周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置及び方法と情報処理装置
【課題】SYNCパターン検出精度を上げ周波数誤差検出を正確にし、装置の信頼性を向上する。
【解決手段】再生信号のピークホールド回路201とピーク検出タイミングでリセットされる標本化クロックカウンタ部202と、前記再生信号のサンプリング値が予想されるピーク値の範囲のとき波長検出信号を得る回路203と、SYNCパターン位置測定用の予測位置測定用データを得る出力部204と、前記予測位置測定用データを用いSYNCパターンが予測した範囲に出現したか否かを確認する回路205と、回路203と回路205の出力結果が一定関係のときSYNC候補検出フラグを得る回路206と、ピーク値検出時点から次のピーク値検出時点までのカウント値がSYNCパターン予測位置からずれているとき前記次のピーク値を失敗ピーク値を出力する回路207と、前記失敗ピーク値より今回の現ピーク値が大きいとき予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは必要以上に広げない動的処理を行う回路208を有する。
【解決手段】再生信号のピークホールド回路201とピーク検出タイミングでリセットされる標本化クロックカウンタ部202と、前記再生信号のサンプリング値が予想されるピーク値の範囲のとき波長検出信号を得る回路203と、SYNCパターン位置測定用の予測位置測定用データを得る出力部204と、前記予測位置測定用データを用いSYNCパターンが予測した範囲に出現したか否かを確認する回路205と、回路203と回路205の出力結果が一定関係のときSYNC候補検出フラグを得る回路206と、ピーク値検出時点から次のピーク値検出時点までのカウント値がSYNCパターン予測位置からずれているとき前記次のピーク値を失敗ピーク値を出力する回路207と、前記失敗ピーク値より今回の現ピーク値が大きいとき予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは必要以上に広げない動的処理を行う回路208を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、周波数誤差検出装置及び方法と情報処理装置に関するものであり、例えば高密度で記録された情報を再生する装置に適用して有効な発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクから読み出した再生信号をデジタル化する手法は、再生信号を比較器等でスライスして単純に2値化する手法が採られていた。しかし、近年では高密度で記録された情報を再生するために、再生信号をPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術を用いてデジタル化するようになった。
【0003】
PRML技術を用いて再生信号をデジタル化するには、光ディスクの再生信号に位相同期した標本化クロックを生成する必要がある。この標本化クロックは、光ディスクに情報を記録するときに用いられた基準クロック信号の周波数を有するクロック信号であって、この標本化クロックに同期して情報が復号される。したがって標本化クロックの周波数誤差を検出し、光ディスクの再生信号に位相同期するように、標本化クロックの周波数制御が行なわれる。
【0004】
従来は再生信号の周波数と再生回路が生成した標本化クロックの周波数との誤差を検出するために、再生信号のゼロクロス長を計測していた。この技術分野において周波数誤差を検出する技術として、例えばWO00/36602公報がある。この技術においては、同期信号の検出に関し、ゼロクロス長の最大値および最小値の比率からその特徴となるパターンを検出し、それと同期信号の時間間隔をカウンタで計測し、カウンタ値の変化情報を周波数誤差検出情報として利用している。しかし、このような技術をHD DVDのような高密度記録メディアに適用した場合、強い符号間干渉によってゼロクロス長を正しく計測することが困難である。そのため、例えば再生信号に含まれる同期信号としてのSYNCパターンを検出する場合、その特徴となるパターン(HD DVDでは13T:3T、Tは基準クロックの1チャネルビット長を示す)が正しく検出できなかったり、誤検出したりすることがあった。
【特許文献1】WO00/36602公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、周波数誤差検出の要素となるSYNCパターンの検出精度を上げて、結果的には周波数誤差検出を正確にし、かつ、装置の信頼性を向上し得る周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置及び方法と情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためにこの発明では、所定期間ごとに最長波長を含む所定の幅の同期(SYNC)パターンを持つ信号における同期パターン検出装置において、前記信号のピーク値付近の波長が予測される波長の範囲内(予測波長窓の幅内)に存在するか否かを判定する波長比較回路と、前記ピーク値から次のピーク値の検出間隔を表すカウントデータが、前記ピーク値から予測される前記SYNCパターンの出現間隔を予測した予測位置測定用データを用いて作成された範囲(予測位置窓の幅内)に存在するかどうかを判定するSYNC出現位置の確認回路と、前記波長比較回路の出力信号と前記SYNC出現位置確認回路の出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路と、前記ピーク値の検出時点から前記次のピーク検出時点までカウントしたカウント値が前記SYNCパターンの予測出現位置からずれているときに、前記次のピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力する最長波長出力回路と、前記失敗ピーク値よりもさらに今回の検出した現ピーク値が大きいときは少なくとも前記予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う波長窓パラーメータ可変回路と、を有する。なおこの明細書では、広い方向へ調整、動的処理という用語は、少しずつ窓を広げたり、狭めたりする意味をも含むものとしている。
【発明の効果】
【0007】
上記の手段によると、標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合に特に有効であり、同期パターンの検出精度を向上させ、周波数検出範囲を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。図1を参照してこの発明が適用されて有効な光ディスク再生装置を説明する。この光ディスク装置は、光ディスク10からの情報の読み取り再生信号を得る装置である。図2はHD DVDのデータフォーマットを示している。1データセグメントには、VFOフィールド(VFO field)、データフィールド(Data field)、ポストアンブルフィールド(Postamble field)、リザーブドフィールド(Reserved Field)、バッファフィールド(Buffer field)が含まれる。このうちデータフィールドには、フレーム毎に2バイトのSYNCコード(SYNCパターン)が一定の間隔ごとに含まれる。SYNCパターンは、識別するために13T(Tは基準クロックの1チャネルビット長を示す)をベースとして記録されている。
【0009】
ピックアップヘッド11は、光ディスク10に記録された情報に対応する信号を再生するもので、光ディスク10にレーザ光を照射するレーザ光源、光ディスク10から反射されたレーザ光を受光する受光器(図示せず)を備える。受光器から出力される再生信号は、再生増幅器12によって増幅されて再生高周波(RF)信号となり、さらに前置波形等化器13を経てアナログデジタル(A/D)変換器14へ導かれる。
【0010】
A/D変換器14は、入力された再生RF信号をアナログデジタル変換してデジタルRF信号(多値化RF信号)を出力する回路である。このデジタルRF信号は、略一定時間間隔で出力される多値のデジタル値である。
【0011】
A/D変換器14でのA/D変換は、VCO(電圧制御発振器)16から出力されるクロックによって制御される。即ち、A/D変換の周期(時間間隔)がVCO16の発振周波数に基づいて定まる。
【0012】
A/D変換器14の出力は、入力された再生RF信号のオフセット(ゼロレベル/スライスレベル)及び振幅を調整する一種の増幅器であるオフセット/ゲインコントロール部16に入力される。調整を受けた再生RF信号は次のアシンメトリ補正部17で非対称性を補正された信号となる。
【0013】
このアシンメトリ補正部17の出力は、適応等化器18に入力される。適応等化器17は、多値化RF信号をPR(Partial Response)波形に等化するフィルタである。適応等化器18はトランスバーサルフィルタ等からなり、波形等化器として機能し、再生歪みを修正すると共に、その出力である再生RF信号は、最尤復号器19へ入力される。
【0014】
最尤(Maximum Likelihood)復号器19はビタビ復号器等からなり、適応等化器18で等化されたデータを復号するよう構成されている。最尤復号器18の出力がデジタル復調データとして利用される。最尤復号器19の出力はまた適応等化器18ヘフィードバックされる。
【0015】
位相比較器21は、最尤復号器18から出力される多値化RF信号とVCO15からの出力信号(図示せず)との位相を比較し、位相差を出力する回路である。
【0016】
周波数誤差検出器20は、A/D変換器14、オフセット/ゲインコントロール部16、アシンメトリ補正部17を経由した多値化RF信号の周波数を検出(測定)し、この周波数とVCO15からの出力信号の周波数の差を表す周波数誤差信号を出力する回路である。又、周波数誤差検出器20は、出力する周波数誤差信号をループフィルタ22で使用するか否かを制御する制御信号も出力する。なお、周波数検出器21の内部構成の詳細は後述する。
【0017】
ループフィルタ22は、位相比較器21から出力される位相誤差、及び周波数誤差検出器20から出力される周波数誤差に基づいて、VCO15を制御する電圧を発生する回路である。
【0018】
VCO15は、ループフィルタ22から出力された制御電圧に対応する周波数で発振する発振回路であり、制御信号発生器として機能する。
【0019】
最尤復号器19は、適応等化信号を所定のPRクラスに基づいて、例えばクラスPR(3443)に基づいて最尤復号しバイナリデータを得る。この復号データは、同期復調部に入力される。記録データ列はフレームと呼ばれる1116bit毎のデータとして記録されるが、各フレームの開始位置を表す24bitのバイナリデータ列(SYNCパターン)を検出し、後段の復調処理のための12bit毎の同期信号を生成している。また同期復調器では、12bit毎のバイナリデータを、予め定めた規則に従い8bitの再生データへ復調処理を行う。またこの際、理想レベルと適応等化信号との誤差量を等化誤差信号としてオフセット制御部、振幅制御部、アシンメトリ制御部、および適応等化器18の各ブロックに送る。
【0020】
以下の説明のため基本的な流れを説明する。まず、波長計測に関して、例えば、図3のように信号31の波長をマーク/スペースごとに計測することができる。次世代DVDは超高密度記録のため、相対的に短いT長の再生RF信号のDCレベルは、前後のマーク/スペースのパターン(T長)に強く影響される。このため、単に平均DCレベル近傍の信号レベルの交叉を検出するだけでは、1つのマーク/スペース区間を正しく検出できない。
【0021】
PRML技術は、信号が前の信号の干渉を受けて歪むということを逆に利用し、相関性を持った干渉を意図的に付加していくことを行っている。
【0022】
このとき閾値TH_HおよびTH_Lを超えない信号波形の波長は、SYNCパターンに含まれる最長波長ではないため、計測を行わないものとする。このように波長を計測することで、ゼロクロスしない及び閾値を超えない信号を誤って検出した理由による、波長計測ミスを軽減することができる。波長計測は、正しくSYNCパターンの最長波長が計測でき、かつ、SYNCパターンよりも長い波長が計測されない手法であれば良い。SYNCパターン(シンクパターン、同期信号波形)を検出して、入力信号の周波数と標本化クロックの周波数との周波数誤差を算出し、A/D変換器14でのA/D変換の時間間隔を制御することが行なわれる。
【0023】
<周波数検出器>
次に、本発明の前提となる実施形態である符号間干渉の影響を回避することができる周波数誤差検出器の構成の一例と機能を図4、図5を用いて説明する。また波長計測後の動作を図6、図7及び図8を用いて説明する。
【0024】
装置内にある制御部47は各部の動作を司る制御を行う。シーケンス制御部47内においてCPUは、ROMに収められているフローに対応する実行プログラムをフェッチし、RAMをワーク領域として実行し、インタフェースを通じて各部をシーケンス制御する。
【0025】
図4において、初期設定される閾値等の値は、シーケンス制御部60内の書換え可能タイプのデバイス(たとえば不揮発性メモリ)に装置製造時等に格納される。装置動作時のユーザからの設定は、シーケンス制御部60を介して周波数誤差検出器に設定値が与えられる。
【0026】
ピークホールド部41には、図3に示すような信号が入力される。また波長上限値B,波長下限値Aが与えられている。図5に示されている上限値Bを超えた波長、および下限値Aに到達していない波長はSYNCパターン候補の対象外とするためである。つまり、下限値Aを設定することで高周波数成分をSYNCパターンとして誤検出する確率を下げることができる。同様に、上限値Bを設定することで、符号間干渉、ディフェクト等の影響によって誤って計測されたSYNCパターンに含まれる最長波長よりも長い波長による影響を軽減することができる。
【0027】
上記ピークホールド部41でホールドされたピーク値は、SYNC出現位置予測回路42に与えられ、またピーク値を検出したときの検出タイミング信号は、標本化クロックカウンタ43のリセット端に与えられる。これにより標本化クロックカウンタ43は、ピーク値が検出される度にリセットされる、またSYNCパターン候補が検出される度にリセットされる。SYNCパターン候補検出パルスは、後述するAND素子51から出力されている。これにより標本化クロックカウンタ43は、SYNCパターンの出現間隔を計測するためのカウンタとして機能する。標本化クロックカウンタ43のカウント出力は、SYNC間隔保持回路44にも入力される。SYNCパターンの出現間隔は、ディスクごとに規定された出現間隔(HD DVDでは1116チャネルビット)に基づいて予測することができる。またSYNCパターンの出現間隔は、ピークホールドにより計測された波長とディスクごとに規定された最長波長(HD DVDでは13T)との比率で予測することもできる。
【0028】
SYNC間隔保持回路44は、標本化クロックカウンタ43のカウント値を、SYNCパターン候補検出パルスがAND素子51から出力されたときにラッチすることで、SYNCパターンの間隔を測定している。
【0029】
SYNC出現位置予測回路42は、検出したピーク値から次のピーク値までの時間情報をカウント値(或いは予測値)として出力する。また、SYNC間隔保持回路44もピーク値検出時から次のピーク値検出時の時間間隔をクロックカウント値として出力する。
【0030】
セレクタ45は、SYNC出現位置予測回路42、SYNC間隔保持回路44のいずれか一方の出力を選択して、データPDTとして出力する。このデータPDTは、SYNC出現位置確認部46に入力される。
【0031】
SYNC出現位置確認部46は、標本化クロックカウンタ43からのカウント値(Count)を取り込み、(PDT−β)<Count<(PDT+β)を計算する。βは、SYNC出現位置の窓幅を設定するための値である。セレクタ47を介して、β1またはβ2(<β1)が選択されて入力される。
【0032】
セレクタ45は、再生装置のスタート時、特殊再生が行なわれたとき、また通常再生時には一定の時間間隔で、一定期間SYNC出現位置予測回路42の出力を選択する。このときは窓幅を大きくするβ1が選択されて使用される。
【0033】
SYNC出現位置確認部46は、(PDT−β)<Count<(PDT+β)であるときに、予測位置窓確認信号を出力する。
【0034】
一方、50は波長比較部であり、計測された波長が任意の予測波長窓幅αの範囲に収まるものをSYNCパターンかどうか判定するためのブロックである。波長比較部50は、ピークホールド部41から得られるピーク値(Peak)に対して、信号(TLEN)が(Peak-α)<TLEN<(Peak+α)にあるかどうかを検出している。この範囲にあるときには、SYNCパターンの波長であるものと判定する。
【0035】
AND素子51は、SYNC出現位置の確認部46および波長比較部50の判定結果の論理積により、SYNCパターン候補検出パルスを出力する。このSYNCパターン候補検出パルスは、先にも述べたように標本化クロックカウンタ43、SYNC間隔保持回路44の他に、SYNC候補検出フラグ出力部52、SYNC連続数カウンタ53にも入力される。SYNC候補検出フラグ出力部52は、SYNC候補が検出されている場合に先のセレクタ45、47を制御し、窓幅を動的に変更する。
【0036】
SYNC連続数カウンタ53は、SYNCパターン候補検出パルスをカウントし、与えられている値Nをカウント数が超えたときに、周波数誤差検出指示信号を出力する。この周波数誤差検出信号に応答して、周波数誤差算出部54は、標本化クロックカウンタ43のカウンタ値の繰り返しから、SYNCパターンの間隔を判定し、予め設定されている参照用SYNCパターンの間隔と比較し、周波数誤差情報を出力する。
【0037】
図5には、上記した波長下限値A,波長上限値B、予測波長窓を得る±α、予測位置窓を得る±βを示している。周波数誤差は、SYNCパターン候補検出パルスが連続して検出された場合に、その間隔を用いて算出される。
【0038】
図6にはSYNCパターン候補を検出するまでのSYNC予測位置、SYNC予測波長窓およびSYNC予測位置窓の変遷の様子を示している。まず波長(6a-1)よりも長い波長(6b-1)が検出されると、SYNC予測位置が更新される((6a-2)から(6b-2)に更新される)。SYNC予測位置窓の展開位置もそれに合わせてずれる((6a-3)から(6b-3)に更新される)。その後、波長(6b-1)よりも短い波長は無視され、それよりも長い波長(6c-1)が計測されると同様に更新が行われる。このような手順を繰り返し、波長(6c-1)が最長波長だった場合、波長(6c-1)による予測波長窓および予測位置窓の範囲内で波長(6d-1)が計測されると、これらをSYNCパターン候補とみなすこととする。
【0039】
その後標本化クロック計測カウンタ43をリセットし、これまでの手順を繰り返し、次のSYNCパターンを検出する。ただし、予測位置は保存されているSYNCパターンの間隔に切り換え、予測波長窓の幅もSYNCパターン候補を検出する前よりも短い期間に短縮したものに切り換える(図5中のβ2)。これにより、SYNCパターンの波長以外の信号(ノイズ)などの波長の影響により、SYNCパターンを誤検出する確率を低減することができる。
【0040】
なお、SYNCパターン候補が検出された後も、ピークホールドを常時行い続ける場合、符号間干渉やディフェクト等の影響により、SYNCパターンに含まれる最長波長よりも長い波長が検出されると、その波長を誤ってSYNCパターンであると誤検出する可能性が高まる。
【0041】
これを防ぐために、1組のSYNCパターンが含まれる期間を別途計測し、その期間以降はピークホールド処理を停止する機能を有する。これにより、検出されたSYNCパターン候補は本当のSYNCパターンである確率が高まり、上記のような誤検出の可能性を低減できる。
【0042】
図7にその動作例のタイミングチャートで示す。誤ったSYNCパターン候補(7a-1)、(7b-1)が検出された場合、まだSYNCパターンの検出状態が変位する可能性があるため、ピークホールド処理を継続する。すると連続性を確認する段階でSYNCパターンの最長波長(7c-1)が検出されるため、再度SYNCパターン候補の検出処理を行う。
【0043】
その後、波長(7d-1)が検出され、SYNCパターン候補が再度検出さる。波長(7c-1)からSYNCパターンの波長(7d-1)が検出されるまでの十分な期間、波長計測が行われると、ピークホールド処理を停止する。これにより、SYNCパターンよりも長い波長の波長(7e-1)が計測されたとしても、SYNC検出動作に影響しなくなり、SYNCパターンの波長(7f-1)を検出することができる。
【0044】
1組のSYNCパターンが含まれる期間を計測する手段としては、例えば、計測した波長の数を一定数計測する手段が挙げられる。
【0045】
このような処理を繰り返し、SYNCパターン候補とした波長が任意の回数以上連続で検出した場合に、これらをSYNCパターンとし、周波数誤差検信号、周波数誤差信号を得る。
【0046】
周波数誤差は計測されたSYNCパターンの間隔および、ディスクごとに規定されたSYNCパターンの間隔の差分を用いて算出することができる。
【0047】
上記の周波数検出方法に対して、さらに本発明は標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合の周波数検出性能を一層向上させるものである。
【0048】
まず、標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合においてのSYNCパターン検出における課題を説明する。チャネルレートと標本化クロックの周波数及び位相の関係は、再生速度が変化したり、トラックジャンプが発生したりすると大きく変化する。したがって、このような変動があっても、同期パターンを正確に検出する装置が要求される。
【0049】
図8は標本化クロックがチャネルレートよりも低い場合の図4の周波数検出器の動作例を表している。標本化クロックがチャネルレートよりも低い場合、計測される波長はサンプル数が少なくなるため全体的に短い波長が計測される。そのため、図8のようにSYNCパターンの最長波長(8a-1)、(8b-1)とその他の波長との差分がつき難くなる。
【0050】
このようなことから、図9の波長(9a-1)、波長(9c-1)がSYNCパターンの最長波長を示しているとすると、波長(9b-1)のように最長波長に似通った波長が予測位置窓期間中に計測される可能性がある。しかもこの波長(9b-1)が最長波長の前に計測された場合は誤検出状態となるため、SYNCパターンの検出率が低下する要因となる。
【0051】
そこで、波長(9b-1)のような不要な波長が予測位置窓内で計測されないように、可能な限り予測窓位置幅を狭めることは検出率向上に有効な手段である。しかし、HD DVDのように符号間干渉があるディスクでは高精度な波長計測は困難であるため、SYNCパターンの出現位置の予測精度を向上させることも難しい。
【0052】
図10は予測位置窓の窓幅を狭めた場合にSYNCパターンが検出できなかった例を示している。波長(10a-1)、(10b-1)はSYNCパターンの最長波長を示しているが、波長(10a-1)のように本来の波長よりも長い波長として計測した場合、予測位置は本来の出現時間よりも後(遅れた時間)に予測される。長い波長(10a-1)が次のSYNCパターン検出予測位置の時間計算値に影響を与えるからである。
【0053】
その予測位置に対して窓幅を狭めた予測位置窓を展開すると、本来のSYNCパターンが存在する波長(10b-1)を検出することができない。同様のことは本来の波長よりも短く計測した場合にも起こりえる。この場合は、予測位置は本来の出現時間よりも前(進んだ時間)に予測されることになる。
【0054】
したがって、予測波長窓についてもSYNCパターンとその他の波長を峻別することに課題がある。
【0055】
図11は予測波長窓の窓幅が広い場合の様子を表している。このように予測波長窓の窓幅が広い場合、SYNCパターンの最長波長(11a-1)、(11b-1)、(11c-1)、(11d-1)、(11e-1)とその他の波長を区別し難くなる結果となる。この場合も、予測位置窓と同様で窓幅を狭めることは検出率向上に効果があるが、ここでも波長計測精度によってSYNCパターンが検出できないことがある。
【0056】
そのような例を示したのが図12である。SYNCパターンの最長波長(12a-1)、(12c-1)、(12e-1)に対し、波長(12b-1)、(12d-1)は波長が短く計測されており、これが予測波長窓内にないため、連続してSYNCパターンを検出できなくなっている。このようなことから、標本化クロックがチャネルレートより低い場合は、2つの窓幅を計測された波長にバラツキがあるSYNCパターンが検出できる範囲で可能な限り狭くすることが望ましい。
【0057】
ここで、チャネルレートの変動、標本化周波数の変動により計測される波長のバラツキは一定でなく、この要因が最適な窓幅の決定を困難にしている要素の一つであることを付け加えておく。
【0058】
本発明における実施の形態の特徴は、SYNCパターンの検出状況、計測された波長の情報を基に、2つの窓幅を動的に切り換えることによって、そのときのチャネルレート、標本化周波数に適した窓幅に動的に変更しSYNCパターン検出率の向上を図る。
【0059】
図14は、本発明の実施の形態の特徴を有した装置の動作例を示すフローチャートである。まず、一定のチャネルレートで再生された光ディスクの再生信号に対し、標本化クロックを用いて標本化されたデータを元に波長が計測される。その計測された波長の中から最長波長を検出し、それを元に次に出現する最長波長の位置を予測する(ステップ14S1、14S2)。このとき展開する2つの窓(予測波長窓、予測位置窓)に関して、窓幅はどちらも狭い状態を初期状態とする。
【0060】
そのような条件で2つの窓期間内、SYNCパターンの候補を検出する。このとき、図10、図12のような状況が発生し、SYNCパターンの候補がある一定期間内に検出できない場合、窓幅を変更するような働きとなる。例えば、SYNCパターンが検出されると予測される時間の整数倍の時間内に所定数のSYNCパターンが検出できない場合に、窓幅を変更するような働きとなる。
【0061】
予測位置窓に関しては、図10のような状況から窓の期間内にSYNCパターンが検出されていない可能性があることから基本的には窓幅を拡大する。また予測波長窓に関しては、この時の最長波長を元に波長窓を決定する。具体的には、例えば以下のような方法がある。
【0062】
<予測波長窓の窓幅を変更する条件>
検出に失敗した時の最長波長 ≦ 現在計測された最長波長
のときは予測波長窓幅を広げる
検出に失敗した時の最長波長 > 現在計測された最長波長
のときは予測波長窓幅を変更しない(ステップ14S3)。
【0063】
失敗したか否かの判定は、たとえば標本化クロックカウンタがSYNCパターン周期でリセットされているかどうかを監視することで判定可能であり、このときは検出失敗フラグが発生する。
【0064】
このように、検出に失敗した場合の波長を使用している理由は、これまでに説明したとおり、むやみに窓幅を広げた場合、図11のような状況に陥り、かえってSYNC検出率が悪化する可能性があるためである。
【0065】
本来の波長より短い波長として計測された波長に合わせて窓幅を広げてしまうと、11Tなどの最長波長に近いSYNCパターン以外の波長が窓内で計測される確率が高まる。そこで、長いSYNCパターンの波長では窓幅を広げ(14S4)、短い波長では窓幅を変更しないこととし、最適な窓幅にする。
【0066】
しかも、この方法では、ディフェクト、信号品位の劣化等によりSYNCパターンよりも長い波長が検出されて検出が失敗してしまった場合、また、本来のSYNCパターンの最長波長よりも長く計測してしまった場合、必要としている区間で窓幅が広がることが無い。反対に本来のSYNCパターンより短く計測された場合において検出失敗した場合、本来のSYNCパターンの最長波長が計測されればこちらに更新されるため、自動的に最適な窓幅に近づく特徴を有している。
【0067】
さらに、予測波長窓を広げた後、検出失敗フラグが発生しているかどうかを判定し(ステップ14S5)、検出失敗フラグが発生しているときは次に、予測位置窓を広げる(ステップ14S6)。検出失敗フラグが消滅しているときは、検出窓内で最長波長を検出する(ステップ14S7)。
【0068】
ステップ14S7で最長波長を検出できなかった場合には、検出失敗時の最長波長値を更新し、検出失敗フラグを発生させて、ステップ14S2に戻る。ステップ14S7で最長波長を検出できた場合は、検出失敗フラグを消滅させて(ステップ14S9)、予測位置窓の窓幅を狭くし、予測波長窓の窓幅を広げる(ステップ14S10)。
【0069】
次に、保持している検出波長よりも長い新しい波長を検出したかどうかを判定する(ステップ14S11)。保持している検出波長よりも長い新しい波長を検出した場合は、窓幅を変更する。即ち、予測位置窓の窓幅を初期状態に戻し、予測波長窓の幅を初期状態に戻し、ステップ14S2に戻る(ステップ12S12)。
【0070】
ステップ14S11で、保持している検出波長よりも長い新しい波長を検出しない場合は、検出窓内で最長波長を連続して検出したかどうか判定する。この判定は、SYNC連続数カウンタにより、SYNCパターン候補検出パルスをカウントすることにより可能である。SYNCパターン候補検出パルスを一定回数連続でカウントできなかった場合は、ステップ14S8に戻る。SYNCパターン候補検出パルスを一定回数連続でカウントできた場合は、ステップ14S14にて、周波数誤差検出を行なう。
【0071】
上記した動作において、2つの窓幅を変更する処理に移行するタイミングであるが、各種の実施形態が可能である。つまり、複数回SYNCパターン検出が失敗したタイミングでも良く、どちらか一方の窓幅のみ段階的に変更しても構わない。また、窓幅の変更も複数回に分けて行っても良いものとする。例えば、SYNCパターン検出に失敗する度に段階的に窓幅を広げる手法でも良い。また、予測波長窓の窓幅を変更する条件についても上記特徴を逸しない範囲内で可変可能であるとする。
【0072】
2つの窓幅内でSYNCパターン候補が検出された場合、前提案発明と同様に2つの窓幅に変更を加える。予測位置窓に関しては、14-S3でSYNCパターン候補の間隔を得ることができているため、出現位置の予測精度が大幅上がっているため窓幅を大幅に縮小する。逆に、予測波長窓に関しては、予測位置窓内で計測された波長がSYNCパターン以外である可能性は大幅に低減されているため、SYNCパターン候補の波長に対して予測できる範囲内で広げることが出来る。
【0073】
上記したようにステップ14S11ではステップ14S7で検出された波長が最長波長であったかどうかを確認しており、もしステップ14S7で検出された波長が最長波長でなければ窓幅を初期状態に戻し(ステップ14S12)検出された最長波長に対しSYNCパターン候補の絞込みを再度行っている。
【0074】
その後窓幅を変更した2つの窓幅区間でSYNCパターン候補の連続性を確認する(ステップ14S13)。ここでSYNCパターン候補と同等の波長が一定回数検出できなければ、それらはSYNCパターンではない可能性があるため、検出失敗とみなしステップ14S8での処理へと移る。誤検出する頻度が高い場合にはむやみに窓幅を広げず、初期設定から再度検出を開始する方法をとっても構わない。
【0075】
一定回数SYNCパターンが連続で検出できた場合、計測されたSYNCパターンの間隔から周波数誤差を算出し周波数制御を行う(ステップ14S14)。
【0076】
なお、SYNCパターンの連続数の設定であるが、SYNCパターン候補の波長に合わせて自動的に変更できる機能と有するものとする。これは、上述の通り標本化周波数がサンプリングレートに対して低い場合SYNCパターンを特定することが困難となるため、誤検出する可能性を低減させるため連続回数を増やすためである。このような方法であれば、標本化周波数が十分高い場合検出の信頼性が上がるため、連続数による制限を低くし周波数制御をすばやく行うことができる。同様に、窓幅の制御についても標本化周波数とサンプリングレートの関係に合わせて変更した方が良い。これは図13のように十分標本化周波数が高い場合、予測波長窓が狭いとSYNCパターンが見つかり難くなり、予測波長窓を広げるために余計な時間を費やしてしまうためである。これは予測位置窓についても同様のことが言える。具体的には、計測された最長波長が一定値以上であれば、前提案発明と同様の振る舞いとなるようにするなどが挙げられる。
【0077】
この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、図15、図16に示すような実施形態でもよい。
【0078】
図15の実施形態において、図14と同一ステップには同一の符号を付している。図14の実施形態と異なる部分は、ステップ14S3とステップ14S7の間である。この実施形態の場合、
検出に失敗した時の最長波長 ≦ 現在計測された最長波長
のときは、次に、検出失敗フラグが発生しているか否かを判定(ステップ15S1)する。検出失敗フラグが発生している場合は、予測位置窓の窓幅を広げ、また予測波長窓の窓幅も広げて(ステップ15S2)、ステップ14S7に移行する。ステップ14S3において、(検出に失敗した時の最長波長 > 現在計測された最長波長)が判定された場合、及びステップ15S1において、検出失敗フラグが発生していない場合は、ステップ14S7に移行する。
【0079】
図16の実施形態において、図14と同一ステップには同一の符号を付している。図14の実施形態と異なる部分は、ステップ14S3、14S5,14S6からステップ14S7に移行する系路である。この実施形態の場合、任意の閾値よりも現在の最長波長が大きいか否かを判定している。現在の最長波長が大きい場合は、予測位置窓の窓幅を広げ、また予測波長窓の窓幅も広げて(ステップ15S2)、ステップ14S7に移行する。これによりSYNCパターンの検出を容易にしている。
【0080】
図17は、本発明の装置における予測位置窓が変化する様子をイメージ的に示し、動作例を説明するための図である。
【0081】
まず、SYNCパターンの最長波長(17a-1)に基づいて、次のSYNCパターンが出現する位置を予測し、予測位置付近に予測位置窓(17a-3)を展開する。このとき、予測地点のずれ、及び予測位置窓の区間(±β2)で最長波長(17b-1)が計測できないためSYNCパターン候補の検出に失敗する。ここで、検出失敗フラグが発生する(図14のステップ14S2)。すると予測位置窓の幅を失敗した場合、最長波長が検出失敗したときの最長波長よりも長ければの窓(17a-3)から±β1へ広げた窓(17b-3)に変更する。そうすると、再度検出した最長波長(17c-1)に対し、次にSYNCパターンが出現する位置を予測し、窓幅が広がったことから最長波長(17d-1)を検出することができ、これらをSYNCパターン候補とすることができる。
【0082】
そして、図14のステップ14S7−14S9−14S10で説明したように、窓幅を(±β3)狭めた窓(17c-3)にし、SYNCパターン連続性を確認するステップ14S13の処理へと移る。
【0083】
図18は、本発明の装置における予測波長窓が変化する様子をイメージ的に示し、動作例を説明するための図である。
【0084】
SYNCパターンの最長波長(18a-1)から次のSYNCパターンが出現する位置を予測し、付近に予測位置窓(18a-2)を展開する。そして予測位置窓(18a-2)内において予測波長窓区間の波長(18b-1)を計測する。しかし、最長波長(18b-1)は最長波長(18a-1)と比べて短く計測されてしまったため、予測波長窓の窓幅(±α1)が狭いため検出に失敗する。
【0085】
このとき、検出に失敗した最長波長(18a-1)の波長を保持し、再度計測を再開する。その後、最長波長(18c-1)を計測した場合、失敗した最長波長(18a-1)と比較し、同等であることから、予測波長窓を(±α2)に広くする。そうすることで、最長波長(18c-1)よりも短い最長波長(18d-1)を検出することができ、その後の処理へと移ることができる。
【0086】
なお、最長波長(18c-1)が最長波長(18a-1)よりも短い場合、予測波長窓の窓幅は変化しない(±α1)。これは、最長波長(18b-1)や最長波長(18d-1)のような本来の波長よりも短く計測された波長に対し窓幅を広げると、HD DVDの11Tなど通常データとの見分けがつき難くなるためである。しかし、最長波長(18a-1)が特別長く計測されただけであり、その他は最長波長(18a-1)よりも短い場合には狭い窓幅で検出を続け、それでも検出失敗した場合は、そのときの最長波長に対して同様の処理が行われるため、失敗した波長が更新されていき、自動的に最適な状態となる。
【0087】
図19は、図14、図17、図18にて説明した動作フロー及び信号処理を実現するための構成例を示す。
【0088】
図19において、初期設定される閾値等の値は、シーケンス制御部160内の書換え可能タイプのデバイス(たとえば不揮発性メモリ)に装置製造時等に格納される。装置動作時のユーザからの設定は、シーケンス制御部160を介して周波数誤差検出器に設定値が与えられる。
【0089】
ピークホールド部141には、図3に示すような信号が入力される。また波長上限値B,波長下限値Aが与えられている。上限値Bを超えた波長、および下限値Aに到達していない波長はSYNCパターン候補の対象外とするためである。下限値Aを設定することで高周波数成分をSYNCパターンとして誤検出する確率を下げることができる。同様に、上限値Bを設定することで、符号間干渉、ディフェクト等の影響によって誤って計測されたSYNCパターンに含まれる最長波長よりも長い波長による影響を軽減することができる。
【0090】
ピークホールド部141でホールドされたピーク値は、SYNC出現位置予測部142に与えられ、またピーク値を検出したときの検出タイミング信号は、標本化クロックカウンタ43のリセット端に、OR素子161を介して与えられる。これにより標本化クロックカウンタ143は、ピーク値が検出される度にリセットされる、またSYNCパターン候補が検出される度にリセットされる。SYNCパターン候補検出パルスは、後述するアンド回路151から出力されている。
【0091】
これにより標本化クロックカウンタ143は、SYNCパターンの出現間隔を計測するためのカウンタとして機能する。標本化クロックカウンタ143のカウント出力は、SYNC間隔保持部144にも入力される。SYNCパターンの出現間隔は、ディスクごとに規定された出現間隔(HD DVDでは1116チャネルビット)に基づいて予測することができる。またSYNCパターンの出現間隔は、ピークホールドにより計測された波長とディスクごとに規定された最長波長との比率で予測することもできる。
【0092】
SYNC間隔保持部144は、標本化クロックカウンタ143のカウント値を、SYNCパターン候補検出パルスがAND素子151から出力されたときにラッチすることで、SYNCパターンの間隔を測定している。
【0093】
上記のSYNC出現位置予測部142は、検出したピーク値から次のピーク値までの時間情報をカウント値(或いは予測値)として出力する。また、SYNC間隔保持部144もピーク値検出時から次のピーク値検出時の時間間隔をクロックカウント値として出力する。
【0094】
セレクタ145は、SYNC出現位置予測部142、SYNC間隔保持部144のいずれか一方の出力を選択して、データPDTとして出力する。このデータPDTは、SYNC出現位置確認部146に入力される。
【0095】
SYNC出現位置確認部146は、標本化クロックカウンタ143からのカウント値(Count)を取り込、(PDT−β)<Count<(PDT+β)を計算する。βは、SYNC出現位置の窓幅を設定するための値であり、図17、図18で示したパラーメータである。セレクタ147を介して、β1またはβ2(<β1)またはβ3(<β2)が選択されて入力される。
【0096】
セレクタ145は、SYNCパターンの候補が検出されていない場合、SYNC出現位置予測部142の出力を選択する。
【0097】
セレクタ147は、β1またはβ2またはβ3のいずれかを出力する。セレクタ147の一方入力端にはβ3が入力されるが、他方の入力端にはβ1またはβ2のいずれかが入力される。β1とβ2は、セレクタ162により選択的に取り込まれてくる。セレクタ162は、AND素子163により制御されており、このAND素子163には、SYNC検出失敗フラグ出力部165からのSYNC検出失敗フラグ(Failure_FLAG)と、判定回路164からの判定出力が与えられている。判定回路164は、先に説明した
検出に失敗した時の最長波長(Failure_Peak) ≦ 現在計測された最長波長(Peak)
を判定するものであり、現在計測された最長波長(Peak)が小さいときは、例えば”1”を出力し、現在計測された最長波長が大きいときは、”0”を出力する。現在計測された最長波長(Peak)が小さく、かつSYNC検出失敗フラグ(Failure_FLAG)が発生しているときは、AND素子163の出力は、”1”となり、β1を選択する。また、SYNC候補検出フラグ出力部152からのSYNC候補検出フラグが存在しないときは、セレクタ147は、セレクタ162の出力を選択する。またこのときセレクタ145はSYNC出現位置予測部142の出力を選択する。このときは、図17で説明したように、β1によるSYNCパターンの波長検出が行なわれる。
【0098】
SYNC候補検出フラグ出力部152からのSYNC候補検出フラグが存在するようになると、セレクタ147はβ3を選択し、セレクタ145はSYNC間隔保持部144の出力を選択するようになる。
【0099】
セレクタ145、147の出力、および標本化クロックカウンタ143の出力が入力されるSYNC出現位置確認部146は、(PDT−β)<Count<(PDT+β)であるときに、SYNCパターン出現位置確認信号を出力する。
【0100】
一方、150は波長比較部であり、計測された波長が任意の予測波長窓幅αの範囲に収まるものをSYNCパターンかどうか判定するためのブロックである。波長比較部50は、ピークホールド部141から得られるピーク値(Peak)に対して、信号(TLEN)が(Peak-α)<TLEN<(Peak+α)にあるかどうかを検出している。この範囲にあるときには、SYNCパターンの波長であるものと判定する。つまり波長がαの範囲に収まるものをSYNCパターンとする。このために、予測波長窓の幅を決めるαが波長比較部150に入力されている。ここで、αは、セレクタ171により、α1又はα2(>α1)(図18参照)が選択的に入力される。α1とα2の切り替えは、図14及び図18で説明したように、波長の予測波長窓を広げる条件のときα1からα2に切り替えられる。この切替え条件を判断する回路がOR素子172である。
【0101】
OR素子172は、現在計測された最長波長が大きいとき、かつSYNC候補検出パルが得られていないときは、”0”を出力し、このときセレクタ171は、α2を選択して出力する。これにより図18で説明したようにα1からα2への切り替えが行なわれる。
【0102】
波長比較部150は、ピークホールド部141から得られるピーク値(Peak)に対して、±αの処理を行い、信号(TLEN)が(Peak-α)<TLEN<(Peak+α)にあるかどうかを検出している。この範囲にあるときには、SYNCパターンの波長であるものと判定する。
【0103】
AND素子151は、SYNC出現位置の確認部146および波長比較部150の判定結果の論理積により、SYNCパターン候補検出パルスを出力する。このSYNCパターン候補検出パルスは、さきにも述べたように標本化クロックカウンタ143、SYNC間隔保持部144の他に、SYNC候補検出フラグ出力部152、SYNC連続数カウンタ153にも入力される。
【0104】
SYNC候補検出フラグ出力部152は、先のセレクタ145、147を制御する。例えばセレクタの選択状態をSYNC出現位置予測部142の出力選択状態から、SYNC間隔保持部144の出力選択状態に切替え、またセレクタ147の選択状態をβ3の選択状態に切替える。
【0105】
SYNC連続数カウンタ153は、SYNCパターン候補検出パルスをカウントし、与えられている値Nをカウント数が超えたときに、周波数誤差検出指示信号を出力する。この周波数誤差検出指示信号に応答して、周波数誤差算出部154は、標本化クロックカウンタ43のカウンタ値の繰り返しから、SYNCパターンの間隔を判定し、予め設定されている参照用SYNCパターンの間隔と比較し、周波数誤差情報を出力する。
【0106】
判定回路180は、SYNC出現位置を予測したカウント値PDTとβをプラスした値(PDT+β)に、標本化クロックカウンタ143の現実のカウント値(PRD)が到達したかどうかを判定している。(PRD)=(PDT+β)であれば、SYNCパターン波長検出に失敗したことであり、その判定回路180の出力は、SYNC検出失敗フラグ出力部165に与えられる。SYNCパターン波長検出の失敗時には、SYNC検出失敗フラグ出力部165から検出失敗フラグ(Failure_FLAG)が出力される。また判定回路180の出力は、SYNC検出失敗時の最長波長出力部166のイネーブル端子に供給される。SYNCパターン波長検出の失敗時には最長波長出力部166からは、SYNC検出失敗時の最長波長(Failure_Peak)が出力される。
【0107】
この発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。
【0108】
図20及び図21にはこの発明の特に周波数検出器の他の実施形態を示している。図19のブロックと同一部分には図19のブロックの符号と同一符号を付している。
【0109】
図19と図20で異なる部分は、図19では判定回路164の出力がオア回路172に入力された。しかし図20ではアンド回路163の出力が、オア回路172に入力されている点である。図20は、図15に示したステップ15S1,15S2の動作を実現することができる。
【0110】
図20と図21で異なる部分は、図20では判定回路164の出力が、直接、SYNC検出失敗時の最長波長出力部166のイネーブル端子に直接供給された。しかし、図21の回路では、SYNC検出失敗時の最長波長出力部166のイネーブル端子には、判定回路164の出力とSYNC連続数カウンタ153からの周波数誤差検出指示信号の論理オア出力がオア回路172を介して入力されている。これは失敗時の波長だけでなく、成功時の波長も保持することができるようにするためである。
【0111】
図22は上記した装置をわかりやすくするために更にブロック化してまとめた構成図である。
【0112】
ブロック201は、再生信号の複数のサンプリング値を用いてピーク値をホールドするピークホールド回路である。ブロック202は、ピークホールド回路201のピーク検出タイミングでリセットされ、クロックを計数する標本化クロックカウンタ回路である。またブロック203は、前記ピーク値とこれに加算する任意の予測波長窓幅(±α)を用いて、予測波長の窓幅を設定し、前記サンプリング値が前記予測波長窓内のとき波長検出信号を出力する波長比較回路である。ブロック204は、前記ピーク値から予測される波長と一定の関係にあるSYNCパターンの出現タイミングを予測した予測位置測定用データ(PDT)を出力する予測位置測定用データ出力回路である。ブロック205は、前記予測位置測定用データ(PDT)、及び予測位置窓の窓幅(±β)を用いて、前記SYNCパターンの出現タイミングを確認するSYNC出現位置確認回路である。
【0113】
さらにブロック206は、前記波長比較回路203とSYNC出現位置確認回路205の前記波長検出信号と前記SYNC出現位置確認回路の出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路である。また、ブロック207は、前記標本化クロックカウンタ部202のリセットタイミングがずれて、そのカウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき前記ピーク値を保持し、失敗ピーク値を出力する最長波長出力回路である。
【0114】
またブロック208は、図18で説明したように、前記失敗ピーク値よりも今回して検出したピーク値が大きいときは前記予測波長窓の幅(±α)を大きくし、小さいときは前記予測波長窓幅(±α)を必要以上に広げないような動的処理を行う予測波長窓パラーメータ可変回路である。
【0115】
さらにブロック209は、図17で説明したように、前記予測位置窓幅(±β)を可変する予測位置窓パラーメータ可変回路である。この予測位置窓パラーメータ可変回路209は、初期状態は予測位置窓幅を狭く設定し、カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替える動的動作を得る。
【0116】
なお上記の説明ではα、βを2値で変化する例を示したがこれに限らず、さらに細かいステップで、窓が狭く或いは広くなるように制御することも可能である。
【0117】
図22は、図19の回路をブロック化したが、図20、図21の回路も同様にブロック化することができる。
【0118】
上記したようにこの発明の装置によると、例えばハーフレートでサンプリングされた再生信号に対し、低レートでの周波数検出を可能とすることで、アップサンプリングなしで高精度の周波数を検出可能な周波数誤差検出器を得ることができる。
【0119】
標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合に、周波数検出範囲を向上させることができる。このとき、周波数が高い場合に与える影響に対しても考慮されている。周波数検出範囲は広いほどファームやその他の機能が介在することなく、周波数検出器を用いて自立して周波数制御ができるため、高速な引き込みが可能となる。特に頻繁にトラックジャンプが発生し、周波数が大きく変動する場合に有効である。
【0120】
ハーフレート等低レートでの標本化時に周波数検出可能範囲が向上する。これにより、高倍速化対応の容易性、消費電力削減、回路規模削減、設計容易性の向上(特にADC等アナログ回路)が期待できる。
【0121】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】この発明が適用される光ディスク再生装置のブロック構成例を示す図である。
【図2】HD DVDのデータフォーマットでありデータセグメントを示す説明図である。
【図3】周波数誤差検出器に入力する信号の例を示す図である。
【図4】この発明の前提となる周波数誤差検出器の構成例を示す図である。
【図5】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図6】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図7】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図8】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図9】周波数誤差検出器の機能において課題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図10】周波数誤差検出器の機能において問題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図11】周波数誤差検出器の機能において問題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図12】周波数誤差検出器の機能において課題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図13】周波数誤差検出器の機能において課題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図14】この発明に係る装置の動作例を説明するために示したフローチャートである。
【図15】この発明に係る装置の他の動作例を説明するために示したフローチャートである。
【図16】この発明に係る装置のさらに他の動作例を説明するために示したフローチャートである。
【図17】この発明に係る装置の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図18】この発明に係る装置の他の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図19】この発明に係る装置の構成例を示す図である。
【図20】この発明に係る装置の他の構成例を示す図である。
【図21】この発明に係る装置のさらに他の構成例を示す図である。
【図22】この発明に係る装置の上位のブロック構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
141・・・ピークホールド部、142・・・SYNC出現位置予測部、143・・・標本化クロックカウンタ、144・・・SYNC間隔保持部、145・・・セレクタ、146・・・SYNC出現位置確認部、147・・・セレクタ、150・・・波長比較部、151・・・アンド回路、152・・・SYNC候補検出フラグ出力部、153・・・SYNC連続数カウンタ、154・・・周波数誤差算出部、160・・・シーケンス制御部、165・・・SYNC検出失敗フラグ出力部、166・・・SYNC検出失敗時の最長波長出力部、201・・・ピークホールド回路、202・・・標本化クロックカウンタ回路、203・・・波長比較回路、204・・・予測位置測定用データ出力回路、205・・・SYNC出現位置確認回路、206・・・SYNC候補検出フラグ出力回路、207・・・最長波長出力回路、208・・・波長窓パラーメータ可変回路、209・・・予測位置窓パラーメータ可変回路。
【技術分野】
【0001】
この発明は、周波数誤差検出装置及び方法と情報処理装置に関するものであり、例えば高密度で記録された情報を再生する装置に適用して有効な発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクから読み出した再生信号をデジタル化する手法は、再生信号を比較器等でスライスして単純に2値化する手法が採られていた。しかし、近年では高密度で記録された情報を再生するために、再生信号をPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術を用いてデジタル化するようになった。
【0003】
PRML技術を用いて再生信号をデジタル化するには、光ディスクの再生信号に位相同期した標本化クロックを生成する必要がある。この標本化クロックは、光ディスクに情報を記録するときに用いられた基準クロック信号の周波数を有するクロック信号であって、この標本化クロックに同期して情報が復号される。したがって標本化クロックの周波数誤差を検出し、光ディスクの再生信号に位相同期するように、標本化クロックの周波数制御が行なわれる。
【0004】
従来は再生信号の周波数と再生回路が生成した標本化クロックの周波数との誤差を検出するために、再生信号のゼロクロス長を計測していた。この技術分野において周波数誤差を検出する技術として、例えばWO00/36602公報がある。この技術においては、同期信号の検出に関し、ゼロクロス長の最大値および最小値の比率からその特徴となるパターンを検出し、それと同期信号の時間間隔をカウンタで計測し、カウンタ値の変化情報を周波数誤差検出情報として利用している。しかし、このような技術をHD DVDのような高密度記録メディアに適用した場合、強い符号間干渉によってゼロクロス長を正しく計測することが困難である。そのため、例えば再生信号に含まれる同期信号としてのSYNCパターンを検出する場合、その特徴となるパターン(HD DVDでは13T:3T、Tは基準クロックの1チャネルビット長を示す)が正しく検出できなかったり、誤検出したりすることがあった。
【特許文献1】WO00/36602公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、周波数誤差検出の要素となるSYNCパターンの検出精度を上げて、結果的には周波数誤差検出を正確にし、かつ、装置の信頼性を向上し得る周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置及び方法と情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためにこの発明では、所定期間ごとに最長波長を含む所定の幅の同期(SYNC)パターンを持つ信号における同期パターン検出装置において、前記信号のピーク値付近の波長が予測される波長の範囲内(予測波長窓の幅内)に存在するか否かを判定する波長比較回路と、前記ピーク値から次のピーク値の検出間隔を表すカウントデータが、前記ピーク値から予測される前記SYNCパターンの出現間隔を予測した予測位置測定用データを用いて作成された範囲(予測位置窓の幅内)に存在するかどうかを判定するSYNC出現位置の確認回路と、前記波長比較回路の出力信号と前記SYNC出現位置確認回路の出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路と、前記ピーク値の検出時点から前記次のピーク検出時点までカウントしたカウント値が前記SYNCパターンの予測出現位置からずれているときに、前記次のピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力する最長波長出力回路と、前記失敗ピーク値よりもさらに今回の検出した現ピーク値が大きいときは少なくとも前記予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う波長窓パラーメータ可変回路と、を有する。なおこの明細書では、広い方向へ調整、動的処理という用語は、少しずつ窓を広げたり、狭めたりする意味をも含むものとしている。
【発明の効果】
【0007】
上記の手段によると、標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合に特に有効であり、同期パターンの検出精度を向上させ、周波数検出範囲を広げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。図1を参照してこの発明が適用されて有効な光ディスク再生装置を説明する。この光ディスク装置は、光ディスク10からの情報の読み取り再生信号を得る装置である。図2はHD DVDのデータフォーマットを示している。1データセグメントには、VFOフィールド(VFO field)、データフィールド(Data field)、ポストアンブルフィールド(Postamble field)、リザーブドフィールド(Reserved Field)、バッファフィールド(Buffer field)が含まれる。このうちデータフィールドには、フレーム毎に2バイトのSYNCコード(SYNCパターン)が一定の間隔ごとに含まれる。SYNCパターンは、識別するために13T(Tは基準クロックの1チャネルビット長を示す)をベースとして記録されている。
【0009】
ピックアップヘッド11は、光ディスク10に記録された情報に対応する信号を再生するもので、光ディスク10にレーザ光を照射するレーザ光源、光ディスク10から反射されたレーザ光を受光する受光器(図示せず)を備える。受光器から出力される再生信号は、再生増幅器12によって増幅されて再生高周波(RF)信号となり、さらに前置波形等化器13を経てアナログデジタル(A/D)変換器14へ導かれる。
【0010】
A/D変換器14は、入力された再生RF信号をアナログデジタル変換してデジタルRF信号(多値化RF信号)を出力する回路である。このデジタルRF信号は、略一定時間間隔で出力される多値のデジタル値である。
【0011】
A/D変換器14でのA/D変換は、VCO(電圧制御発振器)16から出力されるクロックによって制御される。即ち、A/D変換の周期(時間間隔)がVCO16の発振周波数に基づいて定まる。
【0012】
A/D変換器14の出力は、入力された再生RF信号のオフセット(ゼロレベル/スライスレベル)及び振幅を調整する一種の増幅器であるオフセット/ゲインコントロール部16に入力される。調整を受けた再生RF信号は次のアシンメトリ補正部17で非対称性を補正された信号となる。
【0013】
このアシンメトリ補正部17の出力は、適応等化器18に入力される。適応等化器17は、多値化RF信号をPR(Partial Response)波形に等化するフィルタである。適応等化器18はトランスバーサルフィルタ等からなり、波形等化器として機能し、再生歪みを修正すると共に、その出力である再生RF信号は、最尤復号器19へ入力される。
【0014】
最尤(Maximum Likelihood)復号器19はビタビ復号器等からなり、適応等化器18で等化されたデータを復号するよう構成されている。最尤復号器18の出力がデジタル復調データとして利用される。最尤復号器19の出力はまた適応等化器18ヘフィードバックされる。
【0015】
位相比較器21は、最尤復号器18から出力される多値化RF信号とVCO15からの出力信号(図示せず)との位相を比較し、位相差を出力する回路である。
【0016】
周波数誤差検出器20は、A/D変換器14、オフセット/ゲインコントロール部16、アシンメトリ補正部17を経由した多値化RF信号の周波数を検出(測定)し、この周波数とVCO15からの出力信号の周波数の差を表す周波数誤差信号を出力する回路である。又、周波数誤差検出器20は、出力する周波数誤差信号をループフィルタ22で使用するか否かを制御する制御信号も出力する。なお、周波数検出器21の内部構成の詳細は後述する。
【0017】
ループフィルタ22は、位相比較器21から出力される位相誤差、及び周波数誤差検出器20から出力される周波数誤差に基づいて、VCO15を制御する電圧を発生する回路である。
【0018】
VCO15は、ループフィルタ22から出力された制御電圧に対応する周波数で発振する発振回路であり、制御信号発生器として機能する。
【0019】
最尤復号器19は、適応等化信号を所定のPRクラスに基づいて、例えばクラスPR(3443)に基づいて最尤復号しバイナリデータを得る。この復号データは、同期復調部に入力される。記録データ列はフレームと呼ばれる1116bit毎のデータとして記録されるが、各フレームの開始位置を表す24bitのバイナリデータ列(SYNCパターン)を検出し、後段の復調処理のための12bit毎の同期信号を生成している。また同期復調器では、12bit毎のバイナリデータを、予め定めた規則に従い8bitの再生データへ復調処理を行う。またこの際、理想レベルと適応等化信号との誤差量を等化誤差信号としてオフセット制御部、振幅制御部、アシンメトリ制御部、および適応等化器18の各ブロックに送る。
【0020】
以下の説明のため基本的な流れを説明する。まず、波長計測に関して、例えば、図3のように信号31の波長をマーク/スペースごとに計測することができる。次世代DVDは超高密度記録のため、相対的に短いT長の再生RF信号のDCレベルは、前後のマーク/スペースのパターン(T長)に強く影響される。このため、単に平均DCレベル近傍の信号レベルの交叉を検出するだけでは、1つのマーク/スペース区間を正しく検出できない。
【0021】
PRML技術は、信号が前の信号の干渉を受けて歪むということを逆に利用し、相関性を持った干渉を意図的に付加していくことを行っている。
【0022】
このとき閾値TH_HおよびTH_Lを超えない信号波形の波長は、SYNCパターンに含まれる最長波長ではないため、計測を行わないものとする。このように波長を計測することで、ゼロクロスしない及び閾値を超えない信号を誤って検出した理由による、波長計測ミスを軽減することができる。波長計測は、正しくSYNCパターンの最長波長が計測でき、かつ、SYNCパターンよりも長い波長が計測されない手法であれば良い。SYNCパターン(シンクパターン、同期信号波形)を検出して、入力信号の周波数と標本化クロックの周波数との周波数誤差を算出し、A/D変換器14でのA/D変換の時間間隔を制御することが行なわれる。
【0023】
<周波数検出器>
次に、本発明の前提となる実施形態である符号間干渉の影響を回避することができる周波数誤差検出器の構成の一例と機能を図4、図5を用いて説明する。また波長計測後の動作を図6、図7及び図8を用いて説明する。
【0024】
装置内にある制御部47は各部の動作を司る制御を行う。シーケンス制御部47内においてCPUは、ROMに収められているフローに対応する実行プログラムをフェッチし、RAMをワーク領域として実行し、インタフェースを通じて各部をシーケンス制御する。
【0025】
図4において、初期設定される閾値等の値は、シーケンス制御部60内の書換え可能タイプのデバイス(たとえば不揮発性メモリ)に装置製造時等に格納される。装置動作時のユーザからの設定は、シーケンス制御部60を介して周波数誤差検出器に設定値が与えられる。
【0026】
ピークホールド部41には、図3に示すような信号が入力される。また波長上限値B,波長下限値Aが与えられている。図5に示されている上限値Bを超えた波長、および下限値Aに到達していない波長はSYNCパターン候補の対象外とするためである。つまり、下限値Aを設定することで高周波数成分をSYNCパターンとして誤検出する確率を下げることができる。同様に、上限値Bを設定することで、符号間干渉、ディフェクト等の影響によって誤って計測されたSYNCパターンに含まれる最長波長よりも長い波長による影響を軽減することができる。
【0027】
上記ピークホールド部41でホールドされたピーク値は、SYNC出現位置予測回路42に与えられ、またピーク値を検出したときの検出タイミング信号は、標本化クロックカウンタ43のリセット端に与えられる。これにより標本化クロックカウンタ43は、ピーク値が検出される度にリセットされる、またSYNCパターン候補が検出される度にリセットされる。SYNCパターン候補検出パルスは、後述するAND素子51から出力されている。これにより標本化クロックカウンタ43は、SYNCパターンの出現間隔を計測するためのカウンタとして機能する。標本化クロックカウンタ43のカウント出力は、SYNC間隔保持回路44にも入力される。SYNCパターンの出現間隔は、ディスクごとに規定された出現間隔(HD DVDでは1116チャネルビット)に基づいて予測することができる。またSYNCパターンの出現間隔は、ピークホールドにより計測された波長とディスクごとに規定された最長波長(HD DVDでは13T)との比率で予測することもできる。
【0028】
SYNC間隔保持回路44は、標本化クロックカウンタ43のカウント値を、SYNCパターン候補検出パルスがAND素子51から出力されたときにラッチすることで、SYNCパターンの間隔を測定している。
【0029】
SYNC出現位置予測回路42は、検出したピーク値から次のピーク値までの時間情報をカウント値(或いは予測値)として出力する。また、SYNC間隔保持回路44もピーク値検出時から次のピーク値検出時の時間間隔をクロックカウント値として出力する。
【0030】
セレクタ45は、SYNC出現位置予測回路42、SYNC間隔保持回路44のいずれか一方の出力を選択して、データPDTとして出力する。このデータPDTは、SYNC出現位置確認部46に入力される。
【0031】
SYNC出現位置確認部46は、標本化クロックカウンタ43からのカウント値(Count)を取り込み、(PDT−β)<Count<(PDT+β)を計算する。βは、SYNC出現位置の窓幅を設定するための値である。セレクタ47を介して、β1またはβ2(<β1)が選択されて入力される。
【0032】
セレクタ45は、再生装置のスタート時、特殊再生が行なわれたとき、また通常再生時には一定の時間間隔で、一定期間SYNC出現位置予測回路42の出力を選択する。このときは窓幅を大きくするβ1が選択されて使用される。
【0033】
SYNC出現位置確認部46は、(PDT−β)<Count<(PDT+β)であるときに、予測位置窓確認信号を出力する。
【0034】
一方、50は波長比較部であり、計測された波長が任意の予測波長窓幅αの範囲に収まるものをSYNCパターンかどうか判定するためのブロックである。波長比較部50は、ピークホールド部41から得られるピーク値(Peak)に対して、信号(TLEN)が(Peak-α)<TLEN<(Peak+α)にあるかどうかを検出している。この範囲にあるときには、SYNCパターンの波長であるものと判定する。
【0035】
AND素子51は、SYNC出現位置の確認部46および波長比較部50の判定結果の論理積により、SYNCパターン候補検出パルスを出力する。このSYNCパターン候補検出パルスは、先にも述べたように標本化クロックカウンタ43、SYNC間隔保持回路44の他に、SYNC候補検出フラグ出力部52、SYNC連続数カウンタ53にも入力される。SYNC候補検出フラグ出力部52は、SYNC候補が検出されている場合に先のセレクタ45、47を制御し、窓幅を動的に変更する。
【0036】
SYNC連続数カウンタ53は、SYNCパターン候補検出パルスをカウントし、与えられている値Nをカウント数が超えたときに、周波数誤差検出指示信号を出力する。この周波数誤差検出信号に応答して、周波数誤差算出部54は、標本化クロックカウンタ43のカウンタ値の繰り返しから、SYNCパターンの間隔を判定し、予め設定されている参照用SYNCパターンの間隔と比較し、周波数誤差情報を出力する。
【0037】
図5には、上記した波長下限値A,波長上限値B、予測波長窓を得る±α、予測位置窓を得る±βを示している。周波数誤差は、SYNCパターン候補検出パルスが連続して検出された場合に、その間隔を用いて算出される。
【0038】
図6にはSYNCパターン候補を検出するまでのSYNC予測位置、SYNC予測波長窓およびSYNC予測位置窓の変遷の様子を示している。まず波長(6a-1)よりも長い波長(6b-1)が検出されると、SYNC予測位置が更新される((6a-2)から(6b-2)に更新される)。SYNC予測位置窓の展開位置もそれに合わせてずれる((6a-3)から(6b-3)に更新される)。その後、波長(6b-1)よりも短い波長は無視され、それよりも長い波長(6c-1)が計測されると同様に更新が行われる。このような手順を繰り返し、波長(6c-1)が最長波長だった場合、波長(6c-1)による予測波長窓および予測位置窓の範囲内で波長(6d-1)が計測されると、これらをSYNCパターン候補とみなすこととする。
【0039】
その後標本化クロック計測カウンタ43をリセットし、これまでの手順を繰り返し、次のSYNCパターンを検出する。ただし、予測位置は保存されているSYNCパターンの間隔に切り換え、予測波長窓の幅もSYNCパターン候補を検出する前よりも短い期間に短縮したものに切り換える(図5中のβ2)。これにより、SYNCパターンの波長以外の信号(ノイズ)などの波長の影響により、SYNCパターンを誤検出する確率を低減することができる。
【0040】
なお、SYNCパターン候補が検出された後も、ピークホールドを常時行い続ける場合、符号間干渉やディフェクト等の影響により、SYNCパターンに含まれる最長波長よりも長い波長が検出されると、その波長を誤ってSYNCパターンであると誤検出する可能性が高まる。
【0041】
これを防ぐために、1組のSYNCパターンが含まれる期間を別途計測し、その期間以降はピークホールド処理を停止する機能を有する。これにより、検出されたSYNCパターン候補は本当のSYNCパターンである確率が高まり、上記のような誤検出の可能性を低減できる。
【0042】
図7にその動作例のタイミングチャートで示す。誤ったSYNCパターン候補(7a-1)、(7b-1)が検出された場合、まだSYNCパターンの検出状態が変位する可能性があるため、ピークホールド処理を継続する。すると連続性を確認する段階でSYNCパターンの最長波長(7c-1)が検出されるため、再度SYNCパターン候補の検出処理を行う。
【0043】
その後、波長(7d-1)が検出され、SYNCパターン候補が再度検出さる。波長(7c-1)からSYNCパターンの波長(7d-1)が検出されるまでの十分な期間、波長計測が行われると、ピークホールド処理を停止する。これにより、SYNCパターンよりも長い波長の波長(7e-1)が計測されたとしても、SYNC検出動作に影響しなくなり、SYNCパターンの波長(7f-1)を検出することができる。
【0044】
1組のSYNCパターンが含まれる期間を計測する手段としては、例えば、計測した波長の数を一定数計測する手段が挙げられる。
【0045】
このような処理を繰り返し、SYNCパターン候補とした波長が任意の回数以上連続で検出した場合に、これらをSYNCパターンとし、周波数誤差検信号、周波数誤差信号を得る。
【0046】
周波数誤差は計測されたSYNCパターンの間隔および、ディスクごとに規定されたSYNCパターンの間隔の差分を用いて算出することができる。
【0047】
上記の周波数検出方法に対して、さらに本発明は標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合の周波数検出性能を一層向上させるものである。
【0048】
まず、標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合においてのSYNCパターン検出における課題を説明する。チャネルレートと標本化クロックの周波数及び位相の関係は、再生速度が変化したり、トラックジャンプが発生したりすると大きく変化する。したがって、このような変動があっても、同期パターンを正確に検出する装置が要求される。
【0049】
図8は標本化クロックがチャネルレートよりも低い場合の図4の周波数検出器の動作例を表している。標本化クロックがチャネルレートよりも低い場合、計測される波長はサンプル数が少なくなるため全体的に短い波長が計測される。そのため、図8のようにSYNCパターンの最長波長(8a-1)、(8b-1)とその他の波長との差分がつき難くなる。
【0050】
このようなことから、図9の波長(9a-1)、波長(9c-1)がSYNCパターンの最長波長を示しているとすると、波長(9b-1)のように最長波長に似通った波長が予測位置窓期間中に計測される可能性がある。しかもこの波長(9b-1)が最長波長の前に計測された場合は誤検出状態となるため、SYNCパターンの検出率が低下する要因となる。
【0051】
そこで、波長(9b-1)のような不要な波長が予測位置窓内で計測されないように、可能な限り予測窓位置幅を狭めることは検出率向上に有効な手段である。しかし、HD DVDのように符号間干渉があるディスクでは高精度な波長計測は困難であるため、SYNCパターンの出現位置の予測精度を向上させることも難しい。
【0052】
図10は予測位置窓の窓幅を狭めた場合にSYNCパターンが検出できなかった例を示している。波長(10a-1)、(10b-1)はSYNCパターンの最長波長を示しているが、波長(10a-1)のように本来の波長よりも長い波長として計測した場合、予測位置は本来の出現時間よりも後(遅れた時間)に予測される。長い波長(10a-1)が次のSYNCパターン検出予測位置の時間計算値に影響を与えるからである。
【0053】
その予測位置に対して窓幅を狭めた予測位置窓を展開すると、本来のSYNCパターンが存在する波長(10b-1)を検出することができない。同様のことは本来の波長よりも短く計測した場合にも起こりえる。この場合は、予測位置は本来の出現時間よりも前(進んだ時間)に予測されることになる。
【0054】
したがって、予測波長窓についてもSYNCパターンとその他の波長を峻別することに課題がある。
【0055】
図11は予測波長窓の窓幅が広い場合の様子を表している。このように予測波長窓の窓幅が広い場合、SYNCパターンの最長波長(11a-1)、(11b-1)、(11c-1)、(11d-1)、(11e-1)とその他の波長を区別し難くなる結果となる。この場合も、予測位置窓と同様で窓幅を狭めることは検出率向上に効果があるが、ここでも波長計測精度によってSYNCパターンが検出できないことがある。
【0056】
そのような例を示したのが図12である。SYNCパターンの最長波長(12a-1)、(12c-1)、(12e-1)に対し、波長(12b-1)、(12d-1)は波長が短く計測されており、これが予測波長窓内にないため、連続してSYNCパターンを検出できなくなっている。このようなことから、標本化クロックがチャネルレートより低い場合は、2つの窓幅を計測された波長にバラツキがあるSYNCパターンが検出できる範囲で可能な限り狭くすることが望ましい。
【0057】
ここで、チャネルレートの変動、標本化周波数の変動により計測される波長のバラツキは一定でなく、この要因が最適な窓幅の決定を困難にしている要素の一つであることを付け加えておく。
【0058】
本発明における実施の形態の特徴は、SYNCパターンの検出状況、計測された波長の情報を基に、2つの窓幅を動的に切り換えることによって、そのときのチャネルレート、標本化周波数に適した窓幅に動的に変更しSYNCパターン検出率の向上を図る。
【0059】
図14は、本発明の実施の形態の特徴を有した装置の動作例を示すフローチャートである。まず、一定のチャネルレートで再生された光ディスクの再生信号に対し、標本化クロックを用いて標本化されたデータを元に波長が計測される。その計測された波長の中から最長波長を検出し、それを元に次に出現する最長波長の位置を予測する(ステップ14S1、14S2)。このとき展開する2つの窓(予測波長窓、予測位置窓)に関して、窓幅はどちらも狭い状態を初期状態とする。
【0060】
そのような条件で2つの窓期間内、SYNCパターンの候補を検出する。このとき、図10、図12のような状況が発生し、SYNCパターンの候補がある一定期間内に検出できない場合、窓幅を変更するような働きとなる。例えば、SYNCパターンが検出されると予測される時間の整数倍の時間内に所定数のSYNCパターンが検出できない場合に、窓幅を変更するような働きとなる。
【0061】
予測位置窓に関しては、図10のような状況から窓の期間内にSYNCパターンが検出されていない可能性があることから基本的には窓幅を拡大する。また予測波長窓に関しては、この時の最長波長を元に波長窓を決定する。具体的には、例えば以下のような方法がある。
【0062】
<予測波長窓の窓幅を変更する条件>
検出に失敗した時の最長波長 ≦ 現在計測された最長波長
のときは予測波長窓幅を広げる
検出に失敗した時の最長波長 > 現在計測された最長波長
のときは予測波長窓幅を変更しない(ステップ14S3)。
【0063】
失敗したか否かの判定は、たとえば標本化クロックカウンタがSYNCパターン周期でリセットされているかどうかを監視することで判定可能であり、このときは検出失敗フラグが発生する。
【0064】
このように、検出に失敗した場合の波長を使用している理由は、これまでに説明したとおり、むやみに窓幅を広げた場合、図11のような状況に陥り、かえってSYNC検出率が悪化する可能性があるためである。
【0065】
本来の波長より短い波長として計測された波長に合わせて窓幅を広げてしまうと、11Tなどの最長波長に近いSYNCパターン以外の波長が窓内で計測される確率が高まる。そこで、長いSYNCパターンの波長では窓幅を広げ(14S4)、短い波長では窓幅を変更しないこととし、最適な窓幅にする。
【0066】
しかも、この方法では、ディフェクト、信号品位の劣化等によりSYNCパターンよりも長い波長が検出されて検出が失敗してしまった場合、また、本来のSYNCパターンの最長波長よりも長く計測してしまった場合、必要としている区間で窓幅が広がることが無い。反対に本来のSYNCパターンより短く計測された場合において検出失敗した場合、本来のSYNCパターンの最長波長が計測されればこちらに更新されるため、自動的に最適な窓幅に近づく特徴を有している。
【0067】
さらに、予測波長窓を広げた後、検出失敗フラグが発生しているかどうかを判定し(ステップ14S5)、検出失敗フラグが発生しているときは次に、予測位置窓を広げる(ステップ14S6)。検出失敗フラグが消滅しているときは、検出窓内で最長波長を検出する(ステップ14S7)。
【0068】
ステップ14S7で最長波長を検出できなかった場合には、検出失敗時の最長波長値を更新し、検出失敗フラグを発生させて、ステップ14S2に戻る。ステップ14S7で最長波長を検出できた場合は、検出失敗フラグを消滅させて(ステップ14S9)、予測位置窓の窓幅を狭くし、予測波長窓の窓幅を広げる(ステップ14S10)。
【0069】
次に、保持している検出波長よりも長い新しい波長を検出したかどうかを判定する(ステップ14S11)。保持している検出波長よりも長い新しい波長を検出した場合は、窓幅を変更する。即ち、予測位置窓の窓幅を初期状態に戻し、予測波長窓の幅を初期状態に戻し、ステップ14S2に戻る(ステップ12S12)。
【0070】
ステップ14S11で、保持している検出波長よりも長い新しい波長を検出しない場合は、検出窓内で最長波長を連続して検出したかどうか判定する。この判定は、SYNC連続数カウンタにより、SYNCパターン候補検出パルスをカウントすることにより可能である。SYNCパターン候補検出パルスを一定回数連続でカウントできなかった場合は、ステップ14S8に戻る。SYNCパターン候補検出パルスを一定回数連続でカウントできた場合は、ステップ14S14にて、周波数誤差検出を行なう。
【0071】
上記した動作において、2つの窓幅を変更する処理に移行するタイミングであるが、各種の実施形態が可能である。つまり、複数回SYNCパターン検出が失敗したタイミングでも良く、どちらか一方の窓幅のみ段階的に変更しても構わない。また、窓幅の変更も複数回に分けて行っても良いものとする。例えば、SYNCパターン検出に失敗する度に段階的に窓幅を広げる手法でも良い。また、予測波長窓の窓幅を変更する条件についても上記特徴を逸しない範囲内で可変可能であるとする。
【0072】
2つの窓幅内でSYNCパターン候補が検出された場合、前提案発明と同様に2つの窓幅に変更を加える。予測位置窓に関しては、14-S3でSYNCパターン候補の間隔を得ることができているため、出現位置の予測精度が大幅上がっているため窓幅を大幅に縮小する。逆に、予測波長窓に関しては、予測位置窓内で計測された波長がSYNCパターン以外である可能性は大幅に低減されているため、SYNCパターン候補の波長に対して予測できる範囲内で広げることが出来る。
【0073】
上記したようにステップ14S11ではステップ14S7で検出された波長が最長波長であったかどうかを確認しており、もしステップ14S7で検出された波長が最長波長でなければ窓幅を初期状態に戻し(ステップ14S12)検出された最長波長に対しSYNCパターン候補の絞込みを再度行っている。
【0074】
その後窓幅を変更した2つの窓幅区間でSYNCパターン候補の連続性を確認する(ステップ14S13)。ここでSYNCパターン候補と同等の波長が一定回数検出できなければ、それらはSYNCパターンではない可能性があるため、検出失敗とみなしステップ14S8での処理へと移る。誤検出する頻度が高い場合にはむやみに窓幅を広げず、初期設定から再度検出を開始する方法をとっても構わない。
【0075】
一定回数SYNCパターンが連続で検出できた場合、計測されたSYNCパターンの間隔から周波数誤差を算出し周波数制御を行う(ステップ14S14)。
【0076】
なお、SYNCパターンの連続数の設定であるが、SYNCパターン候補の波長に合わせて自動的に変更できる機能と有するものとする。これは、上述の通り標本化周波数がサンプリングレートに対して低い場合SYNCパターンを特定することが困難となるため、誤検出する可能性を低減させるため連続回数を増やすためである。このような方法であれば、標本化周波数が十分高い場合検出の信頼性が上がるため、連続数による制限を低くし周波数制御をすばやく行うことができる。同様に、窓幅の制御についても標本化周波数とサンプリングレートの関係に合わせて変更した方が良い。これは図13のように十分標本化周波数が高い場合、予測波長窓が狭いとSYNCパターンが見つかり難くなり、予測波長窓を広げるために余計な時間を費やしてしまうためである。これは予測位置窓についても同様のことが言える。具体的には、計測された最長波長が一定値以上であれば、前提案発明と同様の振る舞いとなるようにするなどが挙げられる。
【0077】
この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、図15、図16に示すような実施形態でもよい。
【0078】
図15の実施形態において、図14と同一ステップには同一の符号を付している。図14の実施形態と異なる部分は、ステップ14S3とステップ14S7の間である。この実施形態の場合、
検出に失敗した時の最長波長 ≦ 現在計測された最長波長
のときは、次に、検出失敗フラグが発生しているか否かを判定(ステップ15S1)する。検出失敗フラグが発生している場合は、予測位置窓の窓幅を広げ、また予測波長窓の窓幅も広げて(ステップ15S2)、ステップ14S7に移行する。ステップ14S3において、(検出に失敗した時の最長波長 > 現在計測された最長波長)が判定された場合、及びステップ15S1において、検出失敗フラグが発生していない場合は、ステップ14S7に移行する。
【0079】
図16の実施形態において、図14と同一ステップには同一の符号を付している。図14の実施形態と異なる部分は、ステップ14S3、14S5,14S6からステップ14S7に移行する系路である。この実施形態の場合、任意の閾値よりも現在の最長波長が大きいか否かを判定している。現在の最長波長が大きい場合は、予測位置窓の窓幅を広げ、また予測波長窓の窓幅も広げて(ステップ15S2)、ステップ14S7に移行する。これによりSYNCパターンの検出を容易にしている。
【0080】
図17は、本発明の装置における予測位置窓が変化する様子をイメージ的に示し、動作例を説明するための図である。
【0081】
まず、SYNCパターンの最長波長(17a-1)に基づいて、次のSYNCパターンが出現する位置を予測し、予測位置付近に予測位置窓(17a-3)を展開する。このとき、予測地点のずれ、及び予測位置窓の区間(±β2)で最長波長(17b-1)が計測できないためSYNCパターン候補の検出に失敗する。ここで、検出失敗フラグが発生する(図14のステップ14S2)。すると予測位置窓の幅を失敗した場合、最長波長が検出失敗したときの最長波長よりも長ければの窓(17a-3)から±β1へ広げた窓(17b-3)に変更する。そうすると、再度検出した最長波長(17c-1)に対し、次にSYNCパターンが出現する位置を予測し、窓幅が広がったことから最長波長(17d-1)を検出することができ、これらをSYNCパターン候補とすることができる。
【0082】
そして、図14のステップ14S7−14S9−14S10で説明したように、窓幅を(±β3)狭めた窓(17c-3)にし、SYNCパターン連続性を確認するステップ14S13の処理へと移る。
【0083】
図18は、本発明の装置における予測波長窓が変化する様子をイメージ的に示し、動作例を説明するための図である。
【0084】
SYNCパターンの最長波長(18a-1)から次のSYNCパターンが出現する位置を予測し、付近に予測位置窓(18a-2)を展開する。そして予測位置窓(18a-2)内において予測波長窓区間の波長(18b-1)を計測する。しかし、最長波長(18b-1)は最長波長(18a-1)と比べて短く計測されてしまったため、予測波長窓の窓幅(±α1)が狭いため検出に失敗する。
【0085】
このとき、検出に失敗した最長波長(18a-1)の波長を保持し、再度計測を再開する。その後、最長波長(18c-1)を計測した場合、失敗した最長波長(18a-1)と比較し、同等であることから、予測波長窓を(±α2)に広くする。そうすることで、最長波長(18c-1)よりも短い最長波長(18d-1)を検出することができ、その後の処理へと移ることができる。
【0086】
なお、最長波長(18c-1)が最長波長(18a-1)よりも短い場合、予測波長窓の窓幅は変化しない(±α1)。これは、最長波長(18b-1)や最長波長(18d-1)のような本来の波長よりも短く計測された波長に対し窓幅を広げると、HD DVDの11Tなど通常データとの見分けがつき難くなるためである。しかし、最長波長(18a-1)が特別長く計測されただけであり、その他は最長波長(18a-1)よりも短い場合には狭い窓幅で検出を続け、それでも検出失敗した場合は、そのときの最長波長に対して同様の処理が行われるため、失敗した波長が更新されていき、自動的に最適な状態となる。
【0087】
図19は、図14、図17、図18にて説明した動作フロー及び信号処理を実現するための構成例を示す。
【0088】
図19において、初期設定される閾値等の値は、シーケンス制御部160内の書換え可能タイプのデバイス(たとえば不揮発性メモリ)に装置製造時等に格納される。装置動作時のユーザからの設定は、シーケンス制御部160を介して周波数誤差検出器に設定値が与えられる。
【0089】
ピークホールド部141には、図3に示すような信号が入力される。また波長上限値B,波長下限値Aが与えられている。上限値Bを超えた波長、および下限値Aに到達していない波長はSYNCパターン候補の対象外とするためである。下限値Aを設定することで高周波数成分をSYNCパターンとして誤検出する確率を下げることができる。同様に、上限値Bを設定することで、符号間干渉、ディフェクト等の影響によって誤って計測されたSYNCパターンに含まれる最長波長よりも長い波長による影響を軽減することができる。
【0090】
ピークホールド部141でホールドされたピーク値は、SYNC出現位置予測部142に与えられ、またピーク値を検出したときの検出タイミング信号は、標本化クロックカウンタ43のリセット端に、OR素子161を介して与えられる。これにより標本化クロックカウンタ143は、ピーク値が検出される度にリセットされる、またSYNCパターン候補が検出される度にリセットされる。SYNCパターン候補検出パルスは、後述するアンド回路151から出力されている。
【0091】
これにより標本化クロックカウンタ143は、SYNCパターンの出現間隔を計測するためのカウンタとして機能する。標本化クロックカウンタ143のカウント出力は、SYNC間隔保持部144にも入力される。SYNCパターンの出現間隔は、ディスクごとに規定された出現間隔(HD DVDでは1116チャネルビット)に基づいて予測することができる。またSYNCパターンの出現間隔は、ピークホールドにより計測された波長とディスクごとに規定された最長波長との比率で予測することもできる。
【0092】
SYNC間隔保持部144は、標本化クロックカウンタ143のカウント値を、SYNCパターン候補検出パルスがAND素子151から出力されたときにラッチすることで、SYNCパターンの間隔を測定している。
【0093】
上記のSYNC出現位置予測部142は、検出したピーク値から次のピーク値までの時間情報をカウント値(或いは予測値)として出力する。また、SYNC間隔保持部144もピーク値検出時から次のピーク値検出時の時間間隔をクロックカウント値として出力する。
【0094】
セレクタ145は、SYNC出現位置予測部142、SYNC間隔保持部144のいずれか一方の出力を選択して、データPDTとして出力する。このデータPDTは、SYNC出現位置確認部146に入力される。
【0095】
SYNC出現位置確認部146は、標本化クロックカウンタ143からのカウント値(Count)を取り込、(PDT−β)<Count<(PDT+β)を計算する。βは、SYNC出現位置の窓幅を設定するための値であり、図17、図18で示したパラーメータである。セレクタ147を介して、β1またはβ2(<β1)またはβ3(<β2)が選択されて入力される。
【0096】
セレクタ145は、SYNCパターンの候補が検出されていない場合、SYNC出現位置予測部142の出力を選択する。
【0097】
セレクタ147は、β1またはβ2またはβ3のいずれかを出力する。セレクタ147の一方入力端にはβ3が入力されるが、他方の入力端にはβ1またはβ2のいずれかが入力される。β1とβ2は、セレクタ162により選択的に取り込まれてくる。セレクタ162は、AND素子163により制御されており、このAND素子163には、SYNC検出失敗フラグ出力部165からのSYNC検出失敗フラグ(Failure_FLAG)と、判定回路164からの判定出力が与えられている。判定回路164は、先に説明した
検出に失敗した時の最長波長(Failure_Peak) ≦ 現在計測された最長波長(Peak)
を判定するものであり、現在計測された最長波長(Peak)が小さいときは、例えば”1”を出力し、現在計測された最長波長が大きいときは、”0”を出力する。現在計測された最長波長(Peak)が小さく、かつSYNC検出失敗フラグ(Failure_FLAG)が発生しているときは、AND素子163の出力は、”1”となり、β1を選択する。また、SYNC候補検出フラグ出力部152からのSYNC候補検出フラグが存在しないときは、セレクタ147は、セレクタ162の出力を選択する。またこのときセレクタ145はSYNC出現位置予測部142の出力を選択する。このときは、図17で説明したように、β1によるSYNCパターンの波長検出が行なわれる。
【0098】
SYNC候補検出フラグ出力部152からのSYNC候補検出フラグが存在するようになると、セレクタ147はβ3を選択し、セレクタ145はSYNC間隔保持部144の出力を選択するようになる。
【0099】
セレクタ145、147の出力、および標本化クロックカウンタ143の出力が入力されるSYNC出現位置確認部146は、(PDT−β)<Count<(PDT+β)であるときに、SYNCパターン出現位置確認信号を出力する。
【0100】
一方、150は波長比較部であり、計測された波長が任意の予測波長窓幅αの範囲に収まるものをSYNCパターンかどうか判定するためのブロックである。波長比較部50は、ピークホールド部141から得られるピーク値(Peak)に対して、信号(TLEN)が(Peak-α)<TLEN<(Peak+α)にあるかどうかを検出している。この範囲にあるときには、SYNCパターンの波長であるものと判定する。つまり波長がαの範囲に収まるものをSYNCパターンとする。このために、予測波長窓の幅を決めるαが波長比較部150に入力されている。ここで、αは、セレクタ171により、α1又はα2(>α1)(図18参照)が選択的に入力される。α1とα2の切り替えは、図14及び図18で説明したように、波長の予測波長窓を広げる条件のときα1からα2に切り替えられる。この切替え条件を判断する回路がOR素子172である。
【0101】
OR素子172は、現在計測された最長波長が大きいとき、かつSYNC候補検出パルが得られていないときは、”0”を出力し、このときセレクタ171は、α2を選択して出力する。これにより図18で説明したようにα1からα2への切り替えが行なわれる。
【0102】
波長比較部150は、ピークホールド部141から得られるピーク値(Peak)に対して、±αの処理を行い、信号(TLEN)が(Peak-α)<TLEN<(Peak+α)にあるかどうかを検出している。この範囲にあるときには、SYNCパターンの波長であるものと判定する。
【0103】
AND素子151は、SYNC出現位置の確認部146および波長比較部150の判定結果の論理積により、SYNCパターン候補検出パルスを出力する。このSYNCパターン候補検出パルスは、さきにも述べたように標本化クロックカウンタ143、SYNC間隔保持部144の他に、SYNC候補検出フラグ出力部152、SYNC連続数カウンタ153にも入力される。
【0104】
SYNC候補検出フラグ出力部152は、先のセレクタ145、147を制御する。例えばセレクタの選択状態をSYNC出現位置予測部142の出力選択状態から、SYNC間隔保持部144の出力選択状態に切替え、またセレクタ147の選択状態をβ3の選択状態に切替える。
【0105】
SYNC連続数カウンタ153は、SYNCパターン候補検出パルスをカウントし、与えられている値Nをカウント数が超えたときに、周波数誤差検出指示信号を出力する。この周波数誤差検出指示信号に応答して、周波数誤差算出部154は、標本化クロックカウンタ43のカウンタ値の繰り返しから、SYNCパターンの間隔を判定し、予め設定されている参照用SYNCパターンの間隔と比較し、周波数誤差情報を出力する。
【0106】
判定回路180は、SYNC出現位置を予測したカウント値PDTとβをプラスした値(PDT+β)に、標本化クロックカウンタ143の現実のカウント値(PRD)が到達したかどうかを判定している。(PRD)=(PDT+β)であれば、SYNCパターン波長検出に失敗したことであり、その判定回路180の出力は、SYNC検出失敗フラグ出力部165に与えられる。SYNCパターン波長検出の失敗時には、SYNC検出失敗フラグ出力部165から検出失敗フラグ(Failure_FLAG)が出力される。また判定回路180の出力は、SYNC検出失敗時の最長波長出力部166のイネーブル端子に供給される。SYNCパターン波長検出の失敗時には最長波長出力部166からは、SYNC検出失敗時の最長波長(Failure_Peak)が出力される。
【0107】
この発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。
【0108】
図20及び図21にはこの発明の特に周波数検出器の他の実施形態を示している。図19のブロックと同一部分には図19のブロックの符号と同一符号を付している。
【0109】
図19と図20で異なる部分は、図19では判定回路164の出力がオア回路172に入力された。しかし図20ではアンド回路163の出力が、オア回路172に入力されている点である。図20は、図15に示したステップ15S1,15S2の動作を実現することができる。
【0110】
図20と図21で異なる部分は、図20では判定回路164の出力が、直接、SYNC検出失敗時の最長波長出力部166のイネーブル端子に直接供給された。しかし、図21の回路では、SYNC検出失敗時の最長波長出力部166のイネーブル端子には、判定回路164の出力とSYNC連続数カウンタ153からの周波数誤差検出指示信号の論理オア出力がオア回路172を介して入力されている。これは失敗時の波長だけでなく、成功時の波長も保持することができるようにするためである。
【0111】
図22は上記した装置をわかりやすくするために更にブロック化してまとめた構成図である。
【0112】
ブロック201は、再生信号の複数のサンプリング値を用いてピーク値をホールドするピークホールド回路である。ブロック202は、ピークホールド回路201のピーク検出タイミングでリセットされ、クロックを計数する標本化クロックカウンタ回路である。またブロック203は、前記ピーク値とこれに加算する任意の予測波長窓幅(±α)を用いて、予測波長の窓幅を設定し、前記サンプリング値が前記予測波長窓内のとき波長検出信号を出力する波長比較回路である。ブロック204は、前記ピーク値から予測される波長と一定の関係にあるSYNCパターンの出現タイミングを予測した予測位置測定用データ(PDT)を出力する予測位置測定用データ出力回路である。ブロック205は、前記予測位置測定用データ(PDT)、及び予測位置窓の窓幅(±β)を用いて、前記SYNCパターンの出現タイミングを確認するSYNC出現位置確認回路である。
【0113】
さらにブロック206は、前記波長比較回路203とSYNC出現位置確認回路205の前記波長検出信号と前記SYNC出現位置確認回路の出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路である。また、ブロック207は、前記標本化クロックカウンタ部202のリセットタイミングがずれて、そのカウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき前記ピーク値を保持し、失敗ピーク値を出力する最長波長出力回路である。
【0114】
またブロック208は、図18で説明したように、前記失敗ピーク値よりも今回して検出したピーク値が大きいときは前記予測波長窓の幅(±α)を大きくし、小さいときは前記予測波長窓幅(±α)を必要以上に広げないような動的処理を行う予測波長窓パラーメータ可変回路である。
【0115】
さらにブロック209は、図17で説明したように、前記予測位置窓幅(±β)を可変する予測位置窓パラーメータ可変回路である。この予測位置窓パラーメータ可変回路209は、初期状態は予測位置窓幅を狭く設定し、カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替える動的動作を得る。
【0116】
なお上記の説明ではα、βを2値で変化する例を示したがこれに限らず、さらに細かいステップで、窓が狭く或いは広くなるように制御することも可能である。
【0117】
図22は、図19の回路をブロック化したが、図20、図21の回路も同様にブロック化することができる。
【0118】
上記したようにこの発明の装置によると、例えばハーフレートでサンプリングされた再生信号に対し、低レートでの周波数検出を可能とすることで、アップサンプリングなしで高精度の周波数を検出可能な周波数誤差検出器を得ることができる。
【0119】
標本化クロックがチャネルレートに対して低い場合に、周波数検出範囲を向上させることができる。このとき、周波数が高い場合に与える影響に対しても考慮されている。周波数検出範囲は広いほどファームやその他の機能が介在することなく、周波数検出器を用いて自立して周波数制御ができるため、高速な引き込みが可能となる。特に頻繁にトラックジャンプが発生し、周波数が大きく変動する場合に有効である。
【0120】
ハーフレート等低レートでの標本化時に周波数検出可能範囲が向上する。これにより、高倍速化対応の容易性、消費電力削減、回路規模削減、設計容易性の向上(特にADC等アナログ回路)が期待できる。
【0121】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】この発明が適用される光ディスク再生装置のブロック構成例を示す図である。
【図2】HD DVDのデータフォーマットでありデータセグメントを示す説明図である。
【図3】周波数誤差検出器に入力する信号の例を示す図である。
【図4】この発明の前提となる周波数誤差検出器の構成例を示す図である。
【図5】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図6】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図7】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図8】周波数誤差検出器の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図9】周波数誤差検出器の機能において課題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図10】周波数誤差検出器の機能において問題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図11】周波数誤差検出器の機能において問題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図12】周波数誤差検出器の機能において課題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図13】周波数誤差検出器の機能において課題となる同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図14】この発明に係る装置の動作例を説明するために示したフローチャートである。
【図15】この発明に係る装置の他の動作例を説明するために示したフローチャートである。
【図16】この発明に係る装置のさらに他の動作例を説明するために示したフローチャートである。
【図17】この発明に係る装置の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図18】この発明に係る装置の他の機能を説明するために同期(SYNC)パターン検出処理例を示す説明図である。
【図19】この発明に係る装置の構成例を示す図である。
【図20】この発明に係る装置の他の構成例を示す図である。
【図21】この発明に係る装置のさらに他の構成例を示す図である。
【図22】この発明に係る装置の上位のブロック構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0123】
141・・・ピークホールド部、142・・・SYNC出現位置予測部、143・・・標本化クロックカウンタ、144・・・SYNC間隔保持部、145・・・セレクタ、146・・・SYNC出現位置確認部、147・・・セレクタ、150・・・波長比較部、151・・・アンド回路、152・・・SYNC候補検出フラグ出力部、153・・・SYNC連続数カウンタ、154・・・周波数誤差算出部、160・・・シーケンス制御部、165・・・SYNC検出失敗フラグ出力部、166・・・SYNC検出失敗時の最長波長出力部、201・・・ピークホールド回路、202・・・標本化クロックカウンタ回路、203・・・波長比較回路、204・・・予測位置測定用データ出力回路、205・・・SYNC出現位置確認回路、206・・・SYNC候補検出フラグ出力回路、207・・・最長波長出力回路、208・・・波長窓パラーメータ可変回路、209・・・予測位置窓パラーメータ可変回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間ごとにピーク値を含む所定の幅の同期(SYNC)パターンを持つ信号における同期パターン検出装置において、
前記信号のピーク値付近の波長が予測される波長の範囲内(予測波長窓の幅内)に存在するか否かを判定する波長比較回路と、
前記ピーク値から次のピーク値の検出間隔を表すカウントデータが、前記ピーク値から予測される前記SYNCパターンの出現間隔を予測した予測位置測定用データを用いて作成された範囲(予測位置窓の幅内)に存在するかどうかを判定するSYNC出現位置確認回路と、
前記波長比較回路の出力信号と前記SYNC出現位置確認回路の出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路と、
前記ピーク値の検出時点から前記次のピーク値検出時点までカウントしたカウント値が前記SYNCパターンの予測出現位置からずれているときに、前記次のピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力する最長波長出力回路と、
前記失敗ピーク値よりもさらに今回の検出した現ピーク値が大きいときは少なくとも前記予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う予測波長窓パラーメータ可変回路と、
を有することを特徴とする周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項2】
SYNC候補検出フラグを一定回数カウントするSYNC連続数カウンタを有し、このカウンタ値に応じて、周波数誤差検出指示信号を出力することを特徴とする請求項1記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項3】
入力信号の複数のサンプリング値から算出された波長におけるピーク値をホールドするピークホールド回路と、
前記ピークホールド回路のピーク値検出タイミングでリセットされ、クロックを計数する標本化クロックカウンタ部と、
前記ピーク値とこれに加算する任意の予測波長窓幅を設定し、前記サンプリング値が前記予測波長窓内のとき最長波長検出信号を出力する波長比較回路と、
前記ピーク値から予測される波長と一定の関係にある同期(SYNC)パターンの出現タイミングを予測した予測位置測定用データを出力する予測位置測定用データ出力部と、
前記SYNCパターンの出現タイミングを予測した前記予測位置測定用データ、及び任意の予測位置窓幅を用いて、予測位置窓内でのSYNCパターン出現を確認するSYNC出現位置確認回路と、
前記波長比較回路からの前記最長波長検出信号と前記SYNC出現位置確認回路からの出現位置確認信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路と、
前記標本化クロックカウンタ部において、そのカウンタ値がSYNCパターン出現予測位置を超え、SYNCパターン検出失敗した場合、前記ピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力する最長波長出力回路と、
前記失敗ピーク値よりも今回の検出した現ピーク値が大きいときは前記予測波長窓の幅を広くし、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う波長窓パラーメータ可変回路と、
を有することを特徴とする周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項4】
SYNC候補検出フラグを一定回数カウントするSYNC連続数カウンタを有し、このカウンタ値に応じて、周波数誤差検出指示信号を出力することを特徴とする請求項3記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項5】
さらに、前記予測位置窓幅を可変する予測位置窓パラーメータ可変回路を有し、前記初期状態は前記予測位置窓幅を狭く設定し、前記カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替えることを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項6】
さらに、前記失敗ピーク値よりも今回の検出した現ピーク値が大きい場合には、
検出失敗フラグが発生しているか否かを判定し、検出失敗フラグが発生している場合は、前記予測位置窓の窓幅を広い方向に調整し、前記失敗ピーク値よりも今回の検出したピーク値が小さい場合、または、検出失敗フラグが発生していない場合は、前記予測位置窓幅を必要以上に広げずに最長波長を検出する手段を含むことを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項7】
さらに、前記予測位置窓幅を可変する予測位置窓パラーメータ可変回路を有し、前記初期状態は前記予測位置窓幅を狭く設定し、前記カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替えることを特徴とする請求項5に記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項8】
前記入力信号は、光ディスクから読取られた信号を再生した再生信号であることを特徴とする請求項3記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項9】
前記再生信号は、オフセット/ゲインコントロール部及びアシンメトリ補正部で処理された結果得られた信号であることを特徴とする請求項6記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項10】
請求項1又は3の装置のいずれかを用いたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
クロックカウンタ及び信号処理回路を有し、所定期間ごとにピーク値を含む所定の幅のSYNCパターンを持つ信号の周波数成分に同期した標本化クロックを生成するための周波数誤差を検出する周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法において、
前記信号のピーク値付近の波長が予測される波長の範囲内(予測波長窓の幅内)に存在するか否かを判定し、
前記ピーク値から次のピーク値の検出間隔を表すカウントデータが、前記ピーク値から予測される前記SYNCパターンの出現間隔を予測した予測位置測定用データを用いて作成された範囲(予測位置窓の幅内)に存在するかどうかを判定し、
前記信号のピーク値付近の波長が存在するか否かを判定した判定出力信号と前記信号が前記予測位置窓の幅内に存在するか否かを判定した判定出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力し、
前記ピーク値の検出時点から前記次のピーク検出時点までカウントしたカウント値が前記SYNCパターンの予測出現位置からずれているときに、前記次のピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力し、
前記失敗ピーク値よりもさらに今回の検出した現ピーク値が大きいときは少なくとも前記予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う、
ことを特徴とする周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法、および光ディスク再生装置。
【請求項12】
SYNC候補検出フラグの連続数を一定時間カウントし、このカウンタ値に応じて、周波数誤差検出信号を出力することを特徴とする請求項11記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法、および光ディスク再生装置。
【請求項13】
前記予測位置窓幅を可変し、前記初期状態は前記予測位置窓幅を狭く設定し、前記カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替えることを特徴とする請求項11記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法、および光ディスク再生装置。
【請求項1】
所定期間ごとにピーク値を含む所定の幅の同期(SYNC)パターンを持つ信号における同期パターン検出装置において、
前記信号のピーク値付近の波長が予測される波長の範囲内(予測波長窓の幅内)に存在するか否かを判定する波長比較回路と、
前記ピーク値から次のピーク値の検出間隔を表すカウントデータが、前記ピーク値から予測される前記SYNCパターンの出現間隔を予測した予測位置測定用データを用いて作成された範囲(予測位置窓の幅内)に存在するかどうかを判定するSYNC出現位置確認回路と、
前記波長比較回路の出力信号と前記SYNC出現位置確認回路の出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路と、
前記ピーク値の検出時点から前記次のピーク値検出時点までカウントしたカウント値が前記SYNCパターンの予測出現位置からずれているときに、前記次のピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力する最長波長出力回路と、
前記失敗ピーク値よりもさらに今回の検出した現ピーク値が大きいときは少なくとも前記予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う予測波長窓パラーメータ可変回路と、
を有することを特徴とする周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項2】
SYNC候補検出フラグを一定回数カウントするSYNC連続数カウンタを有し、このカウンタ値に応じて、周波数誤差検出指示信号を出力することを特徴とする請求項1記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項3】
入力信号の複数のサンプリング値から算出された波長におけるピーク値をホールドするピークホールド回路と、
前記ピークホールド回路のピーク値検出タイミングでリセットされ、クロックを計数する標本化クロックカウンタ部と、
前記ピーク値とこれに加算する任意の予測波長窓幅を設定し、前記サンプリング値が前記予測波長窓内のとき最長波長検出信号を出力する波長比較回路と、
前記ピーク値から予測される波長と一定の関係にある同期(SYNC)パターンの出現タイミングを予測した予測位置測定用データを出力する予測位置測定用データ出力部と、
前記SYNCパターンの出現タイミングを予測した前記予測位置測定用データ、及び任意の予測位置窓幅を用いて、予測位置窓内でのSYNCパターン出現を確認するSYNC出現位置確認回路と、
前記波長比較回路からの前記最長波長検出信号と前記SYNC出現位置確認回路からの出現位置確認信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力するSYNC候補検出フラグ出力回路と、
前記標本化クロックカウンタ部において、そのカウンタ値がSYNCパターン出現予測位置を超え、SYNCパターン検出失敗した場合、前記ピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力する最長波長出力回路と、
前記失敗ピーク値よりも今回の検出した現ピーク値が大きいときは前記予測波長窓の幅を広くし、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う波長窓パラーメータ可変回路と、
を有することを特徴とする周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項4】
SYNC候補検出フラグを一定回数カウントするSYNC連続数カウンタを有し、このカウンタ値に応じて、周波数誤差検出指示信号を出力することを特徴とする請求項3記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項5】
さらに、前記予測位置窓幅を可変する予測位置窓パラーメータ可変回路を有し、前記初期状態は前記予測位置窓幅を狭く設定し、前記カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替えることを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項6】
さらに、前記失敗ピーク値よりも今回の検出した現ピーク値が大きい場合には、
検出失敗フラグが発生しているか否かを判定し、検出失敗フラグが発生している場合は、前記予測位置窓の窓幅を広い方向に調整し、前記失敗ピーク値よりも今回の検出したピーク値が小さい場合、または、検出失敗フラグが発生していない場合は、前記予測位置窓幅を必要以上に広げずに最長波長を検出する手段を含むことを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項7】
さらに、前記予測位置窓幅を可変する予測位置窓パラーメータ可変回路を有し、前記初期状態は前記予測位置窓幅を狭く設定し、前記カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替えることを特徴とする請求項5に記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項8】
前記入力信号は、光ディスクから読取られた信号を再生した再生信号であることを特徴とする請求項3記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項9】
前記再生信号は、オフセット/ゲインコントロール部及びアシンメトリ補正部で処理された結果得られた信号であることを特徴とする請求項6記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出装置。
【請求項10】
請求項1又は3の装置のいずれかを用いたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
クロックカウンタ及び信号処理回路を有し、所定期間ごとにピーク値を含む所定の幅のSYNCパターンを持つ信号の周波数成分に同期した標本化クロックを生成するための周波数誤差を検出する周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法において、
前記信号のピーク値付近の波長が予測される波長の範囲内(予測波長窓の幅内)に存在するか否かを判定し、
前記ピーク値から次のピーク値の検出間隔を表すカウントデータが、前記ピーク値から予測される前記SYNCパターンの出現間隔を予測した予測位置測定用データを用いて作成された範囲(予測位置窓の幅内)に存在するかどうかを判定し、
前記信号のピーク値付近の波長が存在するか否かを判定した判定出力信号と前記信号が前記予測位置窓の幅内に存在するか否かを判定した判定出力信号が一定の関係にあるとき、SYNC候補検出フラグを出力し、
前記ピーク値の検出時点から前記次のピーク検出時点までカウントしたカウント値が前記SYNCパターンの予測出現位置からずれているときに、前記次のピーク値を保持し、失敗ピーク値として出力し、
前記失敗ピーク値よりもさらに今回の検出した現ピーク値が大きいときは少なくとも前記予測波長窓の幅を広い方向へ調整し、小さいときは前記予測波長窓を必要以上に広げないように動的処理を行う、
ことを特徴とする周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法、および光ディスク再生装置。
【請求項12】
SYNC候補検出フラグの連続数を一定時間カウントし、このカウンタ値に応じて、周波数誤差検出信号を出力することを特徴とする請求項11記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法、および光ディスク再生装置。
【請求項13】
前記予測位置窓幅を可変し、前記初期状態は前記予測位置窓幅を狭く設定し、前記カウント出力で設定されるSYNC検出位置が検出失敗を示すとき予測位置窓幅を広くする方向へ切替えることを特徴とする請求項11記載の周波数誤差検出装置の同期パターン検出方法、および光ディスク再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−15906(P2009−15906A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173419(P2007−173419)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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