周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラム
【課題】 情報処理装置に対する着脱の必要を減少することができ、大記憶容量が容易に得られ、好適な起動装置として使用することができる周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 ＣＦカードシステム１は、仮想ＣＦカード２と、外部装置３とを備える。ＣＦカードシステム１を構成する仮想ＣＦカード２は、接続方式が公知のＣＦカードの入出力部の規格に準拠する接続方式である入出力装置１１と、ＰＣ４に対する挿抜を仮想的に実行できる挿抜エミュレート回路１６とを備える。外部装置３は、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に挿着可能な仮想ＣＦカード２と通信可能であって、ＣＦカードシステム１の記憶部として機能するＨＤＤ２６を備える。
【解決手段】 ＣＦカードシステム１は、仮想ＣＦカード２と、外部装置３とを備える。ＣＦカードシステム１を構成する仮想ＣＦカード２は、接続方式が公知のＣＦカードの入出力部の規格に準拠する接続方式である入出力装置１１と、ＰＣ４に対する挿抜を仮想的に実行できる挿抜エミュレート回路１６とを備える。外部装置３は、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に挿着可能な仮想ＣＦカード２と通信可能であって、ＣＦカードシステム１の記憶部として機能するＨＤＤ２６を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、情報処理装置の周辺機器であって、接続装置と外部装置とを備えた周辺処理システム、並びに周辺処理システムにおける処理方法、及び当該処理方法を実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置が扱える情報量の増大や、情報処理装置を駆動するためのプログラムの大型化に伴ない、情報処理装置の記憶装置容量は、増大の一途にある。一方、情報処理装置のＣＰＵなどの演算装置は小型化が進み、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの小型で携帯使用に適した情報処理装置が実現されている。大容量の記憶装置を有する小型の情報処理装置を実現するための方法の一つとして、記憶装置として、情報処理装置に内蔵されている記憶装置の他に、情報処理装置に内蔵されていない、外部記憶装置が使用されている。外部記憶装置は、ＯＳ（Operating System）などのような情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムを記憶させて、情報処理装置に内蔵されたシステムプログラムを書替えることをせずに、異なるシステムプログラムで情報処理装置を駆動させるときの起動装置としても使用されている。
【０００３】
外部記憶装置などの外付けの周辺機器を使用する情報処理装置の小型化のためには、情報処理装置と周辺機器との接続装置の小型化が必要であり、特許文献１に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムが提案されている。また、外部記憶装置を挿着することによって、挿着した外部記憶装置を含んだ情報処理装置が大きくなることを抑制できるように、外部記憶装置の小型化も計られ、メモリカードのような小型の記憶装置が用いられている。
【０００４】
【特許文献１】特開２０００−１６３１６９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、外付けの周辺機器は、情報処理装置に対して、物理的に着脱が行われることが必要であり、着脱を繰り返すことに起因して、機械的な磨耗などが発生し、接続装置の信頼性が低下するという課題があった。特に、外部記憶装置を起動装置として使用する場合には、一台の外部記憶装置から読み出すことができる基本プログラムは一つのみであることに起因して、複数の基本プログラムを使用するためには、複数の外部記憶装置が必要であり、基本プログラムの交換は、外部記憶装置を交換することが必要であるという課題があった。また、メモリカードのような半導体メモリは、現在では、まだ大容量化に限界があるという課題があった。特に、情報処理装置を起動する起動記憶装置として使用するためには、ＯＳなどのような情報処理装置を駆動するための基本プログラムの大型化に対応できることが必要であり、起動記憶装置としての半導体メモリ記憶容量の大容量化は、重要な課題である。
【０００６】
そこで、本発明は、着脱の必要を減少することができ、大記憶容量が容易に得られ、好適な起動装置として使用することができる周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明による周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、接続装置は、情報処理装置との接続方式が情報処理装置を起動可能な接続方式であって、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置と接続通信部とを制御する接続制御部と、を備え、外部装置は、接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する外部装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【０００８】
本発明による接続装置は、前記した周辺処理システムを構成する接続装置であって、情報処理装置との接続方式が情報処理装置を起動可能な接続方式であって、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置と接続通信部とを制御する接続制御部と、を備えることを特徴とする。
【０００９】
本発明による外部装置は、前記した周辺処理システムを構成する外部装置であって、接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
本発明による処理方法は、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、受信した指令情報を、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、外部装置が指令情報を受信するステップと、受信した指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答を送信するステップと、接続装置から情報処理装置に応答を送信するステップと、を有する、ことを特徴とする。
【００１１】
本発明によるプログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、情報処理装置から受信し、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信した、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップと、受信した指令情報に従って、指示された処理をコンピュータが実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【００１２】
本発明によるプログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置のコンピュータが、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、受信した指令情報を、コンピュータが、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信させるステップと、指令情報に従って、指示された処理を実行し、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【００１３】
本発明の構成、処理方法及びプログラムによれば、周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた装着部に装着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを記憶する外部装置とを備える。それによって、情報処理装置に装着する接続装置を、周辺処理システムの記憶容量とは関わり無く小型化することができる。同時に、情報処理装置に装着する部分の小型化に影響を及ぼすことなく、周辺処理システムの記憶容量を大きくすることができる。また、例えば、外部装置の電源を落とすなどの、接続装置を直接操作する必要のない操作によって、周辺処理システムの機能を停止することができ、機能を停止することで、情報処理装置が、周辺処理システムが情報処理装置から取り外されたと認識するようにすることができる。従って、接続装置を物理的に情報処理装置から脱着することなく、周辺処理システムが情報処理装置から取り外された又は、情報処理装置に装着された状態であると、情報処理装置が判断するようにすることができ、脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。さらに、周辺処理システムが、情報処理装置との接続方式が情報処理装置を起動可能な接続方式である周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置を備えることによって、周辺処理システムを、情報処理装置の起動装置として使用することができる。
【００１４】
この場合周辺処理システムは、接続装置が、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に入力される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【００１５】
この場合、接続装置は、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に入力される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【００１６】
これらの構成によれば、接続装置の装着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【００１７】
この場合周辺処理システムは、接続方式が、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることが好ましい。
【００１８】
この場合接続装置は、接続方式が、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることが好ましい。
【００１９】
これらの構成によれば、ハードディスクドライブ（Hard Disk Drive）（以降ＨＤＤと表記する）の情報処理装置との接続方式は、ＨＤＤを情報処理装置の起動装置とすることが可能な接続方式であるため、準拠する接続装置を備えた周辺処理システムを、情報処理装置の起動装置として使用することができる。
【００２０】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【００２１】
この場合接続装置は、周辺処理システムを構成する接続装置であって、接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【００２２】
この構成によれば、接続装置はメモリカードとほぼ同様の形状であり、大きな記憶容量を持つ周辺処理システムを、メモリカードと同様の使い勝手で使用することができる。また、メモリカードを使用可能な情報処理装置であれば、情報処理装置に改良を加えることを必要とせず、メモリカードを使用するのと同様の使用方法で、周辺処理システムを使用することができる。
【００２３】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備えるメモリカードが、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることが好ましい。
【００２４】
この場合接続装置は、周辺処理システムを構成する接続装置であって、接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備えるメモリカードが、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることが好ましい。
【００２５】
この構成によれば、コンパクトフラッシュ（登録商標）（CompactFlash）メモリカードは、ＨＤＤの入出力規格に準拠する接続方式を備えており、ＨＤＤの情報処理装置との接続方式は、ＨＤＤを情報処理装置の起動装置とすることが可能な接続方式であるため、周辺処理システムを、情報処理装置の起動装置として使用することができる。
【００２６】
この場合周辺処理システムは、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【００２７】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【００２８】
この構成によれば、使用したい構成要素グループを選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【００２９】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３０】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３１】
この構成によれば、使用したい領域を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【００３２】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、複数の領域の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００３３】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、複数の領域の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００３４】
この構成によれば、周辺処理システムのデータ記憶部として、情報処理装置を駆動できるプログラムが記録された領域を選ぶことによって、周辺処理システムを情報処理装置の起動装置とすることができる。
【００３５】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３６】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、前記周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置の中の一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３７】
この構成によれば、使用したい外部装置を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【００３８】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されており、外部データ記憶部の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００３９】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置の中の一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されており、外部データ記憶部の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００４０】
この構成によれば、周辺処理システムのデータ記憶部として、情報処理装置を駆動できるプログラムが記録された、外部装置の外部データ記憶部を選ぶことによって、周辺処理システムを情報処理装置の起動装置とすることができる。
【００４１】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【００４２】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【００４３】
この構成によれば、識別情報を選択して指定することによって、複数の領域の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する領域を指定することができる。
【００４４】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【００４５】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【００４６】
この構成によれば、識別情報を選択して指定することによって、複数の外部装置の外部データ記憶部の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する外部装置の外部データ記憶部を選ぶことができる。
【００４７】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【００４８】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【００４９】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、情報処理装置などの周辺処理システム以外の装置を使用することなく、データの入力や、領域の設定を行うことができる。
【００５０】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置を備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域又は複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【００５１】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【００５２】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、複数の領域又は外部データ記憶部の中から周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択し、特定することができる。
【００５３】
この場合、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部に付与された識別情報及び仕様情報は、接続装置に送信されて、接続装置内に記憶されていることが好ましい。
【００５４】
この構成によれば、接続装置の接続制御部が、接続装置内に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、接続装置内に記憶され識別情報に対応する領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことで、使用する領域又は外部データ記憶部に選定されている領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことができる。
【００５５】
この場合処理方法は、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップにおいて受信した指令が起動セクタを読み込む指令である場合には、外部装置から接続装置に応答を送信するステップと、接続装置から情報処理装置に応答を送信するステップと、において送信される応答は、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであることが好ましい。
【００５６】
この場合プログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、情報処理装置から受信し、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信した、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップと、受信した指令情報に従って、指示された処理をコンピュータが実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであって、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップにおいて受信した指令が、起動セクタを読み込む指令である場合には、外部装置から接続装置に応答をコンピュータが送信するステップにおいて送信される応答が、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラムであることが好ましい。
【００５７】
この場合プログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置のコンピュータが、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、受信した指令情報を、コンピュータが、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信させるステップと、指令情報に従って、指示された処理を実行し、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであって、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップにおいて受信した指令が起動セクタを読み込む指令である場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、において送受信される応答が、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラムであることが好ましい。
【００５８】
この方法及びプログラムによれば、情報処理装置から周辺処理システムに、起動セクタを読み込む指令を送ることで、周辺処理システムから情報処理装置に、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムを読み込み、情報処理装置を起動することができる。
【００５９】
この場合処理方法は、外部データ記憶部を複数の領域に分割し、領域を判別するための識別情報、及び領域の仕様を示す仕様情報を、各領域毎に付与するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、外部装置内に記憶するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、接続装置に送信して、接続装置内に記憶するステップと、識別情報及び仕様情報を、接続装置内に記憶するのに伴ない、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に送信される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することが好ましい。
【００６０】
この方法によれば、接続装置が、接続装置に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。このことによって、使用したい情報が記録された領域又は情報を記録したい領域の識別情報を選ぶだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、容易に、異なる周辺装置として周辺処理システムを使用することができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、識別情報に対応する領域とデータの授受を行うことで、使用する領域に選定されている領域とデータの授受を行うことができる。さらに、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００６１】
以下に、本発明の一実施形態に係る周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【００６２】
以下に説明する実施形態は、情報処理装置の一例であるパーソナルコンピュータ（以降、ＰＣと表記する）に接続して用いられる周辺処理システムの一例であって、コンパクトフラッシュ（登録商標）（CompactFlash）メモリカード（以降、ＣＦカードと表記する）の外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２を備えたＣＦカードシステム１について説明する。図１は、本実施形態のＣＦカードシステムと、ＰＣとの外観斜視図である。ＣＦカードシステム１は、ＣＦカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２と、ハードディスクドライブ（Hard Disk Drive）（以降ＨＤＤと表記する）を備えた外部装置３と、で構成されている。外部装置３には、外部装置３を操作するための入力操作部３ａと、外部装置３内のＨＤＤ２６（図３参照）の情報などを表示する表示部３ｂと、ＯＳ（Operating System）などを読み込むためのドライブ装置３ｃとが備えられている。ＣＦカードシステム１が、周辺処理システムに相当し、仮想ＣＦカード２が、接続装置に相当し、入力操作部３ａが、外部入力装置に相当する。
【００６３】
ＰＣ４は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、ＰＣ４を操作するための入力ボード４ａと、入力ボード４ａからの操作内容や処理した結果などを表示する表示部４ｂと、ＣＦカードを挿着するためのＣＦカードスロット６と、を備えている。仮想ＣＦカード２は、ＣＦカードと同様の外観形状を有し、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に、公知のＣＦカードと同様に挿着可能である。ＰＣ４が、情報処理装置に相当し、ＣＦカードスロット６が、挿着部に相当する。
【００６４】
次に、仮想ＣＦカード２の電気的構成について説明する。図２は、仮想ＣＦカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図である。仮想ＣＦカード２は、ＰＣ４と接続するための入出力装置１１と、外部装置３と通信するための無線通信コントローラ１２及び無線モジュール１４と、を有する。入出力装置１１は、構成がＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に設けられた入出力装置２２に接続可能である。仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６に挿着されると、入出力装置１１と入出力装置２２とが接続され、ＰＣ４は、公知のＣＦカードが挿着されたと認識する。無線モジュール１４は、外部装置３に設けられた無線モジュール２３との間で電波の送受信をするモジュールで、電波の送受信は、無線通信コントローラ１２によって制御される。無線モジュール１４と無線通信コントローラ１２とで接続通信部が構成される。無線通信は、ブルートウース（登録商標）（Bluetooth）による通信である。
【００６５】
また、仮想ＣＦカード２は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１７と、ＲＯＭ（Read Only Memory）１８と、ＲＡＭ（Random Access Memory）１９とを有し、ＣＰＵ１７は、接続制御部として仮想ＣＦカード２の各動作を制御する。ＲＯＭ１８は、ＣＰＵ１７が仮想ＣＦカード２を制御するためのファームウエア、及びＰＣ４に対してＣＦカードとしてエミュレートするときの、ＣＦカードの固有情報等を記憶している。ＲＡＭ１９は、ＣＰＵ１７のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを展開する。これら入出力装置１１、無線通信コントローラ１２、ＲＯＭ１８、ＲＡＭ１９およびＣＰＵ１７は、内部バス２１によってそれぞれ互いに接続されている。なお、ＲＯＭ１８は、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【００６６】
なお、仮想ＣＦカード２は、通常のＣＦカードが有するような記憶部を有していない。ＣＰＵ１７が、無線モジュール１４と無線モジュール２３との通信を介して外部装置３の記憶部をＣＦカードシステム１の記憶部であるかのように制御する。このときＰＣ４は、仮想ＣＦカード２をＣＦカードとして認識するだけで、外部装置３が接続されていることは認識せず、外部装置３の記憶部をＣＦカードの記憶部であると認識する。入出力装置１１が接続入出力装置に相当し、ＣＰＵ１７およびＲＯＭ１８が接続制御部に相当する。
【００６７】
さらに、仮想ＣＦカード２には、挿抜エミュレート回路１６が設けられており、入出力装置１１と接続されると共に、内部バス２１を介してＣＰＵ１７などと接続されている。挿抜エミュレート回路１６は、仮想ＣＦカード２をＣＦカードスロット６から脱着することなく、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６から抜かれて、異なる仮想ＣＦカード２が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。挿抜のエミュレーションが実行されると、ＰＣ４は、ＣＦカードスロット６に挿着されていたＣＦカードが、異なるＣＦカードに交換されたと認識する。挿抜エミュレート回路１６の詳細は、後述する。挿抜エミュレート回路１６、及び挿抜エミュレート回路１６を制御するＣＰＵ１７とＲＯＭ１８とが仮想脱着部に相当する。
【００６８】
次に、外部装置３の電気的構成について説明する。図３は、外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。外部装置３は、仮想ＣＦカード２と無線通信するための無線モジュール２３と、無線通信コントローラ２４とを有する。また、ＣＦカードシステム１の記憶部として機能するＨＤＤ２６と、ＨＤＤ２６を制御するＨＤＤコントローラ２７とを有する。さらに、外部装置３の制御及び仮想ＣＦカード２との通信の制御を行うＣＰＵ２８と、ＣＰＵ２８が外部装置３を制御するためのファームウエアやエミュレートするＣＦカードの規格などの固有情報を記憶しているＲＯＭ２９と、ＣＰＵ２８のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを記憶するＲＡＭ３１とを有する。なお、ＲＯＭ２９は、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８と同様に、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【００６９】
そして、前記したように、外部装置３は、入力操作部３ａと、表示部３ｂと、ドライブ装置３ｃとを有しており、これらと無線通信コントローラ２４と、ＨＤＤコントローラ２７と、ＲＯＭ２９と、ＲＡＭ３１と、ＣＰＵ２８とが、それぞれ内部バス３２を介して互いに接続されている。無線モジュール２３と、無線通信コントローラ２４とが外部通信部に相当し、ＨＤＤ２６とＨＤＤコントローラ２７とが外部データ記憶部に相当し、ＣＰＵ２８とＲＯＭ２９とＲＡＭ３１とが外部装置制御部に相当し、入力操作部３ａが外部入力装置に相当する。
【００７０】
次に、ＣＦカードシステム１がＣＦカードをエミュレートする構成について説明する。前記したように、仮想ＣＦカード２の入出力装置１１は、構成がＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に設けられた入出力装置２２に接続可能である。そして、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６に挿着されると、入出力装置１１と入出力装置２２とが接続され、ＰＣ４は、公知のＣＦカードが挿着されたと認識する。即ち、ＰＣ４は、ＣＦカードシステム１を、ＣＦカードスロット６に挿着された１枚のＣＦカードであると認識する。それに対して、ＣＦカードシステム１は、ＰＣ４に対して、ＰＣ４に認識された１枚のＣＦカードをエミュレートする。この時、ＣＦカードシステム１がエミュレートしている架空のＣＦカードをメモリカードイメージと表記する。
【００７１】
図４は、ＣＦカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。ＨＤＤ２６の記憶領域３３には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域３４が複数形成されている。図４に示した記憶領域３３には、３箇所の領域３４（図に３４ａ，３４ｂ，３４ｃと表記）が形成されている。メモリカードイメージの記憶部として、領域３４を形成することで、新しいメモリカードイメージを形成することができる。新しいメモリカードイメージを形成する過程の詳細は、後述する。
【００７２】
各メモリカードイメージは、それぞれ固有情報を有しており、各固有情報はそれぞれ、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されている。図４に示したカード部３６には、固有情報が、カード３７（図に３７ａ，３７ｂ，３７ｃと表記）として記憶されている。ＣＦカードシステム１がその時点でエミュレートしているメモリカードイメージが現在のカードとして選択されており、現在のカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する固有情報が、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８に設けられたカード部３８に記憶されている。メモリカードイメージの記憶部を構成する実体は、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージに対応する領域３４である。現在のカードとしてメモリカードイメージを選択する過程と、固有情報をカード部３８に記憶させる過程と、の詳細は、それぞれ後述する。
【００７３】
固有情報は、カード仕様情報とカード識別情報とから成る。カード識別情報は、仮想ＣＦカード２と外部装置３とが、共に可動状態であって、互いに通信エリア内に位置して、相互に通信可能な状態になった場合に、記憶部として使用する領域３４を特定するための情報である。カード識別情報は、例えば、領域３４の作成日時と、領域３４の記憶容量と、領域３４に付されたシリアル番号と、領域３４に付されたカード名称とからなる。領域３４の作成日時と、領域３４の記憶容量と、領域３４に付されたシリアル番号と、領域３４に付されたカード名称とは、メモリカードイメージの作成日時と、メモリカードイメージの記憶容量と、メモリカードイメージに付されたシリアル番号と、メモリカードイメージに付されたカード名称でもある。カード仕様情報は、エミュレートするメモリカードイメージの仕様の情報である。本実施形態の場合では、メモリカードイメージは架空のＣＦカードであるから、ＣＦカードの規格に準拠した仕様が、カード仕様情報となる。但し、記憶容量は、対応する領域３４を設定する際に定めた領域３４の記憶容量となる。
【００７４】
ＣＦカードシステム１は、仮想ＣＦカード２のＣＰＵ１７が、カード仕様情報の仕様に従って動作することによって、メモリカードイメージをエミュレートする。ＰＣ４がＣＦカードスロット６に挿着されていると認識しているメモリカードは、ＣＦカードシステム１がエミュレートしているメモリカードイメージであって、カード仕様情報の仕様を有するメモリカードである。
【００７５】
次に、外部装置３の有する管理プログラムによるメモリカードイメージの管理、即ち、領域３４及び固有情報の管理について説明する。図５は、外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す構成図である。領域３４及び固有情報の管理に関る操作は、管理プログラムによって外部装置の表示部３ｂに表示される管理メニューに従って、操作者が行う。図５（ａ）は、外部装置３の表示部３ｂに表示される管理メニューのトップメニューを示している。表示される管理メニューのトップメニューには、管理メニューの一覧が表示され、実行する管理メニューを選択することができる。図５（ｂ），（ｃ），（ｄ），（ｅ），（ｆ），（ｇ）は、各管理メニューのトップ表示を示す図である。図５（ａ）の管理メニューの一覧から、操作者が、実行する管理メニューを選択すると、図５（ｂ）から（ｇ）に示したトップ表示の中の選択された管理メニューのトップ表示が、表示部３ｂに表示される。
【００７６】
図５（ａ）に示したように、実行することができる管理メニューには、「カード容量表示」と「カード作成」と「プログラムインストール」と「カード消去」と「カード交換」と「容量表示」とがある。図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード容量表示」が選択されると、図５（ｂ）に示したように、設定されているメモリカードイメージの名称及びその記憶容量が表示される。前記したように、名称はメモリカードイメージの記憶部である領域３４に付けられたカード名称であり、記憶容量はそのカード名称が付けられた領域３４の記憶容量である。
【００７７】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択されると、図５（ｃ）に示したように、カード作成のトップ表示が表示される。容量と名称とカード仕様とを入力することにより、新しいカード、即ち新しいメモリカードイメージを作成することができる。このとき、入力された容量と名称とカード仕様とに対応して、ＣＰＵ２８が、領域３４を形成することで、入力された容量と名称とカード仕様とに対応したメモリカードイメージが形成される。メモリカードイメージの記憶部として、領域３４を形成し、「カード作成」を実行する過程の詳細は、後述する。
【００７８】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「プログラムインストール」が選択されると、図５（ｄ）に示したように、プログラムインストールのトップ表示が表示される。プログラムのインストール先のカード名称を選択して、そのカード名称が付けられた領域３４に、ＰＣ４のＯＳなどのプログラムを記憶させてインストールすることができる。なお、プログラムだけでなく、ＰＣ４が扱うデータを入力して記憶させることも、プログラムインストールメニューで実行させることができる。
【００７９】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード消去」が選択されると、図５（ｅ）に示したように、カード消去のトップ表示が表示される。消去したいメモリカードイメージの名称を選択して、そのメモリカードイメージを消去することができる。より具体的には、消去するカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する領域３４が消去され、消去された領域３４に対応するカード仕様情報とカード識別情報とが記憶されたカード３７が、カード部３６から消去される。
【００８０】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード交換」が選択されると、図５（ｆ）に示したように、カード交換のトップ表示が表示される。カード名称を選択して使用したいメモリカードイメージを選択することによって、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージと交換することができる。現在のカードとして別のメモリカードイメージを選択して交換する過程、即ち現在のカードとして別の領域３４を選択して交換する過程の詳細は、後述する。
【００８１】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「容量表示」が選択されると、図５（ｇ）に示したように、記憶領域３３の「全体の容量」と「使用中の容量」と「空き容量」とが表示される。なお、例えば、「使用中の容量」は、領域３４として設定された記憶容量の合計であり、「空き容量」は、領域３４として設定することが可能な記憶容量である。
【００８２】
次に、仮想ＣＦカード２と外部装置３とが通信を開始する過程について説明する。図６は、外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。また、図７は、仮想ＣＦカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。
【００８３】
最初に、図６に基づいて外部装置３が実行するフローについて説明する。外部装置３が可動状態になると、ステップＳ１で、仮想ＣＦカード２との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。通信可能な状態でない場合（ステップＳ１でＮＯ）は、ステップＳ２へ進み、通信可能な状態の場合（ステップＳ１でＹＥＳ）は、ステップＳ３へ進む。
【００８４】
ステップＳ２では、仮想ＣＦカード２の探索を続けるか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部４ｂに「通信不能状態である」というメッセージを表示すると共に、探索を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。探索を継続する場合（ステップＳ２でＹＥＳ）は、ステップＳ１へ戻り、仮想ＣＦカード２との試験通信の試行及び通信可能状態か否かの判定を再度実行する。探索を継続しない場合（ステップＳ２でＮＯ）は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。
【００８５】
ステップＳ３では、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８に設けられたカード部３８に記憶されているカード識別情報を取得する。
【００８６】
次に、ステップＳ４では、取得したカード部３８に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード識別情報の中に、有るか否かを判定する。同一のカード識別情報がある場合（ステップＳ４でＹＥＳ）は、ステップＳ５へ進む。同一のカード識別情報がない場合（ステップＳ４でＮＯ）は、ステップＳ６へ進む。なお、カード部３８にカード識別情報が記憶されていない場合には、同一のカード識別情報は存在し得ないためステップＳ４でＮＯとなり、ステップＳ６へ進む。
【００８７】
ステップＳ５では、カード部３８に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域３４を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択する。そして、カード部３８に記憶されているカード識別情報に対応する領域３４が選択できた、即ち、カード部３８に記憶されているメモリカードイメージが選択できたことを、仮想ＣＦカード２へ送信する。
【００８８】
ステップＳ４の次に、ステップＳ６では、新たなカード（メモリカードイメージ）を作成するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部４ｂに「該当するカードがありません。新しいカードを作成しますか？」というメッセージを表示すると共に、新しいカードを作成するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。新たなカード（メモリカードイメージ）を作成する場合（ステップＳ６でＹＥＳ）は、ステップＳ７へ進む。新たなカード（メモリカードイメージ）を作成しない場合（ステップＳ６でＮＯ）は、ステップＳ８へ進む。
【００８９】
ステップＳ７では、新たなメモリカードイメージを作成する。新たなメモリカードイメージを作成する過程の詳細は、後述する。
【００９０】
ステップＳ８では、新たなカード作成を行わない決定を受けて、エミュレートするメモリカードイメージとして、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード３７の中からカードを選択するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部４ｂに「既存のカードの中からカードを選択しますか？」というメッセージを表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。既存のカードの中からカードを選択しない場合（ステップＳ８でＮＯ）は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。既存のメモリカードイメージの中からエミュレートするメモリカードイメージを選択する場合（ステップＳ８でＹＥＳ）は、ステップＳ９へ進む。
【００９１】
ステップＳ９で、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード３７の中からエミュレートするカード（メモリカードイメージ）を選択する。具体的には、既存のカードの一覧を表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択することを促すメッセージを表示する。そして、操作者によって選択指示されたカードを、エミュレートするカード（メモリカードイメージ）として認識する。
【００９２】
ステップＳ７又はステップＳ９の次に、ステップＳ１０では、仮想ＣＦカード２にカードの交換実行の指示を送信し、カードの交換を実行する。エミュレートするカード（メモリカードイメージ）を交換する手順の詳細は、後述する。
【００９３】
ステップＳ５又はステップＳ１０の次に、ステップＳ１１では、仮想ＣＦカード２とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【００９４】
以上、外部装置３におけるカード設定および仮想ＣＦカード２との通信開始方法について説明した。次に、仮想ＣＦカード２におけるカード設定および外部装置３との通信開始の過程について図７を用いて一部図６と対比させて説明する。
【００９５】
ＰＣ４に挿着された仮想ＣＦカード２がＰＣ４からアクセスされると、仮想ＣＦカード２におけるカード設定および外部装置３との通信開始の過程が開始する。ステップＳ２１で、外部装置３との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。このステップは、図６のステップＳ１と対応するステップである。通信可能な状態でない場合（ステップＳ２１でＮＯ）は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。通信不能状態の場合は、ＣＦカードシステム１は機能しないため、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６に挿着されていても、ＰＣ４は、ＣＦカードスロット６には有効なカードが挿着されていないと判断する。通信可能な状態の場合（ステップＳ２１でＹＥＳ）は、ステップＳ２２へ進む。
【００９６】
ステップＳ２２では、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８に設けられたカード部３８に記憶されているカード識別情報を外部装置３へ送信する。このステップは、図６のステップＳ３と対応するステップである。
【００９７】
次のステップＳ２３では、外部装置３から指示情報の送信を受信したか否かを判定する。指示情報は、例えば、図６のステップＳ５で説明した、カード部３８に記憶されているカード識別情報に対応する領域３４が選択できたことを仮想ＣＦカード２へ通知する情報である。指示情報の受信がない場合（ステップＳ２３でＮＯ）は、図６のステップＳ８でＮＯとなった場合である。この場合は、ステップＳ２２で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード識別情報の中に存在せず、新たなメモリカードイメージの作成も、既存のメモリカードイメージの中からエミュレートするメモリカードイメージを選択することもしない場合である。ステップＳ８でＮＯとなった場合と同様に、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。指示情報の受信があった場合（ステップＳ２３でＹＥＳ）は、ステップＳ２４へ進む。
【００９８】
ステップＳ２４では、受信した指示情報が、ステップＳ２２で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード識別情報の中に存在したという情報であるか否かを判定する。
【００９９】
同一のカード識別情報が存在したという情報である場合（ステップＳ２４でＹＥＳ）は、図６のステップＳ５で、カード部３８に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域３４を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択できた場合である。そして、カード部３８に記憶されているカード識別情報に対応する領域３４が選択できた、即ち、カード部３８に記憶されているメモリカードイメージが形成できたことを、仮想ＣＦカード２へ送信してきた場合である。この場合は、ステップＳ２６に進み、外部装置３とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【０１００】
同一のカード識別情報が存在したという情報でない場合（ステップＳ２４でＮＯ）は、図６のステップＳ１０で、仮想ＣＦカード２にカードの交換実行の指示を送信してきた場合である。この場合は、ステップＳ２５に進み、カードの交換を実行する。エミュレートするカード（メモリカードイメージ）を交換する手順の詳細は、後述する。次に、ステップＳ２６に進み、外部装置３とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【０１０１】
次に、新たなメモリカードイメージを作成する過程について説明する。図８は、カード作成の過程を示すフローチャートである。前記したように、図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択された場合や、図６のステップＳ６で、新たなカードを作成することが選択された場合に、新たなメモリカードイメージを作成する過程が開始される。表示部３ｂに、図５（ｃ）に示したような、カード作成のトップ表示が表示される。
【０１０２】
ステップＳ３１では、操作者が入力操作部３ａを操作して、設定するカード（メモリカードイメージ）の容量が入力されると、外部装置３のＣＰＵ２８はメモリカードイメージの記憶容量が入力されたと認識する。容量は、ＨＤＤ２６の空き容量の全容量までを設定することができる。
【０１０３】
ステップＳ３２では、ＨＤＤ２６の空き容量が、入力された容量以上であるか否かを外部装置３のＣＰＵ２８が判定する。空き容量が、入力された容量以下の場合（ステップＳ３２でＮＯ）は、ステップＳ３３へ進む。空き容量が、入力された容量以上の場合（ステップＳ３２でＹＥＳ）は、ステップＳ３４へ進む
【０１０４】
ステップＳ３３では、ＨＤＤ２６の空き容量が入力された容量以上でないため容量設定できない旨のエラー表示を表示部３ｂに表示する。同時に、容量入力を再度行うことを促す表示をして、ステップＳ３１へ戻る。
【０１０５】
ステップＳ３４では、操作者が入力操作部３ａを操作して、設定するカード（メモリカードイメージ）の名称が入力されると、外部装置３のＣＰＵ２８はメモリカードイメージのカード名称が入力されたと認識する。操作者は、例えば、図４に記載した「ＣＦカードａ」などの名称を適宜入力する。
【０１０６】
次のステップＳ３５では、入力された文字数が規定以内か否かを判定する。文字数が規定より多い場合（ステップＳ３５でＮＯ）は、ステップＳ３６へ進む。文字数が規定内の場合（ステップＳ３５でＹＥＳ）は、ステップＳ３７へ進む。
【０１０７】
ステップＳ３６では、文字数が規定外であるため名称設定ができない旨のエラー表示を、表示部３ｂに表示する。同時に、名称の入力を再度行うことを促す表示をして、ステップＳ３４へ戻る。
【０１０８】
ステップＳ３７では、外部装置３のＨＤＤ２６の記憶領域３３に、入力された記憶容量を持つ領域３４を作成する。
【０１０９】
次に、ステップＳ３８では、ステップＳ３７で作成された領域３４に対応するカード識別情報が作成される。上記した各ステップで入力された記憶容量および名称に加えて、作成日時とシリアル番号とが付与される。
【０１１０】
次に、ステップＳ３９では、操作者が入力操作部３ａを操作して、設定するカード（メモリカードイメージ）の仕様が選択されると、外部装置３のＣＰＵ２８はメモリカードイメージの仕様が選択されたと認識する。仕様の選択は、例えば、図５（ｃ）に示したようなＣＦカードなどの公知の記憶装置名称の一覧の中から、ＣＦカードシステム１がエミュレートする記憶装置の名称を選択することで実行することができる。記憶装置名称の一覧に記載された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様は、予めＲＯＭ２９に記憶されており、ＣＰＵ２８は、選択された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様を認識する。
【０１１１】
次に、ステップＳ４０では、ステップＳ３９で認識された記憶装置仕様に対応するカード仕様情報が作成される。
【０１１２】
次に、ステップＳ４１では、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に、カード３７として、カード仕様情報およびカード識別情報からなる固有情報を書き込む。
【０１１３】
次に、ステップＳ４２では、カードの作成終了の表示を表示部３ｂに表示し、カード作成の過程を終了する。
【０１１４】
次に、カードを交換する過程について説明する。カードの交換は、ＣＦカードシステム１がエミュレートしているメモリカードイメージを別のメモリカードイメージに換えることで、ＰＣ４に別のメモリカードが挿着されたと認識させることにより、実行される。図９は、外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャートである。図１０は、挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図であり、図１１は、仮想ＣＦカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャートである。
【０１１５】
通常、仮想ＣＦカード２が挿着されたＰＣ４は、定期的に仮想ＣＦカード２に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っている。仮想ＣＦカード２がポーリングに対して応答することで、ＰＣ４と仮想ＣＦカード２との間の情報処理が円滑に実行される。以下に説明するカード交換の過程が実行されている場合には、ＰＣ４からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても仮想ＣＦカード２は応答しない状態となる。
【０１１６】
最初に、図９に基づいて、外部装置３におけるカード交換の過程を説明する。前記したように、図５（ａ）の管理メニュー表示で、「カード交換」が選択された場合や、図６のステップＳ７で、新たなカード（メモリカードイメージ）が作成された場合や、図６のステップＳ９で、現在のカードとして、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード３７の中から、新にカードが選択された場合に、カード交換過程が開始される。表示部３ｂに、図５（ｆ）に示したような、カード交換のトップ表示が表示される。
【０１１７】
ステップＳ５１では、交換するカードが選択されたか否かをＣＰＵ２８が判定する。操作者が入力操作部３ａを操作して、交換して使用するメモリカードイメージの名称を選択すると、外部装置３のＣＰＵ２８が、カードが選択されたと認識する。名称の選択は、例えば、図５（ｆ）に示したような名称の一覧の中から選択することで実行することができる。交換するカードが選択されたと認識された場合（ステップＳ５１でＹＥＳ）は、ステップＳ５２へ進む。交換するカードが選択されたと認識されない場合（ステップＳ５１でＮＯ）は、ステップＳ５１を繰り返す。
【０１１８】
ステップＳ５２では、仮想ＣＦカード２へカード交換の指示を送信する。
【０１１９】
次に、ステップＳ５３で、ＰＣ４に対して仮想ＣＦカード２の挿抜をエミュレートするための、仮想ＣＦカード２の挿抜エミュレート回路１６による挿抜処理が終了したという通知を、仮想ＣＦカード２から受信したか否かを判定する。判定は、例えば、仮想メモリカード２へカード交換の指示を送信した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合（ステップＳ５３でＮＯ）は、ステップＳ５４に進む。受信していた場合（ステップＳ５３でＹＥＳ）は、ステップＳ５５に進む。
【０１２０】
ステップＳ５４では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部４ｂに「仮想ＣＦカード２から挿抜処理済みの応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合（ステップＳ５４でＹＥＳ）は、ステップＳ５２へ戻り、仮想ＣＦカード２へのカード交換の指示送信を再度実行する。カード交換を継続しない場合（ステップＳ５４でＮＯ）は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【０１２１】
ステップＳ５３の次に、ステップＳ５５では、仮想ＣＦカード２からカード識別情報及びカード仕様情報の送信の要求を受信したか否かを判定する。判定は、例えば、ステップＳ５３で、挿抜エミュレート回路１６による挿抜処理が終了したという通知を、受信したか否かを判定した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合（ステップＳ５５でＮＯ）は、ステップＳ５６に進む。受信していた場合（ステップＳ５５でＹＥＳ）は、ステップＳ５７に進む。
【０１２２】
ステップＳ５６では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部４ｂに「仮想ＣＦカード２から情報要求の応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合（ステップＳ５６でＹＥＳ）は、ステップＳ５５へ戻り、ステップＳ５５を繰り返す。カード交換を継続しない場合（ステップＳ５６でＮＯ）は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【０１２３】
ステップＳ５７で、仮想ＣＦカード２へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報を送信し、カード交換過程を終了する。
【０１２４】
次に、図１０に基づいて、仮想ＣＦカード２の挿抜エミュレート回路１６の構成について説明する。挿抜エミュレート回路１６は、ＣＰＵ１７からの挿抜処理を指示する切替信号４０を受けて作動を開始するタイマ回路４１と、タイマ回路４１に同調してスイッチをＯＮまたはＯＦＦに切り替えるアナログスイッチ４２と、ＰＣ４のＣＦカードスロット６の端子と接続するためのコネクタ端子４３と、コネクタ端子４３とアナログスイッチ４２とを接続する検出信号線４４および接地信号線４５とを有する。
【０１２５】
この構成によれば、ＰＣ４と接続されていた仮想ＣＦカード２を交換するエミュレーション（仮想挿抜）を実行する場合に、まず、タイマ回路４１がＣＰＵ１７からの挿抜処理を指示する切替信号４０を受ける。切替信号４０を受けると、ＯＮの状態であったアナログスイッチは、ＯＮからＯＦＦに切り替わり、同時にタイマ回路が計時を開始する。タイマ回路４１が、規定された時間、例えば３秒を計時し、３秒経過後にアナログスイッチ４２は、ＯＦＦからＯＮに切り替わる。
【０１２６】
ＰＣ４は、ＣＦカードスロット６の入出力装置２２を介して、仮想ＣＦカード２のコネクタ端子４３からの信号の変化を検出する。アナログスイッチ４２がＯＮからＯＦＦへ切り替わると、検出信号線４４および接地信号線４５がハイ「１」からロー「０」へ変化する。この変化を検出して、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が抜かれたと判断する。続いて、アナログスイッチ４２がＯＦＦからＯＮへ切り替わると、検出信号線４４および接地信号線４５がロー「０」からハイ「１」へ変化する。この変化を検出して、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が挿入されたと判断する。
【０１２７】
このように、仮想ＣＦカード２を実際には抜き差しすることなく、ＰＣ４に対して、仮想ＣＦカード２が交換されたと認識させることができる。従って、仮想挿抜を実行することにより、一枚の仮想ＣＦカード２を複数の仮想ＣＦカード２として使用することができる。
【０１２８】
次に、図１１に基づいて、仮想ＣＦカード２におけるカード交換の過程を説明する。ステップＳ６１で、図９のステップＳ５２で、外部装置３から送信されたカード交換の指示を受信する。仮想ＣＦカード２のＣＰＵ１７は、このカード交換の指示を受信してカード交換の過程を開始する。
【０１２９】
次のステップＳ６２では、ＣＰＵ１７が、カード挿抜をエミュレートする挿抜処理のための切替信号４０を、挿抜エミュレート回路１６へ出力する。
【０１３０】
次のステップＳ６３では、切替信号４０により、挿抜エミュレート回路１６は、アナログスイッチ４２をＯＮからＯＦＦに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が抜かれたと判断する。
【０１３１】
ステップＳ６４では、アナログスイッチ４２をＯＮからＯＦＦに切り替えてから、３秒の規定時間が経過する間、アナログスイッチ４２をＯＦＦした状態を維持する。
【０１３２】
ステップＳ６５では、アナログスイッチ４２をＯＦＦからＯＮに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が挿入されたと判断する。
【０１３３】
ステップＳ６６では、外部装置３へ仮想ＣＦカード２の挿抜処理終了の通知を送信する。これによって、図９に示したステップＳ５３において、ＰＣ４に対して仮想ＣＦカード２の交換をエミュレートするための、仮想ＣＦカード２の挿抜エミュレート回路１６による挿抜処理が終了したという通知を、仮想ＣＦカード２から受信したという判定がなされる。
【０１３４】
ステップＳ６７では、外部装置３へ、カード識別情報及びカード仕様情報の要求を送信する。挿抜処理終了に伴ない、ＰＣ４に対して、新しいメモリカードイメージとして動作するために、交換後の新しいメモリカードイメージの識別情報及びカード仕様情報を外部装置３に要求する。この要求に対して、図９に示したステップＳ５７で、仮想ＣＦカード２へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報が送信される。
【０１３５】
ステップＳ６８では、外部装置３からカード識別情報及びカード仕様情報を受信したか否かを判定する。受信していない場合（ステップＳ６８でＮＯ）は、ステップＳ６６に戻り、ステップＳ６６及びステップＳ６７を繰り返す。受信していた場合（ステップＳ６８でＹＥＳ）は、ステップＳ６９に進む。
【０１３６】
ステップＳ６９では、受信したカード識別情報及びカード仕様情報をエミュレートするメモリカードイメージのカード識別情報及びカード仕様情報としてＲＯＭ１８のカード部３８に記憶する。そして、ＰＣ４に対して、カード部３８に記憶されたカード仕様情報の仕様を有するメモリカードとして動作する。
【０１３７】
なお、前記したように、仮想ＣＦカード２が挿着されたＰＣ４は、定期的に仮想ＣＦカード２に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っており、仮想ＣＦカード２のＣＰＵ１７が応答している。しかし、ステップＳ６２で、切替信号４０を、挿抜エミュレート回路１６へ出力してから、ステップＳ６９で、カード識別情報及びカード仕様情報をカード部３８に記憶する間は、ＰＣ４からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても、ＣＰＵ１７は応答しない状態となる。
【０１３８】
次に、ＣＦカードシステム１を起動装置として使用して、ＰＣ４を起動させる過程を説明する。ＣＦカードは、起動装置として使用することができる規格の入出力装置を有することから、ＣＦカードシステム１を起動装置として使用することができる。図１２は、ＣＦカードシステムを起動装置として使用して、ＰＣを起動させる過程を示すシーケンス図である。ＰＣ４及びＣＦカードシステム１を操作する操作者は、図５（ａ）に示した一覧から「カード作成」を選択する。そして、図５（ｃ）を基に説明した「カード作成」過程を外部装置３に実行させて、ＰＣ４を駆動できる基本ソフト（ＯＳ）をインストールするための領域３４を、ＨＤＤ２６内に予め作成する。次に、図５（ａ）に示した一覧から「プログラムインストール」を選択して、図５（ｄ）を基に説明した「プログラムインストール」を実行して、「カード作成」で作成した領域３４に基本ソフトをインストールする。基本ソフトとしては、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）シリーズ、ＬｉｎｕｘなどのＵＮＩＸ（登録商標）系のＯＳ、などが挙げられる。前記したように、外部装置３には複数の領域３４を設定することが可能であり、複数の基本ソフトを１台の外部装置３に、予めインストールしておくことができる。
【０１３９】
ＰＣ４を、ＣＦカードシステム１を起動装置として起動させる前に、起動ソフトとして使用する基本ソフトを選択する。操作としては、図５（ａ）の管理メニュー表示で、「カード交換」を選択し、起動ソフトとして使用する基本ソフトがインストールされている領域３４に付けた名称を選択する。外部装置３において、図９に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域３４を記憶部とする、メモリカードイメージが選択される。さらに、仮想ＣＦカード２において、図１１に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域３４を記憶部とする、メモリカードイメージをＣＦカードシステム１がエミュレートすることができるようになる。
【０１４０】
ＰＣ４を、ＣＦカードシステム１を起動装置として起動させるためには、ＣＦカードスロット６に挿着されるＣＦカードを起動優先順が最優先の装置として、予め設定する。仮想ＣＦカード２を挿着したＰＣ４を、操作者がリセット操作すると、ＰＣ４は、仮想ＣＦカード２にアクセスして、基本ソフトを読み込もうとする。仮想ＣＦカード２及び外部装置３は、図６および図７に基づいて説明した通信開始過程を実行して、ＣＦカードシステム１がメモリカードイメージをエミュレート可能な状態となる。ＰＣ４は、ＣＦカードシステム１がエミュレートしているメモリカードイメージの記憶部にアクセスするため、メモリカードイメージの記憶部として設定されている領域３４にアクセスし、アクセスした領域３４に記憶されている基本ソフトを読み込んで起動することができる。
【０１４１】
なお、使用カードとして設定されている領域３４に基本ソフトが記憶されていなかった場合には、ＰＣ４は、起動優先順が次の装置から基本ソフトを読み込んで起動する。従って、領域３４に基本ソフトが記憶されており、起動装置として使用できるＣＦカードシステム１であっても、基本ソフトが記憶されていない別の領域３４をメモリカードイメージの記憶部として設定することで、起動装置としてだけでなく、一般的なメモリカードとしても使用できる。また、通信開始過程が実行されても仮想ＣＦカード２と外部装置３とが通信可能とならない場合には、ＣＦカードシステム１はメモリカードとして機能しない。従って、ＣＦカードシステム１を起動装置として使用しない場合には、外部装置３の電源を落とすなどの処置によって、仮想ＣＦカード２をＰＣ４のＣＦカードスロット６に挿着したままで、ＰＣ４がＣＦカードスロット６にはＣＦカードが挿着されていないと認識するようにしてもよい。
【０１４２】
この実施形態によれば、以下の効果が得られる。
（１）ＣＦカードシステム１は、ＣＦカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２と、ＨＤＤ２６を備えた外部装置３と、で構成されている。従って、ＨＤＤ２６の記憶容量を変えるだけで、仮想ＣＦカード２の形状大きさに影響を及ぼすことなく、ＣＦカードシステム１の記憶容量を大きくすることができる。
【０１４３】
（２）ＣＦカードシステム１は、ＣＦカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２と、ＨＤＤ２６を備えた外部装置３と、で構成されている。従って、ＣＦカードとしてＰＣ４に挿着可能であって、ＨＤＤ２６の持つ大きな記憶容量を備えたＣＦカードを実現することができる。
【０１４４】
（３）仮想ＣＦカード２の入出力装置１１は、構成が公知のＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式である。従って、ＣＦカードシステム１をＰＣ４の起動装置として使用することができる。
【０１４５】
（４）仮想ＣＦカード２の入出力装置１１は、構成がＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に設けられた入出力装置２２に接続可能である。従って、ＰＣ４のハードウエアに改良を加えることは全く必要とせずに、大容量の外部記憶装置を使用することができる。
【０１４６】
（５）仮想ＣＦカード２には、挿抜エミュレート回路１６が設けられており、仮想ＣＦカード２をＣＦカードスロット６から脱着することなく、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６から抜かれて、異なる仮想ＣＦカード２が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。従って、実際に挿抜を行う回数を減少させることで、接続端子の磨耗を抑制することができる。また、ＣＦカードスロット６から抜かれた単体の仮想ＣＦカード２を紛失したり、破損したりする可能性を小さくすることができる。
【０１４７】
（６）外部装置３のＨＤＤ２６は、複数の領域３４を形成することが可能で、各領域３４を記憶部とするメモリカードイメージを形成し、各メモリカードイメージをＣＦカードシステム１が個別にエミュレートする。従って、一つのＣＦカードシステム１を恰も複数のメモリカードであるかのように使用することができる。
【０１４８】
（７）通信開始過程が実行されても仮想ＣＦカード２と外部装置３とが通信可能とならない場合には、ＣＦカードシステム１はメモリカードとして機能しない。従って、外部装置３の電源を落とすなどの処置によって、仮想ＣＦカード２をＰＣ４のＣＦカードスロット６に挿着したままで、ＰＣ４がＣＦカードスロット６にはＣＦカードが挿着されていないと認識し、ＣＦカードシステム１が起動ドライブとして機能しないようにすることができる。
【０１４９】
本発明の実施形態は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【０１５０】
（変形例１）前記実施形態において、ＣＦカードシステムは一台の外部装置を備えていたが、ＣＦカードシステムが備える外部装置は複数であってもよい。外部装置のＨＤＤの記憶領域に形成されて、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域に代えて、複数の外部装置のそれぞれが備える記憶部が、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする構成でもよい。勿論、複数の外部装置のそれぞれが複数の領域を有する構成であってもよい。
【０１５１】
（変形例２）前記実施形態において、情報処理装置は、ＰＣであったが、情報処理装置がＰＣであることは必須ではない。例えば、工作機械の制御装置や、ＰＯＳ（Point Of Sale）用端末装置であってもよい。工作機械の制御装置や、ＰＯＳ用端末装置は、専用の基本ソフトを使用して、基本ソフトの上で動くアプリケーションソフトは使用せずに稼動するものがあり、そのような装置においては、本発明の周辺処理システムを使用して、複数の基本ソフトを使い分けることにより、容易に異なる装置として稼動させることができる。また、故障診断プログラムなどのように、通常時は使用しないが、緊急的に必要になる場合がある特殊なソフトを、常時、直ちに使用に供せる状態で保持することができる。
【０１５２】
（変形例３）前記実施形態において、仮想ＣＦカードは、ＣＦカードとして情報処理装置に認識されるものであったが、仮想ＣＦカードはＣＦカードに限らない。起動装置とすることができる接続方式を備えた装置であれば、どのような装置であっても良い。
【０１５３】
（変形例４）前記実施形態において、データ記憶部としてＨＤＤを用いたが、データ記憶部としてＨＤＤを用いることは必須ではない。ＨＤＤ以外のＤＶＤ、光ディスク、大容量半導体メモリなどでも良い。
【０１５４】
（変形例５）前記実施形態において、仮想ＣＦカードと外部装置との通信は、電波を使用する無線通信であったが、通信手段は電波を使用する無線通信に限らない。有線であっても良いし、赤外線を用いた通信でもよい。
【０１５５】
（変形例６）仮想ＣＦカードのＲＯＭおよびＲＡＭと外部装置のＲＯＭおよびＲＡＭとは、仮想ＣＦカードのＣＰＵまたは外部装置のＣＰＵとそれぞれ同一のチップに一緒に内蔵される構成であっても良い。機能的には同様であり、まとめて一個のパーツとなっておれば実装工程の短縮が図れる。
【０１５６】
（変形例７）外部装置として、外部装置の管理プログラムを搭載したパーソナルコンピュータ（ＰＣ）やホームサーバを用いて、周辺処理装置を構成しても良い。既設のＰＣ等を使用することで、新たに外部装置を作成することが不要となり、初期導入の費用を低減することができる。
【０１５７】
（変形例８）前記実施形態において、基本ソフトのインストールは、外部装置に設けられたドライブ装置から入力していたが、外部装置にドライブ装置を設けることは必須ではない。基本ソフトのインストールは、ＰＣからＣＦカードシステムを選択して、ＰＣに備えられた入力装置から入力してもよい。
【０１５８】
（変形例９）前記実施形態において、仮想ＣＦカードが挿着されるのはＣＦカードスロットであったが、仮想ＣＦカードが挿着されるのは、ＣＦカードスロットなどのメモリカードスロットに限らない。例えば、メモリスティック（登録商標）（Memory Stick）が挿着されるＵＳＢ端子のようなものであっても良い。
【０１５９】
上記した実施の形態および変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
（技術的思想１） 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする周辺処理システム。
【０１６０】
（技術的思想２） 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする周辺処理システム。
【０１６１】
（技術的思想３） 前記請求項に記載の接続装置であって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする接続装置。
【０１６２】
（技術的思想４） 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部通信部と前記接続装置の前記接続通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする外部装置。
【０１６３】
（技術的思想５） 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする外部装置。
【０１６４】
（技術的思想６） 請求項１に記載の周辺処理システムにおいて、前記周辺機器は、メモリスティックであり、前記挿着部は、ＵＳＢ接続端子であることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【図面の簡単な説明】
【０１６５】
【図１】ＣＦカードシステムと、ＰＣとの外観斜視図。
【図２】仮想ＣＦカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図３】外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図４】ＣＦカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【図５】外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す模式図。
【図６】外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図７】仮想ＣＦカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図８】カード作成の過程を示すフローチャート。
【図９】外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図１０】挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図。
【図１１】仮想ＣＦカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図１２】ＣＦカードシステムを起動装置として使用して、ＰＣを起動させる過程を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【０１６６】
１…ＣＦカードシステム、２…仮想ＣＦカード、３…外部装置、３ａ…入力操作部、３ｂ…表示部、３ｃ…ドライブ装置、４…ＰＣ、４ａ…入力ボード、６…ＣＦカードスロット、１１…入出力装置、１２…無線通信コントローラ、１４…無線モジュール、１６…挿抜エミュレート回路、１７…ＣＰＵ、１８…ＲＯＭ、１９…ＲＡＭ、２２…入出力装置、２３…無線モジュール、２６…ＨＤＤ、２８…ＣＰＵ、２９…ＲＯＭ、３１…ＲＡＭ、３４…領域、３６，３８…カード部、４０…切替信号、４１…タイマ回路、４２…アナログスイッチ、４３…コネクタ端子、４４…検出信号線、４５…接地信号線。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、情報処理装置の周辺機器であって、接続装置と外部装置とを備えた周辺処理システム、並びに周辺処理システムにおける処理方法、及び当該処理方法を実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置が扱える情報量の増大や、情報処理装置を駆動するためのプログラムの大型化に伴ない、情報処理装置の記憶装置容量は、増大の一途にある。一方、情報処理装置のＣＰＵなどの演算装置は小型化が進み、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの小型で携帯使用に適した情報処理装置が実現されている。大容量の記憶装置を有する小型の情報処理装置を実現するための方法の一つとして、記憶装置として、情報処理装置に内蔵されている記憶装置の他に、情報処理装置に内蔵されていない、外部記憶装置が使用されている。外部記憶装置は、ＯＳ（Operating System）などのような情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムを記憶させて、情報処理装置に内蔵されたシステムプログラムを書替えることをせずに、異なるシステムプログラムで情報処理装置を駆動させるときの起動装置としても使用されている。
【０００３】
外部記憶装置などの外付けの周辺機器を使用する情報処理装置の小型化のためには、情報処理装置と周辺機器との接続装置の小型化が必要であり、特許文献１に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムが提案されている。また、外部記憶装置を挿着することによって、挿着した外部記憶装置を含んだ情報処理装置が大きくなることを抑制できるように、外部記憶装置の小型化も計られ、メモリカードのような小型の記憶装置が用いられている。
【０００４】
【特許文献１】特開２０００−１６３１６９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、外付けの周辺機器は、情報処理装置に対して、物理的に着脱が行われることが必要であり、着脱を繰り返すことに起因して、機械的な磨耗などが発生し、接続装置の信頼性が低下するという課題があった。特に、外部記憶装置を起動装置として使用する場合には、一台の外部記憶装置から読み出すことができる基本プログラムは一つのみであることに起因して、複数の基本プログラムを使用するためには、複数の外部記憶装置が必要であり、基本プログラムの交換は、外部記憶装置を交換することが必要であるという課題があった。また、メモリカードのような半導体メモリは、現在では、まだ大容量化に限界があるという課題があった。特に、情報処理装置を起動する起動記憶装置として使用するためには、ＯＳなどのような情報処理装置を駆動するための基本プログラムの大型化に対応できることが必要であり、起動記憶装置としての半導体メモリ記憶容量の大容量化は、重要な課題である。
【０００６】
そこで、本発明は、着脱の必要を減少することができ、大記憶容量が容易に得られ、好適な起動装置として使用することができる周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明による周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、接続装置は、情報処理装置との接続方式が情報処理装置を起動可能な接続方式であって、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置と接続通信部とを制御する接続制御部と、を備え、外部装置は、接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する外部装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【０００８】
本発明による接続装置は、前記した周辺処理システムを構成する接続装置であって、情報処理装置との接続方式が情報処理装置を起動可能な接続方式であって、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置と接続通信部とを制御する接続制御部と、を備えることを特徴とする。
【０００９】
本発明による外部装置は、前記した周辺処理システムを構成する外部装置であって、接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
本発明による処理方法は、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、受信した指令情報を、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、外部装置が指令情報を受信するステップと、受信した指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答を送信するステップと、接続装置から情報処理装置に応答を送信するステップと、を有する、ことを特徴とする。
【００１１】
本発明によるプログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、情報処理装置から受信し、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信した、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップと、受信した指令情報に従って、指示された処理をコンピュータが実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【００１２】
本発明によるプログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置のコンピュータが、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、受信した指令情報を、コンピュータが、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信させるステップと、指令情報に従って、指示された処理を実行し、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【００１３】
本発明の構成、処理方法及びプログラムによれば、周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた装着部に装着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを記憶する外部装置とを備える。それによって、情報処理装置に装着する接続装置を、周辺処理システムの記憶容量とは関わり無く小型化することができる。同時に、情報処理装置に装着する部分の小型化に影響を及ぼすことなく、周辺処理システムの記憶容量を大きくすることができる。また、例えば、外部装置の電源を落とすなどの、接続装置を直接操作する必要のない操作によって、周辺処理システムの機能を停止することができ、機能を停止することで、情報処理装置が、周辺処理システムが情報処理装置から取り外されたと認識するようにすることができる。従って、接続装置を物理的に情報処理装置から脱着することなく、周辺処理システムが情報処理装置から取り外された又は、情報処理装置に装着された状態であると、情報処理装置が判断するようにすることができ、脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。さらに、周辺処理システムが、情報処理装置との接続方式が情報処理装置を起動可能な接続方式である周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置を備えることによって、周辺処理システムを、情報処理装置の起動装置として使用することができる。
【００１４】
この場合周辺処理システムは、接続装置が、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に入力される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【００１５】
この場合、接続装置は、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に入力される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【００１６】
これらの構成によれば、接続装置の装着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【００１７】
この場合周辺処理システムは、接続方式が、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることが好ましい。
【００１８】
この場合接続装置は、接続方式が、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることが好ましい。
【００１９】
これらの構成によれば、ハードディスクドライブ（Hard Disk Drive）（以降ＨＤＤと表記する）の情報処理装置との接続方式は、ＨＤＤを情報処理装置の起動装置とすることが可能な接続方式であるため、準拠する接続装置を備えた周辺処理システムを、情報処理装置の起動装置として使用することができる。
【００２０】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【００２１】
この場合接続装置は、周辺処理システムを構成する接続装置であって、接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【００２２】
この構成によれば、接続装置はメモリカードとほぼ同様の形状であり、大きな記憶容量を持つ周辺処理システムを、メモリカードと同様の使い勝手で使用することができる。また、メモリカードを使用可能な情報処理装置であれば、情報処理装置に改良を加えることを必要とせず、メモリカードを使用するのと同様の使用方法で、周辺処理システムを使用することができる。
【００２３】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備えるメモリカードが、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることが好ましい。
【００２４】
この場合接続装置は、周辺処理システムを構成する接続装置であって、接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備えるメモリカードが、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることが好ましい。
【００２５】
この構成によれば、コンパクトフラッシュ（登録商標）（CompactFlash）メモリカードは、ＨＤＤの入出力規格に準拠する接続方式を備えており、ＨＤＤの情報処理装置との接続方式は、ＨＤＤを情報処理装置の起動装置とすることが可能な接続方式であるため、周辺処理システムを、情報処理装置の起動装置として使用することができる。
【００２６】
この場合周辺処理システムは、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【００２７】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【００２８】
この構成によれば、使用したい構成要素グループを選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【００２９】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３０】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３１】
この構成によれば、使用したい領域を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【００３２】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、複数の領域の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００３３】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、複数の領域の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００３４】
この構成によれば、周辺処理システムのデータ記憶部として、情報処理装置を駆動できるプログラムが記録された領域を選ぶことによって、周辺処理システムを情報処理装置の起動装置とすることができる。
【００３５】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３６】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、前記周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置の中の一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【００３７】
この構成によれば、使用したい外部装置を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【００３８】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されており、外部データ記憶部の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００３９】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置の中の一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されており、外部データ記憶部の少なくとも一つには情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることが好ましい。
【００４０】
この構成によれば、周辺処理システムのデータ記憶部として、情報処理装置を駆動できるプログラムが記録された、外部装置の外部データ記憶部を選ぶことによって、周辺処理システムを情報処理装置の起動装置とすることができる。
【００４１】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【００４２】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【００４３】
この構成によれば、識別情報を選択して指定することによって、複数の領域の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する領域を指定することができる。
【００４４】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【００４５】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【００４６】
この構成によれば、識別情報を選択して指定することによって、複数の外部装置の外部データ記憶部の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する外部装置の外部データ記憶部を選ぶことができる。
【００４７】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【００４８】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【００４９】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、情報処理装置などの周辺処理システム以外の装置を使用することなく、データの入力や、領域の設定を行うことができる。
【００５０】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置を備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域又は複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【００５１】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【００５２】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、複数の領域又は外部データ記憶部の中から周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択し、特定することができる。
【００５３】
この場合、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部に付与された識別情報及び仕様情報は、接続装置に送信されて、接続装置内に記憶されていることが好ましい。
【００５４】
この構成によれば、接続装置の接続制御部が、接続装置内に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、接続装置内に記憶され識別情報に対応する領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことで、使用する領域又は外部データ記憶部に選定されている領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことができる。
【００５５】
この場合処理方法は、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップにおいて受信した指令が起動セクタを読み込む指令である場合には、外部装置から接続装置に応答を送信するステップと、接続装置から情報処理装置に応答を送信するステップと、において送信される応答は、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであることが好ましい。
【００５６】
この場合プログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、情報処理装置から受信し、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信した、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップと、受信した指令情報に従って、指示された処理をコンピュータが実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであって、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップにおいて受信した指令が、起動セクタを読み込む指令である場合には、外部装置から接続装置に応答をコンピュータが送信するステップにおいて送信される応答が、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラムであることが好ましい。
【００５７】
この場合プログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置のコンピュータが、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、受信した指令情報を、コンピュータが、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信させるステップと、指令情報に従って、指示された処理を実行し、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであって、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップにおいて受信した指令が起動セクタを読み込む指令である場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、において送受信される応答が、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラムであることが好ましい。
【００５８】
この方法及びプログラムによれば、情報処理装置から周辺処理システムに、起動セクタを読み込む指令を送ることで、周辺処理システムから情報処理装置に、情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムを読み込み、情報処理装置を起動することができる。
【００５９】
この場合処理方法は、外部データ記憶部を複数の領域に分割し、領域を判別するための識別情報、及び領域の仕様を示す仕様情報を、各領域毎に付与するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、外部装置内に記憶するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、接続装置に送信して、接続装置内に記憶するステップと、識別情報及び仕様情報を、接続装置内に記憶するのに伴ない、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に送信される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することが好ましい。
【００６０】
この方法によれば、接続装置が、接続装置に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。このことによって、使用したい情報が記録された領域又は情報を記録したい領域の識別情報を選ぶだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、容易に、異なる周辺装置として周辺処理システムを使用することができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、識別情報に対応する領域とデータの授受を行うことで、使用する領域に選定されている領域とデータの授受を行うことができる。さらに、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００６１】
以下に、本発明の一実施形態に係る周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【００６２】
以下に説明する実施形態は、情報処理装置の一例であるパーソナルコンピュータ（以降、ＰＣと表記する）に接続して用いられる周辺処理システムの一例であって、コンパクトフラッシュ（登録商標）（CompactFlash）メモリカード（以降、ＣＦカードと表記する）の外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２を備えたＣＦカードシステム１について説明する。図１は、本実施形態のＣＦカードシステムと、ＰＣとの外観斜視図である。ＣＦカードシステム１は、ＣＦカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２と、ハードディスクドライブ（Hard Disk Drive）（以降ＨＤＤと表記する）を備えた外部装置３と、で構成されている。外部装置３には、外部装置３を操作するための入力操作部３ａと、外部装置３内のＨＤＤ２６（図３参照）の情報などを表示する表示部３ｂと、ＯＳ（Operating System）などを読み込むためのドライブ装置３ｃとが備えられている。ＣＦカードシステム１が、周辺処理システムに相当し、仮想ＣＦカード２が、接続装置に相当し、入力操作部３ａが、外部入力装置に相当する。
【００６３】
ＰＣ４は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、ＰＣ４を操作するための入力ボード４ａと、入力ボード４ａからの操作内容や処理した結果などを表示する表示部４ｂと、ＣＦカードを挿着するためのＣＦカードスロット６と、を備えている。仮想ＣＦカード２は、ＣＦカードと同様の外観形状を有し、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に、公知のＣＦカードと同様に挿着可能である。ＰＣ４が、情報処理装置に相当し、ＣＦカードスロット６が、挿着部に相当する。
【００６４】
次に、仮想ＣＦカード２の電気的構成について説明する。図２は、仮想ＣＦカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図である。仮想ＣＦカード２は、ＰＣ４と接続するための入出力装置１１と、外部装置３と通信するための無線通信コントローラ１２及び無線モジュール１４と、を有する。入出力装置１１は、構成がＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に設けられた入出力装置２２に接続可能である。仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６に挿着されると、入出力装置１１と入出力装置２２とが接続され、ＰＣ４は、公知のＣＦカードが挿着されたと認識する。無線モジュール１４は、外部装置３に設けられた無線モジュール２３との間で電波の送受信をするモジュールで、電波の送受信は、無線通信コントローラ１２によって制御される。無線モジュール１４と無線通信コントローラ１２とで接続通信部が構成される。無線通信は、ブルートウース（登録商標）（Bluetooth）による通信である。
【００６５】
また、仮想ＣＦカード２は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１７と、ＲＯＭ（Read Only Memory）１８と、ＲＡＭ（Random Access Memory）１９とを有し、ＣＰＵ１７は、接続制御部として仮想ＣＦカード２の各動作を制御する。ＲＯＭ１８は、ＣＰＵ１７が仮想ＣＦカード２を制御するためのファームウエア、及びＰＣ４に対してＣＦカードとしてエミュレートするときの、ＣＦカードの固有情報等を記憶している。ＲＡＭ１９は、ＣＰＵ１７のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを展開する。これら入出力装置１１、無線通信コントローラ１２、ＲＯＭ１８、ＲＡＭ１９およびＣＰＵ１７は、内部バス２１によってそれぞれ互いに接続されている。なお、ＲＯＭ１８は、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【００６６】
なお、仮想ＣＦカード２は、通常のＣＦカードが有するような記憶部を有していない。ＣＰＵ１７が、無線モジュール１４と無線モジュール２３との通信を介して外部装置３の記憶部をＣＦカードシステム１の記憶部であるかのように制御する。このときＰＣ４は、仮想ＣＦカード２をＣＦカードとして認識するだけで、外部装置３が接続されていることは認識せず、外部装置３の記憶部をＣＦカードの記憶部であると認識する。入出力装置１１が接続入出力装置に相当し、ＣＰＵ１７およびＲＯＭ１８が接続制御部に相当する。
【００６７】
さらに、仮想ＣＦカード２には、挿抜エミュレート回路１６が設けられており、入出力装置１１と接続されると共に、内部バス２１を介してＣＰＵ１７などと接続されている。挿抜エミュレート回路１６は、仮想ＣＦカード２をＣＦカードスロット６から脱着することなく、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６から抜かれて、異なる仮想ＣＦカード２が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。挿抜のエミュレーションが実行されると、ＰＣ４は、ＣＦカードスロット６に挿着されていたＣＦカードが、異なるＣＦカードに交換されたと認識する。挿抜エミュレート回路１６の詳細は、後述する。挿抜エミュレート回路１６、及び挿抜エミュレート回路１６を制御するＣＰＵ１７とＲＯＭ１８とが仮想脱着部に相当する。
【００６８】
次に、外部装置３の電気的構成について説明する。図３は、外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。外部装置３は、仮想ＣＦカード２と無線通信するための無線モジュール２３と、無線通信コントローラ２４とを有する。また、ＣＦカードシステム１の記憶部として機能するＨＤＤ２６と、ＨＤＤ２６を制御するＨＤＤコントローラ２７とを有する。さらに、外部装置３の制御及び仮想ＣＦカード２との通信の制御を行うＣＰＵ２８と、ＣＰＵ２８が外部装置３を制御するためのファームウエアやエミュレートするＣＦカードの規格などの固有情報を記憶しているＲＯＭ２９と、ＣＰＵ２８のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを記憶するＲＡＭ３１とを有する。なお、ＲＯＭ２９は、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８と同様に、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【００６９】
そして、前記したように、外部装置３は、入力操作部３ａと、表示部３ｂと、ドライブ装置３ｃとを有しており、これらと無線通信コントローラ２４と、ＨＤＤコントローラ２７と、ＲＯＭ２９と、ＲＡＭ３１と、ＣＰＵ２８とが、それぞれ内部バス３２を介して互いに接続されている。無線モジュール２３と、無線通信コントローラ２４とが外部通信部に相当し、ＨＤＤ２６とＨＤＤコントローラ２７とが外部データ記憶部に相当し、ＣＰＵ２８とＲＯＭ２９とＲＡＭ３１とが外部装置制御部に相当し、入力操作部３ａが外部入力装置に相当する。
【００７０】
次に、ＣＦカードシステム１がＣＦカードをエミュレートする構成について説明する。前記したように、仮想ＣＦカード２の入出力装置１１は、構成がＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に設けられた入出力装置２２に接続可能である。そして、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６に挿着されると、入出力装置１１と入出力装置２２とが接続され、ＰＣ４は、公知のＣＦカードが挿着されたと認識する。即ち、ＰＣ４は、ＣＦカードシステム１を、ＣＦカードスロット６に挿着された１枚のＣＦカードであると認識する。それに対して、ＣＦカードシステム１は、ＰＣ４に対して、ＰＣ４に認識された１枚のＣＦカードをエミュレートする。この時、ＣＦカードシステム１がエミュレートしている架空のＣＦカードをメモリカードイメージと表記する。
【００７１】
図４は、ＣＦカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。ＨＤＤ２６の記憶領域３３には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域３４が複数形成されている。図４に示した記憶領域３３には、３箇所の領域３４（図に３４ａ，３４ｂ，３４ｃと表記）が形成されている。メモリカードイメージの記憶部として、領域３４を形成することで、新しいメモリカードイメージを形成することができる。新しいメモリカードイメージを形成する過程の詳細は、後述する。
【００７２】
各メモリカードイメージは、それぞれ固有情報を有しており、各固有情報はそれぞれ、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されている。図４に示したカード部３６には、固有情報が、カード３７（図に３７ａ，３７ｂ，３７ｃと表記）として記憶されている。ＣＦカードシステム１がその時点でエミュレートしているメモリカードイメージが現在のカードとして選択されており、現在のカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する固有情報が、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８に設けられたカード部３８に記憶されている。メモリカードイメージの記憶部を構成する実体は、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージに対応する領域３４である。現在のカードとしてメモリカードイメージを選択する過程と、固有情報をカード部３８に記憶させる過程と、の詳細は、それぞれ後述する。
【００７３】
固有情報は、カード仕様情報とカード識別情報とから成る。カード識別情報は、仮想ＣＦカード２と外部装置３とが、共に可動状態であって、互いに通信エリア内に位置して、相互に通信可能な状態になった場合に、記憶部として使用する領域３４を特定するための情報である。カード識別情報は、例えば、領域３４の作成日時と、領域３４の記憶容量と、領域３４に付されたシリアル番号と、領域３４に付されたカード名称とからなる。領域３４の作成日時と、領域３４の記憶容量と、領域３４に付されたシリアル番号と、領域３４に付されたカード名称とは、メモリカードイメージの作成日時と、メモリカードイメージの記憶容量と、メモリカードイメージに付されたシリアル番号と、メモリカードイメージに付されたカード名称でもある。カード仕様情報は、エミュレートするメモリカードイメージの仕様の情報である。本実施形態の場合では、メモリカードイメージは架空のＣＦカードであるから、ＣＦカードの規格に準拠した仕様が、カード仕様情報となる。但し、記憶容量は、対応する領域３４を設定する際に定めた領域３４の記憶容量となる。
【００７４】
ＣＦカードシステム１は、仮想ＣＦカード２のＣＰＵ１７が、カード仕様情報の仕様に従って動作することによって、メモリカードイメージをエミュレートする。ＰＣ４がＣＦカードスロット６に挿着されていると認識しているメモリカードは、ＣＦカードシステム１がエミュレートしているメモリカードイメージであって、カード仕様情報の仕様を有するメモリカードである。
【００７５】
次に、外部装置３の有する管理プログラムによるメモリカードイメージの管理、即ち、領域３４及び固有情報の管理について説明する。図５は、外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す構成図である。領域３４及び固有情報の管理に関る操作は、管理プログラムによって外部装置の表示部３ｂに表示される管理メニューに従って、操作者が行う。図５（ａ）は、外部装置３の表示部３ｂに表示される管理メニューのトップメニューを示している。表示される管理メニューのトップメニューには、管理メニューの一覧が表示され、実行する管理メニューを選択することができる。図５（ｂ），（ｃ），（ｄ），（ｅ），（ｆ），（ｇ）は、各管理メニューのトップ表示を示す図である。図５（ａ）の管理メニューの一覧から、操作者が、実行する管理メニューを選択すると、図５（ｂ）から（ｇ）に示したトップ表示の中の選択された管理メニューのトップ表示が、表示部３ｂに表示される。
【００７６】
図５（ａ）に示したように、実行することができる管理メニューには、「カード容量表示」と「カード作成」と「プログラムインストール」と「カード消去」と「カード交換」と「容量表示」とがある。図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード容量表示」が選択されると、図５（ｂ）に示したように、設定されているメモリカードイメージの名称及びその記憶容量が表示される。前記したように、名称はメモリカードイメージの記憶部である領域３４に付けられたカード名称であり、記憶容量はそのカード名称が付けられた領域３４の記憶容量である。
【００７７】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択されると、図５（ｃ）に示したように、カード作成のトップ表示が表示される。容量と名称とカード仕様とを入力することにより、新しいカード、即ち新しいメモリカードイメージを作成することができる。このとき、入力された容量と名称とカード仕様とに対応して、ＣＰＵ２８が、領域３４を形成することで、入力された容量と名称とカード仕様とに対応したメモリカードイメージが形成される。メモリカードイメージの記憶部として、領域３４を形成し、「カード作成」を実行する過程の詳細は、後述する。
【００７８】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「プログラムインストール」が選択されると、図５（ｄ）に示したように、プログラムインストールのトップ表示が表示される。プログラムのインストール先のカード名称を選択して、そのカード名称が付けられた領域３４に、ＰＣ４のＯＳなどのプログラムを記憶させてインストールすることができる。なお、プログラムだけでなく、ＰＣ４が扱うデータを入力して記憶させることも、プログラムインストールメニューで実行させることができる。
【００７９】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード消去」が選択されると、図５（ｅ）に示したように、カード消去のトップ表示が表示される。消去したいメモリカードイメージの名称を選択して、そのメモリカードイメージを消去することができる。より具体的には、消去するカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する領域３４が消去され、消去された領域３４に対応するカード仕様情報とカード識別情報とが記憶されたカード３７が、カード部３６から消去される。
【００８０】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード交換」が選択されると、図５（ｆ）に示したように、カード交換のトップ表示が表示される。カード名称を選択して使用したいメモリカードイメージを選択することによって、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージと交換することができる。現在のカードとして別のメモリカードイメージを選択して交換する過程、即ち現在のカードとして別の領域３４を選択して交換する過程の詳細は、後述する。
【００８１】
図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「容量表示」が選択されると、図５（ｇ）に示したように、記憶領域３３の「全体の容量」と「使用中の容量」と「空き容量」とが表示される。なお、例えば、「使用中の容量」は、領域３４として設定された記憶容量の合計であり、「空き容量」は、領域３４として設定することが可能な記憶容量である。
【００８２】
次に、仮想ＣＦカード２と外部装置３とが通信を開始する過程について説明する。図６は、外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。また、図７は、仮想ＣＦカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。
【００８３】
最初に、図６に基づいて外部装置３が実行するフローについて説明する。外部装置３が可動状態になると、ステップＳ１で、仮想ＣＦカード２との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。通信可能な状態でない場合（ステップＳ１でＮＯ）は、ステップＳ２へ進み、通信可能な状態の場合（ステップＳ１でＹＥＳ）は、ステップＳ３へ進む。
【００８４】
ステップＳ２では、仮想ＣＦカード２の探索を続けるか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部４ｂに「通信不能状態である」というメッセージを表示すると共に、探索を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。探索を継続する場合（ステップＳ２でＹＥＳ）は、ステップＳ１へ戻り、仮想ＣＦカード２との試験通信の試行及び通信可能状態か否かの判定を再度実行する。探索を継続しない場合（ステップＳ２でＮＯ）は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。
【００８５】
ステップＳ３では、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８に設けられたカード部３８に記憶されているカード識別情報を取得する。
【００８６】
次に、ステップＳ４では、取得したカード部３８に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード識別情報の中に、有るか否かを判定する。同一のカード識別情報がある場合（ステップＳ４でＹＥＳ）は、ステップＳ５へ進む。同一のカード識別情報がない場合（ステップＳ４でＮＯ）は、ステップＳ６へ進む。なお、カード部３８にカード識別情報が記憶されていない場合には、同一のカード識別情報は存在し得ないためステップＳ４でＮＯとなり、ステップＳ６へ進む。
【００８７】
ステップＳ５では、カード部３８に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域３４を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択する。そして、カード部３８に記憶されているカード識別情報に対応する領域３４が選択できた、即ち、カード部３８に記憶されているメモリカードイメージが選択できたことを、仮想ＣＦカード２へ送信する。
【００８８】
ステップＳ４の次に、ステップＳ６では、新たなカード（メモリカードイメージ）を作成するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部４ｂに「該当するカードがありません。新しいカードを作成しますか？」というメッセージを表示すると共に、新しいカードを作成するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。新たなカード（メモリカードイメージ）を作成する場合（ステップＳ６でＹＥＳ）は、ステップＳ７へ進む。新たなカード（メモリカードイメージ）を作成しない場合（ステップＳ６でＮＯ）は、ステップＳ８へ進む。
【００８９】
ステップＳ７では、新たなメモリカードイメージを作成する。新たなメモリカードイメージを作成する過程の詳細は、後述する。
【００９０】
ステップＳ８では、新たなカード作成を行わない決定を受けて、エミュレートするメモリカードイメージとして、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード３７の中からカードを選択するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部４ｂに「既存のカードの中からカードを選択しますか？」というメッセージを表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。既存のカードの中からカードを選択しない場合（ステップＳ８でＮＯ）は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。既存のメモリカードイメージの中からエミュレートするメモリカードイメージを選択する場合（ステップＳ８でＹＥＳ）は、ステップＳ９へ進む。
【００９１】
ステップＳ９で、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード３７の中からエミュレートするカード（メモリカードイメージ）を選択する。具体的には、既存のカードの一覧を表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択することを促すメッセージを表示する。そして、操作者によって選択指示されたカードを、エミュレートするカード（メモリカードイメージ）として認識する。
【００９２】
ステップＳ７又はステップＳ９の次に、ステップＳ１０では、仮想ＣＦカード２にカードの交換実行の指示を送信し、カードの交換を実行する。エミュレートするカード（メモリカードイメージ）を交換する手順の詳細は、後述する。
【００９３】
ステップＳ５又はステップＳ１０の次に、ステップＳ１１では、仮想ＣＦカード２とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【００９４】
以上、外部装置３におけるカード設定および仮想ＣＦカード２との通信開始方法について説明した。次に、仮想ＣＦカード２におけるカード設定および外部装置３との通信開始の過程について図７を用いて一部図６と対比させて説明する。
【００９５】
ＰＣ４に挿着された仮想ＣＦカード２がＰＣ４からアクセスされると、仮想ＣＦカード２におけるカード設定および外部装置３との通信開始の過程が開始する。ステップＳ２１で、外部装置３との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。このステップは、図６のステップＳ１と対応するステップである。通信可能な状態でない場合（ステップＳ２１でＮＯ）は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。通信不能状態の場合は、ＣＦカードシステム１は機能しないため、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６に挿着されていても、ＰＣ４は、ＣＦカードスロット６には有効なカードが挿着されていないと判断する。通信可能な状態の場合（ステップＳ２１でＹＥＳ）は、ステップＳ２２へ進む。
【００９６】
ステップＳ２２では、仮想ＣＦカード２のＲＯＭ１８に設けられたカード部３８に記憶されているカード識別情報を外部装置３へ送信する。このステップは、図６のステップＳ３と対応するステップである。
【００９７】
次のステップＳ２３では、外部装置３から指示情報の送信を受信したか否かを判定する。指示情報は、例えば、図６のステップＳ５で説明した、カード部３８に記憶されているカード識別情報に対応する領域３４が選択できたことを仮想ＣＦカード２へ通知する情報である。指示情報の受信がない場合（ステップＳ２３でＮＯ）は、図６のステップＳ８でＮＯとなった場合である。この場合は、ステップＳ２２で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード識別情報の中に存在せず、新たなメモリカードイメージの作成も、既存のメモリカードイメージの中からエミュレートするメモリカードイメージを選択することもしない場合である。ステップＳ８でＮＯとなった場合と同様に、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。指示情報の受信があった場合（ステップＳ２３でＹＥＳ）は、ステップＳ２４へ進む。
【００９８】
ステップＳ２４では、受信した指示情報が、ステップＳ２２で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード識別情報の中に存在したという情報であるか否かを判定する。
【００９９】
同一のカード識別情報が存在したという情報である場合（ステップＳ２４でＹＥＳ）は、図６のステップＳ５で、カード部３８に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域３４を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択できた場合である。そして、カード部３８に記憶されているカード識別情報に対応する領域３４が選択できた、即ち、カード部３８に記憶されているメモリカードイメージが形成できたことを、仮想ＣＦカード２へ送信してきた場合である。この場合は、ステップＳ２６に進み、外部装置３とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【０１００】
同一のカード識別情報が存在したという情報でない場合（ステップＳ２４でＮＯ）は、図６のステップＳ１０で、仮想ＣＦカード２にカードの交換実行の指示を送信してきた場合である。この場合は、ステップＳ２５に進み、カードの交換を実行する。エミュレートするカード（メモリカードイメージ）を交換する手順の詳細は、後述する。次に、ステップＳ２６に進み、外部装置３とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【０１０１】
次に、新たなメモリカードイメージを作成する過程について説明する。図８は、カード作成の過程を示すフローチャートである。前記したように、図５（ａ）の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択された場合や、図６のステップＳ６で、新たなカードを作成することが選択された場合に、新たなメモリカードイメージを作成する過程が開始される。表示部３ｂに、図５（ｃ）に示したような、カード作成のトップ表示が表示される。
【０１０２】
ステップＳ３１では、操作者が入力操作部３ａを操作して、設定するカード（メモリカードイメージ）の容量が入力されると、外部装置３のＣＰＵ２８はメモリカードイメージの記憶容量が入力されたと認識する。容量は、ＨＤＤ２６の空き容量の全容量までを設定することができる。
【０１０３】
ステップＳ３２では、ＨＤＤ２６の空き容量が、入力された容量以上であるか否かを外部装置３のＣＰＵ２８が判定する。空き容量が、入力された容量以下の場合（ステップＳ３２でＮＯ）は、ステップＳ３３へ進む。空き容量が、入力された容量以上の場合（ステップＳ３２でＹＥＳ）は、ステップＳ３４へ進む
【０１０４】
ステップＳ３３では、ＨＤＤ２６の空き容量が入力された容量以上でないため容量設定できない旨のエラー表示を表示部３ｂに表示する。同時に、容量入力を再度行うことを促す表示をして、ステップＳ３１へ戻る。
【０１０５】
ステップＳ３４では、操作者が入力操作部３ａを操作して、設定するカード（メモリカードイメージ）の名称が入力されると、外部装置３のＣＰＵ２８はメモリカードイメージのカード名称が入力されたと認識する。操作者は、例えば、図４に記載した「ＣＦカードａ」などの名称を適宜入力する。
【０１０６】
次のステップＳ３５では、入力された文字数が規定以内か否かを判定する。文字数が規定より多い場合（ステップＳ３５でＮＯ）は、ステップＳ３６へ進む。文字数が規定内の場合（ステップＳ３５でＹＥＳ）は、ステップＳ３７へ進む。
【０１０７】
ステップＳ３６では、文字数が規定外であるため名称設定ができない旨のエラー表示を、表示部３ｂに表示する。同時に、名称の入力を再度行うことを促す表示をして、ステップＳ３４へ戻る。
【０１０８】
ステップＳ３７では、外部装置３のＨＤＤ２６の記憶領域３３に、入力された記憶容量を持つ領域３４を作成する。
【０１０９】
次に、ステップＳ３８では、ステップＳ３７で作成された領域３４に対応するカード識別情報が作成される。上記した各ステップで入力された記憶容量および名称に加えて、作成日時とシリアル番号とが付与される。
【０１１０】
次に、ステップＳ３９では、操作者が入力操作部３ａを操作して、設定するカード（メモリカードイメージ）の仕様が選択されると、外部装置３のＣＰＵ２８はメモリカードイメージの仕様が選択されたと認識する。仕様の選択は、例えば、図５（ｃ）に示したようなＣＦカードなどの公知の記憶装置名称の一覧の中から、ＣＦカードシステム１がエミュレートする記憶装置の名称を選択することで実行することができる。記憶装置名称の一覧に記載された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様は、予めＲＯＭ２９に記憶されており、ＣＰＵ２８は、選択された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様を認識する。
【０１１１】
次に、ステップＳ４０では、ステップＳ３９で認識された記憶装置仕様に対応するカード仕様情報が作成される。
【０１１２】
次に、ステップＳ４１では、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に、カード３７として、カード仕様情報およびカード識別情報からなる固有情報を書き込む。
【０１１３】
次に、ステップＳ４２では、カードの作成終了の表示を表示部３ｂに表示し、カード作成の過程を終了する。
【０１１４】
次に、カードを交換する過程について説明する。カードの交換は、ＣＦカードシステム１がエミュレートしているメモリカードイメージを別のメモリカードイメージに換えることで、ＰＣ４に別のメモリカードが挿着されたと認識させることにより、実行される。図９は、外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャートである。図１０は、挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図であり、図１１は、仮想ＣＦカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャートである。
【０１１５】
通常、仮想ＣＦカード２が挿着されたＰＣ４は、定期的に仮想ＣＦカード２に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っている。仮想ＣＦカード２がポーリングに対して応答することで、ＰＣ４と仮想ＣＦカード２との間の情報処理が円滑に実行される。以下に説明するカード交換の過程が実行されている場合には、ＰＣ４からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても仮想ＣＦカード２は応答しない状態となる。
【０１１６】
最初に、図９に基づいて、外部装置３におけるカード交換の過程を説明する。前記したように、図５（ａ）の管理メニュー表示で、「カード交換」が選択された場合や、図６のステップＳ７で、新たなカード（メモリカードイメージ）が作成された場合や、図６のステップＳ９で、現在のカードとして、外部装置３のＲＯＭ２９に設けられたカード部３６に記憶されているカード３７の中から、新にカードが選択された場合に、カード交換過程が開始される。表示部３ｂに、図５（ｆ）に示したような、カード交換のトップ表示が表示される。
【０１１７】
ステップＳ５１では、交換するカードが選択されたか否かをＣＰＵ２８が判定する。操作者が入力操作部３ａを操作して、交換して使用するメモリカードイメージの名称を選択すると、外部装置３のＣＰＵ２８が、カードが選択されたと認識する。名称の選択は、例えば、図５（ｆ）に示したような名称の一覧の中から選択することで実行することができる。交換するカードが選択されたと認識された場合（ステップＳ５１でＹＥＳ）は、ステップＳ５２へ進む。交換するカードが選択されたと認識されない場合（ステップＳ５１でＮＯ）は、ステップＳ５１を繰り返す。
【０１１８】
ステップＳ５２では、仮想ＣＦカード２へカード交換の指示を送信する。
【０１１９】
次に、ステップＳ５３で、ＰＣ４に対して仮想ＣＦカード２の挿抜をエミュレートするための、仮想ＣＦカード２の挿抜エミュレート回路１６による挿抜処理が終了したという通知を、仮想ＣＦカード２から受信したか否かを判定する。判定は、例えば、仮想メモリカード２へカード交換の指示を送信した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合（ステップＳ５３でＮＯ）は、ステップＳ５４に進む。受信していた場合（ステップＳ５３でＹＥＳ）は、ステップＳ５５に進む。
【０１２０】
ステップＳ５４では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部４ｂに「仮想ＣＦカード２から挿抜処理済みの応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合（ステップＳ５４でＹＥＳ）は、ステップＳ５２へ戻り、仮想ＣＦカード２へのカード交換の指示送信を再度実行する。カード交換を継続しない場合（ステップＳ５４でＮＯ）は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【０１２１】
ステップＳ５３の次に、ステップＳ５５では、仮想ＣＦカード２からカード識別情報及びカード仕様情報の送信の要求を受信したか否かを判定する。判定は、例えば、ステップＳ５３で、挿抜エミュレート回路１６による挿抜処理が終了したという通知を、受信したか否かを判定した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合（ステップＳ５５でＮＯ）は、ステップＳ５６に進む。受信していた場合（ステップＳ５５でＹＥＳ）は、ステップＳ５７に進む。
【０１２２】
ステップＳ５６では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部４ｂに「仮想ＣＦカード２から情報要求の応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合（ステップＳ５６でＹＥＳ）は、ステップＳ５５へ戻り、ステップＳ５５を繰り返す。カード交換を継続しない場合（ステップＳ５６でＮＯ）は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【０１２３】
ステップＳ５７で、仮想ＣＦカード２へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報を送信し、カード交換過程を終了する。
【０１２４】
次に、図１０に基づいて、仮想ＣＦカード２の挿抜エミュレート回路１６の構成について説明する。挿抜エミュレート回路１６は、ＣＰＵ１７からの挿抜処理を指示する切替信号４０を受けて作動を開始するタイマ回路４１と、タイマ回路４１に同調してスイッチをＯＮまたはＯＦＦに切り替えるアナログスイッチ４２と、ＰＣ４のＣＦカードスロット６の端子と接続するためのコネクタ端子４３と、コネクタ端子４３とアナログスイッチ４２とを接続する検出信号線４４および接地信号線４５とを有する。
【０１２５】
この構成によれば、ＰＣ４と接続されていた仮想ＣＦカード２を交換するエミュレーション（仮想挿抜）を実行する場合に、まず、タイマ回路４１がＣＰＵ１７からの挿抜処理を指示する切替信号４０を受ける。切替信号４０を受けると、ＯＮの状態であったアナログスイッチは、ＯＮからＯＦＦに切り替わり、同時にタイマ回路が計時を開始する。タイマ回路４１が、規定された時間、例えば３秒を計時し、３秒経過後にアナログスイッチ４２は、ＯＦＦからＯＮに切り替わる。
【０１２６】
ＰＣ４は、ＣＦカードスロット６の入出力装置２２を介して、仮想ＣＦカード２のコネクタ端子４３からの信号の変化を検出する。アナログスイッチ４２がＯＮからＯＦＦへ切り替わると、検出信号線４４および接地信号線４５がハイ「１」からロー「０」へ変化する。この変化を検出して、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が抜かれたと判断する。続いて、アナログスイッチ４２がＯＦＦからＯＮへ切り替わると、検出信号線４４および接地信号線４５がロー「０」からハイ「１」へ変化する。この変化を検出して、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が挿入されたと判断する。
【０１２７】
このように、仮想ＣＦカード２を実際には抜き差しすることなく、ＰＣ４に対して、仮想ＣＦカード２が交換されたと認識させることができる。従って、仮想挿抜を実行することにより、一枚の仮想ＣＦカード２を複数の仮想ＣＦカード２として使用することができる。
【０１２８】
次に、図１１に基づいて、仮想ＣＦカード２におけるカード交換の過程を説明する。ステップＳ６１で、図９のステップＳ５２で、外部装置３から送信されたカード交換の指示を受信する。仮想ＣＦカード２のＣＰＵ１７は、このカード交換の指示を受信してカード交換の過程を開始する。
【０１２９】
次のステップＳ６２では、ＣＰＵ１７が、カード挿抜をエミュレートする挿抜処理のための切替信号４０を、挿抜エミュレート回路１６へ出力する。
【０１３０】
次のステップＳ６３では、切替信号４０により、挿抜エミュレート回路１６は、アナログスイッチ４２をＯＮからＯＦＦに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が抜かれたと判断する。
【０１３１】
ステップＳ６４では、アナログスイッチ４２をＯＮからＯＦＦに切り替えてから、３秒の規定時間が経過する間、アナログスイッチ４２をＯＦＦした状態を維持する。
【０１３２】
ステップＳ６５では、アナログスイッチ４２をＯＦＦからＯＮに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、ＰＣ４は仮想ＣＦカード２が挿入されたと判断する。
【０１３３】
ステップＳ６６では、外部装置３へ仮想ＣＦカード２の挿抜処理終了の通知を送信する。これによって、図９に示したステップＳ５３において、ＰＣ４に対して仮想ＣＦカード２の交換をエミュレートするための、仮想ＣＦカード２の挿抜エミュレート回路１６による挿抜処理が終了したという通知を、仮想ＣＦカード２から受信したという判定がなされる。
【０１３４】
ステップＳ６７では、外部装置３へ、カード識別情報及びカード仕様情報の要求を送信する。挿抜処理終了に伴ない、ＰＣ４に対して、新しいメモリカードイメージとして動作するために、交換後の新しいメモリカードイメージの識別情報及びカード仕様情報を外部装置３に要求する。この要求に対して、図９に示したステップＳ５７で、仮想ＣＦカード２へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報が送信される。
【０１３５】
ステップＳ６８では、外部装置３からカード識別情報及びカード仕様情報を受信したか否かを判定する。受信していない場合（ステップＳ６８でＮＯ）は、ステップＳ６６に戻り、ステップＳ６６及びステップＳ６７を繰り返す。受信していた場合（ステップＳ６８でＹＥＳ）は、ステップＳ６９に進む。
【０１３６】
ステップＳ６９では、受信したカード識別情報及びカード仕様情報をエミュレートするメモリカードイメージのカード識別情報及びカード仕様情報としてＲＯＭ１８のカード部３８に記憶する。そして、ＰＣ４に対して、カード部３８に記憶されたカード仕様情報の仕様を有するメモリカードとして動作する。
【０１３７】
なお、前記したように、仮想ＣＦカード２が挿着されたＰＣ４は、定期的に仮想ＣＦカード２に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っており、仮想ＣＦカード２のＣＰＵ１７が応答している。しかし、ステップＳ６２で、切替信号４０を、挿抜エミュレート回路１６へ出力してから、ステップＳ６９で、カード識別情報及びカード仕様情報をカード部３８に記憶する間は、ＰＣ４からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても、ＣＰＵ１７は応答しない状態となる。
【０１３８】
次に、ＣＦカードシステム１を起動装置として使用して、ＰＣ４を起動させる過程を説明する。ＣＦカードは、起動装置として使用することができる規格の入出力装置を有することから、ＣＦカードシステム１を起動装置として使用することができる。図１２は、ＣＦカードシステムを起動装置として使用して、ＰＣを起動させる過程を示すシーケンス図である。ＰＣ４及びＣＦカードシステム１を操作する操作者は、図５（ａ）に示した一覧から「カード作成」を選択する。そして、図５（ｃ）を基に説明した「カード作成」過程を外部装置３に実行させて、ＰＣ４を駆動できる基本ソフト（ＯＳ）をインストールするための領域３４を、ＨＤＤ２６内に予め作成する。次に、図５（ａ）に示した一覧から「プログラムインストール」を選択して、図５（ｄ）を基に説明した「プログラムインストール」を実行して、「カード作成」で作成した領域３４に基本ソフトをインストールする。基本ソフトとしては、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）シリーズ、ＬｉｎｕｘなどのＵＮＩＸ（登録商標）系のＯＳ、などが挙げられる。前記したように、外部装置３には複数の領域３４を設定することが可能であり、複数の基本ソフトを１台の外部装置３に、予めインストールしておくことができる。
【０１３９】
ＰＣ４を、ＣＦカードシステム１を起動装置として起動させる前に、起動ソフトとして使用する基本ソフトを選択する。操作としては、図５（ａ）の管理メニュー表示で、「カード交換」を選択し、起動ソフトとして使用する基本ソフトがインストールされている領域３４に付けた名称を選択する。外部装置３において、図９に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域３４を記憶部とする、メモリカードイメージが選択される。さらに、仮想ＣＦカード２において、図１１に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域３４を記憶部とする、メモリカードイメージをＣＦカードシステム１がエミュレートすることができるようになる。
【０１４０】
ＰＣ４を、ＣＦカードシステム１を起動装置として起動させるためには、ＣＦカードスロット６に挿着されるＣＦカードを起動優先順が最優先の装置として、予め設定する。仮想ＣＦカード２を挿着したＰＣ４を、操作者がリセット操作すると、ＰＣ４は、仮想ＣＦカード２にアクセスして、基本ソフトを読み込もうとする。仮想ＣＦカード２及び外部装置３は、図６および図７に基づいて説明した通信開始過程を実行して、ＣＦカードシステム１がメモリカードイメージをエミュレート可能な状態となる。ＰＣ４は、ＣＦカードシステム１がエミュレートしているメモリカードイメージの記憶部にアクセスするため、メモリカードイメージの記憶部として設定されている領域３４にアクセスし、アクセスした領域３４に記憶されている基本ソフトを読み込んで起動することができる。
【０１４１】
なお、使用カードとして設定されている領域３４に基本ソフトが記憶されていなかった場合には、ＰＣ４は、起動優先順が次の装置から基本ソフトを読み込んで起動する。従って、領域３４に基本ソフトが記憶されており、起動装置として使用できるＣＦカードシステム１であっても、基本ソフトが記憶されていない別の領域３４をメモリカードイメージの記憶部として設定することで、起動装置としてだけでなく、一般的なメモリカードとしても使用できる。また、通信開始過程が実行されても仮想ＣＦカード２と外部装置３とが通信可能とならない場合には、ＣＦカードシステム１はメモリカードとして機能しない。従って、ＣＦカードシステム１を起動装置として使用しない場合には、外部装置３の電源を落とすなどの処置によって、仮想ＣＦカード２をＰＣ４のＣＦカードスロット６に挿着したままで、ＰＣ４がＣＦカードスロット６にはＣＦカードが挿着されていないと認識するようにしてもよい。
【０１４２】
この実施形態によれば、以下の効果が得られる。
（１）ＣＦカードシステム１は、ＣＦカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２と、ＨＤＤ２６を備えた外部装置３と、で構成されている。従って、ＨＤＤ２６の記憶容量を変えるだけで、仮想ＣＦカード２の形状大きさに影響を及ぼすことなく、ＣＦカードシステム１の記憶容量を大きくすることができる。
【０１４３】
（２）ＣＦカードシステム１は、ＣＦカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想ＣＦカード２と、ＨＤＤ２６を備えた外部装置３と、で構成されている。従って、ＣＦカードとしてＰＣ４に挿着可能であって、ＨＤＤ２６の持つ大きな記憶容量を備えたＣＦカードを実現することができる。
【０１４４】
（３）仮想ＣＦカード２の入出力装置１１は、構成が公知のＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式である。従って、ＣＦカードシステム１をＰＣ４の起動装置として使用することができる。
【０１４５】
（４）仮想ＣＦカード２の入出力装置１１は、構成がＣＦカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、ＣＦカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、ＰＣ４のＣＦカードスロット６に設けられた入出力装置２２に接続可能である。従って、ＰＣ４のハードウエアに改良を加えることは全く必要とせずに、大容量の外部記憶装置を使用することができる。
【０１４６】
（５）仮想ＣＦカード２には、挿抜エミュレート回路１６が設けられており、仮想ＣＦカード２をＣＦカードスロット６から脱着することなく、仮想ＣＦカード２がＣＦカードスロット６から抜かれて、異なる仮想ＣＦカード２が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。従って、実際に挿抜を行う回数を減少させることで、接続端子の磨耗を抑制することができる。また、ＣＦカードスロット６から抜かれた単体の仮想ＣＦカード２を紛失したり、破損したりする可能性を小さくすることができる。
【０１４７】
（６）外部装置３のＨＤＤ２６は、複数の領域３４を形成することが可能で、各領域３４を記憶部とするメモリカードイメージを形成し、各メモリカードイメージをＣＦカードシステム１が個別にエミュレートする。従って、一つのＣＦカードシステム１を恰も複数のメモリカードであるかのように使用することができる。
【０１４８】
（７）通信開始過程が実行されても仮想ＣＦカード２と外部装置３とが通信可能とならない場合には、ＣＦカードシステム１はメモリカードとして機能しない。従って、外部装置３の電源を落とすなどの処置によって、仮想ＣＦカード２をＰＣ４のＣＦカードスロット６に挿着したままで、ＰＣ４がＣＦカードスロット６にはＣＦカードが挿着されていないと認識し、ＣＦカードシステム１が起動ドライブとして機能しないようにすることができる。
【０１４９】
本発明の実施形態は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【０１５０】
（変形例１）前記実施形態において、ＣＦカードシステムは一台の外部装置を備えていたが、ＣＦカードシステムが備える外部装置は複数であってもよい。外部装置のＨＤＤの記憶領域に形成されて、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域に代えて、複数の外部装置のそれぞれが備える記憶部が、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする構成でもよい。勿論、複数の外部装置のそれぞれが複数の領域を有する構成であってもよい。
【０１５１】
（変形例２）前記実施形態において、情報処理装置は、ＰＣであったが、情報処理装置がＰＣであることは必須ではない。例えば、工作機械の制御装置や、ＰＯＳ（Point Of Sale）用端末装置であってもよい。工作機械の制御装置や、ＰＯＳ用端末装置は、専用の基本ソフトを使用して、基本ソフトの上で動くアプリケーションソフトは使用せずに稼動するものがあり、そのような装置においては、本発明の周辺処理システムを使用して、複数の基本ソフトを使い分けることにより、容易に異なる装置として稼動させることができる。また、故障診断プログラムなどのように、通常時は使用しないが、緊急的に必要になる場合がある特殊なソフトを、常時、直ちに使用に供せる状態で保持することができる。
【０１５２】
（変形例３）前記実施形態において、仮想ＣＦカードは、ＣＦカードとして情報処理装置に認識されるものであったが、仮想ＣＦカードはＣＦカードに限らない。起動装置とすることができる接続方式を備えた装置であれば、どのような装置であっても良い。
【０１５３】
（変形例４）前記実施形態において、データ記憶部としてＨＤＤを用いたが、データ記憶部としてＨＤＤを用いることは必須ではない。ＨＤＤ以外のＤＶＤ、光ディスク、大容量半導体メモリなどでも良い。
【０１５４】
（変形例５）前記実施形態において、仮想ＣＦカードと外部装置との通信は、電波を使用する無線通信であったが、通信手段は電波を使用する無線通信に限らない。有線であっても良いし、赤外線を用いた通信でもよい。
【０１５５】
（変形例６）仮想ＣＦカードのＲＯＭおよびＲＡＭと外部装置のＲＯＭおよびＲＡＭとは、仮想ＣＦカードのＣＰＵまたは外部装置のＣＰＵとそれぞれ同一のチップに一緒に内蔵される構成であっても良い。機能的には同様であり、まとめて一個のパーツとなっておれば実装工程の短縮が図れる。
【０１５６】
（変形例７）外部装置として、外部装置の管理プログラムを搭載したパーソナルコンピュータ（ＰＣ）やホームサーバを用いて、周辺処理装置を構成しても良い。既設のＰＣ等を使用することで、新たに外部装置を作成することが不要となり、初期導入の費用を低減することができる。
【０１５７】
（変形例８）前記実施形態において、基本ソフトのインストールは、外部装置に設けられたドライブ装置から入力していたが、外部装置にドライブ装置を設けることは必須ではない。基本ソフトのインストールは、ＰＣからＣＦカードシステムを選択して、ＰＣに備えられた入力装置から入力してもよい。
【０１５８】
（変形例９）前記実施形態において、仮想ＣＦカードが挿着されるのはＣＦカードスロットであったが、仮想ＣＦカードが挿着されるのは、ＣＦカードスロットなどのメモリカードスロットに限らない。例えば、メモリスティック（登録商標）（Memory Stick）が挿着されるＵＳＢ端子のようなものであっても良い。
【０１５９】
上記した実施の形態および変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
（技術的思想１） 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする周辺処理システム。
【０１６０】
（技術的思想２） 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする周辺処理システム。
【０１６１】
（技術的思想３） 前記請求項に記載の接続装置であって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする接続装置。
【０１６２】
（技術的思想４） 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部通信部と前記接続装置の前記接続通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする外部装置。
【０１６３】
（技術的思想５） 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする外部装置。
【０１６４】
（技術的思想６） 請求項１に記載の周辺処理システムにおいて、前記周辺機器は、メモリスティックであり、前記挿着部は、ＵＳＢ接続端子であることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【図面の簡単な説明】
【０１６５】
【図１】ＣＦカードシステムと、ＰＣとの外観斜視図。
【図２】仮想ＣＦカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図３】外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図４】ＣＦカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【図５】外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す模式図。
【図６】外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図７】仮想ＣＦカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図８】カード作成の過程を示すフローチャート。
【図９】外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図１０】挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図。
【図１１】仮想ＣＦカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図１２】ＣＦカードシステムを起動装置として使用して、ＰＣを起動させる過程を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【０１６６】
１…ＣＦカードシステム、２…仮想ＣＦカード、３…外部装置、３ａ…入力操作部、３ｂ…表示部、３ｃ…ドライブ装置、４…ＰＣ、４ａ…入力ボード、６…ＣＦカードスロット、１１…入出力装置、１２…無線通信コントローラ、１４…無線モジュール、１６…挿抜エミュレート回路、１７…ＣＰＵ、１８…ＲＯＭ、１９…ＲＡＭ、２２…入出力装置、２３…無線モジュール、２６…ＨＤＤ、２８…ＣＰＵ、２９…ＲＯＭ、３１…ＲＡＭ、３４…領域、３６，３８…カード部、４０…切替信号、４１…タイマ回路、４２…アナログスイッチ、４３…コネクタ端子、４４…検出信号線、４５…接地信号線。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、
前記接続装置は、
前記情報処理装置との接続方式が前記情報処理装置を起動可能な接続方式であって、前記挿着部に挿着可能な前記周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部とを制御する接続制御部と、を備え、
前記外部装置は、
前記接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する外部装置制御部と、を備えることを特徴とする周辺処理システム。
【請求項２】
前記接続装置は、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に入力される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【請求項３】
前記接続方式は、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【請求項４】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項１又は２に記載の周辺処理システム。
【請求項５】
前記メモリカードは、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることを特徴とする、請求項４に記載の周辺処理システム。
【請求項６】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【請求項７】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項６に記載の周辺処理システム。
【請求項８】
前記領域の少なくとも一つには前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項７に記載の周辺処理システム。
【請求項９】
前記周辺処理システムは複数の前記外部装置を備え、一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項６に記載の周辺処理システム。
【請求項１０】
前記外部データ記憶部の少なくとも一つには前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項９に記載の周辺処理システム。
【請求項１１】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、前記各領域毎に付与されていることを特徴とする、請求項７又は８に記載の周辺処理システム。
【請求項１２】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、前記各外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする、請求項９又は１０に記載の周辺処理システム。
【請求項１３】
前記外部装置は、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項１１又は１２に記載の周辺処理システム。
【請求項１４】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域又は前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項１３に記載の周辺処理システム。
【請求項１５】
前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部に付与された前記識別情報及び前記仕様情報は、前記接続装置に送信されて、前記接続装置内に記憶されていることを特徴とする、請求項１１乃至１４のいずれか１項に記載の周辺処理システム。
【請求項１６】
請求項１に記載の周辺処理システムを構成する接続装置であって、
前記情報処理装置との接続方式が前記情報処理装置を起動可能な接続方式であって、前記挿着部に挿着可能な前記周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、前記外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部とを制御する接続制御部と、を備えることを特徴とする接続装置。
【請求項１７】
前記接続装置は、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に入力される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項１６に記載の接続装置。
【請求項１８】
前記接続方式は、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることを特徴とする、請求項１６に記載の接続装置。
【請求項１９】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項１６に記載の接続装置。
【請求項２０】
前記メモリカードは、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることを特徴とする、請求項１９に記載の接続装置。
【請求項２１】
請求項１に記載の周辺処理システムを構成する外部装置であって、
前記接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする外部装置。
【請求項２２】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項２１に記載の外部装置。
【請求項２３】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項２２に記載の外部装置。
【請求項２４】
前記領域の少なくとも一つには前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項２３に記載の外部装置。
【請求項２５】
前記周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、
複数の前記外部装置の中の一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項２２に記載の外部装置。
【請求項２６】
前記外部データ記憶部の少なくとも一つには、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項２５に記載の外部装置。
【請求項２７】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、前記各領域毎に付与されていることを特徴とする請求項２３又は２４に記載の外部装置。
【請求項２８】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、前記各外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする請求項２５又は２６に記載の外部装置。
【請求項２９】
前記外部装置は、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項２７又は２８に記載の外部装置。
【請求項３０】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項２９に記載の外部装置。
【請求項３１】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
受信した前記指令情報を、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、
前記外部装置が前記指令情報を受信するステップと、
受信した前記指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、
前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から前記接続装置に前記応答を送信するステップと、
前記接続装置から前記情報処理装置に前記応答を送信するステップと、を有する、ことを特徴とする処理方法。
【請求項３２】
前記データ及び前記情報処理装置からの前記指令の少なくとも一つからなる前記指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップにおいて受信した前記指令が起動セクタを読み込む前記指令である場合には、
前記外部装置から前記接続装置に前記応答を送信するステップと、前記接続装置から前記情報処理装置に前記応答を送信するステップと、において送信される前記応答は、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであることを特徴とする、請求項３１に記載の処理方法。
【請求項３３】
前記外部データ記憶部を複数の領域に分割し、前記領域を判別するための識別情報、及び前記領域の仕様を示す仕様情報を、前記各領域毎に付与するステップと、
指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする使用領域として指定された前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記外部装置内に記憶するステップと、
前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置に送信して、前記接続装置内に記憶するステップと、
前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置内に記憶するのに伴ない、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に送信される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することを特徴とする、請求項３１又は３２に記載の処理方法。
【請求項３４】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、前記情報処理装置から受信し、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信した、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップと、
受信した前記指令情報に従って、指示された処理をコンピュータが実行するステップと、
前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から前記接続装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項３５】
請求項３４に記載のプログラムであって、
前記データ及び前記情報処理装置からの前記指令の少なくとも一つからなる前記指令情報を、コンピュータが受信するステップにおいて受信した前記指令が、起動セクタを読み込む前記指令である場合には、
前記外部装置から前記接続装置に前記応答をコンピュータが送信するステップにおいて送信される前記応答が、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項３６】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置のコンピュータが、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
受信した前記指令情報を、コンピュータが、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信させるステップと、
前記指令情報に従って、指示された処理を実行し、前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、
前記情報処理装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項３７】
請求項３６に記載のプログラムであって、
前記データ及び前記情報処理装置からの前記指令の少なくとも一つからなる前記指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップにおいて受信した前記指令が起動セクタを読み込む前記指令である場合には、
前記外部装置から送信されてくる前記応答をコンピュータが受信するステップと、前記情報処理装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、において送受信される前記応答が、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項１】
情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、
前記接続装置は、
前記情報処理装置との接続方式が前記情報処理装置を起動可能な接続方式であって、前記挿着部に挿着可能な前記周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部とを制御する接続制御部と、を備え、
前記外部装置は、
前記接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する外部装置制御部と、を備えることを特徴とする周辺処理システム。
【請求項２】
前記接続装置は、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に入力される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【請求項３】
前記接続方式は、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【請求項４】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項１又は２に記載の周辺処理システム。
【請求項５】
前記メモリカードは、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることを特徴とする、請求項４に記載の周辺処理システム。
【請求項６】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項１に記載の周辺処理システム。
【請求項７】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項６に記載の周辺処理システム。
【請求項８】
前記領域の少なくとも一つには前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項７に記載の周辺処理システム。
【請求項９】
前記周辺処理システムは複数の前記外部装置を備え、一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項６に記載の周辺処理システム。
【請求項１０】
前記外部データ記憶部の少なくとも一つには前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項９に記載の周辺処理システム。
【請求項１１】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、前記各領域毎に付与されていることを特徴とする、請求項７又は８に記載の周辺処理システム。
【請求項１２】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、前記各外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする、請求項９又は１０に記載の周辺処理システム。
【請求項１３】
前記外部装置は、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項１１又は１２に記載の周辺処理システム。
【請求項１４】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域又は前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項１３に記載の周辺処理システム。
【請求項１５】
前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部に付与された前記識別情報及び前記仕様情報は、前記接続装置に送信されて、前記接続装置内に記憶されていることを特徴とする、請求項１１乃至１４のいずれか１項に記載の周辺処理システム。
【請求項１６】
請求項１に記載の周辺処理システムを構成する接続装置であって、
前記情報処理装置との接続方式が前記情報処理装置を起動可能な接続方式であって、前記挿着部に挿着可能な前記周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、前記外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部とを制御する接続制御部と、を備えることを特徴とする接続装置。
【請求項１７】
前記接続装置は、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に入力される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項１６に記載の接続装置。
【請求項１８】
前記接続方式は、ハードディスクドライブの入出力規格に準拠する接続方式であることを特徴とする、請求項１６に記載の接続装置。
【請求項１９】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項１６に記載の接続装置。
【請求項２０】
前記メモリカードは、コンパクトフラッシュ（登録商標）メモリカードであることを特徴とする、請求項１９に記載の接続装置。
【請求項２１】
請求項１に記載の周辺処理システムを構成する外部装置であって、
前記接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする外部装置。
【請求項２２】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項２１に記載の外部装置。
【請求項２３】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項２２に記載の外部装置。
【請求項２４】
前記領域の少なくとも一つには前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項２３に記載の外部装置。
【請求項２５】
前記周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、
複数の前記外部装置の中の一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項２２に記載の外部装置。
【請求項２６】
前記外部データ記憶部の少なくとも一つには、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムが記憶されていることを特徴とする、請求項２５に記載の外部装置。
【請求項２７】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、前記各領域毎に付与されていることを特徴とする請求項２３又は２４に記載の外部装置。
【請求項２８】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、前記各外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする請求項２５又は２６に記載の外部装置。
【請求項２９】
前記外部装置は、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項２７又は２８に記載の外部装置。
【請求項３０】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項２９に記載の外部装置。
【請求項３１】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
受信した前記指令情報を、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、
前記外部装置が前記指令情報を受信するステップと、
受信した前記指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、
前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から前記接続装置に前記応答を送信するステップと、
前記接続装置から前記情報処理装置に前記応答を送信するステップと、を有する、ことを特徴とする処理方法。
【請求項３２】
前記データ及び前記情報処理装置からの前記指令の少なくとも一つからなる前記指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップにおいて受信した前記指令が起動セクタを読み込む前記指令である場合には、
前記外部装置から前記接続装置に前記応答を送信するステップと、前記接続装置から前記情報処理装置に前記応答を送信するステップと、において送信される前記応答は、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであることを特徴とする、請求項３１に記載の処理方法。
【請求項３３】
前記外部データ記憶部を複数の領域に分割し、前記領域を判別するための識別情報、及び前記領域の仕様を示す仕様情報を、前記各領域毎に付与するステップと、
指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする使用領域として指定された前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記外部装置内に記憶するステップと、
前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置に送信して、前記接続装置内に記憶するステップと、
前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置内に記憶するのに伴ない、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に送信される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することを特徴とする、請求項３１又は３２に記載の処理方法。
【請求項３４】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置が、前記情報処理装置から受信し、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信した、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、コンピュータが受信するステップと、
受信した前記指令情報に従って、指示された処理をコンピュータが実行するステップと、
前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から前記接続装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項３５】
請求項３４に記載のプログラムであって、
前記データ及び前記情報処理装置からの前記指令の少なくとも一つからなる前記指令情報を、コンピュータが受信するステップにおいて受信した前記指令が、起動セクタを読み込む前記指令である場合には、
前記外部装置から前記接続装置に前記応答をコンピュータが送信するステップにおいて送信される前記応答が、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項３６】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置のコンピュータが、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
受信した前記指令情報を、コンピュータが、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信させるステップと、
前記指令情報に従って、指示された処理を実行し、前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、
前記情報処理装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項３７】
請求項３６に記載のプログラムであって、
前記データ及び前記情報処理装置からの前記指令の少なくとも一つからなる前記指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップにおいて受信した前記指令が起動セクタを読み込む前記指令である場合には、
前記外部装置から送信されてくる前記応答をコンピュータが受信するステップと、前記情報処理装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、において送受信される前記応答が、前記情報処理装置を駆動するためのシステムプログラムであるようにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２００６−１４６６３９（Ｐ２００６−１４６６３９Ａ）
【公開日】平成１８年６月８日（２００６．６．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３３６９８６（Ｐ２００４−３３６９８６）
【出願日】平成１６年１１月２２日（２００４．１１．２２）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．Ｌｉｎｕｘ
２．ＣＯＭＰＡＣＴＦＬＡＳＨ
３．Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年６月８日（２００６．６．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１１月２２日（２００４．１１．２２）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．Ｌｉｎｕｘ
２．ＣＯＭＰＡＣＴＦＬＡＳＨ
３．Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
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