説明

周期性構造物および光学素子、ならびにその作製方法

【課題】体積分率が通常よりも低いインバースオパール構造(ほぼ球状の空隙からなる周期構造)を有する周期性構造物を作製し、また、構成する物質間の屈折率差を大きくする。
【解決手段】ほぼ球状の形状が連結することにより形成される周期構造2、もしくはその反転構造によりなる周期性構造物2において、ほぼ球状の形状から成る箇所の、その反転箇所に対する体積分率が74%より大きいものとする。また、そのような周期性構造物2において、ほぼ球状の形状は空隙からなるか、あるいは、球状の形状はシリカ微粒子からなる。一方、球状の形状以外の反転箇所はポリマーからなるか、あるいは、半導体もしくは金属からなる。それ以外の物質であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子を周期的に配列させた微粒子周期構造物およびその反転構造を利用した光導波路、光共振器などのフォトニック結晶光学デバイス、また、表示デバイス、センサーなどの光学素子、ならびにその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニックバンドギャップにより、結晶中に光を閉じ込めることが可能なフォトニック結晶は、光学デバイスに利用できるものとして期待されている。フォトニック結晶形成技術として、光学媒質(微粒子)の自己組織化を利用した方法がある。自己組織化を利用して配列された微粒子膜(周期性構造物、フォトニック結晶)は、高品質、大表面積になると期待される。
例えば、永山氏は、特開平7-116502号公報(特許文献1参照)および特許第2828386号公報(特許文献2参照)において、コロイド溶液を用いた「微粒子薄膜の製造方法」を報告している。これは、液体の毛管力を利用し、溶媒の蒸発速度、微粒子の体積分率を制御することにより集積される結晶の高品質化を図ったものである。2枚の平行な面の間の狭い間隙にコロイド結晶を成長させる方法もピュージ、ピーター・ニカラスら(特許第2693844号公報(特許文献3参照))をはじめとして報告されている(非特許文献1,2参照)。
【0003】
微粒子としては、単分散の良いシリカやポリスチレンが用いられるのが一般的である。
しかしながら、これらの物質では、デバイス材料としては屈折率が十分に高くない。屈折率のより高い微粒子膜を作製するために、上記の方法により作製された微粒子膜を利用した例が報告されている。微粒子膜の微粒子間の空隙に光硬化性樹脂などのモノマーを流し込み、固体させた後、微粒子をエッチングにより取り除いて、ポリマーによる周期性構造物(反転構造、逆オパール構造、インバースオパール構造とよばれる)を得るインバースオパール法と呼ばれる方法である(非特許文献3〜6,特許文献4,参照)。その結果、自己組織化によって最初に得られた周期構造とほぼ同等な周期性構造物を、材質が変わった形で得ることができる(Science, Vol.291, pp. 453-457参照)。
【0004】
微粒子からなる周期性構造物(オパール結晶)では、微粒子同士が微小な面積で接触することにより構造が保たれている。これを元にインバースオパール構造を作製した場合には、微粒子周期性構造物の接触箇所は、インバースオパール構造では“小窓”(球状箇所の1割程度の面積)となる。
インバースオパール構造は、多孔体であるため、ガス、液体の透過量などのセンサーとしても応用が可能である。
通常、インバースオパール法により作製された周期性構造物は、空隙に対する構造物の体積分率が26%程度である。これは、最密充填構造を形成する微粒子からなるオパール結晶において、空隙に対する構造物の体積分率が74%程度であり、インバースオパール構造はその反転構造であるためである。フォトニック結晶においては、高屈折材料の体積分率がより低い方が光変調はより強くなると予想されており、体積分率がより低いインバースオパール構造を提案できれば、特定の波長を反射する周期性構造物の特性を増すことができると予想される。
【0005】
また、微細加工を用いたフォトニック結晶では、線欠陥導波路を利用した欠陥エンジニアリングにより、大きさの異なる欠陥により、特定の波長の光を分波する報告がなされている(S. Noda, et al., Nature 407, pp 608, 2000.(非特許文献7参照))。微細加工による作製では、装置に加工精度が求められるほか、作製に多大なエネルギーを要するため、代替となる簡易な作製方法を提案することが必要となる(非特許文献5,6参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平7−116502号公報
【特許文献2】特許第2828386号公報
【特許文献3】特許第2693844号公報
【特許文献4】特開2003−2687号公報
【0007】
【非特許文献1】B. T. Mayers, et al., Advanded Materials, 12, No.21, pp.1629-1632, 2000.(Younan Xiaら 下部基板に型を施し、形成される粒子の形状を制御)
【非特許文献2】S. H. Park, et al., Advanded Materials, 11, No.6, pp. 462-466, 1999.(同上)
【非特許文献3】P. Jiang, et al., J. Am. Chem. Soc., 121, pp. 11630-11637, 1999.(V. L. Colvinら インバースオパール法)
【非特許文献4】K. M. Kulinowski, et al., Advanded Materials, 12, No.11, pp.833-838, 2000.(同上)
【非特許文献5】K. Yoshino, et al., Jpn. J. Appl. Phys., vol.38, ppL786-788, 1999.(フォトニック結晶)
【非特許文献6】Y. Shimoda, et al., Appl. Phys. Lett., vol.79, pp.3627-3629, 2001.(同上)
【非特許文献7】S. Noda, et al., Nature 407, pp 608, 2000.(同上)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
<技術課題>
従来技術で記したように、インバースオパール法により作製された周期性構造物は、空隙に対する構造物の体積分率が26%程度であり、特定の波長を反射する周期性構造物の特性を増すためには、体積分率をより低くする必要がある。また、従来技術にて示したように、厳密にはインバースオパール構造では空隙同士を繋ぐ “小窓”(球状箇所の1割程度の面積)が形成されているほか、最終的に作製される周期性構造物は厳密には球形ではないため、請求項では、ほぼ球状の箇所からなる周期性構造物とする。
【0009】
そこで、本発明は以下の事項を目的としている。
・請求項1の目的
請求項1に係る本発明の目的は、体積分率が通常よりも低いインバースオパール構造(ほぼ球状の空隙からなる周期構造)を有する周期性構造物を作製することである。
・請求項2の目的
請求項2に係る本発明の目的は、体積分率が通常よりも低いインバースオパール構造を作製し、構成する物質間の屈折率差を大きくすることである。
【0010】
・請求項3の目的
請求項3に係る本発明の目的は、体積分率が通常より低いインバースオパール構造の簡易な構造を提案することである。
・請求項4の目的
請求項4に係る本発明の目的は、材料を簡易に充填し、樹脂の重合を利用することにより、簡易にインバースオパール構造を形成することである。
・請求項5の目的
請求項5に係る本発明の目的は、インバースオパール構造の材質として半導体もしくは金属を用いることにより、屈折率差の大きいインバースオパール構造を形成することである。
【0011】
・請求項6の目的
請求項6に係る本発明の目的は、材料を簡易に充填し、ナノスケールの粒子の乾燥を利用することにより、簡易にインバースオパール構造を形成することである。
・請求項7の目的
請求項7に係る本発明の目的は、インバースオパール構造の材質としてナノスケールのチタニアを用いることにより、屈折率差の大きいインバースオパール構造を形成することである。
・請求項8の目的
請求項8に係る本発明の目的は、体積分率が通常より低いインバースオパール構造の簡易な構造を提案することである。
【0012】
・請求項9の目的
請求項9に係る本発明の目的は、体積分率が通常より低いインバースオパール構造の簡易な構造を提案することである。
・請求項10の目的
請求項10に係る本発明の目的は、欠陥数の少ないインバースオパール構造をエッチングを用いた微粒子除去により容易に作製することである。
【0013】
・請求項11の目的
請求項11に係る本発明の目的は、液相における化学反応を利用して微粒子を除去し、簡易にインバースオパール構造を作製することである。
・請求項12の目的
請求項12に係る本発明の目的は、体積分率が通常より低いインバースオパール構造からなる周期性構造物を利用した光学素子を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の周期性構造物は、ほぼ球状の形状が連結することにより形成される周期構造、もしくはその反転構造によりなる周期性構造物において、ほぼ球状の形状から成る箇所の、その反転箇所に対する体積分率が74%より大きいことを特徴としている。
また、本発明の周期性構造物の作製方法は、周期性構造物において、反転箇所はナノスケールの粒子からなり、粒子を含む溶液として充填させた後に、その乾燥により、ナノスケールの粒子を固定化する工程であることを特徴としている。
また、本発明の光学素子は、上記の作製方法により作製された周期性構造物を用いたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1に対する作用効果)
請求項1における周期性構造物では、体積分率が通常より低いインバースオパール構造からなる周期性構造物であるため、光変調がより強い周期性構造物を作製できるという効果を奏する。
(請求項2に対する作用効果)
請求項2における周期性構造物では、球形箇所が空隙からなるため、物質間の屈折率差が大きく、体積分率が通常より低いインバースオパール構造からなる周期性構造物であるため、光変調がより強い周期性構造物を作製できるという効果を奏する。
(請求項3に対する作用効果)
請求項3における周期性構造物では、球形箇所がシリカからなるため簡易に作製できるという効果を奏する。
【0016】
(請求項4に対する作用効果)
請求項4における周期性構造物では、反転箇所はポリマーからなるため、樹脂の重合を利用して簡易に作製できるという効果を奏する。
(請求項5に対する作用効果)
請求項5における周期性構造物では、反転箇所は半導体もしくは金属からなるため、樹脂の重合を利用して簡易に反転箇所を作製できるという効果を奏する。
(請求項6に対する作用効果)
請求項6における周期性構造物では、反転箇所はナノスケールの粒子であり、粒子を含む溶液として充填させた後にその乾燥により、ナノスケールの粒子を固定化する工程を利用するため、簡易に反転箇所を作製できるという効果を奏する。
【0017】
(請求項7に対する作用効果)
請求項7における周期性構造物では、反転箇所はナノスケールのチタニア粒子であり、粒子を含む溶液として充填させた後にその乾燥により、ナノスケールの粒子を固定化する工程を利用するため、高屈折率材料からなる反転箇所を簡易に作製できるという効果を奏する。
(請求項8に対する作用効果)
請求項8における周期性構造物では、微粒子の自己集積技術、および配列した微粒子の被覆、さらに微粒子間の材料充填を行うため、通常のインバースオパール構造よりも体積分率が小さい構造を得ることができるという効果を奏する。
【0018】
(請求項9に対する作用効果)
請求項9における周期性構造物では、微粒子の自己集積技術、および配列した微粒子の被覆を通して、反転構造を作製するため、通常のインバースオパール構造よりも体積分率が小さい、空隙からなる構造を得ることができるという効果を奏する。
(請求項10に対する作用効果)
請求項10における周期性構造物の作製方法では、シリカを含むコロイド液を使用するため、単分散性の良い微粒子を用意でき、最終的に作製されるインバースオパール構造の欠陥数を少なくできるとともに、エッチングによりインバースオパール構造を容易に作製できるという効果を奏する。
【0019】
(請求項11に対する作用効果)
請求項11における周期性構造物の作製方法では、液相における化学反応を利用するため、簡易に微粒子を除去できるという効果を奏する。
(請求項12に対する作用効果)
請求項12における光学素子では、体積分率が通常より低いインバースオパール構造からなる周期性構造物を利用した光学素子を作製することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1(請求項1〜4、8〜12に対応)に従って作製した光学素子の模式図である。
図1では、空隙周期構造の周期間隔や層数、基板に加工された箇所の形状や大きさなどは実際に作製した構造物とは異なるが、簡単に模式的に示している。1は空隙からなる周期性構造物、2は空隙の周期構造(インバースオパール構造)である。
従来技術にて説明したように、厳密にはインバースオパール構造では空隙同士を繋ぐ “小窓”(球状箇所の1割程度の面積)が形成されているが、図では省いている。
図1に示す光学素子は、球形の空隙の周期構造2をもつ光硬化型樹脂からなる。球形の空隙は、最密充填配列をしている。球形空隙の周期構造2は、周期間隔 300nm、層数約20層である。周期構造2内における光硬化型樹脂の体積分率は約15%である。
【0021】
図2は、本発明の実施例1に係る微粒子による周期性構造物の作製方法の概略図である。
以下、図1の光学素子の作製方法を説明する。3は石英基板、4はコロイド液、5は微粒子からなる周期性構造物である。
まず、直径300 nm、粒度分布の標準偏差が3%以内のシリカ微粒子分散水溶液4(0.5 wt%、100 ml)を用意した。石英基板3を、図2に示すように、水面がほぼ垂直になるように溶液に浸し、基板3の上部を固定した。1週間程度そのまま放置し、溶液4内の溶媒を乾燥させた。その後、基板3を取り出し、十分乾燥させた。
【0022】
図3は図2において、シリカ微粒子が規則配列された図であり、図4は図3において、シリカ微粒子外壁に被覆がされた図である。
図3に示すように、基板3の表面にはシリカ微粒子による膜厚がほぼ一定の周期性構造物5が形成された。基板3上の微粒子膜の硬度を高めるために、600℃にて1時間の加熱を行った。その後、作製した周期性構造物5をアルコキシシランが含まれる溶液に浸し、ゾルゲル法により、配列されたシリカ微粒子の外側にSiOからなる膜を形成した。その結果、図4に示すように、シリカ微粒子の外壁に被覆6がなされた。
【0023】
図5は、図4において、シリカ微粒子間に光硬化型樹脂が充填された図である。
図5において、4はコロイド液、7は微粒子間に充填された光硬化型樹脂である。
図4の処理の後、乾燥させた周期性構造物5のシリカ微粒子間に、図5に示すように、モノマーである光硬化型樹脂7を流しこみ、紫外線を照射し、重合により硬化させることにより請求項3に記す周期性構造物を作製した。
その後、フッ酸中にシリカおよび石英基板3が除去されるのに充分な時間浸し、純水にて洗浄後、乾燥させた。その結果、図1に示すように、光硬化型樹脂からなる球形空隙の周期構造体2(請求項2に記す周期性構造物)を得た。
【0024】
図1に示す光学素子は、コロイド溶液の毛管力、微粒子の自己組織化を利用して微粒子からなる周期性構造物(微粒子膜)を作製した後、アルコキシシランを含む溶液に浸し、シリカ微粒子の外側に膜を形成し、その後、微粒子間を光硬化型樹脂7により充填し、シリカを除去することにより、空隙の周期構造2を得たものである。最終的には、光硬化型樹脂7から成る空隙の周期性構造物2が得られるが、微粒子の被覆を行わないで形成されるインバースオパール構造(光硬化型樹脂の体積分率:約26%)と比較して、光硬化型樹脂7の体積分率はより小さい(約15%)。
【0025】
このような周期性構造物は応用範囲が広く、導波路や光フィルターなどのフォトニック結晶のほか、気体・液体の透過量や吸着量の測定からセンサーとしての利用も可能である。
シリカ微粒子外壁へのSiO膜形成においては、膜厚を制御することにより、最終的に形成されるインバースオパール構造の体積分率を調整することも可能である。
微粒子が自己組織的に配列する現象を利用したボトムアップ手法では、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。
従来では、導波路などのフォトニック結晶は微細加工を施す方法でしか作製できず、環境面で問題があった。しかしながら、本発明により、環境面に優れたフォトニック結晶を作製できるようになった。
【0026】
(実施例2)
図6は、本発明の実施例2(請求項1、2、4、9〜12に対応)を実施し、作製された光学素子の模式図である。
図6において、8はポリカーボネイト基板、9はスペーサー、10は微粒子間に充填された光硬化型樹脂である。
図6では、空隙周期構造10の周期間隔や層数、基板8に加工された箇所の形状や大きさなどは、実際に作製した構造物とは異なるが、簡単に模式的に示している。
従来技術にて説明したように、厳密にはインバースオパール構造では、空隙同士を繋ぐ “小窓”(球状箇所の1割程度の面積)が形成されているが、図6では省いている。
図6に示す光学素子は、ポリカーボネイト基板8のほか、基板8上に球形の空隙の周期構造をもつ光硬化型樹脂10からなる。球形空隙の周期構造は、周期間隔 300nm、層数約20層である。基板8と光硬化型樹脂10は強固に接着している。球形空隙の周期構造の下側には光硬化型樹脂10のみからなる接着層(スペーサー)9が存在している。周期構造内における光硬化型樹脂10の体積分率は約15%である。
【0027】
以下に、実施例2による図6の光学素子の作製方法を示す。まず、直径300 nm、粒度分布の標準偏差が3%以内のシリカ微粒子分散水溶液4(0.5 wt%、100 ml)を用意した。
石英基板3を、図2に示すように、水面がほぼ垂直になるように溶液に浸し、基板3の上部を固定した。1週間程度そのまま放置し、溶液4内の溶媒を乾燥させた。その後、基板3を取り出し、十分乾燥させた。この際に、基板3の表面にはシリカ微粒子による膜厚がほぼ一定の周期性構造物5が形成された。基板3上の微粒子膜の硬度を高めるために、600℃にて1時間の加熱を行った。
その後、作製した周期性構造物5をアルコキシシランが含まれる溶液に浸し、ゾルゲル法により、配列されたシリカ微粒子の外側にSiOからなる膜を形成した。
【0028】
ポリカーボネイト基板8を用意し、スピンナーのテーブルの上に固定し、基板8上に光硬化型接着剤を塗布し、スピンコート法により一定膜厚とした。その上に、前記作製のシリカ微粒子からなる周期性構造物を下側に石英基板3(9)をポリカーボネイト基板8上に設置した(図6参照)。
その結果、光硬化型樹脂10は微粒子間に浸透した。その後、紫外線を照射し、光硬化型樹脂10を重合により硬化させた。
その後、フッ酸中にシリカおよび石英基板9が除去されるのに充分な時間浸し、純水にて洗浄後、乾燥させた。その結果、図6に示すように、光硬化型樹脂10からなる球形空隙の周期構造体をポリカーボネイト基板8上に得た。
【0029】
図6に示す光学素子は、周期性構造物が基板から外れる従来例と異なり、ポリカーボネイト基板8に周期構造物が残る形になっている。基板8上に作製された周期性構造物は応用範囲が広い。フォトニック結晶のほか、気体・液体の透過量や吸着量からセンサーとしての利用も可能である。空隙の体積が通常作製されるインバースオパール構造の体積よりも大きいため、これらの効果も増す。光硬化型樹脂10のみからなる接着層が存在するため、ポリカーボネイト基板8への接着力は強い。
【0030】
フォトニック結晶としては、微細加工による作製では困難な3次元周期構造であり、光を閉じ込める効果は高い。微粒子が自己組織的に配列する現象を利用したボトムアップ手法では、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。
従来では、導波路などのフォトニック結晶は微細加工を施す方法でしか作製できず、環境面で問題があった。しかしながら、本発明により、環境面に優れたフォトニック結晶を作製できるようになった。
【0031】
(実施例3)
図6は、本発明の実施例3(請求項1、2、6、7、9〜12に対応)を実施し、作製した光学素子の模式図であり、図7は実施例3にてシリカ微粒子間に光硬化型樹脂が充填された図である。
図6では、空隙周期構造の周期間隔や層数、基板に加工された箇所の形状や大きさなどは実際に作製した構造物とは異なるが、簡単に模式的に示している。従来技術にて示したように厳密にはインバースオパール構造では空隙同士を繋ぐ “小窓”(球状箇所の1割程度の面積)が形成されているが図では省いている。
図6に示す光学素子は、ポリカーボネイト基板8のほか、基板8上に球形の空隙の周期構造をもつナノスケールのチタニア粒子からなり、その周期性構造物とポリカーボネイト基板8の間には光硬化型樹脂10による接着層が存在する。球形空隙の周期構造は、周期間隔 300nm、層数約20層である。球形空隙の周期構造の下側には光硬化型樹脂10のみからなる接着層9が存在しており、基板8と光硬化型樹脂10は強固に接着している。周期構造内における光硬化型樹脂10の体積分率は約15%である。
【0032】
以下に、図6の光学素子の作製方法を、図2,図7に従って説明する。
まず、直径300 nm、粒度分布の標準偏差が3%以内のシリカ微粒子分散水溶液4(0.5 wt%、100 ml)を用意した。石英基板3を、図2に示すように水面がほぼ垂直になるように溶液に浸し、基板3の上部を固定した。1週間程度そのまま放置し、溶液4内の溶媒を乾燥させた。その後、基板3を取り出し、十分乾燥させた。この際に、基板3の表面にはシリカ微粒子による膜厚がほぼ一定の周期性構造物が形成された。基板上の微粒子膜の硬度を高めるために600℃にて1時間の加熱を行った。
その後、作製した周期性構造物をアルコキシシランが含まれる溶液4に浸し、ゾルゲル法により、配列されたシリカ微粒子の外側にSiOからなる膜を形成した。また、ナノスケールのチタニア粒子が含まれる溶液4に浸すことにより、微粒子間にチタニアナノ粒子が充填された。
【0033】
図7に示すように、スペーサーが固定されたポリカーボネイト基板8を用意し、真空吸着が可能なテーブルの上に固定し、基板8上に光硬化型接着剤10を滴下した。その上に、前記作製のシリカ微粒子からなる周期性構造物を下側に石英基板11をポリカーボネイト基板8上に設置した。スペーサー9の厚みはシリカ微粒子からなる周期性構造物の厚みより大きいため、光硬化型樹脂10のみからなる接着層が形成された。その後、紫外線を照射し、光硬化型樹脂10を重合により硬化させた。
その後、フッ酸中にシリカおよび石英基板11が除去されるのに充分な時間浸し、純水にて洗浄後、乾燥させた。その結果、図6に示すようにチタニアおよび光硬化型樹脂10からなる球形空隙の周期構造体をポリカーボネイト基板8上に得た。
【0034】
図6に示す光学素子は、チタニアナノ粒子からなる周期性構造物であり、光を閉じ込める効果は高い。また、ポリカーボネイト基板8に周期構造物が残る形になっており、応用範囲が広い。フォトニック結晶のほか、気体・液体の透過量や吸着量からセンサーとしての利用も可能である。光硬化型樹脂10のみからなる接着層が存在するため、ポリカーボネイト基板8への接着力は強い。スペーサー9を設けているため、光硬化型樹脂10の厚みはほぼ一定となる。
【0035】
フォトニック結晶としては、微細加工による作製では困難な3次元周期構造であり、光を閉じ込める効果は高い。微粒子が自己組織的に配列する現象を利用したボトムアップ手法では、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。従来では、導波路などのフォトニック結晶は微細加工を施す方法でしか作製できず、環境面で問題があった。しかしながら、本発明により、環境面に優れたフォトニック結晶を作製できるようになった。
【0036】
(実施例4)
図1は、本発明の実施例4(請求項1、2、4、9〜12に対応)を実施し、作製した光学素子の模式図である。
図1では、空隙周期構造の周期間隔や層数、基板に加工された箇所の形状や大きさなどは実際に作製した構造物とは異なるが、簡単に模式的に示している。従来技術にて説明したように、厳密にはインバースオパール構造では空隙同士を繋ぐ “小窓”(球状箇所の1割程度の面積)が形成されているが図1では省いている。図1に示す光学素子は、球形の空隙の周期構造をもつ光硬化型樹脂1からなる。球形の空隙は最密充填配列をしている。
球形空隙の周期構造は、周期間隔 300nm、層数約20層である。周期構造内における光硬化型樹脂1の体積分率は約15%である。
【0037】
以下に、図1の光学素子の作製方法を示す。まず、直径300 nm、粒度分布の標準偏差が3%以内のシリカ微粒子分散水溶液4(0.5 wt%、100 ml)を用意した。石英基板3を、図2に示すように、水面がほぼ垂直になるように溶液に浸し、基板3の上部を固定した。
1週間程度そのまま放置し、溶液4内の溶媒を乾燥させた。その後、基板3を取り出し、十分乾燥させた。この際に、基板3の表面にはシリカ微粒子による膜厚がほぼ一定の周期性構造物が形成された。基板3上の微粒子膜の硬度を高めるために、600℃にて1時間の加熱を行った。
【0038】
その後、作製した周期性構造物をシリカナノ粒子が含まれる水溶液(濃度0.1%)に浸し、ゆっくりと引き上げることにより、配列されたシリカ微粒子の外側にシリカナノ粒子からなる膜を形成した。その後、乾燥させた周期性構造物のシリカ微粒子間にモノマーである光硬化型樹脂を流しこみ、紫外線を照射し、重合により硬化させた。その後、フッ酸中にシリカおよび石英基板3が除去されるのに充分な時間浸し、純水にて洗浄後、乾燥させた。その結果、図1に示すように光硬化型樹脂1からなる球形空隙の周期構造体を得た。
【0039】
図1に示す光学素子は、コロイド溶液の毛管力、微粒子の自己組織化を利用して微粒子からなる周期性構造物(微粒子膜)を作製した後、シリカナノ粒子を含む溶液に浸し、ゆっくりと引き上げることにより、シリカ微粒子の外側に膜を形成し、その後、微粒子間を光硬化型樹脂1により充填し、シリカを除去することにより、空隙の周期構造を得たものである。最終的には光硬化型樹脂1から成る空隙の周期性構造物が得られるが、微粒子の被覆を行わないで形成されるインバースオパール構造(光硬化型樹脂の体積分率:約26%)と比較して、光硬化型樹脂の体積分率はより小さい(約15%)。
【0040】
このような周期性構造物は応用範囲が広く、導波路や光フィルターなどのフォトニック結晶のほか、気体・液体の透過量や吸着量の測定からセンサーとしての利用も可能である。シリカ微粒子外壁へのSiO膜形成においては膜厚を制御することにより、最終的に形成されるインバースオパール構造の体積分率を調整することも可能である。
微粒子が自己組織的に配列する現象を利用したボトムアップ手法では、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。
従来では、導波路などのフォトニック結晶は微細加工を施す方法でしか作製できず、環境面で問題があった。しかしながら、本発明により、環境面に優れたフォトニック結晶を作製できるようになった。
【0041】
(実施例5)
図1は、本発明の実施例5(請求項1、2、5、9〜12に対応)を実施し、作製した光学素子の模式図である。
図1では、空隙周期構造の周期間隔や層数、基板に加工された箇所の形状や大きさなどは実際に作製した構造物とは異なるが、簡単に模式的に示している。従来技術にて示したように厳密にはインバースオパール構造では空隙同士を繋ぐ “小窓”(球状箇所の1割程度の面積)が形成されているが図では省いている。図1に示す光学素子は、球形の空隙の周期構造をもつシリコン1からなる。球形の空隙は最密充填配列をしている。球形空隙の周期構造は、周期間隔 500nm、層数約20層である。周期構造内における光硬化型樹脂1の体積分率は約15%である。
【0042】
以下に、図1の光学素子の作製方法を示す。まず、直径500 nm、粒度分布の標準偏差が3%以内のシリカ微粒子分散水溶液4(0.5 wt%、100 ml)を用意した。石英基板3を、図2に示すように、水面がほぼ垂直になるように溶液に浸し、基板3の上部を固定した。
1週間程度そのまま放置し、溶液4内の溶媒を乾燥させた。その後、基板3を取り出し、十分乾燥させた。この際に、基板3の表面にはシリカ微粒子による膜厚がほぼ一定の周期性構造物が形成された。基板3上の微粒子膜の硬度を高めるために600℃にて1時間の加熱を行った。
その後、作製した周期性構造物を気相成長法(CVD法、Chemical vapor deposition)によりシリカ微粒子の外側にSiO膜を形成した。その後、さらに気相成長法により、微粒子間をシリコンで充填した。
【0043】
その後、フッ酸中にシリカ微粒子が除去されるのに充分な時間浸し、純水にて洗浄後、乾燥させた。その結果、図1に示すように、シリコンからなる球形空隙の周期構造体を得た。
図1に示す光学素子は、コロイド溶液の毛管力、微粒子の自己組織化を利用して微粒子からなる周期性構造物(微粒子膜)を作製した後、気相成長法を用いて、シリカ微粒子の外側に膜を形成し、その後、微粒子間をシリコンにより充填し、シリカを除去することにより、空隙の周期構造を得たものである。最終的にはシリコンから成る空隙の周期性構造物1が得られるが、微粒子の被覆を行わないで形成されるインバースオパール構造(シリコンの体積分率:約26%)と比較して、光硬化型樹脂1の体積分率はより小さい(約15%)。シリコンを用いた場合には、シリカ微粒子の粒径により、1.3μm、1.5μmといった通信領域での利用が可能である。
【0044】
このような周期性構造物は応用範囲が広く、導波路や光フィルターなどのフォトニック結晶のほか、気体・液体の透過量や吸着量の測定からセンサーとしての利用も可能である。シリカ微粒子外壁へのSiO膜形成においては膜厚を制御することにより、最終的に形成されるインバースオパール構造の体積分率を調整することも可能である。
微粒子が自己組織的に配列する現象を利用したボトムアップ手法では、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。従来では導波路などのフォトニック結晶は微細加工を施す方法でしか作製できず、環境面で問題があった。しかしながら、本発明により、環境面に優れたフォトニック結晶を作製できるようになった。
【0045】
以上、本発明を説明するために実施例を示してきたが、本発明はこれらの実施例にとどまることなく応用できることは言うまでもない。微粒子の種類は、同様の原理による作製が可能であるシリカ以外の粒子も選択できる。微粒子径は通常数nmから数百nmのものが市販されているが、限定されない。微粒子周期性構造物の作製方法は、基板を水平に設置する、基板に加工を施すなど、他の作製方法による周期性構造物であってもよい。周期性構造物は基板間に作製して、一方の基板を取り外す場合と、最初から1枚の基板表面に作製する場合がある。作製される周期性構造物、使用する基板等の大きさ等は限定されず、材質は請求項を満たす範囲で限定されない。周期性構造物作製時における溶液濃度、温度などは限定されない。
【0046】
また、微粒子が自己組織的に配列する現象を利用したボトムアップ手法では、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。トップダウン方式では、真空装置は真空ポンプ、ヒータなども用いるので電力を大量に長時間使用する上、材料が無駄になる。一方、本発明などのようなボトムアップ手法では基板を微粒子分散液に浸すことにより微粒子が集積し、周期性構造物が形成されるので、作製に要するエネルギーが格段に小さく、プロセスそのものも省エネルギーになる。作製プロセスに用いる溶媒なども回収が容易で、省資源かつ環境に優しい。
【0047】
以上のように、本発明では、ほぼ球状の形状が連結することにより形成される周期構造2、もしくは、その反転箇所(周期構造2以外の箇所)によりなる周期性構造物1において、ほぼ球状の形状から成る箇所の、その反転箇所に対する体積分率が74%より大きいものとする。また、そのような周期性構造物1において、実施例で説明したように、ほぼ球状の形状は空隙からなるか、あるいは、球状の形状はシリカ微粒子からなり、反転箇所はポリマーからなるか、あるいは、反転箇所は半導体もしくは金属からなる。または、これらに限定されず、それ以外の物質であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例1(実施例4,5)により作製された光学素子の正面図である。
【図2】本発明の微粒子による周期性構造物の作製方法概略図である。
【図3】本発明の実施例1にてシリカ微粒子が規則配列された図である。
【図4】本発明の実施例1にてシリカ微粒子外壁に被覆がされた図である。
【図5】本発明の実施例1にてシリカ微粒子間に光硬化型樹脂が充填された図である。
【図6】本発明の実施例2、3にて作製された光学素子の正面図である。
【図7】本発明の実施例3にてシリカ微粒子間に光硬化型樹脂が充填された図である。
【符号の説明】
【0049】
1:空隙から成る周期性構造物、
2:空隙の周期構造(インバースオパール構造)、
3:石英基板、
4:コロイド液、
5:微粒子からなる周期性構造物、
6:被覆が施された微粒子の周期構造、
7:微粒子間に充填された光硬化型樹脂、
8:ポリカーボネイト基板、
9:スペーサー、
10:光硬化型樹脂、
11:石英基板、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子を周期的に配列させた微粒子周期構造物であって、
ほぼ球状の形状が連結することにより形成される周期構造、もしくはその反転構造によりなる周期性構造物において、ほぼ球状の形状から成る箇所の、その反転箇所に対する体積分率が74%より大きいことを特徴とする周期性構造物。
【請求項2】
請求項1に記載の周期性構造物において、
前記ほぼ球状の形状は、空隙からなることを特徴とする周期性構造物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の周期性構造物において、
前記ほぼ球状の形状は、シリカ微粒子からなることを特徴とする周期性構造物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の周期性構造物において、
前記反転箇所は、ポリマーからなることを特徴とする周期性構造物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の周期性構造物において、
前記反転箇所は、半導体もしくは金属からなることを特徴とする周期性構造物。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の周期性構造物の作製方法であって、
前記反転箇所は、ナノスケールの粒子からなり、該粒子を含む溶液として充填させた後に該粒子を乾燥することにより、該ナノスケールの粒子を固定化する工程を有することを特徴とする周期性構造物の作製方法。
【請求項7】
請求項6に記載の周期性構造物の作製方法であって、
前記反転箇所は、ナノスケールのチタニア粒子からなり、粒子を含む溶液として充填させた後に、該粒子を乾燥することにより、該ナノスケールの粒子を固定化する工程を有することを特徴とする周期性構造物の作製方法。
【請求項8】
請求項1、請求項3〜7のいずれかに記載の周期性構造物の作製方法であって、
(a)コロイド溶液を用いて、基板の上に微粒子Aを周期的に配列させることにより周期性構造物を作製する工程と、
(b)工程(a)により規則配列をなす微粒子の外側に材料Bにより被覆を施す工程と、
(c)工程(b)において、被覆を施された微粒子間に材料Cを充填する工程と、
(d)充填された材料Cを固化もしくは固定化する工程と
を有し、上記(a)〜(d)の工程順に作製することを特徴とする周期性構造物の作製方法。
【請求項9】
請求項1、2、請求項4〜7のいずれかに記す周期性構造物の作製方法であって、
(a)コロイド溶液を用いて、基板の上に微粒子Aを周期的に配列させることにより周期性構造物を作製する工程と、
(b)工程(a)により規則配列をなす微粒子の外側に材料Bにより被覆を施す工程と、
(c)工程(b)において被覆を施された微粒子間に材料Cを充填する工程と、
(d)充填された材料Cを固化もしくは固定化する工程と、
(e)微粒子Aおよび材料Bを除去することにより、ほぼ球状の空隙による反転周期性構造物を作製する工程とを有し、上記(a)〜(e)の工程順に作製することを特徴とする周期性構造物の作製方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の周期性構造物の作製方法において、
前記(a)工程おけるコロイド液は、シリカ微粒子を含むことを特徴とする周期性構造物の作製方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の周期性構造物の作製方法において、
工程(a)にて使用する微粒子を最終的に除去する工程は、液相における化学反応による除去であることを特徴とする周期性構造物の作製方法。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれかに記載の周期性構造物の作製方法により製造されたことを特徴とする光学素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−243451(P2006−243451A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60252(P2005−60252)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】