出装置とは別個の装置であってもよいし、当該周期動作検出装置に備えられていてもよい。撮像装置が、当該周期動作検出装置とは別個の装置である場合、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像は、ネットワークを介して、或いは、例えばフラッシュメモリや光ディスク等の情報記録媒体を介して、当該周期動作検出装置に入力される。
【0009】
例えば80画素×60画素、140画素×160画素等の比較的低解像度のフレーム画像に対しては、画素単位で周波数変換が施されることが望ましい。他方、例えば1920画素×1080画素、720画素×480画素等の比較的高解像度のフレーム画像に対しては、例えば8画素×8画素、16画素×16画素、25画素×25画素等の複数の画素からなる所定領域単位で周波数変換が施されることが望ましい。
【0010】
このように構成すれば、比較的低解像度のフレーム画像については、振れ幅の比較的小さな周期動作の検出漏れを抑制することができ、比較的高解像度のフレーム画像については、比較的容易に周期動作を検出することができると共に、周期動作の検出までに要する時間を短縮することができる。
【0011】
尚、周波数変換には、例えばウィンドウフーリエ変換や離散フーリエ変換等を適用可能である。
【0012】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる第1演算手段は、周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、該第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する。
【0013】
第1周波数は、検出対象とする周期動作毎に異なっており、例えば手振りでは、2Hz(ヘルツ)〜6Hzである。第1周波数は、予め実験等により、例えば検出対象とする周期動作に係る周波数(又は周波数範囲)を求め、該求められた周波数(又は周波数範囲)に基づいて決定すればよい。
【0014】
ここで、本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、動きの無い又はほとんど無い定常状態である場合、或いは、一の方向に一回だけ物体が通り過ぎた場合、周波数変換の結果は、周波数が高くなるほど、周波数成分(パワー)が減衰する。このため、第1周波数に係るパワーと第2周波数に係るパワーとの差分値を演算すると負の値になる。他方、周期動作が存在する場合、周波数変換の結果は、該周期動作に対応する周波数にピークが現れる。このため、第1周波数に係るパワーと第2周波数に係るパワーとの差分値を演算すると正の値になる。
【0015】
そこで本発明では、例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる判定手段により、演算された差分値に基づいて、検出対象とする周期動作が存在するか否かが判定される。具体的には例えば、判定手段は、演算された差分値が正の値であることを条件に、検出対象とする周期動作が存在すると判定し、演算された差分値が負の値であることを条件に、検出対象とする周期動作が存在しないと判定する。
【0016】
本発明では特に、i番目からi+j番目までの(即ち、所定時間分の)複数のフレーム画像各々に対して、周波数変換が施され、差分値が演算される。このため、判定結果の信頼性を向上させることができる。言い換えれば、ノイズの影響による誤判定の発生を抑制することができる。
【0017】
以上の結果、本発明の周期動作検出装置によれば、ノイズの影響による誤判定の発生を抑制しつつ、比較的容易に対象とする周期動作を検出することができる。
【0018】
本発明の周期動作検出装置の一態様では、前記判定手段は、前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値を逐次積算して積算値を出力する第2演算手段を含み、前記出力された積算値が第1閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定する。
【0019】
この態様によれば、例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる第2演算手段は、演算された差分値のうち、i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の画素単位又は一の所定領域単位についての差分値を逐次積算して積算値を出力する。
【0020】
「i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の画素単位又は一の所定領域単位についての差分値」は、具体的には、i番目のフレーム画像における一画素(i、x1、y1)に係る差分値と、i+1番目のフレーム画像において、該一画素と対応する画素(i+1、x1、y1)に係る差分値と、…、i+j番目のフレーム画像において、該一画素と対応する画素(i+j、x1、y1)に係る差分値と、を意味する。
【0021】
「差分値を逐次積算して積算値を出力」は、具体的には例えば、i番目のフレーム画像に対応する差分値と、i+1番目のフレーム画像に対応する差分値とを積算した段階で、1番目の積算値を出力し、次に、該1番目の積算値と、i+2番目のフレーム画像に対応する差分値とを積算した段階で2番目の積算値を出力し、・・・、n−1番目の積算値と、i+j番目のフレーム画像に対応する差分値とを積算した段階でn番目の積算値を出力することを意味する。
【0022】
判定手段は、出力された積算値が第1閾値より大きいことを条件に、検出対象とする周期動作が存在すると判定する。他方、判定手段は、出力された積算値が第1閾値より小さいことを条件に、検出対象とする周期動作が存在しないと判定する。
【0023】
「第1閾値」とは、検出対象とする周期動作が存在するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。
【0024】
このような「第1閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば演算される差分値の範囲を求め、該求められた範囲のうちの一の数値と、検出対象とする周期動作の継続期間の最小値に対応するフレーム画像数との積として設定すればよい。
【0025】
具体的には例えば、1秒間当たり30枚のフレーム画像が存在する場合(即ち、30fps(frames per second)の場合)であって、演算される差分値の範囲のうちの一の数値を0.03、検出対象とする周期動作が少なくとも1秒間継続する場合、第1閾値は0.9(=0.03×1×30)とすればよい。
【0026】
判定手段が第2演算手段を含む態様では、前記第2演算手段は、前記積算値が負の値となる場合、前記積算値をゼロとしてよい。
【0027】
このように構成すれば、検出対象とする周期動作の検出漏れを効果的に抑制することができ、実用上非常に有利である。
【0028】
具体的には例えば、i番目からi+j番目までの複数のフレーム画像のうち、i+k番目(但し、1≦k<j)以降のフレーム画像にのみ、検出対象とする周期動作が含まれている場合、積算値を演算すべき差分値のうち、先頭(即ち、i番目のフレーム画像に対応する差分値)からある程度経過するまでは、負の値が続くこととなる。この場合に、単純に積算値が演算されると、負の値を持つ差分値に起因して、積算値が上記第1閾値未満となり、検出対象とする周期動作が存在しないと、判定手段により判定される可能性がある、或いは、積算値が上記第1閾値を超えるまでにかかる処理時間が比較的長くなる可能性がある。
【0029】
これに対して、上述の如く、積算値が負の値となる場合に該積算値をゼロとすれば、検出対象とする周期動作が含まれないフレーム画像の影響を排除することができる。
【0030】
この態様では、前記第2演算手段は、前記積算値を得るために積算すべき差分値のうち、第2閾値より大きい差分値を前記第2閾値としてよい。
【0031】
このように構成すれば、判定手段による判定結果(即ち、検出対象とする周期動作の検出結果)の信頼性を向上させることができる。
【0032】
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、ノイズの影響により、例えば、2〜3フレーム画像だけ(つまり、極めて短い時間だけ)、周波数変換の結果における検出対象とする周期動作に対応する周波数に比較的大きなピークが現れた場合、該2〜3フレーム画像について得られる差分値が比較的大きくなる。すると、該2〜3フレーム画像について得られる差分値の積算値だけで、上記第1閾値を超えてしまい、検出対象とする周期動作が存在すると、判定手段により判定される可能性がある(つまり、誤判定される可能性がある)。
【0033】
そこで、上述の如く、差分値が第2閾値を超える場合に該差分値を第2閾値とすれば、ノイズの影響による誤判定を抑制することができる。ここで、「第2閾値」とは、積算値を得るために積算すべき差分値の値を変更するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。
【0034】
このような「第2閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば、検出対象とする周期動作の継続期間と検出の信頼度との関係を求め、該求められた関係に基づいて、実践上十分な信頼度が得られる該周期動作の継続期間を特定し、該特定された継続期間に対応するフレーム画像数分の差分値が積算されるまで上記第1閾値を超えないような値として設定すればよい。
【0035】
具体的には例えば、第1閾値が0.9であり、十分な信頼度が得られる継続期間が1秒であり、30fpsである場合、第2閾値は、0.03(=0.9÷(1×30))とすればよい。
【0036】
本発明の周期動作検出装置の他の態様では、前記判定手段は、前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値の各々が第3閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定する。
【0037】
この態様によれば、ノイズの影響による誤判定を抑制することができ、もって、判定手段による判定結果の信頼性を向上させることができる。
【0038】
「第3閾値」とは、検出対象とする周期動作が存在するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。本発明では、「第3閾値」は、典型的には、ゼロ又は正の値である。このような「第3閾値」は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば当該周期動作検出装置における演算誤差を求め、該演算誤差に応じて設定すればよい。
【0039】
本発明の周期動作検出方法は、上記課題を解決するために、時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換工程と、前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算工程と、前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定工程と、を備える。
【0040】
本発明の周期動作検出方法によれば、上述した本発明の周期動作検出装置と同様に、ノイズの影響による誤判定の発生を抑制しつつ、比較的容易に対象とする周期動作を検出することができる。
【0041】
尚、本発明の周期動作検出方法においても、上述した本発明の周期動作検出装置に係る各種態様と同様の各種態様を採ることができる。
【0042】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る周期動作検出装置を備える電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像の概念を示す概念図である。
【図3】第1実施形態に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】(a)は定常状態の場合の輝度値の時間変動の一例であり、(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。
【図5】(a)は一の方向に一回だけ物体が通り過ぎた場合の輝度値の時間変動の一例であり、(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。
【図6】(a)は周期動作がある場合の輝度値の時間変動の一例であり、(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。
【図7】特定周波数に係るパワーの変動(実線a参照)と、比較周波数に係るパワーの変動(実線b参照)との一例を示す図である。
【図8】図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態の第1変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態の第2変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態の第3変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【図14】第1実施形態の第4変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】第1実施形態の第5変形例に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係る周期動作検出装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の周期動作検出装置に係る実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0045】
<第1実施形態>
本発明の周期動作検出装置に係る第1実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。
【0046】
(電子機器の構成)
先ず、本実施形態に係る周期動作検出装置を備える電子機器の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る周期動作検出装置を備える電子機器の構成を示すブロック図である。
【0047】
図1において、電子機器1は、周期動作検出装置10、撮像装置20、画像変換部30、制御部40、記憶装置50、表示装置60及び操作パネル70を備えて構成されている。
【0048】
周期動作検出装置10は、周波数変換部110、差分演算部120及び判定部130を備えて構成されている。本実施形態に係る「周波数変換部110」、「差分演算部120」及び「判定部130」は、夫々、本発明に係る「周波数変換手段」、「第1演算手段」及び「判定手段」の一例である。
【0049】
撮像装置20は、例えばレンズ、CCD等を備えて構成されており、動画や連続写真を撮影し、時間軸上で所定間隔或いは一定間隔で並ぶ複数のフレーム画像を生成するように構成されている。
【0050】
画像変換部30は、撮像装置20により生成された複数のフレーム画像の少なくとも一部に対して、グレースケール化処理を施したり、低解像度化処理を施したりする。ここで、「グレースケール化処理」及び「低解像度化処理」には、公知の各種態様を適用可能であるので、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
【0051】
尚、撮像装置20により生成されるフレーム画像が、モノトーンのフレーム画像である場合、画像変換部30は、グレースケール化処理を実行しない。また、撮像装置20が、比較的低解像度の撮像素子を備えており、生成されるフレーム画像が比較的低解像度である場合、画像変換部30は、低解像度化処理を実行しなくてもよい。更には、撮像装置20により生成されるフレーム画像が、モノトーン且つ比較的低解像度のフレーム画像である場合には、電子機器1が画像変換部30を備えていなくてもよい。
【0052】
例えばHDD(Hard Disk Drive)、不揮発性メモリ等である記憶装置50は、撮影装置20によって生成されたフレーム画像や、画像変換部30によりグレースケール化処理及び/又は低解像度化処理が施されたフレーム画像等を逐次蓄える。
【0053】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御部40は、周期動作検出装置10や撮像装置20等の電子機器1に備えられている各種部材を統括制御する。具体的には例えば、制御部40は、操作パネル70により受け付けられたユーザの指示に応じて、動画等を撮影するように撮像装置20を制御したり、該撮像装置20により撮影された動画等を表示するように、例えば液晶ディスプレイ等である表示装置60を制御したりする。
【0054】
制御部40は、特に、操作パネル70により、周期動作検出の要求が受け付けられた際に、記憶装置50に蓄えられている、グレースケール化処理及び/又は低解像度化処理が施されたフレーム画像を、入力端子P1を介して、順次読み込むように周期動作検出装置10を制御する。
【0055】
ここで、周期動作検出装置10に読み込まれるフレーム画像について、図2を参照して説明を加える。図2は、本実施形態に係る時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像の概念を示す概念図である。
【0056】
図2において、複数のフレーム画像i、i+1、i+2、…、i+jの各々は、時間軸上における時刻t0、t1、t2、…、tjに取得されている。各フレーム画像i、i+1、i+2、…、i+jは、比較的低解像度(例えば、縦30画素×横40画素、縦60画素×横80画素等)のモノトーンのフレーム画像である。
【0057】
このような比較的低解像度のフレーム画像を用いることにより、ノイズの低減と、周期動作検出装置10における処理量の削減とを図ることができる。
【0058】
(周期動作検出装置の動作)
次に、周期動作検出装置10の動作について、図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0059】
図3において、先ず、周波数変換部110は、周期動作検出装置10に読み込まれたフレーム画像から、時刻tに取得されたフレーム画像を取得する(ステップS101)。ここでは、時刻t0に取得されたフレーム画像iを取得したものとする。
【0060】
次に、周波数変換部110は、フレーム画像i対して、画素単位で、或いは、複数の画素からなる所定領域単位で、時間軸方向に周波数変換を施す(ステップS102)。ここで、周波数変換部110が画素単位で周波数変換を行う場合について、より具体的に説明する。
【0061】
フレーム画像iにおける画素Pi(i、x1、y1)に対して周波数変換が施される場合、周波数変換部110は、画素Pi(i、x1、y1)の輝度値、及びフレーム画像iに続く、例えば29のフレーム画像i+1、…、i+29の各々において画素Pi(i、x1、y1)に対応する画素である画素Pi+1(i+1、x1、y1)、…、Pi+29(i+29、x1、y1)の輝度値を取得する(つまり、30フレーム画像分の輝度値を取得する)。
【0062】
続いて、周波数変換部110は、取得された輝度値に基づいて、画素Pi(i、x1、y1)の輝度値の時間変動を求め、該求められた時間変動に対して周波数変換を施す。尚、所定領域単位で周波数変換が行われる場合には、画素単位の場合と同様に、該所定領域毎の輝度値の時間変動が求められ、該求められた時間変動に対して周波数変換が施される。
【0063】
輝度値の時間変動と、周波数変換の結果について、図4乃至図6を参照して説明を加える。図4(a)は定常状態の場合の輝度値の時間変動の一例であり、図4(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。図5(a)は一の方向に一回だけ物体が通り過ぎた場合の輝度値の時間変動の一例であり、図5(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。図6(a)は周期動作がある場合の輝度値の時間変動の一例であり、図6(b)は該時間変動の周波数変換の結果である。尚、図4乃至図6に示す周波数変換の結果は、周波数変換の一例としての、ハミング窓を用いたウィンドウフーリエ変換を、輝度値の時間変動に対して施した場合の結果である。
【0064】
定常状態の場合、図4(a)に示すように、輝度値の時間変動はほとんど無い。図4(a)に示した輝度値の時間変動に対してウィンドウフーリエ変換を施すと、図4(b)に示すような結果が得られる。尚、ウィンドウフーリエ変換が施されると、窓関数の畳み込みにより、比較的低い周波数(ここでは、1Hz以下)に集中する。
【0065】
一回だけ物体が通り過ぎた場合、図5(a)に示すように、輝度値の時間変動には一つだけピークが現れる。図5(a)に示した輝度値の時間変動に対してウィンドウフーリエ変換を施すと、図5(b)に示すような結果が得られる。
【0066】
図4(b)及び図5(b)からわかるように、定常状態の場合、及び一回だけ物体が通り過ぎた場合、ウィンドウフーリエ変換が施されると、周波数が高くなる減衰するスペクトルが得られる。
【0067】
周期動作がある場合、図6(a)に示すように、周期的にピークが現れる。図6(a)に示した輝度値の時間変動に対してウィンドウフーリエ変換を施すと、図6(b)に示すような結果が得られる。図6(b)からわかるように、周期動作がある場合、該周期動作に対応した周波数(ここでは、4Hz)にピークが現れる。
【0068】
再び図3に戻り、ステップS102の処理の後、差分演算部120は、検出対象とする周期動作の周波数である、本発明に係る「第1周波数」の一例としての、特定周波数のパワー(即ち、図4(b)等における縦軸の値)と、該特定周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である、本発明に係る「第2周波数」の一例としての、比較周波数のパワーと、の差分値(即ち、(特定周波数のパワー)−(比較周波数のパワー))を演算する(ステップS103)。尚、ここで演算された差分値は、時刻tに取得されたフレーム画像(ここでは、フレーム画像i)の各画素又は所定領域に係る差分値である。
【0069】
例えば、特定周波数を4Hzとし、比較周波数を2Hzとすると、図4に示す定常状態の場合、及び図5に示す一回だけ物体が通り過ぎた場合では、演算された差分値は負の値となる。他方、図6に示す周期動作がある場合では、演算された差分値は正の値となる。
【0070】
次に、本発明に係る「第2演算手段」の一例としての、判定部130は、画素毎又は所定領域毎に、演算された差分値を逐次積算して累積値を取得する(ステップS104)。続いて、判定部130は、累積値が第1閾値より大きいか否かを判定する(ステップS105)。
【0071】
より具体的には、判定部130は、フレーム画像iの各画素又は所定領域に係る差分値を、前回の累積値(つまり、フレーム画像i−1の各画素又は所定領域に係る差分値を積算することにより得られた累積値)に加算する。尚、フレーム画像iが最初のフレーム画像の場合は、前回の累積値はゼロである。そして、判定部130は、累積値が更新される度に、該更新された累積値が第1閾値より大きいか否かを判定する。
【0072】
累積値が第1閾値より大きいと判定された場合(ステップS105:Yes)、判定部130は、検出対象とする周期動作があると判定する(ステップS106)。尚、この際、周期動作検出装置10は、例えば「周期動作検出」を示す信号を、出力端子P2を介して、制御部40に送信する。該信号を受信した制御部40は、表示装置60上に、例えば周期動作が検出された旨を示すメッセージ又は画像等を示すように、表示装置60を制御する。
【0073】
他方、ステップS105の処理において、累積値が第1閾値より小さいと判定された場合(ステップS105:No)、判定部130は、後述するステップS107の処理を実行する。尚、累積値が第1閾値と「等しい」場合は、どちらかの場合に含めて扱えばよい。
【0074】
ここで、累積値について、図7及び図8を参照して説明を加える。図7は、特定周波数に係るパワーの変動(実線a参照)と、比較周波数に係るパワーの変動(点線b参照)との一例を示す図である。図8は、図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の一例を示す図である。
【0075】
図7に示されるように、約260フレーム目までは、特定周波数に係るパワーよりも比較周波数に係るパワーが大きい。つまり、検出対象とする周期動作は存在しない。このため、図8に示すように、累積値は減少する。他方で、約260フレーム目以降は、比較周波数に係るパワーよりも特定周波数に係るパワーが大きい。つまり、検出対象とする周期動作が存在している。このため、図8に示すように、累積値が増加に転じる。
【0076】
例えば、第1閾値を“1”とすると、判定部130は、約400フレーム画像分の差分値が積算された時点で、検出対象とする周期動作があると判定する(図8参照)。本実施形態では特に、特定周波数に係るパワーが比較周波数に係るパワーよりも大きい状態、即ち、差分値が正の値となる状態が、ある程度継続されないと第1閾値を超えないような値として、該第1閾値が設定されている。このため、判定部130による判定結果(言い換えれば、周期動作検出装置10による検出結果)の信頼度を向上させることができる。
【0077】
再び図3に戻り、判定部130は、動作を終了するか否かを判定する(ステップS107)。ここで、動作を終了するか否かは、所定の終了条件を満たしたか否かにより判定すればよい。「所定の終了条件」は、例えば、検出対象とする周期動作が検出されたこと、ユーザからの終了要求があること、ユーザにより予め設定された範囲の各フレーム画像について一連の処理が終了したこと、等である。
【0078】
動作を終了すると判定された場合(ステップS107:Yes)、周期動作検出装置10は、動作を終了すると共に、動作を終了することを示す信号を、出力端子P2を介して、制御部40に送信する。
【0079】
他方、動作を終了しないと判定された場合(ステップS107:No)、周期動作検出装置10は、時刻tの値を更新して(ステップS108)、ステップS101の処理を実行する(即ち、次のフレーム画像を取得する)。
【0080】
本実施形態では、上述の如く、差分値の累積値が第1閾値より大きいことを条件に、検出対象とする周期動作が存在すると判定される。このため、周期動作検出装置10は、複数のフレーム画像に対して、上述した一連の処理を施すことを前提に構成されている。
【0081】
ここでは、上述したステップS107の処理において動作を終了すると判定されるまでに、周期動作検出装置10が、フレーム画像iからフレーム画像i+j(本発明に係る「i+j番目のフレーム画像に相当)までの各フレーム画像に対して、上述した一連の処理を施すものとする。尚、図2では“j”が、便宜上、29よりも大きい値となっているが、“j”は29以下であってよい。
【0082】
<第1変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第1変形例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0083】
図9において、上述したステップS104の処理において累積値が取得された後、判定部130は、該取得された累積値が負の値であるか否かを判定する(ステップS201)。累積値が負の値であると判定された場合(ステップS201:Yes)、判定部130は、累積値をゼロとして(ステップS202)、上述したステップS105の処理を実行する。他方、累積値が負の値でない(即ち、累積値がゼロ以上である)と判定された場合(ステップS201:No)、判定部130は、上述したステップS105の処理を実行する。
【0084】
図9のフローチャートに示した処理が実行された場合の累積値の変動は、例えば図10のようになる。ここで、例えば第1閾値を“1”とすると、図10に示すように、約360フレーム画像分の差分値が積算された時点で累積値が第1閾値より大きくなるので、図3のフローチャートに示した処理に比べて、早期に検出対象とする周期動作を検出することができる。
【0085】
図10は、図8と同趣旨の、図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【0086】
<第2変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第2変形例について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
図11において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、差分演算部120は、演算された差分値をN倍する(N>0)(ステップS301)。次に、判定部130は、上述したステップS104の処理を実行する。このように構成すれば、比較的早期に累積値が第1閾値に達するため、対象とする周期動作が存在する場合に、比較的早期に該周期動作を検出することができる。
【0088】
尚、ステップS104の処理の後は、図2のフローチャートにおけるステップS105の処理が実行されてもよいし、図9のフローチャートにおけるステップS201の処理が実行されてもよい。
【0089】
<第3変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第3変形例について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
図12において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、判定部130は、該演算された差分値が第2閾値より大きいか否かを判定する(ステップS401)。差分値が第2閾値より大きいと判定された場合(ステップS401:Yes)、判定部130は、差分値を第2閾値として(ステップS402)、上述したステップS104及びS301の処理を実行する。他方、差分値が第2閾値以下であると判定された場合(ステップS401:No)、判定部130は、上述したステップS104及びS301の処理を実行する。
【0091】
図12のフローチャートに示した処理が実行された場合の累積値の変動は、例えば図13のようになる。差分値に上限(即ち、第2閾値)が存在しているので、図13に示すように、図9のフローチャートに示した処理に比べて、累積値の上昇の程度が緩やかになる。
【0092】
図13は、図8と同趣旨の、図7に示した特定周波数に係るパワーと比較周波数に係るパワーとの差分値を逐次積算した場合の累積値の変動の他の一例を示す図である。
【0093】
<第4変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第4変形例について、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
図14において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、判定部130は、該演算された差分値が負の定数Mより小さいか否かを判定する(ステップS501)。差分値が負の定数Mより小さいと判定された場合(ステップS501:Yes)、判定部130は、差分値を負の定数Mとして(ステップS502)、上述したステップS401の処理を実行する。他方、差分値が負の定数M以上であると判定された場合(ステップS501:No)、判定部130は、上述したステップS401の処理を実行する。このように構成すれば、累積値の変動を抑制することができる。
【0095】
<第5変形例>
次に、第1実施形態の周期動作検出装置10に係る第5変形例について、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0096】
図15において、上述したステップS103の処理において差分値が演算された後、判定部130は、該演算された差分値が負であるか否かを判定する(ステップS601)。差分値が負であると判定された場合(ステップS601:Yes)、判定部130は、差分値を負の定数Mとして(ステップS602)、上述したステップS401の処理を実行する。他方、差分値が負ではないと判定された場合(ステップS601:No)、判定部130は、上述したステップS401の処理を実行する。このように構成すれば、対象とする周期動作が存在しない箇所の減衰を比較的速くすることができ、ノイズに対する耐性をより向上させることができる。
【0097】
<第2実施形態>
本発明の周期動作検出装置に係る第2実施形態を、図16のフローチャートを参照して説明する。第2実施形態では、周期動作検出装置の動作の一部が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0098】
図16において、上述したステップS103の処理の後、判定部130は、演算された差分値が、例えばゼロ等である第3閾値より大きいか否かを判定する(ステップS701)。差分値が第3閾値より大きいと判定された場合(ステップS701:Yes)、判定部130は、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS702)。ここで、「所定時間経過」とは、N枚のフレーム画像を処理する過程で、n枚の連続するフレーム画像について、差分値が第3閾値より大きいと連続して判定されたことを意味する(N>0;n>0;N>n)。
【0099】
所定時間経過したと判定された場合(ステップS702:Yes)、判定部130は、検出対象とする周期動作があると判定する(ステップS703)。続いて、判定部130は、上述したステップS107の処理を実行する。
【0100】
ステップS701の処理において、差分値が第3閾値より小さいと判定された場合(ステップS701:No)、及びステップS702の処理において、所定時間経過していないと判定された場合(ステップS702:No)、判定部130は、上述したステップS107の処理を実行する。
【0101】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う周期動作検出装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1…電子機器、10…周期動作検出装置、20…撮像装置、30…画像変換部、40…制御部、50…記憶装置、60…表示装置、70…操作パネル、110…周波数変換部、120…差分演算部、130…判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換手段と、
前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算手段と、
前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする周期動作検出装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値を逐次積算して積算値を出力する第2演算手段を含み、
前記出力された積算値が第1閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の周期動作検出装置。
【請求項3】
前記第2演算手段は、前記積算値が負の値となる場合、前記積算値をゼロとすることを特徴とする請求項2に記載の周期動作検出装置。
【請求項4】
前記第2演算手段は、前記積算値を得るために積算すべき差分値のうち、第2閾値より大きい差分値を前記第2閾値とすることを特徴とする請求項3に記載の周期動作検出装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値の各々が第3閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定することを特徴とする請求項1に記載の周期動作検出装置。
【請求項6】
時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換工程と、
前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算工程と、
前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定工程と、
を備えることを特徴とする周期動作検出方法。
【請求項1】
時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換手段と、
前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算手段と、
前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする周期動作検出装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値を逐次積算して積算値を出力する第2演算手段を含み、
前記出力された積算値が第1閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の周期動作検出装置。
【請求項3】
前記第2演算手段は、前記積算値が負の値となる場合、前記積算値をゼロとすることを特徴とする請求項2に記載の周期動作検出装置。
【請求項4】
前記第2演算手段は、前記積算値を得るために積算すべき差分値のうち、第2閾値より大きい差分値を前記第2閾値とすることを特徴とする請求項3に記載の周期動作検出装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記演算された差分値のうち、前記i番目からi+j番目までの各フレーム画像において相互に対応する一の前記画素単位又は一の前記所定領域単位についての差分値の各々が第3閾値より大きいことを条件に、前記検出対象とする周期動作が存在すると判定することを特徴とする請求項1に記載の周期動作検出装置。
【請求項6】
時間軸に沿って並ぶ複数のフレーム画像のうち、前記時間軸上において連続して並ぶ、i番目からi+j番目まで(i、jは自然数)の各フレーム画像に対して、画素単位又は所定領域単位で、前記時間軸方向に周波数変換を施す周波数変換工程と、
前記周波数変換の結果に基づき、検出対象とする周期動作の周波数である第1周波数に係るパワーと、前記第1周波数より低く且つゼロより高い一の周波数である第2周波数に係るパワーと、の差分値を演算する第1演算工程と、
前記演算された差分値に基づいて、前記検出対象とする周期動作が存在するか否かを判定する判定工程と、
を備えることを特徴とする周期動作検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−123538(P2012−123538A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272758(P2010−272758)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(599011687)学校法人 中央大学 (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(599011687)学校法人 中央大学 (110)
【Fターム(参考)】
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